(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電源制御部は、前記第1リセット状態へ移行した後であって、前記第2リセット状態へ移行する前に、前記AC電源入力監視部が、前記AC電源入力のオフ状態からオン状態への変化を検出した場合は、前記第2リセット状態へ移行せずに、前記第1リセット状態から前記初期設定動作状態へ移行する
請求項1に記載の画像処理装置。
前記電源制御部用電源を監視し、該電源制御部用電源が前記リセット電圧まで低下した場合、前記電源制御部を前記第2リセット状態とし、前記電源制御部用電源が前記リセット電圧まで上昇した場合、前記電源制御部の前記第2リセット状態を解除するリセット部
をさらに有する請求項3に記載の画像処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0012】
[1.実施の形態]
[1−1.画像形成システムの構成]
図1に示すように画像形成システム1は、画像形成装置2、ホスト4及びAC電源入力オンオフ回路8により構成されている。画像形成装置2は、例えばカラー用電子写真式プリンタであり、図示しない画像形成部により用紙に対し所望のカラー画像を印刷する。ホスト4は、PC(Personal Computer)等により構成され、画像形成装置2内のメインCPU10及びAC電源入力オンオフ回路8とLAN(Local Area Network)又はUSB(Universal Serial Bus)等の通信手段により接続されており、画像形成装置2へ印刷等の各種動作を指示する。AC電源入力オンオフ回路8は、交流の商用電源であるAC電源PACに接続されており、該AC電源PACを
図2(A)及び
図4(C)に示すAC電源入力IACとして画像形成装置2内の低圧電源12へ供給する。なお
図4(C)は、
図2(A)におけるONの期間(オン状態)を示しており、
図2(A)におけるOFFの期間(オフ状態)においてはAC電源入力IACが0[V]の状態となる。またAC電源入力オンオフ回路8は、ホスト4と接続されており、ホスト4の指示により、画像形成装置2内の低圧電源12へのAC電源入力IACの供給をオンオフする。これにより画像形成システム1においては、画像形成装置2へのAC電源入力IACの供給をホスト4が遠隔制御する。
【0013】
[1−2.画像形成装置の制御構成]
統轄制御部としてのメインCPU(Central Processing Unit)10は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部(図示せず)から所定のプログラムを読み出して実行することにより、画像形成装置2を統轄制御する。
【0014】
電源部としての低圧電源12は、AC電源入力オンオフ回路8から供給されるAC電源入力IACをDC電源(直流電源)へ変換し、画像形成装置2内の各部へ電源を供給する。具体的に低圧電源12は、それぞれメインCPU用電源オンオフ回路20を介しメインCPU10に統轄制御部用電源としてのメインCPU用電源PMを、電源制御CPU14に電源制御CPU用電源PPと
図2(B)及び
図4(B)に示すACゼロクロス信号SZCとを、リセット回路22に電源制御部用電源としての電源制御CPU用電源PPを供給する。この低圧電源12は、AC電源入力IACが0[V]と交差するタイミング、すなわちゼロクロスのタイミングで、ACゼロクロス信号SZCのパルスを出力する。また低圧電源12は、AC電源入力IACがONの期間(オン状態)にACゼロクロス信号SZCのパルスを出力し、AC電源入力IACがOFFの期間(オフ状態)にはACゼロクロス信号SZCを出力しない。さらに低圧電源12は、画像形成装置2内の定着器(図示せず)にACゼロクロス信号SZCを供給する。定着器は、加熱ローラ及び加圧ローラにより構成されており、メインCPU10の制御に基づき、加熱ローラを加熱すると共に該加熱ローラ及び加圧ローラをそれぞれ所定方向へ回転させることにより、トナー画像が転写された用紙に対して熱及び圧力を加えてトナーを定着させる。このACゼロクロス信号SZCは、定着器内のハロゲンランプに電流を流す際のタイミングを、AC電源入力IACのゼロクロスのタイミングからずらすことにより、AC電源PACのフリッカの発生を防止するために用いられる。
【0015】
電源制御CPU14は、ACゼロクロス検出部16及び動作モード制御部18を有しており、メインCPU用電源オンオフ回路20を制御することにより、メインCPU10へ供給されているメインCPU用電源PMのオンオフを制御する。この電源制御CPU14は、メインCPU10とシリアルI/F又は専用信号で接続されている。ACゼロクロス検出部16は、低圧電源12から供給されるACゼロクロス信号SZCを監視し、AC電源入力IACのオンオフを検出する。動作モード制御部18は、ACゼロクロス検出部16の検出結果に応じて、電源制御CPU14の動作モードを制御する。この動作モードとは、第1リセット状態としてのソフトウェアリセット状態と、第2リセット状態としてのハードウェアリセット状態と、初期設定動作状態とである。ここで、ソフトウェアリセット状態とは、電源制御CPU14において、ACゼロクロス検出部16によるACゼロクロス信号SZCの監視以外の機能を停止する状態である。またハードウェアリセット状態とは、電源制御CPU14において、ACゼロクロス検出部16によるACゼロクロス信号SZCの監視の機能を含む全ての機能を停止する状態である。また初期設定動作状態とは、電源制御CPU14がソフトウェアリセット状態又はハードウェアリセット状態から復帰する際に、初期設定動作を行う状態である。
【0016】
メインCPU用電源オンオフ回路20は、電源制御CPU14の指示により、メインCPU10へのメインCPU用電源PMの供給をオンオフする。リセット部としてのリセット回路22は、低圧電源12から供給される電源制御CPU14への電源制御CPU用電源PPを監視し、所定の電圧であるリセット電圧Vrst以下となった場合、電源制御CPU14へ、
図2(E)に示すハードウェアリセット信号SHRをONにして出力することにより、電源制御CPU14をハードウェアリセット状態にする。
【0017】
[1−3.AC電源入力オンオフ動作処理]
画像形成装置2によるAC電源入力オンオフ動作処理の具体的な処理手順について、
図3のフローチャートを用いて説明する。ホスト4からシャットダウン指示を通信手段により受信すると、メインCPU10は、記憶部(図示せず)からAC電源入力オンオフ動作処理プログラムを読み出して実行することによりAC電源入力オンオフ動作処理手順RT1を開始し、ステップSP1へ移る。
【0018】
ステップSP1においてメインCPU10は、ホスト4から受信したシャットダウン指示に従い、メモリ内容の退避等のシャットダウン処理を行い、シャットダウン処理完了後にステップSP2へ移る。ステップSP2においてメインCPU10は、メインCPU用電源PMのオフを電源制御CPU14へシリアルI/F又は専用信号により指示する。
【0019】
ステップSP3において電源制御CPU14は、メインCPU10の指示に従い、メインCPU10へ供給しているメインCPU用電源PMをメインCPU用電源オンオフ回路20によりオフにし、ステップSP4へ移る。このときメインCPU10は、メインCPU用電源PMがオフになったため動作停止となり、ホスト4との通信を停止する。ホスト4は、画像形成装置2内のメインCPU10との通信が停止したことを検出すると、AC電源入力IACをAC電源入力オンオフ回路8によりオフ状態にする。ステップSP4において電源制御CPU14は、
図5に示すAC電源入力オフ状態検出処理手順SRT1(後述する)へ入り、ACゼロクロス信号SZCをACゼロクロス検出部16で検出することにより、AC電源入力IACがオフ状態になったか否かを監視し、ステップSP5へ移りAC電源入力IACがオフ状態になるまで待機する。
【0020】
ステップSP5において肯定結果が得られると、このことはAC電源入力IACがオフ状態になったことを表し、このとき電源制御CPU14はステップSP6へ移り、ソフトウェアリセット状態へ動作モード制御部18により移行し、ステップSP7へ移る。
【0021】
ステップSP7において電源制御CPU14は、電源制御CPU用電源PPの電圧が低圧電源12内の残留電荷の放電により低下することによりリセット回路22からONのハードウェアリセット信号SHRが出力されたか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことはソフトウェアリセット状態ではあるもののハードウェアリセット状態まではまだ移行しないことを表し、このとき電源制御CPU14はステップSP8へ移る。ステップSP8において電源制御CPU14は、
図6に示すAC電源入力オン状態検出処理手順SRT2(後述する)へ入り、ACゼロクロス信号SZCをACゼロクロス検出部16で検出することにより、AC電源入力IACがオン状態になったか否かを監視し、ステップSP9へ移りAC電源入力IACがオン状態になったか否かを判定する。
【0022】
ここで否定結果が得られると、このことはハードウェアリセット状態までは移行しておらずソフトウェアリセット状態であり、AC電源入力IACがオフ状態のままであることを表し、このとき電源制御CPU14はステップSP7へ戻る。
【0023】
一方ステップSP9において肯定結果が得られると、このことは電源制御CPU用電源PPの電圧が残留電荷の放電により低下して、リセット回路22からONのハードウェアリセット信号SHRが出力される前(すなわちステップSP7において肯定結果を得る前)、すなわち残留電荷により電源制御CPU14がACゼロクロス信号SZCの監視を動作可能な期間中に、ACゼロクロス検出部16により、AC電源入力IACのオン状態を検出したことを表し、このとき電源制御CPU14は、ステップSP12へ移る。ステップSP12において電源制御CPU14は、動作モード制御部18によりソフトウェアリセット状態から初期設定動作状態へ移行し、初期設定動作完了後、ステップSP13へ移る。ステップSP13において電源制御CPU14は、メインCPU用電源PMをメインCPU用電源オンオフ回路20によりオンにし、ステップSP14へ移りAC電源入力オンオフ動作処理手順RT1を終了する。
【0024】
一方ステップSP7において肯定結果が得られると、このことはソフトウェアリセット状態からさらにハードウェアリセット状態まで移行することを表し、このとき電源制御CPU14はステップSP10へ移り、ハードウェアリセット状態へ動作モード制御部18により移行し、ステップSP11へ移る。
【0025】
ステップSP11において電源制御CPU14は、AC電源入力IACがオン状態になり、電源制御CPU用電源PPの電圧が上昇することにより、リセット回路22からOFFのハードウェアリセット信号SHRが出力され、ハードウェアリセットが解除されたか否かを待ち受ける。ここで肯定結果が得られると、このことはハードウェアリセットが解除されたことを表し、このとき電源制御CPU14はステップSP12へ移り、動作モード制御部18によりハードウェアリセット状態から初期設定動作状態へ移行し、初期設定動作完了後、ステップSP13へ移り、メインCPU用電源PMをメインCPU用電源オンオフ回路20によりオンにし、ステップSP14へ移りAC電源入力オンオフ動作処理手順RT1を終了する。
【0026】
このように電源制御CPU14は、ハードウェアリセット状態へ移行する前の段階で、AC電源入力IACのオフ状態を検出しソフトウェアリセット状態へ移行するようにした。また電源制御CPU14は、AC電源入力IACのオフ状態を検出しソフトウェアリセット状態へ移行した後にハードウェアリセット状態へ移行する前の段階で、AC電源入力IACのオン状態を検出した場合、ハードウェアリセット状態へは移行せずに、ソフトウェアリセット状態から初期設定動作状態へ移行するようにした。
【0027】
[1−4.AC電源入力オンオフ動作処理のタイミングチャート]
次に、画像形成装置2(
図1)においてAC電源入力オンオフ動作処理を行う場合における、比較例の画像形成装置と本実施の形態による画像形成装置2との動作について、
図2のタイミングチャートを参照しながら説明する。ここで比較例の画像形成装置は、本実施の形態の画像形成装置2と比較して、電源制御CPU14においてACゼロクロス検出部16を有しておらず、ハードウェアリセット状態へは移行するもののソフトウェアリセット状態へは移行しない。
【0028】
比較例の画像形成装置は、
図2(A)に示すように時点t1においてAC電源入力IACがオン状態からオフ状態になると、
図2(D)に示すように電源制御CPU用電源PPの電圧が、残留電荷の放電に伴って低下していく。電源制御CPU用電源PPの電圧がリセット電圧Vrstまで低下すると、
図2(D)に一点鎖線で示すように時点t3において画像形成装置2は、
図2(E)に示すようにリセット回路22から電源制御CPU14へONのハードウェアリセット信号SHRを出力させる。
【0029】
その後、時点t4において
図2(A)に一点鎖線で示すようにAC電源入力IACがオフ状態からオン状態になると、電源制御CPU用電源PPの電圧が上昇していく。電源制御CPU用電源PPの電圧がリセット電圧Vrstまで上昇すると、
図2(D)に一点鎖線で示すように時点t5において画像形成装置2は、リセット回路22から電源制御CPU14へOFFのハードウェアリセット信号SHRを出力させることにより、ハードウェアリセットを解除する。
【0030】
AC電源入力IACが時点t1においてオフ状態になった後から、電源制御CPU用電源PPの電圧がリセット電圧Vrstまで低下する前まで、すなわち残留電荷により電源制御CPU14が動作可能な期間中に、時点t2においてAC電源入力IACが
図2(A)に示すようにオン状態になると、
図2(D)に実線で示すように電源制御CPU用電源PPは、定格電圧まで上昇し始めるため、リセット電圧Vrstまで低下しないこととなる。このためリセット回路22からONのハードウェアリセット信号SHRが出力されず、電源制御CPU14は、初期設定動作状態へ移行できず、メインCPU用電源PMをオンにすることができない。
【0031】
このように比較例の画像形成装置は、AC電源入力IACがオン状態からオフ状態へ変化した後、再度AC電源入力IACをオン状態にするには、残留電荷の放電により電源制御CPU用電源PPの電圧がリセット電圧Vrstまで低下し、ONのハードウェアリセット信号SHRが出力されるまで、時点t1から時点t3までの待ち時間Twtが必要となってしまう。このように比較例の画像形成装置においては時点t1から時点t3までの間が、電源制御CPU14が動作可能な時間となり、時点t3から時点t5までの間がハードウェアリセット状態の時間となる。
【0032】
これに対し画像形成装置2は、
図2(A)に示すように時点t1においてAC電源入力IACがオン状態からオフ状態になると、
図2(B)に示すように低圧電源12からACゼロクロス信号SZCを出力しなくなることにより、ACゼロクロス検出部16によりAC電源入力IACのオフ状態を検出する。画像形成装置2は、AC電源入力IACのオフ状態を検出すると、電源制御CPU14において
図2(C)に示すソフトウェアリセットモードMSRをオンにすることにより、電源制御CPU14をソフトウェアリセット状態へ移行させると共に、ACゼロクロス検出部16によるAC電源入力IACのオンオフの監視を継続して行なう。
【0033】
その後時点t2において
図2(A)に示すようにAC電源入力IACがオフ状態からオン状態になると、画像形成装置2は、
図2(B)に示すように低圧電源12からACゼロクロス信号SZCを出力することにより、ACゼロクロス検出部16によりAC電源入力IACのオン状態を検出する。画像形成装置2は、AC電源入力IACのオン状態を検出すると、電源制御CPU14において
図2(C)に示すソフトウェアリセットモードMSRをオフにすることにより、電源制御CPU14のソフトウェアリセット状態を解除し、初期設定動作状態へ移行させる。このように画像形成装置2においては時点t1から時点t2までの間が、ソフトウェアリセット状態の時間となる。
【0034】
このように画像形成装置2は、AC電源入力IACがオフ状態になってから電源制御CPU用電源PPの電圧がリセット電圧Vrstに低下するまでの時間に関係なく、AC電源入力IACがオフ状態になりACゼロクロス信号SZCがオフになると、すぐに電源制御CPU14がソフトウェアリセット状態となるため、AC電源入力IACのオフ状態(時点t1)から、AC電源入力IACのオン状態(時点t2)までの待ち時間を大幅に削減できる。
【0035】
[1−5.AC電源入力オフ状態検出処理]
次に、画像形成装置2によるAC電源入力オフ状態検出処理の具体的な処理手順について、
図5に示すAC電源入力オフ状態検出処理手順SRT1のフローチャートを用いて説明する。AC電源入力オンオフ動作処理手順RT1(
図3)のステップSP4において電源制御CPU14はAC電源入力オフ状態検出処理手順SRT1を開始し、ステップSP21へ移る。ステップSP21において電源制御CPU14は、検出したACゼロクロス信号SZCのパルス数を示すACゼロクロスカウンタNをACゼロクロス検出部16により0にクリアし(N=0)、ステップSP22へ移る。ステップSP22において電源制御CPU14は、ACゼロクロス信号SZCのパルス数を検出する期間である時間T毎に割り込むタイマTMを
図4に示す時点t10においてACゼロクロス検出部16によりスタートさせ、ステップSP23へ移る。本実施の形態においては、例えばタイマTMが100[ms]に、後述するカウンタ閾値N1が9に設定されている。
【0036】
ステップSP23において電源制御CPU14は、
図4(A)に示すタイマTMの割り込みであるタイマ割り込みINTが発生したか否かをACゼロクロス検出部16により判定する。ここで否定結果が得られると、このことはタイマTMの割り込みが未だ発生していないことを表し、このとき電源制御CPU14はステップSP24へ移る。ステップSP24において電源制御CPU14は、
図4(B)に示すACゼロクロス信号SZCのパルスをACゼロクロス検出部16により検出したか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このとき電源制御CPU14はステップSP23へ戻り、タイマTMの割り込みが発生したか否かを再び判定し、否定結果が得られると、ステップSP24へ移る。ステップSP24において肯定結果が得られると、このことはACゼロクロス信号SZCのパルスを検出したことを表し、電源制御CPU14はステップSP25へ移り、ACゼロクロスカウンタNの値を1だけ増加させ(N=N+1)、ステップSP23へ戻る。このように電源制御CPU14は、ステップSP23、SP24及びSP25を繰り返し実行することにより、タイマTMをスタートさせてから次にタイマTMの割り込みが発生するまで、ACゼロクロス信号SZCのパルス数を計測する。これにより電源制御CPU14は、
図4(C)に示すように、タイマTMがスタートしてからAC電源入力IACのゼロクロスが発生する度にACゼロクロスカウンタNの値を1ずつカウントアップしていき、次にタイマTMの割り込みが発生するまで、ACゼロクロスカウンタNの値がkまでカウントアップさせることにより、時間Tの間に、k個のACゼロクロス信号SZCのパルスを計測する。
【0037】
一方ステップSP23において肯定結果が得られると、このことはタイマTMの割り込みが発生し、ACゼロクロス信号SZCのパルス数の計測期間が終了したことを表し、このとき電源制御CPU14はステップSP26へ移る。ステップSP26において電源制御CPU14は、ACゼロクロスカウンタNと、予め設定されたカウンタ閾値N1とを比較し、ACゼロクロスカウンタNがカウンタ閾値N1よりも小さい(N<N1)か否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことはACゼロクロスカウンタNがカウンタ閾値N1以上であるためAC電源入力IACがオン状態のままであることを表し、このとき電源制御CPU14はステップSP28へ移りAC電源入力オフ状態検出処理手順SRT1を終了し、AC電源入力オンオフ動作処理手順RT1(
図3)のステップSP5へ移り、ステップSP5において否定結果を得てAC電源入力オフ状態検出処理手順SRT1のステップSP21へ移り、ACゼロクロスカウンタNをACゼロクロス検出部16により0にクリアし、上述した処理を繰り返す。
【0038】
一方ステップSP26において肯定結果が得られると、このことはACゼロクロスカウンタNがカウンタ閾値N1未満であるためAC電源入力IACがオフ状態になったことを表し、このとき電源制御CPU14はステップSP27へ移る。ステップSP27において電源制御CPU14は、AC電源入力IACがオフ状態になったことを検出し、ステップSP28へ移りAC電源入力オフ状態検出処理手順SRT1を終了し、AC電源入力オンオフ動作処理手順RT1(
図3)のステップSP5へ移り、ステップSP5において肯定結果を得てステップSP6へ移る。
【0039】
[1−6.AC電源入力オン状態検出処理]
次に、画像形成装置2によるAC電源入力オン状態検出処理の具体的な処理手順について、
図5と対応するステップに同一符号を付した
図6に示すAC電源入力オン状態検出処理手順SRT2のフローチャートを用いて説明する。AC電源入力オン状態検出処理手順SRT2はAC電源入力オフ状態検出処理手順SRT1と比較して、ステップSP26及びSP27に代えてステップSP126及びSP127が設けられている。電源制御CPU14は、ステップSP21〜SP25においてAC電源入力オフ状態検出処理手順SRT1(
図5)と同様の処理を行い、ステップSP126へ移る。
【0040】
ステップSP126において電源制御CPU14は、ACゼロクロスカウンタNとカウンタ閾値N1とを比較し、ACゼロクロスカウンタNがカウンタ閾値N1以上(N≧N1)か否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことはACゼロクロスカウンタNがカウンタ閾値N1未満であるためAC電源入力IACがオフ状態のままであることを表し、このとき電源制御CPU14はステップSP28へ移りAC電源入力オン状態検出処理手順SRT2を終了し、AC電源入力オンオフ動作処理手順RT1(
図3)のステップSP9へ移り、ステップSP9において否定結果を得てステップSP7へ移る。ステップSP7において否定結果が得られると電源制御CPU14はAC電源入力オン状態検出処理手順SRT2のステップSP21へ移り、ACゼロクロスカウンタNをACゼロクロス検出部16により0にクリアし、上述した処理を繰り返す。
【0041】
一方ステップSP126において肯定結果が得られると、このことはACゼロクロスカウンタNがカウンタ閾値N1以上であるためAC電源入力IACがオン状態になったことを表し、このとき電源制御CPU14はステップSP127へ移る。ステップSP127において電源制御CPU14は、AC電源入力IACがオン状態になったことを検出し、ステップSP28へ移りAC電源入力オン状態検出処理手順SRT2を終了し、AC電源入力オンオフ動作処理手順RT1(
図3)のステップSP9へ移り、ステップSP9において肯定結果を得てステップSP10へ移る。
【0042】
[1−7.効果等]
以上の構成において画像形成装置2は、電源制御CPU14のACゼロクロス検出部16により、低圧電源12から供給されるACゼロクロス信号SZCを監視し、AC電源入力IACのオンオフを検出するようにした。また画像形成装置2は、AC電源入力IACのオン状態からオフ状態への変化を検出した場合は、電源制御CPU14をソフトウェアリセット状態に移行させ、その後、ハードウェアリセット状態になる前にAC電源入力IACのオフ状態からオン状態への変化を検出した場合は、電源制御CPU14を初期設定動作状態へ移行させるようにした。
【0043】
このため画像形成装置2は、比較例の画像形成装置のように電源制御CPU用電源PPの電圧がリセット電圧Vrstに徐々に低下するまで待機することなく、AC電源入力IACがオフ状態になりACゼロクロス信号SZCがオフになると、すぐに電源制御CPU14をソフトウェアリセット状態にすることができる。これにより画像形成装置2は、AC電源入力IACのオフ状態から、AC電源入力IACのオン状態までの待ち時間を大幅に削減できる。
【0044】
このように画像形成装置2は、低圧電源12の残留電荷が放電され電源制御CPU用電源PPの電圧が低下するまで待機することなく、AC電源入力IACがオフ状態になってから極めて短い時間で、電源制御CPU14を初期化可能な状態にすることができる。このため画像形成装置2は、AC電源入力IACがオフ状態になってからすぐにオン状態になり、ハードウェアリセット状態にならなかったとしても、ソフトウェアリセット状態へ移行することにより、確実に電源制御CPU14を初期化できる。
【0045】
また画像形成装置2は、ホスト4からシャットダウン指示を受信すると、まずメインCPU10へのメインCPU用電源PMを電源制御CPU14の制御によりオフにした後に、AC電源入力IACがオフ状態になると、電源制御CPU14をソフトウェアリセット状態へ移行させると共に、その後、AC電源入力IACがオン状態になると、メインCPU用電源PMをオンにする前に、電源制御CPU14を初期設定動作状態へ移行させ、その後、メインCPU用電源PMを電源制御CPU14の制御によりオンにするようにした。これにより画像形成装置2は、ホスト4からシャットダウン指示を受信した場合に、必ずメインCPU10よりも電源制御CPU14の方を後のタイミングで動作を停止させることができ、電源制御CPU14により画像形成装置2全体の電源を制御できる。
【0046】
ここで、リセット電圧Vrstを本実施の形態よりも高く設定することにより、電源制御CPU用電源PPの電圧の低下を早く検出することも考えられる。しかしながらその場合、電源制御CPU用電源PPが僅かに低下しただけでハードウェアリセット状態となってしまい、画像形成装置2が動作すべきときでも不意に動作しなくなってしまい使い勝手が悪くなってしまう可能性がある。
【0047】
これに対し画像形成装置2は、ACゼロクロスカウンタNがカウンタ閾値N1よりも小さい場合、ソフトウェアリセット状態になるようにした。このため画像形成装置2は、タイマTM及びカウンタ閾値N1を適切に設定することにより、電源制御CPU用電源PPの電圧の低下に関係なくソフトウェアリセット状態となることができる。
【0048】
また画像形成装置2は、画像形成装置2内の定着器において元々使用されていたACゼロクロス信号SZCを、電源制御CPU14のACゼロクロス検出部16でも流用するようにした。このため画像形成装置2は、新たに信号を生成することなく、画像形成装置2内で従来から利用されていたACゼロクロス信号SZCを流用できる。
【0049】
以上の構成によれば画像形成装置2は、交流電源である商用電源の周期的な変化に基づきAC電源入力IACを監視するACゼロクロス検出部16と、ACゼロクロス検出部16がAC電源入力IACのオン状態からオフ状態への変化を検出した場合は、AC電源入力IACを監視する以外の機能を停止するソフトウェアリセット状態へ移行し、その後、AC電源入力IACのオフ状態からオン状態への変化を検出した場合は、ソフトウェアリセット状態から初期設定動作状態へ移行する動作モード制御部18とを有する電源制御CPU14を設けるようにした。これにより画像形成装置2は、低圧電源12の残留電荷が放電され電源制御CPU用電源PPの電圧が低下するまで待機することなく、AC電源入力IACがオフ状態になってから極めて短い時間で電源制御CPU14を初期化可能な状態にすることができる。
【0050】
[2.他の実施の形態]
なお上述した実施の形態においては、AC電源入力IACのゼロクロスのタイミング毎に低圧電源12から出力されるACゼロクロス信号SZCに基づき電源制御CPU14がAC電源入力IACのオン状態とオフ状態とを検出する場合について述べた。本発明はこれに限らず、電源制御CPU14は、例えば、AC電源入力IACの波形の、正の最大値のタイミング、負の最大値のタイミング、負から正へ変化する際に0[V]と交差する立ち上がりのタイミングや、正から負へ変化する際に0[V]と交差する立ち下がりのタイミング等の種々のタイミングを検出したことを示す信号に基づきAC電源入力IACのオン状態とオフ状態とを検出しても良い。要は画像形成装置2は、所定時間内におけるAC電源PACの周期的な変化の回数が所定の閾値未満であった場合、AC電源入力IACがオン状態からオフ状態へ変化したと検出し、AC電源PACの周期的な変化の回数が所定の閾値以上であった場合、AC電源入力IACがオフ状態からオン状態へ変化したと検出すれば良い。
【0051】
また上述した実施の形態においては、AC電源入力オフ状態検出処理手順SRT1におけるタイマTMを100[ms]に、カウンタ閾値N1を9に設定する場合について述べた。本発明はこれに限らず、タイマTM及びカウンタ閾値N1を他の種々の値としても良い。AC電源入力オン状態検出処理手順SRT2においても同様である。ここで、タイマTMを短くしカウンタ閾値N1を小さくするほど、画像形成装置2はAC電源入力IACのオン状態とオフ状態とを早く検出できる。しかしながらその場合、瞬時停電が例えば20[ms]等の極短い時間の間だけ発生したとしても電源制御CPU14がソフトウェアリセット状態になってしまうため、例えば瞬時停電の規格を通らなくなってしまう。このため画像形成装置2においては、瞬時停電の規格を満たす程度にはタイマTM及びカウンタ閾値N1を設定することが好ましい。
【0052】
さらに上述した実施の形態においては、ホスト4がAC電源入力オンオフ回路8を制御することによりAC電源入力IACの供給を遠隔制御される画像形成装置2に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、AC電源入力オンオフ回路8が存在せずにAC電源PACに直接接続された画像形成装置に本発明を適用しても良い。
【0053】
さらに上述した実施の形態においては、用紙に画像を形成する画像形成装置2に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、装置内部へ供給されるAC電源のオンオフを制御される種々の装置に本発明を適用しても良い。
【0054】
さらに上述した実施の形態においては、リセット回路22から電源制御CPU14へハードウェアリセット信号SHRを出力する場合について述べた。本発明はこれに限らず、リセット回路22を省略し、ユーザが手動で操作可能なスイッチを操作することにより該スイッチから電源制御CPU14へハードウェアリセット信号SHRを出力しても良い。
【0055】
さらに上述した実施の形態においては、AC電源入力監視部としてのACゼロクロス検出部16と、動作モード制御部としての動作モード制御部18とを有する電源制御部としての電源制御CPU14を有する画像処理装置としての画像形成装置2と、ホストとしてのホスト4とによって、画像処理システムとしての画像形成システム1を構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなるAC電源入力監視部と、動作モード制御部とを有する電源制御部を有する画像処理装置と、ホストとによって、画像処理システムを構成しても良い。