(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記厚さ方向視において前記第1接続点と前記第2接続点とが離間する方向に沿う前記補助パッド部の最大寸法は、前記厚さ方向視において前記第1接続点と前記第2接続点とを線分の長さよりも大である、
請求項1に記載のLEDモジュール。
前記厚さ方向視において、前記補助パッド部は、前記第1接続点から前記第2方向に延びる補助パッド部側第1辺と、前記第2接続点から前記第1方向に延びる補助パッド部側第2辺と、前記補助パッド部側第1辺の端部から記第2方向に延びる補助パッド部側第3辺と、前記補助パッド部側第2辺の端部から記第1方向に延び且つ前記補助パッド部側第3辺に繋がる補助パッド部側第4辺と、を有する、
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のLEDモジュール。
前記第1LEDチップが前記主パッド部の予め設定された位置に位置ズレすることなくボンディングされたとき、前記厚さ方向視において、前記第1電極パッドは、前記補助パッド部側第3辺の垂直二等分線と前記補助パッド部側第4辺の垂直二等分線との交点に位置する、
請求項4に記載のLEDモジュール。
前記第1LEDチップが前記主パッド部の予め設定された位置に位置ズレすることなくボンディングされたとき、前記厚さ方向視において、前記補助パッド部は、前記第1電極パッドの位置を中心とした、円弧が前記第1接続点および前記第2接続点をそれぞれ通る円形状の範囲であり、かつ、前記主パッド部と重ならない部分である、
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のLEDモジュール。
前記厚さ方向視において、前記第2電極パッドは、前記第1LEDチップの中心位置からの離間距離が、前記第1電極パッドと前記第1LEDチップの中心位置との離間距離よりも短い、
請求項8に記載のLEDモジュール。
前記3つの第1LEDチップのうち、少なくとも1つの前記第1LEDチップの代わりに、第3ワイヤがボンディングされたワイヤ電極パッドと、前記ワイヤ電極パッドの反対側に位置し、前記主面電極に接合される底面電極と、を有する1ワイヤタイプの第2LEDチップを用いる、
請求項22に記載のLEDモジュール。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図20は、LEDチップ920を基板900上に実装する際の課題を示す図である。上記するダイボンディング工程において、LEDチップ920がダイパッド部911上の予め設定された所定の位置に配置されるようにしているが、ダイボンディングを行う装置であるダイボンダの精度により、位置ズレが発生する場合がある。この位置ズレにより、LEDチップ920がダイパッド部911の外側にはみ出た状態で、載置されることがある(
図20(a)(b)参照)。このとき、ダイパッド部911からはみ出た部分の上部に上記電極がある場合、ワイヤボンディングにより印加される応力(
図20(c)に示す実線矢印)により、LEDチップ920の接合がはがれたり、ずれてしまったりする可能性がある。特に、上面に2つの電極パッドを有する2ワイヤタイプのLEDチップの場合、一方の電極パッドが平面視端縁に配置されることが多く、このような問題が顕著に表れる。そのため、従来のLEDモジュールでは、平面視において、ダイパッド部911をLEDチップ920の外周より四方に一律に大きく形成していた(引用文献1の
図15参照)。したがって、LEDモジュールの平面視サイズが大きくならざるを得なかった。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みて創作されたものであり、その目的は、小型化を図るとともに、ダイボンディング時に位置ズレが生じても、ワイヤをボンディングする電極パッドがダイパッド部からはみ出ることを抑制することが可能なLEDモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によって提供されるLEDモジュールは、厚さ方向において、互いに反対側を向く主面および裏面を有する基板と、前記主面と同じ方向を向く面に接合された第1電極パッドを有する第1LEDチップと、一端が前記第1電極パッドにボンディングされた第1ワイヤと、前記主面に形成された主面電極を有する配線パターンと、を備えたLEDモジュールであって、前記主面電極は、前記第1ワイヤの他端がボンディングされた第1ワイヤボンディング部、および、前記第1LEDチップを支持する第1ダイパッド部を有しており、前記第1電極パッドは、前記厚さ方向視において、前記第1LEDチップの中心位置より前記第1LEDチップの外縁寄りに配置されており、前記第1ダイパッド部は、前記厚さ方向視において、前記第1LEDチップがボンディングされる主パッド部と、前記主パッド部に一体的に形成され、前記厚さ方向視において、前記主パッド部から、前記第1LEDチップの中心位置から前記第1電極パッドの位置を向く方向に突き出た補助パッド部と、を有する、ことを特徴とする。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態において、前記第1ダイパッド部は、前記厚さ方向視において、前記主パッド部の外縁と前記補助パッド部の外縁とが交わる2つの接続点を有する。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態において、前記2つの接続点が離間する方向における前記補助パッド部の最大寸法は、前記2つの接続点の距離よりも大である。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態において、前記第1LEDチップは、前記厚さ方向視において、矩形状である。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態において、前記第1電極パッドは、前記第1LEDチップの一方の対角線上に配置されている。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態において、第1ワイヤボンディング部は、前記対角線の延長線上にある。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態において、前記主パッド部は、前記厚さ方向視において、矩形状である。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態において、前記主パッド部は、前記厚さ方向視において、前記第1LEDチップの相似形である。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態において、前記補助パッド部は、前記厚さ方向視において、前記2つの接続点の一方に繋がる前記主パッド部の辺に対して垂直である方向に当該一方の接続点から延びる第1辺と、前記2つの接続点の他方に繋がる前記主パッド部の辺に対して垂直である方向に当該他方の接続点から延びる第2辺と、前記第1辺の端部から前記第2辺と平行である方向に延びる第3辺と、前記第2辺の端部から前記第1辺と平行である方向に延び且つ前記第3辺に繋がる第4辺と、を有する。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態において、前記第1LEDチップが前記主パッド部の所定の位置にボンディングされたとき、前記厚さ方向視において、前記第1電極パッドは、前記補助パッド部の前記第3辺の垂直二等分線と第4辺の垂直二等分線との交点に位置する。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態において、前記補助パッド部の前記第3辺と前記第4辺とは同じ長さである。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態において、前記第1LEDチップが前記主パッド部の所定の位置にボンディングされたとき、前記厚さ方向視において、前記補助パッド部は、前記第1電極パッドの位置を中心とした、円弧が前記2つの接続点を通る円形状の範囲であり、かつ、前記主パッド部と重ならない部分である。
【0020】
本発明の好ましい実施の形態において、前記第1LEDチップは、前記主面と同じ方向を向く面に接合され、かつ、前記厚さ方向視において、前記第1電極パッドと離間する第2電極パッドを、さらに有している。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態において、前記第2電極パッドは、前記厚さ方向視において、前記第1LEDチップの中心位置からの離間距離が、前記第1電極パッドと前記第1LEDチップの中心位置からの離間距離よりも短い。
【0022】
本発明の好ましい実施の形態において、前記第2電極パッドが接合された面は、前記厚さ方向において、前記第1電極パッドが接合された面より前記裏面側に配置されている。
【0023】
本発明の好ましい実施の形態において、前記第1LEDチップは、半導体基板と、n型半導体層と、活性層と、p型半導体層と、を含んでおり、前記第1電極パッドは、n型半導体層に接合されたn側電極パッドであり、前記第2電極パッドは、p型半導体層に接合されたp側電極パッドである。
【0024】
本発明の好ましい実施の形態において、一端が前記第2電極パッドにボンディングされた第2ワイヤをさらに備えており、前記主面電極は、前記第2ワイヤの他端がボンディングされた第2ワイヤボンディング部をさらに有する。
【0025】
本発明の好ましい実施の形態において、前記主面電極は、前記第1ダイパッド部と前記第2ワイヤボンディング部とにつながる連結配線を有する。
【0026】
本発明の好ましい実施の形態において、前記配線パターンは、前記基板の前記裏面に形成された裏面電極を有する。
【0027】
本発明の好ましい実施の形態において、前記配線パターンは、前記主面電極および前記裏面電極につながり、かつ、前記基板を貫通する貫通電極を有する。
【0028】
本発明の好ましい実施の形態において、前記貫通電極は、前記基板を前記厚さ方向に貫通するビアホールに導電性材料が充填されている。
【0029】
本発明の好ましい実施の形態において、前記貫通電極は、前記基板を前記厚さ方向に貫通する貫通部の内面に形成されためっきである。
【0030】
本発明の好ましい実施の形態において、前記配線パターンの一部を覆う絶縁膜をさらに備える。
【0031】
本発明の好ましい実施の形態において、前記基板の主面に、前記第1LEDチップを囲むケースをさらに備える。
【0032】
本発明の好ましい実施の形態において、前記第1LEDチップを複数備える。
【0033】
本発明の好ましい実施の形態において、前記第1LEDチップを3つ備えており、前記3つの第1LEDチップは、緑色光、青色光、および、赤色光をそれぞれ発する。
【0034】
本発明の好ましい実施の形態において、前記3つの第1LEDチップのうち、少なくとも1つの前記第1LEDチップの代わりに、第3ワイヤがボンディングされたワイヤ電極パッドと、前記ワイヤ電極パッドの反対側に位置し、前記主面電極に接合される底面電極と、を有する1ワイヤタイプの第2LEDチップを用いる。
【0035】
本発明の好ましい実施の形態において、前記主面電極は、前記第2LEDチップを支持し、かつ、前記底面電極が導通接合される第2ダイパッド部を有する。
【0036】
本発明の好ましい実施の形態において、前記主面電極は、前記第3ワイヤの他端がボンディングされた第3ワイヤボンディング部をさらに有する。
【0037】
本発明の好ましい実施の形態において、2つの前記第1LEDチップと、1つの前記第2LEDチップと、を備えており、前記1つの第2LEDチップは、赤色光を発する。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、前記第1ダイパッド部において、前記補助パッド部が、前記主パッド部の外周から前記厚さ方向視四方に一律に大きくするのではなく、前記主パッド部から前記第1LEDチップの中心位置から前記第1電極パッドの位置を向く方向に突き出るようにした。これにより、第1ダイパッド部の平面視サイズを小さくすることができ、LEDモジュールの小型化を図ることができる。さらに、ダイボンディング時に位置ズレが生じても、前記厚さ方向視において、ワイヤをボンディングする電極パッド(前記第1電極パッド)が前記第1ダイパッド部からはみ出ることを抑制することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0041】
本発明の第1実施形態に係るLEDモジュールA1は、モジュール基板100、配線パターン200、複数のLEDチップ(本実施形態においては3つのLEDチップ301,302,303)、複数のワイヤ(本実施形態においては、5つのワイヤ401,402,403,404,405)、絶縁膜500、ケース600、および、封止樹脂700を備えている。
【0042】
図1〜
図4は、第1実施形態に係るLEDモジュールA1を示す図である。
図1は、LEDモジュールA1の要部平面図である。
図1(a)は封止樹脂700を省略し、
図1(b)は封止樹脂700およびケース600を省略し、
図1(c)は封止樹脂700、ケース600、および、絶縁膜500をそれぞれ省略している。また、
図1(c)においては、複数のLEDチップ301〜303および複数のワイヤ401〜405を透過して図示している。
図2は、LEDモジュールA1の側面図である。
図3は、LEDモジュールA1の底面図である。なお、
図3において、絶縁膜500を透過させて図示している。
図4は、
図1(a)のIV−IV線に沿った断面図である。理解の便宜上、
図1〜
図3において、配線パターン200および絶縁膜500にハッチングをしている。本実施形態においては、LEDモジュールA1の厚さ方向をz方向、z方向に垂直な方向をx方向およびy方向とし、x方向、y方向、および、z方向の各々において、矢印の向く向きを+方向、その反対を−方向とする。例えば、
図1において、+x方向とは、図面向かって右側を指す。
【0043】
モジュール基板100は、絶縁性の材料よりなる。このような絶縁性の材料としては、例えば、ガラスエポキシ樹脂が挙げられる。モジュール基板100は、z方向視においてx方向に長く伸びた矩形状を呈する。モジュール基板100は、基板主面110、4つの基板側面121,122,123,124、および、基板裏面130を有する。基板主面110および基板裏面130は、z方向に互いに反対側を向く。基板側面121,122,123,124はそれぞれ、+x方向,−x方向,+y方向,−y方向を向く。各基板側面121〜124は、基板主面110および基板裏面130のいずれともつながっている。
【0044】
モジュール基板100には、2つの貫通孔141,142および2つのコーナー溝151,152が形成されている。
【0045】
貫通孔141,142は、モジュール基板100を厚さ方向(z方向)に貫通しており、基板主面110から基板裏面130に達している。貫通孔141,142は、z方向視において、+y方向側寄りに配置されている。貫通孔141,142は、ビアホール(via hole)と称されるものである。
【0046】
コーナー溝151は、基板側面121および基板側面124から凹む。コーナー溝151は、モジュール基板100の厚さ方向(z方向)において、基板主面110および基板裏面130に達する。コーナー溝152は、基板側面122および基板側面124から凹む。コーナー溝152は、モジュール基板100の厚さ方向(z方向)において、基板主面110および基板裏面130に達する。コーナー溝151,152のz方向に垂直な断面は、四半円形状である。
【0047】
配線パターン200は、各LEDチップ301〜303に電力を供給するための電流経路を構成するものである。配線パターン200は、LEDチップ301〜303のそれぞれに導通している。配線パターン200は、例えば、Cu、Ni、Ti、Auなどの単種類または複数種類の金属からなる。配線パターン200は、モジュール基板100に形成されており、例えば、めっきによる。
【0048】
配線パターン200は、主面電極210、複数の裏面電極(本実施形態においては、4つの裏面電極271,272,273,274)、複数の貫通電極(本実施形態においては、2つの貫通電極281,282)、および、複数のコーナー溝電極(本実施形態においては、2つのコーナー溝電極283,284)を有する。
【0049】
主面電極210は、モジュール基板100の基板主面110に形成されている。本実施形態においては、主面電極210は、
図1(c)に示すように、3つのダイパッド部221,222,223、5つのワイヤボンディング部231,232,233,234,235、2つの四半環状配線241,242、2つの円形状配線243,244、および、2つの連結配線251,252を含んでいる。
【0050】
ダイパッド部221,222,223はそれぞれ、LEDチップ301,302,303を支持する部分である。本実施形態においては、ダイパッド部221〜223は、x方向に互いに離間している。ダイパッド部221,222が特許請求の範囲に記載の「第1ダイパッド部」に相当し、ダイパッド部223が特許請求の範囲に記載の「第2ダイパッド部」に相当する。
【0051】
本実施形態においては、ダイパッド部221は、主パッド部221aおよび補助パッド部221bを有する。これら、主パッド部221aおよび補助パッド部221bについての詳細は後述する。
【0052】
本実施形態においては、ダイパッド部222は、主パッド部222aと補助パッド部222bとを有する。なお、主パッド部222aおよび補助パッド部222bはそれぞれ、主パッド部221aおよび補助パッド部221bと同様の構成である。
【0053】
本実施形態においては、ダイパッド部223は、円形状である。
【0054】
ワイヤボンディング部231には、ワイヤ401の一端がボンディングされている。ワイヤボンディング部232には、ワイヤ402の一端がボンディングされている。本実施形態においては、ワイヤボンディング部232は、z方向視矩形状である。ワイヤボンディング部233には、ワイヤ403の一端がボンディングされている。ワイヤボンディング部234には、ワイヤ404の一端がボンディングされている。本実施形態においては、ワイヤボンディング部234は、z方向視矩形状である。ワイヤボンディング部235には、ワイヤ405の一端がボンディングされている。本実施形態においては、ワイヤボンディング部235は、z方向視矩形状である。ワイヤボンディング部231〜235は、互いに離間して、配置されている。ワイヤボンディング部231,233が特許請求の範囲に記載の「第1ワイヤボンディング部」に相当し、ワイヤボンディング部232,234が特許請求の範囲に記載の「第2ワイヤボンディング部」に相当し、ワイヤボンディング部235が特許請求の範囲に記載の「第3ワイヤボンディング部」に相当する。
【0055】
四半環状配線241は、基板主面110のうち、コーナー溝151とつながる部分近傍に形成されている。四半環状配線242は、基板主面110のうち、コーナー溝152とつながる部分近傍に形成されている。
【0056】
円形状配線243,244は、z方向視円形状である。本実施形態においては、基板主面110の+y方向の端縁寄りに配置されている。円形状配線243,244は、x方向に離間し、かつ、x方向に並んで配置されている。円形状配線243は、ワイヤボンディング部231に−x方向かつ−y方向から繋がる。円形状配線244は、ワイヤボンディング部233に+x方向かつ−y方向から繋がる。
【0057】
連結配線251は、ダイパッド部221〜223、ワイヤボンディング部232,234、および、四半環状配線241を連結する。連結配線251は、帯状部251aおよび複数の枝部251b,251c,251d,251eを有する。
【0058】
帯状部251aは、四半環状配線241から−x方向に延び、ダイパッド部223に繋がる。帯状部251aは、基板主面110の−y方向の端縁寄りに配置されている。枝部251bは、帯状部251aの一部から+y方向に延び、ダイパッド部221の−y方向の端縁に繋がる。枝部251bは、x方向において、ダイパッド部221と重なる。枝部251cは、帯状部251aの一部から+y方向に延び、ワイヤボンディング部232に−y方向から繋がる。枝部251cは、x方向において、ワイヤボンディング部232と重なる。枝部251dは、帯状部251aの一部から+y方向に延び、ダイパッド部222に−y方向の端縁に繋がる。枝部251dは、x方向において、ダイパッド部222に重なる。枝部251eは、帯状部251aの一部から+y方向に延び、ワイヤボンディング部234に−y方向の端縁に繋がる。枝部151eは、x方向において、ワイヤボンディング部234と重なる。
【0059】
連結配線252は、ワイヤボンディング部235と四半環状配線242とを連結する。連結配線252は、四半環状配線242から+y方向に延びる帯状であり、ワイヤボンディング部235に繋がっている連結配線252は、基板主面110の−x方向の端縁寄りに配置されている。
【0060】
裏面電極271,272,273,274は、モジュール基板100の基板裏面130の一部に形成されている。各裏面電極271〜274は、LEDモジュールA1を実装基板B等に実装する際の接合箇所として用いられる。裏面電極271〜274は、互いにx方向に離間し、絶縁されている。
【0061】
貫通電極281,282はそれぞれ、貫通孔141,142の内側に形成されており、円柱形状となっている。貫通電極281,282はそれぞれ、貫通孔141,142の内側に導電性材料を充填して形成される。貫通電極281,282はともに、基板主面110から基板裏面130に達している。なお、貫通電極281,282はそれぞれ、貫通孔141,142の内面に形成された円筒形状であってもよい。この場合、貫通電極281,282の内側に樹脂を充填してもよい。貫通電極281は、z方向視において、円形状配線243および裏面電極272と重なっている。貫通電極281は、基板主面110側から円形状配線243に繋がり、基板裏面130側から裏面電極272に繋がっている。貫通電極282は、z方向視において、円形状配線244および裏面電極273と重なっている。貫通電極282は、基板主面110側から円形状配線244に繋がり、基板裏面130側から裏面電極273に繋がっている。
【0062】
コーナー溝電極283,284はそれぞれ、モジュール基板100のコーナー溝151,152の内面を覆うように形成されている。コーナー溝電極283,284は、基板主面110から基板裏面130に達している。なお、コーナー溝電極283,284が形成されたコーナー溝151,152を樹脂などで充填させておいてもよい。コーナー溝電極283は、+z方向の端縁が四半環状配線241に繋がり、−z方向の端縁が裏面電極271に繋がっている。コーナー溝電極284は、+z方向の端縁が四半環状配線242に繋がり、−z方向の端縁が裏面電極274に繋がっている。
【0063】
本実施形態に係る配線パターン200においては、裏面電極271は、コーナー溝電極283を介して、四半環状配線241、連結配線251、ダイパッド部221〜223、および、ワイヤボンディング部232,234に導通している。また、裏面電極272は、貫通電極281を介して、円形状配線243およびワイヤボンディング部231に導通している。裏面電極273は、貫通電極282を介して、円形状配線244およびワイヤボンディング部233に導通している。そして、裏面電極274は、コーナー溝電極284を介して、四半環状配線242、連結配線252、および、ワイヤボンディング部235に導通している。
【0064】
LEDチップ301,302,303は、LEDモジュールA1の光源であり、上記ダイボンディング工程により、ダイパッド部221,222,223上の予め設定された所定の位置にボンディングされる。LEDチップ301〜303は、x方向に並んで配置されている。LEDチップ301,302,303はともに、z方向視において、矩形状(本実施形態においては、略正方形)をなす。本実施形態においては、LEDチップ301は青色光を発し、LEDチップ302は緑色光を発し、LEDチップ303は赤色光を発する。これらLEDチップ301〜303をすべて光らせた場合、LEDモジュールA1は白色光を発する。また、本実施形態においては、LEDチップ301,302は、いわゆる2ワイヤタイプのLEDチップであり、+z方向の面に2つの電極を有する。LEDチップ303は、いわゆる1ワイヤタイプのLEDチップであり、+z方向の面に1つの電極を有し、−z方向の面に底面電極を有する。LEDチップ301,302が、特許請求の範囲に記載の「第1LEDチップ」に相当し、LEDチップ303が、特許請求の範囲に記載の「第2LEDチップ」に相当する。
【0065】
図5,6は、LEDチップ301(302)の構造を説明するための図である。
図5は、LEDチップ301(302)の要部拡大断面図である。
図6は、LEDチップ301(302)単体の平面図である。
【0066】
図5に示すように、LEDチップ301(302)は、半導体基板311、n型半導体層312、活性層313、p型半導体層314、n側電極パッド315、および、p側電極パッド316を備えている。
【0067】
半導体基板311は、たとえば、サファイア(Al
2O
3)基板、シリコン(Si)基板、あるいは、シリコンカーバイド(SiC)基板などで形成される。半導体基板311の上(+z方向)には、n型半導体層312、活性層313、p型半導体層314の順に積層されている。n型半導体層312の+z方向を向く面は、p型半導体層314の+z方向を向く面より、−z方向に位置している。n型半導体層312は、
図5に示すように、z方向視において、p型半導体層314より大きい。n型半導体層312のz方向を向き、かつ、−x方向および+z方向の露出している面には、ワイヤボンディング用のn側電極パッド315が設けられている。n側電極パッド315は、LEDチップ301(302)のカソードに相当する。p型半導体層314のz方向を向く面にはワイヤボンディング用のp側電極パッド316が設けられている。p側電極パッド316は、LEDチップ301(302)のアノードに相当する。
【0068】
本実施形態においては、
図6に示すように、n側電極パッド315は、z方向視において、LEDチップ301(302)の対角線331の一方の端部側に配置されている。当該対角線331が特許請求の範囲に記載の「対角線」に相当する。p側電極パッド316は、LEDチップ301(302)の対角線332よりn側電極パッド315とは反対側に配置されている。p側電極パッド316は、LEDチップ301(302)のz方向視中心位置近傍に配置されている。z方向視において、p側電極パッド316とLEDチップ301(302)の中心位置との離間距離は、n側電極パッド315とLEDチップ301(302)の中心位置との離間距離よりも短い。したがって、n側電極パッド315は、p側電極パッド316よりLEDチップ301(302)の外縁寄りに配置されている。n側電極パッド315が特許請求の範囲に記載の「第1電極パッド」に相当し、p側電極パッド316が特許請求の範囲に記載の「第2電極パッド」に相当する。
【0069】
LEDチップ301(302)は、順方向バイアス(p側電極パッド316が高電位、n側電極パッド315が低電位となる電圧)を印加することで、発光する。LEDチップ301(302)は、半導体基板311、n型半導体層312、活性層313、および、p型半導体層314に用いる材質により、その発光色が決まる。本実施形態においては、LEDチップ301が青色光を発し、LEDチップ302が緑色光を発するように、これらの材質が選定されている。
【0070】
本実施形態においては、
図5に示すように、LEDチップ301(302)は、モジュール基板100上に形成されたダイパッド部221(222)上に、導電性ペースト319により接合される。なお、樹脂ペーストにより接合されていてもよく、白色あるいは透明などの樹脂ペーストを用いた場合、導電性ペースト319を用いた場合よりも、LEDモジュールA1の発光強度を高めることができる。
【0071】
図7は、LEDチップ303の構造を説明するための図であり、LEDチップ303の要部拡大断面図である。
図7に示すように、LEDチップ303は、底面電極321、p型半導体層322、活性層323、n型半導体層324、および、ワイヤ電極パッド325を備えている。
【0072】
底面電極321は、LEDチップ303の底面(−z方向)側に配置されており、導電性ペースト329などにより配線パターン200(ダイパッド部223)に導通接合される。本実施形態においては、底面電極321の上(+z方向)には、p型半導体層322、活性層323、n型半導体層324の順に積層されている。n型半導体層324の+z方向を向く面には、ワイヤボンディング用のワイヤ電極パッド325が設けられている。ワイヤ電極パッド325は、LEDチップ303のz方向視中心位置に配置される(図示は省略する)。底面電極321は、LEDチップ303のアノードに相当し、ワイヤ電極パッド325は、LEDチップ303のカソードに相当する。
【0073】
LEDチップ303は、順方向バイアス(底面電極321が高電位、ワイヤ電極パッド325が低電位となる電圧)を印加することで、発光する。LEDチップ303は、p型半導体層322、活性層323、および、n型半導体層324に用いる材質により、その発光色が決まる。本実施形態においては、LEDチップ303の発光色が、上記した発光色(赤色)となるように、これらの材質が選定されている。
【0074】
本実施形態においては、
図7に示すように、LEDチップ303は、モジュール基板100上に形成されたダイパッド部223上に、導電性ペースト329により接合される。また、導電性ペースト329は、導電性ペースト319と同一の材質である。これにより、LEDチップ301〜303の接合をすべて同一の材質のペースト剤で行うことができる。したがって、LEDチップ301〜303毎にペースト剤を変える必要がないため、ダイボンディング工程の簡素化が図れる。
【0075】
ワイヤ401,402,403,404,405は、LEDチップ301,302,303と配線パターン200とを導通させるためのものである。各ワイヤ401〜405は、例えば、Auなどの金属からなり、上記するワイヤボンディング工程によりボンディングされている。ワイヤ401,403が特許請求の範囲に記載の「第1ワイヤ」に相当し、ワイヤ402,404が特許請求の範囲に記載の「第2ワイヤ」に相当し、ワイヤ405が特許請求の範囲に記載の「第3ワイヤ」に相当する。
【0076】
ワイヤ401は、一端がLEDチップ301のn側電極パッド315にボンディングされ、他端がワイヤボンディング部231にボンディングされている。したがって、ワイヤ401は、ワイヤボンディング部231とLEDチップ301のn側電極パッド315とを導通させている。本実施形態においては、上記するように、ワイヤボンディング部231と裏面電極272とが導通しているため、LEDチップ301のn側電極パッド315は、裏面電極272に導通している。
【0077】
ワイヤ402は、一端がLEDチップ301のp側電極パッド316にボンディングされ、他端がワイヤボンディング部232にボンディングされている。したがって、ワイヤ402は、ワイヤボンディング部232とLEDチップ301のp側電極パッド316とを導通させている。本実施形態においては、上記するように、ワイヤボンディング部232と裏面電極271とが導通しているため、LEDチップ301のp側電極パッド316は、裏面電極271に導通している。
【0078】
ワイヤ403は、一端がLEDチップ302のn側電極パッド315にボンディングされ、他端がワイヤボンディング部233にボンディングされている。したがって、ワイヤ403は、ワイヤボンディング部233とLEDチップ302のn側電極パッド315とを導通させている。本実施形態においては、上記するように、ワイヤボンディング部233と裏面電極273とが導通しているため、LEDチップ302のn側電極パッド315は、裏面電極273に導通している。
【0079】
ワイヤ404は、一端がLEDチップ302のp側電極パッド316にボンディングされ、他端がワイヤボンディング部234にボンディングされている。したがって、ワイヤ404は、ワイヤボンディング部234とLEDチップ302のp側電極パッド316とを導通させている。本実施形態においては、上記するように、ワイヤボンディング部234と裏面電極271とが導通しているため、LEDチップ302のp側電極パッド316は、裏面電極271に導通している。
【0080】
ワイヤ405は、一端がLEDチップ303のワイヤ電極パッド325にボンディングされ、他端がワイヤボンディング部235にボンディングされている。したがって、ワイヤ405は、ワイヤボンディング部235とLEDチップ303のワイヤ電極パッド325とを導通させている。本実施形態においては、上記するように、ワイヤボンディング部235と裏面電極274とが導通しているため、LEDチップ303のワイヤ電極パッド325は、裏面電極274に導通している。
【0081】
以上のように構成された配線パターン200と複数のワイヤ401〜405とにより複数のLEDチップ301〜303が接続され、LEDモジュールA1は、
図8に示す回路構成となっている。
図8に示すように、LEDモジュールA1は、1つの正極側の端子V+に各LEDチップ301〜303のアノードが共通に接続されている。また、負極側の端子V1−,V2−,V3−に、各LEDチップ301〜303のカソードが接続されている。なお、正極側の端子V+は、裏面電極271に相当し、負極側の端子V1−,V2−,V3−はそれぞれ、裏面電極272,273,274に相当する。
【0082】
絶縁膜500は、モジュール基板100に形成され、配線パターン200の一部を覆っている。絶縁膜500は、レジスト層であり、ソルダーレジストと称されている。本実施形態においては、絶縁膜500は、主面絶縁膜510および裏面絶縁膜520を有する。なお、基板側面121〜124の全部または一部を覆う側面絶縁膜を備えていてもよい。
【0083】
主面絶縁膜510は、基板主面110の一部に形成され、主面電極210の一部を覆っている。本実施形態においては、主面絶縁膜510は、x方向両端およびy方向両端の端縁に配置されている。また、主面絶縁膜510は、ダイパッド部221〜223およびワイヤボンディング部231〜235の上には配置されていない。
【0084】
裏面絶縁膜520は、基板裏面130の一部に形成され、裏面電極271〜274の一部を覆っている。本実施形態においては、裏面絶縁膜520は、z方向視において、x方向に延びる矩形状である。また、裏面絶縁膜520は、−y方向の端部側に配置されている。
【0085】
ケース600は、例えば、液晶ポリマなどの白色樹脂からなり、基板主面110に配置されている。ケース600は、LEDチップ301〜303を囲む枠状である。ケース600は、−z方向から+z方向に向け、z方向に垂直な断面が大きくなるように傾斜している。ケース600の内側の面(内面)610は、LEDチップ301〜303からの光を反射することによりこの光を出射させるリフレクタとして機能している。ケース600は、接着材(図示は省略)などで接合されている。なお、金型などによるインサート成形であってもよい。また、ケース600の上に、LEDモジュールA1からの光を所定の方向に照射させるレンズを備えていてもよい。
【0086】
封止樹脂700は、ケース600に充填されており、LEDチップ301〜303およびワイヤ401〜405を覆っている。封止樹脂700は、LEDチップ301〜303からの光を透過させる材質からなり、例えば、透明または半透明のシリコーン樹脂やエポキシ樹脂からなる。なお、封止樹脂700は、LEDチップ301〜303からの光によって励起されることにより異なる波長の光を発する蛍光材料を含むものであってもよい。
【0087】
次に、ダイパッド部221,222の詳細な構成を説明する。以下、ダイパッド部221について説明するが、ダイパッド部222もダイパッド部221と同等の構成であるため、その説明を省略する。
【0088】
主パッド部221aは、矩形状である。主パッド部221aは、LEDチップ301の相似形をなす。したがって、本実施形態においては、LEDチップ301は略正方形であるため、主パッド部221aも略正方形となる。本実施形態においては、主パッド部221aは、z方向視において、LEDチップ301より大きく形成されている。ただし、主パッド部221aとLEDチップ301との大きさの違いは、ダイボンディング時の(最大時の)位置ズレ量に比べると小さいため、ダイボンディング時に位置ズレが発生した場合には、LEDチップ301が主パッド部221aよりも外側にはみ出てしまう可能性がある。
【0089】
補助パッド部221bは、主パッド部221aと一体的に形成されている。補助パッド部221bは、z方向視において、主パッド部221aから、LEDチップ301の中心位置からn側電極パッド315の位置を向く方向に突き出た部分である。本実施形態においては、補助パッド部221bは、L字形状をなす。
【0090】
図9は、主パッド部221aおよび補助パッド部221bを説明するための図である。
図9(a)は、主パッド部221aおよび補助パッド部221bの全体を示した図である。理解の便宜上、LEDチップ301も図示している。また、連結配線251(枝部151b)およびワイヤ401,402の図示は省略する。
図9(b)は、
図9(a)の一部を拡大した図である。
図9において、LEDチップ301がダイパッド部221の予め設定された位置に位置ズレすることなくダイボンディングされている状態を示している。なお、主パッド部221aの外形線を二点鎖線で示している。
【0091】
図9(a)に示すように、主パッド部221aは、4つの辺ax1,ax2,ay1,ay2を有し、これらは主パッド部221aの外縁をなす。辺ax1は、y方向に延びる−x方向側の辺である。辺ax2は、y方向に延びる+x方向側の辺である。辺ay1は、x方向に延びる−y方向側の辺である。辺ay2は、x方向に延びる+y方向側の辺である。また、二点鎖線で示した補助線ax1’,ay2’は、主パッド部221aと補助パッド部221bとの境界を示している。なお、理解の便宜上、
図9(a)において、当該補助線ax1’,ay2’を図示しているが、主パッド部221aと補助パッド部221bとは一体的に形成されており、当該補助線ax1’,ay2’は、外見上存在しない。補助線ax1’は、辺ax1の延長線上にあり、補助線ay2’は、辺ay2の延長線上にある。したがって、主パッド部221aは、4つの辺ax1,ax2,ay1,ay2および2つの補助線ax1’,ay2’によって、囲まれた部分であり、上記するように、矩形状をなす。
【0092】
補助パッド部221bは、4つの辺bx1,bx2,by1,by2を有し、これらは補助パッド部221bの外縁をなす。辺bx1は、y方向に延びる−x方向側の辺である。辺bx2は、y方向に延びる+x方向側の辺である。辺bx1と辺bx2とは平行である。辺by1は、x方向に延びる−y方向側の辺である。辺by2は、x方向に延びる+y方向側の辺である。辺by1と辺by2とは、平行である。
【0093】
主パッド部221aの外縁と補助パッド部221bの外縁とは、接続点P1,P2で交わっている。接続点P1は、辺ax1と辺by1との交点であり、接続点P2は、辺ay2と辺bx2との交点である。接続点P1が特許請求の範囲に記載の「第1の接続点」に相当し、接続点P2が特許請求の範囲に記載の「第2の接続点」に相当する。辺by1は、接続点P1から辺ax1に対して垂直に−x方向に延びている。辺by1の、接続点P1とは反対側の端部から辺bx1が、+y方向に延びている。辺bx1は辺ax1に平行する。辺bx2は、接続点P2から辺ay2に対して垂直に+y方向に延びている。辺bx2の、接続点P2とは反対側の端部から辺by2が、−x方向に延びている。辺by2は辺ay2に平行する。辺bx1と辺by2とは垂直に交わっている。辺by1,bx2,bx1,by2がそれぞれ、本発明の特許請求の範囲に記載の「第1辺,第2辺,第3辺,第4辺」に相当する。
【0094】
本実施形態においては、LEDチップ301が主パッド部221aの予め設定された位置に位置ズレすることなくダイボンディングされたときには、
図9(b)に示すように、辺bx1の垂直二等分線L1と辺by2の垂直二等分線L2との交点にLEDチップ301のn側電極パッド315が位置している。
【0095】
また、
図9(b)に示すように、2つの接続点P1,P2が離間する方向における補助パッド部221bの最大寸法d
maxは、2つの接続点P1,P2の離間距離d
0よりも大きい。
【0096】
なお、好ましくは、補助パッド部221bは、ダイボンディングを行うダイボンダの実装精度(位置ズレに対する精度)に応じて、その突出量を適宜設定すればよい。すなわち、実装精度が低い場合、LEDチップ301をボンディングする際、主パッド部221a上の所定の位置からのズレ量が大きくなるため、補助パッド部221bを広くし、反対に、実装精度が高い場合、LEDチップ301をボンディングする際、主パッド部221a状の所定の位置からのズレ量が小さくなるため、補助パッド部221bを狭くすればよい。
【0097】
図10は、本実施形態に係るLEDモジュールA1の実装構造を示している。同図において、LEDモジュールA1の実装構造は、LEDモジュールA1と、実装基板Bと、ハンダCと、を備える。
図10(a)は、LEDモジュールA1を、サイドビュータイプとして実装した場合を示しており、
図10(b)は、LEDモジュールA1を、トップビュータイプとして実装した場合を示している。したがって、本発明に係るLEDモジュールA1は、サイドビュータイプとして実装してもよいし、トップビュータイプとして実装してもよい。なお、トップビュータイプとは、実装基板Bの実装面が向く方向に光を発するものであり、サイドビュータイプとは、実装基板Bの実装面が向く方向に垂直な方向に光を発するものである。
【0098】
実装基板Bは、例えば、プリント配線基板である。実装基板Bは、例えば、絶縁基板と、当該絶縁基板に形成されたパターン電極(図示略)とを含む。LEDモジュールA1は、実装基板Bに搭載されている。ハンダCは、LEDモジュールA1と実装基板Bとを接合している。
【0099】
図10(a)において、実装基板Bには基板側面124が対向している。ハンダCは、裏面電極271〜274と、実装基板Bにおけるパターン電極とに接する。
図10(b)において、実装基板Bには基板裏面130が対向している。ハンダCは、裏面電極271〜274と、実装基板Bにおけるパターン電極とに接する。本実施形態においては、LEDモジュールA1のx方向およびy方向における寸法は、例えば、2.9mm×1.0mm程度である。なお、
図10(a)においては、コーナー溝151,152にハンダCを充填させ、LEDモジュールA1と実装基板Bとの接合強度を高めているが、当該コーナー溝151,152にハンダCを充填させなくてもよい。
【0100】
次に、本実施形態に係るLEDモジュールA1の作用について説明する。
【0101】
本実施形態によれば、補助パッド部221b(222b)は、主パッド部221a(222a)から、LEDチップ301(302)の中心位置からLEDチップ301(302)のn側電極パッド315の位置を向く方向にだけ突き出た形状とした。従来のダイパッド部は、ダイボンディング時の位置ズレを考慮して、LEDチップ301(302)の外形よりz方向視四方に一律に大きくした形状であった。したがって、ダイパッド部221(222)は、従来のダイパッド部よりも平面視サイズが小さいため、LEDモジュールA1の小型化を図ることができる。
【0102】
また、上記するように、補助パッド部221b(222b)が、主パッド部221a(222a)から突き出た形状としたため、ダイボンディング時に位置ズレが生じても、z方向視において、n側電極パッド315およびp側電極パッド316がダイパッド部221(222)に重なるようにすることができる。これにより、LEDチップ301,302のn側電極パッド315およびp側電極パッド316にワイヤをボンディングしても、LEDチップ301,302がはがれたり、ずれてしまったりすることを抑制することができる。例えば、LEDチップ301をダイボンディングするとき、−x方向にずれた場合(
図11(a)参照),+y方向にずれた場合(
図11(b)参照),+xかつ−y方向にずれた場合(
図11(c)参照)など、どのように位置ズレした場合であっても、z方向視において、n側電極パッド315およびp側電極パッド316の下には、ダイパッド部221が形成されてあるようにすることができる。なお、LEDチップ301(302)がダイパッド部221(222)からはみ出た部分は、LEDチップ301(302)を接合する導電性ペースト319により、モジュール基板100に直接接合されることになる。モジュール基板100は、配線パターン200より接合性が高いため、LEDチップ301(302)の接合性が高くなる。
【0103】
本実施形態においては、LEDモジュールA1が
図8に示す回路構成となるように構成した。これにより、LEDチップ301〜303毎に電源に接続することができるため、LEDチップ301〜303を個別に点灯させることができる。例えば、LEDチップ301,302,303だけを点灯させることで、青色光,緑色光、赤色光をそれぞれ発することができ、すべてを点灯させることで、白色光を発することができる。
【0104】
図12〜
図14は、第2実施形態に係るLEDモジュールA2を示す図である。なお、上記第1実施形態と同一あるいは類似の要素には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図12は、LEDモジュールA2の要部平面図である。
図12(a)〜(c)はそれぞれ、上記第1実施形態の
図1(a)〜(c)に対応する図である。
図13は、LEDモジュールA2の側面図である。
図14は、LEDモジュールA2の底面図である。なお、理解の便宜上、
図12〜
図14において、配線パターン200および絶縁膜500にハッチングをしている。また、
図14において、絶縁膜500を透過させて図示している。
【0105】
上記LEDモジュールA1は、LEDチップ301,302ともに、p側電極パッド316に対して、n側電極パッド315が同じ方向を向いて配置した場合を想定したが、本実施形態に係るLEDモジュールA2は、それが異なる方向を向いている。
【0106】
本実施形態に係るLEDモジュールA2は、上記LEDモジュールA1と比較し、配線パターン200の構成が異なる。主面電極210は、モジュール基板100の基板主面110に、形成されている。本実施形態においては、主面電極210は、
図12(c)に示すように、3つのダイパッド部221〜223,5つのワイヤボンディング部231〜235、2つの四半環状配線241,242、2つの円形状配線243,244、および、6つの連結配線253,254,256,257,258を含んでいる。
【0107】
連結配線253は、ワイヤボンディング部231と四半環状配線241とを連結する。連結配線253は、コーナー溝電極283から+y方向に延びる帯状であり、ワイヤボンディング部231に繋がっている。
【0108】
連結配線254は、ダイパッド部221,222とダイパッド部223とを連結する。連結配線254は、ダイパッド部221の−x方向の端縁の一部から−x方向に延びる帯状であり、ダイパッド部222の+x方向の端縁の一部に繋がっている。また、連結配線254のx方向の中央部は、ダイパッド部223に繋がっている。
【0109】
連結配線255は、ダイパッド部222とワイヤボンディング部234とを連結する。連結配線255は、ダイパッド部222の−x方向の端縁の一部から−x方向に延びる帯状であり、ワイヤボンディング部234の+x方向の端縁の一部に繋がっている。
【0110】
連結配線256は、四半環状配線242とワイヤボンディング部233とを連結する。連結配線256は、四半環状配線242から+y方向に延びる帯状であり、ワイヤボンディング部233とx方向に繋がっている。
【0111】
連結配線257は、ダイパッド部222と円形状配線244とを連結する。連結配線257は、ダイパッド部222から+y方向に延び、円形状配線244とy方向に繋がっている。
【0112】
連結配線258は、ダイパッド部221とワイヤボンディング部232とを連結する。連結配線258は、ダイパッド部221の+x方向かつ+y方向の端部から斜め方向(+x方向かつ+y方向)に延びており、ワイヤボンディング部232に繋がっている。
【0113】
本実施形態においては、ワイヤボンディング部235は、x方向に円形状配線243と繋がっている。
【0114】
本実施形態に係る配線パターン200においては、裏面電極271は、コーナー溝電極283を介して、四半環状配線241、連結配線253、および、ワイヤボンディング部231に導通している。また、裏面電極272は、貫通電極281を介して、円形状配線243およびワイヤボンディング部235に導通している。裏面電極273は、貫通電極282を介して、円形状配線244、連結配線254,255,257、ダイパッド部221〜223、および、ワイヤボンディング部234に導通している。そして、裏面電極274は、コーナー溝電極284を介して、四半環状配線242、連結配線256、および、ダイパッド部223に導通している。
【0115】
以上のように構成された配線パターン200と複数のワイヤ401〜405とにより複数のLEDチップ301〜303が接続され、LEDモジュールA2においても、上記LEDモジュールA1と同様に、
図8に示す回路構成となっている。ただし、本実施形態においては、正極側の端子V+は、裏面電極273に相当し、負極側の端子V1−,V2−,V3−はそれぞれ、裏面電極271,274,272に相当する。
【0116】
本実施形態に係るLEDモジュールA2は、上記LEDモジュールA1とどうように、
図10に示すように、実装基板Bに実装される。よって、LEDモジュールA2もサイドビュータイプとして実装しても、トップビュータイプとして実装してもよい。
【0117】
以上に示した第2実施形態に係るLEDモジュールA2においても、上記第1実施形態に係るLEDモジュールA1と同様の効果を奏することができる。
【0118】
図15〜
図17は、第3実施形態に係るLEDモジュールA3を示す図である。なお、上記第1実施形態と同一あるいは類似の要素には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図15は、LEDモジュールA3の要部平面図である。
図15(a)〜(c)はそれぞれ、上記第1実施形態の
図1(a)〜(c)に対応する図である。
図16は、LEDモジュールA3の側面図である。
図17は、LEDモジュールA3の底面図である。なお、理解の便宜上、
図15〜
図17において、配線パターン200および絶縁膜500にハッチングをしている。また、
図17において、絶縁膜500を透過させて図示している。
【0119】
モジュール基板100には、2つのコーナー溝151,152および2つの側面溝161,162が形成されている。したがって、上記モジュール基板100と比較し、2つの貫通孔141,142の代わりに2つの側面溝161,162が形成されている点で異なる。
【0120】
側面溝161,162はともに、基板側面124から凹む。側面溝161,162は、モジュール基板100の厚さ方向(z方向)において、基板主面110および基板裏面130に達する。側面溝161,162の断面形状は、半円形状である。側面溝161は、側面溝162に対して、+x方向に位置する。側面溝161,162が特許請求の範囲に記載の「貫通部」に相当する。
【0121】
本実施形態に係るLEDモジュールA3は、上記LEDモジュールA1,A2と比較し、配線パターン200の構成が異なる。配線パターン200は、主面電極210、複数の裏面電極(本実施形態においては、4つの裏面電極271〜274)、複数のコーナー溝電極(本実施形態においては、2つのコーナー溝電極283,284)、および、複数の側面溝電極(本実施形態においては、2つの側面溝電極285,286)を有する。したがって、上記LEDモジュールA1,A2と比較し、貫通電極281,282の代わりに側面溝電極285,286を備えている点で異なる。
【0122】
本実施形態においては、主面電極210は、
図15(c)に示すように、3つのダイパッド部221〜223、5つのワイヤボンディング部231〜235、2つの四半環状配線241,242、2つの半円環状配線245,246、および、5つの連結配線259,260,261,262,263を含んでいる。
【0123】
半円環状配線245は、基板主面110のうち、側面溝161と繋がる部分近傍に形成されている。半円環状配線246は、基板主面110のうち、側面溝162と繋がる部分近傍に形成されている。
【0124】
連結配線259は、ダイパッド部221〜223と、ワイヤボンディング部232,234とを連結する。連結配線259は、帯状部259aおよび複数の枝部259b,259c,259d,259eを有する。帯状部259aは、+x方向に延びる帯状であり、−x方向かつ−y方向の端部がダイパッド部223に繋がっている。帯状部259aは、基板主面110の+y方向の端縁寄りに配置されている。枝部259bは、帯状部259aの一部から−y方向に延び、ワイヤボンディング部234の+y方向の端縁に繋がる。枝部259bは、x方向において、ワイヤボンディング部234と重なる。枝部259cは、帯状部259aの一部から−y方向に延び、ダイパッド部222の+y方向の端縁に繋がる。枝部259cは、x方向において、ダイパッド部222と重なる。枝部259dは、帯状部259aの一部から−y方向に延び、ワイヤボンディング部232の+y方向の端縁に繋がる。枝部259dは、x方向において、ワイヤボンディング部232と重なる。枝部259eは、帯状部259aの一部から−y方向に延び、ダイパッド部221の+y方向の端縁に繋がる。枝部259eは、x方向において、ダイパッド部221と重なる。
【0125】
連結配線260は、ダイパッド部221と四半環状配線241とを連結する。連結配線260は、四半環状配線241から+y方向に延びる帯状であり、ダイパッド部221に繋がっている。
【0126】
連結配線261は、ワイヤボンディング部231と半円環状配線245とを連結する。連結配線261は、半円環状配線245から+y方向に延びる帯状であり、−x方向の端縁の一部がワイヤボンディング部231に繋がっている。
【0127】
連結配線262は、ワイヤボンディング部233と半円環状配線246とを連結する。連結配線262は、半円環状配線246から+y方向の延びる帯状であり、ワイヤボンディング部233に繋がっている。
【0128】
連結配線263は、ワイヤボンディング部235と四半環状配線242とを連結する。連結配線263は、四半環状配線242から+y方向に延びる帯状であり、ワイヤボンディング部235に繋がっている。連結配線263は、基板主面110の−x方向の端縁寄りに配置されている。
【0129】
側面溝電極285,286はそれぞれ、モジュール基板100の側面溝161,162の内面を覆うように形成されている。側面溝電極285,286は、基板主面110から基板裏面130に達している。側面溝電極285は、基板主面110側から半円環状配線245に繋がり、基板裏面130側から裏面電極272に繋がる。側面溝電極286は、基板主面110側から半円環状配線246に繋がり、基板裏面130側から裏面電極273に繋がる。
【0130】
本実施形態に係る配線パターン200においては、裏面電極271は、コーナー溝電極283を介して、四半環状配線241、連結配線260,259、ダイパッド部221,222,223、および、ワイヤボンディング部232,234に導通している。裏面電極272は、側面溝電極285を介して、半円環状配線245、連結配線261、および、ワイヤボンディング部231に導通している。裏面電極273は、側面溝電極286を介して、半円環状配線246、連結配線262、および、ワイヤボンディング部233に導通している。裏面電極274は、コーナー溝電極284を介して、四半環状配線242、連結配線263、および、ワイヤボンディング部235に導通している。
【0131】
以上のように構成された配線パターン200と複数のワイヤ401〜405とにより複数のLEDチップ301〜303が接続され、LEDモジュールA3においても、上記LEDモジュールA1と同様に、
図8に示す回路構成となっている。なお、本実施形態においては、上記第1実施形態と同様に、正極側の端子V+は、裏面電極271に相当し、負極側の端子V1−,V2−,V3−はそれぞれ、裏面電極272,273,274に相当する。
【0132】
本実施形態に係るLEDモジュールA3は、上記LEDモジュールA1と同様に、
図10に示すように、実装基板Bに実装される。よって、LEDモジュールA3もサイドビュータイプとして実装しても、トップビュータイプとして実装してもよい。
【0133】
以上に示した第3実施形態に係るLEDモジュールA3においても、上記第1実施形態に係るLEDモジュールA1と同様の効果を奏することができる。
【0134】
図18は、本発明の変形例に係るダイパッド部221(222)を示す図である。なお、
図18において、理解の便宜上、LEDチップ301,302を透過させている。例えば、上記第1実施形態ないし第3実施形態においては、z方向視において、主パッド部221a(222a)の外形がLEDチップ301(302)の外形より大きい場合を例に説明したが、
図18(a−1)に示すように、主パッド部221a(222a)の外形がLEDチップ301(302)の外形と同じ大きさであってもよい。あるいは、
図18(a−2)に示すように、主パッド部221a(222a)の外形がLEDチップ301(302)の外形より小さくてもよい。このようにすることで、z方向視において、さらに、ダイパッド部221(222)の大きさを小さくすることができるため、LEDモジュールA1〜A3の小型化を図ることができる。
【0135】
また、
図18(b)に示すように、補助パッド部221b(222b)が円形状に主パッド部221a(222a)の外縁から突き出た形状であってもよい。この場合、補助パッド部221b(222b)は、LEDチップ301(302)が主パッド部221a(222a)上の所定の位置にダイボンディングされたときに、z方向視において、LEDチップ301(302)のn側電極パッド315の位置を中心とし、円弧が接続点P1,P2を通る円形状の範囲にすればよい。なお、この場合においても、上記変形例と同様に、主パッド部221a(222a)の外形がLEDチップ301(302)の外形と同じ大きさであったり、小さかったりしてもよい。
【0136】
さらに、上記第1実施形態ないし第3実施形態においては、LEDチップ301(302)のn側電極パッド315を対角線331の一方の端部側に配置されている場合を例に説明したが、n側電極パッド315が
図18(c−1)(c−2)に示すように配置されている場合には、当該n側電極パッド315を基準に補助パッド部221b(222b)を設定すればよい。この場合において、補助パッド部221b(222b)を、
図18(c−1)に示すように矩形状にしてもよく、
図18(c−2)に示すように、円形状にしてもよい。
【0137】
上記第1実施形態ないし第3実施形態において、ダイパッド部221およびダイパッド部222の形状が同じ場合を例に説明したが、これらの形状がことなっていてもよい。すなわち、上記変形例で示したダイパッド部を組み合わせてもよい。
【0138】
上記第1ないし第3実施形態においては、LEDチップ303のワイヤ電極パッド325を平面視中央に位置する場合を例に説明したが、平面視端縁に配置していてもよい。この場合、当該ワイヤ電極パッド325の配置に応じて、ダイパッド部223においても上記補助パッド部を設けるようにすればよい。
【0139】
上記第1ないし第3実施形態においては、LEDチップ301,302,303をそれぞれ、青色光、緑色光、赤色光を発する場合を例に説明した、LEDチップ301,302,303の発光色はこれに限定されない。例えば、すべて同色のものとしてもよく、2つが同じ色であってもよい。
【0140】
上記第1ないし第3実施形態においては、LEDチップ303を1ワイヤタイプのLEDチップとしたが、LEDチップ303を2ワイヤタイプのLEDチップとしてもよい。反対に、LEDチップ301,302を2ワイヤタイプのLEDチップではなく、1ワイヤタイプのLEDチップとしてもよい。また、上記第1ないし第3実施形態においては、3つのLEDチップ301〜303を有する場合を例に説明したが、LEDチップの数は限定されない。本発明のLEDモジュールは、少なくとも1つの2ワイヤタイプのLEDチップが含まれておればよい。
【0141】
本発明に係るLEDモジュールは、上記した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るLEDモジュールの各部の具体的な構成は、本発明の特許請求の範囲に記載した内容を逸脱しなければ、種々に設計変更自在である。