特許第6842642号(P6842642)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6842642
(24)【登録日】2021年2月25日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20210308BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20210308BHJP
   G03G 15/08 20060101ALI20210308BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20210308BHJP
   G03G 21/18 20060101ALI20210308BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20210308BHJP
【FI】
   B41J29/38 301
   B41J29/38 401
   G03G21/14
   G03G15/08 330
   G03G21/16 176
   G03G21/18 178
   H04N1/00 C
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-64955(P2018-64955)
(22)【出願日】2018年3月29日
(65)【公開番号】特開2019-171764(P2019-171764A)
(43)【公開日】2019年10月10日
【審査請求日】2020年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】池内 敦哉
【審査官】 上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−084988(JP,A)
【文献】 特開2007−158976(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/093123(WO,A1)
【文献】 特開2006−109147(JP,A)
【文献】 特開2012−178758(JP,A)
【文献】 特開2003−242467(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0104299(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
G03G 15/08
G03G 21/14
G03G 21/16
G03G 21/18
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体に着脱可能なユニットと、
前記ユニットに取り付けられている通信可能な記憶装置とを備え、
前記画像形成装置本体は、前記記憶装置との間で通信する通信回路と、前記通信回路を制御するコントローラーとを備え、
前記コントローラーは、前記通信回路と前記記憶装置との間で通信エラーが発生した場合に、(a)前記通信エラーに周期性があるか否かを判定し、(b)前記通信エラーに周期性があると判定した場合、前記通信エラーの周期を特定し、特定した前記周期に基づいて前記通信エラーの発生するタイミングを避けて、前記通信回路に、前記記憶装置との間の通信を実行させ
前記コントローラーは、前記通信回路と前記記憶装置との間の通信データのサイズが、前記周期より短い時間で通信可能ではない場合、前記通信データを複数の分割データに分割し、前記分割データを複数回の通信で、前記通信エラーの発生するタイミングを避けて、前記通信回路に、前記記憶装置との間の通信を実行させること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記コントローラーは、前記通信回路と前記記憶装置との間の通信データのサイズを下限値に設定しても、前記分割データを前記周期より短い時間で通信可能ではない場合には、前記通信を中止し、通信異常を報知することを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記コントローラーは、所定時間の間、前記通信回路に、前記記憶装置との間の通信を連続的に実行させて、少なくとも3回の通信エラーのタイミングを検出し、(a)検出した前記タイミングの間隔に基づいて、前記通信エラーに周期性があるか否かを判定し、(b)前記通信エラーに周期性があると判定した場合、検出した前記タイミングの間隔に基づいて、前記通信エラーの周期を特定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ある画像形成装置では、着脱可能なユニットに不揮発性メモリーユニットが設けられ、画像形成装置本体は、その不揮発性メモリーユニットとの間で通信を行い、通信が正常に完了しなかった場合、通信周波数を半分にして通信のリトライをしている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−84502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の画像形成装置では、通信エラーが発生した場合、通信周波数を半分にしてリトライすることで、通信エラーを回避しようとしているものの、通信周波数を半分にすると、通信時間は2倍になり、通信エラーが周期的なノイズに起因する場合、依然として、周期的なノイズの影響を避けることは困難であり、通信が正常に終了しない可能性がある。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、周期的なノイズが存在する環境下における通信エラーの発生を抑制する画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像形成装置は、画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体に着脱可能なユニットと、前記ユニットに取り付けられている通信可能な記憶装置とを備える。前記画像形成装置本体は、前記記憶装置との間で通信する通信回路と、前記通信回路を制御するコントローラーとを備える。そして、前記コントローラーは、前記通信回路と前記記憶装置との間で通信エラーが発生した場合に、(a)前記通信エラーに周期性があるか否かを判定し、(b)前記通信エラーに周期性があると判定した場合、前記通信エラーの周期を特定し、特定した前記周期に基づいて前記通信エラーの発生するタイミングを避けて、前記通信回路に、前記記憶装置との間の通信を実行させる。さらに、前記コントローラーは、前記通信回路と前記記憶装置との間の通信データのサイズが、前記周期より短い時間で通信可能ではない場合、前記通信データを複数の分割データに分割し、前記分割データを複数回の通信で、前記通信エラーの発生するタイミングを避けて、前記通信回路に、前記記憶装置との間の通信を実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、周期的なノイズが存在する環境下における通信エラーの発生を抑制する画像形成装置が得られる。
【0008】
本発明の上記又は他の目的、特徴および優位性は、添付の図面とともに以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の機械的な内部構成の一部を示す側面図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の電気的な構成を示すブロック図である。
図3図3は、図1および図2に示す画像形成装置の動作について説明するフローチャートである。
図4図4は、図3における通信開始タイミング補正処理(ステップS8)の詳細について説明するフローチャートである。
図5図5は、図3における通信開始タイミング補正処理(ステップS8)の詳細について説明するタイミングチャートである。
図6図6は、図3における周期性判定処理(ステップS10)の詳細について説明するフローチャートである。
図7図7は、図3における周期性判定処理(ステップS10)の詳細について説明するタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の機械的な内部構成の一部を示す側面図である。この画像形成装置は、プリンター、ファクシミリ装置、複写機、複合機などといった、電子写真方式の印刷機能を有する画像形成装置である。
【0012】
この実施の形態の画像形成装置は、タンデム方式のカラー現像装置を有する。このカラー現像装置は、感光体ドラム1a〜1d、露光装置2a〜2dおよび現像装置3a〜3dを有する。感光体ドラム1a〜1dは、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色の感光体である。露光装置2a〜2dは、感光体ドラム1a〜1dへレーザー光を照射して静電潜像を形成する装置である。露光装置2a〜2dは、レーザー光の光源であるレーザーダイオード、およびそのレーザー光を感光体ドラム1a〜1dへ導く光学素子(レンズ、ミラー、ポリゴンミラーなど)を有するレーザースキャニングユニットである。
【0013】
さらに、感光体ドラム1a〜1dの周囲には、スコロトロン等の帯電器、クリーニング装置、除電器などが配置されている。クリーニング装置は、1次転写後に、感光体ドラム1a〜1d上の残留トナーを除去し、除電器は、1次転写後に、感光体ドラム1a〜1dを除電する。
【0014】
現像装置3a〜3dには、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色のトナーが充填されているトナーコンテナーがそれぞれ装着され、トナーコンテナーからトナーが供給され、キャリアとともに現像剤を構成する。現像装置3a〜3dは、そのトナーを感光体ドラム1a〜1d上の静電潜像に付着させてトナー画像を形成する。トナーコンテナーは、着脱可能であり、サービスパーソンやユーザーによって交換される。
【0015】
感光体ドラム1a、露光装置2a、および現像装置3aにより、マゼンタの現像が行われ、感光体ドラム1b、露光装置2b、および現像装置3bにより、シアンの現像が行われ、感光体ドラム1c、露光装置2c、および現像装置3cにより、イエローの現像が行われ、感光体ドラム1d、露光装置2d、および現像装置3dにより、ブラックの現像が行われる。
【0016】
中間転写ベルト4は、感光体ドラム1a〜1dに接触し、感光体ドラム1a〜1d上のトナー画像を1次転写される環状の像担持体である。中間転写ベルト4は、駆動ローラー5に張架され、駆動ローラー5からの駆動力によって、感光体ドラム1dとの接触位置から感光体ドラム1aとの接触位置への方向へ周回していく。
【0017】
転写ローラー6は、搬送されてくる用紙を中間転写ベルト4に接触させ、中間転写ベルト4上のトナー画像を用紙に2次転写する。なお、トナー画像を転写された用紙は、定着器9へ搬送され、トナー画像が用紙へ定着される。
【0018】
ローラー7は、クリーニングブラシを有し、クリーニングブラシを中間転写ベルト4に接触させ、用紙へのトナー画像の転写後に中間転写ベルト4に残ったトナーを除去する。
【0019】
センサー8は、トナー濃度調整に使用されるセンサーであって、中間転写ベルト4に光線を照射し、その反射光を検出する。
【0020】
図2は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【0021】
図2に示すように、現像装置3a〜3dには、各トナー色のトナーが充填されたトナーコンテナー11が装着される。トナーコンテナー11には、記憶装置11aが固定的に設置されている。
【0022】
この画像形成装置は、画像形成装置本体21と、画像形成装置本体21に着脱可能なユニットとを備える。画像形成装置本体21に着脱可能なユニットとしては、トナーコンテナー11、現像装置3a〜3d、中間転写ベルト4、定着器9などがある。各ユニットには画像形成装置本体21と通信可能な記憶装置(トナーコンテナー11の場合、記憶装置11a)が取り付けられている。その記憶装置は、通信回路および不揮発性メモリーを内蔵している。
【0023】
なお、この実施の形態では、トナーコンテナー11に設置されている記憶装置11aについて述べるが、他のユニットについても同様である。この実施の形態では、記憶装置11aは、無線通信方式のRFID(Radio Frequency IDentification)である。なお、記憶装置11aは、有線通信方式のICタグでもよい。
【0024】
記憶装置11aの不揮発性メモリーには、このトナーコンテナー11に関する情報が格納される。例えば、このトナーコンテナー11のトナー色、トナー消費量などの情報が、画像形成装置本体21により記憶装置11aに書き込まれる。
【0025】
さらに、この画像形成装置は、画像形成装置本体21に、通信回路31およびコントローラー32を備える。
【0026】
通信回路31は、記憶装置11aとの間で通信を行う。
【0027】
コントローラー32は、プリント、コピーなどのジョブを受け付け、そのジョブを実行する。印刷ジョブを実行する際、コントローラー32は、画像形成装置の内部デバイスおよび図1に示す印刷機構を制御して、印刷を実行する。例えば、コントローラー32は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。具体的には、コントローラー32は、印刷データを受け付け、その印刷データに基づいて内部デバイスを制御して、印刷を実行する。コントローラー32は、上述のローラーなどを駆動する図示せぬ駆動源、現像バイアスおよび1次転写バイアスを印加するバイアス印加回路、並びに露光装置2a〜2dを制御して、静電潜像の作像、トナー現像、転写および定着、並びに給紙、印刷および排紙を実行させる。
【0028】
また、コントローラー32は、通信回路31を制御して、通信回路31と記憶装置11aとの間の通信を確立し、記憶装置11aとの間で通信を行う。
【0029】
特に、コントローラー32は、通信回路31と記憶装置11aとの間で通信エラーが発生した場合に、(a)その通信エラーに周期性があるか否かを判定し、(b)その通信エラーに周期性があると判定した場合、その通信エラーの周期を特定し、特定した周期に基づいて通信エラーの発生するタイミングを避けて、通信回路31に、記憶装置11aとの間の通信を実行させる。
【0030】
この実施の形態では、コントローラー32は、所定時間(例えば、500ミリ秒)の間、通信回路31に、記憶装置11aとの間の通信を連続的に実行させて、少なくとも3回の通信エラーのタイミングを検出し、(a)検出したタイミングの間隔に基づいて、通信エラーに周期性があるか否かを判定し、(b)通信エラーに周期性があると判定した場合、検出したタイミングの間隔に基づいて、通信エラーの周期を特定する。
【0031】
次に、上記画像形成装置の動作について説明する。図3は、図1および図2に示す画像形成装置の動作について説明するフローチャートである。
【0032】
コントローラー32は、記憶装置11aに対する通信要求(例えばデータ書き込み、データ読み出しなどの要求)が発生すると、以下の処理を実行する。
【0033】
まず、コントローラー32は、リトライカウンターCrをゼロにセットし(ステップS1)、通信回路31に、記憶装置11aとの通信を開始させる(ステップS2)。コントローラー32は、通信回路31と記憶装置11aとの間で所定サイズの通信データの送信または受信を実行させ、この通信の終了を検出する(ステップS3)。
【0034】
コントローラー32は、通信開始時に計時を開始し、通信終了時間Tendを特定し、その通信終了時間Tendを図示せぬ記憶装置(RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリーなど)に記憶する(ステップS4)。
【0035】
通信終了後、コントローラー32は、送受信した通信データの値に基づいて、通信エラーが発生したか否かを判定する(ステップS5)。通信エラーが発生しなかったと判定した場合、コントローラー32は、通信を正常に完了する。
【0036】
一方、通信エラーが発生したと判定した場合、コントローラー32は、リトライカウンターCrが2未満であるか否かを判定する(ステップS6)。
【0037】
リトライカウンターCrが2未満である場合(つまり、リトライ回数がゼロか1である場合)、コントローラー32は、リトライカウンターCrを1だけ増加させ(ステップS7)、また、通信開始タイミング補正処理を実行する(ステップS8)。
【0038】
図4は、図3における通信開始タイミング補正処理(ステップS8)の詳細について説明するフローチャートである。図5は、図3における通信開始タイミング補正処理(ステップS8)の詳細について説明するタイミングチャートである。
【0039】
図4および図5に示すように、上述のように通信が終了した時点で、コントローラー32は、図示せぬ内蔵の不揮発性メモリーから現時点で記憶されている周期予測値tepを読み出すとともに(ステップS21)、上述の通信終了時間Tendを読み出す(ステップS22)。なお、周期予測値tepは、初期状態ではデフォルト値とされており、後述の周期性判定処理(ステップS10)において調整される。周期予測値tepのデフォルト値は、例えば0ミリ秒とされる。
【0040】
そして、コントローラー32は、通信終了時間Tendと周期予測値tepとの和をリトライ時の通信開始タイミングとして計算する(ステップS23)。そして、コントローラー32は、その通信開始タイミングが到来するまで待機する(ステップS24)。
【0041】
その通信開始タイミングが到来すると、図3に戻り、コントローラー32は、ステップS2に戻り、上述の通信をリトライする。なお、周期予測値tepが0ミリ秒である場合には、待機せずに、上述の通信がただちにリトライされる。
【0042】
このようにしてリトライが実行され、ステップS5で通信エラーが検出されなければ、通信が正常終了する。
【0043】
一方、リトライにおいてもステップS5で通信エラーが検出されれば、同様にして、再度、リトライが実行される。
【0044】
そして、リトライカウンターCrが2になると(ステップS9)、コントローラー32は、周期性判定処理を実行する(ステップS10)。
【0045】
図6は、図3における周期性判定処理(ステップS10)の詳細について説明するフローチャートである。図7は、図3における周期性判定処理(ステップS10)の詳細について説明するタイミングチャートである。
【0046】
図6および図7に示すように、コントローラー32は、チェックステップカウンターCsを1にセットし(ステップS41)、最初のチェックステップを開始する。チェックステップでは、コントローラー32は、連続的に通信を実行させ、通信エラーを検出し、通信エラーのタイミングを特定する。
【0047】
コントローラー32は、チェックステップの開始時に、その時点(ステップ開始時間)をRAMなどの記憶装置に記憶し(ステップS42)、通信回路31に、チェックデータを記憶装置11aへ送信させ、送信したチェックデータと同一値および同一サイズのチェックデータを記憶装置11aに応答させる(ステップS43)。なお、コントローラー32は、ステップ開始時間に計時を開始する。
【0048】
なお、チェックデータのサイズは、通信可能な下限値(例えば1バイト)に設定され、チェックデータの値は、所定値(例えばすべてのビットの値が1)に設定される。
【0049】
コントローラー32は、通信回路31で、記憶装置11aからのチェックデータを受信すると(ステップS44)、コントローラー32は、送信したチェックデータと受信したチェックデータとを比較し、通信エラーが発生したか否かを判定する(ステップS45)。ここでは、送信したチェックデータと受信したチェックデータとが一致しない場合、通信エラーが発生したと判定される。
【0050】
通信エラーが発生していない場合、コントローラー32は、ステップ開始時間からの経過時間teが所定値(例えば500ミリ秒)を超えているか否か(つまり、タイムアウトしているか否か)を判定する(ステップS46)。タイムアウトしていない場合、ステップS43に戻り、コントローラー32は、チェックデータの送受信を連続的に行う(ステップS43,S44)。
【0051】
このように、通信エラーが発生するかタイムアウトするまで、チェックデータが繰り返し連続的に送受される。
【0052】
通信エラーが発生するかタイムアウトすると、その時点で、コントローラー32は、現時点のチェックステップの経過時間te[Cs]をRAMなどの記憶装置に記憶する(ステップS47)。
【0053】
そして、コントローラー32は、チェックステップカウンターCsが3ではない場合(ステップS48)、チェックステップカウンターCsを1だけ増加させ(ステップS49)、ステップS42に戻り、次のチェックステップの処理(ステップS42〜S47)を同様に実行する。
【0054】
チェックステップを3回実行すると、チェックステップカウンターCsは3になる。3回のチェックステップが完了すると(ステップS48)、コントローラー32は、3回のチェックステップの経過時間te[1],te[2],te[3]に基づいて、タイムアウトしたチェックステップが少なくとも1つあるか否か(つまり、通信エラーが発生しなかったチェックステップが少なくとも1つあるか否か)を判定する(ステップS50)。
【0055】
通信エラーが発生しなかったチェックステップが1つもない場合、コントローラー32は、2回目のチェックステップの経過時間te[2]と3回目のチェックステップの経過時間te[3]との差の絶対値が所定の閾値Th未満であるか否か(つまり、1回目の通信エラーと2回目の通信エラーとの時間間隔と2回目の通信エラーと3回目の通信エラーとの時間間隔が実質的に等しいか否か)を判定する(ステップS51)。
【0056】
3回のチェックステップにおける1回目の通信エラーと2回目の通信エラーとの時間間隔と2回目の通信エラーと3回目の通信エラーとの時間間隔が実質的に等しい場合、コントローラー32は、通信エラーに周期性があると判定し、経過時間te[2]および経過時間te[3]に基づいて、周期予測値tepを調整し(ステップS52)、調整後の周期予測値tepで、記憶されている周期予測値tepを更新する。これにより、調整後の周期予測値tepが、次回以降の通信に適用される。
【0057】
具体的には、コントローラー32は、経過時間te[2]および経過時間te[3]の平均値を周期予測値tepにセットする。
【0058】
なお、通信エラーが発生しなかったチェックステップが少なくとも1つある場合(ステップS50)、および3回のチェックステップにおける1回目の通信エラーと2回目の通信エラーとの時間間隔と2回目の通信エラーと3回目の通信エラーとの時間間隔が実質的に等しいとはいえない場合(ステップS51)、コントローラー32は、周期予測値tepをデフォルト値のままにする。
【0059】
このように周期性判定処理(ステップS10)の完了後、図3に戻り、コントローラー32は、通信開始タイミング補正処理を実行し(ステップS8)、通信開始タイミングが到来すると、再度、通信のリトライを実行する。
【0060】
そして、周期性判定処理(ステップS10)の完了後のリトライによっても、通信エラーが発生した場合、リトライカウンターCrが3であるので(ステップS11)、コントローラー32は、通信データサイズを下限値に設定して(ステップS12)、リトライカウンターCrを1だけ増加させ(ステップS7)、通信開始タイミング補正処理を実行し(ステップS8)、通信開始タイミングが到来すると、再度、通信のリトライ(4回目のリトライ)を実行する。
【0061】
4回目のリトライの通信でも通信エラーが発生した場合、コントローラー32は、通信異常をユーザーに対して報知し(ステップS13)、通信を異常終了する。例えば、コントローラー32は、通信異常を示すメッセージを図示せぬ表示装置に表示する。
【0062】
以上のように、上記実施の形態に係る画像形成装置は、画像形成装置本体21と、画像形成装置本体21に着脱可能なユニット(トナーコンテナー11)と、そのユニットに取り付けられている通信可能な記憶装置(記憶装置11a)とを備える。画像形成装置本体21は、記憶装置11aとの間で通信する通信回路31と、通信回路31を制御するコントローラー32とを備える。そして、コントローラー32は、通信回路31と記憶装置11aとの間で通信エラーが発生した場合に、(a)その通信エラーに周期性があるか否かを判定し、(b)その通信エラーに周期性があると判定した場合、その通信エラーの周期を特定し、特定した周期に基づいて通信エラーの発生するタイミングを避けて、通信回路31に、記憶装置11aとの間の通信を実行させる。
【0063】
これにより、通信エラーの発生するタイミングを避けて通信が実行されるため、周期的なノイズが存在する環境下における通信エラーの発生が抑制される。ひいては、通信異常に起因する装置の停止が抑制される。
【0064】
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。
【0065】
例えば、上記実施の形態において、通信回路31と記憶装置11aとの間で所定サイズの通信データが連続的に送受信された場合、コントローラー32は、その所定サイズの通信データが、上述の周期より短い時間で通信可能ではないときには、その通信データを複数の分割データに分割し、分割データを複数回の通信で、通信エラーの発生するタイミングを避けて、通信回路31に、記憶装置11aとの間の通信を実行させるようにしてもよい。その際、コントローラー32は、通信回路31と記憶装置11aとの間の通信データのサイズを下限値に設定しても、分割データを上述の周期より短い時間で通信可能ではない場合には、通信を中止し、通信異常を報知するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、例えば、プリンター、複写機、複合機などに適用可能である。
【符号の説明】
【0067】
11 トナーコンテナー(ユニットの一例)
11a 記憶装置
21 画像形成装置本体
31 通信回路
32 コントローラー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7