(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第3ゾーンと前記第4ゾーンとの間に、前記自動封函機の処理能力を上げるためのバッファーゾーンをさらに備えることを特徴とする請求項4記載の出荷箱自動封函及びラベリングシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、インターネットを利用した通信販売の伸びに起因して宅配便の取り扱い数が急増し、これに伴って、特に個人向け宅配便の再配達による社会的損失が問題となっている。
【0006】
その対策の一つとして、宅配便の配達時に受取人が不在だった場合、商品が入った段ボール箱等の出荷箱を予め受取人が指定した郵便受けなどに投入することで配送を完了させる「ポストイン」が普及しつつある。
【0007】
郵便受けを利用するポストイン方式では、例えば縦×横=A4サイズ以内、高さ20〜30mm以内といった薄型サイズの出荷箱が利用される。
【0008】
しかしながら、前述した自動封函装置を用いた出荷作業ラインに薄型サイズのポストイン用出荷箱を投入して自動封函及び自動テーピングを行う場合、次のような課題が生じる。
【0009】
従来、自動封函装置を用いて段ボール箱等の出荷箱を自動封函及び自動テーピングする場合、出荷箱の一方の側面から上面を経て他方の側面に至る領域に梱包テープを貼り付ける作業を行われる。
【0010】
ところが、上記した郵便受け投入用の出荷箱の場合、側面の高さが20〜30mm程度と極めて薄い(低い)ため、梱包テープの端部を出荷箱の側面に自動で貼り付けることが困難である。
【0011】
また、仮に梱包テープの端部を出荷箱の側面に自動で貼り付けることができたとしても、出荷箱の側面と梱包テープとの接触面積が狭いため、搬送途中の振動などによって梱包テープが剥離し、出荷箱内の商品が外部に露出してしまうといったトラブルが発生する恐れもある。
【0012】
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みて案出されたものであり、その目的は、側面の高さが低い薄型出荷箱であっても、梱包テープを確実に貼り付けることができる出荷箱自動封函装置、並びにそれを用いた出荷箱自動封函及びラベリングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る出荷箱自動封函装置は、出荷箱の外部に露出する一対の内フラップを前記出荷箱の内側に折り込む内フラップ折り込み機構と、前記出荷箱の外部に露出する一対の外フラップを前記出荷箱の内側に折り込む外フラップ折り込み機構と、前記内フラップ及び前記外フラップが内側に折り込まれた前記出荷箱の底面の一端から、前記底面の一端に接する一方の側面、上面、及び前記一端に対向する他方の側面を経て前記底面の一端に対向する他端に至る領域に梱包テープを貼り付けるテーピング機構と、を備える。
【0014】
本発明の第2の態様に係る出荷箱自動封函装置は、前記第1の態様において、前記出荷箱の前記側面の高さが30mm以下である。
【0015】
本発明の第3の態様に係る出荷箱自動封函装置は、前記第1または第2の態様において、前記出荷箱がポストイン可能なケースである。
【0016】
本発明の第4の態様に係る出荷箱自動封函及びラベリングシステムは、商品及び当該商品の出荷先情報を含む納品書が収容された未封函状態の出荷箱が投入される第1ゾーンと、前記第1ゾーンの下流に位置し、前記第1ゾーンから搬送された前記出荷箱に収容された前記納品書をスキャンして前記出荷先情報を読み取る第1スキャナが設置された第2ゾーンと、前記第2ゾーンの下流に位置し、前記第2ゾーンから搬送された前記出荷箱に対して自動封函及び自動テーピング処理を施す、前記第1〜第3のいずれかの態様に記載された出荷箱自動封函装置が設置された少なくとも一つの第3ゾーンと、前記第3ゾーンの下流に位置し、前記第3ゾーンから搬送された前記出荷箱の表面に前記商品の出荷先情報を含む送り状を貼付する送り状発行・貼付機、及び前記出荷箱の表面に貼付された前記送り状をスキャンして前記出荷先情報を読み取る第2スキャナが設置された第4ゾーンと、を含む出荷作業ラインを備え、前記第2ゾーンの前記第1スキャナが読み取った前記納品書の前記出荷先情報をPLC(programmable logic controller)に送信し、前記出荷先情報を受信した前記PLCは、前記出荷作業ラインの設備に対して前記第2ゾーンの前記出荷箱を前記第3ゾーンに搬送するよう指示すると共に、前記出荷先情報を前記PLC内の前記第2ゾーンに対応する第2データ領域から前記第3ゾーンに対応する第3データ領域へシフトする第1ステップと、前記第3ゾーンに設置された第1出荷箱検出手段によって前記第3ゾーン内に1個の出荷箱が存在することが確認された場合、前記第1出荷箱検出手段は、前記出荷箱を検知した信号を前記PLCに送信し、前記信号を受信した前記PLCは、前記出荷先情報が前記第3データ領域に存在するか否かを確認し、前記出荷先情報が前記第3データ領域に存在する場合には、前記出荷箱自動封函装置に対して前記出荷箱の封函作業の開始を指示する第2ステップと、前記出荷箱自動封函装置が前記封函作業の完了信号を前記PLCに送信すると、前記完了信号を受信した前記PLCは、前記出荷作業ラインの設備に対して前記第3ゾーンの前記出荷箱を前記第4ゾーンに搬送するよう指示すると共に、前記出荷先情報を前記第3データ領域から前記PLC内の前記第4ゾーンに対応する第4データ領域へシフトする第3ステップと、前記第4ゾーンに設置された第2出荷箱検出手段によって前記第4ゾーン内に1個の出荷箱が存在することが確認されると、前記第2出荷箱検出手段は、前記出荷箱を検知した信号を前記PLCに送信し、前記信号を受信した前記PLCは、前記出荷先情報が前記第4データ領域に存在するか否かを確認し、前記出荷先情報が前記第4データ領域に存在する場合には、前記送り状発行・貼付機に対して送り状の発行及び貼付を指示し、前記発行及び貼付信号を受信した前記送り状発行・貼付機は、前記送り状情報を含む送り状を発行して前記出荷箱の表面に貼付する第4ステップと、前記第4ゾーンの前記第2スキャナによって読み取られた前記出荷箱の表面の前記送り状に書き込まれた前記出荷先情報と前記第2ゾーンの前記第1スキャナによって読み取られた前記出荷先情報とを照合する第5ステップと、を含む出荷箱自動封函及びラベリングシステム。
【0017】
本発明の第5の態様に係る出荷箱自動封函及びラベリングシステムは、前記第4の態様において、前記第3ゾーンと前記第4ゾーンとの間に、前記自動封函機の処理能力を上げるためのバッファーゾーンをさらに備える。
【0018】
本発明の第6の態様に係る出荷箱自動封函及びラベリングシステムは、前記第4または第5の態様において、前記第3ゾーンから前記第4ゾーンまでの出荷作業ラインの設備全体がカバーにより被覆されている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、側面の高さが低い薄型出荷箱であっても、梱包テープを確実に貼り付けることができる出荷箱自動封函装置、並びにそれを用いた出荷箱自動封函及びラベリングシステムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0022】
図1は、本実施形態に係る出荷箱自動封函装置を含む出荷作業ラインの主要部側面図、
図2は、本実施形態に係る出荷箱自動封函及びラベリングシステムの概念図である。
【0023】
さらに、本実施形態で用いる出荷箱10は、宅配業者が郵便受けに置き配できるよう、郵便受けの差し込み口よりも小さいサイズ(縦×横=A4サイズ以内、高さ=20〜30mm以内)で構成されている。
【0024】
図1に示すように、本実施形態の出荷作業ラインは、出荷箱自動封函装置100の上流に位置し、出荷箱10が投入されるゾーン1と、ゾーン1に投入された出荷箱10内の納品書に記載されたバーコードを読み取るスキャナ(第1スキャナ)30が設置されたゾーン2と、出荷箱自動封函装置100の内部に位置するゾーン3〜ゾーン5と、出荷箱自動封函装置100の下流に位置するゾーン6(バッファー領域)と、送り状発行・貼付機31及び送り状読み取り用スキャナ(第2スキャナ)32が設置されたゾーン7とに区画されている。
【0025】
ゾーン1に投入される出荷箱10は、未封函状態にあり、その内部には商品と当該商品に関する情報(商品の出荷先、商品の種類・数量・単価等)が書き込まれたバーコードが印字された納品書が収容されている。
図2に示すように、納品書は、印字されたバーコードが出荷箱10の外部から視認できるよう、商品の上に置かれている。ただし、納品書の印字は、バーコードに限定はされない。
【0026】
出荷箱自動封函装置100内のゾーン3では、商品及び納品書が収容された出荷箱10の内フラップ12を折り込む作業が行われ、ゾーン4及びゾーン5では、当該出荷箱10の外フラップ11を折り込む作業、及び当該出荷箱10の外周に梱包テープを貼り付けて封函する作業が行われる。
【0027】
ゾーン3には内フラップ折り込み機構101が設置されており、ゾーン4には一対の外フラップ折り込みバー(外フラップ折り込み機構)102A(図には外フラップ折り込みバー102Aの一方のみが示されている)を備えたテーピング機構102が設置されている。テーピング機構102には、OPP粘着テープなどからなる梱包テープ103がロール状に装着されている。
【0028】
商品及び納品書が収容された出荷箱10は、出荷作業ラインのゾーン1に1個ずつ投入され、コンベア40A、40B、40Cによってゾーン1からゾーン7に向けて順番に送られる。各ゾーンには、互いに独立したコンベア駆動用のモータが設置されており、特定のゾーンのコンベアのみを走行させたり停止させたりすることができるように構成されている。
【0029】
図示は省略するが、出荷作業ラインの各ゾーン(ゾーン1〜ゾーン7)には、コンベア上を移動する出荷箱10の存在を検知する複数個のセンサが設置されており、これらのセンサが出荷箱10の存在を検知すると、その信号がPLC(programmable logic controller)(
図2参照)に送信されるように構成されている。
【0030】
PLCは、出荷作業ラインの全工程を一元管理する制御システムであり、出荷作業ラインのゾーン1〜ゾーン7のそれぞれに対応する複数のデータ領域間でデータをシフトする機能と、各ゾーン(ゾーン1〜ゾーン7)に存在している出荷箱10の数をカウントするカウント機能とを備えている。
【0031】
以下、
図3〜
図9を参照しながら本実施形態に係る出荷箱自動封函及びラベリングシステムについて詳述する。
【0032】
先ず、出荷作業ラインのすべてのゾーン(ゾーン1〜ゾーン7)に出荷箱10が置かれていないこと、ゾーン7に設置された送り状発行・貼付機31内のデータがクリア状態になっていること、PLC内のデータ領域がクリア状態になっていること、及び出荷箱カウントの値が0になっていること等の条件が満たされていることが確認されると、出荷作業ラインの設備が稼働を開始する。
【0033】
<ステップ1>
出荷作業ラインの設備が稼働を開始すると、作業者は、商品20及び納品書21が入った1個目の出荷箱10をゾーン1のコンベア40Aに載せる。このとき、ゾーン1に同時に2個以上の出荷箱10が投入された場合(ゾーン1に設置されたセンサがゾーン1内で同時に2個以上の出荷箱10の存在を検知した場合)には警報が発せられ、コンベア40A、40B、40Cが停止する。
【0034】
この場合、コンベア40A、40B、40Cの運転を再開するには、作業者がゾーン1内のすべての出荷箱10を取り除くことが条件となる。そして、コンベア40A、40B、40Cの運転が再開すると、作業者は改めて1個目の出荷箱10をゾーン1のコンベア40Aに載せる。なお、図示は省略するが、コンベア40Aとは別途に第2のコンベアをゾーン1に隣接して設け、当該第2のコンベアからゾーン1のコンベア40Aに出荷箱10を供給するようにしてもよい。
【0035】
<ステップ2>
1個目の出荷箱10がゾーン1からゾーン2に送られると、作業者は、2個目の出荷箱10をゾーン1のコンベア40Aに載せる。ゾーン2に送られた出荷箱10は、ゾーン2に設置されたセンサによってその存在が検知される。
【0036】
この場合も、ゾーン2のセンサがゾーン2内で同時に2個以上の出荷箱10の存在を検知した場合には警報が発せられ、コンベア40A、40B、40Cが停止する。また、ゾーン1のセンサが出荷箱10の存在を検知してから一定時間が経過してもゾーン2のセンサが出荷箱10の存在を検知しない場合には、ゾーン1からゾーン2への途中で出荷箱10が抜き取られたものと判断されて警報が発せられ、コンベア40A、40B、40Cが停止する。
【0037】
ゾーン2のセンサによってゾーン2内に存在する出荷箱10の数が1個であると判定されると、出荷箱10を検知した信号がゾーン2のセンサからPLCに送信される。すると、PLCはゾーン2に設置されたスキャナ30にバーコードの読み取りを指示し、当該スキャナ30は出荷箱10の中の納品書21に印字されたバーコードに記載されている商品20の出荷先情報(001A)を読み取る。
【0038】
ここで、納品書21が出荷箱10からはみ出していたり、納品書21が商品20の下に置かれている等の原因によってバーコードの出荷先情報(001A)を読み取ることができない場合には、読み取り指示から一定時間が経過した後に設備の稼働が停止する。このとき、作業者は、納品書21を正しい位置に置き直してからスキャナ30の読み取りボタンを押してバーコードの読み取りを再開する。
【0039】
バーコードの出荷先情報(001A)が正常に読み取られ、スキャナ30からPLC内のゾーン2に対応するデータ領域2に出荷先情報(001A)が送信されると、設備の稼働が再開され、PLCは出荷先情報(001A)をコンピュータPCに送信する。コンピュータPCは、受信した出荷先情報(001A)と予め登録されている出荷先情報とを照合し、その結果をPLCに送信すると共に、ゾーン7に設置された送り状発行・貼付機31に出荷先情報(001A)を送信する。
【0040】
コンピュータPCによる照合の結果、出荷先情報(001A)が予めコンピュータPCに登録されている出荷先情報に含まれると判定された場合、コンピュータPCからの照合結果を受信したPLCは、出荷作業ラインの設備に対してゾーン2の出荷箱10を出荷箱自動封函装置100内のゾーン3に送るよう指示すると共に、当該出荷箱10の出荷先情報(001A)をPLC内のデータ領域2からゾーン3に対応するデータ領域3へとシフトする。
【0041】
<ステップ3>
ゾーン2の出荷箱10がコンベア40Aによってゾーン3に搬送され、ゾーン3に設置されたセンサによってゾーン3内に1個の出荷箱10が存在することが確認されると、出荷箱10を検知した信号がゾーン3のセンサからPLCに送信される。すると、PLCは当該出荷箱10の出荷先情報(001A)がデータ領域3に存在するか否かを確認し、出荷先情報(001A)がデータ領域3に存在する場合には、出荷箱自動封函装置100に対して出荷箱10の封函作業の開始を指示する。
【0042】
また、ゾーン2の出荷箱10がゾーン3に搬送されると、2個目の出荷箱10がゾーン1からゾーン2に搬送されると共に、3個目の出荷箱10がゾーン1に投入される。
【0043】
ここで、ゾーン3内に出荷箱10が存在することが確認されたにも拘らず当該出荷箱10の出荷先情報(001A)がPLCのデータ領域3に存在しない場合、または出荷箱10の出荷先情報(001A)がPLCのデータ領域3に存在するが、PLCがゾーン2の出荷箱10をゾーン3に送るよう指示してから所定時間が経過してもゾーン3内で出荷箱10が検知されない場合には、PLCは、データ異常と判断して設備の稼働を停止する。そして、PLCの全データ領域内のデータ及びカウンタの数値がクリアされると共に、PLCからコンピュータPCに送信されたデータもすべてクリアされる。
【0044】
この場合、設備の稼働を再開するには、作業者が全ゾーンの出荷箱10をすべて取り除くことが条件となる。そして、コンベア40A、40B、40Cの運転が再開すると、作業者は改めて1個目の出荷箱10をゾーン1のコンベア40Aに載せ、前述のステップ1が再開される。
【0045】
なお、ゾーン3〜ゾーン7までの出荷作業ラインは、作業者がコンベア40B、40C上の出荷箱10を抜き取ったり、出荷箱10を割り込ませたりすることができないようにするため、設備全体が透明なアクリル樹脂等からなるカバーによって覆われており、例えば設備の稼働中に作業員が出荷箱自動封函装置100のカバーを開けた場合には、警報が発せられて設備の稼働が停止する。そして、PLCの全データ領域及びカウンタの数値がクリアされると共に、PLCからコンピュータPCに送信されたデータもすべてクリアされる。
【0046】
この場合、設備の稼働を再開するためには、作業者が全ゾーンの出荷箱10をすべて取り除くことが条件となる。そして、コンベア40A、40B、40Cの運転が再開すると、作業者は改めて1個目の出荷箱10をゾーン1のコンベア40Aに載せ、前述のステップ1を再開する。
【0047】
PLCが出荷箱自動封函装置100に対して出荷箱10の封函作業の開始を指示すると、ゾーン3内では、先ず、高さ検出センサ33によって出荷箱10の高さが検出される。そして、当該出荷箱10の高さが規定の範囲内(例えば20mm〜100mm)であると認識されると、当該出荷箱10は、コンベア40Bによって内フラップ折り込み機構101の下方に送られる。
【0048】
出荷箱10が内フラップ折り込み機構101の下方に送られると、コンベア40Bが停止し、先ず、前側(下流側)の内フラップ12が内側に折り込まれ、続いて、
図4に示すように、後側(上流側)の内フラップ12が内側に折り込まれる。
【0049】
内フラップ12の折り込み作業が完了すると、出荷箱自動封函装置100は、当該作業が完了した信号をPCLに送信する。すると、この信号を受信したPLCは、出荷作業ラインの設備に対してゾーン3の出荷箱10を出荷箱自動封函装置100のゾーン4に搬送するよう指示すると共に、当該出荷箱10の出荷先情報(001A)をPLC内のゾーン3に対応するデータ領域3からゾーン4に対応するデータ領域4へシフトする。
【0050】
<ステップ4>
ゾーン3の出荷箱10がコンベア40Bによってゾーン4に搬送され、ゾーン4に設置されたセンサによってゾーン4内に1個の出荷箱10が存在することが確認されると、出荷箱10を検知した信号がゾーン4のセンサからPLCに送信される。すると、PLCは当該出荷箱10の出荷先情報(001A)がデータ領域4に存在するか否かを確認し、出荷先情報(001A)がデータ領域4に存在する場合には、出荷箱自動封函装置100に対して出荷箱10の封函作業の継続を指示する。
【0051】
ここで、ゾーン4内に出荷箱10が存在することが確認されたにも拘らず当該出荷箱10の出荷先情報(001A)がPLCのデータ領域4に存在しない場合、または出荷箱10の出荷先情報(001A)がPLCのデータ領域4に存在するが、PLCがゾーン3の出荷箱10をゾーン4に搬送するよう指示してから所定時間が経過してもゾーン4内で出荷箱10が検知されない場合には、PLCは、データ異常と判断して設備の稼働を停止する。そして、PLCの全データ領域及びカウンタの数値がクリアされると共に、PLCからコンピュータPCに送信されたデータもすべてクリアされる。
【0052】
この場合、設備の稼働を再開するには、作業者が全ゾーンの出荷箱10をすべて取り除くことが条件となる。そして、コンベア40A、40B、40Cの運転が再開すると、作業者は改めて1個目の出荷箱10をゾーン1のコンベア40Aに載せ、前述のステップ1が再開される。
【0053】
PLCが出荷箱自動封函装置100に対して出荷箱10の封函作業の継続を指示すると、ゾーン4内では、先ず、
図5に示すように、コンベア40B上の出荷箱10がテーピング機構102の一端に設けられた一対の外フラップ折り込みバー102A(図には外フラップ折り込みバー102Aの一方のみが示されている)の下方を通過する。
【0054】
一対の外フラップ折り込みバー102Aは、平面視においてV字形状をなし、基端部側(下流側)よりも先端側(上流側)が横に拡がっている。そのため、出荷箱10が一対の外フラップ折り込みバー102Aの下方を通過すると、一対の外フラップ11が外フラップ折り込みバー102Aに接触して内側に折り込まれる。
【0055】
続いて、出荷箱10がさらに下流に移動すると、
図6に示すように、テーピング機構102に装着された梱包テープ103の先端が出荷箱10の下流側の底面(底面用フラップ13、図示せず)に接着し、続いてテーピング機構102から引き出された梱包テープ103が出荷箱10の下流側の側面(側板15)に接着した後、出荷箱10の上面(外フラップ11)に回り込む。そして、出荷箱10がさらに下流に移動すると、
図10に示すように、出荷箱10の上面(外フラップ11)に梱包テープ103が接着される。
【0056】
その後、
図8に示すように、梱包テープ103が出荷箱10の上流側の側面(側板15)に接着し、さらに上流側の底面(底面用フラップ13)に回り込むと、梱包テープ103がカットされ、その先端が元の位置に復帰する。
【0057】
梱包テープ103の先端が元の位置に復帰すると、出荷箱自動封函装置100は、当該作業が完了した信号をPCLに送信する。すると、この信号を受信したPLCは、出荷作業ラインの設備に対してゾーン4の出荷箱10を出荷箱自動封函装置100のゾーン5に搬送するよう指示すると共に、当該出荷箱10の出荷先情報(001A)をPLC内のゾーン4に対応するデータ領域4からゾーン5に対応するデータ領域5へシフトする。
【0058】
<ステップ5>
ゾーン4の出荷箱10がコンベア40Bによってゾーン5に搬送され、ゾーン5に設置されたセンサによってゾーン5内に1個の出荷箱10が存在することが確認されると、出荷箱10を検知した信号がゾーン5のセンサからPLCに送信される。すると、PLCは当該出荷箱10の出荷先情報(001A)がデータ領域5に存在するか否かを確認し、出荷先情報(001A)がデータ領域5に存在する場合には、出荷箱自動封函装置100に対して出荷箱10の封函作業の継続を指示する。
【0059】
ここで、ゾーン5内に出荷箱10が存在することが確認されたにも拘らず当該出荷箱10の出荷先情報(001A)がPLCのデータ領域5に存在しない場合、または出荷箱10の出荷先情報(001A)がPLCのデータ領域5に存在するが、PLCがゾーン4の出荷箱10をゾーン5に搬送するよう指示してから所定時間が経過してもゾーン5内で出荷箱10が検知されない場合には、PLCは、データ異常と判断して設備の稼働を停止する。そして、PLCの全データ領域及びカウンタの数値がクリアされると共に、PLCからコンピュータPCに送信されたデータもすべてクリアされる。
【0060】
この場合、設備の稼働を再開するには、作業者が全ゾーンの出荷箱10をすべて取り除くことが条件となる。そして、コンベア40A、40B、40Cの運転が再開すると、作業者は改めて1個目の出荷箱10をゾーン1のコンベア40Aに載せ、前述のステップ1が再開される。
【0061】
PLCが出荷箱自動封函装置100に対して出荷箱10の封函作業の継続を指示すると、ゾーン5のコンベア40Bが停止する。続いて、
図9に示すように、出荷箱10に向けて下降する押圧治具102Bによって出荷箱10の上面(外フラップ11)に梱包テープ103が密に接着されると共に、出荷箱10の底面に(底面用フラップ13)に添って移動する押圧ローラ102Cによって出荷箱10の底面(底面用フラップ13)に梱包テープ103の両端が密に接着される。
【0062】
図10は、ゾーン5でのテーピング作業が完了した出荷箱10を示す斜視図である。
【0063】
このように、本実施形態では、梱包テープ103の両端を出荷箱10の底面(底面用フラップ13)に回り込ませて貼り付けるようにしたので、高さが30mm以下と極めて低い置き配用の出荷箱10であっても、出荷箱10の側面(側板15)に出荷箱自動封函装置100を用いて梱包テープ103を確実に貼り付けることが可能となる。
【0064】
また、出荷箱10の上面(外フラップ11)及び側面(側板15)だけでなく、底面(底面用フラップ13)にも梱包テープ103を貼り付けることにより、出荷箱10の上面(外フラップ11)及び側面(側板15)のみに梱包テープ103を貼り付けた場合に比べて出荷箱10を確実に封函することができる。
【0065】
すなわち、搬送途中の振動などによって出荷箱10内の商品20が外フラップ11の裏面に当たり、出荷箱10の内側から外側に向かって外フラップ11を押し上げる力が作用したとしても、梱包テープ103の両端を出荷箱10の底面(底面用フラップ13)に回り込ませて貼り付けた場合には、出荷箱10の上面(外フラップ11)及び側面(側板15)のみに梱包テープ103を貼り付けた場合に比べて、梱包テープ103の剥離や外フラップ11の浮き上がりを確実に防止することができる。
<ステップ6>
出荷箱10のテーピング作業が完了すると、出荷箱自動封函装置100は、当該作業が完了した信号をPCLに送信する。すると、この信号を受信したPLCは、出荷作業ラインの設備に対してゾーン5の出荷箱10を出荷箱自動封函装置100の下流のゾーン6に送るよう指示すると共に、当該出荷箱10の出荷先情報(001A)をPLC内のゾーン5に対応するデータ領域5からゾーン6に対応するデータ領域6へシフトする。
【0066】
ゾーン5の出荷箱10がコンベア40Bによってゾーン6に搬送され、ゾーン6に設置されたセンサによってゾーン6内に1個の出荷箱10が存在することが確認されると、出荷箱10を検知した信号がゾーン6のセンサからPLCに送信される。すると、PLCは当該出荷箱10の出荷先情報(001A)がデータ領域6に存在するか否かを確認し、出荷先情報(001A)がデータ領域6に存在する場合には、ゾーン7に設置された送り状発行・貼付機31に対して当該出荷箱10の出荷先情報(001A)に対応する送り状の発行及び貼付を指示する信号を送る。
【0067】
ここで、ゾーン6内に出荷箱10が存在することが確認されたにも拘らず当該出荷箱10の出荷先情報(001A)がPLCのデータ領域6に存在しない場合、または出荷箱10の出荷先情報(001A)がPLCのデータ領域6に存在するが、PLCがゾーン5の出荷箱10をゾーン6に搬送するよう指示してから所定時間が経過してもゾーン6内で出荷箱10が検知されない場合には、PLCは、データ異常と判断して設備の稼働を停止する。そして、PLCの全データ領域及びカウンタの数値がクリアされると共に、PLCからコンピュータPCに送信されたデータもすべてクリアされる。
【0068】
この場合、設備の稼働を再開するには、作業者が全ゾーンの出荷箱10をすべて取り除くことが条件となる。そして、コンベア40A、40B、40Cの運転が再開すると、作業者は改めて1個目の出荷箱10をゾーン1のコンベア40Aに載せ、前述のステップ1が再開される。
【0069】
なお、出荷箱自動封函装置100の処理能力が高い場合、出荷箱自動封函装置100内のゾーン5と送り状発行・貼付機31が設置されたゾーン7との間にゾーン6が存在しないと、データ異常が発生してから実際に設備が停止するまでの間に出荷箱自動封函装置100(ゾーン5)内の出荷箱10がゾーン7に搬送されてしまうことがある。ゾーン6は、このような不具合を防ぐためのバッファ領域である。従って、出荷箱自動封函装置100の処理能力を下げた場合には、ゾーン6(バッファ領域)を省略し、出荷箱自動封函装置100(ゾーン3〜ゾーン5)に隣接して送り状発行・貼付機31(ゾーン7)を設置してもよく、これにより、出荷箱搬送ラインの長さを短縮することができる。
【0070】
<ステップ7>
ゾーン6の出荷箱10がゾーン7に搬送され、ゾーン7に設置されたセンサによってゾーン6内に1個の出荷箱10が存在することが確認されると、出荷箱10を検知した信号がセンサからPLCに送信される。すると、PLCは、当該出荷箱10の出荷先情報(001A)がデータ領域7に存在するか否かを確認し、出荷先情報(001A)がデータ領域7に存在する場合には、ゾーン7に設置された送り状発行・貼付機31に対して送り状の発行及び貼付の開始を指示する。
【0071】
すると、送り状発行・貼付機31は、前述のステップ2でコンピュータPCから送信された出荷先情報(001A)に対応する出荷先情報(0001B)を送り状に印字し、この送り状を出荷箱10の表面に貼付する。
【0072】
送り状が出荷箱10の表面に貼付されると、送り状発行・貼付機31は、送り状の貼付が完了した信号をPLCに送信する。すると、PLCは送り状発行・貼付機31の下流に設置された送り状読み取り用スキャナ32に対して送り状のバーコードの読み取りを指示し、送り状読み取り用スキャナ32は出荷箱10の表面の送り状に印字されたバーコードに記載された送り状情報(001B)を読み取る。
【0073】
次に、送り状読み取り用スキャナ32は、読み取った出荷先情報(001B)を出荷先情報(001A)と共にコンピュータPCに送信する。すると、コンピュータPCは、送り状読み取り用スキャナ32が読み取った出荷先情報(001B)と前述のステップ2でスキャナ30が読み取った出荷先情報(001A)とを照合する。そして、出荷先情報(001B)と出荷先情報(001A)とが一致すると判定された場合、コンピュータPCは照合OKの信号をPLCに送信し、PLCは、データ領域7から出荷先情報(001A)を削除する。
【0074】
このように、本実施形態の出荷箱自動封函システムは、出荷作業ラインの全工程を複数のゾーン(ゾーン1〜ゾーン7)に区画し、出荷箱自動封函装置100の上流で読み取った出荷箱10の出荷先情報(001A)をPLC内のデータ領域に格納する。そして、出荷箱自動封函装置100(ゾーン3〜ゾーン5)から送り状発行・貼付機31(ゾーン7)までの各ゾーンへの出荷箱10の搬送と、これらのゾーンのそれぞれに対応するPLC内のデータ領域間での出荷先情報(001A)のシフトを紐付けながら作業を進行させる。
【0075】
これにより、搬送途中での出荷箱10の順番ずれによって、出荷箱10内の納品書21に記載された出荷先情報(001A)と当該出荷箱10の表面に貼付された送り状に記載された出荷先情報(001B)との不一致に起因する誤配送を確実に防ぐことができる。
【0076】
また、ゾーン3〜ゾーン7までの出荷作業ラインの設備全体をカバーで覆うことにより、作業員がゾーン3〜ゾーン7内で出荷箱10を取り除いたり、別の出荷箱10を割り込ませたりすることができないようにしているので、人的ミスによる出荷箱10の順番ずれも防ぐことができる。これにより、出荷箱10内の納品書21に記載された出荷先情報(001A)と当該出荷箱10の表面に貼付された送り状に記載された出荷先情報(001B)との不一致に起因する誤配送をより確実に防ぐことができる。
【0077】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0078】
例えば、前記実施形態では、出荷箱自動封函装置100の内部を3つのゾーン(ゾーン3〜ゾーン5)に区画したが、出荷箱自動封函装置100の全体を1つのゾーンと見做してもよい。また、出荷箱自動封函装置100の内部における出荷箱10の封函作業単位(出荷箱10の高さ検出、内フラップ12の折り込み、外フラップ11の折り込み、テーピング)毎にゾーンを設けてもよい。
【0079】
また、本発明の出荷箱自動封函システムは、出荷箱内の納品書に記載された出荷先情報と当該出荷箱の表面に貼付された送り状に記載された出荷先情報との不一致に起因する誤配送を防ぐシステムとして、出荷箱の外面に管理ラベルを貼付する出荷箱自動封函システムに適用することもできる。
【0080】
出荷箱の外面に管理ラベルを貼付する出荷箱自動封函システムとは、
図11に示すように、出荷箱自動封函装置の上流で未封函の出荷箱の外面に管理ラベル(出荷箱内の納品書に記載された出荷先情報に紐付けられた情報が記載されたラベル)を貼付しておき、当該出荷箱を封函した後に管理ラベルをスキャンすることによって、出荷箱内の納品書に記載された出荷先情報と当該出荷箱の表面に貼付された送り状に記載された出荷先情報との一致を照合するシステムである。
【課題】 側面の高さが低い薄型出荷箱であっても、梱包テープを確実に貼り付けることができる出荷箱自動封函装置、並びにそれを用いた出荷箱自動封函及びラベリングシステムを提供すること。
【解決方法】 本発明の一態様に係る出荷箱自動封函装置100は、出荷箱10の外部に露出する一対の内フラップ12を出荷箱10の内側に折り込む内フラップ折り込み機構101と、出荷箱10の外部に露出する一対の外フラップ11を出荷箱10の内側に折り込む外フラップ折り込みバー102Aと、内フラップ12及び外フラップ11が内側に折り込まれた出荷箱10の底面の一端から、底面の一端に接する一方の側面、上面、及び上記一端に対向する他方の側面を経て底面の一端に対向する他端に至る領域に梱包テープ103を貼り付けるテーピング機構102と、を備える。