(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
用語の定義
本明細書で使用するとき、「a」及び「an」などの冠詞は、特許請求の範囲で使用されるときに、特許請求又は記載されるもののうちの1つ以上を意味するものと理解される。
【0010】
本明細書で使用するとき、用語「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含んでいる(including)」は、非限定的であることを意味する。
【0011】
特に明記しない限り、成分又は組成物の濃度は全て、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、かかる成分又は組成物の市販の供給源中に存在し得る不純物、例えば、残留溶剤又は副生成物は除外される。例えば、第四級アンモニウムエステルは、典型的には、以下の不純物:第四級アンモニウムエステルのモノエステル形態、残留未反応脂肪酸、及び非四級化エステルアミンを含有することが知られている。
【0012】
全ての百分率及び比率は、特に指示がない限り、重量で計算される。全ての百分率及び比率は、特に指示がない限り、組成物全体に基づいて計算される。
【0013】
特に明記しない限り、全ての比率は活物質の重量/重量レベルとして計算される。
【0014】
全ての測定は、別段の定めがない限り、25℃で実施される。
【0015】
本明細書の全体を通して記載される全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように包含するものと理解すべきである。本明細書全体を通して与えられる全ての最小数値限定は、それよりも高い全ての数値限定を、かかるより高い数値限定があたかも本明細書に明示的に記載されているかのように含むことになる。本明細書全体を通して与えられる全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に含まれるより狭い全ての数値範囲を、かかるより狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明示的に記載されているかのように含むことになる。
【0016】
液体布地柔軟剤組成物
本明細書で使用するとき、「液体布地柔軟剤組成物」は、家庭用洗濯機内で衣類などの布地を柔軟化することができる液体を含む、任意の処理組成物を指す。組成物は、好適に細分された形態の固体又は気体を含んでいてもよいが、組成物全体は、例えば錠剤又は顆粒などの全体として非液体である製品形態を除外する。液体布地柔軟剤組成物は、好ましくは、任意の固体添加剤を除くが、なんらかの気泡が存在する場合はそれを含んで、0.9〜1.3g.cm
−3の範囲の密度を有する。
【0017】
水性液体布地柔軟化組成物が好ましい。このような水性液体布地柔軟剤組成物では、含水量は、液体布地柔軟剤組成物の5重量%〜97重量%、好ましくは50重量%〜96重量%、より好ましくは70重量%〜95重量%の濃度で存在し得る。
【0018】
未希釈布地柔軟剤組成物のpH(方法の項を参照されたい)は、典型的には、第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質の加水分解安定性を改善するために酸性であり、pH2.0〜6.0、好ましくはpH2.0〜4.5、より好ましくは2.0〜3.5であってよい。
【0019】
布地柔軟剤組成物の相安定性を維持するために、布地柔軟剤組成物の20℃における動的降伏応力(方法の項を参照されたい)は、0.001Pa〜1.0Pa、好ましくは0.002Pa〜0.9Pa、より好ましくは0.005Pa〜0.8Pa、更により好ましくは0.010Pa〜0.5Paである。一方では、動的降伏応力がないことにより、特に布地柔軟剤組成物が、封入された有益剤又は粒子を含むとき、相不安定性につながる場合がある。他方では、非常に高い動的降伏応力は、ボトルに布地柔軟剤組成物を充填している間に望ましくない空気の閉じ込めを引き起こすことがある。
【0020】
布地柔軟剤組成物の注ぎ性を維持しながら濃厚な外観を提供するために、布地柔軟剤組成物の粘度(方法の項を参照されたい)は、20℃で200mPa.s〜1000mPa.s、好ましくは250mPa.s〜900mPa.s、より好ましくは300mPa.s〜800mPa.s、更により好ましくは350mPa.s〜700mPa.sである。
【0021】
液体布地柔軟剤組成物は、即効性組成物での使用に好適である補助成分を含み得、例えば、顔料及び染料を用いる場合と同様に、組成物の審美性を改善するために、望ましくは本発明の特定の態様に組み込まれ得る。更に、不飽和第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質を含む液体布地柔軟剤組成物は、ある程度のUV光及び/又は酸化を受け、これによって、布地柔軟剤組成物の黄変及び処理された布地の黄変のリスクが増大する。しかしながら、特に染料の存在下では、任意のディスペンサの残留物がより目立つようになる。液体布地柔軟剤組成物は、組成物の0.0001重量%〜0.1重量%、好ましくは0.001重量%〜0.05重量%の染料を含み得る。好適な染料は、ビスアゾ染料、トリスアゾ染料、酸性染料、アジン染料、疎水性染料、メタン塩基性染料、アントラキノン塩基性染料、及び酸又は塩基性の染料をポリマーに結合させることによって形成される染料結合体を含むリストから選択される。
【0022】
第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質
本発明の液体布地柔軟剤組成物は、組成物の3.0重量%〜20重量%の第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質(布地柔軟化活性物質(Fabric Softening Active)、「FSA」)を含む。好ましい液体布地柔軟剤組成物では、第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質は、当該組成物の4.0重量%〜18重量%、より好ましくは5.0重量%〜15重量%、更により好ましくは7.0重量%〜12重量%の濃度で存在する。第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質のレベルは、本組成物(希釈又は濃縮組成物)中の全柔軟化活性物質の所望の濃度、及び他の柔軟化活性物質の有無に依存し得る。ディスペンサ残留物のリスクは、特に、高いFSA濃度で存在する。他方、非常に高いFSA濃度では、粘度はもはや経時的に安定ではあり得ない。
【0023】
好適な第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質としては、以下に限定されないが、モノエステルクォート、ジエステルクォート、トリエステルクォート及びそれらの混合物からなる群から選択される物質が挙げられる。好ましくは、モノエステルクォートの濃度は、全第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質の2.0重量%〜40.0重量%であり、ジエステルクォートの濃度は、40.0重量%〜98.0重量%であり、トリエステルクォートの濃度は、0.0重量%〜25.0重量%である。
【0024】
当該第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質は、以下の式の化合物:
{R
2(4−m)−N+−[X−Y−R
1]
m}A−
(式中、
mは、1、2、又は3であるが、ただし、各mの値は、同一であり、
各R
1は、独立して、ヒドロカルビル基又は分枝状ヒドロカルビル基であり、好ましくは、R
1は直鎖状であり、より好ましくはR
1は、部分不飽和直鎖アルキル鎖であり、
各R
2は、独立して、C
1〜C
3アルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、好ましくは、R
2は、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、1−メチル−2−ヒドロキシエチル、ポリ(C
2〜3−アルコキシ)、ポリエトキシ、ベンジルから選択され、
各Xは、独立して、(CH
2)n、CH
2−CH(CH
3)−又はCH−(CH
3)−CH
2−であり、
各nは、独立して、1、2、3、又は4であり、好ましくは各nは、2であり、
各Yは、独立して、−O−(O)C−又は−C(O)−O−であり、
A−は、独立して、塩化物、硫酸メチル、及び硫酸エチルからなる群から選択され、好ましくは、A−は、塩化物及び硫酸メチルからなる群から選択される)を有するが、
ただし、Yが−O−(O)C−であるとき、各R
1における炭素の合計が13〜21、好ましくは13〜19である。
【0025】
好ましい液体布地柔軟剤組成物では、第四級アンモニウム布地柔軟化活性物質を形成する親脂肪酸のヨウ素価は、0〜100、より好ましくは10〜60、更により好ましくは15〜45である。
【0026】
好適な第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質の例は、KAO ChemicalsからTetranyl AT−1及びTetranyl AT−7590という商標名で、EvonikからRewoquat WE16 DPG、Rewoquat WE18、Rewoquat WE20、Rewoquat WE28及びRewoquat 38 DPGという商標名で、StepanからStepantex GA90、Stepantex VR90、Stepantex VK90、Stepantex VA90、Stepantex DC90、Stepantex VL90Aという商標名で市販されている。
【0027】
これらのタイプの薬剤及びそれらの一般的な製造方法は、米国特許第4,137,180号に開示されている。
【0028】
セルロース繊維:
本発明で使用するセルロース繊維は、布地柔軟剤組成物を増粘し、構造化すると同時に、驚くべきことに、ディスペンサ残留物の形成を最小限にするのに役立つ。
【0029】
本発明の組成物は、セルロース繊維、好ましくは、組成物の0.01重量%〜5.0重量%、より好ましくは0.05重量%〜1.0重量%、更により好ましくは0.10重量%〜0.75重量%のセルロース繊維を含む。
【0030】
セルロース繊維とは、本明細書ではセルロースマイクロ又はナノ小繊維を意味する。セルロース繊維は、細菌又は植物起源であってよく、すなわち、発酵によって生成され得るか、野菜、植物、果物、又は木材から抽出され得る。セルロース繊維の供給源は、レモン、オレンジ、及び/又はグレープフルーツなどの柑橘類の皮;リンゴ、バナナ、及び/又はナシなどの果物;ニンジン、エンドウマメ、ジャガイモ、及び/又はチコリなどの野菜;竹、黄麻、アバカ、亜麻、綿、及び/又はサイザルなどの植物、穀物、並びに、トウヒ、ユーカリ、及び/又はオークなどの様々な木材供給源からなる群から選択され得る。好ましくは、セルロース繊維供給源は、木材又は植物、特に、トウヒ、ユーカリ、黄麻、及びサイザルからなる群から選択される。
【0031】
セルロース繊維中のセルロースの含有量は、繊維の抽出に適用される供給源及び処理に応じて変動し、典型的には、セルロース繊維の15重量%〜100重量%、好ましくは30重量%超、より好ましくは50重量%超、更により好ましくは80重量%超の範囲である。
【0032】
このようなセルロース繊維は、ペクチン、ヘミセルロース、タンパク質、リグニン、並びに灰、金属、塩、及びこれらの組み合わせなどのセルロース系材料供給源に固有の他の不純物を含んでいてもよい。セルロース繊維は、好ましくは非イオン性である。このような繊維は市販されており、例えば、Fiberstar製Citri−Fi 100FG、Herbafood製Herbacel(登録商標)Classic、及びBorregaard製Exilva(登録商標)である。
【0033】
セルロース繊維は、10nm〜350nm、好ましくは30nm〜250nm、より好ましくは50nm〜200nmの平均直径を有し得る。
【0034】
非イオン性界面活性剤
布地柔軟剤組成物は、布地柔軟剤組成物の総重量に基づいて、0.01%〜5%、好ましくは0.1%〜3.0%、より好ましくは0.5%〜2.0%の非イオン性界面活性剤を含み得る。非イオン性界面活性剤は、布地柔軟剤組成物中に香料を有効に分散させ、布地柔軟剤組成物の全体的な水への分散性を改善するのに役立つ。
【0035】
好ましい液体布地柔軟剤組成物では、非イオン性界面活性剤は、アルコキシル化非イオン性界面活性剤、好ましくはエトキシル化非イオン性界面活性剤である。好ましくは、アルコキシル化非イオン性界面活性剤は、少なくとも3、好ましくは5〜100、より好ましくは10〜60の平均アルコキシル化度を有する。
【0036】
好ましくは、エトキシル化非イオン性界面活性剤、より好ましくは8〜18の疎水性親油性バランス値を有するエトキシル化非イオン性界面活性剤。
【0037】
好適な非イオン性界面活性剤の例は、BASFから商標名Lutensol AT80(BASF製の平均エトキシル化度80のエトキシル化アルコール)として、Clariantから商標名Genapol T680(平均エトキシル化度68のエトキシル化アルコール)として、Sigma Aldrichから商標名Tween 20(平均エトキシル化度20のポリソルベート)として、Dow Chemical Companyから商標名Tergitol 15−S−30(平均エトキシル化度30のエトキシル化分枝状アルコール)として市販されている。
【0038】
分散香料
本発明の液体布地柔軟剤組成物は、心地よい匂いを提供するために分散香料組成物を含み得る。分散香料とは、本明細書では、布地柔軟剤組成物中に自由に分散しており、封入されていない香料組成物を意味する。香料組成物は、1つ以上の香料原材料を含む。香料原材料は、香料組成物を作製するのに使用される個々の化学物質である。香料原材料の種類及び数の選択は、最終的な所望の香りに依存する。本発明の状況では、任意の好適な香料組成物を使用することができる。当業者は、香料組成物において使用するのに好適な相溶性の香料原材料を認識し、所望の香りを得るために成分の組み合わせを選択する方法を理解しているであろう。
【0039】
好ましくは、分散香料の濃度は、組成物の総重量に対して0.1%〜10.0%、好ましくは0.5%〜7.5%、より好ましくは0.8%〜5.0%の濃度である。
【0040】
香料組成物は、香料組成物の総重量に対して2.5%〜30%、好ましくは5%〜30%の、3.0未満のlogP及び250℃未満の沸点を特徴とする香料原材料を含んでいてよい。
【0041】
香料組成物は、香料組成物の総重量に対して5%〜30%、好ましくは7%〜25%の、3.0未満のlogP及び250℃超の沸点を有することを特徴とする香料原材料を含んでいてよい。香料組成物は、香料組成物の総重量に対して35%〜60%、好ましくは40%〜55%の、3.0超のlogP及び250℃未満の沸点を有することを特徴とする香料原材料を含んでいてよい。香料組成物は、香料組成物の総重量に対して10%〜45%、好ましくは12%〜40%の、3.0超のlogP及び250℃超の沸点を有することを特徴とする香料原材料を含んでいてよい。
【0042】
粒子
本発明の液体布地柔軟剤組成物は、粒子もまた含み得る。液体布地柔軟剤組成物は、液体布地柔軟剤組成物の総重量に基づいて、0.02%〜10%、好ましくは0.1%〜4%、より好ましくは0.25%〜2.5%の粒子を含み得る。当該粒子としては、ビーズ、真珠光沢剤、有益剤封入体、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0043】
封入有益剤:
液体布地柔軟剤組成物は、0.05重量%〜10重量%、好ましくは0.05重量%〜3.0重量%、より好ましくは0.05重量%〜2.0重量%の封入有益剤を含み得る。有益剤は、香料組成物、保湿剤、加熱剤又は冷却剤、昆虫/蛾忌避剤、微生物/カビ/白カビ制御剤、柔軟化剤、帯電防止剤、抗アレルギー剤、UV保護剤、日焼け防止剤、色相染料、酵素、及びこれらの組み合わせ、移染防止剤、漂白剤、及びこれらの組み合わせなどの色保護剤からなる群から選択される。香料組成物が好ましい。
【0044】
有益剤は、例えば、1つ以上のカプセルにおいてコアの一部として封入される。このようなコアは、希釈剤、溶媒、及び密度バランス調整剤などの他の材料を含み得る。
【0045】
カプセルは、コアを含む有益剤を少なくとも部分的に、好ましくは完全に取り囲む壁を有する。カプセルの壁材料は、メラミン、ポリアクリルアミド、シリコーン、シリカ、ポリスチレン、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリアクリレート系材料、ポリアクリレートエステル系材料、ゼラチン、スチレン無水マレイン酸、ポリアミド、芳香族アルコール、ポリビニルアルコール、レゾルシノール系材料、ポリ−イソシアネート系材料、アセタール(1,3,5−トリオール−ベンゼン−グルタルアルデヒド及び1,3,5−トリオール−ベンゼンメラミンなど)、デンプン、酢酸フタル酸セルロース、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0046】
好ましくは、カプセルの壁は、メラミン、ポリアクリレート系材料、及びこれらの組み合わせを含む1つ以上の壁材料を含む。
【0047】
当該メラミン壁材料は、ホルムアルデヒドで架橋されたメラミン、ホルムアルデヒドで架橋されたメラミン−ジメトキシエタノール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0048】
当該ポリアクリレート系材料は、メチルメタクリレート/ジメチルアミノメチルメタクリレートから形成されるポリアクリレート、アミンアクリレート及び/又はメタクリレート並びに強酸から形成されるポリアクリレート、カルボン酸アクリレート及び/又はメタクリレートモノマー並びに強塩基から形成されるポリアクリレート、アミンアクリレート及び/又はメタクリレートモノマー並びにカルボン酸アクリレート及び/又はカルボン酸メタクリレートモノマーから形成されるポリアクリレート、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0049】
当該ポリスチレン壁材料は、ジビニルベンゼンで架橋されたポリスチレンから選択され得る。
【0050】
ポリ尿素カプセルは、架橋及びコロイド安定剤として、少なくとも2つのイソシアネート官能基を含む少なくとも1つのポリイソシアネートと、少なくとも1つのアミン、好ましくは多官能性アミンとの間の重合の反応生成物であるポリ尿素壁を含み得る。
【0051】
ポリウレタンカプセルは、架橋剤及びコロイド安定剤として、多官能性イソシアネートと多官能性アルコールとの反応生成物であるポリウレタン壁を含み得る。
【0052】
好適なカプセルは、Encapsys(Appleton,Wisconsin,USA)から入手することができる。布地柔軟剤組成物は、異なるカプセル、例えば、異なる壁材及び/又は有益剤を有するカプセルの組み合わせを含んでいてもよい。
【0053】
前述のように、香料組成物は、好ましい封入有益剤である。香料組成物は、香料原材料を含む。香料組成物は、精油、悪臭低減剤、臭気制御剤、及びこれらの組み合わせを更に含み得る。
【0054】
香料原材料は、典型的には、カプセルの10重量%〜95重量%、好ましくは20重量%〜90重量%の量で存在する。
【0055】
香料組成物は、香料組成物の総重量に対して2.5%〜30%、好ましくは5%〜30%の、3.0未満のlogP及び250℃未満の沸点を特徴とする香料原材料を含んでいてよい。
【0056】
香料組成物は、香料組成物の総重量に対して5%〜30%、好ましくは7%〜25%の、3.0未満のlogP及び250℃超の沸点を有することを特徴とする香料原材料を含んでいてよい。香料組成物は、香料組成物の総重量に対して35%〜60%、好ましくは40%〜55%の、3.0超のlogP及び250℃未満の沸点を有することを特徴とする香料原材料を含んでいてよい。香料組成物は、香料組成物の総重量に対して10%〜45%、好ましくは12%〜40%の、3.0超のlogP及び250℃超の沸点を有することを特徴とする香料原材料を含んでいてよい。
【0057】
封入有益剤と分散香油との比
液体布地柔軟剤組成物は、1:1〜1:40、好ましくは1:2〜1:20、より好ましくは1:3〜1:10の、香油封入体と分散香油との重量比を有し得る。
【0058】
付加的な布地柔軟化活性物質
本発明の液体布地柔軟剤組成物は、0.01%〜10%、好ましくは0.1%〜10%、より好ましくは0.1%〜5%の追加の布地柔軟化活性物質を含み得る。好適な布地柔軟化活性物質としては、非エステル第四級アンモニウム化合物、アミン、脂肪酸エステル、ショ糖エステル、シリコーン、分散性ポリオレフィン、多糖、脂肪酸、軟化油、ポリマーラテックス、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質が挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
非エステル第四級アンモニウム化合物:
好適な非エステル第四級アンモニウム化合物は、以下の式:
[R
(4−m)−N
+−R
1m]X
−
(式中、各Rは、水素、短鎖C
1〜C
6、一態様では、C
1〜C
3アルキル基又はヒドロキシアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、ポリ(C
2〜3アルコキシ)、ポリエトキシ、ベンジル、又はこれらの混合物のいずれかを含み、各mは、1、2、又は3であるが、ただし、各mの値は、同一であり、各R
1における炭素の合計は、C
12〜C
22であり得、各R
1は、ヒドロカルビル基又は置換ヒドロカルビル基であり、X
−は、任意の柔軟剤相溶性アニオンを含み得る)の化合物を含む。柔軟剤相溶性のアニオンは、クロリド、ブロミド、メチルサルフェート、エチルサルフェート、サルフェート、及びニトレートを含んでいてもよい。柔軟剤相溶性のアニオンは、クロリド又はメチルサルフェートを含んでいてもよい。
【0060】
非限定的な例としては、ジカノーラジメチルアンモニウムクロリド、ジ(ハード)タロージメチルアンモニウムクロリド、ジカノーラジメチルアンモニウムメチルサルフェート、及びこれらの混合物などのジアルキレンジメチルアンモニウム塩が挙げられる。本発明で使用可能な市販のジアルキレンジメチルアンモニウム塩の例は、Witco Corporationから商品名Adogen(登録商標)472として入手可能なジオレイルジメチルアンモニウムクロリド、及びAkzo Nobel Arquad 2HT75から入手可能なジハードタロージメチルアンモニウムクロリドである。
【0061】
アミン:
好適なアミンとしては、アミドエステルアミン、アミドアミン、イミダゾリンアミン、アルキルアミン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料が挙げられるが、これらに限定されない。好適なエステルアミンとしては、モノエステルアミン、ジエステルアミン、トリエステルアミン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料が挙げられるが、これらに限定されない。好適なアミドアミンとしては、モノアミドアミン、ジアミドアミン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料が挙げられるが、これらに限定されない。好適なアルキルアミンとしては、モノアルキルアミン、ジアルキルアミンクワット、トリアルキルアミン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料が挙げられるが、これらに限定されない。
【0062】
脂肪酸:
液体布地柔軟剤組成物は、布地柔軟化活性物質として遊離脂肪酸などの脂肪酸を含み得る。用語「脂肪酸」は、本明細書では、脂肪酸の非プロトン化又はプロトン化形態を含むように、最も広い意味で使用されている。当業者は、脂肪酸がプロトン化されるか、プロトン化されないかが、一部において、水性組成物のpHによって決まることを容易に理解するであろう。脂肪酸は、その非プロトン化形態、又は塩形態であり、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムなどである得るがこれらに限定されない対イオンを伴い得る。「遊離脂肪酸」という用語は、別の化学部分に結合(共有結合又は別様に結合)していない脂肪酸を意味する。
【0063】
脂肪酸としては、12個〜25個、13個〜22個、又は更には16個〜20個の全炭素原子を含有し、かつ脂肪部分に10個〜22個、12個〜18個、又は更には14個(ミッドカット)〜18個の炭素原子を含有しているものを挙げることができる。
【0064】
脂肪酸は、以下のものに由来し得る:(1)動物脂肪及び/又は部分水素添加動物脂肪、例えば牛脂、ラードなど、(2)植物油、及び/又は部分水素添加植物油、例えば、キャノーラ油、ベニバナ油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、ゴマ種子油、ナタネ油、綿実油、トウモロコシ油、ダイズ油、トール油、米ぬか油、パーム油、パーム核油、ココナッツ油、他の熱帯パーム油、アマニ油、キリ油、ヒマシ油など、(3)熱、圧力、アルカリ異性化及び触媒処理を介したアマニ油又はキリ油などの加工及び/又は増粘油(bodied oils)、(4)飽和(例えばステアリン酸)、不飽和(例えばオレイン酸)、多不飽和(リノール酸)、分枝状(例えばイソステアリン酸)又は環状(例えば、多不飽和酸の飽和又は不飽和α−二置換シクロペンチル又はシクロヘキシル誘導体)脂肪酸を生じさせるための、上記のものの組み合わせ。
【0065】
異なる脂肪源由来の脂肪酸の混合物を使用することができる。
【0066】
不飽和脂肪酸のシス/トランス比が重要である場合があり、(C18:1材料の)シス/トランス比は、少なくとも1:1、少なくとも3:1、4:1以上又は更には9:1以上である。
【0067】
また、酸化に対してのみならず結果として生じる色及び臭気の質の悪化に対してより安定であり得るので、イソステアリン酸などの分枝鎖脂肪酸もまた好適である。
【0068】
脂肪酸は、0〜140、50〜120、又は更には85〜105のヨウ素価を有してもよい。
【0069】
多糖類:
液体布地柔軟剤組成物は、布地柔軟化活性物質としてカチオン性デンプンなどの多糖類を含み得る。本組成物で使用するのに好適なカチオン性デンプンは、Cerestarから商品名C
*BOND(登録商標)として、及びNational Starch and Chemical Companyから商品名CATO(登録商標)2Aとして市販されている。
【0070】
ショ糖エステル:
液体布地柔軟剤組成物は、布地柔軟化活性物質としてショ糖エステルを含み得る。ショ糖エステルは、通例、ショ糖及び脂肪酸から誘導される。ショ糖エステルは、そのヒドロキシル基のうちの1つ以上がエステル化されているショ糖部分で構成されている。
【0071】
ショ糖は、以下の式を有する二糖である。
【0073】
代替的に、ショ糖分子を式M(OH)
8(式中、Mは、二糖主鎖である)によって表すことができ、この分子中には合計8個のヒドロキシル基がある。
【0074】
したがって、ショ糖エステルは、以下の式によって表すことができる:
M(OH)
8−x(OC(O)R
1)
x
式中、xは、エステル化されているヒドロキシル基の数であるが、一方、(8−x)は、未変化のままであるヒドロキシル基であり、xは1〜8、代替的に2〜8、代替的に3〜8、又は4〜8から選択される整数であり、R
1部分は、独立して、C
1〜C
22アルキル又はC
1〜C
30アルコキシから選択され、直鎖又は分枝鎖であり、環式又は非環式であり、飽和又は不飽和であり、置換又は非置換である。
【0075】
R
1部分は、独立して選択され、様々な鎖長を有する直鎖アルキル又はアルコキシ部分を含み得る。例えば、R
1は、直鎖アルキル又はアルコキシ部分の混合物を含み得、直鎖の20%超がC
18であり、代替的に直鎖の50%超がC
18であり、代替的に直鎖の80%超がC
18である。
【0076】
R
1部分は、飽和及び不飽和アルキル又はアルコキシ部分の混合物を含み得る。本明細書に用いるのに好適なショ糖エステルのヨウ素価(IV)は、1〜150、又は2〜100、又は5〜85に及ぶ。R
1部分を水素添加して、不飽和度を低減させてもよい。より高いIV、例えば、40〜95が好ましい場合、オレイン酸、並びにダイズ油及びキャノーラ油に由来する脂肪酸が好適な出発材料である。
【0077】
不飽和R
1部分は、不飽和部位について「シス」型と「トランス」型との混合物を含み得る。「シス」/「トランス」比は、1:1〜50:1、又は2:1〜40:1、又は3:1〜30:1、又は4:1〜20:1に及び得る。
【0078】
分散性ポリオレフィン及びラテックス:
一般的に、布地柔軟化効果をもたらす全ての分散性ポリオレフィンを、本発明において布地柔軟化活性物質として使用することができる。ポリオレフィンは、ワックス、エマルション、分散液又は懸濁液の形態であり得る。
【0079】
ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はこれらの組み合わせから選択されてよい。カルボキシル、アルキルアミド、スルホン酸又はアミド基などの様々な官能基を含有するように、ポリオレフィンを少なくとも部分的に修飾してもよい。ポリオレフィンは、少なくとも部分的にカルボキシル修飾、すなわち言い換えれば、酸化されていてもよい。
【0080】
布地柔軟化活性物質の非限定的な例としては、分散性ポリエチレン及びポリマーラテックスが挙げられる。これらの剤は、エマルジョン、ラテックス、分散液、懸濁液などの形態であり得る。一態様において、これらはエマルジョン又はラテックスの形態である。分散性ポリエチレン及びポリマーラテックスは、次の範囲を含むがこれらに限定されない、広範な粒径直径(χ
50)を有することができる:1nm〜100μm;代替的に10nm〜10μm。したがって、分散性ポリエチレン及びポリマーラテックスの粒径は、概して、限定するものではないが、シリコーン又は他の脂肪油よりも小さい。
【0081】
一般に、ポリマーエマルションを作製するのに好適な任意の界面活性剤、又はポリマーラテックスの乳化重合は、本発明において活性な布地柔軟剤として使用されるポリマーエマルション及びラテックス用の乳化剤として使用することができる。好適な界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、及び非イオン性界面活性剤、又はこれらの組み合わせが挙げられる。一態様において、このような界面活性剤は、非イオン性及び/又はアニオン性界面活性剤である。一態様では、布地柔軟化活性物質中の界面活性剤とポリマーとの比は、それぞれ1:5である。
【0082】
シリコーン:
液体布地柔軟剤組成物は、布地柔軟化活性物質としてシリコーンを含み得る。有用なシリコーンは、任意のシリコーン含有化合物であり得る。シリコーンポリマーは、環状シリコーン、ポリジメチルシロキサン、アミノシリコーン、カチオン性シリコーン、シリコーンポリエーテル、シリコーン樹脂、シリコーンウレタン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。シリコーンは、ポリジアルキルシリコーン、代替的にポリジメチルシリコーン(ポリジメチルシロキサンすなわち「PDMS」)、又はこれらの誘導体であり得る。シリコーンは、アミノ官能性シリコーン、アミノ−ポリエーテルシリコーン、アルキルオキシル化シリコーン、カチオン性シリコーン、エトキシル化シリコーン、プロポキシル化シリコーン、エトキシル化/プロポキシル化シリコーン、第四級シリコーン、又はこれらの組み合わせから選択され得る。
【0083】
更なる香料送達技術
液体布地柔軟剤組成物は、処理された基材への香料成分の付着及び基材からの香料成分の放出を安定化及び強化する1つ以上の香料送達技術を含み得る。このような香料送達技術を使用して、処理された基材から香料が放出される寿命を延長することができる。香料送達技術、特定の香料送達技術を作製する方法、及びこのような香料送達技術の使用は、米国特許出願公開第2007/0275866(A1)号に開示されている。
【0084】
液体布地柔軟剤組成物は、0.001重量%〜20重量%、又は0.01重量%〜10重量%、又は0.05重量%〜5重量%、又は更には0.1重量%〜0.5重量%の香料送達技術を含み得る。当該香料送達技術は、プロ香料、シクロデキストリン、デンプン封入アコード、ゼオライト及び無機担体、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0085】
アミン反応生成物(Amine Reaction Product、ARP):本出願の目的では、ARPは、プロ香料のサブクラス又は種である。アミン官能基が1つ以上のPRMと予備反応してアミン反応生成物(ARP)を生成する「反応性」ポリマーアミンを用いてもよい。典型的には、反応性アミンは、一級及び/又は二級アミンであり、ポリマーの一部であってもモノマー(非ポリマー)であってもよい。また、このようなARPを追加のPRMと混合して、ポリマー支援型送達効果及び/又はアミン支援型送達の効果を提供することもできる。ポリマーアミンの非限定的な例としては、ポリエチレンイミン(PEI)などのポリアルキルイミン、又はポリビニルアミン(PVAm)に基づくポリマーが挙げられる。モノマー(非ポリマー)アミンの非限定的な例としては、ヒドロキシルアミン(例えば、2−アミノエタノール)及びそのアルキル置換誘導体、並びに芳香族アミン(例えば、アントラニレート)が挙げられる。ARPは、香料と事前混合しておいてもよく、リーブオン用途又はリンスオフ用途では別個に添加してもよい。例えば、酸素、硫黄、リン、又はセレンなどの窒素以外のヘテロ原子を含有する物質を、アミン化合物の代替として使用してもよい。上述の代替化合物をアミン化合物と併用してもよい。1つの分子が、アミン部分と、代替ヘテロ原子部分、例えば、チオール及びホスフィンのうちの1つ以上とを含んでいてもよい。その効果としては、香料の送達向上に加えて、香料の放出制御を挙げることができる。
【0086】
付着補助剤
液体布地柔軟剤組成物は、液体布地柔軟剤組成物の総重量に基づいて、0.0001%〜3%、好ましくは0.0005%〜2%、より好ましくは0.001%〜1%の付着助剤を含み得る。付着助剤は、カチオン性又は両性のポリマーであってよい。カチオン性ポリマーは、カチオン性アクリレートを含み得る。一般に、カチオン性ポリマー及びその製造方法は、文献において公知である。付着助剤は、粒子と同時に、又は液体布地柔軟剤組成物中に直接添加することができる。好ましくは、付着助剤は、ポリビニルホルムアルデヒド、部分的にヒドロキシル化されたポリビニルホルムアルデヒド、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、エトキシル化ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0087】
ポリマーの重量平均分子量は、屈折率(Refractive Index、RI)検出を用いてポリエチレンオキシド標準物質に対してサイズ排除クロマトグラフィーによって測定したとき、500〜5000000、又は1000〜2000000、又は2500〜1500000ダルトンであってよい。一態様では、カチオン性ポリマーの重量平均分子量は、500〜37500ダルトンであり得る。
【0088】
方法
布地柔軟剤組成物に適用される各方法については、視覚的に均質なサンプルが使用される。布地柔軟剤組成物が視覚的に均質でない場合、代表的なサンプリングを確実にするためにサンプリング前に空気の閉じ込めを回避する方法で布地柔軟剤組成物全体を均質化する。
【0089】
粘度及び動的降伏応力の測定方法
粘度及び動的降伏応力は、20℃で60mm平行プレート及び500マイクロメートルのギャップサイズを使用して、制御された応力レオメーター(Thermo Scientific製のHAAKE MARS又は等価物など)を使用して測定される。粘度及び動的降伏応力は、剪断速度範囲にわたって対数的に分布した25点を選び、10s
−1から出発して10
−4s
−1までの範囲の剪断速度の関数として準定常状態の剪断応力を測定することによって得られる。準定常状態は、所定の剪断速度で少なくとも30秒後かつ最大60秒後に経時的な剪断応力の変動が3%未満であると、剪断応力値として定義される。経時的な剪断応力の変動は、3秒間にわたって測定された平均剪断応力の比較によって連続的に評価される。特定の剪断速度で60秒間測定した後、剪断応力値が3%を超えて変化する場合、最終剪断応力測定値は、計算目的のために準状態値として定義される。布地柔軟剤組成物の粘度は、測定された剪断応力を10s
−1の適用剪断速度で除したものとして定義される。
【0090】
次いで、剪断応力データを、ハーシェル−バルクリーモデルに従って剪断速度の関数として、対数空間において最小二乗法を使用して当てはめる。
【0091】
【数1】
(式中、τは、各適用剪断速度
【0092】
【数2】
において測定された平衡準定常状態剪断応力であり、τ
0は、当てはめられた動的降伏応力である。k及びnは、当てはめパラメータである)。
【0093】
布地柔軟剤組成物のpHを測定する方法
pHは、取扱説明書に従って較正されたゲル充填プローブ(例えば、Toledoプローブ、部品番号52 000 100)を備えるSartarius PT−10P pHメータを用いて、未希釈の布地柔軟剤組成物に対して測定される。
【0094】
CatSO
3滴定による布地柔軟剤活性物質の測定方法
布地柔軟剤活性は、ISO2871に記載されているとおりカチオン性CatSO
3滴定によって測定される。
【0095】
具体的には、カチオン性布地柔軟剤活性物質を含有するサンプルに、カチオン性及びアニオン性染料で構成される混合指示薬を、水−クロロホルム系中で撹拌しながら添加する。カチオン性布地柔軟剤活性物質−アニオン性染料複合体は、青色かつクロロホルム可溶性であるが、赤色カチオン性染料は水相に溶解したままである。アニオン性界面活性剤(標準化ドデシル硫酸ナトリウム、「NaLS」)で滴定すると、クロロホルム中の青色染料−界面活性剤複合体が壊れ、無色のカチオン性布地柔軟化活性物質−アニオン性滴定剤複合体が形成されるが、遊離した青色染料は水相に戻る。クロロホルム層における青色から灰色への色変化が、滴定終点を示す。過剰なアニオン性界面活性剤は、赤色カチオン性染料と複合体を形成して、クロロホルム層にピンク〜赤色を与える。
【0096】
計算:
カチオン性SO3当量%=[(V
*N)]
*0.080
*100/W
式中:
V=NaLS標準溶液(mL)
N=NaLS標準溶液の規定度
0.080=SO3のミリ当量
W=サンプル重量(g)
【0097】
ディスペンサ残留物を測定する方法:
フォローイングセットアップを使用して、洗濯機のディスペンサにおける最後のすすぎサイクルをシミュレートする。
【0098】
Miele Novotronic W986洗濯機に対応するディスペンサ引き出しPP−T40を水平位置に固定する。次いで、25グラムの布地柔軟剤組成物を、ディスペンサ引き出しの布地柔軟剤組成物区画に添加する。
【0099】
ディスペンサ区画の2.5cm上方に水平にかつその区画に対して平行に配置された「円筒形ノズル」を使用することによって、硬度2.5mmol/Lの水3.47kgの合計流量を、20℃で80秒間ディスペンサを通して流す。直径4cm及び長さ12.8cmのこのような円筒形ノズルは、ディスペンサ引き出しの布地ケア組成物区画のオリフィスに対応して配置された直径0.5cmの3つのオリフィスを有する。
【0100】
布地ケア組成物を含有するすすぎ水を、硬度2.5mmol/Lの水5kgを含有するバケツに回収し、水の流れが終了した後、450rpmで1分間、R 2302四枚刃付プロペラ撹拌器を備えるIKA EURO−ST P VCで均質化する。ディスペンサ残留物試験の終了時に得られるすすぎ水の総質量は、8.47kgである。
【0101】
CatSO3滴定を用いて測定される布地柔軟剤活性は、ディスペンサに添加された布地柔軟剤組成物及びすすぎ水の測定値である。
【0102】
%で表される分注残留物は、以下のように計算される:
【0103】
【数3】
(式中、
CatSO3
(布地柔軟剤組成物)は、布地柔軟剤組成物のCatSO3滴定によって決定されたカチオン性SO3当量%であり、
CatSO3
(すすぎ水)は、ディスペンサ残留物試験の終了時に回収されたすすぎ水のCatSO3滴定によって決定されたカチオン性SO3当量(%)である)。
【0104】
平均セルロース繊維直径を決定する方法:
平均セルロース繊維直径は、セルロース繊維原材料から直接、又はセルロース繊維を含む布地柔軟剤組成物から決定することができる。
【0105】
A)セルロース繊維原材料:1乾物%のセルロース繊維を水に添加し、それを高圧ホモジナイザー(GEA製のPANDA、350バール、10パス)で活性化することによって、セルロース繊維サンプルを調製する。得られたサンプルを分析する。
【0106】
B)セルロース繊維を含む布地柔軟剤組成物:
潜在的な粒子を除去して繊維サイズの測定における干渉を避けるために、布地柔軟剤組成物のサンプルを、Eppendorf製の5804遠心分離機を用いて4000rpmで10分間遠心分離する。次いで、澄んだ布地柔軟剤組成物を上清としてデカントする。布地柔軟剤組成物(上清)中に存在するセルロース繊維を、21000rpmの速度で10分間、IKA製のUltra Turrax装置、T25 S 25 N−25G−STを使用して、エタノール中に再分散させる。次いで、Eppendorf製の5804遠心分離機を使用して、サンプルを4000rpmで10分間遠心分離し、上清を除去する。底部に残ったセルロース繊維を分析する。分析に十分な量を有するようにするために、必要に応じて何度もプロセスを繰り返す。
【0107】
原子間力顕微鏡(Atomic force microscopy、AFM)を使用して平均セルロース繊維直径を分析する。脱塩水中の0.02%セルロース繊維分散液を調製し、この分散液の液滴を新たに切断した雲母(最高等級V1 Mica、15×15mm−TED PELLA,INC.又は等価物)上に付着させる。次いで、サンプルを40℃のオーブン内で乾燥させる。
【0108】
雲母シートをAFM(Nanosurf Flex AFM、ST Instruments又は等価物)に載せ、動的モードチップ(ACTA−50−APPNANO又は等価物)を用いて動的モードでSiカンチレバーを使用して周囲条件下で空気中において撮像する。画像寸法は、20マイクロメートル×20マイクロメートルであり、1行あたり256個の点をキャプチャする。
【0109】
好適なAFMデータ分析ソフトウェア(Mountainsmap SPM 7.3、ST Instruments又は等価物など)を使用して、AFM画像を開く。各画像を各行ごとに水平にする。繊維の束を避けて1本又は複数の繊維を垂直に横断して1つ以上のプロファイルを抽出し、各プロファイルから、距離測定を実施して繊維の直径を得る。各繊維を1回だけ計数して、写真ごとに10回直径測定を実施する。
【0110】
3セットの測定(サンプル調製、AFM測定、及び画像分析)を行う。全ての画像で測定された全ての繊維の算術平均が、平均セルロース繊維直径である。
【0111】
本発明の布地柔軟剤組成物の作製プロセス
本発明の組成物は、任意の好適な形態に配合することができ、配合者によって選択される任意のプロセスによって調製することができ、その非限定的な例は、出願人らの実施例と、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2013/0109612(A1)号とに記載されている。
【0112】
本明細書に開示されている組成物は、その成分を任意の便利な順番で組み合わせ、そして、得られた成分の組み合わせを混合、例えば撹拌して相安定性の布地ケア組成物を形成することによって調製され得る。流体成分の少なくとも大部分、又は更には実質的に全てを含有する流体マトリクスを形成してよく、流体成分は、この液体の組み合わせに剪断撹拌を付与することによって十分に混合される。例えば、機械的撹拌機による高速撹拌を使用してもよい。
【0113】
本明細書に記載の液体布地柔軟剤組成物は、以下のように作製することもできる:
−以下のような装置A(
図1を参照されたい)を取得する:
少なくとも第1の入口1A及び第2の入口1Bと、予混合チャンバ2であって、上流端3及び下流端4を有し、予混合チャンバ2の上流端3が第1の入口1Aと第2の入口1Bとを液体連通する予混合チャンバ2と、オリフィス構成要素5であって、上流端6及び下流端7を有し、オリフィス構成要素6の上流端は、予混合チャンバ2の下流端4と液体連通しており、オリフィス構成要素5は、噴出で液体を噴霧し液体中に剪断力及び/又は乱流を生成するように構成されているオリフィス構成要素5と、二次混合チャンバ8であって、オリフィス構成要素5の下流端7と液体連通している二次混合チャンバ8と、液体中の剪断力及び/又は乱流の生成後に液体を排出するために二次混合チャンバ8と液体連通している少なくとも1つの出口9と、を備え、入口1A、予混合チャンバ2、オリフィス構成要素5、及び二次混合チャンバ8が、互いに一直線に線状であり、少なくとも1つの出口9が、二次混合チャンバ8の下流端に配置されており、オリフィス構成要素5は少なくとも1つのオリフィスユニットを含み、具体例は、
図2に示すように、オリフィス構成要素5が、互いに直列に配置された2つのオリフィスユニット10及び11を含み、各オリフィスユニットが、少なくとも1つのオリフィス13を含むオリフィスプレート12と、オリフィスプレート12から上流に位置し、オリフィスプレート12と液体連通しているオリフィスチャンバ14とを備え、隣接するオリフィスプレートが互いに異なるものである5。
−1つ以上の好適な液体揚送装置を第1入口1A及び第2入口1Bに接続する:
−第2の液体組成物を第1の入口1Aにポンプで注入し、液体布地柔軟剤活性物質組成物を第2の入口1Bにポンプで注入し、当該装置の動作圧は、2.5バール〜50バール、3.0バール〜20、又は3.5バール〜10バールであり、動作圧は、入口1B付近の第1の入口1Aで測定された液体の圧力である。装置Aの出口における動作圧は、オリフィス内のキャビテーションを防止するのに十分高くなければならない。
−液体布地柔軟剤活性物質及び第2の液体組成物を、所望の流速で装置Aに通し、これらは装置Aを通過するにつれて、本明細書において液体布地柔軟剤中間体として定義されるとおり、互いに分散する。
−当該液体布地柔軟剤中間体を装置Aの出口から装置B(
図3)の入口16に通して、液体布地柔軟剤中間体を装置B内で更に一定時間剪断及び/又は乱流に供する。
−循環ループポンプ17により、当該循環ループ系における当該入口での液体布地柔軟剤中間体の流速以上の循環ループ18の流速で、当該液体布地柔軟剤中間体を装置B内で循環させる。再循環ループを有する、又は有しないタンク、あるいは長導管を採用して、所望の時間にわたって所望の剪断及び/又は乱流を送達することもできる。
−ポンプ19、パイプ接続及びインライン式流体注入器20を用いて、補助流体(一態様では、限定するものではないが、希釈塩溶液)を装置Bに添加して、液体布地柔軟剤中間体と混合する。
−所望の微小構造を有する液体布地柔軟剤組成物を、装置Bへの入口流速と同じ流速で装置B21から排出させる。
−必要に応じて、装置Bの出口を出る当該液体布地柔軟剤組成物を熱変換器に通して、周囲温度へと冷却する。
−プロセスの出口から、得られた生成された液体布地柔軟剤組成物を排出させる。
【0114】
プロセスは、別個の流れの形態で、液体形態の布地柔軟剤活性物質と、布地柔軟剤組成物の他の成分を含む第2の液体組成物とを、液体がオリフィス構成要素5を通過するように装置Aの予混合チャンバ2に導入することを含む。圧力下で液体形態の布地柔軟化活性物質と第2の液体組成物とにオリフィス構成要素5を通過させる。液体形態の布地柔軟化活性物質と第2の液体組成物とは同様の又は異なる動作圧であることができる。オリフィス構成要素5は、液体布地柔軟剤活性物質と第2の液体組成物とを混合するため、並びに/又は各液体若しくは液体の混合物中で剪断及び/若しくは乱流を生じさせるために、単独で又は何らかの他の構成部品と組み合わせて構成される。
【0115】
液体は、ポンプ及びポンプに電力を供給するモータの使用(ただしこれに限定されない)を含む、任意の好適な方式によって装置A及びBに供給することができる。ポンプは、所望の動作圧下で液体を装置Aに供給することができる。一実施形態において、「8枠ブロック式マニホールド(8 frame block-style manifold)」を781型Plunger pump(CAT pumps(1681 94th Lane NE,Minneapolis,MN 55449)から入手可能)と共に使用する。
【0116】
従来の剪断及び/又は乱流装置の動作圧は、典型的には2バール〜490バールである。動作圧は、入口1B付近の入口1Aにおける液体の圧力である。動作圧は、ポンプによりもたらされる。
【0117】
装置Aの動作圧は、RVS膜を装備したCerphant T PTP35圧力スイッチ(Endress Hauser(Endress+Hauser Instruments,International AG,Kaegenstrasse 2,CH−4153,Reinach)により製造)を用いて測定される。このスイッチを従来のねじ接続(雄ねじは予混合チャンバハウジング内、雌ねじはCerphant T PTP35圧力スイッチ上)を用いて入口1B付近の入口1Aに接続する。
【0118】
装置Aの動作圧は、従来の剪断力、及び/又は乱流プロセスよりも低いにも関わらず、従来の装置を用いるプロセスに見られるものと同程度の液体混合が得られ得る。同様に、同じ動作圧において、本発明のプロセスは、従来の剪断及び/又は乱流プロセスで見られるものよりも良好な混合をもたらす。
【0119】
布地柔軟剤活性物質及び第2の液体組成物が装置Aを通って流れるにつれて、オリフィス構成要素5のオリフィス13及び15を通過する。通過する際、これらは、噴流の形態でオリフィス13及び/又は15から出る。この噴流が、布地柔軟剤活性物質及び第2の液体組成物に剪断及び/又は乱流をもたらし、それによって、これらの一方を他方に分散させて、均一な混合物を形成する。
【0120】
従来の剪断及び/又は乱流プロセスにおいて、液体に高圧力下でオリフィス13及び/又は15を通過させることによりこれらの液体を混合させる。直列に配置されたオリフィスに液体を通過させた場合、これと同程度の混合を、高圧による方法と比較してより低い圧力で達成することができる。また同等の圧力では、本発明のプロセスは、液体を、直列に配置されたオリフィスに通過させることにより、剪断及び/又は乱流プロセスよりもより良好な液体混合をもたらす。
【0121】
所与の体積の液体は、装置A内に任意の好適な滞留時間及び/又は滞留時間分布を有し得る。いくつかの好適な滞留時間としては、1マイクロ秒〜1秒又はそれ以上が挙げられるが、これに限定されない。液体は、装置Aを通って任意の好適な流速で流れることができる。好適な流速は、1〜1500L/分以上、又は5〜1000L/分が挙げられるがこれに限定されない、このような範囲内の流速の任意のより狭い範囲である。
【0122】
装置Bの循環ループ系の例に関しては、循環流速を入口流速で除したものに相当する、循環ループ流速比により、流速を特徴づけるのが便利であることが分かるであろう。所望の布地柔軟剤組成物の微小構造体を生成するための当該循環ループ流速比は、1〜100、1〜50、及び更には1〜20であってよい。循環ループ中の流速が、液体布地柔軟剤に剪断及び乱流を付与して、液体布地柔軟剤中間体が所望の分散微小構造体に変換される。
【0123】
当該装置Bにおいて当該液体布地柔軟剤中間体が費やす時間は、当該循環ループ系の総体積を当該布地柔軟剤中間体の入口流量で除したものに等しい滞留時間によって定量することができる。所望の液体布地柔軟剤組成物の微小構造体を生成するための当該循環ループの滞留時間は、0.1秒〜10分、1秒〜1分、又は2秒〜30秒であってよい。滞留時間のばらつきは最小化させることが望ましい。
【0124】
当該液体布地柔軟剤中間体に付与される剪断及び/又は乱流は、単位流体体積あたりの総運動エネルギーを推定することによって定量することができる。装置B内で布地柔軟剤中間体に対して循環ループ系において付与される単位体積当たりの運動エネルギーは、10〜1000000g.cm
−1.s
−2、50〜500000g.cm
−1.s
−2、又は100〜100000g.cm
−1.s
−2であり得る。装置Bを通して流す液体は、任意の好適な流速で流すことができる。好適な入口流速及び出口流速は、1〜1500L/分以上、又は5〜1000L/分が挙げられるがこれに限定されない、このような範囲内の流速の任意のより狭い範囲である。好適な循環流速は、1L/分〜20000L/分以上、又は約5〜10000L/分が挙げられるがこれに限定されない、このような範囲内の流速の任意のより狭い範囲である。装置Aは、理想的には装置Bと同時に動作させて連続プロセスを形成する。装置Aで作製された液体布地柔軟剤中間体は、好適な容器内で保管され、後に装置Bを通して加工されてもよい。
【実施例】
【0125】
まず、3つのオリフィスを有する連続流体作製プロセスにおける装置A及びBを使用して、第四級アンモニウムエステル柔軟剤活性物質(「FSA」)の分散液を調製することによって、例1〜8の布地柔軟剤組成物を調製した。ココナッツ油及びイソプロパノールを、81℃の高温FSAに添加して、FSAプレミックスを形成した。81℃の加熱されたFSAプレミックスと補助材料NaHEDP、HCl、ギ酸、及び保存剤を含有する65℃の加熱された脱イオン水とを、容積移送式ポンプを用いて、装置A、装置B、遠心ポンプを備える循環ループを通して供給した。プレート型熱交換器により、液体布地柔軟剤組成物を直ちに25℃に冷却した。総流量は3.1kg/分であった。装置Aの入口における圧力5バール;装置Aの出口における圧力2.5バール;装置Bの循環ループの流速比8.4;装置Bの運動エネルギー18000g.cm
−1.s
−2;装置Bの滞留時間14秒;装置Bの出口圧力3バール。
【0126】
15〜20分間20Hzで動作するYtron−Y高速ミキサーを使用して、以下の表1に記載される残りの成分を添加することによって、布地柔軟剤組成物を仕上げた。表1は、例1〜8の全体の組成を示す。例5〜8では、3%マイクロファイバーセルロースを含むプレミックスを、4500rpmで5分間動作するSilverson Homogenizer L5Mを使用して、最後の工程で液体布地柔軟剤組成物に添加して、均質な分散液を得た。増粘されていない液体布地柔軟剤組成物中で、供給元から入手した10%水性セルロース繊維ペーストを、21500rpmで10分間IKA Ultra Turrax高剪断ミキサーで混合することによって、マイクロファイバーセルロースを含む3%プレミックスの調製品を得た。
なお、例5及び6は、参考例とする。
【0127】
【表1】
【0128】
【表2】
aProxel GXL、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンの20%ジプロピレングリコール水溶液、Lonzaによって供給。
bN,N−ビス(ヒドロキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド脂肪酸エステル。この材料の親脂肪酸のヨウ素価は、18〜22である。Evonikから得られる材料は、遊離脂肪酸の形態の不純物、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド脂肪酸エステルのモノエステル形態、及びN,N−ビス(ヒドロキシエチル)−N−メチルアミンの脂肪酸エステルである。
cMP10(登録商標)、Dow Corningによって供給、8%活性
d米国特許第8,765,659号に記載のとおり、100%封入香油として表される
eRheovis(登録商標)CDE、BASFによって供給されたカチオン性高分子増粘剤
fExilva(登録商標)、マイクロファイバーセルロース、100%乾物として表され、10%水分散液としてBorregaardによって供給
【0129】
布地柔軟剤組成物がディスペンサ内に残留物として部分的に残留し、したがってすすぎ水と完全に混合されていないとき、布地柔軟剤組成物は布地と部分的にしか接触せず、したがって、柔軟化効果などの効果が低下する。このような布地柔軟剤残留物が、ディスペンサを汚れているように見せ、悪臭の形成につながる場合さえあるので、消費者の更なる不満が生じる。
【0130】
組成物を増粘するために漸増濃度の従来のカチオン性ポリマーの濃度を含む比較例1〜4は、組成物の濃厚な外観の暗示を改善した。更に、比較例2〜4は、経時的な相安定性を改善する動的降伏応力も有していた。しかしながら、粘度が高く、動的降伏応力が存在すると、ディスペンサから布地柔軟剤組成物を完全に分注することがより困難になった。粘度の増加によって、残留物が11%から39%に増加した。
【0131】
本発明に係る例5〜8は、漸増濃度のセルロース繊維を含んでおり、これらも粘度を増大させて濃厚さを暗示したが、例5〜8は全て動的降伏応力を含んでいた。驚くべきことに、セルロース繊維の存在により、ディスペンサ残留物は、より高い粘度でも、動的降伏応力の存在下でも増加しなかった。実際に、例7及び8は、粘度及び降伏応力が例5及び6よりも高いにもかかわらず、ディスペンサ残留物の減少さえも示した。