特許第6843118号(P6843118)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6843118磁気共鳴システムにおける核の励起のためのRF信号の生成
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6843118
(24)【登録日】2021年2月25日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】磁気共鳴システムにおける核の励起のためのRF信号の生成
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20210308BHJP
【FI】
   A61B5/055 351
【請求項の数】15
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-509535(P2018-509535)
(86)(22)【出願日】2016年8月19日
(65)【公表番号】特表2018-531054(P2018-531054A)
(43)【公表日】2018年10月25日
(86)【国際出願番号】EP2016069665
(87)【国際公開番号】WO2017032696
(87)【国際公開日】20170302
【審査請求日】2019年8月16日
(31)【優先権主張番号】15181933.1
(32)【優先日】2015年8月21日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】リュースラ クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】バーニッケル ペーター
【審査官】 相川 俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−055432(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0179024(US,A1)
【文献】 特表2012−516711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
G01R 33/20 − 33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気共鳴(MR)システムにおいて無線周波数(RF)励起コイルを介して核を励起するためのRF励起信号を生成するためのシステムであって、
各々が、シンセサイザと、RF増幅器と、第1のフィードバックループユニットとを備える電力生成ユニットであって、前記第1のフィードバックループユニットは、前記RF増幅器の出力においてRF信号特性を記録するセンサを含み、記録された前記RF信号特性を目標RF信号特性と比較し、前記RF増幅器による増幅の後に所定の第1の信号特徴を有するRF信号を生成するように前記シンセサイザを構成する、電力生成ユニットと、
前記RF励起信号を得るために前記RF増幅器によって増幅された前記RF信号を合成する、合成器と
を備え、
前記システムは、第2のフィードバックループユニットを備え、前記第2のフィードバックループユニットは、
前記合成器の出力においてRF信号特徴を記録するセンサを含み、記録された前記RF信号特徴を目標信号特徴と比較し、前記RF励起信号が所定の第2の信号特徴を有するような前記RF信号を提供するようにこれらシンセサイザを制御する、システム。
【請求項2】
前記システムが、
マシン実行可能命令を記憶するメモリと、
前記システムを制御するプロセッサと
をさらに含み、前記プロセッサによる前記マシン実行可能命令の実行によって、前記システムが、
指定されたRF励起信号を生成するためのリクエストを受信し、
前記指定されたRF励起信号をRF信号の信号成分に分割し、
前記電力生成ユニットの各々に対して、前記信号成分の1つを表す各自の所定の第1の信号特徴を決定し、
前記第1の信号特徴を使用して指定されたRF信号を生成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記信号成分の1つが、他の信号成分よりも高いピーク振幅を有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記信号成分の1つが、他の信号成分とは異なる時間−周波数領域に割り付けられている、請求項2又は3に記載のシステム。
【請求項5】
前記MRシステムは磁気共鳴イメージングシステムであり、前記指定されたRF励起信号は複合RF信号を含み、前記複合RF信号のRFパルスの少なくとも1つが、異なる信号成分の断片から構築されている、請求項2乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記プロセッサによる前記マシン実行可能命令の実行によって、前記システムが、
前記指定されたRF励起信号を得るために前記所定の第2の信号特徴を決定する、請求項2乃至5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
各電力生成ユニットが、
前記RF増幅器の電源と、
所定の電力特徴を有する電力を前記RF増幅器に供給するために、前記電源を構成するための第3のフィードバックループと
をさらに備え、
前記電力生成ユニットの各々に対して前記各自の所定の第1の信号特徴を決定することは、前記電力生成ユニットの各々に対して、増幅後のRF信号が前記各自の第1の信号特徴を有することを確実にする、前記各自の所定の電力特徴を決定することを含む、請求項2乃至6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
各RF増幅器は、前記RF信号の増幅のために構成された電界効果トランジスタ(FET)を備え、前記所定の電力特徴は、前記FETのゲートにおける電圧と、前記FETのチャネルを通って流れる電流とのうちの少なくとも一方を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記電源は、各々がキャパシタバンク及びフェライトチョークを備えるスイッチング電源であり、前記キャパシタバンク及び前記フェライトチョークは両方とも各前記FETのドレインに直流的に接続されていて、前記キャパシタバンクは、前記MRシステムの主磁石アセンブリ中に組み込まれていて、前記フェライトチョークは、前記MRシステムの前記主磁石アセンブリから遠隔に位置している、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記所定の信号特徴が、平均電力、ピーク電力、位相、スペクトル、相互変調、振幅、及びパルス形状のうちの少なくとも1つを含む、請求項2乃至9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記RF増幅器及び/又は前記合成器が、前記MRシステムの主磁石アセンブリ内に組み込まれている、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
各々がRF増幅器を備える電力生成ユニットと、
無線周波数(RF)励起信号を得るために前記RF増幅器によって増幅されたRF信号を合成する合成器と
を備える、磁気共鳴(MR)システムにおいてRF励起コイルを介して核を励起するためのRF励起信号を生成する方法であって、
指定されたRF励起信号を生成するためのリクエストを受信するステップと、
前記指定されたRF励起信号を、前記指定されたRF励起信号の信号成分に分割するステップと、
前記MRシステムの前記電力生成ユニットの各々に対して、前記信号成分の1つを表す各自の所定の第1の信号特徴を決定するステップであって、前記電力生成ユニットの各々は、シンセサイザをさらに備え、前記RF増幅器による増幅の後に前記所定の第1の信号特徴を有するRF信号を生成するように、第1のフィードバックループユニットによって前記シンセサイザを構成するステップと、
前記RF励起信号を得るために前記RF増幅器によって増幅された前記RF信号を合成するステップと、
前記RF励起信号の第2の信号特徴を決定し、前記RF励起信号が目標の第2の信号特徴を有するように、第2のフィードバックループによって、これらシンセサイザを構成するステップと
を有する、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法を実施するためのマシン実行可能命令を含む、コンピュータプログラム。
【請求項14】
主磁石と、
無線周波数(RF)励起信号によって磁気共鳴(MR)システムにおいて核を励起するための1つ又は複数のRFコイルと、
前記1つ又は複数のRFコイルを介して核を励起するために使用される、前記RF励起信号を生成するRF送信器とを備えるMRシステムであって、
前記RF送信器は、
各々が、シンセサイザと、RF増幅器と、第1のフィードバックループユニットとを備える電力生成ユニットであって、前記第1のフィードバックループユニットは、RF増幅器の出力においてRF信号特性を記録するセンサを含み、記録された前記RF信号特性を目標RF信号特性と比較し、前記RF増幅器による増幅の後に所定の第1の信号特徴を有するRF信号を生成するように前記シンセサイザを構成する、電力生成ユニットと、
前記RF励起信号を得るために前記RF増幅器によって増幅された前記RF信号を合成する合成器と
を備え、
前記RF送信器は、前記合成器の出力においてRF信号特徴を記録するセンサを含み、記録された信号特徴を目標信号特徴と比較し、前記RF励起信号が所定の第2の信号特徴を有するようなRF信号を供給するようにこれらシンセサイザを制御する、第2のフィードバックループユニットを備え、
前記MRシステムは、
マシン実行可能命令を記憶するメモリと、
前記MRシステムを制御するためのプロセッサと
をさらに備え、前記プロセッサによって前記マシン実行可能命令が実行されることによって、前記MRシステムが、
前記RF励起信号の指定を受信し、
指定されたRF励起信号を前記指定されたRF励起信号の信号成分に分割し、
前記電力生成ユニットの各々に対して、前記信号成分の1つを表す各自の所定の第1の信号特徴を決定し、
決定された前記所定の第1の信号特徴を使用して、前記RF送信器により、指定されたRF信号を生成する、MRシステム。
【請求項15】
前記プロセッサによる前記マシン実行可能命令の実行によって、前記MRシステムが、前記指定されたRF励起信号を得るために前記所定の第2の信号特徴を決定する、請求項14に記載のMRシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線周波数(RF)信号の生成、特に、磁気共鳴システムにおけるRF励起信号の生成に関する。
【背景技術】
【0002】
さらにB0フィールドと呼ばれる大規模な磁場が、磁気共鳴データを取得するための手順の一部として、原子の核スピンを整列させるために、様々な磁気共鳴(MR)システムによって使用される。例えば、磁気共鳴イメージング(MRI)システムにおいて生成されるB0フィールドが、患者の体のイメージを得るための手順の一部として、患者の体内の原子の核スピンを整列させるのに使用される。核磁気共鳴(NMR)分光計において生成されたB0フィールドは、物質の構造、物質の格子内の原子若しくは分子の配置及び/又は反応状態を探索する手順の一部として、物質内の原子の核スピンを整列させるのに使用される。
【0003】
MRデータを取得するための別の重要なユニットは、1つ又は複数の送信器コイルに結合された、RF励起信号のRF送信器である。送信器によって生成されたRF励起信号は、1つ又は複数の送信器コイルを励起し、この送信器コイルは、局所磁場に対して摂動を生じさせる。局所磁場の摂動は、核スピンの励起を生じさせる。励起された核スピンを緩和させる結果として、1つ又は複数の送信器コイル並びに/或いは1つ又は複数の受信器コイルによって受信されるRF信号の放出を生じる。これらの受信されたRF信号は、MRデータ(例えば、MRイメージ)を再構築するのに使用される。RF励起信号は、特にMRIにおいて、高出力(例えば、数ミリ秒(ms)の持続期間に10kW)を有すること、並びに/或いは様々な振幅及び/又は形状(例えば、患者の体内の異なる化合物の選択的励起を可能にする、2項RFパルス列)を有する一連のRFパルス含むことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のモジュールは、殆どすべての磁気共鳴システムの最も重要な要素の1つである。それらの性能の安定性及び/又はコンパクトな実現における改善は、これらのシステムの開発について絶えることのない問題であった。米国特許出願第2005/0046476号は、磁気共鳴励起信号を生成するための生成装置を開示している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、独立請求項において、MRシステムにおいてRF励起コイルを介して核を励起するためのRF励起信号を生成するためのシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品を提供する。本発明は、さらに別の独立請求項において、RF励起信号のためのシステムを備える、MRIシステムをさらに提供する。従属請求項においては、実施形態が示される。
【0006】
当業者であれば気付くように、本発明の態様は、装置、方法又はコンピュータプログラム製品として具現化される。したがって、本発明の態様は、全体的にハードウェアの実施形態、全体的にソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)の実施形態、又は本明細書においては、そのすべてが一般的に「回路」、「モジュール」、若しくは「システム」と呼ばれる、ソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせる実施形態の形態をとる。さらに、本発明の態様は、コンピュータ実行可能なコードを具現化した1つ又は複数のコンピュータ可読媒体に具現化された、コンピュータプログラム製品の形態をとる。
【0007】
1つ又は複数のコンピュータ可読媒体の任意の組合せを使用することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体である。本明細書において使用する場合には、「コンピュータ可読記憶媒体」とは、コンピューティングデバイスのプロセッサによって実行可能な命令を記憶することのできる、任意有形の記憶媒体を包含する。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読非一時記憶媒体を呼ばれることもある。コンピュータ可読記憶媒体は、有形のコンピュータ可読媒体とも呼ばれる。実施形態によっては、コンピュータ可読記憶媒体は、コンピューティングデバイスのプロセッサがアクセスすることのできる、データを記憶することもできる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、それに限定はされないが、フロッピーディスク、磁気ハードディスクドライブ、ソリッドステートハードディスク、フラッシュメモリ、USBサムドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、光ディスク、光磁気ディスク、及びプロセッサのレジスタファイルが挙げられる。光学ディスクの例としては、CD−ROM、CD−RW、CD−R、DVD−ROM、DVD−RW、又はDVD−Rディスク等のコンパクトディスク(CD)及びデジタル多用途ディスク(DVD)が挙げられる。コンピュータ可読記憶媒体という用語はまた、ネットワーク又は通信リンクを介して、コンピュータデバイスがアクセスすることのできる、様々な種類の記録媒体も指す。例えば、データは、モデムを介して、インターネットを介して、又はローカルエリアネットワークを介して、検索することができる。コンピュータ可読媒体上に具現化されたコンピュータ実行可能コードは、それには限定されないが、ワイヤレス、ワイヤライン、光ファイバケーブル、RF等、又は前記のものの任意好適な組合せを含む、任意適当な媒体を使用して送信してもよい。
【0008】
コンピュータ可読信号媒体は、その中にコンピュータ実行可能コードが、例えば、ベースバンド内に、又は搬送波の一部としてその中に具現化された、伝播データ信号を含んでもよい。そのような伝播信号は、それに限定はされないが、電磁、光学、又はそれらの任意好適な組合せを含む、多様な形態のいずれでもとることができる。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、且つ命令実行システム、装置、又はデバイスが使用する、又はそれらと合わせて使用するためのプログラムを、通信、伝播、又は移送することができる、任意のコンピュータ可読媒体である。
【0009】
「コンピュータメモリ」又は「メモリ」は、コンピュータ可読記憶媒体の一例である。コンピュータメモリは、プロセッサが直接的にアクセス可能である、任意のメモリである。「コンピュータ記憶」又は「記憶」は、コンピュータ可読記憶媒体のさらに別の例である。コンピュータ記憶は、任意の不揮発性コンピュータ可読記憶媒体である。実施形態によっては、コンピュータ記憶は、コンピュータメモリであるか、又はその逆であってもよい。
【0010】
本明細書において使用される場合には、「プロセッサ」は、プログラム又はマシン実行可能命令又はコンピュータ実行可能コードを実行することのできる、電子構成要素を包含する。「プロセッサ」を備える、コンピューティングデバイスへの言及は、場合によっては、複数のプロセッサ又は処理コアを包含するものと解釈すべきである。プロセッサは、例えば、マルチコアプロセッサであってもよい。プロセッサは、単一のコンピュータシステム内部の、又は複数のコンピュータシステムの間に分散された、プロセッサの集合を意味することもある。コンピューティングデバイスという用語は、場合によっては、各々が1つ又は複数のプロセッサを含む、コンピューティングデバイスの集合又はネットワークを意味するものと解釈すべきである。コンピュータ実行可能コードは、同一のコンピューティングデバイス内にあるか、又は複数のコンピューティングデバイスにわたって分散されている、複数のプロセッサによって実行されてもよい。
【0011】
コンピュータ実行可能コードは、プロセッサに本発明の態様を実施させる、マシン実行可能命令又はプログラムを含めてもよい。本発明の態様の動作を実施するためのコンピュータ実行可能コードは、Java(登録商標)、Smalltalk、C++その他等のオブジェクト指向プログラミング言語、Cプログラミング言語又は類似のプログラミング言語等の従来型の手続き型プログラミング言語を含む、1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組合せとして書いて、マシン実行可能命令中にコンパイルしてもよい。場合によっては、コンピュータ実行可能コードは、高レベル言語の形態、又は事前コンパイルされた形態として、実行中(on the fly)にマシン実行可能命令を生成するインタープリタと合わせて使用してもよい。
【0012】
コンピュータ実行可能コードは、ユーザのコンピュータ上で全体を、スタンドアローンソフトウェアパッケージとして、ユーザのコンピュータ上で一部分を、ユーザのコンピュータ上で一部分と、リモートコンピュータ上で一部分とを、又はリモートコンピュータ若しくはサーバ上で全体を、実行してもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む、任意の種類のネットワークを介して、ユーザのコンピュータに接続するか、又は外部コンピュータに(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)接続してもよい。
【0013】
本発明の態様を、本発明の実施形態による方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図解及び/又はブロック図を参照して説明する。フローチャート、図解、及び/又はブロック図の各ブロック又はブロックの部分は、適用可能な場合には、コンピュータ実行可能コードの形態のコンピュータプログラム命令によって実現することができることが理解される。相互に排他的でない場合に、異なるフローチャート、図解、及び/又はブロック図におけるブロックの組合せを組み合わせてもよいことがさらに理解される。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又はその他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに供給して、コンピュータ又はその他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図ブロックに指定された機能/行為を実現する手段を創出するように、マシンを製作してもよい。
【0014】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読媒体に記憶された命令が、フローチャート及び/又はブロック図ブロックにおいて指定された機能/行為を実現する命令を含む、製造物を製作するように、コンピュータ、その他のプログラム可能データ処理装置、又は特定の手法で機能する、その他デバイスに指示することのできる、コンピュータ可読媒体、に記憶させてもよい。
【0015】
コンピュータプログラム命令は、コンピュータ又はその他のプログラム可能装置上で実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図ブロックに指定された機能/行為を実現するためのプロセスを提供するように、コンピュータ、その他のプログラム可能データ処理装置、又はその他のデバイス上にロードして、一連の動作ステップをコンピュータ、その他のプログラム可能装置又はその他のデバイス上で実施させて、コンピュータ実現プロセスを製作してもよい。本明細書において使用する場合には、「ユーザインターフェイス」とは、ユーザ又はオペレータに、コンピュータ又はコンピュータシステムと対話することを可能にする、インターフェイスである。「ユーザインターフェイス」は、「ヒューマンインターフェイスデバイス」を指すこともある。ユーザインターフェイスは、オペレータに情報又はデータを供給し、且つ/又はオペレータから情報又はデータを受信することができる。ユーザインターフェイスは、オペレータからの入力が、コンピュータによって受信されることを可能にすると共に、コンピュータからユーザへの出力を提供する。言い換えると、ユーザインターフェイスは、オペレータが、コンピュータを制御又は操作することを可能にすると共に、ユーザインターフェイスは、コンピュータが、オペレータの制御又は操作の効果を指示することを可能にしてもよい。データ又は情報のディスプレイ又はグラフィカルユーザインターフェイス上への表示は、オペレータへの情報の提供の例である。キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッド、ポインティングスティック、グラフィックスタブレット、ジョイスティック、ウェブカメラ、ヘッドセット、有線グローブ、リモートコントロール、及び加速度計によるデータの受信はすべて、オペレータから情報又はデータの受信を可能にする、ユーザインターフェイス構成要素の例である。本明細書において使用する場合には、「ハードウェアインターフェイス」は、コンピュータシステムのプロセッサが、外部コンピューティングデバイス及び/又は装置と、対話すること及び/又は制御することを可能にする、インターフェイスを包含する。ハードウェアインターフェイスは、プロセッサが、制御信号又は命令を外部コンピューティングデバイス及び/又は装置に送信することを可能にする。ハードウェアインターフェイスはまた、プロセッサが、外部コンピューティングデバイス及び/又は装置とデータを交換することを可能にする。ハードウェアインターフェイスの例としては、それに限定はされないが、ユニバーサルシリアルバス、IEEE1394ポート、パラレルポート、IEEE1284ポート、シリアルポート、RS−232ポート、IEEE−488ポート、ブルートゥース(登録商標)接続、無線ローカルエリアネットワーク接続、TCP/IP接続、イーサネット(登録商標)接続、制御電圧インターフェイス、MIDIインターフェイス、アナログ入力インターフェイス、及びデジタル入力インターフェイスが挙げられる。
【0016】
本明細書において使用する場合には、「ディスプレイ」又は「ディスプレイデバイス」は、画像又はデータを表示するために適合された出力デバイス又はユーザインターフェイスを包含する。ディスプレイは、視覚、聴覚、及び接触データを出力することができる。ディスプレイの例としては、それに限定はされないが、コンピュータモニタ、テレビジョンスクリーン、タッチスクリーン、触覚電子ディスプレイ、点字スクリーン、陰極線管(CRT)、蓄積管、双安定ディスプレイ、電子ペーパー、ベクトルディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、真空蛍光ディスプレイ(VF)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、エレクトロルミネセンスディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、プロジェクタ、ヘッドマウントディスプレイが挙げられる。
【0017】
磁気共鳴(MR)データは、本明細書においては、MRデータ(例えば、MRイメージングスキャン)の取得中に、磁気共鳴装置のアンテナを使用して、原子スピンによって放出される無線周波数信号の、記録された測定値であると定義される。磁気共鳴データは、医療イメージデータの一例である。磁気共鳴(MR)イメージは、本明細書では、磁気共鳴データ内に含まれる解剖学的データの、再構築された2次元又は3次元の可視化であると定義される。この可視化は、コンピュータを使用して実施することができる。
【0018】
本発明において定義される場合、MRシステムの主磁石アセンブリは、B0フィールドを生成する主磁石と、主磁石の冷却システムとを包含する。MRシステムがMRIシステムである場合には、主磁石アセンブリは、1つ又は複数の勾配コイルをさらに備える。
【0019】
一態様において、本発明は、MRシステムにおいてRF励起コイルを介して核を励起するためのRF励起信号を生成するためのシステムを提供する。このシステムは、電力生成ユニットと、RF励起信号を得るために、RF増幅器によって増幅されたRF信号を合成する合成器とを備え、電力生成ユニット各々が、シンセサイザ、RF増幅器、及び、RF増幅器による増幅の後に所定の第1の信号特徴を有するRF信号を生成するようにシンセサイザを構成する、第1のフィードバックループユニットを備える電力生成。
【0020】
前の段落において記述されたシステムは、いくつかの利点を有する。まず第1に、このシステムは、先進的な放熱管理を可能にする。いくつかの電力生成ユニットの放熱を設計することは、いくつかの電力生成ユニットと同一の電力を生成する単一の電力生成ユニット用の熱シンクを開発するのと比較して、遥かに容易である。いくつかの電力生成ユニットが利用されるときには、熱源は分散される。その結果として、熱管理へのリクエストが低くなる。RF励起信号の生成のために並列に接続された、いくつかの電力生成ユニットを使用することの別の有利な特徴は、単一の電力生成ユニットが使用される場合と比較して、より複雑なRF信号を生成することの可能性である。後者の利点について、以下でより詳細に考察する。
【0021】
別の実施形態において、システムは、マシン実行可能命令を記憶するメモリと、システムを制御するプロセッサとをさらに備える。プロセッサによってマシン実行可能命令が実行されると、システムは、指定されたRF励起信号を生成するためのリクエストを受信し、指定されたRF励起信号をRF信号の信号成分に分割し、電力生成ユニットの各々に対して、信号成分の1つを表す各自の所定の第1の信号特徴を決定し、第1の信号特徴を使用して指定されたRF信号を生成する。
【0022】
異なる電力生成ユニット間で指定されたRF励起信号を分割することの利点は、単一の電力生成ユニットによって生成する場合には重大な工学的課題となる、複雑なRFパルスの生成が簡略に実現されることである。この場合に、RF励起信号の1つの複雑なRFパルスの成分の各々は、それぞれの電力生成ユニットによって生成することが可能である。結果として得られる複雑なRFパルスは、それぞれの電力生成ユニットによって生成される複雑なRFパルスの成分を連結するように構成された、合成器の出力端子において生成される。RF励起信号を電力生成ユニット間で分割することの別の利点は、先進的な放熱管理を実現する可能性である。例えば、2つの電力生成ユニットが、RF励起信号のRFパルスの列を生成するために使用されるときに、電力生成ユニットの1つが、RF励起信号の奇数パルスを生成し、電力生成ユニットの別の1つが、RF励起信号の偶数パルスを生成するように構成することができる。その結果、電力生成ユニットの各々は、単一の電力生成ユニットがRF励起信号の生成に使用される状況と比較して、冷却のための長い時間を有する。
【0023】
別の実施形態において、信号成分の1つは、他の信号成分よりも高いピーク振幅を有する。
【0024】
この実施形態は、振幅差別事前選択による、信号成分の選択的な分割を可能にする。電力生成ユニットのうち1つの構成を、低振幅のRFパルスの生成のために最適化し、同時に電力生成ユニットのうち別の1つの構成を、高振幅のRFパルスの生成のために最適化することができる。その結果、結果として生成されるRF励起信号は、RFパルスが単一の電力生成ユニットによって生成される状況と比較して、より良い忠実度で生成される。
【0025】
別の実施形態においては、信号成分の1つが、その他の信号成分とは異なる時間−周波数領域に割り付けられる。
【0026】
この実施形態は、RF励起信号を分割して、RF励起信号のそれぞれの信号成分の信号特徴に応じた電力生成ユニットの適応構成を可能にする、別のアプローチを可能にする。このアプローチの利点は、上記の実施形態の利点と同様である。
【0027】
別の実施形態においては、MRシステムは、磁気共鳴イメージングシステムである。指定されたRF励起信号は、複合RF信号を含む。複合RF信号のRFパルスの少なくとも1つは、異なる信号成分の断片から構築される。
【0028】
この実施形態は、RF励起信号を分割して、RF励起信号のそれぞれの信号成分の信号特徴に応じた電力生成ユニットの適応構成を可能にする、さらに別のアプローチを可能にする。このアプローチの利点は、上述の実施形態の利点と同様である。
【0029】
別の実施形態においては、システムは、RF励起信号が所定の第2の信号特徴を有するようなRF信号を供給するためこれらシンセサイザを制御するようになされた、第2のフィードバックループユニットをさらに備える。プロセッサによるマシン実行可能命令の実行によって、システムは、指定されたRF励起信号を得るための所定の第2の信号特徴を決定する。
【0030】
この実施形態は、生成されたRF励起信号のより良好な忠実度を可能にする。例えば、第2のフィードバックループは、電力生成ユニットによって生成された信号成分のより良好な時間及び/又は位相同期を可能にして、合成器による信号成分の正しい連結を可能にする。
【0031】
本発明は、無線周波数(RF)信号を生成するためのシステムに関する。このシステムは、各チャネルにRF電力増幅器を有し、各チャネルが、各自のシンセサイザと、第1の(ローカル)フィードバックループとを備える、マルチチャネルシステムである。各チャネルにおいて、シンセサイザは、チャネルの出力で検出されたRF信号特性と目標RF信号特性との比較とは独立して、構成(調節)される。この第1の(ローカル)フィードバックループは、各チャネルにおいて、RF振幅出力におけるRF信号を制御する。合成器出力における記録されたRF信号特徴(すなわち、合成RF信号のRF信号特徴)を比較して、(合成信号の)RF信号特徴の比較に基づいて、(チャネルの各々における)シンセサイザを制御する、第2の(グローバル)フィードバックループが設けられている。
【0032】
この発明は、各チャネルにおける信号特性(線形性、ゲイン、位相安定性)の差異を考慮するために、各チャネルにおける(MOSFET)RF増幅器の制御を成し遂げる。任意選択で、チャネルの各々におけるローカルプリアンプによるずれを補正するためのローカルフィードバックループと、各チャネルにおけるプリアンプの歪みを補償する別のローカルフィードバックループとがあってよい。
【0033】
第2の(グローバル)フィードバックループは、合成信号の記録された信号特徴の比較に基づいて、各チャネルにおけるシンセサイザを制御するために設けられる。このグローバルフィードバックループは、より良好なタイミングと位相同期を可能にし、それにより、合成器によるチャネルからのRF信号の正しい連結を可能にする。このグローバルフィードバックループは、特に、合成信号が最小限に相殺するように調節する。さらに、合成信号に基づくグローバルフィードバックループと組み合わせた個々のチャネルにおけるフィードバックループの組合せのデジタル制御は、調節するのがより簡単である。
【0034】
別の実施形態においては、各電力生成ユニットは、RF増幅器の電源と、所定の電力特徴を有する電力をRF増幅器に供給するための電源を構成する、第3のフィードバックループとをさらに備える。電力生成ユニットの各々に対して各自の所定の第1の信号特徴を決定することは、電力生成ユニットの各々に対して、増幅後のRF信号が各自の第1の信号特徴を有することを確実にする、各自の所定の電力特徴を決定することを含む。
【0035】
この実施形態は、増幅器に供給された電力の適合化を可能にして、電力生成ユニットによって生成しようとする信号成分の信号特徴に応じて、増幅器の特性をチューニングすることを可能にする。
【0036】
別の実施形態においては、各RF増幅器は、RF信号の増幅のために構成された電界効果トランジスタ(FET)を備える。所定の電力特徴は、FETのゲートにおける電圧と、FETのチャネルを通って流れる電流とのうちの少なくとも一方を含む。
【0037】
この実施形態は、増幅器の特性のチューニングに使用される電力特徴を指定することをさらに可能にする。特定のゲートバイアスとドレイン電流を選択することによって、線形性、ゲイン、電力効率、その他のような増幅器の基礎的特性が決まる。言い換えると、指定された電力特徴によって、増幅器のクラス(A、B、AB、C、等)が決まる。
【0038】
別の実施形態においては、電源は、両方ともそれぞれのFETのドレインに直流的に(galvanically)接続されている、キャパシタバンクとフェライトチョーク(ferrite choke)をそれぞれに備える、スイッチング電源である。キャパシタバンクは、MRシステムの主磁石アセンブリ中に組み入れるために構成されている。フェライトチョークは、MRシステムの主磁石アセンブリから遠隔に位置するように構成されている。
【0039】
この実施形態は、RF励起信号を生成するためのシステムの構成要素の、MRシステム中へのコンパクトな組込みをもたらすことができる。
【0040】
別の実施形態においては、所定の信号特徴は、平均電力、ピーク電力、位相、スペクトル、相互変調、振幅、及びパルス形状のうちの少なくとも1つを含む。
【0041】
別の実施形態においては、RF増幅器及び/又は合成器は、MRシステムの主磁石アセンブリ内に組み込まれている。
【0042】
この実施形態は、RF励起信号の生成のためのシステムの構成要素のMRシステム中へのコンパクトな組込みをもたらすことができる。増幅器及び合成器のコンパクトな組込みは、それ自体で、RFケーブルの長さの実質的な低減を可能にし、その結果として、より良好な忠実度を有するRF励起信号の生成を可能にする。
【0043】
別の態様において、本発明は、MRシステムにおいてRF励起コイルを介して核を励起するためのRF励起信号を生成する方法を提供する。MRシステムは、各々がRF増幅器を備える電力生成ユニットと、RF励起信号を得るためにRF増幅器によって増幅されたRF信号を合成する合成器とを備える。この方法は、指定されたRF励起信号を生成するためのリクエストを受信するステップと、指定されたRF励起信号を、指定されたRF励起信号の信号成分に分割するステップと、システムの電力生成ユニットの各々に対して、信号成分の1つを表す各自の所定の第1の信号特徴を決定するステップとを有し、電力生成ユニットの各々は、シンセサイザと、RF増幅器による増幅の後に所定の第1の信号特徴を有するRF信号を生成するようにシンセサイザを構成する、第1のフィードバックループユニットとをさらに備える。
【0044】
別の態様において、本発明は、前述の方法を実施するためのマシン実行可能命令を含む、コンピュータプログラム製品を提供する。
【0045】
別の態様において、本発明は、MRシステムを提供する。MRシステムは、主磁石と、RF励起信号によってMRシステム内で核を励起するための1つ又は複数のRFコイルと、1つ又は複数のRFコイルを介して核を励起するために使用される、RF励起信号を生成するためのRF送信器とを備える。RF送信器は、各々がシンセサイザ、RF増幅器、及びRF増幅器による増幅の後に所定の第1の信号特徴を有するRF信号を生成するようにシンセサイザを構成する、第1のフィードバックループユニットを備える、電力生成ユニットと、RF励起信号を取得するために、RF増幅器によって増幅されたRF信号を合成する合成器とを備える。MRシステムは、マシン実行可能命令を記憶するメモリと、MRシステムを制御するためのプロセッサとをさらに備える。プロセッサによるマシン実行可能命令の実行によって、MRシステムは、RF励起信号の指定を受信し、指定されたRF励起信号を指定されたRF励起信号の信号成分に分割し、電力生成ユニットの各々に対して、信号成分の1つを表す各自の所定の第1の信号特徴を決定し、決定された所定の第1の信号特徴を使用して、RF送信器により、指定されたRF信号を生成する。
【0046】
本発明の前述の実施形態の1つ又は複数は、組み合わされる実施形態が相互に排他的でない限り、組み合わせてもよいことを理解されたい。
【0047】
以下では、本発明の好ましい実施形態を、単なる例示として、図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】磁気共鳴イメージングシステムの一例を示す図である。
図2】RF生成器を示すブロック図である。
図3】増幅器と電源の回路図である。
図4】RF信号を生成する方法を示すフロー図である。
図5】主磁石アセンブリに対するRF生成器の構成要素の割付け配置図である。
図6】主磁石アセンブリに対するRF生成器の構成要素の割付け配置図である。
図7】主磁石アセンブリに対するRF生成器の構成要素の割付け配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
これらの図において同一の番号が付された要素は、等価な要素であるか、又は同一の機能を発揮する。先に考察された要素は、その機能が等価である場合には、後の図においては必ずしも考察されない。
【0050】
図1は、磁石104を備える、磁気共鳴イメージングシステム100の一例を示す。磁石104は、それを貫通するボア106を有する、超電導円筒型の磁石104である。異なるタイプの磁石の使用も可能であり、例えば、スプリット円筒形磁石と、いわゆる開放型磁石の両方を使用することもできる。スプリット円筒形磁石は、磁石のアイソ面(iso−plane)へのアクセスを可能にするために、クライオスタット(cryostat)が2つのセクションに分割されていることを除いて、標準円筒形磁石と類似しており、そのような磁石は、例えば、荷電粒子線治療と合わせて使用される。開放型磁石は、一方が他方の上にある、2つの磁石セクションを有し、その間に、対象を受け入れるのに十分に大きい、スペースを有する。2つのセクションエリアの配設は、ヘルムホルツ(Helmholtz)コイルの配設と類似している。開放型磁石は、対象が閉じ込められる程度が低いことから普及している。円筒形磁石のクライオスタットの内側には、超電導コイルの集合がある。円筒形の磁石104のボア106内部には、磁気共鳴イメージングを実施するのに十分なほど磁場が強く均一である、イメージングゾーン108がある。
【0051】
磁石のボア106内部には、磁石104のイメージングゾーン108内部の磁気スピンを空間的に符号化するための磁場共鳴データを取得するために使用される、一組の磁場勾配コイル110がある。磁場勾配コイル110は、磁場勾配コイル電源112に接続されている。磁場勾配コイル110は、見本として意図されている。通常、磁場勾配コイル110は、3つの直交する空間的方向において空間的に符号化を行うために、3つの別の組のコイルを含む。磁場勾配電源は、磁場勾配コイルに電流を供給する。磁場勾配コイル110へ供給される電流は、時間の関数として制御され、ランプ形又はパルス型とされる。
【0052】
イメージングゾーン108に隣接して、イメージングゾーン108内部の磁気スピンの方位を操作して、イメージングゾーン108内部のスピンから無線送信を受信するための、無線周波数コイル114がある。無線周波数アンテナは、複数のコイル要素を含む。無線周波数アンテナは、チャネル又はアンテナとも呼ばれる。無線周波数コイル114は、無線周波数送受信器116に接続される。無線周波数コイル114及び無線周波数送受信器116は、別個の送信コイル及び受信コイルと、別個の送信器及び受信器とで置き換えられる。無線周波数コイル114及び無線周波数送受信器116は見本であることを理解されたい。無線周波数コイル114は、専用送信アンテナと専用受信アンテナとを表すことも意図している。同様に、送受信器116は、別個のRF送信器200と受信器も表す。無線周波数コイル114はまた、複数の受信/送信要素を有し、無線周波数送受信器116は、複数の受信/送信チャネルを有する。
【0053】
磁石104のボア106の内部には、対象支持と対象118とをイメージングゾーン108を通り移動させることのできる、任意選択のアクチュエータ122に取り付けられた、対象支持120がある。イメージングゾーン108内部には、関心領域123がある。
【0054】
送受信器116、磁場勾配コイル電源112、及びアクチュエータ122は、すべて、コンピュータシステム126のハードウェアインターフェイス128に接続されているものとして見える。
【0055】
送受信器116の送信器は、そのRF電力出力が合成器261を介して送信コイル又は受信コイルに結合されている、電力生成ユニット203〜206を備える(図1及び図2)。電力生成ユニットは、ハードウェアインターフェイス128に直接的に接続して、プロセッサ130によって直接的に動作させることができる。送信器200は、ハードウェアインターフェイス128に接続されたコントローラ201をさらに備えることができる。この場合には、電力生成ユニットは、ハードウェアインターフェイス128を介してプロセッサ130から受信される命令に従って、コントローラのプロセッサ202によって制御されるコントローラによって、動作させられる。
【0056】
コンピュータ記憶134は、MRIスキャンプログラム140を含むものとして示されている。スキャンプログラム140は、MRIシステムがスキャンプログラムを実行するときに、対象119内でスキャンされる、対応する関心領域123の記述と、関心領域において取得されるイメージの記述と、スキャンプログラムの実行に必要とされる一組のシステムパラメータとを含む。システムパラメータの組は、スキャンプログラムに指定されたイメージの取得のために、その実行が必要とされる、パルス列コマンドの記述を含む。パルス列コマンドは、送信器に、それぞれのスキャンの実行に必要とされる、RF励起信号を生成させる。パルス列コマンド140は、さらに、磁気共鳴イメージングシステム100に、関心領域に対する磁気共鳴データ141の読出しを行わせる。
【0057】
コンピュータ記憶134は、さらに、パルス列コマンド140を用いて、磁気共鳴イメージングシステム100を制御することによって取得された、磁気共鳴データ141を含むものとして示されている。コンピュータ記憶134は、さらに、磁気共鳴データ141から再構築されたイメージ142を含むものとして示されている。
【0058】
コンピュータメモリ136は、制御モジュール150を含むものとして示されている。制御モジュール150は、プロセッサ130が磁気共鳴イメージングシステム100の動作と機能を制御することを可能にする、コンピュータ実行可能命令を含む。例えば、制御モジュール150は、プロセッサ130が、磁気共鳴イメージングシステム100の別の部分を制御して、磁気共鳴データ141を取得するために、パルス列コマンド140の使用又は実行を含む、MRIスキャンを実施することを可能にする。コンピュータメモリ136は、プロセッサ130が、磁気共鳴データ141からイメージ142を再構築することを可能にする、イメージ再構築モジュール152を含むものとして示されている。コンピュータメモリ136は、プロセッサ130が、RF励起信号の指定をRF送信器200の設定に変換して、RF送信器200を、それが指定されたRF信号を生成するように、構成することを可能にする、制御モジュール154をさらに含む。代替的に、送信器200を制御するプロセッサ202は、プロセッサ130からRF送信器コントローラ201においてハードウェアインターフェイス128を介して受信されるRF信号の指定を用いて、指定されたRF励起信号を生成するように、送信器200を構成することができる。
【0059】
MRIシステムは、RF送信器(生成器)200を利用することのできる、多数のシステムの1つにすぎない。それは、MRデータの取得に使用される、殆どいかなるシステムにおいても使用することができる。例えば、それは、NMR分光計における核の励起に使用することができる。RF送信器は、NMRシステムにおける1つ又は複数の励起コイルに結合することができる。図1に示されたMRシステム100におけるように、RF送受信器200は、RF励起信号の生成のために構成することができる。
【0060】
図2は、RF送信器200のブロック図を示す。それは、4つの電力生成ユニット203〜206を有する。さらなる説明から明瞭に示されるように、RF送信器は、複数である任意の数の電力生成ユニットを備えると共に、図2に示されたRF送信器として同様の機能を有することができる。RF送信器は、RF電力生成ユニットを制御するように構成されたコントローラ201を備えることができる。コントローラ201は任意選択であり、電力生成ユニットは、デジタルインターフェイス128を介して、コンピュータシステム126のプロセッサ130によって直接的に制御することができる。RF電力生成ユニットのRF電力出力は、合成器261を介して、RF生成器のRF出力に結合されている。合成器261は、Gysel合成器とすることができる。
【0061】
電力生成ユニット203は、シンセサイザ211と、RF増幅器231と、RF増幅器による増幅後に所定の第1の信号特徴を有するRF信号を生成するようにシンセサイザを構成する第1のフィードバックループ251とを備える。第1の信号特徴及びさらに本文内のその他の信号特徴は、平均電力、ピーク電力、位相、スペクトル、相互変調、振幅、及びパルス形状のうちの少なくとも1つとすることができる。第1のフィードバックループは、様々な手法で実現することができる。例えば、それは、RF信号特性と、増幅器231の出力とを記録する、センサを備えることができる。記録されたRF信号特性は目標RF信号特性と比較され、シンセサイザは、増幅器231による増幅後に指定されたRF信号特性を有するRF信号を生成するために、それに応じて再構成される。記録されたRF信号特性と目標RF信号特性との比較、及び/又はシンセサイザ211の再構成は、シンセサイザ211を制御するプロセッサによって、又はコントローラ201を制御するプロセッサ202によって、又はシステム126を制御するプロセッサ130によって実行することができる。
【0062】
RF電力生成ユニット203は、プリアンプ221をさらに備えることができる。プリアンプ221は、シンセサイザ211によって生成されたRF信号の増幅を実施して、それを増幅器231の入力に供給するように構成されている。RF電力生成ユニット203は、別のフィードバックループをさらに備えることができる。このフィードバックループは、プリアンプ221によって導入された歪みを補償するために、プリアンプ221の性能をモニタリングするように構成されて、シンセサイザ211を構成することができる。プリアンプ221によって導入された歪みの補償は、プリアンプ221による増幅の後のRF信号に歪みがなくなるように、シンセサイザ211によって生成されるRF信号を修正することによって実施することができる。このフィードバックループは、上述の第1のフィードバックループと同様に動作させることができる。
【0063】
RF電力生成ユニット203は、増幅器231の電源ユニット241をさらに備える。RF電力生成ユニット203は、電源ユニット241によって増幅器231に供給された電力の電力特徴を制御するための、第3のフィードバックループをさらに備える。電力特徴は、線形性、電力効率、ゲイン、及び/又は動作のクラス(A、AB、B、C)等の、増幅器231の性能パラメータを決定することができる。
【0064】
電力特徴の意味と、それが増幅器231の性能に与える影響とが、図3の例示的回路図に示されている。回路図は、増幅器231の例示電気方式を示す。増幅器231は、RF信号を増幅するように構成された、電界効果トランジスタ(FET)235を備える。FET235のゲートは、ブロッキングキャパシタ236とRFマッチングユニット239を介して、(RF電力生成ユニットにプリアンプが使用されている場合には)プリアンプ221の出力、又はシンセサイザ211の出力に結合されている。FETトランジスタ235のソースが設置されている。FETトランジスタ235のドレインは、ブロッキングキャパシタ237とマッチングユニット238とを介して、合成器261の入力へ結合されている。電源241は、FET235のゲートバイアスとドレイン電流を供給する、スイッチング電源とすることができる。ゲートバイアスやドレイン電流等の適正な電力特徴を選択することによって、線形性、電力効率、ゲイン、及び/又は動作のクラス(A、AB、B、C)等の増幅器231の必要とされる性能パラメータを決定することができる。電源241は、それぞれのLCフィルタを介して、ゲートバイアス及びドレイン電流を供給する、直流(DC)電源259を備える。LCフィルタは、キャパシタ258(256)と、RFチョーク257(255)とを備える。RFチョークは、RFフェライトチョークとすることができる。
【0065】
その他のRF電力生成ユニット204、205、及び206は、RF電力生成ユニット203と同様にして構築することができる。
【0066】
RF送信器200は、第2のフィードバックループを備える。それは、合成器261の出力に結合されたセンサ271を備える。センサは、合成器の出力において、RF信号のRF信号特徴を記録するように構成されている。第2のフィードバックループは、記録された信号特徴を目標信号特徴と比較して、記録された信号特徴が目標信号特徴と合致するように、1つ又は複数のシンセサイザを再構成するように構成されている。
【0067】
前述のフィードバックループは、デジタル又はアナログとすることができる。
【0068】
送信器200は、メモリ203と、送信器200を制御するプロセッサ202とを備えることができる。メモリ203はマシン実行可能命令を記憶し、プロセッサによりマシン実行可能命令が実行されると、送信器200が、指定されたRF励起信号を生成するためのリクエストを受信するステップと、指定されたRF励起信号をRF励起信号の信号成分に分割するステップと、第1のフィードバックループ(及び第3のフィードバックループ)の各々に対して、信号成分(増幅後のRF信号が各自の第1の信号特徴を有することを確実にする各自の所定の電力特徴)の1つを表す各自の所定の第1の信号特徴を決定するステップと、第2のフィードバックループに対して、指定されたRF励起信号を表す第2の所定の特徴を決定するステップと、第1の信号特徴を使用して指定されたRF信号を生成するステップとを実施する。プロセッサ202及びメモリ203は任意選択である。指定されたRF励起信号を生成するステップの前述の手順は、システム126のプロセッサ130の制御の下で、送信器200によって実施することができる。
【0069】
指定されたRF励起信号のRF信号の信号成分へのこのような分割は、1つだけのRF電力生成ユニットを備えるRF送信器を使用して、言い換えると、1つだけの増幅チャネルを有するRF電力生成器を使用して生成することは不可能である、RF励起信号の生成を可能とする。RF励起信号は、実質的に異なる振幅、スペクトル及び/又は電力(例えば、2項RFパルスを含む、複合RF励起信号)を有するRFパルスの列を含む可能性があるので、単一の増幅器による、これらのRFパルスの最適増幅には、RFパルスの列の生成中の増幅器の再構成を必要とする可能性がある。この再構成には、ゲートバイアス及び/又はドレイン電流のようなパラメータを変更することを含む可能性がある。言い換えると、線形性、ゲイン、電力効率、動作のクラス等のRF増幅器の基本的なパラメータを、実行中に変更しなくてはならない。しかしながら、単一のRFパルスであっても、ソースRF信号の補償的な事前歪みが使用される場合でも単一の増幅器を使用して生成することが不可能な電力とスペクトルの組合せを有する可能性があるので、この機能の実現で増幅器の最適の性能を保証することはできない。並列に動作する、いくつかのRF電力生成ユニットを使用して、電力生成ユニットの各々にRF励起信号のそれぞれの成分を割り当てることによって、複雑なRFパルスの生成についての前述の問題を軽減することが可能になる。RF励起信号は、類似の信号特徴を有する信号成分に分割することができる。例えば、閾値より上の振幅を有するRFパルスは、信号成分の1つに割り当てることができ、その他のRFパルスは、信号成分の別の1つに割り当てることができる。RF励起信号の分割は、フーリエ解析に基づいて行うことができる。信号成分の各々は、時間−周波数領域において、それぞれのエリアに割り当てることができる。この場合に、RFパルスの一部は、同時に、RF電力生成ユニットの少なくとも2つによって生成することができる。前述の例に照らせば、信号成分におけるRF励起信号を分割することは、信号成分の信号特徴の変動が、親RF励起信号の信号特徴の変動よりも小さくなるように、行うことができることは明白である。すなわち、RF電力生成ユニットの各々に対する性能パラメータを選択して、それぞれの信号成分の最適増幅を可能にすることができる。
【0070】
図4は、図1の磁気共鳴イメージングシステム100を動作させる方法を示す。基本的に、RF送信器が指定されたRF励起信号を生成させられるときには、同一のステップが実施される。最初にステップ300において、磁気共鳴イメージングシステム100は、スキャンプログラムを実施するという命令を受信する。この命令は、ユーザインターフェイス132を介して受信することができ、この場合に、スキャンプログラム140のリストがユーザインターフェイス132を介してユーザに提示される。実行するスキャンプログラムの記述は、RF励起信号の指定に含まれる。図4に示される方法がRF励起信号の生成に使用されるときには、ステップ300において、RF励起信号の指定が受信される。
【0071】
次にステップ301において、指定されたRF励起信号は、上述のように信号成分に分割される。後にステップ302において、電源が構成される。この手順には、それぞれの信号成分の増幅に最適である、増幅器の各々に対する性能パラメータを選択することが含まれる。ステップ302の実行の結果として、電源241〜244を制御する第3のフィードバックループの各々に対する、所定の電力特徴が決定される。
【0072】
次にステップ303において、RF電力生成ユニットが構成される。RF電力生成ユニットの各々の構成には、前記RF電力生成ユニットによって生成しようとするそれぞれの信号成分を表す各自の所定の第1の信号特徴を決定することが含まれる。RF電力生成ユニットにおいてプリアンプが使用されるときには、この手順には、プリアンプによって生じるRF信号の歪みを最小化するために、プリアンプのフィードバックループを構成することがさらに含まれる。ステップ303におけるRF電力生成ユニットの各々の構成には、増幅器の出力におけるRF信号がそれぞれの信号成分と合致することを確実にするために、電源の所定の電力特徴の補正をさらに含めることができる。
【0073】
次にステップ304において、RF送信器が全体として構成される。RF送信器の構成には、RF送信器によって生成されるRF信号が指定されたRF励起信号と合致することを確実にするために、第2のフィードバックループに対する第2の所定の信号特徴を選択することが含まれる。このことは、指定されたRF励起信号を表す第2の所定の信号特徴をモニタリングすると共に、RF送信器によって生成されるRF信号が第2の所定の信号特徴を有するように、シンセサイザを構成するように、第2のフィードバックループを構成することによって行うことができる。例えば、第2のフィードバックループは、シンセサイザが、合成器によって増幅されたRF信号の適正な連結を可能にする位相を有するRF信号を生成するように、シンセサイザを構成することができる。
【0074】
次にステップ305において、指定されたRF励起信号がRF送信器によって生成されて、MRIイメージのアキュセーション(accusation)が実施される。
【0075】
RF信号増幅のためにFET235を使用するRF送信器における多重チャネル203〜206増幅器を使用すると、RF送信器構成要素を主磁石アセンブリ280への一体化が可能になる。トランジスタの熱シンクは、主磁石アセンブリの冷却システムに結合することができる。励起コイルの近傍のRF生成構成要素を一体化すると、RFケーブル長を大幅に減少させることになる。その結果として、RF送信器の性能が改善される。
【0076】
図5は、RF送信器200の構成要素の割付け配置図を示す。以下の構成要素、増幅器231〜234、プリアンプ221〜224、合成器261、及び/又はキャパシタバンク258及び256、の少なくとも1つは主磁石アセンブリ中に一体化するように構成することができる。対照的に、RFフェライトチョークは、主磁石アセンブリから遠隔に位置するように構成しなくてはならない。例えば、増幅器、プリアンプ、キャパシタバンクは、主磁石アセンブリと一緒にスキャナルーム291に設置することができるのに対して、DC電源259及びRFフェライトチョーク255、257は、主磁石アセンブから遠隔にテクニカルルーム290内に設置することができる。
【0077】
図6は、主磁石アセンブリ280に対する、RF送信器200の構成要素の割付け配置図を示し、この場合に、主磁石は、その中にボア281を有する円筒形磁石280である。増幅器231〜234は、熱の供給源であるので、主磁石アセンブリの冷却システムの熱負荷を均一化するために、増幅器は、主磁石アセンブリ上に均一に分散される。一方で、増幅器は、増幅器の冷却用に主磁石の冷却システムを利用するため、及びRFケーブルの長さを低減するために、好ましくは主磁石に近接して配置する必要がある。一方で、これらの便益を最大化することによって、ボア281の直径の減少を生じてはならない。すなわち、増幅器は、好ましくは、主磁石アセンブリ280の内部輪郭と主磁石アセンブリ280の外部輪郭の間に割り付けられ、これに対してキャパシタバンク256及び/又は258は、増幅器と同様に主磁石アセンブリ内に組み込まれるか、又は主磁石アセンブリの外部輪郭に取り付けられる。
【0078】
図7は、主磁石アセンブリに対する、RF送信器200の構成要素の割付け配置図であり、ここで主磁石は開放型磁石である。開放型磁石のコイルのアセンブリは、280及び280’として示されている。コイルのアセンブリは、開放スペース281’によって離隔されている。上記に策定された主磁石アセンブリに対する、RF送信器の構成要素の割付けに対して同様の考察が、この場合にも当てはまる。すなわち、増幅器231及び232(233及び234)は、好ましくは、主磁石アセンブリ280(280’)内のその左と右の縁端に割り付けなければならないのに対して、キャパシタバンク256及び/又は258は、増幅器と同様に、主磁石アセンブリ内に組み入れるか、又は主磁石アセンブリ280及び280’に対してその左と右の縁端に取り付けることができる。
【0079】
本発明について、図面及び前述の説明において詳細に図解して記述したが、そのような図解や記述は、説明的又は例示的なものであり、制約的なものではなく、本発明は、開示された実施形態に限定されるものではない。
【0080】
当業者によれば、特許請求された発明の実施に際して、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の学習から、開示された実施形態に対するその他の変形例を理解し、成し遂げることができる。特許請求の範囲において、「備える、含む(comprising)」の用語は、その他の要素又はステップを除外するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は、複数を除外するものではない。単一のプロセッサ又はその他のユニットが、特許請求の範囲に記載されている、いくつかの項目の機能を果たすことがある。特定の施策が相互に異なる従属請求項において記載されているという事実だけで、これらの施策の組合せが有利に使用できないことを示すものではない。コンピュータプログラムは、光学記憶媒体、又はその他のハードウェアと一緒に、若しくはその一部として供給されるソリッドステート媒体等の、好適な媒体上に記憶/分散されるが、インターネット又はその他の有線又はワイヤレスの電気通信システムを介する等、その他の形態で分散させてもよい。特許請求の範囲におけるいずれの参照符号も、範囲を限定するものとは解釈すべきではない。
【0081】
要約すると、以下の特徴的な機能が、特徴的であり有利であると認識することができる。RF送信器は、RF送信器の多重ノードにおける信号のモニタリングと補正を可能にする、多重デジタルフィードバックループを使用して実現することができる。デジタルフィードバックループは、先進的な忠実度を有するRF励起信号の生成を可能にできるが、製造誤差及び/又は製品の寿命中の構成要素の劣化の結果としての、RF送信器の構成要素の電気的特性の、その指定からのずれを補償することを可能にする。RF送信器の構成要素は、主磁石アセンブリ内に組み入れて、MRシステムにより占拠される床面積のさらなる低減、及び/又はRF送信器によって生成されたRF励起信号の忠実度の改善を可能にする、構成が可能である。並列に動作する多重RF電力生成ユニットは、複雑なRFパルスを生成することができ、単一の電力生成ユニットによるその生成は、工学的な課題である。さらに、RF送信器は、RF電力生成ユニットの少なくとも1つが動作可能であり、RF電力生成ユニットの少なくとも1つが故障しているときに、運転可能のままである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7