特許第6842410号(P6842410)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6842410新規の高効率ライブラリーにより同定されるAAVベクター
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6842410
(24)【登録日】2021年2月24日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】新規の高効率ライブラリーにより同定されるAAVベクター
(51)【国際特許分類】
   C07K 14/075 20060101AFI20210308BHJP
   C12N 7/01 20060101ALI20210308BHJP
   C12N 15/33 20060101ALN20210308BHJP
【FI】
   C07K14/075ZNA
   C12N7/01
   !C12N15/33
【請求項の数】7
【全頁数】67
(21)【出願番号】特願2017-518107(P2017-518107)
(86)(22)【出願日】2015年10月2日
(65)【公表番号】特表2017-534601(P2017-534601A)
(43)【公表日】2017年11月24日
(86)【国際出願番号】US2015053804
(87)【国際公開番号】WO2016054557
(87)【国際公開日】20160407
【審査請求日】2018年10月1日
(31)【優先権主張番号】62/059,769
(32)【優先日】2014年10月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507088266
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ マサチューセッツ
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】エステベス,ミゲル,セナ
(72)【発明者】
【氏名】チョードリー,ソウラブ,ロイ
【審査官】 坂崎 恵美子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0243526(US,A1)
【文献】 Molecular Therapy,2013年,Vol.21, Sup.1,p.S1
【文献】 BioMed Research International,2013年,Vol.2013,Article ID 974819
【文献】 Journal of Neurooncology,2010年,Vol.96, No.3,p.337-347
【文献】 Nature,2014年 2月,Vol.506, No.7488,p.382-386
【文献】 Virology,2009年,Vol.386, No.2,p.237-248
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 14/075
C12N 15/33
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/WPIDS/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
AAV1、AAV2、AAV4、AAV5、AAV6、AAV8、AAV9、AAVrh8、AAVrh10、AAVrh39およびAAVrh43からなる群より選択される、少なくとも3種の異なるAAV血清型に由来する、別個のポリペプチド領域を含ここで、タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号5〜8により表される、キメラAAVカプシドタンパク質。
【請求項2】
AAV1、AAV2、AAV4、AAV5、AAV6、AAV8、AAV9、AAVrh8、AAVrh10、AAVrh39およびAAVrh43からなる群より選択される少なくとも2種の異なるAAV血清型に由来する、6アミノ酸長より長い、別個のポリペプチド領域を含ここで、タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号5〜8により表される、キメラAAVカプシドタンパク質
【請求項3】
列番号〜8に記載される配列を含む、キメラAAVカプシドタンパク質。
【請求項4】
請求項1〜のいずれか一項に記載のカプシドを含む、rAAV。
【請求項5】
対象のCNS組織を標的とする、請求項に記載のrAAV。
【請求項6】
導入遺伝子をさらに含む、請求項に記載のrAAV。
【請求項7】
導入遺伝子がCNS関連遺伝子である、請求項に記載のrAAV
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2014年10月3日に出願された米国仮特許出願USSN 62/059,769、表題「NOVEL HIGH EFFICIENCY LIBRARY-IDENTIFIED AAV VECTORS」の35 U.S.C.§119(e)下の利益を主張し、該仮出願の全内容は、本明細書において参考として援用される。
連邦政府により支援された研究
本発明は、NIH/NINDSにより付与されたRO1 NS066310下における政府の支援によりなされた。政府は、本発明において特定の権利を有する。
分野
いくつかの側面において、本開示は、新規のAAVカプシド配列およびその使用の方法ならびに関連するキットを提供する。
【背景技術】
【0002】
背景
効果的な遺伝子導入は、特定の疾患(例えば神経疾患)のための新たな治療の開発のために重要である。AAVベクターは、in vivoでの遺伝子導入のための有効なプラットフォームとして登場した。しかし、遺伝子送達のための新たなベクターに対する必要性は存在し続けている。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、アデノ随伴ウイルス(AAV)を同定するために有用な組成物、キットおよび方法に関する。いくつかの態様において、本開示は、有用なターゲティング特性を有するAAVカプシド遺伝子の同定に関する。例えば、いくつかの態様において、キメラAAVライブラリーを用いて同定されたAAVカプシド遺伝子が提供される。いくつかの態様において、キメラAAVカプシドライブラリーは、AAVカプシドタンパク質をコードする複数の核酸を含む。いくつかの態様において、各々の核酸は、ユニークなキメラAAVカプシドタンパク質をコードする。いくつかの態様において、各々の核酸は、異なるAAV血清型(例えば、少なくとも3種の血清型)の別個のポリペプチド領域を有する、ユニークなキメラAAVカプシドタンパク質をコードする。いくつかの態様において、各々の核酸は、ユニークなバーコード配列を含む。いくつかの態様において、ライブラリー中のバーコード配列は、式(NNM)を有する。いくつかの態様において、nは、3〜20の範囲の整数である。いくつかの態様において、Nは、独立して、A、G、TおよびCから選択される。いくつかの態様において、Mは、独立して、AまたはCである。
【0004】
いくつかの態様において、バーコード付けされたキメラAAVカプシドライブラリーは、複数の核酸を含み、ここで、各々の核酸は、(i)少なくとも2種の異なるAAV血清型に由来する、6アミノ酸長より長い、別個のポリペプチド領域を有する、ユニークなAAVカプシドタンパク質をコードし;(ii)ユニークなバーコード配列を含む。いくつかの態様において、キメラAAVカプシドタンパク質をコードする核酸配列は、少なくとも2種の異なるAAV血清型からのカプシド配列フラグメントを含む。
いくつかの態様において、バーコード配列は、キメラAAVカプシドタンパク質をコードする核酸配列の非翻訳領域(UTR)(例えば、5’または3’UTR)中に挿入された、ヌクレオチドの単一の連続した区画を含み、それにより、バーコード配列の検出によるカプシドタンパク質の同定を可能にする。
【0005】
いくつかの態様において、バーコード付けされたキメラAAVカプシドライブラリーのバーコード配列は、プライマー配列または他の配列により中断されない。いくつかの態様において、バーコード付けされたキメラAAVカプシドライブラリーの各々のバーコード配列は、制限エンドヌクレアーゼ切断部位を含まない。
いくつかの態様において、各々のユニークなバーコード配列は、約10ヌクレオチド〜約50ヌクレオチドの長さを有する。いくつかの態様において、各々のユニークなバーコード配列は、約20〜約40ヌクレオチドの長さを有する。いくつかの態様において、各々のユニークなバーコード配列は、30ヌクレオチドの長さを有する。
【0006】
いくつかの態様において、本開示は、本明細書において開示される方法により同定されるキメラAAVカプシドタンパク質に関する。いくつかの態様において、キメラAAVカプシドタンパク質は、AAV1、AAV2、AAV4、AAV5、AAV6、AAV8、AAV9、AAVrh8、AAVrh10、AAVrh39およびAAVrh43からなる群より選択される、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種またはそれより多くの異なるAAV血清型に由来する、別個のポリペプチド領域を含む。いくつかの態様において、キメラAAVカプシドタンパク質は、4アミノ酸長より長い、5アミノ酸長より長い、6アミノ酸長より長い、7アミノ酸長より長い、またはそれより長いアミノ酸長の、別個のポリペプチド領域であって、AAV1、AAV2、AAV4、AAV5、AAV6、AAV8、AAV9、AAVrh8、AAVrh10、AAVrh39およびAAVrh43からなる群より選択される、異なるAAV血清型(例えば、少なくとも2種)に由来するものを含む。いくつかの態様において、キメラAAVカプシドタンパク質は、配列番号5〜8または配列番号13〜16により表されるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、キメラAAVカプシドタンパク質は、配列番号1〜4または配列番号9〜12において記載されるとおりの核酸配列によりコードされるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、かかるカプシドタンパク質をコードする、単離された核酸が提供される。
いくつかの態様において、本開示は、本明細書において開示される方法により同定されるカプシドを含むrAAVに関する。いくつかの態様において、rAAVは、対象のCNS組織または別の組織を選択的にターゲティングする。いくつかの態様において、rAAVはさらに、導入遺伝子(例えば、タンパク質をコードする遺伝子または機能的RNAをコードする遺伝子)を含む。
【0007】
別の側面において、本開示は、キメラAAVカプシドをコードする核酸ライブラリーを作製する方法に関する。いくつかの態様において、キメラAAVカプシドをコードする核酸ライブラリーを作製する方法は、キメラAAVカプシドをコードする核酸のセットを調製することを含む。いくつかの態様において、方法は、ユニークなバーコード核酸の数が、キメラAAVカプシドをコードする核酸の数より大きくなるように、制約つきの(constrained)ランダム化されたバーコード核酸のセットを調製することを含む。いくつかの態様において、方法は、各々のキメラAAVカプシドをコードする核酸を、ユニークなバーコード核酸(例えば、本明細書において開示される方法に従って調製されたセットのもの)と組み合わせることを含む。
いくつかの態様において、キメラAAVカプシドをコードする核酸ライブラリーを作製する方法が提供される。いくつかの態様において、方法は、AAVカプシドをコードする核酸をシャッフリングして、キメラAAVカプシドをコードする核酸のセットを得ることを含む。いくつかの態様において、セットの各々の核酸は、少なくとも3種の異なるAAV血清型の別個のポリペプチド領域を有する、ユニークなキメラAAVカプシドタンパク質をコードする。いくつかの態様において、方法はさらに、各々のキメラAAVカプシドをコードする核酸を、制約つきのランダム化されたバーコード核酸のセットからのユニークなバーコード核酸でタグ付けすることを含む。
【0008】
いくつかの態様において、本開示は、AAVライブラリーを調製する方法に関し、該方法は、(i)AAVパッケージング細胞を、本明細書において開示されるキメラAAVカプシドをコードする核酸ライブラリーでトランスフェクトすること;および/または(ii)細胞を、キメラAAVカプシドを組み込むAAVの生成を可能にする条件下に維持すること;および/または(iii)ステップ(ii)において生成されたAAVを含むAAVライブラリーを調製することを含む。
【0009】
いくつかの態様において、本開示は、標的組織に対して向性であるAAVカプシドを同定する方法に関する。いくつかの態様において、対象に、本明細書において開示される方法により生成されたAAVライブラリーのうちのAAVを投与することを含む方法が提供される。いくつかの態様において、方法は、標的組織の細胞から核酸を単離することを含む。いくつかの態様において、方法は、単離された核酸中のAAVカプシドをコードする核酸を検出することを含む。いくつかの態様において、標的組織に対して向性であるAAVカプシドを同定する方法はさらに、標的組織から単離された核酸を増幅して、AAVカプシドをコードする核酸の検出を促進することを含む。いくつかの態様において、方法はさらに、バーコード配列を検出することにより、AAVカプシドをコードする核酸がライブラリーからのものであることを確認することを含む。いくつかの態様において、バーコード配列は、コロニーハイブリダイゼーションにより検出される。いくつかの態様において、バーコード配列は、ディープシークエンシングにより検出される。いくつかの態様において、バーコード配列は、PCRにより検出される。いくつかの態様において、PCRは、バーコード配列のみを増幅する。いくつかの態様において、PCRは、カプシドをコードする配列およびバーコード配列の少なくとも一部を増幅する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、ライブラリー中の各々のクローンの3’UTR中のユニークなバーコードを用いること、および標的細胞/組織におけるそれらの頻度を決定するためのディープシークエンシングと、その後のプラスミドライブラリーからのカプシド/バーコード対のPCR増幅による、AAVカプシドライブラリーのin vivoでの選択のためのアプローチの模式的表現を提供する。
図2図2は、新たなバーコード付けされたライブラリー中のAAVカプシドクローンの配列組成を表す。増幅されたAAVゲノムの全てがキメラであることに注目する。
【0011】
図3図3は、細胞培養およびAAVカプシドライブラリーのin vivoでの選択の後でのバーコード分布を表す。左パネル−gc/標的細胞の低下順での、ヒトU87神経膠腫細胞におけるAAVライブラリーの選択。右パネル−異なる用量のAAVライブラリーを、尾静脈を介して6〜8週齢のC57BL/6マウスに注入し、3日後に単離されたゲノムDNAからバーコードPCRを増幅した。示されるのは、5E11または1E9gcを注入されたマウスからの肝臓におけるバーコード頻度、および5E11gcを注入された同じマウスからの脳バーコードについての結果である。
図4図4は、脳に選択的なカプシドを表し、これは、キメラであり、肝臓から得られるカプシドより高い翻訳相同性を有する。色は、ヌクレオチドレベルにおけるAAV親起源を指す。単一のcap中の複数のAAV親起源は、キメラ現象を示す。脳選択的カプシド(B1〜B4)のアミノ酸配列および肝臓選択的カプシドを、それらの間で別々にアラインメントした。1個の非相同アミノ酸を、1本の黒線により表す。カプシド間の相同性は、黒線の相対的な不在により表す。
【0012】
図5図5は、rAAV-B1〜B4 ベクターの体内分布プロフィールを表し、これは、CNSでの高い形質導入率を示す。脳、脊髄および肝臓におけるGFP発現を、成体C57BL/6マウスにおいて、静脈内注射の4週間後に分析した。脳および脊髄におけるGFP発現の検出を、抗GFP抗体を用いる免疫蛍光染色により増強した(20×倍率)。ネイティブなGFP蛍光を、肝臓切片のために用いた(5×倍率)。GFPの形質導入は、AAV9、B3およびB4について、CNSの内皮および膠細胞に存在する。B1由来のrAAVベクターは、排他的に内皮に形質導入する。B2〜B4由来rAAVベクターについてのCNSでの形質導入は、AAV9と同一である。B1およびB2由来rAAVベクターについての肝臓での形質導入は、rAAV9、B3またはB4由来rAAVベクターについてのものよりも著しく低いと考えられる。
【0013】
図6図6は、rAAV-B1〜B4 ベクターによる脳および脊髄での高い形質導入率を示すデータを表す。rAAV-B1由来rAAVベクターは、CNS内皮に高効率で形質導入する。rAAV-B2〜B4はまた、脳内皮細胞および膠細胞に高効率で形質導入する。rAAV-B3およびrAAV-B4もまた、膠細胞に高効率で形質導入する。
図7図7は、より高い用量(2E12vg)のrAAV-B1およびrAAV-B2の注入が、AAV9と比較した場合に、皮質および海馬ニューロン、内皮および星状膠細胞への形質導入の増大をもたらすことを示すデータを表す。
【0014】
図8図8は、rAAV-B1およびrAAV-B2ベクターについての肝臓での形質導入効率が、蛍光イメージングにより観察した場合に、AAV9よりも劇的に低いことを示すデータを表す。
図9図9は、異なる組織からのゲノムDNAにおけるベクターゲノムの定量的PCR(qPCR)により分析された、rAAV-B1、rAAV-B2およびAAV9ベクターの体内分布を示すデータを表す。分析は、成体C57BL/6マウスにおいて尾静脈を介した5E11vgの用量でのscAAV-CBA-GFPベクターのi.v.注入の4週間後に行った。大脳、小脳および脊髄において、AAV9と比較して、rAAV-B1の著しくより多いベクターゲノムが見出された(それぞれ9倍、15倍および6倍)。しかし、rAAV-B1およびrAAV-B2はいずれも、肝臓においては、AAV9と比較して、著しく少ない数のベクターゲノムを有する(それぞれ4倍および3倍)。
【0015】
図10図10は、ウェスタンブロットにより分析された、rAAV-B1、rAAV-B2およびAAV9ベクターの体内分布を示すデータを表す。rAAV-B1およびrAAV-B2を注射された成体C57BL/6マウスの大脳において、AAV9と比較して、より多くのGFPタンパク質が検出された。rAAV-B1およびrAAV-B2を注射されたマウスの肝臓においては、AAV9と比較して、より少ないGFPタンパク質が検出された。
図11図11は、rAAV-B1ベクターが、qPCRにより決定された場合に、AAV9よりも高い程度まで、末梢組織に形質導入することを示すデータを表す。rAAV-B1およびrAAV-B2を注射された両方のマウスの前肢筋肉、後肢筋肉、心臓および膵臓において、AAV9と比較して、著しくより多いベクターゲノムが見出された。rAAV-B1の形質導入の程度は、これらの組織の各々について、rAAV-B2よりも高い。加えて、rAAV-B1は、腎臓および肺において、AAV9と比較して、著しくより多いベクターゲノムを有した。
【0016】
図12図12は、rAAV-B1ベクターが、免疫蛍光顕微鏡法により決定された場合に、AAV9よりも高い程度まで、末梢組織に形質導入することを示すデータを表す。
図13図13は、4〜6週齢の仔ネコ(n=1/ベクター)中に、頸動脈を介して3.5E12vgの用量で注入されたrAAV-B1-GFPおよびrAAV-B2-GFPベクターの効果を示すデータを表す。ニューロンおよび星状膠細胞の集団(形態学により同定される)は、両方のネコ脳において形質導入されることが見出された。rAAV-B2は、顕著な星状細胞への形質導入を有する。rAAV-B1ネコ脳においては、高密度のニューロンを有する位置が形質導入されていることが見出された。
【0017】
図14図14 は、カプシド−バーコード対を同定するためのスクリーニングの模式図を表す。簡単に述べると、ウイルスライブラリーから単離されたDNAから、汎用的なcap隣接プライマーを用いて、全カプシド−バーコードプールを増幅する。次いで、このプールをプラスミド中にクローニングして、cap−バーコードライブラリーを作製する。次いでこれを形質転換して、高密度(2.5E細菌/フィルター)で、150mmのLB−アガープレート上に配置したナイロンフィルター上に播種する。次いでこれらのマスターフィルターを、レプリカ平板法により播種し、レプリカフィルター上の細菌を溶解し、DNAをUVで架橋する。次いでこれらのフィルターを、目的のバーコードの放射活性標識されたオリゴにハイブリダイズさせる。次いでレプリカフィルターを、マスターフィルターに合わせる。高密度マスターフィルターから単一のコロニーをピッキングすることは困難であるため、レプリカフィルター上のスポットに対応するマスターフィルターの領域を切り出し、それらの領域上の細菌を、より低い密度で再播種する。次いでこれらを、レプリカフィルタリング(replica filter)して、通常の低密度ハイブリダイゼーションにより、放射標識されたオリゴプローブにハイブリダイズさせ、その後、陽性の単一コロニーをピッキングし、全カプシド(およびバーコード)のシークエンシングのために送る。
【0018】
図15図15は、配列番号1〜4の多重配列アラインメントを表す。コンセンサス配列は、アラインメントの最上段として表す。バリアント塩基に網掛けする。
図16図16は、配列番号5〜8の多重配列アラインメンを表す。バリアント残基に網掛けする。
図17図17は、配列番号9〜12の多重配列アラインメントを表す。コンセンサス配列は、アラインメントの最上段として表す。バリアント塩基に網掛けする。
図18図18は、配列番号13〜16の多重配列アラインメントを表す。バリアント残基に網掛けする。
図19図19は、B1に対するネイティブカプシドの寄与の模式的表現を表す。B1に対するカプシド寄与体は、AAV1、AAVrh.8、AAVrh.10、AAV6、AAVrh.43、AAV2、およびAAVrh.39である。
【0019】
図20図20は、B2に対するネイティブカプシドの寄与の模式的表現を表す。B2に対するカプシド寄与体は、AAVrh.39、AAVrh.43、AAV1、AAV6、AAV8、AAVrh.10、およびAAVrh.8である。
図21図21は、B3に対するネイティブカプシドの寄与の模式的表現を表す。B3に対するカプシド寄与体は、 AAV8、AAVrh.39、AAV1、AAVrh.8、AAV6およびAAVrh.43である。
図22図22は、B4に対するネイティブカプシドの寄与の模式的表現を表す。B4に対するカプシド寄与体は、AAVrh.39、AAV1、AAVrh.43、AAVrh.8、AAV6、およびAAV8である。
【0020】
図23図23A〜23Dは、成体マウスにおける血管内注入後のAAV-B1ベクターのCNS形質導入プロフィールを示す。図23Aは、AAV-B1およびAAV9を注射されたマウス(2×1012vg/マウス)の脳におけるGFP分布の全体像を提供する。十字縫合に対して+0.5mm、−1.80mmおよび−3.00mm(左から右へ)で配置された冠状脳切片の代表的な画像を示す。AAV-B1を注射されたマウス(2×1012vg/マウス)の異なるCNS領域におけるニューロンの集団の形質導入を、図23Bにおいて示す。黒矢印は、形態により同定されたGFP陽性ニューロンの例を示す。バー=50μm。図23Cは、大脳、小脳および脊髄におけるAAVベクターゲノム含有量を示す(N=4個体の動物/群)(5×1011vg/マウス)。月齢が一致する注射されていないマウスを、対象として含めた(示さず)。図23Dは、1群あたり2個体の動物の大脳、小脳および脊髄におけるGFP発現のウェスタンブロット分析を示す(5×1011vg/マウス)。GFPのシグナル強度を、定量的比較のために、対応するβ−アクチンシグナル強度に対して正規化した。Studentの不対(unpaired)t検定により、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001。
【0021】
図24図24は、ネコにおけるAAV-B1ベクターの全身送達の後でのニューロンの形質導入を示す。AAV-B1ベクターの全身送達後のネコ脳におけるニューロンの形質導入(3.4×1012vg)。代表的な画像は、脳内の多様な構造における、ニューロンの形態を有するGFP陽性細胞を示す。バー=50μm。
【0022】
図25図25A〜25Fは、血管内送達後のマウスの肝臓および筋肉へのAAV-B1の体内分布を示す。(図25A)AAV-B1およびAAV9を注射されたマウス(2×1012vg/マウス)の肝臓、ならびに(図25D)AAV-B1を注射されたマウスの骨格筋(三頭筋および四頭筋)、横隔膜および心臓(5×1011vg/マウス)におけるネイティブなGFP発現。AAVベクターゲノム含有量(N=4個体の動物/群)(図25B、肝臓;図25E、筋肉群)およびGFP発現のウェスタンブロット分析(N=2個体の動物/群)(図25C、肝臓;図25F、筋肉群)を示す(5×1011vg/マウス)。GFPのシグナル強度を、定量的比較のために、対応するβ−アクチンシグナル強度に対して正規化した。Studentの不対t検定により、*p<0.05、**p<0.01。
【0023】
図26図26A〜26Eは、AAV-B1の静脈内注入後の、マウスベータ細胞、肺胞上皮および網膜脈管への形質導入を示す。AAV-B1を注射されたマウスの図26A膵臓、図26D肺、および図26G網膜におけるGFP発現(5×1011vg/マウス)。図26Aにおける白矢印は、GFP陽性のインスリン産生性ベータ細胞を示す。図26G中の挿入図は、個々のGFP陽性血管を示す。AAVベクターゲノム含有量(N=4個体の動物/群)(図26B、膵臓;図26E肺)および図26C。GFP発現のウェスタンブロット分析(N=2個体の動物/群)(図26C、膵臓;図26E肺)を示す。GFPのシグナル強度を、定量的比較のために、対応するβ−アクチンシグナル強度に対して正規化した。Studentの不対t検定により、*p<0.05、****p<0.0001。
【0024】
図27図27A〜27Dは、AAV-B1の生物物理学的特徴づけを示す。図27Aは、AAV-B1カプシドの予測された分子モデルを示す。図27Bは、AAV-B1(左)およびAAV8(右)の、表面が露出した可変領域IV(VR-IV)を示す。図27Cは、プールされたヒトIVIg中和アッセイを示し、図27Dは、AAV-B1およびAAV9ベクターのCHO細胞結合アッセイを示す。データは、図27Cにおいては平均値±SEMとして、図27Dにおいては平均値±SDとして示される。実験は、N=3の生物学的複製により行った。*一元ANOVAによりp<0.05。
【0025】
図28図28は、シングルラウンドin-vivoバイオパニング戦略の一態様の模式図を提供する。
図29図29A〜29Bは、パッケージングされたウイルスライブラリーのキメラ的性質を示す。図30Aは、パッケージングされたウイルスライブラリーから無作為に単離されたクローン1〜5に対する親のカプシド寄与を示す。図30Bは、アミノ酸レベルでのクローン間の相同性を示す。灰色の領域は相同性を示す;黒線は非相同アミノ酸を示す。アミノ酸組成についての%相同性を計算する。
【0026】
図30図30A〜30Dは、脳に存在するカプシドのキメラ的および相同的な性質を示す。(図30A)脳選択的カプシドAAV-B1、-B2、-B3および-B4に対する、ならびに(図30B)無作為に選択された4種の肝臓に存在するバリアントに対する親のカプシド寄与。(図31C)脳および(図30D)肝臓のクローンの間のアミノ酸レベルでの相同性。灰色の領域は相同性を示し;黒線は非相同アミノ酸を示す。アミノ酸組成についての%相同性を計算する。
図31図31は、全身送達の後での複数のCNS領域にわたるAAV-B1ベクターの形質導入プロフィールを示す。黒矢印は、GFP陽性ニューロンの例を示す。バー=50μm。
【0027】
図32図32A〜32Gは、AAV-B1の全身送達の後でのCNSにおけるGFP陽性細胞の表現型決定を示す。GFP、汎用的ニューロンマーカーNeuN(図32A図32Bおよび図32D)、線条体の中型有棘ニューロンマーカーDARPP32(図32A)、ドーパミン作動性ニューロンマーカーチロシンヒドロキシラーゼ(TH)(図32B)、プルキンエニューロンマーカーカルビンジン−D−28k(Cal28K)(図32C)、内皮マーカーCD31(図32E)、および成熟乏突起膠細胞マーカーAPC(図32F)に対する抗体による二重免疫蛍光染色により、形質導入された細胞を同定した。腹側脊髄におけるGFP陽性ニューロンの大きいサイズ、形態および場所は、運動ニューロンのアイデンティティーを示唆する。GFP陽性星状膠細胞(図32G)は、それらの形態に基づいて同定した。白矢印は、共局在の例を示す。バー=10μm。
【0028】
図33図33は、AAV-B1カプシドタンパク質の配列の、AAV8および他の天然のAAV単離物に対する比較を示す。上の二列は、AAV8とAAV-B1との間のアミノ酸配列の類似および相違を強調し、AAV8に対するシングルトン残基バリアントが赤で強調されている。緑で強調された残基は、アラインメント中に存在する9種のAAV種の中に対応するオルトログを有さないバリアント残基を示す。VP1、VP2およびVP3のための翻訳開始部位は、塗りつぶされた三角形で示される。保存されたAAVカルシウム結合モチーフ(Y−X−G−P−G/F)および触媒残基(H−D−X−X−Y)を有するVP1にユニークな領域中の保存されたパルボウイルスホスホリパーゼA2ドメイン(約44〜104残基)は、塗りつぶされた矩形で示される。二次構造エレメントは、対応するテキストおよび以下のシンボルでラベリングされる:βシートB、C、D、E、F、GおよびIは、水平方向の上付きの矢印で示される。IからIXまでの可変ループ(VR)の位置を示す。保存されたαへリックスの位置は、3本の平行な水平方向の線で示される。
【0029】
図34図34A〜34Cは、全身送達(5×1011vg/マウス)の後の、AAV-B1とAAV8との体内分布プロフィールの比較を示す。(図34A)CNS、(図34B)肝臓および(図34C)骨格筋(四頭筋)におけるAAVベクターゲノム含有量(N=4個体の動物/群)を示す。Studentの不対t検定により、*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001。
図35図35A〜35Cは、より低い用量(5×1010vg/マウス)で全身注入されたAAV-B1の体内分布プロフィールを示す。(図35A)CNS、(図35B)筋肉群および(図36C)末梢組織におけるAAVベクターゲノム含有量(N=4個体の動物/群)を示す。Studentの不対t検定により、*p<0.05、**p<0.01。
【発明を実施するための形態】
【0030】
発明の詳細な説明
いくつかの側面において、本明細書において提供されるのは、それらを特定の遺伝子治療および研究用途のために有用とする望ましい組織ターゲティングおよび形質導入特性を有する、組み換えAAVである。いくつかの態様において、本開示は、多様な標的組織に形質導入するために有用なキメラAAVカプシドに関する。本開示は、いくつかの側面において、バーコード付けされたキメラAAVカプシドライブラリーから同定された新規のAAVカプシドタンパク質を提供する。本明細書において用いられる場合、用語「ライブラリー」とは、主体、例えばウイルス粒子(例えばrAAV)、分子(例えば核酸)などの集合を指す。ライブラリーは、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも25、少なくとも50、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、またはそれより多くの異なる主体(例えばウイルス粒子、分子(例えば核酸))を含んでもよい。いくつかの態様において、ライブラリーの主体(例えばウイルス粒子、核酸)は、当該主体の回収または同定を促進することができるタグ(例えばバーコード)に結合しているかまたはこれに連結していてもよい。例えば、いくつかの態様において、本明細書において提供されるライブラリーは、バーコード付けされた核酸の集合を含む。いくつかの態様において、ライブラリーは、増殖可能(例えばクローンの増幅のプロセスを通して)な核酸の集合を指す。ライブラリーの主体は、別々に、または混合物として、保存、維持または含めることができる。
【0031】
本明細書において用いられる場合、「バーコード配列」とは、生体分子(例えば、核酸、タンパク質など)の配列であって、当該配列と組み合わされた場合に、別の生体分子が他方の生体分子を同定するために役立つものを指す。典型的には、バーコード配列は、標的生体分子の配列の中に組み込まれるかまたはこれに付加され、目的の標的分子を同定するための参照として利用される、異種配列である。いくつかの態様において、バーコード配列は、標的核酸の中に組み込まれるかまたはこれに付加され、当該標的核酸を同定するための参照として利用される、核酸(例えば、異種または合成の核酸)の配列である。いくつかの態様において、バーコード配列は、式(NNM)のものである。いくつかの態様において、nは、5〜20、5〜10、10〜20、7〜20、または7〜30の範囲の整数である。いくつかの態様において、nは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30またはそれより大きい。いくつかの態様において、Nは、各々、A、G、TおよびCから独立して選択されるヌクレオチドであり、Mは、AまたはCのいずれかであるヌクレオチドである。したがって、いくつかの態様において、本開示は、(i)目的の標的配列(例えばコード配列(例えばタンパク質または機能的RNAをコードするもの))を有し;および(ii)ユニークなバーコード配列を含む、核酸を提供する。いくつかの態様において、目的の標的配列は、AAVカプシド(例えばキメラAAVカプシド)をコードする。
【0032】
いくつかの側面において、本開示は、バーコード付けされたキメラAAVカプシドライブラリーを提供する。DNAシャッフリングを用いて、キメラAAVカプシドタンパク質をコードする核酸配列のライブラリーを作製することができる。いくつかの態様において、ライブラリーのうちの各々の核酸配列は、複数のAAV血清型のカプシド遺伝子からの核酸フラグメントを含む。したがって、改変された組織向性を有する新たなAAVバリアントを作製することができる。いくつかの態様において、改変された組織向性を有するAAVカプシド遺伝子は、バーコード付けされたキメラAAVライブラリーを用いて同定される。いくつかの態様において、改変された組織向性は、AAVカプシドタンパク質による特定の組織のターゲティングを可能にする。いくつかの態様において、標的組織は、心臓、肺、脾臓、膵臓、骨格筋、腎臓、腸および胃からなる群より選択される組織である。いくつかの態様において、AAVカプシドタンパク質によりターゲティングされる組織は、中枢神経系(CNS)である。いくつかの態様において、標的組織は脳である。いくつかの態様において、標的組織は肝臓である。
【0033】
いくつかの態様において、バーコード付けされたキメラAAVカプシドライブラリーは、複数の核酸を含み、ここで、各々の核酸は、(i)少なくとも3種の異なるAAV血清型の別個のポリペプチド領域を有する、ユニークなキメラAAVカプシドタンパク質をコードする;ならびに/または(ii)ユニークなバーコード配列を含む。いくつかの態様において、バーコード付けされたキメラAAVカプシドライブラリーは、複数の核酸を含む。いくつかの態様において、各々の核酸は、(i)ユニークなキメラAAVカプシドタンパク質をコードする;および/または(ii)ユニークなバーコード配列を含む。いくつかの態様において、ライブラリー中のバーコード配列は、式(NNM)を有する。いくつかの態様において、nは、5〜20、5〜10、10〜20、7〜20、または7〜30の範囲の整数である。いくつかの態様において、nは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30またはそれより大きい。いくつかの態様において、Nは、各々の独立して、A、G、TおよびCから選択されるヌクレオチドであり、Mは、AまたはCのいずれかであるヌクレオチドである。
【0034】
いくつかの態様において、バーコード付けされたキメラAAVカプシドライブラリーは、複数の核酸を含み、ここで、各々の核酸は、(i)少なくとも2種の異なるAAV血清型に由来する6アミノ酸長より長い、別個のポリペプチド領域を有する、ユニークなAAVカプシドタンパク質をコードする;ならびに(ii)ユニークなバーコード配列を含む。いくつかの態様において、キメラAAVカプシドタンパク質をコードする核酸配列は、少なくとも2種の異なるAAV血清型からのカプシド配列フラグメントを含む。
いくつかの態様において、バーコード配列は、キメラAAVカプシドタンパク質をコードする核酸配列の3’非翻訳領域(UTR)中に挿入された単一の連続したヌクレオチドの区画を含み、それによりバーコード配列の検出によるカプシドタンパク質の同定を可能にする。
【0035】
いくつかの態様において、バーコード付けされたキメラAAVカプシドライブラリーのバーコード配列は、プライマー配列により中断されない。いくつかの態様において、バーコード付けされたキメラAAVカプシドライブラリーの各々のバーコード配列は、制限エンドヌクレアーゼ切断部位を含まない。
いくつかの態様において、各々のユニークなバーコード配列は、約10ヌクレオチド〜約50ヌクレオチドの長さを有する。いくつかの態様において、各々のユニークなバーコード配列は、約20〜約40ヌクレオチドの長さを有する。いくつかの態様において、各々のユニークなバーコード配列は、30ヌクレオチドの長さを有する。
【0036】
本開示のキメラAAVカプシドライブラリーの構築は、当該分野において公知の任意の好適な手段、例えばDNAファミリーシャッフリング(Crameri et al., Nature, 391:288-291 (1998);その内容は、本明細書においてその全体において参考として援用される)により行うことができる。核酸バーコードをライブラリー中に組み込む方法もまた、当該分野において公知であり、例えばアダプター配列の付加を通して行う。
別の側面において、本開示は、キメラAAVカプシドをコードする核酸ライブラリーを作製する方法に関する。いくつかの態様において、キメラAAVカプシドをコードする核酸ライブラリーを作製する方法は、(i)キメラAAVカプシドをコードする核酸のセットを調製すること;(ii)ユニークなバーコード核酸の数が、キメラAAVカプシドをコードする核酸の数より大きくなるように、制約つきのランダム化されたバーコード核酸のセットを調製すること;ならびに(iii)各々のキメラAAVカプシドをコードする核酸を(ii)において調製されたセットのユニークなバーコード核酸と組み合わせることを含む。
【0037】
いくつかの態様において、キメラAAVカプシドをコードする核酸ライブラリーを作製する方法が提供され、これは、AAVカプシドをコードする核酸をシャッフリングして、キメラAAVカプシドをコードする核酸のセットを得ることを含む。いくつかの態様において、方法はさらに、各々のキメラAAVカプシドをコードする核酸を、制約つきのランダム化されたバーコード核酸のセットからのユニークなバーコード核酸でタグ付けすることを含む。いくつかの態様において、セットのうちの各々の核酸は、少なくとも3種の異なるAAV血清型の別個のポリペプチド領域を有する、ユニークなキメラAAVカプシドタンパク質をコードする。
【0038】
いくつかの態様において、本明細書において開示される方法により生成されるライブラリー中のバーコード核酸は、式:(NNM)を有する。いくつかの態様において、nは、5〜20、5〜10、10〜20、7〜20、または7〜30の範囲の整数である。いくつかの態様において、nは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30またはそれより大きい。いくつかの態様において、Nは、各々、A、G、TおよびCから独立して選択されるヌクレオチドであり、Mは、AまたはCのいずれかであるヌクレオチドである。いくつかの態様において、キメラAAVカプシドをコードする核酸は、各々、少なくとも3種の異なるAAV血清型の別個のポリペプチド領域を有する、ユニークなキメラAAVカプシドタンパク質をコードする。いくつかの態様において、キメラAAVカプシドをコードする核酸は、各々、少なくとも2種の異なるAAV血清型に由来する6アミノ酸長より長い、別個のポリペプチド領域を有する、ユニークなキメラAAVカプシドタンパク質をコードする。いくつかの態様において、各々のバーコード核酸は、キメラAAVカプシドタンパク質をコードする核酸配列の3’非翻訳領域(UTR)中に挿入された単一の連続したヌクレオチドの区画を含み、それによりバーコード配列の検出によるカプシドタンパク質の同定を可能にする。
【0039】
いくつかの態様において、本開示は、AAVライブラリーを調製する方法に関し、該方法は、(i)AAVパッケージング細胞を、本明細書において開示されるキメラAAVカプシドをコードする核酸ライブラリーでトランスフェクトすること;および/または(ii)細胞を、キメラAAVカプシドを組み込むAAVの生成を可能にする条件下に維持すること;ならびに/または(iii)ステップ(ii)において生成されたAAVを含むAAVライブラリーを調製することを含む。
【0040】
いくつかの態様において、本開示は、標的組織に対して向性であるAAVカプシドを同定する方法に関し、該方法においては、(i)対象に、本明細書において開示される方法により生成されるAAVライブラリーのうちのAAVを投与すること;および/または(ii)標的組織の細胞から核酸を単離すること;および/または(iii)単離された核酸中のAAVカプシドをコードする核酸を検出することを含む。いくつかの態様において、標的組織に対して向性であるAAVカプシドを同定する方法はさらに、標的組織から単離された核酸を増幅して、AAVカプシドをコードする核酸の検出を促進することを含む。いくつかの態様において、方法はさらに、バーコード配列を検出することにより、AAVカプシドをコードする核酸が、ライブラリーからのものであることを確認することを含む。いくつかの態様において、バーコード配列は、コロニーハイブリダイゼーションにより検出される。いくつかの態様において、バーコード配列は、ディープシークエンシングにより検出される。いくつかの態様において、バーコード配列は、PCRにより検出される。いくつかの態様において、PCRは、バーコード配列のみを増幅する。いくつかの態様において、PCRは、カプシド配列全体およびバーコード配列を増幅する。
【0041】
単離されたAAVカプシドタンパク質およびそれをコードする核酸
哺乳動物、特に非ヒト霊長類から単離されたAAVは、臨床開発およびヒト遺伝子治療適用のための遺伝子導入ベクターを作製するために有用である。いくつかの態様において、本明細書において開示される組み換えAAV(rAAV)は、CNSに対する向性を有する。したがって、いくつかの態様において、本開示のrAAVベクターは、CNSの障害の遺伝子治療のために特に有用である。いくつかの態様において、バーコード付けされたキメラAAVカプシドライブラリーを用いて得られたAAVカプシドタンパク質が提供される。タンパク質およびアミノ酸配列、ならびにAAVカプシドに関する他の情報は、配列のリストにおいて記載される。いくつかの態様において、AAVカプシド配列をコードする単離された核酸のフラグメント(部分)が、所望されるカプシド配列をコードする核酸を構築するために有用であり得る。フラグメントは、任意の適切な長さ(例えば、少なくとも6、少なくとも9、少なくとも18、少なくとも36、少なくとも72、少なくとも144、少なくとも288、少なくとも576、少なくとも1152ヌクレオチド長またはそれより長く)のものであってよい。例えば、AAVカプシドの特性を改変するために、第1のAAVカプシドタンパク質のポリペプチドをコードする核酸配列のフラグメントを、第2のAAVカプシド配列をコードする核酸配列を構築するために用いても、またはこれの中に組み込んでもよい。いくつかの態様において、複数のAAV血清型からのカプシド配列フラグメントを含むAAVカプシドタンパク質は、キメラAAVカプシドとして言及される。
【0042】
いくつかの態様において、本開示は、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6またはそれより多くの異なるAAV血清型に由来する、別個のポリペプチド領域を含む、キメラカプシドタンパク質を提供する。いくつかの態様において、AAV血清型は、AAV1、AAV2、AAV4、AAV5、AAV6、AAV8、AAV9、AAVrh8、AAVrh10、AAVrh39およびAAVrh43からなる群より選択される。いくつかの態様において、キメラカプシドタンパク質は、上で列記されるネイティブなカプシド血清型からの寄与を含む。いくつかの態様において、カプシド寄与体は、AAV1、AAVrh.8、AAVrh.10、AAV6、AAVrh.43、AAV2、およびAAVrh.39である。
いくつかの態様において、カプシド寄与体は、AAVrh.39、AAVrh.43、AAV1、AAV6、AAV8、AAVrh.10、およびAAVrh.8である。いくつかの態様において、カプシド寄与体は、AAV8、AAVrh.39、AAV1、AAVrh.8、AAV6およびAAVrh.43である。いくつかの態様において、B4に対するカプシド寄与体は、AAVrh.39、AAV1、AAVrh.43、AAVrh.8、AAV6、およびAAV8である。いくつかの態様において、キメラカプシドタンパク質は、異なるAAV血清型に由来する3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、50、75、100アミノ酸長より長い、またはそれより長い、別個のポリペプチド領域を含む。いくつかの態様において、AAV血清型は、AAV1、AAV2、AAV4、AAV5、AAV6、AAV8、AAV9、AAVrh8、AAVrh10、AAVrh39およびAAVrh43からなる群より選択される。
【0043】
いくつかの態様において、本開示は、本明細書において開示される方法により同定されるキメラAAVカプシドタンパク質を提供する。いくつかの態様において、同定されるキメラAAVカプシドタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号5〜8または配列番号13〜16により表される。いくつかの態様において、キメラAAVカプシドタンパク質は、配列番号1〜4または配列番号9〜12により表される核酸によりコードされる。
【0044】
当業者はまた、カプシドタンパク質の機能的に等価なバリアントまたは相同体を提供するために、保存的アミノ酸置換を行ってもよいことを了解するであろう。いくつかの側面においては、本開示は、保存的アミノ酸置換をもたらす配列の変更を包含する。本明細書において用いられる場合、保存的アミノ酸置換とは、当該アミノ酸置換が行われるタンパク質の相対的な電荷またはサイズの特徴を変更しないアミノ酸置換を指す。バリアントは、ポリペプチド配列を変更するための方法を収集する参考文献、例えば、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、J. Sambrookら編、第2版(Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York, 1989年)、またはCurrent Protocols in Molecular Biology、F.M. Ausubelら編(John Wiley & Sons, Inc., New York)において見出されるもののような、当業者に公知のかかる方法に従って、調製することができる。アミノ酸の保存的置換は、以下の群内のアミノ酸の間で行われる置換を含む:(a)M、I、L、V;(b)F、Y、W;(c)K、R、H;(d)A、G;(e)S、T;(f)Q、N;および(g)E、D。したがって、本明細書において開示されるタンパク質およびポリペプチドのアミノ酸配列に対して、保存的アミノ酸置換を行うことができる。
【0045】
本明細書において用いられる場合、用語「核酸」とは、DNA、RNAなどの連結されたヌクレオチドのポリマーを指す。いくつかの態様において、本開示のタンパク質および核酸は、単離されている。本明細書において用いられる場合、用語「単離される」とは、人工的に生成されることを意味する。核酸に関して本明細書において用いられる場合、用語「単離される」とは、以下を意味する:(i)in vitroで、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、増幅される;(ii)クローニングにより組み換え的に生成される;(iii)切断およびゲル分離などにより、精製される;または(iv)例えば化学合成により、合成される。単離された核酸は、当該分野において周知の組み換えDNA技術により、容易に操作可能であるものである。したがって、5’および3’制限部位が知られているか、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のプライマー配列が開示されているベクター中に含まれるヌクレオチド配列は、単離されていると考えられるが、その天然の宿主中でそのネイティブな状態において存在する核酸配列はそうではない。単離された核酸は、実質的に精製されていてもよいが、必ずしもその必要はない。例えば、クローニングまたは発現ベクター内で単離されている核酸は、それが存在する細胞中の材料のうちのわずかなパーセンテージのみを含んでもよいという点において、純粋ではない。しかし、当該用語が本明細書において用いられる場合、かかる核酸は単離されている。なぜならば、それは当業者に公知の標準的な技術により容易に操作可能であるからである。タンパク質またはペプチドに関して本明細書において用いられる場合、用語「単離される」とは、人工的に(例えば、化学合成により、組み換えDNA技術などにより)生成されたタンパク質またはペプチドを指す。
【0046】
「相同性」とは、2つのポリヌクレオチドまたは2つのポリペプチドの間のパーセント同一性を指す。用語「実質的な相同性」とは、核酸、またはそのフラグメントに言及する場合、適切なヌクレオチドの挿入または欠失により別の核酸(またはその相補鎖)と至適にアラインメントされた場合に、アラインメントされた配列の約90〜100%においてヌクレオチド配列同一性が存在することを示す。ポリペプチド、またはそのフラグメントに言及する場合、用語「実質的な相同性」とは、適切なギャップ、挿入または欠失により、別のポリペプチドと至適にアラインメントされた場合に、アラインメントされた配列の約90〜100%においてヌクレオチド配列同一性が存在することを示す。用語「高度に保存される」とは、少なくとも80%同一、好ましくは少なくとも90%同一、およびより好ましくは、97%を超えて同一であることを意味する。いくつかの場合において、高度に保存されるとは、100%同一を指してもよい。同一性は、当業者により、例えば当業者に公知のアルゴリズムおよびコンピュータープログラムの使用により、容易に決定される。
【0047】
本明細書において記載されるとおり、核酸またはポリペプチドの配列間のアラインメントは、多様な公共または市販で入手可能な多重配列アラインメントプログラムのうちの任意のもの、例えばインターネット上のウェブサーバーを通してアクセス可能な「Clustal W」などを用いて行う。あるいは、Vector NTIユーティリティーもまた用いることができる。また、ヌクレオチド配列同一性を測定するために用いることができる、当該分野において公知の多数のアルゴリズムが存在し、これらは、上記のプログラム中に含まれるものを含む。別の例として、ポリヌクレオチド配列は、BLASTNを用いて比較することができ、これは、クエリーとサーチ配列との間の最良のオーバーラップの領域のアラインメントおよびパーセント配列同一性を提供する。類似のプログラムが、アミノ酸配列の比較のために利用可能であり、例えば「Clustal X」プログラム、BLASTPがある。典型的には、これらのプログラムのうちの任意のものを、デフォルトのセッティングで用いるが、当業者は、これらのセッティングを、必要に応じて変更することができる。あるいは、当業者は、少なくとも同一性のレベルまたはアラインメントを、参照されたアルゴリズムおよびプログラムにより提供されるものとして提供する、別のアルゴリズムまたはコンピュータープログラムを利用することができる。アラインメントは、2つのタンパク質またはペプチド間の対応するアミノ酸を同定するために用いることができる。「対応するアミノ酸」とは、タンパク質またはペプチド配列のアミノ酸であって、別のタンパク質またはペプチド配列のアミノ酸とアラインメントされたものである。対応するアミノ酸は、同一であっても非同一であってもよい。非同一なアミノ酸である対応するアミノ酸は、バリアントアミノ酸として言及される場合がある。
【0048】
代替的に、核酸について、相同領域の間で安定な二本鎖を形成する条件下におけるポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションと、その後の一本鎖特異的ヌクレアーゼによる消化、および消化されたフラグメントのサイズ決定により、相同性を決定することができる。実質的に相同なDNA配列は、例えば、特定の系について定義されるようなストリンジェントな条件下において、サザンハイブリダイゼーション実験において同定することができる。適切なハイブリダイゼーション条件を定義することは、当該分野における技術のうちである。
【0049】
組み換えAAV
いくつかの側面において、本開示は、単離されたAAVを提供する。AAVに関して本明細書において用いられる場合、用語「単離された」とは、人工的に得られたかまたは生成されたAAVを指す。単離されたAAVは、組み換え方法を用いて生成することができる。かかるAAVは、本明細書において、「組み換えAAV」として言及される。組み換えAAV(rAAV)は、好ましくは、rAAVの導入遺伝子が、1以上の予め決定された組織に特異的に送達されるような、組織特異的ターゲティング能力を有する。AAVカプシドは、これらの組織特異的ターゲティング能力を決定することにおける重要なエレメントである。したがって、ターゲティングされている組織に適切なカプシドを有するrAAVを選択することができる。いくつかの態様において、rAAVは、配列番号5〜8または配列番号13〜16のいずれか1つに記載されるアミノ酸配列を有するカプシドタンパク質、またはそれに対して実質的な相同性を有するタンパク質を含む。
【0050】
いくつかの態様において、本開示のrAAVは、シュードタイプ化したrAAVである。シュードタイプ化は、外来ウイルスのエンベロープタンパク質と組み合わせたウイルスまたはウイルスベクターを生成するプロセスである。結果は、シュードタイプ化したウイルス粒子である。この方法により、外来のウイルスのエンベロープタンパク質を、宿主の向性またはウイルス粒子の安定性の増大/減少を改変するために用いることができる。いくつかの側面において、シュードタイプ化したrAAVは、2または3以上の異なるAAVからの核酸を含み、ここで、1つのAAVからの核酸は、カプシドタンパク質をコードし、少なくとも1つの他のAAVの核酸は、他のウイルスタンパク質および/またはウイルスゲノムをコードする。いくつかの態様において、シュードタイプ化したrAAVとは、1つのAAV血清型の末端逆位反復配列(ITR)および異なるAAV血清型のカプシドタンパク質を含むAAVを指す。例えば、Yのタンパク質でカプシド形成された血清型XのITRを含むシュードタイプ化したAAVベクターは、AAVX/Yとして命名されるであろう(例えば、AAV2/1は、AAV2のITRおよびAAV1のカプシドを有する)。いくつかの態様において、シュードタイプ化したrAAVは、1つのAAV血清型からのカプシドタンパク質の組織特異的ターゲティング能力を、別のAAV血清型からのウイルスDNAと組み合わせて、それにより、標的組織への導入遺伝子のターゲティングされた送達を可能にするために有用であり得る。
【0051】
所望されるカプシドタンパク質を有する組み換えAAVを得るための方法は、当該分野において周知である(例えば、US 2003/0138772を参照;その内容は、本明細書においてその全体において参考として援用される)。典型的には、方法は、AAVカプシドタンパク質をコードする核酸配列(例えば、配列番号1〜4もしくは配列番号9〜12のいずれか1つにおいて記載される配列を有する核酸またはそのフラグメント;機能的rep遺伝子;AAV末端逆位反復配列(ITR)および導入遺伝子から構成される組み換えAAVベクター;ならびにAAVカプシドタンパク質中への組み換えAAVベクターパッケージングを可能にするために十分なヘルパー機能を含む宿主細胞を培養することを含む。
【0052】
いくつかの態様において、本開示は、本明細書において開示される方法により同定されるキメラカプシドタンパク質を含むrAAVに関する。いくつかの態様において、rAAVは、対象のCNS組織を標的とする。いくつかの態様において、rAAVはさらに、導入遺伝子を含む。いくつかの態様において、導入遺伝子は、CNS関連遺伝子である。いくつかの態様において、rAAVは、対象の肝臓組織を標的とする。いくつかの態様において、導入遺伝子は、肝臓またはCNSに関連するmiRNAである。
【0053】
rAAVベクターをAAVカプシド中にパッケージングするために宿主細胞において培養されるべき成分は、宿主細胞にトランスで提供してもよい。あるいは、必要とされる成分(例えば、組み換えAAVベクター、rep配列、cap配列、および/またはヘルパー機能)のうちの任意の1以上を、当業者に公知の方法を用いて必要とされる成分のうちの1以上を含むように操作された、安定な宿主細胞により提供させることができる。最も好適には、かかる安定な宿主細胞は、必要とされる成分を誘導性プロモーターの制御下に含むであろう。しかし、必要とされる成分は、構成的プロモーターの制御下にあってもよい。好適な誘導性および構成的プロモーターの例は、本明細書において、導入遺伝子と共に用いるために好適な調節エレメントの議論において提供される。なお別の選択肢において、選択される安定な宿主細胞は、選択される成分を構成的プロモーターの制御下に、他の選択される成分を1以上の誘導性プロモーターの制御下に含んでもよい。例えば、293細胞(これは、E1ヘルパー機能を構成的プロモーターの制御下に含む)に由来するが、repおよび/またはcapタンパク質を誘導性プロモーターの制御下に含む、安定な宿主細胞を作製することができる。当業者は、なお他の安定な宿主細胞を作製することができる。
【0054】
本開示のrAAVを生成するために必要とされる組み換えAAVベクター、rep配列、cap配列、およびヘルパー機能は、任意の適切な遺伝子エレメント(ベクター)を用いて、パッケージング宿主細胞に送達することができる。選択される遺伝子エレメントは、本明細書において記載されるものを含む任意の好適な方法により送達することができる。本開示の任意の態様を構築するために用いられる方法は、核酸操作における技術を有する当業者に公知であり、遺伝子工学、組み換え工学および合成技術を含む。例えば、Sambrook et al, Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, N.Y.)を参照。同様に、rAAVビリオンを作製する方法は、周知であり、好適な方法の選択は、本開示に対する限定ではない。例えば、K. Fisher et al, J. Virol., 70:520-532 (1993)および米国特許第5,478,745号を参照。
【0055】
いくつかの態様において、組み換えAAVは、三重トランスフェクション(triple transfection)法(米国特許第6,001,650において詳細に記載される)を用いて生成することができる。典型的には、組み換えAAVは、宿主細胞を、AAV粒子中にパッケージングされるべき、組み換えAAVベクター(導入遺伝子を含む)、AAVヘルパー機能ベクターおよびアクセサリー機能ベクターでトランスフェクトすることにより、生成することができる。AAVヘルパー機能ベクターは、「AAVヘルパー機能」配列(例えば、repおよびcap)をコードし、これらは、増殖性AAVの複製およびカプシド形成のために、トランスに機能する。好ましくは、AAVヘルパー機能ベクターは、任意の検出可能な野生型AAVビリオン(例えば、機能的repおよびcap遺伝子を含むAAVビリオン)を作製することのない、効率的なAAVベクター生成を支持する。本開示による使用のために好適なベクターの非限定的な例として、米国特許第6,001,650号において記載されるpHLP19、および米国特許第6,156,303号において記載されるpRep6cap6 ベクターが挙げられ、これらの特許の両方の全体は、本明細書において参考として援用される。アクセサリー機能ベクターは、非AAV由来のウイルスについてのヌクレオチド配列および/または複製のためにAAVが依存する細胞の機能(例えば、「アクセサリー機能」)をコードする。アクセサリー機能として、AAVの複製のために必要とされる機能が挙げられ、これは、限定することなく、AAV 遺伝子転写の活性化、ステージ特異的なAAVのmRNAスプライシング、AAVのDNA複製、cap発現生成物の合成、およびAAVカプシドのアセンブリーに関与する部分を含む。ウイルスベースのアクセサリー機能は、アデノウイルス、ヘルペスウイルス(1型単純ヘルペスウイルス以外のもの)、およびワクシニアウイルスなどの公知のヘルパーウイルスのいずれかに由来し得る。
【0056】
いくつかの側面において、本開示は、トランスフェクトされた宿主細胞を提供する。用語「トランスフェクション」とは、細胞による外来DNAの取り込みを指すように用いられ、細胞は、外因性DNAが細胞膜の内部に導入された場合に、「トランスフェクトされ」ている。多数のトランスフェクション技術が、当該分野において一般的に公知である。例えば、Graham et al. (1973) Virology, 52:456、Sambrook et al. (1989) Molecular Cloning, a laboratory manual, Cold Spring Harbor Laboratories, New York、Davis et al. (1986) Basic Methods in Molecular Biology, Elsevier、およびChu et al. (1981) Gene 13:197を参照。かかる技術は、ヌクレオチド組み込みベクターおよび他の核酸分子などの1以上の外因性核酸を、好適な宿主細胞中に導入するために用いることができる。
【0057】
「宿主細胞」とは、目的の物質を内部に持つか、またはこれを内部に持つことができる、任意の細胞を指す。しばしば、宿主細胞は、哺乳動物細胞である。宿主細胞は、AAVヘルパーコンストラクト、AAVミニ遺伝子プラスミド、アクセサリー機能ベクター、または組み換えAAVの生成に関連する他のトランスファーDNAのレシピエントとして用いることができる。この用語は、それがトランスフェクトされた元の細胞の子孫を含む。したがって、「宿主細胞」とは、本明細書において用いられる場合、外因性DNA配列でトランスフェクトされた細胞を指し得る。単一の親細胞の子孫は、天然の、偶発的な、または計画的な変異に起因して、形態学において、またはゲノムもしくは全DNAの補完物(complement)において、元の親と必ずしも完全に同一でなくともよい。
【0058】
本明細書において用いられる場合、用語「細胞株」は、in vitroでの持続的または長期の増殖および分裂が可能な細胞の集団を指す。しばしば、細胞株は、単一の前駆細胞に由来するクローンの集団である。さらに、当該分野において、かかるクローン集団の貯蔵またはトランスファーの間に、核型において自発的なまたは誘導される変化が起こり得ることが知られている。したがって、言及される細胞株に由来する細胞は、祖先の細胞または培養物と正確に同一でない場合があり、言及される細胞株は、かかるバリアントを含む。
本明細書において用いられる場合、用語「組み換え細胞」とは、生物学的に活性なポリペプチドの転写またはRNAなどの生物学的に活性な核酸の産生をもたらすDNAセグメントなどの外因性DNAセグメントが導入されている細胞を指す。
【0059】
本明細書において用いられる場合、用語「ベクター」は、適切な制御エレメントと結合した場合に複製が可能であり、細胞間で遺伝子配列をトランスファーすることができる、任意の遺伝子エレメント、例えばプラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミド、染色体、人工染色体、ウイルス、ビリオンなどを含む。したがって、この用語は、クローニングおよび発現ビヒクル、ならびにウイルスベクターを含む。いくつかの態様において、有用なベクターは、転写されるべき核酸セグメントが、プロモーターの転写制御下に配置されるベクターであることを企図される。「プロモーター」とは、遺伝子の特異的転写を開始させるために必要な細胞の合成機構または導入される合成機構により認識される。句「作動的に配置される」、「制御下」または「転写制御下」とは、プロモーターが、核酸に対して、RNAポリメラーゼ開始および遺伝子の発現を制御するために正しい位置および向きにあることを意味する。用語「発現ベクターまたはコンストラクト」とは、当該核酸のコード配列の一部またはすべてが転写されることができる核酸を含む、任意の型の遺伝子コンストラクトを意味する。いくつかの態様において、発現は、例えば、転写された遺伝子から、生物学的に活性なポリペプチド生成物または阻害的RNA(例えば、shRNA、miRNA、miRNA阻害剤)を生成するための、核酸の転写を含む。
本開示のrAAVを生成するために組み換えベクターを所望されるAAVカプシド中にパッケージングするための前述の方法は、限定的であることを意図されず、他の好適な方法は、当業者に明らかであろう。
【0060】
組み換えAAVベクター
本開示の「組み換えAAV(rAAV) ベクター」は、典型的には、最低でも、導入遺伝子およびその調節配列、ならびに5’および3’AAV末端逆位反復配列(ITR)から構成される。カプシドタンパク質中にパッケージングされて、選択された標的細胞に送達されるのは、この組み換えAAVベクターである。いくつかの態様において、導入遺伝子は、ベクター配列に対して異種の核酸配列であって、目的のポリペプチド、タンパク質、機能的RNA 分子(例えば、miRNA、miRNA阻害剤)または他の遺伝子産物をコードするものである。核酸コード配列は、標的組織の細胞における導入遺伝子転写、翻訳および/または発現を可能にする様式において、調節成分に作動的に連結している。
【0061】
ベクターのAAV配列は、典型的には、シス作動性の5’および3’末端逆位反復配列(例えば、B. J. Carter、「Handbook of Parvoviruses」(P. Tijsser編)中、CRC Press, pp. 155 168 (1990)を参照)を含む。ITR配列は、約145bpの長さである。好ましくは、ITRをコードする配列の実質的に全体が、分子中で用いられるが、これらの配列のある程度の微量の改変は許容可能である。これらのITR配列を改変する能力は、当該分野における技術のうちである(例えば、Sambrookら、「Molecular Cloning. A Laboratory Manual」、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory, New York (1989);およびK. Fisher et al., J Virol., 70:520 532 (1996)などの教科書を参照)。本開示において用いられる分子の例は、導入遺伝子を含む「シス作動性」プラスミドであって、選択される導入遺伝子配列および関連する調節エレメントが、5’および3’AAV ITR配列と隣接しているものである。AAV ITR配列は、本発明により同定される哺乳動物AAV型を含む、任意の既知のAAVから得ることができる。
【0062】
いくつかの態様において、本開示のrAAVは、シュードタイプ化したrAAVである。例えば、Yのタンパク質でカプシド形成された血清型XのITRを含むシュードタイプ化したAAVベクターは、AAVX/Yとして命名されるであろう(例えば、AAV2/1は、AAV2のITRおよびAAV1のカプシドを有する)。いくつかの態様において、シュードタイプ化したrAAVは、1つのAAV血清型からのカプシドタンパク質の組織特異的ターゲティング能力を、1つのAAV血清型からのカプシドタンパク質の組織特異的ターゲティング能力を、別のAAV血清型からのウイルスDNAと組み合わせて、それにより、標的組織への導入遺伝子のターゲティングされた送達を可能にするために有用であり得る。
【0063】
組み換えAAVベクターについて上で定義された主要エレメントに加えて、ベクターはまた、必要な慣用的な制御エレメントを含み、これらは、プラスミドベクターでトランスフェクトされた、または本開示により作製されるウイルスに感染した細胞において、その転写、翻訳および/または発現を可能にする様式において、導入遺伝子に作動的に連結されている。本明細書において用いられる場合、「作動的に連結された」配列は、目的の遺伝子に近接した発現制御配列と、トランスで、または離れて、目的の遺伝子を制御するために作動する発現制御配列との両方を含む。
【0064】
発現制御配列は、適切な転写開始、終結、プロモーターおよびエンハンサー配列;スプライシングおよびポリアデニル化(ポリA)シグナルなどの効率的なRNAプロセッシングシグナル;細胞質mRNAを安定化させる配列;翻訳効率を増大させる配列(例えば、Kozakコンセンサス配列);タンパク質安定性を増大させる配列;および、所望される場合、コードされる生成物の分泌を増大させる配列を含む。ネイティブ、構成的、誘導性および/または組織特異的なプロモーターを含む多数の発現制御配列が、当該分野において公知であり、利用することができる。
【0065】
本明細書において用いられる場合、核酸配列(例えばコード配列)と調節配列とは、それらが、核酸配列の発現または転写を調節配列の影響または制御下に置くように共有結合的に連結される場合に、「作動的に」連結されると言われる。核酸配列が機能的タンパク質に翻訳されることが所望される場合、2つのDNA配列は、5’調節配列中のプロモーターの誘導がコード配列の転写をもたらす場合、ならびに2つのDNA配列の間の連結の性質が(1)フレームシフト変異の導入をもたらさない、(2)コード配列の転写を指揮するプロモーター領域の能力に干渉しない、または(3)タンパク質に翻訳されるべき対応するRNA転写物の能力に干渉しない場合に、作動的に連結されると言われる。したがって、プロモーター領域は、プロモーター領域が、生じる転写物が、所望されるタンパク質またはポリペプチドに翻訳されることができるように、そのDNA配列の転写を引き起こすことができた場合に、核酸配列に作動的に連結している。同様に、2または3以上のコード領域は、それらが、共通のプロモーターからのそれらの転写がインフレームで翻訳された2または3以上のタンパク質の発現をもたらすように連結される場合に、作動的に連結している。いくつかの態様において、作動的に連結したコード配列は、融合タンパク質を生じる。いくつかの態様において、作動的に連結したコード配列は、機能的RNA(例えば、shRNA、miRNA、miRNA阻害剤)を生じる。
【0066】
タンパク質をコードする核酸について、ポリアデニル化配列は、一般に、導入遺伝子配列の後ろであって3’AAV ITR配列の前に挿入される。本開示において有用なrAAVコンストラクトはまた、望ましくはプロモーター/エンハンサー配列と導入遺伝子との間に配置されるイントロンを含んでもよい。1つの可能なイントロン配列は、SV-40に由来し、SV-40Tイントロン配列として言及される。用いることができる別のベクターエレメントは、配列内リボソーム進入部位(IRES)である。IRES配列は、単一の遺伝子転写物から1つより多くのポリペプチドを生成するために用いられる。IRES配列は、1つより多くのポリペプチド鎖を含むタンパク質を生成するために用いられるであろう。これらのおよび他の一般的なベクターエレメントの選択は、慣用的であり、多くのかかる配列が利用可能である[例えば、Sambrookら、およびそれにおいて引用される参考文献、例えば、頁3.18 3.26および16.17 16.27ならびにAusubelら、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons, New York, 1989を参照]。いくつかの態様において、口蹄疫ウイルス2A配列は、ポリタンパク質中に含まれる;これは、小さいペプチドであり(約18アミノ酸長)、ポリタンパク質の切断を媒介することが示されている(Ryan, M D et al., EMBO, 1994;4:928-933;Mattion, N M et al., J Virology, November 1996;p. 8124-8127;Furler, S et al., Gene Therapy, 2001;8:864-873;およびHalpin, C et al., The Plant Journal, 1999;4:453-459)。2A配列の切断活性は、プラスミドおよび遺伝子治療ベクター(AAVおよびレトロウイルス)を含む人工的な系において、先に示されている(Ryan, M D et al., EMBO, 1994;4:928-933;Mattion, N M et al., J Virology, November 1996;p. 8124-8127;Furler, S et al., Gene Therapy, 2001;8:864-873;およびHalpin, C et al., The Plant Journal, 1999;4:453-459;de Felipe, P et al., Gene Therapy, 1999;6:198-208;de Felipe, P et al., Human Gene Therapy, 2000;11:1921-1931.;およびKlump, H et al., Gene Therapy, 2001;8:811-817)。
【0067】
宿主細胞における遺伝子発現のために必要とされる調節配列の正確な性質は、種、組織または細胞型の間で異なり得るが、一般に、必要に応じて、それぞれ転写および翻訳の開始に関与する5’非転写および5’非翻訳配列、例えばTATAボックス、キャッピング配列、CAAT配列、エンハンサーエレメントなどを含むであろう。特に、かかる5’非転写調節配列は、作動的に結合した遺伝子の転写制御のためのプロモーター配列を含むプロモーター領域を含むであろう。調節配列はまた、所望される場合、エンハンサー配列または上流のアクチベーター配列を含んでもよい。本開示のベクターは、任意に、5’リーダーまたはシグナル配列を含んでもよい。適切なベクターの選択および設計は、当業者の能力および裁量の内である。
【0068】
構成的プロモーターの例として、限定することなく、レトロウイルスのラウス肉腫ウイルス(RSV)LTRプロモーター(任意にRSVエンハンサーと共に)、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター(任意にCMVエンハンサーと共に)[例えば、Boshart et al, Cell, 41:521-530 (1985)を参照]、SV40プロモーター、ジヒドロ葉酸レダクターゼプロモーター、β−アクチンプロモーター、ホスホグリセロールキナーゼ(PGK)プロモーター、およびEF1αプロモーター[Invitrogen]が挙げられる。
【0069】
誘導性プロモーターは、遺伝子発現の制御を可能にし、外因的に供給される化合物、温度などの環境要因、または特定の生理学的状態(例えば急性期、細胞の特定の分化状態、または複製中の細胞においてのみ)の存在により制御され得る。誘導性プロモーターおよび誘導性の系は、限定することなく、Invitrogen、ClontechおよびAriadを含む、多様な市販のソースから入手可能である。多くの他の系が記載されており、当業者は容易にこれを選択することができる。外因的に供給されるプロモーターにより制御される誘導性プロモーターの例として、亜鉛誘導性ヒツジメタロチオニン(MT)プロモーター、デキサメタゾン(Dex)誘導性マウス乳癌ウイルス(MMTV)プロモーター、T7ポリメラーゼプロモーター系(WO 98/10088);エクジソン昆虫プロモーター(No et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93:3346-3351 (1996))、テトラサイクリン抑制系(Gossen et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:5547-5551 (1992))、テトラサイクリン誘導系(Gossen et al, Science, 268:1766-1769 (1995)、またHarvey et al, Curr. Opin. Chem. Biol., 2:512-518 (1998)を参照)、RU486誘導系(Wang et al, Nat. Biotech., 15:239-243 (1997) および Wang et al, Gene Ther., 4:432-441 (1997))およびラパマイシン誘導系(Magari et al, J. Clin. Invest., 100:2865-2872 (1997))が挙げられる。この文脈において有用であり得るなお他の型の誘導性プロモーターは、特定の生理学的状態、例えば温度、急性期、細胞の特定の分化状態において、または複製中の細胞においてのみ調節されるものである。
【0070】
別の態様において、導入遺伝子のためのネイティブなプロモーターが用いられる。ネイティブなプロモーターは、導入遺伝子の発現がネイティブな発現を模倣すべきことが所望される場合に好ましい場合がある。ネイティブなプロモーターは、導入遺伝子の発現が、時間的もしくは発生的に、または組織特異的様式において、またはまたは特異的な転写刺激に応答して制御されなければならない場合に、用いることができる。さらなる態様において、エンハンサーエレメント、ポリアデニル化部位またはKozakコンセンサス配列などの他のネイティブな発現制御エレメントもまた、ネイティブな発現を模倣させるために用いることができる。
【0071】
いくつかの態様において、調節配列は、組織特異的遺伝子発現能力を付与する。いくつかの場合において、組織特異的調節配列は、組織特異的な様式において転写を誘導する組織特異的転写因子に結合する。かかる組織特異的調節配列(例えば、プロモーター、エンハンサーなど)は、当該分野において周知である。例示的な組織特異的調節配列として、これらに限定されないが、以下の組織特異的プロモーターが挙げられる:肝臓特異的チロキシン結合グロブリン(TBG)プロモーター、インスリンプロモーター、グルカゴンプロモーター、ソマトスタチンプロモーター、膵臓ポリペプチド(PPY)プロモーター、シナプシン−1(Syn)プロモーター、クレアチンキナーゼ(MCK)プロモーター、哺乳動物デスミン(DES)プロモーター、α−ミオシン重鎖(a-MHC)プロモーター、または心筋トロポニンT(cTnT)プロモーター。他の例示的なプロモーターとして、ベータ−アクチンプロモーター、B型肝炎ウイルスコアプロモーター(Sandig et al., Gene Ther., 3:1002-9 (1996));アルファ−フェトプロテイン(AFP)プロモーター(Arbuthnot et al., Hum. Gene Ther., 7:1503-14 (1996))、骨オステオカルシンプロモーター(Stein et al., Mol. Biol. Rep., 24:185-96 (1997));骨シアロタンパク質プロモーター(Chen et al., J. Bone Miner. Res., 11:654-64 (1996))、CD2プロモーター(Hansal et al., J. Immunol., 161:1063-8 (1998));免疫グロブリン重鎖プロモーター;T細胞受容体α鎖プロモーター、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)プロモーターなどのニューロンのもの(Andersen et al., Cell. Mol. Neurobiol., 13:503-15 (1993))、神経フィラメント軽鎖遺伝子プロモーター(Piccioli et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88:5611-5 (1991))、およびニューロン特異的vgf 遺伝子プロモーター(Piccioli et al., Neuron, 15:373-84 (1995))、および当業者に明らかな他のもの。
【0072】
いくつかの態様において、導入遺伝子を内部に持つ対象の1以上の組織において導入遺伝子の発現を阻害するために、1以上のmiRNAのための1以上の結合部位が、rAAVベクターの導入遺伝子中に組み込まれる。当業者は、導入遺伝子の発現を組織特異的様式において制御するために、結合部位を選択することができることを理解するであろう。例えば、肝臓における導入遺伝子の発現を阻害するために、肝臓特異的miR-122のための結合部位を、その導入遺伝子中に組み込むことができる。mRNA中の標的部位は、5’UTR、3’UTR、またはコード領域中にあってよい。典型的には、標的部位は、mRNAの3’UTR中にある。さらに、導入遺伝子は、複数のmiRNAが、同じまたは複数の部位を認識することにより、mRNAを制御するように設計することができる。複数のmiRNA 結合部位の存在により、複数のRISCの共同的作用がもたらされ、高度に効率的な発現の阻害を提供することができる。標的部位配列は、合計で5〜100、10〜60またはそれより多くのヌクレオチドを含んでもよい。標的部位配列は、標的遺伝子結合部位の配列のうちの少なくとも5個のヌクレオチドを含んでもよい。
【0073】
組み換えAAVベクター:導入遺伝子コード配列
rAAVベクターの導入遺伝子配列の組成は、生じるベクターが使用される用途に依存するであろう。例えば、導入遺伝子配列の1つの型は、発現の際に検出可能シグナルを生成するレポーター配列を含む。別の例において、導入遺伝子は、治療用タンパク質または治療用機能的RNAをコードする。別の例において、導入遺伝子は、研究目的のため、例えば、(例えば導入遺伝子産物の機能を研究するための)内部に導入遺伝子を有する体細胞トランスジェニック動物モデルを作製するために用いられることを意図される、タンパク質または機能的RNAをコードする。別の例において、導入遺伝子は、疾患の動物モデルを作製するために用いられることを意図されるタンパク質または機能的RNAをコードする。適切な導入遺伝子コード配列は、当業者には明らかであろう。
【0074】
導入遺伝子中に提供されることができるレポーター配列として、限定することなく、β−ラクタマーゼ、β−ガラクトシダーゼ(LacZ)、アルカリホスファターゼ、チミジンキナーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、ルシフェラーゼ、および当該分野において周知の他のものをコードするDNA配列が挙げられる。それらの発現を駆動する調節エレメントと結合すると、レポーター配列は、酵素、X線、比色、蛍光または他の分光分析アッセイ、蛍光励起細胞分取アッセイ、ならびに酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)および免疫組織化学法を含む免疫学的アッセイを含む慣用的な手段により検出可能な、シグナルを提供する。例えば、マーカー配列がLacZ遺伝子である場合、シグナルを担持しているベクターの存在は、β−ガラクトシダーゼ活性についてのアッセイにより検出される。導入遺伝子が緑色蛍光タンパク質またはルシフェラーゼである場合、シグナルを担持しているベクターは、ルミノメーターにおける色または光の生成により、視覚的に測定することができる。かかるレポーターは、例えば、rAAVの組織特異的ターゲティング能力および組織特異的プロモーター調節活性を検証することにおいて有用であり得る。
【0075】
いくつかの側面において、本開示は、哺乳動物における1以上の遺伝子欠損または機能不全、例えば哺乳動物におけるポリペプチド欠損またはポリペプチドなどを予防または処置する方法における使用のため、特に、細胞および組織におけるかかるポリペプチドの欠損に関連する障害のうちの1以上を呈するヒトにおける欠損の重篤度または程度を処置または軽減するための、rAAVベクターを提供する。方法は、薬学的に許容し得るキャリア中の、1以上の治療用ペプチド、ポリペプチド、siRNA、マイクロRNA、アンチセンスヌクレオチドなどをコードするrAAVベクターの、対象への、欠損または障害を罹患する対象においてかかる障害を処置するために十分な量におけるおよびこれのために十分な期間にわたる、投与を含む。
【0076】
したがって、本開示は、哺乳動物対象における疾患状態の処置または予防のために有用である1以上のペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質をコードするrAAVベクターの送達を包含する。例示的な治療用タンパク質として、増殖因子、インターロイキン、インターフェロン、抗アポトーシス因子、サイトカイン、抗糖尿病因子、抗アポトーシス剤、凝固因子、抗腫瘍因子からなる群より選択される1以上のポリペプチドが挙げられる。治療用タンパク質の他の非限定的な例として、BDNF、CNTF、CSF、EGF、FGF、G-SCF、GM-CSF、ゴナドトロピン、IFN、IFG-1、M-CSF、NGF、PDGF、PEDF、TGF、VEGF、TGF-B2、TNF、プロラクチン、ソマトトロピン、XIAP1、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、IL-10(187A)、ウイルスIL-10、IL-11、IL-12、IL-13、IL-14、IL-15、IL-16 IL-17、およびIL-18が挙げられる。
【0077】
rAAVベクターは、遺伝子の発現の低下、発現の欠失または機能不全に関連する疾患を処置するために対象に導入されるべき遺伝子を含んでもよい。例示的な遺伝子および関連する疾患状態として、これらに限定されないが、以下が含まれる:糖原病1A型に関連するグルコース−6−ホスファターゼ;Pepck(ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ)欠損に関連するホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ;ガラクトース血症に関連するガラクトース−1ホスファートウリジルトランスフェラーゼ;フェニルケトン尿症に関連するフェニルアラニンヒドロキシラーゼ;メープルシロップ尿症に関連する分岐鎖アルファ−ケト酸デヒドロゲナーゼ;チロシン血症1型に関連するフマリルアセト酢酸ヒドラーゼ;メチルマロン酸血症に関連するメチルマロニルCoAムターゼ;中鎖アセチルCoA欠損に関連する中鎖アシルCoA デヒドロゲナーゼ;オルニチントランスカルバミラーゼ欠損に関連するオルニチントランスカルバミラーゼ;シトルリン血症に関連するアルギニノコハク酸シンテターゼ;家族性高コレステロール血症に関連する低密度リポタンパク質受容体タンパク質;クリグラー・ナジャー病に関連するUDP−グルクロノシルトランスフェラーゼ;重症複合免疫不全症に関連するアデノシンデアミナーゼ;痛風およびレッシュ・ナイハン症候群に関連するヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ;ビオチニダーゼ欠損に関連するビオチニダーゼ;GM1ガングリオシドーシスに関連するベータ−ガラクトシダーゼ;テイ・サックス病およびサンドホフ病に関連するベータ−ヘキソサミニダーゼAおよびB;ゴーシェ病に関連するベータ−グルコセレブロシダーゼ;スライ症候群に関連するベータ−グルクロニダーゼ;ツェルウェーガー症候群に関連するペルオキシソーム膜タンパク質70kDa;急性間欠性ポルフィリン症に関連するポルフォビリノーゲンデアミナーゼ;アルファ−1アンチトリプシン欠損(肺気腫)の処置のためのアルファ−1アンチトリプシン;サラセミアまたは腎不全に起因する貧血の処置のためのエリスロポエチン;虚血性疾患の処置のための血管内皮増殖因子、アンギオポエチン−1、および線維芽細胞増殖因子;例えばアテローム動脈硬化症、血栓症または塞栓症において見られるような閉塞血管の処置のためのトロンボモジュリンおよび組織因子経路阻害剤;パーキンソン病の処置のための芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ(AADC)およびチロシンヒドロキシラーゼ(TH);ベータアドレナリン受容体、ホスホランバンに対するアンチセンスまたはこれの変異形態、筋小胞体アデノシントリホスファターゼ−2(SERCA2)、およびうっ血性心不全の処置のための心臓アデニリルシクラーゼ;多様ながんの処置のためのp53などの腫瘍抑制因子の遺伝子;炎症性障害および免疫障害ならびにがんの処置のための多様なインターロイキンのうちの1つなどのサイトカイン;筋ジストロフィーの処置のためのジストロフィンまたはミニジストロフィン(minidystrophin)およびユートロフィンまたはミニユートロフィン(miniutrophin);ならびに、糖尿病の処置のためのインスリン。
【0078】
いくつかの態様において、rAAVベクターは、例えば治療目的のために用いることができる、免疫グロブリン重鎖もしくは軽鎖またはそれらのフラグメントなどの抗原結合タンパク質をコードする遺伝子を含んでもよい。いくつかの態様において、タンパク質は、単鎖FvフラグメントまたはFv−Fcフラグメントである。したがって、いくつかの態様において、rAAVは、標的組織(例えば筋組織)の細胞に感染させて、当該組織の細胞を抗体またはそのフラグメントなどの抗原結合タンパク質を発現するように操作するために用いることができる。いくつかの態様において、抗体または抗原結合フラグメントを発現するrAAVを作製するために、かかるタンパク質を発現するように操作されたcDNAを、適切なプラスミド骨格中にサブクローニングして、rAAV中にパッケージングする。
【0079】
いくつかの態様において、rAAVベクターは、ゲノム編集酵素または関連する分子をコードする遺伝子(単数または複数)を含んでもよい。本明細書において用いられる場合、「ゲノム編集」とは、ゲノム配列(例えば遺伝子配列)に付加するか、これを中断するか、またはこれを変更することを指す。いくつかの態様において、ゲノム編集は、操作されたタンパク質および関連する分子を用いて行われる。いくつかの側面において、ゲノム編集は、標的ゲノム遺伝子座を切断するように操作されたヌクレアーゼの使用を含む。いくつかの態様において、ゲノム編集はさらに、切断された遺伝子座において、核酸残基を挿入、削除、変異導入または置換することを含む。いくつかの態様において、切断された遺伝子座において核酸残基を挿入、削除、変異導入または置換することは、相同組み換え(HR)および非相同末端結合(NHEJ)などの内在の細胞の機構を通して達成される。例示的なゲノム編集技術として、これらに限定されないが、TALエフェクターヌクレアーゼ(Transcription Activator-like Effector Nuclease:TALEN)、Znフィンガーヌクレアーゼ(ZFNs)、操作されたメガヌクレアーゼ、再設計された(re-engineered)ホーミングエンドヌクレアーゼ、およびCRISPR/Casシステムが挙げられる。いくつかの態様において、rAAVは、TALENに関連するタンパク質または分子をコードする遺伝子(単数または複数)を含んでもよく、当該タンパク質または分子は、これらに限定されないが、TALエフェクター(TALE)および制限エンドヌクレアーゼ(例えばFokI)を含む。いくつかの態様において、rAAVは、ZFNに関連するタンパク質または分子をコードする遺伝子(単数または複数)を含んでもよく、当該タンパク質または分子は、これらに限定されないが、Cys2His2フォールディンググループ(fold group)(例えばZif268(EGR1))、および制限エンドヌクレアーゼ(例えばFokI)を含むタンパク質を含む。いくつかの態様において、rAAVは、CRISPR/Casシステムに関連するタンパク質または分子をコードする遺伝子(単数または複数)を含んでもよく、当該タンパク質または分子は、これらに限定されないが、Cas9、Cas6、dCas9、CRISPR RNA(crRNA)およびトランス活性化crRNA(tracrRNA)を含む。
【0080】
本開示のrAAVは、対象において発現が低下したか、サイレンシングされたか、または他の理由で機能不全である遺伝子(例えば、がんを有する対象においてサイレンシングされている腫瘍抑制因子)の発現を回復させるために用いることができる。本開示のrAAVはまた、対象において異常に発現している遺伝子(例えば、がんを有する対象において発現される癌遺伝子)の発現をノックダウンするために用いることができる。いくつかの態様において、がんに関連する遺伝子産物(例えば腫瘍抑制因子)をコードする核酸を含むrAAVベクターを、がんを有する対象に当該rAAVベクターを内部に有するrAAVを投与することにより、癌を処置するために用いることができる。いくつかの態様において、がんに関連する遺伝子産物(例えば癌遺伝子)の発現を阻害する低分子干渉核酸(例えば、shRNA、miRNA)をコードする核酸を含むrAAVベクターを、がんを有する対象に当該rAAVベクターを内部に有するrAAVを投与することにより、癌を処置するために用いることができる。いくつかの態様において、がんに関連する遺伝子産物(またはがんに関連する遺伝子の発現を阻害する機能的RNA)をコードする核酸を含むrAAVベクターを、例えば、がんを研究するために、またはがんを処置する治療剤を同定するために、研究目的のために用いることができる。以下は、癌の発生に関連することが知られている例示的な遺伝子(例えば、癌遺伝子および腫瘍抑制因子)の非限定的なリストである:AARS、ABCB1、ABCC4、ABI2、ABL1、ABL2、ACK1、ACP2、ACY1、ADSL、AK1、AKR1C2、AKT1、ALB、ANPEP、ANXA5、ANXA7、AP2M1、APC、ARHGAP5、ARHGEF5、ARID4A、ASNS、ATF4、ATM、ATP5B、ATP5O、AXL、BARD1、BAX、BCL2、BHLHB2、BLMH、BRAF、BRCA1、BRCA2、BTK、CANX、CAP1、CAPN1、CAPNS1、CAV1、CBFB、CBLB、CCL2、CCND1、CCND2、CCND3、CCNE1、CCT5、CCYR61、CD24、CD44、CD59、CDC20、CDC25、CDC25A、CDC25B、CDC2L5、CDK10、CDK4、CDK5、CDK9、CDKL1、CDKN1A、CDKN1B、CDKN1C、CDKN2A、CDKN2B、CDKN2D、CEBPG、CENPC1、CGRRF1、CHAF1A、CIB1、CKMT1、CLK1、CLK2、CLK3、CLNS1A、CLTC、COL1A1、COL6A3、COX6C、COX7A2、CRAT、CRHR1、CSF1R、CSK、CSNK1G2、CTNNA1、CTNNB1、CTPS、CTSC、CTSD、CUL1、CYR61、DCC、DCN、DDX10、DEK、DHCR7、DHRS2、DHX8、DLG3、DVL1、DVL3、E2F1、E2F3、E2F5、EGFR、EGR1、EIF5、EPHA2、ERBB2、ERBB3、ERBB4、ERCC3、ETV1、ETV3、ETV6、F2R、FASTK、FBN1、FBN2、FES、FGFR1、FGR、FKBP8、FN1、FOS、FOSL1、FOSL2、FOXG1A、FOXO1A、FRAP1、FRZB、FTL、FZD2、FZD5、FZD9、G22P1、GAS6、GCN5L2、GDF15、GNA13、GNAS、GNB2、GNB2L1、GPR39、GRB2、GSK3A、GSPT1、GTF2I、HDAC1、HDGF、HMMR、HPRT1、HRB、HSPA4、HSPA5、HSPA8、HSPB1、HSPH1、HYAL1、HYOU1、ICAM1、ID1、ID2、IDUA、IER3、IFITM1、IGF1R、IGF2R、IGFBP3、IGFBP4、IGFBP5、IL1B、ILK、ING1、IRF3、ITGA3、ITGA6、ITGB4、JAK1、JARID1A、JUN、JUNB、JUND、K-ALPHA-1、KIT、KITLG、KLK10、KPNA2、KRAS2、KRT18、KRT2A、KRT9、LAMB1、LAMP2、LCK、LCN2、LEP、LITAF、LRPAP1、LTF、LYN、LZTR1、MADH1、MAP2K2、MAP3K8、MAPK12、MAPK13、MAPKAPK3、MAPRE1、MARS、MAS1、MCC、MCM2、MCM4、MDM2、MDM4、MET、MGST1、MICB、MLLT3、MME、MMP1、MMP14、MMP17、MMP2、MNDA、MSH2、MSH6、MT3、MYB、MYBL1、MYBL2、MYC、MYCL1、MYCN、MYD88、MYL9、MYLK、NEO1、NF1、NF2、NFKB1、NFKB2、NFSF7、NID、NINJ1、NMBR、NME1、NME2、NME3、NOTCH1、NOTCH2、NOTCH4、NPM1、NQO1、NR1D1、NR2F1、NR2F6、NRAS、NRG1、NSEP1、OSM、PA2G4、PABPC1、PCNA、PCTK1、PCTK2、PCTK3、PDGFA、PDGFB、PDGFRA、PDPK1、PEA15、PFDN4、PFDN5、PGAM1、PHB、PIK3CA、PIK3CB、PIK3CG、PIM1、PKM2、PKMYT1、PLK2、PPARD、PPARG、PPIH、PPP1CA、PPP2R5A、PRDX2、PRDX4、PRKAR1A、PRKCBP1、PRNP、PRSS15、PSMA1、PTCH、PTEN、PTGS1、PTMA、PTN、PTPRN、RAB5A、RAC1、RAD50、RAF1、RALBP1、RAP1A、RARA、RARB、RASGRF1、RB1、RBBP4、RBL2、REA、REL、RELA、RELB、RET、RFC2、RGS19、RHOA、RHOB、RHOC、RHOD、RIPK1、RPN2、RPS6KB1、RRM1、SARS、SELENBP1、SEMA3C、SEMA4D、SEPP1、SERPINH1、SFN、SFPQ、SFRS7、SHB、SHH、SIAH2、SIVA、SIVA TP53、SKI、SKIL、SLC16A1、SLC1A4、SLC20A1、SMO、SMPD1、SNAI2、SND1、SNRPB2、SOCS1、SOCS3、SOD1、SORT1、SPINT2、SPRY2、SRC、SRPX、STAT1、STAT2、STAT3、STAT5B、STC1、TAF1、TBL3、TBRG4、TCF1、TCF7L2、TFAP2C、TFDP1、TFDP2、TGFA、TGFB1、TGFBI、TGFBR2、TGFBR3、THBS1、TIE、TIMP1、TIMP3、TJP1、TK1、TLE1、TNF、TNFRSF10A、TNFRSF10B、TNFRSF1A、TNFRSF1B、TNFRSF6、TNFSF7、TNK1、TOB1、TP53、TP53BP2、TP53I3、TP73、TPBG、TPT1、TRADD、TRAM1、TRRAP、TSG101、TUFM、TXNRD1、TYRO3、UBC、UBE2L6、UCHL1、USP7、VDAC1、VEGF、VHL、VIL2、WEE1、WNT1、WNT2、WNT2B、WNT3、WNT5A、WT1、XRCC1、YES1、YWHAB、YWHAZ、ZAP70、およびZNF9。
【0081】
rAAVベクターは、導入遺伝子として、アポトーシスを調節するタンパク質または機能的RNAをコードする核酸を含んでもよい。以下は、アポトーシスに関連する遺伝子の非限定的なリストであって、これらの遺伝子およびその相同体の産物をコードする核酸、ならびにこれらの遺伝子およびその相同体の発現を阻害する低分子干渉核酸(例えば、shRNA、miRNA)をコードする核酸は、本開示の特定の態様において導入遺伝子として有用である:RPS27A、ABL1、AKT1、APAF1、BAD、BAG1、BAG3、BAG4、BAK1、BAX、BCL10、BCL2、BCL2A1、BCL2L1、BCL2L10、BCL2L11、BCL2L12、BCL2L13、BCL2L2、BCLAF1、BFAR、BID、BIK、NAIP、BIRC2、BIRC3、XIAP、BIRC5、BIRC6、BIRC7、BIRC8、BNIP1、BNIP2、BNIP3、BNIP3L、BOK、BRAF、CARD10、CARD11、NLRC4、CARD14、NOD2、NOD1、CARD6、CARD8、CARD9、CASP1、CASP10、CASP14、CASP2、CASP3、CASP4、CASP5、CASP6、CASP7、CASP8、CASP9、CFLAR、CIDEA、CIDEB、CRADD、DAPK1、DAPK2、DFFA、DFFB、FADD、GADD45A、GDNF、HRK、IGF1R、LTA、LTBR、MCL1、NOL3、PYCARD、RIPK1、RIPK2、TNF、TNFRSF10A、TNFRSF10B、TNFRSF10C、TNFRSF10D、TNFRSF11B、TNFRSF12A、TNFRSF14、TNFRSF19、TNFRSF1A、TNFRSF1B、TNFRSF21、TNFRSF25、CD40、FAS、TNFRSF6B、CD27、TNFRSF9、TNFSF10、TNFSF14、TNFSF18、CD40LG、FASLG、CD70、TNFSF8、TNFSF9、TP53、TP53BP2、TP73、TP63、TRADD、TRAF1、TRAF2、TRAF3、TRAF4、およびTRAF5。
【0082】
いくつかの側面において、本開示は、CNS関連障害を処置するための方法および組成物に関する。本明細書において用いられる場合、「CNS関連障害」とは、中枢神経系の疾患または状態である。CNS関連障害は、脊髄(例えば脊髄症)、脳(例えば脳症)または脳および脊髄の周囲の組織において発症し得る。CNS関連障害は、遺伝子起源のものであり得、これは遺伝性であるか、または体細胞変異を通しての後天的なものであり得る。CNS関連障害は、心理学的な状態または障害、例えば、注意欠陥多動障害、自閉症スペクトラム症、気分障害、統合失調症、うつ状態、レット症候群などであってよい。CNS関連障害は、自己免疫性障害であってもよい。CNS関連障害はまた、CNSのがん、例えば脳がんであってもよい。がんであるCNS関連障害は、CNSの原発がん、例えば、星細胞腫、膠芽腫などであっても、またはCNS組織に転移したがん、例えば脳に転移した肺がんであってもよい。CNS関連障害のさらなる非限定的な例として、パーキンソン病、リソソーム蓄積症、虚血、神経障害性疼痛、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)、およびカナバン病(CD)が挙げられる。
【0083】
いくつかの態様において、本開示は、導入遺伝子、中枢神経系(CNS)に関連する状態、疾患または障害の処置のために有用なタンパク質または機能的RNAをコードする核酸を含むrAAVベクターに関する。以下は、CNSの疾患に関連する遺伝子の非限定的なリストである:アルツハイマー病に関連するDRD2、GRIA1、GRIA2、GRIN1、SLC1A1、SYP、SYT1、CHRNA7、3Rtau/4rTUS、APP、BAX、BCL-2、GRIK1、GFAP、IL-1、AGER;パーキンソン病に関連するUCH-L1、SKP1、EGLN1、Nurr-1、BDNF、TrkB、gstm1、S106β;ハンチントン病に関連するIT15、PRNP、JPH3、TBP、ATXN1、ATXN2、ATXN3、Atrophin 1、FTL、TITF-1;フリートライヒ運動失調症に関連するFXN;カナバン病に関連するASPA;筋ジストロフィーに関連するDMD;および脊髄性筋萎縮症に関連するSMN1、UBE1、DYNC1H1。
【0084】
当業者はまた、タンパク質またはポリペプチドをコードする導入遺伝子の場合、タンパク質またはポリペプチドの機能的に等価なバリアントまたは相同体を提供するために、導入遺伝子において保存的アミノ酸置換をもたらす変異を行ってもよいことを了解するであろう。いくつかの側面においては、本開示は導入遺伝子の保存的アミノ酸置換をもたらす配列の変更を包含する。いくつかの態様において、導入遺伝子は、ドミナントネガティブ変異を有する遺伝子を含む。例えば、導入遺伝子は、野生型タンパク質と同じエレメントと相互作用して、それにより野生型タンパク質の機能のいくつかの側面を遮断する、変異体タンパク質を発現してもよい。
【0085】
有用な導入遺伝子産物はまた、miRNAを含む。miRNAおよび他の低分子干渉核酸は、標的RNA転写物の切断/分解または標的メッセンジャーRNA(mRNA)の翻訳の抑制を介して遺伝子発現を制御する。miRNAは、典型的には最終的に19〜25の翻訳されないRNA産物として、天然に発現される。miRNAは、標的mRNAの3’非翻訳領域(UTR)との配列特異的相互作用を通して、それらの活性を示す。これらの内因的に発現されるmiRNAは、ヘアピン型前駆体を形成し、これらは、その後、miRNA二本鎖へ、およびさらに「成熟した」一本鎖miRNA 分子へとプロセッシングされる。この成熟miRNAは、標的mRNAの(例えば3’UTR領域中の)標的部位を、成熟miRNAに対するそれらの相補性に基づいて同定する、多タンパク質複合体miRISCをガイドする。
【0086】
miRNA遺伝子およびそれらの相同体の以下の非限定的なリストは、方法の特定の態様において、導入遺伝子として、または導入遺伝子によりコードされる低分子干渉核酸の標的(例えば、miRNAスポンジ、アンチセンスオリゴヌクレオチド、TuD RNA)として、有用である:hsa-let-7a、hsa-let-7a*、hsa-let-7b、hsa-let-7b*、hsa-let-7c、hsa-let-7c*、hsa-let-7d、hsa-let-7d*、hsa-let-7e、hsa-let-7e*、hsa-let-7f、hsa-let-7f-1*、hsa-let-7f-2*、hsa-let-7g、hsa-let-7g*、hsa-let-7i、hsa-let-7i*、hsa-miR-1、hsa-miR-100、hsa-miR-100*、hsa-miR-101、hsa-miR-101*、hsa-miR-103、hsa-miR-105、hsa-miR-105*、hsa-miR-106a、hsa-miR-106a*、hsa-miR-106b、hsa-miR-106b*、hsa-miR-107、hsa-miR-10a、hsa-miR-10a*、hsa-miR-10b、hsa-miR-10b*、hsa-miR-1178、hsa-miR-1179、hsa-miR-1180、hsa-miR-1181、hsa-miR-1182、hsa-miR-1183、hsa-miR-1184、hsa-miR-1185、hsa-miR-1197、hsa-miR-1200、hsa-miR-1201、hsa-miR-1202、hsa-miR-1203、hsa-miR-1204、hsa-miR-1205、hsa-miR-1206、hsa-miR-1207-3p、hsa-miR-1207-5p、hsa-miR-1208、hsa-miR-122、hsa-miR-122*、hsa-miR-1224-3p、hsa-miR-1224-5p、hsa-miR-1225-3p、hsa-miR-1225-5p、hsa-miR-1226、hsa-miR-1226*、hsa-miR-1227、hsa-miR-1228、hsa-miR-1228*、hsa-miR-1229、hsa-miR-1231、hsa-miR-1233、hsa-miR-1234、hsa-miR-1236、hsa-miR-1237、hsa-miR-1238、hsa-miR-124、hsa-miR-124*、hsa-miR-1243、hsa-miR-1244、hsa-miR-1245、hsa-miR-1246、hsa-miR-1247、hsa-miR-1248、hsa-miR-1249、hsa-miR-1250、hsa-miR-1251、hsa-miR-1252、hsa-miR-1253、hsa-miR-1254、hsa-miR-1255a、hsa-miR-1255b、hsa-miR-1256、hsa-miR-1257、hsa-miR-1258、hsa-miR-1259、hsa-miR-125a-3p、hsa-miR-125a-5p、hsa-miR-125b、hsa-miR-125b-1*、hsa-miR-125b-2*、hsa-miR-126、hsa-miR-126*、hsa-miR-1260、hsa-miR-1261、hsa-miR-1262、hsa-miR-1263、hsa-miR-1264、hsa-miR-1265、hsa-miR-1266、hsa-miR-1267、hsa-miR-1268、hsa-miR-1269、hsa-miR-1270、hsa-miR-1271、hsa-miR-1272、hsa-miR-1273、hsa-miR-127-3p、hsa-miR-1274a、hsa-miR-1274b、hsa-miR-1275、hsa-miR-127-5p、hsa-miR-1276、hsa-miR-1277、hsa-miR-1278、hsa-miR-1279、hsa-miR-128、hsa-miR-1280、hsa-miR-1281、hsa-miR-1282、hsa-miR-1283、hsa-miR-1284、hsa-miR-1285、hsa-miR-1286、hsa-miR-1287、hsa-miR-1288、hsa-miR-1289、hsa-miR-129*、hsa-miR-1290、hsa-miR-1291、hsa-miR-1292、hsa-miR-1293、hsa-miR-129-3p、hsa-miR-1294、hsa-miR-1295、hsa-miR-129-5p、hsa-miR-1296、hsa-miR-1297、hsa-miR-1298、hsa-miR-1299、hsa-miR-1300、hsa-miR-1301、hsa-miR-1302、hsa-miR-1303、hsa-miR-1304、hsa-miR-1305、hsa-miR-1306、hsa-miR-1307、hsa-miR-1308、hsa-miR-130a、hsa-miR-130a*、hsa-miR-130b、hsa-miR-130b*、hsa-miR-132、hsa-miR-132*、hsa-miR-1321、hsa-miR-1322、hsa-miR-1323、hsa-miR-1324、hsa-miR-133a、hsa-miR-133b、hsa-miR-134、hsa-miR-135a、hsa-miR-135a*、hsa-miR-135b、hsa-miR-135b*、hsa-miR-136、hsa-miR-136*、hsa-miR-137、hsa-miR-138、hsa-miR-138-1*、hsa-miR-138-2*、hsa-miR-139-3p、hsa-miR-139-5p、hsa-miR-140-3p、hsa-miR-140-5p、hsa-miR-141、hsa-miR-141*、hsa-miR-142-3p、hsa-miR-142-5p、hsa-miR-143、hsa-miR-143*、hsa-miR-144、hsa-miR-144*、hsa-miR-145、hsa-miR-145*、hsa-miR-146a、hsa-miR-146a*、hsa-miR-146b-3p、hsa-miR-146b-5p、hsa-miR-147、hsa-miR-147b、hsa-miR-148a、hsa-miR-148a*、hsa-miR-148b、hsa-miR-148b*、hsa-miR-149、hsa-miR-149*、hsa-miR-150、hsa-miR-150*、hsa-miR-151-3p、hsa-miR-151-5p、hsa-miR-152、hsa-miR-153、hsa-miR-154、hsa-miR-154*、hsa-miR-155、hsa-miR-155*、hsa-miR-15a、hsa-miR-15a*、hsa-miR-15b、hsa-miR-15b*、hsa-miR-16、hsa-miR-16-1*、hsa-miR-16-2*、hsa-miR-17、hsa-miR-17*、hsa-miR-181a、hsa-miR-181a*、hsa-miR-181a-2*、hsa-miR-181b、hsa-miR-181c、hsa-miR-181c*、hsa-miR-181d、hsa-miR-182、hsa-miR-182*、hsa-miR-1825、hsa-miR-1826、hsa-miR-1827、hsa-miR-183、hsa-miR-183*、hsa-miR-184、hsa-miR-185、hsa-miR-185*、hsa-miR-186、hsa-miR-186*、hsa-miR-187、hsa-miR-187*、hsa-miR-188-3p、hsa-miR-188-5p、hsa-miR-18a、hsa-miR-18a*、hsa-miR-18b、hsa-miR-18b*、hsa-miR-190、hsa-miR-190b、hsa-miR-191、hsa-miR-191*、hsa-miR-192、hsa-miR-192*、hsa-miR-193a-3p、hsa-miR-193a-5p、hsa-miR-193b、hsa-miR-193b*、hsa-miR-194、hsa-miR-194*、hsa-miR-195、hsa-miR-195*、hsa-miR-196a、hsa-miR-196a*、hsa-miR-196b、hsa-miR-197、hsa-miR-198、hsa-miR-199a-3p、hsa-miR-199a-5p、hsa-miR-199b-5p、hsa-miR-19a、hsa-miR-19a*、hsa-miR-19b、hsa-miR-19b-1*、hsa-miR-19b-2*、hsa-miR-200a、hsa-miR-200a*、hsa-miR-200b、hsa-miR-200b*、hsa-miR-200c、hsa-miR-200c*、hsa-miR-202、hsa-miR-202*、hsa-miR-203、hsa-miR-204、hsa-miR-205、hsa-miR-206、hsa-miR-208a、hsa-miR-208b、hsa-miR-20a、hsa-miR-20a*、hsa-miR-20b、hsa-miR-20b*、hsa-miR-21、hsa-miR-21*、hsa-miR-210、hsa-miR-211、hsa-miR-212、hsa-miR-214、hsa-miR-214*、hsa-miR-215、hsa-miR-216a、hsa-miR-216b、hsa-miR-217、hsa-miR-218、hsa-miR-218-1*、hsa-miR-218-2*、hsa-miR-219-1-3p、hsa-miR-219-2-3p、hsa-miR-219-5p、hsa-miR-22、hsa-miR-22*、hsa-miR-220a、hsa-miR-220b、hsa-miR-220c、hsa-miR-221、hsa-miR-221*、hsa-miR-222、hsa-miR-222*、hsa-miR-223、hsa-miR-223*、hsa-miR-224、hsa-miR-23a、hsa-miR-23a*、hsa-miR-23b、hsa-miR-23b*、hsa-miR-24、hsa-miR-24-1*、hsa-miR-24-2*、hsa-miR-25、hsa-miR-25*、hsa-miR-26a、hsa-miR-26a-1*、hsa-miR-26a-2*、hsa-miR-26b、hsa-miR-26b*、hsa-miR-27a、hsa-miR-27a*、hsa-miR-27b、hsa-miR-27b*、hsa-miR-28-3p、hsa-miR-28-5p、hsa-miR-296-3p、hsa-miR-296-5p、hsa-miR-297、hsa-miR-298、hsa-miR-299-3p、hsa-miR-299-5p、hsa-miR-29a、hsa-miR-29a*、hsa-miR-29b、hsa-miR-29b-1*、hsa-miR-29b-2*、hsa-miR-29c、hsa-miR-29c*、hsa-miR-300、hsa-miR-301a、hsa-miR-301b、hsa-miR-302a、hsa-miR-302a*、hsa-miR-302b、hsa-miR-302b*、hsa-miR-302c、hsa-miR-302c*、hsa-miR-302d、hsa-miR-302d*、hsa-miR-302e、hsa-miR-302f、hsa-miR-30a、hsa-miR-30a*、hsa-miR-30b、hsa-miR-30b*、hsa-miR-30c、hsa-miR-30c-1*、hsa-miR-30c-2*、hsa-miR-30d、hsa-miR-30d*、hsa-miR-30e、hsa-miR-30e*、hsa-miR-31、hsa-miR-31*、hsa-miR-32、hsa-miR-32*、hsa-miR-320a、hsa-miR-320b、hsa-miR-320c、hsa-miR-320d、hsa-miR-323-3p、hsa-miR-323-5p、hsa-miR-324-3p、hsa-miR-324-5p、hsa-miR-325、hsa-miR-326、hsa-miR-328、hsa-miR-329、hsa-miR-330-3p、hsa-miR-330-5p、hsa-miR-331-3p、hsa-miR-331-5p、hsa-miR-335、hsa-miR-335*、hsa-miR-337-3p、hsa-miR-337-5p、hsa-miR-338-3p、hsa-miR-338-5p、hsa-miR-339-3p、hsa-miR-339-5p、hsa-miR-33a、hsa-miR-33a*、hsa-miR-33b、hsa-miR-33b*、hsa-miR-340、hsa-miR-340*、hsa-miR-342-3p、hsa-miR-342-5p、hsa-miR-345、hsa-miR-346、hsa-miR-34a、hsa-miR-34a*、hsa-miR-34b、hsa-miR-34b*、hsa-miR-34c-3p、hsa-miR-34c-5p、hsa-miR-361-3p、hsa-miR-361-5p、hsa-miR-362-3p、hsa-miR-362-5p、hsa-miR-363、hsa-miR-363*、hsa-miR-365、hsa-miR-367、hsa-miR-367*、hsa-miR-369-3p、hsa-miR-369-5p、hsa-miR-370、hsa-miR-371-3p、hsa-miR-371-5p、hsa-miR-372、hsa-miR-373、hsa-miR-373*、hsa-miR-374a、hsa-miR-374a*、hsa-miR-374b、hsa-miR-374b*、hsa-miR-375、hsa-miR-376a、hsa-miR-376a*、hsa-miR-376b、hsa-miR-376c、hsa-miR-377、hsa-miR-377*、hsa-miR-378、hsa-miR-378*、hsa-miR-379、hsa-miR-379*、hsa-miR-380、hsa-miR-380*、hsa-miR-381、hsa-miR-382、hsa-miR-383、hsa-miR-384、hsa-miR-409-3p、hsa-miR-409-5p、hsa-miR-410、hsa-miR-411、hsa-miR-411*、hsa-miR-412、hsa-miR-421、hsa-miR-422a、hsa-miR-423-3p、hsa-miR-423-5p、hsa-miR-424、hsa-miR-424*、hsa-miR-425、hsa-miR-425*、hsa-miR-429、hsa-miR-431、hsa-miR-431*、hsa-miR-432、hsa-miR-432*、hsa-miR-433、hsa-miR-448、hsa-miR-449a、hsa-miR-449b、hsa-miR-450a、hsa-miR-450b-3p、hsa-miR-450b-5p、hsa-miR-451、hsa-miR-452、hsa-miR-452*、hsa-miR-453、hsa-miR-454、hsa-miR-454*、hsa-miR-455-3p、hsa-miR-455-5p、hsa-miR-483-3p、hsa-miR-483-5p、hsa-miR-484、hsa-miR-485-3p、hsa-miR-485-5p、hsa-miR-486-3p、hsa-miR-486-5p、hsa-miR-487a、hsa-miR-487b、hsa-miR-488、hsa-miR-488*、hsa-miR-489、hsa-miR-490-3p、hsa-miR-490-5p、hsa-miR-491-3p、hsa-miR-491-5p、hsa-miR-492、hsa-miR-493、hsa-miR-493*、hsa-miR-494、hsa-miR-495、hsa-miR-496、hsa-miR-497、hsa-miR-497*、hsa-miR-498、hsa-miR-499-3p、hsa-miR-499-5p、hsa-miR-500、hsa-miR-500*、hsa-miR-501-3p、hsa-miR-501-5p、hsa-miR-502-3p、hsa-miR-502-5p、hsa-miR-503、hsa-miR-504、hsa-miR-505、hsa-miR-505*、hsa-miR-506、hsa-miR-507、hsa-miR-508-3p、hsa-miR-508-5p、hsa-miR-509-3-5p、hsa-miR-509-3p、hsa-miR-509-5p、hsa-miR-510、hsa-miR-511、hsa-miR-512-3p、hsa-miR-512-5p、hsa-miR-513a-3p、hsa-miR-513a-5p、hsa-miR-513b、hsa-miR-513c、hsa-miR-514、hsa-miR-515-3p、hsa-miR-515-5p、hsa-miR-516a-3p、hsa-miR-516a-5p、hsa-miR-516b、hsa-miR-517*、hsa-miR-517a、hsa-miR-517b、hsa-miR-517c、hsa-miR-518a-3p、hsa-miR-518a-5p、hsa-miR-518b、hsa-miR-518c、hsa-miR-518c*、hsa-miR-518d-3p、hsa-miR-518d-5p、hsa-miR-518e、hsa-miR-518e*、hsa-miR-518f、hsa-miR-518f*、hsa-miR-519a、hsa-miR-519b-3p、hsa-miR-519c-3p、hsa-miR-519d、hsa-miR-519e、hsa-miR-519e*、hsa-miR-520a-3p、hsa-miR-520a-5p、hsa-miR-520b、hsa-miR-520c-3p、hsa-miR-520d-3p、hsa-miR-520d-5p、hsa-miR-520e、hsa-miR-520f、hsa-miR-520g、hsa-miR-520h、hsa-miR-521、hsa-miR-522、hsa-miR-523、hsa-miR-524-3p、hsa-miR-524-5p、hsa-miR-525-3p、hsa-miR-525-5p、hsa-miR-526b、hsa-miR-526b*、hsa-miR-532-3p、hsa-miR-532-5p、hsa-miR-539、hsa-miR-541、hsa-miR-541*、hsa-miR-542-3p、hsa-miR-542-5p、hsa-miR-543、hsa-miR-544、hsa-miR-545、hsa-miR-545*、hsa-miR-548a-3p、hsa-miR-548a-5p、hsa-miR-548b-3p、hsa-miR-548b-5p、hsa-miR-548c-3p、hsa-miR-548c-5p、hsa-miR-548d-3p、hsa-miR-548d-5p、hsa-miR-548e、hsa-miR-548f、hsa-miR-548g、hsa-miR-548h、hsa-miR-548i、hsa-miR-548j、hsa-miR-548k、hsa-miR-548l、hsa-miR-548m、hsa-miR-548n、hsa-miR-548o、hsa-miR-548p、hsa-miR-549、hsa-miR-550、hsa-miR-550*、hsa-miR-551a、hsa-miR-551b、hsa-miR-551b*、hsa-miR-552、hsa-miR-553、hsa-miR-554、hsa-miR-555、hsa-miR-556-3p、hsa-miR-556-5p、hsa-miR-557、hsa-miR-558、hsa-miR-559、hsa-miR-561、hsa-miR-562、hsa-miR-563、hsa-miR-564、hsa-miR-566、hsa-miR-567、hsa-miR-568、hsa-miR-569、hsa-miR-570、hsa-miR-571、hsa-miR-572、hsa-miR-573、hsa-miR-574-3p、hsa-miR-574-5p、hsa-miR-575、hsa-miR-576-3p、hsa-miR-576-5p、hsa-miR-577、hsa-miR-578、hsa-miR-579、hsa-miR-580、hsa-miR-581、hsa-miR-582-3p、hsa-miR-582-5p、hsa-miR-583、hsa-miR-584、hsa-miR-585、hsa-miR-586、hsa-miR-587、hsa-miR-588、hsa-miR-589、hsa-miR-589*、hsa-miR-590-3p、hsa-miR-590-5p、hsa-miR-591、hsa-miR-592、hsa-miR-593、hsa-miR-593*、hsa-miR-595、hsa-miR-596、hsa-miR-597、hsa-miR-598、hsa-miR-599、hsa-miR-600、hsa-miR-601、hsa-miR-602、hsa-miR-603、hsa-miR-604、hsa-miR-605、hsa-miR-606、hsa-miR-607、hsa-miR-608、hsa-miR-609、hsa-miR-610、hsa-miR-611、hsa-miR-612、hsa-miR-613、hsa-miR-614、hsa-miR-615-3p、hsa-miR-615-5p、hsa-miR-616、hsa-miR-616*、hsa-miR-617、hsa-miR-618、
hsa-miR-619、hsa-miR-620、hsa-miR-621、hsa-miR-622、hsa-miR-623、hsa-miR-624、hsa-miR-624*、hsa-miR-625、hsa-miR-625*、hsa-miR-626、hsa-miR-627、hsa-miR-628-3p、hsa-miR-628-5p、hsa-miR-629、hsa-miR-629*、hsa-miR-630、hsa-miR-631、hsa-miR-632、hsa-miR-633、hsa-miR-634、hsa-miR-635、hsa-miR-636、hsa-miR-637、hsa-miR-638、hsa-miR-639、hsa-miR-640、hsa-miR-641、hsa-miR-642、hsa-miR-643、hsa-miR-644、hsa-miR-645、hsa-miR-646、hsa-miR-647、hsa-miR-648、hsa-miR-649、hsa-miR-650、hsa-miR-651、hsa-miR-652、hsa-miR-653、hsa-miR-654-3p、hsa-miR-654-5p、hsa-miR-655、hsa-miR-656、hsa-miR-657、hsa-miR-658、hsa-miR-659、hsa-miR-660、hsa-miR-661、hsa-miR-662、hsa-miR-663、hsa-miR-663b、hsa-miR-664、hsa-miR-664*、hsa-miR-665、hsa-miR-668、hsa-miR-671-3p、hsa-miR-671-5p、hsa-miR-675、hsa-miR-7、hsa-miR-708、hsa-miR-708*、hsa-miR-7-1*、hsa-miR-7-2*、hsa-miR-720、hsa-miR-744、hsa-miR-744*、hsa-miR-758、hsa-miR-760、hsa-miR-765、hsa-miR-766、hsa-miR-767-3p、hsa-miR-767-5p、hsa-miR-768-3p、hsa-miR-768-5p、hsa-miR-769-3p、hsa-miR-769-5p、hsa-miR-770-5p、hsa-miR-802、hsa-miR-873、hsa-miR-874、hsa-miR-875-3p、hsa-miR-875-5p、hsa-miR-876-3p、hsa-miR-876-5p、hsa-miR-877、hsa-miR-877*、hsa-miR-885-3p、hsa-miR-885-5p、hsa-miR-886-3p、hsa-miR-886-5p、hsa-miR-887、hsa-miR-888、hsa-miR-888*、hsa-miR-889、hsa-miR-890、hsa-miR-891a、hsa-miR-891b、hsa-miR-892a、hsa-miR-892b、hsa-miR-9、hsa-miR-9*、hsa-miR-920、hsa-miR-921、hsa-miR-922、hsa-miR-923、hsa-miR-924、hsa-miR-92a、hsa-miR-92a-1*、hsa-miR-92a-2*、hsa-miR-92b、hsa-miR-92b*、hsa-miR-93、hsa-miR-93*、hsa-miR-933、hsa-miR-934、hsa-miR-935、hsa-miR-936、hsa-miR-937、hsa-miR-938、hsa-miR-939、hsa-miR-940、hsa-miR-941、hsa-miR-942、hsa-miR-943、hsa-miR-944、hsa-miR-95、hsa-miR-96、hsa-miR-96*、hsa-miR-98、hsa-miR-99a、hsa-miR-99a*、hsa-miR-99b、およびhsa-miR-99b*。
【0087】
miRNAは、それが標的とするmRNAの機能を阻害し、結果として、当該mRNAによりコードされるポリペプチドの発現を阻害する。したがって、miRNAの活性を(部分的にまたは完全に)遮断する(例えばmiRNAをサイレンシングする)ことにより、発現が阻害されているポリペプチドの発現を、効果的に誘導するかまたは回復させる(当該ポリペプチドを抑制解除する)ことができる。一態様において、miRNAのmRNA標的によりコードされるポリペプチドの抑制解除は、多様な方法のうちのいずれか1つを通して、細胞におけるmiRNA活性を阻害することにより達成される。例えば、miRNAの活性を遮断することは、当該miRNAに対して相補的または実質的に相補的な低分子干渉核酸(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド、miRNAスポンジ、TuD RNA)とのハイブリダイゼーションを行い、それによりmiRNAとその標的mRNAとの相互作用を遮断することにより、達成することができる。本明細書において用いられる場合、miRNAに対して実質的に相補的な低分子干渉核酸とは、miRNAとハイブリダイズすること、およびmiRNAの活性を遮断することができるものである。いくつかの態様において、miRNAに対して実質的に相補的な低分子干渉核酸は、当該miRNAと、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17または18塩基を除いて完全に相補的な低分子干渉核酸である。いくつかの態様において、miRNAに対して実質的に相補的な低分子干渉核酸配列は、当該miRNAと、少なくとも1塩基において相補的な低分子干渉核酸配列である。
【0088】
「miRNA阻害剤」とは、miRNAの機能、発現および/またはプロセッシングを遮断する剤である。例えば、これらの分子は、これらに限定されないが、マイクロRNA特異的アンチセンス、マイクロRNAスポンジ、タフ・デコイ(tough decoy)RNA(TuD RNA)およびドローシャ複合体とのmiRNAの相互作用を阻害するマイクロRNAオリゴヌクレオチド(二本鎖のヘアピン型の短いオリゴヌクレオチド)を含む。マイクロRNA阻害剤は、上で議論されるとおり、細胞において、rAAVベクターの導入遺伝子から発現させることができる。マイクロRNAスポンジは、相補的な七量体のシード配列(seed sequence)を通してmiRNAを特異的に阻害する(Ebert, M.S. Nature Methods, Epub August, 12, 2007)。いくつかの態様において、単一のスポンジ配列を用いて、miRNAの全ファミリーをサイレンシングすることができる。TuD RNAは、哺乳動物細胞において効率的かつ長期の特異的miRNAの抑制を達成する(例えば、Takeshi Haraguchi, et al., Nucleic Acids Research, 2009, Vol. 37, No. 6 e43を参照;TuD RNAに関するその内容は、本明細書において参考として援用される)。細胞においてmiRNAの機能をサイレンシング(miRNAの標的の抑制解除)するための他の方法は、当業者には明らかであろう。
【0089】
いくつかの態様において、組み換えRNA ベクターのクローニング能力が限定される場合があり、所望されるコード配列が、ウイルスの4.8キロベースのゲノムの完全な置き換えを必要とする場合がある。したがって、大きな遺伝子は、いくつかの場合においては、標準的な組み換えAAVベクターにおける使用のためには好適ではない。当業者は、限定されたコード能力を克服するために、当該分野において選択肢が利用可能であることを理解するであろう。例えば、2つのゲノムのAAV ITRをアニーリングして、ヘッドトゥテイルのコンカテマーを形成させて、ベクターの能力をほぼ2倍にすることができる。スプライス部位の挿入により、転写物からのITRの除去が可能になる。限定されたクローニング能力を克服するための他の選択肢は、当業者には明らかであろう。
【0090】
rAAVベースの遺伝子導入を用いて作製された体細胞トランスジェニック動物モデル
本開示はまた、組み換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベースの方法を用いる疾患の体細胞トランスジェニック動物モデルの作製を含む。方法は、少なくとも部分的に、AAV血清型およびそのバリアントが、成体動物において、組織特異的様式において、効率的かつ安定な遺伝子導入を媒介するという観察に基づく。rAAVエレメント(カプシド、プロモーター、導入遺伝子産物)を組み合わせて、安定な導入遺伝子を時間および組織に特異的な様式において発現する体細胞トランスジェニック動物モデルを達成する。本開示の方法により作製される体細胞トランスジェニック動物は、ヒトの疾患、病理学的状態の有用なモデルとして、および/または機能(例えば、組織特異的、疾患の役割)が未知であるか、完全には理解されていない遺伝子の効果を特徴づけるために役立ち得る。例えば、動物(例えばマウス)に、特異的組織ターゲティング能力(例えば、肝臓、心臓、膵臓)を有するカプシド、および疾患に関与する遺伝子の発現を駆動する組織特異的プロモーターを有する導入遺伝子を含むrAAVを、別個の発達段階(例えば年齢)において感染させることができる。感染すると、rAAVは、標的組織の別個の細胞に感染し、導入遺伝子の産物を生成する。
【0091】
いくつかの態様において、導入遺伝子のコード領域の配列が改変される。改変は、導入遺伝子によりコードされる産物の機能を変更してもよい。次いで、本明細書において開示される方法を用いて体細胞トランスジェニック動物モデルを作製することにより、改変の効果をin vivoで研究することができる。いくつかの態様において、コード領域の配列の改変は、フラグメント(例えば、短縮型バージョン)をもたらすナンセンス変異である。他の場合において、改変は、アミノ酸置換をもたらすミスセンス変異である。他の改変が可能であり、当業者には明らかであろう。
いくつかの態様において、導入遺伝子は、病理学的状態を引き起こす。病理学的状態を引き起こす導入遺伝子は、その産物が疾患または障害において役割を有し(例えば、疾患または障害を引き起こすか、動物を疾患または障害に罹患しやすくし)、動物において当該疾患または障害を誘導し得る遺伝子である。次いで、動物を観察して、疾患の任意の数の側面(例えば、進行、処置に対する応答など)を評価する。これらの例は、限定的であることは意図されず、他の側面および例が本明細書において開示され、以下により詳細に記載される。
【0092】
本開示は、いくつかの側面において、特定の細胞型のターゲティングされた破壊を通して体細胞トランスジェニック動物モデルを作製するための方法を提供する。例えば、1型糖尿病のモデルは、膵臓のベータ島のターゲティングされた破壊により作製することができる。他の例において、特定の細胞型のターゲティングされた破壊は、ヒト疾患に対する特定の細胞型の役割を評価するために用いることができる。このことに関して、細胞毒素(例えばジフテリア毒素A(DTA))をコードする導入遺伝子またはアポトーシス促進遺伝子(NTR、Boxなど)が、特定の細胞型の機能の消失のための導入遺伝子として有用であり得る。その産物が細胞を殺傷する他の例示的な導入遺伝子は、本明細書において開示される方法により包含され、当業者には明らかであろう。
【0093】
本開示は、いくつかの側面において、遺伝子の過剰発現またはノックダウンの長期効果を研究するために、体細胞トランスジェニック動物モデルを作製するための方法を提供する。特定の標的組織における遺伝子の長期の過剰発現またはノックダウン(例えば、shRNA、miRNA、miRNA阻害剤などによるもの)により、正常な代謝バランスを妨害し、病理学的状態を確立し、それにより、例えばがんなどの疾患の動物モデルを作製することができる。本開示は、いくつかの側面において、ターゲティングされた組織における腫瘍発生および遺伝子の機能を研究するために、潜在的癌遺伝子および他の遺伝子の遺伝子の過剰発現またはノックダウンの長期効果を研究するために、体細胞トランスジェニック動物モデルを作製するための方法を提供する。有用な導入遺伝子産物は、がんに関連することが知られているタンパク質およびかかるタンパク質の発現を阻害する低分子干渉核酸を含む。
当業者は、それらが組織特異的病理学的状態および/または疾患の動物モデルを作製するために有用であることを前提として、他の好適な導入遺伝子を容易に選択することができる。
【0094】
組み換えAAV投与方法
rAAVは、当該分野において公知の任意の適切な方法に従って、組成物中で、対象に送達することができる。好ましくは生理学的に適合可能なキャリア中で(例えば組成物中で)懸濁されたrAAVは、対象、例えば宿主動物、例えばヒト、マウス、ラット、ネコ、イヌ、ヒツジ、ウサギ、ウマ、ウシ、ヤギ、ブタ、モルモット、ハムスター、ニワトリ、シチメンチョウ、または非ヒト霊長類(例えばマカク)に投与することができる。いくつかの態様において、宿主動物は、ヒトを含まない。
【0095】
哺乳動物対象へのrAAVの送達は、例えば、筋肉内注射による、または哺乳動物対象の血流中への投与によるものであってよい。血流中への投与は、静脈、動脈、または任意の他の脈管導管中への注射によるものであってもよい。いくつかの態様において、rAAVは、外科の分野において周知の技術である分離式肢灌流により、血流中に投与される。この方法は、本質的に、当業者が、rAAVビリオンの投与に先立って、全身の循環から肢を分離することを可能にする。米国特許第6,177,403号において記載される分離式肢灌流技術のバリアントもまた、当業者により、筋肉の細胞または組織中への形質導入を潜在的に増強するために、分離された肢の脈管構造中にビリオンを投与するために用いられ得る。さらに、ある例においては、ビリオンを対象のCNSに送達することが望ましい場合がある。「CNS」により、脊椎動物の脳および脊髄の全ての細胞および組織が意味される。したがって、この用語は、これらに限定されないが、神経細胞、膠細胞、星状膠細胞、脳脊髄液(CSF)、間質の空間、骨、軟骨などを含む。組み換えAAVは、例えば脳室領域中への、ならびに線条体(例えば、線条体の尾状核もしくは被殻)、脊髄および神経筋接合部、または小脳小葉への注射により、針、カテーテルまたは関連するデバイスにより、定位注射などによる当該分野において公知の神経外科技術を用いて、CNSまたは脳に直接的に送達することができる(例えば、Stein et al., J Virol 73:3424-3429, 1999;Davidson et al., PNAS 97:3428-3432, 2000;Davidson et al., Nat. Genet. 3:219-223, 1993;およびAlisky and Davidson, Hum. Gene Ther. 11:2315-2329, 2000を参照)。
【0096】
本開示の組成物は、rAAVを単独で含んでも、または1もしくは2以上の他のウイルス(例えば、1以上の異なる導入遺伝子を有する第2のrAAV)と組み合わせて含んでもよい。いくつかの態様において、組成物は、各々が1以上の異なる導入遺伝子を有する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより多くの異なるrAAVを含む。
当業者は、rAAVが向けられた適応症を考慮して、好適なキャリアを容易に選択することができる。例えば、1つの好適なキャリアは食塩水を含み、これは多様な緩衝液(例えばリン酸緩衝化食塩水)と共に処方することができる。他の例示的なキャリアとして、無菌食塩水、乳糖、ショ糖、リン酸カルシウム、ゼラチン、デキストラン、寒天、ペクチン、ピーナッツ油、ゴマ油および水が挙げられる。キャリアの選択は、本開示の限定要因ではない。
【0097】
任意に、本開示の組成物は、rAAVおよびキャリアに加えて、他の慣用的な医薬用成分、例えば保存剤または化学安定化剤を含んでもよい。好適な例示的な保存剤として、クロロブタノール、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸、二酸化硫黄、没食子酸プロピル、パラベン類、エチルバニリン、グリセリン、フェノールおよびパラクロロフェノールが挙げられる。好適な化学安定化剤として、ゼラチンおよびアルブミンが挙げられる。
RAAVは、所望される組織の細胞をトランスフェクトするために、ならびに過度の有害効果を伴わずに遺伝子導入および発現の十分なレベルを提供するために、十分な量で投与される。慣用的なおよび薬学的に許容し得る投与の経路として、これらに限定されないが、選択される器官への直接送達(例えば、肝臓への門脈内送達)、経口、吸入(鼻内および気管内送達を含む)、眼内、静脈内、筋肉内、皮下、皮内、腫瘍内、および他の非経口の投与の経路が挙げられる。投与の経路は、所望される場合には組み合わせてもよい。
【0098】
特定の「治療効果」を達成するために必要とされるrAAVビリオンの用量、例えば体重1キログラムあたりのゲノムコピー数(GC/kg)における用量の単位は、これらに限定されないが、rAAVビリオン投与の経路、治療効果を達成するために必要とされる遺伝子またはRNAの発現のレベル、処置される特定の疾患または障害、および遺伝子またはRNA産物の安定性を含むいくつかの要因に基づいて異なるであろう。当業者は、前述の因子、ならびに当該分野において周知の他の因子に基づいて、特定の疾患または障害を有する患者を処置するためのrAAVビリオンの用量の範囲を容易に決定することができる。
【0099】
rAAVの有効量は、動物に感染し、所望される組織をターゲティングするために十分な量である。いくつかの態様において、rAAVの有効量は、安定な体細胞トランスジェニック動物モデルを作製するために十分な量である。有効量は、主に、対象の種、年齢、体重、健康、およびターゲティングされるべき組織などの要因に依存し、したがって、動物および組織の間で異なり得る。例えば、rAAVの有効量は、一般に、約10〜1016のゲノムコピーを含む溶液の約1ml〜約100mlの範囲である。いくつかの場合においては、約1011〜1012のrAAVゲノムコピーの投与量が適切である。ある態様においては、1012のrAAVゲノムコピーが、心臓、 肝臓および膵臓組織をターゲティングするために有効である。いくつかの場合において、安定なトランスジェニック動物は、複数の用量のrAAVにより作製される。
【0100】
いくつかの態様において、rAAV 組成物は、高いrAAV濃度(例えば、約1013GC/mlまたはそれより高い)が存在する場合は特に、組成物中のAAV粒子の凝集を軽減するように処方される。rAAVの凝集を軽減するための方法は、当該分野において周知であり、例えば、界面活性剤の添加、pH調整、塩濃度調整などを含む(例えば、Wright FR, et al., Molecular Therapy (2005) 12, 171-178を参照;その内容は、本明細書において参考として援用される)。
薬学的に許容し得る賦形剤およびキャリア溶液の処方は、当業者に周知であり、多様な処置レジメンにおいて本明細書において記載される特定の組成物を用いるための好適な投与および処置のレジメンの開発も同じである。
【0101】
典型的には、これらの処方物は、少なくとも約0.1%またはそれより多くの活性化合物を含んでもよいが、活性成分のパーセンテージは、無論、変更されてもよく、便利に、全処方物の重量または容積の約1または2%と約70%または80%との間、またはそれより多くであってよい。自然に、各々の治療上有用な組成物中の活性化合物の量は、当該化合物の任意の所与の単位用量において好適な投与量が得られるように調製することができる。溶解度、バイオアベイラビリティー、生物学的半減期、投与の経路、製品の有効期間、ならびに他の薬理学的考慮点などの要因は、かかる医薬処方物を調製する分野における当業者により企図され、したがって、多様な投与量および処置レジメンが望ましい場合がある。
【0102】
ある状況において、rAAVベースの治療用コンストラクトは、本明細書において開示される好適に処方された医薬組成物中で、皮下で、膵臓内で、鼻腔内で、非経口で、静脈内で、筋肉内で、髄腔内で、または経口で、腹腔内で、または吸入により、送達することが望ましい。いくつかの態様において、米国特許第5,543,158号;同第5,641,515号および同第5,399,363号(各々が本明細書においてその全体において特に参考として援用される)において記載されるような投与モダリティーを、rAAVを送達するために用いてもよい。いくつかの態様において、好ましい投与の経路は、門脈注射によるものである。
【0103】
注射可能な用途のために好適な医薬形態は、無菌の水溶液または分散液、および無菌の注射可能な溶液または分散液の即時調製のための無菌の粉末を含む。分散液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびこれらの混合物中で、ならびに油中で、調製することができる。通常の貯蔵および使用の条件下において、これらの調製物は、微生物の増殖を防止するための保存剤を含む。多くの場合、形態は無菌であり、容易な注射針通過性が存在する程度に液体である。それは、製造および貯蔵の条件下において安定でなければならず、細菌および真菌などの微生物の汚染作用に対して保存されなければならない。キャリアは、溶媒または分散媒であってよく、これは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、それらの好適な混合物、および/または植物油を含む。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用により、分散液の場合には必要とされる粒子サイズの維持により、および界面活性剤の使用により、維持することができる。微生物の作用の防止は、多様な抗菌および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによりもたらすことができる。多くの場合、等張化剤、例えば糖または塩化ナトリウムを含むことが好ましいであろう。注射可能な組成物の長期吸収は、組成物中の、吸収を遅延させる剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によりもたらすことができる。
【0104】
注射可能な水溶液の投与のために、例えば、溶液は、必要な場合には好適に緩衝化されていてもよく、液体希釈剤は、初めに十分な食塩水またはブドウ糖により等張性を与えられていてもよい。これらの特定の水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下および腹腔内投与のために特に好適である。このことに関連して、使用することができる無菌の水性の媒質は、当業者には公知であろう。例えば、1回の投与量を、1mlの等張NaCl溶液中で溶解して、1000mlの皮下点滴液に添加しても、または提案される注入の位置に注射してもよい(例えば、「Remington's Pharmaceutical Sciences」、第15版、頁1035〜1038および1570〜1580を参照)。投与量におけるいくつかのバリエーションが、ホストの条件に依存して、必然的に生じる。投与の責任者は、いずれにせよ、個々のホストについての適切な用量を決定するであろう。
【0105】
無菌の注射可能な溶液は、必要とされる量の活性なrAAVを、必要に応じて本明細書において列挙される多様な他の成分と共に、適切な溶媒中に組み込み、その後、無菌濾過することにより、調製される。一般に、分散液は、多様な滅菌された活性成分を、基本的な分散媒および上に列挙されるものからの必要とされる他の成分を含む無菌のビヒクル中に組み込むことにより、調製される。無菌の注射可能な溶液の調製のための無菌の粉末の場合、好ましい調製の方法は、真空乾燥および凍結乾燥技術であり、これは、先に無菌濾過されたその溶液から、活性成分に任意のさらなる所望される成分を加えた粉末を生じる。
【0106】
本明細書において開示されるrAAV 組成物はまた、中性または塩の形態において処方することができる。薬学的に許容し得る塩は、酸付加塩(タンパク質の遊離アミノ酸により形成される)を含み、これは、例えば塩酸もしくはリン酸などの無機酸、または酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸などの有機酸により形成される。遊離のカルボキシル基により形成される塩もまた、例えばナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウムまたは水酸化第二鉄などの無機塩基、およびイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカインなどの有機塩基から誘導することができる。処方に際して、溶液は、投与処方物と適合可能な様式において、および治療上有効な量において、投与する。処方物は、注射可能な溶液、薬物放出カプセルなどの多様な投与形態において、容易に投与される。
【0107】
本明細書において用いられる場合、「キャリア」は、任意のおよび全ての溶媒、分散媒、ビヒクル、コーティング、希釈剤、抗菌および抗真菌剤、等張化剤および吸収遅延剤、緩衝化剤、キャリア溶液、懸濁液、コロイドなどを含む。医薬活性物質のためのかかる媒質および剤の使用は、当該分野において周知である。補足活性成分もまた、組成物中に組み込むことができる。句「薬学的に許容し得る」とは、ホストに投与された場合に、アレルギー性のまたは類似の有害な反応を生じない、分子の実体および組成物を指す。
【0108】
リポソーム、ナノカプセル、微粒子、マイクロスフェア、脂質粒子、ベジクルなどの送達ビヒクルは、好適な宿主細胞中への本開示の組成物の導入のために用いることができる。特に、導入遺伝子を送達するrAAVベクターは、脂質粒子、リポソーム、ベジクル、ナノスフェアまたはナノ粒子などの中に封入して、送達のために処方することができる。
かかる処方物は、本明細書において開示される核酸またはrAAVコンストラクトの薬学的に許容し得る処方物の導入のための好ましい場合がある。リポソームの形成および使用は、当業者に一般的に公知である。最近、血清安定性および循環半減期が改善されたリポソームが開発された(米国特許第5,741,516号)。さらに、潜在的薬物キャリアとしてのリポソームおよびリポソーム様調製物の多様な方法が記載されている(米国特許第5,567,434号;同第5,552,157号;同第5,565,213号;同第5,738,868号および同第5,795,587号)。
【0109】
リポソームは、他の手順によるトランスフェクションに対して通常では耐性の多数の細胞型により、首尾よく用いられてきた。加えて、リポソームは、ウイルスベースの送達系の典型であるDNAの長さの制約を有さない。リポソームは、遺伝子、薬物、放射性治療剤、ウイルス、転写因子およびアロステリックエフェクターを多様な培養細胞株および動物中に導入するために、効果的に用いられてきた。加えて、リポソーム媒介薬物送達の有効性を検証するいくつかの首尾よい臨床治験が完了している。
リポソームは、水性の溶媒中に分散して、多重膜の求心性二層ベジクル(多重膜ベジクル(MLV)とも称される)を自発的に形成するリン脂質から形成される。MLVは、一般に、25nm〜4μmの直径を有する。MLVの超音波処理は、200〜500.ANG.の範囲の直径を有し、コア中に水溶液を含む、小さい単層膜ベジクル(SUV)の形成をもたらす。
【0110】
あるいは、rAAVのナノカプセル処方物を用いてもよい。ナノカプセルは、一般に、物質を安定かつ再現可能な方法において封入することができる。細胞内でのポリマーの過負荷に起因する副作用を回避するために、かかる超微粒子(約0.1μmのサイズ)は、in vivoで分解することができるポリマーを用いて設計すべきである。これらの要件を満たす生分解性ポリアルキルシアノアクリラートナノ粒子が、使用のために企図される。
上記の送達の方法に加えて、以下の技術もまた、rAAV 組成物をホストに送達する代替的方法として企図される。ソノフォレーシス(例えば、超音波)は、米国特許第5,656,016号において、循環系中への、およびこれを通しての、薬物の透過性の速度および効力を増強するためのデバイスとして、用いられ、記載されている。企図される他の薬物送達の選択肢は、骨内注射(米国特許第5,779,708号)、マイクロチップデバイス(米国特許第5,797,898号)、眼用処方物(Bourlais et al., 1998)、経皮マトリックス(米国特許第5,770,219号および同第5,783,208号)ならびにフィードバック制御送達(米国特許第5,697,899号)である。
【0111】
キットおよび関連する組成物
本明細書において記載される剤は、いくつかの態様において、治療、診断または研究用途におけるそれらの使用を容易にするために、医薬または診断または研究用のキットに組み立てられてもよい。キットは、本開示の成分を収容する1以上の容器および使用のための説明を含んでもよい。特に、かかるキットは、本明細書において記載される1以上の剤を、意図される用途およびこれらの剤の適切な使用を記載する説明と共に含んでもよい。ある態様において、キット中の剤は、医薬処方物中で、当該剤の特定の用途のために、および投与の方法のために好適な投与量であってよい。研究目的のための剤は、成分を、多様な実験を行うために適切な濃度または量で含んでよい。
【0112】
キットは、研究者による本明細書において記載される方法の使用を容易にするように設計されてもよく、多くの形態をとることができる。キットの組成物の各々は、適用可能である場合、液体の形態において(例えば溶液中で)、または固体の形態(例えば乾燥粉末)において提供されてもよい。ある場合において、組成物のうちのいくつかは、例えば、キットと共に提供されても提供されなくともよい好適な溶媒または他の種(例えば水もしくは細胞培養培地)の添加により、構成可能(constitutable)または他に処理可能(例えば活性形態に)であってよい。本明細書において用いられる場合、「説明」は、説明および/または宣伝の成分を定義することができ、典型的には、本開示の包装の上に書かれた、またはこれに付随する書面の説明を含む。説明はまた、ユーザーが、説明がキットに付随すべきであることを明らかに理解するような任意の様式において提供される、任意の口頭または電子的説明、例えば、視聴覚的(例えば、ビデオテープ、DVDなど)、インターネット、および/またはウェブベースの伝達などを含む。書面の説明は、医薬または生物学的製品の製造、使用または販売を規制する政府機関により規定された形態におけるものであってよく、この説明はまた、動物投与のための製造、使用または販売の機関による承認を反映するものであってもよい。
【0113】
キットは、本明細書において記載される成分のうちの任意の1以上を、1以上の容器中に含んでもよい。例として、一態様において、キットは、キットの1以上の成分を混合する、および/または試料を単離および混合する、ならびに対象に適用するための説明を含んでもよい。キットは、本明細書において記載される剤を収容する容器を含んでもよい。剤は、液体、ゲルまたは固体(粉末)の形態であってよい。剤は、無菌的に調製し、シリンジ中に包装して、冷蔵で輸送することができる。あるいは、それは、貯蔵のためのバイアルまたは他の容器中に収容してもよい。第2の容器が、無菌的に調製された他の剤を有してもよい。あるいは、キットは、予め混合され、シリンジ、バイアル、チューブまたは他の容器中で輸送される活性剤を含んでもよい。キットは、特定の体細胞動物モデルを作製するためのキットの場合は特に、シリンジ、局所投与デバイス、またはiv用の針、管およびバッグなどの、剤を動物に投与するために必要とされる成分のうちの1以上または全てを有してもよい。
【0114】
いくつかの場合において、方法は、細胞を、非常に低い濃度でプロウイルスAAVゲノムを内部に有する可能性がある組織から単離された全細胞DNAでトランスフェクトすること、ならびにヘルパーウイルス機能(例えばアデノウイルス)を補充して、トランスフェクトされた細胞におけるAAVのrepおよびcap遺伝子の転写を引き起こすこと、および/またはこれをブーストすることを含む。いくつかの場合において、トランスフェクトされた細胞からのRNAが、cDNAのRT-PCR増幅および新規のAAVの検出のための鋳型を提供する。細胞が、プロウイルスAAVゲノムを内部に有する可能性がある組織からの全細胞DNAでトランスフェクトされる場合、しばしば、細胞に、AAV遺伝子の転写を促進する因子を補充することが望ましい。例えば、細胞に、また、アデノウイルスまたはヘルペスウイルスなどのヘルパーウイルスを感染させてもよい。特定の態様において、アデノウイルスによりヘルパー機能が提供される。アデノウイルスは、野生型アデノウイルスであってよく、およびヒトまたは非ヒト由来のものであってよく、好ましくは非ヒト霊長類(NHP)由来であってよい。同様に、非ヒト動物(例えば、チンパンジー、マウス)に感染することが知られているアデノウイルスもまた、本開示の方法において使用することができる(例えば、米国特許第6,083,716号を参照)。野生型アデノウイルスに加えて、必要なヘルパー機能を担持する組み換えウイルスまたは非ウイルスベクター(例えば、プラスミド、エピソームなど)を利用してもよい。かかる組み換えウイルスは、当該分野において公知であり、公開された技術に従って調製することができる。例えば、ハイブリッドAd/AAVウイルスを記載する米国特許第5,871,982号および米国特許第6,251,677を参照。多様なアデノウイルス株が、American Type Culture Collection(Manassas, Va.)から入手可能であり、または、リクエストにより多様な商業的ソースおよび機関のソースから入手可能である。さらに、多くのかかる株の配列は、例えばPubMedおよびGenBankを含む多様なデータベースから入手可能である。
【0115】
細胞はまた、AAVにヘルパー機能を提供するベクター(例えばヘルパーベクター)でトランスフェクトしてもよい。ヘルパー機能を提供するベクターは、例えばE1a、E1b、E2a、E4ORF6を含むアデノウイルスの機能を提供することができる。これらの機能を提供するアデノウイルス遺伝子の配列は、任意の既知のアデノウイルス血清型、例えば血清型2、3、4、7、12および40(さらに当該分野において公知の現在同定されているヒト型のうちの任意のものを含む)から得ることができる。したがって、いくつかの態様において、方法は、細胞を、AAVの複製、AAV遺伝子の転写、および/またはAAVのパッケージングのために必要な1以上の遺伝子を発現するベクターでトランスフェクトすることを含む。
【0116】
いくつかの場合において、新規の単離されたカプシド遺伝子を用いて、当該分野において周知の方法を用いて組み換えAAVベクターを構築およびパッケージングし、当該遺伝子によりコードされる新規のカプシドタンパク質に付随する機能的特徴を決定することができる。例えば、新規の単離されたカプシド遺伝子を用いて、レポーター遺伝子(例えば、B−ガラクトシダーゼ、GFP、ルシフェラーゼなど)を含む組み換えAAV(rAAV)ベクターを構築およびパッケージングすることができる。RAAVベクターを、次いで、動物(例えばマウス)に送達し、動物の多様な組織(例えば、心臓、肝臓、腎臓)におけるレポーター遺伝子の発現を試験することにより、新規の単離されたカプシド遺伝子の組織ターゲティング特性を決定することができる。新規の単離されたカプシド遺伝子を特徴づけるための他の方法は、本明細書において開示され、なお他のものは、当該分野において周知である。
【0117】
キットは、パウチ内に緩やかに包装されたアクセサリー、1以上のチューブ、容器、箱またはバッグと共に、ブリスターパウチ、シュリンク包装されたパウチ、真空密封可能なパウチ、密封可能な熱成型トレイ、または類似のパウチもしくはトレイの形態などの多様な形態を有していてよい。キットを、アクセサリーが付加された後で滅菌してもよく、それにより、容器中の個々のアクセサリーを別途開封することを可能にする。キットは、放射線照射滅菌、熱滅菌または当該分野において公知の他の滅菌方法などの任意の適切な滅菌技術を用いて、滅菌することができる。キットはまた、具体的な用途に依存して、他の成分、例えば容器、細胞培地、塩、バッファー、試薬、シリンジ、針、消毒剤を適用または除去するためのガーゼなどのファブリック、ディスポーザブル手袋、投与前の剤のための支持体などを含んでもよい。
キット内に含まれる説明は、細胞中の潜在型AAVを検出するための方法を含んでもよい。加えて、本開示のキットは、説明、陰性および/または陽性対照、容器、試料のための希釈剤およびバッファー、試料調製用チューブ、および配列比較のための参照AAV配列の印刷されたまたは電子的な表を含んでもよい。
【0118】
以下の例は、請求される発明を説明することを意図するが、決してこれを限定することを意図しない。

例1:新規のAAVカプシドライブラリー
細菌の感染により組織に常在するファージを増幅するペプチドファージディスプレイライブラリーとは異なり、AAVカプシドライブラリーを用いる複数のラウンドのin vivoでの選択は、cap遺伝子全体のPCR増幅と、その後の高効率のクローニングおよび再パッケージングを必要とする。このプロセスの各々の相互作用は、数週間から数か月間を要する。したがって、本発明者らは、より高い多様性の、より多数の野生型AAVカプシド、すなわちAAV1、AAV2、AAV4、AAV5、AAV6、AAV8、AAV9、AAVrh8、AAVrh10、AAVrh39およびAAVrh43に基づく、新たなAAVカプシドライブラリーを作製することを決定した。新たなライブラリーの多様性および複雑性を増大させることに加えて、本発明者らはまた、ライブラリー中の各々のクローンの3’UTR中のユニークなバーコードを用いること、および標的細胞/組織中のそれらの頻度を決定するためにディープシークエンシングを行うこと、およびその後プラスミドライブラリーからのカプシド/バーコード対のPCR増幅による、AAVカプシドライブラリーのin vivoでの選択についての新たなアプローチを検討した(図1を参照)。
【0119】
バーコード付けされたカプシドライブラリーの作製
レンチウイルス−shRNA ライブラリーにおけるユニークなバーコードの包含は、遺伝子機能のゲノムワイドなスクリーニングおよび経路の発見を劇的に加速させた。<100,000個のクローンを有するこれらのライブラリーにおいて、ユニークなバーコードが用られ、バーコードとshRNAとの間の関係は、ハイスループットスクリーニングによりよく特徴づけられた。さらに、240,000個のマイクロアレイに適合するバーコードのユニークなセットが開発された。2×10クローンのライブラリーによる本願について、かかるアプローチを利用することは不可能であった。
【0120】
したがって、本発明者らは、バーコードから特定の制限部位を除去するように設計された制約つきのランダム化された30マー(NNM)10を用いた。この立体配置において可能なバーコードの数は、1.1×1015である。本発明者らは、約1012個のバーコードの等価物を合成し、キメラAAVゲノムの3’非翻訳領域中に挿入した。ライブラリー(2×10)と合成されたバーコードオリゴヌクレオチド(約1012)との間のサイズの差異を考慮すれば、各々のcap遺伝子が異なるバーコードに連結される可能性が高い。本発明者らは、この新たなAAVカプシドライブラリーを作製し、精製されたビリオンのストックからAAVゲノムをPCRで増幅した。シークエンシングにより、各々のクローンが個別の無関係なバーコードを有すること(表1)および全ての増幅されたAAVゲノムがキメラであること(図2)が示された。ここまででは、本発明者らは、パッケージングされたキメラAAVゲノム中に偏りは観察していない。
【表1】
【0121】
このワンステップのin vivoでのAAVカプシド選択アプローチは、ディープシークエンシングにより数百万の配列を同時に分析し、それにより、標的細胞/組織中の個々のバーコードの頻度を評価する能力に依存する。プロセス全体を通して最適化することになる第2の成分は、各々のバーコードに対応するカプシド配列を同定する方法である。古典的な方法により2×10クローンのライブラリー中の全ての単一のクローンをシークエンシングすることは不可能であり、かかる大きなDNA分子のディープシークエンシングは、それらをより小さなフラグメントに切断することを必要とし、これは、これらの新たなcap遺伝子のキメラ的性質についての情報の喪失をもたらすであろう。したがって、本発明者らは、バーコードにおける配列バリエーションを利用して、プラスミドライブラリーを鋳型として各々のバーコードに対応するcap遺伝子を増幅するためのPCRベースの戦略を設計する。
【0122】
AAVカプシドライブラリーの細胞培養試験
本発明者らは、ヒトU87神経膠腫細胞において、10、10、10のゲノムコピー(gc)/標的細胞のAAVライブラリー用量を用いて、実験を行った。細胞をライブラリーに4時間にわたり暴露し、その後、しっかり洗浄し、3日間インキュベートした。バーコードを、粗細胞ライセートから、それらに直近で隣接する定常領域に特異的なプライマーを用いて、PCRで増幅した。PCR生成物をTOPO-TAクローニングプラスミド中にクローニングし、各々のライブラリー用量について、多数のクローンについて、個々のバーコードをシークエンシングした。本発明者らは、全てのライブラリー用量についてクローナルドミナンス(clonal dominance)についての証左を見出したが、特に、最も低い用量において、25クローンのうちの24が、単一のバーコードであった(図3)。実験を繰り返し、異なるバーコードが同定されたにもかかわらず、最も低いライブラリー用量においてクローナルドミナンスの類似の結果を得た。これらの結果は、より低いAAVライブラリー用量が、ストリンジェンシーの増大、およびディープシークエンシングなしでの最も感染性の高いクローンの同定をもたらし得ることを示唆する。
【0123】
in vivo試験
次に、本発明者らは、野生型マウスにおいて、この原理の正当性を試験した。この目的のために、本発明者らは、6〜8週齢のC57BL/6マウスの尾静脈を介して、1E、1E10、1E11および5E11gcの用量で(1用量あたり1マウス)AAVライブラリーを注入した。3日後、本発明者らは、各々のマウスから大脳、小脳、脊髄、肝臓、骨格筋および心臓を回収し、ゲノムDNAを単離した。本発明者らは、大脳および肝臓においてバーコード調査を行った。なぜならば、これら2つの器官は、AAVを含む多くの遺伝子導入ベクターについて、非常に異なる形質導入プロフィールを提示するからである。
【0124】
AAVライブラリーを注入されたマウスの肝臓において、本発明者らは、5E11においてはバーコードドミナンスの証左を見出さなかったが、1Eにおいて、相当な数の外見上大きな比率を占めるクローンを見出した(図3)。対照的に、脳においては、本発明者らは、1Eにおいてはいかなるバーコードも回収することができなかったが、5E11においては、特定のバーコードが明らかに大きな比率を占めることを観察した(図3)。これらの結果は、肝臓はしばしばAAVベクターゲノムの全身送達の後での主要な貯蔵所であるが、一方、脳は有するとしても、しばしば全用量のうちの小さなパーセンテージのみを有するという観察と一致する。したがって、in vivoでの選択ストリンジェンシーは、ライブラリー用量および標的組織に依存すると考えられる。バーコードのディープシークエンシングにより、同じライブラリー用量について、全ての器官において大きな比率を占めるバーコードの同定が可能となり得る。
【0125】
細胞培養およびin vivoにおけるこれらの結果は、単ラウンド選択/パニングの本発明者らの原理が、目的の標的に対する向性を有する新規のキメラAAVカプシドを同定するために十分であり得ることを示唆する。これらの結果はまた、より低いAAVの用量が、選択およびストリンジェンシーの増大をもたらすことも示唆する。先に公開されているバーコード付けされていないAAVカプシドライブラリーについては、DNAがシャッフリングされたライブラリーのキメラ的性質に起因して、ディープシークエンシングによりウイルスの多様性および偏りを推定する能力は全く存在しないので、診断タグとしてのバーコードの存在は重要である。組織バーコードのディープシークエンシングはまた、ロースループットのシークエンシングスクリーニングに固有の潜在的な偏りを迂回するためにも役立ち得る。
【0126】
バーコード付けされたカプシドライブラリーからの脳にターゲティングされたキメラAAVのin vivoでの同定
古典的には、標的組織からのAAVライブラリーのin-vivoでの選択は、標的組織において濃縮された全長キメラcap遺伝子のPCR増幅により、または、アデノウイルスレスキューにより、行われてきた。バーコードを「フィッシング」タグとして用いる本発明者らの単ラウンドin-vivo選択戦略に対する代替的戦略として、本発明者らは、また、標的組織の全DNA単離物から濃縮された全長cap遺伝子を単ラウンドで回収することができるか否かを検討することを決定した。ここで注意すべき重要なことは、このアプローチは「フィッシング」タグとしてのバーコードの使用を必要としないが、それらはなお、ユニークなカプシド配列を互いに区別するために役立つ;1ヌクレオチドのみ異なるキメラカプシド遺伝子ですら、ユニークなバーコードの存在により、各々の他のものと容易に区別することができるということである。
【0127】
上で作製されたAAVカプシドライブラリーを、高タイターのウイルスストックを作製するためにパッケージングし、1E11および5E11vgの2つの用量で、尾静脈を介して成体C57BL/6マウスに静脈内注入した。本発明者らは、全キメラAAVのcap遺伝子にわたる定常領域に特異的な、cap遺伝子に隣接する汎用的なプライマーを用いて、AAVライブラリーを注入されたC57BL/6マウス(先に記述される)の脳および肝臓からの全DNA単離物からの全長cap遺伝子(バーコード領域を含む)のネスティッドPCR増幅を行った。これらのcapは、クローニングベクターを用いてクローニングし、シークエンシングした。上述のバーコードドミナンスと同様に、投与量依存的なcap遺伝子のドミナンスの証左が観察された(図4)。
【0128】
注入の3日後に単離された脳ゲノムDNAからのライブラリーに由来するAAVカプシドのPCR増幅は、4種のキメラカプシドの同定をもたらした。これらは、AAV-B1(配列番号1および5)、AAV-B2(配列番号2および6)、AAV-B3(配列番号3および7)ならびにAAV-B4(配列番号4および8)と命名された。AAV-B1、AAV-B2、AAV-B3およびAAV-B4に対するネイティブなカプシドの寄与を、図19図22において示す。AAV-B1は、1E11vgを注入されたマウスの脳から単離された唯一のカプシドであり、AAV-B2、AAV-B3およびAAV-B4は、より高い用量から同定された3種のカプシドであった。脳から単離された全4種のカプシドは、ヌクレオチドレベルにおいては多様であるにも関わらず(図4および図15)、顕著なタンパク質配列相同性(図16において示される)を共有する。これは、同じマウスの肝臓から単離されたカプシドの多様性と組み合わせて、脳に形質導入するために必要な機能的ドメインの選択を示唆する。
【0129】
肝臓をターゲティングする4種のキメラカプシドもまた同定された。これらは、AAV-L1(配列番号9および13)、AAV-L2(配列番号10および14)、AAV-L3(配列番号11および15)およびAAV-L4(配列番号12および16)と命名された。脳から単離された全4種のカプシドは、ヌクレオチドレベルにおいては多様であるにも関わらず(図17)、顕著なタンパク質配列相同性(図18において示される)を共有する。
本発明者らの次のゴールは、これらの脳選択的AAVカプシドが、成体マウスにおける全身静脈内注入の後で脳への向性を示すか否かを決定することであった。これらのカプシドを用いて、EGFPをコードする自己相補的な組み換えAAVベクター(rAAV-B1〜B4)を作製し、また、新生仔および成体マウスにおけるiv注入の後でのその例外的なCNS向性を考慮して、AAV9を対照として作製した。rAAVベクターを、成体C57BL/6マウス中に、4.6×1011ベクターゲノムの用量で、尾静脈を介して注入した(N=3個体のマウス/rAAVベクター)。注射の4週間後に、脳、脊髄および末梢組織を収集し、免疫蛍光染色によりGFP発現について分析した。
【0130】
全ての新たに選択されたAAVベクターは、脳および脊髄において、AAV9に匹敵するレベルで細胞に形質導入した(図5および図6)。rAAV-B1に由来するrAAVベクターは、CNS内皮で高効率で形質導入した。rAAV-B2〜B4はまた、脳内皮細胞に高効率で形質導入したが、この用量でのAAV9についての本発明者らの知見と同様に、実質におけるほとんどの形質導入された細胞は、膠細胞であると考えられた。rAAV-B2ベクターについての膠細胞の形質導入の程度は、rAAV9ベクターにより観察されたものよりも著しくより高いと考えられた。他の3種のベクター、rAAV-B3およびrAAV-B4もまた、膠細胞に高効率で形質導入した。興味深いことに、肝臓の形質導入は、rAAV-B1およびrAAV-B2について、rAAV9と比較して著しく低かった(図5)が、rAAV-B3およびrAAV-B4を用いた場合にはこれより高かった。
【0131】
無傷の血液脳関門の存在下における、DNAシャッフリングされたAAVウイルスベクターの全身iv送達の後での、CNSにおける効率的な遺伝子導入は、著しく低下した肝臓での形質導入と組み合わせて、本発明者らの知識の及ぶ限り、新規であり、以前には観察されていない。さらに、1ラウンドのみの選択が、効率的な選択のために十分であることが示された。
2つの最も有望なベクター、AAV-B1およびAAV-B2のより高い用量を、成体マウスにおけるそれらの体内分布プロフィールをさらに研究するために用いた。rAAV-B1およびrAAV-B2のより高い用量(2E12vg)の注入は、皮質および海馬のニューロン、内皮および星状膠細胞の形質導入をもたらした(図7)。重要なことに、rAAV-B1およびrAAV-B2ベクターについての肝臓での形質導入効率は、蛍光イメージングにより観察した場合、AAV9よりも劇的に低かった(図8)。
【0132】
rAAV-B1、rAAV-B2、およびAAV9ベクターの体内分布を、異なる組織からのゲノムDNA中のベクターゲノムの定量的PCR(qPCR)、およびウェスタンブロットによるGFP発現レベルにより分析した。分析は、scAAV-CBA-GFPベクターの、成体C57BL/6マウスにおける尾静脈を介した5E11vgの用量でのi.v.注入の4週間後に行った。大脳、小脳および脊髄において、AAV9と比較して著しくより多いrAAV-B1のベクターゲノムを見出した(それぞれ9倍、15倍および6倍)(図9)。しかし、rAAV-B1およびrAAV-B2の両方が、肝臓において、AAV9との比較において著しく低いベクターゲノムを有した(それぞれ4倍および3倍)。これらの観察を、全組織ライセートのウェスタンブロット分析によるGFPの検出により確認した。rAAV-B1およびrAAV-B2を注射された成体C57BL/6マウスの大脳において、AAV9と比較して、より多くのGFPタンパク質が検出された(図10)。対照的に、rAAV-B1およびrAAV-B2を注射されたマウスの肝臓において、AAV9との比較において、より少ないGFPタンパク質が検出された。
【0133】
加えて、rAAV-B2は、およびより高い程度においてrAAV-B1は、AAV9よりも高い程度で末梢組織に形質導入した(図11および図12)。rAAV-B1およびrAAV-B2を注射された両方のマウスの前肢筋肉、後肢筋肉、心臓および膵臓において、AAV9と比較して、著しくより多いベクターゲノムが見出され、これらの組織の各々について、rAAV-B1の形質導入の程度は、rAAV-B2よりも高かった。加えて、rAAV-B1は、腎臓および肺において、AAV9と比較して、著しくより多いベクターゲノムを有した。
【0134】
rAAV-B1-GFPおよびrAAV-B2-GFPベクターを、4〜6週齢の仔ネコ(n=1/ベクター)に、頸動脈を介して、3.5E12vgの用量で注入した。ニューロンおよび星状膠細胞の集団(形態学により同定される)は、両方のネコ脳において形質導入されることが見出された(図13)。rAAV-B2は顕著な星状膠細胞の形質導入を有するが、一方で、rAAV-B1については、形質導入される星状膠細胞の数は、はるかにより少ない。rAAV-B1ネコ脳において、高密度のニューロンを有する位置は、形質導入されていることが見出された。ネコ脳において、いずれのベクターについても、内皮の形質導入は観察されなかった。
【0135】
cap−バーコード対のin vitro同定
本発明者らは、今や、全長カプシド遺伝子PCRによりCNSなどのより広い組織にターゲティングされた単離された新規のAAVカプシドを有するが、この古典的な方法は、血液脳関門を超えてニューロンを高効率で形質導入することができる少数のAAVゲノムにより限定される場合がある。先に、PCRに由来する、アンプリコンのサイズがより小さいライブラリーが、より大きなアンプリコンに由来するものよりも多くのユニークな配列および高い多様性推定値を含むことが示されている。したがって、カプシド遺伝子全体の代わりにバーコードのみを増幅する単ラウンドのin vivo選択戦略は、したがって、本発明者らが、低頻度のイベントから生じ得る微量のウイルスゲノム(例えば、ライブラリー中の、BBBを超えてニューロンに高効率で形質導入することができるAVカプシド)すら増幅することを可能にするであろう。このことは、本発明者らが、1Eおよび1E10の脳からバーコードを引き出すことができた一方で、1E11より低い用量においては、脳から全長カプシド遺伝子を単離することはできなかったという、本発明者らの観察により支持される。
【0136】
バーコードをそれらのユニークなカプシド遺伝子にリンクさせる能力は、この新規のアプローチの成功への鍵である。本発明者らは、ここで、本発明者らがバーコードをその対応するカプシド遺伝子にリンクさせる方法を首尾よく開発したことを報告する。初めに、本発明者らは、rAAV-B1を、本発明者らのスクリーニングのためのそのバーコードを用いて、引き出した。なぜならば、AAV-B1のクローンについてのカプシド遺伝子およびバーコードは、完全にシークエンシングされており、したがって本発明者らが、カプシド−バーコードの関係を知っていたからである。放射活性標識されたrAAV-B1バーコード特異的オリゴによる高密度コロニーハイブリダイゼーションを用いて、本発明者らは、パッケージングされたライブラリー中に存在したAAVゲノムのPCR増幅により作製された二次プラスミドライブラリーをスクリーニングした後で、rAAV-B1カプシド遺伝子を同定することに成功した。図14において表されるのは、rAAV-B1カプシド遺伝子を同定するために用いられたプロセスの模式図である。
【0137】
例2
図23は、成体マウスにおける血管内注入の後でのAAV-B1ベクターのCNS形質導入プロフィールを示す。図23Aは、AAV-B1およびAAV9を注射されたマウス(2×1012vg/マウス)の脳におけるGFP分布の全体像を提供する。十字縫合に対して+0.5mm、−1.80mmおよび−3.00mm(左から右へ)で配置された冠状脳切片の代表的な画像を示す。AAV-B1を注射されたマウス(2×1012vg/マウス)の異なるCNS領域におけるニューロンの集団の形質導入を、図23Bにおいて示す。黒矢印は、形態により同定されたGFP陽性ニューロンの例を示す。バー=50μm。図23Cは、大脳、小脳および脊髄におけるAAVベクターゲノム含有量を示す(N=4個体の動物/群)(5×1011vg/マウス)。月齢が一致する注射されていないマウスを、対象として含めた(示さず)。図23Dは、1群あたり2個体の動物の大脳、小脳および脊髄におけるGFP発現のウェスタンブロット分析を示す(5×1011vg/マウス)。GFPのシグナル強度を、定量的比較のために、対応するβ−アクチンシグナル強度に対して正規化した。Studentの不対t検定により、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001。
【0138】
図24は、ネコにおけるAAV-B1ベクターの全身送達の後でのニューロンの形質導入を示す。AAV-B1ベクターの全身送達(3.4×1012vg)の後のネコ脳におけるニューロンの形質導入。代表的な画像は、脳内の多様な構造におけるニューロンの形態学によるGFP陽性細胞を示す。バー=50μm。
図25は、血管内送達の後でのマウスの肝臓および筋肉へのAAV-B1の体内分布を示す。(図25A)AAV-B1およびAAV9を注射されたマウスの肝臓(2×1012vg/マウス)ならびに(図25D)AAV-B1を注射されたマウスの骨格筋(三頭筋および四頭筋)、横隔膜および心臓(5×1011vg/マウス)におけるネイティブなGFP発現。AAVベクターゲノム含有量(N=4個体の動物/群)(図25B、肝臓;図25E、筋肉群)およびGFP発現のウェスタンブロット分析(N=2個体の動物/群)(図25C、肝臓;図25F、筋肉群)を示す(5×1011vg/マウス)。GFPのシグナル強度を、定量的比較のために、対応するβ−アクチンシグナル強度に対して正規化した。Studentの不対t検定により、*p<0.05、**p<0.01。
【0139】
図26は、AAV-B1の静脈内注入の後でのマウスベータ細胞、肺胞上皮および網膜脈管の形質導入を示す。AAV-B1を注射されたマウス(5×1011vg/マウス)の(図26A)膵臓、(図26D)肺、および(図26G)網膜におけるGFP発現。図26Aにおける白矢印は、GFP陽性のインスリン産生性ベータ細胞を示す。図26G中の挿入図は、個々のGFP陽性血管を示す。AAVベクターゲノム含有量(N=4個体の動物/群)(図26B、膵臓;図26E肺)および図26C。GFP発現のウェスタンブロット分析(N=2個体の動物/群)(図26C、膵臓;図26E肺)を示す。GFPのシグナル強度を、定量的比較のために、対応するβ−アクチンシグナル強度に対して正規化した。Studentの不対t検定により、*p<0.05、****p<0.0001。
【0140】
図27は、AAV-B1の生物物理学的特徴づけを示す。図27Aは、AAV-B1カプシドの予測された分子モデルを示す。図27Bは、AAV-B1(左)およびAAV8(右)の、表面が露出した可変領域IV(VR-IV)を示す。図27Cは、プールされたヒトIVIg中和アッセイを示し、図27Dは、AAV-B1およびAAV9ベクターのCHO細胞結合アッセイを示す。データは、図27Cにおいては平均値±SEMとして、図27Dにおいては平均値±SDとして示す。実験は、N=3の生物学的複製により行った。一元ANOVAにより、*p<0.05。
図28は、シングルラウンドin-vivoバイオパニング戦略の一態様の模式図を提供する。
【0141】
図29は、パッケージングされたウイルスライブラリーのキメラ的性質を示す。図30Aは、パッケージングされたウイルスライブラリーからランダムに単離されたクローン1〜5に対する親のカプシド寄与を示す。図30Bは、アミノ酸レベルでのクローン間の相同性を示す。灰色の領域は相同性を示し;黒線は非相同アミノ酸を示す。アミノ酸組成についての%相同性を計算する。
図30は、脳に存在するカプシドのキメラ的および相同的な性質を示す。(図30A)脳選択的カプシドAAV-B1、-B2、-B3および-B4、ならびに(図30B)無作為に選択された4種の肝臓に存在するバリアントに対する、親のカプシド寄与。(図30C)脳および(図30D)肝臓クローンの間でのアミノ酸レベルにおける相同性。灰色の領域は相同性を示し;黒線は非相同アミノ酸を示す。アミノ酸組成についての%相同性を計算する。
【0142】
図31は、全身送達の後での複数のCNS領域にわたるAAV-B1ベクターの形質導入プロフィールを示す。黒矢印は、GFP陽性ニューロンの例を示す。バー=50μm。
図32は、AAV-B1の全身送達の後でのCNSにおけるGFP陽性細胞の表現型決定を示す。形質導入された細胞は、GFP、汎用的ニューロンマーカーNeuN(図32A図32Bおよび図32D)、線条体の中型有棘ニューロンマーカーDARPP32(図32A)、ドーパミン作動性ニューロンマーカーチロシンヒドロキシラーゼ(TH)(図32B)、プルキンエニューロンマーカーカルビンジン−D−28k(Cal28K)(図32C)、内皮マーカーCD31(図32E)、および成熟乏突起膠細胞マーカーAPC(図32F)に対する抗体を用いる二重免疫蛍光染色により同定した。腹側脊髄におけるGFP陽性ニューロンの大きいサイズ、形態学および場所は、運動ニューロンのアイデンティティーを示唆する。GFP陽性星状膠細胞(図32G)は、それらの形態に基づいて同定した。白矢印は、共局在の例を示す。バー=10μm。
【0143】
図33は、AAV-B1カプシドタンパク質の配列の、AAV8および他の天然のAAV単離物に対する比較を示す。上の二列は、AAV8とAAV-B1との間のアミノ酸配列の類似および相違を強調し、AAV8に対するシングルトン残基バリアントが赤で強調されている。緑で強調された残基は、アラインメント中に存在する9種のAAV種の中に対応するオルトログを有さないバリアント残基を示す。VP1、VP2およびVP3についての翻訳開始部位は、塗りつぶされた三角形で示される。保存されたAAVカルシウム結合モチーフ(Y−X−G−P−G/F)および触媒残基(H−D−X−X−Y)を有するVP1にユニークな領域中の保存されたパルボウイルスホスホリパーゼA2ドメイン(約残基44〜104)は、塗りつぶされた矩形で示される。二次構造エレメントは、対応するテキストおよび以下のシンボルでラベリングされる:βシートB、C、D、E、F、GおよびIは、水平方向の上付きの矢印で示される。IからIXまでの可変ループ(VR)の位置を示す。保存されたαへリックスの位置は、3本の平行な水平方向の線で示される。
【0144】
図34は、全身送達(5×1011vg/マウス)の後でのAAV-B1およびAAV8の体内分布プロフィールの比較を示す。(図34A)CNS、(図34B)肝臓および(図34C)骨格筋(四頭筋)におけるAAVベクターゲノム含有量(N=4個体の動物/群)を示す。Studentの不対t検定により、*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001。
図35は、より低い用量(5×1010vg/マウス)で全身注入されたAAV-B1の体内分布プロフィールを示す。(図35A)CNS、(図35B)筋肉群および(図35C)末梢組織におけるAAVベクターゲノム含有量(N=4個体の動物/群)を示す。Studentの不対t検定により、*p<0.05、**p<0.01。
【0145】
配列リスト
>配列番号1;AAV-B1
ATGGCTGCCGATGGTTATCTTCCAGATTGGCTCGAGGACAACCTCTCTGAGGGCATTCGCGAGTGGTGGGACTTGAAACCTGGAGCCCCGAAGCCCAAAGCCAACCAGCAAAAGCAGGACGACGGCCGGGGTCTGGTGCTTCCTGGCTACAAGTACCTCGGACCCTTCAACGGACTCGACAAGGGGGAGCCCGTCAACGCGGCGGACGCAGCGGCCCTCGAGCACGACAAGGCCTACGACCAGCAGCTCAAAGCGGGTGACAATCCGTACCTGCGGTATAACCACGCCGACGTCGAGTTTCAGGAGCGTCTGCAAGAAGATACGTCTTTTGGGGGCAACCTCGGGCGAGCAGTCTTCCAGGCCAAGAAGAGGGTTCTCGAACCTTTTGGTCTGGTTGAGGAAGGCGCTAAGACGGCTCCTGGAAAGAAACGTCCGGTAGAGCAGTCGCCACAAGAGCCAGACTCCTCCTCGGGCATCGGCAAGAAAGGCCAACAGCCCGCCAGAAAAAGACTCAATTTTGGCCAGACTGGCGACTCAGAGTCAGTTCCAGACCCTCAACCTCTCGGAGAACCTCCAGCAGCGCCCTCTGGTGTGGGACCTAATACAATGGCTGCAGGCGGTGGCGCACCAATGGCAGACAATAACGAGGGCGCCGACGGAGTGGGTAATTCCTCGGGAAATTGGCATTGCGATTCCACATGGATGGGGGACAGAGTCATCACCACCAGCACCCGAACCTGGGCCCTGCCCACCTACAACAACCACCTCTACAAGCAAATCTCCAACGGCACCTCGGGAGGAAGCACCAACGACAACACCTATTTTGGCTACAGCACCCCCTGGGGGTATTTTGATTTCAACAGATTCCACTGCCACTTCTCACCACGTGACTGGCAGCGACTCATCAACAACAACTGGGGATTCCGGCCAAAAAGACTCAGCTTCAAGCTCTTCAACATCCAGGTCAAGGAGGTCACGCAGAATGAAGGCACCAAGACCATCGCCAATAACCTTACCAGCACGATTCAGGTATTTACGGACTCGGAATACCAGCTGCCATACGTCCTCGGCTCCGCGCACCAGGGCTGCCTGCCTCCGTTCCCGGCGGACGTCTTCATGATTCCCCAGTACGGCTACCTTACACTGAACAATGGAAGTCAAGCCGTAGGCCGTTCCTCCTTCTACTGCCTGGAATATTTTCCTTCTCAAATGCTGAGAACGGGCAACAACTTTGAGTTCAGCTACCAGTTTGAGGACGTGCCTTTTCACAGCAGCTACGCGCACAGCCAAAGCCTGGACCGGCTGATGAACCCCCTCATCGACCAGTACCTGTACTACCTGTCTCGGACTCAGTCCACGGGAGGTACCGCAAGAACTCAGCAGTTGCTATTTTCTCAGGCCGGGCCTAATACAATGGCCAATCAGGCAAAGAACTGGCTGCCAGGACCCTGTTACCGCCAACAACGCGTCTCAACGACAACCGGGCAAAACAACAATAGCAACTCTGCCTGGACTGCTGGGACCAAATACCATCTGAATGGAAGAAATTCATTGGCTAATCCTGGCATCGCTATGGCAACACACAAAGACGACGAGGAGCGTTTTTTTCCCAGTAACGGGATCCTGATTTTTGGCAAACAAAATGCTGCCAGAGACAATGCGGATTACAGCGATGTCATGCTCACCAGCGAGGAAGAAATCAAAACCACTAACCCTGTGGCTACAGAGGAATACGGTATCGTGGCAGATAACTTGCAGCAGCAAAACACGGCTCCTCAAATTGGAACTGTCAACAGCCAGGGGGCCTTACCCGGTATGGTCTGGCAGAACCGGGACGTGTACCTGCAGGGTCCCATCTGGGCCAAGATTCCTCACACGGACGGCAACTTCCACCCATCTCCGCTGATGGGCGGCTTTGGCCTGAAACATCCTCCGCCTCAGATCCTGATCAAGAACACGCCTGTACCTGCGGATCCTCCGACCACCTTCAACCAGTCAAAGCTGAACTCTTTCATCACGCAATACAGCACCGGACAGGTCAGCGTGGAAATTGAATGGGAGCTACAGAAGGAAAACAGCAAGCGCTGGAACCCCGAGATCCAGTACACCTCCAACTACTACAAATCTACAAGTGTGGACTTTGCTGTTAATACAGAAGGCGTGTACTCTGAACCCCGCCCCATTGGCACCCGTTACCTCACCCGTAATCTGTAA
【0146】
>配列番号2;AAV-B2
ATGGCTGCCGATGGTTATCTTCCAGATTGGCTCGAGGACAACCTCTCTGAGGGCATTCGCGAGTGGTGGGCGCTGAAACCTGGAGCCCCGAAGCCCAAAGCCAACCAGCAAAAGCAGGACGACGGCCGGGGTCTGGTGCTTCCTGGCTACAAGTACCTCGGACCCTTCAACGGACTCGACAAGGGGGAGCCCGTCAACGCGGCGGACGCAGCGGCCCTCGAGCACGACAAGGCCTACGACCAGCAGCTCAAAGCGGGTGACAATCCGTACCTGCGGTATAACCACGCCGACGCCGAGTTTCAGGAGCGTCTGCAAGAAGATACGTCTTTTGGGGGCAACCTCGGGCGAGCAGTCTTCCAGGCCAAGAAGCGGGTTCTCGAACCTCTCGGTCTGGTTGAGGACGGCGCTAAGACGGCTCCTGGAAAGAAGAGACCAGTAGAGCAGTCACCCCAAGAACCAGACTCCTCCTCGGGCATCGGCAAGAAAGGCCAACAGCCCGCCAGAAAAAGACTCAATTTTGGCCAGACTGGCGACTCAGAGTCAGTTCCAGACCCTCAACCTCTCGGAGAACCTCCAGCAACCCCCGCTGCTGTGGGACCTACTACAATGGCTTCAGGCGGTGGCGCACCAATGGCAGACAATAACGAAGGCGCCGACGGAGTGGGTAGTTCCTCGGGAAATTGGCATTGCGATTCCACATGGCTGGGCGACAGAGTCATCACCACCAGCACCCGAACCTGGGCCCTGCCCACCTACAACAACCACCTCTACAAGCAAATCTCCAACGGGACATCGGGAGGAGCCACCAACGACAACACCTACTTCGGCTACAGCACCCCCTGGGGGTATTTTGACTTTAACAGATTCCACTGCCACTTTTCACCACGTGACTGGCAGCGACTCATCAACAACAACTGGGGATTCCGGCCCAAGAGACTCAGCTTCAAGCTCTTCAACATCCAGGTCAAGGAGGTCACGCAGAATGAAGGCACCAAGACCATCGCCAATAACCTCACCAGCACCATCCAGGTGTTTACGGACTCGGAGTACCAGCTGCCGTACGTTCTCGGCTCTGCCCACCAGGGCTGCCTGCCTCCGTTCCCGGCGGACGTGTTCATGATTCCCCAGTACGGCTACCTAACACTCAACAACGGTAGTCAGGCCGTGGGACGCTCCTCCTTCTACTGCCTGGAATACTTTCCTTCGCAGATGCTGAGAACCGGCAACAACTTCCAGTTTACTTACACCTTCGAGGACGTGCCTTTCCACAGCAGCTACGCCCACAGCCAGAGCTTGGACCGGCTGATGAATCCTCTGATTGACCAGTACCTGTACTACTTGTCTCGGACTCAAACAACAGGAGGCACGGCAAATACGCAGACTCTGGGCTTCAGCCAAGGTGGGCCTAATACAATGGCCAATCAGGCAAAGAACTGGCTGCCAGGACCCTGTTACCGCCAACAACGCGTCTCAACGACAACCGGGCAAAACAACAATAGCAACTTTGCCTGGACTGCTGGGACCAAATACCATCTGAATGGAAGAAATTCATTGGCTAATCCTGGCATCGCTATGGCAACACACAAGGACGACGAGGAGCGTTTTTTTCCCAGTAACGGGATCCTGATTTTTGGCAAACAAAATGCTGCCAGAGACAATGCGGATTACAGCGATGTCATGCTCACCAGCGAGGAAGAAATCAAAACCACTAACCCTGTGGCTACAGAGGAATACGGTATCGTGGCAGATAACTTGCAGCAGCAAAACACGGCTCCTCAAATTGGAACTGTCAACAGCCAGGGGGCCTTACCCGGTATGGTCTGGCAGAACCGGGACGTGTACCTGCAGGGTCCCATCTGGGCCAAGATTCCTCACACGGACGGCAACTTCCACCCGTCTCCGCTGATGGGCGGCTTTGGCCTGAAACATCCTCCGCCTCAGATCCTGATCAAGAACACGCCTGTACCTGCGGATCCTCCGACCACCTTCAACCAGTCAAAGCTGAACTCTTTCATCACGCAATACAGCACCGGACAGGTCAGCGTGGAAATCGAGTGGGAGCTGCAGAAAGAAAACAGCAAGCGCTGGAACCCCGAGATCCAGTACACCTCCAACTACTACAAATCTACAAATGTGGACTTTGCTGTCAACACGGAGGGGGTTTATAGCGAGCCTCGCCCCATTGGCACCCGTTACCTCACCCGCAACCTGTAA
【0147】
>配列番号3;AAV-B3
ATGGCTGCCGATGGTTATCTTCCAGATTGGCTCGAGGACAACCTCTCTGAGGGCATTCGCGAGTGGTGGGCGCTGAAACCTGGAGCCCCGAAGCCCAAAGCCAACCAGCAAAAGCAGGACGACGGCCGGGGTCTGGTGCTTCCTGGCTACAAGTACCTCGGACCCTTCAACGGACTCGACAAGGGGGAGCCCGTCAACGCGGCGGACGCAGCGGCCCTCGAGCACGACAAGGCCTACGACCAGCAGCTCAAAGCGGGTGACAATCCGTACCTGCGGTATAACCACGCCGACGCCGAGTTTCAGGAGCGTCTGCAAGAAGATACGTCTTTTGGGGGCAACCTCGGGCGAGCAGTCTTCCAGGCCAAGAAGCGGGTTCTCGAACCTCTCGGTCTGGTTGAGGAAGGCGCTAAGACGGCTCCTGGAAAGAAACGTCCGGTAGAGCAGTCGCCACAAGAGCCAGACTCCTCCTCGGGCATCGGCAAGACAGGCCAGCAGCCCGCTAAAAAGAGGCTCAATTTTGGTCAGACTGGCGACTCAGAGTCAGTCCCCGACCCACAACCTCTCGGAGAACCTCCAGCAACCCCCGCTGCTGTGGGACCTACTACAATGGCTTCAGGCGGTGGCGCACCAATGGCAGACAATAACGAAGGCGCCGACGGAGTGGGTAATGCCTCAGGAAATTGGCATTGCGATTCCACATGGCTGGGCGACAGANTCATCACCACCAGCACCCGAACATGGGCCTTGCCCACCTATAACAACCACCTCTACAAGCAAATCTCCAGTGCTTCAACGGGGGCCAGCAACGACAACCACTACTTCGGCTACAGCACCCCCTGGGGGTATTTTGATTTCAACAGATTCCACTGCCATTTCTCACCACGTGACTGGCAGCGACTCATCAACAACAATTGGGGATTCCGGCCCAAGAGACTCAACTTCAAGCTCTTCAACATCCAAGTCAAGGAGGTCACGCAGAATGAAGGCACCAAGACCATCGCCAATAACCTCACCAGCACCATCCAGGTGTTTACGGACTCGGAGTACCAGCTGCCGTACGTTCTCGGCTCTGCCCACCAGGGCTGCCTGCCTCCGTTCCCGGCGGACGTGTTCATGATTCCCCAGTACGGCTACCTAACACTCAACAACGGTAGTCAGGCCGTGGGACGCTCCTCCTTCTACTGCCTGGAATATTTTCCATCTCAAATGCTGCGAACTGGAAACAATTTTGAATTCAGCTACACCTTCGAGGACGTGCCTTTCCACAGCAGCTACGCACACAGCCAGAGCTTGGACCGACTGATGAATCCTCTCATCGACCAGTACCTGTACTACTTGTCTCGGACTCAAACAACAGGAGGCACGGCAAATACGCAGACTCTGGGCTTCAGCCAAGGTGGGCCTAATACAATGGCCAATCAGGCAAAGAACTGGCTGCCAGGACCCTGTTACCGCCAACAACGCGTCTCAACGACAACCGGGCAAAACAACAATAGCAACTTTGCCTGGACTGCTGGGACCAAATACCATCTGAATGGAAGAAATTCATTGGCTAATCCTGGCATCGCTATGGCAACACACAAAGACGACGAGGAGCGTTTTTTTCCCAGTAACGGGATCCTGATTTTTGGCAAACAAAATGCTGCCAGAGACAATGCGGATTACAGCGATGTCATGCTCACCAGCGAGGAAGAAATCAAAACCACTAACCCTGTGGCTACAGAGGAATACGGTATCGTGGCAGATAACTTGCAGCAGCAAAACACGGCTCCTCAAATTGGAACTGTCAACAGCCAGGGGACCTTACCCGGTATGGTCTGGCAGAACCGGGACGTGTACCTGCAGGGTCCCATCTGGGCCAAGATTCCTCACACGGACGGCAACTTCCACCCGTCTCCGCTGATGGGCGGCTTTGGCCTGAAACATCCTCCGCCTCAGATCCTGATCAAGAACACGCCTGTACCTGCGGATCCTCCGACCACCTTCAACCAGTCAAAGCTGAACTCTTTCATCACGCAATACAGCACCGGACAGGTCAGCGTGGAAATTGAATGGGAGCTACAGAAGGAAAACAGCAAGCGCTGGAACCCCGAGATCCAGTACACCTCCAATTACTACAAATCTACAAGTGTGGACTTTGCTGTTAATACAGAAGGCGTGTACTCTGAACCCCGCCCCATTGGCACGCGTTTCCTCACCCGTAATCTGTAA
【0148】
>配列番号4;AAV-B4
ATGGCTGCCGATGGTTATCTTCCAGATTGGCTCGAGGACAACCTCTCTGAGGGCATTCGCGAGTGGTGGGCGCTGAAACCTGGAGCCCCGAAGCCCAAAGCCAACCAGCAAAAGCAGGACGACGGCCGGGGTCTGGTGCTTCCTGGCTACAAGTACCTCGGACCCTTCAACGGACTCGACAAGGGGGAGCCCGTCAACGCGGCGGACGCAGCGGCCCTCGAGCACGACAAGGCCTACGACCAGCAGCTCAAAGCGGGTGACAATCCGTACCTGCGGTATAACCACGCCGACGCCGAGTTTCAGGAGCGTCTGCAAGAAGATACGTCTTTTGGGGGCAACCTCGGGCGAGCAGTCTTCCAGGCCAAGAAGCGGGTTCTCGAACCTCTCGGTCTGGTTGAGGAAGGCGCTAAGACGGCTCCTGGAAAGAAACGTCCGGTAGAGCAGTCGCCACAAGAGCCAGACTCCTCCTCGGGCATCGGCAAGACAGGCCAGCAGCCCGCTAAAAAGAGGCTCAATTTTGGCCAGACTGGCGACTCAGAGTCAGTTCCAGACCCTCAACCTCTCGGAGAACCTCCAGCAGCGCCCTCTGGTGTGGGACCTAATACAATGGCTGCAGGCGGTGGCGCACCAATGGCAGACAATAACGAAGGCGCCGACGGAGTGGGTAGTTCCTCGGGAAATTGGCATTGCGATTCCACATGGCTGGGCGACAGAGTCATCACCACCAGCACCCGAACCTGGGCCCTGCCCACCTACAACAACCACCTCTACAAGCAAATCTCCAACGGGACATCGGGAGGAGCCACCAACGACAACACCTACTTCGGCTACAGCACCCCCTGGGGGTATTTTGACTTTAACAGATTCCACTGCCACTTTTCACCACGTGACTGGCAGCGACTCATCAACAACAACTGGGGATTCCGGCCCAAGAGACTCAGCTTCAAGCTCTTCAACATCCAGGTCAAGGAGGTCACGCAGAATGAAGGCACCAAGACCATCGCCAATAACCTCACCAGCACCATCCAGGTGTTTACGGACTCGGAGTACCAGCTGCCGTACGTACTAGGATCCGCTCACCAGGGATGTCTGCCTCCGTTCCCGGCGGACGTGTTCATGATTCCCCAGTACGGCTACCTAACACTCAACAACGGTAGTCAGGCCGTGGGACGCTCCTCCTTCTACTGCCTGGAATATTTTCCATCTCAGATGCTGAGAACGGGCAATAACTTTACCTTCAGCTACACCTTCGAGGACGTGCCTTTCCACAGCAGCTATGCCCACAGCCAGAGCTTGGACCGGCTGATGAATCCTCTGATTGACCAGTACCTGTACTACTTGTCTCGGACTCAAACAACAGGAGGCACGGCAAATACGCAGACTCTGGGCTTCAGCCAAGGTGGGCCTAATACAATGGCCAATCAGGCAAAGAACTGGCTGCCAGGACCCTGTTACCGCCAACAACGCGTCTCAACGACAACCGGGCAAAACAACAATAGCAACTTTGCCTGGACTGCTGGGACCAAATACCATCTGAATGGAAGAAATTCATTGGCTAATCCTGGCATCGCTATGGCAACACACAAAGACGACGAGGAGCGTTTTTTTCCCAGTAACGGGATCCTGATTTTTGGCAAACAAAATGCTGCCAGAGACAATGCGGATTACAGCGATGTCATGCTCACCAGCGAGGAAGAAATCAAAACCACTAACCCTGTGGCTACAGAGGAATACGGTATCGTGGCAGATAACTTGCAGCAGCAAAACACGGCTCCTCAAATTGGAACTGTCAACAGCCAGGGGGCCTTACCCGGTATGGTCTGGCAGAACCGGGACGTGTACCTGCAGGGTCCCATCTGGGCCAAGATTCCTCACACGGACGGCAACTTCCACCCGTCTCCGCTAATGGGAGGATTTGGACTGAAGCACCCACCTCCTCAGATCCTGATCAAGAACACGCCGGTACCTGCGGATCCTCCGACCACCTTCAACCAGTCAAAGCTGTACTCTTTCATCACGCAATACAGCACCGGACAGGTCAGCGTGGAAATTGAATGGGAGCTGCAGAAGGAAAACAGCAAGCGCTGGAACCCCGAGATCCAATACACCTCCAACTACTACAAATCTACAAGTGTGGACTTTGCTGTTAATACAGAAGGCGTGTACTCTGAACCCCGCCCCATTGGCACCCGTTACCTCACCCGTAATCTGTAA
【0149】
>配列番号5;AAV-B1
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWDLKPGAPKPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNAADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADVEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRVLEPFGLVEEGAKTAPGKKRPVEQSPQEPDSSSGIGKKGQQPARKRLNFGQTGDSESVPDPQPLGEPPAAPSGVGPNTMAAGGGAPMADNNEGADGVGNSSGNWHCDSTWMGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISNGTSGGSTNDNTYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLSFKLFNIQVKEVTQNEGTKTIANNLTSTIQVFTDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQAVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFEFSYQFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLSRTQSTGGTARTQQLLFSQAGPNTMANQAKNWLPGPCYRQQRVSTTTGQNNNSNSAWTAGTKYHLNGRNSLANPGIAMATHKDDEERFFPSNGILIFGKQNAARDNADYSDVMLTSEEEIKTTNPVATEEYGIVADNLQQQNTAPQIGTVNSQGALPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPADPPTTFNQSKLNSFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSTSVDFAVNTEGVYSEPRPIGTRYLTRNL
【0150】
>配列番号6;AAV-B2
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPKPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNAADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRVLEPLGLVEDGAKTAPGKKRPVEQSPQEPDSSSGIGKKGQQPARKRLNFGQTGDSESVPDPQPLGEPPATPAAVGPTTMASGGGAPMADNNEGADGVGSSSGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISNGTSGGATNDNTYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLSFKLFNIQVKEVTQNEGTKTIANNLTSTIQVFTDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQAVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFQFTYTFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLSRTQTTGGTANTQTLGFSQGGPNTMANQAKNWLPGPCYRQQRVSTTTGQNNNSNFAWTAGTKYHLNGRNSLANPGIAMATHKDDEERFFPSNGILIFGKQNAARDNADYSDVMLTSEEEIKTTNPVATEEYGIVADNLQQQNTAPQIGTVNSQGALPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPADPPTTFNQSKLNSFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSTNVDFAVNTEGVYSEPRPIGTRYLTRNL
【0151】
>配列番号7;AAV-B3
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPKPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNAADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRVLEPLGLVEEGAKTAPGKKRPVEQSPQEPDSSSGIGKTGQQPAKKRLNFGQTGDSESVPDPQPLGEPPATPAAVGPTTMASGGGAPMADNNEGADGVGNASGNWHCDSTWLGDRXITTSTRTWALPTYNNHLYKQISSASTGASNDNHYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTQNEGTKTIANNLTSTIQVFTDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQAVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFEFSYTFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLSRTQTTGGTANTQTLGFSQGGPNTMANQAKNWLPGPCYRQQRVSTTTGQNNNSNFAWTAGTKYHLNGRNSLANPGIAMATHKDDEERFFPSNGILIFGKQNAARDNADYSDVMLTSEEEIKTTNPVATEEYGIVADNLQQQNTAPQIGTVNSQGTLPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPADPPTTFNQSKLNSFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSTSVDFAVNTEGVYSEPRPIGTRFLTRNL
【0152】
>配列番号8;AAV-B4
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPKPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNAADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRVLEPLGLVEEGAKTAPGKKRPVEQSPQEPDSSSGIGKTGQQPAKKRLNFGQTGDSESVPDPQPLGEPPAAPSGVGPNTMAAGGGAPMADNNEGADGVGSSSGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISNGTSGGATNDNTYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLSFKLFNIQVKEVTQNEGTKTIANNLTSTIQVFTDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQAVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFTFSYTFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLSRTQTTGGTANTQTLGFSQGGPNTMANQAKNWLPGPCYRQQRVSTTTGQNNNSNFAWTAGTKYHLNGRNSLANPGIAMATHKDDEERFFPSNGILIFGKQNAARDNADYSDVMLTSEEEIKTTNPVATEEYGIVADNLQQQNTAPQIGTVNSQGALPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPADPPTTFNQSKLYSFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSTSVDFAVNTEGVYSEPRPIGTRYLTRNL
【0153】
>配列番号9;AAV-L1
ATGGCTGCCGATGGTTATCTTCCAGATTGGCTCGAGGACAACCTCTCTGAGGGCATTCGCGAGTGGTGGGACTTGAAACCTGGAGCCCCGAAACCCAAAGCCAACCAGCAAAAGCAGGACGACGGCCGGGGTCTGGTGCTTCCTGGCTACAAGTACCTCGGACCCTTCAACGGACTCGACAAGGGGGAGCCCGTCAACGCGGCGGATGCAGCGGCCCTCGAGCACGACAAAGCCTACGACCGGCAGCTCGACAGCGGAGACAACCCGTACCTCAAGTACAACCACGCCGACGCGGAGTTTCAGGAGCGCCTTAAAGAAGATACGTCTTTTGGGGGCAACCTCGGACGAGCAGTCTTCCAGGCCAAGAAGAGGGTTCTCGAACCTTTTGGTCTGGTTGAGGAAGGTGCTAAGACGGCTCCTGGAAAGAAACGTCCGGTAGAGCAGTCGCCACAAGAGCCAGACTCCTCCTCGGGCATTGGCAAGACAGGCCAGCAGCCCGCTAAAAAGAGACTCAATTTTGGTCAGACTGGCGACTCAGAGTCAGTCCCCGACCCACAACCTCTCGGAGAACCTCCAGCAACCCCCGCTGCTGTGGGACCTACTACAATGGCTTCAGGTGGTGGCGCACCAGTGGCAGACAATAACGAAGGCGCCGACGGAGTGGGTAGTTCCTCGGGAAATTGGCATTGCGATTCCACATGGCTGGGCGACAGAGTCATCACCACCAGCACCCGAACATGGGCCTTGCCCACCTATAACAACCACCTCTACAAGCAAATCTCCAGTGCTTCGACGGGGGCCAGCAACGACAACCACTACTTCGGCTACAGCACCCCCTGGGGGTATTTTGATTTCAACAGGTTCCACTGCCATTTCTCACCACGTGACTGGCAGCGACTCATCAACAACAATTGGGGATTCCGGCCCAAAAGACTCAACTTCAAGCTGTTCAACATCCAGGTCAAGGAAGTCACGACGAACGAAGGCACCAAGACCATCGCCAATAATCTCACCAGCACCGTGCAGGTCTTTACGGACTCGGAGTACCAGTTACCGTACGTGCTAGGATCCGCTCACCAGGGATGTCTGCCTCCGTTCCCGGCGGACGTCTTCATGGTTCCTCAGTACGGCTATTTAACTTTAAACAATGGAAGCCAAGCCCTGGGACGTTCCTCCTTCTACTGTCTGGAGTATTTCCCATCGCAGATGCTGAGAACGGGCAACAACTTTACCTTTAGCTACACCTTCGAGGACGTGCCTTTCCACAGCAGCTACGCGCACAGCCAGAGCCTGGACAGGCTGATGAATCCCCTCATCGACCAGTACCTGTACTACCTGGTCAGAACGCAAACGACTGGAACTGGAGGGACGCAGACTCTGGCATTCAGCCAAGCGGGTCCTAGCTCAATGGCCAACCAGGCTAGAAATTGGGTGCCCGGACCTTGCTACCGGCAGCAGCGCGTCTCCACGACAACCAACCAGAACAACAACAGCAACTTTGCCTGGACGGGAGCTGCCAAGTTTAAGCTGAACGGCCGAGACTCTCTAATGAATCCGGGCGTGGCAATGGCTTCCCACAAGGATGACGACGACCGCTTCTTCCCTTCGAGCGGGGTCCTGATTTTTGGCAAGCAAGGAGCCGGGAACGATGGAGTGGATTACAGCCAAGTGCTGATTACAGATGAGGAAGAAATCAAGGCTACCAACCCCGTGGCCACAGAAGAATATGGAGCAGTGGCCATCAACAACCAGGCCGCCAATACGCAGGCGCAGACCGGACTCGTGCACAACCAGGGGGTGATTCCCGGCATGGTGTGGCAGAATAGAGACGTGTACCTGCAGGGTCCCATCTGGGCCAAAATTCCTCACACGGACGGCAACTTTCACCCGTCTCCCCTGATGGGCGGCTTTGGACTGAAGCACCCGCCTCCTCAAATTCTCATCAAGAACACACCGGTTCCAGCGGACCCGCCGCTTACCTTCAACCAGGCCAAGCTGAACTCTTTCATCACGCAGTACAGCACCGGACAGGTCAGCGTGGAAATCGAGTGGGAGCTGCAGAAAGAAAACAGCAAACGCTGGAATCCAGAGATTCAATACACTTCCAACTACTACAAATCTACAAATGTGGACTTTGCTGTCAACACGGAGGGGGTTTATAGCGAGCCTCGCCCCATTGGCACCCGTTACCTCACCCGCAACCTGTAA
【0154】
>配列番号10;AAV-L2
ATGGCTGCCGATGGTTATCTTCCAGATTGGCTCGAGGACACTCTCTCTGAAGGAATAAGACAGTGGTGGAAGCTCAAACCTGGCCCACCACCACCAAAGCCCGCAGAGCGGCATAAGGACGACAGCAGGGGTCTTGTGCTTCCTGGCTACAAGTACCTCGGACCCTTCAACGGACTCGACAAGGGGGAGCCCGTCAACGCGGCGGACGCAGCGACCCTCGAGCACGACAAGGCCTACGACCAGCAGCTCAAAGCGGGTGACAATCCGTACCTGCGGTATAACCACGCCGACGCCGAGTTTCAGGAGCGTCTGCAAGAAGATACGTCTTTTGGGGGCNACCTCGGGCGAGCAGTCTTCCAGGCCAAGAAGCGGGTTCTCGAACCTCTCGGTCTGGTTGAGGAAGCTGCTAAGACGGCTCCTGGAAAGAAGAGACCAGTAGAGCCATCACCCCAGCGTTCTCCAGACTCCTCTACGGGCATCGGCAAGAAAGGCCAACAGCCCGCCAGAAAAAGACTCAATTTTGGTCAGACTGGCGACTCAGAGTCAGTTCCAGACCCTCAACCTCTCGGAGAACCTCCAGCAGCGCCCTCTGGTGTGGGACCTAATACAATGGCTGCAGGCGGTGGCGCACCAATGGCAGACAATAACGAAGGCGCCGACGGAGTGGGTAGTTCCTCGGGAAATTGGCATTGCGATTCCACATGGCTGGGCGACAGAGTCATCACCACCAGCACCCGAACCTGGGCCCTGCCCACCTACAACAACCACCTCTACAAGCAAATCTCCAGTGCTTCAACGGGGGCCAGCAACGACAACCACTACTTCGGCTACAGCACCCCCTGGGGGTATTTTGATTTCAACAGATTCCACTGCCATTTCTCACCACGTGACTGGCAGCGACTCATCAACAACAATTGGGGATTCCGGCCCAAGAGACTCAACTTCAAGCTCTTCAACATCCAAGTCAAGGAGGTCACGACGAATGATGGCGTCACGACCATCGCTAATAACCTTACCAGCACGGTTCAAGTCTTCTCGGACTCAGACTATCAGCTCCCGTACGTGCTCGGGTCGGCTCACGAGGGCTGCCTCCCGCCGTTCCCAGCGGACGTTTTCATGATTCCTCAGTACGGCTATTTAACTTTAAACAATGGAAGCCAAGCCCTGGGACGTTCCTCCTTCTACTGTCTGGAGTATTTCCCATCGCAGATGCTGAGAACCGGCAACAACTTTCAGTTCAGCTACACCTTCGAGGACGTGCCTTTCCACAGCAGCTACGCGCACAGCCAGAGCCTGGACAGGCTGATGAATCCCCTCATCGACCAGTACCTGTACTACCTGGTCAGAACGCAAACGACTGGAACTGGAGGGACGCAGACTCTGGCATTCAGCCAAGCGGGTCCTAGCTCAATGGCCAACCAGGCTAGAAATTGGGTGCCCGGACCTTGCTACCGGCAGCAGCGCGTCTCCACGACAACCAACCAGAACAACAACAGCAACTTTGCCTGGACGGGAGCTGCCAAGTTTAAGCTGAACGGCCGAGACTCTCTAATGAATCCGGGCGTGGCAATGGCTTCCCACAAGGATGACGACGACCGCTTCTTCCCTTCGAGCGGGGTCCTGATTTTTGGCAAGCAAGGAGCCGGGAACGATGGAGTGGATTACAGCCAAGTGCTGATTACAGATGAGGAAGAAATCAAGGCTACCAACCCCGTAGCCACAGAAGAATATGGAGCAGTGGCCATCAACAACCAGGCCGCCAATACGCAGGCGCAGACCGGACTCGTGCACAACCAGGGGGTGATTCCCGGAATGGTGTGGCAAGACAGAGACGTATACCTGCAGGGTCCTATTTGGGCCAAAATTCCTCACACGGATGGACACTTTCACCCGTCTCCTCTCATGGGCGGCTTTGGACTTAAGCACCCGCCTCCTCAGATCCTCATCAAAAACACGCCTGTTCCTGCGAATCCTCCGGCAGAGTTTTCGGCTACAAAGTTTGCTTCATTCATCACCCAGTATTCCACAGGACAAGTGAGCGTGGAGATTGAATGGGAGCTGCAGAAAGAAAACAGCAAACGCTGGAATCCCGAAGTGCAGTATACATCTAACTATGCAAAATCTGCCAACGTTGATTTCACTGTGGACAACAATGGACTTTATACTGAGCCTCGCCCCATTGGCACCCGTTACCTCACCCGTCCCCTGTAA
【0155】
>配列番号11;AAV-L3
ATGACTGACGGTTACCTTCCAGATTGGCTAGAGGACAACCTCTCTGAAGGCGTTCGAGAGTGGTGGGCGCTGCAACCTGGAGCCCCGAAGCCCAAAGCCAACCAGCAAAAGCAGGACGACGGCCGGGGTCTGGTGCTTCCTGGCTACAAGTACCTCGGACCCTTCAACGGACTCGACAAGGGGGAGCCCGTCAACGCGGCGGACGCAGCGGCCCTCGAGCACGACAAGGCCTACGACCAGCAGCTCAAAGCGGGTGACAATCCGTACCTGCGGTATAACCACGCCGACGCCGAGTTTCAGGAGCGTCTGCAAGAAGATACGTCTTTTGGGGGCANCCTCGGGCGAGCAGTCTTCCAGGCCAAGAAGCGGGTTCTCGAACCTCTCGGTCTGGTTGAGGAAGGCGCTAAGACGGCTCCTGGAAAGAAACGTCCGGTAGAGCCATCACCCCAGCGTTCTCCAGACTCCTCTACGGGCATCGGCAAGAAAGGCCAACAGCCCGCCAGAAAAAGACTCAATTTTGGTCAGACTGGCGACTCAGAGTCAGTTCCAGACCCTCAACCTCTCGGAGAACCTCCAGCAGCGCCCTCAGGTGTGGGATCTCTTACAATGGCTTCAGGTGGTGGCGCACCAGTGGCAGACAATAACGAAGGTGCCGATGGAGTGGGTAGTTCCTCGGGAAATTGGCATTGCGATTCCCAATGGCTGGGGGACAGAGTCATCACCACCAGCACCCGAACCTGGGCCCTGCCCACCTACAACAATCACCTCTACAAGCAAATCTCCAACAGCACATCTGGAGGATCTTCAAATGACAACGCCTACTTCGGCTACAGCACCCCCTGGGGGTATTTTGACTTCAACAGATTCCACTGCCACTTCTCACCACGTGACTGGCAGCGACTCATCAACAACAACTGGGGATTCCGGCCCAAGAGACTCAGCTTCAAGCTCTTCAACATCCAGGTCAAGGAGGTCACGCAGAATGAAGGCACCAAGACCATCGCCAATAACCTCACCAGCACCATCCAGGTGTTTACGGACTCGGAGTACCAGCTGCCGTACGTTCTCGGCTCTGCCCACCAGGGCTGCCTGCCTCCGTTCCCGGCGGACGTGTTCATGATTCCCCAGTACGGCTACCTAACACTCAACAACGGTAGTCAGGCCGTGGGACGCTCCTCCTTCTACTGCCTGGAATACTTTCCTTCGCAGATGCTGAGAACCGGCAACAACTTCCAGTTTACTTACACCTTCGAGGACGTGCCTTTCCACAGCAGCTACGCCCACAGCCAGAGCTTGGACCGGCTGATGAATCCTCTGATTGACCAGTACCTGTACTACTTGTCTCGGACTCAAACAACAGGAGGCACGGCAAATACGCAGACTCTGGGCTTCAGCCAAGGTGGGCCTAATACAATGGCCAATCAGGCAAAGAACTGGCTGCCAGGACCCTGTTACCGCCAACAACGCGTCTCAACGACAACCGGGCAAAACAACAATAGCAACTTTGCCTGGACTGCTGGGACCAAATACCATCTGAATGGAAGAAATTCATTGGCTAATCCTGGCATCGCTATGGCAACACACAAAGACGACGAGGAGCGTTTTTTTCCCAGTAACGGGATCCTGATTTTTGGCAAACAAAATGCTGCCAGAGACAATGCGGATTACAGCGATGTCATGCTCACCAGCGAGGAAGAAATCAAAACCACTAACCCTGTGGCTACAGAGGAATACGGTATCGTGGCAGATAACTTGCAGCAGCAAAACACGGCTCCTCAAATTGGAACTGTCAACAGCCAGGGGGCCTTACCCGGTATGGTCTGGCAGAACCGGGACGTGTACCTGCAGGGTCCCATCTGGGCCAAGATTCCTCACACGGACGGCAACTTCCACCCGTCTCCGCTGATGGGCGGCTTTGGCCTGAAACATCCTCCGCCTCAGATCCTGATCAAGAACACGCCTGTACCTGCGGATCCTCCGACCACCTTAAACCAGGCCAAGCTGAACTCTTTCATCACGCAATACAGCACCGGACAGGTCAGCGTGGAAATTGAATGGGAGCTGCAGAAGGAAAACAGCAAGCGCTGGAACCCAGAGATTCAGTACACTTCAAACTACTACAAATCTACAAATGTGGACTTTGCTGTCAATACAGAGGGAACTTATAGTGAACCCCGCCCCATTGGCACCAGATTTCTGACTCGTAATCTGTAA
【0156】
>配列番号12;AAV-L4
ATGGCTGCCGATGGTTATCTTCCAGATTGGCTCGAGGACACTCTCTCTGAAGGAATAAGACAGTGGTGGAAGCTCAAACCTGGCCCACCACCACCAAAGCCCGCAGAGCGGCATAAGGACGACAGCAGGGGTCTTGTGCTTCCTGGGTACAAGTACCTCGGCCCCTTCAACGGACTCGACAAGGGGGAGCCCGTCAACGCGGCGGACGCAGCGGCCCTCGAGCACGACAAGGCCTACGACCAGCAGCTCGAAGCGGGTGACAATCCGTACCTGCGGTATAACCACGCCGACGCCGAGTTTCAGGAGCGTCTGCAAGAAGATACGTCTTTTGGGGGCANCCTCGGGCGAGCAGTCTTCCAGGCCAAGAAGCGGGTTCTCGAACCTCTCGGTCTGGTTGAGGAAGGCGCTAAGACGGCTCCTGGAAAGAAGAGACCAGTAGAGCAGTCACCCCAAGAACCAGACTCCTCCTCGGGCATCGGCAGGAAAGGCCAACAGCCCGCCAGAAAAAGACTCAATTTTGGCCAGACTGGCGACTCAGAGTCAGTTCCAGACCCTCAACCTCTCGGAGAACCTCCAGCAGCGCCCTCTGGTGTGGGACCTAATACAATGGCTTCAGGCGGTGGCGCTCCAATGGCAGACAATAACGAAGGCGCCGACGGAGTGGGTAATGCCTCAGGAAATTGGCATTGCGATTCCACATGGCTGGGCGACAGAGTCATCACCACCAGCACCCGCACCTGGGCCTTGCCCACCTACAATAACCACCTCTACAAGCAAATCTCCAGTGCTTCAACGGGGGCCAGCAACGACAACCACTACTTCGGCTACAGCACCCCCTGGGGGTATTTTGATTTCAACAGATTCCACTGCCACTTTTCACCACGTGACTGGCAGCGACTCATCAACAACAATTGGGGATTCCGGCCCAAGAGACTCAACTTCAAACTCTTCAACATCCAGGTCAAGGAGGTCACGCAGAATGAAGGCACTAAGACCATCGCCAATAACCTTACCAGCACGATTCAGGTATTTACGGACTCGGAATACCAGCTGCCGTACGTCCTCGGCTCCGCGCACCAGGGCTGCCTGCCTCCGTTCCCGGCGGACGTCTTCATGATTCCCCAGTACGGCTACCTTACACTGAACAATGGAAGTCAAGCCGTAGGCCGTTCCTCCTTCTACTGCCTGGAATATTTTCCATCTCAAATGCTGCGAACTGGCAACAACTTCCAGTTTACCTACACCTTCGAGGACGTGCCTTTCCACAGCAGCTACGCCCACAGCCAGAGCTTGGACCGGCTGATGAATCCTCTGATTGACCAGTACCTGTACTACTTGTCTCGGACTCAGTCCACAGGAGGAACTCAAGGTACCCAGCAATTGTTATTTTCTCAAGCTGGGCCTGCAAACATGTCGGCTCAGGCTAAGAACTGGCTACCTGGACCTTGCTACCGGCAGCAGCGAGTCTCTACGACACTGTCGCAAAACAACAACAGCAACTTTGCTTGGACTGGTGCCACCAAATATCACCTGAACGGAAGAGACTCTTTGGTAAATCCCGGTGTCGCCATGGCAACCCACAAGGACGACGAGGAACGCTTCTTCCCGTCGAGTGGAGTCCTGATGTTTGGAAAACAGGGTGCTGGAAGAGACAATGTGGACTACAGCAGCGTTATGCTAACCAGCGAAGAAGAAATTAAAACCACTAACCCTGTAGCCACAGAACAATACGGTGTGGTGGTTGATAACTTGCAGCAAACCAATACGGGGCCTATTGTGGGAAATGTCAACAGCCAAGGAGCCTTACCTGGTATGGTCTGGCAGAACCGGGACGTGTACCTGCAGGGTCCCATCTGGGCCAAGATTCCTCACACGGACGGCAACTTCCACCCGTCTCCGCTGATGGGCGGCTTTGGCCTGAAACATCCTCCGCCTCAGATCCTCATCAAAAACACACCTGTACCTGCGGATCCTCCAACGGCCTTCAACAAGGACAAGCTGAACTCTTTCATCACCCAGTATTCTACTGGCCAAGTCAGCGTGGAGATCGAGTGGGAGCTGCAGAAGGAAAACAGCAAGCGCTGGAACCCGGAGATCCAGTACACTTCCAACTATTACAAGTCTAATAATGTTGAATTTGCTGTTAATACTGAAGGTGTATATAGTGAACCCCGCCCCATTGGCACCAGATACCTGACTCGTAATCTGTAA
【0157】
>配列番号13;AAV-L1
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWDLKPGAPKPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNAADAAALEHDKAYDRQLDSGDNPYLKYNHADAEFQERLKEDTSFGGNLGRAVFQAKKRVLEPFGLVEEGAKTAPGKKRPVEQSPQEPDSSSGIGKTGQQPAKKRLNFGQTGDSESVPDPQPLGEPPATPAAVGPTTMASGGGAPVADNNEGADGVGSSSGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISSASTGASNDNHYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTTNEGTKTIANNLTSTVQVFTDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMVPQYGYLTLNNGSQALGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFTFSYTFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLVRTQTTGTGGTQTLAFSQAGPSSMANQARNWVPGPCYRQQRVSTTTNQNNNSNFAWTGAAKFKLNGRDSLMNPGVAMASHKDDDDRFFPSSGVLIFGKQGAGNDGVDYSQVLITDEEEIKATNPVATEEYGAVAINNQAANTQAQTGLVHNQGVIPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPADPPLTFNQAKLNSFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSTNVDFAVNTEGVYSEPRPIGTRYLTRNL
【0158】
>配列番号14;AAV-L2
MAADGYLPDWLEDTLSEGIRQWWKLKPGPPPPKPAERHKDDSRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNAADAATLEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGXLGRAVFQAKKRVLEPLGLVEEAAKTAPGKKRPVEPSPQRSPDSSTGIGKKGQQPARKRLNFGQTGDSESVPDPQPLGEPPAAPSGVGPNTMAAGGGAPMADNNEGADGVGSSSGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISSASTGASNDNHYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTTNDGVTTIANNLTSTVQVFSDSDYQLPYVLGSAHEGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQALGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFQFSYTFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLVRTQTTGTGGTQTLAFSQAGPSSMANQARNWVPGPCYRQQRVSTTTNQNNNSNFAWTGAAKFKLNGRDSLMNPGVAMASHKDDDDRFFPSSGVLIFGKQGAGNDGVDYSQVLITDEEEIKATNPVATEEYGAVAINNQAANTQAQTGLVHNQGVIPGMVWQDRDVYLQGPIWAKIPHTDGHFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPANPPAEFSATKFASFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEVQYTSNYAKSANVDFTVDNNGLYTEPRPIGTRYLTRPL
【0159】
>配列番号15;AAV-L3
MTDGYLPDWLEDNLSEGVREWWALQPGAPKPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNAADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGXLGRAVFQAKKRVLEPLGLVEEGAKTAPGKKRPVEPSPQRSPDSSTGIGKKGQQPARKRLNFGQTGDSESVPDPQPLGEPPAAPSGVGSLTMASGGGAPVADNNEGADGVGSSSGNWHCDSQWLGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISNSTSGGSSNDNAYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLSFKLFNIQVKEVTQNEGTKTIANNLTSTIQVFTDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQAVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFQFTYTFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLSRTQTTGGTANTQTLGFSQGGPNTMANQAKNWLPGPCYRQQRVSTTTGQNNNSNFAWTAGTKYHLNGRNSLANPGIAMATHKDDEERFFPSNGILIFGKQNAARDNADYSDVMLTSEEEIKTTNPVATEEYGIVADNLQQQNTAPQIGTVNSQGALPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPADPPTTLNQAKLNSFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSTNVDFAVNTEGTYSEPRPIGTRFLTRNL
【0160】
>配列番号16;AAV-L4
MAADGYLPDWLEDTLSEGIRQWWKLKPGPPPPKPAERHKDDSRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNAADAAALEHDKAYDQQLEAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGXLGRAVFQAKKRVLEPLGLVEEGAKTAPGKKRPVEQSPQEPDSSSGIGRKGQQPARKRLNFGQTGDSESVPDPQPLGEPPAAPSGVGPNTMASGGGAPMADNNEGADGVGNASGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISSASTGASNDNHYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTQNEGTKTIANNLTSTIQVFTDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQAVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFQFTYTFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLSRTQSTGGTQGTQQLLFSQAGPANMSAQAKNWLPGPCYRQQRVSTTLSQNNNSNFAWTGATKYHLNGRDSLVNPGVAMATHKDDEERFFPSSGVLMFGKQGAGRDNVDYSSVMLTSEEEIKTTNPVATEQYGVVVDNLQQTNTGPIVGNVNSQGALPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPADPPTAFNKDKLNSFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSNNVEFAVNTEGVYSEPRPIGTRYLTRNL
【0161】
>配列番号17;バーコードS4
GTCTCATGCTATTGCTTCGCATCGTCAGAC
>配列番号18;バーコードS5
GCAGGAGTCTTCGGTGCAGTTTGTTACGCA
>配列番号19;バーコードS6
TGATTGGACTAGTCGTGGGAGTTAGCATGC
>配列番号20;バーコードS9
TTATCTGGCGTGTAGGCAGCGGCCTCAGAC
>配列番号21;バーコードS10
TTATACGACTCATATGTGGCATACGTCGTG
>配列番号22;バーコードS11
GGAGCCGAGGAAGACTTGTCCGGGGACTGG
>配列番号23;バーコードS12
GCCGGGGTGTTGGTCTTTGTCTACGATGGC
図1
図2
図3-1】
図3-2】
図3-3】
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15-1】
図15-2】
図15-3】
図15-4】
図16-1】
図16-2】
図17-1】
図17-2】
図17-3】
図17-4】
図18-1】
図18-2】
図19-1】
図19-2】
図20-1】
図20-2】
図20-3】
図21-1】
図21-2】
図21-3】
図22-1】
図22-2】
図22-3】
図22-4】
図23A
図23B
図23C-D】
図24-1】
図24-2】
図25A-C】
図25D
図25E
図25F
図26A-B】
図26C-E】
図26F-G】
図27
図28
図29
図30
図31
図32A-B】
図32C-F】
図33-1】
図33-2】
図33-3】
図33-4】
図33-5】
図34
図35
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]