特許第6843183号(P6843183)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6843183制御装置、制御方法、プログラム、及びゲームシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6843183
(24)【登録日】2021年2月25日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法、プログラム、及びゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/79 20140101AFI20210308BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20210308BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20210308BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20210308BHJP
【FI】
   A63F13/79 500
   A63F13/53
   A63F13/69
   A63F13/30
【請求項の数】12
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-109880(P2019-109880)
(22)【出願日】2019年6月12日
(62)【分割の表示】特願2017-157236(P2017-157236)の分割
【原出願日】2013年8月21日
(65)【公開番号】特開2019-171122(P2019-171122A)
(43)【公開日】2019年10月10日
【審査請求日】2019年6月12日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成25年6月30日、ウェブサイト(http://tpirate.gree−apps.net/?mode=event&act=completion_top)に掲載
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成25年6月30日、ウェブサイト(http://tpirate.gree−apps.net/?mode=event&act=raid_instructions_play)に掲載
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成25年6月30日、ウェブサイト(http://tpirate.gree−apps.net/?mode=event&act=raid_fight_appeared)に掲載
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成25年6月30日、ウェブサイト(http://tpirate.gree−apps.net/?mode=event&act=raid_fight_end)に掲載
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成25年6月30日、ウェブサイト(http://tpirate.gree−apps.net/?mode=event&act=raid_instructions_information)に掲載
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100196829
【弁理士】
【氏名又は名称】中澤 言一
(72)【発明者】
【氏名】養田 直倫
【審査官】 東 芳隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−227459(JP,A)
【文献】 特開2009−193217(JP,A)
【文献】 特開2002−263369(JP,A)
【文献】 特開2006−026237(JP,A)
【文献】 特開2013−150646(JP,A)
【文献】 MJ4攻略大全 セガネットワーク対戦麻雀MJ4,株式会社ホビージャパン,2008年12月12日,第1版第2刷,pp.10,16,105
【文献】 「PS Vita「箱! -OPEN ME-」発売記念イベント」,GAME Watch [online],2012年12月19日,[2020年6月24日検索],URL,https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/579490.html
【文献】 グランツーリスモ 公式ガイドブック for PSP,株式会社エンターブレイン,2010年 1月 4日,第1版,pp.16-17
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00−13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレイヤが参加可能なゲームに関連する情報を記憶する情報記憶部と、前記ゲームに関する演算を実行し、且つ、前記ゲームの画像をプレイヤが操作する端末装置に表示させる制御部と、を備える制御装置における制御方法であって、
前記情報記憶部に、前記複数のプレイヤが所属する複数のグループを特定する情報、及び、前記複数のグループに各々対応する複数の報酬ボックスに係る情報を記憶させ、
前記制御部により、
前記複数の報酬ボックスのうちの少なくとも1つに報酬を割り当て、
前記複数の報酬ボックスと、当該報酬ボックスに割り当てられている報酬の内容とを表示する第1画面を前記端末装置に表示させ、
前記複数のプレイヤの内の一のプレイヤがゲームの進行に関する所定条件を満たした場合、前記一のプレイヤが所属するグループに対応する報酬ボックスに割り当てられている報酬を前記一のプレイヤに提供し、
過去に報酬が提供されたプレイヤに関する情報と、前記過去に提供された報酬に関する情報と、前記過去に提供された報酬が割り当てられていた報酬ボックスに関する情報とを含む履歴情報を、前記端末装置に表示させる、
ことを含み、
前記過去に報酬が提供されたプレイヤには、前記一のプレイヤが所属するグループ以外のグループに所属するプレイヤが含まれる、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項2】
前記制御部により、前記一のプレイヤに前記割り当てられている報酬が提供された場合、前記一のプレイヤに提供された報酬の内容を、前記履歴情報とは異なる態様で示す第2画面を前記端末装置に表示させる、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記制御部により、前記第1画面において、前記端末装置を操作するプレイヤが所属するグループに対応する報酬ボックスを他の報酬ボックスとは異なる態様で表示させる、
請求項1又は2に記載の制御方法。
【請求項4】
前記制御部により、前記一のプレイヤに前記割り当てられている報酬が提供された場合、当該報酬の報酬ボックスに対する割り当てを解除する、
請求項1−3の何れか一項に記載の制御方法。
【請求項5】
前記制御部により、前記第1画面において、報酬が割り当てられていない報酬ボックスを他の報酬ボックスと異なる態様で表示させる、
請求項1−4の何れか一項に記載の制御方法。
【請求項6】
前記制御部により、前記第1画面において、割り当てられている報酬に関する所定条件が満たされている報酬ボックスに対応付けて、当該報酬ボックスに割り当てられている報酬の全部の提供が受けられることを示す情報を表示させる、
請求項1−5の何れか一項に記載の制御方法。
【請求項7】
前記ゲームの進行に関する所定条件は、前記プレイヤが所属するグループに応じて異なる、
請求項1−6の何れか一項に記載の制御方法。
【請求項8】
前記履歴情報の表示において、前記制御部により、
前記履歴情報を前記第1画面に含め、
前記履歴情報を含む前記第1画面を前記端末装置に表示させる、
請求項1−7の何れか一項に記載の制御方法。
【請求項9】
前記ゲームは、少なくとも一のイベントを含み、
前記制御部により、前記イベントが開始される前に、前記第1画面を前記端末装置に表示させ、
前記所定条件は、前記イベントの進行に関する所定条件である、
請求項1−の何れか一項に記載の制御方法。
【請求項10】
複数のプレイヤが参加可能なゲームに関連する情報を記憶する情報記憶部を備え、前記ゲームに関する演算を実行し、且つ、前記ゲームの画像をプレイヤが操作する端末装置に表示させるコンピュータに、
前記情報記憶部に、前記複数のプレイヤが所属する複数のグループを特定する情報、及び、前記複数のグループに各々対応する複数の報酬ボックスに係る情報を記憶させ、
前記複数の報酬ボックスのうちの少なくとも1つに報酬を割り当て、
前記複数の報酬ボックスと、当該報酬ボックスに割り当てられている報酬の内容とを表示する第1画面を前記端末装置に表示させ、
前記複数のプレイヤの内の一のプレイヤがゲームの進行に関する所定条件を満たした場合、前記一のプレイヤが所属するグループに対応する報酬ボックスに割り当てられている報酬を前記一のプレイヤに提供し、
過去に報酬が提供されたプレイヤに関する情報と、前記過去に提供された報酬に関する情報と、前記過去に提供された報酬が割り当てられていた報酬ボックスに関する情報とを含む履歴情報を、前記端末装置に表示させる、
ことを実行させ、
前記過去に報酬が提供されたプレイヤには、前記一のプレイヤが所属するグループ以外のグループに所属するプレイヤが含まれる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項11】
複数のプレイヤが参加可能なゲームに関連する情報を記憶する情報記憶部と、
前記ゲームに関する演算を実行し、且つ、前記ゲームの画像をプレイヤが操作する端末装置に表示させる制御部と、を備え、
前記情報記憶部は、前記複数のプレイヤが所属する複数のグループを特定する情報、及び、前記複数のグループに各々対応する複数の報酬ボックスに係る情報を記憶し、
前記制御部は、
前記複数の報酬ボックスのうちの少なくとも1つに報酬を割り当て、
前記複数の報酬ボックスと、当該報酬ボックスに割り当てられている報酬の内容とを表示する第1画面を前記端末装置に表示させ、
前記複数のプレイヤの内の一のプレイヤがゲームの進行に関する所定条件を満たした場合、前記一のプレイヤが所属するグループに対応する報酬ボックスに割り当てられている報酬を前記一のプレイヤに提供し、
過去に報酬が提供されたプレイヤに関する情報と、前記過去に提供された報酬に関する情報と、前記過去に提供された報酬が割り当てられていた報酬ボックスに関する情報とを含む履歴情報を、前記端末装置に表示させる、
ことを実行し、
前記過去に報酬が提供されたプレイヤには、前記一のプレイヤが所属するグループ以外のグループに所属するプレイヤが含まれる、
ことを特徴とする制御装置。
【請求項12】
複数のプレイヤが参加可能なゲームに関連する情報を記憶する情報記憶部と、
前記ゲームに関する演算を実行し、且つ、前記ゲームの画像をプレイヤが操作する端末装置に表示させる制御部と、を備え、
前記情報記憶部は、前記複数のプレイヤが所属する複数のグループを特定する情報、及び、前記複数のグループに各々対応する複数の報酬ボックスに係る情報を記憶し、
前記制御部は、
前記複数の報酬ボックスのうちの少なくとも1つに報酬を割り当て、
前記複数の報酬ボックスと、当該報酬ボックスに割り当てられている報酬の内容とを表示する第1画面を前記端末装置に表示させ、
前記複数のプレイヤの内の一のプレイヤがゲームの進行に関する所定条件を満たした場合、前記一のプレイヤが所属するグループに対応する報酬ボックスに割り当てられている報酬を前記一のプレイヤに提供し、
過去に報酬が提供されたプレイヤに関する情報と、前記過去に提供された報酬に関する情報と、前記過去に提供された報酬が割り当てられていた報酬ボックスに関する情報とを含む履歴情報を、前記端末装置に表示させる、
ことを実行する、
制御装置と、
前記端末装置と、
を含み、
前記過去に報酬が提供されたプレイヤには、前記一のプレイヤが所属するグループ以外のグループに所属するプレイヤが含まれる、
ことを特徴とするゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、制御方法、プログラム、及びゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信ネットワークを介してサーバ装置からプレイヤが操作する携帯端末に提供されるゲームが好評を博しており、多くのゲームタイトルが複数のプラットフォームを利用してリリースされている。これらのゲームの種類やカテゴリは多岐に亘っており、それらのなかでも特に、複数のプレイヤが同一のゲームに参加することを可能にしたいわゆるソーシャルゲームが流行している。
【0003】
かかるソーシャルゲームは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下「SNS」という)と呼ばれるコミュニティ型のネットワークサービスを利用したものであり、プレイヤ(ゲームユーザ)は、例えば、SNS事業者が提供するプラットフォームにログインやサインイン等し、必要に応じて特定のゲームやサービスに予め登録することにより、そこに用意されている種々のソーシャルゲームをプレイすることができる。
【0004】
かかるSNSの特性を生かしたソーシャルゲームを行うためのシステム(ソーシャルゲームシステム)としては、例えば、複数のプレイヤが操作するキャラクタ(プレイヤキャラクタ)が一又は複数の敵キャラクタに対して攻撃を行うバトル(戦闘)等の対戦イベントが繰り広げられるものが知られている。この場合、各プレイヤは、特定のグループの構成員となり、敵キャラクタを倒すことにより、プレイヤ個々、及び、それらのプレイヤが属するグループに、ゲームで使用可能なポイントやアイテム等の種々の報酬が付与され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−66524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、かかる従来のソーシャルゲームでは、例えば敵キャラクタを倒したときに付与される、ゲームで使用可能なポイントやアイテム等の量がある程度定まっているため、他のプレイヤとの関係において、逆転要素が少なく、意外性、演出性、及び趣向性に欠けると言わざるを得ず、プレイヤが、そのゲームへ参加又はそのゲームを継続する意欲やゲーム全体の面白味や醍醐味を減退させてしまう一因になるおそれがあった。
【0007】
そこで、本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、プレイヤに対して、報酬としてのメダル、ゲームアイテム等を提供する際に、意外性、演出性、及び趣向性を付加又は向上させることができ、これにより、プレイヤによるゲームへの参加意識や継続意欲を高めることが可能なソーシャルゲームを提供する制御装置、制御方法、プログラム、及びゲームシステムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明による制御方法は、複数のプレイヤが参加可能なゲームに関連する情報を記憶する情報記憶部と、ゲームに関する演算を実行し、且つ、ゲームの画像をプレイヤが操作する端末装置に表示させる制御部とを備えるサーバ装置の制御方法であって、以下の処理を実行する。
【0009】
まず、情報記憶部に、ゲームに関連する情報の一部として、複数のプレイヤが所属する複数のグループを特定する情報、報酬、及び、複数のグループに各々対応する複数の報酬ボックスに係る報酬ボックスの情報を記憶させる。
【0010】
さらに、制御部により、少なくとも1つの報酬ボックスに対して報酬のうち少なくとも1つの報酬を割り当て、前記報酬の全部の提供が受けられることを示す画面を前記端末装置に表示させ、報酬の提供条件を満たすか否かを判定した結果に基づいて、前記複数の報酬ボックスのうち1つの報酬ボックスに割り当てられた前記報酬の全部を該報酬ボックスに対応付けられたグループのプレイヤのうち、1のプレイヤに提供する画面を前記端末装置に表示させる。
【0011】
ここで、「プレイヤ」とは、端末装置を操作するユーザであり、いわゆるクライアント−サーバシステムのクライアントにも該当する概念であって、サーバ装置のユーザ(サーバ管理者等)と区別する観点からも、これを「プレイヤ」と表記する。また、プレイヤは、一般に、自身に代えて、仮想的なゲーム空間において活動、行動、思考等するいわゆるプレイヤキャラクタやそれに関連付けられた適宜のゲーム媒体(以下、合せてプレイヤキャラクタという)を通して、ゲームに参加し得る。よって、本開示において「プレイヤ」という場合、厳密にはプレイヤキャラクタを主位的に示すことがあるが、以下では単に「プレイヤ」と表記することもある。
【0012】
プレイヤは、このように構成されたサーバ装置に通信回線を介して端末装置を接続し、オンライン又はオフラインで、所定のグループ間イベントを含むゲームに参加することができる。このとき、プレイヤは、自己の意思により、或いは、他のプレイヤからの誘いや紹介等の任意の契機により、ゲーム内でグループを新たに作成や結成したり、既存のグループに所属したりすることができる。これにより、プレイヤは、自分が所属するグループの一員として、グループ間イベントに参加し得る。そのゲームは、サーバ装置に備わる制御部が、情報記憶部に記憶されたゲームに関連する情報にアクセスし、その情報を用いてゲームに関する種々の演算を実行し、且つ、演算結果としてのゲームの画像を端末装置にゲーム画面として表示させながら、ゲームの設定に沿って進行させることができる。
【0013】
また、「グループ」としては、例えば、一般的な称呼として、種々の趣向を凝らした「ギルド」、「パーティ」、「チーム」、「コミュニティ」といった複数の構成員(メンバ)を有する仮想的な集合体等が挙げられる。このような「グループ」は、ゲームのある一定期間に開催されるイベント毎に作成・結成されてもよいし、或いは、複数のゲームイベントを横断するような共通グループや共用グループとして作成・結成されてもよい。また、このような「グループ」は、ゲームタイトル毎に作成・結成されてもよいし、或いは、複数のゲームタイトルを横断するような共通グループや共用グループとして、例えばプラットフォーム毎に作成・結成されてもよい。本開示においては、「メダルの総取りイベント」を主たるグループ間イベントとして説明するが、そのようなタイプのイベントに加えて、ソーシャルゲームの一部として実行されるグループ間の交流イベントといった異なる種類のイベントが含まれていても構わない。
【0014】
またさらに、「報酬」とは、グループ間イベントにおいて、各プレイヤ又はそのプレイヤが所属するグループが、他のグループに所属する相手プレイヤに対して、ゲームを進める上で相対的に優位に立てるような効果を生じせしめるもの、或いは、それを所有することにより、価値や価値観が高められるものを示し、その種類は特に制限されず、例えば、プレイヤの攻撃力を増大させる各種アイテム(ポイント等のパラメータの数値を含む)、プレイヤの体力やダメージを回復させる各種アイテム、相手プレイヤや第1のゲームキャラクタ及び/又は第2のゲームキャラクタのダメージを増大させる各種アイテム、そのようにダメージ等の相対的な優劣や大小を発現させること自体、或いは、稀少度等それ自体に価値や特性が設定されている各種アイテム等を含む。さらには、上記で説明したような各種アイテム等をゲーム内において購入又は交換可能なメダルを含む。本開示においては、「メダル」を主たる報酬として説明する。
【0015】
また、本発明によるプログラムは、複数のプレイヤが参加可能なゲームに関連する情報を記憶し、且つ、ゲームに関連する情報の一部として、複数のプレイヤが所属する複数のグループを特定する情報、報酬、及び、複数のグループに各々対応する複数の報酬ボックスに係る報酬ボックスの情報を記憶する情報記憶部にアクセス可能なコンピュータに、以下のステップを実行させるものである。
【0016】
すなわち、ゲームに関する演算を実行し、且つ、ゲームの画像をプレイヤが操作する端末装置に表示させるステップと、少なくとも1つの報酬ボックスに対して報酬のうち少なくとも1つの報酬を割り当て、前記報酬の全部の提供が受けられることを示す画面を前記端末装置に表示させ、報酬の提供条件を満たすか否かを判定するステップと、前記判定するステップにおける判定の結果に基づいて、前記複数の報酬ボックスのうち1つの報酬ボックスに割り当てられた前記報酬の全部を該報酬ボックスに対応付けられたグループのプレイヤのうち、1のプレイヤに提供する画面を前記端末装置に表示させるステップと、を実行させる。
【0017】
さらに、本発明による制御装置は、複数のプレイヤが参加可能なゲームに関連する情報を記憶する情報記憶部と、ゲームに関する演算を実行し、且つ、ゲームの画像をプレイヤが操作する端末装置に表示させる制御部と、を備える。
【0018】
そして、情報記憶部は、ゲームに関連する情報の一部として、複数のプレイヤが所属する複数のグループを特定する情報、報酬、及び、複数のグループに各々対応する複数の報酬ボックスに係る情報を有している。
【0019】
また、制御部は、少なくとも1つの報酬ボックスに対して報酬のうち少なくとも1つの報酬を割り当て、前記報酬の全部の提供が受けられることを示す画面を前記端末装置に表示させ、報酬の提供条件を満たすか否かを判定した結果に基づいて、前記複数の報酬ボックスのうち1つの報酬ボックスに割り当てられた前記報酬の全部を該報酬ボックスに対応付けられたグループのプレイヤのうち、1のプレイヤに提供する画面を前記端末装置に表示させる。
【0020】
またさらに、本発明によるゲームシステムは、複数のプレイヤが参加可能なゲームに関連する情報を記憶する情報記憶部と、ゲームに関する演算を実行し、且つ、ゲームの画像をプレイヤが操作する端末装置に表示させる制御部と、を備える制御装置、及び、端末装置を備える。
【0021】
そして、本発明による制御装置と同様に、情報記憶部が、ゲームに関連する情報の一部として、前記複数のプレイヤが所属する複数のグループを特定する情報、報酬、及び、前記複数のグループに各々対応する複数の報酬ボックスに係る情報を有している。
【0022】
また、制御部は、少なくとも1つの報酬ボックスに対して報酬のうち少なくとも1つの報酬を割り当て、前記報酬の全部の提供が受けられることを示す画面を前記端末装置に表示させ、報酬の提供条件を満たすか否かを判定した結果に基づいて、前記複数の報酬ボックスのうち1つの報酬ボックスに割り当てられた前記報酬の全部を該報酬ボックスに対応付けられたグループのプレイヤのうち、1のプレイヤに提供する画面を前記端末装置に表示させる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、プレイヤに対して、報酬としてのゲームアイテム等を提供する際に、意外性、演出性、及び趣向性を付加又は向上させることができ、これにより、プレイヤによるゲームへの参加意識や継続意欲を高めることが可能なソーシャルゲームを提供する制御装置、制御方法、プログラム、及びゲームシステムを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1の実施形態におけるサーバ装置に係る好適な一実施形態を示す概略構成図(システムブロック図)である。
図2】本発明の第1の実施形態におけるゲームシステムの好適な一実施形態を示す概略構成図(システム構成図)である。
図3】本発明の第1の実施形態におけるサーバ装置において実施されるゲームの手順の一部を示すフロー図である。
図4】本発明の第1の実施形態におけるゲーム画面の構成例を示す模式図である。
図5】本発明の第1の実施形態におけるゲーム画面の構成例を示す模式図である。
図6】本発明の第1の実施形態におけるグループ、宝箱及び敵キャラクタのグルーピングの概念図である。
図7】本発明の第1の実施形態における報酬の提供のフローを示した概念図である。
図8】本発明の第1の実施形態におけるゲーム画面の構成例を示す模式図である。
図9】本発明の第1の実施形態におけるゲーム画面の構成例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[第1の実施形態]
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。
また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施の形態を採用することが可能であり、かかる実施の形態も本発明の範囲に含まれる。またさらに、必要に応じて示す上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図示の表示に基づくものとする。さらにまた、図面における各種の寸法比率は、その図示の比率に限定されるものではない。また、以下においては、理解を容易にするべく、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施の形態を例にとって説明するが、上述の如く、本発明はそれに限定されない。
【0026】
図1は、本発明によるサーバ装置の好適な一実施形態を示す概略構成図(システムブロック図)である。また、図2は、本発明によるゲームシステムの好適な一実施形態を示す概略構成図(システム構成図)である。これらの図に示す如く、サーバ装置100は、ネットワーク200に接続されたサーバ用コンピュータであり、そのサーバ用コンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を発現するものである。また、そのサーバ装置100と、同じくネットワーク200に有線接続及び/又は無線接続されたクライアントコンピュータ21や携帯端末22といった端末装置2とが、互いに通信可能に設定されることにより、ゲームシステム1が構成される。
【0027】
なお、ネットワーク200は、例えばインターネット等を含む情報処理に係る通信回線又は通信網であり、その具体的な構成は、サーバ装置100及び端末装置2間でデータの送受信が可能なように構成されていれば特に制限されず、例えば、端末装置2に無線接続される基地局、その基地局に接続された移動体通信網、サーバ装置に接続されたインターネット、移動体通信網とインターネットを接続するゲートウェイ装置を備えるものが挙げられる。
【0028】
サーバ装置100は、CPUやMPUといった演算処理部101、記憶装置としてのROM102及びRAM103、入力部105及び外部メモリ106が接続された外部インターフェース104、ディスプレイモニタ111が接続された画像処理部107、ディスク又はメモリデバイス等が収容又は接続されるスロットドライブ108、スピーカ装置112が接続された音声処理部109、並びに、ネットワークインターフェース110が、例えば、内部バス、外部バス、及び拡張バスを含むシステムバスといった伝送路120を介して互いに接続されたものである。なお、入力部105、外部メモリ106、ディスプレイモニタ111、スピーカ装置112等の入出力を担うデバイス装置は、必要に応じて適宜省略してもよいし、それらを備える場合であっても、それらは伝送路120に常時接続されていなくてもよい。
【0029】
演算処理部101は、サーバ装置100全体の動作を制御し、上述した他の構成要素との間で制御信号及び情報信号(データ)の送受信を行うとともに、ゲームの実行に必要な各種の演算処理を行う。そのため、演算処理部101は、いわゆるレジスタ等の高速アクセス可能な記憶領域に対して、数値演算ユニット等を用いた加減乗除等の算術演算、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算等、更に必要に応じて、飽和演算、三角関数演算、ベクトル演算等を行うことが可能なように構成されている。
【0030】
また、ROM102には、一般に、電源投入後、最初に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録されており、これが実行されることにより、スロットドライブ108に収容又は接続されるディスクやメモリデバイスに記録されたサーバ用プログラムやゲームプログラムが、演算処理部101によって一旦RAM103に読み出され、そのプログラムが演算処理部101によって実行される。さらに、ROM102には、サーバ装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムやその他の各種データが記録されている。
【0031】
さらに、RAM103は、サーバ用プログラム、ゲームプログラム、及び、各種データを一時的に記憶するためのものであり、上記の如く、読み出されたサーバ用プログラムやゲームプログラム、その他ゲームの進行や複数の端末装置2間の通信に必要なデータ等がRAM103に保持される。さらに、演算処理部101は、RAM103に変数領域を設定し、その変数領域に格納された値に対しても数値演算ユニットを用いた直接演算を行ったり、或いは、RAM103に格納された値をレジスタに一旦複製又は移設格納してそのレジスタに対しても直接演算を行ったり、さらには、それらの演算結果をRAM103に書き戻したりといった処理を行う。
【0032】
また、外部インターフェース104を介して接続された入力部105は、サーバ装置100のユーザ(ゲームの提供者)が行う各種の操作入力を受け付けるものであり、入力部105としては、キーボード、タッチパッド、タッチパネルの他、例えば、音声入力装置を採用することができ、種々の操作入力、決定操作、取消操作、メニュー表示等の指示入力を行うことが可能であれば、デバイスの種類は特に制限されない。
【0033】
さらに、RAM103や、外部インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、サーバ装置100の作動状況、各端末装置2のアクセス状況、各端末装置2におけるゲームのプレイ状況や進行状態(過去の成績等)を示すデータ、端末装置2間の通信のログ(記録)のデータ等が書き換え可能に記憶される。
【0034】
また、画像処理部107は、スロットドライブ108から読み出された各種データを、演算処理部101により、又は、画像処理部107自体により加工処理した後、その処理後の画像情報をフレームメモリ等に記録する。このフレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され、画像処理部107に接続されるディスプレイモニタ111へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。また、ゲームに関する画像情報は、演算処理部101との協働処理等によって、画像処理部107及び/又は演算処理部101から各端末装置2へ送出される。
【0035】
またさらに、音声処理部109は、スロットドライブ108から読み出された各種データを音声信号に変換し、音声処理部109に接続されたスピーカ装置112から出力する。また、ゲームに関する音声情報(効果音や楽曲情報)は、演算処理部101との協働処理等によって、音声処理部109及び/又は演算処理部101から各端末装置2へ送出される。
【0036】
さらにまた、ネットワークインターフェース110は、サーバ装置100をネットワーク200へ接続するためのものであり、例えば、LANの構築に使用される諸規格に準拠するもの、アナログモデム、ISDNモデム、ADSLモデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネット等に接続するためのケーブルモデム等、及び、これらを、伝送路120を介して演算処理部101と接続するためのインターフェースとから構成される。
【0037】
このように構成されたゲームシステム1及びサーバ装置100において、本発明によるゲーム用のプログラムに従って実施されるゲーム(ソーシャルゲーム)の好適な一実施形態について、以下に説明する。
【0038】
図3は、本発明の第1の実施形態におけるサーバ装置において実施されるゲームの手順の一部を示すフロー図である。特に、プレイヤが操作する端末装置2に表示されるゲーム画面の展開の流れに着目したフローである。
【0039】
なお、以下の手順における各種処理(画像や画面の表示、判定、演算等)は、サーバ装置100の演算処理部101による制御指令に基づいて実行される。すなわち、演算処理部101が、本発明における「制御部」として機能する。また、上述したROM102及びRAM103、並びに、外部メモリ106に加え、ゲームに関する情報が記録された各種記憶媒体が、本発明における「情報記憶部」に相当する。
【0040】
ここでは、まず、プレイヤがゲームを開始する場合、プレイヤが端末装置2(クライアントコンピュータ21や携帯端末22;タブレット端末やスマートフォン等)を操作し、インターネット等のネットワーク200を介して、その端末装置2をサーバ装置100に接続する。さらに、端末装置2の操作により、プレイヤがサーバ装置100から提供されるゲームを選択し、或いは、ゲームを選択する前のプラットホーム画面にて、ID番号や暗証番号等のログイン情報を入力する。サーバ装置100の演算処理部101が、そのログイン情報を認識すると、ID番号に関連付けられたそのプレイヤ固有のマイページを、端末装置2に表示する(図3に示すステップS1)。
【0041】
次に、プレイヤが、端末装置2に表示された少なくとも1つのイベントのリストの中から、例えば所望のイベントを選択すると、図4に示すように、そのイベントの準備画面が端末装置2に表示される(図3に示すステップS2)。
【0042】
なお、上記のように、少なくとも1つのイベントのリストの中から、プレイヤが主体的に選択することも可能であるし、プレイヤがログイン後、現在進行しているイベントに、自動的に参加することも可能である。このように、プレイヤのイベントへの参加は、能動的であるか受動的であるかといった制限は特にない。
【0043】
図4の上段には、プレイヤキャラクタCaの名称が表示される。また、図4の中段には、プレイヤキャラクタCaの顔画像とプレイヤキャラクタCaに関するコメントが表示される。例えば、イベントへの参加を促すようなコメントが表示される。さらに、図4の下段には、どのようなイベントが発生しているのかを示す画像が表示される。例えば、図4の下段に示すように、プレイヤは、現在、報酬の総取りイベントが発生していることがわかり、総取りできる報酬として、300枚のメダルを獲得できる可能性があることがわかる。また、イベントへの参加を決定付けるためのボタン画像が表示される。プレイヤは、画面上でこのボタンを選択すると、イベントに参加することができる。
【0044】
また、図1に示す演算処理部101において、選択されたイベントの準備が完了すると、図5に示すように、そのイベントの導入画面が端末装置2に表示される(図3に示すステップS3)。
【0045】
端末装置2に表示されるイベントの導入画面として、図5の上段に示すように、例えば、端末装置2に「敵キャラクタAで総取りチャンス」等の文字を表示することで、プレイヤは敵キャラクタAを討伐することにより、報酬を獲得可能であることがわかる。また、図5の中段に示すように、プレイヤが所属するグループAに対応付けられている宝箱A以外の宝箱B及びCも表示する。なお、グループAに所属しているプレイヤが自身の所属グループがわかるような表示をすることもできる。例えば、宝箱Aを他の宝箱B、Cに比べて光らせたり、大きく表示したり、宝箱Aの画像の近傍に文字を付してもよい。さらに、図5の下段に示すように、過去のイベントにより報酬を獲得した任意のプレイヤキャラクタの名称や獲得した報酬(メダル又は/及びメダル以外の種々のアイテム等)を表示する。また、当選者履歴は、文字又は画像だけではなく、ポップアップやフラッシュ等を用いて表示してもよい。
【0046】
ここで、図6は、グループ、宝箱及び敵キャラクタのグルーピングの概念図を示している。図6に示すように、少なくとも1つのプレイヤキャラクタが所属しているグループA、宝箱A及び敵キャラクタAは対応付けられている。グループB及びCについても、図6に示すように、グループAと同様に宝箱及び敵キャラクタと対応付けが行われる。すなわち、後で詳述するが、グループAに所属しているプレイヤ(プレイヤキャラクタCa)がグループAに対応付けられている敵キャラクタAを討伐した場合、宝箱Aに格納されている報酬を獲得可能となる。
【0047】
なお、上記のようなグループ、宝箱及び敵キャラクタの対応付け以外にも様々な対応付けが可能である。例えば、複数のグループが敵キャラクタ一種類又は一体と対応付けられてもよいし、複数のグループが一の宝箱と対応付けられてもよいし、或いは、単一のグループが、少なくとも1つの宝箱及び敵キャラクタと対応付けられてもよい。
【0048】
次に、イベントの導入が終了すると、そのイベントに関連付けられた敵キャラクタが出現する画面が端末装置2に表示される(図3に示すステップS4)。このゲームにおいては、その敵キャラクタとプレイヤ又はプレイヤキャラクタが戦闘(バトル)を行い、プレイヤ又はプレイヤキャラクタがその戦闘に勝利した場合にプレイヤが報酬を取得することができるといったゲーム設定がなされている。
【0049】
そこで、敵キャラクタが表示された後、例えば、プレイヤはそのゲームにおいて敵キャラクタに攻撃を仕掛けたり、敵キャラクタからの攻撃を防御したり、その他種々の効果が発現されたりする種々のアイテム(召還カード、能力向上カード等)を用い、或いは、敵キャラクタに対峙して攻撃を仕掛ける味方モンスター等のプレイヤキャラクタを用いて、敵キャラクタとの戦闘を行い、端末装置2にはその戦闘状態のゲーム画面が表示されてもよい。
【0050】
次に、図1に示す演算処理部101は、プレイヤ又はプレイヤキャラクタが敵キャラクタ(例えば、最後に登場するボスキャラクタ)を倒したか否か(所定のイベントに関連付けられた判定条件)を判定する(図3に示すステップ5)。判定方法としては、特に制限されず、例えば、パラメータの数値比較演算、すなわち、敵キャラクタの体力(ヒットポイントやライフ等)に相当するパラメータの数値が、プレイヤ又はプレイヤキャラクタの攻撃により、所定の閾値未満又はゼロになった場合に、敵キャラクタを倒したと判定することができる。
【0051】
ここで、図7は、報酬の提供のフローを示した概念図である。図7に示すように、グループAに所属するプレイヤ(プレイヤキャラクタCa)が敵キャラクタAを討伐することによって、プレイヤ(プレイヤキャラクタCa)は宝箱Aに格納されている報酬を全て獲得(総取り)することができる。敵キャラクタを討伐してから、プレイヤに報酬が提供されるフローについて、グループAに所属するプレイヤが敵キャラクタAを討伐した場合について、以下詳述する。
【0052】
まず、宝箱A、B及びCのそれぞれには、報酬としてのメダルが割り当てられる。なお、メダルの他に、賞品アイテム(例えば、プレイヤキャラクタのカードやゲームで使用することができる各種アイテム)が割り当てられてもよい。
【0053】
この場合、宝箱Aに割り当てられるメダルと、宝箱B及びCに割り当てられるメダルとを、互いに異なる報酬群(メダル群)として設定しておいてもよい。さらに、宝箱Aに割り当てられるメダルの希少度が、宝箱B及びCに割り当てられるメダルの稀少度よりも高くなるように、それぞれに対するメダル群を設定してもよい。
【0054】
更に具体的には、図1に示すサーバ装置100の演算処理部101は、所定の条件として、例えば、ゲームの経過時間、プレイヤによる敵キャラクタの討伐数、ゲームの進捗状況(イベント、ダンジョン又はクエストのクリア数等)、所定のイベントの種類(選択されたイベントのレベル、回数等)、宝箱の種類、プレイヤキャラクタの状態(体力、経験値、所有アイテムの数等)、及び、プレイヤキャラクタが保有するアイテム(アイテムの能力、個数等)の少なくとも何れか1つに基づいて、メダルを宝箱のそれぞれに割り当てる。
【0055】
そして、図1に示す演算処理部101は、宝箱Aにメダルが少なくとも1つ入っているか否かを判定する(図3に示すステップ6)。入っている場合は、図3に示すステップ7に進み、入っていない場合は、メダルを獲得することができず、最終的にはゲーム終了となる。
なお、図3に示すステップ7に進むか否かについては、ゲームの経過時間や宝箱Aに所定の数以上のメダルが割り当てられているか否か等を判断基準としてもよい。
【0056】
次に、図1に示す演算処理部101は、敵キャラクタAを討伐したグループAに所属するプレイヤ(プレイヤキャラクタCa)にメダルを提供するに先立って又は提供する際に、無条件に、又は、所定の条件に基づいて、宝箱Aに割り当てられたメダルをプレイヤ(プレイヤキャラクタCa)に提供する確率を決定する。
【0057】
更に具体的には、図1に示すサーバ装置100の演算処理部101は、所定の条件として、例えば、宝箱Aに一定の量のメダルが割り当てられた際の、プレイヤ(プレイヤキャラクタCa)による敵キャラクタの討伐数、プレイヤ(プレイヤキャラクタCa)が討伐した敵キャラクタの状態、及び、プレイヤ(プレイヤキャラクタCa)の状態の少なくとも何れか1つに基づいて、メダルを提供する確率を決定する。
【0058】
そして、図1に示す演算処理部101は、プレイヤ(プレイヤキャラクタCa)がメダルの総取り抽選に当選したか否かを判定する(図3に示すステップ7)。プレイヤ(プレイヤキャラクタCa)が当選した場合は、宝箱Aに割り当てられているメダルの全て(本開示では、メダル300枚)がプレイヤ(プレイヤキャラクタCa)に提供され、当選しなかった場合は、プレイヤ(プレイヤキャラクタCa)はメダルを獲得することができず、最終的にはゲーム終了となる。なお、報酬の提供について、宝箱Aに割り当てられているメダルの全てを提供する場合もあれば、宝箱Aに割り当てられているメダルの全てではなく、他のプレイヤとの関係において逆転できる程度の多量のメダルを提供してもよい。
【0059】
次に、図1に示す演算処理部101は、プレイヤ(プレイヤキャラクタCa)がメダルの総取り抽選に当選し、宝箱Aに割り当てられているメダルの全て(本開示では、メダル300枚)がプレイヤ(プレイヤキャラクタCa)に提供される場合、図8に示すように、宝箱Aからのメダルの提供画面を端末装置2に表示する(図3に示すステップ8)。
【0060】
また、図1に示す演算処理部101は、宝箱Aに割り当てられているメダルの全て(本開示では、メダル300枚)がプレイヤ(プレイヤキャラクタCa)に提供された場合、図9に示すように、宝箱Aからのメダルの提供後の他の宝箱(宝箱B及びC)を含めた画像を端末装置2に表示する(図3に示すステップ9)。具体的には、図9の中段に示すように、宝箱Aの画像が下には、メダルが「0枚」という表示が付される。そして、宝箱B及びCには、メダルがいまだ残存しており、「総取りチャンス」のイベントが継続していることを示すように表示がなされる。
【0061】
なお、図9の下段には、当選者履歴が併せて表示される。図9の下段に示すように、例えば、プレイヤ(プレイヤキャラクタCa)が当選し、メダルを獲得した直後である場合は、プレイヤ(プレイヤキャラクタCa)が宝箱Aに割り当てられたメダルを全て獲得したことが理解できるような表示がなされる。なお、当選者履歴には、直近の当選者履歴のみ表示されるわけではなく、より過去の当選者履歴が表示されてもよい。具体的には、過去のイベントにより報酬を獲得した任意のプレイヤキャラクタの名称や獲得した報酬(メダル又は/及びメダル以外の種々のアイテム等)を表示する。また、当選者履歴は、文字又は画像だけではなく、ポップアップやフラッシュ等を用いて表示してもよい。
【0062】
よって、上記で示したように、本実施形態によれば、プレイヤに対して、報酬としてのメダル、ゲームアイテム等を提供する際に、意外性、演出性、及び趣向性を付加又は向上させることができ、これにより、プレイヤによるゲームへの参加意識や継続意欲を高めることが可能なソーシャルゲームを提供することができる。
【0063】
[他の実施形態]
なお、上述したとおり、本発明は、上記の実施の形態、及び、既に述べた変形例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない限度において様々な変形が可能である。例えば、本開示では、グループAに所属するプレイヤ(プレイヤキャラクタCa)が敵キャラクタAを討伐することによって、プレイヤ(プレイヤキャラクタCa)は宝箱Aに格納されている報酬を全て獲得(総取り)することが可能となることを示したが、図6に示すように、グループBに所属するプレイヤ(プレイヤキャラクタCb)が敵キャラクタBを討伐することによって、プレイヤ(プレイヤキャラクタCb)は宝箱Bに格納されている報酬を全て獲得(総取り)することが可能となるとしてもよく、グループCに所属するプレイヤ(プレイヤキャラクタCc)が敵キャラクタCを討伐することによって、プレイヤ(プレイヤキャラクタCc)は宝箱Cに格納されている報酬を全て獲得(総取り)することが可能となるとしてもよい。
【0064】
また、図1に示すサーバ装置100の構成は、処理能力等に相違はあるものの、端末装置2であるクライアントコンピュータ21及び携帯端末22についても適合する。逆言すれば、クライアントコンピュータ21及び携帯端末22を、サーバ装置100として使用することも可能である。すなわち、ネットワーク200を介して接続されているコンピュータ装置の何れもサーバ装置として機能させることができる。
【0065】
さらに、サーバ装置100においては、ハードディスクやSSD等の大容量記憶装置を用いて、ROM102、RAM103、外部メモリ106、スロットドライブ108に装荷されるメモリデバイス等と同等の機能を果たすように構成してもよく、それらの記憶装置は、RAID等による冗長化が行われていてもいなくてもよく、また、伝送路120を介して演算処理部101に接続されていなくてもよく、例えば、クラウドコンピューティングの一環として、ネットワーク200を介して別の外部装置等に接続されていてもよい。
【0066】
またさらに、サーバ装置100及び端末装置2におけるネットワークインターフェースとしては、無線LAN装置及び有線LAN装置の何れでもよく、それらは、内部に装着されていても、LANカードの如く外部デバイスタイプのものでもよい。さらにまた、端末装置2としては、ネットワーク200に接続可能なゲーム機を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
以上説明したとおり、本発明の制御装置、制御方法、プログラム、及びゲームシステムは、プレイヤに対して、報酬としてのゲームアイテム等を提供する際に、意外性、演出性、及び趣向性を付加又は向上させることができ、これにより、プレイヤによるゲームへの参加意識や継続意欲を高めることが可能なソーシャルゲームを提供することができるので、特にサーバ−クライントタイプのネットワーク構成において配信、提供、実施等されるゲーム全般(特にソーシャルゲームの要素を含むもの)、そのゲームの配信、提供、実施等に係るソフト及びハード関連の技術全般、さらに、それらの設計、製造、販売等の活動に、広く且つ有効に利用することができる。以下に、本願の原出願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
複数のプレイヤが参加可能なゲームに関連する情報を記憶する情報記憶部に、前記ゲームに関連する情報の一部として、報酬の提供条件、報酬、及び、報酬ボックスの情報を記憶させ、
前記ゲームに関連する情報にアクセスし、前記ゲームに関する演算を実行し、且つ、前記ゲームの画像を前記プレイヤが操作する端末装置に表示させる制御部により、前記報酬ボックスに対して前記報酬のうち少なくとも1つの報酬を割り当て、前記ゲームにおける前記プレイヤと第1のゲームキャラクタとの対戦状況又は対戦結果により前記報酬の提供条件を満たすか否かを判定し、前記判定結果に基づいて、前記報酬ボックスの一部及び/又は全部に割り当てられた前記報酬を前記プレイヤに提供する画面を前記端末装置に表示させる、
制御方法。
[2]
前記プレイヤの各々は、少なくとも1つのグループの何れか1つに所属しており、前記グループの各々は、前記ゲームにおける少なくとも1つの第1のゲームキャラクタと、前記報酬ボックスとに対応付けられており、
前記制御部は、前記対応付けられた報酬ボックスに割り当てられた前記報酬の全部を、該報酬ボックスに対応付けられた前記グループに所属している前記プレイヤと前記第1のゲームキャラクタとの対戦状況又は対戦結果により前記報酬の提供条件を満たすか否かを判定し、前記判定結果に基づいて、該プレイヤに提供する、
[1]に記載の制御方法。
[3]
前記制御部は、前記報酬の割り当てを、前記ゲームの経過時間、前記プレイヤによる前記第1のゲームキャラクタの討伐数、前記ゲームの進捗状況、前記ゲームにおけるイベントの種類、前記報酬ボックスの種類、前記プレイヤに対応した第2のゲームキャラクタの状態、及び、前記第2のゲームキャラクタが保有するアイテムの少なくとも何れか1つに基づいて制御する、
[1]又は[2]に記載の制御方法。
[4]
前記制御部は、前記報酬を前記プレイヤに提供するに先立って又は提供する際に、無条件に、又は、所定の条件に基づいて、前記報酬ボックスに割り当てられた前記報酬を前記プレイヤに提供する確率を決定する、
[1]〜[3]の何れか1項に記載の制御方法。
[5]
前記所定の条件は、前記報酬ボックスに一定の量の前記報酬が割り当てられた際の、前記プレイヤによる前記第1のゲームキャラクタの討伐数、前記プレイヤが討伐した前記第1のゲームキャラクタの状態、及び、前記プレイヤに対応した第2のゲームキャラクタの状態の少なくとも何れか1つである、
[1]〜[4]の何れか1項に記載の制御方法。
[6]
前記制御部は、前記報酬を前記プレイヤに提供した提供履歴を前記端末装置に表示させる、
[1]〜[5]の何れか1項に記載の制御方法。
[7]
複数のプレイヤが参加可能なゲームに関連する情報を記憶し、且つ、前記ゲームに関連する情報の一部として、報酬の提供条件、報酬、及び、報酬ボックスの情報を記憶する情報記憶部にアクセス可能なコンピュータに、
前記ゲームに関連する情報にアクセスし、前記ゲームに関する演算を実行し、且つ、前記ゲームの画像を前記プレイヤが操作する端末装置に表示させるステップと、
前記報酬ボックスに対して前記報酬のうち少なくとも1つの報酬を割り当て、前記ゲームにおける前記プレイヤと第1のゲームキャラクタとの対戦状況又は対戦結果により前記報酬の提供条件を満たすか否かを判定するステップと、
前記判定結果に基づいて、前記報酬ボックスの一部及び/又は全部に割り当てられた前記報酬を前記プレイヤに提供する画面を前記端末装置に表示させるステップと、
を実行させるためのプログラム。
[8]
複数のプレイヤが参加可能なゲームに関連する情報を記憶する情報記憶部と、
前記ゲームに関連する情報にアクセスし、前記ゲームに関する演算を実行し、且つ、前記ゲームの画像を前記プレイヤが操作する端末装置に表示させる制御部と、を備え、
前記情報記憶部は、前記ゲームに関連する情報の一部として、報酬の提供条件、報酬、及び、報酬ボックスの情報を有しており、
前記制御部は、前記報酬ボックスに対して前記報酬のうち少なくとも1つの報酬を割り当て、前記ゲームにおける前記プレイヤと第1のゲームキャラクタとの対戦状況又は対戦結果により前記報酬の提供条件を満たすか否かを判定し、前記判定結果に基づいて、前記報酬ボックスの一部及び/又は全部に割り当てられた前記報酬を前記プレイヤに提供する画面を前記端末装置に表示させる、
制御装置。
[9]
複数のプレイヤが参加可能なゲームに関連する情報を記憶する情報記憶部と、
前記ゲームに関連する情報にアクセスし、前記ゲームに関する演算を実行し、且つ、前記ゲームの画像を前記プレイヤが操作する端末装置に表示させる制御部と、を備え、
前記情報記憶部は、前記ゲームに関連する情報の一部として、報酬の提供条件、報酬、及び、報酬ボックスの情報を有しており、
前記制御部は、前記報酬ボックスに対して前記報酬のうち少なくとも1つの報酬を割り当て、前記ゲームにおける前記プレイヤと第1のゲームキャラクタとの対戦状況又は対戦結果により前記報酬の提供条件を満たすか否かを判定し、前記判定結果に基づいて、前記報酬ボックスの一部及び/又は全部に割り当てられた前記報酬を前記プレイヤに提供する画面を前記端末装置に表示させる制御装置と、
前記端末装置と、を含む、
ゲームシステム。
【符号の説明】
【0068】
1:ゲームシステム
2:端末装置
21:クライアントコンピュータ(端末装置)
22:携帯端末(端末装置)
100:サーバ装置
101:演算処理部(制御部)
102:ROM(情報記憶部)
103:RAM(情報記憶部)
104:外部インターフェース
105:入力部
106:外部メモリ
107:画像処理部
108:スロットドライブ
109:音声処理部
110:ネットワークインターフェース
111:ディスプレイモニタ
112:スピーカ装置
120:伝送路
200:ネットワーク(通信回線)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9