(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6843054
(24)【登録日】2021年2月25日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】ドッキング及び充電ステーション並びにハンドヘルド口腔清掃装置のための充填工程
(51)【国際特許分類】
A61C 17/02 20060101AFI20210308BHJP
【FI】
A61C17/02 J
A61C17/02 B
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-539256(P2017-539256)
(86)(22)【出願日】2015年12月18日
(65)【公表番号】特表2018-504217(P2018-504217A)
(43)【公表日】2018年2月15日
(86)【国際出願番号】IB2015059757
(87)【国際公開番号】WO2016124997
(87)【国際公開日】20160811
【審査請求日】2018年10月10日
(31)【優先権主張番号】62/112,211
(32)【優先日】2015年2月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンスキ ブリアン
(72)【発明者】
【氏名】マクファディン ルイス
【審査官】
今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】
特表2008−501413(JP,A)
【文献】
特開平04−306452(JP,A)
【文献】
米国特許第05769324(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 1/00−19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯の清掃のための液体を保持するチャンバと、ノズルと、前記チャンバの前記液体から前記ノズルを通じて液滴スプレーを放出するために駆動されるモータと、前記モータを給電するためのバッテリとを持つハンドヘルド流体液滴機器と、
前記ハンドヘルド流体液滴機器を受け、充電し、液体を充填するためのドッキング及び充電ステーションとを備える、口腔洗浄装置であって、
前記ハンドヘルド流体液滴機器の前記チャンバは、液体を輸送するための第1のメス型充填ポートと、液体及び空気出口インタフェースを形成している第2のメス型ポートとを前記チャンバの側面のドア上に持ち、前記第2のメス型ポートはシュノーケルシステムと接続され、前記シュノーケルシステムの上端が前記チャンバの上部に配置され、
前記ドッキング及び充電ステーションは、
ポンプを持つベースと、
前記ベース上に、液体を保持するための容器と、
前記ベース上に、前記ハンドヘルド流体液滴機器を保持するためのクレードルと、
前記ハンドヘルド流体液滴機器を係合するよう位置合わせするためのドッキング再充填位置合わせ機構と、
を有し、
前記容器は、液体を輸送するための第1のオス型充填ポートと、液体及び空気出口インタフェースを形成している第2のオス型ポートと、を持ち、前記第1のオス型充填ポート及び前記第2のオス型ポートは、前記ハンドヘルド流体液滴機器において前記第1のメス型充填ポート及び前記第2のメス型ポートとそれぞれ係合するように構成され、前記ハンドヘルド流体液滴機器が前記ドッキング及び充電ステーションの前記クレードル内に保持されるように、前記ドッキング再充填位置合わせ機構により、前記第1のオス型充填ポート及び前記第2のオス型ポートと前記第1のメス型充填ポート及び前記第2のメス型ポートとが適切に位置合わせされて、係合された場合に、前記クレードル内に配置された前記ハンドヘルド流体液滴機器が前記容器に流体接続されることを可能にし、液体が前記ポンプにより前記容器から前記第1のオス型充填ポート及び前記第1のメス型充填ポートを通じて前記ハンドヘルド流体液滴機器の前記チャンバ内に送り出されるとともに、前記シュノーケルシステムによって空気及び過剰な液体が前記チャンバから前記第2のメス型ポート及び前記第2のオス型ポートを通じて前記容器へ出ていく、口腔洗浄装置。
【請求項2】
前記ドッキング及び充電ステーションは、前記第1のオス型充填ポート及び前記第2のオス型ポートと前記第1のメス型充填ポート及び前記第2のメス型ポートとが適切に位置合わせされて係合された場合に前記ハンドヘルド流体液滴機器の前記バッテリを充電するための充電機構を前記ベース内に有する、請求項1記載の口腔洗浄装置。
【請求項3】
前記第1のオス型充填ポート及び前記第2のオス型ポートは、柔軟なラバーシーリング機構によって囲まれている、請求項1記載の口腔洗浄装置。
【請求項4】
前記容器内の前記液体が、水、洗口液、又は、抗菌性流体のうちの少なくとも1つである、請求項1記載の口腔洗浄装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の口腔洗浄装置に使用される、ドッキング及び充電ステーション。
【請求項6】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の口腔洗浄装置を使用する方法であって、前記方法は、
前記ハンドヘルド流体液滴機器を前記ドッキング及び充電ステーションの前記クレードルの中に配置するステップと、
前記ドッキング及び充電ステーションの前記容器の前記第1のオス型充填ポート及び前記第2のオス型ポートを前記ハンドヘルド流体液滴機器の前記チャンバの側面のドア上の前記第1のメス型充填ポート及び前記第2のメス型ポートのそれぞれと位置合わせするステップと、
前記ドッキング及び充電ステーションの前記容器の前記第1のオス型充填ポート及び前記第2のオス型ポートが前記第1のメス型充填ポート及び第2のメス型ポートそれぞれに係合するように、前記クレードルを押すステップと、
前記第1のオス型充填ポート及び前記第1のメス型充填ポートを通じて前記ハンドヘルド流体液滴機器の前記チャンバ内へ前記ドッキング及び充電ステーション上の前記容器から液体を送り出すステップと、
前記シュノーケルシステムによって空気及び任意の過剰な液体を、前記第2のオス型ポート及び前記第2のメス型ポートを通じて前記ハンドヘルド流体液滴機器の前記チャンバから前記容器へ排出させるステップと、
を有する、方法。
【請求項7】
前記第1のオス型充填ポート及び前記第2のオス型ポートと前記第1のメス型充填ポート及び前記第2のメス型ポートとが適切に位置合わせされて係合された場合に前記ドッキング及び充電ステーションの前記ベースにおける充電機構から前記ハンドヘルド流体液滴機器におけるバッテリを充電するステップを更に有する、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記ハンドヘルド流体液滴機器における前記バッテリが完全に充電された場合に、前記充電機構が停止する、請求項7記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
オーラルヘルスケアに関し、一般的には、歯を磨くことだけが考えられる。しかしながら、歯を磨くだけでは、歯の歯間領域をきれいに清掃することはできない。従って、歯科医は、隣接歯間領域の改善された清掃のためにブラッシングに加えてフロッシング又は他の機構を推奨する。
【背景技術】
【0002】
自宅で使用され得る幾つかの口腔清掃装置が市販されている。歯間領域を含む歯の領域を清掃するために液滴のスプレーを使用する口腔洗浄装置が知られている。多くのそのような機器では、液体が空気流と接触するとき、例えばポンプ又は他の装置によって、高速の気体の流れが液滴を生成するために使用される。家庭用のこのような装置の1つは、Philips Sonicare AirFloss(登録商標)フロッサー(Koninklijke Philips Electronics, N.V.製造)である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記システムが有効である一方で、ユーザによるコメントの1つは、手持ち式(ハンドヘルド)流体液滴機器の流体チャンバは、典型的には、たった数回の清掃後に、水、洗口液、又は、他の流体による間欠的な補充が必要であることである。
【0004】
従って、ハンドヘルド流体液滴機器の充電を可能にしながら、使用間に容易に追加の流体でハンドヘルド口腔洗浄装置を補充するための機構を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、ここでは、ハンドヘルド口腔清掃装置とともに使用するためのドッキング及び充電ステーションであって、ハンドヘルド装置のチャンバに保持可能な容量より大きい容量の流体を保持するための容器と、ハンドヘルド流体液滴機器がドッキング及び充電ステーション内にマウントされた場合、適切な位置合わせがない場合に容器から機器の流出、漏出、又は、再充填されないことを防止するため、適切な位置合わせ及びドッキング及び充電ステーション上の容器へのハンドヘルド流体液滴機器の固定のための機構と、を有するドッキング及び充電ステーションが開示される。また、ドッキング及び充電ステーションは、ハンドヘルド流体液滴機器がドッキング及び充電ステーション内に固定された場合にハンドヘルド流体液滴機器を再充電するための充電ベースを含む。
【0006】
一般的に、或る態様では、歯の清掃のためのハンドヘルド流体液滴機器を受け、充電し、充填するためのドッキング及び充電ステーションが供給される。ドッキング及び充電ステーションは、ポンプを持つベースと、液体を輸送するためのオス型充填ポート及び液体及び空気出口インタフェースを供給する第2のオス型ポートを持つ、液体を保持するための容器と、を含む。2つのオス型ポートが、ハンドヘルド流体液滴機器がドッキング及び充電ステーションにおけるクレードルに適切に配置された場合に、2つの各メス型ポートをハンドヘルド流体液滴機器の流体を保持するためのチャンバ内に係合するように構成される。2つの装置のオス型及びメス型ポートが適切に位置合わせされた場合、ドッキング及び充電ステーション上のドッキング再充填位置合わせ機構が、ハンドヘルド機器を保持しているクレードルが、液体が容器から結合された充填ポートを通じてハンドヘルド流体液滴機器のチャンバ内に送り出されるように、容器に接続されることを可能にするとともに、空気及び過剰な液体が、結合された液体及び空気出口インタフェースポートを通じて容器へとチャンバを出て行くことができるようにする。
【0007】
一実施形態によれば、ベースは、ハンドヘルド流体液滴機器がドッキング及び充電ステーションのクレードルにおいて適切に取付けられるとともに、ドッキング再充填位置合わせ機構が係合された場合にハンドヘルド流体液滴機器を充電するための充電機構を持つ。
【0008】
一実施形態によれば、柔軟な取付け機構が、漏出又は流出を防止するために、ドッキング及び充電ステーションのオス型ポートを囲む。
【0009】
一実施形態によれば、少なくとも1つの安全機構が、オス型及びメス型ポートが適切に位置合わせ及び係合されない場合に再充填を防止するために供給される。一実施形態によれば、少なくとも1つの安全機構は、第1のポートに結合される。
【0010】
一実施形態によれば、安全機構は、逆止弁又はマイクロスイッチのうちの1つである。
【0011】
一実施形態によれば、容器内の液体は、水、洗口液、又は、抗菌性流体のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0012】
一実施形態によれば、再充填後の使用のためにハンドヘルド流体液滴機器がドッキング及び充電ステーション
のクレードルから取り外され得るように、ドッキング再充填位置合わせ機構を外すためのリリースボタンがドッキング及び充電ステーション上に供給される。
【0013】
他の態様によれば、ドッキング及び充電ステーション上の容器からハンドヘルド流体液滴機器のチャンバを再充填するためにドッキング及び充電ステーションを使用する方法が提供される。ハンドヘルド流体液滴機器は、ドッキング及び充電ステーションの容器上の第1及び第2のオス型ポートとの位置合わせのために、当該機器のチャンバドア上の第1及び第2のメス型ポートが、クレードルにおけるスロットに挿入されるように、ドッキング及び充電ステーションのクレードル内に挿入される。ポートが適切に位置合わせされた場合、ドッキング再充填位置合わせ機構は、ドッキング及び充電ステーション上のオス型ポートがハンドヘルド流体液滴機器のチャンバドア上のメス型ポート内に接続されるように、クレードルが位置に押し込まれることを可能にし、液体が、ドッキング及び充電ステーション上の容器からハンドヘルド流体液滴機器のチャンバ内へ送り出され、その一方、ハンドヘルド流体液滴機器のチャンバからの空気及び任意の過剰な液体が、結合されたオス型及びメス型液体及び空気出口インタフェースポートを通じて容器内に排出される。
【0014】
他の態様によれば、マイクロスイッチ又は逆止弁などの安全機構が、オス型ポートとメス型ポートとが適切に位置合わせ及び係合されていない場合に動作を止めるために供給される。
【0015】
他の態様によれば、ドッキング及び充電ステーションは、ハンドヘルド流体液滴機器がクレードルに配置され、ドッキング再充填位置合わせ機構が係合された場合にハンドヘルド流体液滴機器におけるバッテリを充電可能な充電機構を含む。充電機構は、ハンドヘルド流体液滴機器におけるバッテリが完全に充電された場合に自動的に停止する。
【0016】
他の態様によれば、ハンドヘルド流体液滴機器がドッキング及び充電ステーション上の容器から再充填されている場合、リリースボタンの押下により、ドッキング再充填位置合わせ機構が外れ、ハンドヘルド流体液滴機器は、使用のため、ドッキング及び充電ステーションから取り外され得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】
図1Aは、ここで説明されるハンドヘルド流体液滴機器の図である。
【
図1B】
図1Bは、ハンドヘルド流体液滴機器のチャンバカバーの詳細図である。
【
図2A】
図2Aは、ドッキング及び充電ステーションのクレードルを通じて見られる本発明のドッキング再充填位置合わせ機構の前面図である。
【
図2B】
図2Bは、容器、リリースボタン、ドッキング再充填位置合わせ機構、及び、クレードルを示している、本発明のドッキング及び充電ステーションの上面図である。
【
図3】
図3は、再充填及び充電のためにハンドヘルド流体液滴機器がマウントされた、本発明のドッキング及び充電ステーションの側面図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明のドッキング及び充電ステーションのクレードルに挿入されたハンドヘルド流体液滴機器の上面図であるが、クレードルは、ドッキング再充填位置合わせ機構により容器の中に嵌合されていない。
【
図4B】
図4Bは、本発明のドッキング及び充電ステーションのクレードルに挿入されたハンドヘルド流体液滴機器の側面図であるが、クレードルは、ドッキング再充填位置合わせ機構により容器の中に嵌合されていない。
【
図5A】
図5Aは、本発明のドッキング及び充電ステーションのクレードルにおけるハンドヘルド流体液滴機器の上面図であり、クレードルは、再充填のためにハンドヘルド流体液滴機器がドッキング及び充電ステーションの容器に接続されるように、ドッキング再充填位置合わせ機構により適所に嵌合されている。
【
図5B】
図5Bは、本発明のドッキング及び充電ステーションのクレードルにおけるハンドヘルド流体液滴機器の切欠側面図であり、クレードルは、再充填のためにハンドヘルド流体液滴機器がドッキング及び充電ステーションの容器に接続されるように、ドッキング再充填位置合わせ機構により適所に嵌合されている。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、歯間の隙間領域を清掃するために使用される液滴のスプレーを生成する、本明細書で説明及び図示されるようなハンドヘルド流体液滴機器10のためのドッキング及び充電ステーション100に関する。
図1Aは、口腔清掃のための液滴スプレーを作るための機械系を用いるハンドヘルド流体液滴機器10を示している。当該機器は、バッテリ12によって給電されるモータ11を含む。機器の動作を制御するための制御ユニット13が、バッテリ12とモータ11との間に含まれる。動作中、ハンドヘルド流体液滴機器10は、電源ボタン20によりオン又はオフにされる。電源ボタン20は、典型的には、ハンドヘルド流体液滴機器がオンであるか、又は、充電中であることを示すために使用される点灯部分22を含む。ハンドヘルド流体液滴機器10は、機器から外側に延びる細長いノズル30を含む。当該ノズルを通じて、液滴のスプレーが、口腔の歯の領域及び他の領域に対する清掃動作のためのオリフィスを通じて方向付けられる。また、水又は他の液体のためのチャンバ40が、ハンドヘルド流体液滴機器10において存在している。チャンバ40内の液体は、空気と混合され、ノズル30内のオリフィスを通じて噴射される。チャンバ40は、チャンバのドア42を開け、容器から又は流体源(即ち、水栓)から直接液体を注ぐことにより手動で再充填されることができる。さらに、ハンドヘルド流体液滴機器10は、より大量の流体を保持するための容器110を持つ(
図2に示される)本発明のドッキング及び充電ステーション100に接続された場合、自動的に充填されることができる。
【0019】
図1Bは、ハンドヘルド流体液滴機器10におけるチャンバ40のドア42のより詳細な図を供給する。チャンバドア42は、液体インレットである第1のメス型ポート44と、ハンドヘルド流体液滴機器10が本発明のドッキング及び充電ステーション100に接続された場合にチャンバを再充填するための液体及び空気出口インタフェースである第2のメス型ポート46と、を持つように構成されている。このデュアルポート構成により、充填フローの再循環が可能となる。
【0020】
ここで開示されるように、本発明は、
図2A、
図2B、
図3、
図4A、
図4B、
図5A、及び、
図5Bに示されるように、ハンドヘルド流体液滴機器10のためのドッキング及び充電ステーション100に関する。ドッキング及び充電ステーション100は、容器110、ハンドヘルド流体液滴機器10を保持するためのクレードル160、ドッキング再充填位置合わせ機構130、リリースボタン120、2つのオス型ポート144,146を持つ排出及び充填機構、並びに、ポンプ104及び充電機構106を含んだベース102を含む。
【0021】
図2Aは、ハンドヘルド流体液滴機器を保持するためのクレードル160を示している。クレードル160は、ハンドヘルド流体液滴機器の確実な位置合わせを助けるため、ハンドヘルド流体液滴機器10が一方向においてのみ適切に挿入され得るように形作られるとともに構成される。また、
図2Aから明確に分かるように、充填インタフェース機構は、ドッキング及び充電ステーション100上の2つのオス型ポート144,146からなる。2つのオス型ポート144,146は、ハンドヘルド流体液滴機器10がドッキング及び充電ステーション100のクレードル160に適切に挿入された場合、ハンドヘルド流体液滴機器10のチャンバドア42上の2つの各メス型ポート44,46と係合する。第1のオス型ポート144は、典型的には、液体がドッキング及び充電ステーション100上の容器110から第1のメス型ポート44を通じてハンドヘルド流体液滴機器10のチャンバ40の中に流れ込むことを可能にする液体インレットインタフェースである。第2のオス型ポート146は、典型的には、チャンバドア42において第2のメス型ポート46と関連付けられる液体及び空気出口インタフェースである。第2のメス型ポート46は、第2のメス型ポート46に接続されたシュノーケルシステム80を持つ。このシュノーケルシステム80は、液体が容器110からチャンバ40の中に輸送される間にチャンバ40の上部において空気の排出を可能にする。また、液体及び空気出口インタフェースは、チャンバ40があふれそうである場合に、又は、微生物の成長を防ぐために空気を含ませた状態を維持すべくチャンバ内の流体が定期的に循環される場合に、あふれる液体のための出口を供給する。当然のことながら、本願図面に示される構成は、上部及び下部のオス型ポート144,146を示しているが、隣り合った配置のポートなど、他の構成も可能であり、チャンバドア42のメス型ポート44,46と本発明のドッキング及び充電ステーション100のオス型ポート144,146との間の位置合わせがある限り、他の構成も可能である。
【0022】
図2Bでは、水、洗口液、抗菌性の流体、又は、他の液体112を保持するための、ドッキング及び充電ステーション100の容器110が明示されている。
図3及び
図5Bに見られる、ハンドヘルド流体液滴機器10のチャンバ40の中にドッキング及び充電ステーション容器110から液体を送り出すためのポンプ104もドッキング及び充電ステーション100の一部である。ドッキング及び充電ステーションのドッキング再充填位置合わせ機構130も
図2Bに明示されており、クレードル160及びそこに含まれるハンドヘルド流体液滴機器10と容器との適切な位置合わせを確実にするために、両側においてクレードルの前面から容器機構の中に延在している。これにより、適切な充填を確実にするとともに、ポートのシール周辺での漏れを無くすため、ハンドヘルド流体液滴機器10上のメス型ポート44,46は、オス型ポート144,146(
図4B参照)と適切に位置合わせされる。オス型ポート144,146は、典型的には、Oリング又は他の装置154,156などの柔軟なラバーシーリング機構によってそれぞれ囲まれる。これは、オス型ポート144,146を通じた流体の漏出を防止するのに役立つ。
【0023】
図3は、ドッキング及び充電ステーションのクレードル160においてハンドヘルド流体液滴機器10を有する本発明のドッキング及び充電ステーション100の図である。容器110は、水、洗口液、抗菌性流体、又は、他の液体112を保持するためのより大きな入れ物であり、ドッキング及び充電ステーション100のベース102におけるポンプ104は、ドッキング及び充電ステーション容器110からポート144を通じてハンドヘルド流体液滴機器10のチャンバ40の中に液体を送り出すために用いられる。ハンドヘルド流体液滴機器10がドッキング及び充電ステーション100のクレードル160内に嵌合された場合、ドッキング及び充電ステーション容器110からの液体112は、ハンドヘルド流体液滴機器10上のチャンバ40を充填するために使用され得る。そして、再充填は、チャンバ40が満タンになった場合に停止する。ハンドヘルド流体液滴機器10がドッキング及び充電ステーション100のクレードル160内に適切に嵌合されている間(
図5A参照)、ハンドヘルド流体液滴機器10は、必要に応じて、充電機構106により再充電される。充電機構は、ハンドヘルド流体液滴機器10のベースにおける充電レセプタクルに対応するように設計されている。これにより、機器10がドッキング及び充電ステーション100のクレードル160に適切に取付けられ係合されている場合、充電機構は、ハンドヘルド流体液滴機器10のバッテリ12を充電することができる。ドッキング及び充電ステーション100の充電機構106は、ハンドヘルド流体液滴機器10のバッテリ12が完全に充電された場合に、自動的に自身を停止する。本発明の一構成では、ハンドヘルド流体液滴機器10がドッキング及び充電ステーション100のクレードル160内に所定期間嵌合されたままである場合、ドッキング及び充電ステーション100は、以前にチャンバ40が再充填されていたとしても、チャンバ及び容器内の流体の停滞するのを防ぐため、液体112を容器110からチャンバ40内に再循環させてもよい。
【0024】
図4A及び
図4Bは、本発明のドッキング及び充電ステーション100のクレードル160の中に挿入されたハンドヘルド流体液滴機器10を示している。クレードル160は、ハンドヘルド流体液滴機器10のチャンバ40のドア42上の第1及び第2のメス型ポート44,46がクレードル160の切欠部の中にスライドするようにハンドヘルド流体液滴機器が一方向にのみ挿入され得るような構成、形状、サイズである。クレードルの切欠部は、
図2Aに明示されている。
図4Aに示されるように、ハンドヘルド流体液滴機器10がクレードル160内に挿入された場合、ハンドヘルド流体液滴機器10の密閉チャンバドア42は、ハンドヘルド流体液滴機器10のチャンバドア42のメス型ポート44,46がドッキング及び充電ステーション100のオス型ポート144,146とそれぞれ位置合わせされるように配置されるよう、クレードルは、適切な深さ及び長さを有している。ハンドヘルド流体液滴機器10がドッキング及び充電ステーション100のクレードル160内に適切に挿入されない場合、又は、ハンドヘルド流体液滴機器10のチャンバドア42が完全且つ適切に閉じられていない場合、チャンバドア42のメス型ポート44,46は、それぞれ、ドッキング及び充電ステーション100のオス型ポート144,146と適切に位置合わせされない。
【0025】
図4Bは、ドッキング及び充電ステーション100のオス型ポート144,146の両方が見られるように切り出されたドッキング及び充電ステーション再充填位置合わせ機構130及びクレードル160の部分的な図である。さらに、ハンドヘルド流体液滴機器10から外側へ更に突き出るように、ハンドヘルド流体液滴機器10のチャンバドア42が誇張されている。このため、チャンバドア42のメス型ポート44,46との位置合わせが明確に見られる。ポートは、液体を輸送するために用いられるため、オス型ポート144,146は、漏出に対する追加的な保護のため、柔軟なシーリング機構154,156によりそれぞれ更にシールされている。
図4Aの上面図は、より進んだ理解のために、
図4Bの切り出された部分及び誇張無しに、典型的なハンドヘルド流体液滴機器及びドッキング機構を示している。
【0026】
チャンバドア42におけるメス型ポート44,46がクレードル160の切り出された部分に配置され、ドッキング及び充電ステーション100のオス型ポート144,146と位置合わせされるように、一旦、ハンドヘルド流体液滴機器10がクレードル160内に適切に挿入されると、ユーザは、
図4Bにおける矢印により示されるように、クレードル160の外側において単に押すことができる。この場合、
図2B及び
図4Aに示されるドッキング再充填位置合わせ機構130が、
図5Aに示されるように、閉位置へと嵌合する。これは、ハンドヘルド流体液滴機器10をドッキング及び充電ステーション容器110の充填機構との流体接続へ移行させる。これが実行されると、ドッキング及び充電ステーション100の第1のオス型ポート144が、ハンドヘルド流体液滴機器チャンバドア42の第1のメス型ポート44内に受けられ、ドッキング及び充電ステーション100の第2のオス型ポート146が、ハンドヘルド流体液滴機器10の第2のメス型ポート46内に受けられる。機器10のメス型ポート44,46がドッキング及び充電ステーション100のオス型ポート144,146と位置合わせされないように、ハンドヘルド流体液滴機器10がドッキング及び充電ステーション100のクレードル160内に適切に取付けられられていない場合、ドッキング再充填位置合わせ機構130は、閉位置へと嵌合され、再充填及び再充電動作が開始されない。これは、流体の流出又は漏出を防止するために役立つ。
【0027】
図5Bは、2つのコンポーネントが完全に位置合わせされ互いに接続されている場合の、ドッキング及び充電ステーション100の容器110に接続されたハンドヘルド流体液滴機器10の(左側)側面断面図を示している。ドッキング及び充電ステーション100の充填インタフェース機構は、本発明のドッキング及び充電ステーション100上の2つのオス型ポート144,146からなる。当該オス型ポート144,146は、ハンドヘルド流体液滴機器10の2つの各メス型ポート44,46と係合する。デュアルポート構成は、充填フローの再循環を可能にする。ポート44,144の1つのセットは、安全機構55が開いている場合に液体が第1のメス型ポート44を通じて流れることを可能にする液体インレットインタフェースである。また、メス型ポート44は、典型的には、漏れを防止するために第1のオス型ポート144の周囲にOリング又は柔軟なラバーシーリング機構154を持つ。ポート46,146の第2のセットは、液体及び空気出口インタフェースである。ここで開示されているように、ハンドヘルド流体液滴機器10がドッキング及び充電ステーション100に接続された場合にドッキング及び充電ステーション100上のより大きな容器110から効率的に再充填されるハンドヘルド流体液滴機器10上のチャンバ40のため、ドッキング及び充電ステーション100における容器110からチャンバ40の充填を可能にするため、ハンドヘルド流体液滴機器10におけるチャンバ40を排出する方法が必要である。
図5Bに示されるように、ハンドヘルド流体液滴機器10がドッキング及び充電ステーション100内に適切に接続されている場合、液体112が、ポート144及び44が接続された場合に作られる液体インレットインタフェースを通じて容器110からチャンバ40内に輸送される。安全機構55は、安全機構55が開いている場合にのみ、結合されたポート44,144を通じて液体が流れるのを可能にする。これは、流出又は漏出に対する追加的な保護として役立つ。シュノーケルシステム80がメス型ポート46に接続されている。シュノーケルシステム80の上端は、チャンバ40の上部において配置されている。これは、新たな液体がチャンバ40の下部の中に輸送されつつ、チャンバ40の上部における空気が接続されたポート46,146を通じて容器内に排出されることを可能にする。この構成は、充填動作中、ドッキング及び充電ステーション100における容器110へ、行き場をなくした空気及びあふれそうになった液体
を戻すことを可能にする。従って、ハンドヘルド流体液滴機器10のチャンバ40において流体レベルを検出するための装置は必要ない。また、上記システムは、典型的には、ドッキング及び充電ステーション容器110内のポンプ104が、不慮の漏出を防止するため、ハンドヘルド流体液滴機器10がドッキング及び充電ステーション100に適切に係合された場合にのみ動作することを確実にするために、クレードル及びドッキング再充填位置合わせ機構130に加えて、少なくとも1つの追加的な安全機構を有していてもよい。これは、典型的には、ポートを閉じるとともに、流出又は溢れを防止し、ハンドヘルド流体液滴機器10がドッキング及び充電ステーション100に適切にドッキングされた場合にのみ動作を許可する、逆止弁、マイクロスイッチ、又は、他の安全機構55である。また、ドッキング及び充電ステーションの容器からの充填を可能にするためにハンドヘルド流体液滴機器におけるチャンバをベントする方法を供給することに加えて、ベント並びに液体及び空気出口機構は、充填動作中、ドッキング及び充電ステーションにおける容器へ溢れ出る液体を戻す。従って、再充填手段を停止するため、ハンドヘルド流体液滴機器のチャンバにおける流体レベルを検出するために何の装置も必要ない。
【0028】
ハンドヘルド流体液滴機器10の再充填及び/又は再充電後に、ユーザがハンドヘルド流体液滴機器10を使用する準備ができている場合、ユーザは、ドッキング再充填位置合わせ機構130を外すために、ドッキング及び充電ステーション100の上部におけるリリースボタン120(
図4A及び
図5A参照)を単に押す。これは、容器110からクレードル160を外し、これにより、ドッキング及び充電ステーション100のオス型ポート144,146をハンドヘルド流体液滴機器10のチャンバドア42上のメス型ポート44,46から外す。次いで、ユーザは、クレードル160からハンドヘルド流体液滴機器10を手に取り、使用を開始すべく、ハンドヘルド流体液滴機器10の電源を入れる。使い終わると、ユーザは、単に、ハンドヘルド流体液滴機器10をドッキング及び充電ステーション100のクレードル160へと再挿入することができ、更なる自動的な再充填及び再充電のための閉位置に嵌合させることができる。
【0029】
本明細書で定義され使用されているすべての定義は、辞書定義、参照により組み込まれた文献の定義、及び/又は、定義された用語の通常の意味を制御すると理解されるべきである。
【0030】
本明細書および特許請求の範囲において使用される単数形は、明確に反対の指示がない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0031】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される語句"及び/又は"は、そのように結合された複数の要素の"いずれか又は両方"、すなわち、あるいくつかの場合には接続的に存在し、他の場合には分離的に存在する複数の要素を意味すると理解されるべきである。"及び/又は"と共に記載されている複数の要素は、同じ様式で、すなわち、そのように結合された複数の要素のうちの"一つ又はそれ以上"と解釈されるべきである。他の複数の要素は、任意的に、「及び/又は」節によって具体的に特定された複数の要素以外に存在してもよく、それら具体的に特定された複数の要素と関連していても関連していなくてもよい。
【0032】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される"又は"は、上述の"及び/又は"と同じ意味を有するものと理解されるべきである。例えば、あるリスト内の複数の項目を分離させた場合に、"又は"又は"及び/又は"は包括的である、すなわち、数又は複数の要素のリストのうちの少なくとも一つ(ただし一つよりも多くも含む)を含み、そして任意的に、追加的なリストにない複数の項目を含むものと解釈されるものとする。明確に反対の指示をする用語、例えば"一つのみ"又は"厳密に一つの"又は特許請求の範囲において使用される場合の"から成る"のみが、数又は複数の要素のリストのうちの厳密に1の要素を含むことを参照することができる。概して、本明細書において使用される"又は"は、例えば"のいずれか""のうちの一方""の一つのみ"又は"厳密に一つの"を伴う場合にのみ、排他的な代替手段(すなわち"一方又は他方であり、両方ではない")を示すと解釈されるものとする。
【0033】
本明細書及び特許請求の範囲に用いられるように、1つ以上の要素を含むリストを参照した際の「少なくとも1つ」との表現は、要素のリストにおける任意の1つ以上の要素から選択された少なくとも1つの要素を意味すると理解すべきであるが、要素のリストに具体的に列挙された各要素の少なくとも1つを必ずしも含むわけではなく、要素のリストにおける要素の任意の組み合わせを排除するものではない。この定義は、「少なくとも1つの」との表現が指す要素のリストの中で具体的に特定された要素以外の要素が、それが具体的に特定された要素に関係していても関連していなくても、任意選択的に存在してもよいことを可能にする。
【0034】
また、反対の意味で明確に示されなければ、2以上のステップ又は動作を含む請求項中の任意の方法において、方法のステップ又は動作の順序は、記載の方法のステップ又は動作の順序に必ずしも限定されない。
【0035】
明細書と同様に、請求項中、「有する」、「含む」、「運ぶ」、「持つ」、「包含する」、「取り込む」、「保持する」、「構成される」などの移行句は、オープンエンドである、即ち、含むが、これに限定されないものとして理解されるべきである。「〜からなる」及び「実質的に〜からなる」という移行句のみが、それぞれ、クローズド又はセミクローズド移行句であるべきである。
【0036】
本明細書では多様な実施形態が記載及び図示されたが、当業者は、本明細書に説明される機能を実行するための、並びに/又は本明細書に説明される結果及び/若しくは1つ以上の利点を得るための他の多様な手段及び/若しくは構造を容易に想像し、かかる変形例及び/又は改変例は、本明細書で説明される発明の実施形態の範囲内に含まれると見なされる。より一般的には、当業者は、本明細書に説明される全てのパラメータ、寸法、材料、及び構成の全ては例であり、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、本発明の教示が使用される具体的な用途に依存することを容易に理解するであろう。当業者は、通常の実験より多くを要することなく、本明細書に説明される本発明の具体的な実施形態の多数の均等物を認識又は確認することができるであろう。よって、上記の実施形態はあくまで例として提示され、本発明の実施形態は、特許請求の範囲及び均等物の範囲内において、具体的に説明及び請求されたものとは異なる態様又は方法で実施することができる。本開示の発明の実施形態は、本明細書に説明される個々の特徴、システム、物品、材料、キット(道具)、及び/又は方法に向けられる。また、かかる特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法が互いに矛盾しない場合、かかる特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法のうちの2つ以上の任意の組み合わせは本開示の発明の範囲内に含まれる。