(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プリンタ部において記録紙に印刷を行う際には、前記プリンタ部内蓋に対して前記プリンタ部外蓋を回し、前記プリンタ部内蓋の給紙口とプリンタ部外蓋の給紙口の位置を一致させ、前記プリンタ部内蓋の排紙口とプリンタ部外蓋の排紙口の位置を一致させることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
前記プリンタ部への電力の供給がオフ状態のままで、更に前記電源操作ノブを回動させることにより、前記ケース内の前記電池に充電を行うための接続端子を露出させることができるものであることを特徴とする請求項3に記載の電子装置。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図5】本実施の形態の電子装置の補強リングの説明図
【
図6】本実施の形態の電子装置の電源操作ノブの断面図(1)
【
図7】本実施の形態の電子装置の電源操作ノブの斜視図(1)
【
図8】本実施の形態の電子装置の電源操作ノブの断面図(2)
【
図9】本実施の形態の電子装置の電源操作ノブの断面図(3)
【
図10】本実施の形態の電子装置の電源操作ノブの断面図(4)
【
図11】本実施の形態の電子装置の電源操作ノブの斜視図(2)
【
図12】本実施の形態の電子装置のプリンタ部の分解斜視図
【
図13】本実施の形態の電子装置のプリンタ部の断面図
【
図14】本実施の形態の電子装置のプリンタ部の構造の説明図
【
図15】本実施の形態の電子装置のプリンタ部の説明図(1)
【
図16】本実施の形態の電子装置のプリンタ部の説明図(2)
【
図17】本実施の形態の電子装置のプリンタ部の説明図(3)
【
図18】本実施の形態の電子装置のプリンタ部の説明図(4)
【
図19】本実施の形態の電子装置のプリンタ部の第1の状態の説明図(1)
【
図20】本実施の形態の電子装置のプリンタ部の第1の状態の説明図(2)
【
図21】本実施の形態の電子装置のプリンタ部の第1の状態の説明図(3)
【
図22】本実施の形態の電子装置のプリンタ部の第1の状態の説明図(4)
【
図23】本実施の形態の電子装置に記録紙カセットが接続されている説明図
【
図24】本実施の形態の電子装置のプリンタ部の第2の状態の説明図(1)
【
図25】本実施の形態の電子装置のプリンタ部の第2の状態の説明図(2)
【
図26】本実施の形態の電子装置のプリンタ部の第2の状態の説明図(3)
【
図27】本実施の形態の電子装置のプリンタ部の第2の状態の説明図(4)
【
図28】本実施の形態の電子装置のプリンタ部の第2の状態の説明図(5)
【
図29】本実施の形態の電子装置のプリンタ部の第3の状態の説明図(1)
【
図30】本実施の形態の電子装置のプリンタ部の第3の状態の説明図(2)
【
図31】本実施の形態の電子装置のプリンタ部の第3の状態の説明図(3)
【
図32】本実施の形態の電子装置のプリンタ部の第3の状態の説明図(4)
【
図33】本実施の形態の電子装置のプリンタ部の第3の状態の説明図(5)
【
図34】本実施の形態の電子装置のプリンタ部のヘッドアップ爪の説明図
【
図35】本実施の形態の電子装置のプリンタ部のヘッドアップの説明図(1)
【
図36】本実施の形態の電子装置のプリンタ部のヘッドアップの説明図(2)
【
図37】本実施の形態の電子装置のプリンタ部のヘッドアップの説明図(3)
【
図38】本実施の形態の電子装置のセンサの説明図(1)
【
図39】本実施の形態の電子装置のセンサの説明図(2)
【
図41】本実施の形態の電子装置の光学式センサを説明するための回路図
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0009】
本実施の形態による電子装置はプリンタ機能と無線による通信機能とを有しているIoT(Internet of Things)デバイスである。無線通信はBLE(Bluetooth Low Energy)等により行われ、印刷情報の伝達以外にも位置情報検出等に用いることができる。
【0010】
(電子装置の構造)
本実施の形態による電子装置について、図面を用いて説明する。本実施の形態による電子装置10は、外観が円柱状に形成されており、電源部100とプリンタ部200が設けられている。
【0011】
図3及び
図4に示されるように、電源部100とプリンタ部200とは接続部150により接続されている。接続部150はその軸を中心に折り曲げることができる。また、接続部150の内部にはヒンジバネが設けられている。尚、
図3は充電器のUSBプラグ700を接続して充電している状態を示している。尚、接続部150の内部に設けられたヒンジバネは、
図3等に示すように折り曲げられた状態において簡易的に位置決めを行うことができる。
【0012】
電源部100には、
図2に示されるように、円柱状の筐体101の中に充電池であるリチウムイオン電池110が入れられている。リチウムイオン電池110の正極は接続部150側に設けられた正極端子111と接続されており、負極はバネ性を有する負極端子112に接触している。負極端子112は、筐体101の導電性を有する内壁を介してプリンタ部200側に設けられた回路と接続されている。電源部100とプリンタ部200とが連結されている部分の内部では、正極端子111からの配線等と負極端子112からの配線等とは絶縁されている。
【0013】
本実施の形態では、
図1に示すように、電源部100とプリンタ部200とが直線状に並んでいる状態を保持するために、接続部150が折れないようにする円筒状のリング160が設けられている。リング160は電源部100側に設けられており、その側面には、
図4等に示されるようにコの字状の溝部161が設けられている。溝部161は、リング160の円周方向に沿って形成されている第1の横溝161a及び第2の横溝161bと、第1の横溝161aと第2の横溝161bとを連結する連結溝161cを有する。第1の横溝161aは、リング160のプリンタ部200側に設けられており、第2の横溝161bは第1の横溝161aよりもプリンタ部200から離れた側に設けられている。また、筐体101の外側には溝部161に入る突起102が設けられている。
【0014】
図4に示されるように、電源部100とプリンタ部200とを接続部150で折り曲げる場合、リング160は電源部100とプリンタ部200との接続位置よりも電源部100側に位置しており、突起102は第1の横溝161a内に位置している。この状態より、接続部150を
広げて、
図5(a)に示すように電源部100とプリンタ部200と
を直線状にして、
長手方向を上下方向とした場合にリング160を
図5(a)図示右側に回し、突起102が第1の横溝161aと連結溝161cと交点に位置させた後、リング160を図示上方、プリンタ部200側に、突起102が連結溝161c内を移動して第2の横溝161bと連結溝161cとの交点に来るまで動かす。この状態では、電源部100とプリンタ部200との接続部分がリング160により覆われるため、電源部100とプリンタ部200とが接続部150において曲げられることはない。この後、リング160を図示左側に回して突起102が第2の横溝161bの奥に入るようにすることにより、
図5(b)に示すように、電源部100とプリンタ部200とが直線状となっている状態が維持される。これにより、電子装置を持ち運ぶ際に接続部150の位置で電子装置が曲がることはない。
【0015】
電子装置は、直径が約16mm、長さは約176mmと小型であり、持ち運びが容易である。電子装置は、ストレス等を伴うことなく持ち運びができるよう、直径が20mm以下、長さは200mm以下であることが好ましい。また、電子装置のプリンタ部200側にはフック290が設けられており、ペンと同様に衣服の胸のポケット等にさした状態で持ち運ぶことが可能である。
【0016】
(電源操作)
電子装置における電源のオンオフ操作について、
図6〜
図11に基づき説明する。プリンタ部200の電源部100側には電源操作用のノブ300が設けられており、ノブ300を回転させることにより電源のオンオフを含む4つの状態にプリンタ部200を切り替えることができる。本実施の形態における4つの状態は、電源オン状態、電源オフ状態(待機状態)、充電状態、ACアダプタからの給電を行う状態である。ノブ300は、後述するプリンタ部200の内蓋250に接続されているケース310の周囲を回動するように取り付けられている。
【0017】
図6及び
図7に示されるように、ノブ300はケース310の外側を覆い操作される外側部301、ケース310の内側に位置する内側部302、外側部301と内側部302とを接続する接続部303、内側部302の先端に設けられた押下部304を有している。ケース310には接続部303が入る開口部311が設けられており、ノブ300はケース310の外側に沿って回動できる。ノブ300は、外側部301と内側部302との間にケース310を挟んだ状態でケース310に取り付けられている。
【0018】
ケース310の内側には、第1のスイッチ321、第2のスイッチ322、USBコネクタ330が取り付けられた基板340が設けられている。更に、後述するように、ケース310には、USBコネクタ330を外部のUSBプラグと接続するための接続開口部312が設けられている。
【0019】
図6及び
図7は、プリンタ部200の電源がオンとなっている状態を示している。この状態では、第1のスイッチ321のアーム321aがノブ300の内側部302の先端に設けられた押下部304により押されている。第1のスイッチ321はノーマルクローズのスイッチであり、アーム321aが押下部304により押されている状態ではオープンとなる。この状態では、接続開口部312はノブ300の外側部301により塞がれているため、USBプラグをUSBコネクタ330に接続することはできない。
【0020】
次に、
図8に示すように、ケース310に対しノブ300を反時計回りに回転させる。これにより、押下部304がアーム321aから離れ、プリンタ部200の電源がオフとなる。この状態でも、接続開口部312はノブ300の外側部301に塞がれている。
【0021】
図9に示すように、ケース310に対しノブ300を反時計回りに更に回転させることにより、接続開口部312が露出する。この状態では、押下部304はアーム321aを押していないためプリンタ部200の電源はオフのままであるが、接続開口部312が露出するため、
図3に示されるように接続開口部312からUSBコネクタ330に充電器のUSBプラグ700を接続することができ、リチウムイオン電池110に充電をすることができる。また、
図9の状態では、押下部304により第2のスイッチ322のアーム322aは押されてはいない。
図9に示される状態においては、尚、
図9に示される状態においては、プリンタ部・無線通信機能への給電は停止されている。
【0022】
図10及び
図11に示すように、ケース310に対しノブ300を更に反時計回りに回転させることにより、接続開口部312が露出している状態のまま押下部304により第2のスイッチのアーム322aが押される。この状態においては、USBコネクタ330に接続された不図示のACアダプタより電力を供給することができる。このとき、プリンタ部200の電源はオフ状態にあるが、通信機能はオン状態となっており、ACアダプタにより電力を供給することにより通信機能を継続させることが出来る。この際、充電回路は停止する。センサ機能を有するIoTデバイスとして電子装置を設置する場合は、長期間電子装置を使用する必要があるため、
図10の状態としてACアダプタから電力を供給する形態で電子装置を用いることが好ましい。尚、第2のスイッチ322はノーマルクローズのスイッチであり、アーム322aが押下部304により押されている状態ではオープンとなる。第1のスイッチ321及び第2のスイッチ322にノーマルクローズスイッチが用いられている理由は、ノーマルオープンスイッチでは、長期間使用していないと接点部分が腐食してオンできなくなるおそれがあるため、このようなことを避けるためである。
【0023】
本実施の形態においては、
図6及び
図7に示す電源オン状態、
図8に示す電源オフ状態では、接続開口部312はノブ300の外側部301により塞がれているため、電子装置の内部に接続開口部312より異物が入り込むことはない。
【0024】
本実施の形態では、第1のスイッチ321がオフとなった状態で、USBプラグ700が接続可能となり、充電時には電源オフ、電源オン時には充電不可という2つの状態分離を機構的に実現することができる。
【0025】
(プリンタ部)
次に、プリンタ部200について説明する。プリンタ部200は、
図12〜
図14に示されるように、プリンタ機構部210、ギア部220、モータ230、ギアボックスの上蓋241、ギアボックスの下蓋242、内蓋250、外蓋260を有している。
図12はプリンタ部200の分解斜視図である。
図13はプリンタ部200の長手方向に垂直な断面図であり、
図14(a)はプリンタ部200の長手方向における断面斜視図であり、
図14(b)は長手方向における断面図である
。
プリンタ機構部210は、サーマルヘッド等の印刷ヘッド211、プラテンローラ212、給紙ローラ213、記録紙ガイド214、加圧バネ215、制御基板216を有している。印刷ヘッド211は加圧バネ215のバネ力によりプラテンローラ212側に押されている。記録紙は微粘着性のローラである給紙ローラ213が設けられている側から、記録紙ガイド214に沿って入り、印刷ヘッド211とプラテンローラ212との間で挟まれた状態で、プラテンローラ212の回転により搬送されながら、印刷ヘッド211により印刷がなされて排紙される。制御基板216には、プリンタ部200の制御を行う電子回路や電子部品が搭載されている。尚、プリンタ部200の内部で記録紙がジャム状態になることを防ぐため、給紙ローラ213の回転はプラテンローラ212の回転よりも遅くなっている。このため給紙ローラ213は、ワンウェイクラッチ機構を有していてもよく
、記録紙が印刷ヘッド211とプラテンローラ212との間にはいると、プラテンローラ212の回転速度で記録紙が搬送されるが、この時、給紙ローラ213はワンウェイクラッチ機能により空転し、印字品質への影響は回避される。記録紙が印刷ヘッド211とプラテンローラ212との間に噛みこまれた場合には、記録紙はプラテンローラ212の搬送速度で送られるが、給紙ローラ213は搬送速度が遅いため、プラテンローラ212に引っ張られて空転することにより、印刷品位への影響を回避することができる。
【0026】
図12に示すように、プリンタ機構部210、ギア部220、モータ230は円筒ケースに対し同軸となるように配置・接続されている。モータ230が回転することにより、モータ230の回転がギア部220を介しプラテンローラ212に伝達され、プラテンローラ212が回転する。プリンタ機構部210とモータ230との間にギア部220を設けることにより、プリンタ機構部210、ギア部220、モータ230を同軸となるように接続することができる。
【0027】
尚、無線通信を行うためのアンテナ201は、
図12に示されるように、制御基板216の、外蓋開閉ノブ270の内側に形成されている。ギアボックス部を樹脂材料によりカバーし、この部分にアンテナを実装することにより、電波指向性を制御することができる。また、加圧バネ215の反発力を同心円の内蓋250内にプリンタ機構部210を収納した場合の位置決めとして活用することも可能である。
【0028】
内蓋250及び外蓋260は円筒状であり、外蓋260の内側に内蓋250が入るように形成されている。内蓋250には、その母線に沿って開口している給紙口251及び排紙口252が設けられており、外蓋260にはその母線に沿って開口している給紙口261及び排紙口262が設けられている。
【0029】
図15に示されるように、プリンタ部200のギア部220の周囲には、ギア部220を覆うように樹脂材料等により形成された上蓋241及び下蓋242が取り付けられている。上蓋241及び下蓋242が取り付けられているプリンタ機構部210とギア部220とモータ230と
が、図16に示されるように内蓋250内に入れられ、更に、
図17に示されるように内蓋250は外蓋260内に入れられる。そして、
図18に示すように、モータ230の側に、外蓋開閉ノブ270とフック290が取り付けられる。フック290は内蓋250と接続されており、外蓋開閉ノブ270は外蓋260と接続されている。尚、
図16では、便宜上、モータ230は省略されている。
【0030】
プリンタ部200では、外蓋開閉ノブ270を回動させることにより、内蓋250に対し外蓋260を回動させることができ、これによりプリンタ部200を3つの動作モード間で切り替えることができる。3つの動作モードの切り替えについて、
図19〜
図33に基づき説明する。
【0031】
図19等に示されるように、フック290の外蓋開閉ノブ270の側には凹部291が設けられており、外蓋開閉ノブ270には凹部291に対応した3つの凹部271、272、273が設けられており、フック290に設けられた凹部291を外蓋開閉ノブ270に設けられた各々の動作モードに対応する凹部271、272、273に合わせることで、動作モードの切り替え操作を行うことが出来る。尚、電子装置には、これらの3つの動作モードを検知するためのセンサを設けてもよい。
【0032】
図19〜
図22、
図13は、プリンタ部200が第1の状態である印刷モードにある場合を示している。印刷モード時には、プリンタ部200を用いた印刷が可能となる。
図19及び
図20は印刷モードの電子装置の斜視図であり、
図21はプリンタ部200の給紙側、
図22は排紙側をそれぞれ示す。尚、
図13は
図22における一点鎖線22A−22Bにおいて切断した断面図である。
図13にも示されるように、この状態では、内蓋250の給紙口251と外蓋260の給紙口261の位置が一致しており開いており、内蓋250の排紙口252と外蓋260の排紙口262の位置が一致しており開いている。また、凹部291は凹部271の位置にある。
【0033】
開いている給紙口251及び給紙口261より記録紙をプリンタ部200の内部に入れ、開いている排紙口252及び排紙口262より記録紙が排紙される。
【0034】
プリンタ部200で印刷を行う際には、印刷データがスマートフォン等から電子装置にBLE等の無線通信により送信される。電子装置はアンテナを介して印刷データを受信し、プリンタ部200で印刷が行われる。
【0035】
電子装置が印刷モードにある場合には、給紙口251、261が開放しており、
図23に示されるように、記録紙が収納された記録紙カセット400を給紙口261に接続することが可能である。
図23は給紙口261に記録紙カセット400が接続されている状態の斜視図である。給紙ローラ213は、記録紙カセット400に収納された記録紙に圧接され、記録紙を給紙口からプラテンローラに向けて給紙する。
【0036】
図24〜
図28は、プリンタ部200が第2の状態である待機モードにある場合を示している。待機モードは印刷を待機する動作モードであり、プリンタ部200の電源はオフとなっている。
図24及び
図25は待機モードの電子装置の斜視図であり、
図26はプリンタ部200の給紙側、
図27は排紙側を示す。また、
図28は
図27における一点鎖線27A−27Bにおいて切断した断面図である。給紙口251、261の方が排紙口252、262よりも大きいため、
図28の状態では、給紙口251と給紙口261の位置は一致しており開いているが、排紙口252と排紙口262の位置が一致しておらず閉じられている。また、凹部291は凹部272の位置にある。
【0037】
この状態においては、プリンタ部200では印刷は行われないが、給紙口251と給紙口261の位置は一致しており、記録紙カセット400を給紙口261に接続できる。そのため、記録紙カセット400が給紙口261に接続されている状態のまま、電子装置を持ち運ぶことが可能である。
【0038】
図29〜
図33は、プリンタ部200が第3の状態であるBLE等による通信が可能な通信モードにある場合を示している。
図29及び
図30は通信モードの電子装置の斜視図であり、
図31はプリンタ部200の給紙側、
図32は排紙側を示す。また、
図33は
図32における一点鎖線32A−32Bにおいて切断した断面図である。この状態では、給紙口251と給紙口261の位置は一致しておらず閉じられており、排紙口252と排紙口262の位置も一致しておらず閉じられている。また、凹部291は凹部272の位置にある。
【0039】
この状態では、電子装置では印刷動作は行われず、記録紙カセット400は取り外されている。そのため、電子装置をペン等と同様に衣服の胸のポケット等にさした状態で持ち運ぶことが可能である。外蓋260に設けられた給紙口261や排紙口262などの穴が見えると美的観点からは好ましくない。このため、
図29の状態では、排紙口262をフック290で覆い、排紙口262が外部から見えにくく、見栄えがよくなるようにしている。尚、給紙口261はフック290に覆われていないが、プリンタ部200では、給紙口261は排紙口262の略反対側に設けられているため、フック290を胸のポケットにさした場合には、給紙口261は見えにくく、見栄えに影響を与えることはない。
【0040】
図34に示すように、プリンタ部200には、記録紙がプリンタ部200の内部でジャム状態となった場合に対応するためのヘッドアップ爪217が排紙口252の母線方向の両側近傍に設けられている。ヘッドアップ爪217は、内蓋250の内部に設けられており、一部が排紙口252から出ている。
図35〜
図37は、
図34の一点鎖線34A−34Bにおいて切断した断面に相当する。
【0041】
記録紙がプリンタ部200内でジャム状態となった場合、印刷モードの状態より外蓋260を図中時計回りに回転させることにより、
図35に示すように排紙口262の端部262aを排紙口252より出ているヘッドアップ爪217の当接部217aに接触させ、更に外蓋260を図中時計回りに回転させる。これにより、
図36に示すように、排紙口262の端部262aにより排紙口252より出ている当接部217aが押され、プラテンローラ212に取り付けられているヘッドアップ爪217が、プラテンローラ212の回転軸を中心に図中時計回りに回動し、印刷ヘッド211が取り付けられている放熱プレート218を押し上げる。これにより、印刷ヘッド211とプラテンローラ212とを離すことができ記録紙を取り除くことができる。記録紙を取り除いた後は、
図37に示すように外蓋260を図中反時計回りに回動させる。これにより、ヘッドアップ爪217の排紙口252より出ている部分が外蓋260の内壁と接触し、ヘッドアップ爪217は図中反時計回りに回動して外蓋260の内側に収納され、印刷モードに戻る。
【0042】
また、
図38に示すように、プリンタ部200の給紙口側には、プリンタ部200の内部に記録紙が存在しているか否かを判別する給紙センサ281が設けられている。
図38(a)はプリンタ部200を示すものであり、
図38(b)は
図38(a)における一点鎖線38A−38Bにおいて切断した断面図である。給紙センサ281は記録紙ガイド214の給紙ローラ213と向かい合った位置に設けられており、この位置を通過する記録紙を検知する。図示は省略したが、排出される用紙を検出する排紙センサを排紙側に同様に設けてもよい。
【0043】
また、プリンタ部200のアンテナ近傍にはセンサ284が設けられている。このセンサ284により、
図39に示すように外蓋開閉ノブ270の位置を検出することができる。
図39(a)はプリンタ部200を示し、
図39(b)、(c)、(d)は
図39(a)における一点鎖線39A−39Bにおいて切断した断面図である。外蓋開閉ノブ270の内側には突起274が設けられており、センサ284により突起274の位置を検出することにより、
図39(b)に示される印刷モードにあるか、それ以外の
図39(c)に示される待機モードあるいは
図39(d)に示される通信モードにあるかを検出することができる。尚、
図39(c)に示される待機モードにおいても通信可能である。センサ284は反射型の光学式センサであり、突起274からの反射光を検出することにより、
図39(b)に示す状態にあるか、これ以外の
図39(c)、(d)に示す状態にあるかを検出することができる。
【0044】
(機能ブロック)
次に、電子装置の機能について、
図40に示すブロック図に基づき説明する。電子装置は、電源ブロック30、制御ブロック50、プリンタブロック20を有する。
【0045】
電源ブロック30は、リチウムイオン電池110、第1のスイッチ321、第2のスイッチ322、USBコネクタ330、充電回路351、AC給電回路352、電圧切替回路353を有している。
【0046】
制御ブロック50は、制御コア510、モータ駆動回路511、電圧検出回路/ヒューズカット回路512、印刷ヘッド駆動回路513、電源ゲート回路514、リトリガータイマー515、温度検出回路516、第1のセンサ回路517、第2のセンサ回路518、第3のセンサ回路519、無線回路520、アンテナ201、リセット回路523を有している。
【0047】
プリンタブロック20は、印刷ヘッド211、モータ230、給紙センサ281、カセットセンサ282、モードセンサ283を有している。
【0048】
USBコネクタ330は充電回路351及びAC給電回路352に接続されている。充電回路351は、第1のスイッチ321のオンオフ動作により制御され、電源ブロック30内の電圧切替回路353及び制御ブロック50の制御コア510に接続されている。AC給電回路352は、第2のスイッチ322のオンオフ動作により制御され、電圧切替回路353に接続されている。電圧切替回路353は、制御ブロック50の制御コア510に接続されている。
【0049】
電圧切替回路353は、リチウムイオン電池により生成される制御ブロックへの供給電源と、ACアダプタ給電モードによる供給電源の排他的な切替を行うものである。
【0050】
制御コア510は、モータ駆動回路511、電源ゲート回路514、リトリガータイマー515、温度検出回路516、第1のセンサ回路517、第2のセンサ回路518、第3のセンサ回路519、無線回路520、リセット回路523に接続されている。
【0051】
モータ駆動回路511は、プリンタブロック20のモータ230と接続されており、モータ230の回転を制御する。電圧検出回路/ヒューズカット回路512は、異常電圧の検出及び熱暴走等の異常時に直列に接続されたヒューズを強制的に切断し、安全性を保障するものであり、制御コア510とモータ駆動回路511との間、モータ駆動回路511、モータ230に接続されている。
【0052】
電源ゲート回路514は印刷ヘッド駆動回路513と接続されており、印刷ヘッド駆動回路513はプリンタブロック20の印刷ヘッド211に接続されている。印刷ヘッド駆動回路513は、印刷ヘッド211による印刷を行うために印刷ヘッド211の駆動及び制御を行う。
【0053】
電源ゲート回路514は、印刷待機時に印刷ヘッド211への給電をカットするものであり、電蝕現象によるヘッドの破壊を防止するものである。
【0054】
リトリガータイマー515は、電源ゲート回路514に接続されており、CPU暴走等によるヘッド破壊の防止を行うものである。
【0055】
温度検出回路516は印刷ヘッド211に接続されており、印刷ヘッド211に設けられた不図示の温度センサからの情報に基づき温度を検出し、検出された温度の情報を制御コア510に送る。
【0056】
給紙センサ281は、プリンタ部200内の記録紙の有無を検出するためのものであり、
図38に示されるように、プリンタ部200の内部に設けられている。給紙センサ281で検出された情報は、第1のセンサ回路517を介し、制御コア510に入力される。
【0057】
カセットセンサ282は、用紙カセットを検出するためのものであり、プリンタ機構部210に設けられている。カセットセンサ282で検出された情報は、第2のセンサ回路518を介し、制御コア510に入力される。
【0058】
モードセンサ283は、用紙窓開閉状態からプリンタ部200の動作モードを検出するためのものであり、
図39のセンサ284に設けられている。モードセンサ283において検出された情報は、第3のセンサ回路519を介し、制御コア510に入力される。
【0059】
無線回路520はアンテナ201と接続されており、アンテナ201が無線通信による情報を受信した場合には、その情報が無線回路520を介し制御コア510に入力され、また、制御コア510から無線回路520を介しアンテナ201より無線による通信の情報を送信することができる。
【0060】
リセット回路523は、電源オンオフ時において制御コアをリセットし、制御コアの確実な立ち上げを行うためのものである。
【0061】
(電源電圧とセンサ)
次に、給紙センサ281について説明する。本実施の形態における給紙センサ281は光学式センサであり、この説明では、
図41に基づき光学式センサ610として説明する。
【0062】
光学式センサ610は、発光ダイオード611を備えた発光部と、受光すると電流が流れるフォトトランジスタ612を備えた受光部とを有している。光学式センサ610では、記録紙が存在している場合には、発光ダイオード611からの光が記録紙で反射されフォトトランジスタ612に入射するため、記録紙が検出される。一方、記録紙が存在していない場合には、発光ダイオード611により発せられた光は反射されることはなくフォトトランジスタ612に入射しないため、記録紙は検出されない。
【0063】
図41に示すように、光学式センサ610には、ツェナーダイオードや抵抗が接続された回路が形成されており、この回路には電源電圧Vddが印加されている。
【0064】
図41の回路では、ツェナーダイオード620と第1の抵抗631とが直列に接続されている。具体的には、ツェナーダイオード620のカソードと第1の抵抗631とが接続されており、ツェナーダイオード620のアノードは接地されており、第1の抵抗631の他方の端子には電源電圧Vddが印加されている。ツェナーダイオード620のカソードと第1の抵抗631の一方の端子との接続部分は、発光ダイオード611のアノードに接続されている。発光ダイオード611のカソードには、第2の抵抗632が接続されており、第2の抵抗632の他方の端子は接地されている。
【0065】
また、第3の抵抗633と第4の抵抗634とが直列に接続されており、第3の抵抗633の他方の端子には電源電圧Vddが印加され、第4の抵抗634の他方の端子は接地されている。フォトトランジスタ612のコレクタには電源電圧Vddが印加されており、フォトトランジスタ612のエミッタは第3の抵抗633と第4の抵抗634との間に接続されている。この回路において、第3の抵抗633と第4の抵抗634との接続部分における電位を検出することにより、記録紙の有無が判断される。
【0066】
ツェナーダイオード620のツェナー電圧は例えば2Vであり、フォトトランジスタ612のエミッタ−コレクタ間の電位差ΔVは、0.6Vであり、第1の抵抗631の抵抗値をR1、第2の抵抗632の抵抗値をR2、第3の抵抗633の抵抗値をR3、第4の抵抗634の抵抗値をR4とする。
【0067】
尚、電子装置をリチウムイオン電池110により駆動する場合には、電源電圧Vddとして3Vの電圧が印加され、AC給電回路352を介し給電されている場合には、電源電圧Vddとして例えば5.5Vの電圧が印加される。本実施の形態においては、ツェナー電圧が2Vのツェナーダイオード620を用いることにより、電源電圧Vddが3Vと5.5Vと変化しても、発光ダイオード611に所定の電流量の電流を流すことができ、発光ダイオード611より発せられる光の光量が変化することはない。
【0068】
記録紙が存在している場合、記録紙において反射された光がフォトトランジスタ612に入射し、電流が流れる。この場合、電流はフォトトランジスタ612、第4の抵抗634を直列に流れ、第3の抵抗633と第4の抵抗634との接続部分における検出電位は、Vdd−0.6Vとなる。
【0069】
また、記録紙が存在していない場合、発光ダイオード611からの光はフォトトランジスタ612には入射することはなく、電流は流れない。この場合、電流は直列に接続されている第3の抵抗633と第4の抵抗634を流れ、第3の抵抗633と第4の抵抗634との接続部分における電位は、電源電圧Vddを第3の抵抗633の抵抗値R3と第4の抵抗634の抵抗値R4により抵抗分割した値、即ち、(Vdd×R4)/(R3+R4)となる。
【0070】
従って、発光ダイオード611とフォトトランジスタ612との間に記録紙が存在しているか否かは、Vdd−0.6Vと(Vdd×R4)/(R3+R4)との間に電圧の閾値を設け、第3の抵抗633と第4の抵抗634との接続部分における検出電位が、この閾値よりも高いか否かにより判断することができる。
【0071】
ところで、上記のように、電源の給電の仕方により、電源電圧Vddが5.5Vと3Vとで変化すると、電源電圧Vddの変化に伴い検出電位も変動する。このように、電源電圧Vddが変化すると、記録紙の検出を正確に行うことができない場合があるが、本実施の形態における電子装置では、各々の抵抗を所定の抵抗値に設定することにより、このような問題は解消される。
【0072】
例えば、第3の抵抗633の抵抗値R3を10kΩとし、第4の抵抗634の抵抗値R4を20kΩとした場合には、表1に示されるように、電源電圧Vddが5.5Vでは記録紙がある場合には、検出電位は、5.5V−0.6V=4.9Vとなり、記録紙がない場合には、(5.5V×20kΩ)/(10kΩ+20kΩ)=3.7Vとなる。また、電源電圧Vddが3.0Vでは記録紙がある場合には、検出電位は、3.0V−0.6V=2.4Vとなり、記録紙がない場合には、(3.0V×20kΩ)/(10kΩ+20kΩ)=2.0Vとなる。
【0073】
【表1】
従って、2.4Vと3.7Vとの間に例えば3.0Vの第1のしきい値電圧を設定し、検出電位が第1のしきい値電圧よりも高い場合は電源電圧Vddは5.5Vと判断し、第1のしきい値電圧よりも低い場合は電源電圧Vddは3.0Vと判断する。
【0074】
更に、第2のしきい値電圧を設け、電源電圧Vddが5.5Vと判断された場合に、検出電位が第2のしきい値電圧よりも高い場合は記録紙があるものと判断し、第2のしきい値電圧よりも低い場合は記録紙がないものと判断する。第2のしきい値電圧は、例えば4.3Vに設定する。
【0075】
また、第3のしきい値電圧を設け、電源電圧Vddは3.0Vと判断された場合、検出電位が第3のしきい値電圧よりも高い場合は記録紙があるものと判断し、第3のしきい値電圧よりも低い場合は記録紙がないものと判断する。この第3のしきい値電圧は、例えば2.2Vに設定する。
【0076】
また、第3の抵抗633の抵抗値R3を10kΩとし、第4の抵抗634の抵抗値R4を15kΩとした場合には、表2に示されるように、電源電圧Vddが5.5Vでは、記録紙がある場合には検出電位は5.5V−0.6V=4.9Vとなり、記録紙がない場合には(5.5V×15kΩ)/(10kΩ+15kΩ)=3.3Vとなる。また、電源電圧Vddが3.0Vでは、記録紙がある場合には検出電位は3.0V−0.6V=2.4Vとなり、記録紙がない場合には(3.0V×15kΩ)/(10kΩ+15kΩ)=1.8Vとなる。
【0077】
【表2】
従って、2.4Vと3.3Vとの間に、例えば2.8Vの第1のしきい値電圧を設け、検出電位が第1のしきい値電圧よりも高い場合は電源電圧Vddは5.5Vと判断し、第1のしきい値電圧よりも低い場合は電源電圧Vddは3.0Vと判断する。
【0078】
更に、第2のしきい値電圧を設け、電源電圧Vddは5.5Vと判断された場合には、検出電位が、この第2のしきい値電圧よりも高い場合は、記録紙があるものと判断し、第2のしきい値電圧よりも低い場合は、記録紙がないものと判断する。この第2のしきい値電圧は、例えば、4.1Vに設定する。また、第3のしきい値電圧を設け、電源電圧Vddは3.0Vと判断された場合には、検出電位が、この第3のしきい値電圧よりも高い場合は、記録紙があるものと判断し、第3のしきい値電圧よりも低い場合は、記録紙がないものと判断する。この第3のしきい値電圧は、例えば、2.1Vに設定する。
【0079】
従って、Vddのうち上記における5.5Vに相当する電圧を高い電圧VddHとし、上記における3.0Vに相当する電圧を低い電圧VddLとした場合に、VddL−ΔV<(VddH×R4)/(R3+R4)の関係にある。VddHを5.5V、VddLを3.0V、ΔVを0.6Vとすると、3.0−0.6<(5.5×R4)/(R3+R4)となり、R3<(3.1/2.4)×R4の関係にある。
【0080】
また、第3の抵抗633の抵抗値R3を20kΩとし、第4の抵抗634の抵抗値R4を10kΩとした場合には、表3に示されるように、電源電圧Vddが5.5Vでは記録紙がある場合には、検出電位は、5.5V−0.6V=4.9Vとなり、記録紙がない場合には、(5.5V×20kΩ)/(10kΩ+20kΩ)=3.7Vとなる。また、電源電圧Vddが3.0Vでは記録紙がある場合には、検出電位は、3.0V−0.6V=2.4Vとなり、記録紙がない場合には、(3.0V×20kΩ)/(10kΩ+20kΩ)=2.0Vとなる。
【0081】
【表3】
従って、2.4Vと3.7Vとの間に、例えば3.1Vの第1のしきい値電圧を設け、検出電位が第1のしきい値電圧よりも高い場合は電源電圧Vddは5.5Vと判断し、第1のしきい値電圧よりも低い場合は電源電圧Vddは3.0Vと判断する。
【0082】
更に、第2のしきい値電圧を設け、電源電圧Vddは5.5Vと判断された場合には、検出電位が、この第2のしきい値電圧よりも高い場合は、記録紙があるものと判断し、第2のしきい値電圧よりも低い場合は、記録紙がないものと判断する。この第2のしきい値電圧は、例えば、4.3Vに設定する。また、第3のしきい値電圧を設け、電源電圧Vddは3.0Vと判断された場合には、検出電位が、この第3のしきい値電圧よりも高い場合は、記録紙があるものと判断し、第3のしきい値電圧よりも低い場合は、記録紙がないものと判断する。この第3のしきい値電圧は、例えば、2.2Vに設定する。
【0083】
即ち、本実施の形態における電子装置においては、電池駆動時は3.0V、ACアダプタ駆動時は5.5Vと、意図的に電圧に差を設けており、これにより、検出された電位に基づき電子装置が電池駆動であるか、ACアダプタ駆動であるかを判断することができる。
【0084】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。