(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記識別部は、前記第2の生体画像に基づいて前記識別処理を行うことができない場合に、前記第2の生体画像および前記第2の生体画像に対応する第2のユーザ識別子に基づいて前記識別データベースを更新し、
前記履歴管理部は、前記識別部が前記識別データベースを更新した後に、前記履歴データベースに、前記第2のユーザ識別子に対応する第2の操作履歴を記憶させる
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
[構成例]
図1は、本発明の一実施の形態に係る画像処理装置(画像処理装置1)の一構成例を表すものである。この画像処理装置1は、ユーザの「生体画像」(この例では顔画像)に基づいてユーザを識別し、そのユーザの操作履歴に基づいて、動作モードを設定するものである。なお、本発明の実施の形態に係る画像処理方法は、本実施の形態により具現化されるので、併せて説明する。
【0012】
画像処理装置1は、画像読取部10と、画像形成部20と、操作パネル31と、人感センサ32と、撮像部33とを備えている。
【0013】
画像読取部10は、紙などの読取媒体MRに印刷された画像を読み取るものである。この例では、画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)を有している。これにより、画像読取部10では、複数の読取媒体MRに印刷された画像を容易に読み取ることができる。また、画像読取部10では、ユーザが読取媒体MRを画像読取部10の読取面にセットすることにより、いわゆるフラットベッドスキャナとしても機能するようになっている。
【0014】
画像形成部20は、紙などの記録媒体MPに画像を形成するものである。この例では画像形成部20は、電子写真方式により画像を形成するようになっている。画像形成部20は、媒体収容部21と、ピックアップローラ22と、4つの感光ドラムユニット23(感光ドラムユニット23K,23Y,23M,23C)と、4つの転写ローラ24(転写ローラ24K,24Y,24M,24C)と、定着部25とを有している。媒体収容部21は、記録媒体MPを収容するものである。ピックアップローラ22は、媒体収容部21に収納されている記録媒体MPをその最上部から1枚ずつ取り出し、取り出した記録媒体MPを搬送路29に送り出す部材である。感光ドラムユニット23Kは、黒色のトナー像を形成するものであり、転写ローラ24Kは、感光ドラムユニット23Kにより生成されたトナー像を記録媒体MPに転写するものである。感光ドラムユニット23Yは、黄色のトナー像を形成するものであり、転写ローラ24Yは、感光ドラムユニット23Yにより生成されたトナー像を記録媒体MPに転写するものである。感光ドラムユニット23Mは、マゼンタ色のトナー像を形成するものであり、転写ローラ24Mは、感光ドラムユニット23Mにより生成されたトナー像を記録媒体MPに転写するものである。感光ドラムユニット23Cは、シアン色のトナー像を形成するものであり、転写ローラ24Cは、感光ドラムユニット23Cにより生成されたトナー像を記録媒体MPに転写するものである。定着部25は、記録媒体MPに対し熱および圧力を付与することにより、記録媒体MPに転写されたトナー像を記録媒体MPに定着させるものである。そして、トナー像が定着された記録媒体MPは、画像形成部20の外部に排出されるようになっている。
【0015】
操作パネル31は、ユーザの操作を受け付けるとともに、画像処理装置1の動作状態などを表示するものであり、例えば、液晶ディスプレイ、タッチパネル、各種ボタンなどを用いて構成されるものである。人感センサ32は、ユーザの接近を検出するものであり、例えば赤外線センサなどを用いて構成されるものである。撮像部33は、操作しているユーザの顔を撮像するものであり、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどを用いて構成されるものである。
【0016】
図2は、画像処理装置1における制御機構の一例を表すものである。画像処理装置1は、ネットワーク通信部41と、FAX通信部42と、ユーザ識別部43と、操作履歴管理部45と、制御部47とを備えている。
【0017】
ネットワーク通信部41は、ネットワーク通信を行うものであり、例えば、有線LAN(Local Area Network)などにより構成されるネットワークを介してパーソナルコンピュータ(図示せず)に接続されている。ネットワーク通信部41は、例えばこのパーソナルコンピュータと通信を行うことにより、パーソナルコンピュータから送信された印刷データDPを受信するようになっている。
【0018】
FAX通信部42は、電話回線を介して通信相手との間でFAXデータを送受信するものである。
【0019】
ユーザ識別部43は、撮像部33により撮像された撮像画像に基づいて、操作しているユーザの顔画像PFを取得し、この顔画像PFに基づいて、ユーザを識別するものである。ユーザ識別部43は、ユーザデータベース44を有している。ユーザデータベース44は、ユーザの顔画像PFを識別するための情報(顔画像情報INF)が、そのユーザのユーザ識別子IDに対応づけてそれぞれ登録されたものである。この構成により、ユーザ識別部43は、撮像部33により撮像された顔画像PFに基づいて、このユーザデータベース44を用いて、ユーザを識別し、その顔画像PFに対応するユーザ識別子IDを取得するようになっている。
【0020】
また、ユーザ識別部43は、このユーザデータベース44を用いて、撮像部33により撮像された顔画像PFに基づいてユーザを識別することができなかった場合には、その顔画像PFに基づいてユーザデータベース44を更新する機能をも有している。具体的には、ユーザ識別部43は、撮像部33により撮像された顔画像PFに基づいて顔画像情報INFを生成し、この顔画像情報INFを、新たに割り当てたユーザ識別子IDに対応づけてユーザデータベース44に登録する。このようにして、ユーザ識別部43は、操作しているユーザがユーザデータベース44に登録されていない場合には、そのユーザを自動的に登録するようになっている。
【0021】
操作履歴管理部45は、ユーザの操作履歴を管理するものである。操作履歴管理部45は、履歴データベース46を有している。履歴データベース46は、ユーザ識別子IDごとに、操作履歴を記憶するものである。
【0022】
図3は、履歴データベース46の一例を表すものである。履歴データベース46は、ユーザ識別子IDごとに、操作履歴(プリント回数CPおよびスキャン回数CS)を記憶している。プリント回数CPは、画像処理装置1におけるプリント機能を利用した回数であり、スキャン回数CSは、画像処理装置1におけるスキャン機能を利用した回数である。言い換えれば、プリント回数CPは、画像形成部20を使用したジョブの数を示し、スキャン回数CSは、画像読取部10を使用したジョブの数を示す。
【0023】
この構成により、操作履歴管理部45は、ユーザの操作に基づいて、そのユーザのユーザ識別子IDに対応するプリント回数CPおよびスキャン回数CSを更新することにより、履歴データベース46を更新する。また、操作履歴管理部45は、ユーザ識別子IDに基づいて、そのユーザ識別子IDに対応するプリント回数CPおよびスキャン回数CSを取得する機能をも有している。
【0024】
制御部47は、画像処理装置1内の各ブロックの動作を制御することにより、画像処理装置1の全体動作を制御するものである。制御部47は、例えば、プログラムを実行可能なプロセッサを用いて構成されるものである。
【0025】
制御部47は、動作モード制御部48を有している。動作モード制御部48は、画像処理装置1の動作モードMを設定するものである。画像処理装置1は、5つの動作モードM(スリープモードM1、ユーザ接近モードM2、スキャンモードM3、プリントモードM4、および完全動作モードM5)を有しており、動作モード制御部48は、この5つの動作モードMのうちの1つを、動作モードMとして設定する。そして、動作モード制御部48は、設定した動作モードMに基づいて、画像処理装置1内の各ブロックへの電源供給をそれぞれ制御するようになっている。
【0026】
図4は、動作モードMのそれぞれにおける電源供給動作の一例を表すものである。
図4において、“○”は、電源供給を行うことを示し、“−”は、電源供給を行わないことを示す。
【0027】
図5は、動作モードMのそれぞれにおいて実行することができる処理の一例を表すものである。
図5において、“○”は、処理を実行することができることを示し、“−”は、処理を実行することができないことを示す。また、“コピー処理”は、例えば、画像読取部10が読取媒体MRに印刷された画像を読み取り、読み取った画像を画像形成部20が記録媒体MPに形成する処理である。“スキャン処理”は、例えば、画像読取部10が読取媒体MRに印刷された画像を読み取り、読み取った画像をネットワーク通信部41が例えばパーソナルコンピュータに送信する処理である。なお、これに限定されるものではなく、“スキャン処理”は、例えば、画像読取部10が読取媒体MRに印刷された画像を読み取り、読み取った画像を画像処理装置1内に記憶する処理であってもよい。“プリント処理”は、例えば、ネットワーク通信部11が印刷データDPを受信し、その印刷データDPに含まれる画像を画像形成部20が記録媒体MPに形成する処理である。なお、これに限定されるものではなく、“プリント処理”は、例えば、ユーザが操作パネル31を操作することにより、事前に画像処理装置1内に記憶された印刷データDPに含まれる画像を、画像形成部20が記録媒体MPに形成する処理であってもよい。“FAX送信処理”は、例えば、画像読取部10が読取媒体MRに印刷された画像を読み取り、読み取った画像を含むFAXデータをFAX通信部42が送信する処理である。“FAX受信処理”は、例えば、FAX通信部42がFAXデータを受信し、そのFAXデータに含まれる画像を画像形成部20が記録媒体MPに形成する処理である。
【0028】
スリープモードM1は、処理に備えて待機しているときに設定される動作モードMである。このスリープモードM1では、人感センサ32、FAX通信部42、およびネットワーク通信部41に対して電源供給が行われる。画像処理装置1は、人感センサ32に電源供給を行うことにより、ユーザの接近を検出することができる。画像処理装置1は、ネットワーク通信部41に電源供給を行うことにより印刷データDPを受け付けることができる。また、画像処理装置1は、FAX通信部42に電源供給を行うことによりFAXデータを受け付けることができる。
【0029】
ユーザ接近モードM2は、ユーザが画像処理装置1に接近しているときに設定される動作モードMである。このユーザ接近モードM2では、撮像部33、FAX通信部42、およびネットワーク通信部41に対して電源供給が行われる。画像処理装置1は、撮像部33に電源供給を行うことにより、ユーザの顔を撮像することができる。これにより、画像処理装置1は、顔画像PFに基づいて操作しているユーザを識別し、そのユーザの操作履歴に基づいて、画像処理装置1の動作モードMを設定することができる。
【0030】
スキャンモードM3は、プリント機能を使用せずにスキャン機能を使用する場合や、プリント機能を使用せずにスキャン機能を使用すると推定される場合に設定される動作モードMである。このスキャンモードM3では、撮像部33、操作パネル31、画像読取部10、FAX通信部42、およびネットワーク通信部41に対して電源供給が行われる。これにより、画像処理装置1は、このスキャンモードM3では、
図5に示したように、“スキャン処理”および“FAX送信処理”を行うことができるようになっている。
【0031】
プリントモードM4は、スキャン機能を使用せずにプリント機能を使用する場合や、スキャン機能を使用せずにプリント機能を使用すると推定される場合に設定される動作モードMである。このプリントモードM4では、撮像部33、操作パネル31、画像形成部20、FAX通信部42、およびネットワーク通信部41に対して電源供給が行われる。これにより、画像処理装置1は、このプリントモードM4では、
図5に示したように、“プリント処理”および“FAX受信処理”を行うことができるようになっている。
【0032】
完全動作モードM5は、スキャン機能およびプリント機能の両方を使用する場合や、スキャン機能およびプリント機能の両方を使用すると推定される場合に設定される動作モードMである。この完全動作モードM5では、撮像部33、操作パネル31、画像読取部10、画像形成部20、FAX通信部42、およびネットワーク通信部41に対して電源供給が行われる。これにより、画像処理装置1は、この完全動作モードM5では、
図5に示したように、“コピー処理”、“スキャン処理”、“プリント処理”、“FAX送信処理”、および“FAX受信処理”を行うことができるようになっている。
【0033】
動作モード制御部48は、この5つの動作モードMのうちの1つを動作モードMとして設定する。そして、動作モード制御部48は、設定した動作モードMに基づいて、
図4に示したように、画像処理装置1内の各ブロックへの電源供給をそれぞれ制御するようになっている。
【0034】
ここで、ユーザ識別部43は、本発明における「識別部」の一具体例に対応する。顔画像PFは、本発明における「生体画像」の一具体例に対応する。ユーザデータベース44は、本発明における「識別データベース」の一具体例に対応する。操作履歴管理部46は、本発明における「履歴管理部」の一具体例に対応する。履歴データベース46は、本発明における「履歴データベース」の一具体例に対応する。動作モード制御部48は、本発明における「制御部」の一具体例に対応する。人感センサ32は、本発明における「
人感センサ」の一具体例に対応する。操作パネル31は、本発明における「操作部」の一具体例に対応する。
スリープモードM1は、本発明における「第1の動作モード」の一具体例に対応する。
ユーザ接近モードM2は、本発明における「第2の動作モード」の一具体例に対応する。スキャンモードM3は、本発明における「第3の動作モード」の一具体例に対応する。プリントモードM4は、本発明における「第4の動作モード」の一具体例に対応する。完全動作モードM5は、本発明における「第5の動作モード」の一具体例に対応する。
【0035】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の画像処理装置1の動作および作用について説明する。
【0036】
(全体動作概要)
まず、
図2を参照して、画像処理装置1の全体動作概要を説明する。ネットワーク通信部41は、ネットワーク通信を行うことにより、例えば、パーソナルコンピュータ(図示せず)から送信された印刷データDPを受信する。FAX通信部42は、電話回線を介して通信相手との間でFAXデータを送受信する。操作パネル31は、ユーザの操作を受け付けるとともに、画像処理装置1の動作状態などを表示する。人感センサ32は、ユーザの接近を検出する。撮像部33は、操作しているユーザの顔を撮像する。画像読取部10は、紙などの読取媒体MRに印刷された画像を読み取る。画像形成部20は、紙などの記録媒体MPに画像を形成する。ユーザ識別部43は、ユーザデータベース44を用いて、撮像部33により撮像された顔画像PFに対応するユーザ識別子IDを取得する。また、ユーザ識別部43は、ユーザデータベース44を用いて、撮像部33により撮像された顔画像PFに基づいてユーザを識別することができなかった場合には、その顔画像PFに基づいてユーザデータベース44を更新する。操作履歴管理部45は、ユーザの操作に基づいて、そのユーザのユーザ識別子IDに対応するプリント回数CPおよびスキャン回数CSを更新することにより、履歴データベース46を更新する。また、操作履歴管理部45は、ユーザ識別子IDに基づいて、そのユーザ識別子IDに対応するプリント回数CPおよびスキャン回数CSを取得する。制御部47は、画像処理装置1内の各ブロックの動作を制御することにより、画像処理装置1の全体動作を制御する。制御部47の動作モード制御部48は、画像処理装置1の動作モードMを設定し、設定した動作モードMに基づいて、画像処理装置1内の各ブロックへの電源供給をそれぞれ制御する。
【0037】
(詳細動作)
図6A,6Bは、画像処理装置1の詳細動作を表すものである。
【0038】
まず、制御部47は、ユーザによる電源投入を検出すると(ステップS101)、動作モード制御部48は、動作モードMを完全動作モードM5に設定する(ステップS102)。これにより、動作モード制御部48は、
図4に示したように、撮像部33、操作パネル31、画像読取部10、画像形成部20、FAX通信部42、およびネットワーク通信部41に対して電源供給を行うように、画像処理装置1を制御する。
【0039】
次に、動作モード制御部48は、画像処理装置1の装置状態を監視する(ステップS103)。
【0040】
ステップS103において、ユーザが操作パネル31を操作することにより処理を指示した場合(ステップS103において“パネル操作により処理を指示”)には、ユーザ識別部43は、ユーザ識別処理A1を行う(ステップS104)。
【0041】
図7は、ユーザ識別処理A1のサブルーチンを表すものである。
【0042】
まず、ユーザ識別部43は、撮像部33が撮像した撮像画像に基づいて、操作しているユーザの顔画像PFを取得する(ステップS171)。
【0043】
次に、ユーザ識別部43は、ステップS171において取得した顔画像PFに基づいて、ユーザデータベース44を用いて、ユーザを識別する(ステップS172)。
【0044】
ユーザの識別に成功した場合(ステップS173において“Y”)には、ユーザ識別部43は、ユーザデータベース44から、この顔画像PFに対応するユーザ識別子IDを取得する(ステップS174)。
【0045】
また、ユーザの識別に失敗した場合(ステップS173において“N”)には、ユーザ識別部43は、この顔画像PFに基づいて顔画像情報INFを生成し、この顔画像情報INFを、新たに割り当てたユーザ識別子IDに対応づけてユーザデータベース44に登録することにより、ユーザデータベース44を更新する(ステップS175)。すなわち、操作しているユーザはユーザデータベース44に登録されていないため、このユーザをユーザデータベース44に登録する。そして、ユーザ識別部43は、この顔画像PFに対応する、新たに割り当てたユーザ識別子IDを取得する(ステップS176)。
【0046】
以上で、ユーザ識別処理A1のサブルーチン(
図7)は終了する。
【0047】
次に、
図6Aに示したように、動作モード制御部48は、現在の動作モードMで、ステップS103においてパネル操作により指示された処理を実行可能かどうかを確認する(ステップS105)。すなわち、例えば、
図5に示したように、現在の動作モードMがプリントモードM4であり、指示された処理が“プリント処理”である場合には、処理を実行可能である。また、例えば、現在の動作モードMがプリントモードM4であり、指示された処理が“コピー処理”である場合には、処理を実行することができない。現在の動作モードMで、指示された処理を実行可能である場合(ステップS105において“Y”)には、ステップS107に進む。
【0048】
ステップS105において、現在の動作モードMで、指示された処理を実行することができない場合(ステップS105において“N”)には、動作モード制御部48は、動作モードMを完全動作モードM5に設定する(ステップS106)。これにより、動作モード制御部48は、
図4に示したように、撮像部33、操作パネル31、画像読取部10、画像形成部20、FAX通信部42、およびネットワーク通信部41に対して電源供給を行うように、画像処理装置1を制御する。
【0049】
次に、画像処理装置1は、ステップS103においてパネル操作により指示された処理を実行する(ステップS107)。具体的には、指示された処理が“コピー処理”である場合には、画像処理装置1は“コピー処理”を行い、指示された処理が“スキャン処理”である場合には、画像処理装置1は“スキャン処理”を行い、指示された処理が“プリント処理”である場合には、画像処理装置1は“プリント処理”を行い、指示された処理が“FAX送信処理”である場合には、画像処理装置1は“FAX送信処理”を行う。
【0050】
次に、操作履歴管理部45は、操作履歴更新処理A2を行う(ステップS108)。
【0051】
図8は、操作履歴更新処理A2のサブルーチンを表すものである。
【0052】
まず、操作履歴管理部45は、ステップS103(
図6A)においてパネル操作により指示された処理が、プリント機能を利用するものであるかどうかを確認する(ステップS181)。
図9に示したように、パネル操作により指示された処理が、“プリント処理”および“コピー処理”である場合には、その処理は、プリント機能を利用するものである。パネル操作により指示された処理が、プリント機能を利用するものではない場合(ステップS181において“N”)には、ステップS183に進む。
【0053】
ステップS181において、パネル操作により指示された処理が、プリント機能を利用するものである場合(ステップS181において“Y”)には、操作履歴管理部45は、履歴データベース46において、ステップS104において取得した、操作しているユーザのユーザ識別子IDに対応するプリント回数CPをインクリメントすることにより、履歴データベース46を更新する(ステップS182)。
【0054】
次に、操作履歴管理部45は、ステップS103(
図6A)においてパネル操作により指示された処理が、スキャン機能を利用するものであるかどうかを確認する(ステップS183)。
図9に示したように、パネル操作により指示された処理が、“スキャン処理”、“FAX送信処理”、および“コピー処理”であった場合には、その処理は、スキャン機能を利用するものである。パネル操作により指示された処理が、スキャン機能を利用するものではない場合(ステップS183において“N”)には、この操作履歴更新処理A2のサブルーチン(
図8)は終了する。
【0055】
ステップS183において、パネル操作により指示された処理が、スキャン機能を利用するものである場合(ステップS183において“Y”)には、操作履歴管理部45は、履歴データベース46において、ステップS104において取得した、操作しているユーザのユーザ識別子IDに対応するスキャン回数CSをインクリメントすることにより、履歴データベース46を更新する(ステップS184)。
【0056】
以上で、操作履歴更新処理A2のサブルーチン(
図8)は終了する。
【0057】
図6Aに示したように、このようにして操作履歴更新処理A2(ステップS108)が終了すると、ステップS103に戻る。
【0058】
ステップS103において、FAX通信部42がFAXデータを受信した場合、またはネットワーク通信部41が印刷データDPを受信した場合(ステップS103において“FAXデータ受信または印刷データ受信”)には、動作モード制御部48は、動作モードMをプリントモードM4に設定する(ステップS111)。これにより、動作モード制御部48は、
図4に示したように、撮像部33、操作パネル31、画像形成部20、FAX通信部42、およびネットワーク通信部41に対して電源供給を行うように、画像処理装置1を制御する。
【0059】
そして、画像処理装置1は、処理を実行する(ステップS112)。具体的には、FAX通信部42がFAXデータを受信した場合には、画像処理装置1は“FAX受信処理”を行い、ネットワーク通信部41が印刷データDPを受信した場合には、画像処理装置1は“プリント処理”を行う。
【0061】
ステップS103において、ユーザによる操作パネル31の操作が所定時間にわたり無かった場合(ステップS103において“所定時間パネル操作なし”)には、動作モード制御部48は、動作モードMをスリープモードM1に設定する(ステップS121)。これにより、動作モード制御部48は、
図5に示したように、人感センサ32、FAX通信部42、およびネットワーク通信部41に対して電源供給を行うように、画像処理装置1を制御する。
【0062】
次に、
図6Bに示したように、動作モード制御部48は、画像処理装置1の装置状態を監視する(ステップS122)。
【0063】
ステップS122において、人感センサ32がユーザの接近を検出した場合(ステップS122において“ユーザの接近を検出”)には、動作モード制御部48は、動作モードMをユーザ接近モードM2に設定する(ステップS123)。これにより、動作モード制御部48は、
図4に示したように、撮像部33、FAX通信部42、およびネットワーク通信部41に対して電源供給を行うように、画像処理装置1を制御する。
【0064】
次に、ユーザ識別部43は、ユーザ識別処理A1を行う(ステップS124)。この処理は、
図6Aに示したステップS104において行った処理(
図7)と同様である。
【0065】
次に、動作モード制御部48は、動作モード選択処理A3を行う(ステップS125)。
【0066】
図10は、動作モード選択処理A3のサブルーチンを表すものである。
【0067】
まず、操作履歴管理部45は、履歴データベース46から、ステップS124(
図6B)において取得した、操作しているユーザのユーザ識別子IDに対応する操作履歴を取得する(ステップS191)。操作履歴の取得に失敗した場合(ステップS192において“N”)には、この動作モード選択処理A3のサブルーチン(
図10)は終了する。
【0068】
操作履歴の取得に成功した場合(ステップS192において“Y”)には、動作モード制御部48は、その操作履歴に含まれるスキャン回数CSおよびプリント回数CPの大小関係を確認する(ステップS193)。
【0069】
ステップS193において、スキャン回数CSがプリント回数CPよりも多い場合(ステップS193において“スキャン回数CS>プリント回数CP”)には、動作モード制御部48は、スキャンモードM3を選択する(ステップS194)。
図3の例では、例えば、ユーザ識別子IDが“00000001”である場合、およびユーザ識別子IDが“00000003”である場合に、スキャンモードM3が選択される。すなわち、この場合には、操作しているユーザは、“スキャン処理”や“FAX送信処理”を指示する可能性が高いので、動作モード制御部48は、スキャンモードM3を選択する。
【0070】
また、ステップS193において、スキャン回数CSがプリント回数CPよりも少ない場合(ステップS193において“スキャン回数CS<プリント回数CP”)には、動作モード制御部48は、プリントモードM4を選択する(ステップS195)。
図3の例では、例えば、ユーザ識別子IDが“00000002”である場合、およびユーザ識別子IDが“00000004”である場合に、プリントモードM4が選択される。すなわち、この場合には、操作しているユーザは、“プリント処理”を指示する可能性が高いので、動作モード制御部48は、プリントモードM4を選択する。
【0071】
また、ステップS193において、スキャン回数CSがプリント回数CPと等しい場合(ステップS193において“スキャン回数CS=プリント回数CP”)には、動作モード制御部48は、完全動作モードM5を選択する(ステップS196)。
図3の例では、例えば、ユーザ識別子IDが“00000005”である場合に、完全動作モードM5が選択される。
【0072】
以上で、動作モード選択処理A3のサブルーチン(
図10)は終了する。
【0073】
そして、
図6Bに示したように、動作モード選択処理A3(ステップS125)により選択された動作モードMが完全動作モードM5である場合(ステップS126において“完全動作モードM5”)には、動作モード制御部48は、動作モードMを完全動作モードM5に設定する(ステップS127)。これにより、動作モード制御部48は、
図4に示したように、撮像部33、操作パネル31、画像読取部10、画像形成部20、FAX通信部42、およびネットワーク通信部41に対して電源供給を行うように、画像処理装置1を制御する。
【0074】
また、動作モード選択処理A3(ステップS125)により選択された動作モードMがスキャンモードM3である場合(ステップS126において“スキャンモードM3”)には、動作モード制御部48は、動作モードMをスキャンモードM3に設定する(ステップS128)。これにより、動作モード制御部48は、
図4に示したように、撮像部33、操作パネル31、画像読取部10、FAX通信部42、およびネットワーク通信部41に対して電源供給を行うように、画像処理装置1を制御する。
【0075】
また、動作モード選択処理A3(ステップS125)により選択された動作モードMがプリントモードM4である場合(ステップS126において“プリントモードM4”)には、動作モード制御部48は、動作モードMをプリントモードM4に設定する(ステップS129)。これにより、動作モード制御部48は、
図4に示したように、撮像部33、操作パネル31、画像形成部20、FAX通信部42、およびネットワーク通信部41に対して電源供給を行うように、画像処理装置1を制御する。
【0076】
そして、ステップS103(
図6A)に戻る。
【0077】
また、ステップS122において、操作パネル31がパネル操作を検出した場合(ステップS122において“パネル操作を検出”)には、ステップS127に進む。
【0078】
また、ステップS122において、FAX通信部42がFAXデータを受信した場合、またはネットワーク通信部41が印刷データDPを受信した場合(ステップS122において“FAXデータ受信または印刷データ受信”)には、動作モード制御部48は、動作モードMをプリントモードM4に設定する(ステップS131)。これにより、動作モード制御部48は、
図4に示したように、撮像部33、操作パネル31、画像形成部20、FAX通信部42、およびネットワーク通信部41に対して電源供給を行うように、画像処理装置1を制御する。
【0079】
そして、画像処理装置1は、処理を実行する(ステップS132)。具体的には、FAX通信部42がFAXデータを受信した場合には、画像処理装置1は“FAX受信処理”を行い、ネットワーク通信部41が印刷データDPを受信した場合には、画像処理装置1は“プリント処理”を行う。
【0080】
そして、ステップS103(
図6A)に戻る。
【0081】
以上のように、画像処理装置1では、ユーザの操作履歴(プリント回数CPおよびスキャン回数CS)に基づいて、動作モードMを設定するようにした。具体的には、例えば、ユーザの操作履歴において、スキャン回数CSがプリント回数CPよりも多い場合には、動作モード制御部48は、そのユーザが、“スキャン処理”や“FAX送信処理”を指示する可能性が高いと判断し、動作モードMをスキャンモードM3に設定する。これにより、画像処理装置1では、
図4に示したように、例えば画像形成部20への電源供給が停止される。また、例えば、ユーザの操作履歴において、プリント回数CPがスキャン回数CSよりも多い場合には、動作モード制御部48は、そのユーザが、“プリント処理”を指示する可能性が高いと判断し、動作モード制御部48は、動作モードMをプリントモードM4に設定する。これにより、画像処理装置1では、
図4に示したように、例えば、画像読取部10への電源供給が停止される。このように、画像処理装置1では、ユーザの操作履歴に基づいて、動作モードMを設定するようにしたので、使用しないことが推定されるブロックへの電源供給を停止することができるため、効果的に消費電力を低減することができる。
【0082】
また、画像処理装置1では、このように、ユーザの操作履歴に基づいて動作モードMを設定するようにしたので、操作しているユーザの操作履歴に基づいて、そのユーザが指示するであろう処理を推定して動作モードMを設定することができる。その結果、画像処理装置1では、処理を開始するまでの時間を短くすることができる。すなわち、例えば、ユーザの操作に基づいて動作モードMを設定する場合には、ユーザが操作してから、各ブロックへの電源供給を開始するため、処理を開始するまでに時間がかかるおそれがある。一方、画像処理装置1では、ユーザが指示するであろう処理を推定して動作モードMを設定したので、その推定が正しい場合には、ユーザの操作に応じてすぐに処理を開始することができる。その結果、画像処理装置1では、ユーザの利便性を高めることができる。
【0083】
また、画像処理装置1では、ユーザ識別部43は、ユーザデータベース44を用いて、撮像部33により撮像された顔画像PFに基づいてユーザを識別することができなかった場合には、その顔画像PFに基づいてユーザデータベース44を更新するようにした。これにより、画像処理装置1では、ユーザが、例えば顔画像PFを登録する作業や、顔画像PFをアカウントに関連づける作業を行う必要がないので、ユーザの手間が省けるので、ユーザの利便性を高めることができる。
【0084】
このように、画像処理装置1では、自動的に顔画像PFを収集し、その顔画像PFに基づいてユーザデータベース44を更新する。そして、ユーザデータベース44を用いてユーザを識別し、識別されたユーザの操作履歴を記録する。そして、顔画像PFおよび操作履歴に基づいて、動作モードMを設定する。これにより、画像処理装置1では、ユーザの利便性を高めることができるとともに、効果的に消費電力を低減することができる。
【0085】
[効果]
以上のように本実施の形態では、ユーザの操作履歴に基づいて、動作モードを設定するようにしたので、使用しないことが推定されるブロックへの電源供給を停止することができるため、効果的に消費電力を低減することができる。また、ユーザの操作に応じてすぐに処理を開始することができるため、ユーザの利便性を高めることができる
【0086】
本実施の形態では、ユーザデータベースを用いて、撮像部により撮像された顔画像に基づいてユーザを識別することができなかった場合には、その顔画像に基づいてユーザデータベースを更新するようにした。これにより、ユーザは、例えば顔画像を登録する作業や、顔画像をアカウントに関連づける作業を行う必要がないので、ユーザの利便性を高めることができる。
【0087】
[変形例1]
上記実施の形態では、人感センサ32および撮像部33を画像処理装置1に内蔵したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、人感センサおよび撮像部を画像処理装置とは別に設け、その画像処理装置に接続してもよい。
【0088】
[変形例2]
上記実施の形態では、動作モード選択処理A3(
図10)において、例えば、スキャン回数CSがプリント回数CPと等しい場合に完全動作モードM5を選択したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、スキャン回数CSとプリント回数CPとの差が所定数以下の場合に、完全動作モードM5を選択してもよい。
【0089】
[変形例3]
上記実施の形態では、ユーザ識別部43は、撮像部33により撮像された撮像画像に基づいて、操作しているユーザの顔画像PFを取得し、この顔画像PFに基づいて、ユーザを識別するようにした。例えば、撮像画像が2人のユーザの顔画像PF1,PF2を含む場合には、ユーザ識別部43は、この2つの顔画像PF1,PF2に基づいて、2人のユーザをそれぞれ識別し、2つのユーザ識別子ID1,ID2を取得してもよい。この場合には、動作モード制御部48は、ユーザ識別子ID1に対応する操作履歴、およびユーザ識別子ID2に対応する操作履歴の両方に基づいて、動作モードMを設定してもよい。具体的には、例えば、ユーザ識別子ID1に対応する操作履歴において、スキャン回数CSがプリント回数CPよりも多く、ユーザ識別子ID2に対応する操作履歴において、スキャン回数CSがプリント回数CPよりも多い場合には、動作モード制御部48は、動作モードMをスキャンモードM3に設定することができる。また、例えば、ユーザ識別子ID1に対応する操作履歴において、スキャン回数CSがプリント回数CPよりも少なく、ユーザ識別子ID2に対応する操作履歴において、スキャン回数CSがプリント回数CPよりも少ない場合には、動作モード制御部48は、動作モードMをプリントモードM4に設定することができる。また、例えば、ユーザ識別子ID1に対応する操作履歴において、スキャン回数CSがプリント回数CPよりも多く、ユーザ識別子ID2に対応する操作履歴において、スキャン回数CSがプリント回数CPよりも少ない場合には、動作モード制御部48は、動作モードMを完全動作モードM5に設定することができる。このように、撮像画像が2人のユーザの顔画像PF1,PF2を含む場合には、操作履歴更新処理A2を行わないようにしてもよい。なお、この例では、2人の場合について説明したが、例えば3人以上であってもよい。
【0090】
以上、実施の形態および変形例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0091】
例えば、上記の実施の形態等では、電子写真方式により、記録媒体MPに画像を形成したが、これに限定されるものではなく、どのような方式で画像を形成してもよい。また、上記の実施の形態等では、記録媒体MPにカラー画像を形成したが、これに限定されるものではなく、モノクロ画像を形成してもよい。
【0092】
また、例えば、上記の実施の形態等では、画像処理装置1は、
図5に示したように、“コピー処理”、“スキャン処理”、“プリント処理”、“FAX送信処理”、“FAX受信処理”を行うようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、これらの処理のうちの一部を行うことができなくてもよいし、これ以外の処理を行うことができてもよい。
【0093】
また、例えば、上記の実施の形態等では、本技術を多機能周辺装置に適用したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、単機能のファクシミリ、コピー機、スキャナ、プリンタに適用してもよい。
【0094】
また、例えば、上記の実施の形態等では、ユーザを識別するために顔画像PFを用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、指紋、静脈、網膜、虹彩、音声など、様々な生体情報を用いることができる。