(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記回転部材及び前記連結部の前記第1部材、前記連結部の前記第1部材及び前記連結部の前記第2部材、及び、前記連結部の前記第2部材及び前記装着部のいずれか一つの組み合わせは、前記回転部材の回転軸線と非平行な軸線を中心として回転可能に接続されている、請求項1又は2に記載の筋力補助装置。
前記回転部材の回転軸線と前記装着部及び前記連結部の接続位置とを含む面内において、前記連結部の前記第1部材及び前記第2部材の接続位置は、前記連結部の前記回転部材への接続位置と前記連結部の前記装着部への接続位置とを通過する直線に対して一方の側に位置している、請求項3〜5のいずれか一項に記載の筋力補助装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1〜
図17は、本発明の一実施の形態及びその変形例を説明するための図である。このうち、
図1及び
図2は、筋力補助装置10の全体を示す斜視図であり、とりわけ
図1は、人体に装着した状態を示している。筋力補助装置10は、第1回転軸線d1を中心として相対回転可能な第1装着具20及び第2装着具30と、第1装着具20及び第2装着具30の相対位置、言い換えると、第2装着具30の第1装着具20に対する回転位置を制御する駆動装置40と、を有している。
図1に示すように、第1装着具20及び第2装着具30は、関節によって接続された人体の二つの部位にそれぞれ取り付けられる。駆動装置40は、第1装着具20及び第2装着具30の相対位置を制御して、関節を介した二つの部位の筋力を補助する。とりわけここで説明する筋力補助装置10には、着用者に与える拘束感を軽減しながら優れた筋力補助機能を発揮するための工夫が、なされている。
【0020】
図示された例では、第1装着具20が、装着ベルト11を介して胴体に取り付けられ、第2装着具30が、後述する装着部31を介して上腕に取り付けられている。そして、筋力補助装置10は、肩の動作を補助する。ここで、一つの関節は、互いに異なる軸線を中心とした相対回転運動を可能にする。
図1に示すように、肩関節は、上腕を胴体に対して屈伸軸daを中心として相対回転させる屈曲伸展運動と、上腕を胴体に対して内外転軸dbを中心として相対回転させる内転外転運動と、上腕を胴体に対して内外旋軸dcを中心として相対回転させる内旋外旋運動と、を可能にする。そして、図示された筋力補助装置10は、後述するように、屈曲運動中に上腕が下がらないように所定の位置に保持することを補助し、さらに、上腕を前方に持ち上げる屈曲運動を補助する。
【0021】
また図示された例において、駆動装置40は、駆動力の出力部としての回転部材50を有している。回転部材50は、第1回転軸線d1を中心として第1装着具20に対して相対回転可能となっている。この回転部材50が、第2装着具30と接続している。回転部材50の回転軸線となる第1回転軸線d1は、肩の屈伸軸daに対応して設けられている。第2装着具30が第1装着具20に対して第1回転軸線d1を中心として相対回転することにより、肩関節を中心とした、上腕の屈曲運動及び伸展運動が可能となる。
【0022】
なお、本発明による筋力補助装置は、図示された例に限られず、屈曲運動、伸展運動、内転運動、外転運動、内旋運動、外旋運動のいずれか一以上を補助するようにしてもよい。また、本発明による筋力補助装置は、図示された例に限られず、肘、首、腰、股、手首等における人体の動作を補助するようにしてもよい。
【0023】
以下、各構成要素について順に説明していく。まず、第1装着具20について説明する。第1装着具20は、第1部分21及び第2部分22を有している。
図1に示すように、第1部分21には、装着ベルト11が設けられている。第1部分21が、装着ベルト11を介して着用者の胴体に取り付けられる。第2部分22は、第1部分21に対して、第3回転軸線d3を中心として相対回転可能に接続されている。この第3回転軸線d3は、肩の内外旋軸dcに対応して設けられている。第2部分22が第1部分21に対して第3回転軸線d3を中心として相対回転することにより、肩関節を中心とした、上腕の内旋運動及び外旋運動が可能となる。
【0024】
図2に示すように、第2部分22は、側フレーム23、縦フレーム24、外方支持アーム25及び内方支持アーム26を有している。側フレーム23は、第1部分21と回転可能に接続している。側フレーム23は、第1部分21から横方向外方に延び出している。縦フレーム24は、側フレーム23の外方端部分から下方に延び出している。縦フレーム24の上方端部分から、外方支持アーム25及び内方支持アーム26が前方に向けて延び出している。外方支持アーム25及び内方支持アーム26は、横方向に互いから離間して略平行に延びている。外方支持アーム25が内方支持アーム26よりも横方向外方に位置している。なお、外方支持アーム25については、理解の容易を図るため、
図3〜
図7においてその一部分の図示を省略している。
【0025】
肩の動作を補助する図示された筋力補助装置10は、両方の肩に作用するように構成されている。具体的には、第1部分21の両側方にそれぞれ第2部分22が設けられている。各第2部分22に対して、駆動装置40の回転部材50等が支持されている。また、各第2部分22に第2装着具30が接続している。第1部分21を中心として両側方に設けられた一対の構成要素は、対称性を有しているものの、その他において同一に構成され得る。したがって、以下の説明および
図3〜
図16においては、右肩に作用する構成に基づいて記載する。
【0026】
また、本明細書で用いる「前」、「後」、「上」、「下」及び「横方向」等の用語は、筋力補助装置10を着用した着用者を基準とした「前」、「後」、「上」、「下」及び「横方向」を意味することとする。
【0027】
次に、第2装着具30について説明する。
図3及び
図11は、前方(正面)から、第2装着具30を示している。第2装着具30は、詳しくは後述する駆動装置40の回転部材50と接続している。第2装着具30は、回転部材50の回転にともなって、回転部材50の回転軸線である第1回転軸線d1を中心として回転する。第2装着具30は、人体に取り付けられる装着部31と、回転部材50と第2装着具30とを連結する連結部33と、を有している。連結部33は、回転部材50の第1装着具20に対する回転にともなって装着部31が第1装着具20に対して回転するよう、回転部材50と装着部31とを連結している。
【0028】
図示された例において、装着部31は、人体の上腕に取り付けられる。装着部31は、駆動装置40から供給される力を上腕に効率的に伝達するため、第1回転軸線d1周りの回転にともなった移動方向と直交する方向への上腕との相対移動を規制されることが好ましい。その一方で、着用者が受ける拘束感を軽減する目的から、装着部31は、上腕に対して、上腕の長手方向に沿った上腕に対する相対移動や、上腕の中心軸線周りの上腕に対する相対回転が或る程度許容されてもよい。図示された例において、装着部31は、上腕が挿入される筒状部31aと、連結部33と接続するブラケット31bと、を有している。筒状部31aとブラケット31bとは固定されている。
【0029】
連結部33は、着用者の拘束感を軽減する目的から、回転部材50の回転軸線である第1回転軸線d1と直交し且つ装着部31及び連結部33の接続位置(以下において、「先端側接続位置」とも呼ぶ)djを含む面内において、回転部材50及び連結部33の接続位置(以下において、「基端側接続位置」とも呼ぶ)pjと先端側接続位置djとの間の距離laが変化するようになっている。したがって、第1回転軸線d1と直交し且つ先端側接続位置djを含む面において、第1回転軸線d1から先端側接続位置djまでの距離lxが変化する。ここで、第1回転軸線d1と直交し且つ先端側接続位置djを含む面とは、
図4〜
図7に示された面と平行な面となる。そして、
図4〜
図7に示された面と平行な面内における基端側接続位置pjから先端側接続位置djまでの距離laとは、第1回転軸線d1と先端側接続位置djとを含む面内における、第1回転軸線d1に直交する方向に沿った第1回転軸線d1と先端側接続位置djとの離間間隔とすることもできる。
【0030】
また、着用者の拘束感を軽減する目的からは、回転部材50から連結部33を介して装着部31までの部分が、3自由度の機構を形成していることが好ましい。
図3及び
図11に示された例では、連結部33は、回転部材50に対して動作可能に接続した第1部材34と、第1部材34に動作可能に接続し且つ装着部31に動作可能に接続した第2部材35と、を有している。この連結部33によれば、回転部材50から装着部31までの構成により、3自由度の動作を行うことができる。言い換えると、装着部31は、回転部材50日対して、3自由度の相対動作を行うことができる。
【0031】
さらに、回転部材50と第1部材34との接続、第1部材34と第2部材35との接続、及び、第2部材35と装着部31との接続のうちの、いずれか一つの接続が、回転部材50の回転軸線である第1回転軸線d1と非平行な軸線を中心として回転可能な接続となっていることが好ましい。第1回転軸線d1と非平行な軸線を中心として回転可能な接続は、装着部31が、回転部材50の回転にともなって、第1回転軸線d1を中心として回転することを阻害することはない。その一方で、図示された例では、装着部31が、第1回転軸線d1と非平行な軸線を中心とした肩関節での動作に追随して、上腕とともに移動することを可能とすることができる。
【0032】
図示された例において、回転部材50と第1部材34が回転可能に接続されている。回転部材50と第1部材34との相対回転軸線は、第1回転軸線d1と非平行な第2回転軸線d2となっている。とりわけ図示された例において、第2回転軸線d2は、第1回転軸線d1と直交している。また、第2回転軸線d2は、第3回転軸線d3とも直交している。さらに図示された例において、連結部33の回転部材50への接続位置である基端側接続位置pjは、回転部材50の回転軸線である第1回転軸線d1上に位置している。このため、第1回転軸線d1と直交し且つ先端側接続位置djを含む面における、基端側接続位置pj及び先端側接続位置djの間の距離laは、第1回転軸線d1及び先端側接続位置djの間の距離lxと、一致している。上述したように、第1回転軸線d1を中心とした構成要素間の相対回転により、関節の屈曲運動および進展運動を可能にしている。そして、第2回転軸線d2を中心とした回転部材50と第2装着具30との相対回転により、
図13に示すように、関節の内転運動および外転運動を可能にしている。
【0033】
また、図示された例において、連結部33の第1部材34と第2部材35は、第4回転軸線d4を中心として回転可能に接続されている。連結部33の第2部材35と装着部31は、第5回転軸線d5を中心として回転可能に接続されている。第4回転軸線d4及び第5回転軸線d5は、第2回転軸線d2と平行となっている。このような構成により、内外転運動に対応して設けられた第2回転軸線d2に直行し且つ先端側接続位置djを含む面(
図11及び
図13)において、基端側接続位置pjと先端側接続位置djとの距離lbが変化するようになっている。
【0034】
また、
図11〜
図13に示すように、第1回転軸線d1と先端側接続位置djとを含む面内において、連結部33の第1部材34及び第2部材35の接続位置(以下において、「中間接続位置」とも呼ぶ)mjは、基端側接続位置pjと先端側接続位置djとを通過する仮想直線vslに対して常に一方の側に位置している。とりわけ図示された例においては、構造的に、中間接続位置mjが、常に、基端側接続位置pj及び先端側接続位置djを通過する仮想直線vslの一方側に位置するようになっている。つまり、連結部33の両端が最も離間するように伸張した場合においても、中間接続位置mjは、仮想直線vsl上に位置していない。そして、図示された例において、中間接続位置mjは、仮想直線vslに対して、回転部材50と同一の側に位置している。
図11〜
図13に示すように、中間接続位置mjは、回転部材50とともに、仮想直線vslを挟んで人体とは反対側に位置している。この構成によれば、連結部33が短縮した際に、連結部33の中間部が、人体に接触してしまうことを効果的に回避することができる。
【0035】
なお、図示された例とは異なり、連結部33が、最も伸張した場合に仮想直線vslに位置するようにしてもよいし、また、中間接続位置mjが、仮想直線vslの両側に位置することが可能となっていてもよい。このような筋力補助装置10については、人体に装着した実際の使用中において連結部33が最も伸張する条件で、中間接続位置mjが、仮想直線vslの一方の側、とりわけ回転部材50と同一の側で人体とは反対側に、位置することが好ましい。この場合、筋力補助装置10の使用中に、連結部33の中間部が、人体に接触してしまうことを効果的に回避することができる。
【0036】
次に、駆動装置40について説明する。図示された例において、駆動装置40は、回転部材50と、回転部材50を保持可能な保持部55と、保持部55に作用する操作部65と、を有している。回転部材50は、第1装着具20に回転可能に支持され、且つ、第2装着具30と接続している。保持部55は、回転部材50の回転位置を保持する。言い換えると、保持部55は、保持部55と回転部材50との相対動作、とりわけ相対回転を規制する。操作部65は、いわゆるアクチュエータとして機能して、保持部55に作用する。操作部65が保持部55に作用することで、回転部材50を第1装着具20に対して静止(制動)または回転させるための力が、保持部55から回転部材50に加えられるようになっている。
【0037】
また、図示された例では、保持部55は、第1装着具20に動作可能に構成されている。駆動装置40は、操作部65から保持部55への作用力に抗する力を加える付勢部材61をさらに有している。付勢部材61から供給される力と、操作部65から供給される力とのバランスにより、保持部55及び回転部材50の状態が制御されるようになる。さらに、駆動装置40は、操作部65の動作を制御する制御部70を有している。駆動装置40をなす以上の構成要素について、順に説明していく。
【0038】
まず、回転部材50について説明する。
図2に示すように、回転部材50は、円柱状の軸部材51と、軸部材51から拡径した回転ドラム52と、を有している。軸部材51は、第1装着具20の外方支持アーム25及び内方支持アーム26によって回転可能に支持されている。回転ドラム52は、外方支持アーム25及び内方支持アーム26の間に位置している。
図3に示すように、軸部材51の内側端において、回転部材50は第2装着具30と接続している。したがって、回転部材50の第2装着具30への接続位置(基端側接続位置pj)は、回転部材50の回転軸線である第1回転軸線d1上に位置している。回転ドラム52は、円板状に形成されている。回転ドラム52は、保持部55を介して操作部65から、第1装着具20に対する回転を静止するための力及び第1装着具20に対して回転するための力を受ける。回転ドラム52は、その表層部に摩擦層52aを有している。摩擦層52aは、後述する保持部55と接触するようになる部位である。摩擦層52aは、保持部55との間でより大きな摩擦力を生み出すゴム等から形成され得る。
【0039】
次に、保持部55について説明する。
図8〜
図10に示すように、保持部55は、第1装着具20に対して動作可能な支持部材56と、支持部材56に支持された揺動部材57と、を有している。図示された例において、支持部材56は、回転部材50の軸部材51に支持されている。支持部材56は、軸部材51に対して第1回転軸線d1を中心として相対回転可能となっている。また、軸部材51上に一対の支持部材56が設けられている。回転部材50の回転ドラム52は、第1回転軸線d1に沿って一対の支持部材56の間に位置している。
【0040】
図示された例において、揺動部材57は、一対の支持部材56の先端部間に支持されている。揺動部材57は、支持部材56に対して揺動可能となっている。とりわけ図示された例では、支持部材56の先端部に、一対の揺動部材57が設けられている。一対の揺動部材57は、支持部材56の先端部から互いに異なる側に延び出している。各揺動部材57は、回転部材50の回転ドラム52に対して第1回転軸線d1を中心とした径方向外方から対面している。一対の揺動部材57によって、回転ドラム52の外周面の多くの部分が覆われている。
【0041】
揺動部材57は、支持部材56に対して揺動することで、第1回転軸線d1を中心とした径方向外方から回転ドラム52に当接することができる。揺動部材57は、回転部材50に当接して摩擦力を生じさせる摩擦体57aを有している。摩擦体57aは、回転ドラム52の摩擦層52aに接触し、摩擦層52aとの間で摩擦力を生む。保持部55は、支持部材56と揺動部材57との間に設けられた付勢手段58を更に有している。付勢手段58は、揺動部材57が、回転ドラム52から離間するよう付勢している。図示された例において、付勢手段58は、引っ張りバネからなる付勢バネ58aとから形成されている。また、支持部材56には、一対の揺動部材57と係合する同期歯車(図示せず)が設けられている。同期歯車は、一対の揺動部材57と係合して、一対の揺動部材57が同期して回転部材50に対して動作するようにする。同期歯車によって、一対の揺動部材57は、対称的に動作する。すなわち、一方の揺動部材57が回転ドラム52に接触している際に、他方の揺動部材57も回転ドラム52に接触する。一方の揺動部材57が回転ドラム52から離間すると、他方の揺動部材57も回転ドラム52から離間する。
【0042】
次に、操作部65について説明する。操作部65は、いわゆるアクチュエータとして保持部55に作用する。図示された例において、操作部65は、伸縮可能な伸縮部材66を有している。
図4に示すように、伸縮部材66は、その一端において、上方に位置する揺動部材57に接続している。伸縮部材66は、その他端において、第1装着具20の縦フレーム24の下端に接続している。操作部65に要求される駆動力に応じて、複数の伸縮部材66を設けることができる。
【0043】
図8及び
図9に示すように、伸縮部材66が、縮むことにより、操作部65が、上方側に位置する揺動部材57を引き寄せ、これにより、揺動部材57を回転部材50の回転ドラム52に当接させるようになる。
図6及び
図9に示された状態において、保持部55は回転部材50を保持し、保持部55と回転部材50との相対回転が規制される。この状態から伸縮部材66が更に縮むと、操作部65が、上方側の揺動部材57を更に引き寄せる。これにより、
図7及び
図10に示すように、操作部65は、保持部55とともに、保持部55との相対回転が規制された回転部材50を、第1装着具20に対して回転させる。
【0044】
伸縮部材66として、流体圧により膨張および収縮可能な部材を用いることができる。一具体例として、伸縮部材66として、流体圧式アクチュエータとして知られたMcKibben人工筋肉を用いることができる。McKibben人工筋肉からなる伸縮部材66は、流体(典型的には、気体)を内部に供給されることで、拡径するとともに短縮する。伸縮部材66は、この短縮にともなって、収縮力を発生させる。流体圧で膨張収縮可能な伸縮部材66を用いた場合、伸縮部材66自体の弾力性により、及び、例えば空気に代表される流体自体の圧縮性により、装着者の拘束感を効果的に軽減することができる。図示された例において、操作部65は、伸縮部材66に流体を供給可能な流体圧源67を有している。
図1に示すように、例えばコンプレッサとして構成された流体圧源67が、第1装着具20の第1部分21に支持されている。
【0045】
操作部65の動作は、制御部70によって制御される。
図1に示された例において、制御部70は、流体圧源67とともに、第1装着具20の第1部分21に支持されている。制御部70は、流体圧源67から伸縮部材66への流体(例えば空気)の供給および伸縮部材66からの流体の排気を制御することで、回転部材50の第1装着具20に対する回転及び回転位置を制御することができる。
【0046】
より具体的には、制御部70は、操作部65の伸縮部材66の伸縮の程度によって、
図4,
図5及び
図8に示された自由回転モードと、
図6及び
図9に示された回転制動モードと、
図7及び
図10に示された回転駆動モードと、を切り替える。
図4,
図5及び
図8に示された自由回転モードでは、回転部材50は、保持部55及び第1装着具20に対して自由に回転することができる。
図6及び
図9に示された回転制動モードでは、保持部55と回転部材50との相対回転が規制された状態で、さらに、回転部材50の第1装着具20に対する回転が規制される。
図7及び
図10に示された回転駆動モードでは、保持部55と回転部材50との相対回転が規制された状態で回転部材50を第1装着具20に対して回転させる。
【0047】
次に、付勢部材61について説明する。付勢部材61は、操作部65からの駆動力によって保持部55が回転部材50とともに回転する方向とは逆方向に当該保持部55を付勢する。保持部55による回転部材50の保持力を強化したい場合には、付勢部材61の付勢力を上昇させてもよいし、複数の付勢部材61を設けるようにしてもよい。
【0048】
図示された例では、
図4に示すように、付勢部材61は、その一端において、下方に位置する揺動部材57に接続している。付勢部材61は、その他端において、第1装着具20の縦フレーム24の上端に接続している。
図4の側面視において、付勢部材61は、伸縮部材66と交差するようにして、設けられている。図示された付勢部材61は、第1装着具20に端部を固定された付勢部材本体61aと、付勢部材本体61aと下方側の揺動部材57とを連結する連結材61bと、を有している。付勢部材本体61aとして、引っ張りばねを用いることができ、連結材61bとして、金属片やワイヤ等を用いることができる。
【0049】
次に、以上のような構成からなる筋力補助装置10の動作について説明する。
【0050】
図1に示すように、まず、装着ベルト11を用いて、第1装着具20の第1部分21を胴体に取り付ける。また、第2装着具30の装着部31を上腕に取り付ける。なお、筋力補助装置10には、着用者が受ける拘束感を軽減するための工夫がなされている。したがって、肩関節の各回転軸に対して、筋力補助装置10の構成要素間の回転軸線を必ずしも一致させなくてもよい。したがって、厳密な位置合わせの必要性を排除することができるため、着用者は、筋力補助装置10を容易且つ短時間で着用することが可能となる。
【0051】
筋力補助装置10を着用した着用者が、屈伸軸daを中心として屈伸運動または伸展運動を行う際、第2装着具30は、第1装着具20に対して第1回転軸線d1を中心として回転する。このとき、着用者の上腕は、屈伸軸daを中心として胴体に対して相対回転する。一方、上腕に取り付けられた装着部31は、第1回転軸線d1を中心として、胴体に取り付けられた第1装着具20に対して相対回転する。ここで、第1回転軸線d1が屈伸軸daと一致していない場合、上腕の装着部31を取り付けられている部位の屈伸軸daを中心とした移動軌跡と、装着部31の第1回転軸線d1を中心とした移動軌跡は、一致しない。したがって、着用者は、拘束感を覚えて肩の位置を動かしながら腕を屈曲または伸展させることになる。
【0052】
そこで、図示された筋力補助装置10では、回転部材50の回転軸線である第1回転軸線d1と直交し且つ第2装着具30の装着部31及び連結部33の接続位置である先端側接続位置djを含む面内において、すなわち、
図4及び
図5に示す面と平行な面において、連結部33の回転部材50への接続位置である基端側接続位置pjと連結部33の装着部31への接続位置である先端側接続位置djとの間の距離laが変化し、且つ、第1回転軸線d1と先端側接続位置djとの間の距離lxが変化する。言い換えると、第1回転軸線d1と先端側接続位置djとを含む
図11及び
図12の面内において、基端側接続位置pjと先端側接続位置djとの間の第1回転軸線d1に直交する方向に沿った離間間隔laが、変化し、且つ、第1回転軸線d1と先端側接続位置djとの間の第1回転軸線d1に直交する方向に沿った離間間隔lxが変化する。図示された例において、この離間間隔(距離)la、lxは、
図11及び
図4に示された状態において、
図12及び
図5に示された状態よりも、長くなっている。この基端側接続位置pjと先端側接続位置djとの間の距離laの変動により、屈伸・伸展運動において、上腕の装着部31が取り付けられている部位の移動軌跡に、装着部31の移動軌跡を一致させることができる。したがって、屈伸・伸展運動中における、筋力補助装置10を着用した着用者の拘束感を効果的に軽減することができる。
【0053】
また、本実施の形態において、回転部材50、連結部33及び装着部31は、3自由度の機構を構成している。このような第2装着具30によれば、回転部材50の回転軸線である第1回転軸線d1を含む面内において、装着部31及び連結部33の接続位置である先端側接続位置djを、装着部31の向きを調整しながら、第1回転軸線d1と平行な方向および第1回転軸線d1に直交する方向の二方向において装着部31の位置を調節することも可能となる。この場合、第1回転軸線d1が、屈伸軸daに対して平行移動している場合だけでなく、屈伸軸daに対して傾斜している場合であったとしても、屈曲運動および伸展運動を、拘束感を軽減して、実現可能とすることができる。
【0054】
また、人体の関節は、互いに直交する複数の軸を中心とした回転運動を可能にする。例えば肩関節は、一つの関節で、屈曲・伸展運動及び内転・外転運動を、互いに直交する軸線da,dbを中心とした相対回転動作として可能にしている。このような多様な運動を拘束しないようにするため、特開2009−268839号公報に開示された筋力補助装置では、複数の相対回転軸線が設けられ且つ複数の相対回転軸線が一箇所で交わるようにしている。そして、この複数の相対回転軸線が交わる位置が、着用者の関節上に位置するよう、着用者は筋力補助装置を着用する。しかしながら、筋力補助装置において、複数の回転軸線が一箇所で交わるようにすることは、筋力補助装置の複雑大型化の原因となる。さらに、筋力補助装置の複数の回転軸線が交わる位置を、着用者の関節上に配置し続けることは困難である。
【0055】
一方、図示された筋力補助装置10によれば、内外転運動および内外旋運動の際にも同様に、着用者が受ける拘束感を効果的に軽減することができる。
【0056】
まず、筋力補助装置10を着用した着用者が、内外転軸dbを中心として内転運動または外転運動を行う際、
図13に示すように、第2装着具30は、第1装着具20に対して第2回転軸線d2を中心として回転する。このとき、着用者の上腕は、内外転軸dbを中心として胴体に対して相対回転する。一方、上腕に取り付けられた装着部31は、第2回転軸線d2を中心として、胴体に取り付けられた第1装着具20に対して相対回転する。ここで、第2回転軸線d2が内外転軸dbと一致していない場合、上腕の装着部31を取り付けられている部位の内外転軸dbを中心とした移動軌跡と、装着部31の第2回転軸線d2を中心とした移動軌跡は、一致しない。したがって、着用者は、拘束感を覚えて肩の位置を動かしながら腕を内転または外転させることになる。
【0057】
しかしながら、図示された筋力補助装置10では、第2回転軸線d2と直交し且つ先端側接続位置djを含む面内において、すなわち、
図11及び
図13に示す面において、基端側接続位置pjと先端側接続位置djとの間の距離lbが変化し、且つ、第2回転軸線d2と先端側接続位置djとの間の距離lyが変化する。また言い換えると、第2回転軸線d2と先端側接続位置djとを含む面内において、基端側接続位置pjと先端側接続位置djとの間の第2回転軸線d2に直交する方向に沿った離間間隔lbが、変化し、且つ、第2回転軸線d2と先端側接続位置djとの間の第2回転軸線d2に直交する方向に沿った離間間隔lyがする。図示された例において、この離間間隔(距離)lb、lyは、
図11に示された状態において、
図13に示された状態よりも、長くなっている。この基端側接続位置pjと先端側接続位置djとの間の距離lbの変動により、内転・外転運動において、上腕の装着部31が取り付けられている部位の移動軌跡に、装着部31の移動軌跡を一致させることができる。したがって、内転・外転運動中における、筋力補助装置10を着用した着用者の拘束感を効果的に軽減することができる。
【0058】
なお、図示された例において、連結部33の回転部材50への接続位置である基端側接続位置pjは、回転部材50の回転軸線である第1回転軸線d1上に位置している。このため、第2回転軸線d1と直交し且つ先端側接続位置djを含む面における、基端側接続位置pj及び先端側接続位置djの間の距離lbは、第1回転軸線d2及び先端側接続位置djの間の距離lyと、一致している。
【0059】
次に、駆動装置40の動作について説明する。
【0060】
図示された筋力補助装置10は、上述したように、
図4,
図5及び
図8に示された自由回転モードと、
図6及び
図9に示された回転制動モードと、
図7及び
図10に示された回転駆動モードと、のいずれかに維持され得る。
【0061】
まず、
図4、
図5及び
図8に示された自由回転モードでは、伸縮部材66内の流体が排気され、伸縮部材66は伸張している。したがって、保持部55の揺動部材57は、伸縮部材66から回転ドラム52に向けて力を受けていない。一方、保持部55は、付勢部材61からの付勢力(引っ張り力)により、
図8において反時計回り方向に回転する。ただし、付勢部材61の連結材61bは、下側に位置する揺動部材57の揺動中心の近傍に接続している。したがって、
図8に示された状態において、揺動部材57は、回転部材50に当接させる力を付勢部材61からも受けていない。揺動部材57は、付勢手段58によって、回転部材50から離間する向きに付勢されている。したがって、自由回転モードでは、回転部材50は、第1回転軸線d1を中心とした回転を、保持部55によって規制されることなく、第1回転軸線d1を中心として自由に回転することができる。
【0062】
この自由回転モードでは、第2装着具30が第1装着具20に対して自由に回転することができる。したがって、筋力補助装置10の着用者は、第2装着具30の装着部31が装着された上腕を、第1回転軸線d1を中心として、胴体に対して自由に回転させることができる。すなわち、着用者は、筋力補助装置10に拘束されることなく、屈曲運動及び伸展運動を行うことができる。
【0063】
次に、
図6及び
図9に示された回転制動モードでは、流体圧源67から伸縮部材66内に流体が供給され、伸縮部材66が短縮する。伸縮部材66が短縮することにより、操作部65は、上側に配置された揺動部材57を引き寄せるよう、当該揺動部材57に作用する。
図9に示すように、伸縮部材66から揺動部材57に加えられた力は、揺動部材57を回転部材50の回転ドラム52に向けて動作させる。
図9に示すように、揺動部材57の摩擦体57aが、回転ドラム52の外周面をなす摩擦層52aに当接する。摩擦体57aと摩擦層52aとの摩擦力により、保持部55が回転部材50を保持する。これにより、保持部55と回転部材50との相対回転が規制され、回転部材50の回転位置が維持される。
【0064】
この回転制動モードでは、第2装着具30の第1装着具20に対する相対回転が規制される。すなわち、筋力補助装置10は、
図6に示すように持ち上げた上腕を、その位置に維持することを補助し、上腕が下がってしまうことを効果的に抑制することができる。なお、保持部55は、付勢部材61及び操作部65に接続しているものの、第1装着具20に対して回転可能となっている。したがって、着用者は、
図6に示された状態から、付勢部材61の付勢力に抗して、上腕をさらに持ち上げることが可能である。
【0065】
図7及び
図10に示された回転駆動モードでは、流体圧源67から伸縮部材66内に流体がさらに供給され、伸縮部材66がさらに短縮する。伸縮部材66がさらに短縮することにより、操作部65は、上側に配置された揺動部材57をさらに引き寄せる。伸縮部材66から揺動部材57に加えられた力は、揺動部材57を回転部材50に当接させた状態で、さらに、付勢部材61の付勢力に抗して、保持部55を回転部材50とともに第1回転軸線d1を中心として回転させる。
図7及び
図10において、保持部55と回転部材50とが相対回転を規制された状態で、保持部55及び回転部材50が同期して反時計周りに回転する。
【0066】
この回転駆動モードでは、第2装着具30が、第1装着具20に対して相対回転するよう駆動される。すなわち、筋力補助装置10は、例えば
図6及び
図9に示された状態から、
図7及び
図10に示された状態まで、上腕を持ち上げることを補助する。
【0067】
なお、回転駆動モードを終了させる際には、操作部65は、回転部材50を第1装着具20に対して回転させるための駆動力を解除する。このとき、操作部65は、保持部55と回転部材50との相対回転を規制するための駆動力の供給を維持するようにしてもよい。すなわち、回転駆動モードを終了させた後、自由回転モードではなく、回転制動モードに移行するようにしてもよい。
【0068】
以上に説明してきた本実施の形態において、第2装着具30は、人体に取り付けられる装着部31と、回転部材50の第1装着具20に対する回転にともなって装着部31が第1装着具20に対して回転するよう回転部材50と装着部31とを連結する連結部33と、を有している。回転部材50の回転軸線d1に直交し且つ装着部31及び連結部33の接続位置djを含む面内において、連結部33の回転部材50への接続位置pjと連結部33の装着部31への接続位置djとの間の距離laが変化する。言い換えると、回転部材50の回転軸線d1を含む面内において、回転軸線d1と接続位置djとの間の距離が変化する。すなわち、回転部材50の回転軸線d1を含む面内において、装着部31の位置を変化させることができる。したがって、回転部材50の回転軸線d1が、回転部材50へ力を加えることで補助しようとする関節の動作の回転軸線daからずれていたとしても、当該関節の動作を、拘束感を軽減して、実現可能とすることができる。また、回転部材50の回転軸線d1を関節の回転軸daと厳密に一致させる必要がないため、筋力補助装置10の構成を簡易小型化することが可能となり、また、筋力補助装置10の人体への位置決めを容易化することができる。なお、拘束感を緩和するための構成は、アクティブ方式の筋力補助装置(動作を積極的に補助する筋力補助装置)だけでなく、パッシブ方式の筋力補助装置(状態(姿勢)の維持を補助する筋力補助装置)においても、有効である。
【0069】
また、本実施の形態において、回転部材50、連結部33及び装着部31は、3自由度の機構を構成している。このような連結部33によれば、回転部材50の回転軸線d1を含む面内において、装着部31及び連結部33の接続位置djを、装着部31の向きを調整しながら、回転部材50の回転軸線d1と平行な方向および回転部材50の回転軸線d1に直交する方向の二方向において装着部31の位置を調節することを、可能とすることができる。この場合、回転部材50の回転軸線d1が、回転部材50へ力を加えることで補助しようとする関節の動作の回転軸線daに対して傾斜していたとしても、当該関節の動作を、拘束感を軽減して、実現可能とすることができる。またこの場合、回転部材50へ力を加えることで補助しようとする関節の動作以外の動作(上述した例では、屈伸運動以外の内外転運動)についても、拘束感を軽減することができる。
【0070】
本実施の形態において、連結部33は、回転部材50に対して動作可能に接続した第1部材34と、第1部材34に動作可能に接続し且つ装着部31に動作可能に接続した第2部材35と、を有している。このような連結部33によれば、簡易且つ安価な構成により、3自由度のリンク機構を実現することができる。
【0071】
本実施の形態において、回転部材50及び連結部33の第1部材34、連結部33の第1部材34及び連結部33の第2部材35、及び、連結部33の第2部材35及び装着部31のいずれか一つの組み合わせは、回転部材50の回転軸線d1と非平行な軸線d2を中心として回転可能に接続されている。このような連結部33によれば、回転部材50へ力を加えることで補助しようとする関節の動作以外の動作についても、拘束感を軽減することができる。すなわち、連結部33が、回転部材50へ力を加えることで補助しようとする関節の動作に対する拘束感を軽減させる手段としてだけでなく、当該関節の動作とは異なる他の動作を可能とするための手段としても機能する。しかも、他の動作についても、拘束感を軽減することができる。
【0072】
本実施の形態において、回転部材50の回転軸線d1を中心とした第1装着具20及び第2装着具30の相対回転により、関節の屈曲運動または進展運動を可能にし、回転部材50の回転軸線d1と非平行な軸線d2を中心とした前記いずれか一つの組み合わせの相対回転により、関節の内転運動または外転運動を可能にしている。したがって、関節の屈曲運動および進展運動を、過度の拘束感を与えることなく、補助しながら、同時に、当該関節の内転運動および外転運動を、拘束感を軽減しながら、実現可能とすることができる。
【0073】
本実施の形態において、第1装着具20は、第1部分21と、第1部分21に対して回転可能に接続された第2部分22と、を有し、第1部分21及び第2部分22の回転軸線d3は、回転部材50の回転軸線d1と非平行であるとともに、前記いずれか一つの組み合わせの回転軸線d2とも非平行となっている。この筋力補助装置10によれば、一つの関節における互いに異なる三つの軸線da,db,dcを中心とした動作を、実現可能とすることができる。これにより、さらに効果的に拘束感を軽減することができる。
【0074】
本実施の形態において、回転部材50の回転軸線d1と装着部31及び連結部33の接続位置djとを含む面内において、連結部33の第1部材34及び第2部材35の接続位置mjは、連結部33の回転部材50への接続位置pjと連結部33の装着部31への接続位置djとを通過する直線cvlに対して常に一方の側に位置している。したがって、筋力補助装置10が人体に装着された際に、回転部材50の回転軸線d1と装着部31及び連結部33の接続位置djとを含む面内において、連結部33の回転部材50への接続位置pjと連結部33の装着部31への接続位置djとの間の距離が最も長くなっている状態においても、連結部33の第1部材34及び第2部材35の接続位置djは、連結部33の回転部材50への接続位置pjと連結部33の装着部31への接続位置djとを通過する直線cvjに対して一方の側に位置するようになる。つまり、連結部33の第1部材34及び第2部材35の接続位置mjを、常に、人体から離間する側へ突出させることができる。これにより、連結部33が、関節の動作にともなって、人体に接触してしまうことを効果的に防止することができる。
【0075】
本実施の形態において、連結部33の回転部材50への接続位置pjは、回転部材50の回転軸線d1上に位置している。関節から装着部31までの距離と、連結部33の回転部材50への接続位置pjから装着部31までの距離との差が、回転にともなった変化することを、効果的に抑制することができる。したがって、より拘束感を排除した円滑な関節の動作を可能にすることができる。
【0076】
本実施の形態において、保持部55と回転部材50との相対回転が規制された状態で、保持部55に作用して保持部55とともに回転部材50を第1装着具20に対して回転させる操作部65が設けられている。したがって、単に、第1装着具20と第2装着具30との相対位置を保持するだけでなく、操作部65が保持部55に作用することで、第2装着具30を第1装着具20に対して動作させることができる。すなわち、着用者の動作を積極的に補助することができ、単に位置を保持するだけ装置と比較して、格段に筋力補助性能を向上させることができる。さらに、操作部65の動作を制御する制御部70が設けられ、制御部70は、回転部材50が保持部55に対して回転可能な自由回転モードと、保持部55と回転部材との相対回転が規制された状態で回転部材50の第1装着具20に対する回転を規制する回転制動モードと、保持部55と回転部材50との相対回転が規制された状態で回転部材50を第1装着具に対して回転させる回転駆動モードと、を切り替える。回転駆動モードでは、優れた筋力補助性能を発揮することができる。また、自由回転モードでは、着用者に与える拘束感及び負担を大幅に減じることができる。
【0077】
本実施の形態において、操作部65は、保持部55に駆動力を供給して、保持部55と回転部材50との相対回転を規制する。すなわち、操作部65は、保持部55に回転部材50を保持させるための駆動力と、さらに、回転部材50を保持した保持部55を回転部材50とともに回転させる駆動力と、を保持部55に供給する。一つの操作部65によって、第1装着具20に対する第2装着具30の位置の保持および動作の両方を実現することができるので、筋力補助装置10の小型軽量化を図ることができる。
【0078】
本実施の形態において、制御部70は、回転駆動モードの場合に、保持部55と回転部材50との相対回転を規制するための駆動力と、回転部材50を第1装着具20に対して回転させるための駆動力と、を保持部55に供給するよう操作部65を制御する。すなわち、一つの操作部65が、保持部55と回転部材50との相対回転を規制するための駆動力と、回転部材を第1装着具に対して回転させるための駆動力と、の両方を出力している。したがって、筋力補助装置の小型軽量化を図ることができる。
【0079】
本実施の形態において、制御部70は、回転駆動モードを終了する際に、回転部材50を第1装着具20に対して回転させるための駆動力を解除する一方で、保持部55と回転部材50との相対回転を規制するための駆動力の供給を維持して、回転制動モードに移行するよう操作部65を制御する。このような本実施の形態によれば、着用者の動作の補助を終了した際に、着用者の人体をそれまでの状態に保持するよう、筋力補助装置10が補助する。したがって、着用者の負担が急激に増加することを回避することができる。
【0080】
本実施の形態において、保持部55は、回転部材50に当接して摩擦力を生じさせる摩擦体57aを有する。すなわち、回転部材50と保持部55との相対回転の規制は、摩擦力を利用している。
【0081】
本実施の形態によれば、操作部65からの駆動力によって保持部55が回転部材50とともに回転する方向とは逆方向に当該保持部55を付勢する付勢部材61が、設けられている。したがって、保持部55に作用する操作部65からの力の大きさに依存して、保持部55が回転部材50とともに第1装着具20に対して静止する位置を制御することができる。すなわち、第1装着具20に対して第2装着具30を固定する位置を適宜変化させることができる。
【0082】
本実施の形態によれば、保持部55は、回転部材50の回転軸線d1を中心とした径方向から回転部材50に当接し、保持部55と回転部材50との相対回転が規制される。すなわち、保持部55および回転部材50は、ドラムブレーキ機構41を形成しており、簡易且つ安価に構成され得る。
【0083】
本実施の形態によれば、保持部55は、回転部材50の回転軸線d1を中心として回転部材50と相対回転可能な支持部材56と、支持部材56に揺動可能に保持された揺動部材57と、を有している。操作部65は、揺動部材57と接続し、揺動部材57を引き寄せる力を当該揺動部材57に付与することで、回転部材50の回転軸線d1を中心とした径方向から揺動部材57を回転部材50に当接させる。また、操作部65は、揺動部材57が回転部材50に当接した状態から揺動部材57に付与する力を増大させることで、揺動部材57との相対回転を規制された回転部材50を保持部55とともに第1装着具20に対して回転させる。したがって、操作部65の動作及び制御は簡易であり、操作部65及び制御部70を簡易且つ安価に構成することができる。
【0084】
以上、本発明を図示する一実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、この他にも種々の態様で実施可能である。以下、変形の一例について説明する。以下の説明では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
【0085】
上述した一実施の形態において、保持部55の具体的な構成を説明したが、上述した構成は例示に過ぎない。上述した一実施の形態において、保持部55が回転ドラム52とともにドラムブレーキ機構41を構成し、保持部55の揺動部材57が回転ドラム52に径方向外方から当接する例を示したが、この例に限られず、回転ドラム52が筒状に形成され、回転ドラム52の内部に配置された保持部が回転ドラム52に径方向内方から当接して、保持部55と回転部材50との相対回転を規制するようにしてもよい。また、保持部がラチェット機構として構成され、回転部材50との相対回転が規制された状態で回転部材50とともに、操作部65からの駆動力によって回転させられるようにしてもよい。
【0086】
また、上述した一実施の形態において、保持部55が、回転部材50の軸部材51上に回転可能に支持されている例を示したが、この例に限られない。保持部55の支持部材56が軸部材51に対して固定されていてもよい。また、保持部55の支持部材56が、第1装着具20に支持されていてもよいし、第2装着具30に支持されていてもよい。
【0087】
上述した一実施の形態において、操作部65の具体的な構成を説明したが、上述した構成は例示に過ぎない。上述した一実施の形態において、操作部65は揺動部材57を引き寄せる力を揺動部材57に付与することで、揺動部材57を回転部材50と当接させる例を示したが、これに限れず。操作部65は揺動部材57を押し出す力を揺動部材57に付与することで、揺動部材57を回転部材50に当接させるようにしてもよい。そもそも、伸縮部材66を有する操作部65に限られることなく、種々のアクチュエータを操作部65として用いることが可能である。
【0088】
また、上述した一実施の形態において、筋力補助装置10は、回転駆動モードで、腕を上方に持ち上げる動作のみを補助し、腕を下げる動作を補助しない例を示したが、この例に限られず、腕を下げる動作を補助するようにしてもよい。例えば、上述した実施の形態において、操作部65から揺動部材57に作用する力を、付勢部材61の付勢力よりも弱く且つ保持部55と回転部材50との相対回転を規制し得る力とすることで、上を下げる動作を補助することができる。
【0089】
さらに、上述した一実施の形態において、保持部55と第1装着具20との間に付勢部材61が設けられている例を示したが、これに限られず、付勢部材61に代えて、補助アクチュエータ62を用いることもできる。この変形例によれば、保持部55に作用する操作部65からの力の大きさ及び保持部55に作用する補助アクチュエータ62からの力の大きさに依存して、保持部55が回転部材50とともに第1装着具20に対して静止する位置を、より高い自由度で、制御することができる。すなわち、第1装着具20に対して第2装着具30を固定する位置を、より高い自由度で、調節することができる。また、上腕を降ろすことを補助することも可能となる。
【0090】
さらに、上述した一実施の形態において、第1装着具20の連結部33の具体的な構成を説明したが、上述した構成は例示に過ぎず、例えば、
図14〜
図17に示すように変形することができる。
図14〜
図17に示された変形例では、いずれにおいても、装着部31は、回転部材50に対して3自由度で相対動作することができる。
【0091】
図14に示された例は、連結部33の第1部材34が、回転部材50に対して、第1回転軸線d1と平行な方向に摺動可能に接続している点において、上述した実施の形態と異なっている。
図15に示された例は、連結部33の第2部材35が、第1部材34対して、第1部材34の長手方向に摺動可能に接続している点において、上述した実施の形態と異なっている。
図16に示された例は、連結部33の第1部材34が、回転部材50に対して、第1回転軸線d1と平行な方向に摺動可能に接続している点と、連結部33の第2部材35が、第1部材34対して、第1部材34の長手方向に摺動可能に接続している点と、において上述した実施の形態と異なっている。
【0092】
図18に示された例において、連結部33は、流体圧シリンダ37を含んでいる。流体圧シリンダ37を含んだ連結部33は、一端において、回転部材50と回転可能に接続し、他端において、装着部31と回転可能に接続している。
図18に示された変形例によれば、回転部材50へ力を加えることで補助しようとする関節の動作(例えば、屈伸運動)以外の動作(例えば、内外転運動)についても、筋力の補助を実現することができる。
【0093】
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。