特許第6842838号(P6842838)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6842838モータ、インホイールモータ及び車輪装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6842838
(24)【登録日】2021年2月25日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】モータ、インホイールモータ及び車輪装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 7/00 20060101AFI20210308BHJP
   H02K 11/215 20160101ALI20210308BHJP
【FI】
   B60K7/00
   H02K11/215
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-78317(P2016-78317)
(22)【出願日】2016年4月8日
(65)【公開番号】特開2017-185975(P2017-185975A)
(43)【公開日】2017年10月12日
【審査請求日】2019年4月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】西口 薫
(72)【発明者】
【氏名】中村 学
【審査官】 宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−343905(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/111617(WO,A1)
【文献】 米国特許第05894902(US,A)
【文献】 特許第3094345(JP,B2)
【文献】 国際公開第2010/038862(WO,A1)
【文献】 特開2014−168344(JP,A)
【文献】 特開2015−089188(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 7/00
H02K 11/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータと、
回転軸を中心として前記ステータに対して相対的に回転するロータと、
前記回転軸の軸方向に延在するように配置されたシャフトと、
前記ステータに対する前記ロータの回転角度を検出する角度センサーと
を備え、
前記ロータは、前記ステータの外周を囲む周壁と、軸方向において前記シャフトの端部と対向し、センサー用磁石を有する底部とを備え、
前記シャフトは、前記ステータに固定され、前記ロータと前記軸方向に所定の距離だけ離間して対向するように配置され、
前記角度センサーは、前記シャフトにおける前記軸方向の端部における、前記ロータの前記底部に設けられた前記センサー用磁石と対向する部分に配置され
前記角度センサーの面の全体と前記センサー用磁石の面の全体とが、所定の間隔をあけて、他の部材を介さず直接対向する、
モータ。
【請求項2】
前記角度センサーとは別に、前記ステータに対する前記ロータの回転角度を検出する他の角度センサーをさらに備える、
請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記ステータを収容する筐体と、
貫通孔が形成され、当該貫通孔に前記シャフトを貫通させた状態で、前記筐体内の空間を密閉するカバーと、
前記ステータ、又は、前記角度センサーに接続される導線と
をさらに備え、
前記導線は、前記筐体内の空間から前記シャフトの内部を通って前記カバーの外へ配線される、
請求項1又は2に記載のモータ。
【請求項4】
前記角度センサーは、前記ロータに設けられた前記センサー用磁石の角度位置を検出することで、前記回転角度を検出する磁気センサーである、
請求項1、2又は3に記載のモータ。
【請求項5】
前記ロータは、前記ステータの外周を囲むように配置され、当該外周に沿って回転する、
請求項1〜4のいずれか一つに記載のモータ。
【請求項6】
ホイールの内部に搭載されるインホイールモータであって、
ステータと、
回転軸を中心として前記ステータに対して相対的に回転するロータと、
前記回転軸の軸方向に延在するように配置されたシャフトと、
前記ステータに対する前記ロータの回転角度を検出する角度センサーと
を備え、
前記ロータは、前記ステータの外周を囲む周壁と、軸方向において前記シャフトの端部と対向し、センサー用磁石を有する底部とを備え、
前記シャフトは、前記ステータに固定され、前記軸方向に所定の距離だけ離間して前記ロータと対向するように配置され、
前記角度センサーは、前記シャフトにおける前記軸方向の端部における、前記ロータの前記底部に設けられた前記センサー用磁石と対向する部分との間に配置され
前記角度センサーの面の全体と前記センサー用磁石の面の全体とが、所定の間隔をあけて、他の部材を介さず直接対向する、
インホイールモータ。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のモータ又は請求項6に記載のインホイールモータを内蔵した車輪装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ、インホイールモータ及び車輪装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種機器や各種装置の駆動等に用いられるモータには、モータの動作を制御するための角度センサーが設けられるのが一般的である。角度センサーは、モータに含まれるステータとロータとの間の相対的な回転角度を検出する。例えば、角度センサーとしては、光学式エンコーダやレゾルバ等が用いられる。そして、近年では、モータを用いる機器が多様化していることから、角度センサーを内蔵しつつ、小型化されたモータが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−89188号公報
【特許文献2】特許第5615033号
【特許文献3】特許第5517869号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の角度センサーを小型のモータに内蔵させることは困難であった。例えば、光学式エンコーダは、耐熱性や形状の問題から、モータに内蔵させることが難しい。また、レゾルバは、コイル等を用いる構造のため小型化することが難しく、小型のモータに内蔵させることは難しい。このようなことから、従来の技術では、角度センサーをモータに内蔵しつつ、小型化されたモータを実現することは困難であった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、角度センサーを内蔵しつつ、小型化が可能なモータ、インホイールモータ及び車輪装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係るモータは、ステータと、回転軸を中心として前記ステータに対して相対的に回転するロータと、前記回転軸の軸方向に延在するように配置されたシャフトと、前記ステータに対する前記ロータの回転角度を検出する角度センサーとを備え、前記ロータは、前記ステータの外周を囲む周壁と、軸方向において前記シャフトの端部と対向し、センサー用磁石を有する底部とを備え、前記シャフトは、前記ステータに固定され、前記ロータと前記軸方向に所定の距離だけ離間して対向するように配置され、前記角度センサーは、前記シャフトにおける前記軸方向の端部における、前記ロータの前記底部に設けられた前記センサー用磁石と対向する部分に配置される。前記角度センサーの面の全体と前記センサー用磁石の面の全体とは、所定の間隔をあけて、他の部材を介さず直接対向する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、角度センサーを内蔵しつつ、小型化が可能なモータ及びインホイールモータを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係るインホイールモータを内蔵した車輪装置の外観を示す斜視図である。
図2図2は、本実施形態に係るインホイールモータを内蔵した車輪装置の構成を示す分解斜視図である。
図3図3は、本実施形態に係るインホイールモータを内蔵した車輪装置の構成を示す分解断面斜視図である。
図4図4は、本実施形態に係るインホイールモータが備えるステータの構成を示す断面斜視図である。
図5図5は、本実施形態に係るインホイールモータが備えるロータの構成を示す分解斜視図である。
図6図6は、本実施形態に係る車輪装置を示す正面図である。
図7図7は、本実施形態に係る車輪装置を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、実施形態に係るモータ、インホイールモータ及び車輪装置について説明する。
【0010】
(実施形態)
図1は、本実施形態に係るインホイールモータを内蔵した車輪装置の外観を示す斜視図である。本実施形態に係るインホイールモータは、例えば、図1に示す車輪装置100に内蔵される。この車輪装置100は、例えば、自走式のロボットや搬送台車等の駆動輪として用いられる。
【0011】
例えば、図1に示すように、車輪装置100は、ホイール110と、タイヤ120とを備える。ホイール110は、金属やプラスチック等を用いて略有底円筒状に形成された車輪である。タイヤ120は、ゴム等の弾力性を有する材料を用いて略円環状に形成され、ホイール110の周りを囲むように固定される。例えば、ホイール110及びタイヤ120は、タイヤ120が消耗品であることから、それぞれを基本構成として、一体化された状態で交換可能な構造とされる。
【0012】
例えば、本実施形態に係るインホイールモータは、ホイール110に直結され、所定の回転軸Rを中心としてホイール110を回転させる。すなわち、本実施形態に係るインホイールモータは、例えばダイレクトドライブ方式のインホイールモータである。
【0013】
図2は、本実施形態に係るインホイールモータを内蔵した車輪装置100の構成を示す分解斜視図である。例えば、図2に示すように、本実施形態に係るインホイールモータ200は、車輪装置100のホイール110の内部に搭載され、ナット111によってホイール110の底部に固定される。
【0014】
例えば、インホイールモータ200は、ステータ210と、ロータ220と、カバー230とを備える。ステータ210は、回転軸Rの軸方向に延在するように配置されたシャフト211を介して、車輪装置100が実装される装置に固定される。
【0015】
ロータ220は、回転軸Rを中心としてステータ210に対して相対的に回転する。ここで、ロータ220は、ステータ210を収容する筐体221を有し、ステータ210の外周を囲むように配置され、当該外周に沿って回転する。すなわち、本実施形態に係るインホイールモータ200は、アウターロータ形のモータである。
【0016】
カバー230は、貫通孔231が形成され、当該貫通孔231にシャフト211を貫通させた状態で、ロータ220の筐体221内の空間を密閉する。例えば、カバー230は、略円板状に形成され、略中央に貫通孔231が設けられる。そして、カバー230は、筐体221内にステータ210が収容され、かつ、貫通孔231にシャフト211を貫通させた状態で、例えばねじ232によってホイール110に固定される。
【0017】
ここで、ステータ210、ロータ220及びインホイールモータ200は、ロータ220の筐体221内への水の浸入を防ぐ防水構造とされている。例えば、カバー230は、Oリング233と、ゴムシールベアリング234とを備える。Oリング233は、カバー230と、ロータ220の筐体221との間に配置され、両者の間を密閉する。ゴムシールベアリング234は、カバー230の貫通孔231の内側でシャフト211を回転可能に支持するとともに、貫通孔231とシャフト211との間を密閉する。また、カバー230をホイール110に固定するねじ232は、締め付け後に防水加工が施される。
【0018】
図3は、本実施形態に係るインホイールモータ200を内蔵した車輪装置100の構成を示す分解断面斜視図である。例えば、図3に示すように、インホイールモータ200は、ステータ210に対するロータ220の回転角度を検出する角度センサー212を備える。ここで、角度センサー212は、シャフト211における軸方向の端部と、ロータ220における当該端部と対向する部分との間に配置される。
【0019】
本実施形態では、角度センサー212は、磁気センサーであり、ステータ210に設けられ、ロータ220に設けられたセンサー用磁石222の角度位置を検出することで、ステータ210に対するロータ220の回転角度を検出する。例えば、この角度センサー212としては、IC(Integrated Circuit)を備え、当該ICと対向する位置に置かれた磁石の角度位置を絶対角又は相対角で検出し、UVW相の3相の制御信号を出力可能な高速回転角度センサーが用いられる。
【0020】
図4は、本実施形態に係るインホイールモータ200が備えるステータ210の構成を示す断面斜視図である。例えば、図4に示すように、ステータ210は、シャフト211と、角度センサー212と、ステータベース213と、ベアリング214と、ステータコア215と、基板216とを備える。
【0021】
ステータベース213は、ステータ210の略中央に配置される支持部材であり、略有底円筒状に形成される。ここで、ステータベース213は、当該ステータベース213の中心軸が回転軸Rと一致するように配置される。
【0022】
シャフト211は、中空の略円筒状に形成され、一方の端部がステータベース213の内周側に挿入された状態で固定される。ここで、シャフト211は、当該シャフト211の中心軸がステータベース213の中心軸と一致するように、ステータベース213に固定される。
【0023】
ベアリング214は、ステータベース213の外底面から所定の距離だけ離間した位置に固定される。ここで、ベアリング214は、当該ベアリング214の中心軸がステータベース213及びシャフト211それぞれの中心軸と一致するように、ステータベース213に固定される。
【0024】
ステータコア215は、複数の板状の軟磁性材料をステータベース213の軸方向に積層した積層構造を有し、ステータベース213の外周及びベアリング214の外周側に固定される。ここで、ステータコア215の外周部分には、周方向に沿って略均等な間隔で複数の突極(図示せず)が設けられている。そして、各突極には、コイルが巻回されている。
【0025】
基板216は、略円板状に形成され、ステータベース213の中心軸と直交するように固定される。ここで、基板216は、ステータコア215におけるシャフト211が突出した側の端面に沿って、軸方向に所定の間隔を空けて配置される。
【0026】
そして、本実施形態では、ステータベース213の外底面に、ステータベース213の中心軸と交差するように角度センサー212が固定される。これにより、角度センサー212は、ベアリング214の軸受孔と対向する位置に配置されることになる。
【0027】
また、本実施形態では、ステータ210は、上述した角度センサー212とは別に、ステータ210に対するロータ220の回転角度を検出する他の角度センサー217をさらに備える。例えば、この角度センサー217としては、ホール素子又はホールICを用いた角度センサーが用いられる。
【0028】
例えば、基板216のステータコア215と対向する側の面上に、周方向に120°ずつ位置をずらして3つの角度センサー217が設けられる。なお、図4では、3つの角度センサー217のうちの2つについては図示を省略している。
【0029】
このように、角度センサーを複数設けた冗長構成とすることが可能になる。
【0030】
図5は、本実施形態に係るインホイールモータ200が備えるロータ220の構成を示す分解斜視図である。例えば、図5に示すように、ロータ220は、筐体221と、複数の磁石223とを備える。
【0031】
筐体221は、略有底円筒状に形成され、周壁となるロータフレーム221aと、底部となるロータケース221bとを備える。ロータフレーム221aは、非磁性材料を用いて略円筒状に形成される。ロータケース221bは、非磁性材料を用いて略円板状に形成される。ロータケース221bには、端部に沿って周方向に櫛歯状に並び、かつ、それぞれロータフレーム221aと対向する側に向けて突出する複数の突起部221cが設けられる。
【0032】
複数の磁石223は、それぞれ短冊状の形状を有し、着磁済みの状態で、ロータフレーム221aの内周に沿って周方向に略均等な間隔で設けられる。これらの磁石223は、ロータフレーム221aにロータケース221bが取り付けられた際に、ロータケース221bの各突起部221cが各磁石223の間隙に嵌合することによって、ロータフレーム221aにおける周方向の位置が固定される。
【0033】
また、これらの磁石223は、ロータ220の内側にステータ210が組み込まれた際に、ステータコア215と対向するように配置される。これにより、ステータコア215のコイルに駆動電流が流された際に、コイルに発生する電磁力によって、ロータ220が回転軸Rを中心としてステータ210の外周に沿って回転する。
【0034】
そして、本実施形態では、ロータケース221bに、回転軸Rに沿ってロータフレーム221aと対向する側に向けて突出する棒状のロータ軸221dが設けられる。ここで、ロータ軸221dの先端部分には、前述したセンサー用磁石222が固定される。このロータ軸221dは、ロータ220の内側にステータ210が組み込まれた際に、ステータ210に設けられたベアリング214の軸受孔を貫通するように配置される。これにより、ロータ軸221dの先端部分に固定されたセンサー用磁石222が、角度センサー212と対向して配置されることになる。
【0035】
図6は、本実施形態に係る車輪装置100を示す正面図であり、図7は、本実施形態に係る車輪装置100を示す側面断面図である。なお、図7は、図6に示す車輪装置100の位置A−Aにおける断面を示している。
【0036】
例えば、図7に示すように、本実施形態では、シャフト211が、ステータ210に固定され、軸方向に所定の距離Dだけ離間してロータ220と対向するように配置される。そして、角度センサー212が、シャフト211における軸方向の端部と、ステータ210における当該端部と対向する部分との間に配置される。
【0037】
具体的には、シャフト211における軸方向のステータ210側の端部と、ロータ軸221dの先端部分とが距離Dだけ離間して配置されるように、ステータ210及びロータ220が配置される。そして、シャフト211における軸方向のステータ210側の端部に角度センサー212が設けられ、ロータ軸221dの先端部分にセンサー用磁石222が設けられる。
【0038】
ここで、距離Dは、角度センサー212の仕様に応じた距離とされる。例えば、本実施形態のように角度センサー212として磁気センサーが用いられる場合には、角度センサー212によって回転角度の検出が可能な範囲内にセンサー用磁石222が配置されるように、距離Dが設定される。
【0039】
このように、シャフト211の軸方向の端部とロータ220とを所定の距離Dだけ離間して配置することによって、インホイールモータ200の内部に、角度センサー212を配置するための空間を確保することができる。これにより、インホイールモータ200の軸方向(ステータコア215の積層方向)の幅を拡げることなく、インホイールモータ200に角度センサー212を内蔵させることが可能になる。本実施形態では、このような磁気センサーの配置に関する構成によって、角度センサーを内蔵しつつ、小型化が可能なインホイールモータを実現することが可能になる。
【0040】
また、本実施形態では、インホイールモータ200は、筐体221内の空間に配置されたステータ210に接続される導線241と、角度センサー212に接続される導線242と、角度センサー217に接続される導線243とを備える。
【0041】
ここで、導線241は、ステータ210のコイルに外部の電源装置から駆動電流を供給する給電線である。また、導線242は、角度センサー212から出力される制御信号を外部の制御装置に伝送する信号線である。また、導線243は、角度センサー217から出力される制御信号を外部の制御装置に伝送する信号線である。
【0042】
そして、導線241〜243は、筐体221内の空間からシャフト211の内部を通ってカバー230の外へ配線される。例えば、各導線は、シャフト211における周壁部分の一部に設けられた貫通孔211aを通して配線される。ここで、貫通孔211aは、シャフト211において、筐体221内にステータ210が組み込まれ、かつ、筐体221にカバー230が取り付けられた際に、ステータコア215とカバー230との間に配置される位置に設けられる。
【0043】
このように、シャフト211の内部を通って各導線を配線することによって、カバー230によって筐体221内の空間が密閉された状態を保ったまま、インホイールモータ200の内部から外部へ各導線を配線することが可能になる。
【0044】
上述したように、本実施形態によれば、角度センサーを内蔵しつつ、小型化が可能なインホイールモータを実現することができる。
【0045】
なお、上述した実施形態では、インホイールモータ200が、角度センサー212の他に3つの角度センサー217を備える場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、角度検出用のセンサーが角度センサー212だけで足りる場合には、インホイールモータ200の構成要素から、基板216及び3つの角度センサー217を除いてもよい。この場合には、基板216及び3つの角度センサー217を除いた分だけ、ステータ210の軸方向の幅をより短くすることができるので、インホイールモータ200をさらに小型化することができる。
【0046】
また、上述した実施形態では、インホイールモータについて説明したが、実施形態はこれに限られない。ステータ及びロータを有する他の種類のモータについても、上述した角度センサーの配置に関する構成が適用可能である。
【0047】
また、上述した実施形態では、アウターロータ形のモータについて説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、インナーロータ形のモータやアキシャルギャップ形のモータについても、上述した角度センサーの配置に関する構成が適用可能である。
【0048】
例えば、インナーロータ形のモータは、ステータと、ステータの内周側に配置され、ステータの内周に沿って回転するロータとを備える。この場合に、例えば、シャフトは、ロータに固定され、ステータと軸方向所定の距離だけ離間して対向するように配置される。そして、角度センサーは、シャフトにおける軸方向の端部と、ステータにおける当該端部と対向する部分との間に配置される。
【0049】
また、例えば、アキシャルギャップ形のモータは、回転軸の軸方向に対向して配置されたステータ及びロータを備える。この場合には、例えば、シャフトは、ステータ及びロータの一方に固定され、ステータ及びロータの他方と軸方向に所定の距離だけ離間して対向するように配置される。そして、角度センサーは、シャフトにおける軸方向の端部と、ステータ及びロータの他方における当該端部と対向する部分との間に配置される。
【0050】
いずれの種類のモータでも、シャフトの軸方向における端部と、ステータ又はロータにおける当該端部と対向する部分とを所定の距離だけ離間して配置することによって、モータの内部に、角度センサーを配置するための空間を確保することができる。これにより、いずれの種類のモータでも、モータの軸方向の幅を拡げることなく、モータに角度センサーを内蔵させることが可能になる。すなわち、角度センサーを内蔵しつつ、小型化が可能なモータを実現することができる。
【0051】
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0052】
110 ホイール
200 インホイールモータ
210 ステータ
211 シャフト
212 角度センサー
217 角度センサー
220 ロータ
221 筐体
222 センサー用磁石
230 カバー
241〜243 導線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7