【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、独立請求項において、MRシステムにおいてRF励起コイルを介して核を励起するためのRF励起信号を生成するためのシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品を提供する。本発明は、さらに別の独立請求項において、RF励起信号のためのシステムを備える、MRIシステムをさらに提供する。従属請求項においては、実施形態が示される。
【0006】
当業者であれば気付くように、本発明の態様は、装置、方法又はコンピュータプログラム製品として具現化される。したがって、本発明の態様は、全体的にハードウェアの実施形態、全体的にソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)の実施形態、又は本明細書においては、そのすべてが一般的に「回路」、「モジュール」、若しくは「システム」と呼ばれる、ソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせる実施形態の形態をとる。さらに、本発明の態様は、コンピュータ実行可能なコードを具現化した1つ又は複数のコンピュータ可読媒体に具現化された、コンピュータプログラム製品の形態をとる。
【0007】
1つ又は複数のコンピュータ可読媒体の任意の組合せを使用することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体である。本明細書において使用する場合には、「コンピュータ可読記憶媒体」とは、コンピューティングデバイスのプロセッサによって実行可能な命令を記憶することのできる、任意有形の記憶媒体を包含する。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読非一時記憶媒体を呼ばれることもある。コンピュータ可読記憶媒体は、有形のコンピュータ可読媒体とも呼ばれる。実施形態によっては、コンピュータ可読記憶媒体は、コンピューティングデバイスのプロセッサがアクセスすることのできる、データを記憶することもできる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、それに限定はされないが、フロッピーディスク、磁気ハードディスクドライブ、ソリッドステートハードディスク、フラッシュメモリ、USBサムドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、光ディスク、光磁気ディスク、及びプロセッサのレジスタファイルが挙げられる。光学ディスクの例としては、CD−ROM、CD−RW、CD−R、DVD−ROM、DVD−RW、又はDVD−Rディスク等のコンパクトディスク(CD)及びデジタル多用途ディスク(DVD)が挙げられる。コンピュータ可読記憶媒体という用語はまた、ネットワーク又は通信リンクを介して、コンピュータデバイスがアクセスすることのできる、様々な種類の記録媒体も指す。例えば、データは、モデムを介して、インターネットを介して、又はローカルエリアネットワークを介して、検索することができる。コンピュータ可読媒体上に具現化されたコンピュータ実行可能コードは、それには限定されないが、ワイヤレス、ワイヤライン、光ファイバケーブル、RF等、又は前記のものの任意好適な組合せを含む、任意適当な媒体を使用して送信してもよい。
【0008】
コンピュータ可読信号媒体は、その中にコンピュータ実行可能コードが、例えば、ベースバンド内に、又は搬送波の一部としてその中に具現化された、伝播データ信号を含んでもよい。そのような伝播信号は、それに限定はされないが、電磁、光学、又はそれらの任意好適な組合せを含む、多様な形態のいずれでもとることができる。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、且つ命令実行システム、装置、又はデバイスが使用する、又はそれらと合わせて使用するためのプログラムを、通信、伝播、又は移送することができる、任意のコンピュータ可読媒体である。
【0009】
「コンピュータメモリ」又は「メモリ」は、コンピュータ可読記憶媒体の一例である。コンピュータメモリは、プロセッサが直接的にアクセス可能である、任意のメモリである。「コンピュータ記憶」又は「記憶」は、コンピュータ可読記憶媒体のさらに別の例である。コンピュータ記憶は、任意の不揮発性コンピュータ可読記憶媒体である。実施形態によっては、コンピュータ記憶は、コンピュータメモリであるか、又はその逆であってもよい。
【0010】
本明細書において使用される場合には、「プロセッサ」は、プログラム又はマシン実行可能命令又はコンピュータ実行可能コードを実行することのできる、電子構成要素を包含する。「プロセッサ」を備える、コンピューティングデバイスへの言及は、場合によっては、複数のプロセッサ又は処理コアを包含するものと解釈すべきである。プロセッサは、例えば、マルチコアプロセッサであってもよい。プロセッサは、単一のコンピュータシステム内部の、又は複数のコンピュータシステムの間に分散された、プロセッサの集合を意味することもある。コンピューティングデバイスという用語は、場合によっては、各々が1つ又は複数のプロセッサを含む、コンピューティングデバイスの集合又はネットワークを意味するものと解釈すべきである。コンピュータ実行可能コードは、同一のコンピューティングデバイス内にあるか、又は複数のコンピューティングデバイスにわたって分散されている、複数のプロセッサによって実行されてもよい。
【0011】
コンピュータ実行可能コードは、プロセッサに本発明の態様を実施させる、マシン実行可能命令又はプログラムを含めてもよい。本発明の態様の動作を実施するためのコンピュータ実行可能コードは、Java(登録商標)、Smalltalk、C++その他等のオブジェクト指向プログラミング言語、Cプログラミング言語又は類似のプログラミング言語等の従来型の手続き型プログラミング言語を含む、1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組合せとして書いて、マシン実行可能命令中にコンパイルしてもよい。場合によっては、コンピュータ実行可能コードは、高レベル言語の形態、又は事前コンパイルされた形態として、実行中(on the fly)にマシン実行可能命令を生成するインタープリタと合わせて使用してもよい。
【0012】
コンピュータ実行可能コードは、ユーザのコンピュータ上で全体を、スタンドアローンソフトウェアパッケージとして、ユーザのコンピュータ上で一部分を、ユーザのコンピュータ上で一部分と、リモートコンピュータ上で一部分とを、又はリモートコンピュータ若しくはサーバ上で全体を、実行してもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む、任意の種類のネットワークを介して、ユーザのコンピュータに接続するか、又は外部コンピュータに(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)接続してもよい。
【0013】
本発明の態様を、本発明の実施形態による方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図解及び/又はブロック図を参照して説明する。フローチャート、図解、及び/又はブロック図の各ブロック又はブロックの部分は、適用可能な場合には、コンピュータ実行可能コードの形態のコンピュータプログラム命令によって実現することができることが理解される。相互に排他的でない場合に、異なるフローチャート、図解、及び/又はブロック図におけるブロックの組合せを組み合わせてもよいことがさらに理解される。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又はその他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに供給して、コンピュータ又はその他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図ブロックに指定された機能/行為を実現する手段を創出するように、マシンを製作してもよい。
【0014】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読媒体に記憶された命令が、フローチャート及び/又はブロック図ブロックにおいて指定された機能/行為を実現する命令を含む、製造物を製作するように、コンピュータ、その他のプログラム可能データ処理装置、又は特定の手法で機能する、その他デバイスに指示することのできる、コンピュータ可読媒体、に記憶させてもよい。
【0015】
コンピュータプログラム命令は、コンピュータ又はその他のプログラム可能装置上で実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図ブロックに指定された機能/行為を実現するためのプロセスを提供するように、コンピュータ、その他のプログラム可能データ処理装置、又はその他のデバイス上にロードして、一連の動作ステップをコンピュータ、その他のプログラム可能装置又はその他のデバイス上で実施させて、コンピュータ実現プロセスを製作してもよい。本明細書において使用する場合には、「ユーザインターフェイス」とは、ユーザ又はオペレータに、コンピュータ又はコンピュータシステムと対話することを可能にする、インターフェイスである。「ユーザインターフェイス」は、「ヒューマンインターフェイスデバイス」を指すこともある。ユーザインターフェイスは、オペレータに情報又はデータを供給し、且つ/又はオペレータから情報又はデータを受信することができる。ユーザインターフェイスは、オペレータからの入力が、コンピュータによって受信されることを可能にすると共に、コンピュータからユーザへの出力を提供する。言い換えると、ユーザインターフェイスは、オペレータが、コンピュータを制御又は操作することを可能にすると共に、ユーザインターフェイスは、コンピュータが、オペレータの制御又は操作の効果を指示することを可能にしてもよい。データ又は情報のディスプレイ又はグラフィカルユーザインターフェイス上への表示は、オペレータへの情報の提供の例である。キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッド、ポインティングスティック、グラフィックスタブレット、ジョイスティック、ウェブカメラ、ヘッドセット、有線グローブ、リモートコントロール、及び加速度計によるデータの受信はすべて、オペレータから情報又はデータの受信を可能にする、ユーザインターフェイス構成要素の例である。本明細書において使用する場合には、「ハードウェアインターフェイス」は、コンピュータシステムのプロセッサが、外部コンピューティングデバイス及び/又は装置と、対話すること及び/又は制御することを可能にする、インターフェイスを包含する。ハードウェアインターフェイスは、プロセッサが、制御信号又は命令を外部コンピューティングデバイス及び/又は装置に送信することを可能にする。ハードウェアインターフェイスはまた、プロセッサが、外部コンピューティングデバイス及び/又は装置とデータを交換することを可能にする。ハードウェアインターフェイスの例としては、それに限定はされないが、ユニバーサルシリアルバス、IEEE1394ポート、パラレルポート、IEEE1284ポート、シリアルポート、RS−232ポート、IEEE−488ポート、ブルートゥース(登録商標)接続、無線ローカルエリアネットワーク接続、TCP/IP接続、イーサネット(登録商標)接続、制御電圧インターフェイス、MIDIインターフェイス、アナログ入力インターフェイス、及びデジタル入力インターフェイスが挙げられる。
【0016】
本明細書において使用する場合には、「ディスプレイ」又は「ディスプレイデバイス」は、画像又はデータを表示するために適合された出力デバイス又はユーザインターフェイスを包含する。ディスプレイは、視覚、聴覚、及び接触データを出力することができる。ディスプレイの例としては、それに限定はされないが、コンピュータモニタ、テレビジョンスクリーン、タッチスクリーン、触覚電子ディスプレイ、点字スクリーン、陰極線管(CRT)、蓄積管、双安定ディスプレイ、電子ペーパー、ベクトルディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、真空蛍光ディスプレイ(VF)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、エレクトロルミネセンスディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、プロジェクタ、ヘッドマウントディスプレイが挙げられる。
【0017】
磁気共鳴(MR)データは、本明細書においては、MRデータ(例えば、MRイメージングスキャン)の取得中に、磁気共鳴装置のアンテナを使用して、原子スピンによって放出される無線周波数信号の、記録された測定値であると定義される。磁気共鳴データは、医療イメージデータの一例である。磁気共鳴(MR)イメージは、本明細書では、磁気共鳴データ内に含まれる解剖学的データの、再構築された2次元又は3次元の可視化であると定義される。この可視化は、コンピュータを使用して実施することができる。
【0018】
本発明において定義される場合、MRシステムの主磁石アセンブリは、B0フィールドを生成する主磁石と、主磁石の冷却システムとを包含する。MRシステムがMRIシステムである場合には、主磁石アセンブリは、1つ又は複数の勾配コイルをさらに備える。
【0019】
一態様において、本発明は、MRシステムにおいてRF励起コイルを介して核を励起するためのRF励起信号を生成するためのシステムを提供する。このシステムは、電力生成ユニットと、RF励起信号を得るために、RF増幅器によって増幅されたRF信号を合成する合成器とを備え、電力生成ユニット各々が、シンセサイザ、RF増幅器、及び、RF増幅器による増幅の後に所定の第1の信号特徴を有するRF信号を生成するようにシンセサイザを構成する、第1のフィードバックループユニットを備える電力生成。
【0020】
前の段落において記述されたシステムは、いくつかの利点を有する。まず第1に、このシステムは、先進的な放熱管理を可能にする。いくつかの電力生成ユニットの放熱を設計することは、いくつかの電力生成ユニットと同一の電力を生成する単一の電力生成ユニット用の熱シンクを開発するのと比較して、遥かに容易である。いくつかの電力生成ユニットが利用されるときには、熱源は分散される。その結果として、熱管理へのリクエストが低くなる。RF励起信号の生成のために並列に接続された、いくつかの電力生成ユニットを使用することの別の有利な特徴は、単一の電力生成ユニットが使用される場合と比較して、より複雑なRF信号を生成することの可能性である。後者の利点について、以下でより詳細に考察する。
【0021】
別の実施形態において、システムは、マシン実行可能命令を記憶するメモリと、システムを制御するプロセッサとをさらに備える。プロセッサによってマシン実行可能命令が実行されると、システムは、指定されたRF励起信号を生成するためのリクエストを受信し、指定されたRF励起信号をRF信号の信号成分に分割し、電力生成ユニットの各々に対して、信号成分の1つを表す各自の所定の第1の信号特徴を決定し、第1の信号特徴を使用して指定されたRF信号を生成する。
【0022】
異なる電力生成ユニット間で指定されたRF励起信号を分割することの利点は、単一の電力生成ユニットによって生成する場合には重大な工学的課題となる、複雑なRFパルスの生成が簡略に実現されることである。この場合に、RF励起信号の1つの複雑なRFパルスの成分の各々は、それぞれの電力生成ユニットによって生成することが可能である。結果として得られる複雑なRFパルスは、それぞれの電力生成ユニットによって生成される複雑なRFパルスの成分を連結するように構成された、合成器の出力端子において生成される。RF励起信号を電力生成ユニット間で分割することの別の利点は、先進的な放熱管理を実現する可能性である。例えば、2つの電力生成ユニットが、RF励起信号のRFパルスの列を生成するために使用されるときに、電力生成ユニットの1つが、RF励起信号の奇数パルスを生成し、電力生成ユニットの別の1つが、RF励起信号の偶数パルスを生成するように構成することができる。その結果、電力生成ユニットの各々は、単一の電力生成ユニットがRF励起信号の生成に使用される状況と比較して、冷却のための長い時間を有する。
【0023】
別の実施形態において、信号成分の1つは、他の信号成分よりも高いピーク振幅を有する。
【0024】
この実施形態は、振幅差別事前選択による、信号成分の選択的な分割を可能にする。電力生成ユニットのうち1つの構成を、低振幅のRFパルスの生成のために最適化し、同時に電力生成ユニットのうち別の1つの構成を、高振幅のRFパルスの生成のために最適化することができる。その結果、結果として生成されるRF励起信号は、RFパルスが単一の電力生成ユニットによって生成される状況と比較して、より良い忠実度で生成される。
【0025】
別の実施形態においては、信号成分の1つが、その他の信号成分とは異なる時間−周波数領域に割り付けられる。
【0026】
この実施形態は、RF励起信号を分割して、RF励起信号のそれぞれの信号成分の信号特徴に応じた電力生成ユニットの適応構成を可能にする、別のアプローチを可能にする。このアプローチの利点は、上記の実施形態の利点と同様である。
【0027】
別の実施形態においては、MRシステムは、磁気共鳴イメージングシステムである。指定されたRF励起信号は、複合RF信号を含む。複合RF信号のRFパルスの少なくとも1つは、異なる信号成分の断片から構築される。
【0028】
この実施形態は、RF励起信号を分割して、RF励起信号のそれぞれの信号成分の信号特徴に応じた電力生成ユニットの適応構成を可能にする、さらに別のアプローチを可能にする。このアプローチの利点は、上述の実施形態の利点と同様である。
【0029】
別の実施形態においては、システムは、RF励起信号が所定の第2の信号特徴を有するようなRF信号を供給するためこれらシンセサイザを制御するようになされた、第2のフィードバックループユニットをさらに備える。プロセッサによるマシン実行可能命令の実行によって、システムは、指定されたRF励起信号を得るための所定の第2の信号特徴を決定する。
【0030】
この実施形態は、生成されたRF励起信号のより良好な忠実度を可能にする。例えば、第2のフィードバックループは、電力生成ユニットによって生成された信号成分のより良好な時間及び/又は位相同期を可能にして、合成器による信号成分の正しい連結を可能にする。
【0031】
本発明は、無線周波数(RF)信号を生成するためのシステムに関する。このシステムは、各チャネルにRF電力増幅器を有し、各チャネルが、各自のシンセサイザと、第1の(ローカル)フィードバックループとを備える、マルチチャネルシステムである。各チャネルにおいて、シンセサイザは、チャネルの出力で検出されたRF信号特性と目標RF信号特性との比較とは独立して、構成(調節)される。この第1の(ローカル)フィードバックループは、各チャネルにおいて、RF振幅出力におけるRF信号を制御する。合成器出力における記録されたRF信号特徴(すなわち、合成RF信号のRF信号特徴)を比較して、(合成信号の)RF信号特徴の比較に基づいて、(チャネルの各々における)シンセサイザを制御する、第2の(グローバル)フィードバックループが設けられている。
【0032】
この発明は、各チャネルにおける信号特性(線形性、ゲイン、位相安定性)の差異を考慮するために、各チャネルにおける(MOSFET)RF増幅器の制御を成し遂げる。任意選択で、チャネルの各々におけるローカルプリアンプによるずれを補正するためのローカルフィードバックループと、各チャネルにおけるプリアンプの歪みを補償する別のローカルフィードバックループとがあってよい。
【0033】
第2の(グローバル)フィードバックループは、合成信号の記録された信号特徴の比較に基づいて、各チャネルにおけるシンセサイザを制御するために設けられる。このグローバルフィードバックループは、より良好なタイミングと位相同期を可能にし、それにより、合成器によるチャネルからのRF信号の正しい連結を可能にする。このグローバルフィードバックループは、特に、合成信号が最小限に相殺するように調節する。さらに、合成信号に基づくグローバルフィードバックループと組み合わせた個々のチャネルにおけるフィードバックループの組合せのデジタル制御は、調節するのがより簡単である。
【0034】
別の実施形態においては、各電力生成ユニットは、RF増幅器の電源と、所定の電力特徴を有する電力をRF増幅器に供給するための電源を構成する、第3のフィードバックループとをさらに備える。電力生成ユニットの各々に対して各自の所定の第1の信号特徴を決定することは、電力生成ユニットの各々に対して、増幅後のRF信号が各自の第1の信号特徴を有することを確実にする、各自の所定の電力特徴を決定することを含む。
【0035】
この実施形態は、増幅器に供給された電力の適合化を可能にして、電力生成ユニットによって生成しようとする信号成分の信号特徴に応じて、増幅器の特性をチューニングすることを可能にする。
【0036】
別の実施形態においては、各RF増幅器は、RF信号の増幅のために構成された電界効果トランジスタ(FET)を備える。所定の電力特徴は、FETのゲートにおける電圧と、FETのチャネルを通って流れる電流とのうちの少なくとも一方を含む。
【0037】
この実施形態は、増幅器の特性のチューニングに使用される電力特徴を指定することをさらに可能にする。特定のゲートバイアスとドレイン電流を選択することによって、線形性、ゲイン、電力効率、その他のような増幅器の基礎的特性が決まる。言い換えると、指定された電力特徴によって、増幅器のクラス(A、B、AB、C、等)が決まる。
【0038】
別の実施形態においては、電源は、両方ともそれぞれのFETのドレインに直流的に(galvanically)接続されている、キャパシタバンクとフェライトチョーク(ferrite choke)をそれぞれに備える、スイッチング電源である。キャパシタバンクは、MRシステムの主磁石アセンブリ中に組み入れるために構成されている。フェライトチョークは、MRシステムの主磁石アセンブリから遠隔に位置するように構成されている。
【0039】
この実施形態は、RF励起信号を生成するためのシステムの構成要素の、MRシステム中へのコンパクトな組込みをもたらすことができる。
【0040】
別の実施形態においては、所定の信号特徴は、平均電力、ピーク電力、位相、スペクトル、相互変調、振幅、及びパルス形状のうちの少なくとも1つを含む。
【0041】
別の実施形態においては、RF増幅器及び/又は合成器は、MRシステムの主磁石アセンブリ内に組み込まれている。
【0042】
この実施形態は、RF励起信号の生成のためのシステムの構成要素のMRシステム中へのコンパクトな組込みをもたらすことができる。増幅器及び合成器のコンパクトな組込みは、それ自体で、RFケーブルの長さの実質的な低減を可能にし、その結果として、より良好な忠実度を有するRF励起信号の生成を可能にする。
【0043】
別の態様において、本発明は、MRシステムにおいてRF励起コイルを介して核を励起するためのRF励起信号を生成する方法を提供する。MRシステムは、各々がRF増幅器を備える電力生成ユニットと、RF励起信号を得るためにRF増幅器によって増幅されたRF信号を合成する合成器とを備える。この方法は、指定されたRF励起信号を生成するためのリクエストを受信するステップと、指定されたRF励起信号を、指定されたRF励起信号の信号成分に分割するステップと、システムの電力生成ユニットの各々に対して、信号成分の1つを表す各自の所定の第1の信号特徴を決定するステップとを有し、電力生成ユニットの各々は、シンセサイザと、RF増幅器による増幅の後に所定の第1の信号特徴を有するRF信号を生成するようにシンセサイザを構成する、第1のフィードバックループユニットとをさらに備える。
【0044】
別の態様において、本発明は、前述の方法を実施するためのマシン実行可能命令を含む、コンピュータプログラム製品を提供する。
【0045】
別の態様において、本発明は、MRシステムを提供する。MRシステムは、主磁石と、RF励起信号によってMRシステム内で核を励起するための1つ又は複数のRFコイルと、1つ又は複数のRFコイルを介して核を励起するために使用される、RF励起信号を生成するためのRF送信器とを備える。RF送信器は、各々がシンセサイザ、RF増幅器、及びRF増幅器による増幅の後に所定の第1の信号特徴を有するRF信号を生成するようにシンセサイザを構成する、第1のフィードバックループユニットを備える、電力生成ユニットと、RF励起信号を取得するために、RF増幅器によって増幅されたRF信号を合成する合成器とを備える。MRシステムは、マシン実行可能命令を記憶するメモリと、MRシステムを制御するためのプロセッサとをさらに備える。プロセッサによるマシン実行可能命令の実行によって、MRシステムは、RF励起信号の指定を受信し、指定されたRF励起信号を指定されたRF励起信号の信号成分に分割し、電力生成ユニットの各々に対して、信号成分の1つを表す各自の所定の第1の信号特徴を決定し、決定された所定の第1の信号特徴を使用して、RF送信器により、指定されたRF信号を生成する。
【0046】
本発明の前述の実施形態の1つ又は複数は、組み合わされる実施形態が相互に排他的でない限り、組み合わせてもよいことを理解されたい。
【0047】
以下では、本発明の好ましい実施形態を、単なる例示として、図面を参照して説明する。