(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら実施の形態を説明する。なお、以下の説明では、「管理テーブル」等の表現にて各種情報を説明することがあるが、各種情報は、テーブル以外のデータ構造で表現されていてもよい。また、データ構造に依存しないことを示すために「管理テーブル」を「管理情報」と呼ぶことができる。
【0012】
また、「プログラム」を主語として処理を説明する場合がある。そのプログラムは、プロセッサ、例えば、MP(Micro Processor)やCPU(Central Processing Unit)によって実行されるもので、定められた処理をするものである。なお、プロセッサは、適宜に記憶資源(例えばメモリ)及び通信インターフェース装置(例えば、通信ポート)を用いながら処理を行うため、処理の主語がプロセッサとされてもよい。プロセッサは、CPUの他に専用ハードウェアを有していても良い。コンピュータプログラムは、プログラムソースから各コンピュータにインストールされても良い。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバ又は記憶メディアなどで提供されるものであっても良い。
【0013】
また、各要素、例えば、コントローラは番号などで識別可能であるが、各要素を識別可能な情報であれば、名前など他種の識別情報が用いられても良い。本実施例の図及び説明において同一部分には同一符号を付与しているが、本発明が本実施例に制限されることは無く、本発明の思想に合致するあらゆる応用例が本発明の技術的範囲に含まれる。また、特に限定しない限り、各構成要素は複数でも単数でも構わない。
【0014】
<全体システム>
図1
図1は、本発明の一実施形態である商品情報提供システムの構成図である。本発明の一実施形態である商品情報提供システム1は、マルチエレクトリックディスプレイ10、商品陳列棚20、マルチエレクトリックディスプレイ10及び商品陳列棚20を制御する制御装置30、商品情報提供システム1全体の運用を管理する管理サーバ60、マルチエレクトリックディスプレイ10/商品陳列棚20/制御装置30への制御情報や各装置の稼働情報や取得データを取得するための携帯制御端末50から構成される。
【0015】
携帯制御端末50と管理サーバ60と、制御装置30はLAN(Local Arae Network)などのネットワーク40等で接続される。また、携帯制御端末50は、マルチエレクトリックディスプレイ10/商品陳列棚20/制御装置30と無線LAN等でも接続される。また、マルチエレクトリックディスプレイ10/商品陳列棚20/制御装置30の間は、専用のデータ制御線で接続され、各種制御情報やデータが送受信される。更に、マルチエレクトリックディスプレイ10は、多機能携帯電話や多機能携帯タブレットなどのユーザ携帯装置70と無線や赤外線等で接続され、マルチエレクトリックディスプレイ10ないしユーザが各種のデータ、例えば、ユーザに必要と思われる割引クーポンなどの優待券や割引・優待時間帯などのデータが提供される。
【0016】
マルチエレクトリックディスプレイ10は、商品情報を動画や音声で紹介するためのディスプレイ101、マルチエレクトリックディスプレイ10全体を制御する制御部102、視覚刺激部103、聴覚刺激部104、嗅覚刺激部105、触覚刺激部106、味覚刺激部107、ユーザ携帯装置70との通信を行うビーコン送受信部111、他の装置との通信を行う通信部112、マルチエレクトリックディスプレイ10を制御するための各種プログラムやデータを一時的に格納する揮発性記憶デバイスないし恒久的に格納する不揮発性デバイスを有するデータ記憶部113、ユーザの動作を監視するための監視部114、ユーザの移動を検知するため人体センサを有する移動検知部115を備える。
【0017】
視覚刺激部103は、ユーザへの視覚的な刺激を提供する装置で、例えばLEDなどの発光素子である。聴覚刺激部104は、ユーザへの聴覚的な刺激を提供する装置で、例えばスピーカなどの音源発生装置である。嗅覚刺激部105は、ユーザへの嗅覚的な刺激を提供する装置で、例えば各種の香りを発生させる芳香装置である。触覚刺激部106は、ユーザへの触覚的な刺激を提供する装置で、例えば送風機や振動装置などである。味覚刺激部107は、ユーザへの味覚的な刺激を提供する装置で、
図2で説明する試食・試飲食材(ステーキやコーヒーなど)を収めるLED付変色カップやトレーなどである。
【0018】
商品陳列棚20は、RFIDタグ付商品ないしRFIDタグ付容器を陳列する棚210、220、230と、RFIDタグとの間でデータの送受信を行うアンテナ制御部212、222、232から構成される。そして、各アンテナ制御部212、222、232上に商品211、221、231が陳列される。なお、RFIDタグの代わりに、ICタグやICチップ、バーコード(1次元または2次元)等を用いても商品陳列状態の監視をできる。この場合、各アンテナ制御部212、222、232にICタグやICチップの情報を送受信させる機能やバーコード情報を読み取る機能を持たせればよい。
【0019】
制御装置30は、制御装置30全体を制御するCPU301、制御装置30を制御するための各種プログラムやデータを一時的に格納する揮発性記憶デバイスないし恒久的に格納する不揮発性記憶デバイスを有するメモリ302、RFIDタグ(ないしICタグやICチップ等)の状況を管理するRFID管理部303、通信部304、マスタDB310、商品DB311、動画DB312、視覚刺激DB313、聴覚刺激DB314、嗅覚刺激DB315、触覚刺激DB316、味覚刺激DB317、ユーザDB318、分析DB319を備える。
【0020】
マスタDB310は、商品情報(分類、種別、名称、コード、IDなど)、タグ情報(タグシリアル番号(UID)、登録日など)、店舗情報(名称、商品陳列棚ID、陳列位置、陳列開始日・陳列終了日、商品ピックアップ回数、売上個数)で構成されるDBで、
図3のようなテーブル構造である。
【0021】
商品DB311は、商品情報(分類、種別、名称、コード、IDなど)と商品毎にユーザへ与えるアクション情報(刺激情報)及びそのアクションの繰り返し回数を管理するDBで、
図4のようなテーブル構造である。動画DB312は、マルチエレクトリックディスプレイ10のディスプレイ101に商品を動画や音声で紹介するための情報を格納するDBで、
図5のようなテーブル構造である。
【0022】
視覚刺激DB313は、視覚刺激部103で発生させる視覚的刺激を管理するDBで、
図6のようなテーブル構造である。聴覚刺激DB314は、聴覚刺激部104で発生させる聴覚的刺激を管理するDBで、
図7のようなテーブル構造である。嗅覚刺激DB315は、嗅覚刺激部105で発生させる嗅覚的刺激を管理するDBで、
図8のようなテーブル構造である。触覚刺激DB316は、触覚刺激部106で発生させる触覚的刺激を管理するDBで、
図9のようなテーブル構造である。味覚刺激DB317は、味覚刺激部107で発生させる味覚的刺激を管理するDBで、
図10のようなテーブル構造である。
【0023】
ユーザDB318は、ユーザの来店情報と購買行動情報、ユーザへ与えた商品毎のアクション情報を管理するDBで、
図11のようなテーブル構造である。
分析DB319は、商品別ないしユーザ別にアクション情報などを管理するDBで、
図12及び
図13のようなテーブル構造である。詳細については後述する。なお、各種DBは、前述のメモリ302の不揮発性記憶デバイスに格納され、CPU301等により適宜、揮発性記憶デバイスへ読み出されて各種処理で利用され、また処理結果によりDBの内容が更新されて不揮発性記憶デバイスに格納される。
【0024】
<商品&容器イメージ>
図2
図2は、本実施形態で使用される商品及び容器とRFIDタグとの関係を示す図である。本実施形態では、商品(シャンプー211、リンス221、コンディショナー231)にRFIDタグ213/223/233を取り付けて、ユーザが該当商品を手に取る(ピックアップ)ことで商品が商品陳列棚20から離れることをアンテナ制御部212/222/232が検知する。また、試飲用容器(LED付変色カップ)241及び試食用容器(LED付変色トレー)251にもRFIDタグ243/253を取り付けて、ユーザが該当商品を手に取る動作をアンテナ制御部242/252が検知する。なお、試飲用容器241及び試食用容器251に、複数の発光色を発光できるLEDを内蔵させ、容器の色をユーザへのアクション毎に変化させ、食材の印象を高めることを可能としている。
【0025】
<データベース(DB)>
<マスタDB310>
図3
図3は、本実施形態のマスタDB310の構成を示す図である。マスタDB310は、前述のように商品情報、タグ情報、店舗情報を管理するテーブルである。
【0026】
マスタDB310は、項番(#)、商品分類、商品種別、商品名、商品コード、商品ID、タグシリアル番号(UID)、タグ登録日、店舗名、商品陳列棚ID、商品陳列位置、商品陳列開始日、商品陳列終了日、商品ピックアップ回数、売上個数のエントリを有する。例えば、項番(#)が“1”の各エントリには、商品分類が“頭髪用洗剤”、商品種別が“シャンプー”、商品名が“ゴールド・シャンプー”、商品コードが“000001”、商品IDが“001”、タグシリアル番号(UID)が0xFFFFAAAABBBB0001“、タグ登録日が”2014/11/14“、店舗名が”新宿店“、商品陳列棚IDが”123“、商品陳列位置が”上段右“、商品陳列開始日が2015/02/04”、商品陳列終了日が2018/06/02”、商品ピックアップ回数が“12568”、売上個数が“1024”という情報が格納されている。他の項番(#)のエントリも同様である。
【0027】
<商品DB311>
図4
図4は、本実施形態の商品DB311の構成を示す図である。商品DB311は、商品情報と商品毎にユーザへ与えるアクション情報及びそのアクションの繰り返し回数を管理するDBである。
【0028】
商品DB311は、項番(#)、商品分類、商品種別、商品名、商品コード、商品ID、アクション種別、アクションの繰り返し回数のエントリを有する。例えば、項番(#)が“2”の各エントリには、商品分類が“頭髪用洗剤”、商品種別が“シャンプー”、商品名が“プラチナ・シャンプー”、商品コードが“000002”、商品IDが“002”、アクション種別が“ACT01からACT09”、アクションの繰り返し回数が“1から2”という情報が格納される。
【0029】
<動画DB312>
図5
図5は、本実施形態の動画DB312の構成を示す図である。動画DB312は、商品を紹介する映像の種別や説明などの音声などを管理するDBである。
【0030】
動画DB312は、項番(#)、状態、映像種別、音声種別のエントリを有する。例えば、項番(#)が“3”の各エントリには、状態が“通り過ぎる”、映像種別が“映像5”、音声種別が“音声(大)”の情報が格納され、ディスプレイ101にはその動画が映し出される。例えば、売り子の映像が表示され、「ちょっと、お客さん、この商品を見てってや」などの音声が音量を大きくして伝えられる。これにより、お客様(購買者)を商品に引き付ける効果を得ることができる。なお、状態はマルチエレクトリックディスプレイ10の監視部114ないし移動検知部115で取得した購買者の移動動作や仕草で制御部102が判断する。
【0031】
<視覚刺激DB313>
図6
図6は、本実施形態の視覚刺激DB313の構成を示す図である。視覚刺激DB313は、視覚刺激部103で発生させる視覚的刺激を管理するDBである。
【0032】
視覚刺激DB313は、項番(#)、状態、LED表示、LED色、飾りのエントリを有する。例えば、項番(#)が“5”の各エントリには、状態が“商品ピックアップ”、LED表示が“点滅7(周期7)”、LED色が“赤”、飾り(例えば、旗など)の動作が“左回転”という情報を格納されている。このように、購買者の状態により、視覚刺激部103で発生させる視覚的刺激を変えて、商品の印象度を向上させる。
【0033】
<聴覚刺激DB314>
図7
図7は、本実施形態の聴覚刺激DB314の構成を示す図である。聴覚刺激DB314は、聴覚刺激部104で発生させる聴覚的刺激を管理するDBである。
【0034】
聴覚刺激DB314は、項番(#)、状態、種別、音量、楽器種別のエントリを有する。例えば、項番(#)が“1”の各エントリには、状態が“無人”、種別が“説明、音楽、リズム”、種別に対応する音量はそれぞれ“普通、小さい、大きい”で、楽器種別は“なし(−)、ギター、バイオリン”である。このように、マルチエレクトリックディスプレイ10の周りが無人状態の場合、説明、音楽、リズムという音源で購買者を引き付けるようにする。なお、説明、音楽、リズムという3つの音源を同時に使用してもよいし、1つないし2つの音源を使用してもよい。
【0035】
<嗅覚刺激DB315>
図8
図8は、本実施形態の嗅覚刺激DB315の構成を示す図である。嗅覚刺激DB315は、嗅覚刺激部105で発生させる嗅覚的刺激を管理するDBである。
【0036】
嗅覚刺激DB315は、項番(#)、状態、芳香種別、芳香量、芳香噴出頻度のエントリを有する。例えば、項番(#)が“2”の各エントリには、状態が“近づく”、芳香種別が“芳香4(スパイス系:シナモン)”と“芳香5(フローラル系:ラベンダー)”、芳香量はそれぞれ“中”、芳香噴出頻度もそれぞれ“10回/時間”である。なお、芳香種別は1つでもよいし、交互に別な芳香を噴出してもよいし、特定の芳香を連続して噴出し、その後に別な芳香を噴出してもよい。
【0037】
<触覚刺激DB316>
図9
図9は、本実施形態の触覚刺激DB316の構成を示す図である。触覚刺激DB316は、触覚刺激部106で発生させる触覚的刺激を管理するDBである。
【0038】
触覚刺激DB316は、項番(#)、状態、種別、風量/振動量、感触度合いのエントリを有する。感触度合いとは、触覚刺激部106に手で握れて硬度を変化させることができ、手触りも変化させる(波打つ状態の発生と波の数や大きさ(高さ・幅等)を変化させる、突起の数や大きさ(高さ・幅等)を変化させる等)ことができる感触提供手段での刺激を表す。例えば、項番(#)が“3”の各エントリには、状態が“通り過ぎる”、種別が“風3”、“中”、感触度合いはない。
【0039】
なお、種別が“風”や“感触提供手段”の場合、風量や感触だけでなく温度(冷たい、暖かい、熱いなど)や湿度(乾燥度合い等)での刺激を与えてもよい。
【0040】
<味覚刺激DB317>
図10
図10は、本実施形態の味覚刺激DB317の構成を示す図である。味覚刺激DB317は、味覚刺激部107で発生させる味覚的刺激を管理するDBである。
【0041】
味覚刺激DB317は、項番(#)、状態、商品名、商品の種類、容器形状、容器色の各エントリがある。味覚刺激DB317では、状態が“立ち止まる”と商品(試食用または試飲用食材)が収納された容器を取り上げる“商品ピックアップ”の2つのケースでの刺激を想定している。例えば、項番(#)が“5”の各エントリには、状態が“商品ピックアップ”、商品名として“コーヒー”、“ステーキ”がそれぞれ2種類、種類には“ブラック”、“ミルキー”などの飲料商品の種類と、“ミディアム”、“レア”などの食材としての種類(焼き加減)がある。
【0042】
また、それぞれの容器形状は“カップ(小)”、“トレー(小)”の2種類があり、容器色としては“黒”(ブラックコーヒーをイメージ)、“白”(ミルク入りコーヒーをイメージ)、“紫”、“赤”である。これら、容器色はそれぞれの色を容器に直接着色させてもよいし、前述(
図2)のように容器に複数の色を発光できるLEDで、容器色を表現して商品のイメージを向上させてもよい。
【0043】
<ユーザDB318>
図11
図11は、本実施形態のユーザDB318の構成を示す図である。ユーザDB318は、ユーザの来店情報と購買行動情報、ユーザへ与えた商品毎のアクション情報を管理するDBである。
【0044】
ユーザDB318は、項番(#)、店舗ID(店舗名)、来店者(購買者)が所持しているユーザ携帯端末装置の端末ID、来店履歴、購買行動履歴、ユーザへ与えた刺激の組み合わせである提供アクション、購買商品情報のエントリを有する。例えば、項番(#)が“5”の各エントリには、店舗IDが“001(新宿店)”、端末IDが“C9876543”、来店履歴が“2014/11/17 20:05:00”、購買行動履歴が“コンディションナーのピックアップ”、提供アクションが“ACT31”で、購買商品情報が“コンディションナー購入”という情報が格納される。このユーザDB318でユーザの購買行動の動向を把握し分析することが可能となる。なお、提供アクションについては
図14で詳述する。
【0045】
<分析DB319>
図12、
図13
図12は、本実施形態の商品別での分析DB319a及び分析DB319bの構成を示す図である。
図13は、本実施形態のユーザ商品別での分析DB319cの構成を示す図である。分析DB319a及び分析DB319bは、商品別にアクション情報を管理するDBである。分析DB319cは、ユーザ別にアクション情報を管理するDBである。
【0046】
分析DB319aは、例えば、商品分類が“頭髪用洗剤”、商品種別が“シャンプー”、商品名が“ゴールド・シャンプー”、商品コードが“000001”、商品IDが“001”である商品を例としている。分析DB319aは、項番(#)、アクション種別、繰り返し回数、商品ピックアップ(チェック)回数、購買数のエントリを有する。例えば、項番(#)が“1”では、商品名が“ゴールド・シャンプー”に対し“ACT01”のアクションを繰り返し回数が1回で、マルチエレクトリックディスプレイ10が購買者に与えると、商品ピックアップ(チェック)回数は10回で、その結果、2個売れたことが分かる。同様に、繰り返し回数を2回にした場合、商品ピックアップ(チェック)回数が99回に増加し、販売数も30個に増加したことが分かる。アクション種別が“ACT02”も同様である。このように、商品への印象度向上と購買意欲の促進を向上できるアクション種別と、そのアクションの繰り返し回数を分析することが、分析DB319aで行うことができる。
【0047】
分析DB319bは、商品毎の分析DB319aを1つに纏めたDBである。分析DB319aは、項番(#)、商品分類、商品種別、商品名、商品コード、商品ID、効果的なアクション種別、最適な繰り返し回数のエントリを有する。例えば、前述の分析DB319aでの商品名が“ゴールド・シャンプー”は項番(#)が“1”で、商品分類が“頭髪用洗剤”、商品種別が“シャンプー”、商品コードが“000001”、商品IDが“001”、効果的なアクション種別が“ACT02”、最適な繰り返し回数が“2回”であることが分かる。つまり、分析DB319aの項番(#)が“5”のエントリから、ACT02を2回繰り返すことで最大の100個のゴールド・シャンプーが販売できたことが分かる。
【0048】
分析DB319cは、項番(#)、ユーザ端末ID、来店回数、効果的なアクション種別、繰り返し回数のエントリを有する。例えば、項番(#)が“2”のエントリには、ユーザ端末IDが“G5678910”、来店回数が“7回”、効果的なアクション種別が“ACT57”、繰り返し回数が“2回”という情報が格納されており、ACT57というアクションを2回繰り返すと、ユーザ端末IDが“G5678910”というユーザ携帯装置を所持する購買者(ユーザ)の購買意欲が向上すると、この分析DB319cから分かる。
【0049】
<アクション管理テーブル>
図14
図14は、本実施形態のユーザへ与えるアクションの種別を管理するアクション管理テーブル320の構成を示す図である。本アクション管理テーブル320は、マルチエレクトリックディスプレイ10の記憶部113ないし制御装置30のメモリ302に格納される。
【0050】
アクション管理テーブル320は、項番(#)、アクション種別、状態(購買者の行動)、動画種別、視覚刺激種別、聴覚刺激種別、嗅覚刺激種別、触覚刺激種別、味覚刺激種別のエントリを有する。
図14ではアクション種別がACT01を例としているが、他のアクション、ACT02からACT09やACT10からACT18などでも、刺激種別を組み合わせたアクション内容を構成する。この様々なアクションとそのアクション繰り返し回数で、好適な商品の購買者への印象付けや購買促進を図る。
【0051】
<アクション処理>
図15
図15は、本実施形態のユーザへ与えるアクション処理を示すフローチャート図である。以下、動作の主体をマルチエレクトリックディスプレイ10の制御部102ないし制御装置30のCPU301とする。
【0052】
S1501で、マルチエレクトリックディスプレイ10の制御部102は、まず、無人状態でのアクション動作を実施する。無人状態でのアクション動作は、制御部102が商品DB311や分析319に基づいて、動画DB312、刺激関連DB(視覚刺激DB313から味覚刺激DB317)ないしアクション管理テーブル320で管理されているアクション種別から所定のアクション動作を選択し、ディスプレイ101、視覚刺激部103、聴覚刺激部104、嗅覚刺激部105、触覚刺激部106、味覚刺激部107を選択されたアクションで動作させる。なお、味覚刺激部107は前述のように動作なしでもよい。
【0053】
次に、S1502で、制御部102は、移動検知部115の情報を取得する。移動検知部115は、人体センサを備えており購買者(ユーザ)の有無や距離情報(接近ないし離散情報)を検知する。
S1503で、制御部102は、購買者(ユーザ)が接近しているかを判断する。購買者(ユーザ)が接近していると判断した場合(S1503:Yes)、制御部102はS1504を実行し、接近していないと判断した場合(S1503:No)は、S1502を再び実行する。
【0054】
S1504で、制御部102は、接近時のアクション動作を実施する。接近時のアクション動作は、無人状態でのアクション動作と同じように、制御部102が商品DB311や分析319に基づいて、動画DB312、刺激関連DB(視覚刺激DB313から味覚刺激DB317)ないしアクション管理テーブル320で管理されているアクション種別から所定のアクション動作を選択し、ディスプレイ101、視覚刺激部103、聴覚刺激部104、嗅覚刺激部105、触覚刺激部106、味覚刺激部107を選択されたアクションで動作させる。
【0055】
S1505で、制御部102は、移動検知部115の情報を取得する。
S1506で、制御部102は、S1506で取得した情報から、購買者(ユーザ)が通過したかを判断する。購買者(ユーザ)が通過したと判断された場合(S1506:Yes)、制御部102はS1501を再び実行し、通過しないで立ち止まる可能性が高いと判断された場合(S1506:No)は、S1507を実行する。
S1507で、制御部102は、通過時のアクション動作を実施して、商品陳列棚20及びディスプレイ101に購買者(ユーザ)を引き付けるようにする。
【0056】
S1508で、制御部102は、監視部114の情報を取得する。
S1509で、制御部102は、S1508で取得した情報から、購買者(ユーザ)が立ち止まるかを判断する。購買者(ユーザ)が立ち止まったと判断された場合(S1509:Yes)、制御部102(ないしはCPU301)はS1599を実行し、立ち止まらず通過したと判断された場合(S1506:No)は、S1510を実行する。S1599の購買情報更新処理については、
図16で詳述する。
S1510で、制御部102は、購買者(ユーザ)が立ち去ったので、アクション動作を通過時のアクション動作から無人状態でのアクション動作に切り換えて実施する。
【0057】
S1511で、制御部102は、立ち止まり時のアクション動作を実施する。
S1512で、制御部102は、監視部114及びタグ情報取得部212/222/232の情報を取得する。監視部114では、購買者(ユーザ)の行動、すなわち商品の視認・ピックアップ・元の位置に戻す等の動作を監視し、それを行動情報とする。また、タグ情報取得部212/222/232は、購買者(ユーザ)がピックアップした商品情報を商品に取り付けたタグのタグ情報で判断する。これは、商品をピックアップせず、触っているだけの状態を把握するため、監視部114及びタグ情報取得部212/222/232の情報を取得する。
【0058】
S1513で、制御部102は、商品を取り上げたかをS1512で取得した行動情報ないしタグ情報で判断する。商品を取り上げた場合(S1513:Yes)、制御部102は、取り上げた製品情報等で購買情報を更新(S1599)し、S1514を実行する。商品を取り上げなかった場合(S1513:No)、制御部102は、商品を取り上げなかったという結果の情報等で購買情報を更新(S1599)し、S1518を実行する。
【0059】
S1514で、制御部102は、商品の取り上げ時のアクション動作を実施すると共に監視部114の情報を取得する。
S1515で、制御部102は、商品を戻したかを判断する。商品を戻した場合(S1515:Yes)、制御部102は、S1518を実行する。商品を戻さない場合(S1515:No)、制御部102は、S1516を実行する。
【0060】
S1516で、制御部102は、監視部114の情報を取得する。
S1517で、制御部102は、S1516で取得した情報から購買者(ユーザ)が商品を買い物カゴに入れたかを判断する。購買者(ユーザ)が商品を買い物カゴに入れた場合(S1517:Yes)、制御部102は、S1599を実行し商品情報、アクション情報等で購買情報を更新する。商品を買い物カゴに入れない場合(S1517:No)、制御部102は、S1515を実行する。
【0061】
S1518で、制御部102は、監視部114の情報を取得する。
S1519で、制御部102は、S1518で取得した情報で、購買者(ユーザ)が立ち去ったかを判断する。購買者(ユーザ)が立ち去った場合(S1519:Yes)、制御部102は、S1520を実行する。購買者(ユーザ)が立ち去らない場合(S1519:No)、制御部102は、再びS1512を実行する。
S1520で、制御部102は、立ち去り時のアクション動作を実施する。
【0062】
S1521で、制御部102は、監視部114の情報を取得する。
S1522で、制御部102は、ディスプレイ101や商品陳列棚20周辺が無人状態になったかを判断する。無人状態になった場合(S1522:Yes)、制御部102は、S1523を実行する。無人状態になっていない場合(S1522:No)、制御部102は、S1512を実行する。
S1523で、制御部102は、無人状態でのアクション動作を再び実施する。
【0063】
このように、購買者の位置情報や接近情報、商品への接触情報により、マルチエレクトリックディスプレイ10から購買者へ与える刺激を変えることで、商品の印象度を向上することができる。
【0064】
<購買情報更新処理>
図16
図16は、本実施形態の購買情報の更新処理を示すフローチャート図である。以下、動作の主体を制御装置30のCPU301ないしマルチエレクトリックディスプレイ10の制御部102とする。なお、S1599の処理が実行されることで
図16の処理が開始される。
【0065】
S1601で、CPU301は、来店情報でユーザ情報を更新する。つまり、CPU301は、ユーザDB318の内容をユーザの来店情報(来店日時、店舗名、購買行動、購買商品など)で更新する。
S1602で、CPU301は、監視部114で取得した情報を制御部102経由で取得する。そして、CPU301は、取得した情報から購買者(ユーザ)が商品を視認したかを判断する。商品を視認している場合(S1602:Yes)、CPU301はS1603を実行する。視認していない場合(S1602:No)、CPU301は購買情報の更新処理を終了する。
S1603で、CPU301は、監視部114が取得した購買者(ユーザ)の行動情報(商品の視認行為)でユーザDB318のユーザ情報及び商品購買情報を更新する。
【0066】
S1604で、CPU301は、監視部114が取得した購買者(ユーザ)の行動情報を制御部102経由で取得する。そして、CPU301は、取得した情報から購買者(ユーザ)が商品をチェックしたかを判断する。購買者(ユーザ)が商品をチェックした場合(S1604:Yes)、CPU301はS1605を実行する。購買者(ユーザ)が商品をチェックしない場合(S1604:No)、CPU301はS1606を実行する。
S1605で、CPU301は、購買者(ユーザ)がチェックした商品情報でユーザDB318のユーザ情報及び商品購買情報を更新する。
【0067】
S1606で、CPU301は、監視部114が取得した購買者(ユーザ)の行動情報を制御部102経由で取得する。そして、CPU301は、取得した情報から購買者(ユーザ)が商品を購入したかを判断する。購買者(ユーザ)が商品を購入した場合(S1606:Yes)、CPU301はS1607を実行する。購買者(ユーザ)が商品を購入しない場合(S1606:No)、CPU301はS1608を実行する。
S1607で、CPU301は、購買者(ユーザ)が購入した商品情報でユーザDB318のユーザ情報及び商品購買情報を更新する。合わせて、CPU301は、購入商品情報でマスタDB310も更新する。
【0068】
S1608で、CPU301は、購買者(ユーザ)に示したアクション情報でユーザDB318のユーザ情報及び商品購買情報を更新する。最後に、CPU301は、更新されたマスタDB310及びユーザDB318に基づいて、商品別の分析DB319a及び319b、ユーザ別の分析DB319cを更新する。そして、CPU301は、本購買情報の更新処理を終了する。
【0069】
以上の処理で、購買者の購買行動及び実際に購入した商品情報、購買者に与えたアクション情報を管理できる。また、管理された各種情報を分析することで、効果的なアクション動作を把握できるので、購買者での購買意欲の向上を図れる。
【0070】
<商品情報提供イメージ>
図17
図17は、本実施形態の商品情報提供システムにおける購買者への商品印象付けのイメージを示す図である。まず、マルチエレクトリックディスプレイ10の移動検知部115は購買者が有無及び接近状況を検知する。移動検知部115が購買者の接近を検知すると、制御部102は後述の動作を開始する。
【0071】
制御部102は、ユーザ携帯装置70を所持する購買者HMに、ディスプレイ101から動画DB312の情報に従い映像と説明等の音声を与える。それと並行して視覚刺激部103としてLED173を用いて、視覚刺激DB313の情報に従い視覚的な刺激を購買者HMに与える。
【0072】
同様に、聴覚刺激部104として、スピーカ174を用いて聴覚刺激DB314の情報に従い、聴覚的な刺激を購買者HMに与える。また、嗅覚刺激部105として、芳香装置175を用いて嗅覚刺激DB315の情報に従い、嗅覚的な刺激(芳香ARM)を購買者HMに与える。
【0073】
触覚刺激部106として風WDの温度を変更可能な送風装置1781、振動装置1782、粘性・手触り発生装置1783を設け、触覚刺激DB316の情報に従い風や振動等の触覚的な刺激を購買者HMに与える。
【0074】
味覚刺激部107として試食・試飲棚177に陳列したLED付変色カップ241ないしLED付変色トレー251に試食・試飲用食材を格納しておき、味覚刺激DB316の情報に従い所定の容器色を表示させる。その容器色を試食ないし試飲の結果で味覚的な刺激を購買者HMに与える。
【0075】
監視部114は、購買者HMの表情や仕草などの動作をカメラ等で監視し、その動作情報を制御部102に送る。制御部102は、監視部114からの動作情報を制御装置30のCPU301に送り、CPU301はユーザDB318にその情報を格納する。なお、ユーザの識別は、購買者HMの所持するユーザ携帯装置70から端末IDを含むビーコンをビーコン送受信部111が受信して行う。
【0076】
また、CPU301は、その動作情報に基づいて分析DB319から好適なアクション情報を1つ以上取得する。そして、CPU301は、取得したアクション情報を携帯制御端末50に送信し表示部(図示せず)にそのアクション情報を表示する。マルチエレクトリックディスプレイ10の運用管理者は、表示されたアクション情報から好適と思われるアクション情報を選択し、選択されたアクション情報を携帯制御端末50が受け付ける。
【0077】
以上のように、マルチエレクトリックディスプレイ10を有する商品情報提供システム1は、購買者の五感に商品イメージに適した刺激を与えることができる。そのため、商品情報提供システム1により、商品イメージを購買者への強く印象付けることができ、商品の印象度も向上できる。そのため、商品情報提供システム1は、商品の購買を促進させ、経済の活性化を増進できる。
【0078】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。
【0079】
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置いてもよい。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。