(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
関心領域(ROI)に又はその周囲における物質の堆積前、堆積中、又は堆積後の異なる時点で、検体内の前記ROIに関して取得された複数の画像を受信する入力ポートと、
第1の時点までに取得された前記複数の画像の少なくとも二以上の画像を含む部分集合の組み合わせからの第1の画像を結合するとともに、第2の時点までに取得された前記複数の画像の少なくとも二以上の画像を含む部分集合の組み合わせからの第2の画像を結合する画像結合器と、
前記第2の画像から前記第1の画像を減算し、前記第1の時点と前記第2の時点との間の前記物質の蓄積を表す差分画像を求める減算器と、
前記差分画像及び前記物質の既知のX線吸収特性に基づいて、蓄積された前記物質の量を測定するコントラスト測定ユニットと、
前記差分画像及び/又は測定された前記量の数値表示を出力する出力ポートと、を備え、
前記第1の画像及び前記第2の画像は、結合された時点まで積分された複数の過去のフレームの組み合わせであるスライディングマスク像である、画像処理システム。
前記画像処理システムが、異なる第1及び/又は第2の時点において、複数の差分画像を出力するように動作し、前記画像処理システムは、前記複数の差分画像の表示ユニットへの順次表示を実現する視覚化器をさらに備えた、請求項1又は2に記載の画像処理システム。
個々の画像の取得間の前記ROIの動きを動き補償するために、画像の前記減算の前に、前記複数の画像を位置合わせするように動作するROI集中動き補償器を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像処理システム。
前記ROI集中動き補償器が、前記ROI又は前記物質を堆積させるように動作する装置に対応したランドマークを前記画像間で識別するランドマーク識別子と協働する、請求項5に記載の画像処理システム。
前記画像結合器によって前記第1の画像又は前記第2の画像に結合される前記画像の数がユーザ調整可能であり、よって、前記物質の蓄積が表示される時間分解能を調整可能である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像処理システム。
i)前記2つの時点の間に前記検体に投与された前記物質のボリュームをii)前記差分画像ごとに、堆積された前記物質のボリュームの測定量と比較する物質堆積モニタであって、2つの前記ボリューム間の相違が閾値を超える場合に警報信号を発する、物質堆積モニタをさらに備えた、請求項1に記載の画像処理システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
当技術分野においては、物質の堆積のモニタリングを補助するため、上記欠陥の少なくとも一部に対処する別の方法及び/又は関連システムが必要と考えられる。
【0006】
本発明の目的は、独立請求項の主題により達成され、従属請求項には、別の実施形態が含まれる。本発明の下記態様についても同様に、画像処理方法、コンピュータプログラム要素、及びコンピュータ可読媒体に当てはまることに留意するものとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、
関心領域(ROI)又はその周囲における物質の堆積前、堆積中、又は堆積後の異なる時点で、検体内の前記ROIに関して取得された複数の画像を受信するように構成された入力ポートと、
i)第1の時点までに取得された前記複数の画像のうちの1つ若しくは複数の組み合わせによる第1の画像及びii)第2の時点までに取得された前記複数の画像のうちの1つ若しくは複数の組み合わせによる第2の画像を結合するように構成された画像結合器と、
第1の画像を第2の画像から減算することにより、第1の時点と第2の時点との間に蓄積された前記物質のボリュームを表す差分画像を求めるように構成された減算器であって、第2の画像及び第1の画像の少なくとも一方が、上記画像のうちの2つ以上から結合された、減算器と、
前記差分画像を出力するように構成された出力ポートと、
を備えた、画像処理システムが提供される。
【0008】
提案のシステムでは、特定のマスク像の使用がもはや不要である。提案のシステムでは、必ずしも特定のマスク像のみならず、取得画像のいずれかを使用可能である。このシステムにより、ユーザは、最新のマスク像と現在の画像との間に生じた堆積のみを視覚化可能という制約から解放される。提案のシステムによれば、ユーザは、時間間隔を任意に構成又は規定した後、過去に取得されたすべての画像からの選択に基づいて、規定した時間間隔における堆積を詳細に調査又は視覚化することができる。このシステムによれば、介入の一部又は全部の時間の関数として、物質の堆積を視覚化可能である。
【0009】
一実施形態によれば、第1の画像又は第2の画像は、第1の時点又は第2の時点までにそれぞれ取得された画像から構成された平均画像又は空間的及び/若しくは時間的にフィルタリングされた画像である。
【0010】
一実施形態によれば、このシステムは、異なる第1及び/又は第2の時点で、複数の差分画像を出力するように動作し、前記複数の差分画像の表示ユニットへの蓄積又は順次表示を実現するように構成された視覚化器をさらに備える。順次表示においては、複数の差分画像が順次表示され、前の差分画像に代わって次の差分画像が表示される。蓄積表示においては、表示されている前の差分画像に代わって次の差分画像が表示されるのではなく、重ね合わされる。すなわち、差分画像は、順次、互いに蓄積して重ね合わされる。これにより、堆積物質の形状及び動きの変化を視覚化可能である。
【0011】
一実施形態によれば、前記差分画像のうちの少なくとも2つが異なる視覚レンダリングに表示される。
【0012】
一実施形態によれば、このシステムは、画像減算の前に、複数の画像の位置合わせによって、個々の画像の取得間のROIの動きを動き補償するように動作するROI集中動き補償器を含む。
【0013】
一実施形態によれば、ROI集中動き補償器は、ROI又は流体を堆積させるように動作する装置に対応したランドマークを画像全体で識別するように構成されたランドマーク識別子と協働する。
【0014】
一実施形態によれば、第1の時点及び/又は第2の時点は、ユーザ調整可能である。
【0015】
一実施形態によれば、画像結合器によって第1の画像又は第2の画像に結合される画像の数は、ユーザ調整によって、流体の蓄積が表示される時間分解能を調整可能である。
【0016】
一実施形態によれば、このシステムは、差分画像及びX線吸収流体の所与のX線吸収特性に基づいて、蓄積された物質の量を測定するコントラスト測定ユニットを備える。
【0017】
一実施形態によれば、このシステムは、2つの時点の間での検体に投与された前記物質のボリュームを、差分画像ごとに堆積された前記物質のボリュームの測定量と比較するように構成された物質堆積モニタであって、2つのボリューム間の相違が閾値を超える場合に警報信号を発するように構成された、物質堆積モニタをさらに備える。
【0018】
言い換えると、一実施形態において、このシステムでは、ROIに堆積された物質の量の画像内ベースの決定を行うことができる。これは、肝動脈塞栓(TAE)術において、対象組織の堆積物質の量を推定するのに有用である。この推定量の使用により、臨床転帰の予測又は注入物質の一部が他の部分に堆積したか否かの確認を行う場合がある。
【0019】
要するに、本明細書の一実施形態において提案しているのは、2DのX線撮像及び先進的なサブトラクション法を用いて、特定のエリア領域に堆積した塞栓物質の量を推定することである。提案のシステムの使用により、カテーテルを離れる物質又は特定の(分岐)血管を流れる物質の流量を推定することができる。測定の結果は、視覚化及び/又は音声キューへの変換(必要に応じて、実時間で一方又は両方)によって、手術中のユーザを補助することも可能であるし、報告/臨床研究に使用することも可能である。
【0020】
提案のシステムの利点として、手術の大幅な遅れの原因及び/又は実時間で実現できない原因となり得るカテーテル又は(コーンビーム)CTの測定等の異なる技術/処置を用いる必要なく、ユーザに定量的な注入情報が提供される。
【0021】
画像に基づくコントラスト測定についても、
関心領域(ROI)に又はその周囲における物質の堆積前、堆積中、又は堆積後の異なる時点で、検体内の前記ROIに関して取得された複数の投影画像を受信するように構成された入力ポートと、
上記画像のうちの1つ又は複数にそれぞれ基づく第2の画像を第1の画像(MI)から減算することにより、第1の時点と第2の時点との間に蓄積された前記物質のボリュームを表す差分画像を求めるように構成された減算器と、
差分画像及びX線吸収物質の所与のX線吸収特性に基づいて、蓄積された物質の量を測定するコントラスト測定ユニットと、
測定量の数値表示を出力するように構成された出力ポートと、
を備えた、画像処理システムである本発明の第2の態様に従う。
【0022】
このシステムは、塞栓物質を参照して説明したが、比較的高い粘度及び十分なX線不透過性を有するとともに、堆積後の比較的遅い動き及び比較的長い滞留時間を示す任意の物質の堆積のモニタリングにて良好に用いられる。特に、(塞栓物質等の)物質は、血管造影法において通例用いられる造影剤(「色素」)と異なり、本明細書においては、造影剤よりも高い粘度を有するとともに、造影剤よりもゆっくりと移動又は形状変化するものと考えられる。造影剤は本質的に、(本明細書で考える物質と異なり)血液中に懸濁しており、造影剤ボーラスの動きが血流によって決まるためである。
【0023】
以下の図面を参照して、本発明の例示的な実施形態を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1を参照して、介入処置の補助に使用可能な蛍光透視法又は血管造影法の撮像構成の基本的な構成要素を示す。
【0026】
このような処置の一例は、経カテーテル的動脈化学塞栓療法(TACE)である。例えば、肝腫瘍を治療するため、カテーテルOBを患者に導入し、一般的には、腫瘍の主なフィーダであることが分かっている対象血管(固有肝動脈など)まで前進させる。カテーテルOBの先端から、塞栓物質のボリューム又は塊(以下、「糊のブロブ」、「塞栓」、又は単に「ブロブ」と称する)を送り出して、血管を閉塞するとともに、塞栓物質に混合剤として含まれる化学療法薬を局所的に投与する。堆積が起こる関心領域ROIは、例えばAVM(動静脈奇形)、動静脈瘻(AVF)、又は血管腫の治療を患者が要するために閉塞する必要がある上記肝動脈又は血管のシャントの一部である。液体塞栓物質の例は、Onyx(登録商標)(糊状の物質)、アルコール、又はn−ブチルシアノアクリレート(NBCA)である。塞栓の投与は、ROI近傍の前記カテーテルの開口先端を介した塞栓物質のボリュームの解放によって、時点t
0に始まる。その後、塞栓は、対象位置(通例、動脈系を静脈系につなげるシャント)に詰まるまで血流内に広まることにより、血管を閉塞する。塞栓の堆積中は、塞栓が徐々に積み上がり、前記堆積の少なくとも一部において、X線撮像装置100により、一連の連続した蛍光透視像Fが取得される。塞栓法の別の例は、腫瘍の治療である。
【0027】
介入時、患者SPは、X線撮像装置100のX線管XTと検出器Dとの間のベッドBに横たわる。X線管XT及び検出器Dは、軸受Bに回転可能に搭載された剛性フレームCに取り付けられている。蛍光透視像の操作は、コンピュータコンソールCCから制御される。介入放射線技師は、前記コンソールCCを介して画像取得を制御可能であるとともに、ジョイスティック又はペダルの作動によって、一連の個々の蛍光透視フレーム(「フルオロ」)Fを「撮影」可能である。一実施形態によれば、撮像装置100は、Cアーム型であるが、他のシステムも考えられる。
【0028】
画像取得中は、X線照射がX線管XTから生じて、ROIを通過し、内部の物質との相互作用によって減衰する。その後、このように減衰したビームpは、検出器Dを構成する複数の検出器セルのうちの1つで検出器Dの表面に衝突する。ビームが衝突した各セルは、対応する電気信号の発生によって応答する。そして、このような信号の集合が変換されて、前記減衰を表す各デジタル値となる。ROIを構成する物質の密度によって減衰のレベルが決まるが、高密度の物質では、低密度の物質よりも大きな減衰となる。その後、各X線pについてこのように位置合わせされたデジタル値は、所与の取得時間及び投影方向についてフルオロフレームを構成するデジタル値のアレイに集約される。言い換えると、各フルオロは、投影方向に沿った投影視のデジタル画像であり、前記方向は、所与の取得時間又は時点におけるCアームの回転によって決まる。そして、一連のフルオロFがデータ取得ユニットDASによってデジタル的に処理された後、画像プロセッサIPSに転送されるが、これの目的及び動作については、以下により詳しく説明する。一実施形態において、検出器Dは、画像をスクリーンMに直接投影して実時間観測を行う画像増強管の構成要素である。
【0029】
蛍光透視フレームストリームFには、特に、ROIに何らかの塞栓物質が存在する間に取得されたフレームを含む。
【0030】
以下により詳しく説明する通り、フレームは、サブトラクション法での処理によって、塞栓に関する情報が集まる。このため、システムは、X線撮像装置により供給された蛍光透視像ストリームに作用するように構成された画像プロセッサIPSをさらに備える。差し込み
図1Aは、本明細書に提案の画像処理システムIPSの詳細を示している。
【0031】
撮像システムIPSは、蛍光透視フレームを受信する入力ポートINを含む。画像処理システムIPSは、画像結合器MIF、ランドマーク識別子LIと協働するROI集中動き補償器MCI、及びフレームを処理する減算器DIFFをさらに含む。その後、処理されたフレームは、ポートOUTに出力画像として出力される。そして、出力画像は、視覚化器への受け渡しにより、モニタ又はスクリーンMT等の表示ユニットへのグラフィック表示GDの視覚化を実現する。一実施形態によれば、コントラスト測定ユニットCMU及び物質堆積モニタFDMが存在する。
【0032】
本明細書に提案のIPSシステムは、塞栓法に関する情報の供給に役立つ。一実施形態においては、関心領域ROIにおける塞栓物質の堆積が視覚化される。前記視覚化の代替又は追加として、一実施形態においては、コントラスト測定ユニットCMUが受信蛍光透視像に基づいて、ユーザが規定可能な期間内に堆積した塞栓物質の量(例えば、ボリューム)を計算するように構成されている。そして、これを用いることにより、前記ボリュームをROIで実際に投与されたボリュームと比較して、塞栓物質の一部が誤ってROIの外側に堆積される逆流事象等の望ましくない影響があるか否かを立証することができる。堆積モニタFDMは、適当な視覚的及び/又は音響的警報信号を発することによって、この事実をユーザに注意喚起する。
【0033】
画像処理システムの動作は、概ね以下の通りである。実時間モードにおいて、受信蛍光透視フレームが適当なメモリにバッファリングされる。そして、受信フレームの全部又は一部の相互位置合わせにより、各フレームF取得時間の間の期間に生じている可能性がある関心領域の任意の動きを補償する。一実施形態において、ROIは、塞栓物質の堆積が発生する場所及び発生が意図された場所である。これにより、動き補償は、ROIの動きのみに集中する。他の動きは考慮されない。補償は、ランドマーク識別子LIによって、一連の画像にわたる適当なランドマークを追跡することにより実現される。ランドマークは、塞栓物質の堆積ブロブの実際のフットプリントであってもよいし、例えば他の解剖学的ランドマーク又は外来のランドマークのフットプリントに関していてもよい。一実施形態によれば、使用されるランドマークは、例えば塞栓が送り出されるカテーテル先端のフットプリントである。その後、例えば円、正方形、又はランドマーク周りの他の適当な部分等、ユーザが規定可能な区域として、関心領域自体が画像に表される。そして、この画像部分は、動き補償が周りに集中する関心領域を表す。
【0034】
一連の蛍光透視像又はフレームの動き補償又は位置合わせが完了したら、画像結合器MIFは、所与の一対の時点において、第1の画像(「被減数画像」)及び第2の画像(「減数画像」)という2つの画像を形成するように動作する。簡単な一実施形態において、被減数画像又は減数画像は、現在のフレーム等の単一の指定フレームであってもよいし、ユーザが選択した特定の過去の時点におけるフレームであってもよい。一実施形態においては、被減数画像又は減数画像の少なくとも一方がすべての過去の蛍光透視像又はその部分集合から結合されて、以下により、スライディングマスク像となる。
M(t,n)=F(t−n)+F(t−n+1)+F(t−n+2)+・・・F(t) (1)
【0035】
このように結合されるフレームの数及び/又は個々のフレームは、自動的に選択されるか、又は、ユーザが選択可能である。式(1)において、tは時間指標を表し、nはマスク積分に用いられる任意の定数である。言い換えると、nは、積分される画像の数を指定している。言い換えると、スライディングマスク(1)は、時点tまで(tを含む)n個の過去のフレームの全部又は一部の組み合わせである。本明細書において、この時点tは、スライディングマスク又は被減数若しくは減数フレーム/画像の時間指標と称する。
【0036】
一実施形態によれば、結合されたスライディングマスク像(被減数像及び/又は減数像)は、時間tにおける現在のフレームを含むすべての過去のn個の連続したフレーム(又は、その一部)から形成される。また、一実施形態によれば、マスクは、一組の連続したフレーム(すなわち、時間的に隣り合って、如何なる2フレーム間にも他のフレームが存在しない)からではなく、k番目(k>2)ごとのフレーム又は不規則若しくはランダムに時間を空けたフレームの集合から形成される。
【0037】
ただし、被減数画像又は減数画像は、必ずしも現在のフレームtに関して形成されなくてもよい。特に、再生又はオフラインモード(非実時間モード)においては、ユーザが自由に任意の時点tを指定した後、画像結合器が式1によって減数画像及び/又は被減数画像を結合することにより、対応するスライディングマスクを得る。
【0038】
そして、被減数画像及び減数画像は、減算器DIFFモジュールDIFに転送され、任意の二対の被減数画像及び減数画像について、例えば以下により差分画像を形成する。
DI(t,t
i)=F(t)−M(t
i,n) (2)
DI(τ)=M(t=t2,n)−M(t=t1,n) (ただし、τ=t2−t1) (3)
【0039】
式(2)による実施形態においては、被減数フレームが時間tにおける単一(例えば、現在)のフレームである(スライディングマスクがt
i<tにおいてフレームから構築される)一方、(3)においては差分画像DIは、それぞれ式(1)により複数のフレームから結合された被減数フレームM(t=t2,n)及び減数フレームM(t=t2,n)から形成されており、各スライディングマスクは異なる指標t1、t2を有する。
【0040】
したがって、差分画像は、被減数画像及び減数画像の各時間指標対[(t1,t2)又は(t,t
i)]の関数である。当然のことながら、被減数画像及び減数画像の形成に先立って実行されるROI集中動き補償により、差分画像に記録される減衰値は、これら2つの時点(すなわち、差分画像の指標)の間に堆積した塞栓物質のみに帰される。このため、整合状態により、任意の介入背景等からのその他任意の寄与は相殺されている。また、取得時のROIの動きによって生じている可能性があるサブトラクションアーチファクトは、画像補償により説明される。
【0041】
各差分画像DIの時間指標t1、t2、ti等は、時間仕様入力インターフェースT−INにて受信される。これは、テキストベースの入力手段を含み、好ましくは、グラフィカルユーザ入力手段、タッチスクリーン入力手段、又はその他任意のユーザ入力機能を含む。
【0042】
その後、異なる時点対(t2,t1)
iに関して形成された差分画像又は複数の差分画像DIは、視覚化器VISに転送されて、モニタMTへの表示が実現される。
【0043】
各差分画像は、その時間指標t1、t2が表すように、2つの時点t2、t1における塞栓物質の蓄積を(表示の際に)表すとともに示している。複数の差分フレームが形成されている場合、これらは、
図2のフレームA〜Cで時間順に示すように、スクリーンMT上に映画又は動画モードで時間順に表示可能である。各フレームは、式(3)のように、異なる差分画像DI(τ
A)、DI(τ
B)、及びDI(τ
C)に対応する。間隔τ
A、B、Cは、ユーザの選択/規定に応じて、連続でも非連続でもよい(2つの間隔の間に時間差が存在していてもよい)し、重なっていてもよい。
【0044】
塞栓法自体は、どちらかと言えば何時間も継続し得る長くて遅れがちな処置である。提案の画像処理によれば、高速運動において簡潔に堆積又はその一部を視覚化可能である。例えば、
図2の例において、40分間続いた塞栓法は、選定した時間分解能に応じて、例えば10秒未満で表示可能である。
図2のような塞栓の動画列の時間分解能は、a)各マスクを結合するフレームの数n及び/又はb)式3及び式2によるそれぞれの時間間隔τ=t1−t2、t−tiの長さをユーザが選定することによって調整可能である。表示する各差分画像について、その時間指標の後者(例えば、t2)は、前記差分画像によって表された塞栓物質の量の「到着時間」として解釈される。ROI又はその周りにおける塞栓物質の堆積の進み方をより明確にグラフィックレンダリングするため、
図2に示す蓄積グラフィック表示GDのスクリーン上で、(差分画像ごとに符号化された)異なる寄与の視覚的に異なる符号化がなされる。言い換えると、各差分画像は、順次、互いに時間順に重ね合わされて、塞栓物質の堆積の実際の蓄積を表すとともに「模倣」する蓄積表示を形成する。既に表示されている差分画像に新たに重ね合わされた各差分画像は、塞栓物質の新規堆積「層」に対応しており、視覚的に異なる符号化がなされ、例えば、異なる色、色相、又は陰影でレンダリングされる。このように、各差分画像と関連付けられた各間隔t2−t1において新たに発生した塞栓物質のボリュームの層を各色が示す「カラーマップ」が形成される。この塞栓堆積の色、色相、或いは視覚的に符号化された「層ごとの」表示によれば、ユーザは、必要に応じて(過去に記録されたフレームの蓄積に基づいて)、任意の時間の「広い視点」を呼び出すことができる。他の実施形態において、自然な階調強度のデフォルトよりも新たに追加又は重畳された差分画像の特定の色(新たに追加された各差分画像について同じであってもよい)及び表示において簡潔に強調されるのは、前記新たに追加された各差分画像のみである。そして、新たな塞栓層はそれぞれ、デフォルトの階調に戻る前に、カラーフラッシュ又は閃光で表示される。
【0045】
様々な差分画像DIの蓄積表示の代替として、差分画像の時間順の順次表示も考えられるが、これらの差分画像は、重ね合わされるのではなく、順次、1つずつ交代で表示される。
【0046】
別の視覚化モードにおいては、(式(3)のような)第1の画像及び第2の画像に対する異なる時間分解能n及び/又は2つの異なる時点(第1の画像及び第2の画像に1つずつ)の選定によって、「トレース画像」が形成される。
【0047】
代替として、
図3に示すように、到着時間自体はオーバーレイで色分けされている。
図3のオーバーレイは、各堆積の相対的な到着時間を示しており、例えば、色相が暗いほど堆積が早く起こっており、色相が明るいほど堆積が近く、如何なる時点においても、最新のものは最も明るい色相で現れる。代替実施形態においては、色相、陰影等の他の視覚的符号化も考えられる。
【0048】
図2及び
図3の各視覚化は、ライブ映像の隣に示すことも可能であるし、ユーザの要求に応じた現在の画像の案内オーバーレイとして示すことも可能である。
【0049】
代替として、現在のフレームFtを前提とすると、ユーザは、スライダGUIウィジェット又はその他任意の入力手段T−INにより過去の時間指標(例えば、t
i)を規定することによって、式(2)による結合マスクの形成を画像形成器MIFに指示することができる。式2によってこの差分画像を視覚化する場合、時点t
iの前に堆積が示されることはない。t
i後の堆積のみが視覚化可能である。これにより、ユーザは、手術中の進展を視覚的に調べることができる。
【0050】
上記表示モードのすべてにおいては、先の段落に記載の通り、仮想タイムライン上のマウスクリック又はタッチスクリーン動作によるドラッグによって各時間間隔を規定可能な1つ又は複数の仮想スライダ(例えば、頂点の1つが互いを指す2つの三角形であるが、本明細書では、その他如何なる記号も考えられる)により、時点t1、t2、又はt
iのユーザ選択が行われる。一実施形態においては、これら間隔の選択に対する半自動の補助が存在する。ユーザが第1の間隔のみを選択した後、システムが自動的な「時間の遡り」を行って、ユーザが規定した第1の間隔と長さが同じ複数の(厳密には、デフォルト数又はユーザ調整可能な数の)連続した時間間隔を規定する。その後、イベントハンドラが複数の時間間隔(t2,t1)
iを受け渡すと、上記説明の通り、結合器MIF及び減算器DIFFによって関連するフレームの各選択が処理された後、
図2及び
図3で上記した通り、所望の表示モードで各差分画像DIが表示される。
【0051】
ここで、
図4のフローチャートを参照して、画像プロセッサIPSの動作の基本となる画像処理方法をより詳しく説明する。
【0052】
ステップ405においては、(2つ以上の)蛍光透視像Fストリームを受信する。この画像取得は通常、塞栓物質の実際の堆積前に始まった後、堆積が起こる時間を網羅して、堆積の終わりに終了となる。ただし、他のシナリオも考えられ、この場合は、堆積のすべてが撮像されるのではなく、如何なる2つの画像列間にも中断を伴う異なる画像列上で撮像が行われる。一実施形態において、画像取得は、堆積の開始後にのみ始まる。ただし、各フレームは、その取得時間を示す各指標を有する。言い換えると、手術全体の撮像又は異なる画像列での撮像が行われているか否かに関わらず、個々のフレームは、その時間指標を用いて、時間順に再構成可能である。
【0053】
ステップS410においては、堆積が起こる場所又は起こった場所に関して、結合により減数画像又は被減数画像となるフレームの選択を動き補償する。ROIフットプリントに限定された剛性若しくは非剛性動き追跡技術又はオプティカルフローアルゴリズムを用いて、ROIのみを表す画像の部分に動き補償が集中される。言い換えると、前記画像部分の動きは、他の運動層における他の画像オブジェクトの動きから切り離して追従される。一実施形態において、動き補償には、ランドマーク識別又は一連の画像にわたる特定ランドマークの追従を含む。ランドマークは、実際の塞栓組織の場所であってもよいが、塞栓物質の堆積時に常駐するカテーテル先端又は他の医療器具の場所となるように設定されていてもよい。また、ROI画像部分の動きは、代理で行われるようになっていてもよい。すなわち、フレームの動きがROI画像部分の動きと決定論的関係になることが前もって分かっているフレームの全体でランドマークが追跡される。その後、適当な変換によって、ランドマークの動きをROIの動きに変換可能である。そして、追跡中に集められたROI画像部分に関する情報の使用により、相互整合による(被減数画像及び減数画像それぞれの)フレームの位置合わせを実現して、フレームに記録された通り、ROI画像部分の動きを補償する。言い換えると、位置合わせ後、フレーム中のROI画像部分は、グローバル固定座標系に対して実質的に同じ位置にある。このように、心臓、呼吸(若しくは、両者)による動き又は患者SPのその他任意の動きを排除可能である。
【0054】
ステップS420においては、上記のように位置合わせされた各フレームから、第1及び第2の画像(被減数画像及び減数画像)を形成する。減数画像は特に、この方法が実時間モードで実行される場合の単一のフレーム(例えば、現在のフレーム)となるように設定されていてもよいが、オフライン用途も考えられ、この場合、単一フレームの減数フレームは、記録されたフレームストリームからの任意所望のフレームとなるように設定可能である。被減数画像若しくは減数画像又は両者は、上記式(1)による少なくとも2つの画像の組み合わせとして形成される。言い換えると、最新の時間指標t1又はt2までの適当な取得時間に取得された複数のフレームの一部は、結合画像M(t1,n)又はM(t2,n)への分割によって、被減数画像及び/又は減数画像を形成する。この結合は、ピクセルに関する追加によるものであってもよいが、減数画像又は被減数画像当たりの適当な数のフレームの時間的若しくは空間的平均化又はフィルタリング等、フレーム結合の他の形態も考えられる。減数画像及び/又は被減数画像の形成に用いられるフレームの数及び/又は同一性は、ユーザが調整可能である。
【0055】
ステップS430においては、各第1の画像を各第2の画像から減算することによって、1つ又は複数の差分画像を形成する。そして、各差分画像は、それが形成された2つのスライディングマスクの各時点(τ=t2−t1又はτ=t−t1)(式(3))又は現在のフレームと差分画像の形成に用いられるスライディングマスクの指標との間の期間τ=t−t
i(式(2))における関心領域で蓄積した塞栓の堆積を表す。
【0056】
一実施形態においては、様々な時間分解能の選定により、スクリーンMT上の動画としての差分画像の後々の視覚化における高速運動の程度又はレベルを決定することができる。時間分解能は、各差分画像の形成に用いられる被減数画像又は減数画像の指標(t1及びt2又はt及びt
i)間の各間隔τによって決まる。
【0057】
そして、ステップS440においては、1つ又は複数の差分画像Dを出力して、さらに処理又は格納等を行う。
【0058】
ステップS450においては、モニタ又はスクリーンMT等の表示装置に出力差分画像を表示する。差分画像は、互いに重ね合わせた表示によって、堆積の時間の進み方を表す蓄積的又は順次的な動画又は映画を構成する。差分画像のそれぞれ又は一部は、色、色相等、異なる視覚レンダリングで表示される。一実施形態によれば、視覚化は、トレース画像の形成を含む。本明細書においては、
図2及び
図3で上記したすべての表示モードも考えられる。
【0059】
ステップS460においては、1つ又は複数の差分画像の画像情報を数値形態に変換して、各時点の間に堆積された塞栓物質のボリューム、質量、又は濃度を示す。これは、差分画像に表されたコントラストが塞栓物質のみに帰されるために可能である。これは、上記ROI集中動き補償の形成及び介入背景のオブジェクトの寄与の差し引きによって確実となる。塞栓物質の堆積量の演算は、ランベルト・ベールの法則に基づく。さらに、本明細書においては、取得に用いられる実際の蛍光透視システムのビーム品質及び塞栓物質のX線吸収特性というパラメータの少なくとも一方が既知であるものと仮定する。より具体的には、特定の塞栓物質のX線エネルギーの関数としてのX線線形吸収係数が既知であるものと仮定する。これは、塞栓物質の化学組成が既知であれば演算可能である。また、吸収係数は測定可能である(例えば、メリーランド州ゲイザースバーグの米国立標準技術研究所のhttp://physics.nist.gov/xaamdiからオンラインで入手可能なHubbell,J.H.及びSeltzer,S.M.(2004)による「Tables of X−Ray Mass Attenuation Coefficients and Mass Energy−Absorption Coefficients」(第1.4版、2014年10月8日)を参照)。塞栓物質の線形吸収係数が周囲の組織と実質的に異なる場合は、非常に良好な結果が得られることも分かっている。
【0060】
各差分画像における実際の画像ピクセルの強度は、前記画像ピクセルと関連付けられた検出器ピクセルに衝突するX線ビームの減衰に比例する。X線の最初のエネルギーが既知であるため、記録された減衰は、(線形吸収係数によって)対応する「塞栓内」経路長すなわち前記ピクセルに衝突する前に各X線が走行した塞栓を通る経路長に変換可能である。これにより、ピクセルごとに、高さが前記塞栓内経路長に対応するプリミティブなボリューム要素として、プリズムが規定される。上記処置は、塞栓マスクのフットプリントのピクセルごとに反復可能であり、結果(すなわち、各ピクセルそれぞれのボリュームプリズム)は、積分によって、各期間τにおける(平均)塞栓ボリュームの数値予測に達する。
【0061】
ステップS470においては、既知の流量若しくは注入速度並びに検討する差分画像の時間指標から演算された理論的予想のボリューム堆積に対して、演算した数値ボリュームを比較する。演算した画像ボリュームは、2つの時点の間に注入された塞栓物質の合計と本質的に等しくなることが予想される。ただし、偏差があり、この偏差が所定の閾値を逸脱している場合には、警報信号が発せられる。これは、塞栓物質の一部がROIの外側の箇所に不適切に堆積している危険があり、望ましくないと考えられるためである。各差分フレームの時間指標を用いる他の実施形態においては、任意の差分画像の2つの時間指標t1、t2によって、時間τに対する演算ボリュームの割合を構成することにより、流量を確立可能である。
【0062】
ステップS480においては、ステップS460又はS470による数値を出力する。一実施形態において、差分画像の適当な視覚レンダリングによって視覚的に示し得るのは、流量自体である。この追加又は代替として、ステップS480においては、堆積した塞栓物質の総ボリュームの視覚的指標を数値的に出力するか、又は、各差分画像上のカラーオーバーレイとして出力する。一実施形態においては、視覚又は聴覚信号の発生によって、ある所定の閾値に達したことを示す。
【0063】
上記の言い換え及び/又は拡張として、本明細書においては、塞栓注入中のステップS480での出力に対して、
塞栓物質の逆流を示す視覚/聴覚信号、
有意な堆積及び/又は対象エリアの外側の流れを示す視覚/聴覚信号、
様々な注入速度を示す数字又は色による測定注入速度の視覚的指標、
数値、色、或いは視覚的に符号化されたオーバーレイによる堆積塞栓物質の総量の視覚的指標、
ある所定の閾値に達したことを示す視覚/聴覚信号、
といった視覚的又は可聴キュー(及び、これらの任意の組み合わせ)を考えることにより、手術中のユーザを支援する。
【0064】
要するに、上記から了解される通り、提案のシステムIPSは、通例の「一過性」の血管造影法の造影剤に対して、(組織中に残留する)塞栓物質等の高粘度の物質の低速動力学及び固有特性により、上記データ及びROI(例えば、腫瘍発生エリア)全体での総塞栓吸収の積分から、塞栓領域の範囲を直接演算可能であるという事実を利用する。注入速度が既知である場合は、時間差も含むことによって、ROIの外側の流れを間接的にモニタリング可能である。より具体的に、このROI外の流れは、単位時間当たりの塞栓物質の注入量と同じ間隔におけるROIの観測堆積量との間の差である。注入速度自体は、制御電子装置との連動、注入機構のインターフェース、又は何らかの専用測定装置(流量計又は超音波/ドップラー装置等)から推定可能である。或いは、流れ測定アルゴリズムにより、純粋に画像ベースで推定される。流れの決定に関するこれら純粋に画像ベースのアルゴリズムは、カテーテル先端又はいくつかの主血管若しくは関心血管の3Dモデルに基づいている。また、既知の注入特性に基づいて、流れ/堆積の反復フィルタリングが用いられる。例えば、塞栓物質がすべて対象ROIに堆積されるものと本質的に仮定する。そして、質量保存の法則によって、流れを推定する。その後、推定した流れの積分によって、全堆積の推定値が得られることになるが、この手順は、何回も繰り返される。
【0065】
以上、投影X線撮像を参照して、画像処理システムIPSの動作を説明したが、この方法は、コンピュータトモグラフィ(CT)撮像等により得られる3D画像等にも等しく適用可能である。
【0066】
画像処理モジュールIPSは、フルオロストリームFへの読み込みに適したインターフェースを有するソフトウェアモジュール又はルーチンとして構成されていてもよく、また、汎用コンピュータユニット又は専用コンピュータユニット上で動作する。例えば、プロセッサIPSは、撮像システム100のワークステーション又はコンソールCC上で実行される。画像処理モジュールIPSは、その構成要素の一部又は全部と併せて、実行主体(汎用コンピュータ、ワークステーション、又はコンソール等)に常駐していてもよいし、分散アーキテクチャ中の適当な通信ネットワークを介して、実行主体の遠隔的/一元的なアクセスを受けるようになっていてもよい。
【0067】
或いは、画像処理モジュールIPSの構成要素は、専用FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又は類似の独立型チップとして構成される。これらの構成要素は、Matlab(登録商標)又はSimulink(登録商標)等の適当な科学演算プラットフォームにプログラムされた後、ライブラリに保持され、汎用コンピュータ、ワークステーション、又はコンソール等の実行主体により呼び出された場合にリンクされるC++又はCルーチンへと変換される。
【0068】
本発明の別の例示的な実施形態においては、上記実施形態のうちの1つに係る方法のステップを適当なシステム上で実行する構成を特徴とするコンピュータプログラム又はコンピュータプログラム要素が提供される。
【0069】
したがって、コンピュータプログラム要素は、コンピュータユニットに格納され、これも、本発明の一実施形態の一部である。このコンピュータユニットは、上記方法のステップを実行するように構成され、上記方法のステップの実行を含むように構成される。さらに、上記装置の構成要素を動作させるように構成される。コンピュータユニットは、自動的な動作及び/又はユーザの命令の実行を行うように構成可能である。コンピュータプログラムがデータプロセッサの作業メモリにロードされる。このため、データプロセッサは、本発明の方法を実行するように構成されている。
【0070】
本発明のこの例示的な実施形態は、最初から本発明を使用するコンピュータプログラム及び更新によって本発明を使用するプログラムへと既存のプログラムを変更するコンピュータプログラムの両者を網羅する。
【0071】
さらに、コンピュータプログラム要素は、上述の方法の例示的な一実施形態の処置を実行するのに必要なすべてのステップを提供可能である。
【0072】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、CD−ROM等のコンピュータ可読媒体であって、前項に記載したコンピュータプログラム要素が格納された、コンピュータ可読媒体が提示される。
【0073】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアの一体又は一部として供給される光記憶媒体又は固体媒体等の適当な媒体への格納及び/又は分散がなされていてもよいが、インターネット又は他の有線若しくは無線通信システム等を介して、他の形態で分散していてもよい。
【0074】
ただし、コンピュータプログラムは、ワールドワイドウェブ等のネットワーク上で提供されていてもよく、このようなネットワークから、データプロセッサの作業メモリにダウンロード可能である。本発明の別の例示的な実施形態によれば、本発明の上記実施形態のうちの1つに係る方法を実行するように構成されたコンピュータプログラム要素をダウンロードに利用可能とする媒体が提供される。
【0075】
本発明の実施形態は、様々な主題を参照して記載していることに留意する必要がある。特に、方法の請求項を参照して一部の実施形態を記載する一方、装置の請求項を参照して他の実施形態を記載している。ただし、当業者によれば、上記及び以下の説明から、別段の指定のない限り、ある種類の主題に属する特徴の任意の組み合わせのほか、異なる主題に関する特徴間の任意の組み合わせについても、本出願で開示されているものと考えられる。ただし、すべての特徴の組み合わせにより、各特徴の単純な合計を超える相乗効果がもたらされ得る。
【0076】
以上、図面及び上記説明において、本発明を詳しく図示及び記載したが、このような図示及び記載は、一例又は例示に過ぎず、限定的なものではないと考えるべきである。本発明は、開示の実施形態に限定されない。当業者であれば、図面、開示内容、及び従属請求項の検討によって、開示の実施形態の他の変形例を理解し、特許請求の範囲に係る発明の実施に際して実現可能である。
【0077】
特許請求の範囲において、単語「備える(comprising)」は、他の要素又はステップを除外するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は、複数を除外するものではない。特許請求の範囲に列挙する複数の項目の機能を単一のプロセッサ又は他のユニットが実行するようにしてもよい。相互に異なる従属請求項に特定の手段が列挙されているという事実だけでは、これら手段の組み合わせを都合良く使用できない、ということにならない。特許請求の範囲における如何なる参照記号も、その範囲を制限するものと解釈されるべきではない。