特許第6843121号(P6843121)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6843121
(24)【登録日】2021年2月25日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】組織マイクロアレイ分析
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/483 20060101AFI20210308BHJP
   G01N 33/48 20060101ALI20210308BHJP
   G01N 37/00 20060101ALI20210308BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20210308BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20210308BHJP
【FI】
   G01N33/483 C
   G01N33/48 P
   G01N33/48 M
   G01N37/00 102
   C12M1/34
   G06T7/00 630
【請求項の数】15
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2018-510091(P2018-510091)
(86)(22)【出願日】2016年8月10日
(65)【公表番号】特表2018-534532(P2018-534532A)
(43)【公表日】2018年11月22日
(86)【国際出願番号】EP2016068995
(87)【国際公開番号】WO2017032595
(87)【国際公開日】20170302
【審査請求日】2019年8月7日
(31)【優先権主張番号】15182257.4
(32)【優先日】2015年8月25日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ウィンベルガー‐フリードル レインホールド
(72)【発明者】
【氏名】ピエリク アンケ
【審査官】 三木 隆
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2003/0118222(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0085443(US,A1)
【文献】 特表2002−505431(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/063192(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0247416(US,A1)
【文献】 WENJIN CHEN; ET AL,UNSUPERVISED IMAGING, REGISTRATION AND ARCHIVING OF TISSUE MICROARRAYS,PROCEEDINGS OF THE SYMPOSIUM OF THE AMERICA MEDICAL INFORMATICS ASSOCIATION(AMIA),2002年,P136-139,URL,https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2244557/
【文献】 BELLO M; ET AL,ACCURATE REGISTRATION AND FAILURE DETECTION IN TISSUE MICRO ARRAY IMAGES,BIOMEDICAL IMAGING: FROM NANO TO MACRO, 2008. ISBI 2008. 5TH IEEE INTERNATIONAL SYMPOSIUM ON,米国,IEEE,2008年 5月14日,PAGE(S):368 - 371,URL,https://ieeexplore.ieee.org/document/4541009/
【文献】 SAMSET E.,Augmented Reality in Surgical Procedures,Proceedings of SPIE,2008年,Vol.6806,Page.68060K.1-68060K.12
【文献】 John C. Fiala,Extending Unbiased Stereology of Brain Ultrastructure to Three-dimensional Volumes,J Am Med Inform Assoc,2001年,Vol.8 No.1,Page.116
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/483
C12M 1/34
G01N 33/48
G01N 37/00
G06T 7/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ入力部と、
組織マイクロアレイ分析ユニットと、
出力部とを備える、組織検査のための装置であって
前記データ入力部は、組織サンプルブロックを薄片化することによって得られたサンプルスライスである参照スライスの参照画像を受け取り、少なくとも前記組織サンプルブロックから得られた少なくとも1つの組織コアを含むマイクロアレイスライスのマイクロアレイ画像を受け取り、前記参照画像及び前記マイクロアレイ画像を前記組織マイクロアレイ分析ユニットに供給し、
前記組織マイクロアレイ分析ユニットは、前記組織サンプルブロック内のそれぞれの前記組織コアの空間的配置に基づいて少なくとも1つの組織コアの組織コア画像を前記参照画像に位置合わせし、
前記出力部は、さらなる分析目的のために前記組織マイクロアレイ分析ユニットから得られた位置合わせ結果を供給する、
組織検査のための装置。
【請求項2】
前記組織マイクロアレイ分析ユニットは、位置合わせされた前記組織コア画像の形態学的情報に基づいて前記位置合わせされた組織コア画像内の注目する少なくとも一つの特徴を識別し、前記形態学的情報に基づいて前記参照画像の周辺区域における一致する特徴を認識し、前記周辺区域は前記位置合わせされた組織コア画像を囲み、前記特徴の染色パターンが前記位置合わせされた組織コア画像の周囲を通って、及び越えて続くように、前記位置合わせされた組織コア画像内の注目する前記特徴の前記染色パターンを前記周辺区域における前記一致する特徴中に伸展させる、請求項1に記載の組織検査のための装置。
【請求項3】
画像供給装置と、
請求項1又は2に記載の組織検査のための装置とを備える、組織検査のためのシステムであって
前記画像供給装置は、組織サンプルブロックから得られた参照スライスの参照画像を供給し、少なくとも前記組織サンプルブロックから得られた、少なくとも1つの組織コアを含むマイクロアレイスライスのマイクロアレイ画像を供給し、前記組織検査のための装置に前記参照画像及び前記マイクロアレイ画像を供給する、
システム
【請求項4】
前記システムは、ディスプレイをさらに備え、
前記ディスプレイは、分析目的のために、前記位置合わせされた組織コア画像を前記参照画像と組み合わせて表示する、
請求項3に記載のシステム
【請求項5】
a)組織サンプルブロックを薄片化することによって得られたサンプルスライスである参照スライスの参照画像を供給するステップと、
b)少なくとも前記組織サンプルブロックから得られた少なくとも1つの組織コアを含むマイクロアレイスライスのマイクロアレイ画像を供給するステップと、
c)前記組織サンプルブロック内のそれぞれの前記組織コアの空間的配置に基づいて前記少なくとも1つの組織コアの組織コア画像を前記参照画像と位置合わせするステップと、
d)分析目的のために、前記参照画像と組み合わせて、位置合わせされた前記組織コア画像を供給するステップと、
を有する、
組織検査のための方法。
【請求項6】
ステップa)に対して、
a1)前記組織サンプルブロックから前記参照スライスを生成するステップと、
a2)前記参照スライスから画像を前記参照画像として生成するステップと、
が提供され、
及び/又は、
ステップb)に対して、
b1)ブロック構造内に配置された少なくとも1つの組織コアを含むマイクロアレイブロックを作り出すステップと、
b2)前記マイクロアレイブロックの少なくとも1つのマイクロアレイスライスを生成するステップと、
b3)前記マイクロアレイスライスの画像を組織マイクロアレイ画像として生成するステップと、
が提供される、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ステップb2)において、前記少なくとも1つのマイクロアレイスライスが染色され、
前記少なくとも1つのマイクロアレイスライスは、前記参照スライスと違うように染色される、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
f)前記位置合わせされた組織コア画像の形態学的情報に基づいて、前記位置合わせされた組織コア画像内の注目する特徴を識別するステップと、
g)前記形態学的情報に基づいて前記参照画像の周辺区域における一致する特徴を認識するステップであって、前記周辺区域はそれぞれの前記位置合わせされた組織コア画像を囲むステップと、
h)前記特徴の染色パターンが前記それぞれの位置合わせされた組織コア画像の周囲を通って、及び越えて続くように、前記位置合わせされた組織コア画像内の注目する前記特徴の前記染色パターンを前記周辺区域における前記一致する特徴中に伸展させるステップと、
をさらに有する、
請求項5乃至7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ステップg)は、
g1)前記周辺区域における前記一致する特徴に品質指数を付与するステップと、
g2)付与された前記品質指数に基づいて前記周辺区域の範囲を決定するステップと、
をさらに有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記一致する特徴中に伸展する前記染色パターンは、
前記付与された品質指数、及び/又は、
前記位置合わせされた組織コア画像からの距離、
に応じた透明度、及び/又は、強度を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも2つの組織コアが、異なる染色プロトコルで染色され、
ステップc)において、前記少なくとも2つの組織コアの前記組織コア画像が、前記参照画像と位置合わせされる、
請求項5乃至10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
b4)マイクロアレイブロックから得られたさらなるマイクロアレイスライスのさらなるマイクロアレイ画像を供給するステップであって、
前記さらなるマイクロアレイスライスは前記マイクロアレイスライスと異なるように染色されるステップと
c1)前記さらなるマイクロアレイ画像の前記少なくとも1つの組織コアのさらなる組織コア画像を前記参照画像と位置合わせするステップと、
をさらに有する、請求項5乃至11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
ステップc1)において、前記さらなる組織コア画像が、以前に位置合わせされた組織コア画像のうちの少なくとも1つに基づいて位置合わせされる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
処理ユニットによって実行されたとき、請求項5乃至13のいずれか一項に記載の方法のステップを実行する、請求項1若しくは2に記載の組織検査のための装置又は請求項3若しくは4に記載のシステムを制御する、コンピュータプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータプログラムを格納した、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル病理の分野に関し、特に、組織検査のための装置、システム、方法に関する。さらに、本発明は、コンピュータプログラム要素並びにコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
患者材料(例えば、組織及び細胞)の病理診断調査は、例えば腫瘍学における多くの治療決定の基礎である。標準解剖病理では、診断は、細胞形態学及び染色特性に基づいて行われる。癌などの病気の病因及び進行の調査は、染色のために多数のバイオマーカーの使用を必要とする。標準組織病理学的技法を使用したこれらのバイオマーカーの検証は、時間がかかり、大きな労働力を要する。
【0003】
近年、これらの問題を克服するために組織マイクロアレイが提案された。組織マイクロアレイは、異なるパラフィンドナーブロックから組織コアを取り出し、これらをアレイとして単一のレシピエント(又はマイクロアレイ)ブロックに再埋め込みすることによって製作されるパラフィンブロックである。それゆえに、組織マイクロアレイは、同時に多数の検体の高スループット分析を可能にする。例えば、米国特許出願公開第2009/0247416A1号は、組織マイクロアレイの分析のための方法を記載している。しかしながら、組織マイクロアレイの画像の分析は、例えば、多数の組織コア及び/又は多重染色では困難である。WO2015063192は、組織スライス全体の2つの画像を位置合わせする方法に関する。第1の画像の信頼できない区域が決定され、信頼できない区域の外側の第1の画像の区域に基づいて位置合わせが実行される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
組織マイクロアレイの分析を容易にする必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は独立請求項の主題によって解決され、さらなる実施形態が従属請求項に組み込まれる。以下で説明する本発明の態様は、組織検査のための装置、システム、及び方法、並びにコンピュータプログラム要素及びコンピュータ可読媒体にも適用されることに留意されたい。
【0006】
本発明の第1の態様によれば、組織検査のための装置が提供される。装置は、データ入力部と、組織マイクロアレイ分析ユニットと、出力部とを備える。データ入力部は、組織サンプルブロックから得られた参照スライスの参照画像を受け取り、少なくとも組織サンプルブロックから得られた少なくとも1つの組織コアを含むマイクロアレイスライスのマイクロアレイ画像を受け取り、参照画像及びマイクロアレイ画像を組織マイクロアレイ分析ユニットに供給するように構成される。組織マイクロアレイ分析ユニットは、組織サンプルブロック内のそれぞれの組織コアの空間的配置に基づいて少なくとも1つの組織コアの組織コア画像を参照画像に位置合わせするように構成される。出力部は、さらなる分析目的のために組織マイクロアレイ分析ユニットから得られた位置合わせ結果を供給するように構成される。
【0007】
その結果、組織コア画像は、組織の参照画像(例えば、スライド画像全体)において対応する位置に配置される。これにより、オペレータ、例えば、病理医は、元の組織のスライド画像全体との関連で組織コアの染色結果を解釈することができる。
【0008】
本発明の一例によれば、組織マイクロアレイ分析ユニットは、位置合わせされた組織コア画像の形態学的情報に基づいて位置合わせされた組織コア画像内の注目する特徴を識別するようにさらに構成される。追加として、組織マイクロアレイ分析ユニットは、形態学的情報に基づいて参照画像の周辺区域における一致する特徴を認識するように構成される、ここにおいて、周辺区域はそれぞれの位置合わせされた組織コア画像を囲む。さらに、組織マイクロアレイ分析ユニットは、染色パターンがそれぞれの位置合わせされた組織コア画像の周囲を通って、及び越えて続くように、位置合わせされた組織コア画像内の注目する特徴の染色パターンを周辺区域における一致する特徴中に伸展させるように構成される。
【0009】
その結果、1つ又は複数の組織コアの外側の区域への染色結果の伸展又は外挿が、組織コアの周りにデジタル染色を作り出し、それにより、マニュアルのスコアリング及び解釈が容易になる。
【0010】
本発明の第2の態様によれば、組織検査のためのシステムが提供される。システムは、画像供給装置と、上記の例及び以下の例のうちの1つに従った組織検査のための装置とを備える。画像供給装置は、組織サンプルブロックから得られた参照スライスの参照画像を供給するように構成される。画像供給装置は、少なくとも組織サンプルブロックから得られた少なくとも1つの組織コアを含むマイクロアレイスライスのマイクロアレイ画像を供給するようにさらに構成される。加えて、画像供給装置は、組織検査のための装置に参照画像及びマイクロアレイ画像を供給するように構成される。
【0011】
その結果、システムは、組織コア画像と、元の組織の参照画像、例えばスライド画像全体との形態学的情報の組合せを可能にし、それにより、例えば全腫瘍のサンプル全体の組織コア画像の状況を理解することがより容易になる。
【0012】
本発明の一例によれば、システムはディスプレイをさらに備える。ディスプレイは、分析目的のために、位置合わせされた組織コア画像を参照画像と組み合わせて表示するように構成される。
【0013】
その結果、位置合わせ結果は、染色結果のよりよい解釈のために、オペレータ、例えば病理医に視覚的に提示される。
【0014】
本発明の第3の態様によれば、組織検査のための方法が提供される。この方法は、
a)組織サンプルブロックから得られた参照スライスの参照画像を供給するステップと、
b)少なくとも組織サンプルブロックから得られた少なくとも1つの組織コアを含むマイクロアレイスライスのマイクロアレイ画像を供給するステップと、
c)組織サンプルブロック内のそれぞれの組織コアの空間的配置に基づいて少なくとも1つの組織コアの組織コア画像を参照画像と位置合わせするステップと、
d)分析目的のために、位置合わせされた組織コア画像を参照画像と組み合わせて供給するステップと
を有する。
【0015】
その結果、これにより、全組織における組織コアの状況を理解しやすくなる。
【0016】
組合せは、いくつかの方法で実現される。例えば、位置合わせされた組織コア画像は、重ね合わせて参照画像と組み合わされる。さらなる例では、位置合わせされた組織コア画像は参照画像に挿入される。
【0017】
本発明の一例によれば、ステップa)に対して、
a1)組織サンプルブロックから参照スライスを生成するステップと、
a2)参照スライスから画像を参照画像として生成するステップと
が提供される。
【0018】
ステップa1)において、コントラストを増強し、特定の形態学的特徴を見えるようにするために、画像を生成する前に、参照スライスは、例えば、ヘマトキシリン−エオシン(H&E)染料で染色される。例えば、参照画像は、検査されるべき組織のスライド画像全体である。
【0019】
本発明の一例によれば、ステップb)に対して、
b1)ブロック構造内に配置された少なくとも1つの組織コアを含むマイクロアレイブロックを作り出すステップと、
b2)マイクロアレイブロックの少なくとも1つのマイクロアレイスライスを生成するステップと、
b3)マイクロアレイスライスの画像を組織マイクロアレイ画像として生成するステップと
が提供される。
【0020】
本発明の一例によれば、ステップb2)において、少なくとも1つのマイクロアレイスライスが染色される。オプションとして、少なくとも1つのマイクロアレイスライスは、参照スライスと違うように染色される。
【0021】
言い換えれば、少なくとも1つのマイクロアレイスライスは、注目する特定の特徴の形態学的情報を見えるようにするために少なくとも1つの染色プロトコルにより染色される。さらに、タンパク質又は核酸などのバイオマーカーは染色対象物である。
【0022】
本発明の一例によれば、この方法は、
f)位置合わせされた組織コア画像の形態学的情報に基づいて、位置合わせされた組織コア画像内の注目する特徴を識別するステップと、
g)形態学的情報に基づいて参照画像の周辺区域における一致する特徴を認識するステップであって、周辺区域はそれぞれの位置合わせされた組織コア画像を囲むステップと、
h)染色パターンがそれぞれの位置合わせされた組織コア画像の周囲を通って、及び越えて続くように、位置合わせされた組織コア画像内の注目する特徴の染色パターンを周辺区域における一致する特徴中に伸展させるステップと
をさらに有する。
【0023】
組織コア画像の周りの周囲区域に染色パターンを伸展させることによって、組織コアの外側の一致する特徴も着色又はマークされる。これにより、ユーザ、例えば病理医は、組織コア画像の内側だけでなく外側の注目する特徴も識別することができる。言い換えれば、染色パターンの伸展は染色結果を拡大し、それにより、例えば、特定の特徴のマニュアルのスコアリング及び解釈が容易になる。
【0024】
本発明の一例によれば、ステップg)は、
g1)周辺区域における一致する特徴に品質指数を付与するステップと、
g2)付与された品質指数に基づいて周辺区域の範囲を決定するステップと
をさらに含む。
【0025】
言い換えれば、伸展(又は外挿)の範囲は、特徴一致の信頼性に関連する品質指数によって決定される。これにより、ユーザは、組織コア画像の外側の特徴一致プロセスの範囲を制御することができる。
【0026】
本発明の一例によれば、一致する特徴中に伸展する染色パターンは、
付与された品質指数
及び/又は
位置合わせされた組織コア画像からの距離
に応じた透明度及び/又は強度を有する。
【0027】
一例では、強度は、組織コアからの距離の増加とともに徐々に変化する。強度の減少は、特徴伸展の信頼性に関連する品質指数にも依存する。その結果、ユーザ(例えば病理医)は、一致する特徴のそれぞれの強度及び/又は透明度に応じて特徴伸展(又は特徴一致)の信頼性を識別する。
【0028】
本発明の一例によれば、少なくとも2つの組織コアが、異なる染色プロトコルで染色される。ステップc)において、少なくとも2つの組織コアの組織コア画像が、参照画像と位置合わせされる。
【0029】
その結果、多重染色は、同じ参照画像(例えば、スライド画像全体)において異なる位置で同時に視覚化及び分析される。これは、例えば、腫瘍診断のために腫瘍を細分類するのを容易にする。異なる位置で多数のコアを取り出すのは、さらに、例えば腫瘍の不均質態様を理解するのに有用である。
【0030】
本発明の一例によれば、この方法は、
b4)マイクロアレイブロックから得られたさらなるマイクロアレイスライスのさらなるマイクロアレイ画像を供給するステップであって、さらなるマイクロアレイスライスはマイクロアレイスライスと異なるように染色されるステップと
c1)さらなるマイクロアレイ画像の少なくとも1つの組織コアのさらなる組織コア画像を参照画像と位置合わせするステップと
をさらに有する。
【0031】
マイクロアレイスライスは第1のマイクロアレイスライスとも呼ばれ、一方、さらなるマイクロアレイスライスは第2のマイクロアレイスライスとも呼ばれる。
【0032】
言い換えれば、連続するスライドは、異なる染色及び/又は異なるバイオマーカーのための染色を受け入れる。その結果、病理情報をよりよく理解するために、異なる染色プロトコルで同じ組織コアを染色することが可能である。
【0033】
本発明の一例によれば、ステップc1)において、さらなる組織コア画像が、以前に位置合わせされた組織コア画像のうちの少なくとも1つに基づいて位置合わせされる。
【0034】
組織マイクロアレイの方向に対する個々の組織コアの方位などの特定の情報は、同じマイクロアレイブロックからのすべてのマイクロアレイスライスに対して不変である(又はほとんど不変である)ので、そのような情報が、一致プロセスを改善するために使用される。
【0035】
本発明の第4の態様によれば、処理ユニットによって実行されたとき本発明の方法を実行するように構成された上述の実施形態及び以下の実施形態のうちの1つに従って装置を制御するコンピュータプログラム要素が提供される。
【0036】
本発明の第5の態様によれば、プログラム要素を格納したコンピュータ可読媒体が提供される。
【0037】
「参照画像」という用語は、「スライド画像全体」、デジタル画像、又はデジタルスライドとも呼ばれる。参照画像は、スキャニングデバイスを使用して(例えばガラス)スライドから作り出された画像データに関連する。参照画像(スライド画像全体、デジタル画像、又はデジタルスライド)は、デスクトップスライドスキャナのようなスキャニングデバイスによって直接供給される。代替として、参照画像は、インターネットを介してアーカイバル及びインテリジェント検索をローカル又は遠隔のいずれかで可能にする画像管理システムによって供給される。
【0038】
ドナーブロックとも呼ばれる「組織サンプルブロック」という用語は、人間又は人間以外の領域から得られた組織に関連する。組織サンプルブロックは、生きている生物から、又はさらに生きていない(死んでいる)生物から得られ、それは、後の使用のためのパラフィンに埋め込まれる。例えば、疑いのある癌タイプに応じて、組織サンプルブロックは、パンチ/コア生検、摘出/切開生検、切除などのような様々な手法で得られる。
【0039】
「サンプルスライス」又は「スライス」という用語は、病理的サンプルブロックの薄いスライスに関連し、それは、パラフィンに埋め込まれた病理的サンプルブロック(例えば、化学的固定、処理、及び埋込み手順の後の)を薄いスライス(厚さは数マイクロメートルの程度に関連する)に薄片化することによって得られる。
【0040】
「サンプルスライド」という用語は、画像化目的で、及びさらにサンプルスライスを格納するためのアーカイブ目的で、サンプルスライスを支持する(それにより、運搬する)ために設けられた運搬体に関連する。一例では、サンプルスライドはガラス基板を含み、その上にサンプルスライスが設けられる。カバー、例えば、薄いガラス又はポリマーの層又はプレートが、サンプルスライスを保護し保持するために設けられる。
【0041】
レシピエントブロックとも呼ばれる「マイクロアレイブロック」という用語は、同じ組織サンプルブロックの異なる位置及び/又は異なる組織サンプルブロックに属し、それから生じる組織コアのアレイに関連する。
【0042】
「組織コア」という用語は、マイクロアレイブロックの内側のサンプル切片に関連する。組織コアは、組織サンプルブロック(又はドナーブロック)から異なる位置で打ち抜かれ、規則的なパターンでマイクロアレイブロック(又はレシピエントブロック)に配置される。組織コアは、0.6〜2mmの直径、又は任意の他の好適な値を有する。したがって、マイクロアレイブロックは、何百もの組織コアを、単一のスライド上にスポットの形態で含む。例えば、組織コアは、サンプル切片が組織切片である場合には組織コアとも呼ばれる。
【0043】
「マイクロアレイスライス」という用語は、マイクロアレイブロックを薄いスライスに薄片化することによって得られるマイクロアレイブロックの薄いスライスに関連する。
【0044】
「マイクロアレイ画像」という用語は、デジタル画像取得又はスキャニングデバイスを使用してマイクロアレイスライスから作り出された画像データに関連する。マイクロアレイ画像は、各画像内の元のサンプル及び様々な画像を追跡するための注記を含む別個のファイルを、含んだり及び/又はリンクされてもよい。
【0045】
本発明の一態様によれば、組織マイクロアレイの組織コアの画像は、対応する位置で組織の元のスライド画像全体に位置合わせされる。組織コアの画像を元のスライド画像全体と位置合わせすることにより、全組織、例えば全腫瘍の組織コアの状況を理解しやすくなる。位置合わせは、画像と参照画像との間の最小数の一致する特徴を得るために、画像の面内変位、回転、及び伸ばしを含む。一致する特徴の数は、50と500との間、又は別の所望の数とすることができる。
【0046】
位置合わせされた画像の表示により、ユーザは、参照画像のビューと、異なる染色手順の結果を供給する、対応する組織コアのビューとの間を切り換えることができる。ユーザが異なる画像間を切り換えることができるように、多数の染色画像は、同じコアからすべてが互いに位置合わせされて入手可能である。代替として、半透明な画像が、観察の解釈を支援するために参照画像に重ね合わされる。オプションとして、組織コアの染色パターンが、位置合わせされた参照画像の周辺区域に伸展されるように、デジタル染色が組織コアの画像の外側の区域で実行される。デジタル染色強度は、それが関係する組織コアからの不確実性及び/又は距離の増加とともに退色する(すなわち、透明度が上がる)。染色パターンの伸展はマニュアルのスコアリング及び解釈を容易にする。さらなるオプションとして、例えば、腫瘍の不均質態様を理解するために、腫瘍診断に向けて腫瘍を細分類するために、又は他の分析目的のために、異なる位置の多数のコア及び/又は多重染色が、元のスライド画像全体とともに位置合わせされる。
【0047】
参照画像は、患者サンプルのヘマトキシリン−エオシン染色(H&E)で染色された組織切片であることが好ましい。この切片は、マイクロアレイの製造の前に取得されることが好ましい。ドナー組織ブロックから取り出されるべきコアの位置は、参照画像上で決定される。コア位置の座標は、ファイルに格納され、それぞれのコアからの画像を参照画像に位置合わせするための開始位置として使用される。コアのアレイを含む切片は、例えば、腫瘍を細分類し、患者の症例の診断をサポートする情報を得るために、異なる、好ましくは、バイオマーカー指向染色アッセイを受ける。
【0048】
元の同じ組織ブロックに対応するコアの画像は、単一の画像に組み合わされ、参照画像に位置合わせされる。これは、異なる染色からの画像である。コアの区域の外側の仮想染色は、情報の組合せを表す異なる画像からの組合せ染色である。一例として、例えば、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)の細胞膜染色を、例えばエストロゲン受容体(ER)の核染色と組み合わせ、オプションとして、それを、乳房腫瘍サンプルのHer2−neu遺伝子増幅のための蛍光インサイチューハイブリダイゼーション(FISH)染色と組み合わせる。このようにして、すべての情報は、染色の各々を個々に強調するか又は暗くすることができる単一のビューで表示される。コア区域の外側に染色を重ね合わせて伸展させることによって、病理医は、腫瘍特性のよりよい所感を得る。オーバレイの染色画像を強調するか又は暗くすることによって、仮想染色が、コアを囲む区域に加えてコア区域にも提示される。仮想染色は、重なっている区域の観察を容易にするために元の染色と異なる色を使用することができる。
【0049】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に記載される実施形態から明らかになり、以下に記載される実施形態を参照して説明される。
【0050】
本発明の例示的な実施形態は、以下の図面を参照して以下で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】組織検査のための方法の一例を示す図である。
図2】組織検査のための方法のさらなる例を示す図である。
図3A図2の概略図である。
図3B図2の概略図である。
図3C図2の概略図である。
図4】組織コア画像を参照画像に位置合わせするための一例を示す図である。
図5】組織検査のための方法の別の例を示す図である。
図6図4の染色パターンを伸展させている一例を示す図である。
図7】組織検査のための方法のさらなる例を示す図である。
図8】組織検査のための方法のさらなる例を示す図である。
図9】組織検査のための方法の別の例を示す図である。
図10】組織検査のための装置の一例の概略セットアップを示す図である。
図11】組織検査のためのシステムの一例の概略セットアップを示す図である。
図12図4の実施形態の写真画像を示す図である。
図13図6の実施形態の写真画像を示す図である。
図14図8の実施形態の写真画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図は、単に概略的に示されており、原寸に比例していない。同じ参照符号は、図の全体にわたって同じ又は同様の特徴を参照する。
【0053】
図1は、組織検査のための方法10の基本的なステップを示す。この方法は以下のステップを有する。
ステップa)とも呼ばれる第1のステップ12において、組織サンプルブロックから得られた参照スライスの参照画像が供給される。
ステップb)とも呼ばれる第2のステップ14において、少なくとも組織サンプルブロックから得られた少なくとも1つの組織コアを含むマイクロアレイスライスのマイクロアレイ画像が供給される。
ステップc)とも呼ばれる第3のステップ16において、少なくとも1つの組織コアの組織コア画像が、組織サンプルブロック内のそれぞれの組織コアの空間的配置に基づいて参照画像と位置合わせされる。
ステップd)とも呼ばれる第4のステップ18において、位置合わせされた組織コア画像が、分析目的のために参照画像と組み合わせて供給される。
【0054】
ステップa)において、参照画像は、検索をローカル又は遠隔のいずれかで可能にする画像管理システムに予め格納されている。参照画像は、さらに、デスクトップスライドスキャナなどの画像取得デバイスによって直接供給される。
【0055】
図2はオプションを示し、それによれば、ステップa)に関して、a1)組織サンプルブロックから参照画像スライスを生成するステップ20と、a2)画像を参照スライスから参照画像として生成するステップ22とが提供される。オプションのステップa1)及びステップa2)は、図2に点線で示されている。
【0056】
ステップa1)において、コントラストを増強し、形態学的特徴を見えるようにするために、画像を生成する前に、参照スライスは、例えばH&E染料で染色される。
【0057】
ステップb)において、マイクロアレイ画像は、さらに、画像管理に予め格納される。代替として、マイクロアレイ画像は、画像取得デバイスによって供給される。
【0058】
方法のステップで使用されるアルファベット記号(文字)は、方法のステップを区別するために使用され、しかしながら、その記号は、方法のステップの順序をアルファベットの順番に限定することを意味していないことに留意されたい。例えば、参照画像は、さらに、組織コアの取出しの後に取られてもよい。言い換えれば、組織検査は、さらに、以下の連続したステップ、すなわち、b)−a)−c)−d)に基づいて実行されてもよい。
【0059】
さらに、図2にさらなるオプションが示されており、それによれば、ステップb)に関して、b1)ブロック構造内に配置された少なくとも1つの組織コアを含むマイクロアレイブロックを作り出すステップ24と、b2)マイクロアレイブロックの少なくとも1つのマイクロアレイスライスを生成するステップ26と、b3)マイクロアレイスライスの画像を組織マイクロアレイ画像として生成するステップ28とが提供される。オプションのステップb1)からステップb3)は、やはり、図2に点線で示されている。
【0060】
ステップb2)において、少なくとも1つのマイクロアレイスライスが染色される。オプションとして、少なくとも1つのマイクロアレイスライスが、参照スライスと違うように染色される。
【0061】
言い換えれば、マイクロアレイスライスは、オプションとして、例えば、癌のシグナル伝達タンパク質又は分子バイオマーカーを評価するための染色プロトコルにより処置される。
【0062】
図3Aから図3Cは、オプションのステップb1)からステップb3)を示す。
【0063】
図3Aにおいて、ドナーパンチ30が、組織サンプルブロック34(又はドナーブロック)から少なくとも1つの組織コア32を取り出すために使用される。
【0064】
オプションとして、組織サンプルブロック34、すなわち、パラフィンに埋め込まれた組織サンプルをもつドナーブロックから得られたH&E染色スライスのデジタルスライド画像全体は、パンチ処理の前に取得される。取り出されるべき組織コアの位置は、それぞれのデジタルスライド画像全体上で選ばれ、示される。このようにして、異なる組織コアの座標が利用可能である。したがって、組織マイクロアレイ36は自動的に作り出される。
【0065】
図3Bにおいて、取り出された組織コア32は、マイクロアレイブロック36(又はレシピエントブロック)に配置されるか又は再組み立てされる。
【0066】
組織コア32の製作及びマイクロアレイブロック36への組立ては、組織サンプルブロック34からのフィードバックを必要とする。例えば、検証のために、デジタルスライド画像全体は、組織コア32の取出しの後、組織サンプルブロック34から取られる。図示していないが、オプションとして、追加の組織コアが、様々な意図した染色反応の検定標準として機能するように参照サンプルから加えられる。
【0067】
図3Cにおいて、マイクロアレイブロック36を、例えば、4ミクロンから5ミクロン厚の切片に切断するか又は薄片化することによって、少なくとも1つの組織マイクロアレイスライス38が作り出される。組織マイクロアレイスライス38は透明なスライド40によって支持される。マイクロアレイスライス38は、マイクロアレイスライス38のスライド画像全体を得るために走査されるか、又は後で使用するために格納される。
【0068】
オプションとして、マイクロアレイスライス38は、身近の検証によってバイオマーカーで染色されてもよい。これは、明視野モード又は蛍光における免疫若しくはインサイチューハイブリダイゼーション(ISH)染色、又は任意の他の特別な染色、又はそれらの組合せである。染色手順の後、マイクロアレイスライス38は、染色されたマイクロアレイスライス38のスライド画像全体を得るために走査される。
【0069】
図4は、組織コア画像42を参照画像44に位置合わせするためのステップc)の一例を示す。
【0070】
組織コア画像42は、マイクロアレイスライス38のスライド画像全体(図3Cを参照)における組織コア32(図3Cを参照)に対応する画像区域に関連する。参照画像44は、組織コアの取出しの前後に取得される。コア取出しの後に参照画像44が取られる場合、組織コアからの座標のみが使用されるので、注意深い取出し及び組立てプロセスが必要とされる。
【0071】
さらに図4にオプションとして示されるように、組織コア32は、組織コア32の内側の注目する特徴46の染色又は着色のために染色プロトコルで処理される。この例では、注目する特徴46は、腫瘍細胞の細胞質に関連する。
【0072】
組織コア画像42は、組織サンプルブロック内のそれぞれの組織コアの空間的配置に基づいて参照画像44と位置合わせされる。空間的配置は、特徴一致に基づいて、座標に基づいて、又はそれらの組合せで決定される。
【0073】
「位置合わせする」という用語は、参照画像上の対応する位置に組織コア画像を配置する又は位置づけることに関連する。位置合わせは、強度ベース又は特徴ベースとすることができる。
【0074】
強度ベース方法は、画像中の強度パターンを、相関メトリックを介して比較する。
【0075】
特徴ベース方法は、強度変化によって決定される点、線、輪郭、又は画像分析において知られている他の特徴などの画像特徴間の対応関係を見いだす。したがって、強度ベース方法は、特徴ベース方法とも見なされる。位置合わせは、組織コア画像と参照画像の一部(又はサブ画像)との間の一致する特徴を検出することによって行われる。組織コア画像は、参照画像の中の対応する一部と一致させるために回転され、平行移動され、又は伸ばされる。例えば、画像位置合わせのために、組織コア画像における少なくともいくつかの特徴(例えば、A、B、C)が、参照画像の中の対応する一部における同様の特徴(例えば、A’、B’、C’)に投影される。
【0076】
「注目する特徴」という用語は、点、線、及び輪郭、又は画像分析において知られている他の特徴に関連する。注目する特徴は、例えば、特定の生物材料(例えば、腫瘍細胞の細胞質)のサブ構造、注目する領域(例えば、組織を含む領域)、又は取出し区域(例えば、例えば分子診断試験の目的のために組織がこすり取られる区域)などに関連づけられる。
【0077】
図5はさらなるオプションを示し、さらなるオプションによれば、方法10は、
f)位置合わせされた組織コア画像の形態学的情報に基づいて、位置合わせされた組織コア画像内の注目する特徴を識別するステップ48と、
g)形態学的情報に基づいて参照画像の周辺区域における一致する特徴を認識するステップ50であって、周辺区域はそれぞれの位置合わせされた組織コア画像を囲むステップと、
h)染色パターンがそれぞれの位置合わせされた組織コア画像の周囲を通って、及び越えて続くように、位置合わせされた組織コア画像内の注目する特徴の染色パターンを周辺区域における一致する特徴中に伸展させるステップ52と
をさらに有する。
【0078】
このオプションに関連する実施形態において、組織マイクロアレイユニットは、注目する特徴がコア画像の境界に接触しているかどうかを決定することによって、コア画像中のどの注目する特徴がステップh)によって伸展されるかを識別する。接触が存在する場合、それは、一致する特徴が参照画像の周辺区域に存在するという指標である。次いで、組織マイクロアレイユニットは、接触位置のところ又はその周りの周辺区域の参照画像を分析して、一致する特徴が実際に参照画像に見いだされるかどうかを決定する。一致する特徴は、さらに、注目する特徴と同じ位置でコア画像の境界に接触しているべきである。当業者は、いくつかの代替が可能であることを理解するであろう。例えば、組織マイクロアレイユニットは、コア画像の代わりに参照画像を使用して、コア画像の境界と、潜在的な一致する特徴との間の接触の存在を検出する。接触が検出された場合、それは、コア画像中の注目する特徴が、潜在的な一致する特徴に対応し、したがって、ステップh)による染色パターンの伸展の対象であるという指標である。
【0079】
染色パターンがそれぞれの位置合わせされた組織コア画像の周囲を通って、及び越えて続くように、位置合わせされた組織コア画像内の注目する特徴の染色パターンを周辺区域における一致する特徴中に伸展させることは、コア画像において前記境界の近傍にある注目する特徴のピクセルの強度を分析することによって実施される。これらのピクセルの強度は、染色パターンの伸展を構成するピクセルの強度を決定するための基礎として役立つ。限定はしないが、前記ピクセルの平均強度を計算することなどのそのような決定のための多くの異なる可能性があることを当業者は理解するであろう。「形態学的情報」という用語は、形状、構造、色、パターンなどのような画像の内側の特徴の外見に関連する。いくつかの形態学的情報は染色プロセスの後に得られる。
【0080】
「一致する特徴」という用語は、参照画像の周辺区域の点、線、及び輪郭に関連し、それらは、組織コア画像の内側の注目する特徴と同様の形態学的情報を有する。例えば、注目する特徴が腫瘍細胞の細胞質などの特定の生物材料のサブ構造に関連する場合、一致する特徴は、周辺区域における対応するサブ構造にも関連する。さらなる例において、注目する特徴が、組織を含む領域などの注目する領域に関連する場合、一致する特徴は、注目する領域にも関連する。
【0081】
染色パターンの外挿とも呼ばれる伸展は、注目する特徴と同様の染色の色を用いて一致する特徴をデジタルで着色することに関連する。所望であれば、強度/透明度は、例えば、一致する特徴と注目する特徴との間の距離又は類似性に順応される。組織コア区域の外側の区域に染色パターンを伸展させることにより、マニュアルのスコアリング及び解釈が容易になる。
【0082】
図6は、図4の染色パターンを伸展させている一例を示す図である。
【0083】
注目する特徴46に対応する一致する特徴54が識別される。この例では、一致する特徴54は、さらに、腫瘍細胞の細胞質に関連するが、組織コア画像42の外側にある。
【0084】
このように、組織コア画像の外側の対応する注目する特徴、すなわち、一致する特徴は、デジタルで染色又はマークされる。これは、組織コア画像の内側だけでなく外側の区域においても注目する特徴を識別する際に、ユーザ、例えば病理医をサポートし、それにより、例えばマニュアルのスコアリング及び解釈が容易になる。
【0085】
周辺区域には範囲がある。言い換えれば、範囲の外側の特徴は、それ以上デジタルで染色又は着色されない。範囲は、例えば、コアの半径の1/100の程度から半径の2倍以上である。
【0086】
さらに、図6は、まだ論じていない本発明の一実施形態を示しており、組織マイクロアレイ分析ユニットは、コア画像の境界に接触していないが、依然として前記境界から既定の距離内にある、参照画像中の注目する特徴57をデジタルで染色している。実際、組織マイクロアレイ分析ユニットは、この特徴57が、コア画像に存在する注目する特徴と類似した構造(図6に図示せず)を有すると決定した。非限定例として、注目する特徴は、分析ユニットにより十分に認識可能な特性をもつ構造を有する腺である。注目する特徴のタイプに応じて、例えば、限定はしないが、細胞密度、核サイズ、染色強度、核細胞質比、細胞形状などのような特定の1つの特性パラメータが分析ユニットによって使用される。
【0087】
図7はさらなるオプションを示し、さらなるオプションによれば、ステップg)は、g1)周辺区域における一致する特徴に品質指数を付与するステップ56と、g2)付与された品質指数に基づいて周辺区域の範囲を決定するステップ58とをさらに含む。
【0088】
一例では、品質指数は、注目する特徴と、一致する特徴との間の形態学的情報の類似性に基づいて付与される。
【0089】
さらなる例において、全体としての組織の類似性などの他の尺度が、品質指数を決定するために使用される。
【0090】
ここで図6を参照すると、さらなるオプションとして、一致する特徴54中に伸展する染色パターンは、付与された品質指数及び/又は位置合わせされた組織コア画像からの距離に応じた透明度及び/又は強度を有する。
【0091】
例えば、図6に示されたように、一致する特徴54の透明度及び/又は強度は、位置合わせされた組織コア画像までの距離に応じて変化する。言い換えれば、組織コア画像42の境界60に近い一致する特徴54は、組織コア画像42の内側の注目する特徴46と同じ染色強度を受け取り、一方、組織コア画像から離れた一致する特徴54は、徐々に減少する。
【0092】
さらなる例において、これ以上図示されていないが、投影された又は伸展した染色の強度は、一致する特徴に付与された付与済み品質指数の減少とともに減少する。例えば、腫瘍細胞の核は、高い品質指数、したがって、高い強度が付与され、一方、腫瘍細胞の細胞質は低い品質指数、したがって、低い強度が付与される。さらなる例では、品質指数は、サンプルスライドに適用される染色プロトコルに関連する。したがって、品質指数は、バイオマーカーごとに別々に境界又は範囲を推定するために使用される。
【0093】
このようにして、ユーザは、一致する特徴のそれぞれの強度及び/又は透明度に応じて特徴伸展(又は特徴一致)の信頼性を識別する。
【0094】
図8はさらなるオプションを示し、さらなるオプションによれば、少なくとも2つの組織コア38(図3Cの例を参照)が、異なる染色プロトコル(異なるパターンで示される)で染色され、ステップc)において、少なくとも2つの組織コア38の組織コア画像42が、参照画像44と位置合わせされる。
【0095】
オプションとして、組織コア画像42は、異なる程度の伸展を有する。
【0096】
「染色プロトコル」という用語は、組織コアに適用される特定の手順に関連する。「染色する」という用語は、普通なら透明な組織切片を着色し、それにより、高度に訓練された病理医が、例えば、組織形態(構造)を観察するか、又は特定の細胞タイプ、構造、又はさらに細菌、タンパク質、及び核酸などの微生物などの存在又は蔓延を探すことに関連する。
【0097】
例えば、ルーチン染色、特殊染色、及び高度染色を含む様々な染色プロトコルが理解されよう。
【0098】
「ルーチン染色」という用語は、H&E染色又はHE染色に関連し、それは、病理における主要な染色のうちの1つであり、基礎をなす組織構造及び状態を見えるようにするためにすべての組織検体により「ルーチンで」使用される。
【0099】
「特殊染色」という用語は、病理医又は研究者が必要とするすべての情報をH&E染色が提供するとは限らない場合に使用される多数の代替の染色技法に関連する。例えば、過ヨウ素酸シッフ反応(PAS)染色は、腎生検、肝生検、横紋筋の特定の糖原病、及び疑わしい真菌感染を染色するためにしばしば使用される。
【0100】
「高度染色」という用語は、それぞれ、特異タンパク質又はDNA/RNA配列を標的にする親和性ベース結合試薬(免疫組織化学の)又はISH(インサイチューハイブリダイゼーション)を使用する染色の方法に関連する。例えば、乳癌診断の場合には、様々なIHC染色(例えば、ER、PR、Ki67、及びHER2タンパク質に対する)が、癌の正確なサブタイプを決定するために使用される。
【0101】
このようにして、多重染色は、同じ参照画像において、同じ位置及び/又は別の位置で同時に視覚化される。多数のコアの表示は、腫瘍不均質性を示し、腫瘍全体のより良好な概観を作り出すために使用される。オプションとして染色パターンを伸展させることによって、ユーザは、組織コア区域の外側の染色情報を取得し、最後にはスライド全体のほとんど完全な染色をすることになる。これらの手順は、個々のバイオマーカー染色ごとに繰り返される。その結果、解釈又はマニュアルスコアリング手順が容易になる。
【0102】
図9はさらなるオプションを示し、さらなるオプションによれば、方法10は、
b4)マイクロアレイブロックから得られたさらなるマイクロアレイスライスのさらなるマイクロアレイ画像を供給するステップ62であって、さらなるマイクロアレイスライスはマイクロアレイスライスと異なるように染色されるステップと
c1)さらなるマイクロアレイ画像の少なくとも1つの組織コアのさらなる組織コア画像を参照画像と位置合わせするステップ64と
をさらに有する。
【0103】
さらなるマイクロアレイスライスは第2のマイクロアレイスライスと呼ばれ、一方、マイクロアレイスライスは第1のマイクロアレイスライスと呼ばれる。
【0104】
言い換えれば、多重染色は、さらに、異なる(例えば、連続的に)マイクロアレイスライスにおいて、同じ位置で(例えば、同じ組織コア内の)視覚化される。
【0105】
オプションとして、ステップc1)において、さらなる組織コア画像は、以前に位置合わせされた組織コア画像のうちの少なくとも1つに基づいて位置合わせされる。
【0106】
これは、組織マイクロアレイの方向に対する個々の組織コアの方位などの特定の情報が、同じマイクロアレイブロック(又はレシピエントブロック)からのすべてのマイクロアレイスライスに対して同じである(又はほとんど同じである)からである。したがって、この情報は、位置合わせプロセスを改善するために使用される。例えば、同じ位置からのすべての組織コア画像の同じ回転方位を仮定することによって、1つの組織コア画像から得られた情報が、同じ組織コアからのさらなる又は別の組織コア画像を新しい方向に向けるために使用される。
【0107】
参照画像への組織コア画像の位置合わせは、例えば、スライス化(又は薄片化)の順序で行われ、さらなるマイクロアレイスライスの各々は、染色が十分な情報を含んでいる場合、以前のマイクロアレイスライスを参照として利用する。染色の一例は、H対比染色である。蛍光染色の場合には、例えば、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)による核染色が使用される。
【0108】
したがって、2つの連続するマイクロアレイスライスに2つの異なる染色プロトコルを行い、次いで、同じコアに対する結果を組み合わせ、オプションとして、周囲中に伸展するようにその結果を参照画像と重ね合わせることが可能である。言い換えれば、このオプションは、同じマイクロアレイブロックからのいくつかのスライスに対して多数の染色プロトコルを有し、それらの染色からの画像を、参照画像に位置合わせされた単一の画像に組み合わせることである。このようにして、同じ組織コアの結果は、ユーザによる切り換えなどが可能な単一の画像又は一連のオーバレイで表示される。
【0109】
したがって、図8の追加又は代替のオプションとして、2つの連続するマイクロアレイスライス(これ以上図示されていない)に異なる染色プロトコルを組み合わせることによって、同じコアに異なる染色を有することが可能である。
【0110】
当然、両方を行うこと、すなわち、多数の染色プロトコルを有し、同じサンプルからのすべてのコア位置の結果を位置合わせし表示することができる。言い換えれば、さらなるオプションとして、図8及び図9に示すようにオプションを組み合わせることが可能である。
【0111】
方法のステップに関連するいくつかの例は組み合わされてもよいことにも留意されたい。例えば、上述で示したように、異なるコアからの多重染色を、単一の表現で、デジタル染色を用いて参照画像上に示すことが可能である。他の組合せもこの用途では考えられる。
【0112】
図10は、組織検査のための装置100の一例を示す。装置は、データ入力部102と、組織マイクロアレイ分析ユニット104と、出力部106とを備える。
【0113】
データ入力部102は、組織サンプルブロックから得られた参照スライスの参照画像を受け取り、少なくとも組織サンプルブロックから得られた少なくとも1つの組織コアを含むマイクロアレイスライスのマイクロアレイ画像を受け取り、参照画像及びマイクロアレイ画像を組織マイクロアレイ分析ユニットに供給するように構成される。データ入力部102は、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組合せで実現される。
【0114】
組織マイクロアレイ分析ユニット104は、組織サンプルブロック内のそれぞれの組織コアの空間的配置に基づいて少なくとも1つの組織コアの組織コア画像を参照画像に位置合わせするように構成される。同様に、組織マイクロアレイ分析ユニット104は、やはり、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組合せで実現される。例えば、組織マイクロアレイ分析ユニット104は、例えば処理ユニットである。
【0115】
出力部106は、さらなる分析目的のために組織マイクロアレイ分析ユニットから得られた位置合わせされた結果を供給するように構成される。出力部106は、やはり、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組合せで実現される。
【0116】
したがって、データ入力部102は、実現のタイプに応じて、データ入力インタフェース、データ入力ユニット、又はデータ入力デバイスと呼ばれる。同様に、出力部106は、出力インタフェース、出力ユニット、又は出力デバイスと呼ばれる。
【0117】
一例では、データ入力部102、組織マイクロアレイ分析ユニット104、及び出力部106は、単一の単体デバイスに実現される。
【0118】
さらなる例において、データ入力部102、組織マイクロアレイ分析ユニット104、及び出力部106は別個のデバイスであり、それらは装置100内で組み立てられる。
【0119】
さらに、少なくとも1つの組織コアは、例えばISH染料で染色されるか、又は染色されないかのいずれかであることに留意されたい。
【0120】
少なくとも1つの組織が染色される場合、オプションとして、組織マイクロアレイ分析ユニット104は、位置合わせされた組織コア画像の形態学的情報に基づいて位置合わせされた組織コア画像内の注目する特徴を識別し、形態学的情報に基づいて参照画像の周辺区域における一致する特徴を認識するようにさらに構成され、ここにおいて、周辺区域は位置合わせされた組織コア画像を囲む。組織マイクロアレイ分析ユニット104は、さらに、染色パターンが位置合わせされた組織コア画像の周囲を通って、及び越えて続くように、位置合わせされた組織コア画像内の注目する特徴の染色パターンを周辺区域における一致する特徴中に伸展させるように構成される。
【0121】
図11は、組織検査のためのシステム108の一例を示す。システムは、画像供給装置110と、上記の例のうちの1つに従った組織検査のための装置とを備える。
【0122】
画像供給装置110は、組織サンプルブロックから得られた参照スライスの参照画像を供給するように構成される。加えて、画像供給装置110は、少なくとも組織サンプルブロックから得られた少なくとも1つの組織コアを含むマイクロアレイスライスのマイクロアレイ画像を供給するように構成される。画像供給装置110は、さらに、組織検査のための装置に参照画像及びマイクロアレイ画像を供給するように構成される。
【0123】
一例では、画像供給装置は、デジタル病理スライドスキャナ又は顕微鏡などの画像取得デバイスを備える。
【0124】
さらなる例において、画像供給装置は、インターネットを介してアーカイバル及びインテリジェント検索をローカル又は遠隔のいずれかで可能にする画像管理システムをさらに備える。
【0125】
さらなる例において、画像供給装置は、例えばマイクロアレイスライスのマイクロアレイ画像を取得するための画像取得デバイスと、例えば画像管理システムに予め格納された参照画像を供給するための画像管理システムとを備える。
【0126】
オプションとして図11にさらに示されるように、ディスプレイ112が設けられる。ディスプレイ112は、分析目的のために、位置合わせされた組織コア画像を参照画像と組み合わせて、例えば重ね合わせて、表示するように構成される。
【0127】
ディスプレイ112は図11ではコンピュータスクリーンとして示されているが、ディスプレイは、位置合わせプロセスを制御するために、ユーザがさらなるパラメータを入力できるように対話型ユーザインタフェース、例えばタッチスクリーンとすることもできる。
【0128】
よりよい理解のために、図12図13、及び図14は、それぞれ、図4図6、及び図8の図面に応じた写真画像を示す。したがって、同じ参照番号が、図12から図14に対して示されている。したがって、不必要な繰り返しを避けるために、図12から図14に関する説明は必要ではない。
【0129】
本発明の別の例示的な実施形態において、先の実施形態のうちの1つによる方法の方法ステップを適切なシステムで実行するように構成されたことを特徴とするコンピュータプログラム又はコンピュータプログラム要素が提供される。
【0130】
それゆえに、コンピュータプログラム要素は、本発明の一実施形態の一部とすることもできるコンピュータユニットに格納される。このコンピューティングユニットは、上述の方法のステップを実行するか又は実行を誘導するように構成される。その上、それは、上述の装置の構成要素を動作させるように構成される。コンピューティングユニットは、自動的に動作する及び/又はユーザの命令を実行するように構成される。コンピュータプログラムがデータプロセッサのワーキングメモリにロードされてもよい。したがって、データプロセッサが、本発明の方法を実行するために装備される。
【0131】
本発明のこの例示的な実施形態は、最初から本発明を使用するコンピュータプログラム、及びアップデートによって既存プログラムを、本発明を使用するプログラムに変えるコンピュータプログラムの両方を包含する。
【0132】
さらに続けて、コンピュータプログラム要素は、上述のような方法の例示的な実施形態の手順を遂行するためにすべての必要なステップを提供することができる。
【0133】
本発明のさらなる例示的な実施形態によれば、CD−ROMなどのコンピュータ可読媒体が提示され、ここにおいて、コンピュータ可読媒体は、それに格納されたコンピュータプログラム要素を有し、このコンピュータプログラム要素は前の節で説明されている。
【0134】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に又はその一部として供給される光記憶媒体又は固体媒体などの好適な媒体に格納及び/又は分配されてもよいが、さらに、インターネット又は他の有線又は無線の通信システムなどを介して他の形態で分配されてもよい。
【0135】
しかしながら、コンピュータプログラムは、さらに、ワールドワイドウェブのようなネットワークを介して提示されてもよく、そのようなネットワークからデータプロセッサのワーキングメモリにダウンロードされてもよい。本発明のさらなる例示的な実施形態によれば、コンピュータプログラム要素をダウンロードできるようにする媒体が提供され、そのコンピュータプログラム要素は、本発明の以前に説明した実施形態のうちの1つの方法を実行するように構成される。
【0136】
本発明の実施形態は異なる主題を参照して説明されていることに留意すべきである。特に、ある実施形態は方法タイプの請求項を参照して説明され、一方、他の実施形態はデバイスタイプの請求項を参照して説明されている。しかしながら、当業者は、上述の説明及び以下の説明から、特に断らない限り、1つのタイプの主題に属する特徴の任意の組合せに加えて、異なる主題に関連する特徴の間の任意の組合せも本出願で開示されていると考えられることが、分かるであろう。しかしながら、すべての特徴を組み合わせ、それにより、特徴の単純な和を超える相乗効果を提供することができる。
【0137】
本発明が、図面及び前述の記載において詳細に説明され、記載されたが、そのような説明図及び記載は、例証又は例示であり、限定でないと見なされるべきである。本発明は、開示された実施形態に限定されない。特許請求される発明を実践する際に、図面、本開示、及び従属請求項の研究から、開示された実施形態への他の変形を当業者は理解し、もたらすことができる。
【0138】
特許請求の範囲において、「備えている、含んでいる(comprising)」という語は、他の要素又はステップを排除せず、「1つの(a)」又は「1つの(an)」という不定冠詞は複数を排除しない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に再掲されるいくつかのアイテムの機能を満たすことができる。単に、特定の方策が互いに異なる従属請求項に再掲されるということは、これらの方策の組合せを有利に使用できないことを示していない。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も範囲を限定するものと解釈されるべきでない。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14