(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
  以下、本発明に係る食器洗浄機の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る食器洗浄機1が取り付けられたキッチン99を示す斜視図であり、
図2は、本発明の実施の形態1に係る食器洗浄機1を示す正面図である。
図1及び
図2に示すように、食器洗浄機1は、例えばキッチン99の所定の位置に設けられた被取付部99aにビルトインされており、被洗浄物である食器類98を洗浄する。食器洗浄機1は、本体2と、洗浄槽3と、前扉6とを備えている。
 
【0010】
  本体2は、被取付部99aに取り付けられ、箱体形状をなしている。本体2は、側面にガイド7及びレール8を有しており、ガイド7及びレール8は、本体2をキッチン99の被取付部99aからスライド自在に支持する。洗浄槽3は、本体2の内部に収容され、食器を収容する。前扉6は、本体2の前面に本体2と一体的に取り付けられ、取っ手4と操作部5とを有している。取っ手4は、ユーザが本体2をキッチン99の被取付部99aから外部に引き出す際に用いられる。操作部5は、ユーザの操作を受け付けるスイッチ、及び、受け付けた情報及び運転状況等を表示する表示部等を有している。なお、前扉6には、本体2からの空気が排出される排気口22が形成されている。
 
【0011】
  図3は、本発明の実施の形態1に係る食器洗浄機1を示す断面図であり、
図4は、本発明の実施の形態1に係る食器洗浄機1を示す斜視図である。
図3及び
図4に示すように、食器洗浄機1は、洗浄槽3を閉塞する開閉蓋11と、洗浄槽3内に食器類98を載置する食器かご10と、洗浄槽3に収容された食器を洗浄する洗浄装置1aと、リンスユニット60と、制御部18とを備えている。洗浄装置1aは、洗浄水となる水道水が流れる給水管31と、給水管31に流れる水道水の量を制御する給水バルブ32と、給水バルブ32によって制御された量の水道水を洗浄槽3に流入させる給水機構33とを有している。なお、洗浄槽3には、水位検知部(図示せず)が設けられており、水位検知部は、洗浄槽3内の水位を検知する。
 
【0012】
  また、洗浄装置1aは、洗浄槽3内の食器類98の汚れを洗い落とすために洗浄水を噴射及び循環させる回転ノズル12と、回転ノズル12を動作させる洗浄ポンプ13とを有している。更に、洗浄装置1aは、洗浄能力を向上させるために、循環する洗浄水を加熱する湯沸しヒータ14を有している。更にまた、洗浄装置1aは、洗浄に使用された洗浄水を、食器洗浄機1の外部に排水する洗浄槽3の底部外側に設けられた排水ポンプ51と、排水ポンプ51によって加圧された排水が流れる排水接続管57とを有する。そして、洗浄装置1aは、排水接続管57に流れる排水を排水管53に流す排水機構52である洗浄槽側排水連結具54及び本体側排水連結具55を有する。洗浄装置1aは、更に、洗浄槽側排水連結具54及び本体側排水連結具55を介して外部に排出される排水が流れる排水管53を有している。
 
【0013】
  洗浄装置1aは、食器類98を乾燥する乾燥風を発生させる送風機15を有し、送風機15によって送られる空気は、本体2に形成された送風路17を通って洗浄槽3の内部に送られる。送風機15は、本体2の後方側且つ洗浄槽3の外側に設けられ、食器類98を乾燥した後の空気は、前扉6に形成された排気口22を経て食器洗浄機1の外に排出される。なお、前扉6には、ドア開閉検知装置9が設けられており、ドア開閉検知装置9は、前扉6の開閉状態を検出する。
 
【0014】
  図5は、本発明の実施の形態1に係るリンスユニット60を示す斜視図である。リンスユニット60は、前扉6と洗浄槽3との間に設けられており、
図5に示すように、リンスユニット60は、リンスタンク61と、リンスポンプ62と、投入ホース63と、補充口65と、補充ホース64と、残量検出部66とを有している。リンスタンク61は、直方体状をなしており、内部にリンス67を貯留する。リンスポンプ62は、リンスタンク61の上部に設けられ、リンスタンク61に貯留されたリンス67を洗浄槽3に搬送する。投入ホース63は、リンスタンク61から洗浄槽3に搬送されるリンス67が流れるものであり、第1の投入ホース63aと第2の投入ホース63bとを有している。
 
【0015】
  第1の投入ホース63aは、リンスタンク61とリンスポンプ62とを接続し、リンスタンク61から吸い込まれたリンス67が流れる。第2の投入ホース63bは、リンスポンプ62と洗浄槽3とを接続する中継経路としての機能を有し、リンスポンプ62から洗浄槽3に搬送されるリンス67が流れる。補充口65は、リンスタンク61の上部に設けられ、ユーザは補充口65からリンス67を補充する。補充ホース64は、補充口65に接続され、補充されるリンス67が流れる。リンス67は、食器洗浄機1利用時に乾燥仕上げ剤として一般的に使用されている。1回の運転当たりに使用されるリンス67の量は微量であるため、リンスタンク61に複数回分のリンス67が貯留されている。
 
【0016】
  図6は、本発明の実施の形態1に係るリンスユニット60を示す断面図である。
図6に示すように、残量検出部66は、リンスタンク61に貯留されたリンス67の残量を検出する。リンスタンク61には複数回分のリンス67が貯留されているが、繰り返し運転が行われることによって残量が低下する。残量検出部66は、例えばリンスタンク61内のリンス67の残量を三段階に分けて検出する。残量検出部66は、上下方向に延びるフロート68を有しており、フロート68が各残量閾値上に浮いている場合、制御部18が残量を確認する。
 
【0017】
  一段階目残量閾値T1は、リンスタンク61にリンス67が満充填されている状態を示す指標であり、二段階目残量閾値T2は、リンス67の補充が必要な状態を示す指標であり、三段階目残量閾値T3は、リンス67がほぼ存在しない状態を示す指標である。ここで、フロート68は、最上段にある場合、一段階目残量閾値T1上に位置する。また、フロート68が最下段にある場合、三段階目残量閾値T3上に位置する。なお、フロート68は、一段階目残量閾値T1と二段階目残量閾値T2との間の高さよりも低い。このため、フロート68がいずれの残量閾値上にない場合、フロート68は、一段階目残量閾値T1と二段階目残量閾値T2との間に位置する。
 
【0018】
  なお、残量検出部66は、三段階目残量閾値T3の代わりに、リンスポンプ62に流れる電流値変化量又はリンスポンプ62を駆動するモータの回転数変化量に基づいて、リンス67の残量を検出してもよい。リンスポンプ62に流れる電流値の変化及びモータの回転数の変化は、リンスポンプ62の負荷が変化したことに起因する。負荷の変化は、リンスタンク61内のリンス67の残量が極めて少ない状態にあることを意味する。この場合、リンスポンプ62が動作したときに吸い込むことができるリンス67の量が足りず、投入ホース63内にエアが混入する。
 
【0019】
  図7は、本発明の実施の形態1に係る制御部18を示すハードウエア構成図である。制御部18は、前扉6と洗浄槽3との間に設けられており、操作部5及び各センサからの信号に従って、洗浄ポンプ13、排水ポンプ51、湯沸しヒータ14、送風機15、給水バルブ32及び操作部5に設けられた表示部といった各電気部品を制御する。なお、操作部5の表示部は、リンスユニット60に対する指示を受け付け、リンスユニット60の運転状況を表示する。
 
【0020】
  図7に示すように、制御部18は、リンスユニット60の動作を制御する。例えば、制御部18は、1回のリンス67の投入量を固定するために、リンスポンプ62の動作時間を固定している。また、制御部18は、残量検出部66によって検出されたリンス67の残量に基づいて、リンスポンプ62を動作させる。制御部18は、残量検出部66によって検出されたリンス67の残量が残量閾値以下となった場合、リンスポンプ62を停止させる。具体的には、制御部18は、残量検出部66によって検出されたリンス67の残量が三段階目残量閾値T3以下となった場合、リンス67がほぼ存在せず洗浄槽3への投入が困難と判断し、リンスポンプ62を停止させる。
 
【0021】
  また、制御部18は、残量検出部66によって検出されたリンス67の残量が二段階目残量閾値T2以下となった場合、ユーザにリンス67の補充を促すために操作部5にその旨の表示を行う。これにより、ユーザはリンス67をリンスタンク61に補充する。なお、リンス67の残量が二段階目残量閾値T2以下となっても、直ちにリンス67の投入を停止しない。これは、リンス67の残量が二段階目残量閾値T2以下となっても、即座にユーザが気づくとは限らず、運転が継続する可能性があることによる。そこで、二段階目残量閾値T2と三段階目残量閾値T3との差は、ユーザがリンス67の補充を開始するまでに余裕がある残量とすればよく、運転回数に換算すると、例えば4回〜5回といった複数回であることが好ましい。制御部18は、残量検出部66によって検出されたリンス67の残量が一段階目残量閾値T1を超えた場合、操作部5にリンスタンク61が満充填されていることを表示し、ユーザにリンス67の補充を中止するよう促す。
 
【0022】
  制御部18は、残量検出部66によって検出されたリンス67の残量が残量閾値以下となった後に残量検出部66によって検出されたリンス67の残量が残量閾値を超えた場合、リンスポンプ62を動作させる。制御部18は、リンス67の搬送経路である投入ホース63内のエア抜きを行うため、投入ホース63まで満充填する際のリンス67の量を洗浄槽3に搬送するようにリンスポンプ62を動作させる。リンス67の残量が残量閾値以下となった後に、ユーザによってリンス67が補充されることにより、リンス67の残量が残量閾値を超える。このときの残量閾値は、例えば三段階目残量閾値T3である。リンス67の残量が三段階目残量閾値T3まで達した場合、リンスポンプ62が動作したときに吸い込むことができるリンス67の量が足りず、投入ホース63内にエアが混入する。
 
【0023】
  前述の如く、制御部18は、1回のリンス67の投入量を固定するために、リンスポンプ62の動作時間を固定している。このため、投入ホース63内にエアが混入している場合、エアを含んでいない通常時のリンス67の投入量と、エアを含んでいるときのリンス67の投入量とが異なる。なお、エアを含んでいるときにリンスポンプ62の動作時間を変えようとしても、エアの混入量が不明であり、また投入量が微量であるため、リンス67の投入量を通常時と同様とすることは困難である。そこで、本実施の形態1では、エアが混入している場合、リンス67の搬送経路である投入ホース63内のエア抜きを行うため、投入ホース63まで満充填する際のリンス67の量を洗浄槽3に搬送するようにリンスポンプ62を動作させるエア抜き工程を行う。
 
【0024】
  ここで、制御部18は、排水工程の前に、リンスタンク61に満充填する際のリンス67の量を洗浄槽3に搬送するようにリンスポンプ62を動作させる。エア抜き工程は、投入ホース63及びリンスポンプ62内のエアが除去されて、リンス67が充填されることによって完了する。エアを含んでいる場合、エアの混入量が不明であるため、エアを完全に除去するために必要な動作時間は分かり難い。そこで、動作時間は、リンスポンプ62及び投入ホース63内が空の状態から、リンス67が完全に充填されるまでに必要な時間以上とすることが好ましい。
 
【0025】
  なお、本実施の形態1では、排水工程の直前にエア抜き工程を行う。通常のリンス67の投入時に、エア抜き工程を実施すると、投入ホース63内に含まれるエアが少ないほど、通常の投入量に比べて多量のリンス67が投入されてしまう。これにより、乾燥仕上げ後に食器類98にリンス67が残るおそれがあり、洗浄槽3内にリンス67が残るおそれがある。このため、本実施の形態1では、排水工程の直前にエア抜き工程を行う。これにより、リンス67が過剰に洗浄槽3内に投入されても、その後直ちに洗浄水と共に排出されるため、リンス67が残ることを抑制することができる。なお、エア抜き工程は、リンス67の残量が三段階目残量閾値T3まで達した後の一回目の運転時にのみ通常のリンス67投入工程とは別の工程として行われる。
 
【0026】
  図8は、本発明の実施の形態1に係る食器洗浄機1の洗浄工程を示すフローチャートである。次に、食器洗浄機1の洗浄工程について説明する。
図8に示すように、先ず、食器洗浄機1は、運転の準備を行う(ステップS100)。運転の準備とは例えば、洗浄開始前に洗浄槽3内に水が溜まっていないか、水位検知部(図示せず)で洗浄槽3内部の状態を確認し、給水機構33からの水漏れ等がないことの確認を行うことを意味する。次に、洗浄運転が行われる(ステップS200)。そして、すすぎ1及びすすぎ2の運転が行われ(ステップS300及びステップS400)、最終すすぎが行われる(ステップS500)。最終すすぎは、例えば加熱した状態ですすぐ加熱すすぎ運転である。その後、乾燥運転が行われ(ステップS600)、ドライキープ運転が行われる(ステップS700)。ドライキープ運転は、加熱を伴わない乾燥運転である。
 
【0027】
  図9は、本発明の実施の形態1に係る食器洗浄機1のリンスタンク61の残量確認工程を示すフローチャートである。次に、リンスタンク61内のリンス67の残量を確認する工程について説明する。この工程は、食器洗浄機1が稼働している間、常時実施されている。
図9に示すように、制御部18は、残量検出部66のフロート68が一段階目残量閾値T1上にあるかを判定する(ステップS1)。フロート68が一段階目残量閾値T1上にある場合、制御部18はリンスタンク61が満充填されていると判断し、残量確認が終了する。フロート68が一段階目残量閾値T1上にない場合(ステップS1のNO)、制御部18は、フロート68が二段階目残量閾値T2上にあるかを判定する(ステップS2)。
 
【0028】
  フロート68が二段階目残量閾値T2上にある場合(ステップS2のYES)、制御部18はリンス67を補充する必要があると判断し、操作部5にリンス67を補充することを促す表示を行う(ステップS3)。その後、ユーザがリンス67を補充している(ステップS4)間、制御部18は、フロート68が二段階目残量閾値T2上にあるかを判定する(ステップS5)。フロート68が二段階目残量閾値T2上にない場合、制御部18は、操作部5への表示を中止し(ステップS6)、更に、フロート68が一段階目残量閾値T1上にあるかを判定する(ステップS7)。フロート68が一段階目残量閾値T1上にある場合、制御部18はリンスタンク61が満充填されていると判断し、リンスタンク61が満充填されていることを操作部5に表示する(ステップS8)。そして、残量確認が終了する。
 
【0029】
  一方、ステップS2において、フロート68が二段階目残量閾値T2上にない場合(ステップS2のNO)、制御部18は、フロート68が三段階目残量閾値T3上にあるかを判定する(ステップS9)。フロート68が三段階目閾値上にない場合(ステップS9のNO)、フロート68は一段階目残量閾値T1と二段階目残量閾値T2との間に位置することになるため、制御部18がリンス67の補充は不要と判断し、残量確認が終了する。フロート68が三段階目閾値上にある場合(ステップS9のYES)、制御部18はリンス67を直ちに補充する必要があると判断し、操作部5にリンス67を補充することを促す表示を行う(ステップS10)。そして、リンス67投入動作中止のフラグF1を立てる(ステップS11)。
 
【0030】
  その後、ユーザがリンス67を補充する(ステップS12)と、制御部18は、フロート68が二段階目残量閾値T2上にあるかを判定する(ステップS13)。フロート68が二段階目残量閾値T2上にある場合、リンス67投入動作中止のフラグF1を解除する(ステップS14)。そして、エア抜き工程実施のフラグF2を立てる(ステップS15)。なお、二段階目残量閾値T2と三段階目残量閾値T3との残量閾値検出位置の位置関係については前述したように4〜5回分のリンス投入量分の差分が望ましい。更に、前述したようにエア抜き工程を実施する際のリンス投入量分の差分を設けておくことも必要である。例えば、二段階目残量閾値T2と三段階目残量閾値T3との位置関係が限りなく近い場合について説明する。この場合、三段階目残量閾値T3を検出後にユーザがリンス67の補充を開始し、微量補充分で二段階目残量閾値T2を検出する場合がある。この場合、エア抜き工程で投入ホース63内に補填するため、必要なリンス量を確保することができず、エア抜き工程が正常に行われない可能性がある。その後、ユーザがリンス67を補充し続けている間、制御部18は、フロート68が二段階目残量閾値T2上にあるかを判定する(ステップS16)。フロート68が二段階目残量閾値T2上にない場合、制御部18は、操作部5への表示を中止し(ステップS17)、更に、フロート68が一段階目残量閾値T1上にあるかを判定する(ステップS18)。フロート68が一段階目残量閾値T1上にある場合、制御部18はリンスタンク61が満充填されていると判断し、リンスタンク61が満充填されていることを操作部5に表示する(ステップS19)。そして、残量確認が終了する。
 
【0031】
  図10は、本発明の実施の形態1に係る食器洗浄機1の通常時の洗浄工程を示すフローチャートである。次に、洗浄工程の一例として、最終すすぎの工程について説明する。
図10に示すように、先ず、制御部18が給水バルブ32をオンすると(ステップS20)、洗浄槽3内部の水位が検知される(ステップS21)。洗浄槽3内部の水位が上限閾値に達すると、制御部18は給水バルブ32をオフする(ステップS22)。ここで、制御部18はリンス67投入動作中止のフラグF1が立っていないかを判定し(ステップS23)、フラグF1が立っていない場合、制御部18はリンスポンプ62をオンしてリンス67を洗浄槽3に投入する(ステップS24)。フラグF1が立っている場合、リンス67の投入を見送る。
 
【0032】
  そして、制御部18は洗浄ポンプ13をオンし(ステップS25)、湯沸しヒータ14をオンする(ステップS26)。制御部18は、洗浄槽3内の洗浄水の温度が所定温度に達したかを判定し(ステップS27)、洗浄水の温度が所定温度に達していない場合、制御部18は所定時間が経過するまで(ステップS33)、温度の判定を続ける。洗浄水の温度が所定温度に達した場合、制御部18は、湯沸しヒータ14をオフし(ステップS28)、洗浄ポンプ13をオフする(ステップS29)。そして、排水工程に移行し、制御部18は排水ポンプ51をオンする(ステップS30)。これは、洗浄槽3内の水位が下限閾値に達するまで行われ(ステップS31)、洗浄槽3内の水位が下限閾値を下回ると、制御部18は排水ポンプ51をオフする(ステップS32)。
 
【0033】
  なお、洗浄運転、すすぎ1及びすすぎ2は、例えば最終すすぎにおけるリンス67投入工程及び湯沸しヒータ14をオンする工程を省略したものである。
 
【0034】
  図11は、本発明の実施の形態1に係る食器洗浄機1のエア抜き時の洗浄工程を示すフローチャートである。次に、エア抜き工程について説明する。
図11において、ステップS20〜ステップS22及びステップS25〜ステップS33は、
図10のステップS20〜ステップS22及びステップS25〜ステップS33と同様である。ステップS29において、制御部18が洗浄ポンプ13をオフすると、エア抜き工程のフラグF2が立っているかを判定する(ステップS40)。エア抜き工程のフラグF2が立っている場合、エア抜き工程を実施する(ステップS41)。
 
【0035】
  制御部18は、リンスタンク61に満充填する際のリンス67の量を洗浄槽3に搬送するようにリンスポンプ62を動作させる。具体的には、制御部18は、リンスポンプ62及び投入ホース63内が空の状態から、リンス67が完全に充填されるまでに必要な時間を最低必要時間として、リンスポンプ62を動作させる。エア抜き工程が完了すると、エア抜き工程のフラグF2を解除する(ステップS42)。なお、エア抜き工程は、排水工程(ステップS30〜ステップS32)の直前に行われる。
 
【0036】
  本実施の形態1によれば、リンスポンプ62がリンス67を洗浄槽3に搬送するため、搬送されるリンス67の量は、投入毎にばらつきが少ない。従って、投入毎のリンス67の量を安定化させることができる。また、制御部18は、残量検出部66によって検出されたリンス67の残量に基づいて、リンスポンプ62を動作させる。従来の食器洗浄機1も、1回当たりに使用されるリンス67の量が微量であるため、リンスタンク61に予め複数回分のリンス67を貯留している。複数回分のリンス67が一度にリンスタンク61に補給されるため、リンスタンク61内のリンス67残量が少なくなることに気付くことなく食器洗浄機1が使用され続けられるおそれがある。
 
【0037】
  そこで、従来、洗浄工程が完了する度に1ずつ増加するカウンタを設け、カウントした計数値が設定値に達したときにリンス67の補給時期であることを報知する。しかし、1回当たりに使用されるリンス67の量が微量であり、且つ時間経過と共にリンス67の粘性が高まって流動性が変化するおそれがある。従って、洗浄回数に基づいてリンス67の使用量を推定する従来技術は、投入毎のリンス67の量が不安定となるおそれがある。これに対し、本実施の形態1は、残量検出部66によって検出されたリンス67の残量に基づいて、リンスポンプ62を動作させるため、投入毎のリンス67の量を安定化させることができる。
 
【0038】
  また、制御部18は、残量検出部66によって検出されたリンス67の残量が残量閾値以下となった後に残量検出部66によって検出されたリンス67の残量が残量閾値を超えた場合、リンスポンプ62を動作させる。制御部18は、リンスタンク61に満充填する際のリンス67の量を洗浄槽3に搬送するようにリンスポンプ62を動作させる。これにより、リンスポンプ62が動作したときに吸い込むことができるリンス67の量が足りず、リンスタンク61及び投入ホース63内にエアが溜まっていても、エアを抜くことができる。また、エア抜き工程は、排水工程の前に行われる。よって、リンス67が過剰に洗浄槽3内に投入されても、その後直ちに洗浄水と共に排出されるため、リンス67が残ることを抑制することができる。