特許第6842217号(P6842217)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6842217
(24)【登録日】2021年2月24日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】エダクタ
(51)【国際特許分類】
   F04F 5/10 20060101AFI20210308BHJP
   F04F 5/44 20060101ALI20210308BHJP
【FI】
   F04F5/10 A
   F04F5/10 L
   F04F5/10 Z
   F04F5/44 E
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-55740(P2020-55740)
(22)【出願日】2020年3月26日
【審査請求日】2020年4月14日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】592001230
【氏名又は名称】新倉工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】新倉 太
【審査官】 所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2018−168773(JP,A)
【文献】 実開昭57−068600(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04F 5/10
F04F 5/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
陸地に配置されるエダクタ本体を備え、
前記エダクタ本体は、内部にノズルが設けられ、駆動水が流入する駆動水流入部と、前記駆動水の流入に伴って内部に吸入水が流入する吸入水流入部と、内部で前記駆動水と前記吸入水とが混合する混合部と、前記駆動水と前記吸入水とを外部に排出する排水部と、を有し、
前記駆動水流入部、前記排水部及び前記吸入水流入部は、それぞれの端部に、柔軟性を有するホースを着脱可能なホース取付け部を含み、
前記駆動水流入部には、一端部が給排水用ポンプ装置に取り付けられる駆動水用ホースが取り付けられ、
前記吸入水流入部には、一端部が一定量の水が溜まっている領域に沈められる吸入水用ホースが取り付けられ、
前記排水部には、一端部が前記一定量の水が溜まっている領域と離間して存在する領域に配置される排水用ホースが取り付けられるエダクタ。
【請求項2】
前記吸入水流入部の流路と前記排水部の流路とが、略一直線上に設けられ、
前記駆動水流入部の開口方向と前記排水部の開口方向とが、略同一である、請求項1に記載のエダクタ。
【請求項3】
前記吸入水流入部は、その外周面がサクションストレーナとして構成されている、請求項1又は2に記載のエダクタ。
【請求項4】
前記吸入水流入部に取付けられた前記ホースの端部には、サクションストレーナが設けられている、請求項3に記載のエダクタ。
【請求項5】
前記エダクタ本体を持ち運ぶための持ち手部が設けられ、
前記駆動水流入部は、前記混合部から突出して設けられ、
前記持ち手部は、平面視で、前記駆動水流入部における前記混合部に対する突出方向と対向する方向に突出して、前記エダクタ本体に設けられている、請求項1〜4の何れかに記載のエダクタ。
【請求項6】
前記エダクタ本体を吊り上げるための吊り上げ用係止部が設けられ
前記吊り上げ用係止部は、前記エダクタ本体に、前記エダクタ本体が延びる方向に間隔を置いて一対設けられている、請求項1〜5の何れかに記載のエダクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動流体の流れを利用して被駆動流体を吸引するエダクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ビルジと呼ばれる船底に溜まっている不要液体やバラスト水の排出、燃焼ガスの排出等を行うための器具として、エダクタが広く用いられてきた。
【0003】
エダクタは、通常、互いに連通し、流体を吸い上げる吸引部を二つ有しており、一方の吸引部には、内部にノズルが設けられている。
そして、一方の吸引部に、ポンプから導かれた駆動流体が流れ込むと、ノズルによりエダクタ内部に流体が高速で噴出される。この際、ベルヌーイの定理により他方の吸引部が低圧となり、外部との圧力差でもって、他方の吸引部に流体が吸引される。
【0004】
このように、エダクタは、簡易な構造であり、それ自体に電気的な駆動部が設けられていないことから、一般的な電気駆動の真空ポンプ等と比較して、耐久性や安全性に優れている。
【0005】
このようなエダクタに関する発明が種々提案されており、例えば、特許文献1には、ノズルからディフューザ内に噴出した高圧流体の噴流を、ディフューザの狭窄部内面に適確に接触せしめ、吸引室内を負圧状態となし、所期の吸引能力を安定して確実に発揮させることを目的としたエダクタに関する発明が記載されている。
【0006】
また、特許文献2には、航空機の2つのタンク間で燃料を移送する、またはエンジンに燃料を供給するために用いられる、ストレーナを備えたエダクタに関する発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−170051号公報
【特許文献2】特開2017−190682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載のエダクタは、吸引口及び排水口それぞれに、端部のフランジを介して、剛性のある配管を接続する構成である。また、特許文献2に記載のエダクタは、配管についての記載がないものの、吸引口及び排水口それぞれの端部にフランジが設けられており、特許文献1と同様、剛性のある配管の接続を前提としている構成である。
【0009】
即ち、特許文献1及び特許文献2、何れに記載のエダクタも、剛性のある配管の接続により、その使用場所が制限されるばかりか、取り回しも困難となり、使い勝手が悪い、という問題があった。
【0010】
本発明は上記のような実状に鑑みてなされたものであり、様々な使用環境に柔軟に対応でき、使い勝手を向上させたエダクタを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、エダクタ本体を備え、
前記エダクタ本体は、内部にノズルが設けられ、駆動水が流入する駆動水流入部と、前記駆動水の流入に伴って内部に吸入水が流入する吸入水流入部と、内部で前記駆動水と前記吸入水とが混合する混合部と、前記駆動水と前記吸入水とを外部に排出する排水部と、を有し、
前記駆動水流入部及び前記排水部は、その端部に、柔軟性を有するホースを着脱可能なホース取付け部を含む。
【0012】
本発明によれば、駆動水流入部及び排水部が、その端部に、柔軟性を有するホースHを着脱可能なホース取付け部を含むことで、使用時のエダクタの取り回しが容易となり、流体を吸引する領域及び排出する領域を、使用環境等に合わせて柔軟に選択できるため、使い勝手が向上する。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記吸入水流入部の流路と前記排水部の流路とが、略一直線上に設けられ、前記駆動水流入部の開口方向と前記排水部の開口方向とが、略同一である。
【0014】
このような構成とすることで、吸入水流入部の流路と排水部の流路とが、略一直線上に設けられ、駆動水流入部の開口方向と排水部の開口方向とが、略同一であることで、排出される駆動水及び吸入水の流れが安定し、排水部に取付けられた排水用ホースが暴れることがなくなるため、安定した排水作業を行うことが可能となる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記吸入水流入部は、その外周面がサクションストレーナとして構成されている。
【0016】
このような構成とすることで、吸入水流入部が、その外周面がサクションストレーナとして構成されていることで、吸入水に含まれるゴミが混合部や排水部に流入することを防止し、エダクタやホースの詰まりを防止することが可能となる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記吸入水流入部は、その端部に、前記ホースを着脱可能なホース取付け部を含む。
【0018】
このような構成とすることで、本エダクタを水中に沈めることなく排水作業を行うことが可能となる。
これにより、本エダクタを吸入対象となる所定の領域に運搬する作業が不要となり、使い勝手が向上する。
【0019】
本発明の好ましい形態では、前記吸入水流入部に取付けられた前記ホースの端部には、サクションストレーナが設けられている。
【0020】
このような構成とすることで、吸入水に含まれるゴミが混合部や排水部に流入することを防止し、エダクタやホースの詰まりを防止することが可能となる。
【0021】
本発明の好ましい形態では、前記エダクタ本体を持ち運ぶための持ち手部が設けられている。
【0022】
このような構成とすることで、エダクタ本体の、吸入対象となる所定の領域への運搬作業が容易となり、使い勝手が向上する。
【0023】
本発明の好ましい形態では、前記エダクタ本体を吊り上げるための吊り上げ用係止部が設けられている。
【0024】
このような構成とすることで、別途吊り上げ用の工具やクレーン車等の作業機械を用いて、人力では運搬できない箇所に対して、エダクタ本体の運搬、回収作業を行うことができ、使い勝手が向上する。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、様々な使用環境に柔軟に対応でき、使い勝手を向上させたエダクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態1に係るエダクタを示す概略斜視図である。
図2】本発明の実施形態1に係るエダクタを示すPP´線断面図である。
図3】本発明の実施形態1に係るエダクタを示す図であって、(a)正面図、(b)平面図である。
図4】本発明の実施形態1に係るエダクタの使用状態を示す図である。
図5】本発明の実施形態2に係るエダクタを示す概略斜視図である。
図6】本発明の実施形態2に係るエダクタを示すQQ´線断面図である。
図7】本発明の実施形態2に係るエダクタを示す図であって、(a)正面図、(b)平面図である。
図8】本発明の実施形態2に係るエダクタにおいて、エダクタ本体の駆動水流入部にホースを取付けた状態を示す平面図である。
図9】本発明の実施形態2に係るエダクタの使用状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図1図9を用いて、本発明の実施形態に係るエダクタについて説明する。
なお、以下に示す各実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の各実施形態に限定するものではない。
【0028】
<実施形態1>
以下、図1図4を用いて、本発明の実施形態1に係るエダクタについて説明する。
なお、これらの図において、符号1は本実施形態に係るエダクタを示す。また、図2において、持ち手部1a、吊り上げ用係止部1b及び吸入水流入部A2以外の部分を断面で示している。
【0029】
図1図3に示すように、エダクタ1は、エダクタ本体Aを備えている。
【0030】
エダクタ本体Aは、内部にノズルNが設けられ、駆動水w1が流入する駆動水流入部A1と、駆動水w1の流入に伴って内部に吸入水w2が流入する吸入水流入部A2と、内部で駆動水w1と吸入水w2とが混合する混合部A3と、駆動水w1と吸入水w2とを外部に排出する排水部A4と、を有している。
なお、図2において、駆動水w1を点線の矢印、吸入水w2を破線の矢印で示し、流路r3を通過する駆動水w1と吸入水w2との混合水を一点鎖線の矢印で示している。
【0031】
駆動水流入部A1及び排水部A4は、その端部に、柔軟性を有するホースH(図4参照)を着脱可能なホース取付け部A1a、A4aを、それぞれ含む。
また、吸入水流入部A2の流路r2(本実施形態では図示せず)と排水部A4の流路r3とが、略一直線上に設けられている。
【0032】
駆動水流入部A1は、混合部A3から枝分かれするように延び、排水部A4に向かって湾曲形成されることで、略L字状の流路r3が構成されている。
これにより、駆動水流入部A1の開口方向と排水部A4の開口方向とが、略同一となっている。
また、混合部A3内部に設けられ、流路r3の端部を構成するノズルNは、その開口方向が排水部A4の開口方向と略同一となるように構成されている。
【0033】
吸入水流入部A2は、略円筒状であり、その外周面がサクションストレーナとして構成され、混合部A3における排水部A4と対向する側の開口端から延設されている。
【0034】
混合部A3は、吸入水流入部A2が連結され、略円筒状に構成された混合部本体A3aと、排水部A4に連結され、排水部A4側に向かうに伴って漸次縮径する混合部連結体A3bと、を含む。
【0035】
排水部A4は、端部にホース取付け部A4aが設けられ、ホース取付け部A4aに向かうに伴って漸次拡径する排水部本体A4bと、混合部連結体A3bに連結され、略円筒状に構成された排水部連結体A4cと、を含む。
【0036】
エダクタ1について、さらに詳述すれば、エダクタ本体Aを持ち運ぶための持ち手部1aと、エダクタ本体Aを吊り上げるための吊り上げ用係止部1bと、が設けられている。
【0037】
持ち手部1aは、混合部連結体A3bと排水部連結体A4cとに亘って設けられた略コ字状の第一持ち手部1a1と、駆動水流入部A1と混合部A3とに亘って設けられた略直線状の第二持ち手部1a2と、を含む。
【0038】
吊り上げ用係止部1bは、混合部本体A3aに設けられた第一吊り上げ用係止部1b1と、排水部本体A4bに設けられた第二吊り上げ用係止部1b2と、を含み、それぞれに、例えば吊り上げ用の紐状体(図示せず)等が挿通される貫通孔pが設けられている。
【0039】
このように構成されたエダクタ1は、給排水用ポンプ装置WとホースHと共に、図4に示すような状態で使用される。
なお、給排水用ポンプ装置Wは、電気駆動式の従来用いられているポンプ装置であり、排水用口W1と、給水用口W2と、を有する。
また、ホースHは、駆動水用ホースH1と、給水用ホースH2と、排水用ホースH3と、を有し、それぞれの端部に、エダクタ1及び給排水用ポンプ装置Wとの連結のためのカプラーCが設けられている。
【0040】
使用態様についてさらに詳述すれば、図4に示すように、エダクタ1は、所定の池や海、河川の中等、一定量の水が溜まっている領域X1の内部に沈められる。
【0041】
このとき、駆動水用ホースH1は、その一端がホース取付け部A1aを介して駆動水流入部A1に連結され、その他端が排水用口W1と連結される。
【0042】
また、このとき、給水用ホースH2は、その一端が領域X1の内部に沈められ、その他端が給水用口W2と連結される。
【0043】
また、このとき、排水用ホースH3は、その一端がホース取付け部A4aを介して排水部A4に連結され、その他端が領域X1と離間して存在する、所定の領域X2に配置される。
【0044】
領域X2は、例えば、乾燥した平地やバケツ等容器の内部、他の池や海、河川の中等、駆動水w1及び吸入水w2が排出される所定の領域である。
【0045】
領域X1及び領域X2に対して、エダクタ1、給排水用ポンプ装置W及びホースHをこのように構成することで、まず、領域X1内部の水が、給排水用ポンプ装置Wにより給水用ホースH2を通過した後、給排水用ポンプ装置W内部及び駆動水用ホースH1を通過し、駆動水流入部A1に駆動水w1として流入する。
【0046】
次に、駆動水w1がノズルNにより混合部A3内部に高速で噴出されることで、ベルヌーイの定理により、吸入水流入部A2及び混合部A3内部が低圧となり、外部との圧力差でもって、領域X1内部の水が、吸入水流入部A2に吸入水w2として流入する。
【0047】
そして、駆動水w1及び吸入水w2が、排水部A4及び排水用ホースH3を通過し、領域X2内部に排出される。
【0048】
本実施形態によれば、駆動水流入部A1及び排水部A4が、その端部に、柔軟性を有するホースHを着脱可能なホース取付け部A1a、A4aを含むことで、使用時のエダクタ1の取り回しが容易となり、流体を吸引する領域及び排出する領域を、使用環境等に合わせて柔軟に選択できるため、使い勝手が向上する。
【0049】
また、吸入水流入部A2の流路r2と排水部A4の流路r3とが、略一直線上に設けられ、駆動水流入部A1の開口方向と排水部A4の開口方向とが、略同一であることで、排出される駆動水w1及び吸入水w2の流れが安定し、排水部A4に取付けられた排水用ホースH3が暴れることがなくなるため、安定した排水作業を行うことが可能となる。
【0050】
また、吸入水流入部A2が、その外周面がサクションストレーナとして構成されていることで、吸入水w2に含まれるゴミが混合部A3や排水部A4に流入することを防止し、エダクタ1や排水用ホースH3の詰まりを防止することが可能となる。
【0051】
また、エダクタ本体Aを持ち運ぶための持ち手部1aが設けられていることで、エダクタ本体Aの領域X1等への運搬作業が容易となり、使い勝手が向上する。
【0052】
また、エダクタ本体Aを吊り上げるための吊り上げ用係止部1bが設けられていることで、別途吊り上げ用の工具やクレーン車等の作業機械を用いて、人力では運搬できない箇所に対して、エダクタ本体Aの運搬、回収作業を行うことができ、使い勝手が向上する。
【0053】
<実施形態2>
以下、図5図9を用いて、本発明の実施形態2に係るエダクタについて説明する。
なお、同実施形態において、先の実施形態と基本的に同一の構成要素については、同一符号を付してその説明を簡略化する。また、図6において、持ち手部1a、吊り上げ用係止部1b以外の部分を断面で示している。
【0054】
図5に示すように、エダクタ1は、先の実施形態と同様に、エダクタ本体Aを備えている。
【0055】
エダクタ本体Aは、内部にノズルNが設けられ、駆動水w1が流入する駆動水流入部A1´と、駆動水w1の流入に伴って内部に吸入水w2が流入する吸入水流入部A2´と、内部で駆動水w1と吸入水w2とが混合する混合部A3と、駆動水w1と吸入水w2とを外部に排出する排水部A4と、を有している。
なお、図6において、駆動水w1を点線の矢印、吸入水w2を破線の矢印で示し、流路r3を通過する駆動水w1と吸入水w2との混合水を一点鎖線の矢印で示している。
【0056】
駆動水流入部A1´は、混合部A3から枝分かれするように、一方向に延びて構成されている。
これにより、駆動水流入部A1の開口方向と排水部A4の開口方向とがなす角が、略90度となっている。
また、混合部A3内部に設けられ、流路r3の端部を構成するノズルNは、その開口方向が排水部A4の開口方向と略同一となるように構成されている。
【0057】
吸入水流入部A2´は、混合部A3における排水部A4と対向する側の開口端から延設されている。
【0058】
駆動水流入部A1´、吸入水流入部A2´及び排水部A4は、その端部に、柔軟性を有するホースH(図4参照)を着脱可能なホース取付け部A1a、A2a及びA4aを、それぞれ含む。
また、吸入水流入部A2の流路r2と排水部A4の流路r3とが、略一直線上に設けられている。
【0059】
持ち手部1aは、混合部連結体A3bと排水部連結体A4cとに亘って設けられた、略コ字状の第一持ち手部1a1を含む。
【0060】
その他、混合部A3、排水部A4及び吊り上げ用係止部1bの構成は、先の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0061】
本実施形態に係るエダクタ本体Aは、図8に示すように、吸入水流入部A2´に、ホース取付け部A2aを介して吸入水用ホースH4を取付けることができる。
【0062】
また、吸入水用ホースH4の端部には、略円筒状のサクションストレーナSが設けられている。
【0063】
このように構成されたエダクタ1は、給排水用ポンプ装置WとホースHと共に、図9に示すような状態で使用される。
なお、給排水用ポンプ装置Wは、先の実施形態と同様に、電気駆動式の従来用いられているポンプ装置であり、排水用口W1と、給水用口W2と、を有する。
また、ホースHは、駆動水用ホースH1と、給水用ホースH2と、排水用ホースH3と、に加え、吸入水用ホースH4さらに有し、それぞれの端部に、エダクタ1及び給排水用ポンプ装置Wとの連結のためのカプラーCが設けられている。
【0064】
使用態様についてさらに詳述すれば、図9に示すように、エダクタ1は、給排水用ポンプ装置Wが設置される場所の近傍等、領域X1や領域X2とは異なる陸地に配置される。
【0065】
このとき、駆動水用ホースH1、給水用ホースH2及びは、排水用ホースH3は、先の実施形態と同様の連結態様、配置態様である。
【0066】
また、このとき、吸入水用ホースH4は、その一端がホース取付け部A2aを介して吸入水流入部A2に連結され、その他端(サクションストレーナS)が領域X1の内部に沈められる。
【0067】
領域X1及び領域X2に対して、エダクタ1、給排水用ポンプ装置W及びホースHをこのように構成することで、先の実施形態と同様の流れで、駆動水w1及び吸入水w2が領域2内部に排出される。
【0068】
本実施形態によれば、駆動水流入部A1´、排水部A4に加え、吸入水流入部A2´の端部に、ホースH(吸入水用ホースH4)を着脱可能なホース取付け部A2a´を含むことで、エダクタ1を水中に沈めることなく排水作業を行うことが可能となる。
これにより、エダクタ1を領域X1等に運搬する作業が不要となり、使い勝手が向上する。
【0069】
また、吸入水用ホースH4の端部に、サクションストレーナSが設けられていることで、吸入水w2に含まれるゴミが混合部A3や排水部A4に流入することを防止し、エダクタ1や排水用ホースH3の詰まりを防止することが可能となる。
【0070】
なお、上述の各実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0071】
また、特に実施形態2において、駆動水w1及び吸入水w2何れも、同一の領域X1から吸水される場合を示したが、吸入水流入部A2´に吸入水用ホースH4が取付けられていることで、駆動水w1と吸入水w2とを、それぞれ異なる領域から吸水することもできる。
即ち、実施形態2に係るエダクタ1によれば、様々な使用環境に対して、実施形態1に係るエダクタ1と比較して、より柔軟に対応することが可能となる。
【符号の説明】
【0072】
1 エダクタ
A エダクタ本体
A1、A1´ 駆動水流入部
A1a ホース取付け部
N ノズル
A2、A2´ 吸入水流入部
A2a ホース取付け部
A3 混合部
A3a 混合部本体
A3b 混合部連結体
A4 排水部
A4a ホース取付け部
A4b 排水部本体
A4c 排水部連結体
r1、r2、r3 流路
w1 駆動水
w2 吸入水
1a 持ち手部
1a1 第一持ち手部
1a2 第二持ち手部
1b 吊り上げ用係止部
1b1 第一吊り上げ用係止部
1b2 第二吊り上げ用係止部
p 貫通孔
S サクションストレーナ
W 給排水用ポンプ装置
W1 排水用口
W2 給水用口
H ホース
H1 駆動水用ホース
H2 給水用ホース
H3 排水用ホース
H4 吸入水用ホース
C カプラー
X1、X2 領域
【要約】
【課題】様々な使用環境に柔軟に対応でき、使い勝手を向上させたエダクタを提供する。
【解決手段】エダクタ本体Aを備え、エダクタ本体Aは、内部にノズルNが設けられ、駆動水w1が流入する駆動水流入部A1と、駆動水w1の流入に伴って内部に吸入水w2が流入する吸入水流入部A2と、内部で駆動水w1と吸入水w2とが混合する混合部A3と、駆動水w1と吸入水w2とを外部に排出する排水部A4と、を有し、駆動水流入部A1及び排水部A4は、その端部に、柔軟性を有するホースHを着脱可能なホース取付け部A1a、A4aを含む。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9