特許第6843135号(P6843135)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6843135IL−12、IL−23および/またはIFNα応答のモジュレーターとして有用なイミダゾピリダジン化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6843135
(24)【登録日】2021年2月25日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】IL−12、IL−23および/またはIFNα応答のモジュレーターとして有用なイミダゾピリダジン化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20210308BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20210308BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20210308BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20210308BHJP
   A61K 31/5025 20060101ALI20210308BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20210308BHJP
   C07K 14/54 20060101ALN20210308BHJP
   C07K 14/56 20060101ALN20210308BHJP
【FI】
   C07D487/04 144
   C07D487/04CSP
   A61P43/00 111
   A61P29/00ZNA
   A61P37/06
   A61K31/5025
   A61K31/5377
   !C07K14/54
   !C07K14/56
【請求項の数】4
【全頁数】100
(21)【出願番号】特願2018-525654(P2018-525654)
(86)(22)【出願日】2016年11月17日
(65)【公表番号】特表2019-501125(P2019-501125A)
(43)【公表日】2019年1月17日
(86)【国際出願番号】US2016062396
(87)【国際公開番号】WO2017087590
(87)【国際公開日】20170526
【審査請求日】2019年11月15日
(31)【優先権主張番号】62/256,784
(32)【優先日】2015年11月18日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/404,827
(32)【優先日】2016年10月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391015708
【氏名又は名称】ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【弁理士】
【氏名又は名称】呉 英燦
(74)【代理人】
【識別番号】100162695
【弁理士】
【氏名又は名称】釜平 双美
(74)【代理人】
【識別番号】100156155
【弁理士】
【氏名又は名称】水原 正弘
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・エス・ワインスタイン
(72)【発明者】
【氏名】ライアン・エム・モスリン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・ヤンレイ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・エス・ガードナー
(72)【発明者】
【氏名】ジョゼフ・ビー・サンテラ
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ・エム・ラングバイン
(72)【発明者】
【氏名】シルヴィア・スタフラ
【審査官】 三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/089143(WO,A1)
【文献】 特表2014−530869(JP,A)
【文献】 特表2011−511095(JP,A)
【文献】 特表2015−509534(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/060197(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D201/00−519/00
A61K 31/33− 33/44
A61P 1/00− 43/00
C07K 14/54
C07K 14/56
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
【化1】

[式中、
は、−NHRであり;
は、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり;
は、H、C−Cアルキル、ヒドロキシC−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり;
は、H、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、フェニルまたはピリジルであり、前記基のH以外のいずれの基も、0〜4つのRで置換されており;
は、HまたはC−Cアルキルであり;
は、H、ハロ、CN、OH、C−Cアルキル、(R)N、−NRCOR、RO、−CON(R)、−SOであり;
nは、1または2であり;
は、H、ハロ、CN、CF、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、−CONH C−Cアルキル、−CONH ハロ C−Cアルキル、−CONH ハロ C−Cアルコキシ、ヘテロアリール、アルキニル(−CCR)、アルケニル−CR=C(R)またはアリールであり、前記アリールおよびヘテロアリール基は、0〜2つのRで置換されており;
は、H、ハロ、CF、C−CアルキルまたはC−Cアルコキシである]
である、化合物あるいはその薬学的に許容される塩、互変異性体または立体異性体。
【請求項2】
【化2】

[式中、
は、−NHRであり;
は、CHまたはシクロプロピルであり;
は、H、C−Cアルキル、ヒドロキシC−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり;
は、H、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、フェニルまたはピリジルであり、前記基のH以外のいずれの基も、0〜4つのRで置換されており;
は、HまたはC−Cアルキルであり;
は、H、ハロ、CN、OH、C−Cアルキル、(R)nN、−NRCOR、RO、−CON(R)n、−SOnRであり;
nは、1または2であり;
は、H、ハロ、CN、CF、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、−CONH C−Cアルキル、−CONH ハロ C−Cアルキル、−CONH ハロ C−Cアルコキシ、ヘテロアリール、アルキニル(−CCR)、アルケニル−CR=C(R)nまたはアリールであり、前記アリールおよびヘテロアリール基は、0〜2つのRで置換されており;
は、H、ハロ、CF、C−CアルキルまたはC−Cアルコキシである]
である、請求項1記載の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、互変異性体または立体異性体。
【請求項3】
1以上の請求項1または2記載の化合物、および薬学的に許容される担体または希釈剤を含む、医薬組成物。
【請求項4】
炎症性疾患または自己免疫性疾患を治療するための、請求項1または2記載の化合物を含む、医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国仮出願番号62/256,784(2015年11月18日に提出)および米国仮出願番号62/404,827(2016年10月6日に提出)に基づく利益を主張し、引用によりその開示の全体を本明細書に包含させる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、Tyk−2に作用してシグナル伝達阻害を引き起こすことにより、IL−12、IL−23および/またはIFNαの調節に有用な化合物に関する。本明細書において提供されるのは、イミダゾピリダジン(imidazopyradazine)化合物、前記化合物を含む組成物およびその使用方法である。本発明は、さらに、哺乳動物におけるIL−12、IL−23および/またはIFNαの調節に関係する症状の治療に有用な、本発明の化合物の少なくとも1個を含む医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
共通p40サブユニットを有するヘテロ二量体サイトカインインターロイキンIL−12およびIL−23は、活性化抗原提示細胞により産生され、自己免疫において鍵となる役割を有する2種のエフェクターT細胞系譜であるTh1細胞およびTh17細胞の分化および増殖に重要である。IL−23は、p40サブユニットおよび独特なp19サブユニットからなる。IL−23は、IL−23RおよびIL−12Rβ1からなるヘテロ二量体受容体を介して作用し、IL−17A、IL−17F、IL−6およびTNF−αのような炎症誘発性サイトカインを産生するTh17細胞の生存および増殖に必須である(McGeachy, M.J. et al., “The link between IL-23 and Th17 cell-mediated immune pathologies”, Semin. Immunol., 19:372-376(2007))。これらのサイトカインは、リウマチ性関節炎、多発性硬化症、炎症性腸疾患および狼瘡を含む多数の自己免疫性疾患の病理生物学との関わりにおいて重要である。IL−12は、IL−23と共通するp40サブユニットに加えて、p35サブユニットを含み、IL−12Rβ1およびIL−12Rβ2からなるヘテロ二量体受容体を介して作用する。IL−12はTh1細胞の発達と、MHC発現刺激、B細胞のIgGサブクラスへのクラススイッチングおよびマクロファージの活性化により免疫に重要な役割を有するサイトカインであるIFNγ分泌に必須である(Gracie, J.A. et al., “Interleukin-12 induces interferon-gamma-dependent switching of IgG alloantibody subclass”, Eur. J. Immunol., 26:1217-1221(1996);Schroder, K. et al., “Interferon-gamma:an overview of signals, mechanisms and functions”, J. Leukoc. Biol., 75(2):163-189 (2004))。
【0004】
自己免疫におけるp40含有サイトカインの重要性は、p40、p19またはIL−23Rのいずれかを欠損するマウスが、とりわけ多発性硬化症、リウマチ性関節炎、炎症性腸疾患、狼瘡および乾癬のモデルにおいて疾患から保護されるとの発見により証明される(Kyttaris, V.C. et al., “Cutting edge:IL-23 receptor deficiency prevents the development of lupus nephritis in C57BL/6-lpr/lpr mice”, J. Immunol., 184:4605-4609 (2010);Hong, K. et al., “IL-12, independently of IFN-gamma, plays a crucial role in the pathogenesis of a murine psoriasis like skin disorder”, J. Immunol., 162:7480-7491 (1999);Hue, S. et al., “Interleukin-23 drives innate and T cell-mediated intestinal inflammation”, J. Exp. Med., 203:2473-2483 (2006);Cua, D.J. et al., “Interleukin-23 rather than interleukin-12 is the critical cytokine for autoimmune inflammation of the brain”, Nature, 421:744-748 (2003);Murphy, C.A. et al., “Divergent pro- and anti-inflammatory roles for IL-23 and IL-12 in joint autoimmune inflammation”, J. Exp. Med., 198:1951-1957 (2003))。
【0005】
ヒト疾患において、p40およびp19の高発現が乾癬性病変において測定されており、Th17細胞はMS患者からの脳における活動性病変および活動性クローン病を有する患者の腸粘膜において同定されている(Lee, E. et al., “Increased expression of interleukin 23 p19 and p40 in lesional skin of patients with psoriasis vulgaris”, J. Exp. Med., 199:125-130 (2004);Tzartos, J.S. et al., “Interleukin-17 production in central nervous system infiltrating T cells and glial cells is associated with active disease in multiple sclerosis”, Am. J. Pathol., 172:146-155 (2008))。活動性SLE患者におけるp19、p40およびp35のmRNAレベルが非活動性SLE患者のものと比較して有意に高いこと(Huang, X. et al., “Dysregulated expression of interleukin-23 and interleukin-12 subunits in systemic lupus erythematosus patients”, Mod. Rheumatol., 17:220-223 (2007))および狼瘡患者からのT細胞は優勢Th1表現型を有することも示された(Tucci, M. et al., “Overexpression of interleukin-12 and T helper 1 predominance in lupus nephritis”, Clin. Exp. Immunol., 154:247-254 (2008))。
【0006】
さらに、ゲノムワイド関連解析は、IL−23およびIL−12経路において機能する因子をコードする慢性炎症性および自己免疫性疾患と関係する多数の座位を同定している。これらの遺伝子はIL23A、IL12A、IL12B、IL12RB1、IL12RB2、IL23R、JAK2、TYK2、STAT3およびSTAT4を含む(Lees, C.W. et al., “New IBD genetics:common pathways with other diseases”, Gut, 60:1739-1753 (2011);Tao, J.H. et al., “Meta-analysis of TYK2 gene polymorphisms association with susceptibility to autoimmune and inflammatory diseases”, Mol. Biol. Rep., 38:4663-4672 (2011);Cho, J.H. et al., “Recent insights into the genetics of inflammatory bowel disease”, Gastroenterology, 140:1704-1712 (2011))。
【0007】
実際、IL−12およびIL−23の両者を阻害する抗p40治療ならびにIL−23特異的抗p19療法は、乾癬、クローン病および乾癬性関節炎を含む疾患における自己免疫の治療に有効であることが示されている(Leonardi, C.L. et al., “PHOENIX 1 study investigators. Efficacy and safety of ustekinumab, a human interleukin-12/23 monoclonal antibody, in patients with psoriasis:76-week results from a randomized, double-blind, placebo-controlled trial (PHOENIX 1)”, Lancet, 371:1665-1674 (2008);Sandborn, W.J. et al., “Ustekinumab Crohn's Disease Study Group. A randomized trial of Ustekinumab, a human interleukin-12/23 monoclonal antibody, in patients with moderate-to-severe Crohn's disease”, Gastroenterology, 135:1130-1141 (2008);Gottlieb, A. et al., “Ustekinumab, a human interleukin 12/23 monoclonal antibody, for psoriatic arthritis:randomized, double-blind, placebo-controlled, crossover trial”, Lancet, 373:633-640 (2009))。それゆえに、IL−12およびIL−23の作用を阻害する薬剤は、ヒト自己免疫性障害において治療効果を有することが期待できる。
【0008】
インターフェロン(IFN)αメンバーならびにIFNβ、IFNε、IFNκおよびIFNωを含むI型IFN群は、ヘテロ二量体IFNα/β受容体(IFNAR)を介して作用する。I型IFN群は、細胞性免疫応答および液性免疫応答の両者の活性化ならびに自己抗原の発現および放出の増強を含む、自然免疫系および適応免疫系の両者に複数の作用を有する(Hall, J.C. et al., “Type I interferons:crucial participants in disease amplification in autoimmunity”, Nat. Rev. Rheumatol., 6:40-49 (2010))。
【0009】
死に至る可能性がある自己免疫性疾患である全身性エリテマトーデス(SLE)を有する患者において、インターフェロン(IFN)α(I型インターフェロン)の血清レベル増加または末梢血単核細胞および罹患臓器におけるI型IFN調節遺伝子(いわゆるIFNαシグネチャ)の発現増加が患者の大部分で証明されており(Bennett, L. et al., “Interferon and granulopoiesis signatures in systemic lupus erythematosus blood”, J. Exp. Med., 197:711-723 (2003);Peterson, K.S. et al., “Characterization of heterogeneity in the molecular pathogenesis of lupus nephritis from transcriptional profiles of laser-captured glomeruli”, J. Clin. Invest., 113:1722-1733 (2004))、いくつかの試験において血清IFNαレベルが疾患活動性および重症度の両者と相関することが示されている(Bengtsson, A.A. et al., “Activation of type I interferon system in systemic lupus erythematosus correlates with disease activity but not with antiretroviral antibodies”, Lupus, 9:664-671 (2000))。狼瘡の病理生物学におけるIFNαの直接的な役割は、悪性疾患またはウイルス疾患を有する患者へのIFNα投与が狼瘡様症候群を誘発し得るとの観察により証明される。さらに、狼瘡易発性マウスにおけるIFNARの欠失は、自己免疫、疾患重症および死亡からの高い保護を提供し(Santiago-Raber, M.L. et al., “Type-I interferon receptor deficiency reduces lupus-like disease in NZB mice”, J. Exp. Med., 197:777 788 (2003))、ゲノムワイド関連解析はIRF5、IKBKE、TYK2およびSTAT4を含むI型インターフェロン経路において機能する因子をコードする、狼瘡と関係する座位を同定している(Deng, Y. et al., “Genetic susceptibility to systemic lupus erythematosus in the genomic era”, Nat. Rev. Rheumatol., 6:683-692 (2010);Sandling, J.K. et al., “A candidate gene study of the type I interferon pathway implicates IKBKE and IL8 as risk loci for SLE”, Eur. J. Hum. Genet., 19:479-484 (2011))。狼瘡に加えて、I型インターフェロン介在経路の異常活性化がシェーグレン症候群および強皮症のような他の自己免疫性疾患の病理生物学に重要であるとの証拠がある(Bave, U. et al., “Activation of the type I interferon system in primary Sjoegren's syndrome:a possible etiopathogenic mechanism”, Arthritis Rheum., 52:1185-1195 (2005);Kim, D. et al., “Induction of interferon-alpha by scleroderma sera containing autoantibodies to topoisomerase I:association of higher interferon-alpha activity with lung fibrosis”, Arthritis Rheum., 58:2163-2173 (2008))。それゆえに、I型インターフェロン応答の作用を阻害する薬剤は、ヒト自己免疫性障害における治療効果を有することが期待できる。
【0010】
チロシンキナーゼ2(Tyk2)は、非受容体チロシンキナーゼのヤヌスキナーゼ(JAK)ファミリーのメンバーであり、マウス(Ishizaki, M. et al., “Involvement of Tyrosine Kinase-2 in Both the IL-12/Th1 and IL-23/Th17 Axes In Vivo” J. Immunol., 187:181-189 (2011);Prchal-Murphy, M. et al., “TYK2 kinase activity is required for functional type I interferon responses in vivo” PLoS One, 7:e39141 (2012))およびヒト(Minegishi, Y. et al., “Human tyrosine kinase 2 deficiency reveals its requisite roles in multiple cytokine signals involved in innate and acquired immunity” Immunity, 25:745-755 (2006))の両者で、IL−12、IL−23およびI型インターフェロンの受容体の下流のシグナル伝達カスケードの制御に重要であることが示されている。Tyk2は、STATタンパク質の二量体化およびSTAT依存性炎症誘発性遺伝子の転写を起こす必須シグナルである、転写因子のSTATファミリーのメンバーの受容体誘発リン酸化を媒介する。Tyk2欠損マウスは、大腸炎、乾癬および多発性硬化症の実験モデルに抵抗性であり、自己免疫および関連障害におけるTyk2介在シグナル伝達の重要性を証明する(Ishizaki, M. et al., “Involvement of Tyrosine Kinase-2 in Both the IL-12/Th1 and IL-23/Th17 Axes In Vivo” J. Immunol., 187:181-189 (2011);Oyamada, A. et al., “Tyrosine kinase 2 plays critical roles in the pathogenic CD4 T cell responses for the development of experimental autoimmune encephalomyelitis” J. Immunol. 183:7539-7546(2009))。
【0011】
ヒトにおいて、Tyk2の不活性変異体を誘発する個体は多発性硬化症および恐らく他の自己免疫性障害から保護される(Couturier, N. et al., “Tyrosine kinase 2 variant influences T lymphocyte polarization and multiple sclerosis susceptibility” Brain 134:693-703 (2011))。ゲノムワイド関連解析は、クローン病、乾癬、全身性エリテマトーデスおよびリウマチ性関節炎のような自己免疫性障害と関係するTyk2の他の変異体を示しており、自己免疫におけるTyk2の重要性をさらに証明する(Ellinghaus, D. et al., “Combined Analysis of Genome-wide Association Studies for Crohn Disease and Psoriasis Identifies Seven Shared Susceptibility Loci” Am. J. Hum. Genet. 90:636-647 (2012);Graham, D. et al. “Association of polymorphisms across the tyrosine kinase gene, TYK2 in UK SLE families” Rheumatology (Oxford) 46:927-930 (2007);Eyre, S. et al. “High-density genetic mapping identifies new susceptibility loci for rheumatoid arthritis” Nat. Genet. 44:1336-1340 (2012))。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【非特許文献1】McGeachy, M.J. et al., “The link between IL-23 and Th17 cell-mediated immune pathologies”, Semin. Immunol., 19:372-376 (2007)
【非特許文献2】Gracie, J.A. et al., “Interleukin-12 induces interferon-gamma-dependent switching of IgG alloantibody subclass”, Eur. J. Immunol., 26:1217-1221 (1996)
【非特許文献3】Schroder, K. et al., “Interferon-gamma:an overview of signals, mechanisms and functions”, J. Leukoc. Biol., 75(2):163-189 (2004)
【非特許文献4】Kyttaris, V.C. et al., “Cutting edge:IL-23 receptor deficiency prevents the development of lupus nephritis in C57BL/6-lpr/lpr mice”, J. Immunol., 184:4605-4609 (2010)
【非特許文献5】Hong, K. et al., “IL-12, independently of IFN-gamma, plays a crucial role in the pathogenesis of a murine psoriasis like skin disorder”, J. Immunol., 162:7480-7491 (1999)
【非特許文献6】Hue, S. et al., “Interleukin-23 drives innate and T cell-mediated intestinal inflammation”, J. Exp. Med., 203:2473-2483 (2006)
【非特許文献7】Cua, D.J. et al., “Interleukin-23 rather than interleukin-12 is the critical cytokine for autoimmune inflammation of the brain”, Nature, 421:744-748 (2003)
【非特許文献8】Murphy, C.A. et al., “Divergent pro- and anti-inflammatory roles for IL-23 and IL-12 in joint autoimmune inflammation”, J. Exp. Med., 198:1951-1957 (2003)
【非特許文献9】Lee, E. et al., “Increased expression of interleukin 23 p19 and p40 in lesional skin of patients with psoriasis vulgaris”, J. Exp. Med., 199:125-130 (2004)
【非特許文献10】Tzartos, J.S. et al., “Interleukin-17 production in central nervous system infiltrating T cells and glial cells is associated with active disease in multiple sclerosis”, Am. J. Pathol., 172:146-155 (2008)
【非特許文献11】Huang, X. et al., “Dysregulated expression of interleukin-23 and interleukin-12 subunits in systemic lupus erythematosus patients”, Mod. Rheumatol., 17:220-223 (2007)
【非特許文献12】Tucci, M. et al., “Overexpression of interleukin-12 and T helper 1 predominance in lupus nephritis”, Clin. Exp. Immunol., 154:247-254 (2008)
【非特許文献13】Lees, C.W. et al., “New IBD genetics:common pathways with other diseases”, Gut, 60:1739-1753 (2011)
【非特許文献14】Tao, J.H. et al., “Meta-analysis of TYK2 gene polymorphisms association with susceptibility to autoimmune and inflammatory diseases”, Mol. Biol. Rep., 38:4663-4672 (2011)
【非特許文献15】Cho, J.H. et al., “Recent insights into the genetics of inflammatory bowel disease”, Gastroenterology, 140:1704-1712 (2011)
【非特許文献16】Leonardi, C.L. et al., “PHOENIX 1 study investigators. Efficacy and safety of ustekinumab, a human interleukin-12/23 monoclonal antibody, in patients with psoriasis:76-week results from a randomized, double-blind, placebo-controlled trial (PHOENIX 1)”, Lancet, 371:1665-1674 (2008)
【非特許文献17】Sandborn, W.J. et al., “Ustekinumab Crohn's Disease Study Group. A randomized trial of Ustekinumab, a human interleukin-12/23 monoclonal antibody, in patients with moderate-to-severe Crohn's disease”, Gastroenterology, 135:1130-1141 (2008)
【非特許文献18】Gottlieb, A. et al., “Ustekinumab, a human interleukin 12/23 monoclonal antibody, for psoriatic arthritis:randomized, double-blind, placebo-controlled, crossover trial”, Lancet, 373:633-640 (2009)
【非特許文献19】Hall, J.C. et al., “Type I interferons:crucial participants in disease amplification in autoimmunity”, Nat. Rev. Rheumatol., 6:40-49 (2010)
【非特許文献20】Bennett, L. et al., “Interferon and granulopoiesis signatures in systemic lupus erythematosus blood”, J. Exp. Med., 197:711-723 (2003)
【非特許文献21】Peterson, K.S. et al., “Characterization of heterogeneity in the molecular pathogenesis of lupus nephritis from transcriptional profiles of laser-captured glomeruli”, J. Clin. Invest., 113:1722-1733 (2004)
【非特許文献22】Bengtsson, A.A. et al., “Activation of type I interferon system in systemic lupus erythematosus correlates with disease activity but not with antiretroviral antibodies”, Lupus, 9:664-671 (2000)
【非特許文献23】Santiago-Raber, M.L. et al., “Type-I interferon receptor deficiency reduces lupus-like disease in NZB mice”, J. Exp. Med., 197:777 788 (2003))
【非特許文献24】Deng, Y. et al., “Genetic susceptibility to systemic lupus erythematosus in the genomic era”, Nat. Rev. Rheumatol., 6:683-692 (2010)
【非特許文献25】Sandling, J.K. et al., “A candidate gene study of the type I interferon pathway implicates IKBKE and IL8 as risk loci for SLE”, Eur. J. Hum. Genet., 19:479-484 (2011)
【非特許文献26】Bave, U. et al., “Activation of the type I interferon system in primary Sjoegren's syndrome:a possible etiopathogenic mechanism”, Arthritis Rheum., 52:1185-1195 (2005)
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【非特許文献29】Prchal-Murphy, M. et al., “TYK2 kinase activity is required for functional type I interferon responses in vivo” PLoS One, 7:e39141 (2012)
【非特許文献30】Minegishi, Y. et al., “Human tyrosine kinase 2 deficiency reveals its requisite roles in multiple cytokine signals involved in innate and acquired immunity” Immunity, 25:745-755 (2006)
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【非特許文献32】Couturier, N. et al., “Tyrosine kinase 2 variant influences T lymphocyte polarization and multiple sclerosis susceptibility” Brain 134:693-703 (2011)
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【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
サイトカインおよび/またはインターフェロンのモジュレーターとして有益であり得る症状の観点から、IL−12、IL−23および/またはIFNαのようなサイトカインおよび/またはインターフェロンを調節できる新規化合物およびこれらの化合物の使用法が、これらを必要とする広範な患者に相当な治療効果を提供し得る。
【課題を解決するための手段】
【0014】
発明の要約
本発明は、Tyk2介在シグナル伝達阻害によりIL−12、IL−23および/またはIFNαのモジュレーターとして有用である、式Iの化合物に関する。
【0015】
本発明は、本発明の化合物を製造するための方法および中間体も提供する。
【0016】
本発明は、薬学的に許容される担体および本発明の化合物の少なくとも1個を含む医薬組成物も提供する。
【0017】
本発明はまた、Tyk−2介在シグナル伝達の阻害によりIL−12、IL−23および/またはIFNαの調節をする方法であって、このような治療を必要とする宿主に本発明の化合物の少なくとも1個の治療有効量を投与することを特徴とする、方法も提供する。
【0018】
本発明はまた、増殖性疾患、代謝性疾患、アレルギー性疾患、自己免疫性疾患および炎症性疾患を治療する方法であって、このような治療を必要とする宿主に本発明の化合物の少なくとも1つの治療有効量を投与することを特徴とする、方法も提供する。
【0019】
好ましい態様は、炎症性および自己免疫性疾患または疾患を治療する方法である。本発明の目的として、炎症性および自己免疫性疾患または障害は、炎症性または自己免疫性要素を有するあらゆる疾患を含む。
【0020】
別の好ましい態様は、2型糖尿病およびアテローム性動脈硬化症を含む代謝性疾患を治療する方法である。
【0021】
本発明は、癌の治療用医薬の製造のための本発明の化合物の使用も提供する。
【0022】
本発明は、治療に使用するための本発明の化合物も提供する。
【0023】
本発明のこれらおよび他の特性は、開示が進むにつれて拡張された形態で示される。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(発明の態様の詳細な記載)
本発明の第一の態様において、式I:
【化1】

(I)
[式中、
Zは、−CH−または−N−であり;
は、Hまたは−NHRであり;
は、H、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、ヒドロキシC−Cアルキル、アルコキシC−Cアルキル、C−CシクロアルキルC−Cアルキル−、ジ(C−C)アルキルアミノアルキル−、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルC−Cアルキル−であり、前記ヘテロアリール基は0〜2つのRで置換されており;
は、H、C−C10−単環式または二環式シクロアルキル、C−Cアルキル、C−C10単環式または二環式アリールあるいは4〜10員単環式または二環式ヘテロシクリルであり、各ヘテロシクリルは、N、OおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しており、前記基のH以外のいずれの基も、0〜4つのRで置換されており;
は、H、C−Cアルキル、3〜10員単環式または二環式シクロアルキル、4〜10員単環式または二環式アリール、4〜10員単環式または二環式ヘテロシクリルあるいは置換された4〜10員単環式または二環式ヘテロアリールであり、各ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、N、OおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しており、前記基のH以外のいずれの基も、0〜4つのRで置換されており;
は、独立して、HまたはC−Cアルキルであるか;あるいは
およびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、0〜2つの置換基で置換された3〜10員ヘテロシクリル環を形成しており、H、C−CアルキルおよびOHから選択され;
は、H、ハロ、CN、OH、C−Cアルキル、(R)N、−NRCOR、RO、−CON(R)、−SOであり;
nは1または2であり;
は、H、ハロ、CN、CF、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、−CONH C−Cアルキル、−CONH ハロC−Cアルキル、−CONH ハロC−Cアルコキシ、ヘテロアリール、アルキニル(−CCR)、アルケニル−CR=C(R)またはアリールであり、前記アリールおよびヘテロアリール基は、0〜2つのRで置換されており;
は、H、ハロ、CF、C−CアルキルまたはC−Cアルコキシである]
の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、互変異性体または立体異性体。
【0025】
第二の実施形態において、式II:
【化2】

[式中、
は、Hまたは−NHRであり;
は、H、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、ヒドロキシC−Cアルキル、アルコキシC−Cアルキル、C−CシクロアルキルC−Cアルキル−、ジ(C−C)アルキルアミノアルキル−、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルC−Cアルキル−であり、前記ヘテロアリール基は、0〜2つのRで置換されており;
は、H、C−C10−単環式または二環式シクロアルキル、C−Cアルキル、C−C10単環式または二環式アリールあるいは4〜10員単環式または二環式ヘテロシクリルであり、各ヘテロシクリルは、N、OおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しており、前記基のH以外のいずれの基も、0〜4つのRで置換されており;
は、H、C−Cアルキル、3〜10員単環式または二環式シクロアルキル、6〜10員単環式または二環式アリール、4〜10員単環式または二環式ヘテロシクリルあるいは置換された4〜10員単環式または二環式ヘテロアリールであり、各ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、N、OおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しており、前記基のH以外のいずれの基も、0〜4つのRで置換されており;
は、HまたはC−Cアルキルであるか;あるいは
およびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、H、C−CアルキルおよびOHから選択される0〜2つの置換基で置換された3〜10員ヘテロシクリル環を形成しており;
は、H、ハロ、CN、OH、C−Cアルキル、(R)N、−NRCOR、RO、−CON(R)、−SOであり;
nは1または2であり;
は、H、ハロ、CN、CF、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、−CONH C−Cアルキル、−CONH ハロ C−Cアルキル、−CONH ハロ C−Cアルコキシ、ヘテロアリール、アルキニル(−CCR)、アルケニル−CR=C(R)またはアリールであり、前記アリールおよびヘテロアリール基は、0〜2つのRで置換されており;
は、H、ハロ、CF、C−CアルキルまたはC−Cアルコキシである]
の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、互変異性体または立体異性体が提供される。
【0026】
第三の実施形態において、式II:
【化3】

[式中、
は、−NHRであり;
は、H、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、ヒドロキシC−Cアルキル、アルコキシC−Cアルキル、C−CシクロアルキルC−Cアルキル−、ジ(C−C)アルキルアミノアルキル−、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルC−Cアルキル−であり、前記ヘテロアリール基は、0〜2つのRで置換されており;
は、H、C−C10−単環式または二環式シクロアルキル、C−Cアルキル、C−C10単環式または二環式アリールあるいは4〜10員単環式または二環式ヘテロシクリルであり、各ヘテロシクリルは、N、OおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しており、前記基のH以外のいずれの基も、0〜4つのRで置換されており;
は、H、C−Cアルキル、3〜10員単環式または二環式シクロアルキル、6〜10員単環式または二環式アリール、4〜10員単環式または二環式ヘテロシクリルあるいは置換された4〜10員単環式または二環式ヘテロアリールであり、各ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、N、OおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しており、前記基のH以外のいずれの基も0〜4つのRで置換されており;
は、HまたはC−Cアルキルであるか;あるいは
およびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、H、C−CアルキルおよびOHから選択された0〜2つの置換基で置換された3〜10員ヘテロシクリル環を形成しており;
は、H、ハロ、CN、OH、C−Cアルキル、(R)N、−NRCOR、RO、−CON(R)、−SOであり;
nは、1または2であり;
は、H、ハロ、CN、CF、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、−CONH C−Cアルキル、−CONH ハロ C−Cアルキル、−CONHハロC−Cアルコキシ、ヘテロアリール、アルキニル(−CCR)、アルケニル−CR=C(R)またはアリールであり、前記アリールおよびヘテロアリール基は、0〜2つのRで置換されており;
は、H、ハロ、CF、C−CアルキルまたはC−Cアルコキシである]
の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、互変異性体または立体異性体が提供される。
【0027】
第四の実施形態において、式II:
【化4】

[式中、
は、−NHRであり;
は、H、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、ヒドロキシC−Cアルキル、アルコキシC−Cアルキル、C−CシクロアルキルC−Cアルキル−、ジ(C−C)アルキルアミノアルキル−、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルC−Cアルキル−であり、前記ヘテロアリール基は、0〜2つのRで置換されており;
は、H、C−C10−単環式または二環式シクロアルキル、C−Cアルキル、C−C10単環式または二環式アリールまたは4〜10員単環式または二環式ヘテロシクリルであり、各ヘテロシクリルは、N、OおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しており、前記基のH以外のいずれの基も、0〜4つのRで置換されており;
は、H、C−Cアルキル、3〜10員単環式または二環式シクロアルキル、6〜10員単環式または二環式アリール、4〜10員単環式または二環式ヘテロシクリルあるいは置換された4〜10員単環式または二環式ヘテロアリールであり、各ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、N、OおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しており、前記基のH以外のいずれの基も、0〜4つのRで置換されており;
は、HまたはC−Cアルキルであり;
は、H、ハロ、CN、OH、C−Cアルキル、(R)N、−NRCOR、RO、−CON(R)、−SOであり;
nは、1または2であり;
は、H、ハロ、CN、CF、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、−CONH C−Cアルキル、−CONH ハロ C−Cアルキル、−CONH ハロ C−Cアルコキシ、ヘテロアリール、アルキニル(−CCR)、アルケニル−CR=C(R)またはアリールであり、前記アリールおよびヘテロアリール基は、0〜2つのRで置換されており;
は、H、ハロ、CF、C−CアルキルまたはC−Cアルコキシである]
の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、互変異性体または立体異性体が提供される。
【0028】
第五の実施形態において、式II:
【化5】

[式中、
は、−NHRであり;
は、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり;
は、H、C−Cアルキル、ヒドロキシC−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり;
は、H、C−Cアルキル、3〜10員単環式または二環式シクロアルキル、6〜10員単環式または二環式アリール、4〜10員単環式または二環式ヘテロシクリルあるいは置換された4〜10員単環式または二環式ヘテロアリールであり、各ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、N、OおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しており、前記基のH以外のいずれの基も、0〜4つのRで置換されており;
は、HまたはC−Cアルキルであり;
は、H、ハロ、CN、OH、C−Cアルキル、(R)N、−NRCOR、RO、−CON(R)、−SOであり;
nは、1または2であり;
は、H、ハロ、CN、CF、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、−CONH C−Cアルキル、−CONH ハロ C−Cアルキル、−CONH ハロ C−Cアルコキシ、ヘテロアリール、アルキニル(−CCR)、アルケニル−CR=C(R)またはアリールであり、前記アリールおよびヘテロアリール基は、0〜2つのRで置換されており;
は、H、ハロ、CF、C−CアルキルまたはC−Cアルコキシである]
の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、互変異性体または立体異性体が提供される。
【0029】
別の実施形態において、式II:
【化6】

[式中、
は、−NHRであり;
は、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり;
は、H、C−Cアルキル、ヒドロキシC−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり;
は、H、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、フェニルまたはピリジルであり、前記基のH以外のいずれの基も、0〜4つのRで置換されており;
は、HまたはC−Cアルキルであり;
は、H、ハロ、CN、OH、C−Cアルキル、(R)N、−NRCOR、RO、−CON(R)、−SOであり;
nは1または2であり;
は、H、ハロ、CN、CF、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、−CONH C−Cアルキル、−CONH ハロ C−Cアルキル、−CONH ハロ C−Cアルコキシ、ヘテロアリール、アルキニル(−CCR)、アルケニル−CR=C(R)またはアリールであり、前記アリールおよびヘテロアリール基は、0〜2つのRで置換されており;
は、H、ハロ、CF、C−CアルキルまたはC−Cアルコキシである]
の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、互変異性体または立体異性体が提供される。
【0030】
別の好ましい実施形態において、
構造:
【化7】

[式中、
は、−NHRであり;
は、CHまたはシクロプロピルであり;
は、H、C−Cアルキル、ヒドロキシC−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり;
は、H、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、フェニルまたはピリジルであり、前記基のH以外のいずれの基も、0〜4つのRで置換されており;
は、HまたはC−Cアルキルであり;
は、H、ハロ、CN、OH、C−Cアルキル、(R)nN、−NRCOR、RO、−CON(R)n、−SOnRであり;
nは、1または2であり;
は、H、ハロ、CN、CF、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、−CONH C−Cアルキル、−CONH ハロ C−Cアルキル、−CONH ハロ C−Cアルコキシ、ヘテロアリール、アルキニル(−CCR)、アルケニル−CR=C(R)nまたはアリールであり、前記アリールおよびヘテロアリール基は、0〜2つのRで置換されており;
は、H、ハロ、CF、C−CアルキルまたはC−Cアルコキシである]
を有する式IIの化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、互変異性体または立体異性体が提供される。
【0031】
別の態様において、第一の態様の範囲内にある例示の実施例から選択された化合物あるいはその薬学的に許容される塩、互変異性体または立体異性体が提供される。
【0032】
別の態様において、上記態様のいずれかの範囲内にある化合物のあらゆるサブセットリストから選択される化合物から選択される。
【0033】
他の態様において、1つ以上の式(I)の化合物あるいはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物またはプロドラッグ、および薬学的に許容される担体または希釈剤を含む、医薬組成物が提供される。
【0034】
本発明は、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される担体または希釈剤を含む、Tyk−2に作用してシグナル伝達阻害を引き起こすことにより、IL−12、IL−23および/またはIFNαの調節と関係する疾患の治療に有用な医薬組成物にも関する。
【0035】
本発明は、さらに、IL−12、IL−23および/またはIFNαの調節と関係する疾患を治療する方法であって、このような治療を必要とする患者に、式Iの化合物の治療有効量を投与することを含む、方法を提供する。
【0036】
本発明はまた本発明の化合物を製造するための方法および中間体を提供する。
【0037】
本発明は、増殖性疾患、代謝性疾患、アレルギー性疾患、自己免疫性疾患および炎症性疾患を治療する方法(またはこれらの疾患の治療用医薬の製造における本発明の化合物の使用)でもあり、このような治療を必要とする宿主に、少なくとも1つの本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの治療有効量を投与することを特徴とする、方法を提供する。
【0038】
本発明は、炎症性疾患または自己免疫性疾患を治療する方法(またはこれらの疾患の治療用医薬の製造における本発明の化合物の使用)でもあり、このような治療を必要とする患者に式Iの化合物の治療有効量を投与することを特徴とする、方法を提供する。
【0039】
本発明はまた疾患を治療する方法(またはこれらの疾患の治療用医薬の製造における本発明の化合物の使用)であって、このような治療を必要とする患者に式Iの化合物の治療有効量を投与することを特徴とし、ここで該疾患がリウマチ性関節炎、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス(SLE)、ループス腎炎、皮膚ループス、炎症性腸疾患、乾癬、クローン病、乾癬性関節炎、シェーグレン症候群、全身性強皮症、潰瘍性大腸炎、グレーブス病、円板状エリテマトーデス、成人スチル病、全身型若年性特発性関節炎、痛風、痛風関節炎、1型糖尿病、インスリン依存性糖尿病、敗血症、敗血症性ショック、細菌性赤痢、膵炎(急性または慢性)、糸球体腎炎、自己免疫性胃炎、糖尿病、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性好中球減少症、血小板減少症、アトピー性皮膚炎、重症筋無力症、膵炎(急性または慢性)、強直性脊椎炎、尋常性天疱瘡、グッドパスチャー病、抗リン脂質抗体症候群、特発性血小板減少症、ANCA関連脈管炎、天疱瘡、川崎病、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、皮膚筋炎、多発性筋炎、ブドウ膜炎、ギランバレー症候群、自己免疫性肺炎症、自己免疫性甲状腺炎、自己免疫性炎症性眼疾患および慢性脱髄性多発ニューロパチーである、方法を提供する。
【0040】
本発明はまた炎症性疾患または自己免疫性疾患を治療する方法(またはこれらの疾患の治療用医薬の製造における本発明の化合物の使用)であって、このような治療を必要とする患者に式Iの化合物の治療有効量を投与することを特徴とし、ここで前記疾患が全身性エリテマトーデス(SLE)、ループス腎炎、皮膚ループス、クローン病、潰瘍性大腸炎、1型糖尿病、乾癬、リウマチ性関節炎、全身型若年性特発性関節炎、強直性脊椎炎および多発性硬化症から選択される、方法を提供する。
【0041】
本発明はまたリウマチ性関節炎(またはリウマチ性関節炎の治療用医薬の製造における本発明の化合物の使用)を治療する方法であって、このような治療を必要とする患者に式Iの化合物の治療有効量を投与することを特徴とする、方法を提供する。
【0042】
さらに、本発明はまた症状を治療する方法(またはこれらの症状の治療用医薬の製造のための本発明の化合物の使用)であって、このような治療を必要とする患者に式Iの化合物の治療有効量を投与することを特徴とし、ここで該症状が急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、転移性黒色腫、カポジ肉腫、多発性骨髄腫、固形腫瘍、眼内血管新生および小児血管腫、B細胞リンパ腫、全身性エリテマトーデス(SLE)、リウマチ性関節炎、乾癬性関節炎、多発性脈管炎、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、重症筋無力症、アレルギー性鼻炎、多発性硬化症(MS)、移植片拒絶、I型糖尿病、膜性腎症、炎症性腸疾患、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性甲状腺炎、寒冷および温暖凝集素疾患、エバンス症候群、溶血性尿毒症症候群/血栓性血小板減少性紫斑病(HUS/TTP)、サルコイドーシス、シェーグレン症候群、末梢ニューロパチー、尋常性天疱瘡および喘息から選択される、方法も提供する。
【0043】
本発明はまたIL−12、IL−23および/またはIFNα媒介疾患を治療する方法(または該疾患の治療用医薬の製造のための本発明の化合物の使用)であって、このような治療を必要とする患者に式Iの化合物の治療有効量を投与することを特徴とする方法も提供する。
【0044】
本発明はまたIL−12、IL−23および/またはIFNα媒介疾患を治療する方法(またはこれらの疾患の治療用医薬の製造における本発明の化合物の使用)であって、このような治療を必要とする患者に式Iの化合物の治療有効量を投与することを特徴とし、ここで、該IL−12、IL−23および/またはIFNα媒介疾患がIL−12、IL−23および/またはIFNαにより調節される疾患である、方法も提供する。
【0045】
本発明はまた疾患を治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、式Iの化合物の治療有効量を別の治療剤と組み合わせて投与することを特徴とする、方法も提供する。
【0046】
本発明は、治療に使用する本発明の化合物も提供する。
【0047】
他の態様において、式Iの化合物は、例示化合物または例示化合物の組み合わせまたは本明細書の他の態様から選択される。
【0048】
他の態様は、下記アッセイの少なくとも1つにおいてIC50<1000nMを有する化合物である。
【0049】
本発明は、その精神または本質的属性から逸脱することなく、他の具体的な形態に具現化し得る。本発明は、ここに記す本発明の好ましい態様および/または実施態様の全ての組み合わせを包含する。本発明の任意かつ全ての態様を、他の1個または複数個の態様と組み合わせて、さらなるより好ましい態様を記載し得ると理解される。好ましい態様の各個々の要素はそれ自体が独立して好ましい態様であることも理解される。さらに、実施態様の任意の要素を、あらゆる態様の任意かつ全ての他の要素と組み合わせて、さらなる態様を記載することを意図する。
【0050】
(発明の詳細な記載)
以下に、本明細書および添付する特許請求の範囲において使用する用語の定義を記載する。本明細書においてある基または用語について規定した最初の定義は、特に断らない限り、本明細書および特許請求の範囲を通して、独立してまたは他の基の一部として、その基または用語に適用される。
【0051】
本発明の化合物は、1箇所以上の不斉中心を有し得る。特に断らない限り、本発明の化合物の全てのキラル(エナンチオマーおよびジアステレオマー)形態およびラセミ体は、本発明に包含される。オレフィン、C=N二重結合などの多くの幾何異性体も本化合物に存在でき、全てのこのような安定な異性体は本発明において意図されている。本発明の化合物のcisおよびtrans幾何異性体が記載されており、異性体の混合物としてまたは分離された異性形態として単離され得る。本化合物は、光学活性形態またはラセミ体で単離し得る。ラセミ体の分割または光学活性出発物質からの合成のような、光学活性形態の製造法は当分野で周知である。固有の立体化学または異性体形態が特に指定されていない限り、ある構造の全てのキラル(エナンチオマーおよびジアステレオマー)形態およびラセミ体および全ての幾何異性形態が意図される。
【0052】
任意の可変基(例えば、R)が、化合物の任意の構成要素または式において1回を超えて存在するとき、各々のその定義は全ての他の定義と無関係である。それゆえに、例えば、ある基が0〜2個のRで置換されると示されるならば、該基は2個までのR基で置換されてよく、各Rは、Rの定義から独立して選択される。また、置換基および/または可変基の組み合わせは、このような組み合わせが安定な化合物をもたらすときのみ許容される。
【0053】
置換基への結合が環内の2個の原子を結ぶ結合と交差して示されるならば、このような置換基は環上の任意の原子を置換し得る。置換基が、このような置換基がある式の化合物の残りに結合する原子を指定することなく列記されているならば、このような置換基は、このような置換基の任意の原子で結合し得る。置換基および/または可変基の組み合わせは、このような組み合わせが安定な化合物をもたらすときのみ許容される。
【0054】
本発明の化合物上に窒素原子(例えば、アミン)が存在する場合、これらは、酸化剤(例えば、MCPBAおよび/または過酸化水素)での処理によりN−オキシドに変換され、他の本発明化合物を生成する。それゆえに、全ての記載かつ請求される窒素原子は、記載されている窒素およびそのN−オキシド(N→O)誘導体の両者を包含することが意図されている。
【0055】
当分野で使用される慣習に従い、
【化8】

は、本明細書の構造式において、部分または置換基がコアまたはバックボーン構造への結合する位置である結合を示すために使用される。
【0056】
2個の文字または記号の間にないダッシュ記号“−”は、置換基の結合点を示すために使用する。例えば、−CONHは炭素原子を介して結合する。
【0057】
式Iの化合物の特定の部分(例えば、場合により置換されていてよいヘテロアリール基)を意味する用語“場合により置換されていてよい”は、0個、1個、2個またはそれ以上の置換基を有する部分をいう。例えば、“場合により置換されていてよいアルキル”は、下に定義する“アルキル”および“置換アルキル”の両者を含む。当業者には理解されるが、1個以上の置換基を含む任意の基に関して、このような基は立体的に実行不可能、合成的に実現不可能および/または本質的に不安定であるあらゆる置換または置換様式の導入を意図しない。
【0058】
ここで使用する用語“少なくとも1個の化学成分”は、用語“化合物”と交換可能である。
【0059】
ここで使用する用語“アルキル”または“アルキレン”は、特定した数の炭素原子を有する、分枝鎖および直鎖両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むことが意図される。例えば、“C1−10アルキル”(またはアルキレン)は、C、C、C、C、C、C、C、C、CおよびC10アルキル基を含むことが意図される。さらに、例えば、“C−Cアルキル”は、1〜6個の炭素原子を有するアルキルをいう。アルキル基は非置換でも、その1個以上の水素が別の化学基で置き換えられるように置換されていてもよい。アルキル基の例は、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(例えば、n−プロピルおよびイソプロピル)、ブチル(例えば、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル)、ペンチル(例えば、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル)などを含むが、これらに限定されない。
【0060】
“アルケニル”または“アルケニレン”は、直鎖または分枝鎖形態いずれかの、鎖に沿って任意の安定な位置に存在し得る1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する、炭化水素鎖を含むことが意図される。例えば、“C2−6アルケニル”(またはアルケニレン)は、C、C、C、CおよびCアルケニル基を含むことが意図される。アルケニルの例は、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、2−メチル−2−プロペニル、4−メチル−3−ペンテニルなどを含むが、これらに限定されない。
【0061】
“アルキニル”または“アルキニレン”は、直鎖または分枝鎖形態いずれかの、鎖に沿って任意の安定な位置に存在し得る1つ以上の炭素−炭素三重結合を有する、炭化水素鎖を含むことが意図される。例えば、“C2−6アルキニル”(またはアルキニレン)は、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどのようなC、C、C、CおよびCアルキニル基を含むことが意図される。
【0062】
当該分野の当業者は、用語“CO”が本明細書で使用されるとき、これは基
【化9】

をいうことが意図されることを理解する。
【0063】
用語“アルキル”を、“アリールアルキル”におけるように他の基と共に使用するとき、この組み合わせは、置換アルキルが含む置換基の少なくとも1つをより具体的に定義するものである。例えば、“アリールアルキル”は、ベンジルのような、置換基の少なくとも1つがアリールである上に定義した置換アルキル基をいう。それゆえに、用語アリール(C0−4)アルキルは、少なくとも1つのアリール置換基を有する置換低級アルキルおよびまた別の基に直接結合したアリール、すなわちアリール(C)アルキルを含む。用語“ヘテロアリールアルキル”は、置換基の少なくとも1つがヘテロアリールである上記に定義した置換アルキル基をいう。
【0064】
置換アルケニル基、アルキニル基、アルキレン基、アルケニレン基またはアルキニレン基について言うなら、これらの基は、置換アルキル基について定義した1〜3個の置換基で置換されている。
【0065】
用語“アルコキシ”は、ここに定義するアルキルまたは置換アルキルで置換された酸素原子をいう。例えば、用語“アルコキシ”は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、2−ペンチルオキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、ヘキソキシ、2−ヘキソキシ、3−ヘキソキシ、3−メチルペントキシなどのような基−O−C1−6アルキルを含む。“低級アルコキシ”は、1〜4個の炭素を有するアルコキシ基をいう。
【0066】
例えば、アルコキシ、チオアルキルおよびアミノアルキルを含む、全ての基についての選択は、安定な化合物を提供するために当該分野の当業者によりなされることは理解すべきである。
【0067】
本明細書で使用する用語“置換”は、指定した原子または基上の任意の1個以上の水素が、指定した原子の通常の原子価を超えない限り、示される基の選択により置き換えられることを意味する。置換基がオキソまたはケト(すなわち、=O)であるならば、原子上の2個の水素が置き換えられる。ケト置換基は芳香族部分には存在しない。特に断らない限り、置換基はコア構造に向けて命名される。例えば、(シクロアルキル)アルキルが可能性のある置換基として列記されているとき、この置換基のコア構造への結合点は、アルキル部分である。ここで使用する環二重結合は、2個の隣接する環原子の間で形成される二重結合(例えば、C=C、C=NまたはN=N)である。
【0068】
置換基および/または可変基の組み合わせは、このような組み合わせが安定な化合物または有用な合成中間体をもたらすときのみ許容される。安定な化合物または安定な構造は、有用な程度の純度で反応混合物からの単離および続く有効な治療剤への製剤に耐えるのに十分に堅牢である化合物を含意するものである。本明細書に記載の化合物が、N−ハロ基、S(O)H基またはS(O)H基を含まないことが好ましい。
【0069】
用語“シクロアルキル”は、単環、二環または多環式環系を含む環化アルキル基をいう。C3−7シクロアルキルは、C、C、C、CおよびCシクロアルキル基を含むことが意図される。代表的なシクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボロニルなどを含むが、これらに限定されない。本明細書で使用する“炭素環”または“炭素環式基”は、あらゆる安定な3員、4員、5員、6員または7員単環式または二環式あるいは7員、8員、9員、10員、11員、12員または13員二環式または三環式環を意味することが意図され、このいずれもが飽和でも、一部不飽和でも、不飽和でも、芳香環でもよい。このような炭素環の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘプテニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、アダマンチル、シクロオクチル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、[3.3.0]ビシクロオクタン、[4.3.0]ビシクロノナン、[4.4.0]ビシクロデカン、[2.2.2]ビシクロオクタン、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチル、アントラセニルおよびテトラヒドロナフチル(テトラリン)を含むが、これらに限定されない。上記のように、架橋環も炭素環の定義に包含される(例えば、[2.2.2]ビシクロオクタン)。好ましい炭素環は、特に断らない限り、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびフェニルである。用語“炭素環”を使用するとき、“アリール”を含むことが意図される。架橋環は、1個以上の炭素原子が2個の非隣接炭素原子に連結するときに生じる。好ましい架橋は、1個または2個の炭素原子である。架橋は常に単環式環を二環式環に変換することは注意されるべきである。環が架橋したとき、環について記した置換基は架橋にも存在し得る。
【0070】
用語“アリール”は、フェニル基およびナフチル基のような環部分に6〜12個の炭素原子を有する単環式または二環式芳香族炭化水素基をいい、この各々は置換されていてよい。
【0071】
従って、式Iの化合物において、用語“シクロアルキル”はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ビシクロオクチルなど、ならびに次の環系
【化10】
などを含み、これらは場合により環の任意の利用可能な原子で置換されていてよい。好ましいシクロアルキル基はシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよび
【化11】
を含む。
【0072】
用語“ハロ”または“ハロゲン”は、クロロ、ブロモ、フルオロおよびヨードをいう。
【0073】
用語“ハロアルキル”は、1つ以上のハロ置換基を有する置換アルキルをいう。例えば、“ハロアルキル”は、モノ、ビおよびトリフルオロメチルを含む。
【0074】
用語“ハロアルコキシ”は、1つ以上のハロ置換基を有するアルコキシ基を意味する。例えば、“ハロアルコキシ”はOCFを含む。
【0075】
それゆえに、アリール基の例は
【化12】

(フルオレニル)などを含み、これらは、場合により任意の利用可能な炭素原子または窒素原子で置換されていてよい。好ましいアリール基は、場合により置換されていてよいフェニルである。
【0076】
用語“ヘテロ環”、“ヘテロシクロアルキル”、“ヘテロシクロ”、“ヘテロ環式”または“ヘテロシクリル”は、相互交換可能に使用されてよく、環の少なくとも1個が少なくとも1個のヘテロ原子(O、SまたはN)を有する置換および非置換3〜7員単環式基、7〜11員二環式基および10〜15員三環式基をいい、該ヘテロ原子含有環は、好ましくはO、SおよびNから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を有する。ヘテロ原子を含むこのような基の各環は、各環のヘテロ原子の総数が4個以下であり、かつ該環が少なくとも1個の炭素原子を含む限り、1個または2個の酸素原子または硫黄原子および/または1〜4個の窒素原子を含むことができる。窒素原子および硫黄原子は、場合により酸化されていてよく、窒素原子は場合により4級化されていてよい。二環式基および三環式基を完成させる縮合環は炭素原子しか含んでいなくてよく、飽和でも、一部飽和でも、完全に不飽和でもよい。ヘテロシクロ基は、任意の利用可能な窒素原子または炭素原子で結合し得る。本明細書において用語“ヘテロ環”、“ヘテロシクロアルキル”、“ヘテロシクロ”、“ヘテロ環式”および“ヘテロシクリル”は、以下に定義する“ヘテロアリール”基を含む。
【0077】
以下に記載するヘテロアリール基に加えて、代表的な単環式ヘテロシクリル基は、アゼチジニル、ピロリジニル、オキセタニル、イミダゾリニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジル、2−オキソピロロジニル、2−オキソアゼピニル、アゼピニル、1−ピリドニル、4−ピペリドニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、1,3−ジオキソランおよびテトラヒドロ−1,1−ジオキソチエニルなどを含む。代表的な二環式ヘテロシクロ基はキヌクリジニルを含む。さらなる単環式ヘテロシクリル基は
【化13】

を含む。
【0078】
用語“ヘテロアリール”は、環の少なくとも1個に少なくとも1個のヘテロ原子(O、SまたはN)を有する置換および非置換芳香族5員または6員単環式基、9員または10員二環式基および11〜14員三環式基をいい、該ヘテロ原子含有環は、好ましくはO、SおよびNから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を有する。ヘテロ原子を含むヘテロアリール基の各環は、各環におけるヘテロ原子の総数が4個以下であり、かつ各環が少なくとも1個の炭素原子を有する限り、1個または2個の酸素原子または硫黄原子および/または1〜4個の窒素原子を含み得る。二環式基および三環式基を完成させる縮合環は炭素原子しか含んでいなくてよく、飽和でも、一部飽和でも不飽和でもよい。窒素原子および硫黄原子は場合により酸化されていてよく、窒素原子は場合により4級化されていてよい。二環式または三環式であるヘテロアリール基は、少なくとも1個の完全な芳香環を含まなければならないが、他の縮合した1個または複数個の環は、芳香族でも非芳香族であってもよい。ヘテロアリール基は、任意の環の任意の利用可能な窒素原子または炭素原子で結合し得る。原子価から可能であるならば、該さらなる環がシクロアルキルまたはヘテロシクロであるならば、さらに場合により=O(オキソ)で置換されていてよい。
【0079】
代表的な単環式ヘテロアリール基は、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾリニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、フラニル、チエニル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニルなどを含む。
【0080】
代表的な二環式ヘテロアリール基はインドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフラニル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジル、ジヒドロイソインドリル、テトラヒドロキノリニルなどを含む。
【0081】
代表的な三環式ヘテロアリール基はカルバゾリル、ベンズインドリル、フェナントロリニル、アクリジニル、フェナントリジニル、キサンテニルなどを含む。
【0082】
式Iの化合物において、好ましいヘテロアリール基は
【化14】

などを含み、これらは、所望により任意の利用可能な炭素原子または窒素原子で置換されていてよい。
【0083】
特に断らない限り、具体的に命名されたアリール(例えば、フェニル)、シクロアルキル(例えば、シクロヘキシル)、ヘテロシクロ(例えば、ピロリジニル、ピペリジニルおよびモルホリニル)またはヘテロアリール(例えば、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、チアゾリルおよびフリル)をいうとき、この言及は、適切である限り、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロ基および/またはヘテロアリール基について上記したものから選択される0〜3個、好ましくは0〜2個の置換基を有する環を含むことが意図される。
【0084】
用語“カルボシクリル”または“炭素環式”は、全環の全原子が炭素である、飽和または不飽和単環式または二環式環をいう。それゆえに、本用語は、シクロアルキル環およびアリール環を含む。単環式炭素環は3〜6個の環原子、さらにより典型的には5個または6個の環原子を有する。二環式炭素環は、例えば、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]または[6,6]系に配置された7〜12個の環原子またはビシクロ[5,6]または[6,6]系に配置された9個または10個の環原子を有する。単環および二環式炭素環の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロペント−1−エニル、1−シクロペント−2−エニル、1−シクロペンタ−3−エニル、シクロヘキシル、1−シクロヘキサ−1−エニル、1−シクロヘキサ−2−エニル、1−シクロヘキサ−3−エニル、フェニルおよびナフチルを含む。炭素環式環は、置換されていてよく、この場合、置換基はシクロアルキル基およびアリール基について上記したものから選択される。
【0085】
用語“ヘテロ原子”は、酸素、硫黄および窒素を含む。
【0086】
用語“不飽和”が環または基を指して用いられるとき、該環または基は完全に不飽和でも一部不飽和でもよい。
【0087】
本明細書をとおして、基およびその置換基は、安定な部分および化合物および薬学的に許容される化合物として有用な化合物および/または薬学的に許容される化合物の製造に有用な中間体化合物を提供するために、当該分野の当業者により選択される。
【0088】
式Iの化合物は、遊離形態(イオン化せず)で存在してよく、または同様に本発明の範囲内である塩を形成できる。特に断らない限り、本発明の化合物の言及は、遊離形態およびその塩への言及を含むことが理解される。用語“塩”は、無機および/または有機酸および塩基と形成された酸性および/または塩基性塩を意味する。さらに、用語“塩”は、例えば、式Iの化合物が、アミンまたはピリジンまたはイミダゾール環のような塩基性部分とカルボン酸のような酸性部分の両者を含むとき、双性イオン(分子内塩)を含み得る。カチオンが塩の毒性または生物学的活性に顕著に貢献しない、例えば、許容される金属塩およびアミン塩のような、薬学的に許容される(すなわち、非毒性の、生理学的に許容される)塩が好ましい。しかしながら、他の塩は、例えば、単離工程または精製工程において有用である可能性があり、これを製造中に用いる可能性があるため、本発明の範囲内であることが意図される。式Iの化合物の塩は、例えば、式Iの化合物と、当量のような一定量の酸または塩基を、塩が沈殿するような媒体または水性媒体中で反応させ、その後凍結乾燥することにより形成し得る。
【0089】
代表的な酸付加塩は、酢酸塩(例えば酢酸またはトリハロ酢酸、例えば、トリフルオロ酢酸と形成されるもの)、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩(塩酸と形成される)、臭化水素酸塩(臭化水素と形成される)、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩(マレイン酸と形成される)、メタンスルホン酸塩(メタンスルホン酸と形成される)、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩(例えば硫酸と形成されるもの)、スルホン酸塩(例えばここに記載のもの)、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩のようなトルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩などを含む。
【0090】
代表的な塩基性塩は、アンモニウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩およびカリウム塩のようなアルカリ金属塩;カルシウム塩およびマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;バリウム塩、亜鉛塩およびアルミニウム塩;トリエチルアミンのようなトリアルキルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N−ベンジル−β−フェネチルアミン、1−エフェナミン、N,N'−ジベンジルエチレン−ジアミン、デヒドロアビエチルアミン、N−エチルピペリジン、ベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミンまたは類似の薬学的に許容されるアミンのような有機塩基(例えば、有機アミン)との塩およびアルギニン、リシンなどのようなアミノ酸との塩を含む。塩基性窒素含有基は、低級アルキルハライド(例えば、メチル、エチル、プロピルおよびブチルの塩化物、臭化物およびヨウ化物)、硫酸ジアルキル(例えば、ジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミルの硫酸エステル)、長鎖ハライド(例えば、デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルの塩化物、臭化物およびヨウ化物)、アラルキルハライド(例えば、ベンジルおよびフェネチルの臭化物)およびその他を含む。
【0091】
本明細書で使用する用語“薬学的に許容される”とは、合理的な医学的判断の範囲内で、合理的な利益/リスク比の均衡を示し、過度の毒性、刺激、アレルギー性応答および/または他の問題もしくは合併症を伴わずにヒトおよび動物の組織に接触して用いるのに適する化合物、物質、組成物および/または投与形態を意味する。
【0092】
本明細書で使用する“薬学的に許容される塩”とは、親化合物がその酸または塩基塩の製造により修飾されている、開示する化合物の誘導体をいう。薬学的に許容される塩の例は、アミンのような塩基性基の鉱酸または有機酸塩;およびカルボン酸のような酸性基のアルカリ塩または有機塩を含むが、これらに限定されない。薬学的に許容される塩は、例えば、非毒性無機酸または有機酸から形成された親化合物の通常の非毒性塩または4級アンモニウム塩を含む。例えば、このような通常の非毒性塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸および硝酸のような無機酸由来のもの;および酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸およびイセチオン酸などのような有機酸から製造される塩を含む。
【0093】
本発明の薬学的に許容される塩は、塩基性部分または酸性部分を含む親化合物から、通常の化学法により合成できる。一般に、このような塩は、これらの化合物の遊離酸または塩基形態と、化学量論量の適切な塩基または酸を、水または有機溶媒中またはこれら2者の混合物中で反応させることにより製造でき、一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水性媒体が好ましい。適当な塩の一覧は、引用により開示を本明細書に包含させるRemington's Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, Mack Publishing Company, Easton, PA (1990)に見られる。
【0094】
本発明の化合物の全ての立体異性体が、混合物でまたは純粋または実質的に純粋な形態のいずれかで意図される。立体異性体は、1個以上のキラル原子を有することにより光学異性体である化合物ならびに1個以上の結合に関する回転の制限により光学異性体である化合物(アトロプ異性体)を含み得る。本発明の化合物の定義は、全ての可能性のある立体異性体およびその混合物を含む。ラセミ体および特定の活性を有する単離された光学異性体が特に採用される。ラセミ体は、例えば、分別結晶、分離またはジアステレオマー誘導体の結晶化またはキラルカラムクロマトグラフィーによる分離のような、物理的方法により分割できる。個々の光学異性体は、例えば、光学活性酸との塩形成とその後の結晶化のような、通常の方法によりラセミ体から得ることができる。
【0095】
本発明は、本化合物において存在する原子の全ての同位体を包含することを意図する。同位体は、同一の原子番号を有するが、質量数が異なる原子を含む。一般的例として、限定しないが、水素の同位体は重水素およびトリチウムを含む。炭素の同位体は13Cおよび14Cを含む。同位体標識した本発明の化合物は、一般に当業者に知られる通常の方法によるか、または本明細書に記載する方法に準じる方法により、他では用いた非標識反応材の代わりに適切な同位体標識した反応材を使用して製造できる。
【0096】
本発明の化合物のプロドラッグおよび溶媒和物も意図される。用語“プロドラッグ”は、対象に投与したとき、代謝性または化学反応による化学変換を受けて、式Iの化合物および/またはその塩および/または溶媒和物を生じる化合物を意味する。インビボで変換して生物活性剤(すなわち、式Iの化合物)を提供するあらゆる化合物が、本発明の範囲および精神内のプロドラッグである。例えば、カルボキシ基を含む化合物は、体内で加水分解して式Iの化合物自体を生じるプロドラッグとして働く、生理学的に加水分解可能なエステルを形成できる。このようなプロドラッグは、多くの場合、加水分解が主に消化酵素の影響下に起こるために、好ましくは経口投与する。エステル自体が活性である場合または加水分解が血中で起こる場合は、非経腸投与を使用し得る。式Iの化合物の生理学的に加水分解可能なエステルの例は、C1−6アルキルベンジル、4−メトキシベンジル、インダニル、フタリル、メトキシメチル、C1−6アルカノイルオキシ−C1−6アルキル、例えば、アセトキシメチル、ピバロイルオキシメチルまたはプロピオニルオキシメチル、C1−6アルコキシカルボニルオキシ−C1−6アルキル、例えば、メトキシカルボニル−オキシメチルまたはエトキシカルボニルオキシメチル、グリシルオキシメチル、フェニルグリシルオキシメチル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)−メチルおよび例えば、ペニシリンおよびセファロスポリンで使用される他の周知の生理学的に加水分解可能なエステルを含む。このようなエステルは、当分野で知られる通常の方法で製造し得る。
【0097】
種々の形態のプロドラッグが当分野で周知である。このようなプロドラッグ誘導体の例について、各々引用により本明細書に包含させる:
a) Bundgaard, H., ed., Design of Prodrugs, Elsevier (1985), and Widder, K. et al., eds., Methods in Enzymology, 112:309-396, Academic Press (1985);
b) Bundgaard, H., Chapter 5, “Design and Application of Prodrugs”, Krosgaard-Larsen, P. et al., eds., A Textbook of Drug Design and Development, pp. 113-191, Harwood Academic Publishers (1991);および
c) Bundgaard, H., Adv. Drug Deliv. Rev., 8:1-38 (1992)。
【0098】
式Iの化合物およびその塩は、水素原子が分子の他の部分に転移し、分子の原子間の化学結合が結果的に再配置される、互変異性形態で存在し得る。全ての互変異性形態は、存在する限り、本発明の範囲内に含まれることは理解すべきである。さらに、本発明の化合物はtrans異性体およびcis異性体を有し得る。
【0099】
さらに、式Iの化合物の溶媒和物(例えば、水和物)も本発明の範囲内であることは理解すべきである。溶媒和の方法は一般に当分野で知られる。
【0100】
有用性
本発明の化合物は、遺伝子転写を含む、IL−23刺激およびIFNα刺激細胞機能を調節する。本発明の化合物により調節され得る他のタイプの細胞機能は、IL−12刺激応答を含むが、これに限定されない。
【0101】
従って、式Iの化合物は、シグナル伝達を媒介するためにTyk2に作用することにより、IL−23またはIFNαの機能の調節と関係する症状の治療、特にIL−23、IL−12および/またはIFNα機能の選択的阻害に有用性がある。このような症状は、発病メカニズムにこれらのサイトカインが介在するIL−23関連、IL−12関連またはIFNα関連疾患を含む。
【0102】
本明細書において使用する用語“治療する”または“治療”とは、哺乳動物、特にヒトにおける疾患症状の治療を包含し、(a)哺乳動物における疾患症状が、特にこのような哺乳動物が該疾患症状の素因があるが、それを有するとはまだ診断されていないときに、その発症を予防または遅延させること;(b)疾患症状を阻止すること、すなわち、その進行を停止させること;および/または(c)状態または疾患症状の完全なまたは部分的な軽減を達成することおよび/または疾患または障害および/またはその症状を、軽減し、回復させ、減弱または治癒させることを含む。
【0103】
IL−23刺激、IL−12刺激およびIFNα刺激細胞応答のモジュレーターとしてのそれらの活性の観点から、式Iの化合物は、クローン病、潰瘍性大腸炎、喘息、移植片対宿主病、同種移植片拒絶反応、慢性閉塞性肺疾患のような炎症性疾患;グレーブス病、リウマチ性関節炎、全身性エリテマトーデス、皮膚ループス、ループス腎炎、円板状エリテマトーデス、乾癬のような自己免疫性疾患;CAPS、TRAPS、FMF、成人スチル病、全身型若年性特発性関節炎、痛風、痛風関節炎を含む自己炎症性疾患;2型糖尿病、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞を含む代謝性疾患;骨吸収疾患、骨関節症、骨粗鬆症、多発性骨髄腫関連骨障害のような破壊性骨障害;急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病のような増殖性障害;固形腫瘍、眼内血管新生および小児血管腫を含む血管新生障害のような血管新生障害;敗血症、敗血症性ショックおよび細菌性赤痢のような感染症;アルツハイマー病、パーキンソン病などの神経変性疾患、外傷性傷害を原因とする脳虚血または神経変性疾患、腫瘍およびウイルス疾患(例えば、各々転移性黒色腫、カポジ肉腫、多発性骨髄腫およびHIV感染およびCMV網膜炎、AIDSなど)を含むが、これらに限定されない、IL−23関連、IL−12関連またはIFNα関連疾患の治療に有用である。
【0104】
より具体的には、本発明の化合物で治療し得る特定の症状または疾患は、膵炎(急性または慢性)、喘息、アレルギー、成人呼吸窮迫症候群、慢性閉塞性肺疾患、糸球体腎炎、リウマチ性関節炎、全身性エリテマトーデス、皮膚ループス、ループス腎炎、円板状エリテマトーデス、強皮症、慢性甲状腺炎、グレーブス病、自己免疫性胃炎、糖尿病、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性好中球減少症、血小板減少症、アトピー性皮膚炎、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、多発性硬化症、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、乾癬、移植片対宿主病、エンドトキシンにより誘発される炎症性反応、結核、アテローム性動脈硬化症、筋変性、悪液質、乾癬性関節炎、ライター症候群、痛風、外傷性関節炎、風疹性関節炎、急性滑膜炎、膵臓β細胞疾患;大量の好中球浸潤により特徴付けられる疾患;リウマチ性脊椎炎、痛風関節炎および他の関節炎症状、脳性マラリア、慢性肺炎症性疾患、珪肺症、肺サルコイドーシス、骨吸収疾患、同種移植片拒絶反応、感染による発熱および筋肉痛、感染後に続発する悪液質、ケロイド形成、瘢痕組織形成、潰瘍性大腸炎、熱感、インフルエンザ、骨粗鬆症、骨関節症、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、転移性黒色腫、カポジ肉腫、多発性骨髄腫、敗血症、敗血症性ショックおよび細菌性赤痢;アルツハイマー病、パーキンソン病、脳虚血または外傷性傷害が原因の神経変性疾患;固形腫瘍、眼内血管新生および小児血管腫を含む血管新生障害;急性肝炎感染(A型肝炎、B型肝炎およびC型肝炎を含む)、HIV感染およびCMV網膜炎、AIDS、ARCまたは悪性腫瘍およびヘルペスを含むウイルス疾患;卒中、心筋虚血、卒中における虚血、心臓発作、臓器低酸素症、血管過形成、心臓および腎臓再灌流傷害、血栓症、心肥大、トロンビン誘発血小板凝集、内毒血症および/または毒素ショック症候群、プロスタグランジンエンドペルオキシダーゼシンダーゼ−2と関係する症状および尋常性天疱瘡を含むが、これらに限定されない。好ましい治療方法は、該症状がクローン病、潰瘍性大腸炎、同種移植片拒絶反応、リウマチ性関節炎、乾癬、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎および尋常性天疱瘡から選択されるものである。あるいは、好ましい治療法は、該症状が卒中に起因する脳虚血再灌流傷害および心筋梗塞に起因する心臓虚血再灌流傷害を含む虚血再灌流傷害から選択されるものである。他の好ましい治療法は、症状が多発性骨髄腫であるものである。
【0105】
本明細書において使用される用語“IL−23関連、IL−12関連および/またはIFNα関連症状”または“IL−23関連、IL−12関連および/またはIFNα関連疾患または障害”とは、各々、長期間繰り返されるような上記に同定された全ての症状、同様にIL−23、IL−12および/またはIFNαに影響を受けるあらゆる他の症状を含むことが意図される。
【0106】
本発明は、それゆえに、前記症状の治療法であって、そのような治療を必要とする対象に、式Iの化合物またはその塩の少なくとも1つの治療有効量を投与することを特徴とする方法を提供する。“治療有効量”とは、単独で、または組み合わせて投与した場合に、IL−23、IL−12および/またはIFNα機能を阻害するために、および/または疾患を治療するために有効である本発明の化合物の量を含むことが意図される。
【0107】
IL−23関連、IL−12関連および/またはIFNα関連症状の治療法は、式Iの化合物を単独でまたは互いにおよび/またはこのような症状の治療に有用な他の適当な治療剤と組み合わせて投与することを含み得る。従って、“治療有効量”とは、IL−23、IL−12および/またはIFNα機能の阻害および/またはIL−23、IL−12および/またはIFNαと関係する疾患の治療に有効である本願化合物を組み合わせた量も含むことを意図する。
【0108】
このような別の治療剤の代表例は、コルチコステロイド、ロリプラム、カルフォスチン、サイトカイン抑制性抗炎症剤(CSAID)、インターロイキン−10、グルココルチコイド、サリチル酸塩、一酸化窒素および他の免疫抑制剤;デオキシスペルグアリン(DSG)のような核移行阻害剤;イブプロフェン、セレコキシブおよびロフェコキシブのような非ステロイド性抗炎症剤(NSAID);プレドニゾンまたはデキサメサゾンのようなステロイド;アバカビルのような抗ウイルス剤;メトトレキサート、レフルノミド、FK506(タクロリムス、PROGRAF(登録商標))のような抗増殖剤;ヒドロキシクロロキンのような抗マラリア剤;アザチオプリンおよびシクロホスファミドのような細胞毒性剤;テニダップ、抗TNF抗体または可溶性TNF受容体およびラパマイシン(シロリムスまたはRAPAMUNE(登録商標))のようなTNF−α阻害剤またはそれらの誘導体を含む。
【0109】
上記の他の治療剤は、本発明の化合物と組み合わせて使用する場合、例えば、Physicians' Desk Reference(PDR)に示されている量または当業者により別法で決定された量で使用し得る。本発明の方法において、このような別の治療剤は、本発明の化合物の投与の前に、同時にまたは後に投与し得る。本発明はまた、上記のような、IL−23介在、IL−12介在および/またはIFNα介在疾患を含むTyk2介在シグナル伝達の阻害により、IL−23関連、IL−12関連またはIFNα関連症状の治療ができる医薬組成物を提供する。
【0110】
本発明の組成物は、上記の別の治療剤を含んでよく、また例えば、通常の固体または液体媒体または希釈剤、ならびに所望の投与様式に適切なタイプの医薬添加剤(例えば、賦形剤、結合剤、防腐剤、安定化剤、香味剤など)を用いて、技術、例えば医薬製剤の分野で周知の技術に従って製剤し得る。
【0111】
従って、本発明は、さらに、1つ以上の式Iの化合物および薬学的に許容される担体を含む組成物を提供する。
【0112】
“薬学的に許容される担体”は、生物学的活性剤の動物、特に、哺乳動物への送達に当分野で一般に認容されている媒体である。薬学的に許容される担体は、十分に当業者の理解の範囲内の多数の因子を考慮して製造される。これらの因子は、製剤する活性剤のタイプおよび性質;該薬剤含有組成物を投与する対象;組成物の意図する投与経路;および標的とする治療適応症を含むが、これらに限定されない。薬学的に許容される担体は、水性および非水性両者の液体媒体、ならびに多様な固体および半固体投与形態を含む。このような担体は、活性剤に加えて、多数の種々の成分および添加剤を含んでよく、このようなさらなる成分は該製剤に種々の理由で、例えば、当業者に周知の、活性剤の安定化、結合剤などのために添加される。適当な薬学的に許容される担体およびその選択に関係する因子についての記載は、例えば、引用によりその全体を本明細書に包含させるRemington's Pharmaceutical Sciences, 17th Edition (1985)のような、多様な容易に入手可能な情報源に見られる。
【0113】
式Iの化合物は、部位特異的治療の必要性または送達すべき薬物の量に依存しうる治療する症状に適するあらゆる手段で投与し得る。局所投与は、一般に皮膚関連疾患に好ましく、全身治療は癌または前癌性症状にとって好ましいが、他の送達方式も意図される。例えば、本化合物は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤またはシロップ剤を含む液体製剤の形態で経口にて;例えば、溶液剤、懸濁液剤、ゲルまたは軟膏剤の形で局所的に;舌下に;頬側に;例えば、皮下、静脈内、筋肉内または胸骨内注射または注入技術により非経腸的に(例えば、無菌注射用水溶液または非水溶液または懸濁液として);例えば、吸入スプレー剤により経鼻で;例えば、クリーム剤または軟膏剤の形で局所的に;例えば、坐薬の形で直腸に;またはリポソームにより送達し得る。非毒性の、薬学的に許容される媒体または希釈剤を含む用量単位製剤を投与し得る。本化合物を、即時放出または持続放出に適する形態で投与し得る。即時放出または持続放出は、適当な医薬組成物を用いて、または、特に持続放出の場合、皮下インプラントまたは浸透圧ポンプのようなデバイスを用いて達成し得る。
【0114】
局所投与のための代表的な組成物は、PLASTIBASE(登録商標)(ポリエチレンでゲル化した鉱油)のような局所担体を含む。
【0115】
経口投与のための代表的な組成物は、例えば、容積を増やすための微結晶セルロース、懸濁化剤としてのアルギン酸またはアルギン酸ナトリウム、増粘剤としてのメチルセルロースおよび当分野で知られるような甘味剤または風味剤を含み得る懸濁液;および例えば、微結晶セルロース、リン酸二カルシウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウムおよび/またはラクトースおよび/または当分野で知られる他の添加物、結合剤、増量剤、崩壊剤、希釈剤および滑沢剤を含み得る即時放出錠剤を含む。本発明の化合物は、例えば、鋳造、圧縮または凍結乾燥した錠剤を用いる舌下および/またはバッカル投与によっても経口送達し得る。代表的な組成物は、マンニトール、ラクトース、スクロースおよび/またはシクロデキストリンのような速溶性希釈剤を含み得る。このような製剤に含まれるものは、セルロース(AVICEL(登録商標))またはポリエチレングリコール(PEG)のような高分子量添加物;ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(SCMC)および/またはマレイン無水物コポリマー(例えば、GANTREZ(登録商標))のような粘膜接着を助ける添加物;およびポリアクリルコポリマー(例えば、CARBOPOL 934(登録商標))のような制御放出用薬剤を含む。滑沢剤、流動促進剤、香味剤、着色剤および安定化剤も製作および使用を容易にするために添加し得る。
【0116】
経鼻エアロゾルまたは吸入投与のための代表的な組成物には、液剤が挙げられ、これは、例えば、ベンジルアルコールまたは他の適当な防腐剤、吸収および/またはバイオアベイラビリティを増強するための吸収促進剤および/または他の可溶化剤もしくは分散剤(例えば、当技術分野で公知のもの)を含み得る。
【0117】
非経腸投与のための代表的な組成物には、注射可能な液剤または懸濁剤が挙げられ、これらは、例えば、マンニトール、1,3−ブタンジオール、水、リンゲル溶液、等張塩化ナトリウム溶液または合成モノまたはジグリセリドおよびオレイン酸を含む脂肪酸を含む他の適当な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤のような適当な非毒性、非経腸的許容される希釈剤または溶媒を含み得る。
【0118】
直腸投与のための代表的な組成物には、坐剤が挙げられ、これは、例えば、常温では固形であるが、直腸腔中では液化および/または溶解して薬物を放出するカカオバター、合成グリセリドエステルまたはポリエチレングリコールのような適当な非刺激性の賦形剤を含み得る。
【0119】
本発明の化合物の治療有効量は当業者が決定でき、1日あたり活性化合物約0.05〜1000mg/kg;1〜1000mg/kg;1〜50mg/kg;5〜250mg/kg;250〜1000mg/kg体重の哺乳動物に対する代表的な投与量を含み、これを、1用量でまたは1日1〜4回のような個々の分割用量で投与し得る。ある特定の対象に対する具体的な用量レベルおよび投与頻度は変わる可能性があり、用いる特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用の長さ、対象の種、年齢、体重、全身的健康状態、性別および食習慣、投与の方式および時間、排泄速度、薬物組み合わせおよび特定の症状の重症度を含む、多様な因子による。治療のための好ましい対象は、動物、最も好ましくはヒトおよびイヌ、ネコ、ウマなどの飼育動物のような哺乳動物種を含む。それゆえに、用語“患者”を本明細書で使用するとき、本用語は、IL−23介在、IL−12介在および/またはIFNα介在機能の調節により影響を受ける全対象、最も好ましくは哺乳動物種を含むことを意図する。
【0120】
生物学的アッセイ
プローブ変位アッセイ(Probe Displacement Assay)
プローブ変位アッセイを、次のとおり行う:385ウェルプレートにおいて、試験化合物を、ヒトTyk2のアミノ酸575〜869(配列下記)に対応する組み換えにより発現される2.5nM Hisタグ付タンパク質、40nM ((R)−N−(1−(3−(8−メチル−5−(メチルアミノ)−8H−イミダゾ[4,5−d]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル)フェニル)エチル)−2−([H]メチルスルホニル)ベンズアミド)(製造は下記)および80μg/mL 銅His−Tagシンチレーションプロキシミティアッセイビーズ(Perkin Elmer, Catalog #RPNQ0095)と共に、100μg/mL ウシ血清アルブミンおよび5%DMSOを含む50mM HEPES(pH7.5)中、30分間、室温でインキュベートした。Tyk2に結合した放射標識プローブ(製造は下記)の量を、シンチレーション計数により定量し、阻害剤不含(0%阻害)またはTyk2不含(100%阻害)のウェルとの比較により、試験化合物による阻害を計算した。IC50値を、放射標識プローブ結合を50%阻害するのに必要な試験化合物濃度と定義する。
【0121】
組み換えHigタグ付Tyk2のタンパク質配列(575〜869):
MGSSHHHHHH SSGETVRFQG HMNLSQLSFH RVDQKEITQL SHLGQGTRTN VYEGRLRVEG SGDPEEGKMDDEDPLVPGRD RGQELRVVLK VLDPSHHDIA LAFYETASLM SQVSHTHLAF VHGVCVRGPE NIMVTEYVEHGPLDVWLRRE RGHVPMAWKM VVAQQLASAL SYLENKNLVH GNVCGRNILL ARLGLAEGTS PFIKLSDPGVGLGALSREER VERIPWLAPE CLPGGANSLS TAMDKWGFGA TLLEICFDGE APLQSRSPSE KEHFYQRQHRLPEPSCPQLA TLTSQCLTYE PTQRPSFRTI LRDLTRL (配列番号:1)。
【0122】
放射標識プローブ、(R)−N−(1−(3−(8−メチル−5−(メチルアミノ)−8H−イミダゾ[4,5−d]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル)フェニル)エチル)−2−([H]メチルスルホニル)ベンズアミドの製造を下記のとおり実施した。
2−([H]メチルスルホニル)安息香酸:2−メルカプト安息香酸(2.3mg,0.015mmol)および炭酸セシウム(2mg, 0.006mmol)を、5mL丸底フラスコに添加した。フラスコを開口したガラス真空ラインに接続し、無水DMF(0.5mL)を磁気撹拌しながら導入した。1アンプルのトリチウム標識ヨウ化メチル(200mCi, Perkin-Elmer lot 3643419)を反応フラスコに添加し、rtで3時間撹拌し続けた。放射測定検出を用いるインプロセスHPLC分析は、標準品との比較により所望の生成物への80%変換を示した。精製せずに、粗製生成物をCHCl(1mL)に予め溶解したmCPBA(10mg,0.058mmol)と室温で撹拌しながら反応させた。反応物を7時間撹拌し、さらなるmCPBA(10mg,0.058mmol)を添加した。反応物を約24時間撹拌し、HPLC分析は、所望のスルホン酸塩生成物への35〜40%変換を示した。粗製生成物を半分取HPLC(Luna 5um C18(10×250cm);A:MeOH/HO=15/85(0.1%TFA);B:MeOH;270nm;0〜8分0%B 1ml/分;8〜10分0%B 1〜3ml/分;10〜55分0%B 3ml/分;55〜65分0〜10%B 3ml/分;65〜75分10〜50%B 3ml/分;75〜80分50〜100%B 3ml/分)で精製して、標準品とのHPLC共溶出により同定した81mCi(40%放射化学的収率)の2−([H]メチルスルホニル)安息香酸生成物を得た。放射化学的純度は、HPLCで99%と測定された(Luna 5u C18(4.6×150cm);A:HO(0.1%TFA);B:MeOH;1.2ml/分;270nm;0〜10分20%B;10〜15分20〜100%B;15〜25分100%B。生成物を無水アセトニトリルに溶解して、5.8mCi/mLの最終溶液活性を得た。
【0123】
(R)−N−(1−(3−(8−メチル−5−(メチルアミノ)−8H−イミダゾ[4,5−d]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル)フェニル)エチル)−2−([H]メチルスルホニル)ベンズアミド:2−([H]メチルスルホニル)安息香酸(23.2mCi)のアセトニトリル溶液を、5mL丸底フラスコに添加し、これを真空ラインに接続し、慎重に蒸発乾固した。無水DMF(1.5mL)に溶解した(R)−2−(3−(1−アミノエチル)フェニル)−N,8−ジメチル−8H−イミダゾ[4,5−d]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−5−アミン(WO2004/106293およびDyckman et al., Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, 383-386 (2011)に記載のとおり製造)(1.1mg,0.0033mmol)およびPyBOP(2mg, 0.0053mmol)、続いてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.010mL)をフラスコに添加した。得られた透明溶液を、室温で18時間撹拌した。HPLC分析(Luna 5u C18(4.6×150cm);A:HO(0.1%TFA);B:MeOH;1.2ml/分;335nm;0〜20分50%B;20〜25分50〜100%B;25〜30分100%B)は、非放射標識(R)−N−(1−(3−(8−メチル−5−(メチルアミノ)−8H−イミダゾ[4,5−d]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル)フェニル)エチル)−2−(メチルスルホニル)ベンズアミドのサンプルと比較した保持時間により、所望の生成物への約20%の変換を示した。粗製反応混合物を、半分取HPLC(Luna 5u C18(10×250cm);A:MeOH/HO=50/50(0.1%TFA);B:MeOH;335nm;0〜40分0%B 3ml/分;40〜45分0〜100%B 3ml/分)で精製した。日常的な精製を2回目に実施して、計1.7mCi(7%放射化学的収率)の所望の生成物を99.9%放射化学的純度で得た。トリチウム標識生成物のマススペクトル分析(m/z M+H 527.33)を用いて、80.6Ci/mmolの比活性を立証した。
【0124】
【表1】

【表2】


【表3】

【表4】
【0125】
Kit225 T細胞アッセイ
安定に統合されたSTAT依存性ルシフェラーゼレポーターを有するKit225 T細胞を、10%熱不活性化FBS(GIBCO)および100U/mL PenStrep(GIBCO)含有RPMI(GIBCO)に播種した。次いで、細胞を20ng/mL ヒト組み換えIL−23または200U/mL ヒト組み換えIFNα(PBL InterferonSource)のいずれかで、5〜6時間刺激した。ルシフェラーゼ発現を、製造業者の指示書に従いSTEADY-GLO(登録商標)Luciferase Assay System(PROMEGA(登録商標))を使用して測定した。阻害データを、阻害剤不含対照ウェルの0%阻害および非刺激対象ウェルの100%阻害と比較して計算した。用量応答曲線を作成して、非線形回帰分析により得られる細胞応答の50%阻害に必要な濃度(IC50)を決定した。
【0126】
【表5】

【表6】

【表7】

【表8】
【0127】
製造法
本発明の化合物を、有機化学の当業者に利用可能な多くの方法により合成し得る。本発明の化合物を製造するための一般的合成スキームを下に記載する。これらのスキームは理解を助けることを意図したものであり、本明細書に開示する化合物の製造のために当業者が使用し得る可能な方法を制限する意図はない。本発明の化合物を製造する異なる方法は、当業者には明らかである。さらに、これらの合成における種々の方法を、所望の化合物を得るために別の順番で実施してもよい。
【0128】
一般的スキームに記載した方法により製造した本発明の化合物の例を、次の製造および実施例のセクションに示す。本明細書に記載した化合物のいくつかはキラルであり、いくつかはラセミ混合物として製造し、他のものは単一エナンチオマーとして製造された。いずれの場合も、ホモキラル実施例化合物の製造または逆エナンチオマーの製造は、当業者には既知の方法により実施され得る。例えば、ホモキラル化合物を、キラル相分取HPLCによるラセミ生成物の分離により製造し得る。あるいは、実施例化合物を、エナンチオマーが富化された生成物をもたらすことが知られる方法により製造し得る。これらは、ラセミ中間体へキラル官能助剤を反応させ、次いでジアステレオ選択的変換を実施して、キラル助剤の開裂によりエナンチオ富化された生成物を提供することを含むが、これに限定されない。
スキーム1
【化15】

式(I)の化合物をスキーム1に従い製造できる。イミダゾピリダジン誘導体(1)(WO2009/100375)をp−メトキシベンジル保護アミン(RNHPMB)で処理することにより、エステル2を得る。後者を加水分解して酸3を得て、これを標準的カップリング反応によりアミド4に変換する。4とAとのブッフバルト反応を、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)/キサントホスおよび酢酸パラジウム(II)/BrettPhosのような触媒により促進させて、5を得る。PMB保護基を5(HClまたはPMB保護アミンの脱保護を行なうための別の条件)から除去することにより、化合物(I)を形成させる。あるいは、ブッフバルト反応を2とAで行い、中間体6を得て、これを加水分解により化合物(I)に変換して、アミド形成および脱保護により酸7を得る。別法において、7のPMB基を(5と同様に)除去して、アミノ酸7bを得て、これを次いで、アミド結合条件下において、アミンRNHを用いて処理して(I)を得る。
【0129】
スキーム2
【化16】

式(I)の化合物を、C8基を合成時、ほぼ合成完了近くで、または合成完了時に導入することによる方法においても製造できる(スキーム2)。これを、アミン塩基の存在下において、極性非プロトン溶媒中(例えば、テトラヒドロフラン中)で、エタンチオールを1に付加することにより達成した(または、関連するシアノ化合物8であるWO2010/042699)。この段階で、この化合物を、次工程に(12へと)進めるか、あるいは過酸化水素水溶液と共にアルコキシド塩基(例えば、カリウムまたは水酸化リチウム)を用いる加水分解(10から)またはケン化(9からの)によりC3アミドへと変換して、アルコキシド塩基を用いて対応する酸を得て、アミドへと変換する。これらの変換は、中間体12または最後から二番目の化合物14上のC3位置で実施することも可能である。化合物12は、スキーム1において前記したとおりにアミンAと共にカップリングすることにより製造され得る。12〜13の酸化を、3−クロロ過安息香酸を用いて行なうことができ、一方でスルホキシド(Z=無し)およびスルホン(Z=O)の混合物も得ることができるが、13の両者バージョンは、その後の置換のために有望な基質である。塩基性アミンまたは脂肪族アミンの付加は、高温で溶媒不含にて、または極性の非プロトン性溶媒と共に、それらを13と組み合わせることにより容易に達成され得る。非塩基性アミン(例えば、アニリン)は、適切な無水溶媒中で、強い非求核塩基(例えば、水酸化ナトリウム)と組みあわされるべきであり、この場合、この置換は、C3置換基がアミドの形態で存在する場合に限り機能することに注目されたい。Yをアミドに変換することにより、(I)を得て、上記の通りに達成され得る。
【0130】
スキーム3
【化17】

スキーム3は、イミダトリアジン類(19)の製造を説明するものである。亜鉛粉末およびパラジウム源(例えば、ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム(0))の存在下において、15(WO2008/116064)とシアン化亜鉛とを根岸カップリングを用いて、16を得ることができる。アミンを16に付加することにより、C8スルフィドの内の1つの位置選択的置換をもたらして、17を得る。残りのスルフィドの酸化は、3−クロロ過安息香酸を用いて達成され、スルホキシド(18)を得ることができ、次いでこれをアニリン(A)と組み合わせて、湿性の1−メチル−2−ピロリジノンおよび水素化ナトリウムの存在下で、標的リガンド19を得た。
【0131】
製造
以下に説明した調製物は、販売供給元から購入できず、かつ本発明の式Iの化合物の製造に用いた試薬の合成に関する。表およびスキームにおける全てのキラル化合物は、別段の記載が無ければラセミ体である。
逆相分取高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)を、YMC S5 ODS columns(20 x 100, 20 x 250または30 x 250ミリメートル(「mm」))を用いるShimadzu 8A 液体クロマトグラフィーを用いて実施した。グラジエント溶出を、メタノール(「MeOH」)/水の混合物と共に、0.1%トリフルオロ酢酸(「TFA」)の存在下において行なった。
【0132】
実施例の特性分析にて用いた分析用HPLC方法
分析用HPLCを、以下の方法を用いてShimadzu LC10AS 液体クロマトグラフィーで行なった:
方法A(別段の記載が無ければ、全ての場合に使用した):
4分(「min」)かけて0〜100%溶媒Bの直線グラジエント(100%Bにて1分(「min」)の保持を含む)
220ナノメートル(「nm」)で紫外線(「UV」)可視化
カラム:YMC S5 ODS Ballistic 4.6 x 50 mm
流速:4ミリリットル(「mL」)/分
溶媒A:0.2%リン酸,90%水,10%メタノール
溶媒B:0.2%リン酸,90%メタノール,10%水
【0133】
方法B:
カラム:Phenomenex Luna C18(2), 4.6 x 50 mm x 5 um
移動相:(A)10:90メタノール:水;(B)90:10メタノール:水
緩衝液:0.1%TFA
グラジエント範囲:0〜100%B
グラジエント時間:4分
流速:4mL/分
分析時間:5分
検出:
検出器1:220nmのUV
検出器2:MS(ESI+)
検出器3:ELSD
【0134】
方法C:
カラム:Waters SunFire C18, 4.6 x 50 mm x 5 um
移動相:(A)10:90メタノール:水;(B)90:10メタノール:水
緩衝液:0.1%TFA
グラジエント範囲:0〜100%B
グラジエント時間:4分
流速:4mL/分
分析時間:5分
検出:
検出器1:220nmのUV
検出器2:MS(ESI+)
検出器3:ELSD
【0135】
方法D:
カラム:Phenomenex Luna C18(2), 4.6 x 50 mm x 5 um
移動相:(A)10:90メタノール:水;(B)90:10メタノール:水
緩衝液:0.1%TFA
グラジエント範囲:0〜100%B
グラジエント時間:4分
流速:4mL/分
分析時間:5分
検出:
検出器1:220nmのUV
検出器2:MS(ESI+)
検出器3:ELSD
【0136】
方法E:
カラム:Waters Acquity UPLC BEH C18, 2.1 x 50 mm, 1.7 μm 粒子
移動相:(A)5:95 アセトニトリル:水;(B)95:5 アセトニトリル:水
緩衝液:10mM 酢酸アンモニウム
グラジエント範囲:0〜100%B
グラジエント時間:3分
流速:1.11mL/分
分析時間:4分
検出:
検出器1:220nmのUV
検出器2:MS(ESI+)
検出器3:ELSD
【0137】
方法F:
カラム:Waters Sunfire C18 (3.0 x 150 mm), 3.5 μm
移動相:(A)5:95 アセトニトリル:水;(B)95:5 アセトニトリル:水
緩衝液:0.1%TFA
グラジエント範囲:0〜100%B
グラジエント時間:12分
流速:1mL/分
分析時間:15分
検出:
検出器1:220nmのUV
検出器2:254nmのUV
【0138】
方法G:
カラム:Waters Acquity UPLC BEH C18, 2.1 x 50 mm, 1.7 μm 粒子
移動相:(A)5:95 アセトニトリル:水;(B)95:5 アセトニトリル:水
緩衝液:0.05%TFA
グラジエント範囲:0〜100%B
グラジエント時間:3分
流速:1.11mL/分
分析時間:4分
検出:
検出器1:220nmのUV
検出器2:MS(ESI+)
検出器3:ELSD
【0139】
方法H:
カラム:(LCMS) Ascentis Express C18, 4.6 x 50 mm, 2.7 μm 粒子
移動相:(A)5:95 アセトニトリル:水;(B)95:5 アセトニトリル:水
緩衝液:10mM 酢酸アンモニウム
グラジエント範囲:0〜100%B
グラジエント時間:4分
流速:4mL/分
分析時間:5分
検出:
検出器1:220nmのUV
検出器2:MS(ESI+)
【0140】
方法I:
カラム:Waters Xbridge C18, 4.6 x 50 mm, 5 μm 粒子
移動相:(A)5:95 アセトニトリル:水;(B)95:5 アセトニトリル:水
緩衝液:10mM NHOAc
グラジエント範囲:0〜100%B
グラジエント時間:4分
流速:4mL/分
分析時間:5分
検出:
検出器1:220nmのUV
検出器2:MS(ESI+)
【0141】
方法J:
カラム:(LCMS) BEH C18, 2.1 x 50 mm, 1.7 μm 粒子
移動相:(A)水;(B)アセトニトリル
緩衝液:0.05%TFA
グラジエント範囲:2%〜98%B(0〜1分)、98%B(1.5分まで)、98%〜2%B(1.6分まで)
グラジエント時間:1.6分
流速:0.8mL/分
分析時間:2.2分
検出:
検出器1:254nmのUV
検出器2:MS(ESI+)
方法K:
カラム:(LCMS) BEH C18, 3.0 x 50 mm, 1.7 μm 粒子
移動相:(A)5:95 アセトニトリル:水;(B)95:5 アセトニトリル:水
緩衝液:10mM 酢酸アンモニウム
グラジエント範囲:0〜100%B
グラジエント時間:1.8分
流速:1.2mL/分
分析時間:4分
検出:
検出器1:220nmのUV
検出器2:MS(ESI+)
【0142】
方法L:
カラム:(LCMS) Sunfire C18 2.1 x 30 mm, 2.5 μm 粒子
移動相:(A)10:90 メタノール:水;(B)90:10 メタノール:水
緩衝液:0.1%TFA
グラジエント範囲:0〜100%B
グラジエント時間:2分
流速:1mL/分
分析時間:3分
検出:
検出器1:220nmのUV
検出器2:MS(ESI+)
【0143】
方法M:
カラム:(LCMS) Sunfire C18 2.1 x 30 mm, 3.5 μm 粒子
移動相:(A)10:90 メタノール:水;(B)90:10 メタノール:水
緩衝液:0.1%TFA
グラジエント範囲:0〜100%B
グラジエント時間:4分
流速:1mL/分
分析時間:5分
検出:
検出器1:220nmのUV
検出器2:MS(ESI+)
【0144】
方法N:
カラム:YMC ProC18 ODS, 4.6 x 50 mm
移動相:(A)10:90 MeOH:水;(B)90:10 MeOH:水
緩衝液:0.2%HPO
グラジエント範囲:0〜100%B
グラジエント時間:4分
流速:4mL/分
分析時間:4分
検出:220nm
【0145】
方法O:
カラム:(LCMS) Zorbax SB C18 (30 x 2.1 mm;3.5 uM)
移動相:(A)緩衝液+アセトニトリル(98:2);(B)緩衝液+アセトニトリル(2:98)
緩衝液:10mM ギ酸アンモニウム/水(pH4.5)
グラジエント範囲:6%〜100%B(0〜1.5分)、100%B(2.2分まで)、100%〜6%B(2.6分まで)、6%B(3分まで)
グラジエント時間:3分
流速:1.5mL/分
分析時間:3分
検出:
検出器1:254nmのUV
検出器2:MS(ESI+)
【0146】
方法P:
カラム:(LCMS) Ascentis Express C18, 5x2.1 mm, 2.7 μm 粒子
移動相:(A)2:98 アセトニトリル:水;(B)98:2 アセトニトリル:水
緩衝液:10mM ギ酸アンモニウム
グラジエント範囲:0〜100%B
グラジエント時間:1.5分
流速:1mL/分
分析時間:4分
検出:
検出器1:220nmのUV
検出器2:MS(ESI+)
【0147】
方法Q:
カラム:Waters Sunfire C18 (4.6 x 150 mm), 3.5 μm
移動相:(A)5:95 アセトニトリル:水;(B)95:5 アセトニトリル:水
緩衝液:0.1%TFA
グラジエント範囲:10〜100%B
グラジエント時間:12分
流速:1mL/分
分析時間:15分
検出:
検出器1:220nmのUV
検出器2:254nmのUV
【0148】
製造例1
【化18】

工程1
4−ブロモ−6−クロロピリダジン−3−アミン(175g,840mmol)/エタノール(2L)の溶液に、エチル 2−クロロ−3−オキソプロパノエート(202g,1343mmol)を加えて、反応混合物を80℃に16時間加熱した。溶媒を真空除去して、残留物質を、水およびジクロロメタンで希釈した。二相性混合物を、celiteベッドを通して、濾液を二層に分離した。ジクロロメタン層を分離して、次いで水および塩化ナトリウム飽和水溶液(塩水)で洗い、次いでそれを無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濾過して、濃縮した。得られる粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜20%酢酸エチル/石油エーテル)を用いて精製した。生成物画分を乾燥させて、次いで10%メチル tert−ブチルエーテル/石油エーテル(500mL)を用いてトリチュレートした。生成物を濾取して、石油エーテルでリンスし、生成物(73g,33%収率)をC8−ブロモおよびC8−クロロ類(〜80:20)の混合物として得て、この混合物を、次の工程にそのまま使用した(簡略化のために塩化物として示した)。
1H NMR(300MHz, CDCl3):
クロロ:δ 8.37 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 4.47 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.44 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
ブロモ:δ 8.38 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 4.47 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.44 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
LC保持時間:クロロ:1.04分[O];ブロモ:1.07[O].質量スペクトル分析法(“MS”)(E+)m/z:260(クロロ);304(ブロモ)(MH).
【0149】
工程2
ジオキサン(75mL)中のエチル 8−クロロ−6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシレート(7.35g,28.3mmol)、1−(4−メトキシフェニル)−N−メチルメタンアミン(4.74g,31.4mmol)およびトリエチルアミン(6.73mL,48.3mmol)の溶液を、90℃で2.5時間、油浴中で加熱した。反応溶液を、室温に冷却して、濃縮して、水でトリチュレートしたスラッジを得て、濾過して固体を得て、これを水でリンスし、次いでジクロロメタンを用いて回収した。この溶液を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濾過して、濃縮して、生成物(8.95g,84%収率)を得た。1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ 8.13 (s, 1H), 7.17 (d, J=8.6 Hz, 2H), 6.87 (d, J=8.6 Hz, 2H), 6.12 (s, 1H), 5.50 (s, 2H), 4.46 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.81 (s, 3H), 3.18 (s, 3H), 1.74 - 1.58 (m, 1H), 1.44 (t, J=7.2 Hz, 3H). LC保持時間1.04分[J].MS(E+)m/z:375(MH+).
【0150】
工程3
窒素を、エチル 6−クロロ−8−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシレート(1.00g,2.67mmol)/ジメチルアセトアミド(DMA,10mL)の溶液に通して、15分間バブリングし、次いで3,5−ジメチルアニリン(0.647g,5.34mmol)を、反応溶液に加えて、その後トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pddba,489mg,0.534mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(Xantphos,617mg,1.07mmol)および炭酸セシウム(CsCO,3.48g,10.67mmol)を加えた。反応容器を密封して、100℃に4時間加熱した後に、この反応溶液を室温に冷却して、酢酸エチルおよび水を加えた。スラリーを濾過して、濾液層を分離して、有機層を、塩水で3回リンスして、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過して、濃縮し、粗生成物を得て、これを次いで自動化クロマトグラフィーを用いて精製して、生成物(710mg,58%収率)を得た。1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ 8.04 (s, 1H), 7.15 (d, J=8.8 Hz, 2H), 7.10 (s, 2H), 6.84 (d, J=8.6 Hz, 2H), 6.69 (s, 1H), 6.35 (s, 1H), 5.78 (s, 1H), 5.35 (s, 2H), 4.45 (q, J=7.0 Hz, 2H), 3.79 (s, 3H), 3.10 (s, 3H), 2.31 (d, J=0.4 Hz, 6H), 1.42 (t, J=7.0 Hz, 3H). LC保持時間:1.17分[J].MS(E+)m/z:460(MH+).
【0151】
実施例1
【化19】

工程1
ジオキサン(2mL)中のエチル 6−((3,5−ジメチルフェニル)アミノ)−8−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシレート(710mg,1.545mmol)の溶液に、塩酸(4M/ジオキサン,3.86mL,15.45mmol)を加えた。溶液を、室温で2時間攪拌して、次いで真空濃縮した。ジクロロメタンを加えて、溶液を再度濃縮して、次いで追加のジクロロメタンを加えて、この溶液を再度濃縮した(5回反復した)。次いで、中間体をメタノール(5mL)に溶解して、水酸化ナトリウム(水中で1M,3.09mL,3.09mmol)を加えた。反応混合物を終夜攪拌して、次いで反応溶液を水で希釈して、メタノールを真空除去した。塩酸(水中で1M)を、pHが〜3と測定されるまで加えた。生成物を、酢酸エチル(2回)を用いて、次いでジクロロメタンを用いて1回抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過して、濃縮して、粗製の酸(480mg,90%収率)を得て、これを更なる精製をせずに用いた。LC保持時間:0.88分[J].MS(E+)m/z:312(MH).
【0152】
工程2
ジメチルホルムアミド(DMF,1mL)中の6−((3,5−ジメチルフェニル)アミノ)−8−(メチルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボン酸(30mg,0.096mmol)および塩化アンモニウム(10.31mg,0.193mmol)の溶液に、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU,44.0mg,0.116mmol)および4−メチルモルホリン(48.7mg,0.482mmol)を加えて、反応溶液を、1時間攪拌した。反応溶液を、次いで、ミクロポアフィルターを通して濾過して、DMFで希釈して、分取LCにより精製して、表題化合物(6.7mg,9%収率)を得た。1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 8.97 (s, 1H), 8.34 (d, J=2.5 Hz, 1H), 7.93 (d, J=2.5 Hz, 1H), 7.81 (s, 1H), 7.44 (d, J=5.0 Hz, 1H), 7.06 (s, 2H), 6.62 (s, 1H), 5.74 (s, 1H), 2.87 (d, J=4.5 Hz, 3H), 2.25 (s, 6H). LC保持時間:1.39分[E].MS(E+)m/z:312(MH).
【0153】
以下の実施例を、実施例1の生成物と同様の方法で製造した。
【表9】

【表10】

【表11】
【0154】
【化20】

工程1
エチル 6−クロロ−8−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシレート(200mg,0.534mmol)を、窒素下で攪拌しながら、ジメチルアセトアミド(DMA,5mL)に室温で溶解した。窒素を、溶液を通して15分間バブリングした。ピリジン−2−アミン(100mg,1.067mmol)を反応溶液に加えて、次いでPd(dba)(98mg,0.107mmol)、Xantphos(123mg,0.213mmol)および炭酸セシウム(695mg,2.134mmol)を加えた。反応容器を密封して、100℃で23時間加熱した。この反応溶液を、濾過して、取り出し、高真空下にて乾燥させて、褐色油状物を粗生成物として得た。それをシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、褐色油状物であるエチル 8−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)−6−(ピリジン−2−イルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシレート(79mg,0.179mmol,33.5%収率)を生成物として得た。LC保持時間:0.92分[J].MS(E+)m/z:433(MH+).
【0155】
工程2
エチル 8−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)−6−(ピリジン−2−イルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシレート(75mg,0.173mmol)を、攪拌しながら、室温でメタノール(2mL)に溶解して、次いで0.5M 水酸化リチウム(LiOH,0.694mL,0.347mmol)を加えた。それを50℃で2時間加熱した。固体が存在していた。LC保持時間:0.79分[J].MS(E+)m/z:405(MH)。反応混合物を真空濃縮して、残留物をメタノールから2回濃縮して、残っている水を除去した。残留物を、塩化メチレンに懸濁して、混合物を、25℃で、終夜攪拌しながら4N塩酸(HCl)/ジオキサン(0.434mL,1.734mmol)を用いて処理し、反応はほぼ完了した。後処理を行い、反応物質を5回塩化メチレンから取り出して、褐色固体の8−(メチルアミノ)−6−(ピリジン−2−イルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボン酸,2HCl(50mg,0.126mmol,72.6%収率)を生成物として得た。LC保持時間:0.52分[J].MS(E+)m/z:285(MH+).
【0156】
工程3
8−(メチルアミノ)−6−(ピリジン−2−イルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボン酸,2HCl(15mg,0.042mmol)、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP,20.43mg,0.046mmol)、トリエチルアミン(0.018ml,0.126mmol)および(1R,2S)−2−フルオロシクロプロパンアミン,pTSA(10.38mg,0.042mmol)を、25℃で、攪拌しながらDMF(1mL)中で混合した。1時間後に、反応が完了した。生成物を含有する反応混合物を、prepHPLCを用いて精製して、表題化合物(4.8mg,0.014mmol,33.5%収率)を得た。LC保持時間:0.76分[J].MS(E+)m/z:342(MH+). 1H NMR (500MHz, メタノール-d4) δ 8.28 - 8.25 (m, 1H), 8.02 - 7.99 (m, 1H), 7.73 - 7.67 (m, 1H), 7.44 (d, J=7.9 Hz, 1H), 7.00 - 6.94 (m, 1H), 6.24 - 6.19 (m, 1H), 4.83 - 4.63 (m, 1H), 3.02 (s, 3H), 2.98 - 2.92 (m, 1H), 1.23 (dtd, J=14.7, 8.6, 6.2 Hz, 1H), 1.07 - 0.96 (m, 1H).
【0157】
以下の実施例を、実施例22の生成物と同様の方法で製造した。
【化21】
【0158】
実施例24
【化22】

工程1
N−メチル−2−ピロリドン(NMP,25mL)中の2−メトキシピリジン−3−アミン(0.149g,1.197mmol)、2−メトキシピリジン−3−アミン(0.149g,1.197mmol)、Pd(dba)(10.96mg,0.012mmol)、Xantphos(6.93mg,0.012mmol)および炭酸セシウム(0.975g,2.99mmol)の攪拌混合物を、125℃で2時間加熱した。LC−MSにより、目的とする生成物の完全な変換が示された。反応混合物を、酢酸エチル(100mL)で希釈して、濾過した。濾液を水で洗い、乾燥させて、濃縮した。残留物を、4M HCl(2mL)/1,4−ジオキサンに溶解して、室温で2時間攪拌して、濃縮した。濃縮物を、逆相PREPLCを用いて精製した。生成物を含有する画分を合わせて、濃縮して、生成物を褐色固体(0.296g,0.640mmol,64.1%収率)として得た。LC保持時間:1.09分[J].MS(E+)m/z:463(MH+).
【0159】
工程2
THF(11mL)、メタノール(5.50mL)および水(5.00mL)中のエチル 8−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)−6−((2−メトキシピリジン−3−イル)アミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシレート(0.280g,0.605mmol)および水酸化リチウム(0.072g,3.03mmol)の混合物を、室温で終夜攪拌した。反応混合物を濃縮して、その溶液を約2mlの溶液まで濃縮して、次いで1N HCl溶液を用いてpH3〜4まで酸性化して、攪拌して、濾過した。得られる褐色固体を、風乾させて、目的の生成物を得た(0.205g,0.472mmol,78%収率)。LC保持時間:0.92分[J].MS(E+)m/z:435(MH+).
【0160】
工程3
8−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)−6−((2−メトキシピリジン−3−イル)アミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボン酸(10mg,0.023mmol)を、DMF(1.95mL)に溶解した。1−アミノシクロプロパンカルボニトリル(2.266mg,0.028mmol)、BOP(12.20mg,0.028mmol)およびDIPEA(0.012mL,0.069mmol)を、この反応に加えた。反応溶液を、室温で、反応が完了するまで攪拌した。反応試料を、Zymarkテーブルトップドライヤーにおいて、45℃で2時間ブローダウンした。粗反応溶液を、DCM(0.5mL)に溶解して、4N HCl/ジオキサン(150μL)をそれに加えた。反応溶液を、室温で攪拌した。目的とする生成物を観察した。反応試料を、SpeedVac内に置いて、2時間45℃で乾燥させた。DMF中で1.8mLの最終容量の粗製試料を、prepHPLCを用いて精製して、表題化合物(2.3mg,6.08μmol,30.8%収率)を得た。LC保持時間:1.18分.MS(E+)m/z:379(MH+). 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 9.21 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 8.27 - 8.09 (m, 1H), 8.03 - 7.78 (m, 2H), 7.55 (d, J=4.3 Hz, 1H), 7.07 (dd, J=7.3, 4.9 Hz, 1H), 6.10 (s, 1H), 3.97 (s, 3H), 2.88 (s, 3H), 1.78 - 1.30 (m, 2H), 1.33 - 0.86 (m, 2H).
【0161】
以下の実施例を、実施例24の生成物と同様の方法で製造した。
【化23】

【化24】
【0162】
【化25】

工程1
テトラヒドロフラン(THF,5mL)中のエチル 6,8−ジクロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシレート(4.0g,15.38mmol)、N−(4−メトキシベンジル)シクロプロパンアミン(4.09g,23.07mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(5.37mL,30.8mmol)の溶液を、70℃で終夜還流した。反応溶液を、濃縮して、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(25〜30% 酢酸エチル:石油エーテル)を用いて精製して、エチル 6−クロロ−8−(シクロプロピル(4−メトキシベンジル)アミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシレート(4.3g,56%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-D) δ ppm 8.14 (1 H, s), 7.05 - 7.07 (1 H, m), 7.02 - 7.05 (1 H, m), 6.76 - 6.79 (1 H, m), 6.74 - 6.76 (1 H, m), 6.60 (1 H, s), 5.61 (2 H, s), 4.43 (2 H, q, J=7.22 Hz), 3.75 (3 H, s), 2.45 - 2.54 (1 H, m), 1.41 (3 H, t, J=7.05 Hz), 0.96 - 1.04 (2 H, m), 0.76 - 0.84 (2 H, m). LC保持時間:2.22分[O].MS(E+)m/z:401(MH).
【0163】
工程2
エチル 6−クロロ−8−(シクロプロピル(4−メトキシベンジル)アミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシレート(400mg,1.0mmol)/ジメチルアセトアミド(DMA,4mL)の溶液を、窒素で10分間パージして、この時点で3−アミノ−5−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(371mg,2.00mmol)、Pddba(91mg,0.10mmol)、Xantphos(289mg,0.50mmol)、炭酸セシウム(1300mg,3.99mmol)およびヨウ化銅(I)(38.0mg,0.200mmol)を加えた。この管を密封して、次いで125℃に加熱して、1時間後に、この反応溶液を、酢酸エチルで溶出するceliteを通して濾過して、酢酸エチルを塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過して、濃縮した。粗生成物を、次いで自動化クロマトグラフィーを用いて精製した。集めた分画物を、濃縮して、次いでジクロロメタン(4mL)に懸濁して、次いでトリエチルシラン(1.59mL,9.98mmol)およびトリフルオロ酢酸(TFA,2mL)を加えて、反応溶液を30分間攪拌した。溶媒を、真空除去して、粗生成物を、自動化クロマトグラフィー(25〜30%酢酸エチル:石油エーテル)を用いて精製して、エチル 6−(3−シアノ−5−(トリフルオロメチル)フェニルアミノ)−8−(シクロプロピルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシレート(200mg,47%収率)を得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 9.96 (s, 1H), 8.81 (s, 1H), 8.45 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.79 (s, 1H), 6.22 (s, 1H), 4.41 (q, J=7.0 Hz, 2H), 2.59 (m, 1H), 1.36 (t, J=7.0 Hz, 3H), 0.84 (m, 2H), 0.70 (m, 2H).
【0164】
工程3
エタノール(3mL)およびテトラヒドロフラン(THF,3mL)中のエチル 6−((3−シアノ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)−8−(シクロプロピルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシレート(250mg,0.581mmol)の溶液に、水酸化リチウム(139mg,5.81mmol)/水(3mL)の溶液を加えた。反応溶液を、室温で3時間攪拌して、次いで有機溶媒を真空除去した。塩酸(1.5M,水性)を加えて、pHを〜2に調整して、沈殿物を得た。沈殿物を濾過により回収して、次いで分取LCを用いて精製して、6−((3−シアノ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)−8−(シクロプロピルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボン酸(100mg,43%収率)を得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 12.88 (s, 1H), 9.93 (s, 1H), 8.77 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.85 (d, J=1.5 Hz, 1H), 7.75 (s, 1H), 6.19 (s, 1H), 2.58 (dd, J=5.6, 3.4 Hz, 1H), 0.89 - 0.75 (m, 2H), 0.74 - 0.59 (m, 2H). C保持時間2.02分[O].MS(E+)m/z:403(MH).
【0165】
実施例33
【化26】

ジメチルホルムアミド(DMF,1mL)中の6−((3−シアノ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)−8−(シクロプロピルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボン酸(10mg,0.025mmol)およびシクロプロパンアミン(2.84mg,0.050mmol)の溶液に、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP,16.5mg,0.037mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(10.85μl,0.062mmol)を加えた。反応混合物を、室温で4時間攪拌して、次いで水および酢酸エチルを加えた。層を分離して、水層を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を、飽和塩化ナトリウムで洗い、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過して、濃縮した。粗生成物を、分取LCを用いて精製して、表題化合物(4.0mg,36%収率)を得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 9.81 (s, 1H), 8.46 (s, 1H), 8.34 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.87 (s, 2H), 6.14 (s, 1H), 2.80 (m, 1H), 2.58 (m, 1H), 0.84 (m, 2H), 0.81 (m, 4H), 0.73 (m, 2H). LC保持時間:2.13分[O].MS(E+)m/z:442(MH).
【0166】
以下の実施例を、実施例33の生成物と同様の方法で製造した。
【化27】
【0167】
製造例3
【化28】

工程1
エチル 8−クロロ−6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシレートおよびエチル 8−ブロモ−6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシレート(150g,約577mmol)の混合物を、コンデンサーを備えた5Lのマルチネックのフラスコに投入して、塩酸(水中で6M,2.5L)を加えた。反応溶液を100℃に16時間加熱して、次いで室温に冷却して、生成物を析出させる。生成物を、濾過により回収して、少量の水(95g,71%収率)で洗った。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 13.42 (bs, 1H), 8.38 (s, 1H), 8.18 (s, 1H).
【0168】
工程2
テトラヒドロフラン(THF,1.8L)中の8−クロロ−6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボン酸(180g,776mmol)およびトリエチルアミン(151mL,1085mmol)の溶液を、0℃に冷却した。次いでTHF(400ml)のエチルクロロホルメート(118g,1085mmol)を、反応混合物にゆっくりと加えた。この添加が完了すると、反応溶液を室温に温めて、1時間攪拌した。別々のフラスコ内で、アンモニアを、冷却した(−30℃)THF(1.2L)に通して30分間バブリングして、次いでこの溶液を、0℃で、酸塩化物溶液に徐々に加えて、一旦添加が完了してから、反応混合物を室温まで温めて、1時間攪拌した。反応溶液を濃縮して、懸濁して、水(800mL)と共に攪拌して、次いで濾過して、水で洗った。固体を風乾させて、回収した(160g,90%収率)。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 8.33 (s, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.99 (bs, 1H), 7.77 (bs, 1H).
【0169】
工程3
6,8−ジクロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシアミド(2.5g,10.9mmol)、N−(4−メトキシベンジル)シクロプロパンアミン(3.36g,18.98mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(4.42ml,25.3mmol)を、テトラヒドロフラン(THF,100mL)に溶解して、次いで終夜還流した。溶媒を、真空除去して、粗生成物を、クロロホルム中に取り、クロマトグラフィーを介して精製して、生成物(2.6g,64%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) δ ppm 8.10 (1 H, s), 7.96 (2 H, s), 7.11 (2 H, d, J=8.56 Hz), 6.83 (2 H, d, J=8.81 Hz), 6.73 (1 H, s), 5.65 (2 H, s), 3.68 (3 H, s), 2.55 - 2.63 (1 H, m), 0.93 - 1.03 (2 H, m), 0.76 - 0.84 (2 H, m).
【0170】
工程4
窒素パージした耐圧管内で、6−クロロ−8−(シクロプロピル(4−メトキシベンジル)アミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシアミド(125mg,0.337mmol)/ジメチルアセトアミド(DMA,1mL)の溶液に、Xantphos(38.7mg,0.067mmol)、ヨウ化銅(I)(31.8mg,0.167mmol)、炭酸セシウム(436mg,1.337mmol)およびPd(dba)(30.6mg,0.033mmol)を加えた。反応混合物を、再度窒素で(5分)パージして、次いでアニリン(62.3mg,0.669mmol)を加えた。反応混合物を、窒素で1回以上パージして、次いで密封して、125℃に45分間加熱した。反応混合物を、Celiteを通して濾過して、酢酸エチルで洗った。濾液を濃縮して、次いで水および酢酸エチルで希釈して、層を分けて、水層を、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過して、濃縮して、次いで、自動化クロマトグラフィーを用いて精製して、表題化合物(40mg,LCMSにより64%純粋,18%収率)を得て、これを更なる精製をせずに次工程に進めた。LC保持時間:1.96分[P].MS(E+)m/z:429(MH+).
【0171】
実施例45
【化29】

8−(シクロプロピル(4−メトキシベンジル)アミノ)−6−(フェニルアミノ)
イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシアミド(40mg,64%純粋,0.060mmol)/ジクロロメタン(DCM,1mL)の溶液に、室温で、トリエチルシラン(109mg,0.934mmol)およびトリフルオロ酢酸(TFA,0.3mL)を加えた。反応混合物を、室温で20分間攪拌して、次いで減圧下に濃縮した。粗生成物を、分取LCにより精製して、TFA塩として単離した表題化合物(6.7mg,26%収率)を得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 9.16 (s, 1H), 8.32 (s, 1H), 8.28 (m, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.84 (m, 1H), 7.46 (dd, J=8.6, 1.0 Hz, 2H), 7.32 (m, 2H), 7.00 (t, J=7.2 Hz, 1H), 6.17 (s, 1H), 2.56 (m, 1H), 0.82 (m, 2H), 0.68 (m, 2H). LC保持時間:7.68分[Q].MS(E+)m/z:309(MH).
【0172】
以下の実施例を、実施例45の生成物と同様の方法で製造した。
【化30】
【0173】
製造例4
【化31】
工程1
3−エトキシアクリロニトリル(4.94mL,48.0mmol)/ジオキサン(50mL)の溶液に、水(50mL)を加えた。溶液を、−10℃に冷却して、次いでN−ブロモスクシンアミド(NBS,9.39g,52.8mmol)を加えた。反応溶液を、−10℃で2時間攪拌して、次いで4−ブロモ−6−クロロピリダジン−3−アミン(10g,48.0mmol)を加えた。容器を密封して、次いで60℃で、油浴中で終夜加熱した。反応溶液を室温に冷却して、ジクロロメタンで希釈して、次いで飽和(水溶液)炭酸水素ナトリウム塩でクエンチした。層を分離して、水層をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濾過して、濃縮して、自動化クロマトグラフィーを用いて精製して、生成物(3.1g,25%)を得た。1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ 8.28 (s, 1H), 7.63 (s, 1H). LC保持時間:0.80分[J].MS(E+)m/z:259(MH+).
【0174】
工程2
8−ブロモ−6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボニトリル(6.1g,23.69mmol)/テトラヒドロフラン(39.5ml)の懸濁液に、トリエチルアミン(33.0ml,237mmol)、次いでエタンチオール(2.103ml,28.4mmol)を加えた。混合物を、50℃に10分間加熱して、次いで濃縮した。粗生成物を、ヘキサンに懸濁して、次いで濾過して、粉末を集めて、次いで酢酸エチル中で超音波処理して、濾過して、酢酸エチルで洗った。濾液を濃縮して、自動化クロマトグラフィーにより精製して、生成物(5.56g,96%収率)を得た.1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ 8.13 (s, 1H), 6.93 (s, 1H), 3.19 (q, J=7.5 Hz, 2H), 1.53 (t, J=7.5 Hz, 3H). LC保持時間:0.90分[J]. MS (E+) m/z:239 (MH+).
【0175】
工程3
6−クロロ−8−(エチルチオ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボニトリル(3.16g,13.24mmol)/ジメチルアセトアミド(DMA,65mL)の窒素パージした溶液に、3,5−ジメチルアニリン(3.30mL,26.5mmol)を加えて、次いでPddba(2.425g,2.65mmol)、炭酸セシウム(17.25g,53.0mmol)およびXantphos(3.06g,5.30mmol)を1回で加えた。この反応容器を、排気して、窒素(x3)で再度充填して、密封し、次いで125℃で90分間加熱した。反応溶液を、室温に冷却して、酢酸エチルで溶出して、celiteを通して濾過した。酢酸エチル層を、水で3回洗い、硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濾過して、濃縮して、次いでフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製して、生成物(2.9g,61%収率)を得た。LC保持時間:1.01分[J].MS(E+)m/z:324(MH+).
【0176】
工程4
6−((3,5−ジメチルフェニル)アミノ)−8−(エチルチオ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボニトリル(1.187g,3.67mmol)/ジクロロメタン(36.7ml)の溶液に、3−クロロ過安息香酸(mCPBA,75重量%,1.056g,4.59mmol)を加えた。反応溶液を、20分間攪拌して、次いで濃縮して、粗生成物を酢酸エチル中で攪拌して、濾過して、酢酸エチルで洗い、ラセミ体の表題化合物(762mg,55%収率)を得た。LC保持時間:0.94分[J].MS(E+)m/z:340(MH+).
【0177】
【化32】

6−((3,5−ジメチルフェニル)アミノ)−8−(エチルスルフィニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボニトリル(7mg,0.021mmol)/テトラヒドロフラン(0.2ml)の溶液に、シクロブタンアミン(0.075ml,0.884mmol)を加えた。反応溶液を、密封して、85℃で終夜加熱した。反応溶液を、濃縮して、次いで中間体を、ジメチルスルホキシド(DMSO,0.20mL)に溶解して、水酸化カリウム(水中で5M,0.044mL,0.22mmol)および過酸化水素(33%,0.041mL,0.44mmol)を加えた。この反応溶液を、室温で14分間行い、次いで1M(水溶液)塩酸を添加してクエンチした。得られる固体を、濾過により回収して、メタノールに溶解して、分取LCを用いて精製して、表題化合物を、トリフルオロ酢酸塩(2.2mg,11%収率)として得た。1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ 8.08 (br. s., 1H), 7.05 (s, 1H), 6.73 (s, 1H), 5.89 (s, 1H), 4.12 (quin, J=7.7 Hz, 1H), 2.54 (dd, J=11.4, 4.0 Hz, 2H), 2.30 (s, 6H), 2.21 - 2.03 (m, 2H), 2.02 - 1.82 (m, 2H). LC保持時間:0.85分 [J]. MS (E+) m/z: 351 (MH+).
【0178】
以下の実施例を、実施例48の生成物と同じ方法で製造した。
【化33】

【化34】
【0179】
【化35】
工程1
8−ブロモ−6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボニトリル(製造例4から,1g,3.89mmol)/ジメチルホルムアミド(5mL)の溶液に、2,2,2−トリフルオロエタンアミン(0.5mL,6.28mmol)を加えて、反応容器を密封して、85℃で終夜加熱した。反応溶液に水を加えて、生成物を沈殿物させて、この粉状物を濾取して、水およびメタノールでリンスして、乾燥させて、生成物(950mg,89%収率)を得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 8.71 (t, J=6.5 Hz, 1H), 8.41 (s, 1H), 6.91 (s, 1H), 4.34 (br. s., 2H). LC保持時間:0.86分[J].MS(E+)m/z:276(MH).
【0180】
工程2
6−クロロ−8−((2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボニトリル(0.5g,1.814mmol)/ジメチルホルムアミド(16mL)に、0℃で、水素化ナトリウム(60wt%,0.167g,4.17mmol)、次いで1−(クロロメチル)−4−メトキシベンゼン(0.517mL,3.81mmol)を加えた。10分後に、氷浴を除去して、反応混合物を、室温で18時間攪拌した。反応溶液を、飽和塩化アンモニウム水溶液、酢酸エチル(2回)で抽出した。合わせた有機層を、水で洗い、硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濾過して、濃縮した。粗生成物を、次いでフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製して(4:1 ヘキサン:EtOAc)、生成物を得た(307mg,43%収率)。LC保持時間:1.07分[J].MS(E+)m/z:396(MH+).
【0181】
工程3
6−クロロ−8−((4−メトキシベンジル)(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボニトリル(40mg,0.101mmol)を、ジメチルアセトアミド(0.9mL)に溶解した。反応容器を、窒素で15分間パージして、次いで3−フルオロ−5−メチルアニリン(25.3mg,0.202mmol)、Pd(dba)(9.26mg,10.11μmol)、Xantphos(11.70mg,0.020mmol)および炭酸セシウム(132mg,0.404mmol)を加えた。反応容器を密封して、125℃で1時間加熱した。反応溶液を、室温に冷却して、酢酸エチル(200mL)で希釈した。溶液を3回水で洗い、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。スラリーを濾過して、濃縮して、粗生成物を得て、これを次いで自動化クロマトグラフィーを用いて精製して、中間体生成物(22mg,46%収率)を得た。LC保持時間1.14分[J].MS(E+)m/z:485(MH+).
【0182】
工程4
6−((3−フルオロ−5−メチルフェニル)アミノ)−8−((4−メトキシベンジル)(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボニトリル(20mg,0.041mmol)/ジクロロメタン(1mL)の溶液に、トリエチルシラン(0.066mL,0.413mmol)を加えて、次いでトリフルオロ酢酸(1mL)を加えた。反応溶液を、室温で10分間攪拌して、次いで、溶媒を窒素ストリーム下にて除去した。粗中間体を、ジメチルスルホキシド(0.3mL)に溶解して、水酸化カリウム(5Mの水溶液,0.082mL,0.410mmol)を加えて、次いで過酸化水素(水中で30%,0.084mL,0.820mmol)を慎重に加えた。反応溶液を、完了するまで室温で攪拌して、次いで1M 塩酸を加えて、得られる沈殿物を濾過により収集して、次いで分取HPLCを用いて精製して、表題化合物(8.8mg,42%収率)をTFA塩として得た。
1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ 8.02 (s, 1H), 7.11 (s, 1H), 7.04 - 6.97 (m, 1H), 6.62 (d, J=9.5 Hz, 1H), 6.11 (s, 1H), 4.15 (q, J=9.0 Hz, 2H), 2.35 (s, 3H). LC保持時間:0.82分[J].MS(E+)m/z:383(MH).
【0183】
製造例5
【化36】

6−((3,5−ジメチルフェニル)アミノ)−8−(エチルチオ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボニトリル(0.9g,2.78mmol)/ジメチルスルホキシド(DMSO,16mL)の溶液に、水酸化カリウム(水中で5M,2.78mL,13.91mmol)を加えて、次いで過酸化水素(33%,2.84mL,27.8mmol)を慎重に加えた。反応溶液を、室温で20分間攪拌して、次いで塩酸(1M水溶液)を用いてクエンチした。得られる沈殿物を、ジクロロメタンに懸濁して、真空濃縮して、得られる固体を、次いでトルエンから濃縮して、その後再度ジクロロメタンから濃縮した。中間体を、ジクロロメタン(250mL)に溶解して、3−クロロ過安息香酸(75%,0.624g,3.52mmol)を加えた。反応溶液を20分間攪拌して、次いで濃縮して、粗生成物を、酢酸エチルでトリチュレートして、濾過して、酢酸エチルでリンスした。生成物(668mg,64%収率)を黄色粉末として回収した。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 9.79 (s, 1H), 8.09 (br. s., 1H), 8.06 - 7.97 (m, 2H), 7.35 (s, 1H), 7.22 (s, 2H), 6.74 (s, 1H), 3.50 (dd, J=13.9, 7.3 Hz, 1H), 3.26 (dd, J=14.0, 7.4 Hz, 1H), 2.29 (s, 6H), 1.12 (t, J=7.4 Hz, 3H). LC保持時間:0.74分[J].MS(E+)m/z:358(MH).
【0184】
実施例60
【化37】

6−((3,5−ジメチルフェニル)アミノ)−8−(エチルスルフィニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシアミド(10mg,0.028mmol)/テトラヒドロフラン(0.2mL)の懸濁液に、アニリン(0.038mL,0.420mmol)を加えて、容器を、窒素ストリームを用いてパージして、脱気した。次ぎに、水素化ナトリウム(60%,11.19mg,0.280mmol)を加えて、反応溶液を75℃に加熱した。30分後に、溶媒を、真空除去して、生成物を、分取LCを用いて精製して、表題化合物(5.5mg,38%収率)をトリフルオロ酢酸塩として得た。1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ 8.63 (br. s., 1H), 8.20 (s, 1H), 7.50 - 7.41 (m, 2H), 7.39 - 7.33 (m, 2H), 6.95 (s, 2H), 6.80 (s, 1H), 6.34 (s, 1H), 6.17 (s, 1H), 5.73 (br. s., 1H), 2.32 (s, 6H). LC保持時間:0.91分[J].MS(E+)m/z:373(MH).
以下の実施例化合物を、実施例60の生成物と同様の方法で製造した。
【化38】
【0185】
実施例65
【化39】

2ドラムバイアルに、6−((3,5−ジメチルフェニル)アミノ)−8−(エチルスルフィニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシアミド(15mg,0.042mmol)を、無水メタノール(1mL)と共に加えた。ガス状のエタンアミンを、数分間、容器を通してバブリングして、その後このバイアルを密封して、80℃で終夜加熱した。粗生成物を、ジメチルホルムアミドに溶解して、分取LCを用いて精製して、表題化合物を得た。1H NMR (500MHz, メタノール-d4) δ 7.57 (s, 2H), 7.03 (s, 2H), 6.68 (s, 1H), 5.81 (s, 1H), 3.35 - 3.28 (m, 2H), 2.28 (s, 6H), 1.36 (t, J=7.2 Hz, 3H). LC保持時間:1.79分[E].MS(E+)m/z:325(MH).
【0186】
製造例6
【化40】

工程1
テトラヒドロフラン(25mL)中の8−ブロモ−6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボニトリル(2.82g,13.23mmol)、1−(4−メトキシフェニル)−N−メチルメタンアミン(2.00g,13.23mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(4.62mL,26.5mmol)の溶液を、60℃で3時間加熱して、次いで濃縮乾固させた。粗生成物を、メタノールでトリチュレートして、濾過して、メタノールで洗った。固体を乾燥させて、回収されたものは(3.85g,89%収率)であった。1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ 7.99 (s, 1H), 7.16 (d, J=8.8 Hz, 2H), 6.93 - 6.82 (m, 2H), 6.12 (s, 1H), 5.45 (br. s., 2H), 3.80 (s, 3H), 3.20 (br. s., 3H). LC保持時間:1.05分 [J]. MS (E+) m/z: 328 (MH+).
【0187】
工程2
6−クロロ−8−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボニトリル(75mg,0.229mmol)/ジメチルアセトアミド(DMA,2mL)の溶液に窒素を通して15分間バブリングして、次いで[1,1’−ビフェニル]−3−アミン(77mg,0.458mmol)を加えて、次いでPd(dba)(41.9mg,0.046mmol)、Xantphos(53.0mg,0.092mmol)および炭酸セシウム(298mg,0.915mmol)加えた。反応容器を密封して、125℃で2時間加熱した。反応溶液を、室温に冷却して、酢酸エチルおよび水を加えた。懸濁液を濾過して、濾液の層を分離した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過して、濃縮して、フラッシュクロマトグラフィーを用いて精製して、カップリング生成物(90mg,77%収率)を得た。LC保持時間:1.17分[J].MS(E+)m/z:461(MH+).
【0188】
実施例66
【化41】

6−([1,1'−ビフェニル]−3−イルアミノ)−8−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボニトリル(90mg,0.195mmol)/ジクロロメタン(3mL)の溶液に、トリフルオロ酢酸(TFA,0.376mL,4.89mmol)を加えて、反応溶液を終夜攪拌した。溶媒を取り出して、粗中間体として、ならびに未反応の出発物質を推定TFA塩として得た。この物質をジメチルスルホキシド(0.5mL)に溶解して、水酸化カリウム(水中で5M,0.154mL,0.770mmol)を加えて、次いで過酸化水素(33%,0.047mL,1.540mmol)を加えた。反応を、室温で1時間行い、その後塩酸(4滴,水中で1M)を加えて、過酸化物をクエンチした。粗生成物を、分取LCを用いて精製して、表題化合物(6.0mg,9%収率)を得た。1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 9.20 (s, 1H), 8.30 (br. s., 1H), 7.84 (s, 1H), 7.77 (br. s., 1H), 7.67 - 7.60 (m, 3H), 7.54 - 7.45 (m, 4H), 7.43 - 7.34 (m, 2H), 7.27 (d, J=7.9 Hz, 1H), 5.80 (s, 1H), 2.94 - 2.84 (m, 3H). LC保持時間:1.57分[E].MS(E+)m/z:359(MH).
【0189】
【化42】

工程1
6−((3,5−ジメチルフェニル)アミノ)−8−(エチルスルフィニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボニトリル(0.033g,0.097mmol)を、反応バイアル内で(4−メトキシフェニル)メタンアミン(0.6mL,4.59mmol)と共に合わせて、100℃まで3時間加熱した。粗生成物を、自動化クロマトグラフィーを用いて精製して、粗生成物(65mg,40%純度,67%収率)を得た。LC保持時間:1.07分[J].MS(E+)m/z:399(MH+).
【0190】
工程2
6−((3,5−ジメチルフェニル)アミノ)−8−((4−メトキシベンジル)アミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボニトリル(0.018g,0.045mmol)およびトリエチルシラン(0.072mL,0.452mmol)を、窒素でパージしたバイアル内で合わせて、次いでトリフルオロ酢酸(TFA,0.5mL)を加えた。反応溶液を、1時間50℃で攪拌して、次いでTFAを、窒素ストリーム下で除去した。残留物質を、ジメチルスルホキシド(DMSO,0.2mL)に溶解して、水酸化カリウム(水中で5M,0.045mL,0.23mmol)および過酸化水素(33%,0.046mL,0.45mmol)を加えた。この反応を30分間行い、次いで粗生成物を、塩酸(水中で1M)を添加して、溶液から析出させた。粗生成物を、濾過により回収して、次いで分取LCを用いて精製して、表題化合物(TFA塩として回収した,8.2mg,44%収率)を得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 8.89 (s, 1H), 8.34 (br. s., 1H), 7.90 (br. s., 1H), 7.85 (s, 1H), 7.04 (s, 2H), 6.93 (br. s., 2H), 6.62 (s, 1H), 5.97 (s, 1H), 2.25 (s, 6H). LC保持時間:6.32分[F].MS(E+)m/z:297(MH).
【0191】
製造例7
【化43】

工程1
水(4mL)およびジオキサン(4mL)中の(E)−エチル 3−エトキシアクリレート(1g,6.94mmol)の冷却した(−10℃)溶液に、N−ブロモスクシンアミド(NBS,1.36g,7.63mmol)を加えた。反応溶液を室温まで温めて、1時間攪拌し、この時点で6−クロロピリダジン−3−アミン(0.899g,6.94mmol)を加えて、反応混合物を80℃で1時間加熱した。反応溶液を、室温に冷却して、水を添加することによりクエンチした。生成物を酢酸エチルで抽出して、合わせた有機層を飽和(水溶液)塩化ナトリウムで洗い、硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濾過して、濃縮して、自動化クロマトグラフィーを用いて精製して、エチル 6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシレート(1g,61%収率)を得た。LC保持時間:1.42分[O].MS(E+)m/z:226(MH+).
【0192】
工程2
エチル 6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシレート(500mg,2.216mmol)/ジメチルアセトアミド(DMA,5mL)の溶液に、窒素を通して、15分間バブリングして、次いで3−フルオロ−5−メチルアニリン(555mg,4.43mmol)を加えて、次いでPd(dba)(203mg,0.222mmol)、Xantphos(256mg,0.443mmol)および炭酸セシウム(2888mg,8.86mmol)を加えた。反応容器を密封して、125℃で1時間加熱した。反応溶液を、室温に冷却して、酢酸エチルおよび水を加えた。懸濁液を濾過して、濾液の層を分離した。有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濾過して、濃縮して、フラッシュクロマトグラフィーを用いて精製して、カップリング生成物(180mg,19%収率)を得た。LC保持時間:1.95分[O].MS(E+)m/z:315(MH+).
【0193】
工程3
冷却した(0℃)エチル 6−((3−フルオロ−5−メチルフェニル)アミノ)−3,8a−ジヒドロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシレート(160mg,0.506mmol)/エタノール(3mL)およびテトラヒドロフラン(3mL)の溶液に、水酸化リチウム(121mg,5.06mmol)/水(3mL)を加えた。この反応溶液を、室温まで温めて、3時間攪拌した。有機溶媒を、真空で除去して、次いで塩酸(水中で1.5M)を加えて、pHを〜2に調整して、粗生成物の沈殿物を得た。生成物を、濾過により回収して、次いで自動化クロマトグラフィーを用いて精製して、6−((3−フルオロ−5−メチルフェニル)アミノ)−3,8a−ジヒドロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボン酸(90mg,46%収率)を得た。LC保持時間:1.50分[O].MS(E+)m/z:289(MH+).
【0194】
実施例68
【化44】

ジメチルホルムアミド(DMF,1mL)中の6−((3−フルオロ−5−メチルフェニル)アミノ)−3,8a−ジヒドロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボン酸(40mg,0.139mmol)およびシクロプロパンアミン(15.8mg,0.278mmol)の溶液に、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU,106mg,0.278mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.048mL,0.28mmol)を加えて、反応溶液を1時間攪拌した。次いで、反応溶液を、ミクロポアフィルターを通して濾過して、DMFを用いて希釈して、分取LCにより精製して、表題化合物(14.4mg,30%収率)を得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 9.75 (s, 1H), 8.43 (br. s., 1H), 8.06 (m, 2H), 7.39 (d, J=11.2 Hz, 1H), 7.08 (m, 2H), 6.77 (d, J=9.6 Hz, 1H), 2.86 (m, 1H), 2.35 (m, 3H), 0.73 (m, 2H), 0.44 (m, 2H). LC保持時間:7.32分[Q].MS(E+)m/z:326(MH).
【0195】
製造例8
【化45】

工程1
クロロホルム(100mL)中の2,4−ビス(メチルチオ)イミダゾ[1,2−f][1,2,4]トリアジン(5g,23.55mmol)およびN−ブロモスクシンアミド(NBS,5.87g,33.0mmol)の混合物を、3.5時間還流加熱し、この時点で反応はLCMSにより完了したと判断された。混合物を室温まで冷却して、大部分のクロロホルムをロータリーエバポレーターにより除去した。残留物を酢酸エチル中に移して、この溶液を、飽和炭酸水素ナトリウム塩および塩水で洗い、硫酸ナトリウム上で乾燥させて、真空濃縮した。残留物を、自動化クロマトグラフィーを用いて精製して、生成物(5.6g,82%収率)を得た。1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ 7.61 (s, 1H), 2.69 (s, 3H), 2.65 (s, 3H). LC保持時間:0.99分[J].MS(E+)m/z:292(MH).
【0196】
工程2
1−メチル−2−ピロリジノン(NMP,35mL)中のテフロンスクリューキャップおよびマグネチックスターラーを備えた丸底反応容器において、7−ブロモ−2,4−ビス(メチルチオ)イミダゾ[1,2−f][1,2,4]トリアジン(5.6g,19.23mmol)、シアン化亜鉛(1.581g,13.46mmol)および亜鉛粉末(0.252g,3.85mmol)の混合物を、窒素を5分間バブリングしながら脱気した。混合物を、ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム(0)(0.421g,0.824mmol)で処理して、更に5分間脱気して、次いでバイアルを密封した。反応混合液液を、100℃で2時間加熱して、次いで室温に冷却して、18時間攪拌した。反応混合物を、濾過して、フィルターケーキをジメチルホルムアミドで洗った。合わせた濾液および洗液を、真空濃縮して、残留物を、自動化クロマトグラフィーを用いて精製して、生成物(2.7g,59%収率)を得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 8.43 (s, 1H), 2.68 (s, 3H), 2.62 (s, 3H). LC保持時間:0.87分[J].MS(E+)m/z:238(MH).
【0197】
工程3
2,4−ビス(メチルチオ)イミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−カルボニトリル(208mg,0.877mmol)/テトラヒドロフラン(20mL)の溶液を、33%メタンアミン/エタノール(0.239mL,1.928mmol)で処理して、反応溶液を、室温で窒素下にて30分間攪拌した。混合物を、水(10mL)で希釈して、攪拌を10分間続けた。得られる固体を、濾過により回収して、水に次いでヘキサンでリンスし、真空下で乾燥させて、4−(メチルアミノ)−2−(メチルチオ)イミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−カルボニトリル(181mg,94%収率)を淡黄色固体として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 9.26 (br. s., 1H), 8.28 (s, 1H), 3.00 (s, 3H), 2.53 (s, 3H).LC保持時間:0.71分[J].MS(E+)m/z:221(MH).
【0198】
工程4
4−(メチルアミノ)−2−(メチルチオ)イミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−カルボニトリル(151mg,0.686mmol)/塩化メチレン(3mL)の溶液を、3−クロロ過安息香酸(158mg,0.686mmol)で処理して、この反応溶液を室温で20分間攪拌した。溶媒を、窒素ストリームと共にエバポレートして、残留物を、酢酸エチルでトリチュレートした。得られる無色固体を、濾過により回収して、酢酸エチルでリンスして、真空下で乾燥させて、4−(メチルアミノ)−2−(メチルスルフィニル)イミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−カルボニトリル(120mg,74%収率)を得た。LC保持時間:0.51分[J].MS(E+)m/z:237(MH+).
【0199】
実施例69
【化46】

密封可能な反応管内で、湿性1−メチル−2−ピロリドノン(NMP,0.25mL)中の4−(メチルアミノ)−2−(メチルスルフィニル)イミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−カルボニトリル(30mg,0.127mmol)および3,5−ジメチルアニリン(46.2mg,0.381mmol)の攪拌溶液を、60%水素化ナトリウム/鉱油(50.8mg,1.270mmol)で処理して、この混合物を、ガスの発生が止むまでフタを開けて攪拌した。この管のフタを閉めて、次いで予め135℃に加熱したアルミニウムの反応ブロックに置いた。反応溶液を30分間攪拌して、この時点で、管の内容物を暗色の固体へと凝固させた。この管を、室温に冷却して、この物質を9:1 DMF/メタノール(2mL)に溶解して、次いで分取LCを用いて精製して、表題化合物(5mg,13%収率)を得た。1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 9.16 (s, 1H), 8.82 (d, J=5.0 Hz, 1H), 8.26 (br. s., 1H), 8.04 (br. s., 1H), 7.95 (s, 1H), 7.84 (s, 1H), 7.21 (s, 2H), 6.62 (s, 1H), 3.03 (d, J=5.0 Hz, 3H), 2.24 (s, 6H). LC保持時間:1.44分[E].MS(E+)m/z:312(MH).
【0200】
以下の実施例を、実施例69の生成物と同様の方法で製造した。
【化47】
【0201】
製造例9
【化48】

工程1
メタノール(15mL)およびテトラヒドロフラン(15mL)中のエチル 6−クロロ−8−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシレート(1.20g,3.20mmol)の溶液に、0.5M(水溶液)水酸化リチウム(25.6mL,12.81mmol)を加えて、反応溶液を終夜攪拌した。反応溶液を、水で希釈して、次いでメタノールを真空除去して、得られる溶液を、塩酸(1M 水溶液)を用いてpH〜4に調整して、生成物をジクロロメタンで抽出して、有機層を合わせて、硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濾過して、濃縮して、酸(1.00g,81%収率)を得て、これをさらなる精製をせずに使用した。LC保持時間:0.90分[J].MS(E+)m/z:347(MH+).
【0202】
工程2
ジメチルホルムアミド(3mL)中の6−クロロ−8−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボン酸(536mg,1.546mmol)、シクロプロパンアミン(0.321mL,4.64mmol)およびトリエチルアミン(0.646mL,4.64mmol)の混合物を、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩(BOP,752mg,1.700mmol)で処理して、反応溶液を、室温で5時間攪拌した。目的の生成物を、水(5mL)を用いて沈殿して、濾過により回収した。固体を水で2回リンスし、少量のメタノールで1回洗い、真空下で乾燥させて、6−クロロ−N−シクロプロピル−8−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシアミド(480mg,80%収率)を得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 8.55 (d, J=3.5 Hz, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.19 (d, J=8.6 Hz, 2H), 6.89 (d, J=8.8 Hz, 2H), 6.39 (s, 1H), 5.52 (br. s., 2H), 3.73 (s, 3H), 3.31 (s, 3H), 2.88 (tq, J=7.2, 3.8 Hz, 1H), 0.89 - 0.75 (m, 2H), 0.63 - 0.51 (m, 2H). LC保持時間:1.04分[J].MS(E+)m/z:386(MH).
【0203】
実施例75
【化49】

密封可能なバイアルにおいて、6−クロロ−N−シクロプロピル−8−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシアミド(50mg,0.130mmol)、2,3−ジフルオロ−6−メトキシアニリン(41.2mg,0.259mmol)および炭酸セシウム(169mg,0.518mmol)の混合物を、窒素バブリングにより脱気した。5分後に、Xantphos(30.0mg,0.052mmol)およびPd(dba)(23.73mg,0.026mmol)を加えて、脱気を5分間続けた。バイアルのフタを閉めて、反応溶液を、100℃で1時間加熱して、次いで室温に昇温させた。反応溶液を、酢酸エチル(20mL)で希釈して、濾過して、濾液を、水で2回洗い、10%塩化リチウム溶液で1回洗い、次いで硫酸ナトリウム上で乾燥させて、真空濃縮した。残留物を、ジクロロメタン(1mL)中に取り、次いでトリフルオロ酢酸(0.5mL,6.49mmol)で処理した。この反応溶液を、室温で40分間攪拌して、次いで真空濃縮した。粗生成物を、次いで分取LCを用いて精製して、表題化合物(8.3mg,16%収率)を得た。1H NMR (500MHz, メタノール-d4) δ 7.91 (s, 1H), 7.11 (q, J=9.4 Hz, 1H), 6.80 (ddd, J=9.4, 4.0, 2.0 Hz, 1H), 5.91 (s, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.03 (s, 3H), 2.72 (tt, J=7.3, 3.8 Hz, 1H), 0.74 - 0.65 (m, 2H), 0.32 - 0.19 (m, 2H). LC保持時間:1.72分[E].MS(E+)m/z:389(MH).
【0204】
以下の実施例を、実施例75の生成物と同様の方法で製造した。
【化50】

【表12】
【表13】

【表14】
【0205】
実施例103
【化51】

工程1
ジオキサン(15mL)中の、6−クロロ−N−シクロプロピル−8−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシアミド(0.250g,0.648mmol)、エチル 3−アミノピコリネート(0.140g,0.842mmol)、酢酸パラジウム(II)(0.044g,0.194mmol)、BrettPhos(0.104g,0.194mmol)および炭酸カリウム(0.134g,0.972mmol)の攪拌混合物を、80℃で3時間加熱した。この反応により、目的の生成物への完全な変換が示された。反応混合物を、酢酸エチル(6mL)で希釈して、celiteを通して濾過した。濾液を、酢酸エチル(80mL)で希釈して、水(3x25mL)および塩水(25mL)で洗い、無水MgSO上で乾燥させた。溶媒を真空下で除去して、生成物(0.33g,99%収率)をオレンジ色の固体として得た。LC保持時間:0.93分[J].MS(E+)m/z:516(MH+).
【0206】
工程2
水(3.64mL)に溶解した水酸化リチウム一水和物(0.159g,3.78mmol)を、エチル 3−((3−(シクロプロピルカルバモイル)−8−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル)アミノ)ピコリネート(0.390g,0.756mmol)/THF(8mL)およびメタノール(4.0mL)の攪拌混合物に室温で加えた。得られる混合物を、室温で終夜攪拌した。出発物質は、目的の生成物へと完全に変換された。反応混合物を濃縮して、次いで1N HCl溶液を用いて酸性化して、濾過して、褐色固体(0.21g,56.9%収率)を得た。LC保持時間:0.74分[J].MS(E+)m/z:488(MH+).
【0207】
工程3&4
3−((3−(シクロプロピルカルバモイル)−8−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル)アミノ)ピコリン酸(12.5mg,0.026mmol)を、DMF(2.7mL)に溶解した。エチルアミン(1.73mg,0.038mmol)、HATU(14.62mg,0.038mmol)、DIPEA(13.43μL,0.077mmol)を、DMF溶液に加えた。反応溶液を、室温で攪拌した。反応が完了した後に、反応試料を、45℃で終夜、Zymarkテーブルトップドライヤーにおいてブローダウンして、粗生成物を得た。ジクロロメタン(500μL)および4N HCl/ジオキサン(200μL,0.026mmol)を次いで加えた。この反応溶液を室温で1時間攪拌した。この反応試料を、45℃で1時間、Zymarkテーブルトップドライヤーで吹きつけた。粗製試料を、prepHPLCにより精製して、目的の化合物(3.0mg,27.9%収率,94%純度)を得た。LC保持時間:1.49分[E].MS(E+)m/z:395(MH+). 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 11.48 (s, 1H), 9.16 (s, 1H), 8.64 (d, J=9.2 Hz, 1H), 8.49 (d, J=3.7 Hz, 1H), 8.24 (d, J=4.3 Hz, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.62 (d, J=7.3 Hz, 2H), 5.88 (s, 1H), 3.16 (d, J=4.9 Hz, 2H), 2.91 (d, J=4.9 Hz, 3H), 2.86 (dd, J=7.3, 3.7 Hz, 1H), 1.14 (t, J=7.0 Hz, 3H), 0.79 - 0.72 (m, 2H), 0.45 (br. s., 2H).
【0208】
以下の実施例を、実施例103の生成物と同様の方法で製造した。
【表15】
【0209】
製造例10
【化52】

工程1
エチル 8−ブロモ−6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシレート(3g,9.85mmol)/テトラヒドロフラン(21mL)の懸濁液に、トリエチルアミン(13.73mL,99mmol)、次いでエタンチオール(0.729mL,9.85mmol)を加えた。混合物を、50℃で終夜加熱して、次いで窒素ストリーム下で濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中で懸濁して、濾過して、ヘキサンでリンスした。粉末を回収して、次いで酢酸エチルでトリチュレートして、懸濁液を次いで濾取して、この濾液を濃縮して、中間体生成物(2.19g,75%収率)を得た。H NMR(400MHz, クロロホルム-d) δ 8.25 (s, 1H), 6.90 (s, 1H), 4.45 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.17 (q, J=7.5 Hz, 2H), 1.52 (t, J=7.5 Hz,3H), 1.43 (t, J=7.2 Hz, 3H). LC保持時間:0.90分[J]. MS (E+) m/z: 286 (MH+).
【0210】
工程2
エチル 6−クロロ−8−(エチルチオ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシレート(1.3g,4.55mmol)/テトラヒドロフラン(12mL)およびメタノール(12mL)の溶液に、水酸化リチウム(3M 水溶液)(12ml,36.0mmol)を加えて、反応溶液を室温で3分間攪拌した。反応溶液を、水で希釈して、酸性化して、ジクロロメタンで抽出して、硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濾過して、濃縮して、次ぎに進める。
【0211】
工程3
工程2からの粗生成物を、シクロプロピルアミン(0.64mL,9.10mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(4mL,23mmol)と合わせて、次に1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU,2.08g,5.46mmol)を加えて、この反応溶液を、室温で2時間攪拌した。反応溶液を、酢酸エチル(500mL)で希釈して、次いで水で3回洗い、飽和塩化ナトリウムで1回洗った。この有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濾過して、濃縮して、自動化クロマトグラフィーにより精製して、アミド(800mg,59%収率)を得た。LC保持時間:0.82分[J].MS(E+)m/z:297(MH+).
【0212】
工程4
6−クロロ−N−シクロプロピル−8−(エチルチオ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシアミド(800mg,2.70mmol)および2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−5−アミン(815mg,5.39mmol)を含有するジメチルアセトアミド(DMA,15mL)の溶液に、Pd(dba)(247mg,0.270mmol)、Xantphos(312mg,0.539mmol)および炭酸セシウム(3513mg,10.78mmol)を一度で加えた。容器を排気して、窒素(x3)で再度充填して、密封して、125℃で加熱して、終夜攪拌した。ジメチルアミン(おそらくDMA分解物由来の)がアニリンと競合的に付加されたことが判った。反応溶液を、室温に冷却して、酢酸エチル(500mL)で希釈して、次いで水を用いて3回洗った。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濾過して、濃縮して、自動化クロマトグラフィー(2回)を用いて精製した。得られた生成物(200mg,69%純度,12%収率)は、有意量の不純物(HPLCにより31%,MS(MH+)=306)を含有していた。LC保持時間:2.52分[A].MS(E+)m/z:412(MH+).
【0213】
工程5
N−シクロプロピル−6−((2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−5−イル)アミノ)−8−(エチルチオ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシアミド(200mg,0.486mmol)/ジクロロメタン(24mL)の溶液に、3−クロロ過安息香酸(mCPBA,218mg,0.972mmol)を加えた。15分後に、反応溶液を濃縮して、幾らかの不純物と共に、出発物質のスルホンおよびスルホキシドの複合混合物を得た。粗製混合物を、回収物として次工程に進めた。
【0214】
実施例109
【化53】

製造例10から得た中間体(30mg,〜0.07mmol)の混合物に、3−モルホリノプロパン−1−アミン(154μL,1.053mmol)を加えて、反応溶液を80℃に加熱した。1時間後に、反応溶液をメタノールに溶解して、室温に冷却して、分取LCを用いて精製して、表題化合物(5.1mg)を得た。1H NMR (500MHz, メタノール-d4) δ 7.96 (s, 1H), 7.24 (d, J=7.4 Hz, 1H), 6.88 (t, J=7.9 Hz, 1H), 6.68 (dd, J=8.4, 1.0 Hz, 1H), 5.93 (s, 1H), 4.40 - 4.28 (m, 4H), 3.83 - 3.74 (m, 5H), 3.41 (t, J=6.7 Hz, 2H), 2.89 - 2.81 (m, 1H), 2.63 - 2.47 (m, 5H), 1.95 (t, J=6.9 Hz, 2H), 0.86 - 0.74 (m, 2H), 0.55 - 0.39 (m, 2H). LC保持時間:1.55分[E].MS(E+)m/z:494(MH).
【0215】
実施例110を、109と同様の方法で製造した:
【化54】

1H NMR (500MHz, メタノール-d4) δ 7.93 (s, 1H), 7.19 (dd, J=8.2, 1.2 Hz, 1H), 6.85 (t, J=8.2 Hz, 1H), 6.65 (dd, J=8.2, 1.2 Hz, 1H), 5.93 (s, 1H), 4.37 - 4.24 (m, 4H), 3.80 - 3.70 (m, 4H), 3.41 (t, J=6.4 Hz, 2H), 2.89 - 2.79 (m, 1H), 2.73 (t, J=6.4 Hz, 2H), 2.55 (br. s., 4H), 0.81 - 0.71 (m, 2H), 0.48 - 0.36 (m, 2H). LC保持時間:1.38分[E].MS(E+)m/z:480(MH).
【0216】
製造例11
【化55】

スチールボム反応容器(250mL)に、(2−メチルオキシラン−2−イル)メチル4−ニトロベンゾエート(両方のエナンチオマーはAldrich(登録商標)から入手出来る)(2.1g,8.85mmol)/メタノール(50mL)を入れて、これにアンモニア(MeOH中で7M,70mL,70mmol)を加えた。この容器を密封して、80℃で3時間加熱して、次いで50℃で18時間攪拌した。反応溶液を、室温に冷却して、濃縮して、次いでMeOH(10mL)に取った。懸濁液を冷蔵庫で1時間冷却して、次いでろ過して、残留固体を除去した。濾液を濃縮して、粗生成物を褐色油状物(約0.5等量の4−ニトロベンズアミドを副生成物として含む)として得た。収量は決定せずに、そのまま生成物を使用した(NMRは明確化のために不純物のピークを除外する)。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 3.64 (d, J=11.0 Hz, 1H), 3.49 (dd, J=11.0, 1.0 Hz, 1H), 2.88 - 2.75 (m, 2H), 1.10 (s, 3H). UVまたはMSでは判らない。
【0217】
製造例12
【化56】
3−ブロモアニリン(400mg,2.32mmol)、(2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸(483mg,2.32mmol)および炭酸セシウム(1.5g,4.65mmol)を、THF(8mL)および水(2mL)中で合わせて、次いで5分間、窒素ガスを吹き入れて脱気した。ジクロロメタン(190mg,0.23mmol)との錯体である[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)を加えて、反応溶液を、40℃で1時間加熱した。水を、反応溶液に加えて、生成物をジクロロメタン(x2)で抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過して、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(9:1→3:1→1:1のヘキサン:EtOAc)を用いて精製して、2'−フルオロ−4'−(トリフルオロメチル)−[1,1'−ビフェニル]−3−アミン(500mg,1.763mmol)を褐色油状物として得た。LC保持時間:0.81分[J].MS(E+)m/z:256(MH).
【0218】
実施例111
【化57】

実施例1と同様の方法で製造した(S)−6−クロロ−N−(2,3−ジヒドロキシ−2−メチルプロピル)−8−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボキシアミド(60mg,0.14mmol)を、DMA(2mL)中で3,5−ジフルオロ−2−メトキシアニリン(44mg,0.28mmol)および炭酸セシウム(180mg,0.55mmol)と合わせた。反応溶液を、5分間の窒素バブリングにより脱気して、次いでXantphos(32mg,0.055mmol)およびPddba(25mg,0.028mmol)を加えた。この反応を密封して、90℃で1時間加熱した。反応溶液を、DMF(3mL)で希釈して、濾過した。この濾液を真空濃縮して、次いで自動化クロマトグラフィーを用いて精製して、保護された中間体を得た(LC保持時間:0.94[J],MS(E+)m/z:557(MH))。中間体を、DCM(2mL)に溶解して、HCl(ジオキサン中で4M,1mL,4.0mmol)で処理した。反応溶液を、室温で1時間攪拌して、次いで濃縮して、溶離液A:溶離液B(溶離液A=1部 10%水酸化アンモニウム/MeOH+9部 DCM;溶離液B=0.3部 10%水酸化アンモニウム/MeOH+9.7部DCM)の10%〜100%のグラジエントを用いる自動化クロマトグラフィーを用いて精製して、実施例111(23mg,0.051mmol)を得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 8.73 (t, J=6.4 Hz, 1H), 8.69 (s, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.66 (dt, J=11.2, 2.4 Hz, 1H), 7.55 (q, J=4.8 Hz, 1H), 6.90 (ddd, J=11.6, 8.7, 3.1 Hz, 1H), 6.23 (s, 1H), 3.83 (d, J=0.7 Hz, 3H), 3.42 - 3.32 (m, 2H), 3.14 - 3.09 (m, 2H), 2.90 (d, J=4.8 Hz, 3H), 0.91 (s, 3H). LC保持時間:(アキラル)0.74分[J].MS(E+)m/z:437(MH).96.6%ee[AD−H(.46x25cm),25%MeOHw0.1%DEA/CO,3ml/分,35C,100bars BPR,220nm]メジャー@5.06分,マイナー@7.34分。帰属は合成(市販製品S−2−メチルグリシジル−4−ニトロベンゾエートのアミノ分解)に基づく。
【0219】
以下の実施例を、実施例111の生成物と同様の方法で製造した。
【表16】
【0220】
製造例13
【化58】

8−ブロモ−6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボニトリル(製造例4から,20mg,0.09mmol)/THF(0.5mL)の溶液に、シクロプロパンアミン(6.5mg,0.11mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.025mL,0.14mmol)を加えた。反応溶液を、75℃で6時間加熱して、次いで水で希釈した。生成物をEtOAc(x2)で希釈して、塩水溶液で洗い、硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濾過して、濃縮して、6−クロロ−8−(シクロプロピルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボニトリル(17mg,0.069mmol)を得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 8.73 (s, 1H), 8.36 (s, 1H), 2.68 (m, 1H), 0.86 (m, 2H), 0.68 (m, 2H). LC保持時間:2.98分[C].MS(E+)m/z:234(MH).
【0221】
実施例119
【化59】

6−クロロ−8−(シクロプロピルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボニトリル(100mg,0.428mmol)、シクロヘキサンアミン(424mg,4.28mmol)、iPrNEt(0.747mL,4.28mmol)およびNMP(1mL)を、10mlのマイクロウェーブ管内にとり、150℃で終夜加熱した。反応溶液を、水で希釈して、酢酸エチル(x3)で抽出して、合わせた有機層を、水および塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過して、濃縮して、自動化クロマトグラフィーにより精製して、6−(シクロヘキシルアミノ)−8−(シクロプロピルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボニトリルを得た。これを、DMSO(1mL)に溶解して、KOH(5M,1mL,5mmol)を加えて、次いでH(30%aq.,0.5mL,4.9mmol)を滴加した。反応溶液を室温で2時間攪拌して、次いで酢酸エチルで希釈して、水(x2)および塩水により洗った。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過して、濃縮して、分取LCを用いて精製して、実施例119(15mg,2工程で11%収率)を得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 8.52 (s, 1H), 7.83 (s, 1H), 7.78 (br. s., 1H), 7.36 (br. s., 1H), 6.85 (br. s., 1H), 6.00 (s, 1H), 3.48 (m, 1H), 1.99 (m, 2H), 1.75 (m, 2H), 1.61 (m, 1H), 1.37 − 1.20 (m, 6 H), 0.79 (m, 2H), 0.62 (m, 2H). LC保持時間:8.11分[Q]MS(E+)m/z:315(MH).
【0222】
【表17】
【表18】

【表19】
【表20】

【表21】

【表22】
【表23】

【表24】
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]