(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の第1実施形態にかかる液流式布帛処理装置100(以下、単に「処理装置100」という)、及び、処理装置100における処理剤溶解装置1(以下、単に「溶解装置1」という)について、
図1−
図3を参照して説明する。
【0020】
処理装置100において、布帛は、染色に用いる液体により処理される。染色に用いる液体は、布帛処理用の処理剤(布帛を処理する処理剤)が混合された状態の液体を含む。また、染色に用いる液体は、処理剤が未混合状態の液体等も含む。
【0021】
布帛処理用の処理剤は、染色用の染料である。この処理剤は、必要に応じて、布帛に対する染色を促す目的で使用される補助剤(例えば、芒硝(硫酸ナトリウム))、防炎加工用の処理剤等を含む。本実施形態の処理剤は、粉体状の処理剤である。
【0022】
処理装置100は、染色に用いる液体(以下、単に「液体」と言う。)が循環すると共に布帛を処理する循環系統10と、粉体状の処理剤を供給する供給部材11と、供給部材11から処理剤が供給され且つ液体を循環系統10に供給する溶解装置1と、を備える。
【0023】
循環系統10は、布帛を処理する滞留槽101と、滞留槽101と共に液体の循環系統10を構成する移送管102と、液体を滞留槽101及び移送管102の間で循環させる循環ポンプ103と、を備える。
【0024】
滞留槽101は、布帛を処理する領域となる本体部1011と、液体を本体部1011へ導入する入口部1012と、本体部1011から流出する液体を移送管102に送る出口部1013と、を有する。
【0025】
移送管102は、滞留槽101の出口部1013と循環ポンプ103の吸込部1031とを繋ぐ第1移送管1021と、循環ポンプ103の吐出部1032及び滞留槽101の入口部1012を繋ぐ第2移送管1022と、を有する。液体は、循環ポンプ103によって昇圧される。そのため、本実施形態では、第2移送管1022内の圧力は、第1移送管1021内の圧力よりも高くなっている。液体は、循環ポンプ103の吐出部1032から吐出されて入口部1012を介して滞留槽101に戻った後、布帛を処理しながら滞留槽101の出口部1013及び第1移送管1021を経由して、循環ポンプ103の吸込部1031へと戻る。このように、処理装置100では、液体が循環している。
【0026】
循環ポンプ103は、液体を吸込む吸込部1031と、液体を送り出す吐出部1032と、を有する。循環系統10からは、移送管104,105が分岐されている。移送管104,105は、移送管106で合流する。移送管106、及び、移送管106から分岐した移送管107は、溶解装置1の上流側に接続されており、移送管106,107から溶解装置1に液体が供給される。また、循環系統10からは、移送管108が分岐されている。移送管108は、溶解装置1の下流側に接続されており、溶解装置1から移送管108を介して循環系統10に液体が供給される。
【0027】
供給部材11は、一端から供給された処理剤を貯留すると共に、他端から溶解装置1に前記貯留している処理剤を供給する。本実施形態の供給部材11は、いわゆる、ホッパーである。このようなホッパーの他端部は、例えば、他端に近づくほど縮径する円筒状である。
【0028】
溶解装置1は、
図2及び
図3に示すように、流路2を画定する内周面3を有する本体4と、液体を流路2内に噴射する噴射部5とを備える。本実施形態の本体4は、液体に処理剤を分散又は溶解させる溶解部40と、供給部材11と溶解部40とを連結する連結部41とを有する。具体的には、本体4における溶解部40及び連結部41は一体的に形成されている。連結部41の一端410(
図2及び
図3における上端)には、供給部材11が接続される。
【0029】
本実施形態の溶解装置1は、液体を内周面3に沿って供給する液体供給部7を備える。さらに、本実施形態の溶解装置1は、流路2に接続され、流路2から押し出される液体に対して溶け残った処理剤を分散させる分散部8を備える。以下、溶解装置1の各構成について詳細に説明する。
【0030】
流路2は、内周面3に囲まれた空間である。以下では、便宜上、流路2の形状を説明するが、この説明により、以下の形状の流路2を画定する内周面3の形状を説明することになる。
【0031】
流路2の一端20(
図3における上端)からは、粉体状の処理剤が供給部材11から供給される。さらに、流路2の他端21(
図3における下端)は、移送管108を介して滞留槽101の本体部1011に接続されることで、循環系統10に液体を供給している。
【0032】
本実施形態の流路2の断面は、例えば、円状である。なお、ここでいう「流路2の断面」とは、流路2の中心軸αに直交する方向の断面を言う。また、本実施形態の流路2は、溶解部40において、第1区間22、第1区間22よりも一端20側に位置する第2区間23、及び、第1区間22よりも他端21側に位置する第3区間24を有する。溶解部40では、流路2の一端20から他端21に向けて、第2区間23と、第1区間22と、第3区間24とが順に位置している。
【0033】
第1区間22の流路断面積は、第2区間23の流路断面積よりも小さい。第3区間24の流路断面積は、第1区間22の流路断面積よりも大きい。即ち、一端20側と他端21側との間に位置する第1区間22の流路断面積が、一端20側に位置する第2区間23及び他端21側に位置する第3区間24の流路断面積より小さい。
【0034】
第2区間23は、一端20側に位置する第1領域231と、一端20側及び他端21側の間に位置する第2領域232と、他端21側に位置する第3領域233とを有する。流路2の一端20から他端21に向けて、第1領域231と、第2領域232と、第3領域233とが順に接続されている。第1領域231の流路断面積は、他端21側に近づくほど小さくなる。即ち、第1領域231は、他端21側に近づくほど縮径している。本実施形態では、第1領域231の傾斜角(内周面3における第1領域231を区画する部分と、流路2の中心軸αに直交する方向(
図3における水平方向)との間の角度θ1)は、粉体状の処理剤の安息角よりも大きい。このように、第1領域231の傾斜角が粉体状の処理剤の安息角よりも大きいため、粉体状の処理剤は、内周面3における第1領域231を区画する部分を滑り落ちやすい。
【0035】
第2領域232の傾斜角(内周面3における第2領域232を区画する部分と、流路2の中心軸αに直交する方向(
図3における水平方向)との間の角度θ2)は、粉体状の処理剤の安息角よりも大きい。そのため、第1領域231と同様の理由により、粉体状の処理剤は、内周面3における第2領域232を区画する部分を滑り落ちやすい。なお、θ2は、粉体状の処理剤の安息角よりも大きく、90°以下であることが好ましい。さらに、第2領域232には、流路2内に液体を噴射する噴射孔が設けられている。
【0036】
第3領域233の流路断面積は、他端21に近づくほど小さくなる。即ち、第3領域233は、他端21側に近づくほど縮径している。本実施形態では、第3領域233の傾斜角(内周面3における第3領域233を区画する部分と、流路2の中心軸αに直交する方向(
図3における水平方向)との間の角度θ3)は、粉体状の処理剤の安息角よりも大きい。そのため、第1領域231と同様の理由により、粉体状の処理剤は、内周面3における第3領域233を区画する部分を滑り落ちやすい。
【0037】
流路2において、第2区間22の流路断面積は、最も小さくなっている。
【0038】
第3区間24は、一端20側に位置する第1領域241と、他端21側に位置する第2領域242を有する。
【0039】
第1領域241の流路断面積は、他端21側に近づくほど大きくなる。即ち、第1領域241は、他端21側に近づくほど拡径している。
【0040】
同様に、第2領域242の流路断面積は、他端21側に近づくほど大きくなる。即ち、第2領域242は、他端21側に近づくほど拡径している。また、第2領域242の傾斜角(内周面3における第2領域242を区画する部分と、流路2の中心軸αに直交する方向(
図3における水平方向)との間の角度θ5)は、第1領域241の傾斜角(内周面3における第1領域241を区画する部分と、流路2の中心軸αに直交する方向(
図3における水平方向)との間の角度θ4)よりも大きい。
【0041】
本実施形態の流路2が以上の構成であるため、一端20から供給された粉体状の処理剤は、流路2内において、水平方向(
図3における水平方向)には移動せず、一端20から他端21に向かう方向に直線的に移動する。
【0042】
噴射部5は、循環系統10のうち他端21が接続される部分よりも上流部分に接続される。本実施形態の噴射部5には、移送管106(
図1参照)を介して、循環系統10から液体が供給されている。
【0043】
本実施形態の噴射部5は、上述のように、内周面3から流路2内に液体を噴射する。本実施形態では、噴射部5は、内周面3における周方向に間隔をあけた複数の位置(本実施形態では、四つの噴射孔)から、流路2内に液体を噴射する。本実施形態では、四つの噴射孔は、周方向に等間隔をあけて設けられている。また、本実施形態では、流路2の中心軸α方向において、四つの噴射孔のそれぞれは、流路2の他端21と等しい距離だけ離れて設けられている。
【0044】
本実施形態の噴射部5は、複数の噴射孔(本実施形態では、四つの噴射孔)とそれぞれ連通する複数の流路(本実施形態では、四つの流路)からなる第1部位50と、第1部位50に液体を供給すると共に分配する第2部位51とを有する。
【0045】
第1部位50は、本体4(本実施形態では、溶解部40)を構成する筒部分の内部に形成されている。第1部位50を構成する流路の断面は、例えば、円状である。第1部位50を構成する流路は、噴射孔から連通する第1領域500と、第1領域500に連通し、且つ、第2部位51に連通する第2領域501とを有する。第1領域500の流路断面積は、第2領域501の流路断面積よりも小さい。そのため、第1部位50から噴射される液体は、第1領域500を通ることで、内周面3に勢いよく噴射される。なお、第1領域500それぞれの流路断面積が等しく、且つ、第2領域501それぞれの流路断面積が等しいため、四つの噴射孔から噴射される液体の量は等しい。
【0046】
第2部位51は、本体4(本実施形態では、溶解部40)を構成する筒部分の内部に形成されている第1領域510と、第1領域510に接続され且つ本体4(本実施形態では、溶解部40)を構成する筒部分の外部に突出した第2領域511とを含む。第1領域510は、流路2の周方向に連続している。本実施形態の第1領域510は、流路2の中心軸方向から視ると円環状である。
【0047】
第2領域511を流通する液体は、第1領域510を通った後、第1部位50に供給される。これにより、液体が、第1領域510における第2領域511が接続されている部分から、第1領域510内を周方向に流通する。
【0048】
噴射部5は、循環系統10から供給された液体を、流路2内の一端20から他端21に向かう速度成分を有する方向に噴射する。噴射部5の噴射孔からの液体の噴射方向は、噴射孔から噴射された液体がスムースに
図2及び
図3における下方向に流れるよう設定されている。具体的には、液体が内周面3のうち流路2の中心軸αとの傾斜角が大きい箇所に噴射されることを防止し、交差した液体が
図2及び
図3における上方向に跳ね返ることを防止できるよう、噴射部5の噴射孔からの液体の噴射方向が設定されている。本実施形態では、噴射部5の噴射孔からの液体の噴射方向は、流路2の中心軸α上の一点で交差する。また、本実施形態では、噴射部5による噴射方向が交差する箇所は、流路2の第1区間22と第2区間23との境界に位置する。
【0049】
本実施形態では、噴射部5による液体の噴射方向βと、流路2の中心軸αとの間の角度は、四つの噴射孔いずれについても等しい。また、本実施形態では、噴射部5による液体の噴射方向βと、流路2の中心軸αとの間の角度は、45°以下であり、例えば、40°である。さらに、本実施形態では、噴射部5による液体の噴射方向βと、流路2の中心軸αとの間の角度は、流路2における第2区間23の第1領域231と、流路2の中心軸αとの間の角度よりも大きい。
【0050】
本実施形態の噴射部5は、流路2の第1区間22、即ち、流路2の流路断面積が小さい区間に液体を噴射する。なお、流路2の第1区間22の流路断面積は、粉体状の処理剤が染色に用いる液体に対して、十分に分散又は溶解できる程度に設定されている。
【0051】
液体供給部7は、
図3に示すように、本体4(本実施形態では、連結部41)と一体的に形成されている。本実施形態の液体供給部7は、流路2内における断面の中心(流路2の中心軸α)からずれた位置(流路2の中心軸αに対して偏心した位置)に配される。具体的には、本実施形態の液体供給部7は、内周面3に沿って内周面3の周方向(本実施形態では、内周面3に対する接線方向)に、液体を供給する。また、本実施形態の液体供給部7には、移送管107(
図1参照)を介して、循環系統10から液体が供給されている。液体の供給は、任意の期間に実施される。また、液体の供給は、布帛の処置を行わない期間、例えば、釜洗い等の期間にも実施される。
【0052】
分散部8は、流路2の他端21から押し出される液体に溶け残った処理剤を分散させる。本実施形態では、分散部8は、円筒状の固定部80と、第1分散部材81と、第2分散部材82とを有する。第1、第2分散部材81は、それぞれ、液体に溶け残った処理剤を分散させる。
【0053】
本実施形態では、固定部80の内側に、本体4の他端401側に配されている。第1分散部材81は、流路2の他端21に設けられている。本実施形態の第1分散部材81は、複数の開口810を有する円板状である。第2分散部材82は、流路2の流通方向(
図3における縦方向、本実施形態では、下方向)に第1分散部材81と重ねて設けられている。本実施形態の第2分散部材82は、複数の開口820を有する円板状である。また、本発明の第2分散部材82は、第2分散部材82における複数の開口820と第1分散部材81における複数の開口810とが重ならない(開口810の中心軸と開口820の中心軸がずれる)ように配置されている。
【0054】
本実施形態では、第1、第2分散部材81,82の間に空間が存在しているが、開口810の一部が開口820と重なっていれば、第1、第2分散部材81,82の間に空間が存在していなくても(即ち、第1、第2分散部材81,82が密着していても)、分散部8に液体を流通させることができる。なお、開口810の全部が開口820の全部と重ならない場合は、第1、第2分散部材81,82の間に空間を存在させることで、分散部8に液体を流通させることができる。
【0055】
本実施形態の第1分散部材81及び第2分散部材82は、固定部80及び本体4で囲まれた領域に配置されている。具体的には、第1分散部材81及び第2分散部材82は、固定部80及び本体4に挟まれた状態で支持されている。また、本実施形態では、第1分散部材81の開口810により、液体を分散部8に流通させると分散部8で乱流が生じる。さらに、本実施形態では、第1分散部材81の開口810及び第2分散部材82の開口820が重ならないように第1分散部材81及び第2分散部材82が配置されている。
【0056】
上述した構成により、処理装置100では、液体が以下のように移動する。まず、供給部材11により、粉体状の処理剤が、溶解装置1の流路2の一端20から供給される。溶解装置1では、噴射部5から噴射された液体によるエジェクター効果により負圧が生じるため、この処理剤は、流路2の他端21側に吸い込まれ、液体と混ざる。処理剤が混ざった状態の液体は、流路2の他端21に押し出されて、分散部8に移動する。分散部8において、液体に溶け残った処理剤は、第1分散部材81及び第2分散部材82の開口以外の部分への接触、及び、分散部8で生じる乱流により、液体に分散又は溶解する。分散部8を通過した液体は、移送管108(
図1参照)を介して、滞留槽101の本体部1011に供給された後、さらに、滞留槽101の出口部1013から循環ポンプ103に吸い込まれ、循環系統10を循環する。
【0057】
続いて、上記構成の溶解装置1の作用及び効果について説明する。
【0058】
かかる構成の溶解装置1では、内周面3に囲まれた空間(流路2)内において、液体が勢いよく噴射されることでエジェクター効果による負圧が生じ、該空間に供給された粉体状の処理剤は、流路2の他端21に吸い込まれて、液体に十分に分散又は溶解する。しかも、噴射される液体が、流路2の一端20から他端21に向かう速度成分を有することで、粉体状の処理剤が分散又は溶解した液体が他端21から押し出される。そのため、噴射された液体が向かう位置(本実施形態では、第1区間22)に、供給された粉体状の処理剤が次々に到達し、この位置で分散又は溶解が順次行われることで、処理剤が効率よく分散又は溶解される。
【0059】
溶解装置1では、液体が流路断面積の小さい第1区間22に向けて噴射されることで、エジェクター効果が高まるため、粉体状の処理剤は、流路2の他端21に吸い込まれて液体にさらに分散又は溶解する。しかも、液体が流路断面積の小さい第1区間22に向けて噴射されることで、流路断面積の大きい第2区間23に向けて噴射される場合よりも、処理剤と接触しやすい。これにより、処理剤とこの液体とがより混ざりやすくなり、液体に処理剤をさらに分散又は溶解させることができる。
【0060】
溶解装置1では、噴射された液体が第1区間22で交差することで、この交差する箇所よりも上部でエジェクター効果による負圧が生じやすい。これにより、供給部材11から処理剤が効率よく落下するため、液体に処理剤を効率的に分散又は溶解させることができる。
【0061】
しかも、溶解装置1では、一端20側と他端21側との間に位置する第1区間22の断面積が、第1区間22より一端20側に位置する第2区間23、及び、第1区間22より他端21側に位置する第3区間24の断面積より小さい。そのため、一端20から供給された処理剤が他端21側に吸い込まれやすい。これにより、処理剤と液体とが混ざりやすくなり、液体に処理剤をさらに分散又は溶解させることができる。
【0062】
溶解装置1では、液体供給部7が、液体を内周面3に沿って流す。これにより、処理剤の内周面3への付着を防ぐことができるため、汚れにくい溶解装置1を実現することができる。また、処理剤の内周面3への付着の進行に起因する流路2の閉塞も防ぐことができる。
【0063】
溶解装置1では、液体供給部7が、内周面3の周方向に液体を供給する。そのため、この液体は、内周面3の周方向に沿って移動すると共に重力により落下するため、全体として螺旋状に移動しつつ一端20から他端21に向かって流れることになる。これにより、内周面3の周方向における広い範囲への処理剤の付着を防ぐことができるため、汚れにくい溶解装置1を実現することができる。また、処理剤の内周面3への付着の進行に起因する流路2の閉塞も防ぐことができる。
【0064】
溶解装置1では、噴射部5が流路2内に突出していないため、噴射部5が粉体状の処理剤の流れを遮ることを抑制できる。
【0065】
溶解装置1では、噴射部5が、内周面3における周方向に間隔をあけた複数(本実施形態では四つ)の位置から、流路2内に液体を噴射する。これにより、液体が異なる方向から処理剤に噴射されるため、処理剤と液体とが混ざりやすくなり、液体に処理剤をさらに分散又は溶解させることができる。
【0066】
溶解装置1では、処理剤が溶け残っても、第1分散部材81に接触することで、この衝撃により粉砕される、又は、処理剤の移動方向が変化して流路2内で液体に分散又は溶解する。そのため、処理剤と液体とが混ざりやすくなり、液体に処理剤をさらに分散又は溶解させることができる。
【0067】
さらに、溶解装置1では、処理剤が溶け残っても、さらに、第2分散部材82に接触することで、この衝撃により粉砕される、又は、処理剤の移動方向が変化して流路2内で液体に分散又は溶解する。そのため、処理剤と液体とがさらに混ざりやすく、液体に処理剤をさらに分散又は溶解させることができる。
【0068】
かかる構成の溶解装置1を備える処理装置100は、溶解装置1と、流路2の一端20に向けて粉状の処理剤を供給する供給部材11と、流路2の他端21から処理剤を分散又は溶解させた液体が供給される循環系統10とを備える。そのため、内周面3に囲まれた空間(流路2)内において、該空間に供給されている粉体状の処理剤に、液体が勢いよく噴射されることで、粉体状の処理剤がこの液体に十分に分散又は溶解する。しかも、噴射される液体が、流路2の一端20から他端21への速度成分を有することで、粉体状の処理剤が分散又は溶解した液体が他端21から押し出されるため、上述したように、処理剤が効率よく分散又は溶解される。
【0069】
噴射部5における四つの噴射位置は、周方向に等間隔をあけて設けられると共に、流路2の中心軸α方向において、四つの噴射孔のそれぞれは、流路2の他端21と等しい距離だけ離れて設けられている。また、噴射部5による液体の噴射方向βと、流路2の中心軸αとの間の角度は、四つの噴射位置いずれについても等しい。これにより、粉体状の処理剤に液体が噴射される勢いや噴射される量がそれぞれ等しくなるため、処理剤を偏りなく分散又は溶解させることができる。
【0070】
以下、第2実施形態にかかる処理剤溶解装置について、
図4を用いて説明する。第2実施形態の構成のうち第1実施形態と同じ構成については、同一の符号を付す。
【0071】
溶解装置1001は、流路1002を画定する内周面1003を有する本体1004と、噴射部1005と、液体供給部7と、分散部8と、を備える。本体1004は、液体に処理剤が分散又は溶解する分散又は溶解部1040と、供給部材11と分散又は溶解部1040とを連結する連結部1041とを有する。
【0072】
流路1002は、第1区間1024、第1区間1024よりも一端1020側に位置する第2区間1025、及び、第1区間1024よりも他端1023側に位置する第3区間1026を有する。流路1002において、第1区間1024の流路断面積が最も小さい。
【0073】
本実施形態の噴射部1005は、流路1002の中心軸αを通る一つの位置(一つの貫通孔)から、流路1002内の一端1020から他端1023に向かう方向に、液体を噴射する。即ち、本実施形態の噴射部1005による液体の噴射方向は、粉体状の処理剤の流れる方向と同じである。また、本実施形態の貫通孔は、流路1002の中心軸α付近に位置している。
【0074】
本実施形態の噴射部1005は、一つの噴射孔と連通し且つ断面が円状の第1部位1050と、第1部位1050と連通し且つ断面が円状の第2部位1051と、第2部位1051と連通し且つ循環系統10と接続されて液体を供給する第3部位1052と、を有する。本実施形態の第1部位1050及び第2部位1051は、流路1002内に設けられている。
【0075】
第3部位1052は、円筒状である。第3部位1052は、第1領域1520と、第1領域1520と接続され本体1004を構成する筒部分の外部に突出した第2領域1521とを含む。本実施形態では、第1領域1520は、本体1004(本実施形態では、連結部1041)と一体的に形成されている。また、第1領域1520は、第2部位1051を囲む第2筒部1053と接続されている。なお、第2筒部1053には、第1部位1050を囲む第1筒部1054が接続されている。
【0076】
第2領域1521を流通する液体は、第1領域1520を通った後、第1部位1050を通って、流路1002内に噴射される。
【0077】
第1筒部1054の内径、及び、流路1002における第1区間1024の流路断面積は、エジェクター効果が有効に機能するように設定される。
【0078】
かかる構成の溶解装置1001においても、内周面1003に囲まれた空間(流路1002)内において、該空間に供給されている粉体状の処理剤に、液体が勢いよく噴射されることで、粉体状の処理剤がこの液体に十分に分散又は溶解する。しかも、噴射される液体が、流路1002の一端1020から他端1023への速度成分を有することで、粉体状の処理剤が分散又は溶解した液体が他端1023から押し出される。そのため、液体が噴射される位置に、供給された粉体状の処理剤が次々に到達し、この位置で分散又は溶解が順次行われることで、処理剤が効率よく分散又は溶解される。
【0079】
第2筒部1053における流路1002の流通方向と反対方向(
図4における上方向)に位置する面1055は、該方向に凸であって、滑らかな形状である。そのため、一端1020から供給される粉体状の処理剤が、第2筒部1053の面1055に載ったとしても、滑り落ちやすい。これにより、噴射部1005が、粉体状の処理剤の流れを遮ることを抑えることができる。
【0080】
なお、本発明にかかる溶解装置1は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0081】
上記実施形態では、流路2において、第1区間22よりも他端21側に位置する第3区間24の流路断面積が、第1区間22の流路断面積よりも大きかったが、第3区間24の流路断面積が、第1区間22の流路断面積よりも小さくてもよいし、第1区間22の流路断面積と等しくてもよい。この場合であっても、噴射部5から噴射された液体によるエジェクター効果により負圧が生じるため、この処理剤は、流路2の他端21側に吸い込まれ、液体と混ざる。そのため、液体に処理剤を十分に分散又は溶解させることができる。
【0082】
また、この場合、第1区間22よりも一端20側に位置する第2区間23の流路断面積が、第1区間22の流路断面積よりも大きく、且つ、噴射部5が液体を流路断面積の小さい第1区間22に噴射していれば、液体を流路断面積の大きい第2区間23に噴射する場合よりも、処理剤と接触しやすい。これにより、処理剤とこの液体とがより混ざりやすくなり、液体に処理剤をより十分に分散又は溶解させることができる。
【0083】
さらに、流路2の流路断面積が流路2の中心軸α方向の各位置において均一、即ち、流路2が円柱状の流路であったとしても、内周面3に囲まれた空間(流路2)内において、該空間に供給されている粉体状の処理剤に、液体が勢いよく噴射されることで、粉体状の処理剤がこの液体に十分に分散又は溶解する。
【0084】
上記実施形態では、流路2の断面は、円状であったが、楕円状、多角形状等その他の形状であってもよい。断面が楕円状や多角形状である場合、流路の中心軸は、断面の重心を通る軸とする。
【0085】
上記実施形態では、流路2が直線状であったが、一部が曲線状であってもよいし、全体的に曲線状であってもよい。この場合であっても、流路2が直線状でなくても、内周面3に囲まれた空間(流路2)内において、該空間に供給されている粉体状の処理剤に、液体が勢いよく噴射されることで、粉体状の処理剤がこの液体に十分に分散又は溶解する。
【0086】
なお、第2実施形態のように、流路1002の内側に噴射部1005が存在する場合は、流路1002の形状に対応させて、噴射部1005を囲む第1筒部1054及び第2筒部1053を曲げてもよい。即ち、流路1002の曲がった部分に配置される噴射部1005を囲む筒部を、部分的、又は、全体的に曲げてもよく、この場合であっても、粉体状の処理剤に、液体が勢いよく噴射されることで、粉体状の処理剤がこの液体に十分に分散又は溶解する。
【0087】
上記実施形態では、本体4における溶解部40と連結部41とが一体的に形成されているため、液体供給部7を流路2の他端21に近づけて配置することにより、溶解装置の小型化を図ることができる。しかしながら、これに限らず、本体4がそれぞれ個別に形成された溶解部と連結部とを有していてもよい。なお、液体供給部7は、流路2を区画する内周面3が、流路2の中心軸αに対して傾斜している部分に配置されてもよい。
【0088】
上記実施形態では、噴射部5において、複数の噴射孔は、周方向に等間隔をあけて設けられているが、異なる間隔をあけて設けられていてもよい。また、第1領域510それぞれの流路断面積は等しく、第2領域520それぞれの流路断面積は等しいため、四つの噴射位置から噴射される液体の量は等しかったが、第1領域510の流路断面積や第2領域520の流路断面積をばらつかせることにより、四つの噴射位置から噴射される液体の量をばらつかせてもよい。
【0089】
上記実施形態では、第1実施形態において噴射孔が内周面3に位置し、第2実施形態において噴射孔が流路1002の中心軸α付近に位置していたが、噴射孔が内周面及び流路の中心軸付近の両方に位置していてもよい。
【0090】
上記実施形態では、流路2の中心軸α方向において、四つの噴射孔のそれぞれは、流路2の他端21と等しい距離だけ離れて設けられている。しかしながら、噴射部5において、この距離は均一でなくてもよい。この場合、噴射部が、噴射部による液体の噴射方向βと流路2の中心軸αとの間の角度を四つの噴射孔において異なるように設計されることで、複数の噴射孔について、液体の噴射方向の交差位置を一点にすることができる。
【0091】
上記実施形態では、一端20から供給された粉体状の処理剤は、流路2内を水平方向に移動せず一端20から他端21に向かう方向に直線的に移動していたが、粉体状の処理剤は、流路2内を周方向に回転しつつ(渦を巻くように移動しつつ)一端20から他端21に向かう方向に移動してもよい。
【0092】
上記実施形態では、液体供給部7に、循環系統10から液体が供給されているが、液体供給部7に循環系統10とは異なる場所(例えば、外部)から液体が供給されていてもよい。この場合、液体供給部7に、処理剤が混ざっておらず、且つ、処理剤を分散又は溶解可能な液体、例えば、水を供給してもよい。このように、液体供給部7から内周面3に水を流せば、予め処理剤が混ざった液体を流すよりも、内周面3に付着した処理剤をより分散又は溶解させやすく、処理剤の内周面3への付着をさらに防ぐことができる。また、上記実施形態では、液体供給部7は流路2の中心軸αに対して偏心した位置に配されていたが、これに限らず、中心軸α上に位置するように配されてもよい。
【0093】
上記実施形態では、第1分散部材81及び第2分散部材82が別部材であったが、これらが一体的に形成されていてもよい。この場合、第1分散部材及び第2分散部材の組み立て時に、第1分散部材及び第2分散部材に設けられる開口の位置合わせを行わずに、溶解装置を組み立てることができるため、この組み立てが容易である。
【0094】
上記実施形態では、分散部8が、第1分散部材81及び第2分散部材82という二つの分散部材を有していたが、一つの分散部材を有してもよいし、三つ以上の複数の分散部材を有してもよい。この場合であっても、流路内で湿気により固まった処理剤が、分散部材に接触して粉砕されるため、処理剤と液体とが混ざりやすくなり、液体に処理剤をさらに分散又は溶解させることができる。
【0095】
上記実施形態では、開口810,820のそれぞれは、第1分散部材81及び第2分散部材82の厚み方向から視ると円形状であったが、これに限らず、楕円状や多角形状であってもよい。また、第1分散部材及び第2分散部材において、互いに重ならない位置にスリットが設けられてもよい。さらに、分散部8が、第1分散部材及び第2分散部材を配置した状態で、互いに網目部分が重なることが無いネット状の第1分散部材及び第2分散部材を有してもよい。このような場合であっても、流路内で湿気により固まった処理剤が、分散部材に接触して粉砕されるため、処理剤と液体とが混ざりやすくなり、液体に処理剤をさらに分散又は溶解させることができる。
【0096】
上記実施形態では、溶解装置1は液体供給部7、分散部8を備えていたが、これらの一部及び全部を備えていなくてもよい。この場合であっても、内周面3に囲まれた空間(流路2)内において、該空間に供給されている粉体状の処理剤に、液体が勢いよく噴射されることで、粉体状の処理剤がこの液体に十分に分散又は溶解する。
【0097】
また、溶解装置1の本体4、液体供給部7、及び分散部8は一体的に形成されていても、少なくとも一部が別体で形成されていてもよい。
【0098】
上記実施形態では、溶解装置1が、移送管104〜108を介して循環系統10に接続されていたが、溶解装置1が循環系統10に直接接続されていてもよい。この場合、移送管104〜108が必要無いため、処理装置100の小型化を図ることができる。