(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車輪の回転に連動して回転する回転体と、この回転体の回転に基づいて数値の記載された文字車を回転させ走行距離を表示する積算計と、これらの回転体及び積算計を回転可能に支持する筐体と、を備え、
前記積算計は、前記筐体に固定された積算計軸部材と、この積算計軸部材に回転可能に設けられた複数の前記文字車と、これらの文字車の間に配置されると共に前記積算計軸部材に回転可能に設けられたピニオンホルダと、このピニオンホルダによって回転可能に支持され左右に配置された前記文字車の間に亘って配置されるピニオンギヤと、を有し、
前記左に配置された文字車は、前記右に配置された文字車が1周することにより、前記ピニオンギヤによって前記数値が1つ送られる車両用計器であって、
前記筐体は、少なくとも前記積算計の下半分を収納する収納部を備え、
この収納部は、前記積算計軸部材が支持される軸部材支持部と、前記文字車の前面に沿った前壁部と、前記文字車の後面に沿った後壁部と、を有し、
前記ピニオンホルダは、前記積算計軸部材を中心とした円形状を呈するホルダ本体部と、このホルダ本体部から前記前壁部の近傍まで突出する前部突出部と、前記ホルダ本体部から前記後壁部の近傍まで突出する後部突出部と、を有し、前記前壁部、及び、前記後壁部によって回転が防止されていることを特徴とする車両用計器。
前記前部突出部の前下端部は、後方に向かって下がり勾配に形成され、及び、前記後部突出部の後下端部は、前方に向かって下がり勾配に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用計器。
【背景技術】
【0002】
多くの車両は、乗員の前方に車速計やタコメータ等の車両用計器を有している。このような車両用計器として、さらに車両の走行距離を表示する積算計を搭載したものが知られている。積算計が搭載された車両用計器に関する従来技術として、特許文献1に開示される技術がある。
【0003】
特許文献1に開示された技術を
図9及び
図10を参照して説明する。
図9は、特許文献1の
図1を再掲したものである。
図10は、特許文献1の
図2を再掲したものである。符号は、適宜振り直した。
【0004】
図9を参照する。車両用計器100は、金属製の筐体101と、この筐体101に支持され走行距離を表示する積算計110と、を有している。積算計110は、筐体101に固定された積算計軸部材111と、この積算計軸部材111に回転可能に設けられ表面に数値が記載された複数の文字車112と、これらの文字車112の間に配置されると共に積算計軸部材111に回転可能に設けられたピニオンホルダ113と、を有している。
【0005】
図10を参照する。ピニオンホルダ113は、左右に配置された文字車112の間に亘って配置されるピニオンギヤ114を回転可能に支持している。左に配置された文字車112は、右に配置された文字車112が1周することにより、ピニオンギヤ114によって数値が1つ送られる。
【0006】
図9を参照する。車両用計器100の筐体101への組み付け作業は、ピニオンホルダ113に形成された爪部113aを筐体101の上面に掛けてピニオンホルダ113を正確な位置に合わせつつ、積算計軸部材111を筐体101に形成された軸部材支持部101aに組み付けることにより行う。
【0007】
ここで、ピニオンホルダ113は、積算計軸部材111に回転可能に取り付けられている。このため、ピニオンホルダ113を押さえずに積算計軸部材111を筐体101へ組み付けると、ピニオンホルダ113がずれた状態のまま積算計110が筐体101に組み付けられることがある。車両用計器100によれば、ピニオンホルダ113を正確な位置へ合わせつつ、積算計軸部材111を組み付けるため、2つの作業を同時に行わなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、筐体に積算計を容易に組み付けることのできる車両用計器の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1による発明によれば、車輪の回転に連動して回転する回転体と、この回転体の回転に基づいて数値の記載された文字車を回転させ走行距離を表示する積算計と、これらの回転体及び積算計を回転可能に支持する筐体と、を備え、
前記積算計は、前記筐体に固定された積算計軸部材と、この積算計軸部材に回転可能に設けられた複数の前記文字車と、これらの文字車の間に配置されると共に前記積算計軸部材に回転可能に設けられたピニオンホルダと、このピニオンホルダによって回転可能に支持され左右に配置された前記文字車の間に亘って配置されるピニオンギヤと、を有し、
前記左に配置された文字車は、前記右に配置された文字車が1周することにより、前記ピニオンギヤによって前記数値が1つ送られる車両用計器であって、
前記筐体は、少なくとも前記積算計の下半分を収納する収納部を備え、
この収納部は、前記積算計軸部材が支持される軸部材支持部と、前記文字車の前面に沿った前壁部と、前記文字車の後面に沿った後壁部と、を有し、
前記ピニオンホルダは、前記積算計軸部材を中心とした円形状を呈するホルダ本体部と、このホルダ本体部から前記前壁部の近傍まで突出する前部突出部と、前記ホルダ本体部から前記後壁部の近傍まで突出する後部突出部と、を有し、前記前壁部、及び、前記後壁部によって回転が防止されていることを特徴とする車両用計器が提供される。
【0011】
請求項2に記載のごとく、好ましくは、前記前部突出部の前下端部は、後方に向かって下がり勾配に形成され、及び、前記後部突出部の後下端部は、前方に向かって下がり勾配に形成されている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明では、ピニオンホルダは、ホルダ本体部から前壁部の近傍まで突出する前部突出部、及び、後壁部の近傍まで突出する後部突出部を有している。ピニオンホルダが回転方向にずれている場合には、前部突出部が前壁部に接触し、又は、後部突出部が後壁部に接触する。ピニオンホルダは、積算計軸部材に回転可能に設けられているため、ホルダに形成された突出部が収納部に形成された壁部に接触することにより回転される。さらに積算計を押し込むことにより、ピニオンホルダは、収納部に形成された壁部によって正確な位置に導かれる。このため、積算計の取付作業時にピニオンホルダを押さえながら筐体に組み付ける必要がない。筐体に積算計を容易に組み付けることができる車両用計器を提供することができる。
【0013】
請求項2に係る発明では、前部突出部の前下端部は、後方に向かって下がり勾配に形成され、及び、後部突出部の後下端部は、前方に向かって下がり勾配に形成されている。積算計を筐体に組み付ける際にピニオンホルダが回転方向にずれていると、前下端部又は後下端部が筐体に接触する。これらの部位がテーパ状に形成されていることにより、容易にピニオンホルダを回転させることができる。より組み付け作業性を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、説明中、左右とは車両の乗員を基準として左右、前後とは車両の進行方向を基準として前後を指す。
<実施例>
【0016】
図1乃至
図3を参照する。車両用計器10は、例えば、二輪車に用いられ、筐体20に車速計50と積算計70とが組み付けられてなる。車速計50は、車両の走行速度を表示する、渦電流式の計器である。積算計70は、車両の走行距離を表示する。
【0017】
図4を参照する。筐体20は、板状の基部21と、この基部21に被せられた樹脂製の蓋体30と、からなる。
【0018】
車速計50は、基部21に固定された金属製の筒状部材51と、この筒状部材51の内周に設けられた金属製の滑り軸受52と、この滑り軸受52によって回転可能に支持された第1の回転軸53(回転体53)と、この第1の回転軸53の上部に固定されたカップ状の導磁体54と、この導磁体54に収納されると共に第1の回転軸53の上部に固定された磁石55と、第1の回転軸53の上端に形成された孔に収納された滑り軸受56と、この滑り軸受56に下端が回転可能に支持された第2の回転軸57と、この第2の回転軸57に固定され内部にダンパーオイル61が充填されたオイルカップ62と、このオイルカップ62の外周に固定されたロータ63と、第2の回転軸57の上端に固定されたひげばね64(付勢部材64)と、第1の回転軸53に形成されたホイール部53aに噛み合ったウォーム65と、を有する。
【0019】
図5を参照する。積算計70は、蓋体30(
図2参照)に固定された積算計軸部材71と、この積算計軸部材71に回転可能に設けられた6つの文字車72と、これらの文字車72の間にそれぞれ配置されると共に積算計軸部材71に回転可能に設けられたピニオンホルダ73と、これらのピニオンホルダ73によって回転可能に支持され左右に配置された文字車72の間に亘ってそれぞれ配置されるピニオンギヤ74と、を有している。
【0020】
図4を参照する。基部21は、例えば、冷間圧延鋼板をプレス成形することにより構成される。基部21は、ほぼ中央に筒状部材51が差し込まれる差込孔21aを有している。
【0021】
蓋体30は、例えば、射出成形によって成形された射出成形品であり、基部21から立ち上げられた蓋体壁部31と、この蓋体壁部31の上端から基部21に平行に延びる天井部32と、この天井部32に隣接して積算計70を収納する箱状の収納部40と、を有している。蓋体30の樹脂には、ポリブチレンテレフタレートを採用することができる。
【0022】
天井部32には、第1の回転軸53の軸線CL上に円状の差込穴32aが開けられている。この差込穴32aには、金属製の第2の回転軸57が差し込まれている。即ち、第2の回転軸57は、第1の回転軸53と同一の軸線CL上に配置されている。
【0023】
天井部32は、下方に延びる円筒形状の抵抗部32bを備える。抵抗部32bは、先端がダンパーオイル61に浸り、ロータ63の回転を抑制する。抵抗部32bは、オイルカップ62の底面と突き当たることでロータ63のスラスト方向を規制している。
【0024】
収納部40は、積算計70の略下半分が収納可能に上方が開口した箱状に形成されている。収納部40は、底部41と、この底部41の前端部から略垂直に立ち上げられた前壁部42と、底部41の後端から立ち上げられた後壁部43と、を有している。
【0025】
底部41は、前部が平面状に形成されると共に、後部が文字車72に沿って90°の円弧面状に形成されている。
【0026】
前壁部42の上端は、積算計70を収納部40に容易に収納することができるよう後方に向かって下がり勾配に形成された前部ガイド部42aを含む。
【0027】
なお、前部ガイド部42aと同様に、後壁部43の上端は、積算計70を収納部40に容易に収納することができるよう前方に向かって下がり勾配に形成された後部ガイド部43a(
図8参照)としてもよい。
【0028】
図2を参照する。収納部40の左右の端部は、それぞれ左壁部44と、右壁部45とによって塞がれている。
【0029】
図3を参照する。左壁部44には、積算計軸部材71を支持するために上方に開口する略U字状の軸部材支持部44aが形成されている。軸部材支持部44aは、積算計軸部材71を上方から組み付け可能な部位である。左壁部44には、前後方向に撓む撓み部44bと、この撓み部44bの上端に位置し積算計軸部材71の抜け止めとなるストッパ44cと、が一体的に形成されている。
【0030】
ストッパ44cは、軸部材支持部44aの延び方向に対して傾いているテーパ面部44dが上端から形成されている。
【0031】
図2を参照する。右壁部45には、積算計軸部材71の右端部が差し込まれる軸部材差込孔45aが形成されている。
【0032】
なお、軸部材支持部44aが右壁部45に形成され、軸部材差込孔45aが左壁部44に形成されていてもよい。この場合には、撓み部44b、ストッパ44c、及び、テーパ面部44dは、右壁部45に一体的に形成される。
【0033】
磁石55は、例えばアルニコ(AlNiCo)からなるラジアル着磁された焼結磁石であり、車両からのケーブルが第1の回転軸53に挿入されることにより車両の走行速度に比例した回転数で回転する。
【0034】
第2の回転軸57、オイルカップ62、及び、ロータ63はインサート成形により一体的に結合されている。
【0035】
ロータ63は、例えばアルミニウム等の非磁性金属からなり、プレス成形によりカップ状に形成されている。ロータ63は、磁石55を覆う様に磁石55と非接触で配置されている。
【0036】
ひげばね64の端部は、蓋体30に熱加締め等で固定されている。
【0037】
ウォーム65は、ホイール部53aが回転することにより回転される。ウォーム65の回転力は、積算計70に伝達される。即ち、積算計70の表示する数値は、ウォーム65の回転量に比例する。第1の回転軸53の回転力を積算計70に伝達する機構は、周知の機構を採用することができる。
【0038】
第1の回転軸53の下端には、フレキシブルケーブルを接続することができる。フレキシブルケーブルは、車輪の回転を第1の回転軸53に伝達するものである。即ち、第1の回転軸53は、車輪の回転に連動して回転する。
【0039】
二輪車が走行すると、第1の回転軸53が回転し、第1の回転軸53に固定された導磁体54、及び、磁石55が一体的に回転する。一方、基部21、筒状部材51、滑り軸受52は、回転しない。
【0040】
第1の回転軸53、磁石55、及び、導磁体54が回転することにより、渦電流が発生する。この渦電流によって、ロータ63には、回転方向に力が加わる。磁石55が回転する速度が速くなるにつれて、渦電流は、大きくなる。渦電流が大きくなると、ひげばね64の付勢力に抗して、ロータ63が回転する。ロータ63が回転すると、第2の回転軸57及びオイルカップ62が回転する。第2の回転軸57が回転することにより、第2の回転軸57の先端に固定された指針67(
図1参照)も回転する。一方、蓋体30、抵抗部32b、及び、ひげばね64は、回転しない。
【0041】
二輪車が減速すると、第1の回転軸53の回転速度も減速する。これにより、渦電流が小さくなる。ひげばね64の付勢力によって、第2の回転軸57は、加速時とは逆方向に向かって回転される。二輪車が停止すると、第2の回転軸57及び指針67は、二輪車が走行する前の位置まで戻される。
【0042】
オイルカップ62は回転可能であり、抵抗部32bは回転不能である。オイルカップ62内には、ダンパーオイル61が充填されている。磁石55が回転すること等により、オイルカップ62に対して回転方向に力が加わる。このとき、ダンパーオイル61及び抵抗部32bによって、オイルカップ62には、同時に回転を抑制する方向にも力が加わることとなる。この回転を抑制する力は、加速時にも減速時にもオイルカップ62に加わる。これにより、第2の回転軸57及びロータ63の急激な回転を抑制する。急激な回転を抑制することにより、指針67のぶれを抑制する。
【0043】
図5及び
図6を参照する。文字車72は、中央に左右の仕切り壁72aを有した円筒状を呈する。文字車72の円周面には、走行距離を示すための数値72bが表示されている。文字車72の右側面部は、内歯歯車状に形成されている。文字車72の左側面部は、右側面部に形成された歯72cの1/10の数(2つ)の歯72dが形成された内歯歯車状に形成されている。全ての文字車72が同じ構成とされている。
【0044】
ピニオンホルダ73の左右には、それぞれ文字車72R,72L(本段落において、Rは、右を示す添え字。Lは、左を示す添え字。)が配置されている。ピニオンホルダ73を基準として、右の文字車72Rが回転することにより、左側面部に形成された歯72dがピニオンギヤ74に接触する。右の文字車72Rがさらに回転することにより、ピニオンギヤ74を回転させる。このピニオンギヤ74は、左右の文字車72R,72L間に亘って設けられている。加えて、右の文字車72Rの右側面部には、全体に歯72cが形成されている。このため、ピニオンギヤ74によって右の文字車72Rが回転する。これにより、右の文字車72Rの表面に記載された数値72bが1つ送られる。即ち、左に配置された文字車72Lは、右に配置された文字車72Rが1周することにより、ピニオンギヤ74によって数値72bが1つ送られる。
【0045】
図4を参照する。ピニオンホルダ73は、積算計軸部材71を中心とした円形状を呈するホルダ本体部73aと、このホルダ本体部73aから前壁部42の近傍まで突出する前部突出部73bと、ホルダ本体部73aから後壁部43の近傍まで突出する後部突出部73cと、この後部突出部73cの上部に連続して形成され文字車72がひげばね64に接触することを防止する接触防止部73dと、ピニオンギヤ74を支持するピニオンギヤ支持部73eと、を有する。
【0046】
前部突出部73bの前下端部73fは、後方に向かって下がり勾配に形成されている。後部突出部73cの後下端部73rは、前方に向かって下がり勾配に形成されている。
【0047】
図7を参照して、積算計70の収納部40への組み付け方法を説明する。
図7(a)に示されるように、まず積算計軸部材71の一端部(右端部)を軸部材差込孔45aに差し込む。次に、積算計軸部材71の他端部(左端部)を軸部材支持部44aに組み付ける。軸部材支持部44aは、上方に向かって開口しているため、積算計軸部材71を上方から組み付ける。
【0048】
図7(b)に示されるように、積算計軸部材71を押し込むことにより、撓み部44bは、撓む。さらに押し下げることにより、
図7(c)に示されるように、積算計軸部材71は、軸部材支持部44aに組み付けられる。積算計軸部材71が軸部材支持部44aに組み付けられた状態において、撓み部44bは、撓んでいない。この状態において、ストッパ44cは、積算計軸部材71の上方に位置して、積算計軸部材71の抜けを防止する。
【0049】
図8(a)を参照する。ピニオンホルダ73は、積算計軸部材71に対して、回転可能に設けられている。このため、ピニオンホルダ73を収納部40に収納する際に、ピニオンホルダ73は、回転し得る。
【0050】
図8(b)を参照する。ピニオンホルダ73が回転すると、前部突出部73bは、前壁部42に接触する(又は、後部突出部73cは、後壁部43に接触する。)。この状態のままピニオンホルダ73が下げられると、
図8(c)に示されるように、前壁部42(或いは後壁部43)によって前部突出部73bが正しい位置にガイドされる。前部突出部73bが正しい位置にガイドされることにより、当然に後部突出部73cも正しい位置にセットされる。
【0051】
以上に説明した本発明は、以下の効果を奏する。
【0052】
図4を参照する。軸部材支持部44aは、積算計軸部材71を上方から取り付けることが可能な部位である。加えて、ピニオンホルダ73は、ホルダ本体部73aから前壁部42の近傍まで突出する前部突出部73b、及び、後壁部43の近傍まで突出する後部突出部73cを有している。積算計70は、収納部40の上方から筐体20に組み付けられる。このとき、ピニオンホルダ73が回転方向にずれている場合には、前部突出部73bが前壁部42に接触し、又は、後部突出部73cが後壁部43に接触する。ピニオンホルダ73は、積算計軸部材71に回転可能に設けられているため、ピニオンホルダ73に形成された突出部73b,73cが収納部40に形成された壁部42,43に接触することにより回転される。さらに積算計70を押し下げることにより、ピニオンホルダ73は、収納部40に形成された壁部42,43によって正確な位置に導かれる。このため、積算計70の取付作業時にピニオンホルダ73を押さえながら筐体20に組み付ける必要がない。筐体20に積算計70を容易に組み付けることができる車両用計器10を提供することができる。
【0053】
さらに、前部突出部73bの前下端部73fは、後方に向かって下がり勾配に形成され、及び、後部突出部73cの後下端部73rは、前方に向かって下がり勾配に形成されている。積算計70を筐体20に組み付ける際にピニオンホルダ73が回転方向にずれていると、前下端部73f又は後下端部73rが筐体20に接触する。これらの部位がテーパ状に形成されていることにより、容易にピニオンホルダ73を回転させることができる。より組み付け作業性を高めることができる。
【0054】
さらに、前壁部42の上端は、積算計70を収納部40に容易に収納することができるよう後方に向かって下がり勾配に形成された前部ガイド部42aを含み、及び/又は、後壁部43の上端は、積算計70を収納部40に容易に収納することができるよう前方に向かって下がり勾配に形成された後部ガイド部を含む。積算計70を蓋体30に組み付ける際に、より簡便にピニオンホルダ73を正確な位置に導くことができる。
【0055】
図3を参照する。蓋体30(筐体20)は、積算計軸部材71に対して離間する方向に撓むことが可能である撓み部44bと、この撓み部44bの先端に位置し積算計軸部材71の上方を覆うストッパ44cと、が一体的に形成されている。部品点数を増加させることなく簡単な構成によって、積算計軸部材71が軸部材支持部44aから抜けることを防止できる。
【0056】
さらに、軸部材支持部44aは、積算計軸部材71の直径よりも僅かに大きい幅であると共に上方に開口する略U字状を呈する。ストッパ44cは、軸部材支持部44aの延び方向に対して傾いているテーパ面部44dが上端から形成されている。積算計軸部材71を押し下げることにより、積算計軸部材71は、テーパ面部44dに当接する。さらに押し下げることにより、撓み部44bは、撓む。即ち、積算計軸部材71を押し下げることにより、撓み部44bが撓みストッパ44cが変位するため、容易に積算計70を蓋体30へ組み付けることができる。
【0057】
さらに、積算計70の近傍に指針67を支持するための第2の回転軸57(指針支持軸57)が設けられ、この第2の回転軸57は、ひげばね64によって指針67の戻し方向に付勢されている。ひげばね64は、少なくとも一部が文字車72の上方に位置している。ピニオンホルダ73は、積算計70を側面から見た場合を基準として、文字車72とひげばね64との間まで突出し、ひげばね64の文字車72表面への接触を防止する接触防止部73dを有する。エンジン等の振動の影響は、ひげばね64に及ぶ。ひげばね64は、文字車72の表面に向かって振動し、接触した場合には文字車72の表面に印刷された数値(
図1参照)を削り取る虞がある。ピニオンホルダ73は、文字車72とひげばね64との間まで突出する接触防止部73dを有する。これにより、ひげばね64の文字車72表面への接触を防止し、数値の削り取りを防止することができる。
【0058】
尚、本発明による車両用計器は、二輪車に搭載されたものを例に説明したが、四輪車やその他の車両であっても適用可能であり、これらの形式のものに限られるものではない。
【0059】
本発明は、作用や効果を奏する限りにおいて、実施例に限定されるものではない。