(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6842362
(24)【登録日】2021年2月24日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20210308BHJP
G09F 9/302 20060101ALI20210308BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20210308BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20210308BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20210308BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20210308BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20210308BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20210308BHJP
【FI】
G09F9/30 336
G09F9/30 365
G09F9/302 C
G09F9/00 366A
H01L27/32
H05B33/14 A
H05B33/12 B
G06F3/041 422
G06F3/044 122
G06F3/044 125
【請求項の数】11
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-95243(P2017-95243)
(22)【出願日】2017年5月12日
(65)【公開番号】特開2018-194571(P2018-194571A)
(43)【公開日】2018年12月6日
【審査請求日】2020年1月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮本 光秀
(72)【発明者】
【氏名】秋元 肇
【審査官】
石本 努
(56)【参考文献】
【文献】
特開2016−110613(JP,A)
【文献】
特開2016−81531(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0202827(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0184937(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/1343−1/1345
1/135
G06F3/03−3/047
G09F9/00−9/46
H01L27/32
51/50
H05B33/00−33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に列が隣り合う複数列をなして各列では前記第1方向に直交する第2方向に並ぶ複数の発光画素を含む回路層と、
前記回路層に積層されて前記第1方向にそれぞれ延びる複数の第1タッチ電極と、
前記回路層に積層されて前記第2方向にそれぞれ延びる複数の第2タッチ電極と、
前記複数の第1タッチ電極及び前記複数の第2タッチ電極が絶縁されて立体交差するように介在する絶縁膜と、
を有し、
前記複数の第2タッチ電極のそれぞれは、前記複数の第1タッチ電極が位置する第1層にある複数の電極本体と、前記第1層とは異なる位置の第2層にあって前記複数の第1タッチ電極の対応する少なくとも1つに前記絶縁膜を介して重なって前記第2方向に隣同士の前記電極本体を接続するジャンパ電極と、を含み、
前記複数の第1タッチ電極及び前記複数の第2タッチ電極は、それぞれ、前記複数の発光画素との重複を避けるようにメッシュ状に構成され、
前記複数の電極本体のそれぞれは、前記第1方向に隣り合う前記発光画素の間に位置する第1細線部と、前記第2方向に隣り合う前記発光画素の間に位置して前記第1細線部よりも幅の広い第1幅広部と、を含み、
前記ジャンパ電極は、前記第1方向に隣り合う前記発光画素の間に位置する第2細線部と、前記第2方向に隣り合う前記発光画素の間に位置して前記第2細線部よりも幅の広い第2幅広部と、を含み、
前記複数の発光画素は、前記第1方向よりも前記第2方向に長い平面形状をそれぞれが有し、
前記絶縁膜を貫通して前記第1幅広部及び前記第2幅広部が重なって電気的に導通することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載された表示装置において、
前記複数の第1タッチ電極及び前記複数の第2タッチ電極は、金属からなることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された表示装置において、
前記第1幅広部及び前記第2幅広部は、前記第1幅広部及び前記第2幅広部が前記第2方向に隣り合う前記発光画素よりも、前記第1方向の幅が大きいことを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載された表示装置において、
前記第1幅広部及び前記第2幅広部が前記第2方向に隣り合う前記発光画素に対して、前記第1方向に隣り合う他の前記発光画素には、前記第1幅広部及び前記第2幅広部は、部分的にも前記第2方向に隣り合わないことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載された表示装置において、
前記複数の発光画素は、前記第1方向及び前記第2方向に相互に隣り合うように配列されていることを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか1項に記載された表示装置において、
前記複数列は、複数の第1列及び複数の第2列を含み、
前記複数の発光画素は、前記複数の第1列に並ぶ複数の第1発光画素と、前記複数の第2列に並ぶ複数の第2発光画素と、を含み、
前記複数の第1列と前記複数の第2列とは、前記第1方向に交互に配列され、
前記第2方向に隣り合う一対の前記第1発光画素の間の領域に対して、前記第1方向の隣に、前記複数の第2発光画素の対応する1つが位置することを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項6に記載された表示装置において、
前記複数の第2発光画素のそれぞれは、前記複数の第1発光画素のそれぞれよりも、前記第2方向に長い平面形状を有することを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項7に記載された表示装置において、
前記複数の第2発光画素のそれぞれは、前記第2方向の両端部を有し、
前記両端部のそれぞれが、前記複数の第1発光画素の対応する1つに対して、前記第1方向に隣り合うことを特徴とする表示装置。
【請求項9】
請求項7又は8に記載された表示装置において、
前記複数の第2発光画素は、青色の光を出射するように構成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載された表示装置において、
前記複数の電極本体のそれぞれは、前記第1幅広部から前記第1方向に延びて前記第1細線部に接続する第1接続部を有し、
前記第1接続部は、前記第1幅広部よりも、前記第2方向の幅が狭く、
前記ジャンパ電極は、前記第2幅広部から前記第1方向に延びて前記第2細線部に接続する第2接続部を有し、
前記第2接続部は、前記第2幅広部よりも、前記第2方向の幅が狭いことを特徴とする表示装置。
【請求項11】
請求項10に記載された表示装置において、
前記絶縁膜で絶縁されて前記第1接続部及び前記第2接続部が重なることを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンなどの携帯端末は、タッチセンサを備えていることが一般的になってきている。従来、表示パネルに、別工程で作製したタッチパネルを貼り合せていたが、タッチパネルをオンセル化することで、薄型化、モジュールコスト低減を図ることができる。表示パネルへのタッチパネルのオンセル化の工程として、有機エレクトロルミネッセンス素子を封止する封止膜に、タッチ電極を形成することが考えられる。
【0003】
タッチ電極は、指によるタッチを検出するためのものであるため、比較的広い幅を有しているのに対して、1画素の幅は極めて小さい。そこで、光を通す多数の孔を有したメッシュ状のタッチ電極を用いる場合がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−81529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
相互容量方式では、縦方向に延びる縦電極と、横方向に延びる横電極と、を使用してタッチセンシングを行う。縦電極と横電極を同一層に形成しようとすると、層間絶縁層を介して、ジャンパ配線が必要になる。
【0006】
縦電極又は横電極とジャンパ配線とは、層間絶縁層のスルーホールを介して電気的に接続される。特に、メッシュ状のタッチ電極は、導電部分が細いので、ジャンパ配線との接続部は広くする必要がある。広い接続部は、斜め方向の光を遮光するので、視野角特性を悪化させるという問題があった。
【0007】
本発明は、視野角特性の悪化を抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る表示装置は、第1方向に列が隣り合う複数列をなして各列では前記第1方向に直交する第2方向に並ぶ複数の発光画素を含む回路層と、前記回路層に積層されて前記第1方向にそれぞれ延びる複数の第1タッチ電極と、前記回路層に積層されて前記第2方向にそれぞれ延びる複数の第2タッチ電極と、前記複数の第1タッチ電極及び前記複数の第2タッチ電極が絶縁されて立体交差するように介在する絶縁膜と、を有し、前記複数の第2タッチ電極のそれぞれは、前記複数の第1タッチ電極が位置する第1層にある複数の電極本体と、前記第1層とは異なる位置の第2層にあって前記複数の第1タッチ電極の対応する少なくとも1つに前記絶縁膜を介して重なって前記第2方向に隣同士の前記電極本体を接続するジャンパ電極と、を含み、前記複数の第1タッチ電極及び前記複数の第2タッチ電極は、それぞれ、前記複数の発光画素との重複を避けるようにメッシュ状に構成され、前記複数の電極本体のそれぞれは、前記第1方向に隣り合う前記発光画素の間に位置する第1細線部と、前記第2方向に隣り合う前記発光画素の間に位置して前記第1細線部よりも幅の広い第1幅広部と、を含み、前記ジャンパ電極は、前記第1方向に隣り合う前記発光画素の間に位置する第2細線部と、前記第2方向に隣り合う前記発光画素の間に位置して前記第2細線部よりも幅の広い第2幅広部と、を含み、前記複数の発光画素は、前記第1方向よりも前記第2方向に長い平面形状をそれぞれが有し、前記絶縁膜を貫通して前記第1幅広部及び前記第2幅広部が重なって電気的に導通することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、第2方向に発光画素の隣りで、つまり発光画素の幅が狭い側で、第1幅広部及び第2幅広部が重なって電気的に導通する。したがって、第1幅広部及び前記第2幅広部によって光が遮断される幅が小さいので、視野角特性の悪化を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る表示装置の平面図である。
【
図2A】
図1に示す表示装置のIIA−IIA線断面の一部を拡大して示す図である。
【
図2B】
図1に示す表示装置のIIB−IIB線断面の一部を拡大して示す図である。
【
図3】
図1に示す表示装置の画像を表示するための回路を示す図である。
【
図4】
図1に示す表示装置の一部を拡大した平面図である。
【
図6】第2の実施形態に係る表示装置の表示領域の一部を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0012】
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
【0013】
さらに、本発明の詳細な説明において、ある構成物と他の構成物の位置関係を規定する際、「上に」「下に」とは、ある構成物の直上あるいは直下に位置する場合のみでなく、特に断りの無い限りは、間にさらに他の構成物を介在する場合を含むものとする。
【0014】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る表示装置の平面図である。表示装置は、有機エレクトロルミネッセンス表示装置である。表示装置は、例えば、赤、緑及び青からなる複数色の単位画素(サブピクセル)を組み合わせて、フルカラーの画像を表示するようになっている。表示装置は、表示領域DA及び表示領域DAを囲む周辺領域PAを含む。周辺領域PAは表示領域DAの外側にある。周辺領域PAには、フレキシブルプリント基板10が接続されている。フレキシブルプリント基板10には、データ信号駆動用ドライバを内蔵する集積回路チップ12が搭載される。なお、タッチセンシング用のフレキシブルプリント基板を別に接続してもよい。
【0015】
図2A及び
図2Bは、それぞれ、
図1に示す表示装置のIIA−IIA線断面及びIIB−IIB線断面の一部を拡大して示す図である。基板14は、ポリイミド樹脂やポリエチレンテレフタラート等からなり、可撓性を有する。基板14には、基板14自体が含有する不純物に対するバリアとなる下地絶縁膜16が形成されている。下地絶縁膜16は、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜などであり、それらの積層構造であってもよい。
【0016】
下地絶縁膜16の上に回路層18が積層する。回路層18は、表示領域DAに画像を表示するための回路を含む。詳しくは、回路層18において、下地絶縁膜16の上には半導体層20が形成されている。半導体層20にソース電極22及びドレイン電極24が電気的に接続し、半導体層20を覆ってゲート絶縁膜26が形成されている。ゲート絶縁膜26の上にはゲート電極28が形成され、ゲート電極28を覆って層間絶縁層30が形成されている。ソース電極22及びドレイン電極24は、ゲート絶縁膜26を貫通している。ソース電極22及びドレイン電極24は、表示領域DAでは、層間絶縁層30の直上にあって層間絶縁層30を貫通する。
【0017】
半導体層20、ソース電極22、ドレイン電極24及びゲート電極28並びにゲート絶縁膜26から、薄膜トランジスタ32の少なくとも一部が構成される。薄膜トランジスタ32は、
図1に示す表示領域DAに設けられる。表示領域DAでは、ゲート絶縁膜26の直上にゲート電極28がある。薄膜トランジスタ32を覆うように平坦化層34が設けられている。平坦化層34は、ポリイミド樹脂や感光性アクリル樹脂等の有機材料によって形成する。
【0018】
平坦化層34の上には、複数の単位画素(サブピクセル)それぞれに対応するように構成される複数の画素電極36(例えば陽極)が設けられている。画素電極36は、電極膜と光反射膜の積層構造になっている。画素電極36は、平坦化層34を貫通するコンタクトホール38によって、層間絶縁層30の上でソース電極22及びドレイン電極24の一方に電気的に接続している。
【0019】
画素電極36は、キャパシタCの一方の電極にもなっている。キャパシタCは、画素電極36と、その下方にある容量電極40と、画素電極36と容量電極40の間に介在する誘電絶縁膜42と、を含む。キャパシタCは、画素電極36に供給する電流を制御するための信号を保持する。
【0020】
画素電極36上に、ポリイミド樹脂やアクリル系樹脂などで絶縁層44が形成されている。絶縁層44は、画素電極36の周縁部に載り、画素電極36の一部(例えば中央部)を開口させるように形成されている。絶縁層44によって、画素電極36の一部を囲むバンクが形成される。
【0021】
複数の画素電極36の上に有機エレクトロルミネッセンス層46が設けられている。有機エレクトロルミネッセンス層46は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層を含む。発光層は、画素電極36ごとに別々に(分離して)設けられ、各画素に対応して青、赤又は緑で発光層が発光する。各画素に対応する色はこれに限られず、例えば、黄又は白等でもよい。有機エレクトロルミネッセンス層46を構成する層のうち発光層を除く層は、
図1に示す表示領域DAを覆う全面に、複数の画素に亘るように形成される。有機エレクトロルミネッセンス層46は絶縁層44上でも連続する。
【0022】
有機エレクトロルミネッセンス層46の上には、共通電極50(例えば陰極)が設けられている。共通電極50は、バンクとなる絶縁層44の上に載る。有機エレクトロルミネッセンス層46並びにこれを挟む画素電極36及び共通電極50から発光素子52の少なくとも一部が構成される。有機エレクトロルミネッセンス層46は、画素電極36及び共通電極50に挟まれ、両者間を流れる電流によって輝度が制御されて発光する。複数の発光素子52は、表示領域DAに設けられて、複数の薄膜トランジスタ32によって駆動される。複数の発光素子52のそれぞれに対応してキャパシタCが設けられている。
【0023】
有機エレクトロルミネッセンス層46は、封止膜60によって封止されて水分から遮断される。複数の発光素子52は、封止膜60によって封止されている。封止膜60は、窒化ケイ素などからなる一対の無機層62,64の間に、樹脂などからなる少なくとも一層の有機層66を挟む構造である。封止膜60は表示領域DAを覆う。
【0024】
封止膜60には、タッチセンシングのためのタッチ電極68が積層する。タッチ電極68は、例えば、相互容量方式によるタッチセンシングのための電極群であり、第1タッチ電極70及び第2タッチ電極72を含み、両者間は絶縁膜74によって電気的に絶縁されている。これらを覆うように、粘着層76を介して、円偏光板78及びカバーガラス80が積層されている。
【0025】
図3は、
図1に示す表示装置の画像を表示するための回路を示す図である。表示装置は、制御信号駆動回路54を有する。表示領域DAには、図中の横方向に延びる複数の制御信号線56及び縦方向に延びる複数のデータ信号線58が配置されている。この例では、1行の画素に3本の制御信号線56が対応する。図示を省略するが、表示領域DAには、発光素子52に一定電圧を供給するための電源線等の配線も存在する。制御信号線56とデータ信号線58の交点近傍には、データ信号に応じた輝度で各画素が発光するように、輝度制御をするための画素回路PCが配置される。
【0026】
図4は、
図1に示す表示装置の一部を拡大した平面図である。回路層18(
図2参照)は、複数の発光画素82を有する。発光画素82は、発光素子52(
図2参照)の発光する領域である。本実施形態では、
図2に示すように、画素電極36において絶縁層44から露出する領域が発光画素82である。複数の発光画素82は、第1方向D1に列Rが隣り合う複数列Rに並んでいる。複数の発光画素82は、各列Rでは第1方向D1に直交する第2方向D2に並ぶ。複数の発光画素82は、第1方向D1よりも第2方向D2に長い平面形状をそれぞれが有する。複数の発光画素82は、第1方向D1及び第2方向D2に相互に隣り合うように配列されている。タッチ電極68は、導電率が高くなるように金属からなる。金属が光を遮蔽するので、タッチ電極68は、発光画素82との重複を避けるようにメッシュ状に構成されている。
【0027】
図5は、タッチ電極の詳細を示す平面図である。タッチ電極68は、複数の第1タッチ電極70及び複数の第2タッチ電極72を含む。第1タッチ電極70は、回路層18(
図2A及び
図2B参照)に積層されて第1方向D1に延びる。複数の第1タッチ電極70は第1層L1(
図2A及び
図2B参照)に位置する。第2タッチ電極72は、回路層18に積層されて第2方向D2に延びる。
【0028】
第2タッチ電極72は、電極本体84を含む。電極本体84は、第1タッチ電極70と同じように第1層L1に位置する。電極本体84は、第1細線部86を含む。第1細線部86は、第1方向D1に隣り合う発光画素82の間に位置する。電極本体84は、第1幅広部88を含む。第1幅広部88は、第2方向D2に隣り合う発光画素82の間に位置する。第1幅広部88は、それが第2方向D2に隣り合う発光画素82aが第1方向D1に隣り合う他の発光画素82bには、部分的にも第2方向D2に隣り合わない。ただし、第1幅広部88は、それが第2方向D2に隣り合う発光画素82aよりも、第1方向D1の幅が大きい。
【0029】
第1幅広部88は、第1細線部86よりも幅が広い。電極本体84は、第1接続部90を有する。第1接続部90は、第1幅広部88から第1方向D1に延びて第1細線部86に接続する。第1接続部90は、第1幅広部88よりも、第2方向D2の幅が狭い。
【0030】
第2タッチ電極72は、ジャンパ電極92を含む。ジャンパ電極92は、第1層L1とは異なる位置の第2層L2にある(
図2A及び
図2B参照)。ジャンパ電極92は、第2細線部94を含む。第2細線部94は、第1方向D1に隣り合う発光画素82の間に位置する。ジャンパ電極92は、第2幅広部96を含む。第2幅広部96は、第2方向D2に隣り合う発光画素82の間に位置する。第2幅広部96は、それが第2方向D2に隣り合う発光画素82aが第1方向D1に隣り合う他の発光画素82bには、部分的にも第2方向D2に隣り合わない。ただし、第2幅広部96は、それが第2方向D2に隣り合う発光画素82aよりも、第1方向D1の幅が大きい。第2幅広部96は、第2細線部94よりも幅が広い。ジャンパ電極92は、第2接続部98を有する。第2接続部98は、第2幅広部96から第1方向D1に延びて第2細線部94に接続する。第2接続部98は、第2幅広部96よりも、第2方向D2の幅が狭い。
【0031】
ジャンパ電極92は、
図2Aに示すように、第1タッチ電極70に絶縁膜74を介して重なる。第1タッチ電極70及び第2タッチ電極72は、両者間に介在する絶縁膜74によって絶縁されて立体交差する。絶縁膜74で絶縁されて第1接続部90及び第2接続部98が重なるが、
図2Bに示すように、絶縁膜74を貫通して第1幅広部88及び第2幅広部96が接合部100で重なって電気的に導通する。これにより、ジャンパ電極92は、第2方向D2に隣同士の電極本体84を接続する。
【0032】
本実施形態によれば、第2方向D2に発光画素82の隣りで、つまり発光画素82の幅が狭い側で、第1幅広部88及び第2幅広部96が重なって電気的に導通する。したがって、第1幅広部88及び前記第2幅広部96によって光が遮断される幅が小さいので、視野角特性の悪化を抑えることができる。
【0033】
[第2の実施形態]
図6は、第2の実施形態に係る表示装置の表示領域DAの一部を拡大した図である。本実施形態では、複数の発光画素282が並ぶ複数列は、複数の第1列R1及び複数の第2列R2を含む。複数の第1列R1と複数の第2列R2とは、第1方向D1に交互に配列されている。第1列R1には、複数の第1発光画素282Aが並んでいる。第2列R2には、複数の第2発光画素282Bが並んでいる。
【0034】
第2発光画素282Bは、青色の光を出射するように構成されている。第2発光画素282Bは、第1発光画素282Aよりも、第2方向D2に長い平面形状を有する。青色の発光層は発光効率及び寿命が低い。そのため、青色に対応する第2発光画素282Bの面積を大きくすることで、電流を増やしつつ電流密度を下げられるようにしてある。こうして、赤色又は緑色の光を出射する第1発光画素282Aと青色の光を出射する第2発光画素282Bにおいて、発光層の均質な発光及び均等な寿命を実現することができ、発光効率及び素子寿命の色依存による影響を解消することができる。また、青色の画素は、赤色又は緑色の画素と比べて、視感度が低いため、遮光による輝度変化が視認されにくい。
【0035】
第2発光画素282Bは、第2方向D2の両端部Eを有する。両端部Eのそれぞれが、第1発光画素282Aに対して第1方向D1に隣り合う。第2方向D2に隣り合う一対の第1発光画素282Aの間の領域に対して、第1方向D1の隣に、第2発光画素282B(第2方向D2の中央部)が位置する。
【0036】
本実施形態でも、第2方向D2に発光画素282の隣りで、つまり発光画素282の幅が狭い側で、第1幅広部288及び第2幅広部296が、接合部200で重なって電気的に導通する。したがって、第1幅広部288及び前記第2幅広部296によって光が遮断される幅が小さいので、視野角特性の悪化を抑えることができる。本実施形態のその他の詳細は、第1の実施形態で説明した内容が該当する。
【0037】
なお、表示装置は、有機エレクトロルミネッセンス表示装置には限定されず、量子ドット発光素子(QLED:Quantum‐Dot Light Emitting Diode)のような発光素子を各画素に備えた表示装置であってもよいし、液晶表示装置であってもよい。
【0038】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、実施形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0039】
10 フレキシブルプリント基板、12 集積回路チップ、14 基板、16 下地絶縁膜、18 回路層、20 半導体層、22 ソース電極、24 ドレイン電極、26 ゲート絶縁膜、28 ゲート電極、30 層間絶縁層、32 薄膜トランジスタ、34 平坦化層、36 画素電極、38 コンタクトホール、40 容量電極、42 誘電絶縁膜、44 絶縁層、46 有機エレクトロルミネッセンス層、50 共通電極、52 発光素子、54 制御信号駆動回路、56 制御信号線、58 データ信号線、60 封止膜、62 無機層、64 無機層、66 有機層、68 タッチ電極、70 第1タッチ電極、72 第2タッチ電極、74 絶縁膜、76 粘着層、78 円偏光板、80 カバーガラス、82 発光画素、84 電極本体、86 第1細線部、88 第1幅広部、90 第1接続部、92 ジャンパ電極、94 第2細線部、96 第2幅広部、98 第2接続部、100 接合部、200 接合部、282 発光画素、282A 第1発光画素、282B 第2発光画素、288 第1幅広部、296 第2幅広部、C キャパシタ、D1 第1方向、D2 第2方向、DA 表示領域、E 両端部、L1 第1層、L2 第2層、PC 画素回路、PA 周辺領域、R 列、R1 第1列、R2 第2列。