(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1ずれ防止部は、回動によってマットを敷設面に押圧し、又はマットを解放する押圧部材と、該押圧部材が回動自在に支持されている回動支持部と、押圧部材と回動支持部とのあいだに介装されている板ばねと、を備えており、該板ばねは、思案点を境として押圧部材がマットを押圧する姿勢とマットを開放する姿勢とに変姿するよう押圧部材を付勢することを特徴とする請求項1記載の床置き式ガイドレール。
前記マットは、前記敷設面よりも見込み方向に長尺であって、見込み方向外側の端部が床の上面に当接して敷設されていることを特徴とする請求項1又は2記載の床置き式ガイドレール。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。1は、床Fの上に設置される床置き式のガイドレールである。該床置き式ガイドレール1は、室内と室外とを区分けする開口部Oの下部の床上に設置され、開口部Oを開閉する両引きの戸体101の見付け方向へのスライド移動をガイドするものである。
【0010】
図1に示されるように、自動ドア式で両引きの左右一対の戸体101と、該一対の戸体101に対して室外側かつ見付け方向戸先側(正面視で左右方向外側)に設けられた一対のFIX窓102と、戸体101とFIX窓102の上端部を見付け方向に架橋する無目103と、該無目103の上部の欄間104と、戸体101の下部の床F上に設置された床置き式ガイドレール1と、が設けられている。左右一対の戸体101は、共通の1つの床置き式ガイドレール1にガイドされており、開口部Oの閉鎖時は、後述する戸尻側縦框101dの戸尻側側面同士が当接すると共に、戸先側の縦框101cとFIX窓102の縦框102aとが見付け方向で略同位置となっている。
【0011】
戸体101は、上下の横框101a、101b及び戸先側、戸尻側の縦框101c、101dに硝子板101eの四周が囲繞された状態で構成されている。また、戸体101は、ハンガー式であり、
図2に示されるように、その上端縁にハンガーローラ101fが設けられたブラケット101gが連結されており、該ハンガーローラ101fは、無目103の室内側内部に設けられたハンガーレール103aを転動するよう構成されている。
【0012】
無目103には、戸体101を見付け方向にスライド移動させて開口部Oを開閉するための自動ドア駆動機構105が設けられている。当該自動ドア駆動機構105自体は公知のものであるため詳細は省略するが、
図2に示されるように、見付け方向一端部に設けられた電動モータ105aと、該電動モータ105aに設けられた駆動スプロケット105bと、他端部に設けられた図示しない従動スプロケットと、駆動スプロケット105bと従動スプロケットとのあいだに懸回された伝動ベルト105cと、によって構成されている。さらに、戸体101に連結されたブラケット101gは伝動ベルト105cに連結されている。そして、戸体101は、電動モータ105aの正逆駆動に連動する伝動ベルト105cの左右移動に基づいて左右方向の開閉移動をするようになっている。また、無目103には通行者等の接近を検知するセンサ103bが設けられており、該センサ103bによる検知に応じて電動モータ105aが駆動し、戸体101が自動的に開口部Oを開閉するように構成・制御されているが、この機構も公知のものである。
【0013】
このように戸体101はその上部がハンガーレール103aにガイドされることで、見付け方向にスライド移動するようになっている。一方、戸体101の底面には、被ガイド部101hである振れ止め101iが突設されており、該振れ止め101iは、後述する床置き式ガイドレール1のレール体2のレール溝2eにスライド自在に挿入されている。これによって、戸体101は、その下部が床置き式ガイドレール1によって見付け方向へのスライド移動をガイドされると共に、見込み方向への振れを抑止されるようになっている。振れ止め101iは、戸体101の見付け方向全長に渡って設けられたもの、一部のみに設けられたもの、また、点在する状態で複数設けられたものであってもよいが、本実施の形態では左右端に一対設けられている。また、戸体101の底面から突出する被ガイド部101hとして車輪を設け、該車輪が、後述するレール体2の底面部2aを転動するようにしてもよい。
【0014】
なお、床置き式ガイドレール1にガイドされる戸体101は自動ドア式のものに限られず、手動で開閉するものであってもよい。また、戸体101は引き戸に限られず、折畳み式の折れ戸や、蛇腹式のアコーディオンドアとしてもよい。さらに、戸体101は両引きに限られず、片引きとしてもよいし、3以上の戸体がスライド移動するものであってもよい。すなわち、戸体101下部の被ガイド部101hが、床置き式ガイドレール1によって見付け方向にガイドされて開口部Oが開閉するものであれば、本発明に係る床置き式ガイドレール1を用いることができる。
【0015】
次に、床置き式ガイドレール1について、本発明の第1実施形態を表した
図2〜8を用いて説明する。床置き式ガイドレール1は、戸体101を見付け方向にガイドするレール体2と、該レール体の見込み方向両側にそれぞれ連設され、上面にマット4が敷設されるマット受け部材3と、該マット受け部材3の上面に敷設されるマット4と、を備えている。マット受け部材3の見込み方向外側には、後述する傾斜部5bを備えたアタッチメント5が着脱自在に取付可能である。ここで、以下も含めて「見込み方向外側」とは、見込み方向においてレール体2から離間する側を意味するものであって、例えば、室内側のマット受け部材3において見込み方向外側といった場合であっても、室内側を意味することがあり、室外側に限定解釈されるものではない。
【0016】
マット受け部材3に敷設されるマット4を見込み方向に短い小型マット4Aとする場合には、
図2〜6のようにアタッチメント5をマット受け部材3に取り付けたものとする。一方、マット4を見込み方向に長い大型マット4Bとする場合には、
図7〜8のように、アタッチメント5を取り外したものとする。このように、アタッチメント5を着脱自在とすることにより、開口部O付近のスペースの広さに応じて、敷設されるマット4の大きさを所望のものとすることができる。すなわち、例えば直ぐ近くに道路が面していてマット4を大型にできない場合には、アタッチメント5を取り付けて、小型マット4Aを敷設することができる一方、十分な敷設スペースを確保できる場合には、アタッチメント5を取り付けず、大型マット4Bを敷設することができる。しかも、設置後であっても床置き式ガイドレール1全体を交換することなく、開口部O付近のスペースの広さや設置目的等に応じて適宜マット4の大きさを変更することができるため、汎用性が高い。
【0017】
レール体2は、ステンレス等の金属製の板材を折曲げ加工したものであって、見付け方向に長尺な側面断面略同形状をしていて、戸体101下方の床F上に設置されている。さらに、レール体2は、床Fと当接する底面部2aと、該底面部2aの見込み方向両端部からそれぞれ垂直上方に延出する一対の第1側面部2bと、該第1側面部2bの上端からそれぞれ見付け方向外側に向けて床と水平に延出した一対の上面部2cと、該上面部2cの見付け方向外側の端部から下方に向けて垂直に延出した一対の第2側面部2dと、を備えている。そして、底面部2aと、その両端の一対の第1側面部2bと、によって凹字状のレール溝2eが形成されており、該レール溝2eには戸体101の振れ止め101iが挿入されている。このようにすることで、戸体101の見込み方向への振れが生じようとしても、振れ止め101iが第1側面部2bに当接することとなるため、振れが防止されることとなる一方、見付け方向にはレール溝2eが延在しているため、振れ止め101iは見付け方向にスライド移動可能であり、これによって、戸体101の被ガイド部101hがレール体2によって見付け方向にガイドされるようになっている。
【0018】
レール体2の底面部2aには螺子孔2fが穿設されており、該螺子孔2fに上側から螺子Xが螺入されて、床Fにレール体2が固定されている。また、第2側面部2dの垂直方向の長さは第1側面部2bの略半分の長さで、その下端部は床Fと当接せず、下方が開口してスペースS1が形成されている。そして、後述するマット受け部材3のレール受け部6の支持片6dが該スペースS1に挿入されて第2側面部2dの下端部と当接し、これによってレール体2の第2側面部2d側が安定して支持されることとなる。なお、第2側面部2dを第1側面部2bより短いものとせず、第二側面部を床Fに当接させるようにしてもよく、レール体2の形状や材質等は適宜変更可能なものである。
【0019】
次に、マット受け部材3について説明する。ここで、本実施の形態では、マット受け部材3はレール体2の第2側面部2dと当接して室外側、室内側にそれぞれ1つずつ設けられているが、その基本的な構造は対称であるため、以下では室外側のマット受け部材3について説明することとし、室外側マット受け部材3Aと室内側マット受け部材3Bとで異なる点については適宜説明することとする。ただし、このことは、本発明に係る床置き式ガイドレール1において、室外側マット受け部材3Aと室内側マット受け部材3Bとが、対称な構造である必要があるとするものではない。また、必要に応じて、マット受け部材3を室外側又は室内側のいずれか一方のみに設けることとしてもよい。
【0020】
マット受け部材3は、レール体2の見込み方向側に連接してこれを支持するレール受け部6と、見込み方向外側ほど高さが低くなるよう傾斜した傾斜面を有しており、マット4が上面に敷設される傾斜部7と、該傾斜部7に敷設されたマット4を保持してマット4の位置ずれを防ぐ第1ずれ防止部8と、アタッチメント5を取り付けるためのアタッチメント受け部9と、を備えている。また、マット受け部材3は、側面断面略同形状で見付け方向に長尺であるが、
図5に示されるように、室外側マット受け部材3Aについては一対のFIX窓102のあいだに延在しているが、室内側マット受け部材3Bはレール体2の見付け方向両側端部付近まで延在している。
【0021】
レール受け部6は、レール体2の上面部2cと略同じ高さで隣接する水平な上面部6aと、該上面部6aの見付け方向中央側端部から垂下して床Fと当接する第1側面部6bと、見付け方向外方側端部から垂下して床Fと当接する第2側面部6cと、第1側面部6bの高さ方向中間部からレール溝2e側に水平に突出して、その突出先端が下方にさらに垂下して床Fと当接する支持片6dと、を備えて構成されている。そして、第1側面部6bのレール体2側の側面の上部が、レール体2の第2側面部2dの見込み方向外側の側面と当接していて、レール体2の上面部2cとレール受け部6の上面部6aとが連続するようになっている。また、前述したように、支持片6dは、レール体2の第2側面部2d下方のスペースS1に挿入されて、第2側面部2dの下端と当接している。このようにすることで、レール体2の第2側面部2d側がレール受け部6によって支持・補強されている。
【0022】
傾斜部7は、レール受け部6の第2側面部6cの高さ方向中央部から見込み方向外側に設けられており、レール体2側から順に、床Fと水平な水平面7aと、断面略凹字状の溝である第1凹溝7bと、見込み方向外側ほど高さが低くなる第1傾斜面7cと、断面略凹字状の溝である第2凹溝7dと、見込み方向外側ほど高さが低くなる第2傾斜面7eと、が連続して設けられている。水平面7aの高さと第1傾斜面7cの水平面7a側の高さとは略同じで、また、第1傾斜面7cの見込み方向外側の高さは第2傾斜面7eの第1傾斜面7c側の高さより高くなっており、第1傾斜面7cと第2傾斜面7eとは、傾斜した略同一面上に設けられている。そして、マット4は、水平面7a、第1傾斜面7c、第2傾斜面7e(ただし、アタッチメント5を取り付ける場合はその当接傾斜面5f)の上面に敷設され、これらの面が、マット4が敷設される敷設面7fである。したがって、敷設面7fの水平面7aは、レール体2の上面部2cに連続する面であるレール受け部6の上面部6a及び第1ずれ防止部8の上面部8aの上面に対し段差状に低くなっている。これにより、マット4を敷設面7fに敷設した場合であっても、当該段差の分だけマット4の床Fからの高さが低くなるため、敷設面7fが傾斜面(第1傾斜面7c、第2傾斜面7e)を有することとも併せて、床置き式ガイドレール1を設置した場合でも、通行者の躓きや、車輪等の引っ掛かりを防止することができる。また、第1凹溝7b及び第2凹溝7dの底面7hは床Fと当接しており、該底面7hには螺子孔7iが設けられている。そして、該螺子孔7iに上方から螺入した螺子Xによって、マット受け部材3が床Fに固定されている。
【0023】
第1ずれ防止部8は、水平な上面部8aがレール受け部6の上面部6aから見込み方向外側に延出しており、その先端部8bが下方に垂下して形成されている。そして、上面部8aと傾斜部7の水平面7aとのあいだにはスペースS2が形成されており、先端部8bと傾斜部7の水平面7aとは当接せず開口部8cを形成している。そして、マット4のレール体側縁部4dをこの開口部8cからスペースS2に入り込ませてマット4が敷設されている。第1ずれ防止部8によって、マット4が位置ずれしないようになっているが、そのずれ防止機構の詳細については、マット4についての説明の箇所で別途説明する。
【0024】
アタッチメント受け部9は、マット受け部材3の見込み方向外端部側で、アタッチメント5が取り付けられる部位である。そして、アタッチメント受け部9は、前述の傾斜部7の第2凹溝7dと、第2傾斜面7eと、第2傾斜面7eの見込み方向外端部から垂下した側端部9aと、から構成されている。アタッチメント5は、後述するように、アタッチメント受け部9に沿った形状の当接部5aを備えており、該当接部5aがアタッチメント受け部9に上方から当接して、螺子Xがアタッチメント5の螺子孔5eと第2凹溝7dの螺子孔7iとを連通して床Fに螺入されることによって、マット受け部材3にアタッチメント5が取り付けられる。また、第2傾斜面7eの第2凹溝7d側の端部には、第2凹溝7d側に向けて突出した突出部9bが設けられている。
【0025】
アタッチメント5は第2ずれ防止部であって、小型マット4Aを敷設する場合にマット受け部材3のアタッチメント受け部9に着脱自在に取り付けられるものである。アタッチメント5は、アタッチメント受け部9と当接する当接部5aと、レール体2側の高さが敷設面7fよりも高く、見込み方向外側ほど高さが低く、外端部は床Fと略同じ高さになるよう上に凸な円弧状に傾斜した傾斜部5bと、当接部5aと傾斜部5bとを連結する連結部5cと、が一体となって構成されている。当接部5aは、前述のようにアタッチメント受け部9の外側面に沿った形状をしている。より具体的には、当接部5aは、第2凹溝7dの底面に当接する当接底面5dと、第2傾斜面7eの上面と当接する当接傾斜面5fと、当接底面5dと当接傾斜面5fとを連結して突出部9bと当接する当接垂直面5gと、側端部9a及び床Fと当接する見込み方向外側の当接端部5kと、から構成されている。そして、当接底面5dには、第2凹溝7dの螺子孔7iに対応する位置に、螺子孔5eが穿設されており、アタッチメント5を取り付けるときには、螺子Xを、アタッチメント5の螺子孔5eと、マット受け部材3の第2凹溝7dの螺子孔7iとを連通して螺入することで、アタッチメント5と、マット受け部材3とを、床Fに固定させている。一方、傾斜部5bは、レール体2側端部が当接傾斜面5fの見込み方向中央部の上方に位置して、その高さは第1ずれ防止部の上面部8aの高さよりも低くなっている。また、傾斜部5bのレール体2側の先端部5hは下方に垂下しているが、当接傾斜面5fとは当接せず、開口部5iが形成されている。そして、当接部5aと傾斜部5bとのあいだには、スペースS3が形成されており、アタッチメント5を取り付ける場合には、開口部5iからスペースS3に小型マット4Aの見込み方向外側縁部4eを入り込ませて小型マット4Aが敷設される。マット4はアタッチメント5によって位置ずれしないようになっているが、そのずれ防止機構の詳細については、マット4についての説明の箇所で別途説明する。
【0026】
マット4は、扁平で可撓性を有する、見付け方向に長尺な矩形状のエントランス用のマットであって、パイル状で靴底の汚れ等を落とすことができる基布4aと、該基布4aの裏面のバッキング部4bと、該バッキング部4bが基布4aの四周から延出した縁部4cと、からなる。マット4は、床置き式ガイドレール1を設置するスペースの広さ等に応じて、見込み方向の長さが短い小型マット4Aと、見込み方向の長さが長い大型マット4Bとを、選択的にマット受け部材3の上に敷設することができる。本実施の形態においては、室外側のマット4は、厚さ約14mmでポリ塩化ビニル樹脂を素材としているのに対して、室内側のマット4は、厚さ約10mmで基布4aがナイロン、バッキング部4bがニトリルゴムを素材としている。これらの素材とすることで、バッキング部4bと敷設面7fとのあいだの摩擦力が大きくなってマット4の位置ずれが防止される。なお、マット4は室内外のもので高さや素材を異ならしめなければならないとするものではないことは勿論であって、マット4の素材や厚さ等は、目的に応じて適宜変更可能なものである。また、マット4は、必ずしも上記構成を備えている必要はなく、例えば、バッキング部4bや、縁部4cを有さないものであってもよく、また、上述した素材のものに限られるものではない。
【0027】
マット4は、マット受け部材3の敷設面7fの上にバッキング部4bを下面として敷設されている。ここで、レール体2側の縁部4cであるレール体側縁部4dが第1ずれ防止部8のスペースS2に挿入されたときに、基布4aのレール体2側の側面部は、第1ずれ防止部8の先端部8bの見込み方向外側面と当接するように端部が調節されている。すなわち、レール体側縁部4dの長さは、第1ずれ防止部の上面部8aの長さ以下となっている。これによって、マット4が敷設されたときに、基布4aの側面部が第1ずれ防止部8の先端部8bと当接するためマット4がレール体2側への位置ずれが可及的に防止できることとなる。また、仮にマット4がレール体2側へ少し位置ずれしたとしても、今度はレール体側縁部4dの先端部がレール受け部6の第2側面部6cと当接することとなるため、大幅に位置ずれすることがない。さらに、レール体側縁部4dがスペースS2内に挿入されていることで、通行時にレール体側縁部4dに引っ掛かかる等してマット4が捲れてしまうことも防止されている。
【0028】
位置ずれ防止の他の機構として、
図4(A)に示すように、基布4aの端部も含めてスペースS2に入り込ませて、第1ずれ防止部8の先端部8bによって抜け止めさせるものとしてもよい。またさらに、
図4(B)に示すように、基布4aの上面端部に切り込み4fを設けて、該切り込み4fに第1ずれ防止部8の先端部8bを係止させるようにしてもよい。
【0029】
マット4を小型マット4Aとする場合には、小型マット4Aの見込み方向外側縁部4eを、アタッチメント5のスペースS3に入り込ませて小型マット4Aを敷設する。この場合、アタッチメント5による位置ずれ防止は第1ずれ防止部のものと概ね同様であって、見込み方向外側縁部4eがアタッチメント5のスペースS3に挿入されたときに、基布4aのアタッチメント5側の側面部は、傾斜部5bの先端部5hのレール体2側側面と当接するように端部が調節されている。これによって、小型マット4Aの見込み方向外側への位置ずれを可及的に防止することができる。このようにして、アタッチメント5を取り付ける場合には、小型マット4Aは見込み方向両側面で位置ずれの防止がされている。
【0030】
一方、マット4を大型マット4Bとする場合には、マット受け部材3にアタッチメント5を取り付けず、大型マット4Bの見込み方向外側縁部4eを、マット受け部材3のアタッチメント受け部9を越えて、直切床Fの上面に敷設する。この場合、大型マット4Bには第2ずれ防止部による位置ずれ防止がなされないが、大型マット4Bは見込み方向に長いため、その分、小型マット4Aよりも重量が大きい。したがって、小型マット4Aよりも摩擦抵抗が大きくなるため、通行者が大型マット4Bを踏みつけて通行する場合であっても、大型マット4Bは位置ずれしにくいものである。なお、補助的に、大型マット4Bのバッキング部4bの裏面にずれ止め用のゴムを設ける等してもよい。
【0031】
次に、床置き式ガイドレール1の見付け方向外端部について説明する。
図5、6に示すように、室外側マット受け部材3Aは、FIX窓102の縦框102aのあいだに延在しているが、その外端部は蓋部材10によって塞がれている。室内側マット受け部材3Aの、レール受け部6の上面部6aと、傾斜部7の第1傾斜面7cとには、それぞれの見込み方向中央部から下方にビスポケット3dが突設されている。また、アタッチメント5には、連結部5cと、傾斜部5bの見込み方向外側とのあいだに、ビスポケット5jが設けられている。そして、アタッチメント5を取り付ける場合には、小型マット用蓋部材10Aを、アタッチメント5を取り付けない場合には、大型マット用蓋部材10Bを、ビスYによってビス止めすることで外端部が塞がれている。そして、蓋部材10とFIX窓102の縦框102aとのあいだは、シーリング材14によってシーリングされている。
【0032】
小型マット用蓋部材10Aは、
図6に表されるように、取り付け時にマット受け部材3及びアタッチメント5の外周と略同形状の側面形状を備えているが、底辺が水平で、レール体2側の側辺は垂直で高さがマット受け部材3のレール受け部6の上面部6aと略等しく、上辺がマット受け部材3のレール受け部6の上面部6aから、アタッチメント5の傾斜部5b、そして底辺の端部へとなだらかに傾斜した形状となっている。そして、小型マット用蓋部材10Aは、マット受け部材3の2つのビスポケット3d及びアタッチメントのビスポケット5jに対応する位置に、ビス孔10aが計3つ設けられており、ビス孔10a及び各ビスポケット3d、5jに見付け方向外側からビスYが挿入されることで、マット受け部材3及びアタッチメント5の見付け方向外端部が小型マット用蓋部材10によって塞がれている。
【0033】
一方、大型マット用蓋部材10Bは、
図8に表されるように、マット受け部材3の外周と略同形状の側面形状を備えているが、底辺は水平で、上辺は、レール受け部6の上面部6aから第1ずれ防止部8の上面8aに連続した後、上面部8aの先端部8b側へ垂下し、傾斜部7の水平面7aに至り、ここから第1傾斜面7c、第2傾斜面7e、底辺の端部へと連続して傾斜した形状となっている。そして、大型マット用蓋部材10Bは、マット受け部材3の2つのビスポケット3dに対応する位置に、ビス孔10aが2つ設けられており、ビス孔10a及び各ビスポケット3dに見付け方向外側からビスYが挿入されることで、マット受け部材3の見付け方向外端部が大型マット用蓋部材10Bによって塞がれている。
【0034】
これに対して、室内側マット受け部材3Bの見付け方向外端部には、コーナーブロック11及びレールカバー12が連設されている。コーナーブロック11は、アタッチメント5の取り付けの有無に応じて、小型マット用コーナーブロック11Aと大型マット用コーナーブロック11Bとがそれぞれ設けられる。そして、コーナーブロック11には、見付け方向内側(マット受け部材3側)で、マット受け部材3の第1凹溝7b、第2凹溝7dにそれぞれ挿入されて、挿入時に見付け方向外端の螺子孔7iに対応する位置に螺子孔11aが設けられた、2つの取付片11bが設けられている。そして、コーナーブロック11の2つの螺子孔11aと、マット受け部材3の2つの螺子孔7iと、そして小型マット用コーナーブロック11Aの場合には、アタッチメント5の螺子孔5eと、に螺子Xが上方から螺入されることで、これら部材が一体となって床Fに固定されている。コーナーブロック11は、レール受け部材3のレール受け部6の端部は塞がず、第1ずれ防止部8からアタッチメント受け部9と、小型レール用コーナーブロック11Aの場合にはアタッチメント5の側面を塞ぎ、見付け方向及び見込み方向外側ほど低くなるようなだらかに傾斜している。小型マット用コーナーブロック11Aは、上面が第1ずれ防止部8の上面部8a及びアタッチメント5の傾斜部5bと連続するように形成されているが、大型マット用コーナーブロック11Bは、上面が傾斜部7の水平面7a、第1傾斜面7c、及び第2傾斜面7eと連続するように形成されている。コーナーブロック11の内側には、格子状の複数の脚部11cが立設されている。そして、小型マット4Aを敷設する場合には、その見付け方向外端部をコーナーブロック11の側面に当接させる一方、大型マット4Bを敷設する場合には、コーナーブロック11の上面にも大型マット4Bを敷設して、その見付け方向外端部側を床Fに敷設している。
【0035】
レールカバー12は、マット受け部材3のレール受け部6と略同形状であって、マット受け部材3の見付け方向外端から、レール体2の見付け方向外端までのレール体2を、レール受け部6と同様に支持するものである。レールカバー12の見付け方向外端部には、ビスポケット12aが設けられている。また、レールカバー12は、上面から螺子Xによって床Fに固定されている。
【0036】
そして、レール体2及びレールカバー12の見付け方向外端部は、レール蓋部材13によって塞がれている。レール蓋部材13は、レール体2及びレールカバー12の外周に沿った矩形状の板材で、レールカバー12のビスポケット12aに対応する位置に、ビス孔13aが設けられている。そして、外側からビス孔13aを通してビスポケット12aにビスYが挿入されることにより、レール体2及びレールカバー12の見付け方向外端部がレール蓋部材13に塞がれている。
【0037】
なお、本実施の形態では、レール体2、マット受け部材3、マット4、アタッチメント5を、それぞれ1つの連続した部材としているが、開口部の見付け方向の長さが長い場合等には、必要に応じて各部材を複数のものとして継ぎ足してもよい。各部材の形状や素材等は上述したものに限られず、必要に応じて適宜変更可能なものである。
【0038】
次に、本実施の形態に係る床置き式ガイドレール1及び戸体101の設置方法について説明する。本実施の形態において、戸体101は、
図11に示される開き戸201を、自動ドア式の引き戸に改装したものである。まず、框を含んだ開き戸201を取り外し、次いで床F上に突設されているフロアヒンジ202及び沓摺り203を撤去する。その後、無目103の室内側に上述の電動モータ105a等の自動ドア駆動機構105を取り付ける。そして、ハンガーレール103aに戸体101が吊り下げられたときに被ガイド部101hである振れ止め101iがレール溝2eに挿入される位置にレール体2を設置し、螺子Xを螺子孔2fに上方から螺入して、レール体2を床F上に固定する。
【0039】
一方で、室外側マット受け部材3Aの見付け方向側面部を、予め蓋部材10で塞いでおく。すなわち、蓋部材10の2つのビス孔10aと、マット受け部材3の2つのビスポケット3dに外方からビスYを挿入して、マット受け部材3と蓋部材10を固定しておく。この際、アタッチメント5を取り付ける場合には、アタッチメント5をアタッチメント受け部9に当接させて、蓋部材10のアタッチメント5用のビス孔10aとアタッチメント5のビスポケット5jにビスYを挿入してアタッチメント5と蓋部材10を固定しておく。
【0040】
その後、室外側マット受け部材3Aについて、レール受け部6の支持片6dを、レール体2の第2側面部2d下方のスペースS1から挿入して、第1側面部6bのレール体2側の側面の上部と、レール体2の第2側面部2dの見込み方向外側の側面とを当接させる。そして、第1凹溝の螺子孔7iの上方から螺子Xを螺入してマット受け部材3と床Fを固定し、レール体2とマット受け部材3とを連接させる。そして、室外側マット受け部材3Aにアタッチメント5を取り付ける場合には、アタッチメント5の螺子孔5eと、第2凹溝の螺子孔7iとを連通するよう上から螺子Xを螺入して、アタッチメント5と、マット受け部材3とを、床Fに固定する。アタッチメント5を取り付けない場合には、第1凹溝と同様に、第2凹溝の螺子孔7iの上方から螺子Xを螺入してマット受け部材3を床Fに固定する。その後、蓋部材10とFIX窓102の縦框102aとのあいだを、シーリング材14によってシーリングする。
【0041】
一方、室内側マット受け部材3Bについては、先にレール受け部6の支持片6dを、レール体2の第2側面部2d下方のスペースS1から挿入して、第1側面部6bのレール体2側の側面の上部と、レール体2の第2側面部2dの見込み方向外側の側面とを当接させる。そして、第1凹溝7bの螺子孔7iの上方から螺子Xを螺入してマット受け部材3と床Fを固定し、レール体2とマット受け部材3とを連接させるが、このとき、見付け方向両側端の螺子孔7iには螺子Xを螺入しないでおく。そして、アタッチメント5を取り付ける場合には、アタッチメント5をアタッチメント受け部9に当接させ、アタッチメント5の螺子孔5eと、第2凹溝7dの螺子孔7iとを連通するように上から螺子Xを螺入して、アタッチメント5と、マット受け部材3とを、床Fに固定する。アタッチメント5を取り付けない場合には、第1凹溝7bと同様に、第2凹溝7dの螺子孔7iの上方から螺子Xを螺入してマット受け部材3を床Fに固定する。ただし、第2凹溝7dでの固定時も、第1凹溝7bと同様に、見付け方向両側端の螺子孔7iには螺子を螺入しない。そして、マット受け部材3(及びアタッチメント5)の見付け方向外端部において、コーナーブロック11の2つの取付片11bを第1凹溝7b、第2凹溝7dにそれぞれ挿入して、螺子孔11aと、上記のマット受け部材3(及びアタッチメント5)の見付け方向両側端の螺子孔7i(及び5e)とに螺子Xを螺入して、コーナーブロック11と、マット受け部材3と、(アタッチメント5と、)を床Fに一体に固定する。また、レール体2とコーナーブロック11とのあいだには、レールカバー12を床Fに螺子止めして設置する。そして、レール体2とレールカバー12の見付け方向両側面にレール蓋部材13を宛がって、レール蓋部材13のビス孔13aとレールカバー12のビスポケット12aを連通するようにビスYを挿入して、レール体2とレールカバー12の見付け方向側面をレール蓋部材13で塞ぐ。
【0042】
その後、アタッチメント5を取り付けた場合には小型マット4Aを、アタッチメント5を取り付けなかった場合には大型マット4Bを、マット受け部材3の敷設面7fに敷設する。このとき、敷設するマット4のレール体側縁部4dを、第1ずれ防止部8のスペースS2に挿入して、基布4aの側面を第1ずれ防止部8の先端部8bに当接させる。他方、敷設するマット4の見込み方向外側縁部4eについては、小型マット4Aを敷設する場合には、アタッチメント5のスペースS3に入り込ませて、傾斜部5bの先端部5hに基布4aのアタッチメント側端の側面を当接させる。また、大型マット4Bを敷設する場合には、マット受け部材3の見込み方向外端部であるアタッチメント受け部9の側端部9aを越えて大型マット4Bを敷設し、その越えた部分は床Fの上に直切敷設する。
【0043】
そして、マット4を敷設した後、戸体101をハンガーレールに吊り下げると共に、被ガイド部101hである振れ止め101iをレール溝に没入させて戸体101が取り付けられる。これによって、本実施の形態に係る床置き式ガイドレール1と、戸体101とを設置して使用することが可能となる。
【0044】
なお、上記は床置き式ガイドレール1の設置方法の一例であって、各部材の取り付け順序は、取り付け可能である限りにおいて、適宜変更することが可能なものである。また、本実施の形態は既存の開き戸を引き戸に改装したものであるが、これに限られるものではなく、新設の引き戸についても同様に設けて用いることができる。
【0045】
次に、
図9〜10に基づき、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施形態は、レール受け部51及び第1ずれ防止部52の構造が異なる他は、第1の実施形態と同様であるため、レール受け部51及び第1ずれ防止部52以外の点については説明を省略する。また、第1の実施形態同様、マット受け部材3はレール体2に対して見込み方向両側に設けられており、その基本的な構造は対称であるから、室外側のマット受け部材3の構成を説明することとする。
【0046】
第2の実施形態におけるレール受け部51は、レール体2の第2側面部2dの下端及びレール溝2e側の側面下部に当接する逆L字形の当接部51aと、該当接部51aから垂下して床面Fに下端が当接する垂下部51bとから構成されており、これによってレール体2の第2側面部2d側が支持されている。そして、当接部51aの見込み方向外側には、第1ずれ防止部52の支持面52aが延設されている。
【0047】
第1ずれ防止部52は、レール受け部51の当接部51aから見込み方向外側に向けて床Fと水平に延設された支持面52aと、該支持面52aの上部に設けられた回動支持部53と、該回動支持部53に回動可能に嵌合する押圧部材54と、回動支持部53と押圧部材54とを架橋して付勢する板ばね55と、を備えている。そして、押圧部材54は、板ばね55によって回動方向に付勢されるが、思案点(死点)を境として、マット4を支持面52aへと押圧する姿勢と、マット4を解放する姿勢とに変姿するよう付勢される。また、支持面52aの見込み方向外端部には、第一凹溝7bが連設されている。したがって、第2の実施の形態における敷設面7fは、回動支持部53より見込み方向外側の支持面52aと、第1傾斜面7cと、第2傾斜面7eと、からなる。
【0048】
より具体的には、回動支持部53には、見込み方向外側には側面視逆C字状に開口した開口部53aを有する板ばね支持部53bが設けられている一方、その反対側には側面視略円状の回動中心部53cが設けられている。一方、押圧部材54は、マット4の押圧時に床Fと水平で床Fからの高さがレール体2の上面部2cの高さと略同じ平面部54aと、該平面部54aの見込み方向レール体2側に設けられて見込み方向外側に向けて開口した逆C字状の嵌合部54bと、平面部54aの見込み方向外端部から下方に突出して、先端部が見込み方向外側に向けて折曲した押圧部54cと、からなる。嵌合部54bは回動支持部53の回動中心部53cに回動自在に外嵌している。押圧部54cの見込み方向レール体2側には、略レ字状に切欠かれて板ばね55の端部が係止する板ばね係止部54dが設けられている。そして、後述するように、板ばね55による付勢により、押圧部54cの先端部は、押圧時に、敷設されたマット4のレール体側縁部4dを支持面52aに押圧するよう構成されている。ここで、押圧部材54の平面部54aは、押圧姿勢ではレール体2の上面部2cと連続する面であり、敷設面7fの支持面52aは、上面部2cに対し段差状に低くなっている。
【0049】
板ばね55は、見込み方向の一端部55aが回動支持部53の板ばね支持部53bに支持される一方、他端部55bは押圧部材54の板ばね係止部54dに係止されており、上に凸な円弧状の状態で回動支持部53と押圧部材54とを架橋して付勢している。そして、回動支持部53側の端部55aは、押圧部材54が回動すると、板ばね支持部53bの逆C字状形状に沿って移動する。このとき、板ばね55の回動支持部53側の端部55aは、押圧部材54の板ばね係止部54dが下方に向けて回動すると板ばね支持部53bにおける開口部53aの逆C字状形状に沿って上方に移動し、反対方向に回動すると下方に移動する。このようにすることによって、板ばね55による押圧部材54への付勢方向が思案点(死点)を境に上方と下方とへ切り替わることとなるため、マット4の押圧姿勢では、押圧部材54を下方へ回動させることで、押圧部材54が板ばね55によって下方に付勢されることとなって、押圧部54cの先端部が敷設されたマット4のレール体側縁部4dを支持面52aに押さえつける(
図10(A)参照。)。一方、マット4の位置を調節したり、マット4を取り外したりする場合には、思案点を越えて押圧部材54を上方に回動させることで、押圧部材54が板ばね55によって上方に付勢されることとなって、マット4の押さえつけを解除した状態が維持されることとなる(
図10(B)参照。)。
【0050】
そして、上述してきたように、第2の実施の形態においては、マット4が敷設面7fに敷設されるに際して、レール体側縁部4dが押圧部54cの下部に位置するよう敷設されている。このようにすることで、板ばね55の付勢により、マット4が押圧部54cに押さえつけられるため、マット4の位置ずれをよりよく防止することができることとなる。なお、押さえつけられる部位として、マットの厚さや材質等に応じて、マット4の基布4aを押圧部54cで押さえつけるようにしてもよい。また、第1の実施の形態のように、平面部54aの見込み方向外側先端部を基布4aの側面と当接させるようにしてもよい。
【0051】
叙述の如く構成された本発明の第1の実施の形態において、戸体101が自動ドア駆動機構105の駆動によって開口部Oを開閉するときに、該戸体101の下端部の被ガイド部101hである振れ止め101iが、レール体2の見付け方向に長尺なレール溝2eに挿入されており、これによって戸体101が見付け方向にガイドされると共に、見込み方向への振れが防止されることとなっている。そして、レール体2の見込み方向両側にマット受け部材3が連設されており、マット受け部材3の傾斜部7には、見込み方向レール体2側から順に、水平面7a、第1傾斜面7c、第2傾斜面7eからなる敷設面7fが設けられており、敷設面7fにはマット4が着脱自在に敷設されている。このようにマット4が着脱自在に敷設されているため、靴の汚れ等を落とすため汚れやすいマットの洗浄や交換が容易であって、メンテナンス性に優れている。また、市販のマットを敷設できるため、汎用性が高い。そしてこのとき、敷設面7fのレール体2側端部である水平面7aは、レール体2の上面部2cに連続する面であるレール受け部6の上面部6a及び第1ずれ防止部8の上面部8aよりも高さが段差状に低くなっている。このため、マット4を敷設した場合であっても、敷設されたマット4は当該段差分だけ上方への突出量が少なくなり、床置き式ガイドレール1全体の高さが高くならず、通行の妨げとならない。
【0052】
しかも、マット受け部材3には、第1ずれ防止部8が設けられており、マット4のレール体側縁部4dが第1ずれ防止部8のスペースS2に入り込むと共に、マット4の基布4aのレール体側側面が第1ずれ防止部8の先端部8bと当接することで、マット4の位置ずれが防止されている。このため、多数の通行に伴うマットの位置ずれ調整をするメンテナンス作業の回数を低減することができる。
【0053】
また、大型マット4Bを敷設するときには大型マット4Bの見込み方向外側は、傾斜部7の見込み方向外端部を越えて床F上に敷設されることとなる。このようにすることで、スペースが広い場所に床置き式ガイドレール1を設けるときには、大型マット4Bが敷設可能であり、しかも傾斜部7は第1傾斜面7c及び第2傾斜面7eを有しているため、大型マット4Bを傾斜に沿って床F上に敷設されることとなり、通行時に躓いたりすることがないよう配慮されている。
【0054】
一方、小型マット4Aを敷設するときには、第2ずれ防止部として床置き式ガイドレール1の見込み方向外側端部にアタッチメント5が設けられており、小型マット4Aの見込み方向外側縁部4eがアタッチメント5のスペースS3に入り込むと共に、マット4の基布4aのアタッチメント側側面がアタッチメント5の先端部5hと当接することで、マット4の位置ずれが防止されている。このため、多数の通行に伴うマットの位置ずれ調整をするメンテナンス作業の回数を低減することができる。
【0055】
また、小型マット4Aを敷設した場合、アタッチメント5がアタッチメント受け部9に着脱自在に取り付けられているため、アタッチメント5を交換するだけで、傷や変形の問題が起こりやすい端部を交換することができ、メンテナンス作業が容易であると共に、交換のコストも低くなる。そして、アタッチメント5はレール体2側の高さが敷設面7fよりも高く、見込み方向外側ほど高さが低く、かつ、見込み方向外端部は床と略同じ高さになるよう傾斜した傾斜部5bを備えているため、床置き式ガイドレールの見込み方向外側端部として、通行者や荷物等が引っ掛からないよう配慮されている。
【0056】
また、本発明の第2の実施の形態においては、第1ずれ防止部として、回動によってマット4を敷設面7fに押圧し、又はマット4を解放する押圧部材54と、該押圧部材54の嵌合部54bが回動中心部53cに回動自在に支持されている回動支持部53と、押圧部材54と回動支持部53とのあいだに端部が介装されている板ばね55と、を備えている。そして、板ばね55は、板ばね55の回動支持部53側の端部55aは、押圧部材54の板ばね係止部54dが下方に向けて回動すると板ばね支持部53bの逆C字状形状に沿って上方に移動し、反対方向に回動すると下方に移動するため、思案点を境として、マット4を押圧する姿勢とマットを開放する姿勢とに変姿するよう押圧部材54を付勢するようになっている。このため、板ばね55の付勢によって、マット4が押圧部54cに押さえつけられるため、マット4の位置ずれをよりよく防止することができると一方、マット4を取り外したり位置の調整をしたりするときには、思案点を越えて押圧部材54を上方に回動させることで、マット4の解放状態が維持されるため、作業が容易になる。
【0057】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではないことは勿論である。例えば、より簡易な構成として、マット受け部材3に、例えばレール受け部6及び第1ずれ防止部8を設けないものとしてもよい。このとき、レールの上面部6cに対し敷設面7fが段差状に低くなるようにするが、敷設面7fの水平面7aを、レール体2の第2側面部2dと当接させてもよいし、スペース1内に挿入して、レール体2の上面部2c及び第2側面部2dを上述の第1実施形態における第1ずれ防止部8と同様の構造とすることによって、マット4のずれを防止するものとしてもよい。