(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1は、弁孔21が全開状態における弁装置100の断面図である。
図2は、弁孔21が全閉状態における弁装置100の断面図である。
【0011】
弁装置100は、内部に流路Pが形成されたケーシング1と、流路P上に配置され、弁孔21を有する弁座2と、弁孔21を開閉する弁体3と、流体が通過するように流路P上に配置され、流体から異物を除去するススクリーン4と、弁座2に付着した異物を清掃する清掃棒5と、スクリーン4に付着した異物を清掃するブラシ7と、弁体3を駆動する駆動部8とを備えている。弁装置100は、流入してくる流体(例えば、ドレン)の温度に応じて流体の流量を調整する。
【0012】
ケーシング1は、流体が流入する流入口13、弁室14、及び、流体が流出する流出口15が形成された本体11と、本体11に取り付けられ、本体11と共に弁室14を区画する蓋12とを有している。
【0013】
本体11には、上方へ開口し、底を有する開口11aが形成されている。開口11aの内径は、下方に向かって段階的に小さくなっている。この開口11aは、蓋12によって閉鎖されている。この開口11aによって弁室14が形成されている。本体11には、流入口13と弁室14とを連通させる第1連通路16と、弁室14と流出口15とを連通させる第2連通路17とが形成されている。
【0014】
弁室14には、第1連通路16を介して流入してくる流体の流れ方向を規制する規制筒91が設けられている。規制筒91は、円筒状に形成されている。規制筒91の上端縁には、開口11aの内周壁に連結される連結部91aが周方向に間隔を空けて複数設けられている。第1連通路16を介して流入する流体は、連結部91aが設けられていない部分を通って、弁室14のうち規制筒91よりも上方の空間へ流入する。
【0015】
弁座2は、X軸の方向に延びる円筒状に形成されている。弁座2の内部には、X軸の方向に延びる貫通孔22が形成されている。貫通孔22には隔壁23が設けられている。弁孔21は、隔壁23に形成されている。弁座2は、弁室14の下部においてケーシング1の本体11にネジ締結されている。弁室14のうち弁座2よりも下方の空間に第2連通路17が連通している。
【0016】
以下、本開示においては、特段の断りが無い限り、「周方向」とは、X軸を中心とする周方向を意味し、「径方向」とは、X軸を中心とする径方向を意味する。また、X軸の方向を「X軸方向」とも称する。
【0017】
スクリーン4は、有底の円筒状に形成されている。詳しくは、スクリーン4は、円筒状の周壁41と、周壁41の下端に連結された円形の底壁42とを有している。周壁41及び底壁42には、複数の微少な貫通孔(図示省略)が形成されており、流体が通過可能となっている。スクリーン4は、弁室14において弁座2よりも上方の空間に配置される。より詳しくは、スクリーン4は、本体11の開口11aのうち内径が最も大きい部分に配置されている。スクリーン4の外径は、開口11aの内径よりも小さく、スクリーン4の周壁41と開口11aの内周面との間には空間が形成されている。詳しくは後述するが、スクリーン4は、清掃棒5と共にX軸方向に移動するように構成されている。スクリーン4の下部は、規制筒91に摺動自在に嵌っている。蓋12には、スクリーン4の上部が進入するガイド溝12aが形成されている。ガイド溝12aは、略円形に形成されている。スクリーン4の上部は、ガイド溝12aに摺動自在に嵌っている。
【0018】
流入口13から第1連通路16を介して弁室14へ流入する流体は、規制筒91によって、スクリーン4の周壁41と開口11aの内周面との間に形成された空間へ案内される。この流体は、スクリーン4の周壁41を径方向内側へ向かって通過する。このとき、流体に含まれる異物がスクリーン4によって除去される。周壁41の内側へ流入した流体は、スクリーン4の底壁42を通過して、弁座2の方へ流れる。該流体は、弁座2の弁孔21を通過して、第2連通路17を介して流出口15から流出していく。
【0019】
弁体3は、清掃棒5と一体的に形成されている。そのため、先に清掃棒5について説明する。
【0020】
清掃棒5は、ユーザによって操作される操作部6に連結されている。操作部6は、X軸方向に延び、上端が閉じる一方、下端が開放された円筒状に形成されている。詳しくは、操作部6には、下端からX軸方向に延びる挿入孔61が形成されている。操作部6の外周面には雄ネジ62が形成されている。蓋12には、X軸方向に延びる貫通孔18が形成されている。貫通孔18の上部には雌ネジ18aが形成されている。操作部6は、蓋12の貫通孔18に挿入される。このとき、雄ネジ62は、雌ネジ18aに螺合されている。操作部6の下端部の外周面には、雄ネジ62が形成されておらず、周方向に延びる溝63が形成されている。溝63には、Oリング64が装着されている。Oリング64は、貫通孔18の内周面に摺接している。
【0021】
操作部6の上端には、ドライバ等の工具が係合する係合溝65が形成されている。操作部6は、係合溝65に係合する工具によって回転操作されることによって、X軸を中心に回転しながらX軸方向に進退する。
【0022】
操作部6の下部には、X軸方向に延びる2本のガイド溝66が形成されている。2本のガイド溝66は、X軸を中心に180℃異なる位置に形成されている。これらガイド溝66によって、操作部6の下部は二叉状に形成されている。ガイド溝66は、X軸方向において、操作部6の下端から所定の長さだけ形成されている。
【0023】
蓋12の上面には、X軸方向に延びるボス19が形成されている。ボス19の内部にも貫通孔18が形成されている。ボス19の外周面には雄ネジ19aが形成されている。操作部6の上端部は、ボス19から突出している。操作部6のうちボス19から突出する部分には、雌ネジ18aへの操作部6の螺合の緩みを防止するためのナット92が設けられている。さらに、ボス19には、操作部6を覆うキャップ93が取り付けられている。キャップ93は、雄ネジ19aに螺合されている。
【0024】
清掃棒5は、X軸方向に延びる棒状、より詳しくは円柱状に形成されている。清掃棒5は、第1清掃部材の一例である。清掃棒5は、操作部6に対して、X軸を中心に回転不能に且つX軸方向に進退するように連結されている。詳しくは、清掃棒5には、径方向に清掃棒5を貫通する係合ピン51が設けられている。清掃棒5は、操作部6の挿入孔61に挿入される。このとき、係合ピン51は、ガイド溝66に係合している。清掃棒5は、挿入孔61及びガイド溝66に案内されることによって、操作部6に対してX軸を中心に回転不能且つX軸方向に進退する。ただし、係合ピン51がガイド溝66の上端に当接することによって、清掃棒5がX軸方向においてそれ以上、上方へ移動することが規制されている。つまり、ガイド溝66の上端は、清掃棒5のX軸方向における上方への移動を規制するストッパ67となっている。
【0025】
清掃棒5の下端部には、平板状のスクレーパ部52が形成されている。スクレーパ部52は、弁座2の貫通孔22に進入する。詳しくは後述するが、スクレーパ部52は、弁座2の隔壁23の上面に付着した異物を削り落とす。
【0026】
弁体3は、このように構成された清掃棒5の下端、即ち、スクレーパ部52の下端に設けられている。すなわち、弁体3は、清掃棒5と一体的に形成されている。弁体3は、円錐状に形成されており、弁孔21に嵌って弁孔21を密閉する。
【0027】
また、清掃棒5には、スクリーン4が連結されている。詳しくは、清掃棒5は、スクリーン4の底壁42の中央を貫通している。底壁42は、清掃棒5に溶接、嵌め合い、又はその他の手段で固定されている。すなわち、スクリーン4は、清掃棒5に対して、X軸回りに回転不能且つX軸方向に移動不能に連結されている。
【0028】
駆動部8は、複数の温度応動部材81と、コイルバネ82とを有している。温度応動部材81は、線膨張率の異なる2種類の金属を重ね合わせて円盤状に形成されたバイメタルで構成されている。温度応動部材81は、常温においては、略平板状となっている。温度応動部材81は、温度が上昇するほど、円盤の中央が膨出するように湾曲する。温度応動部材81の中央には、清掃棒5が貫通する貫通孔が形成されている。複数の温度応動部材81は、清掃棒5が貫通した状態で、弁室14におけるスクリーン4の内部(底壁42の上方)に配置されている。複数の温度応動部材81は、膨出する方向が互い違いになるように積層されている。つまり、一の温度応動部材81は、上方へ膨出するように配置され、それと隣接する温度応動部材81は、下方へ膨出するように配置される。こうすることによって、複数の温度応動部材81の上下方向、即ち、X軸方向の全長は、温度が上昇するほど増大し、温度が低下するほど減少する。一番上に位置する温度応動部材81は、操作部6(又は、蓋12)と接触している。一番下に位置する温度応動部材81は、スクリーン4の底壁42に接触している。
【0029】
一方、コイルバネ82は、弁室14におけるスクリーン4の下方に配置されている。コイルバネ82の上端部は、スクリーン4の底壁42に接触し、コイルバネ82の下端部は、ケーシング1の本体11に接触している。コイルバネ82は、圧縮された状態で配置されている。そのため、コイルバネ82は、スクリーン4の底壁42を上方へ押圧している。
【0030】
このように構成された駆動部8においては、複数の温度応動部材81の温度が上昇すると、複数の温度応動部材81のX軸方向の全長が増大する。これにより、スクリーン4が複数の温度応動部材81によって下方へ押圧される。
図2に示すように、スクリーン4は、コイルバネ82の付勢力に抗して下方へ移動し、それに伴い、清掃棒5も下方へ移動する。清掃棒5には弁体3が一体的に形成されているので、弁体3も下方へ移動する。弁体3の移動量は、温度応動部材81の温度に依存している。弁体3が最も下方へ移動すると、弁体3が弁孔21を全閉する。
【0031】
一方、複数の温度応動部材81の温度が低下すると、複数の温度応動部材81のX軸方向の全長が減少する。これにより、スクリーン4は、コイルバネ82の付勢力によって上方へ移動し、それに伴い、清掃棒5及び弁体3も上方へ移動する。こうして、弁体3が弁孔21を開く。
【0032】
つまり、流体の温度が高い場合には弁孔21の開度が絞られ、流量が減少する。一方、流体の温度が低い場合には弁孔21の開度が大きくなり、流量が増大する。
【0033】
尚、前述のように駆動部8によって清掃棒5がX軸方向へ移動する際には、操作部6は固定されたままなので、清掃棒5は、ガイド溝66及び係合ピン51の係合によってX軸を中心として回転不能となっている。
【0034】
続いて、ブラシ7について説明する。
図3は、
図1のIII−III線における、弁装置の断面図である。
【0035】
ブラシ7は、弁室14におけるスクリーン4の外側に配置されている。ブラシ7は、X軸方向に延びる円筒状のベース71と、ベース71の内周面から径方向内側に延びる複数の毛72とを有している。ブラシ7は、スクリーン4の周壁41と開口11aの内周面との間に形成された空間に配置されている。ブラシ7は、本体11に固定されている。ベース71は、本体11の開口11aに嵌る外径を有している。毛72は、金属製のワイヤで形成されている。
図3に示すように、毛72は、スクリーン4の全周に亘って設けられている。毛72の先端は、スクリーン4の周壁41に接触している。ブラシ7は、基本的には、清掃棒5が弁座2を清掃する際にスクリーン4を清掃する。第1連通路16を介して、スクリーン4の周壁41と開口11aの内周面との間の空間に流入してきた流体は、毛72の間を流通し、周壁41を通過する。ブラシ7は、第2清掃部材の一例である。
【0036】
以下、清掃棒5及びブラシ7による清掃について説明する。ここでは、
図1に示すように、弁体3が弁孔21を全開にした状態から清掃を開始する場合について説明する。
【0037】
まず、キャップ93が取り外され、ナット92が緩められる。その後、係合溝65に係合する工具によって操作部6が回転させられる。これにより、操作部6は、X軸回りに回転しながらX軸方向へ移動する。このとき、操作部6がX軸方向の下方へ移動するように、操作部6は回転させられる。清掃棒5の係合ピン51が操作部6のストッパ67に接触しているので、操作部6がX軸方向の下方へ移動するのに伴って清掃棒5もX軸方向の下方へ移動する。また、係合ピン51とガイド溝66との係合によって、清掃棒5は、操作部6と共にX軸回りに回転する。やがて、清掃棒5のスクレーパ部52は、X軸回りに回転しながら弁座2の隔壁23に接触する。その際、スクレーパ部52は、隔壁23に付着した異物を削り取る。こうして、清掃棒5によって弁座2に付着した異物が清掃される。
【0038】
清掃棒5がX軸回りに回転しながらX軸方向の下方へ移動する際には、スクリーン4も清掃棒5と一体的にX軸回りに回転しながらX軸方向の下方へ移動する。周壁41の外周面には、ブラシ7の毛72が接触している。そのため、スクリーン4の移動に伴って、周壁41の外周面は、毛72に対して摺動する。これにより、周壁41の外周面に付着した異物は、毛72によって除去される。
【0039】
このように、弁座2を清掃するために弁座2の方へ移動する清掃棒5にスクリーン4が連結され、清掃棒5の弁座2の方への移動に伴ってスクリーン4がブラシ7に対して相対的に移動することによって、スクリーン4がブラシ7によって清掃される。つまり、清掃棒5によって弁座2を清掃するときに、同時にスクリーン4がブラシ7によって清掃される。その結果、スクリーン4の清掃を効率よく行うことができる。
【0040】
以上のように、弁装置100は、流体の流路Pが形成されたケーシング1と、流路P上に配置され、弁孔21を有する弁座2と、流体が通過するように流路P上に配置され、流体から異物を除去するスクリーン4と、清掃時にはX軸方向において弁座2の方へ移動して、弁座2に付着した異物を除去する清掃棒5と、スクリーン4に接触した状態で配置され、スクリーン4に付着した異物を清掃するブラシ7とを備え、スクリーン4は、清掃棒5に連結されており、清掃棒5が弁座2を清掃するために弁座2の方へ移動するのに伴ってスクリーン4がブラシ7に対して相対的に移動することによって、スクリーン4がブラシ7によって清掃される。
【0041】
この構成によれば、清掃棒5が弁座2を清掃するときにスクリーン4もブラシ7によって清掃される。その結果、スクリーン4を効率よく清掃することができる。
【0042】
また、清掃棒5は、X軸を中心に回転しながらX軸方向に進退するように構成され、X軸を中心に回転しながら弁座2の異物を削り取る。
【0043】
この構成によれば、清掃棒5は、弁座2の清掃時には、X軸方向へ移動すると共にX軸を中心に回転する。この回転によって、清掃棒5は弁座2の異物を削り取る。
【0044】
それに加えて、スクリーン4は、清掃棒5と一体的にX軸を中心に回転する。
【0045】
この構成によれば、スクリーン4は、清掃棒5がX軸を中心に回転しながらX軸方向に移動する際に、少なくともX軸を中心に回転する。つまり、スクリーン4は、X軸を中心に回転するようにブラシ7に対して相対的に移動する。スクリーン4がX軸を中心に回転している間に、ブラシ7がスクリーン4を清掃する。
【0046】
また、弁装置100は、弁孔21の開度を調整する弁体3をさらに備え、弁体3は、清掃棒5と一体的に形成され、清掃棒5がX軸方向へ進退することによって弁孔21の開度を調整する。
【0047】
この構成によれば、弁体3が弁孔21を調整する際にも清掃棒5がX軸方向へ進退し、それに伴い、スクリーン4も移動する。つまり、弁体3が弁孔21の開度を調整する際にもスクリーン4がブラシ7によって清掃される。
【0048】
弁装置100は、弁体3を駆動する駆動部8をさらに備え、駆動部8は、清掃棒5をX軸方向へ進退させることによって弁体3を移動させて、弁孔21の開度を調整する。
【0049】
この構成によれば、駆動部8によって清掃棒5、ひいては、弁体3がX軸方向へ進退する。
【0050】
また、弁装置100は、X軸を中心に回転させられることによってX軸方向へ移動する操作部6をさらに備え、操作部6には、清掃棒5がX軸を中心に回転不能に且つX軸方向に進退するように連結され、清掃棒5は、操作部6が回転操作されることによって、操作部6と一体的にX軸を中心に回転しながらX軸方向において弁座2の方へ移動して弁座2の異物を削り取る一方、駆動部8に駆動されることによって、X軸を中心に回転することなく操作部6に対してX軸方向に移動して弁孔21の開度を調整する。
【0051】
この構成によれば、清掃棒5は、操作部6に対して、X軸を中心に回転不能に且つX軸方向に進退するように連結されている。そのため、清掃時には、操作部6が回転操作されることによって、清掃棒5は、操作部6と一体的にX軸を中心に回転しながらX軸方向へ移動して弁座2の異物を削り取る。一方、清掃棒5は、操作部6に対してX軸を中心に回転不能ではあるが、X軸方向に進退できる。そのため、弁孔21の開度を調整する際には、清掃棒5は、操作部6が移動しなくても駆動部8による駆動に応じてX軸方向へ移動する。
【0052】
また、スクリーン4は、X軸を囲む筒状に形成されている。
【0053】
そして、ブラシ7は、スクリーン4の全周に亘って設けられている。
【0054】
この構成によれば、スクリーン4がブラシ7に対して相対的にX軸方向へ移動することによって、スクリーン4の全周に亘って清掃を行うことができる。
【0055】
また、第2清掃部材は、ブラシ7で形成されている。
【0056】
この構成によれば、ブラシ7のブラシの毛72の間を流体が流通することができる。そのため、ブラシ7の毛72がスクリーン4に接触している状態であっても、流体のスクリーン4の通過を許容することができる。
【0057】
《その他の実施形態》
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、前記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0058】
前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0059】
弁座2及び弁体3の構成は、前述の構成に限られない。例えば、弁体3は、清掃棒5と一体的に形成されていなくてもよい。また、弁体3は、温度応動部材81によって駆動される構成でなくてもよい。
【0060】
また、第1清掃部材は、清掃棒5に限られるものではない。第1清掃部材は、清掃時には弁座2の方へ移動して、弁座2に付着した異物を除去する限り、任意の構成を採用することができる。例えば、第1清掃部材は、清掃時に、X軸を中心に回転することなくX軸方向へ移動する構成であってもよい。また、第1清掃部材は、スクレ−パ部52のように異物を削り取る構成に限られず、清掃棒5の端縁で異物を押し潰すような構成であってもよい。また、第1清掃部材が除去する異物は、隔壁23の上面に付着した異物に限られず、弁孔22の内周面に付着した異物であってもよい。また、清掃棒5は、操作部6によって駆動されるが、これに限られるものではない。
【0061】
スクリーン4は、清掃棒5に固定されているが、これに限られるものではない。例えば、スクリーン4は、清掃棒5に対してX軸回りに回転自在で且つX軸方向に移動不能に連結されていてもよい。この場合、スクリーン4は、清掃棒5の移動に伴って、ブラシ7に対して少なくともX軸方向に相対的に移動する。あるいは、スクリーン4は、清掃棒5に対してX軸回りに回転不能で且つX軸方向に移動自在に連結されていてもよい。この場合、スクリーン4は、清掃棒5の移動に伴って、ブラシ7に対して少なくともX軸を中心に回転するように相対的に移動する。
【0062】
ブラシ7は、スクリーン4の外側に設けられているが、これに限られるものではない。流体がスクリーン4を内側から外側へ通過する構成においては、ブラシ7は、スクリーン4の内側に設けられていてもよい。例えば、スクリーン4が弁座2の下流側に設けられている場合には、流体がスクリーン4を内側から外側へ通過し得る。そのような場合には、スクリーン4の内側にブラシ7が設けられるので、清掃棒5には、スクリーン4ではなく、ブラシ7が連結される。つまり、スクリーン4は、ケーシング1に固定され、ブラシ7が清掃棒5と共に移動する。
【0063】
ブラシ7の毛72は、スクリーン4の全周に亘って設けられていなくてもよい。例えば、変形例に係るブラシ207を
図5に示す。ブラシ207は、X軸方向に延びる円筒状のベース271と、ベース271の内周面から径方向内側に延びる複数の毛272とを有している。ベース271は、ベース71と同様の構成をしている。毛272は、スクリーン4の周方向において間隔を空けて複数箇所に設けられている。スクリーン4は、清掃棒5の移動に伴ってX軸を中心に回転するので、毛272が複数箇所だけに設けられているとしてもスクリーン4の全周を清掃することができる。
【0064】
また、第2清掃部材は、ブラシ7,207に限られるものではない。例えば、第2清掃部材は、スクリーン4に付着した異物を削り落とすスクレーパであってもよい。例えば、X軸方向に延び、周壁41の外周面に接触する複数のスクレーパが、スクリーン4の周方向に間隔を空けて複数設けられていてもよい。