特許第6842770号(P6842770)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6842770
(24)【登録日】2021年2月25日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】組立式テント
(51)【国際特許分類】
   E04H 15/42 20060101AFI20210308BHJP
【FI】
   E04H15/42
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-194493(P2017-194493)
(22)【出願日】2017年10月4日
(65)【公開番号】特開2019-65652(P2019-65652A)
(43)【公開日】2019年4月25日
【審査請求日】2019年6月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】596077488
【氏名又は名称】今泉テント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】高松 晶子
(72)【発明者】
【氏名】米田 佳那
【審査官】 松本 隆彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−330756(JP,A)
【文献】 特開2000−110412(JP,A)
【文献】 実公昭49−041607(JP,Y1)
【文献】 実公昭51−045888(JP,Y1)
【文献】 実公昭35−007328(JP,Y1)
【文献】 特開2002−180701(JP,A)
【文献】 特開2014−125771(JP,A)
【文献】 英国特許出願公開第02458375(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H15/00−15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠形状が直方体若しくは立方体に形成される本体フレームと、この本体フレームに着脱自在に設けられる屋根幕部材とで構成される組立式テントであって、前記本体フレームは、前記屋根幕部材を片流れ屋根状に張設する場合の屋根頂部を支持する片流れ屋根用頂部支持桟杆と、前記屋根幕部材を切妻屋根状に張設する場合の屋根頂部を支持する切妻屋根用頂部支持桟杆と、前記本体フレームに片流れ屋根状若しくは切妻屋根状に張設された屋根幕部材の端部が係止される屋根幕端部係止桟杆とを備え、さらに前記本体フレームは、床部材を着脱自在に敷設できるように構成されていることを特徴とする組立式テント。
【請求項2】
前記本体フレームは、対向配置される一対の上部フレーム部の長手方向中央部間に前記切妻屋根用頂部支持桟杆が架設され、前記一対の上部フレーム部の少なくとも一方の長手方向端部間に前記片流れ屋根用頂部支持桟杆が架設されることを特徴とする請求項1記載の組立式テント。
【請求項3】
前記本体フレームは、対向配置される一対の上部フレーム部の長手方向中央部間に前記切妻屋根用頂部支持桟杆が架設され、前記一対の上部フレーム部の長手方向両端部間に夫々、前記片流れ屋根用頂部支持桟杆が架設されることを特徴とする請求項1記載の組立式テント。
【請求項4】
前記本体フレームは、一対の前記屋根幕端部係止桟杆を備え、この一対の屋根幕端部係止桟杆でこの本体フレームに張設する前記屋根幕部材の両端部を夫々係止するように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の組立式テント。
【請求項5】
前記本体フレームは、この本体フレームに張設される屋根幕部材の側縁部が係止される屋根幕側縁係止杆を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の組立式テント。
【請求項6】
前記屋根幕部材の側縁部には、前記屋根幕側縁係止杆が挿通される係止杆挿通部が設けられていることを特徴とする請求項5記載の組立式テント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立式テント関するものである。
【背景技術】
【0002】
屋外イベントなどに使用される組立式テントの多くは屋形テントである。この屋形テントの殆どは、例えば特許文献1に示すような、切妻屋根状に張設された屋根幕部材が複数の支柱で支持される外観を呈するものとなっている。
【0003】
すなわち、従来の屋形テントは、外観が画一化されていて、また、この外観が画一化されることでテント内の空間形状も固定化される(具体的には、中央側の天井が高く、端側に行くに連れ天井高さが低くなる空間形状に固定される)ものとなっている。
【0004】
そのため、従来の屋形テントは、ビジュアル性に乏しく、また、レイアウトの自由度も乏しいものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016−196753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような従来の屋形テントの現状に鑑みなされたもので、ビジュアル的要素を含み、且つテント内の空間形状を変更することができ機能性に優れた組立式テントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
枠形状が直方体若しくは立方体に形成される本体フレーム1と、この本体フレーム1に着脱自在に設けられる屋根幕部材2とで構成される組立式テントであって、前記本体フレーム1は、前記屋根幕部材2を片流れ屋根状に張設する場合の屋根頂部を支持する片流れ屋根用頂部支持桟杆3と、前記屋根幕部材2を切妻屋根状に張設する場合の屋根頂部を支持する切妻屋根用頂部支持桟杆4と、前記本体フレーム1に片流れ屋根状若しくは切妻屋根状に張設された屋根幕部材2の端部が係止される屋根幕端部係止桟杆5とを備え、さらに前記本体フレーム1は、床部材を着脱自在に敷設できるように構成されていることを特徴とする組立式テントに係るものである。
【0009】
また、前記本体フレーム1は、対向配置される一対の上部フレーム部6の長手方向中央部間に前記切妻屋根用頂部支持桟杆4が架設され、前記一対の上部フレーム部6の少なくとも一方の長手方向端部間に前記片流れ屋根用頂部支持桟杆3が架設されることを特徴とする請求項1記載の組立式テントに係るものである。
【0010】
また、前記本体フレーム1は、対向配置される一対の上部フレーム部6の長手方向中央部間に前記切妻屋根用頂部支持桟杆4が架設され、前記一対の上部フレーム部6の長手方向両端部間に夫々、前記片流れ屋根用頂部支持桟杆3が架設されることを特徴とする請求項1記載の組立式テントに係るものである。
【0011】
また、前記本体フレーム1は、一対の前記屋根幕端部係止桟杆5を備え、この一対の屋根幕端部係止桟杆5でこの本体フレーム1に張設する前記屋根幕部材2の両端部を夫々係止するように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の組立式テントに係るものである。
【0012】
また、前記本体フレーム1は、この本体フレーム1に張設される屋根幕部材2の側縁部が係止される屋根幕側縁係止杆7を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の組立式テントに係るものである。
【0013】
また、前記屋根幕部材2の側縁部には、前記屋根幕側縁係止杆7が挿通される係止杆挿通部8が設けられていることを特徴とする請求項5記載の組立式テントに係るものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は上述のように構成したから、ビジュアル的要素を含み、且つテント内の空間形状を変更することができ機能性に優れた組立式テントとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施例の本体フレームを片流れ屋根仕様に組み立てた状態を示す斜視図である。
図2】本実施例の本体フレームを切妻屋根仕様に組み立てた状態を示す斜視図である。
図3】本実施例を片流れ屋根仕様に組み立てた状態を示す斜視図である。
図4】本実施例を切妻屋根仕様に組み立てた状態を示す斜視図である。
図5】本実施例を片流れ屋根仕様に組み立てた状態における屋根幕部材の張設状態を示す説明図である。
図6】本実施例を切妻屋根仕様に組み立てた状態における屋根幕部材の張設状態を示す説明図である。
図7】本実施例の屋根幕端部係止桟杆を示す説明側断面図である。
図8】本実施例の屋根幕側縁係止杆及び係止杆挿通部を示す説明斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0017】
本発明は、本体フレーム1を組立て形成した後、屋根幕部材2を張設する組立式テントであり、本体フレーム1に張設形成される屋根形状を、片流れ屋根と切妻屋根のいずれかを選べる構成となっている。
【0018】
屋根形状を片流れ屋根にする場合は、本体フレーム1に設けられた片流れ屋根用頂部支持桟杆3に屋根幕部材2を掛け回し、屋根幕部材2の端部を屋根幕端部係止桟杆5に係止することで、この片流れ屋根用頂部支持桟杆3が片流れ屋根の頂部を支持して体裁のよい片流れ屋根のテントになる。
【0019】
また、屋根形状を切妻屋根にする場合は、本体フレーム1に設けられた切妻屋根用頂部支持桟杆に屋根幕部材2を掛け回し、屋根幕部材2の端部を屋根幕端部係止桟杆5に係止することで、この切妻屋根用頂部支持桟杆4が切妻屋根の頂部を支持して体裁のよい切妻屋根のテントになる。
【0020】
また、本発明は、枠形状が直方体若しくは立方体に形成される本体フレーム1に、前述のとおり、屋根幕部材2が片流れ屋根状または切妻屋根状に張設されるので、従来の屋形テントとは異なる外観を呈するものとなる。
【0021】
すなわち、従来からある屋形テントの殆どは、本体フレームに屋根幕部材を切妻屋根状に張設することで、本体フレームの上部はこの屋根幕部材で覆われ隠蔽状態になり、外観上、切妻屋根状に張設された屋根幕部材とこれを支持する支柱しか見えないものとなるのに対し、本発明は、図示するように、屋根幕部材2を片流れ屋根状に張設した場合は、本体フレーム1の上部フレーム部6及び片流れ屋根用頂部支持桟杆3が露呈し、屋根幕部材2を切妻屋根状に張設した場合は、本体フレーム1の上部フレーム部6及び切妻屋根用頂部支持桟杆4が露呈することとなり、従って、本体フレーム1が殆ど屋根幕部材2で隠蔽されず、本体フレーム1そのものが、そのまま露呈する外観を呈することとなり、従来のテントとは全く異なる外観を呈するものとなる。
【0022】
本発明は、このような従来に無い外観を呈することで、例えば、イベント会場などで使用することで、来場者の目を引き、注目されるものとなり、従来の屋形テントを使用した他のブースに比べて、高い集客効果を発揮することができるものとなる。
【0023】
また、本発明は、使用者が屋根形状を片流れ屋根、切妻屋根のいずれかを選択することができる構成であるから、言い換えると、屋根形状が片流れ屋根と切妻屋根とに変更自在に構成されているから、この屋根形状の選択(変更)により、テント内の内部空間形状が変化することとなり、これによりテント内に形成される空間形状が固定化されず、従って、レイアウトの自由度が向上するものとなる。
【0024】
このように、本発明は、ビジュアル的、機能的に優れた従来にない作用効果を発揮する画期的な組立式テントとなる。
【実施例】
【0025】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0026】
本実施例は、枠形状が直方体若しくは立方体に形成される本体フレーム1と、この本体フレーム1に着脱自在に設けられる屋根幕部材2とで構成される組立式テントであり、詳しくは、屋根幕部材2により形成されるテントの屋根形状を、片流れ屋根と切妻屋根のいずれかの形状に選択可能な屋根形状を変更できる組立式テントである。
【0027】
以下、本実施例に係る構成各部について詳述する。
【0028】
本実施例の本体フレーム1は、枠形状が立方体形状(本実施例では縦3m×横3mの立方体形状)に組立て形成され、屋根幕部材2を片流れ屋根状に張設する場合の屋根頂部を支持する片流れ屋根用頂部支持桟杆3と、屋根幕部材2を切妻屋根状に張設する場合の屋根頂部を支持する切妻屋根用頂部支持桟杆4と、この本体フレーム1に片流れ屋根状または切妻屋根状に張設された屋根幕部材2の端部が係止される屋根幕端部係止桟杆5とを備える構成とされている。
【0029】
具体的には、本実施例の本体フレーム1は、上部フレーム部6、支柱フレーム部9、下部フレーム部10により方形状に組立て形成される一対のメインフレーム部11間に前述の片流れ屋根用頂部支持桟杆3、切妻屋根用頂部支持桟杆4及び屋根幕端部係止桟杆5が架設されてなる構成とされている。
【0030】
より具体的には、片流れ屋根用頂部支持桟杆3及び切妻屋根用頂部支持桟杆4は、夫々、丸棒状に形成され、切妻屋根用頂部支持桟杆4は、対向配置される上部フレーム部6の長手方向中央部間に架設され、また、片流れ屋根用頂部支持桟杆3は、上部フレーム部6の長手方向両端部間に夫々架設されている。
【0031】
また、屋根幕端部係止桟杆5は、対向配置されるメインフレーム部11の支柱フレーム部9間、具体的には、正面側と背面側に配置されるメインフレーム部11の夫々の右側支柱フレーム部9間及び左側支柱フレーム部9間に夫々架設されている。
【0032】
尚、本実施例の屋根幕端部係止桟杆5は、支柱フレーム部9に位置決め状態で設けられる構成とされているが、例えば支柱フレーム部9に位置調整自在に設けられる構成としても良い。
【0033】
また、本実施例の本体フレーム1は、上述の桟杆のほか、片流れ屋根用頂部支持桟杆3または切妻屋根用頂部支持桟杆4と共に屋根幕部材2を支持する屋根幕支持桟杆12と、本体フレーム1においてメインフレーム部11同士の連結部材となると共に、この本体フレーム1に床部材(図示しない)を設置する際にこの床部材を支持する床部材支持桟杆13と、本体フレーム1に張設される屋根幕部材2の側縁部が係止される屋根幕側縁係止杆7を備える構成とされている。
【0034】
具体的には、屋根幕支持桟杆12は、本体フレーム1の左右両側に設けられた各片流れ屋根用頂部支持桟杆3と屋根幕端部係止桟杆5との間に、これらと平行状態に架設されている。
【0035】
また、この屋根幕支持桟杆12は、下方に位置する屋根幕端部係止桟杆5との間に架設される屋根幕支持桟杆支持部14により支持される構成とされている。すなわち、本実施例は、屋根幕支持桟杆12を屋根幕支持桟杆支持部14で支持することで、本体フレーム1に張設される屋根幕部材2からの応力によって屋根幕支持桟杆12が変形することを防止する構成とされている。
【0036】
また、本実施例は、屋根幕側縁係止杆7として、片流れ屋根用屋根幕側縁係止杆7Aと切妻屋根用屋根幕側縁係止杆7Bとの二種類の屋根幕側縁係止杆7を備える構成とし、この片流れ屋根用屋根幕側縁係止杆7A及び切妻屋根用屋根幕側縁係止杆7Bは、本体フレーム1に着脱交換自在に設けられる構成とされ、屋根形状を片流れ屋根仕様とする場合は片流れ屋根用屋根幕側縁係止杆7Aが設けられ、切妻屋根仕様とする場合は、切妻屋根用屋根幕側縁係止杆7Bが設けられる構成とされている。
【0037】
具体的には、片流れ屋根用屋根幕側縁係止杆7A及び切妻屋根用屋根幕側縁係止杆7Bは、いずれも一端が上部フレーム部6に設けられた上側係止部15に係止され、他端が支柱フレーム部9に設けられた下側係止部16に係止される構成とされ、より具体的には、片流れ屋根用屋根幕側縁係止杆7Aは、上側端部が上部フレーム部6に設けられた片流れ屋根用上側係止部15Aに係止され、下側端部が支柱フレーム部9に設けられた下側係止部16に係止される構成とされ、また、切妻屋根用屋根幕側縁係止杆7Bは、上側端部が上部フレーム部6に設けられた切妻屋根用上側係止部15Bに係止され、下側端部が片流れ屋根用屋根幕側縁係止杆7Aと共通の支柱フレーム部9に設けられた下側係止部16に係止される構成とされている。
【0038】
また、本実施例は、上述した本体フレーム1に張設される屋根幕部材2として、片流れ屋根用屋根幕部材2Aと、切妻屋根用屋根幕部材2Bを備え、片流れ屋根仕様にする場合は、片流れ屋根用屋根幕部材2Aを用い、切妻屋根仕様にする場合は、切妻屋根用屋根幕部材2Bを用いる構成とされている。
【0039】
具体的には、片流れ屋根用屋根幕部材2A及び切妻屋根用屋根幕部材2Bは、夫々、長手方向の各端縁に屋根幕係止部17が設けられていて、この屋根幕係止部17を本体フレーム1の各屋根幕端部係止桟杆5に係止させて張設する構成とされている。
【0040】
より具体的には、屋根幕係止部17は、係止手段としてのボルト18を有する構成とされ、本実施例は、このボルト18を屋根幕端部係止桟杆5に挿通しナット19で締付固定することで屋根幕端部を緊張状態にして屋根幕端部係止桟杆5に係止させることができる構成とされている。
【0041】
また、片流れ屋根用屋根幕部材2A及び切妻屋根用屋根幕部材2Bは、夫々、両側縁部に本体フレーム1に設けられる屋根幕側縁係止杆7が挿通される係止杆挿通部8が設けられていて、この係止杆挿通部8に屋根幕側縁係止杆7(片流れ屋根用屋根幕側縁係止杆7A若しくは切妻屋根用屋根幕側縁係止杆7B)を挿通することで、屋根幕部材2の側縁部が本体フレーム1に係止され、風などによる屋根幕部材2のバタつくが抑制されるように構成されている。
【0042】
また更に、本実施例の屋根幕部材2は、両側縁部に夫々、水切り部20が設けられており、この水切り部20は、凸条に形成され、屋根幕部材2の長手方向に沿って設けられる構成とされている。すなわち、本実施例は、この水切り部20を屋根幕部材2に設けることで、屋根幕部材2の側縁部から雨水が流出することを防止し、屋根傾斜に沿った所定方向に雨水が流れ落ちるように構成されていて、これにより、出入り口に雨水が垂れ落ちず、出入り口を出入りする人に雨水がかからないように構成されている。
【0043】
また、本実施例は、固定用重石部材(図示しない)を備えており、この固定用重石部材を下部フレーム部10または床部材支持桟杆13を跨ぐように配置することで、より安定的に設置される構成とされており、例えば、植栽ユニット(植栽された重量のある箱体)を固定用重石部材として設置する構成としても良い。
【0044】
尚、本実施例では、本体フレーム1の向きを入れ替えなくても片流れ屋根の傾斜方向を右傾斜、左傾斜にすることができるように片流れ屋根用頂部支持桟杆3が上部フレーム部材6の両端部に夫々架設される構成とされているが、片流れ屋根用頂部支持桟杆3を上部フレーム部材6の一方の端部だけに設けて、片流れ屋根の傾斜方向を本体フレーム1の向きを入れ替えることで変更する構成としても良い。
【0045】
以上のように構成される本実施例の作用効果について以下に説明する。
【0046】
本実施例を屋根形状が片流れ屋根のテントにする場合は、屋根幕部材2として片流れ屋根用屋根幕部材2Aを用い、本体フレーム1に設けられる屋根幕端部係止桟杆5の一方に片流れ屋根用屋根幕部材2Aの端部に設けられた屋根幕係止部17のボルト18を挿通配設し、この屋根幕端部係止桟杆5に挿通したボルト18をナット19で締付固定して、片流れ屋根用屋根幕部材2Aの一端を本体フレーム1(屋根幕端部係止桟杆5)に固定する。
【0047】
そして、この片流れ屋根用屋根幕部材2Aの一端を固定した屋根幕端部係止桟杆5の上方に位置する片流れ屋根用頂部支持桟杆3に片流れ屋根用屋根幕部材2Aを掛け回し、更に反対側に位置する屋根幕支持桟杆12に掛け回した後、この屋根幕支持桟杆12の下方に位置するもう一方の屋根幕端部係止桟杆5に、もう一方の端部を同様にボルト18、ナット19で締付固定して係止固定する。
【0048】
最後に、この本体フレーム1に張設した片流れ屋根用屋根幕部材2Aの両側縁部に設けられる各係止杆挿通部8に夫々片流れ屋根用屋根幕側縁係止杆7Aを挿通し、この係止杆挿通部8から突出する上側端部を本体フレーム1の上部フレーム部6に設けられた片流れ屋根用上側係止部15Aに係止させ、下側端部を支柱フレーム部9に設けられた下側係止部16に係止させることで体裁のよい片流れ屋根仕様のテントになる。
【0049】
また、片流れ屋根用屋根幕部材2Aの緊張状態は、片流れ屋根用屋根幕部材2Aの端部に設けられた屋根幕係止部17のボルト18の締付具合で調節することが可能であり、ボルト18、ナット19の締付を強固にすることで片流れ屋根用屋根幕部材2Aを緊張し、ボルト18、ナット19を緩めることで片流れ屋根用屋根幕部材2Aの緊張状態をゆるめることができる。
【0050】
また、本実施例を屋根形状が切妻屋根のテントにする場合は、屋根幕部材2として切妻屋根用屋根幕部材2Bを用い、本体フレーム1に設けられる屋根幕端部係止桟杆5の一方に切妻屋根用屋根幕部材2Bの端部に設けられた屋根幕係止部17のボルト18を挿通配設し、この屋根幕端部係止桟杆5に挿通したボルト18をナット19で締付固定して、切妻屋根用屋根幕部材2Bの一端を本体フレーム1(屋根幕端部係止桟杆5)に固定する。
【0051】
そして、この切妻屋根用屋根幕部材2Bの一端を固定した屋根幕端部係止桟杆5の上方に位置する屋根幕支持桟杆12に切妻屋根用屋根幕部材2Bを掛け回し、更に本体フレーム1の上部中央に配される切妻屋根用頂部支持桟杆4に掛け回してから反対側に位置するもう一方の屋根幕支持桟杆12に掛け回した後、この屋根幕支持桟杆12の下方に位置するもう一方の屋根幕端部係止桟杆5に、切妻屋根用屋根幕部材2Bのもう一方の端部を同様にボルト18、ナット19で締付固定して係止固定する。
【0052】
最後に、この本体フレーム1に張設した切妻屋根用屋根幕部材2Bの両側縁部に設けられる各係止杆挿通部8に夫々切妻屋根用屋根幕側縁係止杆7Bを挿通し、この係止杆挿通部8から突出する上側端部を本体フレーム1の上部フレーム部6に設けられた切妻屋根用上側係止部15Bに係止させ、下側端部を支柱フレーム部9に設けられた下側係止部16に係止させることで体裁のよい切妻屋根仕様のテントになる。
【0053】
また、このように組み立てられる本実施例は、枠形状が直方体若しくは立方体に形成される本体フレーム1に、屋根幕部材2が片流れ屋根状または切妻屋根状に張設されるので、従来の屋形テントとは異なる外観を呈するものとなる。
【0054】
すなわち、従来からある屋形テントの殆どは、本体フレームに屋根幕部材を切妻屋根状に張設することで、本体フレームの上部はこの屋根幕部材で覆われ隠蔽状態になり、外観上、切妻屋根状に張設された屋根幕部材とこれを支持する支柱しか見えないものとなるのに対し、本実施例は、図示するように、屋根幕部材2を片流れ屋根状に張設した場合は、本体フレーム1の上部フレーム部6及び片流れ屋根用頂部支持桟杆3が露呈し、屋根幕部材2を切妻屋根状に張設した場合は、本体フレーム1の上部フレーム部6及び切妻屋根用頂部支持桟杆4が露呈することとなり、従って、本体フレーム1が殆ど屋根幕部材2で隠蔽されず、本体フレーム1そのものが、そのまま露呈する外観を呈することとなり、従来のテントとは全く異なる外観を呈するものとなり、このような従来に無い外観を呈することで、例えば、本実施例をイベント会場などで使用することで、来場者の目を引き、注目されるものとなり、従来の屋形テントを使用した他のブースに比べて、高い集客効果を発揮することができるものとなる。
【0055】
また、本実施例は、前述のとおり、使用者が屋根形状を片流れ屋根、切妻屋根のいずれかを選択することができる構成であるから、この屋根形状の選択(変更)により、テント内の内部空間形状を変更することができ、これによりテント内に形成される空間形状が固定化されず、レイアウトの自由度が向上するものとなる。
【0056】
このように、本実施例は、ビジュアル的、機能的に優れた従来にない作用効果を発揮する画期的な組立式テントとなる。
【0057】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0058】
1 本体フレーム
2 屋根幕部材
3 片流れ屋根用頂部支持桟杆
4 切妻屋根用頂部支持桟杆
5 屋根幕端部係止桟杆
6 上部フレーム部
7 屋根幕側縁係止杆
8 係止杆挿通部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8