特許第6842733号(P6842733)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6842733
(24)【登録日】2021年2月25日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】釣りシステム
(51)【国際特許分類】
   A01K 79/00 20060101AFI20210308BHJP
【FI】
   A01K79/00 F
【請求項の数】7
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2020-192728(P2020-192728)
(22)【出願日】2020年11月19日
【審査請求日】2020年11月19日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518073712
【氏名又は名称】東京幻実株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】大金 俊雄
【審査官】 小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2019−176771(JP,A)
【文献】 特開平04−045733(JP,A)
【文献】 特開2017−209026(JP,A)
【文献】 特開2020−058250(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3213395(JP,U)
【文献】 特開2018−011567(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2018/0370631(US,A1)
【文献】 国際公開第2018/084717(WO,A1)
【文献】 これなら釣れる!ドローンで餌を運んでマグロの一本釣りが画期的,[online],2016年 5月 6日,〈検索日:2020年12月7日〉,URL,http://karapaia.com/archives/52217103.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K65/00
A01K73/06−73/10
A01K79/00−87/08
A01K91/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人航空機と、
前記無人航空機の本体に着脱可能に固定され、釣り糸を固定する釣り糸固定部と、を含み、
前記無人航空機は、
撮像装置と、
前記本体と前記釣り糸固定部との固定を解除する接続制御部と、
前記撮像装置によって撮像された撮像データの中の魚を識別し、前記無人航空機を制御して前記魚を追尾する魚群追尾処理部と、
前記釣り糸の第1の端に取り付けられた疑似餌に前記魚が掛かったことを判定する掛かり判定処理部と、を含む釣りシステム。
【請求項2】
前記釣り糸固定部は、第1の固定部および第2の固定部を含み、
前記本体と前記第1の固定部との固定と、前記本体と前記第2の固定部との固定とは、独立して解除される、請求項に記載の釣りシステム。
【請求項3】
前記本体と前記第1の固定部との固定が解除されると、前記第1の固定部とともに前記疑似餌が海へ投下される、請求項に記載の釣りシステム。
【請求項4】
前記魚が掛かったときに、前記本体と前記第2の固定部との固定が解除され、前記第2の固定部が前記海へ投下される、請求項に記載の釣りシステム。
【請求項5】
無人航空機と、
前記無人航空機の本体に固定され、釣り糸を固定する釣り糸固定部と、を含み、
前記無人航空機は、
撮像装置と、
前記釣り糸固定部による前記釣り糸の固定を解除する接続制御部と、
前記撮像装置によって撮像された撮像データの中の魚を識別し、前記無人航空機を制御して前記魚を追尾する魚群追尾処理部と、
前記釣り糸の第1の端に取り付けられた疑似餌に前記魚が掛かったことを判定する掛かり判定処理部と、を含み、
前記釣り糸固定部は、第1の固定部および第2の固定部を含み、
前記第1の固定部による前記釣り糸の固定と前記第2の固定部による前記釣り糸の固定とは、独立して解除され、
前記第1の固定部による前記釣り糸の固定が解除されると、前記疑似餌が海へ投下され、
前記魚が掛かったときに、前記第2の固定部による前記釣り糸の固定が解除される、釣りシステム。
【請求項6】
前記掛かり判定処理部は、前記無人航空機に設けられたセンサ群の情報に基づいて判定する、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の釣りシステム。
【請求項7】
前記掛かり判定処理部は、前記撮像装置によって撮像された撮像データの中の前記魚の位置を識別して判定する、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の釣りシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人航空機を用いる釣りシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
人の釣り竿による投げ釣りでは、釣り糸または釣り針に取り付けられた餌または疑似餌を投下することができる範囲が限られる。そのため、陸地から離れた沖合で釣りをするためには船が必要となる。
【0003】
一方、釣り竿による投げ釣りなどでは届かない遠方まで餌または疑似餌を運ぶ手段として、無人航空機(ドローン)が注目されている。無人航空機にはカメラを搭載することができるため、餌または疑似餌を運ぶだけでなく、カメラで魚影を撮影しながら餌または疑似餌を投下する場所を決定することができる(例えば、非特許文献1および非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】ドローンで魚釣り−ソナー機能付きで初心者でも簡単に釣れる(?)「Aguadrone」、[online]、2015年6月4日、インターネット〈URL:https://ennori.jp/3181/aguadrone−drone−with−sonar−fish−finder〉
【非特許文献2】「これなら釣れる!ドローンで餌を運んでマグロの一本釣りが画期的」、[online]、2016年5月6日、インターネット〈URL:https://ennori.jp/3181/aguadrone−drone−with−sonar−fish−finder〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1によれば、カメラ機能だけでなく、ソナー機能を搭載することで海中の魚影を探知し、無人航空機から魚影を探知した場所に疑似餌を投下することができる。また、無人航空機に魚釣り機能を搭載することもできる。しかしながら、大物の魚が掛かった場合、魚が引く力で無人航空機が海中に引き込まれる可能性がある。一方、非特許文献2では、無人航空機を用いて大物のマグロを釣り上げているが、無人航空機は、魚群の確認および餌の運搬手段に限られている。すなわち、非特許文献1および非特許文献2のいずれも、魚が掛かったときに、無人航空機が海中に引き込まれてしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑み、魚が掛かったときに、無人航空機が海中へ引き込まれることが防止された釣りシステムを提供することを課題の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る釣りシステムは、無人航空機と、無人航空機の本体に設置され、釣り糸を固定する第1の固定部および第1の固定部と着脱可能に接続される第2の固定部を含む釣り糸固定部と、を含み、無人航空機は、撮像装置と、撮像装置によって撮像された撮像データの中の魚を識別し、無人航空機を制御して魚を追尾する魚群追尾処理部と、を含み、釣り糸の第1の端に取り付けられた疑似餌に魚が掛かったときに、第1の固定部と第2の固定部との接続が解除される。
【0008】
本発明の一実施形態に係る釣りシステムは、無人航空機と、無人航空機の本体に着脱可能に固定され、釣り糸を固定する釣り糸固定部と、を含み、無人航空機は、撮像装置と、本体と釣り糸固定部との固定を解除する接続制御部と、撮像装置によって撮像された撮像データの中の魚を識別し、無人航空機を制御して魚を追尾する魚群追尾処理部と、釣り糸の第1の端に取り付けられた疑似餌に魚が掛かったことを判定する掛かり判定処理部と、を含む。
【0009】
釣り糸固定部は、第1の固定部および第2の固定部を含み、本体と第1の固定部との固定と、本体と第2の固定部との固定とは、独立して解除されてもよい。本体と第1の固定部との固定が解除されると、第1の固定部とともに疑似餌が海へ投下されてもよい。魚が掛かったときに、本体と第2の固定部との固定が解除され、第2の固定部が海へ投下されてもよい。
【0010】
本発明の一実施形態に係る釣りシステムは、無人航空機と、無人航空機の本体に固定され、釣り糸を固定する釣り糸固定部と、を含み、無人航空機は、撮像装置と、釣り糸固定部による釣り糸の固定を解除する接続制御部と、撮像装置によって撮像された撮像データの中の魚を識別し、無人航空機を制御して魚を追尾する魚群追尾処理部と、釣り糸の第1の端に取り付けられた疑似餌に魚が掛かったことを判定する掛かり判定処理部と、を含む。
【0011】
釣り糸固定部は、第1の固定部および第2の固定部を含み、第1の固定部による釣り糸の固定と第2の固定部による釣り糸の固定とは、独立して解除されてもよい。第1の固定部による釣り糸の固定が解除されると、疑似餌が海へ投下されてもよい。魚が掛かったときに、第2の固定部による釣り糸の固定が解除されてもよい。
【0012】
掛かり判定処理部は、無人航空機に設けられたセンサ群の情報に基づいて判定してもよい。
【0013】
掛かり判定処理部は、撮像装置によって撮像された撮像データの中の魚の位置を識別して判定してもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一実施形態に係る釣りシステムは、無人航空機から疑似餌が海へ投下された後、魚または魚群を追尾することによって魚が掛かったことを素早く判定し、無人航空機と釣り糸とを分離することができる。これにより、魚が掛かったときに、無人航空機が海中へ引き込まれることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る釣りシステムの利用態様を説明する概略図である。
図2】本発明の一実施形態に係る釣りシステムの構成を説明する模式図である。
図3】本発明の一実施形態に係る釣りシステムの無人航空機の本体の内部構成を説明するブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係る釣りシステムの無人航空機と釣り糸固定部との接続の構成を説明する模式的な断面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る釣りシステムの無人航空機と釣り糸固定部との接続の構成を説明する模式的な断面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る釣りシステムの無人航空機と釣り糸固定部との接続の構成を説明する模式的な断面図である。
図7】本発明の一実施形態に係る釣りシステムの魚群探知処理および魚群探知モデルの生成を説明するフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態に係る釣りシステムの魚群追尾処理および魚群追尾モデルの生成を説明するフローチャートである。
図9】本発明の一実施形態に係る釣りシステムの魚群追尾処理で実行される魚群追尾パターンを説明する模式図である。
図10】本発明の一実施形態に係る釣りシステムの掛かり判定処理および掛かり判定モデルの生成を説明するフローチャートである。
図11】本発明の一実施形態に係る釣りシステムの利用態様を説明する概略図である。
図12】本発明の一実施形態に係る釣りシステムの情報通信端末の画面を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態または実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0017】
本明細書において、「無人航空機」とは、遠隔操作または自動制御によって飛行することができる無人の航空機をいう。なお、「無人航空機」は、ドローンという場合がある。
【0018】
本明細書において、「映像」とは、静止画および動画をいう。
【0019】
本明細書において、「魚群」とは、1匹または複数匹の魚の集団をいう。
【0020】
本明細書において、「情報通信端末」とは、ネットワークを通じて情報にアクセスすることができる情報機器をいう。例えば、「情報通信端末」は、携帯電話、スマートフォン、タブレット、またはパソコンなどであるが、これに限られない。
【0021】
<第1実施形態>
図1図8を参照して、本発明の一実施形態に係る釣りシステム10について説明する。
【0022】
[1.釣りシステム10の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る釣りシステム10の利用態様を説明する概略図である。釣りシステム10は、無人航空機100および釣り糸固定部200を含み、釣り具700に設置されて利用される。釣り糸固定部200は、無人航空機100の下方に設けられていることが好ましいが、これに限られない。
【0023】
釣りシステム10では、典型的な釣り具700を利用することができる。図1に示す釣り具700は、釣り竿710、釣り糸720、リール730、および疑似餌740を含む。釣り糸720の一端(以下、「第1の端」という場合がある。)には、疑似餌740が取り付けられている。また、釣り糸720の他端(以下、「第2の端」という場合がある。)はリール730に接続され、釣り糸720はリール730に巻かれている。
【0024】
釣りシステム10を利用した釣りのステップを大別すると、魚群探知ステップ、疑似餌の投下ステップ、魚群追尾ステップ、掛かり判定ステップ、無人航空機と釣り糸との分離ステップ、および無人航空機の回収ステップからなる。但し、釣りシステム10の利用は、これらのステップに限られず、他のステップを含んでいてもよく、上述したステップの一部が実行されなくてもよい。
【0025】
釣りシステム10を利用して魚900を釣る場合、始めに、ユーザ800は、疑似餌740が取り付けられた釣り糸720を釣り糸固定部200に固定する。この状態において、釣り糸720は無人航空機100と接続されており、無人航空機100が飛行することにより、釣り糸720を海の上に運ぶことができる。無人航空機100は、ユーザ800によって操縦されてもよく、自動操縦であってもよい。釣りシステム10の無人航空機100は、目的地まで飛行して魚群を探知することができ、または、飛行しながら魚群を探知することができる(魚群探知ステップ)。そして、魚群が探知されると、魚群が探知された場所に、疑似餌740を投下することができる(疑似餌の投下ステップ)。
【0026】
釣りシステム10を利用した釣りでは、疑似餌740を投下した後においても、釣り糸720が釣り糸固定部200に固定されている。そのため、無人航空機100の飛行を制御することにより、魚群を追尾することができる(魚群追尾ステップ)。無人航空機100と釣り糸固定部200との接続の構成の詳細は後述するが、魚群の中の魚900が疑似餌740に掛かった(以下、魚900が疑似餌740を噛んだという場合がある。)とき、無人航空機100から釣り糸720が分離される(無人航空機と釣り糸との分離ステップ)。そのため、魚900がたとえ大物であったとしても、無人航空機100が海中に引き込まれることがない。なお、釣りシステム10では、魚900が疑似餌740に掛かったことを判定することもできる(掛かり判定ステップ)。その後、ユーザ800は、リール730を巻き上げて、魚900を釣り上げるとともに、無人航空機100を回収する(無人航空機の回収ステップ)。
【0027】
なお、図1は、ユーザ800が、陸地で釣りシステム10を利用して釣りをする態様であるが、例えば、ユーザ800が船の上にいるときなど、あらゆる場所で釣りシステム10を利用することができる。
【0028】
図2は、本発明の一実施形態に係る釣りシステム10の構成を示す模式図である。具体的には、図2(A)は、上方向から眺めた無人航空機100の平面図を示し、図2(B)は、図2(A)に示すA方向から眺めた無人航空機100の正面図を示し、図2(C)は、図2(A)に示すB方向から眺めた無人航空機100の側面図を示す。
【0029】
無人航空機100は、本体110、アーム120、ロータ130、ブレード140、およびスキッド150を含む。無人航空機100は、本体110の対角の位置から4本のアーム120が延在している。また、各アーム120の端部には、ロータ130およびブレード140が設けられている。ブレード140は、回転可能にロータ130に軸支されている。スキッド150は、本体110の下方に設けられている。
【0030】
本体110は、アーム120を支持するとともに、釣り糸固定部200を固定することができてもよい。また、本体110内には、釣りシステム10の制御(無人航空機100の制御を含む。)に必要な構成が搭載されている。なお、本体110の内部構成については後述する。
【0031】
アーム120は、ロータ130およびブレード140を支持することができる。アーム120は、本体110と一体化されて形成されていてもよい。
【0032】
ロータ130は、ブレード140を回転させることができる。ロータ130としては、例えば、ブラシレスモータなどを用いることができる。
【0033】
ブレード140は、回転することにより揚力を発生することができる。すなわち、無人航空機100は、4本のブレード140が回転することにより、揚力を得て飛行することができる。また、無人航空機100は、4本のブレード140の回転数または回転方向を組み合わせることにより、上昇、下降、前進、後退、左旋回、右旋回、またはホバリングをすることができる。
【0034】
スキッド150は、無人航空機100が離着陸するときの姿勢を安定化させるとともに、本体110の下方部を保護することができる。本体110の下方部に後述する撮像装置またはセンサ群が取り付けられている場合が多く、スキッド150を設けることで撮像装置またはセンサ群を保護することができる。スキッド150は、無人航空機100を使用しないときには、本体110の下方に折り畳まれていてもよく、本体110から外されていてもよい。
【0035】
なお、図2に示す無人航空機100の構成は一例であって、無人航空機100の構成はこれに限られない。
【0036】
釣り糸固定部200は、第1の固定部210および第2の固定部220を含む。第1の固定部210および第2の固定部220は、無人航空機100の本体110の下方に設けられている。また、第1の固定部210は、第2の固定部220よりも無人航空機100の正面側に位置している。なお、第1の固定部210および第2の固定部220の構成については、その利用態様と併せて後述する。
【0037】
図3は、本発明の一実施形態に係る釣りシステム10の無人航空機100の本体110の内部構成を説明するブロック図である。本体110は、電力供給源111、センサ群112、撮像装置113、および情報処理装置1000を含む。情報処理装置1000は、センサ群112および撮像装置113と電気的に接続されていてもよく、電気通信を介して接続されていてもよい。電気通信を介して接続される場合、センサ群112、撮像装置113、および情報処理装置1000の各々は、通信部を含む。
【0038】
電力供給源111は、ロータ130に電力を供給することができる。また、電力供給源111は、センサ群112、撮像装置113、および情報処理装置1000に電力を供給することもできる。電力供給源111としては、例えば、リチウムイオン電池などを用いることができることができるが、これに限られない。電力供給源111は、例えば、ガソリンなどの燃料をエンジンによって燃焼させて電力を生成することもできる。
【0039】
センサ群112は、釣りシステム10における各種処理および各種制御に必要な情報を検出することができる。センサ群112は、複数のセンサが含まれていることが好ましく、センサ群112に含まれるセンサとしては、例えば、測位センサ、地磁気センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、気圧センサ、超音波センサ、ソナーセンサ、または魚群探知機などである。これらのセンサの一部または全部は、無人航空機100の本体110の外側に設置されていてもよい。また、これらのセンサの一部または全部は、疑似餌740内に設置されていてもよい。
【0040】
測位センサは、無人航空機100の位置情報を検出することができる。すなわち、測位センサは、典型的には、全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)であり、無人航空機100の緯度、経度、または高度の位置情報を検出することができる。
【0041】
地磁気センサは、無人航空機100の方位情報を検出することができる。そのため、地磁気センサによって、無人航空機100の向いている方向を特定することができる。
【0042】
加速度センサは、無人航空機100の速度の変化量を測定することができる。そのため、加速度センサによって、無人航空機100の振動情報または傾き情報を検知することができる。
【0043】
ジャイロセンサは、無人航空機100の速度の変化および角速度の変化を測定することができる。そのため、ジャイロセンサによって、無人航空機100が傾いたときの傾き情報および傾き角情報を検出することができる。
【0044】
気圧センサは、無人航空機100が位置する気圧を測定することができる。そのため、気圧センサによって、無人航空機100の高度情報を検出することができる。また、気圧センサは、無人航空機100が前方から受ける風の圧力を測定することもできる。圧力に基づき、無人航空機100の速度情報を検出することができる。
【0045】
超音波センサは、空中で出射した超音波の反射波を受信し、海上との距離を測定することができる。そのため、超音波センサによって、無人航空機100の高度情報を検出することができる。また、超音波センサは、障害物との距離を測定することもできる。
【0046】
ソナーセンサは、海中での超音波の反射波を受信し、海中の方位および深さ方向の魚群情報を検出することができる。
【0047】
魚群探知機は、送受波器から出射した超音波の反射波を送受波器で受信し、海中の深さ方向の魚群情報を検出することができる。
【0048】
センサ群112に含まれるセンサは、上述したセンサに限られない。例えば、センサ群112には、気温もしくは水温を測定する温度センサ、または湿度を測定する湿度センサなどが含まれていてもよい。
【0049】
撮像装置113は、無人航空機100の周囲を撮像し、撮像データを取得することができる。撮像装置113は、例えば、1つまたは複数のカメラである。撮像装置113は、無人航空機100の前方または下方の映像を撮像することができることが好ましい。また、無人航空機100の下方を撮像する撮像装置113には、偏光フィルタが設けられていることが好ましい。撮像装置113に偏光フィルタが設けられていることにより、海面での光の反射が抑制され、海中の魚群を探知しやすくなる。なお、撮像装置113が取得した撮像データは、釣りシステム10における各種制御および各種処理に用いることができる。
【0050】
情報処理装置1000は、飛行制御部1010、接続制御部1020、魚群探知処理部1030、魚群追尾処理部1040、掛かり判定処理部1050、魚群探知学習部1060、魚群追尾学習部1070、掛かり判定学習部1080、および記憶部1090を含む。
【0051】
情報処理装置1000は、例えば、コンピュータであり、MPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、NAND型フラッシュメモリ、またはNOR型フラッシュメモリなどの電子デバイスを含む。飛行制御部1010、接続制御部1020、魚群探知処理部1030、魚群追尾処理部1040、掛かり判定処理部1050、魚群探知学習部1060、魚群追尾学習部1070、または掛かり判定学習部1080などの各種制御または各種処理などは、1つまたは複数のコンピュータが所定のプログラムを読み込むことによって実行することができる。
【0052】
飛行制御部1010は、無人航空機100の飛行を制御することができる。すなわち、飛行制御部1010は、センサ群112の各種情報に基づいて、無人航空機100を離着陸させ、飛行中の姿勢を安定に保持することができる。また、飛行制御部1010は、後述する魚群探知情報、魚群追尾情報、および掛かり判定情報に基づき、無人航空機100を制御することもできる。
【0053】
接続制御部1020は、釣り糸固定部200の接続を制御することができる。すなわち、接続制御部1020は、無人航空機100と釣り糸固定部200(第1の固定部210または第2の固定部220)との接続を解除し、無人航空機100から釣り糸固定部200(第1の固定部210または第2の固定部)を投下することができる。
【0054】
魚群探知処理部1030は、魚群探知処理が実行される。具体的には、撮像装置113が撮像した無人航空機100の下方の映像の撮像データ(以下、「海撮像データ」という。)の中から魚群を識別し、魚群探知情報を生成することができる。また、魚群探知処理部1030は、センサ群112の各種情報に基づいて、海中の魚群を探知し、魚群探知情報を生成することもできる。さらに、魚群探知処理部1030は、撮像装置113の撮像データとセンサ群112の各種情報とを組み合わせて、魚群探知情報を生成することもできる。なお、魚群探知処理部1030の処理の詳細については後述する。
【0055】
魚群追尾処理部1040は、魚群追尾処理が実行される。具体的には、海撮像データの魚群の進行方向を識別し、魚群追尾情報を生成することができる。また、魚群追尾処理部1040は、センサ群112の各種情報に基づいて、魚群追尾情報を生成することもできる。さらに、魚群追尾処理部1040は、撮像装置113の海撮像データとセンサ群112の各種情報とを組み合わせて、魚群追尾情報を生成することもできる。なお、魚群追尾処理部1040の処理の詳細については後述する。
【0056】
掛かり判定処理部1050は、魚900の掛かり判定が実行される。具体的には、海撮像データの魚群の魚900と疑似餌740との位置を識別し、掛かり判定情報を生成することができる。また、掛かり判定処理部1050は、センサ群112の各種情報に基づいて、掛かり判定情報を生成することもできる。さらに、掛かり判定処理部1050は、撮像装置113の海撮像データとセンサ群112の各種情報とを組み合わせて、掛かり判定情報を生成することもできる。なお、掛かり判定処理部1050の処理の詳細については後述する。
【0057】
魚群探知学習部1060は、ニューラルネットワークまたはディープラーニングなどの機械学習による学習によって、魚群探知モデルを生成することができる。なお、魚群探知学習部1060の学習の詳細については後述する。
【0058】
魚群追尾学習部1070は、ニューラルネットワークまたはディープラーニングなどの機械学習による学習によって、魚群追尾モデルを生成することができる。なお、魚群追尾学習部1070の学習の詳細については後述する。
【0059】
掛かり判定学習部1080は、ニューラルネットワークまたはディープラーニングなどの機械学習による学習によって、掛かり判定モデルを生成することができる。なお、掛かり判定学習部1080の学習の詳細については後述する。
【0060】
記憶部1090は、センサ群112の各種情報、撮像装置113の海撮像データ、魚群探知モデル、魚群追尾モデル、または掛かり判定モデルなど記憶することができる。記憶部1090としては、例えば、1つまたは複数のメモリまたはハードディスクドライブ(HDD)などを用いることができる。
【0061】
[2.無人航空機100および釣り糸固定部200の接続構成]
図4を参照して、釣りシステム10における無人航空機100と釣り糸固定部200との接続の構成について説明する。
【0062】
図4は、本発明の一実施形態に係る釣りシステム10の無人航空機100と釣り糸固定部200との接続の構成を説明する模式的な断面図である。
【0063】
図4(A)は、釣りシステム10が無人航空機100を飛行させながら魚群を探知している状態を示している(魚群探知ステップ)。無人航空機100の本体110の下方には、釣り糸固定部200が設置されている。釣り糸固定部200は、第1の固定部210および第2の固定部220を含む。第1の固定部210および第2の固定部220は、それぞれ、本体110の下方に設けられた第1の接続部310および第2の接続部320と接続されている。換言すると、第1の固定部210および第2の固定部220は、それぞれ、第1の接続部310および第2の接続部320を介して、本体110に固定されている。第1の固定部210および第2の固定部220の各々には間隙または貫通孔が設けられ、釣り糸720が挿通されている。釣り糸720は、釣り糸720の第1の端に取り付けられた疑似餌740が、第2の固定部220よりも第1の固定部210に近くなるように挿通されている。また、第1の固定部210および第2の固定部220の各々は、挿通された釣り糸720を固定している。第1の固定部210および第2の固定部220の各々は、例えば、間隙もしくは貫通孔の内側を狭窄し、または挿通された釣り糸720を把持することにより、釣り糸720を固定することができる。
【0064】
釣り糸720は、第1の固定部210と第2の固定部220との間で一定の長さを有するように(撓ませて)固定されることが好ましい。第1の固定部210と第2の固定部220との間の釣り糸720の長さが十分に長いと、無人航空機100の高度が高いところから疑似餌740を投下することができる。図示しないが、本体110の第1の接続部310と第2の接続部320との間に、釣り糸720を巻き付ける回転体が設けられていてもよい。後述する疑似餌740が投下されると、回転体は、落下する釣り糸720に引っ張られて回転し、巻き付けられた釣り糸720を投下することができる。
【0065】
なお、魚群探知ステップでは、主に、釣りシステム10による魚群探知処理が実行される。
【0066】
図4(B)は、釣りシステム10が疑似餌740を投下した状態を示している(疑似餌の投下ステップ)。釣りシステム10が魚群を探知すると、魚群探知情報が生成される。接続制御部1020は、魚群探知情報を受信し、第1の接続部310を制御して、第1の固定部210の接続を解除する。これにより、第1の固定部210が海へ投下されるとともに、第1の固定部210に固定された釣り糸720の第1の端に取り付けられた疑似餌740も投下される。図4(B)に示すように、釣り糸720を固定した第2の固定部220は、第2の接続部320を介して本体110に固定されているため、無人航空機100の飛行に合わせて海中の疑似餌740を移動させることができる。なお、図示しないが、投下された第1の固定部210は、釣り糸720を固定した状態である。換言すると、第1の固定部210は、釣り糸720に取り付けられた状態である。そのため、ユーザ800が釣り糸720をリール730で巻き取ると、第1の固定部210を回収することができる。
【0067】
なお、疑似餌の投下ステップの後には魚群追尾ステップとして、主に、釣りシステム10による魚群追尾処理が実行される。
【0068】
図4(C)は、魚900が掛かった状態を示し(掛かり判定ステップ)、図4(D)は、釣りシステム10において、無人航空機100から釣り糸720が分離された状態を示している(無人航空機と釣り糸との分離ステップ)。釣りシステム10では、魚900が疑似餌740に掛かったことを判定し、掛かり判定情報が生成される。接続制御部1020は、掛かり判定情報を受信し、第2の接続部320を制御して、第2の固定部220の接続を解除する。これにより、第2の固定部220が海に投下されるため、無人航空機100と釣り糸720とが分離され、無人航空機100が海中に引き込まれることを防止することができる。第2の固定部220を投下した無人航空機100は上昇し、第2の固定部220が投下されたことを視覚的にユーザ800に知らせてもよい。ユーザ800は、上昇した無人航空機100を確認し、リール730で釣り糸720を巻き取ることができる。なお、図示しないが、投下された第2の固定部220は、釣り糸720を固定した状態である。換言すると、第2の固定部220は、釣り糸720に取り付けられた状態である。そのため、ユーザ800が釣り糸720をリール730で巻き取ると、第2の固定部220を回収することができる。また、無人航空機100は、ユーザ800の操縦により、または自動操縦により、所定の位置(例えば、離陸位置など)まで飛行し、回収される。
【0069】
釣りシステム10では、第2の接続部320が、予め設定した値以上の力で引っ張られたときに、第2の接続部320が第2の固定部220の接続を解除することもできる。魚900が疑似餌740に掛かると、魚900が疑似餌740を噛んだまま移動するため、釣り糸720が海中方向へ引っ張られる。また、釣り糸720とともに、無人航空機100も海中方向へ引っ張られる。すなわち、魚900が掛かると、無人航空機100は海中方向へ移動することになる。釣りシステム10は、無人航空機100の海中方向への移動をセンサ群112により検出し、制御信号を生成する。接続制御部1020は、この制御信号を受信し、第2の接続部320を制御して、第2の固定部220の接続を解除してもよい。これにより、無人航空機100が海中に引き込まれることをさらに防止することができる。なお、力の設定値は、無人航空機100の大きさまたは最大積載量に基づいて決定することができる。
【0070】
<変形例1>
図5を参照して、釣り糸固定部200の変形例である釣り糸固定部200aの構成について説明する。
【0071】
図5は、本発明の一実施形態に係る釣りシステム10の無人航空機100と釣り糸固定部200aとの接続の構成を説明する模式的な断面図である。なお、以下では、釣り糸固定部200aが、釣り糸固定部200と同様の構成を含む場合は、その構成の説明を省略する場合がある。
【0072】
図5(A)は、釣りシステム10が無人航空機100を飛行させながら魚群を探知している状態を示している(魚群探知ステップ)。無人航空機100の本体110の下方には、釣り糸固定部200aが設置されている。釣り糸固定部200aは、第1の固定部210aおよび第2の固定部220aを含む。第1の固定部210aおよび第2の固定部220aは、本体110に固定されている。第1の固定部210aおよび第2の固定部220aの各々には間隙が設けられ、釣り糸720が挿通されている。第1の固定部210aおよび第2の固定部220aの各々は、挿通された釣り糸720を固定している。第1の固定部210aおよび第2の固定部220aの各々は、例えば、間隙もしくは貫通孔の内側を狭窄し、または挿通された釣り糸720を把持することにより、釣り糸720を固定することができる。
【0073】
図5(B)は、釣りシステム10が疑似餌740を投下した状態を示している(疑似餌の投下ステップ)。釣りシステム10が魚群を探知すると、魚群探知情報が生成される。第1の固定部210は、魚群探知情報を受信し、釣り糸720の固定を解除する。例えば、第1の固定部210aは、間隙または貫通孔を境に2つに分割され(但し、2つに分割されても、両者は接続されている。)、挿通された釣り糸720の固定を解除することができる。これにより、釣り糸720および疑似餌740が海へ投下される。図5(B)に示すように、釣り糸720を固定した第2の固定部220aは、本体110に固定されているため、無人航空機100の飛行に合わせて海中の疑似餌740を移動させることができる。なお、第1の固定部210aは、海に投下されず、本体110に固定された状態である。そのため、無人航空機100の回収とともに、第1の固定部210aを回収することができる。
【0074】
図5(C)は、魚900が掛かった状態を示し(掛かり判定ステップ)、図5(D)は、釣りシステム10において、無人航空機100から釣り糸720が分離された状態を示している(無人航空機と釣り糸との分離ステップ)。釣りシステム10では、魚900が疑似餌740に掛かったことを判定し、掛かり判定情報が生成される。第2の固定部220aは、掛かり判定情報を受信し、釣り糸720の固定を解除する。第2の固定部220aも、間隙または貫通孔を境に2つに分割され(但し、2つに分割されても、両者は接続されている。)、挿通された釣り糸720の固定を解除することができる。これにより、無人航空機100と釣り糸720とが分離され、無人航空機100が海中に引き込まれることを防止することができる。なお、第2の固定部220aも、海に投下されず、本体110に固定された状態である。そのため、無人航空機100の回収とともに、第2の固定部220aを回収することができる。
【0075】
変形例の釣り糸固定部200aを含む釣りシステム10においても、無人航空機100の海中方向への移動をセンサ群112により検出し、制御信号を生成することができる。第2の固定部220aは、この制御信号を受信し、釣り糸720の固定を解除してもよい。これにより、無人航空機100が海中に引き込まれることをさらに防止することができる。
【0076】
なお、釣りシステム10の釣り糸固定部200の構成は、変形例1も含め、上述した構成に限られない。釣り糸固定部200は、第1の固定部の釣り糸720の固定を解除して疑似餌740が投下され、第2の固定部の釣り糸720の固定を解除して無人航空機100と釣り糸720とが分離される構成であればよい。また、第1の固定部と第2の固定部とは、独立して釣り糸720の固定が解除されればよく、一体化していてもよい。
【0077】
<変形例2>
図6を参照して、釣り糸固定部200のさらなる変形例である釣り糸固定部200bの構成について説明する。
【0078】
図6は、本発明の一実施形態に係る釣りシステム10の無人航空機100と釣り糸固定部200bとの接続の構成を説明する模式的な断面図である。なお、以下では、釣り糸固定部200bが、釣り糸固定部200または釣り糸固定部200aと同様の構成を含む場合は、その構成の説明を省略する場合がある。
【0079】
図6(A)は、釣りシステム10が無人航空機100を飛行させながら魚群を探知している状態を示している(魚群探知ステップ)。無人航空機100の本体110の下方には、釣り糸固定部200bが設置されている。釣り糸固定部200bは、第1の固定部230bおよび第2の固定部240bを含む。第1の固定部230bは、貫通孔または間隙が設けられ、釣り糸720が挿通されている。また、第1の固定部230bは、挿通された釣り糸720を固定している。一方、第2の固定部240bは、無人航空機100の本体110に固定されている。
【0080】
第1の固定部230bには、凸部が形成され、凸部の端部に爪が設けられている。一方、第2の固定部240bには、凹部が形成され、凹部の内側には溝が設けられている。そのため、第1の固定部230bの凸部が、第2の固定部240bの凹部に挿入されると、凹部の溝に凸部の爪が係合し、第1の固定部230bと第2の固定部240bとが接続される。また、外部から一定の力が加わると、凹部の溝と凸部の爪との係合が外れ、第1の固定部230bと第2の固定部240bとの接続が解除される。すなわち、第1の固定部230bと第2の固定部240bとは、着脱可能に接続されている。
【0081】
本変形例では、第1の固定部230bが、釣り糸720を固定し、釣り糸720の第1の端に取り付けられた疑似餌740を吊り下げることができる。また、第1の固定部230bは、無人航空機100に固定された第2の固定部240bと接続されている。したがって、無人航空機100は、疑似餌740を吊り下げながら飛行し、魚群を探知することができる。
【0082】
図6(A)では、第2の固定部240bは、本体110内に埋め込まれて固定されているが、第2の固定部240bの本体110への固定はこれに限られない。第2の固定部240bは、例えば、本体110に吊り下げられて固定されていてもよい。また、図6(A)では、第1の固定部230aおよび第2の固定部24bは、それぞれ、いわゆる雄部材および雌部材であるが、雄部材と雌部材とが逆であってもよい。
【0083】
図6(B)は、釣りシステム10が疑似餌740を投下した状態を示している(疑似餌の投下ステップ)。釣りシステム10が魚群を探知すると、無人航空機100は、疑似餌740を海中に沈めるように下降する。海中の疑似餌740と海の上の疑似餌740とは光の反射が異なるため、例えば、撮像装置113の海撮像データの疑似餌740を識別することにより、疑似餌740が海中に沈んだことを確認することができる。
【0084】
図6(C)は、魚900が掛かった状態を示し、図6(D)は、釣りシステム10において、無人航空機100から釣り糸720が分離された状態を示している(無人航空機と釣り糸との分離ステップ)。魚900が疑似餌740に掛かると、魚900が疑似餌740を噛んだまま移動するため、釣り糸720が海中方向へ引っ張られる。また、釣り糸720とともに、無人航空機100も海中方向へ引っ張られる。すなわち、魚900が掛かると、無人航空機100は海中方向へ移動することになる。釣りシステム10は、無人航空機100の海中方向への移動をセンサ群112により検出し、無人航空機100が上昇するように無人航空機100を制御する。これにより、第1の固定部230bと第2の固定部240bとが反対方向に引かれ、一定の力で引かれると、第1の固定部230bと第2の固定部240bとの接続が解除される。
【0085】
本変形例では、魚の釣り糸を引く力が釣り糸固定部200bに伝達され、その力を利用して第1の固定部730bと第2の固定部740bとの接続を解除することができる。そのため、無人航空機100が海中に引き込まれることを防止することができる。また、必ずしも釣りシステム10の掛かり判定処理を必要としないが、本変形例において、掛かり判定処理が実行されてもよい。掛かり判定処理を実行することで、無人航空機100の上昇の制御の応答を早くすることができ、無人航空機100が海中に引き込まれることをさらに防止することができる。
【0086】
[3.魚群探知処理および魚群探知モデルの生成]
図7を参照して、釣りシステム10の魚群探知処理および魚群探知モデルの生成について説明する。
【0087】
図7は、本発明の一実施形態に係る釣りシステム10の魚群探知処理および魚群探知モデルの生成を説明するフローチャートである。
【0088】
釣りシステム10の魚群探知処理は、ユーザ800が釣りを開始するときに実行される。釣りシステム10の魚群探知処理は、センサ群112の各種情報の取得ステップ(S1010、漁場の決定ステップ(S1020)、無人航空機100の離陸ステップ(S1030)、無人航空機100の飛行ステップ(S1040)、撮像装置113の海撮像データの取得ステップ(S1050)、魚群の識別ステップ(S1060)、魚群探知情報の生成ステップ(S1070)、および第1の固定部210の投下ステップ(S1080)を含む。
【0089】
ステップS1010では、魚群探知処理部1030が、離陸前の出発位置の無人航空機100のセンサ群112から各種情報を取得する。例えば、魚群探知処理部1030は、センサ群112から気温情報、湿度情報、気圧情報、または位置情報(以下、本ステップで取得した位置情報を「出発位置情報」とする。)などを取得する。気温情報、湿度情報、および気圧情報は、ステップS1080の魚群探知情報の生成において利用される。また、出発位置情報は、ステップS3050において、無人航空機100が帰還するときに利用される。
【0090】
ステップS1020では、魚群探知処理部1030が、無人航空機100の目的位置である漁場を決定する。漁場は、予め登録された漁場の中からユーザ800が選択することによって決定されてもよく、気温情報、湿度情報、および気圧情報に基づき、魚群探知モデルが適用されて決定されてもよい。
【0091】
ステップS1030では、魚群探知処理部1030が、飛行制御部1010に離陸信号を送信する。飛行制御部1010は、離陸信号に基づき、ブレード140を回転させ、無人航空機100を上昇させる。
【0092】
ステップS1040では、魚群探知処理部1030が、飛行制御部1010に目的位置信号を送信する。飛行制御部1010は、目的位置信号に含まれる目的位置情報に基づき、無人航空機100を目的位置に向けて飛行させる。
【0093】
ステップS1050では、魚群探知処理部1030が、撮像装置113が目的位置または目的位置付近において撮像した海撮像データを取得する。
【0094】
ステップS1060では、魚群探知処理部1030が、取得した海撮像データに魚群探知モデルを適用して、海撮像データの中の魚群を識別する。例えば、魚群探知処理部1030は、海撮像データの中の物体の大きさ、形、または色(陰影を含む。)などを特徴量として魚を認識し、魚群を識別することができる。また、魚群探知処理部1030は、フレーム間の海撮像データの差から、動いている物体を魚と認識し、魚群を識別してもよい。
【0095】
釣りシステム10の魚群探知処理では、ステップS1060において魚群が識別されるまで、ステップS1050およびステップS1060が繰り返される。このとき、無人航空機100は目的位置でホバリングしていてもよく、目的位置付近を飛行していてもよい。ステップS1060において魚群が識別されると、ステップS1070が実行される。
【0096】
ステップS1070では、魚群探知処理部1030が、魚群探知情報を生成する。魚群探知情報は、魚群が識別された位置の位置情報および海撮像データ、ならびにステップS1010で取得した気温情報、湿度情報、および気圧情報などが紐付けられて生成される。
【0097】
ステップS1080では、魚群探知処理部1030が、接続制御部1020に魚群探知情報を送信する。魚群探知情報を受信した接続制御部1020は、第1の固定部210の固定を解除する。これにより、第1の固定部210とともに疑似餌740が海へ投下される。なお、魚群探知処理部1030は、魚群探知情報の一部を第1の投下信号として接続制御部1020に送信してもよい。
【0098】
第1の固定部210が投下されると、釣りシステム10の魚群探知処理は終了する。なお、第1の固定部210が投下されなかった場合(例えば、撮像装置113の撮像データによって疑似餌740が海に投下されたことを識別できなかった場合)、魚群探知処理部1030は、飛行制御部1010に異常信号を送信し、無人航空機100を出発位置に帰還させてもよい。
【0099】
上述したように、釣りシステム10の魚群探知処理では、海撮像データに魚群探知モデルが適用されることによって、海撮像データの中の魚群を識別する。魚群探知学習部1060は、生成された魚群探知情報を教師データとして用いて、例えば、ディープラーニングを繰り返し実行し、学習したニューロンネットワークを有する魚群探知モデルを生成することができる(S1110)。
【0100】
なお、無人航空機100は、ユーザ800によって操縦されてもよい。また、ユーザ800が、無人航空機100から送信された海撮像データに基づく映像を確認し、海撮像データの中の魚群を識別してもよい。この場合、ユーザ800の遠隔操作によって、第1の固定部210の固定が解除されてもよい。
【0101】
[4.魚群追尾処理および魚群追尾モデルの生成]
図8および図9を参照して、釣りシステム10の魚群追尾処理および魚群追尾モデルの生成について説明する。
【0102】
図8は、本発明の一実施形態に係る釣りシステム10の魚群追尾処理および魚群追尾モデルの生成を説明するフローチャートである。
【0103】
釣りシステム10の魚群追尾探知処理は、第1の固定部210が投下された後に実行される。釣りシステム10の魚群追尾処理は、センサ群112の各種情報の取得ステップ(S2010)、撮像装置113の海撮像データの取得ステップ(S2020)、魚群の進行方向の識別ステップ(S2030)、魚群追尾パターンの決定ステップ(S2040)、および魚群追尾情報の生成ステップ(S2050)を含む。
【0104】
ステップS2010では、魚群追尾処理部1040が、無人航空機100のセンサ群112から各種情報を取得する。例えば、魚群追尾処理部1040は、センサ群112から位置情報、水温情報、または魚群情報などを取得する。
【0105】
ステップS2020では、魚群追尾処理部1040が、撮像装置113が撮像した海撮像データを取得する。
【0106】
ステップS2030では、魚群追尾処理部1040が、取得した海撮像データに魚群追尾モデルを適用して、海撮像データの中の魚群または魚群の進行方向を識別する。例えば、魚群追尾処理部1040は、海撮像データの中の物体の大きさ、形、または色(陰影を含む。)などを特徴量として魚を認識し、魚群を識別することができる。また、魚群追尾処理部1040は、フレーム間の海撮像データの差から、動いている物体の移動方向を算出し、魚群の進行方向を識別することができる。
【0107】
ステップS2040では、魚群追尾処理部1040が、魚群追尾パターンを決定する。魚群追尾パターンは、予め登録された魚群追尾パターンの中からユーザ800が選択することによって決定されてもよく、位置情報、水温情報、魚群情報、または海撮像データなどに基づき、魚群追尾モデルが適用されて決定されてもよい。魚群追尾モデルが適用される場合、位置情報、水温情報、魚群情報、または海撮像データなどによって学習された適切な魚群追尾パターンが決定される。
【0108】
ここで、図9を参照して、魚群追尾パターンについて説明する。
【0109】
図9は、本発明の一実施形態に係る釣りシステムの魚群追尾処理で実行される魚群追尾パターンを説明する模式図である。
【0110】
釣りシステム10では、無人航空機100が疑似餌740の近くで疑似餌740を移動させることができるため、疑似餌740を複雑に移動させることができる。図9(A)は、魚900を含む魚群の進行方向に沿って、直線状に疑似餌740を移動させる魚群追尾パターンである。図9(B)は、魚900を含む魚群の進行方向に沿って、波状に疑似餌740を移動させる魚群追尾パターンである。図9(C)は、魚900を含む魚群の進行方向において、魚群を囲むように円状に疑似餌740を移動させる魚群追尾パターンである。図9(D)は、魚900を含む魚群の進行方向において、魚群を囲むように八の字状に疑似餌740を移動させる魚群追尾パターンである。なお、魚群追尾パターンは、図9(A)〜図9(D)に示したパターンに限られない。魚群追尾パターンは、図9(A)〜図9(D)のパターンを組み合わせてもよい。
【0111】
釣りシステム10の魚群追尾処理では、後述する掛かり判定処理によって掛かり判定情報が生成されるまで、ステップS2020〜ステップS2040が繰り返される。このとき、無人航空機100は、魚群追尾パターンにしたがって飛行する。掛かり判定情報が生成されると、ステップS2050が実行される。
【0112】
ステップS2050では、魚群追尾処理部1040が、魚群追尾情報を生成する。魚群追尾情報は、ステップS2010で取得した位置情報、水温情報、および魚群情報、ならびに魚群追尾処理における魚群追尾パターンおよび海撮像データなどが紐づけられて生成される。
【0113】
魚群追尾情報が生成されると、釣りシステム10の魚群追尾処理は終了する。
【0114】
上述したように、釣りシステム10の魚群追尾処理では、海撮像データに魚群追尾モデルが適用されることによって、海撮像データの中の魚群の進行方向を識別する。魚群追尾学習部1070は、生成された魚群追尾情報を教師データとして用いて、例えば、ディープラーニングを繰り返し実行し、学習したニューロンネットワークを有する魚群追尾モデルを生成することができる(S2110)。
【0115】
[5、掛かり判定処理および掛かり判定モデルの生成]
図10を参照して、釣りシステム10の掛かり判定処理および掛かり判定モデルの生成について説明する。
【0116】
図10は、本発明の一実施形態に係る釣りシステム10の掛かり判定処理および掛かり判定モデルの生成を説明するフローチャートである。
【0117】
釣りシステム10の掛かり判定処理は、上述した魚群探知処理と並行して実行される。釣りシステム10の掛かり判定処理は、センサ群112の各種情報の取得ステップ(S3010)、撮像装置113の海撮像データの取得ステップ(S3020)、魚900の位置の識別ステップ(S3030)、掛かり判定情報の生成ステップ(S3040)、第2の固定部220の投下ステップ(S3050)、および無人航空機100の帰還ステップ(S3060)を含む。
【0118】
ステップS3010では、掛かり判定処理部1050が、無人航空機100のセンサ群112から各種情報を取得する。例えば、掛かり判定処理部1050は、センサ群112から速度変化量情報または角速度変化量情報などを取得する。
【0119】
ステップS3020では、掛かり判定処理部1050が、撮像装置113が撮像した海撮像データを取得する。
【0120】
ステップS3030では、掛かり判定処理部1050が、取得した海撮像データに掛かり判定モデルを適用して、海撮像データの中の疑似餌740の位置および魚900の位置を識別する。例えば、掛かり判定処理部1050は、海撮像データの中の物体の大きさ、形、または色(陰影を含む。)などを特徴量として疑似餌740または魚900を認識し、疑似餌740の位置および魚900の位置を識別することができる。
【0121】
釣りシステム10の掛かり判定処理では、ステップS3030において疑似餌740の位置と魚900の位置とが重複するまで、ステップS3010〜ステップS3030が繰り返される。疑似餌740の位置と魚900との位置が重複したとき、魚900が掛かったと判定され、ステップS3040が実行されてもよいが、さらにセンサ群112の各種情報に基づいて魚900の掛かりが判定されることが好ましい。例えば、掛かり判定処理部1050は、速度変化量情報または角速度変化量情報などに基づき、海中方向へ引かれていることをもって魚900が掛かっていると判定してもよい。
【0122】
ステップS3040では、掛かり判定処理部1050が、掛かり判定情報を生成する。掛かり判定情報は、魚900が掛かったときの海撮像データ、および魚900と疑似餌740との位置などが紐付けられて生成される。
【0123】
ステップS3050では、掛かり判定処理部1050が、接続制御部1020に掛かり判定情報を送信する。掛かり判定を受信した接続制御部1020は、第2の固定部220の固定を解除する。これにより、第2の固定部220が海へ投下される。なお、掛かり判定処理部1050は、掛かり判定情報の一部を第2の投下信号として接続制御部1020に送信してもよい。また、掛かり判定処理部1050は、海中方向へ引かれていることが検出されたときには、無人航空機100を上昇させ、または引かれている方向とは逆の方向に飛行させるように、飛行制御部1010に制御信号を送信してもよい。
【0124】
ステップS3060では、掛かり判定処理部1050が、飛行制御部1010に帰還信号を送信する。飛行制御部1010は、帰還信号に含まれる出発位置情報に基づき、無人航空機100を出発位置に向けて飛行させる。
【0125】
無人航空機100が出発位置に帰還すると、釣りシステム10の掛かり判定処理は終了する。
【0126】
上述したように、釣りシステム10の掛かり判定処理では、海撮像データに掛かり判定モデルが適用されることによって、海撮像データの中の魚900の位置と疑似餌740との位置を識別する。掛かり判定学習部1080は、生成された掛かり判定情報を教師データとして用いて、例えば、ディープラーニングを繰り返し実行し、学習したニューロンネットワークを有する掛かり判定モデルを生成する(S3110)。
【0127】
以上、説明したように、本発明の一実施形態に係る釣りシステム10は、第1の固定部210の固定を解除することによって疑似餌740を海へ投下した後であっても、第2の固定部220が無人航空機100に固定されているため、無人航空機100の飛行を制御して魚群を追尾することができる。また、センサ群112だけでなく、掛かり判定処理部1050が魚が掛かったことを判定するため、第2の固定部220の固定を素早く解除し、無人航空機100と釣り糸720とを分離することができる。これにより、魚が掛かったときに、無人航空機100が海中へ引き込まれることを防止することができる。
【0128】
<第2実施形態>
図11および図12を参照して、本発明の一実施形態に係る釣りシステム10Aについて説明する。なお、以下では、釣りシステム10Aが、釣りシステム10と同様の構成を含む場合は、その構成の説明を省略する場合がある。
【0129】
図11は、本発明の一実施形態に係る釣りシステム10Aの利用態様を説明する概略図である。釣りシステム10Aは、無人航空機100A、釣り糸固定部200A、および情報通信端末400Aを含む。無人航空機100Aおよび情報通信端末400Aの各々には、通信部が搭載されており、無人航空機100Aと情報通信端末400Aとは無線通信を介して互いに通信接続することができる。
【0130】
釣りシステム10Aで利用する釣り具700Aは、釣り竿710A、釣り糸720A、リール730A、疑似餌740A、および釣り竿支持台750Aを含む。釣り竿支持台750Aは、釣り竿710Aを支持することができる。そのため、釣り竿710Aが釣り竿支持台750Aに設置されれば、ユーザ800は釣り竿710Aを持つ必要がない。また、リール730Aには、モータおよび通信部が搭載されている。リール730Aの通信部は、無人航空機100Aと無線通信を介して通信接続することができ、無人航空機100Aからの指示によって自動で釣り糸720Aを巻き上げることができる。したがって、釣りシステム10Aでは、無人航空機100Aを離陸させるだけで、ユーザ800は、釣り竿710またはリール730に全く触れることなく、魚900を釣ることができる。
【0131】
図12は、本発明の一実施形態に係る釣りシステム10Aの情報通信端末の画面を説明する模式図である。
【0132】
釣りシステム10Aでは、ユーザ800は、情報通信端末400Aの画面上で魚群の探知および追尾を確認することができる。また、情報通信端末400Aの画面は、いわゆるタッチパネルである。図12に示す情報通信端末400Aの画面には、海撮像データに基づく映像410、ソナー情報に基づく映像420、および位置情報に基づく映像430が表示されている。また、無人航空機100のコントローラのアイコン440Aおよび釣り糸固定部200Aの投下のアイコンが表示されている。そのため、ユーザ800は、情報通信端末400Aの画面に表示された映像で魚群の探知または追尾を確認しながら、アイコンに触れて指示を入力し、ユーザ指示信号を無人航空機100Aに送信することができる。したがって、魚群探知処理、魚群追尾処理、または掛かり判定処理において、ユーザ800が介入し、微調整を行うことができる。
【0133】
なお、情報通信端末400Aの画面に表示される映像およびアイコンは、図12に示すものに限られない。情報通信端末400Aでは、魚群の探知および追尾に関連するあらゆる情報の映像を表示することができる。また、情報通信端末400Aでは、魚群探知処理、魚群追尾処理、および掛かり判定処理に関連するあらゆる制御または処理の指示のためのアイコンを表示することができる。なお、情報通信端末400Aに表示される映像の位置またはアイコンの位置は、ユーザ800自身によって自由に変更することができてもよい。
【0134】
以上、説明したように、本発明の一実施形態に係る釣りシステム10Aでは、情報通信端末400Aを用いて魚900を釣り上げることができる。また、無人航空機100Aには、釣り糸固定部200Aが設けられているため、魚が掛かったときに、無人航空機100が海中へ引き込まれることを防止することができる。
【0135】
本発明の一実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜構成要素を組み合わせて実施することができる。また、本発明の一実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除、もしくは設計変更を行ったもの、または工程の追加、省略、もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0136】
また、本発明の一実施形態によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0137】
10、10A:釣りシステム、
100、100A:無人航空機、 110:本体、 111:電力供給源、 112:センサ群、 113:撮像装置、 120:アーム、 130:ロータ、 140:ブレード、 150:スキッド、
200、200a、200b、200A:釣り糸固定部、 210、210a、230b:第1の固定部、 220、220a、240b:第2の固定部、
310:第1の接続部、 320:第2の接続部、
400A:情報通信端末、 410A、420A、430A:映像、 440A、450A:アイコン、
700:釣り具、 710:釣り竿、 720:釣り糸、 730:リール、 740:疑似餌、
800:ユーザ、 900:魚、 1000:情報処理装置、
1010:飛行制御部、 1020:接続制御部、 1030:魚群探知処理部、 1040:魚群追尾処理部、 1050:掛かり判定処理部、 1060:魚群探知学習部、 1070:魚群追尾学習部、 1080:掛かり判定学習部、 1090:記憶部
【要約】      (修正有)
【課題】魚が掛かったときに、無人航空機が海中へ引き込まれることが防止された釣りシステムを提供する。
【解決手段】釣りシステム10は、無人航空機100と、無人航空機100の本体に設置され、釣り糸720を固定する第1の固定部および第1の固定部と着脱可能に接続される第2の固定部を含む釣り糸固定部200と、を含み、無人航空機100は、撮像装置と、撮像装置によって撮像された撮像データの中の魚を識別し、無人航空機100を制御して魚を追尾する魚群追尾処理部と、を含み、釣り糸720の第1の端に取り付けられた疑似餌740に魚が掛かったときに、第1の固定部と第2の固定部との接続が解除される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
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図9
図10
図11
図12