特許第6842356号(P6842356)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6842356
(24)【登録日】2021年2月24日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】カラオケ装置
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20210308BHJP
【FI】
   G10K15/04 302D
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-90363(P2017-90363)
(22)【出願日】2017年4月28日
(65)【公開番号】特開2018-189734(P2018-189734A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2020年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 政之
【審査官】 大野 弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−121917(JP,A)
【文献】 特開2015−194538(JP,A)
【文献】 特開2007−264190(JP,A)
【文献】 特開2011−203447(JP,A)
【文献】 特開2008−008994(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある楽曲が選曲された場合、当該ある楽曲と構成が同じであり、リファレンスデータが異なるバージョン違いの楽曲があるかどうかを判定する楽曲判定部と、
前記バージョン違いの楽曲があると判定された場合、当該バージョン違いの楽曲の前記リファレンスデータを取得するリファレンスデータ取得部と、
前記ある楽曲のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声データを、前記ある楽曲のリファレンスデータ及び取得した前記バージョン違いの楽曲のリファレンスデータそれぞれと比較することで採点値を算出し、最も高い採点値を当該カラオケ歌唱の採点値として決定する採点値決定部と、
決定された前記採点値を提示する提示部と、
を有し、
前記楽曲判定部は、前記ある楽曲と楽曲名が同一の楽曲を検索し、楽曲名が同一の楽曲がある場合、検索された当該楽曲の歌詞データと、前記ある楽曲の歌詞データと比較することにより、前記バージョン違いの楽曲があるかどうかを判定することを特徴とするカラオケ装置。
【請求項2】
前記採点値決定部は、前記採点値の決定を前記ある楽曲の所定の演奏区間毎に行い、
前記提示部は、決定された所定の演奏区間毎の前記採点値を提示することを特徴とする請求項1記載のカラオケ装置。
【請求項3】
前記採点値決定部は、前記ある楽曲のキーと前記バージョン違いの楽曲のキーが異なる場合、前記バージョン違いの楽曲のキーを前記ある楽曲のキーに合わせ、前記ある楽曲のテンポと前記バージョン違いの楽曲のテンポが異なる場合、前記バージョン違いの楽曲のテンポを前記ある楽曲のテンポに合わせ、前記採点値の算出を行うことを特徴とする請求項1または2記載のカラオケ装置。
【請求項4】
前記リファレンスデータ取得部は、前記リファレンスデータと併せて、前記バージョン違いの楽曲を歌唱する歌手情報を取得し、
前記採点値決定部は、決定した前記採点値と併せて、当該採点値を算出する際に使用したリファレンスデータに対応する歌手情報を前記提示部に出力し、
前記提示部は、算出された前記採点値と併せて前記歌手情報を提示させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のカラオケ装置。
【請求項5】
前記ある楽曲のカラオケ歌唱を所定の演奏区間毎に複数の利用者で行う場合、
前記採点値決定部は、決定した前記採点値と併せて、前記複数の利用者の歌唱履歴に基づいて、前記演奏区間毎に前記カラオケ歌唱を行った利用者を特定する利用者情報を前記提示部に出力し、
前記提示部は、算出された前記採点値と併せて前記利用者情報を提示することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のカラオケ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケ装置は、マイクにより入力された歌唱音声から音高データ、音量データ、リズムデータ等の歌唱音声データを抽出し、カラオケ演奏された楽曲の主旋律を示すリファレンスデータと比較することにより、カラオケ歌唱の採点を行うことができる。
【0003】
カラオケ歌唱の採点に関して、一の歌唱音声データを異なる基準を用いて評価する技術がある。
【0004】
たとえば、特許文献1には、二人の歌唱者で歌唱するデュエット曲や複数の歌唱者で合唱する曲といった複数の歌唱パートを有する曲のカラオケ歌唱を採点する方法が開示されている。具体的に、特許文献1の評価装置は、楽曲データ毎に歌唱パート毎のリファレンスデータを紐づけして予め記憶しておく。評価装置は、歌唱音声信号から検出されたピッチと歌唱パート毎のリファレンスデータとをノート毎に比較し、その差分に基づいて複数のリファレンスデータのうちのいずれかひとつをノート毎に選択する。そして、評価装置は、予め定められた回数以上連続して同一のリファレンスデータが選択された場合に、選択されたリファレンスデータを評価用データとして採用することで歌唱音声信号を評価する。このように先行文献1の評価装置によれば、複数の歌唱(又は演奏)パートを有する曲において、歌唱(又は演奏)されているパートに対応した評価を行うことができる。
【0005】
また、特許文献2には、一のカラオケ歌唱の採点を複数の要素(たとえば音程、音量、リズム)によって行い、その結果を表示することが可能なカラオケ装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−268368号公報
【特許文献2】特開平10−161673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、カラオケ楽曲の中には、バージョン違いの楽曲がある。バージョン違いの楽曲は、楽曲の構成は同じであるが、アーティスト特有の節回し等、歌い方が異なるため、リファレンスデータ(音高、音長、音量等)が異なっている。バージョン違いの楽曲は、たとえば、ある歌手が他の歌手の楽曲を自らの歌い方で歌唱するカバー曲や、ある歌手が他の歌手に作詞・作曲して提供した楽曲を自らが歌唱するセルフカバー曲である。バージョン違いの楽曲は、カラオケ装置において、異なる識別情報(楽曲ID)を持つ楽曲として記憶されている。
【0008】
ここで、たとえば楽曲Xとそのバージョン違いの楽曲X´があるとする。楽曲Xが選曲された場合、カラオケ装置は、楽曲Xの伴奏データに基づいてカラオケ演奏を行い、楽曲Xのリファレンスデータに基づいてカラオケ歌唱の採点を行う。
【0009】
一方、楽曲Xのカラオケ歌唱中に、利用者が楽曲Xの節回しからバージョン違いの楽曲X´の節回しに変えて歌唱する場合や、利用者αが1番を楽曲Xのバージョン(楽曲Xを歌唱する歌手の歌い方)で歌唱し、利用者βが2番を楽曲X´のバージョンで歌唱するといった場合がありうる。
【0010】
このような場合であっても、楽曲Xのカラオケ演奏に合わせた楽曲X´のバージョンでのカラオケ歌唱は、楽曲Xのリファレンスデータに基づいて採点されるため、正確な採点結果が得られず、カラオケの興趣を欠くという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、バージョン違いの楽曲が存在する楽曲をカラオケ歌唱する際に、利用者がどのバージョンの楽曲に合わせた歌い方をするかに関わらず、正確な採点を可能とするカラオケ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための主たる発明は、ある楽曲が選曲された場合、当該ある楽曲と構成が同じであり、リファレンスデータが異なるバージョン違いの楽曲があるかどうかを判定する楽曲判定部と、前記バージョン違いの楽曲があると判定された場合、当該バージョン違いの楽曲の前記リファレンスデータを取得するリファレンスデータ取得部と、前記ある楽曲のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声データを、前記ある楽曲のリファレンスデータ及び取得した前記バージョン違いの楽曲のリファレンスデータそれぞれと比較することで採点値を算出し、最も高い採点値を当該カラオケ歌唱の採点値として決定する採点値決定部と、決定された前記採点値を提示する提示部と、を有するカラオケ装置である。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、バージョン違いの楽曲が存在する楽曲をカラオケ歌唱する際に、利用者がどのバージョンの楽曲に合わせた歌い方をするかに関わらず、正確な採点が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態に係るカラオケ装置のハードウェア構成例を示す図である。
図2】実施形態に係るカラオケ本体のソフトウェア構成例を示す図である。
図3】実施形態に係るカラオケ装置の表示画面を示す図である。
図4】実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。
図5】変形例2に係るカラオケ装置の表示画面を示す図である。
図6】変形例3に係るカラオケ装置の表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
後述する明細書及び図面の記載から、上記の主たる発明の他、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0016】
すなわち、前記採点値決定部が、前記採点値の決定を前記ある楽曲の所定の演奏区間毎に行い、前記提示部が、決定された所定の演奏区間毎の前記採点値を提示するカラオケ装置が明らかとなる。このようなカラオケ装置によれば、所定の演奏区間毎に正確な採点が可能となる。
【0017】
また、前記楽曲判定部が、前記ある楽曲と楽曲名が同一の楽曲を検索し、楽曲名が同一の楽曲がある場合、検索された当該楽曲の歌詞データと、前記ある楽曲の歌詞データと比較することにより、前記バージョン違いの楽曲があるかどうかを判定するカラオケ装置が明らかとなる。このようなカラオケ装置によれば、バージョン違いの楽曲の有無を確実に判断することができる。
【0018】
また、前記採点値決定部が、前記ある楽曲のキーと前記バージョン違いの楽曲のキーが異なる場合、前記バージョン違いの楽曲のキーを前記ある楽曲のキーに合わせ、前記ある楽曲のテンポと前記バージョン違いの楽曲のテンポが異なる場合、前記バージョン違いの楽曲のテンポを前記ある楽曲のテンポに合わせ、前記採点値の算出を行うカラオケ装置が明らかとなる。このようなカラオケ装置によれば、バージョン違いの楽曲のキーやテンポが選曲された楽曲のキーやテンポと異なる場合であっても正確な採点が可能となる。
【0019】
また、前記リファレンスデータ取得部が、前記リファレンスデータと併せて、前記バージョン違いの楽曲を歌唱する歌手情報を取得し、前記採点値決定部が、決定した前記採点値と併せて、当該採点値を算出する際に使用したリファレンスデータに対応する歌手情報を前記提示部に出力し、前記提示部が、算出された前記採点値と併せて前記歌手情報を提示させるカラオケ装置が明らかとなる。このようなカラオケ装置によれば、算出された採点値がどの歌手のバージョンに基づくものであるかを容易に把握できる。
【0020】
前記ある楽曲のカラオケ歌唱を所定の演奏区間毎に複数の利用者で行う場合、前記採点値決定部が、決定した前記採点値と併せて、前記複数の利用者の歌唱履歴に基づいて、前記演奏区間毎に前記カラオケ歌唱を行った利用者を特定する利用者情報を前記提示部に出力し、前記提示部が、算出された前記採点値と併せて前記利用者情報を提示するカラオケ装置が明らかとなる。このようなカラオケ装置によれば、算出された採点値がどの利用者のカラオケ歌唱に基づくものであるかを所定の演奏区間毎に容易に把握できる。
【0021】
<実施形態>
図1図4を参照して、実施形態に係るカラオケ装置1について説明する。
【0022】
==カラオケ装置==
カラオケ装置1は、歌唱者が選曲した楽曲のカラオケ演奏及び歌唱者がカラオケ歌唱を行うための装置である。図1に示すように、カラオケ装置1は、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30、マイク40、及びリモコン装置50を備える。
【0023】
スピーカ20はカラオケ本体10からの放音信号に基づいて放音するための構成である。表示装置30はカラオケ本体10からの信号に基づいて映像や画像を画面に表示するための構成である。マイク40は歌唱者の歌唱音声(マイク40からの入力音声)をアナログの歌唱音声信号に変換してカラオケ本体10に入力するための構成である。
【0024】
(カラオケ本体のハードウェア)
カラオケ本体10は、選曲された楽曲のカラオケ演奏制御、歌詞や背景映像等の表示制御、マイク40を通じて入力された歌唱音声信号の処理といった、カラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。図1に示すように、カラオケ本体10は、制御部11、通信部12、記憶部13、音響処理部14、表示処理部15及び操作部16を備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。カラオケ本体10は、サーバ装置(図示無し)と通信可能に接続されており、サーバ装置から楽曲データや利用者の歌唱履歴を取得することができる。
【0025】
制御部11は、CPU11aおよびメモリ11bを備える。CPU11aは、メモリ11bに記憶された動作プログラムを実行することにより各種の制御機能を実現する。メモリ11bは、CPU11aに実行されるプログラムを記憶したり、プログラムの実行時に各種情報を一時的に記憶したりする記憶装置である。
【0026】
通信部12は、ルーター(図示なし)を介してカラオケ本体10を通信回線に接続するためのインターフェースを提供する。
【0027】
記憶部13は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置であり、たとえばハードディスクドライブなどである。記憶部13は、カラオケ装置1によりカラオケ演奏を行うための複数の楽曲データを記憶する。
【0028】
楽曲データは、個々の楽曲を特定するための識別情報(楽曲ID)が付与されている。楽曲データは、伴奏データ、リファレンスデータ、演奏区間データ等を含む。伴奏データは、カラオケ演奏音の元となるMIDI形式のデータである。リファレンスデータは、利用者によるカラオケ歌唱を採点する際の基準として用いられるデータである。演奏区間データは、各楽曲に含まれる演奏区間(たとえば、1番のAメロ、1番のBメロ、1番のサビ、間奏、2番のAメロ・・・・)を示すデータである。演奏区間データは、各演奏区間の開始位置を示す演奏マークデータを含む。各演奏区間は、演奏マークデータを参照することで識別できる。
【0029】
また、記憶部13は、各楽曲に対応する歌詞テロップに含まれる各文字のテキストに対応する歌詞データ、各楽曲に対応する歌詞テロップを表示装置30等に表示させる際の各種タイミングを示す歌詞テロップ表示データ、カラオケ演奏時に合わせて表示装置30等に表示される背景画像に対応する背景画像データ、及び楽曲の属性情報(曲名、歌手名、作詞・作曲者名、及びジャンル等の当該楽曲に関する情報)を記憶する。
【0030】
音響処理部14は、制御部11の制御に基づき、楽曲に対するカラオケ演奏の制御およびマイク40を通じて入力された歌唱音声信号の処理を行う。音響処理部14は、たとえばMIDI音源、ミキサ、アンプ(いずれも図示なし)を含む。制御部11は、予約された楽曲の伴奏データを、テンポクロック信号に基づいて順次読み出し、MIDI音源に入力する。MIDI音源は、当該伴奏データに基づいて楽音信号を生成する。ミキサは、当該音楽信号およびマイク40から出力される歌唱音声信号を適当な比率でミキシングしてアンプに出力する。アンプは、ミキサからのミキシング信号を増幅し、放音信号としてスピーカ20へ出力する。これにより、スピーカ20からは放音信号に基づくカラオケ演奏音およびマイク40からの歌唱音声が放音される。
【0031】
表示処理部15は、制御部11の制御に基づき、表示装置30における各種表示に関する処理を行う。たとえば、表示処理部15は、カラオケ演奏時における背景映像に歌詞テロップや各種アイコンが重ねられた映像を表示装置30に表示させる制御を行う。
【0032】
操作部16は、パネルスイッチおよびリモコン受信回路などからなり、歌唱者によるカラオケ装置1のパネルスイッチあるいはリモコン装置50の操作に応じて選曲信号、演奏中止信号などの操作信号を制御部11に対して出力する。制御部11は、操作部16からの操作信号を検出し、対応する処理を実行する。
【0033】
リモコン装置50は、カラオケ本体10に対する各種操作をおこなうための装置である。歌唱者はリモコン装置50を用いてカラオケ歌唱を希望する楽曲の選曲(予約)等を行うことができる。
【0034】
(カラオケ本体のソフトウェア)
図2はカラオケ本体10のソフトウェア構成例を示す図である。カラオケ本体10は、楽曲判定部100、リファレンスデータ取得部200、採点値決定部300、及び提示部400を備える。楽曲判定部100、リファレンスデータ取得部200、採点値決定部300、及び提示部400は、CPU11aがメモリ11bに記憶されるプログラムを実行することにより実現される。
【0035】
[楽曲判定部]
楽曲判定部100は、ある楽曲が選曲された場合、当該ある楽曲と構成が同じであり、リファレンスデータが異なるバージョン違いの楽曲があるかどうかを判定する。
【0036】
バージョン違いの楽曲は、上述の通り、ある楽曲と構成が同じであり、リファレンスデータが異なる楽曲である。「楽曲の構成が同じ」とは、楽曲同士の構成に明確な差が無いことをいう。たとえば、伴奏データの一部が少し異なっている場合や、楽器構成、音高、リズム等が少し変更されている場合であっても、楽曲の構成としては同じであるといえる。また、バージョン違いの楽曲は、楽曲IDや属性情報が異なるため、カラオケ装置1では異なる楽曲として認識される。一方、歌詞データや演奏区間データは同一である。
【0037】
バージョン違いの楽曲があるかどうかの判定は、たとえば、楽曲判定部100が、選曲されたある楽曲と楽曲名が同一の楽曲を検索し、楽曲名が同一の楽曲がある場合、検索された当該楽曲の歌詞データと、ある楽曲の歌詞データと比較することにより行う。
【0038】
具体例として、利用者αがリモコン装置50を介して楽曲Xの選曲(予約)を行ったとする。この場合、楽曲判定部100は、楽曲Xにバージョン違いの楽曲があるかどうかを判定する。
【0039】
すなわち、楽曲判定部100は、記憶部13に記憶されている複数の楽曲の属性情報を参照し、楽曲Xと楽曲名が同一の楽曲を検索する。ここでは、楽曲名が同一の楽曲として、楽曲X´、X´´、Y、Y´が検索されたとする。
【0040】
楽曲判定部100は、検索された楽曲X´、X´´、Y、Y´の歌詞データを記憶部13から読み出し、楽曲Xの歌詞データと比較する。楽曲判定部100は、検索された楽曲のうち、選曲された楽曲と歌詞データが一致する楽曲をバージョン違いの楽曲であると判定する。ここでは、楽曲X´、X´´がバージョン違いの楽曲であると判定されたとする。楽曲判定部100は、判定結果(たとえば、判定されたバージョン違いの楽曲の楽曲ID)をリファレンスデータ取得部200に出力する。
【0041】
[リファレンスデータ取得部]
リファレンスデータ取得部200は、バージョン違いの楽曲があると判定された場合、当該バージョン違いの楽曲のリファレンスデータを取得する。
【0042】
具体的に、リファレンスデータ取得部200は、楽曲判定部100から出力されたバージョン違いの楽曲の楽曲IDに基づいて、記憶部13からバージョン違いの楽曲のリファレンスデータを取得する。
【0043】
たとえば、上記例の通り楽曲X´、X´´がバージョン違いの楽曲であると判定されたとする。この場合、リファレンスデータ取得部200は、楽曲X´及び楽曲X´´の楽曲IDに基づいて記憶部13を検索し、楽曲X´及び楽曲X´´のリファレンスデータを取得する。
【0044】
[採点値決定部]
採点値決定部300は、ある楽曲のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声データを、ある楽曲のリファレンスデータ及び取得したバージョン違いの楽曲のリファレンスデータそれぞれと比較することで採点値を算出し、最も高い採点値を当該カラオケ歌唱の採点値として決定する。
【0045】
採点値の算出は、公知の手法を用いることが可能である。たとえば、採点値決定部300は、マイク40から入力された歌唱音声信号から、音高データ、音量データ等の歌唱音声データを抽出し、現在カラオケ演奏している楽曲のリファレンスデータと比較することにより、採点値を算出する。採点値の算出は、演奏区間データに基づき、楽曲毎に予め設定されている所定の演奏区間毎(たとえば、1番、2番・・・)に行ってもよい。
【0046】
本実施形態において、リファレンスデータ取得部200によりバージョン違いの楽曲のリファレンスデータが取得されている場合、採点値決定部300は、一の歌唱音声データを複数のリファレンスデータそれぞれと比較を行う。すなわち、採点値決定部300は、複数のリファレンスデータそれぞれに基づく複数の採点値を算出する。
【0047】
採点値決定部300は、算出された複数の採点値の中から、最も高い採点値をカラオケ歌唱の採点値として決定する。採点値決定部300は、決定した採点値を提示部400に出力する。
【0048】
採点値の算出は、カラオケ歌唱が終了した後に行ってもよいし、所定の演奏区間のカラオケ歌唱が終了する都度、行ってもよい。
【0049】
たとえば、上記例のように、リファレンスデータ取得部200により楽曲X´及び楽曲X´´のリファレンスデータが取得されたとする。また、楽曲Xは、所定の演奏区間として「1番」、「2番」、「3番」があるとする。
【0050】
この場合、採点値決定部300は、楽曲Xの1番のカラオケ演奏が終了した時点で、1番のカラオケ歌唱に基づいて得られた歌唱音声データを楽曲Xのリファレンスデータ、楽曲X´のリファレンスデータ、及び楽曲X´´のリファレンスデータそれぞれと比較する。採点値決定部300は、比較結果のうち、最も高い採点値(たとえば、楽曲Xのリファレンスデータに基づく採点値)を提示部400に出力する。同様に、採点値決定部300は、楽曲Xの2番(3番)のカラオケ演奏が終了した時点で、2番(3番)のカラオケ歌唱に基づいて得られた歌唱音声データを楽曲Xのリファレンスデータ、楽曲X´のリファレンスデータ、及び楽曲X´´のリファレンスデータそれぞれと比較し、最も高い採点値を提示部400に出力する。
【0051】
[提示部]
提示部400は、決定された採点値を提示する。採点値の決定が所定の演奏区間毎に行われた場合、提示部400は、決定された所定の演奏区間毎の採点値を提示することでもよい。
【0052】
採点値の提示は様々な態様が可能である。たとえば、提示部400は、楽曲Xのカラオケ演奏(カラオケ歌唱)の終了後、表示装置30の表示画面に演奏区間毎の採点値、及び総合点を表示させることが可能である(図3参照)。総合点は、たとえば、3つの演奏区間毎の採点値の平均値としてもよい。或いは、提示部400は、楽曲Xのカラオケ演奏(カラオケ歌唱)の終了後、スピーカ20を介して採点値を放音させてもよい。或いは、利用者が所有する携帯端末において専用のアプリケーションソフトウエアが起動している場合、提示部400は、当該携帯端末に採点値の情報を送信し、携帯端末側で図3と同様の表示を行わせることも可能である。
【0053】
==カラオケ装置1の動作について==
次に、図4を参照して本実施形態におけるカラオケ装置1の動作の具体例について述べる。図4は、カラオケ装置1の動作例を示すフローチャートである。
【0054】
利用者は、リモコン装置50を介して楽曲Xの予約を行う(楽曲の予約。ステップ10)。
【0055】
楽曲判定部100は、楽曲Xにバージョン違いの楽曲があるかどうかを判定する(バージョン違いの楽曲の有無を判定。ステップ11)。
【0056】
バージョン違いの楽曲がある場合(ステップ12でYの場合)、楽曲判定部100は、判定結果をリファレンスデータ取得部200に出力する。
【0057】
リファレンスデータ取得部200は、記憶部13からバージョン違いの楽曲のリファレンスデータを取得する(リファレンスデータの取得。ステップ13)。
【0058】
採点値決定部300は、楽曲Xのカラオケ歌唱に伴う歌唱音声データを、楽曲Xのリファレンスデータ、及びステップ13で取得したバージョン違いの楽曲のリファレンスデータそれぞれと比較することで採点値を算出する(リファレンスデータ毎に採点値を算出。ステップ14)。
【0059】
採点値決定部300は、ステップ14で算出した複数の採点値の中から、最も高い採点値を当該カラオケ歌唱の採点値として決定する(採点値の決定。ステップ15)。
【0060】
提示部400は、決定された採点値を提示する(採点値の提示。ステップ16)。
【0061】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置1は、楽曲判定部100、リファレンスデータ取得部200、採点値決定部300及び提示部400を有する。たとえば、楽曲判定部100は、楽曲Xが選曲された場合、楽曲Xのバージョン違いの楽曲があるかどうかを判定する。リファレンスデータ取得部200は、バージョン違いの楽曲があると判定された場合、当該バージョン違いの楽曲のリファレンスデータを取得する。採点値決定部300は、楽曲Xのカラオケ歌唱に伴う歌唱音声データを、楽曲Xのリファレンスデータ及び取得したバージョン違いの楽曲のリファレンスデータそれぞれと比較することで採点値を算出し、最も高い採点値を当該カラオケ歌唱の採点値として決定する。提示部400は、決定された採点値を提示する。
【0062】
このように、選曲された楽曲にバージョン違いの楽曲がある場合に、歌唱音声データとそれらの楽曲全てのリファレンスデータとを比較することにより、一のカラオケ歌唱に対して複数の採点値が算出されることとなる。ここで、たとえば、選曲されたある楽曲のカラオケ演奏に合わせてバージョン違いの楽曲の節回しで歌唱を行ったとしても、採点値決定部300は、バージョン違いの楽曲のリファレンスデータに基づく採点値も算出するため、実際のカラオケ歌唱に対して正確な採点値を得ることが可能となる。すなわち、本実施形態に係るカラオケ装置1によれば、バージョン違いの楽曲が存在する楽曲をカラオケ歌唱する際に、利用者がどのバージョンの楽曲に合わせた歌い方をするかに関わらず、正確な採点を行うことができる。
【0063】
また、本実施形態に係る採点値決定部300は、採点値の決定をある楽曲の所定の演奏区間毎に行う。従って、所定の演奏区間毎に歌い方を変えた場合等であっても演奏区間毎に正確な採点値を得ることができる。また、本実施形態に係る提示部400は、決定された所定の演奏区間毎の採点値を提示する。従って、利用者は演奏区間毎の採点値を把握することができる。
【0064】
更に、本実施形態に係る楽曲判定部100は、ある楽曲と楽曲名が同一の楽曲を検索し、楽曲名が同一の楽曲がある場合、検索された当該楽曲の歌詞データと、ある楽曲の歌詞データと比較することにより、バージョン違いの楽曲があるかどうかを判定する。このように、ある楽曲とバージョン違いの楽曲とで共通する情報(楽曲名及び歌詞データ)を用いることにより、バージョン違いの楽曲の有無を確実に判断できる。
【0065】
<変形例1>
選曲された楽曲と、バージョン違いの楽曲とでは、曲のキーやテンポが異なる場合がありうる。この場合に、各楽曲のリファレンスデータに基づいて採点値の算出を行うと、正確な採点値を得ることができない。
【0066】
そこで、採点値決定部300は、ある楽曲のキーとバージョン違いの楽曲のキーが異なる場合、バージョン違いの楽曲のキーをある楽曲のキーに合わせ、採点値の算出を行うようにしてもよい。或いは、採点値決定部300は、ある楽曲のテンポとバージョン違いの楽曲のテンポが異なる場合、バージョン違いの楽曲のテンポをある楽曲のテンポに合わせ、採点値の算出を行うようにしてもよい。
【0067】
バージョン違いの楽曲のキーやテンポを選曲された楽曲のキーやテンポに合わせる方法は公知の手法を用いることができる。たとえば、採点値決定部300は、バージョン違いの楽曲のリファレンスデータに含まれるキーと選曲された楽曲のキーとの比較を行い、キーに差分dがある場合には、バージョン違いの楽曲のリファレンスデータに含まれるキーを選曲された楽曲のキーに合わせるよう、差分dだけ変更したうえで、採点値の算出を行う。
【0068】
このようなカラオケ装置1によれば、バージョン違いの楽曲のキーやテンポが選曲された楽曲のキーやテンポと異なる場合であっても、キーやテンポを変更することができるため、正確な採点が可能となる。
【0069】
<変形例2>
上記実施形態においては、提示部400が決定された採点値のみを提示する例について述べたが、提示される情報はこれに限られない。たとえば、決定された採点値を算出する際に使用したリファレンスデータが、どの歌手のバージョンの楽曲によるものかを提示することも可能である。
【0070】
この場合、リファレンスデータ取得部200は、リファレンスデータと併せて、バージョン違いの楽曲を歌唱する歌手情報を取得する。歌手情報は、たとえば記憶部13に記憶されている歌手名である。この例では、楽曲X´は「歌手B」のバージョンであり、楽曲「X´´」は「歌手C」のバージョンであるとする。また、楽曲Xは「歌手A」のバージョンであるとする。
【0071】
採点値決定部300は、決定した採点値と併せて、当該採点値を算出する際に使用したリファレンスデータに対応する歌手情報を提示部400に出力する。
【0072】
たとえば、実施形態の例において、楽曲Xの1番及び3番の採点値を算出する際に使用したリファレンスデータに「歌手A」の歌手情報が対応付けられており、楽曲Xの2番の採点値を算出する際に使用したリファレンスデータに「歌手B」の歌手情報が対応付けられているとする。この場合、採点値算出部300は、決定した1番及び3番の採点値に「歌手A」を関連付け、決定した2番の採点値に「歌手B」を関連付けて提示部400に出力する。
【0073】
提示部400は、算出された採点値と併せて歌手情報を提示させる。たとえば、図5に示すように、提示部400は、算出された採点値と併せて、当該採点値に関連付けられている歌手情報を演奏区間毎に提示する。
【0074】
このようなカラオケ装置1によれば、採点値と併せて歌手情報が提示されるため、利用者は、採点値がどの歌手のバージョンのリファレンスデータに基づいて行われたのか(自己の歌唱がどの歌手のバージョンに最も近いのか)を容易に把握できる。
【0075】
<変形例3>
また、選曲された楽曲のカラオケ歌唱を、所定の演奏区間毎に複数の利用者が代わる代わる行うこともありうる。
【0076】
このような場合、採点値決定部300は、決定した採点値と併せて、複数の利用者の歌唱履歴に基づいて、演奏区間毎に前記カラオケ歌唱を行った利用者を特定する利用者情報を提示部400に出力することができる。
【0077】
歌唱履歴は、利用者のカラオケ歌唱に関する各種履歴(歌唱した楽曲名、日時、採点結果等)を示すものである。歌唱履歴は、記憶部13、またはサーバ装置(図示無し)に記憶されている。利用者がカラオケ装置1に自己の専用IDでログインした場合、カラオケ装置1は、当該利用者の歌唱履歴を記憶部13またはサーバ装置から入手する。
【0078】
具体例として、カラオケ装置1に利用者α、β、γがログインしているとする。また、楽曲Xが選曲され、且つバージョン違いの楽曲として楽曲X´及び楽曲X´´があると判定されたとする。更に、採点値決定部300は、楽曲Xの1番について、楽曲Xのリファレンスデータに基づく採点値を最も高い採点値として決定したとする。
【0079】
この場合、採点値決定部300は、カラオケ装置1にログインしている利用者α〜γの歌唱履歴の中から楽曲Xの歌唱履歴が最も多い利用者を特定する。採点値決定部300は、決定した採点値と併せて、楽曲Xの歌唱履歴が最も多い利用者(たとえば、利用者α)を示す情報(利用者αの専用ID)を提示部400に出力する。
【0080】
ここで、楽曲Xの歌唱履歴が最も多い利用者は、楽曲Xのカラオケ歌唱を行っている可能性が高い。すなわち、楽曲Xの歌唱履歴が最も多い利用者を示す情報は、カラオケ歌唱を行った利用者を特定する利用者情報に相当する。
【0081】
同様に、たとえば、採点値決定部300は、楽曲Xの2番について、楽曲X´のリファレンスデータに基づく採点値を最も高い採点値として決定したとする。この場合、採点値決定部300は、カラオケ装置1にログインしている利用者α〜γの歌唱履歴の中から楽曲X´の歌唱履歴が最も多い利用者利用者βを特定する。採点値決定部300は、決定した採点値と併せて、利用者βの専用IDを提示部400に出力する。
【0082】
提示部400は、算出された採点値と併せて利用者情報を提示する。たとえば、図6に示すように、提示部400は、算出された採点値と併せて、当該採点値に関連付けられている利用者情報を演奏区間毎に提示する。
【0083】
このようなカラオケ装置1によれば、採点値と併せて利用者情報が提示されるため、複数の利用者は、算出された採点値が誰のカラオケ歌唱に基づくものであるかを容易に把握できる。
【0084】
<その他>
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0085】
1 カラオケ装置
10 カラオケ本体
100 楽曲判定部
200 リファレンスデータ取得部
300 採点値決定部
400 提示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6