(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6842234
(24)【登録日】2021年2月24日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】光半導体装置の製造方法および光半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/54 20100101AFI20210308BHJP
H01L 33/60 20100101ALI20210308BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20210308BHJP
【FI】
H01L33/54
H01L33/60
H01L33/62
【請求項の数】40
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-201816(P2015-201816)
(22)【出願日】2015年10月13日
(65)【公開番号】特開2017-76640(P2017-76640A)
(43)【公開日】2017年4月20日
【審査請求日】2018年9月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(72)【発明者】
【氏名】小早川 正彦
【審査官】
大和田 有軌
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−004807(JP,A)
【文献】
特開2014−203901(JP,A)
【文献】
特開2010−123620(JP,A)
【文献】
特開2012−146925(JP,A)
【文献】
特開2010−192552(JP,A)
【文献】
特開2002−344030(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/060336(WO,A1)
【文献】
特開2012−169432(JP,A)
【文献】
特開2011−066144(JP,A)
【文献】
特開2012−189892(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0034984(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 − 33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに反対側を向く主面および裏面を有する基板材料の前記主面に、複数のLEDチップを実装する工程と、
前記裏面側に配置した共通金型および前記主面側に配置した透光樹脂用金型によって前記基板材料を挟んだ状態で、前記透光樹脂用金型に形成された、各々が前記LEDチップを収容し且つ前記主面が向く側の奥方に位置する底面を有する複数の本体成形部および各々が第一方向に隣り合う前記本体成形部を繋ぎ且つ前記第一方向に直角である断面積が前記本体成形部の前記第一方向に直角である断面積よりも小であって前記底面よりも前記基板材料側に位置する複数の連結成形部を有する透光樹脂用キャビティに、透光樹脂材料を注入し、該透光樹脂材料を硬化させることにより、各々が前記LEDチップを封止し且つ前記底面によって形成された透光樹脂主面を有する複数の本体部および各々が前記第一方向に隣り合う前記本体部を繋ぎ且つ前記第一方向に直角である断面積が前記本体部の前記第一方向に直角である断面積よりも小であって前記透光樹脂主面よりも前記基板材料側に位置する複数の連結部を有する透光樹脂を形成する工程と、
前記裏面側に配置した前記共通金型および前記主面側に配置した遮光樹脂用金型によって前記基板材料を挟んだ状態で、少なくとも前記複数の本体部を収容し且つ前記複数の本体部の前記透光樹脂主面に当接する前記遮光樹脂用金型と前記複数の本体部とによって形成される空間である遮光樹脂用キャビティに、遮光樹脂材料を注入し、該遮光樹脂材料を硬化させることにより、前記複数の本体部に接触してその間を埋める遮光樹脂を形成する工程と、
前記複数のLEDチップおよび前記複数の本体部が分離させるように、少なくとも前記基板材料と前記遮光樹脂とを切断する工程と、
を備えることを特徴とする、光半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記LEDチップを実装する工程は、前記LEDチップと前記基板材料とをワイヤによって接続する工程を含む、請求項1に記載の光半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記透光樹脂を形成する工程および前記遮光樹脂を形成する工程においては、前記共通金型の共通側位置決め部と前記基板材料の基板位置決め部とを用いて前記共通金型と前記基板材料とを位置決めする、請求項2に記載の光半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記透光樹脂を形成する工程においては、前記透光樹脂用金型の透光樹脂側位置決め部を用いて前記共通金型および前記基板材料と前記透光樹脂用金型とを位置決めする、請求項3に記載の光半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記遮光樹脂を形成する工程においては、前記遮光樹脂用金型の遮光樹脂側位置決め部を用いて前記共通金型および前記基板材料と前記遮光樹脂用金型とを位置決めする、請求項4に記載の光半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記基板位置決め部は、貫通孔であり、
前記共通側位置決め部は、前記基板位置決め部を貫通する凸形状である、請求項5に記載の光半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記透光樹脂側位置決め部は、前記共通側位置決め部が嵌合する凹部である、請求項6に記載の光半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記遮光樹脂側位置決め部は、前記共通側位置決め部が嵌合する凹部である、請求項7に記載の光半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記透光樹脂を形成する工程の後、前記遮光樹脂を形成する工程を開始するまでの間において、前記共通金型と前記基板材料とを互いに固定しておく、請求項3ないし8のいずれかに記載の光半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記遮光樹脂を形成する工程においては、前記複数の連結部を前記遮光樹脂用キャビティに収容し、前記複数の連結部を覆うように前記遮光樹脂を形成し、
前記切断する工程においては、前記基板材料および前記遮光樹脂とともに前記連結部を切断する、請求項9に記載の光半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記透光樹脂を形成した後、前記遮光樹脂を形成する工程の前に、前記連結部を分断することにより、前記本体部に繋がる延出部を形成する工程をさらに備え、
前記遮光樹脂を形成する工程においては、前記複数の延出部を覆うように前記遮光樹脂を形成する、請求項9に記載の光半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記連結部を分断する工程においては、前記連結部とともに前記基板材料の前記主面側の一部を削除する、請求項11に記載の光半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記切断する工程においては、前記第一方向において隣り合う前記延出部の間において前記遮光樹脂を切断する、請求項11または12に記載の光半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記延出部は、前記本体部から第一方向に延出している、請求項11ないし13のいずれかに記載の光半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記本体部は、前記第一方向を長手方向とする形状である、請求項14に記載の光半導体装置の製造方法。
【請求項16】
互いに反対側を向く主面および裏面を有する基材と配線パターンとからなる基板と、
前記主面に実装されたLEDチップと、
前記LEDチップを覆う透光樹脂と、
前記透光樹脂の一部を覆う遮光樹脂と、を備える半導体発光装置であって、
前記透光樹脂は、前記LEDチップを覆い且つ前記主面と同じ方向を向く透光樹脂主面を有する本体部と、該本体部から第一方向両側に延出し且つ前記第一方向に直角である断面積が前記本体部の前記第一方向に直角である断面積よりも小であって前記透光樹脂主面よりも前記基材側に位置する一対の延出部を有し、
前記遮光樹脂は、前記延出部の少なくとも一部を覆い、
前記本体部は、前記第一方向両端に位置する透光樹脂第一側面と、前記第一方向および前記基板の厚さ方向の双方に直角である第二方向両端に位置する透光樹脂第二側面と、を有し、
前記延出部は、前記透光樹脂第一側面から延出しており、
前記遮光樹脂は、前記透光樹脂第一側面および前記透光樹脂第二側面の双方に接し且つ
前記透光樹脂主面を露出させており、
前記延出部の前記第二方向の長さが前記本体部の前記第二方向の長さよりも小であるとともに、前記延出部の前記基板の厚さ方向の長さが前記本体部の前記基板の厚さ方向の長さよりも小であることを特徴とする、光半導体装置。
【請求項17】
前記延出部は、前記本体部から第一方向に延出している、請求項16に記載の光半導体装置。
【請求項18】
前記本体部は、前記第一方向を長手方向とする形状である、請求項17に記載の光半導体装置。
【請求項19】
前記LEDチップと前記基板の前記配線パターンとに接続されたワイヤをさらに備える、請求項16ないし18のいずれかに記載の光半導体装置。
【請求項20】
前記ワイヤは、前記本体部によって覆われている、請求項19に記載の光半導体装置。
【請求項21】
前記延出部は、前記第一方向を向く延出部端面を有する、請求項20に記載の光半導体装置。
【請求項22】
前記延出部端面は、前記遮光樹脂から露出している、請求項21に記載の光半導体装置。
【請求項23】
前記遮光樹脂は、前記第一方向を向く遮光樹脂第一側面を有しており、
前記延出部端面と前記遮光樹脂第一側面とは互いに面一である、請求項22に記載の光半導体装置。
【請求項24】
前記遮光樹脂は、前記延出部を前記第一方向に貫通させる貫通部を有する、請求項23に記載の光半導体装置。
【請求項25】
前記基材は、前記第一方向を向く基材第一側面を有しており、
前記基材第一側面と前記延出部端面および前記遮光樹脂第一側面とは、面一である、請求項24に記載の光半導体装置。
【請求項26】
前記延出部端面は、前記遮光樹脂によって覆われている、請求項21に記載の光半導体装置。
【請求項27】
前記遮光樹脂は、前記延出部端面を収容する凹部を有する、請求項22に記載の光半導体装置。
【請求項28】
前記遮光樹脂は、前記第一方向を向く遮光樹脂第一側面を有しており、
前記基材は、前記第一方向を向く基材第一側面を有しており、
前記遮光樹脂第一側面と前記基材第一側面とは面一である、請求項23に記載の光半導体装置。
【請求項29】
前記遮光樹脂は、前記本体部を収容する収容部と、前記主面と同じ方向を向く遮光樹脂主面とを有する、請求項19ないし28のいずれかに記載の光半導体装置。
【請求項30】
前記透光樹脂主面と前記遮光樹脂主面とは、面一である、請求項29に記載の光半導体装置。
【請求項31】
前記透光樹脂第一側面は、前記基板から前記主面が向く方向に向かうほど、前記第一方向において前記LEDチップに近づくように傾斜している、請求項19ないし30のいずれかに記載の光半導体装置。
【請求項32】
前記透光樹脂第二側面は、前記基板から前記主面が向く方向に向かうほど、前記第二方向において前記LEDチップに近づくように傾斜している、請求項31に記載の光半導体装置。
【請求項33】
前記配線パターンは、前記LEDチップがボンディングされたダイボンディング部を有する、請求項32に記載の光半導体装置。
【請求項34】
前記配線パターンは、前記ダイボンディング部から前記第二方向に延出するダイボンディング延出部を有する、請求項33に記載の光半導体装置。
【請求項35】
前記基材は、前記第二方向を向く一対の基材第二側面を有しており、
前記ダイボンディング延出部は、平面視において前記基材第二側面に到達している、請求項34に記載の光半導体装置。
【請求項36】
前記配線パターンは、前記ワイヤがボンディングされたワイヤボンディング部を有する、請求項32に記載の光半導体装置。
【請求項37】
前記配線パターンは、前記ワイヤボンディング部から前記第二方向に延出するワイヤボンディング延出部を有する、請求項36に記載の光半導体装置。
【請求項38】
前記基材は、前記第二方向を向く一対の基材第二側面を有しており、
前記ワイヤボンディング延出部は、平面視において前記基材第二側面に到達している、請求項37に記載の光半導体装置。
【請求項39】
前記基材は、前記第二方向において前記ワイヤボンディング部と並び且つ前記基材を厚さ方向に貫通するスルーホールを有しており、
前記配線パターンは、前記スルーホールの内面に形成されたスルーホール部を有する、請求項36ないし38のいずれかに記載の光半導体装置。
【請求項40】
前記配線パターンは、前記裏面に形成され且つ前記スルーホール部に繋がる裏面電極を有する、請求項39に記載の光半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光半導体装置の製造方法および光半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来の光半導体装置の一例を示している。同文献に開示された光半導体装置は、透光樹脂に封止されたLEDチップと、透光樹脂を囲む遮光樹脂とを備える。
【0003】
枠状の遮光樹脂の収容部にLEDチップをボンディングする場合、遮光樹脂とボンディングツールとの干渉が懸念される。また、LEDチップにワイヤをボンディングする場合、遮光樹脂とキャピラリとの干渉が懸念される。これは、光半導体装置の小型化を図るほど顕著となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−209617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、小型化を図りつつ適切に製造可能な光半導体装置の製造方法および光半導体装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の側面によって提供される半導体発光装置の製造方法は、互いに反対側を向く主面および裏面を有する基板材料の主面に、複数のLEDチップを実装する工程と、前記裏面側に配置した共通金型および前記主面側に配置した透光樹脂用金型によって前記基板材料を挟んだ状態で、前記透光樹脂用金型に形成された、各々が前記LEDチップを収容する複数の本体成形部および各々が第一方向に隣り合う前記本体成形部を繋ぐ複数の連結成形部を有する透光樹脂用キャビティに、透光樹脂材料を注入し、該透光樹脂材料を硬化させることにより、各々が前記LEDチップを封止する複数の本体部および各々が前記第一方向に隣り合う前記本体部を繋ぐ複数の連結部を有する透光樹脂を形成する工程と、前記裏面側に配置した前記共通金型および前記主面側に配置した遮光樹脂用金型によって前記基板材料を挟んだ状態で、前記遮光樹脂用金型に形成された、少なくとも前記複数の本体部を収容し且つ前記複数の本体部の一部ずつに当接する遮光樹脂用キャビティに、遮光樹脂材料を注入し、該遮光樹脂材料を硬化させることにより、前記複数の本体部の間を埋める遮光樹脂を形成する工程と、前記複数のLEDチップおよび前記複数の本体部が分離させるように、少なくとも前記基板材料と前記遮光樹脂とを切断する工程と、を備えることを特徴としている。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記連結部の前記第一方向に直角である断面積は、前記本体部の前記第一方向に直角である断面積よりも小である。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記LEDチップを実装する工程は、前記LEDチップと前記基板材料とをワイヤによって接続する工程を含む。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記透光樹脂を形成する工程および前記遮光樹脂を形成する工程においては、前記の共通側位置決め部と前記基板材料の基板位置決め部とを用いて前記共通金型と前記基板材料とを位置決めする。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記透光樹脂を形成する工程においては、前記透光樹脂用金型の透光樹脂側位置決め部を用いて前記共通金型および前記基板材料と前記透光樹脂用金型とを位置決めする。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記遮光樹脂を形成する工程においては、前記遮光樹脂用金型の遮光樹脂側位置決め部を用いて前記共通金型および前記基板材料と前記遮光樹脂用金型とを位置決めする。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記基板位置決め部は、貫通孔であり、前記共通側位置決め部は、前記基板位置決め部を貫通する凸形状である。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記透光樹脂側位置決め部は、前記共通側位置決め部が嵌合する凹部である。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記遮光樹脂側位置決め部は、前記共通側位置決め部が嵌合する凹部である。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記透光樹脂を形成する工程の後、前記遮光樹脂を形成する工程を開始するまでの間において、前記共通金型と前記基板材料とを互いに固定しておく。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記遮光樹脂を形成する工程においては、前記複数の連結部を前記遮光樹脂用キャビティに収容し、前記複数の連結部を覆うように前記遮光樹脂を形成し、前記切断する工程においては、前記基板材料および前記遮光樹脂とともに前記連結部を切断する。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記透光樹脂を形成した後、前記遮光樹脂を形成する工程の前に、前記連結部を分断することにより、前記本体部に繋がる延出部を形成する工程をさらに備え、前記遮光樹脂を形成する工程においては、前記複数の延出部を覆うように前記遮光樹脂を形成する。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記連結部を分断する工程においては、前記連結部とともに前記基板材料の前記主面側の一部を削除する。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記切断する工程においては、前記第一方向において隣り合う延出部の間において前記遮光樹脂を切断する。
【0020】
本発明の第二の側面によって提供される半導体発光装置は、互いに反対側を向く主面および裏面を有する基材と配線パターンとからなる基板と、前記主面に実装されたLEDチップと、前記LEDチップを覆う透光樹脂と、前記透光樹脂の一部を覆う遮光樹脂と、を備える半導体発光装置であって、前記透光樹脂は、LEDチップを覆う本体部と、該本体部から第一方向両側に延出する一対の延出部を有し、前記遮光樹脂は、前記延出部の少なくとも一部を覆うことを特徴としている。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記延出部の前記第一方向に直角である断面積は、前記本体部の前記第一方向に直角である断面積よりも小である。
【0022】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記LEDチップと前記基板の前記配線パターンとに接続されたワイヤをさらに備える。
【0023】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記ワイヤは、前記本体部によって覆われている。
【0024】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記延出部は、前記第一方向を向く延出部端面を有する。
【0025】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記延出部端面は、前記遮光樹脂から露出している。
【0026】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記遮光樹脂は、前記第一方向を向く遮光樹脂第一側面を有しており、前記延出部端面と前記遮光樹脂第一側面とは互いに面一である。
【0027】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記は、前記延出部を前記第一方向に貫通させる貫通部を有する。
【0028】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記基材は、前記第一方向を向く基材第一側面を有しており、前記基材第一側面と前記延出部端面および前記遮光樹脂第一側面とは、面一である。
【0029】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記延出部端面は、前記遮光樹脂によって覆われている。
【0030】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記遮光樹脂は、前記延出部端面を収容する凹部を有する。
【0031】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記遮光樹脂は、前記第一方向を向く遮光樹脂第一側面を有しており、前記基材は、前記第一方向を向く基材第一側面を有しており、前記遮光樹脂第一側面と前記基材第一側面とは面一である。
【0032】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記本体部は、前記主面と同じ方向を向く透光樹脂主面を有しており、前記透光樹脂主面は、前記遮光樹脂から露出している。
【0033】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記遮光樹脂は、前記本体部を収容する収容部と、前記主面と同じ方向を向く遮光樹脂主面とを有する。
【0034】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記透光樹脂主面と前記遮光樹脂主面とは、面一である。
【0035】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記本体部は、前記第一方向両端に位置する透光樹脂第一側面を有し、前記透光樹脂第一側面は、前記基板から前記主面が向く方向に向かうほど、前記第一方向において前記LEDチップに近づくように傾斜している。
【0036】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記本体部は、前記第一方向および前記基板の厚さ方向の双方に直角である第二方向両端に位置する透光樹脂第二側面を有し、前記透光樹脂第二側面は、前記基板から前記主面が向く方向に向かうほど、前記第二方向において前記LEDチップに近づくように傾斜している。
【0037】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記配線パターンは、前記LEDチップがボンディングされたダイボンディング部を有する。
【0038】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記配線パターンは、前記ダイボンディング部から前記第二方向に延出するダイボンディング延出部を有する。
【0039】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記基材は、前記第二方向を向く一対の基材第二側面を有しており、前記ダイボンディング延出部は、平面視において前記基材第二側面に到達している。
【0040】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記配線パターンは、前記ワイヤがボンディングされたワイヤボンディング部を有する。
【0041】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記配線パターンは、前記ワイヤボンディング部から前記第二方向に延出するワイヤボンディング延出部を有する。
【0042】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記基材は、前記第二方向を向く一対の基材第二側面を有しており、前記ワイヤボンディング延出部は、平面視において前記基材第二側面に到達している。
【0043】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記基材は、前記第二方向において前記ワイヤボンディング部と並び且つ前記基材を厚さ方向に貫通するスルーホールを有しており、前記配線パターンは、前記スルーホールの内面に形成されたスルーホール部を有する。
【0044】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記配線パターンは、前記裏面に形成され且つ前記スルーホール部に繋がる裏面電極を有する。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば、前記LEDチップを各々が封止する前記複数の本体部を有する前記透光樹脂を形成した後に、前記複数の本体部の間を埋めるように前記遮光樹脂を形成する。このため、前記LEDチップの実装において、前記遮光樹脂との干渉は生じ得ない。このため、前記遮光樹脂と前記LEDチップとの距離をより近づけることが可能である。したがって、前記半導体発光装置の小型化を図りつつ、前記半導体発光装置を適切に製造することができる。
【0046】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】本発明の第一実施形態に基づく光半導体装置の製造方法におけるLEDチップを実装する工程を示す平面図である。
【
図2】本発明の第一実施形態に基づく光半導体装置の製造方法における基板材料と共通金型および透光樹脂用金型とを示す断面図である。
【
図3】本発明の第一実施形態に基づく光半導体装置の製造方法における基板材料を共通金型および透光樹脂用金型で挟んだ状態を示す断面図である。
【
図4】本発明の第一実施形態に基づく光半導体装置の製造方法における透光樹脂を形成する工程を示す断面図である。
【
図5】本発明の第一実施形態に基づく光半導体装置の製造方法における透光樹脂が形成された状態を示す平面図である。
【
図6】本発明の第一実施形態に基づく光半導体装置の製造方法における基板材料と共通金型および遮光樹脂用金型を示す断面図である。
【
図7】本発明の第一実施形態に基づく光半導体装置の製造方法における基板材料を共通金型および遮光樹脂用金型で挟んだ状態を示す断面図である。
【
図8】本発明の第一実施形態に基づく光半導体装置の製造方法における遮光樹脂を形成する工程を示す断面図である。
【
図9】本発明の第一実施形態に基づく光半導体装置の製造方法における基板材料を切断する工程を示す断面図である。
【
図10】本発明の第一実施形態に基づく光半導体装置を示す要部平面図である。
【
図16】本発明の第二実施形態に基づく光半導体装置の製造方法における連結部を分断する工程を示す断面図である。
【
図17】本発明の第二実施形態に基づく光半導体装置の製造方法における遮光樹脂を形成する工程を示す断面図である。
【
図18】本発明の第二実施形態に基づく光半導体装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0049】
本発明の第一実施形態に基づく光半導体装置の製造方法について、
図1〜
図9を参照しつつ、以下に説明する。
【0050】
まず、
図1に示すように基板材料10を用意する。基板材料10は、後述するように、絶縁材料からなる基材と、この基材に形成された配線パターンを有する。
図1〜
図9においては、便宜上、前記基材と前記配線パターンとを区別せずに記載している。基板材料10は、互いに反対側を向く主面101および裏面102を有する。
【0051】
次いで、基板材料10の主面101に、複数のLEDチップ2を実装する。複数のLEDチップ2の実装は、たとえば、基板材料10の前記配線パターンに接合材を介して接合することにより行う。本実施形態においては、LEDチップ2は、主面101においてx方向およびy方向に沿ったマトリクス状に配置される。また、LEDチップ2は、2つのワイヤ6によって、基板材料10の前記配線パターンに接続される。基板材料10は、4つの基板位置決め部109を有する。基板位置決め部109は、たとえば貫通孔である。
【0052】
次いで、
図2に示すように、共通金型70および透光樹脂用金型71を用意する。共通金型70は、4つの共通側位置決め部701を有する。共通側位置決め部701は、共通金型70と基板材料10と透光樹脂用金型71とを位置決めするためのものである。本実施形態においては、共通側位置決め部701は、z方向図中下方に突出する形状であり、たとえば金属からなるピンである。共通金型70は、基板材料10に対して裏面102側に配置される。
【0053】
透光樹脂用金型71は、4つの透光樹脂側位置決め部711、透光樹脂用キャビティ712および注入孔715を有する。透光樹脂側位置決め部711は、透光樹脂用金型71と共通金型70および基板材料10とを位置決めするためのものである。本実施形態においては、透光樹脂側位置決め部711は、共通金型70の共通側位置決め部701が嵌合する凹部である。透光樹脂用金型71は、基板材料10に対して主面101側に配置される。
【0054】
透光樹脂用キャビティ712は、複数の本体成形部713および複数の連結成形部714を有する。複数の本体成形部713は、以降の工程においてLEDチップ2を収容する部位であり、本実施形態においては、x方向およびy方向に沿うマトリクス状に配置されている。複数の連結成形部714は、x方向において隣り合う本体成形部713同士を連結している。連結成形部714のx方向に直角である断面積は、本体成形部713のx方向に直角である断面積よりも小である。注入孔715は、以降の工程において、樹脂材料を注入するための孔であり、透光樹脂用キャビティ712に繋がっている。
【0055】
次いで、
図3に示すように、共通金型70と透光樹脂用金型71とによって、基板材料10を挟む。この際、共通金型70の共通側位置決め部701を基板材料10の基板位置決め部109に貫通させ、且つ透光樹脂用金型71の透光樹脂側位置決め部711に嵌合させる。なお、基板材料10の基板位置決め部109は、共通金型70および透光樹脂用金型71に対して基板材料10を適切に位置決め可能な大きさとされており、たとえば共通側位置決め部701が基板位置決め部109に嵌合する関係であってもよい。この状態において、主面101上の複数のLEDチップ2は、透光樹脂用金型71の複数の本体成形部713に各別に収容されている。また、各本体成形部713は、2つのワイヤ6を収容している。
【0056】
次いで、
図4に示すように、注入孔715から透光樹脂材料を透光樹脂用キャビティ712に注入する。前記透光樹脂材料は、LEDチップ2からの光を透過しうる材質であればよく、たとえばエポキシ樹脂やシリコーン樹脂等である。この透光樹脂材料を硬化させることにより、透光樹脂3Aが形成される。透光樹脂3Aは、複数の本体部30および複数の連結部36を有する。複数の本体部30は、透光樹脂用金型71の複数の本体成形部713と基板材料10の主面101とによって囲まれた空間において、前記透光樹脂材料が硬化した部位である。本体部30は、LEDチップ2および2つのワイヤ6を封止している。複数の連結部36は、透光樹脂用金型71の連結成形部714と基板材料10の主面101とによって囲まれた空間において、前記透光樹脂材料が硬化した部位である。
図5は、透光樹脂3Aを形成する工程を終えた状態の基板材料10を示す平面図である。
図4および
図5に示すように、複数の本体部30は、x方向およびy方向に沿うマトリクス状に配置されている。複数の連結部36は、各々がx方向に隣り合う本体部30を連結している。連結部36のx方向に直角である断面積は、本体部30のx方向に直角である断面積よりも小である。
【0057】
次いで、共通金型70および基板材料10から透光樹脂用金型71を離脱させる。この際、共通金型70と基板材料10とは互いに結合させておくことが好ましい。そして、基板材料10の主面101側に、遮光樹脂用金型72を配置する。遮光樹脂用金型72は、4つの遮光樹脂側位置決め部721、遮光樹脂用キャビティ722および注入孔725を有する。透光樹脂用キャビティ712は、遮光樹脂用金型72と共通金型70および基板材料10とを位置決めするためのものである。本実施形態においては、透光樹脂用キャビティ712は、共通金型70の共通側位置決め部701が嵌合する凹部であり、透光樹脂用金型71の透光樹脂側位置決め部711と同形状および同サイズである。遮光樹脂用キャビティ722は、透光樹脂3Aを一括して収容しうるものである。本実施形態においては、遮光樹脂用キャビティ722は、遮光樹脂用金型72に形成された凹部にスペーサ729が設けられることによって、その空間形状が規定されている。スペーサ729は、たとえば、金属または高耐熱性の樹脂などからなる板状部材である。注入孔725は、以降の工程において、樹脂材料を注入するための孔であり、遮光樹脂用キャビティ722に繋がっている。
【0058】
次いで、
図7に示すように、共通金型70および遮光樹脂用金型72によって基板材料10を挟む。この際、共通金型70の共通側位置決め部701を基板材料10の基板位置決め部109に貫通させたまま、遮光樹脂用金型72の遮光樹脂側位置決め部721に共通側位置決め部701を嵌合させる。この状態において、透光樹脂3Aは、遮光樹脂用金型72の遮光樹脂用キャビティ722に収容されている。また、複数の本体部30のz方向下面に、スペーサ729が当接している。
【0059】
次いで、
図8に示すように、注入孔725から遮光樹脂材料を遮光樹脂用キャビティ722に注入する。前記遮光樹脂材料は、LEDチップ2からの光を遮光しうる材質であればよく、たとえば白色のエポキシ樹脂やシリコーン樹脂等である。この遮光樹脂材料を硬化させることにより、遮光樹脂4Aが形成される。遮光樹脂4Aは、複数の本体部30の隙間を埋めるように形成されている。また、遮光樹脂4Aは、複数の連結部36を覆っている。スペーサ729と複数の本体部30とが当接していたことにより、本体部30のz方向下面と遮光樹脂4Aのz方向下面とは、互いに面一である。
【0060】
次いで、
図9に示すように、共通金型70および遮光樹脂用金型72を基板材料10から離脱させる。そして、基板材料10、透光樹脂3Aおよび遮光樹脂4Aを切断線CLに沿って切断する。この切断は、マトリクス状に配置された複数の本体部30(LEDチップ2)を互いに分離するように切断する。具体的には、切断線CLは、隣り合う本体部30の間に位置している。x方向においては、本体部30は、連結部36を横切っている。この切断工程を経ることにより、
図10〜
図15に示す半導体発光装置A1が複数個得られる。
【0061】
半導体発光装置A1は、基板1、LEDチップ2、透光樹脂3、遮光樹脂4、レジスト層5および2つのワイヤ6を備えている。
図10は、半導体発光装置A1を示す要部平面図であり、理解の便宜上透光樹脂3を省略している。また、配線パターン12の露出部分に斜線からなるハッチングを付しており、レジスト層5の露出部分に離散点からなるハッチングを付している。
図11は、半導体発光装置A1の側面図である。
図12は、
図10のXII−XII線に沿う断面図である。
図13は、
図10のXIII−XIII線に沿う断面図である。
図14は、
図10のXIV−XIV線に沿う断面図である。
図15は、
図10のXV−XV線に沿う断面図である。
【0062】
基板1は、基材11および配線パターン12からなり上述した基板材料10が切断されたものである。基材11は、たとえばエポキシ樹脂等の絶縁材料からなり、主面111、裏面112、一対の基材第一側面113および一対の基材第二側面114を有する。主面111および裏面112は、z方向において互いに反対側を向く。一対の基材第一側面113は、基材11のx方向両端面である。一対の基材第二側面114は、基材11のy方向両端面である。基材11は、平面視(z方向視)においてx方向を長手方向とする矩形状である。また、基材11は、一対のスルーホール115を有している。一対のスルーホール115は、基材11をz方向に貫通している。一対のスルーホール115は、x方向に離間している。また、一対のスルーホール115は、y方向において、一方側と他方側とに配置されている。
【0063】
配線パターン12は、基材11に形成された導電体層であり、たとえばCu,Ni,Ti,Au等の金属から選択された単層または複数層のメッキ層からなる。配線パターン12は、ダイボンディング部121、一対のダイボンディング延出部122、一対のワイヤボンディング部123、二対のワイヤボンディング延出部124、一対のスルーホール部125および一対の裏面電極126を有する。
【0064】
ダイボンディング部121は、基材11の主面101の略中央に配置されており、LEDチップ2がボンディングされる部位である。一対のダイボンディング延出部122は、ダイボンディング部121からy方向に延出している。ダイボンディング延出部122は、平面視において基材11の基材第二側面114に到達している。
【0065】
一対のワイヤボンディング部123は、ワイヤ6がボンディングされる部位である。一対のワイヤボンディング部123は、ダイボンディング部121を挟んで、x方向両側に配置されている。また、本実施形態においては、一対のワイヤボンディング部123は、y方向において互いに異なる側に偏って配置さている。なお、上述した一対のスルーホール115の配置と一対のワイヤボンディング部123の配置とは、y方向において略反対となっている。
【0066】
二対のワイヤボンディング延出部124は、一対のワイヤボンディング部123からy方向に延出している。より具体的には、一対のワイヤボンディング延出部124が、一つのワイヤボンディング部123から延出している。ワイヤボンディング延出部124は、平面視において基材第二側面114に到達している。
【0067】
一対のスルーホール部125は、基材11のスルーホール115の内面に形成されている。スルーホール部125のz方向上端は、ワイヤボンディング延出部124に繋がっている。
【0068】
一対の裏面電極126は、基材11の裏面112に形成されている。一対の裏面電極126は、x方向に離間配置されている。スルーホール部125のz方向下端は、裏面電極126に繋がっている。
【0069】
LEDチップ2は、半導体発光装置A1の光源である。LEDチップ2は、基板1の主面111において配線パターン12に実装されている。この実装は、たとえばLEDチップ2の底面と配線パターン12のダイボンディング部121とを接合材29によって接合することによって行う。本実施形態においては、接合材29は、導電性であっても絶縁性であってもよい。
【0070】
LEDチップ2は、本体部21および一対のチップ電極22を有する。本体部21は、主として半導体材料からなる複数層が積層された構造である。一対のチップ電極22は、本体部21の活性層等に通電するための電極である。
【0071】
一対のワイヤ6は、各々の一端がLEDチップ2のチップ電極22にボンディングされ、他端が配線パターン12のワイヤボンディング部123にボンディングされている。ワイヤ6は、たとえばAuからなる金属線である。
【0072】
透光樹脂3は、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の透明な樹脂材料からなる。あるいは、透光樹脂3は、LEDチップ2からの光によって励起されることにより、異なる波長の光を発する蛍光材料を含んでいてもよい。この場合、透光樹脂3は、半透明の外観を呈する。
【0073】
透光樹脂3は、本体部30および一対の延出部35を有する。本体部30は、LEDチップ2および一対のワイヤ6を覆う部分であり、略直方体形状である。本体部30は、透光樹脂主面31、一対の透光樹脂第一側面33および一対の透光樹脂第二側面34を有する。透光樹脂主面31は、z方向図中上側を向いており、主面101と同じ方向を向いている。
【0074】
一対の透光樹脂第一側面33は、本体部30のx方向両端に位置する面である。透光樹脂第一側面33は、基板1から主面111が向く方向に向かうほど、x方向においてLEDチップ2に近づくように傾斜している。
【0075】
一対の透光樹脂第二側面34は、本体部30のy方向両端に位置する面である。透光樹脂第二側面34は、基板1から主面111が向く方向に向かうほど、y方向においてLEDチップ2に近づくように傾斜している。
【0076】
一対の透光樹脂第一側面33および一対の透光樹脂第二側面34が、上述した傾斜面となっている理由は、
図4に示す透光樹脂3Aを形成する工程の後に、透光樹脂用金型71を透光樹脂3Aからスムーズに離脱すべく、本体成形部713の内面が傾斜していることによる。
【0077】
一対の延出部35は、本体部30から
x方向両側に延出している。延出部35のx方向に直角である断面積は、本体部30のx向に直角である断面積よりも小である。延出部35は、延出部端面351を有する。本実施形態においては、延出部端面351は、平面視において基材11の基材第一側面113に到達しており、遮光樹脂4から露出している。
【0078】
遮光樹脂4は、平面視において透光樹脂3を囲むように覆っており、たとえば白色のエポキシ樹脂やシリコーン樹脂等のLEDチップ2からの光を遮光する樹脂からなる。遮光樹脂4は、遮光樹脂主面41、一対の遮光樹脂第一側面43、一対の遮光樹脂第二側面44、収容部45および一対の貫通部46を有する。
【0079】
収容部45は、透光樹脂3の本体部30を収容している部位である。遮光樹脂主面41は、z方向図中上方を向く面であり、本実施形態においては、本体部30の透光樹脂主面31と面一である。これは、
図7および
図8に示す工程において、透光樹脂3Aの複数の本体部30に遮光樹脂用金型72のスペーサ729が当接していたことによる。
【0080】
一対の遮光樹脂第一側面43は、遮光樹脂4のx方向両端面である。遮光樹脂第一側面43は、x方向に直角である。また、本実施形態においては、遮光樹脂第一側面43と延出部端面351と基材第一側面113とは、互いに面一である。
【0081】
一対の遮光樹脂第二側面44は、遮光樹脂4のy方向両端面である。遮光樹脂第二側面44は、y方向に直角である。また、本実施形態においては、遮光樹脂第二側面44と基材第二側面114とは、互いに面一である。
【0082】
一対の貫通部46は、収容部45に繋がっており、x方向に貫通している。貫通部46は、透光樹脂3の延出部35を収容している。
【0083】
次に、半導体発光装置A1の製造方法および半導体発光装置A1の作用について説明する。
【0084】
本実施形態によれば、LEDチップ2を各々が封止する複数の本体部30を有する透光樹脂3Aを形成した後に、複数の本体部30の間を埋めるように遮光樹脂4Aを形成する。このため、LEDチップ2のボンディングにおいて、遮光樹脂4Aとの干渉は生じ得ない。このため、遮光樹脂4とLEDチップ2との距離をより近づけることが可能である。したがって、半導体発光装置A1の小型化を図りつつ、半導体発光装置A1を適切に製造することができる。
【0085】
また、本体部30は、一対のワイヤ6を封止している。このため、ワイヤ6をボンディングするためのキャピラリと遮光樹脂4Aとの干渉は生じ得ない。これは、半導体発光装置A1の小型化に好ましい。
【0086】
連結部36の断面積は、本体部30よりも小である。このため、基板材料10に透光樹脂3Aを形成した状態において、基板材料10の主面101は、その全体が一様な厚さの透光樹脂3Aによって覆われた状態とはなっていない。透光樹脂3Aが一様な厚さの態様に近い態様であるほど、基板材料10が反ってしまうことが懸念される。本実施形態においては、複数の本体部30は、互いに離間配置されており、相対的に小部位である連結部36によって連結されているに過ぎない。したがって、基板材料10の反りを抑制することができる。これにより、基板材料10の薄型化が可能であり、半導体発光装置A1のz方向寸法を縮小することができる。
【0087】
共通金型70の共通側位置決め部701と基板材料10の基板位置決め部109とによって共通金型70と基板材料10との位置決めをするとともに、透光樹脂用金型71の透光樹脂側位置決め部711と共通側位置決め部701とによって共通金型70および基板材料10と透光樹脂用金型71との位置決めを行う。また、遮光樹脂用金型72の遮光樹脂側位置決め部721と共通側位置決め部701とを用いて共通金型70および基板材料10と遮光樹脂用金型72とを位置決めする。このような手順とすることにより、透光樹脂用金型71によって形成した透光樹脂3Aと遮光樹脂用金型72の遮光樹脂用キャビティ722とをより正確な位置に設定することができる。これは、より小型の半導体発光装置A1を形成するのに好ましい。
【0088】
基板材料10の切断において、連結部36を分断することにより、延出部35が形成される。このような手法により、半導体発光装置A1において延出部端面351が遮光樹脂4から露出するものの、延出部端面351は、x方向においてLEDチップ2から十分に離間した面であり、相対的に小さい面である。このため、延出部端面351からの漏光は実質的に問題にならない。一方、延出部端面351を遮光樹脂4によって封止するための工程を行う必要が無いことにより、半導体発光装置A1の製造効率を高めることができる。
【0089】
図16〜
図18は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0090】
図16および
図17は、本発明の第二実施形態に基づく光半導体装置の製造方法を示している。
図16は、
図4および
図5に示す透光樹脂3Aを形成する工程を終えた状態の、
図6に示す基板材料10を用いている。本実施形態においては、基板材料10に形成された透光樹脂3Aに切削加工等を施すことにより、複数の連結部36をx方向に分断する。これにより、本体部30のx方向両側に繋がる延出部35が形成される。また、本実施形態においては、連結部36を分断する際に、基板材料10の主面101側の一部を削除する。これにより、基板材料10には、複数の溝部116が形成される。溝部116は、x方向に隣り合う本体部30の間においてy方向に延びている。
【0091】
次いで、
図17に示すように、遮光樹脂用金型72を用いて遮光樹脂4Aを形成する。そして、
図9に示す工程を類似の工程によって基板材料10を切断する。この切断においては、x方向において隣り合う延出部35どうしの間を切断する。ことにより、
図18に示す半導体発光装置A2が複数個得られる。
【0092】
半導体発光装置A2においては、透光樹脂3の一対の延出部35の延出部端面351が、遮光樹脂4に覆われており、基材11の基材第一側面113から平面視においてx方向内方に退避している。遮光樹脂4は、一対の凹部47を有している。一対の凹部47は、各々が透光樹脂3の延出部35を収容している。基板1の基材11には、一対の溝部116が形成されている。溝部116は、遮光樹脂4によって埋められている。
【0093】
このような実施形態によっても、半導体発光装置A2の小型化を図りつつ、半導体発光装置A2を適切に製造することができる。また、本実施形態によれば、透光樹脂3がx方向において遮光樹脂4から露出しない構成を得ることができる。
【0094】
本発明に係る光半導体装置の製造方法および光半導体装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る光半導体装置の製造方法および光半導体装置の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0095】
A1,A2:半導体発光装置
1 :基板
2 :LEDチップ
3 :透光樹脂
3A :透光樹脂
4 :遮光樹脂
4A :遮光樹脂
5 :レジスト層
6 :ワイヤ
10 :基板材料
11 :基材
12 :配線パターン
21 :本体部
22 :チップ電極
29 :接合材
30 :本体部
31 :透光樹脂主面
33 :透光樹脂第一側面
34 :透光樹脂第二側面
35 :延出部
36 :連結部
41 :遮光樹脂主面
43 :遮光樹脂第一側面
44 :遮光樹脂第二側面
45 :収容部
46 :貫通部
47 :凹部
70 :共通金型
71 :透光樹脂用金型
72 :遮光樹脂用金型
101 :主面
102 :裏面
109 :基板位置決め部
111 :主面
112 :裏面
113 :基材第一側面
114 :基材第二側面
115 :スルーホール
116 :溝部
121 :ダイボンディング部
122 :ダイボンディング延出部
123 :ワイヤボンディング部
124 :ワイヤボンディング延出部
125 :スルーホール部
126 :裏面電極
351 :延出部端面
701 :共通側位置決め部
711 :透光樹脂側位置決め部
712 :透光樹脂用キャビティ
713 :本体成形部
714 :連結成形部
715 :注入孔
721 :遮光樹脂側位置決め部
722 :遮光樹脂用キャビティ
725 :注入孔
729 :スペーサ
CL :切断線