特許第6842543号(P6842543)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6842543
(24)【登録日】2021年2月24日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】パルス電磁場を提供するマッサージ機器
(51)【国際特許分類】
   A61N 2/04 20060101AFI20210308BHJP
   A61H 7/00 20060101ALI20210308BHJP
【FI】
   A61N2/04
   A61H7/00 322J
   A61H7/00 323T
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-530633(P2019-530633)
(86)(22)【出願日】2017年8月29日
(65)【公表番号】特表2019-528145(P2019-528145A)
(43)【公表日】2019年10月10日
(86)【国際出願番号】KR2017009453
(87)【国際公開番号】WO2018044054
(87)【国際公開日】20180308
【審査請求日】2019年2月20日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0111022
(32)【優先日】2016年8月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518358871
【氏名又は名称】ボディーフレンド カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BODYFRIEND Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】パク,サンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】カン,ウンチョル
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,スヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,チョルジン
(72)【発明者】
【氏名】コン,ドクヒョン
【審査官】 北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−102919(JP,A)
【文献】 特許第5036249(JP,B2)
【文献】 特開2016−144546(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0158176(US,A1)
【文献】 特開2009−247547(JP,A)
【文献】 特開2014−100181(JP,A)
【文献】 特開2007−259882(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3009733(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3117797(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3051342(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 2/00 − 2/12
A61H 7/00 − 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の脊椎ラインに沿ってマッサージするための背もたれ部と、使用者の腕の少なくとも一部をマッサージするための左右一対のアームレスト部と、使用者の脚の少なくとも一部をマッサージするために該使用者の脹脛が挿入される足マッサージ部と、使用者の肩の少なくとも一部をマッサージするための肩マッサージ部と、を含み、パルス電磁場を提供するマッサージ機器において、
前記背もたれ部に設けられ、使用者の身体に沿って上下方向で移動可能なマウントフレームと、前記マウントフレームから突出するように左右方向に所定の間隔を置いて該マウントフレームに複数設けられ、前記使用者の身体を加圧する指圧モジュールと、を含むマッサージユニット;
前記マウントフレームに固定されることにより前記マウントフレームと一緒に移動し、印加される電源により使用者の身体にパルス電磁場を提供するパルス電磁場発生器;及び
前記マッサージユニットの上下方向の移動速度、及び前記マッサージユニットに含まれる前記指圧モジュールの上下方向の位置に応じて、前記パルス電磁場発生器が前記指圧モジュールの加圧部位から離れた使用者の身体部位に前記パルス電磁場を提供するように制御するコントローラー;を含み、
前記複数の指圧モジュールの夫々は、所定の位置に設置されたモーターの駆動力により上下又は左右の方向に移動する揺動レバーと、前記揺動レバーの移動に応じて動作するマッサージアーム及びマッサージローラーと、を含み、
前記パルス電磁場発生器は、前記マッサージローラーより後方に位置し、且つ、前記複数の指圧モジュールの間に配設され、
前記パルス電磁場発生器は、前記マッサージローラーが使用者の身体を加圧している間に該使用者の身体にパルス電磁場を提供し、
前記パルス電磁場発生器は、前記マウントフレームに設けられたコアと、前記コアの外側に巻かれて電源を印加されるコイルと、前記コア及び前記コイルの外側を囲むように設けられた不導体の保護カバーと、を含み、
前記パルス電磁場発生器は、上下方向に所定の間隔を置いて複数が前記マウントフレームに固定される、パルス電磁場を提供するマッサージ機器。
【請求項2】
前記パルス電磁場発生器の外側を囲むように設置され、発生したパルス電磁場を前記使用者の身体側へ誘導する誘導部材を更に含む、請求項1に記載のパルス電磁場を提供するマッサージ機器。
【請求項3】
前記誘導部材は、前記使用者の身体側に行くほど直径が大きいコーン状からなる、請求項2に記載のパルス電磁場を提供するマッサージ機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマッサージ機器に関するものであって、さらに詳細にはパルス電磁場(PEMF;Pulsed Electro Magnetic Field)を提供するマッサージ機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近ウェルビーイングや週5日制の趨勢に合わせて、自分の肉体的な健康増進のために多くの時間と費用を投資しており、老若男女、年齢層にかかわらず、健康管理、健康維持、健康増進に対する人々の認識が高まっている。特に、多くの人々は疾患の早期発見あるいは予防を目的に、病院などの医療施設で専門家の診断や助言を受けているだけでなく、いわゆるスポーツジムのような非医療施設を利用して自分の健康管理や維持または増進のために努力している。
【0003】
また、家庭やヘルスクラブなどで自分の健康および体力を維持または増進したり、あるいは疲労回復、ストレス解消として活用される器具、例えばランニングマシンのような運動器具やマッサージ機器などが開発されて実生活に広く使われている。
【0004】
マッサージとは、手や特殊な器具で体をなでたり、揉んだり、押したり、引っ張ったり、叩いたり、動かしたりして血液の循環を助け、疲れが取れるようにする医療補助療法の一つである。機械的装置によってマッサージを遂行する器具をマッサージ機器と言い、マッサージ機器は効果的なマッサージのために多様な機械要素が使われている。
【0005】
このようなマッサージ機器としては、使用者が気楽に座ってマッサージを受けることができるマッサージチェアの形態が主に使用されるが、このようなマッサージ機器は使用者が気楽に座ってマッサージを受けることができるように、座席部と背もたれ部、アームレスト部、足マッサージ部などで構成され、それぞれの部分には使用者の脊椎と臀部、太腿、脹脛、腕等に沿って移動しながらマッサージをするマッサージユニットが備えられている。
【0006】
しかし、従来のマッサージ機器のマッサージユニットは、単に身体を揉んだり叩くなどの機能しか遂行しないため、身体の筋肉の疲れを取る効果しか提供することができず、使用者の病気や疾患の治療や予防効果を提供できないのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
マッサージ動作の遂行だけでなくパルス電磁場(PEMF;Pulsed Electro Magnetic Field)を発生させるマッサージ機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した課題を解決するために、下記のようなパルス電磁場を提供するマッサージ機器が提供される。
【0009】
パルス電磁場を提供するマッサージ機器は、使用者の身体に沿って移動可能に設けられるマウントフレームおよびマウントフレームに突出するように設置されて使用者の身体を加圧する指圧モジュールを含むマッサージユニット;マウントフレームに指圧モジュールと独立して設置され、印加される電源によってパルス電磁場を発生させるパルス電磁場発生器;および指圧モジュールの動作またはパルス電磁場の発生を制御するコントローラー;を含むことができる。
【0010】
パルス電磁場発生器は、複数個で設けられ得る。
【0011】
複数のパルス電磁場発生器は、大きさまたは形態の異なるパルス電磁場発生器を含むことができる。
【0012】
パルス電磁場発生器は、指圧モジュールの間に配置され得る。
【0013】
コントローラーは、パルス電磁場の発生時点、発生終了時点、周波数、周期、幅、強度、および形態のうち少なくとも一つを制御することができる。
【0014】
コントローラーは、指圧モジュールの動作と連動してパルス電磁場が発生するように制御することができる。
【0015】
コントローラーは、マッサージユニットの位置、移動速度、マッサージモード、およびマッサージ経過時間のうち少なくとも一つに基づいてパルス電磁場の発生を制御することができる。
【0016】
パルス電磁場発生器は、使用者の身体側に行くほど直径が大きくなるコーン(cone)状に設けられ、発生したパルス電磁場を使用者の身体側に誘導する誘導部材を含むことができる。
【0017】
コントローラーは、5〜15Hzのパルス電磁場が発生するように制御するパルス電磁場を提供することができる。
【0018】
パルス電磁場を提供するマッサージ機器は、ハウジングに設置され、空気による膨張および収縮を繰り返しながら使用者の身体を加圧するエアーセル;ハウジングの後面にエアーセルと独立して設置され、印加される電源によってパルス電磁場を発生させるパルス電磁場発生器;およびエアーセルの動作またはパルス電磁場の発生を制御するコントローラー;を含むこともできる。
【発明の効果】
【0019】
前述したマッサージ機器によると、マッサージユニットにマッサージ動作を遂行する指圧モジュールまたはエアーセルとは別途にパルス電磁場発生器が設置され、パルス電磁場を発生させることができる。
【0020】
また、マッサージ動作が遂行される間、身体組織の細胞の活性化または損傷した細胞の治癒などのパルス電磁場による効果を提供することができる。したがって、マッサージ動作なしにパルス電磁場だけを提供する場合、または連続的な電磁場だけを提供する場合と比べて、使用者の疲労感を軽減させたり、疾患や病気を治療または予防する効果を倍加させることができる。
【0021】
また、パルス電磁場発生器が指圧モジュールまたはエアーセルと独立して配置されることによって、指圧モジュールまたはエアーセルによって加圧されない近隣部位にまでパルス電磁場を提供するなどの電磁場による効果範囲を広げることができ、独立的に脱着または取り換えが可能であるため、マッサージ機器の管理費用を節減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】パルス電磁場を提供するマッサージ機器の一実施例に係る斜視図。
図2図1に図示されたマッサージ機器から被覆材を除去して示した正面図。
図3】機械式マッサージユニットの動作を説明するための図面。
図4】機械式マッサージユニットの構造を説明するための図面。
図5】パルス電磁場発生器が設置されたマッサージユニットの一実施例に係る正面図。
図6】パルス電磁場発生器が設置されたマッサージユニットの他の実施例に係る正面図。
図7】電磁場発生器の一実施例に係る形態を示した断面図。
図8】誘導部材が設置されたパルス電磁場発生器の一実施例に係る形態を示した断面図。
図9】空圧式マッサージユニットが設置された足マッサージ部の一実施例に係る正面図。
図10】空圧式マッサージユニットが設置された足マッサージ部の一実施例に係る断面図。
図11】マッサージ機器の制御のための構成を示したブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書に記載された実施例と図面に図示された構成は開示された発明の好ましい一例に過ぎず、本出願の出願時点において本明細書の実施例と図面を代替できる多様な変形例が存在し得る。
【0024】
以下、添付された図面を参照してパルス電磁場を提供するマッサージ機器を後述された実施例により具体的に説明する。図面で同じ符号は同じ構成要素を表す。
【0025】
図1はパルス電磁場を提供するマッサージ機器の一実施例に係る斜視図であり、図2図1に図示されたマッサージ機器で被覆材を除去して示した正面図である。
【0026】
図1および図2を参照すると、マッサージ機器はマッサージ機器の外観を形成する本体10、本体10に着座した使用者にパルス電磁場を提供し、マッサージ動作を遂行するマッサージユニット20、およびマッサージユニット20の動作を制御するコントローラー(図11の50参照)を含む。ここで、パルス電磁場は印加される電源のオン/オフによりパルス形態で発生する電磁場を意味する。
【0027】
本体10はマッサージ機器の骨格をなすハウジング10aおよびハウジング10aを覆うように設置される被覆材10bを含む。また、本体10は座席部11、背もたれ部12、左右一対のアームレスト部13、足マッサージ部14、および肩マッサージ部15を含むことができる。座席部11、背もたれ部12、アームレスト部13、肩マッサージ部15、および足マッサージ部14の後面には、それぞれの部位に対応してマッサージ動作を遂行するマッサージユニット20が設けられ得る。
【0028】
マッサージユニット20は本体10に着座した使用者の身体、例えば、背中、肩、首、太腿、骨盤、腕、および足を叩いたり、揉んだり、または撫でるなどで加圧してマッサージ動作を遂行できる。
【0029】
マッサージユニット20は複数個で設けられ得る。例えば、マッサージユニット20は座席部11および背もたれ部12に対応するマッサージユニット20、アームレスト部13に対応するマッサージユニット20、肩マッサージ部15に対応するマッサージユニット20、および足マッサージ部14に対応するマッサージユニット20を含むことができる。
【0030】
複数のマッサージユニット20は機械式マッサージユニットまたは空圧式マッサージユニットで設けられ得る。ここで、機械式マッサージユニットは、モーターの駆動力によって使用者の身体を加圧する指圧モジュール23を具備したマッサージユニットすなわち、機械式で動作するマッサージユニットを意味し、空圧式マッサージユニットは、空気の注入および引き出しによって膨張および収縮を繰り返すエアーセル28が備えられたマッサージユニットすなわち、空圧式で動作するマッサージユニットを意味し得る。
【0031】
複数のマッサージユニット20は機械式マッサージユニットでのみ構成されるか、空圧式マッサージユニットでのみ構成されてもよく、または機械式マッサージユニットおよび空圧式マッサージユニットが複合的に構成されてもよい。ただし、説明の便宜のために、以下では機械式マッサージユニットおよび空圧式マッサージユニットが複合的に構成されたマッサージユニット20であるものとして説明する。
【0032】
例えば、図2に図示された通り、座席部11および背もたれ部12に対応するマッサージユニット20は機械式マッサージユニットで設けられ、アームレスト部13、肩マッサージ部15、および足マッサージ部14に対応するマッサージユニット20は空圧式マッサージユニットで設けられ得る。
【0033】
座席部11および背もたれ部12の内側に設けられたマッサージユニット20は機械式マッサージユニットであって、モーター(図4の22および43参照)の駆動力によってハウジング10aの長さ方向に沿って座席部11および背もたれ部12を移動しながら叩く動作、または揉む動作などを遂行し、着座した使用者の身体を加圧することができる。
【0034】
図3は機械式マッサージユニットの動作を説明するための図面であり、図4は機械式マッサージユニットの構造を説明するための図面である。
【0035】
図3および図4を参照すると、マッサージユニット20はハウジング10aの長さ方向に沿っていずれか一つの位置と他の一つの位置の間で往復移動可能に設けられたマウントフレーム21、マウントフレーム21に設置されてマウントフレーム21の移動に対応して往復移動しながら使用者の身体を加圧する指圧モジュール23、およびマウントフレーム21に設置されて印加される電源によってパルス電磁場を発生させるパルス電磁場発生器30を含むことができる。
【0036】
マウントフレーム21の移動のために、ハウジング10aの後面にはマッサージ機器に固定して設置されるレールフレーム41、およびレールフレーム41の内側に沿って設置されるラックギア42が設けられ得、マッサージユニット20はラックギア42と噛み合って回転するようにマウントフレーム21の両側に設けられたピニオンギア44、およびピニオンギア44を回転させるモーター(43、以下、「昇下降モーター」と称する)を含むことができる。したがって、電源が印加されて昇下降モーター43が動作すると、ピニオンギア44がラックギア42と噛み合って回転し、マウントフレーム21はラックギア42に沿って上下方向に移動するようになるのである。
【0037】
マウントフレーム21は四角の板状に形成され、左右側の縁部分には4個のホイール24が側方向に突出して形成されてレールフレーム41に挟まれて案内され得る。したがって、前述したように、昇下降モーター43の動作によってピニオンギア44がラックギア42と噛み合って回転移動する時にホイール24がレールフレーム41に沿って案内されるので、マウントフレーム21が柔らかく円滑に移動できるようになる。ただし、前述したマウントフレーム21の形状や、ホイール24の個数は一例に過ぎないものであって、これに限定されはしないものとする。
【0038】
マウントフレーム21には使用者の身体を加圧するようにマウントフレーム2の前面に指圧モジュール23が突出して設置され得る。
【0039】
指圧モジュール23は、動力伝達部材を通じてモーター(22、以下、「揺動モーター」と称する)の軸に連結される揺動レバー23a、揺動レバー23aの先端に支持されるマッサージアーム23b、およびマッサージアーム23bの先端に支持された複数のマッサージローラー23cを含むことができる。したがって、揺動モーター22の作動時、揺動モーター22の駆動力によって揺動レバー23aが前後または左右方向に移動し、揺動レバー23aの移動に対応してマッサージアーム23bおよびマッサージローラー23cが動作しながら使用者の身体を叩くまたは揉むなどのマッサージ動作を遂行することになる。
【0040】
また、前述したように、昇下降モーター43の駆動力によってマウントフレーム21はラックギア42に沿って移動し、このようなマウントフレーム21の移動に対応して指圧モジュール23が往復移動することになるが、この時、マッサージアーム23bおよびマッサージローラー23cが使用者の身体に沿って上下方向に撫でるなどのマッサージ動作を遂行できる。
【0041】
パルス電磁場発生器30はマウントフレーム21に設置され、マウントフレーム21と共に移動しながらパルス電磁場を発生して使用者の身体にパルス電磁場治療効果を提供する。パルス電磁場発生器30の設置形態について図5および図6を参照してさらに具体的に説明する。
【0042】
図5はパルス電磁場発生器が設置されたマッサージユニットの一実施例に係る正面図であり、図6はパルス電磁場発生器が設置されたマッサージユニットの他の実施例に係る正面図である。
【0043】
図5および図6を参照すると、パルス電磁場発生器30はマウントフレーム21の前面に設置され、マウントフレーム21の前方にパルス電磁場を発生させることができる。
【0044】
パルス電磁場発生器30は指圧モジュール23と独立的にマウントフレーム21に設置され得る。パルス電磁場発生器30は指圧モジュール23の間、すなわち、マウントフレーム21の中央部に配置されてもよく、図示とは異なり、指圧モジュール23の外側に配置されたり、上側または下側に配置されてもよい。
【0045】
また、パルス電磁場発生器30は複数個で設けられ得るが、単一のパルス電磁場発生器30が設けられることも可能である。パルス電磁場発生器30が複数個で設けられる場合、複数のパルス電磁場発生器30は上下方向または左右方向等に所定の間隔をおいて配置され得る。一例として、図5に図示された通り、複数のパルス電磁場発生器30は別途のブラケット21aを通じて離隔して設置され得る。すなわち、マウントフレーム21の上端部および下端部のそれぞれに別途のブラケット21aが固定設置され、パルス電磁場発生器30はブラケット21aの前面部に設置され得る。他の例として、図6に図示された通り、複数のパルス電磁場発生器30はマウントフレーム21に直接離隔して設置されてもよい。
【0046】
また、複数のパルス電磁場発生器30はすべて指圧モジュール23の間に配置されてもよいが、図示とは異なって、すべてのパルス電磁場発生器30が指圧モジュール23の外側に配置されたり、一部は指圧モジュール23の間に配置され一部は指圧モジュール23の外側に配置されてもよい。
【0047】
また、複数のパルス電磁場発生器30は同じ大きさおよび形態で設けられてもよいが、互いに異なる大きさで設けられたりまたは互いに異なる形態で設けられてもよい。
【0048】
図7は、電磁場発生器の一実施例に係る形態を示した断面図である。
【0049】
図7を参照すると、パルス電磁場発生器30は円筒形の内側コア31の外側に外側コイル32が巻かれた構造で構成され、外側コイル32にパルス電圧が印加されることによって内側コア31に磁場が誘導されてパルス電磁場を発生させることができる。
【0050】
パルス電磁場発生器30の内側コア31はフェライトのような磁性体を使って構成され得る。外側コイル32は内側コア31の外面に巻かれ、外側コイル32の外側には不導体からなるリング状の保護カバー33が外側コイル32および内側コア31の外側を囲むように設置され得る。ただし、前述したものは一例示に過ぎず、パルス電磁場発生器30は印加される電圧によってパルス電磁場を発生させることができるものであれば、前述したものの他に多様な形態の公知とされているパルス電磁場発生器が適用されて構成されてもよい。
【0051】
また、パルス電磁場発生器30は発生したパルス電磁場を使用者の身体側に誘導する誘導部材(図8の35参照)をさらに含むことができる。
【0052】
図8は、誘導部材が設置されたパルス電磁場発生器の一実施例に係る形態を示した断面図である。
【0053】
図8を参照すると、誘導部材35はパルス電磁場発生器30の外側を囲むように設置され得る。誘導部材35は使用者の身体側に行くほど直径が大きくなるコーン(cone)状に形成されて、パルス電磁場発生器30で発生したパルス電磁場が使用者の身体側に集中され得るようにすることができる。誘導部材35は使用者の身体側に行くほど直径が線形的に大きくなる線形のコーン状を有してもよいが、この実施例でのように、直径が非線形的に大きくなる放物線形になったものがパルス電磁場を増幅して身体部位に提供するのにより好ましい。
【0054】
誘導部材35は前述した通り、発生したパルス電磁場を使用者の身体側に誘導するだけでなく、指圧モジュール23の動作に干渉しないように外側への電磁場電波を遮断するために、例えば、フェライトのような磁性体または金属で設けられるか、セラミック材質で設けられ得る。
【0055】
パルス電磁場発生器30で発生するパルス電磁場は、使用者身体の組織とその周囲に血液の循環を増加させてより多くの酸素を細胞に供給することによって損傷した細胞の治癒を効果的に助け、細胞の活性化、新陳代謝の促進、免疫システムの強化などの効果を提供することになる。
【0056】
パルス電磁場発生器30はマウントフレーム21に設置され、マウントフレーム21の移動に対応して使用者の脊椎ラインに沿って移動しながら脊椎周辺の筋肉および神経系にパルス電磁場効果を提供することができる。パルス電磁場発生器30は指圧モジュール23と共にマウントフレーム21に設置され、指圧モジュール23が使用者の身体を加圧して叩きや揉み、撫でるなどを遂行する間、使用者の身体にパルス電磁場を提供することによって、マッサージ効果とともにマッサージが進行されている身体の各組織細胞の活性化または損傷した細胞の治癒効果を提供することができる。パルス電磁場発生器30は指圧モジュール23によるマッサージ動作が行われる途中にパルス電磁場を提供することによって、マッサージ動作なしにパルス電磁場だけを提供する場合、または連続的な電磁場だけを提供する場合に比べて、細胞の活性化または治癒効果を倍加させることができる。
【0057】
パルス電磁場発生器30がマウントフレーム21の中央部に配置される場合、使用者の経穴例えば、大杼、風門、肺兪、および厥陰兪などに沿ってパルス電磁場を提供することによって、細胞の活性化または治癒効果を増大させることができる。また、パルス電磁場発生器30が単一に設けられる場合に比べて複数のパルス電磁場発生器30が設けられる場合、パルス電磁場の効果をさらに増大させることができる。
【0058】
また、パルス電磁場発生器30はマウントフレーム21に指圧モジュール23とは独立して配置されることによって、指圧モジュール23により加圧される身体部位だけでなく、加圧されない近隣部位にまでパルス電磁場を提供し、電磁場による治癒効果の範囲を広げることができる。パルス電磁場発生器30が独立配置されることによって、パルス電磁場発生器30は指圧モジュール23と独立して脱着または取り換えされ得る。
【0059】
再び図1を参照すると、アームレスト部13、肩マッサージ部15、および足マッサージ部14に設けられたマッサージユニット20は空圧式マッサージユニットであって、空気の注入および引き出しによって膨張および収縮を繰り返すエアーセル28を含んで着座した使用者の腕、肩、および足などを加圧することができる。
【0060】
図9は空圧式マッサージユニットが設置された足マッサージ部の一実施例に係る正面図であり、図10は空圧式マッサージユニットが設置された足マッサージ部の一実施例に係る断面図である。
【0061】
図9および図10を参照すると、マッサージユニット20は、ハウジング10aに設置されて空気の注入および引き出しにより膨張および収縮を繰り返しながら身体を加圧するエアーセル28、エアーセル28にエアーを注入しエアーセル28から空気を引き出す作用を遂行する給排気モジュール29、およびハウジング10aの後面に設置されるパルス電磁場発生器30を含むことができる。
【0062】
エアーセル28はハウジング10aに設置されるものであって、被覆材10bの後面に設置されてもよく、被覆材10bの前面に被覆材10bと分離可能に設置されてもよい。エアーセル28は給排気モジュール29から供給される空気によって膨張し、給排気モジュール29から発生するエアー吸入力によって収縮する現象を繰り返しながら身体を加圧してマッサージ動作を遂行できる。
【0063】
給排気モジュール29は空気を圧縮して供給する空圧ポンプ、空圧ポンプからエアーセル28へのエアーの供給を制御する流路制御バルブを含むなど、公知の多様な給排気モジュールが適用され得る。
【0064】
パルス電磁場発生器30は使用者の身体にパルス電磁場を提供するように、ハウジング10aの後面に固定設置される。パルス電磁場発生器30はハウジング10aの後面に直接設置されてもよく、ハウジング10aに囲まれてハウジング10aを支持する支持フレームに設置されてもよい。
【0065】
パルス電磁場発生器30はエアーセル28の間に配置されてもよく、図示とは異なり、エアーセル28の外側に配置されたり、上側または下側に配置されてもよい。パルス電磁場発生器30が複数個で設けられる場合、複数のパルス電磁場発生器30はすべてエアーセル28の間に配置されてもよいが、これとは異なり、すべてエアーセル28の外側に配置されたり、一部はエアーセル28の間に配置され一部はエアーセル28の外側や、上側または下側に配置されてもよい。
【0066】
また、複数のパルス電磁場発生器30はすべて同じ大きさおよび形態で設けられてもよいが、互いに異なる大きさで設けられたりまたは互いに異なる形態で設けられてもよい。
【0067】
前述した通り、空圧式マッサージユニットの場合、マッサージユニット20はエアーセル28と共にパルス電磁場発生器30を含んで、エアーセル28が使用者のが腕、肩、および足などを加圧する間、手首関節、肩関節、膝関節、足首関節などにパルス電磁場の効果を提供することができる。
【0068】
パルス電磁場発生器30はエアーセル28と独立して配置されることによって、エアーセル28により加圧されない近隣部位にまでパルス電磁場を提供するなどの電磁場による治癒効果を広げることができ、エアーセル28と独立して脱着または取り換えされ得る。
【0069】
パルス電磁場発生器30は、コントローラー(図11の50参照)の制御によって電源のオン/オフが繰り返されながらパルス電磁場を発生させる。コントローラー50について図11を参照してより具体的に説明する。
【0070】
図11は、マッサージ機器の制御のための構成を示したブロック図である。
【0071】
図11を参照すると、コントローラー50は揺動モーター22、昇下降モーター43、パルス電磁場発生器30、および給排気モジュール29の動作を制御することができる。
【0072】
コントローラー50は、揺動モーター22および昇下降モーター43を駆動させてマッサージユニット20の前後、左右、または上下方向への往復移動を制御することができる。コントローラー50は給排気モジュール29による空気の注入および引き出しを制御することができる。
【0073】
コントローラー50はパルス電磁場発生器30に電源を印加してパルス電磁場の発生およびパルス信号を制御することができる。コントローラー50はパルス電磁場発生器30に印加される電源のオン/オフ、オン/オフ時点および強度などを制御してパルス電磁場の発生時点、発生終了時点、周波数、周期、幅、強度および形態などを制御することができる。
【0074】
コントローラー50は、揺動モーター22、昇下降モーター43、または給排気モーター29の動作と連動してパルス電磁場発生器30に印加される電源を制御することによって、マッサージユニット20の指圧モジュール23またはエアーセル28によるマッサージが行われる間、パルス電磁場が発生するように制御することができる。マッサージユニット20のマッサージ動作時、パルス電磁場発生器30はコントローラー50からパルス信号の印加を受けて略5〜15Hzのパルス電磁場を発生することが好ましく、14.1Hzのパルス電磁場を発生することが身体の細胞の活性化および治癒効果の提供の側面で最も好ましいものと確認された。
【0075】
コントローラー50は、マッサージユニット20の位置、移動速度、マッサージモード、およびマッサージ経過時間などによってパルス電磁場発生器30に印加される電源を調節して、使用者の身体部位、マッサージモード、マッサージ経過時間により調節されたパルス電磁場を提供することもできる。すなわち、コントローラー50は、マッサージユニット20の位置、上下方向への移動速度、マッサージモード、マッサージ経過時間などによって、最適条件のパルス周波数、周期、幅、強度のパルス電磁場を提供するようにパルス電磁場発生器30を制御することができる。
【0076】
このために、コントローラー50は、パルス電磁場発生器30の外側コイル32に磁界パルスエネルギーを出力するスイッチング出力素子、スイッチング出力素子の入力に印加する制御パルス信号を発生する信号制御部、安定電源を供給するスイッチングレギュレーター、I/Oポート、電源供給器を含むことができる。この時、信号制御部はスイッチング出力素子を駆動するパルス系列を発生する部分であって、内蔵しているマイクロコントローラーに、最適条件のパルス周波数、周期、幅、および強度を算出させて、パルス信号を発生して出力することができる。
【0077】
以上、例示された図面を参照してパルス電磁場を提供するマッサージ機器の実施例を説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施され得ることが理解されるはずである。したがって、以上で記述した実施例はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解されるべきである。
【0078】
本発明はマッサージ機能を有するマッサージチェアまたはマッサージ機器に適用され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11