【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、パチンコ遊技機の一実施形態について説明する。
本明細書における上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
【0013】
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10は、枠体11を備えている。枠体11は、遊技店などの島設備に固定される設置枠12と、該設置枠12に対して開閉が可能に軸支された搭載枠13と、を備えている。搭載枠13は、各種の遊技部品を搭載するための枠である。搭載枠13は、パチンコ遊技機10に搭載された遊技部品を保護するための保護ガラス14を備えている。なお、
図1において、保護ガラス14は、一部を残して図示が省略されているが、実際には搭載枠13の開口部13aの全体を覆っている。
【0014】
パチンコ遊技機10は、発射ハンドル15を備えている。例えば、発射ハンドル15は、搭載枠13の前面側に設けられている。パチンコ遊技機10では、発射ハンドル15の操作量(回動量)に応じた強度にて、遊技媒体としての遊技球が発射される。
【0015】
パチンコ遊技機10は、装飾ランプ16を備えている。例えば、装飾ランプ16は、搭載枠13の前面側に設けられている。装飾ランプ16は、演出の1つとして、内蔵された発光体を発光、点滅、及び消灯させる演出(以下、発光演出と示す)を実行する。パチンコ遊技機10は、スピーカ17を備えている。例えば、スピーカ17は、搭載枠13の前面側に設けられている。スピーカ17は、演出の1つとして、人や動物の声、効果音、及び楽曲などの音声を出力する演出(以下、音声演出と示す)を実行する。パチンコ遊技機10は、搭載枠13の前面側であって、遊技者が操作可能な位置に、操作手段としての演出ボタン18を備えている。
【0016】
図2(a)に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技盤20を備えている。遊技盤20は、搭載枠13に組み付けられている。遊技盤20の前面側には、正面視において略円形の遊技領域21が画成されている。本実施形態において、発射ハンドル15の操作によって発射された遊技球は、遊技領域21へと到達し、該遊技領域21を流下する。
【0017】
パチンコ遊技機10は、情報表示パネル22を備えている。例えば、情報表示パネル22は、遊技盤20において、遊技者から視認可能な位置に設けられている。情報表示パネル22では、パチンコ遊技機10の制御状態を示す各種の情報が報知される。
【0018】
情報表示パネル22は、第1特別図柄表示部22aを備えている。第1特別図柄表示部22aは、所定の図柄を変動表示させるとともに、最終的に第1特別図柄を確定停止表示させる第1特別図柄変動ゲームを表示する。以下の説明では、第1特別図柄変動ゲームを略して「第1特別ゲーム」と示す。情報表示パネル22は、第2特別図柄表示部22bを備えている。第2特別図柄表示部22bは、所定の図柄を変動表示させるとともに、最終的に第2特別図柄を確定停止表示させる第2特別図柄変動ゲームを表示する。以下の説明では、第2特別図柄変動ゲームを略して「第2特別ゲーム」と示す。また、第1特別ゲームと第2特別ゲームを纏めて単に「特別ゲーム」と示す場合がある。特別図柄は、後述する内部抽選(大当り抽選)の結果を報知するための図柄である。
【0019】
本明細書において「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味している。本明細書において「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味している。「確定停止表示」と「導出」は同じ意味である。特別図柄表示部22a,22bにおいて導出可能な特別図柄には、それぞれ大当り表示結果としての大当り図柄と、はずれ表示結果としてのはずれ図柄とが少なくともある。特別ゲームにおいて、大当り図柄が導出された場合、遊技者は、大当りを認識可能である。特別ゲームにおいて、はずれ図柄が導出された場合、遊技者は、はずれを認識可能である。
【0020】
本実施形態において、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームは、同時に実行されることがなく、且つ第2特別ゲームが第1特別ゲームに優先して実行される。本実施形態では、大当り抽選に当選すると、特別ゲームにおいて大当り図柄が導出された後、該大当りの特別ゲームの終了後に、大当り遊技が付与される。詳しくは後述するが、大当り遊技は、遊技者が多数の賞球やその他の特典を獲得し得るため、遊技者にとって極めて有利な状態である。
【0021】
情報表示パネル22は、第1特別保留表示部22cを備えている。第1特別保留表示部22cは、始動条件が成立したが未だ実行条件が成立していないことで、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数を認識可能に表示する。以下の説明では、保留中の第1特別ゲームの回数を第1特別保留数と示す。情報表示パネル22は、第2特別保留表示部22dを備えている。第2特別保留表示部22dは、始動条件が成立したが未だ実行条件が成立していないことで、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数を認識可能に表示する。以下の説明では、保留中の第2特別ゲームの回数を第2特別保留数と示す。例えば、第1特別保留数及び第2特別保留数の最大値はそれぞれ4である。
【0022】
情報表示パネル22は、普通図柄表示部22eを備えている。普通図柄表示部22eは、所定の図柄を変動表示させるとともに、最終的に普通図柄を導出させる普通図柄変動ゲームを表示する。以下の説明では、普通図柄変動ゲームを略して「普通ゲーム」と示す。普通図柄表示部22eに導出可能な普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄とが少なくともある。普通ゲームにおいて普通当り図柄が導出された場合、遊技者は、普通当りを認識可能である。普通ゲームにおいて、普通はずれ図柄が導出された場合、遊技者は、普通はずれを認識可能である。本実施形態では、内部抽選(普通図柄の当り抽選)に当選すると、普通ゲームにおいて普通当り図柄が導出された後、該普通当りの普通ゲームの終了後に、普通当り遊技が付与される。詳しくは後述するが、普通当り遊技は、遊技者が第2特別ゲームの始動条件を成立させ易くなることから、遊技者にとって有利な状態である。
【0023】
情報表示パネル22は、普通保留表示部22fを備えている。普通保留表示部22fは、始動条件が成立したが未だ実行条件が成立していないことで、その実行が保留されている普通ゲームの回数を認識可能に表示する。例えば、普通保留数の最大値は4である。例えば、情報表示パネル22は、遊技者に払い出す賞球の残り個数を表示する残数表示部を備えていてもよい。これらの複数の表示部は、同一の部材(本実施形態でいえば、情報表示パネル22)に設ける必要はなく、本実施形態とは異なる部分に別々に設けられていてもよい。
【0024】
パチンコ遊技機10は、遊技領域21の略中央に、各種の装飾が施されたセンター枠23を備えている。センター枠23は、開口部23aを備えている。
パチンコ遊技機10は、表示手段としての演出表示装置25を備えている。例えば、演出表示装置25は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置であってもよく、プロジェクタとスクリーンとを含んで構成された表示装置であってもよい。演出表示装置25は、画像が表示される表示領域25rを備えている。演出表示装置25は、センター枠23の開口部23aを介して、遊技者が表示領域25rを視認可能となるように、遊技盤20に組み付けられている。演出表示装置25は、演出の1つとして、所定のキャラクタや文字を模した画像(絵柄)を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行する。
【0025】
パチンコ遊技機10は、センター枠23の下方において、遊技領域21に開口している第1始動入賞口26を備えている。第1始動入賞口26は、常時、遊技球を入球させることができるように開口されている。パチンコ遊技機10は、第1始動入賞口26に入球した遊技球を検知する第1始動センサSE1を備えている(
図3に示す)。例えば、第1始動センサSE1は、第1始動入賞口26に入球した遊技球を遊技盤20の裏側へ導く図示しない通路に設けられている。本実施形態では、遊技球が第1始動センサSE1で検知されると、第1特別ゲームの始動条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件(本実施形態では賞球数=3)が成立する。
【0026】
パチンコ遊技機10は、センター枠23の下方において、遊技領域21に開口している第2始動入賞口27を備えている。パチンコ遊技機10は、第2始動入賞口27に入球した遊技球を検知する第2始動センサSE2を備えている(
図3に示す)。例えば、第2始動センサSE2は、第2始動入賞口27に入球した遊技球を遊技盤20の裏側へ導く図示しない通路に設けられている。本実施形態では、遊技球が第2始動センサSE2で検知されると、第2特別ゲームの始動条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件(本実施形態では賞球数=1)が成立する。
【0027】
パチンコ遊技機10は、遊技領域21において、第2始動入賞口27を開閉する第1可変部材28を備えている。第1可変部材28は、遊技球を第2始動入賞口27へ入球させ易い開状態と、遊技球を第2始動入賞口27へ入球させ難い閉状態と、に動作が可能である。なお、第2始動入賞口27に関して、開状態は、入球させることができる状態であってもよく、閉状態は、入球させることができない状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、第1可変部材28を開状態と閉状態とに動作させる第1アクチュエータA1を備えている(
図3に示す)。第1可変部材28は、普通当り遊技において、開状態に動作される。
【0028】
パチンコ遊技機10は、センター枠23の右方において、遊技領域21に開口している第1大入賞口29を備えている。パチンコ遊技機10は、第1大入賞口29に入球した遊技球を検知する第1特別入賞センサSE3を備えている(
図3に示す)。例えば、第1特別入賞センサSE3は、第1大入賞口29に入球した遊技球を遊技盤20の裏側へ導く図示しない通路に設けられている。本実施形態では、遊技球が第1特別入賞センサSE3で検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件(本実施形態では賞球数=15)が成立する。
【0029】
パチンコ遊技機10は、遊技領域21において、第1大入賞口29を開閉する第2可変部材30を備えている。第2可変部材30は、所謂大入賞口扉(羽根)である。第2可変部材30は、遊技球を第1大入賞口29へ入球させ易い開状態と、遊技球を第1大入賞口29へ入球させ難い閉状態と、に動作可能である。なお、第1大入賞口29に関して、開状態は、入球させることができる状態であってもよく、閉状態は、入球させることができない状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、第2可変部材30を開状態と閉状態とに動作させる第2アクチュエータA2を備えている(
図3に示す)。第2可変部材30は、大当り遊技において、開状態に動作される。
【0030】
パチンコ遊技機10は、センター枠23の右下方において、遊技領域21に開口している第2大入賞口31を備えている。パチンコ遊技機10は、遊技領域21において、第2大入賞口31を開閉する第3可変部材32を備えている。第3可変部材32は、所謂大入賞口扉である。第3可変部材32は、遊技球を第2大入賞口31へ入球させ易い開状態と、遊技球を第2大入賞口31へ入球させ難い閉状態と、に動作可能である。なお、第2大入賞口31に関して、開状態は、入球させることができる状態であってもよく、閉状態は、入球させることができない状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、第3可変部材32を開状態と閉状態とに動作させる第3アクチュエータA3を備えている(
図3に示す)。第3可変部材32は、大当り遊技において、開状態に動作される。
【0031】
図2(b)に示すように、パチンコ遊技機10は、第2大入賞口31に入球した遊技球を受け入れる受入通路31aと、受入通路31aに繋がる分岐部31bと、分岐部31bから分岐する特定通路31cと、分岐部31bから分岐する通常通路31dと、を備えている。即ち、受入通路31aは、分岐部31bにおいて、特定通路31cと通常通路31dとに分岐している。
【0032】
パチンコ遊技機10は、受入通路31aに、第2特別入賞センサSE4を備えている。第2特別入賞センサSE4は、第2大入賞口31に入球した遊技球の全てを検知できる位置に設けられている。本実施形態では、遊技球が第2特別入賞センサSE4で検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件(本実施形態では賞球数=15)が成立する。
【0033】
パチンコ遊技機10は、特定通路31cに、V入賞センサ(特定入賞センサ)SE5を備えている。V入賞センサSE5は、第2大入賞口31に入球した遊技球のうち、分岐部31bから特定通路31cに流入した遊技球の全てを検知できる位置に設けられている。本実施形態では、大当り遊技において、遊技球がV入賞センサSE5で検知されると、大当り遊技の終了後に予め定めた特典を付与するための条件(以下、特典付与条件と示す)が成立する。詳しくは後述するが、本実施形態における特典は、遊技者に有利な有利遊技状態としての高確率状態(確率変動状態)である。V入賞センサSE5が設けられた部分は、所謂Vゾーン(特定領域)である。以下の説明では、大当り遊技において、遊技球がV入賞センサSE5で検知され、特典付与条件が成立することを「V入賞」と示す場合がある。
【0034】
パチンコ遊技機10は、通常通路31dに、排出センサ(非特定入賞センサ)SE6を備えている。排出センサSE6は、第2大入賞口31に入球した遊技球のうち、分岐部31bから通常通路31dに流入した遊技球の全てを検知できる位置に設けられている。
【0035】
パチンコ遊技機10は、分岐部31bにおいて、遊技球を特定通路31cと通常通路31dとに振り分ける振分部材31eを備えている。振分部材31eは、分岐部31bに流入した遊技球を特定通路31cに振り分ける第1状態と、分岐部31bに流入した遊技球を通常通路31dに振り分ける第2状態と、に動作が可能である。パチンコ遊技機10は、振分部材31eを第1状態と第2状態とに動作させる第4アクチュエータA4を備えている(
図3に示す)。
【0036】
図2(a)に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技領域21のうち、センター枠23の右方に、遊技球が通過(入球)可能なゲート33を備えている。ゲート33は、ゲート33を通過する遊技球を検知するゲートセンサSE7を備えている(
図3に示す)。本実施形態では、遊技球がゲートセンサSE7で検知されると、普通ゲームの始動条件が成立し得る。
【0037】
パチンコ遊技機10は、センター枠23の右方において、遊技領域21に開口している普通入賞口34を備えている。パチンコ遊技機10は、普通入賞口34に入球した遊技球を検知する普通入賞センサSE8を備えている(
図3に示す)。例えば、普通入賞センサSE8は、普通入賞口34に入球した遊技球を遊技盤20の裏側へ導く図示しない通路に設けられている。本実施形態では、遊技球が普通入賞センサSE8で検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件(本実施形態では賞球数=6)が成立する。
【0038】
パチンコ遊技機10は、アウト口35を備えている。例えば、アウト口35は、遊技領域21の下端部において、遊技領域21に開口している。本実施形態では、遊技領域21に発射された遊技球のうち、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球は、アウト口35から機外へと排出される。なお、パチンコ遊技機10は、複数のアウト口を備えていてもよい。
【0039】
パチンコ遊技機10は、入賞口26,27,29,31,34、及びアウト口35の何れかに入球した遊技球を検知するアウト球センサSE9を備えている(
図3に示す)。例えば、アウト球センサSE9は、入賞口26,27,29,31,34、及びアウト口35に入球した遊技球を遊技盤20の裏側へ導く図示しない通路に設けられている。本実施形態では、遊技球がアウト球センサSE9で検知されても、賞球の払出条件、特別ゲームの始動条件、及び普通ゲームの始動条件が成立しない。
【0040】
以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、入賞口として、始動入賞口26,27、大入賞口29,31、及び普通入賞口34を備えている。なお、パチンコ遊技機10は、入賞口26,27,29,31,34とは異なる入賞口を備えていてもよい。「入賞」は、遊技球が入賞口に入球することである。また、パチンコ遊技機10は、釘や風車など、遊技領域21を流下する遊技球の挙動に変化を与えるための部材を備えている。
【0041】
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なる遊技状態として、低確率状態と高確率状態とを備えている。大当り確率は、内部抽選(大当り抽選)において大当りに当選する確率である。高確率状態は、低確率状態に比して、大当り確率が高い遊技状態である。高確率状態では、大当り抽選に当選する可能性が低確率状態に比して高まることから、遊技者にとって有利な遊技状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
【0042】
パチンコ遊技機10は、遊技球の発射個数に対する賞球個数の割合が異なる遊技状態として、低ベース状態と高ベース状態とを備えている。高ベース状態は、低ベース状態に比して、遊技球が第2始動入賞口27に入球する確率が高い遊技状態である。高ベース状態は、所謂「電サポ状態」であり、低ベース状態は、所謂「非電サポ状態」である。高ベース状態では、遊技球が第2始動入賞口27に入球する確率が高まり、第2始動入賞口27への遊技球の入球が容易になることから、遊技者にとって有利な遊技状態(入球容易状態)となる。
【0043】
例えば、高ベース状態は、次に説明する3つの制御のうち任意に選択された1の制御を行うことにより、又は複数の制御を組み合わせて行うことにより実現できる。第1の制御は、普通ゲームの変動時間を、低ベース状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。第2の制御は、普通図柄の当り抽選に当選する確率(普通当り確率)を、低ベース状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。第3の制御は、1回の普通当り遊技における第1可変部材28の合計開放時間を、低ベース状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。なお、開放時間延長制御としては、1回の普通当り遊技における第1可変部材28の開放回数を、低ベース状態のときよりも多くする制御、及び普通当り遊技における第1可変部材28の1回の開放時間を、低ベース状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を行うとよい。
【0044】
例えば、低ベース状態における普通当り確率は、0でもよく、0を超えていてもよい。この場合には、普通図柄の変動時間短縮制御、及び開放時間延長制御の一方を採用してもよく、両方を採用してもよく、何れをも採用しなくてもよい。
【0045】
また、高ベース状態は、次に説明する第4の制御を組み合わせて実現してもよい。第4の制御は、特別ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、低ベース状態のときよりも短くなり易くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を行う場合、高ベース状態は、特別図柄についての、所謂「変動時間短縮状態」となる。
【0046】
以下の説明では、低確率状態且つ低ベース状態である遊技状態を「低確低ベース状態」と示し、高確率状態且つ低ベース状態である遊技状態を「高確低ベース状態」と示す。また、低確率状態且つ高ベース状態である遊技状態を「低確高ベース状態」と示し、高確率状態且つ高ベース状態である遊技状態を「高確高ベース状態」と示す。
【0047】
次に、パチンコ遊技機10における大当りについて説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備えている。本実施形態において、複数種類の大当り図柄は、大当り図柄Zaと大当り図柄Zbとに分類されている。複数種類の大当り図柄には、それぞれ大当り遊技の種類が定められている。複数種類の大当り図柄には、大当り遊技の終了後の遊技状態が定められていてもよい。即ち、本実施形態において、大当り図柄は、遊技者に付与する特典を定めた大当りの種類に相当する。
【0048】
大当り遊技では、最初に、予め定めたオープニング時間にわたって、大当り遊技の開始を報知するオープニング演出が行われる。大当り遊技では、オープニング演出の終了後に、大入賞口29,31の何れかを開放するラウンド遊技が行われる。ラウンド遊技は、予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技において、大入賞口29,31の何れかは、予め定めた上限個数の遊技球が入球する第1終了条件、又は予め定めた上限時間が経過する第2終了条件が成立する迄の間、開放される。ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めたエンディング時間にわたって、大当り遊技の終了を報知するエンディング演出が行われる。大当り遊技は、エンディング演出の終了に伴って終了される。
【0049】
次に、パチンコ遊技機10が実行可能な演出の一例について説明する。
本実施形態において、演出表示装置25が実行可能な表示演出には、演出図柄を複数列で変動表示させるとともに、最終的に演出図柄の組み合わせを導出させる演出図柄変動ゲームがある。以下の説明では、演出図柄変動ゲームを略して「演出ゲーム」と示す。演出図柄は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄(飾り図柄)であって、表示演出を多様化させるためのものである。本実施形態において、演出ゲームは、第1列、第2列、及び第3列の図柄列をそれぞれ所定の方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
【0050】
演出ゲームは、特別ゲームと連動して行われる。具体的に、演出ゲームは、特別ゲームの開始に伴って開始され、特別ゲームの終了に伴って終了される。そして、演出ゲームでは、特別ゲームにて導出された特別図柄に応じた演出図柄の組み合わせが導出される。特別ゲームにおいて、大当り図柄が導出される場合には、演出ゲームにおいて、演出図柄による大当り図柄が導出される。例えば、演出図柄による大当り図柄は、「333」や「777」などのように、全列の演出図柄が同一となる図柄組み合わせである。特別ゲームにおいて、はずれ図柄が導出される場合には、演出ゲームにおいて、演出図柄によるはずれ図柄が導出される。例えば、演出図柄によるはずれ図柄は、「787」や「556」などのように、少なくとも一部列の演出図柄が他列の演出図柄とは異なる図柄組み合わせである。なお、演出ゲームにおいては、演出図柄が確定停止表示される前に一旦停止表示されてもよい。本明細書において「一旦停止表示」とは、例えば「ゆれ変動状態」など、図柄が再び変動表示される可能性があることを示す状態を意味している。
【0051】
演出ゲームは、リーチを形成して行うリーチ演出を含む場合がある。リーチは、複数列のうち特定列(本実施形態では第1列と第3列)に同一の演出図柄が一旦停止表示されており、且つ特定列とは異なる列(本実施形態では第2列)の演出図柄が引き続き変動表示されている状態である。例えば、リーチ演出には、登場させるキャラクタや演出図柄の動作が異なる複数種類のリーチ演出があってもよい。
【0052】
本実施形態において、演出表示装置25が実行可能な表示演出には、大当り遊技中の特定のラウンド遊技において、特典付与条件が成立したことを遊技者に報知する報知演出としてのV入賞演出がある。例えば、V入賞演出は、演出表示装置25において、Vの文字を模した画像を表示する態様により実行される。また、本実施形態において、演出表示装置25が実行可能な表示演出には、今回の大当り遊技における賞球総数を報知する総数報知演出がある。例えば、総数報知演出は、演出表示装置25において、賞球総数(数字)を模した画像を表示する態様により実行される。
【0053】
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図3に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技盤20の裏側に、主制御基板40を備えている。主制御基板40は、各種の処理を行い、該処理の結果に応じてコマンド(制御情報)を出力する。以下の説明において、コマンドに関して「所定の事象を特定可能である」と示す場合、「所定の事象が指定されている」ことを意図している。本実施形態において、主制御基板40は、コマンドを出力する第1制御手段に相当する。
【0054】
また、パチンコ遊技機10は、遊技盤20の裏側に、副制御基板41を備えている。副制御基板41は、主制御基板40から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。例えば、副制御基板41は、装飾ランプ16による発光演出、スピーカ17による音声演出、及び演出表示装置25による表示演出を実行させるための処理を行う。本実施形態において、副制御基板41は、第1制御手段としての主制御基板40が出力するコマンドに基づいて予め定めた制御を行う第2制御手段に相当する。
【0055】
まず、主制御基板40について説明する。
主制御基板40は、主制御用CPU40aと、主制御用ROM40bと、主制御用RAM40cと、を備えている。主制御用CPU40aは、主制御用のプログラムを実行することにより、各種の処理を行う。主制御用CPU40aは、割り込み要求が発生すると、該割り込み要求の発生を契機として所定の処理(以下、割り込み処理と示す)を呼び出し、実行する。例えば、割り込み要求は、図示しない割り込みコントローラによって、所定時間としての4ミリ秒ごとに周期的に発生される。このように、本実施形態の主制御用CPU40aは、周期的に割り込み処理を実行するようになっている。
【0056】
主制御用ROM40bは、主制御用のプログラムや、所定の抽選に用いられるテーブルや判定値などを記憶している。また、主制御用ROM40bは、複数種類の変動パターンを記憶している。複数種類の変動パターンは、特別ゲームが開始されてから、特別ゲームが終了される迄の変動時間を特定可能な情報である。また、変動パターンは、特別ゲームが開始されてから、特別ゲームが終了される迄の間に行われる演出ゲームの演出内容について、その一部又は全部を特定可能な情報であってもよい。
【0057】
変動パターンには、大当り変動パターンとはずれ変動パターンとがある。例えば、大当り変動パターンには、演出ゲームの演出内容として、リーチ演出を経て最終的に大当りの図柄組み合わせを導出させる演出内容が定められている。例えば、はずれ変動パターンには、演出ゲームの演出内容として、リーチ演出を経ないで、又はリーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを導出させる演出内容が定められている。
【0058】
主制御用RAM40cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶可能に構成されている。主制御用RAM40cが記憶する情報は、例えばフラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、本実施形態の主制御基板40は、乱数を生成可能に構成されている。例えば、乱数は、乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数生成回路を主制御基板40に搭載することにより、ハードウェア乱数として生成してもよく、主制御用CPU40aが所定の制御周期毎に乱数の値を更新することにより、ソフトウェア乱数として生成してもよい。
【0059】
主制御用CPU40aは、図示しないポートを介して、センサSE1〜SE9と接続されている。主制御用CPU40aは、図示しないポートを介して、センサSE1〜SE9が遊技球を検知した際に出力する検知信号を入力可能に構成されている。本実施形態において、センサSE1〜SE9は、遊技球を検知する1又は複数の検知手段に相当する。また、センサSE1〜SE9は、特定の検知手段に相当し、センサSE1〜SE9のうち特別入賞センサSE3,SE4は、所定の検知手段に相当する。
【0060】
主制御用CPU40aは、図示しない駆動回路を介して、アクチュエータA1〜A4と接続されている。主制御用CPU40aは、図示しない駆動回路を介して、アクチュエータA1〜A4の動作を制御可能に構成されている。主制御用CPU40aは、図示しない駆動回路を介して、情報表示パネル22と接続されている。主制御用CPU40aは、図示しない駆動回路を介して、情報表示パネル22の表示内容を制御可能に構成されている。
【0061】
次に、副制御基板41について説明する。
副制御基板41は、主制御基板40と接続されている。本実施形態のパチンコ遊技機10は、主制御基板40から副制御基板41への信号出力が許容されている一方で、副制御基板41から主制御基板40への信号出力が許容されていない。即ち、パチンコ遊技機10では、主制御基板40から副制御基板41への一方向に信号を出力可能に構成されている。
【0062】
副制御基板41は、副制御用CPU41aと、副制御用ROM41bと、副制御用RAM41cと、を備えている。例えば、副制御用CPU41aは、副制御用のプログラムを実行することにより、演出に関する処理を行う。副制御用ROM41bは、副制御用のプログラムや、抽選に用いられるテーブルや判定値などを記憶している。副制御用ROM41bは、演出表示装置25における表示演出の態様(内容)を特定可能な表示演出パターンや、表示演出の実行に用いる表示演出データを記憶している。副制御用ROM41bは、装飾ランプ16における発光演出の態様(内容)を特定可能な発光演出パターンや、発光演出の実行に用いる発光演出データを記憶している。副制御用ROM41bは、スピーカ17における音声演出の態様(内容)を特定可能な音声演出パターンや、音声演出の実行に用いる音声演出データを記憶している。
【0063】
また、副制御用RAM41cは、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる様々な情報を記憶可能に構成されている。副制御用RAM41cが記憶する情報は、例えばフラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、本実施形態の副制御基板41は、乱数を生成可能に構成されている。例えば、乱数は、乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数生成回路を副制御基板41に搭載することにより、ハードウェア乱数として生成してもよく、副制御用CPU41aが所定の制御周期毎に乱数の値を更新することにより、ソフトウェア乱数として生成してもよい。
【0064】
副制御基板41は、図示しないポートを介して、演出ボタン18と接続されている。副制御用CPU41aは、図示しないポートを介して、演出ボタン18が操作された際に出力する操作信号を入力可能に構成されている。副制御基板41は、図示しない駆動回路を介して、演出表示装置25と接続されている。副制御用CPU41aは、図示しない駆動回路を介して、演出表示装置25の表示態様を制御可能に構成されている。副制御基板41は、図示しない駆動回路を介して、装飾ランプ16と接続されている。副制御用CPU41aは、図示しない駆動回路を介して、装飾ランプ16の点灯態様を制御可能に構成されている。副制御基板41は、図示しない駆動回路を介して、スピーカ17と接続されている。副制御用CPU41aは、図示しない駆動回路を介して、スピーカ17の出力態様を制御可能に構成されている。
【0065】
次に、パチンコ遊技機10において実行される各種の処理について説明する。
最初に、主制御用CPU40aが実行する特別図柄入力処理について説明する。特別図柄入力処理は、割り込み処理として実行される。
【0066】
図4に示すように、主制御用CPU40aは、第1始動センサSE1から検知信号を入力したか否かに基づいて、第1始動入賞口26に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS101)。第1始動入賞口26に遊技球が入球していない場合(ステップS101:NO)、主制御用CPU40aは、ステップS105の処理へ移行する。その一方で、第1始動入賞口26に遊技球が入球している場合(ステップS101:YES)、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている第1特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(ステップS102)。第1特別保留数が上限数未満ではない場合(ステップS102:NO)、主制御用CPU40aは、ステップS105の処理へ移行する。
【0067】
その一方で、第1特別保留数が上限数未満である場合(ステップS102:YES)、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている第1特別保留数を1加算して更新する(ステップS103)。ステップS103の処理において、主制御用CPU40aは、更新後の第1特別保留数を表示するように、情報表示パネル22を制御する。また、主制御用CPU40aは、更新後の第1特別保留数を特定可能なコマンド(以下、第1保留数コマンドと示す)を出力バッファに設定する。出力バッファは、主制御用RAM40cに設けられている。したがって、本実施形態において、主制御用RAM40cは、コマンドが設定されるコマンド設定手段に相当する。
【0068】
なお、本実施形態において、出力バッファに設定されたコマンド(制御情報)は、次回以降の割り込み処理(出力処理)において副制御基板41へと出力される。したがって、本実施形態では、主制御用CPU40aによって出力処理が実行されることで、コマンド設定手段としての主制御用RAM40cに設定されたコマンドを出力するコマンド出力手段としての機能が実現される。
【0069】
次に、主制御用CPU40aは、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報を主制御用RAM40cに記憶させる(ステップS104)。例えば、乱数は、大当り抽選に用いる乱数、大当り図柄の決定に用いる乱数、変動パターンの決定に用いる乱数などである。ステップS104の処理において、主制御用CPU40aは、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態では、第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御用RAM40cに記憶させておくことで、該第1特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。なお、乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。ステップS104の処理が終了すると、主制御用CPU40aは、ステップS105の処理へ移行する。
【0070】
ステップS105の処理において、主制御用CPU40aは、第2始動センサSE2から検知信号を入力したか否かに基づいて、第2始動入賞口27に遊技球が入球したか否かを判定する。第2始動入賞口27に遊技球が入球していない場合(ステップS105:NO)、主制御用CPU40aは、特別図柄入力処理を終了する。その一方で、第2始動入賞口27に遊技球が入球している場合(ステップS105:YES)、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている第2特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(ステップS106)。第2特別保留数が上限数未満ではない場合(ステップS106:NO)、主制御用CPU40aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0071】
その一方で、第2特別保留数が上限数未満である場合(ステップS106:YES)、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている第2特別保留数を1加算して更新する(ステップS107)。ステップS107の処理において、主制御用CPU40aは、更新後の第2特別保留数を表示するように、情報表示パネル22を制御する。また、主制御用CPU40aは、更新後の第2特別保留数を特定可能なコマンド(以下、第2保留数コマンドと示す)を出力バッファに設定する。
【0072】
次に、主制御用CPU40aは、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報を主制御用RAM40cに記憶させる(ステップS108)。例えば、乱数は、大当り抽選に用いる乱数、大当り図柄の決定に用いる乱数、変動パターンの決定に用いる乱数などである。ステップS108の処理において、主制御用CPU40aは、第2特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態では、第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御用RAM40cに記憶させておくことで、該第2特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。ステップS108の処理が終了した場合、主制御用CPU40aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0073】
次に、主制御用CPU40aが実行する特別図柄開始処理について説明する。特別図柄開始処理は、割り込み処理として実行される。
図5に示すように、主制御用CPU40aは、特別ゲームの実行条件が成立しているか否かを判定する(ステップS201)。ステップS201の処理において、主制御用CPU40aは、大当り遊技中ではなく、且つ特別ゲーム中ではない場合に肯定判定する一方で、大当り遊技中、又は特別ゲーム中である場合に否定判定する。特別ゲームの実行条件が成立していない場合(ステップS201:NO)、主制御用CPU40aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0074】
その一方で、特別ゲームの実行条件が成立している場合(ステップS202:YES)、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている第2特別保留数が1以上であるか否かを判定する(ステップS202)。第2特別保留数が1以上ではない場合(ステップS202:NO)、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている第1特別保留数が1以上であるか否かを判定する(ステップS203)。第1特別保留数が1以上ではない場合(ステップS203:NO)、主制御用CPU40aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0075】
第1特別保留数が1以上である場合(ステップS203:YES)、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている第1特別保留数を1減算して更新する(ステップS204)。ステップS204の処理において、主制御用CPU40aは、更新後の第1特別保留数が表示されるように、情報表示パネル22を制御する。また、主制御用CPU40aは、更新後の第1特別保留数を特定可能な第1保留数コマンドを出力バッファに設定する。
【0076】
次に、主制御用CPU40aは、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御用RAM40cから読み出す(ステップS205)。なお、主制御用CPU40aは、最先の乱数情報を読み出すと、最先に記憶された乱数情報を主制御用RAM40cから消去する。
【0077】
次に、主制御用CPU40aは、ステップS205の処理において読み出した乱数情報と、主制御用ROM40bに記憶されている大当り判定値とをもとに、大当りに当選とするか否かを判定する(ステップS206)。ステップS206の処理は、大当りか否かの大当り抽選(大当り判定)に相当する。例えば、大当りに当選とするか否かの判定は、乱数情報の値と大当り判定値とが一致するか否かにより判定してもよい。例えば、大当りに当選とするか否かの判定は、乱数情報の値と大当り判定値とを加算した値が、所定値を超えているか否かにより判定してもよい。
【0078】
大当りに当選とする場合(ステップS206:YES)、主制御用CPU40aは、第1特別ゲームで導出させる大当り図柄と、第1特別ゲームの変動パターンとを決定する(ステップS207)。例えば、主制御用CPU40aは、ステップS205の処理において読み出した乱数情報を用いた抽選により、大当り図柄や変動パターンを決定するとよい。ステップS207の処理において、主制御用CPU40aは、決定した大当り図柄を特定可能なコマンド(以下、図柄コマンドと示す)を出力バッファに設定する。ステップS207の処理において、主制御用CPU40aは、決定した変動パターンを特定可能であって、該変動パターンに基づく演出ゲームの開始を指示するコマンド(以下、特別開始コマンドと示す)として、第1特別開始コマンドを出力バッファに設定する。本実施形態において、特別開始コマンドは、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの何れであるかについても特定可能である。その後、主制御用CPU40aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0079】
大当りに当選としないはずれの場合(ステップS206:NO)、主制御用CPU40aは、第1特別ゲームで導出させるはずれ図柄と、第1特別ゲームの変動パターンとを決定する(ステップS208)。例えば、主制御用CPU40aは、ステップS205の処理において読み出した乱数情報を用いた抽選により、はずれ図柄や変動パターンを決定するとよい。ステップS208の処理において、主制御用CPU40aは、決定したはずれ図柄を特定可能なコマンド(以下、図柄コマンドと示す)を出力バッファに設定する。ステップS208の処理において、主制御用CPU40aは、決定した変動パターンを特定可能であって、該変動パターンに基づく演出ゲームの開始を指示する第1特別開始コマンドを出力バッファに設定する。その後、主制御用CPU40aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0080】
第2特別保留数が1以上である場合(ステップS202:YES)、主制御用CPU40aは、ステップS204〜S208における第1特別ゲームに関する処理と同様にして、第2特別ゲームに関するステップS209〜S213の処理を行う。
【0081】
即ち、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている第2特別保留数を1減算して更新する(ステップS209)。ステップS209の処理において、主制御用CPU40aは、更新後の第2特別保留数が表示されるように、情報表示パネル22を制御する。また、主制御用CPU40aは、更新後の第2特別保留数を特定可能な第2保留数コマンドを出力バッファに設定する。
【0082】
また、主制御用CPU40aは、第2特別ゲームについて大当りに当選とするか否かの判定を行う(ステップS211)。主制御用CPU40aは、第2特別ゲームで導出させる特別図柄を決定するとともに、決定した特別図柄を特定可能な図柄コマンドを出力バッファに設定する(ステップS212,S213)。主制御用CPU40aは、第2特別ゲームの変動パターンを決定するとともに、決定した変動パターンを特定可能であって、該変動パターンに基づく演出ゲームの開始を指示する第2特別開始コマンドを出力バッファに設定する(ステップS212,S213)。その後、主制御用CPU40aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0083】
そして、特別図柄開始処理を終了すると、主制御用CPU40aは、特別図柄開始処理とは別の処理を行うことによって、特別ゲームを実行させる。具体的に、主制御用CPU40aは、特別ゲームが開始されるように、情報表示パネル22を制御する。主制御用CPU40aは、特別図柄開始処理において決定した変動パターンに定められた変動時間を計測する。そして、主制御用CPU40aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄が導出されるように、情報表示パネル22を制御する。また、主制御用CPU40aは、特別図柄開始処理において決定した変動パターンに定められた変動時間が経過すると、演出図柄の変動停止を指示し、図柄組み合わせを導出させるためのコマンド(以下、ゲーム終了コマンドと示す)を出力バッファに設定する。
【0084】
次に、主制御用CPU40aが実行する大当り処理について説明する。
大当り処理において、主制御用CPU40aは、特別図柄開始処理で決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。そして、主制御用CPU40aは、大当りの特別ゲームの終了後、特定した大当り遊技を付与する制御を開始するとともに、所定のコマンドを出力するための処理を行う。即ち、主制御用CPU40aは、大当り処理を実行することにより、大当り遊技を付与する。
【0085】
主制御用CPU40aは、大当りの特別ゲームが終了すると、最初にオープニング演出の実行を指示するコマンド(以下、オープニング指定コマンドと示す)を出力バッファに設定する。
【0086】
主制御用CPU40aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。具体的に、主制御用CPU40aは、何れの大当り遊技であっても、予め定めた特定のラウンド遊技(例えば、5回目のラウンド遊技)において、第2大入賞口31が開放されるように、第3アクチュエータA3を制御する。ここで、大当り図柄Zaを決定している場合、主制御用CPU40aは、特定のラウンド遊技において、第1時間T1(例えば、25秒)を上限時間として第2大入賞口31を開放させる。大当り図柄Zbを決定している場合、主制御用CPU40aは、特定のラウンド遊技において、第1時間T1よりも短い第2時間T2(例えば、0.1秒)を上限時間として第2大入賞口31を開放させる。第2時間T2は、実質的に遊技球が第2大入賞口31に入球不能な時間に設定するとよい。
【0087】
また、主制御用CPU40aは、大当り図柄Zaに基づく大当り遊技に関して、特定のラウンド遊技において、第2大入賞口31に入球した遊技球が特定通路31cに流入可能なタイミングで、振分部材31eが第1状態となるように、第4アクチュエータA4を制御する。例えば、主制御用CPU40aは、何れの大当り遊技であっても、特定のラウンド遊技の開始から第2時間T2にわたって第1状態となり、第3時間T3にわたって第2状態となり、その後に、特定のラウンド遊技の開始から第1時間T1が経過する迄の第4時間T4にわたって第1状態となるように、振分部材31eの動作を制御する。
【0088】
主制御用CPU40aは、特定のラウンド遊技において、V入賞センサSE5による遊技球の検知を有効なものとして取り扱うV有効時間Taの計測を行う。例えば、V有効時間Taは、第3時間T3が経過してから第4時間T4が経過する迄の時間に設定してもよく、第4時間T4が開始される前から開始されてもよく、第4時間T4が経過してから終了されてもよい。
【0089】
そして、主制御用CPU40aは、V有効時間Taの時間内にV入賞センサSE5から検知信号を入力すると、特典付与条件が成立したことを特定可能な情報として、V入賞発生フラグを主制御用RAM40cに記憶させる。即ち、本実施形態では、特定通路31cに流入した遊技球が、V有効時間Taの時間内にV入賞センサSE5によって検知されると、V入賞が発生する。また、主制御用CPU40aは、特典付与条件が成立すると、V入賞演出の実行を指示するコマンド(以下、V入賞指定コマンドと示す)を所定の出力バッファに設定する。
【0090】
なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、V有効時間Taの時間内にV入賞センサSE5から検知信号を入力しなかった場合、特典付与条件が成立しないことから、V入賞発生フラグを主制御用RAM40cに記憶させない。即ち、本実施形態では、V有効時間Taの時間内に、遊技球がV入賞センサSE5によって検知されなかった場合には、V入賞発生フラグが記憶されることがなく、V入賞指定コマンドが出力されることもない。
【0091】
また、主制御用CPU40aは、何れの大当り遊技であっても、特定のラウンド遊技とは異なる非特定のラウンド遊技(例えば、1回目〜4回目、及び6回目〜16回目のラウンド遊技)において、第1大入賞口29が開放されるように、第2アクチュエータA2を制御する。ここで、主制御用CPU40aは、何れの大当り遊技であっても、非特定のラウンド遊技において、第5時間T5(例えば、25秒)を上限時間として第1大入賞口29を開放させる。なお、第5時間T5は、第1時間T1と同じ時間であってもよく、異なる時間であってもよい。
【0092】
また、主制御用CPU40aは、遊技球が大入賞口29,31の何れかに入球することによって、賞球の払出条件が成立するごとに、1回の払出条件の成立に基づいて払い出される賞球数を特定可能な賞球数指定コマンドを出力するための処理を行うようになっている。詳しく説明すると、主制御用CPU40aは、特別入賞センサSE3,SE4の何れかから検知信号を入力するごとに、賞球数を指定する賞球数指定コマンドを所定の出力バッファに設定する。
【0093】
図6に示すように、本実施形態において、賞球数指定コマンドには、賞球数=1を指定するコマンドから、賞球数=15を指定するコマンドまで、全部で15種類がある。なお、本実施形態では、大入賞口29,31の賞球数として15が定められている。したがって、本実施形態では、賞球数=15を特定可能な賞球数指定コマンドのみが出力される一方、その他の賞球数を特定可能な賞球数指定コマンドは、出力されることがなく、予備のコマンドとされている。
【0094】
主制御用CPU40aは、ラウンド遊技を開始させる毎に、ラウンド演出の実行を指示するコマンド(以下、ラウンド指定コマンドと示す)を所定の出力バッファに設定する。そして、主制御用CPU40aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング演出の実行を指示するコマンド(以下、エンディング指定コマンドと示す)を出力バッファに設定する。主制御用CPU40aは、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。以下の説明では、第1特別図柄の大当り抽選に当選したことを契機として付与される大当り遊技中を「第1特別図柄の大当り状態」と示し、第2特別図柄の大当り抽選に当選したことを契機として付与される大当り遊技中を「第2特別図柄の大当り状態」と示す。
【0095】
次に、主制御用CPU40aが実行する遊技状態処理について説明する。
主制御用CPU40aは、大当り遊技が終了すると、主制御用RAM40cにV入賞発生フラグが記憶されているか否かに応じて、大当り遊技の終了後の遊技状態を制御する。
【0096】
具体的に、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cにV入賞発生フラグが記憶されている場合、大当り遊技を終了するときに、高確率状態に制御することを特定可能な値を、主制御用RAM40cに記憶されている確率状態フラグに設定する。また、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cにV入賞発生フラグが記憶されている場合、大当り遊技を終了するときに、高ベース状態に制御することを特定可能な値を、主制御用RAM40cに記憶されているベース状態フラグに設定する。この場合、主制御用CPU40aは、次回の大当り遊技が開始される迄の間、高確率状態、且つ高ベース状態となるように、遊技状態を制御する。
【0097】
主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cにV入賞発生フラグが記憶されていない場合、大当り遊技を終了するときに、低確率状態に制御することを特定可能な値を、主制御用RAM40cに記憶されている確率状態フラグに設定する。また、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cにV入賞発生フラグが記憶されていない場合、大当り遊技を終了するときに、高ベース状態に制御することを特定可能な値を、主制御用RAM40cに記憶されているベース状態フラグに設定する。この場合、主制御用CPU40aは、上限回数(例えば100回)を定めた高ベース状態を付与することから、上記上限回数に相当する回数を、高ベース状態を付与する特別ゲームの残り回数として主制御用RAM40cに記憶させる。
【0098】
そして、主制御用CPU40aは、特別ゲームが実行される毎に、主制御用RAM40cに記憶されている残り回数を1減算する。主制御用CPU40aは、残り回数が0となった場合、残り回数が0となった特別ゲームの終了に伴って、低ベース状態に制御することを特定可能な値をベース状態フラグに設定する。即ち、主制御用CPU40aは、上限回数の特別ゲームの終了に伴って、高ベース状態を終了させ、低ベース状態へ移行させる。なお、主制御用CPU40aは、大当り遊技が付与された場合、低確率状態に制御することを特定可能な値を確率状態フラグに設定するとともに、低ベース状態に制御することを特定可能な値をベース状態フラグに設定する。
【0099】
主制御用CPU40aは、低確率状態に制御することを特定可能な値を確率状態フラグに設定すると、低確率状態であることを特定可能なコマンド(以下、低確率状態コマンドと示す)を所定の出力バッファに設定する。その一方で、主制御用CPU40aは、高確率状態に制御することを特定可能な値を確率状態フラグに設定すると、高確率状態であることを特定可能なコマンド(以下、高確率状態コマンドと示す)を所定の出力バッファに設定する。
【0100】
主制御用CPU40aは、低ベース状態に制御することを特定可能な値をベース状態フラグに設定すると、低ベース状態であることを特定可能なコマンド(以下、低ベース状態コマンドと示す)を所定の出力バッファに設定する。その一方で、主制御用CPU40aは、高ベース状態に制御することを特定可能な値をベース状態フラグに設定すると、高ベース状態であることを特定可能なコマンド(以下、高ベース状態コマンドと示す)を所定の出力バッファに設定する。
【0101】
次に、主制御用CPU40aが実行する普通図柄入力処理について説明する。普通図柄入力処理は、割り込み処理として実行される。
普通図柄入力処理において、主制御用CPU40aは、ゲートセンサSE7から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球がゲート33を通過(入球)したか否かを判定する。遊技球がゲート33を通過していない場合、主制御用CPU40aは、普通図柄入力処理を終了する。その一方で、遊技球がゲート33を通過した場合、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている普通保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。普通保留数が上限数未満ではない場合、主制御用CPU40aは、普通図柄入力処理を終了する。普通保留数が上限数未満である場合、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている普通保留数を1加算して更新する。この場合、主制御用CPU40aは、更新後の普通保留数を表示するように、情報表示パネル22を制御する。
【0102】
次に、主制御用CPU40aは、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報を主制御用RAM40cに記憶させる。例えば、乱数は、普通当り抽選に用いる乱数、及び変動時間の決定に用いる乱数などである。この場合、主制御用CPU40aは、普通ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように記憶させる。なお、乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。その後、主制御用CPU40aは、普通図柄入力処理を終了する。
【0103】
次に、主制御用CPU40aが実行する普通図柄開始処理について説明する。普通図柄開始処理は、割り込み処理として実行される。
普通図柄開始処理において、主制御用CPU40aは、普通ゲームの実行条件が成立しているか否かを判定する。主制御用CPU40aは、普通当り遊技中ではなく、且つ普通ゲーム中ではない場合に肯定判定する一方で、普通当り遊技中、又は普通ゲーム中である場合に否定判定する。普通ゲームの実行条件が成立していない場合、主制御用CPU40aは、普通図柄開始処理を終了する。
【0104】
その一方で、普通ゲームの実行条件が成立している場合、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている普通保留数が1以上であるか否かを判定する。普通保留数が1以上ではない場合、主制御用CPU40aは、普通図柄開始処理を終了する。普通保留数が1以上である場合、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている普通保留数を1減算して更新する。この処理において、主制御用CPU40aは、更新後の普通保留数が表示されるように、情報表示パネル22を制御する。次に、主制御用CPU40aは、普通ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御用RAM40cから読み出す。なお、主制御用CPU40aは、最先の乱数情報を読み出すと、最先に記憶された乱数情報を主制御用RAM40cから消去する。
【0105】
次に、主制御用CPU40aは、読み出した乱数情報と、主制御用ROM40bに記憶されている普通当り判定値とをもとに、普通当りに当選とするか否かを判定する。この処理は、普通当りか否かの普通当り抽選(普通当り判定)に相当する。例えば、上述した普通図柄の確率変動制御を採用する場合、主制御用CPU40aは、高ベース状態においては、低ベース状態に比して、普通当りに当選と判定する確率が高くなるように、普通当りに当選とするか否かの判定を行うとよい。
【0106】
普通当りに当選とする場合、主制御用CPU40aは、普通ゲームで導出させ普通当り図柄と、普通ゲームの変動時間とを決定する。例えば、普通図柄の変動時間短縮制御を採用する場合、主制御用CPU40aは、低ベース状態においては第1変動時間を決定し、高ベース状態においては第1変動時間よりも短い第2変動時間を決定するとよい。主制御用CPU40aは、普通ゲームの変動時間を決定すると、該決定した変動時間を指定する普通開始コマンドを所定の出力バッファに設定する。普通開始コマンドは、普通当り抽選の結果を特定可能であってもよい。その後、主制御用CPU40aは、普通図柄開始処理を終了する。
【0107】
そして、主制御用CPU40aは、普通図柄開始処理とは別の処理を行うことによって、普通ゲームを実行させる。具体的に、主制御用CPU40aは、普通ゲームを開始させるとともに、普通図柄開始処理において決定した変動時間が経過したときに、普通図柄開始処理において決定した普通図柄が導出されるように、情報表示パネル22を制御する。
【0108】
次に、主制御用CPU40aが実行する普通当り処理について説明する。
普通当りに当選した場合、主制御用CPU40aは、普通ゲームが終了すると、第2始動入賞口27の開放パターンを決定するとともに、該決定した開放パターンにしたがって第2始動入賞口27が開放されるように、第1アクチュエータA1を制御する。例えば、上述した開放時間延長制御を採用する場合、主制御用CPU40aは、低ベース状態においては第1開放パターンを選択し、高ベース状態においては、第1開放パターンよりも1回の普通当り遊技における第1可変部材28の合計開放時間が長い第2開放パターンを決定するとよい。
【0109】
次に、副制御用CPU41aが実行する各種の処理について説明する。
最初に、副制御用CPU41aが実行する大当り演出処理について説明する。
副制御用CPU41aは、大当り遊技中、大当り演出が行われるように、装飾ランプ16、スピーカ17、及び演出表示装置25のうち少なくとも1つを制御する。具体的に、副制御用CPU41aは、オープニング指定コマンドを入力すると、オープニング演出が行われるように、装飾ランプ16、スピーカ17、及び演出表示装置25のうち少なくとも1つを制御する。副制御用CPU41aは、ラウンド指定コマンドを入力すると、ラウンド演出が行われるように、装飾ランプ16、スピーカ17、及び演出表示装置25のうち少なくとも1つを制御する。副制御用CPU41aは、エンディング指定コマンドを入力すると、エンディング演出が行われるように、装飾ランプ16、スピーカ17、及び演出表示装置25のうち少なくとも1つを制御する。
【0110】
また、副制御用CPU41aは、大当り遊技中、V入賞指定コマンドを入力すると演出表示装置25を制御し、前述のV入賞演出を実行させる。これにより、本実施形態のパチンコ遊技機10では、V入賞の発生、即ち、特典付与条件の成立を、遊技者が認識可能となる。換言すれば、本実施形態では、V入賞演出の実行により、今回の大当り遊技の終了後に特典として高確率状態が付与されることが報知される。
【0111】
また、副制御用CPU41aは、大当り遊技中、賞球数指定コマンド、及び第4,第5通過指定コマンドに基づいて演出表示装置25を制御し、前述の総数報知演出を実行させる。詳しくは後述するが、本実施形態の第4通過指定コマンドは、第1大入賞口29に入球した遊技球が第1特別入賞センサSE3によって検知されたことを契機として出力されるコマンドである。本実施形態の第5通過指定コマンドは、第2大入賞口31に入球した遊技球が第2特別入賞センサSE4によって検知されたことを契機として出力されるコマンドである。
【0112】
詳しく説明すると、副制御用CPU41aは、第4,第5通過指定コマンドの何れかと、賞球数指定コマンドと、を入力すると、賞球数指定コマンドから特定可能な賞球数を、副制御用RAM41cに記憶されている賞球総数カウンタに加算し、更新する。賞球総数カウンタは、今回の大当り遊技において獲得した賞球総数を示す情報となる。そして、副制御用CPU41aは、演出表示装置25を制御し、更新後の賞球総数カウンタから特定可能な賞球総数を認識可能な情報(画像)を表示させる。副制御用CPU41aは、エンディング指定コマンドを入力すると、賞球総数カウンタをクリアする。
【0113】
なお、総数報知演出は、低ベース状態における大当り抽選に当選して付与された大当り遊技(所謂、初当り)から、上限回数の特別ゲームの終了を契機に高ベース状態から低ベース状態へと移行する迄の間(所謂、連チャン中)において、大当り遊技中に払い出された賞球総数を報知する演出であってもよい。この場合、副制御用CPU41aは、上限回数の特別ゲームの終了を契機に賞球総数カウンタをクリアするとよい。
【0114】
次に、副制御用CPU41aが実行する保留数表示処理について説明する。
副制御用CPU41aは、第1保留数コマンドを入力すると演出表示装置25を制御し、該コマンドから特定可能な第1特別保留数を認識可能とするための第1保留表示演出を実行させる。副制御用CPU41aは、第2保留数コマンドを入力すると演出表示装置25を制御し、該コマンドから特定可能な第2特別保留数を認識可能とするための第2保留表示演出を実行させる。例えば、各保留表示演出は、特別保留数を認識可能なアラビア数字を表示する態様により実行してもよく、保留数コマンドから特定可能な特別保留数と等しい個数の保留画像を表示する態様により実行してもよい。この場合、保留画像は、保留中の特別ゲームを示す画像(保留情報)となる。
【0115】
次に、副制御用CPU41aが実行する演出ゲーム処理について説明する。
副制御用CPU41aは、演出ゲームや、該演出ゲームに付随する演出が行われるように、装飾ランプ16、スピーカ17、及び演出表示装置25のうち少なくとも1つを制御する。具体的に、副制御用CPU41aは、特別開始コマンド及び図柄コマンドを入力すると、演出ゲームを実行させる制御を行う。即ち、副制御用CPU41aは、特別開始コマンド及び図柄コマンドに基づいて、演出ゲームにおいて導出させる図柄組み合わせを決定する。副制御用CPU41aは、図柄コマンドから特定可能な図柄が大当り図柄である場合、演出図柄による大当りの図柄組み合わせを決定する。副制御用CPU41aは、図柄コマンドから特定可能な図柄がはずれ図柄である場合、演出図柄によるはずれの図柄組み合わせを決定する。
【0116】
また、副制御用CPU41aは、リーチ条件が成立していることにより、今回の演出ゲームにおいてリーチ演出を実行させる場合には、リーチを含むはずれの図柄組み合わせを決定するとよい。例えば、リーチ条件としては、はずれ変動パターンのなかでも、リーチ演出用の変動パターンが指定されたことを定めてもよく、副制御用CPU41aが所定の乱数を用いた演出抽選を行い、該演出抽選に当選したことを定めてもよい。
【0117】
また、副制御用CPU41aは、特別開始コマンドを入力すると、演出図柄を変動表示させるように、演出表示装置25を制御する。即ち、副制御用CPU41aは、演出ゲームを開始させる。また、副制御用CPU41aは、特別開始コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、所定の演出が実行されるように、装飾ランプ16、スピーカ17、及び演出表示装置25のうち少なくとも1つを制御する。例えば、所定の演出としては、大当り予告演出や、遊技状態を示唆する状態示唆演出などがある。
【0118】
そして、副制御用CPU41aは、所定のタイミングが到来すると、決定した演出図柄による図柄組み合わせを一旦停止表示させるとともに、ゲーム終了コマンドの入力を契機に、演出図柄による図柄組み合わせを導出させる。なお、副制御用CPU41aは、ゲーム終了コマンドとは関係なく、変動パターンから特定可能な変動時間を計時し、該変動時間の経過を契機に図柄組み合わせを導出させてもよい。この場合、ゲーム終了コマンドは省略してもよい。
【0119】
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10は、副制御基板41において、パチンコ遊技機10の稼働状態に関する情報としての遊技データを生成可能に構成されている。このような、副制御基板41における遊技データの生成は、以下に詳しく説明するように、主制御基板40がセンサSE1〜SE9による検知結果に基づいて出力するコマンドに基づいて行われる。
【0120】
最初に、主制御基板40がセンサSE1〜SE9による検知結果に基づいて出力する通過指定コマンドについて説明する。
図6に示すように、本実施形態において、通過指定コマンドには、第1通過指定コマンドから第9通過指定コマンドまで、全部で9種類のコマンドがある。
【0121】
第1通過指定コマンド(第1始動入賞コマンド)は、第1始動入賞口26に入球した遊技球が第1始動センサSE1を通過し、該第1始動センサSE1により検知されたことを指定するコマンドである。第1通過指定コマンドは、遊技球が第1始動センサSE1により検知されるごとに出力される。
【0122】
第2通過指定コマンド(第2始動入賞コマンド)は、第2始動入賞口27に入球した遊技球が第2始動センサSE2を通過し、該第2始動センサSE2により検知されたことを指定するコマンドである。第2通過指定コマンドは、遊技球が第2始動センサSE2により検知されるごとに出力される。
【0123】
第3通過指定コマンド(普通入賞コマンド)は、普通入賞口34に入球した遊技球が普通入賞センサSE8を通過し、該普通入賞センサSE8により検知されたことを指定するコマンドである。第3通過指定コマンドは、遊技球が普通入賞センサSE8により検知されるごとに出力される。
【0124】
第4通過指定コマンド(第1特別入賞コマンド)は、第1大入賞口29に入球した遊技球が第1特別入賞センサSE3を通過し、該第1特別入賞センサSE3により検知されたことを指定するコマンドである。第4通過指定コマンドは、遊技球が第1特別入賞センサSE3により検知されるごとに出力される。
【0125】
第5通過指定コマンド(第2特別入賞コマンド)は、第2大入賞口31に入球した遊技球が第2特別入賞センサSE4を通過し、該第2特別入賞センサSE4により検知されたことを指定するコマンドである。第5通過指定コマンドは、遊技球が第2特別入賞センサSE4により検知されるごとに出力される。
【0126】
第6通過指定コマンド(ゲート通過コマンド)は、ゲート33に入球した遊技球がゲートセンサSE7を通過し、該ゲートセンサSE7により検知されたことを指定するコマンドである。第6通過指定コマンドは、遊技球がゲートセンサSE7により検知されるごとに出力される。
【0127】
第7通過指定コマンド(特定入賞コマンド)は、第2大入賞口31に入球し、且つ特定通路31cに振り分けられた遊技球がV入賞センサSE5を通過し、該V入賞センサSE5により検知されたことを指定するコマンドである。第7通過指定コマンドは、遊技球がV入賞センサSE5により検知されるごとに出力される。
【0128】
第8通過指定コマンド(排出コマンド)は、第2大入賞口31に入球し、且つ通常通路31dに振り分けられた遊技球が排出センサSE6を通過し、該排出センサSE6により検知されたことを指定するコマンドである。第8通過指定コマンドは、遊技球が排出センサSE6により検知されるごとに出力される。
【0129】
第9通過指定コマンド(アウト球コマンド)は、遊技球がアウト球センサSE9を通過し、該アウト球センサSE9により検知されたことを指定するコマンドである。第9通過指定コマンドは、遊技球がアウト球センサSE9により検知されるごとに出力される。
【0130】
次に、センサSE1〜SE9の検知結果を特定するためのデータとして、主制御用RAM40cに記憶されている検知データについて説明する。
図7に示すように、主制御用RAM40cには、各センサの検知結果を特定するためのデータとして、第1検知データD1、第2検知データD2、及び第3検知データD3が記憶されている。本実施形態において、検知データD1〜D3は、1バイト(8ビット)の数値データであり、ビットごとに検知結果を特定可能とするセンサが対応付けられている。なお、
図7において、内容の欄が空欄であるビットには、所定の事象を特定可能な情報が対応付けられていてもよく、対応付けられていなくてもよい。
【0131】
図7(a)に示すように、第1検知データD1において、ビット0には、第1始動センサSE1が対応付けられており、ビット1には、第2始動センサSE2が対応付けられており、ビット3には、ゲートセンサSE7が対応付けられており、ビット4には、普通入賞センサSE8が対応付けられている。また、第1検知データD1において、ビット6には、第1特別入賞センサSE3が対応付けられており、ビット7には、第2特別入賞センサSE4が対応付けられている。
【0132】
図7(b)に示すように、第2検知データD2において、ビット5には、V入賞センサSE5が対応付けられており、ビット6には、排出センサSE6が対応付けられている。
図7(c)に示すように、第3検知データD3において、ビット0には、アウト球センサSE9が対応付けられている。
【0133】
そして、検知データD1〜D3において、各ビットには、それぞれに対応付けられたセンサが遊技球の通過を検知したと判定される場合(図中においてONと示す)に1が設定される一方、それぞれに対応付けられたセンサが遊技球の通過を検知したと判定されない場合(図中においてOFFと示す)に0が設定される。したがって、本実施形態の主制御用CPU40aは、検知データD1〜D3の各ビットを参照することによって、センサSE1〜SE9のそれぞれについて、遊技球の通過を検知したか否かを特定することが可能である。
【0134】
次に、主制御用CPU40aが実行する検知データ取得処理について説明する。検知データ取得処理は、センサSE1〜SE9の検知結果(遊技球の検知の有無)を特定可能なデータを主制御用RAM40cの所定の記憶領域に設定するための処理である。検知データ取得処理は、割り込み処理として実行される。
【0135】
検知データ取得処理において、主制御用CPU40aは、センサSE1〜SE9のそれぞれについて個別に判定対象とし、判定対象としたセンサごとに、遊技球の通過を検知したか否かを判定する。例えば、主制御用CPU40aは、前回の検知データ取得処理において検知信号を入力しておらず、且つ今回の検知データ取得処理において検知信号を入力している場合に、判定対象としたセンサについて遊技球の通過を検知したと判定するとよい。また、例えば、主制御用CPU40aは、今回の検知データ取得処理において検知信号を入力していない場合や、今回及び前回の検知データ取得処理において検知信号を入力している場合には、判定対象としたセンサについて、遊技球の通過を検知していないと判定するとよい。
【0136】
そして、主制御用CPU40aは、遊技球の通過を検知したと判定した場合、判定対象としたセンサが対応付けられた検知データのビットに1を設定する。その一方で、遊技球の通過を検知していないと判定した場合には、判定対象としたセンサが対応付けられた検知データのビットに0を設定する。以下の説明では、遊技球の通過を検知したと判定した場合を「センサON」と示し、遊技球の通過を検知していないと判定した場合を「センサOFF」と示す。
【0137】
例えば、主制御用CPU40aは、第1始動センサSE1について、遊技球の通過を検知したと判定した場合、第1検知データD1のビット0に1を設定する一方で、遊技球の通過を検知していないと判定した場合、第1検知データD1のビット0に0を設定する。例えば、主制御用CPU40aは、V入賞センサSE5について、遊技球の通過を検知したと判定した場合、第2検知データD2のビット5に1を設定する一方で、遊技球の通過を検知していないと判定した場合、第2検知データD2のビット5に0を設定する。例えば、主制御用CPU40aは、アウト球センサSE9について、遊技球の通過を検知したと判定した場合、第3検知データD3のビット0に1を設定する一方で、遊技球の通過を検知していないと判定した場合、第3検知データD3のビット0に0を設定する。
【0138】
次に、主制御用CPU40aが実行するコマンド設定処理について説明する。コマンド設定処理は、センサSE1〜SE9による検知結果に基づいて、遊技球を検知しているセンサに対応する通過指定コマンドを出力するための処理である。コマンド設定処理は、割り込み処理として実行される。
【0139】
図8に示すように、主制御用CPU40aは、第1始動センサSE1がONであるか否かを判定する(ステップS301)。ステップS301の処理において、主制御用CPU40aは、第1検知データD1のビット0を参照し、第1始動センサSE1がONであるかOFFであるかを判定する。第1始動センサSE1がONである場合(ステップS301:YES)、主制御用CPU40aは、第1通過指定コマンドを所定の出力バッファに設定する(ステップS302)。
【0140】
第1始動センサSE1がOFFである場合(ステップS301:NO)、及びステップS302の処理を終了した場合、主制御用CPU40aは、第2始動センサSE2がONであるか否かを判定する(ステップS303)。ステップS303の処理において、主制御用CPU40aは、第1検知データD1のビット1を参照し、第2始動センサSE2がONであるかOFFであるかを判定する。第2始動センサSE2がONである場合(ステップS303:YES)、主制御用CPU40aは、第2通過指定コマンドを所定の出力バッファに設定する(ステップS304)。
【0141】
第2始動センサSE2がOFFである場合(ステップS303:NO)、及びステップS304の処理を終了した場合、主制御用CPU40aは、普通入賞センサSE8がONであるか否かを判定する(ステップS305)。ステップS305の処理において、主制御用CPU40aは、第1検知データD1のビット4を参照し、普通入賞センサSE8がONであるかOFFであるかを判定する。普通入賞センサSE8がONである場合(ステップS305:YES)、主制御用CPU40aは、第3通過指定コマンドを所定の出力バッファに設定する(ステップS306)。
【0142】
普通入賞センサSE8がOFFである場合(ステップS305:NO)、及びステップS306の処理を終了した場合、主制御用CPU40aは、第1特別入賞センサSE3がONであるか否かを判定する(ステップS307)。ステップS307の処理において、主制御用CPU40aは、第1検知データD1のビット7を参照し、第1特別入賞センサSE3がONであるかOFFであるかを判定する。第1特別入賞センサSE3がONである場合(ステップS307:YES)、主制御用CPU40aは、第4通過指定コマンドを所定の出力バッファに設定する(ステップS308)。
【0143】
第1特別入賞センサSE3がOFFである場合(ステップS307:NO)、及びステップS308の処理を終了した場合、主制御用CPU40aは、第2特別入賞センサSE4がONであるか否かを判定する(ステップS309)。ステップS309の処理において、主制御用CPU40aは、第1検知データD1のビット6を参照し、第2特別入賞センサSE4がONであるかOFFであるかを判定する。第2特別入賞センサSE4がONである場合(ステップS309:YES)、主制御用CPU40aは、第5通過指定コマンドを所定の出力バッファに設定する(ステップS310)。
【0144】
第2特別入賞センサSE4がOFFである場合(ステップS309:NO)、及びステップS310の処理を終了した場合、主制御用CPU40aは、ゲートセンサSE7がONであるか否かを判定する(ステップS311)。ステップS311の処理において、主制御用CPU40aは、第1検知データD1のビット3を参照し、ゲートセンサSE7がONであるかOFFであるかを判定する。ゲートセンサSE7がONである場合(ステップS311:YES)、主制御用CPU40aは、第6通過指定コマンドを所定の出力バッファに設定する(ステップS312)。
【0145】
ゲートセンサSE7がOFFである場合(ステップS311:NO)、及びステップS312の処理を終了した場合、主制御用CPU40aは、V入賞センサSE5がONであるか否かを判定する(ステップS313)。ステップS313の処理において、主制御用CPU40aは、第2検知データD2のビット5を参照し、V入賞センサSE5がONであるかOFFであるかを判定する。V入賞センサSE5がONである場合(ステップS313:YES)、主制御用CPU40aは、第7通過指定コマンドを所定の出力バッファに設定する(ステップS314)。
【0146】
V入賞センサSE5がOFFである場合(ステップS313:NO)、及びステップS314の処理を終了した場合、主制御用CPU40aは、排出センサSE6がONであるか否かを判定する(ステップS315)。ステップS315の処理において、主制御用CPU40aは、第2検知データD2のビット6を参照し、排出センサSE6がONであるかOFFであるかを判定する。排出センサSE6がONである場合(ステップS315:YES)、主制御用CPU40aは、第8通過指定コマンドを所定の出力バッファに設定する(ステップS316)。
【0147】
排出センサSE6がOFFである場合(ステップS315:NO)、及びステップS316の処理を終了した場合、主制御用CPU40aは、アウト球センサSE9がONであるか否かを判定する(ステップS317)。ステップS317の処理において、主制御用CPU40aは、第3検知データD3のビット0を参照し、アウト球センサSE9がONであるかOFFであるかを判定する。アウト球センサSE9がONである場合(ステップS317:YES)、主制御用CPU40aは、第9通過指定コマンドを所定の出力バッファに設定する(ステップS318)。その後、主制御用CPU40aは、コマンド設定処理を終了する。
【0148】
以上のように、本実施形態では、割り込み処理としてコマンド設定処理が実行されることにより、センサSE1〜SE9において、遊技球の通過が検知されるごとに、遊技球の通過が検知されたセンサに対応する通過指定コマンドが出力されるようになっている。
【0149】
本実施形態において、第1〜第9通過指定コマンドは、第1種コマンド及び特定コマンドに相当する。本実施形態において、第1〜第3,第6〜第9通過指定コマンドは、それぞれセンサSE1,SE2,SE5〜SE9と各別に対応し、対応するセンサにおいて遊技球が検知されることにより出力条件が成立する第1コマンドに相当する。第4,第5通過指定コマンドは、特別入賞センサSE3,SE4において遊技球が検知されることにより出力条件が成立する第3コマンドに相当する。
【0150】
本実施形態では、複数のセンサSE1〜SE9と各別に対応し、且つ対応するセンサにおいて遊技球が検知されることにより出力条件が成立する複数の通過指定コマンドがある。そして、第1〜第9通過指定コマンド(第1種コマンド)のうち、出力条件が成立したコマンドは、1回の割り込み処理において出力バッファ(主制御用RAM40c)に設定されるようになっている。
【0151】
これに対して、例えば、上述したV入賞指定コマンドは、V入賞センサSE5において遊技球が検知されたことを条件として含み、さらに、V入賞センサSE5による遊技球の検知がV有効時間Ta内であるという別の条件が成立しているときに、出力条件が成立する。したがって、本実施形態において、V入賞指定コマンドは、V入賞センサSE5において遊技球が検知され、且つ予め定めた特定条件が成立しているときに出力条件が成立する第2コマンドに相当する。即ち、V入賞指定コマンドに関して、特定条件は、V入賞センサSE5による遊技球の検知がV有効時間Ta内であることである。
【0152】
また、例えば、上述の賞球数指定コマンドは、特別入賞センサSE3,SE4において遊技球が検知されたことを条件として含み、さらに、特別入賞センサSE3,SE4による遊技球の検知が大当り遊技中であるという別の条件が成立しているときに、出力条件が成立する。したがって、本実施形態において、賞球数指定コマンドは、特別入賞センサSE3,SE4において遊技球が検知され、且つ予め定めた特定条件が成立しているときに出力条件が成立する第2コマンドの1つに相当する。即ち、賞球数指定コマンドに関して、特定条件は、特別入賞センサSE3,SE4による遊技球の検知が大当り遊技中であることである。
【0153】
特別開始コマンドについても同様のことが言える。即ち、本実施形態において、第1特別開始コマンドは、第1始動センサSE1において遊技球が検知され、且つ第1特別ゲームの実行条件が成立することで出力条件が成立する第2コマンドの1つに相当する。また、本実施形態において、第2特別開始コマンドは、第2始動センサSE2において遊技球が検知され、且つ第2特別ゲームの開始条件が成立することで出力条件が成立する第2コマンドの1つに相当する。特別開始コマンドに関して、特定条件は、特別ゲームの実行条件が成立することである。
【0154】
また、保留数コマンドについても同様のことが言える。即ち、特別図柄入力処理の実行に伴って出力される第1保留数コマンドは、第1始動センサSE1によって遊技球が検知され、且つ第1特別保留数が上限数に達していないときに出力条件が成立する第2コマンドの1つに相当する。また、特別図柄入力処理の実行に伴って出力される第2保留数コマンドは、第2始動センサSE2によって遊技球が検知され、且つ第2特別保留数が上限数に達していないときに出力条件が成立する第2コマンドの1つに相当する。保留数コマンドに関して、特定条件は、特別保留数が上限数に達していないことである。以上のように、本実施形態において、特別開始コマンド、保留数コマンド、V入賞指定コマンド、及び賞球数指定コマンドは、第2種コマンドに相当する。
【0155】
上述のように、本実施形態において、V入賞演出は、V入賞指定コマンドに基づいて実行される。総数報知演出は、第4,第5通過指定コマンドの何れかと、賞球数指定コマンドと、に基づいて実行される。演出ゲームは、特別開始コマンドに基づいて実行される。保留表示演出は、保留数コマンドに基づいて実行される。したがって、本実施形態において、特別開始コマンド、保留数コマンド、V入賞指定コマンド、及び賞球数指定コマンドは、演出を実行するために必要な情報を少なくとも特定可能なコマンドであるといえる。
【0156】
次に、副制御基板41において生成可能な第1種遊技データと、該第1種遊技データを生成するための第1情報生成処理について、詳しく説明する。
図9には、副制御基板41が生成可能な第1種遊技データのうち、一部の遊技データDa〜Duが例示されている。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1種遊技データDa〜Duの全てについて生成が可能に構成されているが、第1種遊技データDa〜Duのうち一部である1又は複数の遊技データの生成が可能に構成されていてもよい。副制御用RAM41cには、第1種遊技データDa〜Duのそれぞれについて、低確低ベース状態、高確低ベース状態、低確高ベース状態、高確高ベース状態、第1特別図柄の大当り状態、及び第2特別図柄の大当り状態の6種類の遊技状態に区分した遊技データと、全遊技状態を合計した遊技データとを記憶するための領域が設定されている。
【0157】
アウト球数データDaは、計数を開始してからの、アウト球の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「個」である。副制御用CPU41aは、第9通過指定コマンドを入力すると、該コマンドを入力したときの遊技状態に対応付けられたアウト球数データDaと合計のアウト球数データDa7とを1加算して更新する。例えば、副制御用CPU41aは、低確低ベース状態において、第9通過指定コマンドを入力すると、アウト球数データDa1を1加算して更新するとともに、各遊技状態の合計であるアウト球数データDa7を、1加算して更新する。例えば、副制御用CPU41aは、第1特別図柄の大当り状態において、第9通過指定コマンドを入力すると、アウト球数データDa5を、1加算して更新するとともに、各遊技状態の合計であるアウト球数データDa7を、1加算して更新する。
【0158】
払出数(賞球数)データDbは、計数を開始してからの、入賞口26,27,29,31,34への入賞に伴って遊技者に払い出された賞球の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「個」である。副制御用CPU41aは、第1〜第5通過指定コマンドを入力すると、該コマンドを入力したときの遊技状態に対応付けられた払出数データDbと、合計の払出数データDb7とを、入力した通過指定コマンドに対応する入賞口に定めた賞球数に相当する数を加算して更新する。例えば、副制御用CPU41aは、低確低ベース状態において、第1通過指定コマンドを入力すると、低確低ベース状態に対応付けられた払出数データDb1を、第1始動入賞口26に定めた賞球数に相当する3を加算して更新するとともに、各遊技状態の合計である払出数データDb7を、3加算して更新する。
【0159】
差玉数データDcは、払出数データDbから特定可能な払出数から、アウト球数データDaから特定可能なアウト球数を減算した差玉数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「個」である。副制御用CPU41aは、アウト球数データDa及び払出数データDbの少なくとも一方が更新されると、払出数データDbからアウト球数データDaを減算(演算)し、該減算して算出された数値データに差玉数データDcを更新する。副制御用CPU41aは、アウト球数データDa及び払出数データDbの少なくとも一方が更新されたときの遊技状態に対応付けられた差玉数データDcと、合計の差玉数データDc7とについて、同様の処理を実行する。
【0160】
第1始動入賞口26への入賞数データDdは、計数を開始してからの、第1始動入賞口26に入球した遊技球の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「個」である。副制御用CPU41aは、第1通過指定コマンドを入力すると、該コマンドを入力したときの遊技状態に対応付けられた第1始動入賞口26への入賞数データDdと、合計の入賞数データDd7とを1加算して更新する。
【0161】
第2始動入賞口27への入賞数データDeは、計数を開始してからの、第2始動入賞口27に入球した遊技球の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「個」である。副制御用CPU41aは、第2通過指定コマンドを入力すると、該コマンドを入力したときの遊技状態に対応付けられた第2始動入賞口27への入賞数データDeと、合計の入賞数データDe7とを1加算して更新する。
【0162】
普通入賞口34への入賞数データDfは、計数を開始してからの、普通入賞口34に入球した遊技球の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「個」である。副制御用CPU41aは、第3通過指定コマンドを入力すると、該コマンドを入力したときの遊技状態に対応付けられた普通入賞口34への入賞数データDfと、合計の入賞数データDf7とを1加算して更新する。
【0163】
第1大入賞口29への入賞数データDgは、計数を開始してからの、第1大入賞口29に入球した遊技球の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「個」である。副制御用CPU41aは、第4通過指定コマンドを入力すると、該コマンドを入力したときの遊技状態に対応付けられた第1大入賞口29への入賞数データDgと、合計の入賞数データDg7とを1加算して更新する。
【0164】
第2大入賞口31への入賞数データDhは、計数を開始してからの、第2大入賞口31に入球した遊技球の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「個」である。副制御用CPU41aは、第5通過指定コマンドを入力すると、該コマンドを入力したときの遊技状態に対応付けられた第2大入賞口31への入賞数データDhと、合計の入賞数データDh7とを1加算して更新する。
【0165】
ゲート通過数データDiは、計数を開始してからの、ゲート33を通過した遊技球の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「個」である。副制御用CPU41aは、第6通過指定コマンドを入力すると、該コマンドを入力したときの遊技状態に対応付けられたゲート通過数データDiと、合計のゲート通過数データDi7とを1加算して更新する。
【0166】
第1特別ゲームの開始回数データDjは、計数を開始してからの、第1特別ゲームの開始回数(スタート数)を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御用CPU41aは、第1特別開始コマンドを入力すると、該コマンドを入力したときの遊技状態に対応付けられた第1特別ゲームの開始回数データDjと、合計の開始回数データDj7とを1加算して更新する。
【0167】
第2特別ゲームの開始回数データDkは、計数を開始してからの、第2特別ゲームの開始回数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御用CPU41aは、第2特別開始コマンドを入力すると、該コマンドを入力したときの遊技状態に対応付けられた第2特別ゲームの開始回数データDkと、合計の開始回数データDk7とを1加算して更新する。
【0168】
普通ゲームの開始回数データDlは、計数を開始してからの、普通ゲームの開始回数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御用CPU41aは、普通開始コマンドを入力すると、該コマンドを入力したときの遊技状態に対応付けられた普通ゲームの開始回数データDlと、合計の開始回数データDl7とを1加算して更新する。
【0169】
第1特別図柄の大当り回数データDmは、計数を開始してからの、第1特別図柄の大当り抽選における当選回数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御用CPU41aは、図柄コマンドを入力した場合であって、該コマンドから第1特別図柄の大当り図柄を特定可能なときには、そのときの遊技状態に対応付けられた第1特別図柄の大当り回数データDmと、合計の大当り回数データDm7とを1加算して更新する。
【0170】
第2特別図柄の大当り回数データDnは、計数を開始してからの、第2特別図柄の大当り抽選における当選回数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御用CPU41aは、図柄コマンドを入力した場合であって、該コマンドから第2特別図柄の大当り図柄を特定可能なときには、そのときの遊技状態に対応付けられた第2特別図柄の大当り回数データDnと、合計の大当り回数データDn7とを1加算して更新する。
【0171】
第1特別図柄の小当り回数データDoは、計数を開始してからの、第1特別図柄の小当り抽選における当選回数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御用CPU41aは、図柄コマンドを入力した場合であって、該コマンドから第1特別図柄の小当り図柄を特定可能なときには、そのときの遊技状態に対応付けられた第1特別図柄の小当り回数データDoと、合計の小当り回数データDo7とを1加算して更新する。
【0172】
第2特別図柄の小当り回数データDpは、計数を開始してからの、第2特別図柄の小当り抽選における当選回数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御用CPU41aは、図柄コマンドを入力した場合であって、該コマンドから第2特別図柄の小当り図柄を特定可能なときには、そのときの遊技状態に対応付けられた第2特別図柄の小当り回数データDpと、合計の小当り回数データDp7とを1加算して更新する。
【0173】
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機10では、小当り抽選を搭載していないことから、小当り回数データDo,Dpは未使用の遊技データとされている。ここで、小当り抽選は、小当りとするか否かの抽選である。小当り抽選を搭載する場合、主制御用CPU40aは、大当り抽選に当選しなかった場合に小当り抽選を実行し、該小当り抽選に当選した場合、小当り図柄が導出される特別ゲームの終了後に、大入賞口29を開放する小当り遊技を付与するとよい。そして、主制御用CPU40aは、小当り抽選に当選したときの遊技状態と、小当り遊技の終了後の遊技状態とを同じ遊技状態に制御するとよい。
【0174】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り状態において特別ゲームが実行される状況が発生しないことから、開始回数データDj5,Dj6,Dk5,Dk6は、未使用の遊技データとされている。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、複数の大当り遊技が重複して付与される状況が発生しないことから、大当り回数データDm5,Dm6,Dn5,Dn6は、未使用の遊技データとされている。
【0175】
特別保留数=0,1での保留消化回数データDqは、計数を開始してからの、特別保留数が0,1である状況における、特別ゲームの開始回数の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御用CPU41aは、特別開始コマンドを入力した場合であって、保留数コマンドから特定可能な特別保留数が0であるときには、そのときの遊技状態に対応付けられた保留消化回数データDqと、合計の保留消化回数データDq7とを1加算して更新する。
【0176】
特別保留数=2での保留消化回数データDrは、計数を開始してからの、特別保留数が2である状況における、特別ゲームの開始回数の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御用CPU41aは、特別開始コマンドを入力した場合であって、保留数コマンドから特定可能な特別保留数が1であるときには、そのときの遊技状態に対応付けられた保留消化回数データDrと、合計の保留消化回数データDr7とを1加算して更新する。
【0177】
特別保留数=3での保留消化回数データDsは、計数を開始してからの、特別保留数が3である状況における、特別ゲームの開始回数の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御用CPU41aは、特別開始コマンドを入力した場合であって、保留数コマンドから特定可能な特別保留数が2であるときには、そのときの遊技状態に対応付けられた保留消化回数データDsと、合計の保留消化回数データDs7とを1加算して更新する。
【0178】
特別保留数=4での保留消化回数データDtは、計数を開始してからの、特別保留数が4である状況における、特別ゲームの開始回数の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御用CPU41aは、特別開始コマンドを入力した場合であって、保留数コマンドから特定可能な特別保留数が3であるときには、そのときの遊技状態に対応付けられた保留消化回数データDtと、合計の保留消化回数データDt7とを1加算して更新する。
【0179】
遊技時間(プレイ時間)データDuは、パチンコ遊技機10において遊技が行われている時間を積算した遊技時間を特定可能な数値データである。例えば、単位は、「時間」である。例えば、副制御用CPU41aは、第1〜第9通過指定コマンドの何れかを入力する計測開始条件が成立すると、遊技時間の計測を開始する。その一方で、副制御用CPU41aは、最後に第1〜第9通過指定コマンドの何れかを入力してから、第1〜第9通過指定コマンドの何れも入力しないまま第1待機時間(例えば10秒)が経過する計測停止条件が成立すると、遊技時間の計測を中断する。計測停止条件には、大当り遊技及び特別ゲームの何れかが終了してから第2待機時間(例えば10秒)が経過することが含まれていてもよい。即ち、副制御用CPU41aは、第1待機時間と第2待機時間の両方が経過したことを条件として、遊技時間の計測を中断してもよい。
【0180】
また、副制御用CPU41aは、遊技時間の計測を中断している状態において、第1〜第9通過指定コマンドの何れかを入力する計測再開条件が成立すると、遊技時間の計測を再開する。例えば、遊技時間の計測は、割り込み処理において、副制御用RAM41cに記憶されている遊技時間データDuに割り込み処理の実行間隔に相当する値を加算して更新することにより計測できる。副制御用CPU41aは、このような計測するための処理を、複数の遊技状態ごとに区分された遊技時間データDuに対して実行する。
【0181】
以上のように、本実施形態の第1〜第9通過指定コマンドは、第1種コマンドに相当し、パチンコ遊技機10の稼働状態に関する情報としての遊技データを生成するために必要な情報を少なくとも特定可能である。特に、第4,第5通過指定コマンドは、パチンコ遊技機10の稼働状態に関する情報としての遊技データを生成するために必要な情報と、演出としての総数報知演出を実行するために必要な情報と、を特定可能となる。
【0182】
さらに、本実施形態のパチンコ遊技機10は、任意のタイミングにおいて、上述した第1種遊技データDa〜Duに基づいて、パチンコ遊技機10の稼働状態に関する第2種遊技データを生成可能に構成されている。
【0183】
以下、副制御基板41において生成可能な第2種遊技データと、該第2種遊技データを生成するための第2情報生成処理について、詳しく説明する。
図10には、副制御基板41が生成可能な第2種遊技データのうち、一部の遊技データP1〜P11が例示されている。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10は、第2種遊技データP1〜P11の全てについて生成が可能に構成されているが、第2種遊技データP1〜P11のうち一部である1又は複数の遊技データの生成が可能に構成されていてもよい。
【0184】
本実施形態の副制御用CPU41aは、予め定めた第2種遊技データの生成条件(以下、データ生成条件と示す)が成立すると、副制御用RAM41cに記憶されている第1種遊技データDa〜Duに基づいて、第2種遊技データを生成する。例えば、データ生成条件は、演出ボタン18が操作されたことであってもよく、電源投入に伴って起動したことであってもよく、遊技時間Duが所定時間に達したことであってもよい。データ生成条件は、一定期間が経過するごとに(周期的に)成立する条件であってもよい。
【0185】
時間あたりアウト球数データP1は、単位遊技時間あたりのアウト球数(以下、時間あたりアウト球数と示す)を特定可能な数値データである。例えば、単位は「個/時間」である。副制御用CPU41aは、データ生成条件が成立すると、次に示す計算式1によって、時間あたりアウト球数データP1(単位遊技時間あたりのアウト球数)を算出する。例えば、副制御用CPU41aは、時間あたりアウト球数データP1として、1時間の遊技時間あたりのアウト球数を算出するとよい。
【0186】
時間あたりアウト球数データP1=Da7/Du7…(1)
時間あたり開始回数データP2は、単位遊技時間あたりの特別ゲームの開始回数(以下、時間あたり開始回数と示す)を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回/時間」である。副制御用CPU41aは、データ生成条件が成立すると、次に示す計算式2によって、時間あたり開始回数データP2(単位遊技時間あたりの特別ゲームの開始回数)を算出する。例えば、副制御用CPU41aは、時間あたり開始回数データP2として、1時間の遊技時間あたりの特別ゲームの開始回数を算出するとよい。
【0187】
時間あたり開始回数データP2=(Dj7+Dk7)/Du7…(2)
保留消化割合データP3a〜P3d,I4a〜P4d,I5a〜P5dは、全ての特別保留数における特別ゲームの開始回数の合計に対する、特定の特別保留数であるときの特別ゲームの開始回数の割合(以下、保留消化割合と示す)を特定可能なデータである。例えば、単位は「%」である。副制御用CPU41aは、データ生成条件が成立すると、次に示す計算式3a〜3d,4a〜4d,5a〜5dによって、遊技状態ごとであって、且つ特別保留数ごとに、保留消化割合データP3a〜P3d,I4a〜P4d,I5a〜P5dを算出する。
【0188】
次に示す計算式3a〜3dは、低確低ベース状態における第1保留消化割合データの算出に用いられる。
第1保留消化割合(保0,1)データP3a=Dq1/(Dq1+Dr1+Ds1+Dt1)×100…(3a)
第1保留消化割合(保2)データP3b=Dr1/(Dq1+Dr1+Ds1+Dt1)×100…(3b)
第1保留消化割合(保3)データP3c=Ds1/(Dq1+Dr1+Ds1+Dt1)×100…(3c)
第1保留消化割合(保4)データP3d=Dt1/(Dq1+Dr1+Ds1+Dt1)×100…(3d)
次に示す計算式4a〜4dは、高ベース状態における第2保留消化割合データの算出に用いられる。
【0189】
第2保留消化割合(保0,1)データP4a=Dq3+Dq4/(Dq3+Dq4+Dr3+Dr4+Ds3+Ds4+Dt3+Dt4)×100…(4a)
第2保留消化割合(保2)データP4b=Dr3+Dr4/(Dq3+Dq4+Dr3+Dr4+Ds3+Ds4+Dt3+Dt4)×100…(4b)
第2保留消化割合(保3)データP4c=Ds3+Ds4/(Dq3+Dq4+Dr3+Dr4+Ds3+Ds4+Dt3+Dt4)×100…(4c)
第2保留消化割合(保4)データP4d=Dt3+Dt4/(Dq3+Dq4+Dr3+Dr4+Ds3+Ds4+Dt3+Dt4)×100…(4d)
次に示す計算式5a〜5dは、高確率状態における第3保留消化割合データの算出に用いられる。
【0190】
第3保留消化割合(保0,1)データP5a=Dq2+Dq4/(Dq2+Dq4+Dr2+Dr4+Ds2+Ds4+Dt2+Dt4)×100…(5a)
第3保留消化割合(保2)データP5b=Dr2+Dr4/(Dq2+Dq4+Dr2+Dr4+Ds2+Ds4+Dt2+Dt4)×100…(5b)
第3保留消化割合(保3)データP5c=Ds2+Ds4/(Dq2+Dq4+Dr2+Dr4+Ds2+Ds4+Dt2+Dt4)×100…(5c)
第3保留消化割合(保4)データP5d=Dt2+Dt4/(Dq2+Dq4+Dr2+Dr4+Ds2+Ds4+Dt2+Dt4)×100…(5d)
第1特定入賞払出数データP6は、大入賞口29,31、及び第2始動入賞口27への入賞を契機に払い出される賞球数の合計(以下、第1特定入賞払出数と示す)を特定可能なデータである。例えば、単位は「個」である。なお、入賞口27,29,31は、何れも可変部材(所謂、電動役物)付きの入賞口である。副制御用CPU41aは、データ生成条件が成立すると、次に示す計算式6によって、第1特定入賞払出数データP6を算出する。
【0191】
第1特定入賞払出数データP6=De7×第2始動入賞口27の賞球数+Dg7×第1大入賞口29の賞球数+Dh7×第2大入賞口31の賞球数…(6)
役物比率データP7は、払出球数の合計に対する、上記第1特定入賞払出数の割合(以下、役物比率と示す)を特定可能なデータである。副制御用CPU41aは、データ生成条件が成立すると、次に示す計算式7aによって、役物比率データP7を算出する。また、副制御用CPU41aは、データ生成条件が成立すると、次に示す計算式7bによって、役物比率データP7を算出してもよい。
【0192】
役物比率データP7=(De7×第2始動入賞口27の賞球数+Dg7×第1大入賞口29の賞球数+Dh7×第2大入賞口31の賞球数)/Db7…(7a)
役物比率データP7=1−(Dd7×第1始動入賞口26の賞球数+Df7×普通入賞口34の賞球数)/Db7…(7b)
第2特定入賞払出数データP8は、大当り遊技中において、大入賞口29,31への入賞を契機に払い出される賞球数の合計(以下、第2特定入賞払出数と示す)を特定可能なデータである。例えば、単位は「個」である。なお、大入賞口29,31は、何れも可変部材(所謂、特別電動役物)付きの入賞口である。また、大当り遊技中は、役物連続作動装置が特別電動役物を連続して作動させている期間ともいえる。副制御用CPU41aは、データ生成条件が成立すると、次に示す計算式8によって、第2特定入賞払出数データP8を算出する。
【0193】
第2特定入賞払出数データP8=(Dg5+Dg6)×第1大入賞口29の賞球数+(Dh5+Dh6)×第2大入賞口31の賞球数…(8)
連続役物比率データP9は、払出球数の合計に対する、上記第2特定入賞払出数の割合(以下、連続役物比率と示す)を特定可能なデータである。副制御用CPU41aは、データ生成条件が成立すると、次に示す計算式9aによって、連続役物比率データP9を算出する。
【0194】
連続役物比率データP9={(Dg5+Dg6)×第1大入賞口29の賞球数+(Dh5+Dh6)×第2大入賞口31の賞球数}/Db7…(9a)
なお、本実施形態のパチンコ遊技機10は、大当り遊技中でのみ、大入賞口29,31への入賞が可能となることから、第1大入賞口への入賞数データDg1〜Dg4、及び第2大入賞口への入賞数データDh1〜Dh4は、何れも0になる。したがって、副制御用CPU41aは、データ生成条件が成立すると、次に示す計算式9bによって、連続役物比率データP9を算出することもできる。
【0195】
連続役物比率データP9=(Dg7×第1大入賞口29の賞球数+Dh7×第2大入賞口31の賞球数)/Db7…(9b)
出玉率データP10a〜P10dは、アウト球数に対する、払出球数の割合(以下、出玉率と示す)を特定可能なデータである。単位は、例えば「%」である。副制御用CPU41aは、データ生成条件が成立すると、次に示す計算式10aによって、全体出玉率データP10aを算出する。
【0196】
全体出玉率データP10a=Db7/Da7×100…(10a)
また、副制御用CPU41aは、データ生成条件が成立すると、次に示す計算式10b〜10dによって、遊技状態別の出玉率データP10b〜P10dを算出してもよい。
【0197】
以下に示す計算式10bは、低確低ベース状態における第1出玉率データP10bの算出に用いられる。
第1出玉率データP10b=Db1/Da1×100…(10b)
以下に示す計算式10cは、高ベース状態における第2出玉率データP10cの算出に用いられる。
【0198】
第2出玉率データP10c=(Db3+Db4)/(Da3+Da4)×100…(10c)
以下に示す計算式10dは、高確率状態における第3出玉率データP10dの算出に用いられる。
【0199】
第3出玉率データP10d=(Db2+Db4)/(Da2+Da4)×100…(10d)
ゲーム数率データP11a〜P11dは、アウト球数に対する、特別ゲームの開始回数の割合(以下、ゲーム数率と示す)を特定可能なデータである。例えば、単位は「%」である。副制御用CPU41aは、データ生成条件が成立すると、次に示す計算式11aによって、全体ゲーム数率データP11aを算出する。
【0200】
全体ゲーム数率データP11a=(Dj7+Dk7)/Da7×100…(11a)
また、副制御用CPU41aは、データ生成条件が成立すると、次に示す計算式11b〜11dによって、遊技状態別のゲーム数率データP11b〜P11dを算出してもよい。
【0201】
以下に示す計算式11bは、低確低ベース状態における第1ゲーム数率データP11bの算出に用いられる。
第1ゲーム数率データP11b=(Dj1+Dk1)/Da1×100…(11b)
以下に示す計算式11cは、高ベース状態における第2ゲーム数率データP11cの算出に用いられる。
【0202】
第2ゲーム数率データP11c=(Dj3+Dj4+Dk3+Dk4)/(Da3+Da4)×100…(11c)
以下に示す計算式11dは、高確率状態における第3ゲーム数率データP11dの算出に用いられる。
【0203】
第3ゲーム数率データP11d=(Dj2+Dj4+Dk2+Dk4)/(Da2+Da4)×100…(11d)
以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、副制御用CPU41aが第1〜第9通過指定コマンド(第1コマンド及び第3コマンド)に基づいて、遊技データ(遊技機の稼働状態に関する情報)を生成することで、遊技データを生成する情報生成手段としての機能が実現される。また、本実施形態では、副制御用CPU41aが特別開始コマンド、V入賞指定コマンド、賞球数指定コマンド、及び保留数コマンド(第2コマンド)に基づいて演出を実行させ、第4,第5通過指定コマンド(第3コマンド)に基づいて演出を実行させることで、演出を実行させる演出制御手段としての機能が実現される。
【0204】
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10は、上述のように生成された遊技データDa〜Du,P1〜P11の全部、又は任意に選択された一部の遊技データを、演出表示装置25において表示可能に構成されている。
【0205】
詳しく説明すると、副制御用CPU41aは、予め定めた表示開始条件が成立すると、遊技データDa〜Du,P1〜P11の全部、又は任意に選択された一部の遊技データを表示するように、演出表示装置25を制御する。例えば、表示開始条件としては、副制御基板41が電源投入に伴って起動したことであってもよく、演出ボタン18が操作されたことであってもよく、遊技データDa〜Du,P1〜P11の一部又は全部が更新されたことであってもよい。また、表示開始条件としては、大当り遊技、又は特別ゲームが終了してから、新たに特別ゲームが実行されることなく所定時間が経過したことであってもよい。
【0206】
副制御用CPU41aは、予め定めた表示終了条件が成立すると、表示中である遊技データを非表示とするように、演出表示装置25を制御する。表示終了条件としては、遊技データの表示開始から所定時間が経過したことであってもよく、演出ボタン18が操作されたことであってもよく、新たに特別ゲームが開始されたことであってもよく、演出表示装置25において所定の演出(例えば、リーチ演出)が開始されることであってもよい。なお、遊技データは、表示開始条件が成立してから表示終了条件が成立する迄の間、連続的に表示されてもよいし、間欠的に表示されてもよい。
【0207】
副制御用CPU41aは、所定の遊技データの数値と予め定めた閾値とを比較し、その比較結果に応じて、所定の遊技データの表示態様を通常表示態様から特別表示態様に切り替えるように構成されていてもよい。例えば、通常表示態様は、第1色で常時表示させる態様であり、特別表示態様は、第1色とは異なる第2色で表示させたり、点滅表示させたりする態様である。例えば、副制御用CPU41aは、役物比率データP7が閾値としての0.7を超えていない場合には、役物比率データP7を通常表示態様にて表示させる一方で、超えているときには、役物比率データP7を特別表示態様にて表示させる。
【0208】
以上のように、本実施形態では、副制御用CPU41aが演出表示装置25に遊技データを表示させる制御を行うことで、パチンコ遊技機10の稼働状態に関する情報を演出表示装置25に表示させる表示制御手段としての機能が実現される。
【0209】
したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10は、次の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、第1〜第3,第6〜第9通過指定コマンドといった第1コマンドは、遊技球がセンサSE1,SE2,SE5〜SE9(特定の検知手段)において検知されることにより出力される。その一方で、V入賞指定コマンド等の第2コマンドは、遊技球がセンサSE5等(特定の検知手段)において検知されるだけでなく、予め定めた特定条件が成立しているときに出力される。したがって、本実施形態では、第1〜第3,第6〜第9通過指定コマンド(第1コマンド)を用いることで、パチンコ遊技機10の稼働状態に関する情報を生成し易い。
【0210】
(2)同様に、第4,第5通過指定コマンドは、遊技球がセンサSE3,SE4(特定の検知手段)において検知されることにより出力される。その一方で、賞球数指定コマンド(第2コマンド)は、遊技球がセンサSE3,SE4(特定の検知手段)において検知されるだけでなく、予め定めた特定条件が成立しているときに出力される。したがって、本実施形態では、第4,第5通過指定コマンドを用いることで、パチンコ遊技機10の稼働状態に関する情報を生成し易い。
【0211】
(3)本実施形態によれば、第1〜第9通過指定コマンドを用いて、遊技データを適切に生成できるだけでなく、賞球数指定コマンドやV入賞指定コマンド等を用いて、センサSE1〜SE5等による遊技球の検知と予め定めた特定条件とに関連付けて、所定の演出を行わせ、遊技者の興趣を向上できる。
【0212】
(4)本実施形態によれば、第4,第5通過指定コマンド(第3コマンド)については、遊技データ(遊技機の稼働状態に関する情報)を生成するために必要な情報、及び演出を実行するために必要な情報の両方を特定可能なコマンドとして兼用できるため、無駄にコマンドの種類が増えてしまうことを抑制できる。
【0213】
(5)本実施形態によれば、第1種コマンドに含まれる複数の通過指定コマンド(特定コマンド)は、1回の割り込み処理において出力バッファに設定されることから、第1種コマンドの入力タイミングがずれてしまうことで、情報が不足し、遊技データ(遊技機の稼働状態に関する情報)が適切に生成できなくなることを抑制できる。
【0214】
(6)本実施形態によれば、特別入賞センサSE3,SE4による遊技球の検知と予め定めた特定条件の成立とに基づいた演出を実行させつつも、第1〜第9通過指定コマンド(第1,第3コマンド)に基づいて遊技データ(遊技機の稼働状態に関する情報)を生成できる。したがって、遊技性に関する検証作業を行い易くできる。
【0215】
(7)本実施形態によれば、遊技データ(遊技機の稼働状態に関する情報)が表示されることから、遊技性に関する検証作業を行い易くできる。
(8)本実施形態によれば、所定の遊技データの数値と予め定めた閾値とを比較し、その比較結果に応じて、所定の遊技データの表示態様を通常表示態様から特別表示態様に切り替える。これにより、閾値を遊技性の変更が必要となる値としておくことで、遊技データの表示態様により再検討が必要となる遊技データ(指標値)を容易に把握することができるようになる。
【0216】
(9)本実施形態では、遊技データをパチンコ遊技機10の演出表示装置25にて表示することにより、遊技性の検証をパチンコ遊技機10単体で行うことが可能となる。例えば、試射時の遊技データを簡単に確認することができるため、パチンコ遊技機10の遊技性に対する素早い対応が可能となる。また、パチンコ遊技機10で実際に遊技(試打ち)を行い実行される演出を体感しながら、遊技性検証を行うことができるため、例えば、特別保留数=3の保留消化割合から変動効率を上げるために、特別保留数=4の状態での所定の演出(リーチ演出等)の発展率を下げても良いのではないかといった遊技性に関する具体的な修正案の提示も可能となる。
【0217】
(10)本実施形態では、コマンド設定処理を実行することによって、センサSE1〜SE9において遊技球が検知されるごとに、特定条件を付すことなく、通過指定コマンドが出力される。例えば、第1始動入賞口26への入賞数データDdは、第1特別開始コマンドの入力回数を計数することでも生成できると考えられる。しかしながら、第1特別開始コマンドは、第1始動センサSE1において遊技球が検知されたときの第1特別保留数が上限数に達しているか否かに応じて、出力される場合と出力されない場合とが生じ得る。即ち、コマンドの出力条件に特定条件を含むことに起因して、正確に遊技データを生成できない虞がある。本実施形態では、そのような特定条件を付すことなく、各通過指定コマンドを出力できることから、正確な遊技データを生成できる。
【0218】
例えば、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・パチンコ遊技機10は、演出として先読み演出(事前演出)を実行可能に構成されていてもよい。詳しく説明すると、特別図柄入力処理において、主制御用CPU40aは、第1始動センサSE1にて遊技球が検知された場合であって、且つ第1特別保留数が上限数に達していない特定条件が成立しているときに、取得した乱数に応じた先読みコマンドを出力バッファに設定する。例えば、先読みコマンドは、取得した乱数を用いた大当り抽選に当選するか否か、乱数を用いて決定される大当り図柄、及び乱数を用いて決定される変動パターンのうち少なくとも1つを特定可能な1又は複数のコマンドであるとよい。そして、副制御用CPU41aは、先読みコマンドを入力すると、該先読みコマンドに対応する乱数を用いた特別ゲームが開始される迄の間に、先読み演出を実行させる。例えば、先読み演出は、保留中の特別ゲームを示す保留画像を特定の保留画像に変化させる保留変化演出であってもよく、演出表示装置25に表示する背景画像を特定の背景画像に変化させる先読み背景演出であってもよい。第2始動センサSE2にて遊技球が検知された場合についても、同様に変更してもよい。本変更例において、先読みコマンドは、第2コマンドに相当する。
【0219】
・副制御用CPU41aは、普通開始コマンドを入力すると、演出表示装置25を制御し、普通当り抽選に当選している期待度を報知する普通報知演出を実行させてもよい。本変更例において、普通開始コマンドは、ゲートセンサSE7(特定の検知手段)において遊技球が検知され、且つ普通ゲームの開始条件が成立しているという、特定条件が成立しているときに出力条件が成立する第2コマンドに相当する。
【0220】
・副制御用CPU41aは、予め定めた初期化条件が成立すると、第1種遊技データDa〜Du、及び第2種遊技データP1〜P11のうち一部の遊技データを初期化(リセット)してもよく、全部の遊技データを初期化してもよい。例えば、初期化条件は、演出ボタン18が特定態様(例えば長押し)により操作されたことであってもよく、演出ボタン18とは別の初期化操作手段としてのリセットボタンを操作しながら電源投入されたことであってもよい。この場合、リセットボタンは、遊技盤20の裏側に設けるとよい。
【0221】
・アウト球センサSE9は、アウト口35に入球した遊技球のみを検知するセンサであってもよい。この場合、遊技データのうちアウト球数データDaは、センサSE1〜SE4,SE8,SE9における遊技球の検知回数の合計として算出するとよい。即ち、アウト球数データDaは、第1〜第5,第9通過指定コマンドの入力回数となる。
【0222】
・アウト球センサSE9は、入賞口26,27,29,31,34のそれぞれに繋がる通路に、それぞれ設けられた複数のセンサから構成されていてもよい。
・パチンコ遊技機10は、遊技データDa〜Du,P1〜P11を表示するための専用の表示装置を備えていてもよい。
【0223】
・パチンコ遊技機10は、遊技データDa〜Du,P1〜P11を特定可能な信号を出力するための外部端子を備えていてもよい。副制御用CPU41aは、生成した遊技データDa〜Du,P1〜P11を特定可能な信号を上記外部端子から出力するための処理を行う。本変更例によれば、外部機器を外部端子に接続することで、遊技データDa〜Du,P1〜P11を外部機器にて取得することができる。
【0224】
・副制御基板41において生成する遊技データの種類を変更してもよい。例えば、副制御基板41において生成する遊技データには、入賞口26,27,29,31,34ごとに定めた払出個数を特定可能な数値データがあってもよく、演出ボタン18等の所定の操作部材の操作回数を特定可能な数値データがあってもよい。
【0225】
・副制御用CPU41aは、普通ゲームの開始回数データDlを用いて第2種遊技データを生成してもよい。例えば、副制御用CPU41aは、単位遊技時間あたりの普通ゲームの開始回数データDlを特定可能なデータを生成してもよい。
【0226】
・主制御用CPU40aは、センサSE1〜SE9とは別のセンサにより遊技球が検知されたことを条件として、所定の通過指定コマンド(第3コマンド)を出力バッファに設定してもよい。即ち、特定の検知手段と所定の検知手段とは、上記実施形態のように兼用されていてもよく、異なるセンサであってもよい。
【0227】
・主制御用CPU40aは、第1種コマンド及び第2種コマンドとは異なるコマンドを出力バッファに設定してもよい。例えば、主制御用CPU40aは、第1特別保留数及び第2特別保留数が何れも0である状態において、大当り遊技又は特別ゲームの終了から所定期間にわたって始動センサSE1,SE2から検知信号を入力しない場合に、デモンストレーション演出の実行を指示するコマンドを出力バッファに設定してもよい。
【0228】
・第1種コマンドには、上述した第1コマンド及び第3コマンドとは異なるコマンドが含まれていてもよい。また、第2種コマンドには、上述した第2コマンドとは異なるコマンドが含まれていてもよい。
【0229】
・副制御用CPU41aは、ゲート通過数データDiを用いて第2種遊技データを生成してもよい。例えば、副制御用CPU41aは、単位遊技時間あたりのゲート33への遊技球の通過数を特定可能なデータを生成してもよい。
【0230】
・総数報知演出は、入賞口26,27,29,31,34への入球を契機として払い出された全ての賞球の総数を報知する演出であってもよい。
・主制御基板40は、上述した遊技データを生成してもよい。
【0231】
・第1〜第9通過指定コマンドは、1つのコマンド設定処理において出力バッファに設定されなくてもよい。例えば、2以上のコマンド設定処理によって、第1〜第9通過指定コマンドを出力バッファに設定してもよい。
【0232】
・副制御用CPU41aが生成する遊技データの種類に応じて、遊技データの生成に用いない通過指定コマンドについては、コマンド設定処理において出力バッファに設定しないようにしてもよい。
【0233】
・副制御用CPU41aは、第1コマンドを入力すると演出表示装置25を制御し、所定の演出を実行してもよい。即ち、第1コマンドは、演出を実行するために必要な情報を特定可能であってもよい。例えば、副制御用CPU41aは、第1通過指定コマンドを入力するごとに、第1始動入賞口26への入賞発生を報知する入賞発生演出を実行するように、演出表示装置25を制御してもよい。
【0234】
・副制御用CPU41aは、第2コマンドに基づいて遊技データを生成してもよい。即ち、第2コマンドは、遊技データ(遊技機の稼働状態に関する情報)を生成するための情報を特定可能であってもよい。例えば、上記実施形態において、特別開始コマンド、保留数コマンド、図柄コマンド、及び普通開始コマンドは、遊技データの生成に用いられていることから、遊技データを生成するための情報を特定可能であるといえる。
【0235】
・V入賞の発生を条件に付与する特典は、高確率状態とは異なる利益であってもよい。例えば、特典は、高ベース状態であってもよい。例えば、小当り抽選を搭載する場合において、小当り遊技中にV入賞が発生したときに、主制御用CPU40aが付与する特典は、大当り遊技であってもよい。
【0236】
・入賞口ごとの賞球数は適宜変更してもよい。
・副制御用CPU41aが実行させる各種の演出は、装飾ランプ16による発光演出、及びスピーカ17による音声演出を含んで構成されていてもよい。
【0237】
・特別ゲームは、演出表示装置25にて表示してもよい。この場合、演出ゲームを表示しないようにしてもよい。
・第1特別ゲームと第2特別ゲームとは、保留順に実行してもよく、交互に実行してもよく、同時に並行して実行してもよい。また、第2特別ゲームを省略してもよい。
【0238】
・主制御基板40の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。主制御基板40は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
・主制御用CPU40a、主制御用ROM40b、及び主制御用RAM40cは、ワンチップマイクロコンピュータとして構成されていてもよい。
【0239】
・副制御基板41の機能は、複数の基板に分割して実現されていてもよい。例えば、パチンコ遊技機10は、演出表示装置25を専門に制御する表示基板、装飾ランプ16を専門に制御するランプ基板、及びスピーカ17を専門に制御する音声基板を備えていてもよく、これらの基板群を統括的に制御する統括基板をさらに備えていてもよい。また、副制御用CPU41aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0240】
・遊技機としてのスロットマシンに適用してもよい。この場合、スロットマシンは、遊技媒体としてメダルが用いられる。また、スロットマシンは、投入口から投入されたメダルを検知するメダルセンサを検知手段として備える。そして、主制御基板40の主制御用CPU40aは、メダルセンサにてメダルが検知されると、通過指定コマンド(第1コマンド)を出力バッファに設定する。また、主制御用CPU40aは、メダルの受け付けが可能な状態において、メダルセンサにてメダルが検知された場合であって、且つベット数が上限数に達していない特定条件が成立しているときには、所定の音声(メダル投入音)の出力を指示する投入コマンド(第2コマンド)を出力バッファに設定する。
【0241】
また、主制御用CPU40aは、所定数のメダルがベットされた状態において、操作レバーの操作を受け付けると役抽選を行い、リールの回転を開始させる。主制御用CPU40aは、ストップボタンの操作を受け付けると、役抽選の結果とストップボタンの操作タイミングとに応じてリールを停止させ、図柄の組み合わせ(表示結果)を導出させる。主制御用CPU40aは、有効ライン上に停止された図柄の組み合わせが、賞を付与するものとして予め定めた図柄の組み合わせである場合には、該図柄の組み合わせに定めた賞を遊技者に付与する。例えば、賞は、再遊技(リプレイ遊技)、メダルの払い出し、ボーナス遊技の付与、及びART状態の付与などである。
【0242】
例えば、副制御基板41の副制御用CPU41aは、通過指定コマンドに基づいて、メダルの投入数を特定可能な投入数データを生成するとよい。また、例えば、副制御用CPU41aは、投入コマンドを入力するとスピーカを制御し、所定の音声を出力させるとよい。
【0243】
次に示す技術的思想は、上述した実施形態から把握できる。
(イ)前記第2制御手段は、遊技機の稼働状態に関する情報を生成する情報生成手段と、演出を実行させる演出制御手段と、を備え、前記情報生成手段は、前記第1コマンド及び前記第3コマンドに基づいて、遊技機の稼働状態に関する情報を生成し、前記演出制御手段は、前記第2コマンドに基づいて演出を実行させ、前記第3コマンドに基づいて演出を実行させる。
【0244】
(ロ)表示手段を備え、前記第2制御手段は、前記情報生成手段が生成した遊技機の稼働状態に関する情報を前記表示手段に表示させる表示制御手段を備える。
(ハ)コマンドを出力する第1制御手段と、前記第1制御手段が出力するコマンドに基づいて予め定めた制御を行う第2制御手段と、遊技媒体を検知する複数の検知手段と、を備え、前記第1制御手段は、コマンドが設定されるコマンド設定手段と、前記コマンド設定手段に設定されたコマンドを出力するコマンド出力手段と、を備え、前記第1制御手段が出力するコマンドには、前記複数の検知手段と各別に対応し、且つ対応する検知手段において遊技媒体が検知されることにより出力条件が成立する複数の特定コマンドがあり、前記複数の特定コマンドのうち出力条件が成立した特定コマンドは、1回の割り込み処理において前記コマンド設定手段に設定される。