特許第6843122号(P6843122)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6843122ECGリード信号の高/低周波信号品質評価
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6843122
(24)【登録日】2021年2月25日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】ECGリード信号の高/低周波信号品質評価
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/318 20210101AFI20210308BHJP
【FI】
   A61B5/04 310U
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-510101(P2018-510101)
(86)(22)【出願日】2016年8月25日
(65)【公表番号】特表2018-528812(P2018-528812A)
(43)【公表日】2018年10月4日
(86)【国際出願番号】IB2016055061
(87)【国際公開番号】WO2017033140
(87)【国際公開日】20170302
【審査請求日】2019年8月23日
(31)【優先権主張番号】62/209,394
(32)【優先日】2015年8月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】フィルーザバディ レザ
(72)【発明者】
【氏名】グレッグ リチャード イー.
【審査官】 福田 千尋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−029656(JP,A)
【文献】 特開平11−070089(JP,A)
【文献】 特表2014−528342(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0143693(US,A1)
【文献】 特開2014−132928(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/24−5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのECGリードへの心電計の接続に反応して、前記少なくとも1つのECGリードから心電図を導出する前記心電計と、
前記少なくとも1つのECGリードへの前記心電計の前記接続に反応して、心電図セグメンテーションベースで、各ECGリードの高周波ノイズレベル及び低周波ノイズレベルの個別の評価を制御するECG品質コントローラと、
を含み、
前記ECG品質コントローラによる前記各ECGリードの前記高周波ノイズレベルの評価は更に、
前記ECG品質コントローラが、各心電図セグメントの規定活動レベルに対する前記各ECGリードの標準偏差を確認することを含む、モニタリングデバイス。
【請求項2】
前記ECG品質コントローラによる前記各ECGリードの前記高周波ノイズレベルの評価は、
前記ECG品質コントローラが、各心電図セグメント中に、前記各ECGリードの標準偏差から前記各ECGリードの高周波ノイズスコアを導出することを含む、請求項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項3】
前記ECG品質コントローラによる前記各ECGリードの前記高周波ノイズレベルの評価は更に、
前記ECG品質コントローラが、各心電図セグメント中に、重み付け係数によって前記各ECGリードの前記標準偏差を重み付けし、前記各ECGリードの高周波ノイズスコアを導出することを含む、請求項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項4】
前記ECG品質コントローラによる前記各ECGリードの前記高周波ノイズレベルの評価は更に、
前記ECG品質コントローラが、各心電図セグメント中に、前記高周波ノイズスコアを、複数の別個の信号品質ゾーンを区別する少なくとも1つの信号品質閾値と比較することを含む、請求項又はに記載のモニタリングデバイス。
【請求項5】
前記ECG品質コントローラによる前記各ECGリードの前記低周波ノイズレベルの評価は、
前記ECG品質コントローラが、各心電図セグメント中に、前記各ECGリードのベースラインレベルの任意の変化から前記各ECGリードの低周波ノイズスコアを導出することを含む、請求項1に記載のモニタリングデバイス。
【請求項6】
前記ECG品質コントローラによる前記各ECGリードの前記低周波ノイズレベルの評価は更に、
前記ECG品質コントローラが、各心電図セグメント中に、重み付け係数によって前記各ECGリードの前記ベースラインレベルの任意の変化を重み付けして、前記各ECGリードの前記低周波ノイズスコアを導出することを含む、請求項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項7】
前記ECG品質コントローラによる前記各ECGリードの前記低周波ノイズレベルの評価は更に、
前記ECG品質コントローラが、各心電図セグメントの規定活動レベルにおいて測定された前記各ECGリードの前記ベースラインレベルの任意の変化を確認することを含む、請求項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項8】
前記ECG品質コントローラによる前記各ECGリードの前記低周波ノイズレベルの評価は更に、
前記ECG品質コントローラが、前記低周波ノイズスコアを、複数の別個の信号品質ゾーンを区別する少なくとも1つの信号品質閾値と比較することを含む、請求項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項9】
前記ECG品質コントローラは更に、心電図セグメンテーションベースで、前記各ECGリードの前記高周波ノイズレベル及び前記低周波ノイズレベルの前記個別の評価の表示を制御する、請求項1に記載のモニタリングデバイス。
【請求項10】
前記ECG品質コントローラによる前記各ECGリードの前記高周波ノイズレベルの評価及び前記低周波ノイズレベルの評価の表示は、
前記ECG品質コントローラが、前記各ECGリードの前記高周波ノイズレベル及び前記低周波ノイズレベルの前記個別の評価の信号品質指標と同時に、前記各ECGリードのうちの1つ又は前記ECGリードの代表脈拍を表示することを含み、
各信号品質指標は、テキスト信号品質指標及びグラフィック信号品質指標のうちの少なくとも1つである、請求項に記載のモニタリングデバイス。
【請求項11】
前記ECG品質コントローラは、
心電図セグメント中に、規定活動レベルにおいて測定される前記各ECGリードの標準偏差の中央値を計算する高周波ノイズ推定器と、
前記各ECGリードの標準偏差の前記中央値の前記高周波ノイズ推定器による計算から、高周波ノイズスコアを導出する高周波ノイズスコアラと、
複数の別個の信号品質ゾーンを区別する少なくとも1つの信号品質閾値に対して、前記高周波ノイズスコアラによる前記高周波ノイズスコアの計算を比較する高周波ノイズ比較器と、
を含む、請求項1に記載のモニタリングデバイス。
【請求項12】
前記ECG品質コントローラは更に、
前記高周波ノイズ比較器による少なくとも1つの信号品質閾値に対する前記高周波ノイズスコアの比較から、前記各ECGリードの前記高周波ノイズレベルの前記評価の信号品質指標を導出する高周波ノイズインジケータを含み、
各信号品質指標は、テキスト信号品質指標及びグラフィック信号品質指標のうちの少なくとも1つである、請求項11に記載のモニタリングデバイス。
【請求項13】
前記ECG品質コントローラは、
心電図セグメント内の規定活動レベルにおける前記各ECGリードのベースラインレベルの任意の変化を計算する低周波ノイズ推定器と、
前記低周波ノイズ推定器による前記各ECGリードの前記ベースラインレベルの任意の変化の計算から、低周波ノイズスコアを導出する低周波ノイズスコアラと、
複数の別個の信号品質ゾーンを区別する少なくとも1つの信号品質閾値に対して、前記低周波ノイズスコアラによる前記低周波ノイズスコアの計算を比較する低周波ノイズ比較器と、
を含む、請求項1に記載のモニタリングデバイス。
【請求項14】
前記ECG品質コントローラは更に、
前記低周波ノイズ比較器による少なくとも1つの信号品質閾値に対する前記低周波ノイズスコアの比較から、前記各ECGリードの前記低周波ノイズレベルの前記評価の信号品質指標を導出する低周波ノイズインジケータを含み、
各信号品質指標は、テキスト信号品質指標及びグラフィック信号品質指標のうちの少なくとも1つである、請求項13に記載のモニタリングデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、患者の連続心電図(「ECG」)モニタリング中のECG記録における各ECGリードの信号品質に関する。本開示は、より具体的には、患者の連続ECGモニタリング中のECG記録における各ECGリードの心電図セグメント内の高周波ノイズレベル及び低周波ノイズレベルの評価と視覚的表示とに関する。
【背景技術】
【0002】
心電図記録法は、多リード心電図(「ECG」)(例えば標準の12リードECG又は非標準のEASIリードECG)を、患者の体表上のベクトル心電図又は他のECGリードシステム電極に伝導される患者の電気的な心臓活動の表現として記録する非侵襲的手順である。心電図記録法は、定期健診用の身体検査から緊急事態まで様々な臨床現場で、準備や、外科的処置/診断手順の手術段階及び回復段階のモニタリングに利用される。このような現場における心電図記録法の目的は、不整脈(不規則な心拍と一般に知られる)、頻脈(速い心拍と一般に知られる)、徐脈(遅い心拍と一般に知られる)及び心筋梗塞(心臓まひと一般に知られる)を含むがこれらに限定されない心臓の問題の検出及び評価である。したがって、精度に関して高品質のECGが、信頼性のある心臓診断及びモニタリングに必要不可欠である。
【0003】
より具体的には、ECG記録に生じる様々なノイズ源が、ECGの診断特徴を失わせ、これは、モニタリングデバイス及び/又はモニタリングデバイスの操作者によるECG記録及び結果として得られる診断の解釈を不正確にする。極端な例では、ECG記録のノイズレベルが高いと、ECGを全く解釈できなくなる。当然ながら、低品質のECGは、特に重症管理室(CCU)及び集中治療室(ICU)におけるモニタリングデバイスによって生成される誤アラームの数を増加させ、これは、翻って、医療従事者を不安にさせる。
【0004】
ECG記録の信号品質を評価するための当技術分野において知られている1つの有益な方法は、長期ECG信号について、すべてのリードにおけるあらゆる種類のノイズの平均レベルを、単一のノイズスコアとして決定することを含み、信号品質指標として圧縮時間スケールのカラーバーを表示することを更に含む。この方法は、代表セグメントとしての高品質ECG信号を高速選択し、調律及び形態の詳細な解析を調べるのに非常に有用である。本開示は、高周波ノイズ及び低周波ノイズを含むノイズ分類のレベルに基づいて、モニタスクリーン上に表示されるリアルタイム多リード短セグメントの品質と、各プロットの信頼性とを決定及び表示することによって、既知の方法を補完することに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、患者の連続ECGモニタリング中に、ECG記録における各ECGリードの心電図セグメント内の高周波ノイズレベル及び低周波ノイズレベルの評価と視覚的表示とを提供する発明を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的のために、「高周波」との用語は、当技術分野において知られているように、ECGリードの筋肉アーチファクト及び電極動きアーチファクトを含むがこれらに限定されないECGリードの高周波ノイズを広く包含し、また、「低周波」との用語は、当技術分野において知られているように、ベースライン変動を含むがこれらに限定されないECGリードの低周波ノイズを広く包含する。
【0007】
本開示の発明の1つの形は、心電計と、ECG品質コントローラとを使用するモニタリングデバイス(例えばECGモニタ又はホルターモニタ)である。動作時、心電計は、(例えば電極ベースの又はパッド/パドルベースの)ECGリードへの心電計の接続後、1つ以上のECGリードから心電図を導出する。ECGリードへの心電計の接続に反応して、ECG品質コントローラは、心電図セグメンテーション(例えば連続ECG記録が特定の持続時間のセグメントに分割される)ベースで、個々のECGリードの高周波ノイズレベル(例えば心電図における筋肉アーチファクトの度合い及び/又は電極動きアーチファクトの度合い)及び低周波ノイズレベル(例えば心電図によるベースライン変動の度合い)の個別の評価を制御する。
【0008】
本開示の発明の目的のために、技術用語、すなわち、「心電計」、「心電図」、「ECGリード」及び「心電図セグメンテーション」を含むがこれらに限定されない技術用語は、本開示の技術において理解されるように、また、本明細書において例示的に説明されるように解釈されるものとする。
【0009】
本開示の発明の目的のために、「コントローラ」との用語は、以下に説明される本開示の様々な発明原理の応用を制御するために、モニタリングデバイス内に収容される又はモニタリングデバイスに連結される特定用途向けメインボード又は特定用途向け集積回路のあらゆる構造設定を広く包含する。コントローラの構造設定には、プロセッサ、コンピュータ使用可能/コンピュータ可読記憶媒体、オペレーティングシステム、アプリケーションモジュール、周辺デバイスコントローラ、スロット及びポートが含まれるがこれらに限定されない。
【0010】
モニタリングデバイスの例には、診断用ECGモニタリングデバイス(例えばPageWriter TC心電計、Efficiaシリーズの心電計)、エクササイズ用ECGモニタリングデバイス(例えばST80i負荷テストシステム)、歩行用ECGデバイス(ホルターモニタ)、ベッドサイドモニタリング用ECGデバイス(例えばIntelliVurモニタ、SureSignsモニタ及びGoldwayモニタ)、テレメトリ用ECGモニタリングデバイス(例えばIntelliVue MX40モニタ)、高度生命維持製品(例えばHeartStart MRx及びHeartStart XL除細動器及びEfficia DFM100除細動器/モニタ)及びECG管理システム(例えばIntelliSpace ECG管理システム)が含まれるがこれらに限定されない。
【0011】
本開示の発明の目的のために、本明細書におけるコントローラの「ECG品質」との説明的なラベル付けは、「コントローラ」との用語について、任意の追加の制限を指定又は暗示することなく、本明細書において説明され、請求項において記載される通りにコントローラを特定する役割を果たす。
【0012】
本開示の発明の目的のために、「アプリケーションモジュール」との用語は、特定のアプリケーションを実行するための電子回路及び/又は実行可能プログラム(例えば実行可能ソフトウェア及び/ファームウェア)からなるコントローラのコンポーネントを広く包含する。
【0013】
本開示の発明の目的のために、本明細書におけるアプリケーションモジュールの説明的なラベル付け(例えば「活動モニタ」モジュール、「ノイズ推定器」モジュール、「ノイズスコアラ」モジュール、「ノイズ比較器」モジュール及び「ノイズインジケータ」モジュール)はいずれも「アプリケーションモジュール」との用語について、任意の追加の制限を指定又は暗示することなく、本明細書において説明され、請求項において記載される通りに特定のアプリケーションモジュールを特定する役割を果たす。
【0014】
本開示の上記形式及び他の形式、並びに、本開示の様々な特徴及び利点は、添付図面と併せて読んだ場合に、本開示の様々な実施形態の以下の詳細な説明から更に明らかとなるであろう。詳細な説明及び図面は、本開示の限定ではなく例示に過ぎず、本開示の範囲は、添付の請求項及びその等価物によって規定される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A図1Aは、本開示の発明原理によるモニタリングデバイスの例示的な実施形態を示す。
図1B図1Bは、本開示の発明原理によるモニタリングデバイスの例示的な実施形態を示す。
図2図2は、本開示の発明原理によるモニタリング方法の例示的な実施形態を表すフローチャートを示す。
図3図3は、本開示の発明原理によるECGリードの例示的なECGセグメントを示す。
図4図4は、本開示の発明原理による心電図の例示的な活動を示す。
図5図5は、本開示の発明原理による例示的な信号品質ゾーンを示す。
図6図6は、本開示の発明原理によるECGリードの例示的な品質指標を示す。
図7図7は、本開示の発明原理によるECGリードの例示的な品質指標を示す。
図8図8は、本開示の発明原理によるECGリードの例示的な品質指標を示す。
図9図9は、本開示の発明原理によるECGリードの例示的な品質指標を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の理解を容易にするために、図1A及び図1Bの以下の説明は、患者の連続ECGモニタリング中のECG記録における各ECGリードの心電図セグメント内の高周波ノイズレベル(例えば筋肉アーチファクト及び電極動きアーチファクト)及び低周波ノイズレベル(例えばベースライン変動)を評価及び視覚的に表示する基本の発明原理を教示する。当業者であれば、この説明から、生理学的波形の解釈及び解析を制限するノイズ又はアーチファクトによってしばしば阻害される単一リード又は多リード連続生理学的波形のセグメントを表示する様々なモニタリングデバイスに、本開示の発明原理を適用し、これにより、本開示の発明が各リードにおける様々なノイズ源からのノイズのレベルの評価及び表示が提供される方法を理解するであろう。
【0017】
図1Aを参照するに、モニタリングデバイス20は、心電計40と、ECG品質コントローラ50とを使用する。実際には、ECG品質コントローラ50は、心電計40と切り離されていても一体化されていてもよい。
【0018】
動作時、以下に列挙されるECGリード30を確立するために、当技術分野において知られているように、患者10の心臓11に対して患者10の体表上に10個の電極が戦略的に配置される。
1.リードI:電極RA(−)から電極LA(+)まで
2.リードII:電極RA(−)から電極LL(+)まで
3.リードIII:電極LA(−)から電極LL(+)まで
4.リードaVR:電極RA(+)から電極LA及びLL(−)まで
5.リードaVL:電極LA(+)から電極RA及びLL(−)まで
6.リードaVF:電極LL(+)から電極RA&LA(−)まで
7.リードV1:電極V1
8.リードV2:電極V2
9.リードV3:電極V3
10.リードV4:電極V4
11.リードV5:電極V5、及び
12.リードV6:電極V6。
【0019】
ECGリード30は、当技術分野において知られているように、電極に取り付けられたケーブル(図示せず)を介して心電計40に接続され、患者10の心臓11の電気的活動を心電計40に伝える。
【0020】
心電計40は、当技術分野において知られているように、ECGリード30を処理して、患者10の心臓11の心電図41を測定及び記録する。心電計40とECG品質コントローラ50とが切り離されている本開示の発明の実施形態では、心電計40は、処理されたECGリード30をECG品質コントローラ50にストリーミングするデジタル信号プロセッサ(図示せず)又は中央処理演算ユニット(図示せず)を使用するか、又は、ECG品質コントローラ50が、ECGリード30を処理する既知のモジュール(図示せず)を使用する。心電計40とECG品質コントローラ50とが一体化されている本開示の発明の実施形態では、心電計40は、ECG品質コントローラ50の代わりに、ECGリード30を処理するデジタル信号プロセッサ(図示せず)又は中央処理演算ユニット(図示せず)を使用する。
【0021】
図1Aに示されるように、ECG品質コントローラ50は、心電図セグメンテーションベースで、処理されたECGリード30の高周波ノイズ評価51a及び低周波ノイズ評価51bを実行して、各ECGリード30の高周波ノイズレベル及び低周波ノイズレベルをそれぞれ推定する。
【0022】
高周波ノイズ評価51aについて、ECG品質コントローラ50は、心電図41の各セグメントを順次解析し、任意の筋肉アーチファクト及び任意の電極動きアーチファクトを含むがこれらに限定されない各ECGリード30の高周波ノイズレベルを推定する。実際には、ECG品質コントローラ50は、各ECGリード30の高周波ノイズレベルを推定するのに適した心電図41の各セグメントの任意のパラメータを解析する。一実施形態では、ECG品質コントローラ50は、本明細書において更に説明され、また、図2に例示されるように、心臓からの高振幅信号の領域外の心電図41の短いセグメントの標準偏差を解析して、各ECGリード30の高周波ノイズレベルを推定する。(時間的に)狭いウィンドウ内の高周波ノイズを測定する代替実施形態は、(1)高域フィルタの後に、スライディングウィンドウにおける二乗平均平方根(RMS)計算を行うこと、(2)第1の差異又は導関数推定器の後に、スライディングウィンドウにおけるRMS計算を行うこと、及び、(3)各フィルタの出力において平滑化エンベロープ計算を有するフィルタバンクからの高周波フィルタを含むがこれらに限定されない。
【0023】
低周波ノイズ評価51bについて、ECG品質コントローラ50は、心電図41の各セグメントを順次解析し、心電図41の各セグメントの任意のベースライン変動を含むがこれらに限定されない各ECGリード30の低周波ノイズレベルを推定する。実際には、ECG品質コントローラ50は、各ECGリード30の低周波ノイズレベルを推定するのに適した心電図41の各セグメントの任意のパラメータを解析する。一実施形態では、ECG品質コントローラ50は、本明細書において更に説明され、また、図2に例示されるように、心電図41の各セグメントのベースラインレベルの各変化を解析して、各ECGリード30の低周波ノイズレベルを推定する。
【0024】
ECG品質コントローラ50は、高周波ノイズ評価51a及び低周波ノイズ評価51bの両方について、心電図41の各セグメントの対応するノイズレベル解析からもたらされる心電図41の各セグメントの信号品質指標の表示を制御する。実際には、ECG品質コントローラ50は、心電図41の各セグメントの対応するノイズレベル解析からもたらされる信号品質指標を、通信に適した任意の形で生成してよい。一実施形態では、ECG品質コントローラ50は、本明細書において更に説明され、また、図2に例示されるように、各ECGリードとの同時セグメント表示用のテキスト信号品質指標、グラフィック信号品質指標及び/又はカラーコード化信号品質指標を生成する。
【0025】
高周波ノイズ評価51a及び低周波ノイズ評価51bの結果、モニタリングデバイス20及び/又はその操作者は、心電図41の任意の低品質セグメントを破棄し、ECGリード30のうち良品質のリードは維持する一方で、各ECGリード30の高/低周波信号品質の評価によって示されるECGリード30のうちの破損したリードを解決することができる。これは、心電図41の正確な解釈及び診断に有益である。
【0026】
図1Bを参照するに、除細動器21が、図1Aに説明されるように、モニタリングデバイス20の心電計40及びECG品質コントローラ50を使用し、また、当技術分野において知られているように、患者10の心臓11に、電極パッド31を介して除細動ショック61を供給するための電気的エネルギーを蓄積するショック源60を更に使用する。実際には、除細動ショック61は、当技術分野において知られているように、任意の波形を有してよい。このような波形の例としては、図1Bに示されるように、単相正弦波形(正の正弦波)61aと二相トランケート波形61bとが含まれるがこれらに限定されない。
【0027】
一実施形態では、ショック源60は、充電ボタンの押下後、高電圧充電器及び電源を介して高電圧を蓄える高電圧コンデンサバンク(図示せず)を使用する。ショック源60は更に、高電圧コンデンサバンクから電極パッド31に、特定波形の電気エネルギー電荷を選択的に印加するスイッチング/分離回路(図示せず)を更に使用する。
【0028】
電極パッド31は、当技術分野において知られているように、図1に示されるように前胸部−心尖部(anterior-apex)配置か、又は、前胸部−後背部(anterior-posterior)配置(図示せず)で、患者10に伝導的に貼付けられる。電極パッド31は、ショック源60からの除細動ショックを患者10の心臓11に伝え、また、当技術分野において知られているように、電極に取り付けられるケーブル(図示せず)を介して心電計40に接続され、患者10の心臓11の電気的活動を心電計40に伝え、また、ECGリード32を確立する。
【0029】
心電計40は、当技術分野において知られているように、ECGリード32を処理して、患者10の心臓11の心電図42を測定及び記録する。心電計40とECG品質コントローラ50とが切り離されている本開示の発明の実施形態では、心電計40は、処理されたECGリード32をECG品質コントローラ50にストリーミングするデジタル信号プロセッサ(図示せず)を使用するか、又は、ECG品質コントローラ50が、ECGリード32を処理する既知のモジュール(図示せず)を使用する。心電計40とECG品質コントローラ50とが一体化されている本開示の発明の実施形態では、心電計40は、ECG品質コントローラ50の代わりに、ECGリード32を処理するデジタル信号プロセッサ(図示せず)又は中央処理演算ユニット(図示せず)を使用する。
【0030】
図1Bに示されるように、ECG品質コントローラ50は、心電図セグメンテーションベースで、処理されたECGリード32の高周波ノイズ評価51a及び低周波ノイズ評価51bを、本明細書において上記されたように実行して、各ECGリード32の高周波ノイズレベル及び低周波ノイズレベルをそれぞれ推定する。これは、心電図42の正確な解釈及び診断に有益である。
【0031】
本開示の発明原理による高周波ノイズ評価51a及び低周波ノイズ評価51bの更なる理解を容易にするために、図2に例示されるECG品質コントローラ50の例示的な実施形態のアプリケーションモジュール51〜55bによって実行される本開示のモニタリング方法を表すフローチャート70について、図1Aに例示されるECGリード30及び心電図41のコンテキストにおいて、本明細書において説明する。当業者であれば、この説明から、高周波ノイズ評価51a及び低周波ノイズ評価51bの様々な実施形態を実現する際に、ECG品質コントローラ50の様々な実施形態を構造的に構成するにあたって、本開示の発明原理を適用するやり方を理解するであろう。
【0032】
図2を参照するに、フローチャート70のステップS72は、ECG品質コントローラ50の活動モニタ51が、心電図41の活動レベルを計算することを含む。実際には、活動モニタ51は、心電図41を特定の持続時間のセグメントに分割し、各セグメントにつき、すべてのECGリード30にわたって各サンプルの活動関数を計算する。
【0033】
一実施形態では、活動モニタは、心電図41を、10秒間のECG記録セグメント(セグメントは1秒間のセクションに更に分割される)に分割し、次式[1]に従って、ECGセグメントにおけるすべてのリードにわたる各サンプルにおける活動関数を計算する。
【数1】
式中、Aは、活動関数であり、ECGは、現在のECGサンプルであり、ECGi−1は、前のECGサンプルである。
【0034】
活動モニタ51は、活動関数Aの計算された値に、低域フィルタリングをし、ECGセグメントの各セクションの短期スライディングウィンドウによって、活動関数Aの極小を検出する。
【0035】
例えば図3は、10個の1秒セクションに再分割されたECGリード30の10秒ECGセグメント90を示し、図4は、ECGセグメントのセクションのうちの1つにおいて活動モニタ51によって計算されたモニタ51の活動関数91を示し、これにより活動モニタ51は、極小を中心とした小さいウィンドウ内の各ECGリード30の高周波ノイズレベル及び低周波ノイズレベルを評価するために、Xによって表される極小活動関数Aを検出する。
【0036】
図2を再び参照するに、フローチャート70のステップS74は、ECG品質コントローラ50の高周波ノイズ(「HFN」)推定器52aが、各ECGリード30の現在のECGセグメントの高周波ノイズレベルを推定することを含む。実際には、HFN推定器52aは、各ECGリード30の高周波ノイズレベルの推定として、1セグメントセクション当たりの各ECGリード30の短セグメントの標準偏差を計算する。一実施形態では、HFN推定器52aは、次式[2]に従って、1セグメントセクション当たりの各ECGリード30の標準偏差を計算する。
【数2】
式中、σleadは、特定のECGリード30の標準偏差であり、ECGleadは、特定のECGリード30であり、Eは、特定のECGリード30の標準偏差σleadの平均値又は予想値である。
【0037】
各セグメントセクションにわたる各ECGリード30の標準偏差σleadが計算されると、フローチャート70のステップS76は、HFNスコアラ53aが、現在のECGセグメントについて、各ECGリード30のHFNスコアを計算することを含む。実際には、HFNスコアラ53aは、ステップS74において、1セグメントセクション当たりの推定された高周波ノイズレベルの関数として、1セグメントセクション当たりの各ECGリード30のHFNスコアを計算する。一実施形態では、HFNスコアラ53aは、次式[3]に従って、HFNスコアを計算する。
【数3】
式中、NSHFは、特定のECGリード30のHFNスコアであり、median(σlead)は、特定のECGリード30の時間セグメントのセクションにわたる計算された標準偏差の中央値であり、αは、すべてのECGリード30の重み付け係数である。
【0038】
図2を依然として参照するに、フローチャート70のステップS74は更に、ECG品質コントローラ50の低周波ノイズ(「LFN」)推定器52bが、各ECGリード30の現在のECGセグメントの低周波ノイズレベルを推定することを含む。実際には、LFN推定器52bは、各ECGリード30の低周波ノイズレベルの推定として、1セグメントセクション当たりのベースライン変動を計算する。一実施形態では、LFN推定器52bは、次式[4a]及び[4b]に従って、活動関数Aの極小を中心とした1セグメントセクション当たりの各ECGリード30のベースライン変動を計算する。
【数4】
式中、BW1,leadは、特定のECGリード30の現在のセグメントのベースライン変動であり、BW2,leadは、特定のECGリード30の前のセグメントのベースライン変動であり、ECGは、現在のECGセグメントの現在のセクション(例えば現在の10秒ECGセグメントの現在の1秒セクション)であり、ECGk−1は、現在のECGセグメントの前のセクション(例えば現在の10秒ECGセグメントの前の1秒セクション)である。
【0039】
なお、式[4a]及び式[4b]は、心臓からの高振幅生理学的信号を含まず、むしろ、生理学的信号のない心臓の平穏時間を含む時点の位置選定を容易にする。
【0040】
セグメントにわたって各ECGリード30のベースライン変動が計算されると、フローチャート70のステップS76は更に、LFNスコアラ53bが、現在のECGセグメントの各ECGリード30のLFNスコアを計算することを含む。実際には、LFNスコアラ53bは、ステップS74中に計算されたベースライン変動の関数として、1セグメントセクション当たりの各ECGリード30のLFNスコアを計算する。一実施形態では、LFNスコアラ53bは、次式[5]に従って、LFNスコアを計算する。
【数5】
式中、NSBWは、特定のECGリード30のLFNスコアであり、βは、すべてのECGリード30の重み付け係数である。
【0041】
図2を依然として参照するに、フローチャート70のステップS78は、ECG品質コントローラ50のHFN比較器54aが、各ECGリード30のHFNスコアを、2つ以上の信号品質ゾーンを区別する1つ以上の信号品質閾値と比較することと、ECG品質コントローラ50のLFN比較器54bが、各ECGリード30のLFNスコアを、信号品質ゾーンを区別する信号品質閾値と比較することとを含む。実際には、信号品質閾値は、注釈付きデータベースを用いてアルゴリズムをトレーニングし、複数の信号品質ゾーンにHFNスコアを分類するノイズ品質分類の動作を最適化することによって検証処理において選択される。一実施形態では、2つの閾値を用いて、各ECGリード30のHFNスコアを3つのカテゴリ:(1)高品質、(2)中品質及び(3)低品質のうちの1つに分類する。
【0042】
例えば信号品質ゾーンは、以下の表1にまとめられ、また、図5にも例示される。
【表1】
【0043】
図2を再び参照するに、現在のECGセグメントについて各ECGリード30のHFN信号品質及びLFN信号品質が決定されると、フローチャート70のステップS80は、HFNインジケータ55a及びLFNインジケータ55bが、信号品質を表す信号品質指標を生成することを含む。実際には、信号品質指標は、テキスト信号品質指標及び/又はグラフィック信号品質指標を含む各ECGリードのHFN信号品質及びLFN信号品質を通信するのに適した任意の形を取ってよい。テキスト信号品質指標及び/又はグラフィック信号品質指標は共に、色及びフォントを含む様々な特徴によってコード化されてよい。更に、実際には、信号品質指標は、ECGリード30の現在のECGセグメント又は現在のECGセグメントの代表脈拍と共に表示される。
【0044】
一実施形態では、HFNインジケータ55a及びLFNインジケータ55bは、各自のHFNスコア及びLFNスコアを、0乃至10の整数に正規化する。以下の表2に従って示されるように、閾値1は2.5であり、閾値2は4.5であり、上限は10である。
【表2】
【0045】
図6図7及び図9に例示的に示されるように、正規化に基づき、各ECGリードのカラーコード化されたテキスト指標がECGリード30と同時に表示される。或いは、図10に例示的に示されるように、ECGリード波形がカラーコード化されてもよい。
【0046】
図6を参照するに、以下の例示的なHFNスコア及びLFNスコアは、ECGリード30の例示的な現在のECGセグメントに隣接して例示的に表示される。
1.高品質HFN/LFNスコア(緑色コード):リードV3及びV4
2.中品質HFN/LFNスコア(黄色コード):リードaVL、V1、V2、V5及びV6
3.低品質HFN/LFNスコア(赤色コード):リードI、II、III、aVR及びaVF。
【0047】
図7を参照するに、以下の例示的なHFNスコア及びLFNスコアは、ECGリード30の例示的な現在のECGセグメントの上方のボックス内に例示的に表示される。
1.高品質HFN/LFNスコア(緑色コード):リードV3及びV4
2.中品質HFN/LFNスコア(黄色コード):リードaVL、V1、V2、V5及びV6
3.低品質HFN/LFNスコア(赤色コード):リードI、II、III、aVR及びaVF。
【0048】
図8を参照するに、以下の例示的なHFNスコア及びLFNスコアは、ECGリード30の例示的なカラーコード化された現在のECGセグメントに隣接して例示的に表示される。
1.高品質HFN/LFNスコア(緑色波):リードV3及びV4
2.中品質HFN/LFNスコア(黄色波):リードaVL、V1、V2、V5及びV6
3.低品質HFN/LFNスコア(赤色波):リードI、II、III、aVR及びaVF。
【0049】
図9を参照するに、以下の例示的なHFNスコア及びLFNスコアは、ECGリード30の現在のECGセグメントの例示的な代表脈拍の上方のボックス内に例示的に表示される。
1.高品質HFN/LFNスコア(緑色コード):リードV3及びV4
2.中品質HFN/LFNスコア(黄色コード):リードaVL、V1、V2、V5及びV6
3.低品質HFN/LFNスコア(赤色コード):リードI、II、III、aVR及びaVF。
【0050】
図2を再び参照するに、本明細書において説明されたステップS76の目的の1つは、ステップS78の同じ信号品質閾値との比較のためにHFNスコア及びLFNスコアを均等化することである。しかし、実際には、HFNスコア及びLFNスコアは均等化される必要はなく、様々な信号品質閾値と比較されてよい。
【0051】
ステップS80が完了すると、フローチャート70は、ステップS72に戻り、次のECGセグメントについてステップS72〜S80を繰り返し、終了されるまでループし続ける。
【0052】
図1乃至図9を参照するに、当業者であれば、患者の連続ECGモニタリング中のECG記録における各ECGリードの心電図セグメント内の高周波ノイズレベル及び低周波ノイズレベルの新規且つ独特な評価及び視覚的表示を含むがこれに限定されない本開示の多数のメリットを理解するであろう。より一般的には、本開示の発明は、生理学的波形の解釈及び解析を制限するノイズ又はアーチファクトによってしばしば阻害される単一リード又は多リード連続生理学的波形のセグメントを表示する様々なモニタリングデバイスに適用され、これにより、本開示の発明は、各リードにおける様々なノイズ源からのノイズのレベルの評価及び表示を提供する。メリットは、モニタリングデバイス及び/又はその操作者が、生理学的波形の任意の低品質セグメントを破棄し、良品質のリードは維持する一方で、各リードの高/低周波信号品質の評価によって示される破損したリードを解決することができる点である。
【0053】
更に、当業者であれば、本明細書に提供される教示内容に鑑みて理解できるように、本開示/明細書において説明される、及び/又は、図1乃至図9に示される特徴、要素、コンポーネント等は、電子コンポーネント/回路、ハードウェア、実行可能なソフトウェア及び実行可能なファームウェアの様々な組み合わせで実現され、また、単一の要素又は複数の要素にまとめられる機能を提供する。例えば図1乃至図9に示される/例示される/説明される様々な特徴、要素、コンポーネント等の機能は、専用ハードウェアだけでなく、適切なソフトウェアに関連付けられてソフトウェアを実行可能であるハードウェアも使用することによって提供可能である。当該機能は、プロセッサによって提供される場合、単一の専用プロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、又は、複数の個別のプロセッサによって提供可能であり、個別のプロセッサのうちの幾つかは共有及び/又は多重化されてよい。更に、「プロセッサ」との用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行可能なハードウェアを排他的に指すと解釈されるべきではなく、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)ハードウェア又は他の中央処理演算ユニット(「CPU」)、メモリ(ソフトウェアを記憶する読み出し専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、不揮発性記憶装置等)、並びに、処理を実行及び/又は制御可能である(及び/又は設定可能である)実質的に任意の手段及び/又は機械(ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、回路、これらの組み合わせ等を含む)を暗に含むが、これらに限定されない。
【0054】
更に、本発明の原理、態様及び実施形態だけでなく、これらの具体例を列挙する本明細書におけるすべての記述は、これらの構造上の等価物及び機能上の等価物の両方を包含することを意図している。更に、このような等価物は、現在知られている等価物だけでなく、将来開発される等価物(例えば構造に関係なく、同じ機能を行うように開発される任意の要素)の両方も含むことを意図している。したがって、例えば当業者であれば、本明細書に提供される教示内容に鑑みて理解できるように、本明細書に提示される任意のブロック図が、本発明の原理を具体化する例示的なシステムコンポーネント及び/又は回路の概念図を表す。同様に、当業者であれば、本明細書に提供される教示内容に鑑みて認識できるように、任意のフローチャート、フロー図等が、コンピュータ可読記憶媒体内に実質的に表現され、したがって、コンピュータ、プロセッサ又は処理機能を有する他のデバイスによって、当該コンピュータ又はプロセッサが明示的に示されているか否かに関わらず、実行される様々な処理を表す。
【0055】
更に、本開示の例示的な実施形態は、例えばコンピュータ若しくは任意の命令実行システムによる又は当該コンピュータ若しくはシステムに関連して使用されるプログラムコード及び/又は命令を提供するコンピュータ使用可能又はコンピュータ可読記憶媒体からアクセス可能であるコンピュータプログラムプロダクトの形を取ることができる。本開示に従って、コンピュータ使用可能又はコンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置若しくはデバイスによる又は当該システム、装置若しくはデバイスに関連して使用されるプログラムを、例えば含む、記憶する、通信する、伝搬する又は運搬する任意の装置であってよい。例示的な媒体は、電子、磁気、光学、電磁、赤外若しくは半導体システム(若しくは装置若しくはデバイス)又は伝搬媒体であってよい。コンピュータ可読媒体の例には、半導体若しくは固体メモリ、磁気テープ、取り外し可能なコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、剛性磁気ディスク及び光学ディスクが含まれる。光学ディスクの現在の例には、コンパクトディスク−読み出し専用メモリ(CD−ROM)、コンパクトディスク−読み出し/書き込み(CD−R/W)及びDVDが含まれる。更に、当然ながら、今後開発される任意の新規のコンピュータ可読媒体も、本開示の例示的な実施形態及び開示内容にしたがって使用される又は言及されるコンピュータ可読媒体とみなされるべきである。
【0056】
心電計への電気的接続の新規且つ発明に係る高/低周波ノイズ評価の好適及び例示的な実施形態を説明したが、当然ながら、図1乃至図9を含む本明細書に提供される教示内容を考慮して、当業者によって修正及び変更が行われてもよい。したがって、当然ながら、本開示の好適且つ例示的な実施形態に変更を行ってよく、これらは、本明細書に開示される実施形態の範囲内である。
【0057】
更に、デバイスを組み込む及び/若しくは当該デバイスを実装する対応する及び/若しくは関連のシステム、又は、本開示に従ってデバイスにおいて使用される/実装されるシステムも想到され、本開示の範囲内であると見なされる。更に、本開示によるデバイス及び/若しくはシステムを製造する及び/若しくは使用する、対応する並びに/又は関連の方法も想到され、本開示の範囲内であると見なされる。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9