特許第6843252号(P6843252)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6843252物理任意接続チャネルを送受信する方法及びそのための装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6843252
(24)【登録日】2021年2月25日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】物理任意接続チャネルを送受信する方法及びそのための装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/08 20090101AFI20210308BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20210308BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20210308BHJP
   H04B 7/06 20060101ALN20210308BHJP
【FI】
   H04W74/08
   H04W72/04 131
   H04L27/26 113
   !H04B7/06 950
【請求項の数】9
【全頁数】44
(21)【出願番号】特願2019-541251(P2019-541251)
(86)(22)【出願日】2018年11月16日
(65)【公表番号】特表2020-507972(P2020-507972A)
(43)【公表日】2020年3月12日
(86)【国際出願番号】KR2018014135
(87)【国際公開番号】WO2019098770
(87)【国際公開日】20190523
【審査請求日】2019年7月30日
(31)【優先権主張番号】62/588,147
(32)【優先日】2017年11月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/670,046
(32)【優先日】2018年5月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】コ ヒョンス
(72)【発明者】
【氏名】キム キチュン
(72)【発明者】
【氏名】キム ウンソン
(72)【発明者】
【氏名】ユン ソクヒョン
【審査官】 桑原 聡一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2019/097661(WO,A1)
【文献】 NTT DOCOMO, INC.,Remaining details on PRACH formats[online],3GPP TSG RAN WG1 #91 R1-1720794,2017年11月18日,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_91/Docs/R1-1720794.zip>
【文献】 Nokia, Nokia Shanghai Bell,Remaining details on PRACH formats[online],3GPP TSG RAN WG1 #92b R1-1804456,2018年 4月 6日,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_92b/Docs/R1-1804456.zip>
【文献】 NTT DOCOMO, INC.,Discussion on remaining details on PRACH formats[online],3GPP TSG RAN WG1 #90b R1-1718183,2017年10月 3日,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_90b/Docs/R1-1718183.zip>
【文献】 LG Electronics,Discussion on PRACH preamble format details[online],3GPP TSG RAN WG1 #93 R1-1806605,2018年 5月12日,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_93/Docs/R1-1806605.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
H04L 27/26
H04B 7/06
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいて、端末(UE)がPRACH(Physical Random Access Channel)を送信する方法であって、
(i)前記UEへ送信される少なくとも一つの同期信号ブロック(Synchronization Signal Block;SSB)についての第1の情報及び(ii)PRACHリソースを含むPRACHスロットに対するRACH設定についての第2の情報を受信し、
前記第1の情報及び第2の情報に基づいて前記PRACHリソースの中から、前記少なくとも一つのSSBがマップされうる少なくとも一つの有効PRACHリソースを取得し、
前記少なくとも一つの有効PRACHリソースに含まれるリソースの中の前記PRACHを送信することを含み、
前記PRACHが送信される前記リソースは、前記PRACHスロットにおいて、前記少なくとも一つのSSBの最後のSSBが受信されるシンボル以後に割り当てられた少なくとも一つのPRACHリソースであり、
15,30,60及び120KHzを含むサブキャリアスペーシング(SCS)の一つが、前記PRACHの送信に利用され、
前記PRACHが送信される前記リソースと前記最後のSSBが受信されるシンボルの間の最小ギャップは、前記SCSに基づいて送信される前記PRACHに対して、偶数のシンボルを有するように設定される、PRACH送信方法。
【請求項2】
前記少なくとも一つの有効PRACHリソースは、
前記PRACHリソースの中で、UL/DL設定(uplink/downlink configuration)によって下りリンクリソースとして割り当てられていない少なくとも一つのPRACHリソースである、請求項1に記載のPRACH送信方法。
【請求項3】
前記PRACHリソースの中で、前記UL/DL設定によって上りリンクリソースとして割り当てられたPRACHリソースは、前記少なくとも一つの有効PRACHリソースに含まれる、請求項2に記載のPRACH送信方法。
【請求項4】
前記PRACHに対する副搬送波間隔が120kHzであることに基づいて、前記最小ギャップは2シンボルで構成される、請求項1に記載のPRACH送信方法。
【請求項5】
無線通信システムにおいて、PRACH(Physical Random Access Channel)を送信するための端末(UE)であって、
メモリと、
前記メモリと接続したプロセッサとを含み、
前記プロセッサは、
(i)前記UEへ送信される少なくとも一つの同期信号ブロック(Synchronization Signal Block;SSB)についての第1の情報及び(ii)PRACHリソースを含むPRACHスロットに対するRACH設定についての第2の情報を受信し、
前記第1の情報及び第2の情報に基づいて前記PRACHリソースの中から、前記少なくとも一つのSSBがマップされうる少なくとも一つの有効PRACHリソースを取得し、
前記少なくとも一つの有効PRACHリソースに含まれるリソースの中の前記PRACHを送信するように構成され
前記PRACHが送信される前記リソースは、前記PRACHスロットにおいて、前記少なくとも一つのSSBの最後のSSBが受信されるシンボル以後に割り当てられた少なくとも一つのPRACHリソースであり、
15,30,60及び120KHzを含むサブキャリアスペーシング(SCS)の一つが、前記PRACHの送信に利用され、
前記PRACHが送信される前記リソースと前記最後のSSBが受信されるシンボルの間の最小ギャップは、前記SCSに基づいて送信される前記PRACHに対して、偶数のシンボルを有するように設定される、通信装置。
【請求項6】
前記少なくとも一つの有効PRACHリソースは、
前記PRACHリソースの中で、UL/DL設定(uplink/downlink configuration)によって下りリンクリソースとして割り当てられていない少なくとも一つのPRACHリソースである、請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記PRACHリソースの中で、前記UL/DL設定によって上りリンクリソースとして割り当てられたPRACHリソースは、前記少なくとも一つの有効PRACHリソースに含まれる、請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記PRACHに対する副搬送波間隔が120kHzであることに基づいて、前記最小ギャップは2シンボルで構成される、請求項5に記載の通信装置。
【請求項9】
無線通信システムにおいて、基地局がPRACH(Physical Random Access Channel)を受信する方法であって、
(i)UEへ送信される少なくとも一つの同期信号ブロック(Synchronization Signal Block;SSB)についての第1の情報及び(ii)PRACHリソースを含むPRACHスロットに対するPRACH設定についての第2の情報を送信し、
前記少なくとも一つのSSBがマップできる少なくとも一つの有効PRACHリソースに含まれるリソースの中の前記PRACHを受信することを含み、
前記少なくとも一つの有効PRACHリソースは、前記第1の情報及び第2の情報に基づいて前記PRACHの中で、設定され、
前記PRACHが受信される前記リソースは、前記PRACHスロットにおいて、前記少なくとも一つのSSBの最後のSSBが送信されるシンボル以後に割り当てられた少なくとも一つのPRACHリソースであり、
15,30,60及び120KHzを含むサブキャリアスペーシング(SCS)の一つが、前記PRACHの送信に利用され、
前記PRACHが受信される前記リソースと前記最後のSSBが送信されるシンボルの間の最小ギャップは、前記SCSに基づいて受信される前記PRACHに対して、偶数のシンボルを有するように設定される、PRACH受信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理任意接続チャネル(Physical Random Access Channel;PRACH)を送受信する方法及びそのための装置に関し、より詳細には、PRACH設定によって割り当てられたPRACHリソースのうち、実際にPRACH送信が可能な有効PRACHリソースを介してPRACHを送信する方法及びそのための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
時代の流れによってより多くの通信装置がより大きな通信容量を要求することになり、既存のLTEシステムに比べて向上した無線広帯域通信である次世代5Gシステムが要求されている。NewRATと呼ばれるこの次世代5Gシステムは、Enhanced Mobile BroadBand(eMBB)/Ultra−reliability and low−latency communication(URLLC)/Massive Machine−Type Communications(mMTC)などに通信シナリオが区分される。
【0003】
ここで、eMBBはHigh Spectrum Efficiency、High User Experienced Data Rate、High Peak Data Rateなどの特性を有する次世代移動通信シナリオであり、URLLCはUltra Reliable、Ultra Low Latency、Ultra High Availabilityなどの特性を有する次世代移動通信シナリオであり(e.g.,V2X、Emergency Service、Remote Control)、mMTCはLow Cost、Low Energy、Short Packet、Massive Connectivityの特性を有する次世代移動通信シナリオである(e.g.,IoT)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、物理任意接続チャネルを送受信する方法及びそのための装置を提供しようとする。
【0005】
本発明が遂げようとする技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及していない他の技術的課題は、以下の発明の詳細な説明から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者には明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例による無線通信システムにおいて、端末がPRACH(Physical Random Access Channel)を送信する方法であって、同期信号ブロック(Synchronization Signal Block;SSB)に関する第1の情報及びPRACHリソースに関する第2の情報を受信して、前記第1の情報及び前記第2の情報に基づいて、前記PRACHリソースのうち、有効(valid)PRACHリソースにおいて前記PRACHを送信することを含み、前記有効PRACHリソースは、前記第2の情報に関するPRACHスロットに含まれるPRACHリソースのうち、前記SSBが受信されるシンボル以後に割り当てられたPRACHリソースである。
【0007】
このとき、前記有効PRACHリソースは、前記PRACHリソースのうち、UL/DL設定(uplink/downlink configuration)によって下りリンクリソースとして割り当てられていないPRACHリソースである。
【0008】
また、前記PRACHリソースのうち、前記UL/DL設定によって上りリンクリソースとして割り当てられたPRACHリソースは、前記有効PRACHリソースである。
【0009】
また、前記有効PRACHリソースは、前記SSBが受信されるシンボルから前記PRACHリソースのための副搬送波間隔に基づくギャップ以後に割り当てられるPRACHリソースである。
【0010】
また、前記副搬送波間隔が120kHzである場合、前記ギャップは2シンボルである。
【0011】
本発明による無線通信システムにおいて、PRACH(Physical Random Access Channel)を送信するための通信装置であって、メモリと、前記メモリと接続したプロセッサとを含み、同期信号ブロック(Synchronization Signal Block;SSB)に関する第1の情報及びPRACHリソースに関する第2の情報を受信して、前記第1の情報及び前記第2の情報に基づいて、前記PRACHリソースのうち、有効(valid)PRACHリソースにおいて前記PRACHを送信するように制御することを含み、前記有効PRACHリソースは、前記第2の情報に関するPRACHスロットに含まれるPRACHリソースのうち、前記SSBが受信されるシンボル以後に割り当てられたPRACHリソースである。
【0012】
このとき、前記有効PRACHリソースは、前記PRACHリソースのうち、UL/DL設定(uplink/downlink configuration)によって下りリンクリソースとして割り当てられていないPRACHリソースである。
【0013】
また、前記PRACHリソースのうち、前記UL/DL設定によって上りリンクリソースとして割り当てられたPRACHリソースは、前記有効PRACHリソースである。
【0014】
また、前記有効PRACHリソースは、前記SSBが受信されるシンボルから前記PRACHリソースのための副搬送波間隔に基づくギャップ以後に割り当てられるPRACHリソースである。
【0015】
また、前記副搬送波間隔が120kHzである場合、前記ギャップは2シンボルである。
【0016】
本発明の実施例による無線通信システムにおいて、基地局がPRACH(Physical Random Access Channel)を受信する方法であって、同期信号ブロック(Synchronization Signal Block;SSB)に関する第1の情報及びPRACHリソースに関する第2の情報を送信して、前記第1の情報及び前記第2の情報に基づいて、前記PRACHリソースのうち、有効(valid)PRACHリソースにおいて前記PRACHを受信することを含み、前記有効PRACHリソースは、前記第2の情報に関するPRACHスロットに含まれるPRACHリソースのうち、前記SSBが受信されるシンボル以後に割り当てられたPRACHリソースである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、SSBなどの送信によってPRACH送信に衝突が発生するなどの問題点を緩和して、効率的なPRACH送信が行われるようにすることができる。
【0018】
本発明で得られる効果は以上に言及した効果に制限されず、言及しなかった他の効果は下記の記載から本発明が属する当該技術分野における当業者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】3GPP無線接続網の規格に基づく端末とE−UTRANの間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)の制御プレーン(Control Plane)及びユーザプレーン(User Plane)構造を示す図である。
図2】3GPPシステムに用いられる物理チャネル及びこれらを用いた一般的な信号送信方法を説明する図である。
図3】LTEシステムにおいて用いられる同期信号(synchronization signal,SS)の送信のための無線フレーム構造を例示する図である。
図4】NRシステムにおいて用いられるSS/PBCHブロックの構造を説明するための図である。
図5】NRシステムにおいて用いられる無線フレーム及びスロットの構造を説明するための図である。
図6】NRシステムにおいて用いられる無線フレーム及びスロットの構造を説明するための図である。
図7】NRシステムにおいて用いられる無線フレーム及びスロットの構造を説明するための図である。
図8】送受信器ユニット(transceiver unit,TXRU)及び物理的アンテナ観点からハイブリッドビームフォーミングの構造を簡単に示した図である。
図9】下りリンク送信過程において、同期信号及びシステム情報に対するビームスイーピング(Beam Sweeping)動作を示す図である。
図10】新たな無線接続技術(new radio access technology,NR)システムのセルを例示する図である。
図11】本発明の実施例に従って、PRACH(Physical Random Access Channel)を送受信する過程を説明するための図である。
図12】本発明の実施例に従って、PRACH(Physical Random Access Channel)を送受信する過程を説明するための図である。
図13】本発明の実施例に従って、PRACH(Physical Random Access Channel)を送受信する過程を説明するための図である。
図14】SSBが送信され得る候補SSB領域を説明するための図である。
図15】PRACHが送信され得るPRACH Occasionを構成する実施例を説明するための図である。
図16】PRACH Occasionが割り当てられる方法に関する実施例を説明するための図である。
図17】PRACH Occasionが割り当てられる方法に関する実施例を説明するための図である。
図18】本発明を実行する無線装置の構成要素を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付の図面を参照して説明された本発明の実施例から、本発明の構成、作用及び他の特徴が容易に理解されるであろう。以下に説明される実施例は、本発明の技術的特徴が3GPPシステムに適用された例である。
【0021】
本明細書ではLTEシステム及びLTE−Aシステムを用いて本発明の実施例を説明するが、これは例示に過ぎず、本発明の実施例は、上述した定義に該当するいかなる通信システムにも適用可能である。
【0022】
また、本明細書では、基地局をRRH(remote radio head)、eNB、TP(transmission point)、RP(reception point)、中継機(relay)などを含む包括的な名称として使うことができる。
【0023】
3GPPベース通信標準は、上位層からの情報を運ぶリソース要素に対応する下りリンク物理チャネルと、物理層によって使用されるものの上位層からの情報を運ばないリソース要素に対応する下りリンク物理信号を定義する。例えば、物理下りリンク共有チャネル(physical downlink shared channel,PDSCH)、物理ブロードキャストチャネル(physical broadcast channel,PBCH)、物理マルチキャストチャネル(physical multicast channel,PMCH)、物理制御フォーマット指示子チャネル(physical control format indicator channel,PCFICH)、物理下りリンク制御チャネル(physical downlink control channel,PDCCH)及び物理ハイブリッドARQ指示子チャネル(physical hybrid ARQ indicator channel,PHICH)が下りリンク物理チャネルとして定義されており、参照信号と同期信号が下りリンク物理信号として定義されている。パイロット(pilot)とも呼ばれる参照信号(reference signal,RS)は、gNBとUEとが互いに知っている予め定義された特別な波形の信号を意味するが、例えば、セル特定的RS(cell specific RS)、UE−特定的RS(UE−specific RS,UE−RS)、ポジショニングRS(positioning RS,PRS)及びチャネル状態情報RS(channel state information RS,CSI−RS)が下りリンク参照信号として定義される。3GPP LTE/LTE−A標準は、上位層からの情報を運ぶリソース要素に対応する上りリンク物理チャネルと、物理層によって用いられるが、上位層からの情報を運ばないリソース要素に対応する上りリンク物理信号を定義している。例えば、物理上りリンク共有チャネル(physical uplink shared channel,PUSCH)、物理上りリンク制御チャネル(physical uplink control channel,PUCCH)、物理任意接続チャネル(physical random access channel,PRACH)が上りリンク物理チャネルとして定義され、上りリンク制御/データ信号のための復調参照信号(demodulation reference signal,DMRS)と上りリンクチャネル測定に用いられるサウンディング参照信号(sounding reference signal,SRS)が定義される。
【0024】
本発明で、PDCCH(Physical Downlink Control CHannel)/PCFICH(Physical Control Format Indicator CHannel)/PHICH((Physical Hybrid automatic retransmit request Indicator CHannel)/PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)はそれぞれ、DCI(Downlink Control Information)/CFI(Control Format Indicator)/下りリンクACK/NACK(ACKnowlegement/Negative ACK)/下りリンクデータを運ぶ時間−周波数リソースの集合或いはリソース要素の集合を意味する。また、PUCCH(Physical Uplink Control CHannel)/PUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)/PRACH(Physical Random Access CHannel)はそれぞれ、UCI(Uplink Control Information)/上りリンクデータ/任意接続信号を運ぶ時間−周波数リソースの集合或いはリソース要素の集合を意味する。本発明では、特に、PDCCH/PCFICH/PHICH/PDSCH/PUCCH/PUSCH/PRACHに割り当てられたり、これに属した時間−周波数リソース或いはリソース要素(Resource Element,RE)をそれぞれ、PDCCH/PCFICH/PHICH/PDSCH/PUCCH/PUSCH/PRACH RE又はPDCCH/PCFICH/PHICH/PDSCH/PUCCH/PUSCH/PRACHリソースと称する。以下では、ユーザ機器がPUCCH/PUSCH/PRACHを送信するという表現は、それぞれ、PUSCH/PUCCH/PRACH上で、或いは、を通じて、上りリンク制御情報/上りリンクデータ/任意接続信号を送信することと同じ意味で使われる。また、gNBがPDCCH/PCFICH/PHICH/PDSCHを送信するという表現は、それぞれ、PDCCH/PCFICH/PHICH/PDSCH上で、或いは、を通じて、下りリンクデータ/制御情報を送信することと同じ意味で使われる。
【0025】
以下では、CRS/DMRS/CSI−RS/SRS/UE−RSが割り当てられた或いは設定された(configured)OFDMシンボル/副搬送波/REを、CRS/DMRS/CSI−RS/SRS/UE−RSシンボル/搬送波/副搬送波/REと称する。例えば、トラッキングRS(tracking RS,TRS)が割り当てられた或いは設定されたOFDMシンボルは、TRSシンボルと称し、TRSが割り当てられた或いは設定された副搬送波は、TRS副搬送波と称し、TRSが割り当てられた或いは設定されたREはTRS REと称する。また、TRS送信のために設定された(configured)サブフレームを、TRSサブフレームと称する。また、ブロードキャスト信号が送信されるサブフレームを、ブロードキャストサブフレーム或いはPBCHサブフレームと称し、同期信号(例えば、PSS及び/又はSSS)が送信されるサブフレームを、同期信号サブフレーム或いはPSS/SSSサブフレームと称する。PSS/SSSが割り当てられた或いは設定された(configured)OFDMシンボル/副搬送波/REをそれぞれ、PSS/SSSシンボル/副搬送波/REと称する。
【0026】
本発明でいう、CRSポート、UE-RSポート、CSI−RSポート、TRSポートとは、それぞれ、CRSを送信するように設定された(configured)アンテナポート、UE−RSを送信するように設定されたアンテナポート、CSI−RSを送信するように設定されたアンテナポート、TRSを送信するように設定されたアンテナポートを意味する。CRSを送信するように設定されたアンテナポートは、CRSポートによってCRSが占有するREの位置によって相互区別でき、UE−RSを送信するように設定された(configured)アンテナポートは、UE−RSポートによってUE−RSが占有するREの位置によって相互に区別でき、CSI−RSを送信するように設定されたアンテナポートは、CSI−RSポートによってCSI−RSが占有するREの位置によって相互に区別できる。したがって、CRS/UE−RS/CSI−RS/TRSポートという用語が、一定リソース領域内でCRS/UE−RS/CSI−RS/TRSが占有するREのパターンを意味する用語として用いられることもある。
【0027】
図1は、3GPP無線接続網の規格に基づく端末とE−UTRANの間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)の制御プレーン(Control Plane)及びユーザプレーン(User Plane)の構造を示す図である。制御プレーンは端末(User Equipment;UE)とネットワークがコール(call)を管理するために用いる制御メッセージが送信される通路を意味する。ユーザプレーンはアプリケーション層で生成されたデータ、例えば、音声データ又はインターネットパケットデータなどが送信される通路を意味する。
【0028】
第1の層である物理層は、物理チャネル(Physical Channel)を用いて上位層に情報送信サービス(Information Transfer Service)を提供する。物理層は上位にある媒体接続制御(Medium Access Control)層とは送信チャネル(Transport Channel)を介して連結される。この送信チャネルを介して媒体接続制御層と物理層の間でデータが移動する。送信側と受信側の物理層の間では物理チャネルを介してデータが移動する。物理チャネルは時間と周波数を無線リソースとして活用する。具体的には、物理チャネルは、下りリンクにおいて、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式で変調され、上りリンクにおいては、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)方式で変調される。
【0029】
第2の層である媒体接続制御(Medium Access Control;MAC)層は、論理チャネル(Logical Channel)を介して上位層である無線リンク制御(Radio Link Control;RLC)層にサービスを提供する。第2の層のRLC層は信頼性のあるデータ送信を支援する。RLC層の機能はMAC内部の機能ブロックにより具現できる。第2の層のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層は帯域幅が狭い無線インターフェースにおいてIPv4或いはIPv6のようなIPパケットを効率的に送信するために不要な制御情報を減らすヘッダ圧縮(Header Compression)の機能を果たす。
【0030】
第3の層である最下部に位置する無線リソース制御(Radio Resource Control;RRC)層は、制御プレーンでのみ定義される。RRC層は無線ベアラ(Radio Bearer)の設定(Configuration)、再設定(Re− configuration)及び解除(Release)に関連して論理チャネル、送信チャネル及び物理チャネルの制御を担当する。無線ベアラは端末とネットワークの間のデータ伝達のために第2の層により提供されるサービスを意味する。このために、端末とネットワークのRRC層は互いにRRCメッセージを交換する。端末とネットワークのRRC層の間にRRC連結(RRC Connected)がある場合、端末はRRC連結状態(Connected Mode)となり、そうではない場合はRRC休止状態(Idle Mode)となる。RRC層の上位にあるNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理(Session Management)と移動性管理(Mobility Management)などの機能を果たす。
【0031】
ネットワークから端末にデータを送信する下り送信チャネルとしては、システム情報を送信するBCH(Broadcast Channel)、ページングメッセージを送信するPCH(Paging Channel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信する下りSCH(Shared Channel)などがある。下りマルチキャスト又は放送サービスのトラフィック又は制御メッセージの場合、下りSCHを介して送信され、又は特の下りMCH(Multicast Channel)を介して送信されることができる。なお、端末からネットワークにデータを送信する上り送信チャネルとしては、初期制御メッセージを送信するRACH(Random Access Channel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信する上りSCH(Shared Channel)がある。送信チャネルの上位にありかつ送信チャネルにマッピングされる論理チャネル(Logical Channel)としては、BCCH(Broadcast Control Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、CCCH(Common Control Channel)、MCCH(Multicast Control Channel)、MTCH(Multicast Traffic Channel)などがある。
【0032】
図2は、3GPPシステムに用いられる物理チャネル及びこれらを用いた一般的な信号送信方法を説明する図である。
【0033】
端末は、電源がオンになったり新たにセルに進入した場合は、基地局と同期を取るなどの初期セル探索(Initial cell search)作業を行う(S201)。このために、端末は基地局から主同期チャネル(Primary Synchronization Channel;P−SCH)及び副同期チャネル(Secondary Synchronization Channel;S−SCH)を受信することによって基地局と同期を取り、セルIDなどの情報を得ることができる。その後、端末は基地局から物理放送チャネル(Physical Broadcast Channel)を受信してセル内の放送情報を得ることができる。なお、端末は初期セル探索段階において下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal;DL RS)を受信して下りリンクチャネル状態を確認することができる。
【0034】
初期セル探索を終了した端末は、物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)及び該PDCCHに載せられた情報によって物理下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDSCH)を受信することによって、より具体的なシステム情報を得ることができる(S202)。
【0035】
一方、基地局に最初に接続したか或いは信号送信のための無線リソースがない場合は、端末は、基地局に対して任意接続過程(Random Access Procedure;RACH)を行うことができる(S203〜S206)。このために、端末は、物理任意接続チャネル(Physical Random Access Channel;PRACH)を介して特定シーケンスをプリアンブルとして送信し(S203及びS205)、PDCCH及び対応するPDSCHを介してプリアンブルに対する応答メッセージを受信することができる(S204及びS206)。競合ベースのRACHの場合、さらに衝突解決手順(Contention Resolution Procedure)を行うことができる。
【0036】
上述した手順を行った端末は、その後、一般的な上り/下りリンク信号送信の手順として、PDCCH/PDSCH受信(S207)及び物理上りリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel;PUSCH)/物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)の送信(S208)を行う。特に、端末は、PDCCHを介して下りリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)を受信する。ここで、DCIは、端末に対するリソース割り当て情報などの制御情報を含み、その使用目的に応じてフォーマットが互いに異なる。
【0037】
一方、端末が上りリンクを通じて基地局に送信したり又は端末が基地局から受信したりする制御情報は、下り/上りリンクACK/NACK信号、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Index)、RI(Rank Indicator)などを含む。3GPP LTEシステムの場合、端末は上述したCQI/PMI/RIなどの制御情報をPUSCH及び/又はPUCCHを介して送信することができる。
【0038】
図3は、LTE/LTE−Aベースの無線通信システムにおいて、同期信号(synchronization signal,SS)の送信のための無線フレームの構造を例示する図である。特に、図3は、周波数分割デュプレックス(frequency division duplex,FDD)において同期信号及びPBCHの送信のための無線フレームの構造を例示するものであり、図3(a)は、正規CP(normal cyclic prefix)として設定された(configured)無線フレームにおいてSS及びPBCHの送信位置を示す図であり、図3(b)は、拡張CP(extended CP)として設定された無線フレームにおいてSS及びPBCHの送信位置を示す図である。
【0039】
以下、図3を参照して、SSをより具体的に説明する。SSは、PSS(Primary Synchronization Signal)とSSS(Secondary Synchronization Signal)とに区分される。PSSは、OFDMシンボル同期、スロット同期などの時間ドメイン同期及び/又は周波数ドメイン同期を得るために用いられ、SSSは、フレーム同期、セルグループID及び/又はセルのCP設定(configuration)(即ち、正規CP又は拡張CPの使用情報)を得るために用いられる。図3を参照すると、PSSとSSSは、毎無線フレームの2つのOFDMシンボルでそれぞれ送信される。具体的に、SSは、インター−RAT(inter radio access technology)測定を容易にするために、GSM(Global System for Mobile communication)フレームの長さである4.6msを考慮して、サブフレーム0の第1番目のスロットとサブフレーム5の第1番目のスロットでそれぞれ送信される。特に、PSSは、サブフレーム0の第1番目のスロットの最後のOFDMシンボルとサブフレーム5の第1番目のスロットの最後のOFDMシンボルでそれぞれ送信され、SSSは、サブフレーム0の第1番目のスロットの最後から第2番目のOFDMシンボルとサブフレーム5の第1番目のスロットの最後から第2番目のOFDMシンボルでそれぞれ送信される。当該無線フレームの境界は、SSSによって検出できる。PSSは、当該スロットの最後のOFDMシンボルで送信され、SSSは、PSS直前のOFDMシンボルで送信される。SSの送信ダイバーシティ(diversity)方式は、単一アンテナポート(single antenna port)のみを用いて、標準では特に定義していない。
【0040】
PSSは5msごとに送信されるため、UEはPSSを検出することで、当該サブフレームがサブフレーム0とサブフレーム5のうち1つであることが分かるが、当該サブフレームがサブフレーム0とサブフレーム5のうちいずれなのかは具体的に分からない。よって、UEは、PSSのみでは無線フレームの境界が認知できない。即ち、PSSのみではフレーム同期が得られない。UEは一無線フレームにおいて2回送信されるものの、互いに異なるシーケンスとして送信されるSSSを検出することで無線フレームの境界を検出する。
【0041】
PSS/SSSを用いたセル(cell)探索過程を行い、DL信号の復調(demodulation)及びUL信号の送信を正確な時点に行うのに必要な時間及び周波数パラメータを決定したUEは、また、eNBからUEのシステム設定(system configuration)に必要なシステム情報を取得してこそ、前記eNBと通信することができる。
【0042】
システム情報は、マスタ情報ブロック(Master Information Block,MIB)及びシステム情報ブロック(System Information Block,SIB)によって設定される(configured)。各システム情報ブロックは、機能的に関連したパラメータの集合を含み、含むパラメータに応じてマスタ情報ブロック(Master Information Block,MIB)及びシステム情報ブロックタイプ1(System Information Block Type 1,SIB1)、システム情報ブロックタイプ2(System Information Block Type 2,SIB2)、SIB3−SIB17に区分できる。
【0043】
MIBは、UEがeNBのネットワーク(network)に初期接続(initial access)するのに必須の、最も頻繁に送信されるパラメータを含む。UEは、MIBをブロードキャストチャネル(例えば、PBCH)を介して受信することができる。MIBには、下りリンクシステム帯域幅(dl-Bandwidth,DL BW)、PHICH設定(configuration)、システムフレームナンバー(SFN)が含まれる。よって、UEは、PBCHを受信することで、明示的(explicit)に、DL BW、SFN、PHICH設定に関する情報が分かる。一方、PBCH受信によってUEが暗示的(implicit)に分かる情報としては、eNBの送信アンテナポートの数がある。eNBの送信アンテナ数に関する情報は、PBCHのエラー検出に用いられる16−ビットCRC(Cyclic Redundancy Check)に送信アンテナ数に対応するシーケンスをマスク(例えば、XOR演算)して、暗示的にシグナルリングされる。
【0044】
SIB1は、他のSIBの時間ドメインスケジューリングに関する情報のみならず、特定のセルがセル選択に適したセルであるか否かを判断するのに必要なパラメータを含む。SIB1はブロードキャストシグナリング又は専用(dedicated)シグナリングによってUEに受信される。
【0045】
DL搬送波周波数と当該システム帯域幅は、PBCHが運ぶMIBによって得ることができる。UL搬送波周波数及び当該システム帯域幅は、DL信号であるシステム情報によって得られる。MIBを受信したUEは、当該セルに対して格納された有効なシステム情報がないと、システム情報ブロックタイプ2(SystemInformationBlockType2,SIB2)が受信されるまで、MIB内のDL BWの値をUL−帯域幅(UL BW)に適用する。例えば、UEは、システム情報ブロックタイプ2(SystemInformationBlockType2,SIB2)を取得して、前記SIB2内のUL−搬送波周波数及びUL−帯域幅情報によってUEがUL送信に使用可能な全体のULシステム帯域を把握することができる。
【0046】
周波数ドメインにおいて、PSS/SSS及びPBCHは、実際のシステム帯域幅とは関係なく、当該OFDMシンボルにおいてDC副搬送波を中心として、左右3個ずつ、全6個のRB、即ち、全72個の副搬送波内でのみ送信される。よって、UEは、UEに設定された(configured)下りリンク送信帯域幅とは関係なく、SS及びPBCHを検出(detect)或いは復号(decode)できるように設定される(configured)。
【0047】
初期セル探索を終えたUEは、eNBへの接続を完了するために、任意接続過程(random access procedure)を行うことができる。このために、UEは、物理任意接続チャネル(physical random access channel,PRACH)を通じてプリアンブル(preamble)を送信し、PDCCH及びPDSCHを通じてプリアンブルへの応答メッセージを受信することができる。競合ベースの任意接続(contention based random access)の場合、更なるPRACHの送信、またPDCCH及びPDCCHに対応するPDSCHのような衝突解決手順(contention resolution procedure)を行うことができる。
【0048】
上述したような手順を行ったUEは、その後、一般的な上りリンク/下りリンク信号送信手順として、PDCCH/PDSCH受信及びPUSCH/PUCCH送信を行うことができる。
【0049】
上述した任意接続過程は、任意接続チャネル(random access channel,RACH)過程とも呼ばれる。任意接続過程は、初期接続、上りリンク同期調整、リソース割り当て、ハンドオーバーなどの用途など様々に用いられる。任意接続過程は、競合−ベース(contention-based)過程と、専用(dedicated)(即ち、非−競合−ベース)過程とに分類できる。競合−ベースの任意接続過程は、初期接続を含んで一般的に用いられ、専用任意接続過程はハンドオーバーなどに制限的に用いられる。競合−ベースの任意接続過程において、UEはRACHプリアンブルシーケンスを任意に(randomly)選択する。よって、複数のUEが同時に同一のRACHプリアンブルシーケンスを送信することが可能であり、これによって、その後に衝突解決手順が必要となる。一方、専用任意接続過程において、UEはeNBが当該UEに唯一に割り当てたRACHプリアンブルシーケンスを用いる。よって、他のUEとの衝突なく任意接続過程を行うことができる。
【0050】
競合−ベースの任意接続過程は、以下の4ステップを含む。以下、ステップ1〜4で送信されるメッセージのそれぞれをメッセージ1〜4(Msg1〜Msg4)と称する。
【0051】
− ステップ1:RACHプリアンブル(via PRACH)(UE to eNB)
【0052】
− ステップ2:任意接続応答(random access response,RAR)(via PDCCH及びPDSCH)(eNB to UE)
【0053】
− ステップ3:レイヤ2/レイヤ3メッセージ(via PUSCH)(UE to eNB)
【0054】
− ステップ4:衝突解決(contention resolution)メッセージ(eNB to UE)
【0055】
専用任意接続過程は、以下の3ステップを含む。以下、ステップ0〜2で送信されるメッセージのそれぞれは、メッセージ0〜2(Msg0〜Msg2)と称する。任意接続過程の一部としてRARに対応する上りリンク送信(即ち、ステップ3)を行うこともできる。専用任意接続過程は、基地局がRACHプリアンブル送信を命令するためのPDCCH(以下、PDCCHオーダー(order))を用いてトリガされることができる。
【0056】
− ステップ0:専用シグナリングによるRACHプリアンブル割り当て(eNB to UE)
【0057】
− ステップ1:RACHプリアンブル(via PRACH)(UE to eNB)
【0058】
− ステップ2:任意接続応答(RAR)(via PDCCH及びPDSCH)(eNB to UE)
【0059】
RACHプリアンブルを送信した後、UEは予め−設定された時間ウィンドー内で任意接続応答(RAR)の受信を試みる。具体的に、UEは、時間ウィンドー内でRA−RNTI(Random Access RNTI)を有するPDCCH(以下、RA−RNTI PDCCH)(例えば、PDCCHにおいてCRCがRA−RNTIでマスクされる)の検出を試みる。RA−RNTI PDCCH検出時に、UEは、RA−RNTI PDCCHに対応するPDSCH内に、UEのためのRARが存在するか否かを確認する。RARは、UL同期化のためのタイミングオフセット情報を示すタイミングアドバンス(timing advance, TA)情報、ULリソース割り当て情報(ULグラント情報)、仮端末識別子(例えば、temporary cell−RNTI, TC−RNTI)などを含む。UEは、RAR内のリソース割り当て情報及びTA値に応じてUL送信(例えば、Msg3)を行うことができる。RARに対応するUL送信にはHARQが適用される。したがって、UEは、Msg3を送信した後、Msg3に対応する受信応答情報(例えば、PHICH)を受信することができる。
【0060】
任意接続プリアンブル、即ち、RACHプリアンブルは、物理層において長さTCPの循環前置(cyclic prefix)及び長さTSEQのシーケンスからなる。TCPのTSEQは、フレーム構造と任意接続設定(configuration)に依存する。プリアンブルフォーマットは上位層によって制御される。RACHプリアンブルはULサブフレームから送信される。任意接続プリアンブルの送信は、特定の時間及び周波数リソースに制限(restrict)される。このようなリソースをPRACHリソースと呼び、PRACHリソースは、インデックス0が無線フレームにおいて低い番号のPRB及びサブフレームに対応するように、前記無線フレーム内のサブフレーム番号と、周波数ドメインにおいてPRBの増加順に番号付けられる。任意接続リソースがPRACH設定インデックスによって定義される(3GPP TS 36.211標準文書を参照)。PRACH設定インデックスは(eNBによって送信される)上位層信号によって与えられる。
【0061】
LTE/LTE−Aシステムにおいて任意接続プリアンブル、即ち、RACHプリアンブルのための副搬送波間隔(Subcarrier Spacing)は、プリアンブルフォーマット0〜3の場合は1.25kHzであり、プリアンブルフォーマット4の場合は7.5kHzであると規定される(3GPP TS 36.211を参照)。
【0062】
図4は、SSB構造を例示する。端末は、SSBに基づいて、セル探索(search)、システム情報取得、初期接続のためのビーム整列、DL測定などを行うことができる。SSBは、SS/PBCH(Synchronization Signal/Physical Broadcast channel)ブロックと混用される。
【0063】
図4を参照すると、SSBは、PSS、SSS及びPBCHからなる。SSBは、4個の連続したOFDMシンボルに構成され、OFDMシンボルごとに、PSS、PBCH、SSS/PBCH及びPBCHが送信される。PSSとSSSはそれぞれ、1個のOFDMシンボルと127個の副搬送波からなり、PBCHは、3個のOFDMシンボルと576個の副搬送波からなる。PBCHには、ポーラーコーディング及びQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)が適用される。PBCHは、OFDMシンボルごとにデータREとDMRS(Demodulation Reference Signal)REで構成される。RBごとに3個のDMRS REが存在して、DMRS RE間には、3個のデータREが存在する。
【0064】
一方、NRシステムは、OFDM送信方式又はこれと類似している送信方式を用いる。新RATシステムは、LTEのOFDMパラメータとは異なるOFDMパラメータに従ってもよい。または、新RATシステムは、既存のLTE/LTE−Aのニューマロロジーをそのまま従ってもよく、より大きいシステム帯域幅(例え、100MHz)を有してもよい。または、1つのセルが複数のニューマロロジーを支援してもよい。即ち、互いに異なるニューマロロジーで動作するUEが1つのセル内で共存してもよい。
【0065】
図5は、NRにおいて用いられる無線フレームの構造を例示する。
【0066】
NRにおいて、上りリンク及び下りリンク送信はフレームからなる。無線フレームは、10msの長さを有して、2個の5msのハーフ−フレーム(Half-Frame,HF)で定義される。ハーフ−フレームは、5個の1msのサブフレーム(Subframe,SF)で定義される。サブフレームは、1個以上のスロットに分割され、サブフレーム内のスロットの個数は、SCS(Subcarrier Spacing)に依存する。各スロットは、CP(cyclic prefix)に応じて、12個又は14個のOFDM(A)シンボルを含む。正規CPが用いられる場合、各スロットは、14個のシンボルを含む。拡張CPが用いられる場合、各スロットは、12個のシンボルを含む。ここで、シンボルは、OFDMシンボル(又は、CP-OFDMシンボル)、SC-FDMAシンボル(又は、DFT-s-OFDMシンボル)を含むことができる。
【0067】
表1は、正規CPが用いられる場合、SCSに応じて各スロットのシンボル数、各フレームのスロット数、及び各サブフレームのスロット数が変更されることを例示する。
【0068】
【表1】
【0069】
* Nslotsymb:スロットン内のシンボル数 * Nframe,uslot:フレーム内のスロット数
【0070】
* Nsubframe,uslot:サブフレーム内のスロット数
【0071】
表2は、拡張CPが用いられる場合、SCSに応じて、各スロットのシンボル数、各フレームのスロット数、及び各サブフレームのスロット数が変更されることを例示する。
【0072】
【表2】
【0073】
NRシステムでは、1つの端末に組み合わされる複数のセル間において、OFDM(A)ニューマロロジー(numerology)(例えば、SCS、CP長など)が異なるように設定されてもよい。これにより、同一数のシンボルからなる時間リソース(例えば、SF、スロット又はTTI)(便宜上、TU(Time Unit)と総称)の(絶対時間)区間が組み合わされたセル間において異なるように設定され得る。図6は、NRフレームのスロット構造を例示する。スロットは、時間ドメインにおいて複数のシンボルを含む。例えば、正規CPの場合、1個のスロットが7個のシンボルを含むが、拡張CPの場合、1個のスロットが6個のシンボルを含む。搬送波は、周波数ドメインにおいて複数の副搬送波を含む。RB(Resource Block)は、周波数ドメインにおいて複数(例えば、12)の連続した副搬送波で定義される。BWP(Bandwidth Part)は、周波数ドメインにおいて複数の連続した(P)RBで定義され、1つのニューマロロジー(numerology)(例えば、SCS、CP長など)に対応することができる。搬送波は、最大N個(例えば、5個)のBWPを含むことができる。データ通信は、活性化したBWPによって行われ、1つの端末には1つのBWPのみが活性化される。リソースグリッドにおいて、各々の要素は、リソース要素(Resource Element,RE)と称され、1個の複素シンボルをマッピングすることができる。
【0074】
図7は、自己完備型(self-contained)スロットの構造を例示する。NRシステムにおいて、フレームは、1個のスロット内に、DL制御チャネル、DL又はULデータ、UL制御チャネルなどをいずれも含める自己完備型の構造を特徴とする。例えば、スロットにおける先頭のN個のシンボルは、DL制御チャネルの送信に用いられ(以下、DL制御領域)、スロットにおける最後のM個のシンボルは、UL制御チャネルの送信に用いられる(以下、UL制御領域)。N及びMのそれぞれは、0以上の整数である。DL制御領域とUL制御領域との間にあるリソース領域(以下、データ領域)は、DLデータ送信のために用いられてもよく、ULデータ送信のために用いられてもよい。一例として、以下の構成が考えられる。各区間は、時間順に並んでいる。
【0075】
1.DL only構成
【0076】
2.UL only構成
【0077】
3.Mixed UL-DL構成
【0078】
− DL領域+GP(Guard Period)+UL制御領域
【0079】
− DL制御領域+GP+UL領域
【0080】
* DL領域:(i)DLデータ領域、(ii)DL制御領域+DLデータ領域
【0081】
* UL領域:(i)ULデータ領域、(ii)ULデータ領域+UL制御領域
【0082】
DL制御領域ではPDCCHが送信され、DLデータ領域ではPDSCHが送信される。UL制御領域ではPUCCHが送信され、ULデータ領域ではPUSCHが送信される。PDCCHでは、DCI(Downlink Control Information)、例えば、DLデータスケジューリング情報、ULデータスケジューリング情報などが送信される。PUCCHでは、UCI(Uplink Control Information)、例えば、DLデータに対するACK/NACK(Positive Acknowledgement/Negative Acknowledgement)情報、CSI(Channel State Information)情報、SR(Scheduling Request)などが送信される。GPは、基地局及び端末が送信モードから受信モードに切り換える過程、又は受信モードから送信モードに切り換える過程において時間ギャップを提供する。サブフレームにおいて、DLからULに切り換えられる時点の一部のシンボルがGPとして設定されてもよい。
【0083】
一方、NRシステムは、広い周波数帯域を用いて、複数のユーザへの高い送信率を保持しながらデータを送信するために、高い超高周波帯域、即ち、6GHz以上のミリメートル周波数帯域を用いる方案を考慮している。3GPPでは、これをNRと称しているが、本発明ではNRシステムと称する。しかし、ミリメートル周波数帯域は、高過ぎる周波数帯域を用いることによって、距離による信号の減殺が激しく示される周波数特性を有する。よって、少なくとも6GHz以上の帯域を用いるNRシステムは、激しい伝播減殺特性を補償するために、信号送信を全方向ではなく特定方向へとエネルギーを集めて送信することで、激しい伝播減殺によるカバレッジ減少の問題を解決する狭ビーム(narrow beam)送信法を用いる。しかし、1つの狭ビームのみを用いてサービスする場合、1つの基地局がサービスできる範囲が狭くなるので、基地局は複数の狭ビームを集めて広帯域でサービスすることになる。
【0084】
ミリメートル周波数帯域、即ち、ミリメートル波長(millimeter wave, mmW)帯域では、波長が短くなり、同一面積に複数のアンテナ要素(element)を取り付けることができる。例えば、1cm程度の波長の30GHz帯域では、5 by 5cmのパネル(panel)に0.5ラムダ(lamda)(波長)間隔で2−次元(dimension)配列の形態として全100個のアンテナ要素を取り付けることができる。したがって、mmWでは、複数のアンテナ要素を用いて、ビームフォーミングの利得を高めて、カバレッジを増加させたり、処理量(throughput)を高めることが考えられる。
【0085】
ミリメートル周波数帯域で狭ビームを形成するための方法として、基地局やUEにおいて数多くのアンテナに適宜な位相差を用いて同信号を送信することで、特定方向のみにおいてエネルギーを高くするビームフォーミング方式が主に考慮されている。このようなビームフォーミング方式には、デジタル基底帯域(baseband)信号に位相差を形成するデジタルビームフォーミング、変調されたアナログ信号に時間遅れ(即ち、循環シフト)を用いて位相差を形成するアナログビームフォーミング、デジタルビームフォーミングとアナログビームフォーミングとを両方用いるハイブリッドビームフォーミングなどがある。各アンテナ要素で送信パワー及び位相調節ができるようにトランシーバユニット(transceiver unit, TXRU)を有すれば、各周波数リソースに対して独立したビームフォーミングが可能となる。しかし、100個余りのアンテナ要素の全てにTXRUを設けるには、コスト面において実効性が落ちる問題がある。即ち、ミリメートル周波数帯域は、激しい伝播減殺の特性を補償するために、数多くのアンテナを使用しなければならず、デジタルビームフォーミングはアンテナの数分だけRFコンポーネント(例えば、デジタルアナログコンバータ(DAC)、ミキサー(mixer)、電力増幅器(power amplifier)、線形増幅器(linear amplifier)など)が必要となるため、ミリメートル周波数帯域においてデジタルビームフォーミングを具現するためには、通信機器の値段が増加してしまう問題点がある。したがって、ミリメートル周波数帯域のように、多くのアンテナが必要な場合は、アナログビームフォーミング又はハイブリッドビームフォーミング方式が考慮される。アナログビームフォーミング方式は、1つのTXRUに複数のアンテナ要素をマッピングし、アナログ位相シフター(analog phase shifter)でビーム(beam)の方向を調節する。かかるアナログビームフォーミング方式は、全帯域において1つのビーム方向のみを形成することができるため、周波数選択的なビームフォーミング(beamforming, BF)はできないというデメリットがある。ハイブリッドBFは、デジタルBFとアナログBFとの中間形態であって、Q個のアンテナ要素よりも少ないB個のTXRUを有する方式である。ハイブリッドBFの場合、B個のTXRUとQ個のアンテナ要素の連結方式によって差異はあるが、同時に送信可能なビームの方向はB個以下に制限される。
【0086】
上述したように、デジタルビームフォーミングは、送信する又は受信されたデジタル基底帯域信号に対して信号処理を行うため、多重のビームを用いて同時に多方向に信号を送信又は受信することができるが、一方、アナログビームフォーミングは、送信する又は受信されたアナログ信号を変調した状態でビームフォーミングを行うため、1つのビームがカバーできる範囲を超える多方向に信号を同時に送信又は受信することができない。通常、基地局は広帯域送信又は多重アンテナ特性を用いて、同時に複数のユーザと通信を行うが、基地局がアナログ又はハイブリッドビームフォーミングを用いて、1つのビーム方向にアナログビームを形成する場合には、アナログビームフォーミングの特性から、同じアナログビームの方向内に含まれるユーザとしか通信できない。後述する本発明に係るRACHリソース割り当て及び基地局のリソース活用方案は、アナログビームフォーミング又はハイブリッドビームフォーミングの特性から生じる制約事項を反映した上で提案される。
【0087】
図8は、送受信器ユニット(transceiver unit, TXRU)及び物理的アンテナの観点からハイブリッドビームフォーミングの構造を簡単に示した図である。
【0088】
複数のアンテナが用いられる場合、デジタルビームフォーミングとアナログビームフォーミングとを組み合わせたハイブリッドビームフォーミング法が台頭している。このとき、アナログビームフォーミング(又は、RFビームフォーミング)は、トランシーバ(RFユニット)がプリコーディング(又は、コンバイニング)を行う動作を意味する。ハイブリッドビームフォーミングにおいて、基底帯域(baseband)ユニットとトランシーバ(RFユニット)はそれぞれプリコーディング(又は、コンバイニング)を行い、これによって、RFチェーン(chain)の数とD/A(又はA/D)コンバータの数を減らしながらもデジタルビームフォーミングに近づく性能が出せるというメリットがある。便宜のために、ハイブリッドビームフォーミングの構造は、N個のTXRUとM個の物理的アンテナとで表現できる。送信端から送信するL個のデータレイヤーに対するデジタルビームフォーミングは、N−by−L行列で表され、その後、変換されたN個のデジタル信号は、TXRUを経てアナログ信号に変換された後、M−by−N行列で表されるアナログビームフォーミングが適用される。図6において、デジタルビームの数はLであり、アナログビームの数はNである。さらに、NRシステムでは、アナログビームフォーミングをシンボル単位に変更できるように基地局を設計し、特定の地域に位置するUEにより効率的なビームフォーミングを支援する方向が考慮されている。ひいては、N個のTXRUとM個のRFアンテナを1つのアンテナパネル(panel)と定義するとき、NRシステムでは、互いに独立したハイブリッドビームフォーミングが適用可能な複数のアンテナパネルを導入する方案まで考慮されている。このように、基地局が複数のアナログビームを活用する場合、各々のUEにおいて信号受信に有利なアナログビームが異なることがあるため、少なくとも同期信号、システム情報、ページングなどについては、特定のスロット又はサブフレーム(subframe, SF)において、基地局が適用する複数のアナログビームを各シンボルで変更して、全てのUEに受信機会を与えるようにするビームスイーピング動作が考慮されている。
【0089】
図9は、下りリンク送信過程において同期信号とシステム情報に対するビームスイーピング(Beam sweeping)動作を示す図である。図9において、New RATシステムのシステム情報が放送(Broadcasting)される物理的リソース又は物理的チャネルをxPBCH(physical broadcast channel)と呼ぶ。このとき、1つのシンボルにおいて互いに異なるアンテナパネルに属するアナログビーム(Analog beam)が同時に送信されることができ、各々のアナログビーム(Analog beam)のチャネルを測定するために、図9のように、特定のアンテナパネルに対応する単一アナログビーム(Analog beam)のために送信される参照信号(Reference signal;RS)であるBeam RS(BRS)を導入する方案が論議されている。このBRSは、複数のアンテナポートに対して定義されることができ、BRSの各アンテナポートは、単一アナログビーム(Analog beam)に対応することができる。このとき、BRSとは異なり、同期信号(Synchronization signal)又はxPBCHは、任意のUEが良好に受信できるように、アナログビームグループ(Analog beam group)に含まれた全てのアナログビーム(Analog beam)のために送信されてもよい。
【0090】
図10は、新たな無線接続技術(new radio access technology,NR)システムのセルを例示する図である。
【0091】
図10を参照すると、NRシステムでは、従来のLTEなどの無線通信システムに1つの基地局が1つのセルを形成していたこととは異なり、複数のTRPが1つのセルを構成する方案が論議されている。複数のTRPが1つのセルを構成する場合、UEをサービスするTRPが変更されても、絶えない通信が可能となり、UEの移動性を管理することが容易であるというメリットがある。
【0092】
LTE/LTE−Aシステムにおいて、PSS/SSSは全−方位(omni−direction)に送信されるのに対して、mmWaveを適用するgNBがビーム方向を全−方位に回しながらPSS/SSS/PBCHなどの信号をビームフォーミングして送信する方法が考慮されている。このように、ビーム方向を回しながら信号を送信/受信することをビームスイーピング(beam sweeping)又はビームスキャニングという。本発明における「ビームスイーピング」は送信器側の行動であり、「ビームスキャニング」は受信器側の行動である。例えば、gNBが最大N個のビーム方向を持つことができると仮定すると、N個のビーム方向のそれぞれに対してPSS/SSS/PBCHなどの信号を送信する。即ち、gNBは、自分が持つことのできる又は支援しようとする方向をスイーピングしながら、それぞれの方向に対してPSS/SSS/PBCHなどの同期信号を送信する。又は、gNBがN個のビームを形成できる場合、いくつかのビームを束ねて1つのビームグループとして構成することができ、各ビームグループでPSS/SSS/PBCHが送信/受信されることができる。このとき、1つのビームグループは、1つ以上のビームを含む。同方向に送信されるPSS/SSS/PBCHなどの信号が1つのSSBと定義されてもよく、1つのセル内に複数のSSBが存在してもよい。複数のSSBが存在する場合、各々のSSBを区分するために、SSBインデックスを使用してもよい。例えば、一システムにおいて10個のビーム方向にPSS/SSS/PBCHが送信される場合、同方向へのPSS/SSS/PBCHが1つのSSBを構成することができ、当該システムでは、10個のSSBが存在することと理解されてもよい。本発明において、ビームインデックスは、SSBインデックスとして解釈されてもよい。
【0093】
以下、本発明によるPRACH(Physical Random Access Channel)を送受信する方法について説明する。
【0094】
一方、本発明の説明に先立って、本発明で言及するRMSI(Remaining Minimum System Information)は、PBCHを介して取得されたMIB(Master Information Block)に基づいて取得されるシステム情報であって、SIB1(System Information Block 1)とも呼ばれる。
【0095】
また、本発明で言及するCORESETとは、端末がPDCCH候補をモニタリングすることのできる、モニタリング機会(Occasion)を含む領域である。即ち、PDCCHをモニタリングするための1つ以上の検索空間(Search Space)又は検索空間集合(Search Space Set)を含む領域のことを意味する。
【0096】
1.初期活性(Initial Active)上りリンクBWP(Bandwidth Part)
【0097】
(1)初期活性上りリンクBWP設定のための基本(default)値及びパラメータ
【0098】
NRシステムでは、IAU(Initial Active UL)BWPを定義する。IAU BWP設定のための重複指示(redundant indication)を減らすために、暗示的(implicit)設定(Configuration)と、明示的(explicit)設定との2つの方法が考えられる。
【0099】
即ち、IAU BWP設定のための細部パラメートと基本(default)値を定義する必要がある。BWP設定には、BWPの帯域幅、BWPの位置、BWPの副搬送波間隔、及びCP(cyclic prefix)サイズが含まれる。
【0100】
但し、IAU BWPのニューマロロジーは、RMSI(remaining minimum system information)を通じて設定される、Msg3 PUSCHのニューマロロジーと同一であるため、IAU BWPでは、正規(normal)CPのみが用いられる。よって、IAU BWP設定の場合、BWPの帯域幅、BWPの位置及びBWPの副搬送波間隔のみを設定すればよい。
【0101】
一方、IAU BWPの基本(default)値は、以下のように定義できる。
【0102】
− IAU BWPの帯域幅は、初期活性下りリンクBWP(Initial Active Downlink BWP;IAD BWP)と同一である。
【0103】
− Paired Spectrumの場合、IAU BWPの位置は、上りリンク搬送波の基準(Reference)位置と同一である。
【0104】
− IAU BWPのニューマロロジーは、IAD BWPと同一である。
【0105】
(2)PRACHリソース割り当て(PRACH resource assignment)
【0106】
Msg.3に対するPUSCHの送信と、Msg.4 HARQフィードバックに対するPUCCHの送信が初期活性UL BWP内で行われる。
【0107】
但し、RMSIによって設定されたFDMに基づく全てのPRACH OccasionがIAU BWP内に限って行われるべきかについては、さらに論議する必要がある。
【0108】
仮に、FDMされたPRACH OccasionがIAU BWPの帯域幅外にも割り当てられる場合、PRACH送信性能の向上をもたらすことができる。一方、FDMされた全てのRACH OccasionがIAU BWP内に限って割り当てられる場合、UEが不要に無線周波数を再調整することを防止することができる。しかし、PRACH OccasionがUE最小BW(UE Minimum Bandwidth)内に割り当てられる場合、UEはRF再調整なくPRACHプリアンブルを送信することができる。また、広い帯域幅を支援する性能を有する一部のUEには、PRACH OccasionがUE最小BW内に割り当てられることがPRACHプリアンブルの送信負荷を分散させるというメリットを有することができる。よって、FDMされたPRACH OcassionがIAU BWPの帯域幅外に割り当てられることが許容できる。
【0109】
2.スロット内におけるPRACHリソース割り当て(allocation)
【0110】
(1)スロット内におけるプリアンブルフォーマットA0/A1/A2/A3
【0111】
仮に、プリアンブルフォーマットA/Bが設定(Configuration)される場合、PRACHスロット内の最後のPRACHリソースはフォーマットBを用いて、PRACHスロット内の他のPRACHリソースはフォーマットAを用いる。
【0112】
これに加えて、PRACHスロット内においてフォーマットAのみを用いる場合が考えられる。何故なら、フォーマットAはフォーマットBよりも広いカバレッジを提供するというメリットがあるからである。また、FDDにおいて、PRACHプリアンブルは、PRACHスロット内の最初のOFDMシンボルからマッピングされることができ、PRACHスロット内の最後の2個のOFDMシンボルのうち、少なくとも1個のOFDMシンボルは、ガードOFDMシンボルとして用いられることができる。よって、NRシステムにおいて、PRACHスロット内でフォーマットAのみを支援してもよく、gNBは、フォーマットAのPRACHプリアンブルのみを設定(Configuration)してもよい。
【0113】
(2)連続したリソース割り当て(Consecutive Resource Allocation)
【0114】
短いシーケンスに基づくPRACHプリアンブルの場合、スロット内に複数のRACHリソースが存在することがある。この場合、PRACHリソースは、連続又は非連続して割り当てられる。PRACHリソースの非連続的な割り当ては、柔軟性及び待機時間の減少という観点からメリットがあるものの、ネットワークは、いずれのシンボルがPRACHのために予約されて(reserved)いて、いずれのシンボルがPRACHのための予約されていないかを指示しなければならない。
【0115】
しかし、リソース効率及びシグナリングオーバーヘッドを考慮するとき、PRACHリソースがスロット内において連続して割り当てられた方が好ましい。即ち、PRACHリソースが連続して割り当てられる場合、PRACHスロットがPRACHリソースによって完全に占有されない場合があるものの、PRACHスロットに複数のPRACHリソースが予約された場合、PRACHリソースは、PRACHスロット内に連続した配置される必要がある。
【0116】
3.有効PRACHスロット及び有効PRACHシンボルの誘導(Derivation)
【0117】
本格的に、有効PRACHスロット及び有効PRACHシンボルを誘導するための詳細な方法を説明するに先立って、有効PRACHスロット及び有効PRACHシンボルを誘導して、PRACHを送受信するUE及び基地局の動作について説明する。
【0118】
図11は、有効PRACHスロット及び有効PRACHシンボルを誘導して、PRACHを送信するUEの動作を説明するための図である。
【0119】
図11を参照すると、UEは、実際に送信されたSSB(Actual Transmitted SSB;ATSS)に関する第1の情報及びPRACHリソース設定のための第2の情報を受信して(S1101)、特定区間の間のスロット及び該当スロットに含まれたシンボルの用途を割り当てるためのUL/DL設定に関する第3の情報を受信する(S1103)。その後、UEは、第1の情報、第2の情報及び第3の情報のうち少なくとも1つに基づいて有効PRACH Occasionを導出するが、このとき、有効PRACH Occasionは、有効PRACHスロット内に含まれた有効PRACHシンボルの集合(set)を意味してもよい(S1105)。UEは、導出された有効PRACH Occasionを介してPRACHを送信する(S1107)。
【0120】
一方、図12を参照して、本発明の実施例による基地局がPRACHを受信する過程を説明すると、基地局は、実際に送信されたSSB(Actual Transmitted SSB;ATSS)に関する第1の情報及びPRACHリソース設定のための第2の情報を送信して(S1201)、特定区間の間のスロット及び該当スロットに含まれたシンボルの用途を割り当てるためのUL/DL設定に関する第3の情報を送信する(S1203)。その後、第1の情報、第2の情報及び第3の情報のうち少なくとも1つに基づいて決定された有効PRACH Occasionを介してPRACHを受信する(S1205)。
【0121】
図13を参照して、上述した内容をネットワークの観点から説明すると、基地局は、実際に送信されたSSB(Actual Transmitted SSB;ATSS)に関する第1の情報及びPRACHリソース設定のための第2の情報を送信して(S1301)、特定区間の間のスロット及び該当スロットに含まれたシンボルの用途を割り当てるためのUL/DL設定に関する第3の情報を送信する(S1303)。その後、UEが第1の情報、第2の情報及び第3の情報のうち少なくとも1つに基づいて有効PRACH Occasionを決定して(S1305)、決定された有効PRACH Occasionに基づいてPRACHを送信する(S1307)。
【0122】
ここで、上述したS1105、S1205及びS1305において、第1の情報、第2の情報及び第3の情報のうち少なくとも1つに基づいて有効PRACH Occasionを決定する具体的な方法について説明する。
【0123】
(1)有効PRACHスロットの誘導
【0124】
LTEと同様に、PRACH設定(Configuration)インデックスは、PRACHリソースが含まれ得る特定の時間間隔内のスロットパターンを示すために定義される。PRACH設定インデックスによって与えられたパターンは、各PRACH設定周期の間に繰り返される。このとき、PRACH設定周期は、10/20/40msのいずれか1つであってもよい。PRACH設定インデックスの各状態(state)は、設定周期内におけるPRACHリソースの密度及びPRACHリソースが割り当てられる区間(duration)を示す。一方、LTEとは異なり、NRシステムでは、SSB送信及び動的TDD構成によって、上りリンク専用スロットを設定することが必須ではない。
【0125】
また、PRACH設定周期内においても、UEは、SSBが送信される時間区間(duration)又は下りリンク専用スロットとして設定された区間では、PRACHプリアンブルを送信することができない。よって、TDDにおいて、UEは、PRACH設定(Configuration)情報、実際に送信されたSSBに関する情報及び半−静的(semi−static)DL/UL割り当て(assignment)情報を組み合わせて、有効PRACHスロットを導出することができる。
【0126】
NRでは、SSB送信が可能なスロットの位置を定義するが、定義されたスロットが常にSSB送信のために予約されるわけではない。一方、PRACHリソースに対するスロットパターンは、SSB送信のためのスロット位置に基づいて定められるが、実際に送信されるSSBパターン及び異なるSSB送信周期をいずれも満たすPRACHリソースに対するスロットパターンを固定することは難しい。
【0127】
一方、スロット割り当てのための第一の規則は、実際に送信されたSSBに関する情報が常にPRACHリソース設定(Configuration)より優先することである。また、半−静的(semi−static)DL/UL割り当て(assignment)に関する情報が2番目の優先順位を有する。換言すれば、実際に送信されたSSBに関する情報、半−静的(semi−static)DL/UL割り当て(assignment)に関する情報、及びPRACHリソース設定(Configuration)の順に優先順位を有する。よって、上述した内容に基づいて、PRACHリソースに対するスロット割り当て(allocation)規則を以下のように定義することができる。
【0128】
− いずれのスロットがPRACH設定(Configuration)によってPRACHリソースとして指示されても、該当スロットがRMSI内に含まれた実際に送信されたSSBに関する情報に従ってSSB送信のために用いられるか、該当スロットがRMSI内に含まれた半−静的 DL/UL割り当て情報によって、下りリンク専用スロット又は「Unknown」スロットとして割り当てられる場合、該当スロットは、PRACHリソースとして用いられない。
【0129】
− いずれのスロットがPRACH設定(Configuration)によってPRACHリソースとして指示され、SSBの送信周期が長くて、該当スロットがSSB送信のために用いられない場合、該当スロットは、PRACHリソースとして用いられる。また、該当スロットがPRACH設定(Configuration)によってPRACHリソースとして指示され、上りリンク専用スロットとして割り当てられる場合、該当スロットは、PRACHリソースとして用いられる。
【0130】
上述した規則に従って、UEは有効なPRACHスロットを導出することができる。また、導出された有効PRACHスロットにおいて、UEはCBRA及び/又はCFRAに対するPRACHプリアンブルを送信することができる。半−静的DL/UL割り当てによって設定された「Unknown」スロット又は「Unknown」OFDMシンボルが動的SFI(Slot Format Indication)又はDCI(Downlink Control Information)によって、上りリンクスロット又は上りリンクシンボルとして設定(Configuration)される場合、該当スロット又は該当シンボルにおいて、UEはCFRAに対するPRACHプリアンブルを送信することができる。一方、SFI(Slot Format Indication)及びDCI(Downlink Control Information)は、UE−特定の上位層シグナリングを介して送信されることができる。
【0131】
(2)有効PRACHシンボルの誘導
【0132】
UEが有効PRACHスロットを導出した後、セル特定のシグナリングによって取得されたPRACHプリアンブルフォーマット及びPRACHスロットの開始シンボルインデックスに基づいて、有効RACHシンボルを導出することができる。
【0133】
先ず、いずれのスロットがPRACH Occasionとして使用可能なシンボルの数が十分であっても、SSBが部分的に占有している場合、該当スロットをPRACHスロットとして用いられるかについて説明する。また、該当スロット内のPRACHリソースは、連続して割り当てられないこともある。よって、有効PRACHスロットの先頭部がSSBによって占有され、残りの有効PRACHスロット部分においてPRACHリソースが連続して割り当てられるとき、PRACH送信が許容され得る。即ち、有効PRACHシンボルは、SSBによって占有されたシンボル以後のシンボルの中から定められることができる。
【0134】
また、UEが有効PRACHシンボルを導出するとき、半−静的DL/UL割り当て情報が考慮されてもよい。即ち、RMSIにおける半−静的DL/UL割り当て情報によって、上りリンクとして指示されたシンボルが有効PRACHシンボルとなり得る。ここで、有効PRACHシンボルは、PRACHプリアンブルフォーマットによって求められる連続したシンボルの数を満たさなければならない。また、1つの有効PRACHシンボル集合(set)は、1個のPRACH Occasionともいえる。
【0135】
(3)SSBの最後のシンボル及び/又は下りリンク部分以後のOFDMシンボルギャップ(gap)
【0136】
上述のように、FR1及びFR2において、PRACHスロットで上りリンク部分及びX部分に割り当てられ、SSBに先行するか衝突しないPRACH Occasionのみが有効である。換言すれば、有効なPRACH Occasionは、SSBの最後のシンボル及び/又は下りリンク部分以後の少なくともN個のシンボル以後に位置する。即ち、SSBの最後のシンボル及び/又は下りリンク部分以後の少なくともN個のギャップ(gap)を置いて位置する。
【0137】
ここで、下りリンクと上りリンクとのギャップとして必要なOFDMシンボルの数について説明する。このギャップは、Msg.1、即ち、PRACHプリアンブルの副搬送波間隔に基づいて定められ、Msg.1の副搬送波間隔が15/30/60kHzである場合、N=2である。一方、Msg.1の副搬送波間隔が120kHzである場合、異なるニューマロロジーを有するOFDMシンボル間のマルチプレクシングを考慮するとき、DL/ULスイッチングギャップとして偶数のOFDMシンボルを採択することが可能である。よって、Msg.1の副搬送波間隔が120kHzである場合、N=2となり得る。
【0138】
一方、2個のOFDMシンボルがスイッチングギャップとして求められる場合、PRACHスロットにおいて開始OFDMシンボルのインデックスもこれに合わせて設定する必要がある。例えば、図14(a)を参照すると、副搬送波間隔が15kHzである場合、最初のSSBの最後のシンボルインデックスは5である。よって、2個のOFDMシンボルがDL/ULギャップとして求められる場合、UEはインデックス8を有するOFDMシンボルからPRACHプリアンブルを送信することができる。図14(b)を参照するとき、FR2の場合、即ち、副搬送波間隔が120kHzである場合にも、副搬送波間隔が15kHzである場合と類似することが分かる。
【0139】
よって、PRACH Occasionの開始OFDMシンボルインデックスを偶数インデックスとして定義する。FR1及びTDDのためのPRACH設定(Configuration)表において、フォーマットA1、A2及びA3に対する開始OFDMシンボルのインデックスは「8」と定義することができる。また、FR2及びTDDのためのPRACH設定表において、フォーマットA1、A2、A3及びC2に対する開始OFDMシンボルのインデックスも「8」と定義することができる。また、FR1及びTDDのためのPRACH設定表において、フォーマットA2/B2に対する開始OFDMシンボルのインデックスは「2」と定義することができる。
【0140】
4.Unpaired Spectrum及びFR1におけるPRACH設定
【0141】
(1)長いシーケンスに基づくPRACHプリアンブル
【0142】
FR1及びUnpaired Spectrumのための任意接続設定(Configuration)は、現在、以下の[表3]のように定義されている。
【0143】
【表3】
【0144】
[表3]を参照すると、総71(=30+6+6+29)個のエントリーが長いシーケンスに基づくPRACHプリアンブルに割り当てられることが分かる。また、[表3]によれば、Unpaired SpectrumのSSB送信領域及びRMSI検索空間(Search Space)のために、DL/UL設定(Configuration)周期において、先頭部に位置したサブフレームを下りリンク及び「Unknown」として割り当てることができる。また、中間又は最後のサブフレームは、PRACH Occasionとして割り当てることができる。
【0145】
例えば、DL/UL設定(Configuration)周期が10msである場合、10ms区間(duration)内の最後の2個のサブフレーム(即ち、インデックス8及び9のサブフレーム)がPRACH Occasionとして用いられる。また、DL/UL設定(Configuration)周期が2msである場合、10ms区間(duration)内の5個のサブフレーム(即ち、インデックス1、3、5、7及び9のサブフレーム)がPRACH Occasionとして用いられる。よって、長いシーケンスのためのPRACH設定(Configuration)表である[表3]によれば、いくつかのエントリーがDL/UL設定に不適であることが分かる。特に、以下のエントリーは、DL/UL設定に不適である。
【0146】
− x=1,y=0,subframe={{1}, {2}, {5}, {6}, {7}, {1,6}, {1,6}, {2,7}, {3,8}, {3,4,8}, {1,4,6,9}}
【0147】
一方、[表3]のようなPRACH設定(Configuration)は、セルにおけるPRACH Occasion間の衝突を避けるのに役立つ。しかし、サービングセル内において、gNBがDL/UL設定周期(period)の先頭部でSSB及びRSMI PDCCH/PDSCHを送信するとき、SSB及びRSMI PDCCH/PDSCHを送信するための下りリンクチャネルとPRACH Occasion間の衝突確立はさらに高くなる可能性がある。結果として、RACH周期内のPRACH Occasion数が減少する可能性がある。よって、[表3]の少なくとも一部のエントリーを除去した方が好ましい。
【0148】
即ち、以下のように、[表3]のフォーマット0、3のパラメータを修正した方が好ましい。
【0149】
− x=1,y=0, subframe={{3}, {4}, {8}, {9}, {4,9}, {3,4}, {8,9}, {3,4,9}, {4,8,9}, {7,8,9}, {3,4,8,9}, {1,3,5,7,9}}
【0150】
上述に従って修正した結果を図15に示す。即ち、図15は、FR1におけるPRACH Occasionのためのサブフレームインデックス及びUnpaired Spectrumを示す。図15を参照すると、サブフレームの修正されたインデックスがDL/UL設定(Configuration)周期(period)の最後の部分である、2ms、2,5ms、5ms、10msに整列されることが分かる。
【0151】
(2)短いシーケンスに基づくPRACHプリアンブル
【0152】
短いシーケンスに基づくPRACHの設定(Configuration)は、様々な周期(period)を支援するように構成される。しかし、[表3]に長い周期に対するエントリーがないため、フォーマットA1、A2、A3、B1、B4、C0及びC4などの一部PRACHプリアンブルフォーマットのための160ms、80ms及び40msのような長い周期(period)の設定が定義される。
【0153】
また、長い周期のために、より多いエントリーが割り当てられるが、20ms周期のためには、他のフォーマットのために定義された2個のエントリー、即ち、スロットインデックス集合(set){2,3,4,7,8,9}及び{7,9}は、フォーマットA2のためのエントリーに含まれない。各フォーマットの設定(configuration)を整列するために、以下のように、より多いエントリーを用いることができる。
【0154】
1)PRACHプリアンブルフォーマットA2、B4、A1/B1、A2/B2、A3/B4のためのエントリー
【0155】
− 他のフォーマットのために定義されたエントリーのうち、フォーマットA2のためのエントリー
【0156】
【表4】
【0157】
− 他のフォーマットのために定義されたエントリーのうち、フォーマットB4のためのエントリー
【0158】
【表5】
【0159】
− 160ms、80ms及び40msのような長い周期(period)の設定及び他のフォーマットのために定義されたエントリーのうち、フォーマットA1/B1のためのエントリー
【0160】
【表6】
【0161】
− 160ms、80ms及び40msのような長い周期(period)の設定及び他のフォーマットのために定義されたエントリーのうち、フォーマットA2/B2のためのエントリー
【0162】
【表7】
【0163】
− 160ms、80ms及び40msのような長い周期(period)の設定及び他のフォーマットのために定義されたエントリーのうち、フォーマットA3/B3のためのエントリー
【0164】
【表8】
【0165】
5.ターゲットセルのためのSFN(Super Frame Number)情報及びフレーム境界(Boundary)
【0166】
NRでは、PRACH設定(Configuration)の最も短い周期(period)が10msであるため、UEは、ハンドオーバーを行うとき、フレーム境界情報を取得する必要がある。3GHz以下の周波数範囲において、NR UEは、PBCH DMRSシーケンスからフレーム境界情報を得ることができる。一方、3GHz以上の周波数帯域の場合、PBCHデコーディングなく、ターゲットセルに対するフレーム境界情報を知らせる方法を定義する必要がある。また、NRにおいて、10ms周期のPRACHエントリーが設定されても、SSB対PRACH Occasion間の関連パターン周期が10msより長い場合、ターゲットセルのSFN情報が求められることがある。
【0167】
TDDでは、gNBが2.5ms以内において緊密に同期化され、同一SFNがターゲットセルに適用されると仮定することができる。しかし、FDDでは、緊密な同期化を仮定することが難しい。よって、gNBがハンドオーバー命令(command)によってUEにサービングセルとターゲットセルとの間のSFNオフセットのようなSFN情報を提供することができる。
【0168】
6.PRACHリソース関連(Association)
【0169】
(1)有効PRACHスロット及び有効PRACHシンボルの誘導
【0170】
TDD/FDDにおいて実際に送信されたSSBの時間位置に関係なく、PRACH設定によって、PRACHスロット上にPRACHリソースをマッピングするため、UEは、PRACH設定に含まれた情報及びRMSIを介して送信された実際に送信されたSSBに関する情報を組み合わせて、有効PRACHスロットを導出する必要がある。また、SSB送信のための候補スロット位置が常にSSB送信のために予約されるのではない。即ち、上述のように、それぞれのSSBが実際に送信されるか否かに関する情報は、RMSI、即ち、実際に送信されたSSB情報によって指示される。
【0171】
換言すれば、UEは、RMSIを介して送信される、実際に送信されたSSBの情報及びPRACH設定情報を組み合わせて、予め定義された規則を考慮して、有効PRACHスロットを導出する。
【0172】
また、UEが有効PRACHスロットを導出する場合、UEは、シグナリングされたPRACHプリアンブルフォーマット及び全てのセルに特定されたPRACHスロットの開始シンボルインデックスに基づいて有効なPRACHシンボルを導出する。また、UEが有効PRACHシンボルを導出するとき、即ち、SFI(Slot Format Indication)によって上りリンクとして表示されたシンボルが有効PRACHシンボルであり得るため、SFIを考慮して、有効PRACHシンボルを導出する必要がある。ここで、有効PRACHシンボルは、PRACHプリアンブルフォーマットによって定義された連続したシンボルの数を満たさなければならない。また、1つの有効PRACHシンボル集合(set)は、1個のPRACH Ocassionとして定義される。
【0173】
また、PRACHリソースが常にPRACHスロットにおいて連続して割り当てられるのか、及びPRACHスロット当たりPRACH Occasionの数が全てのPRACHスロットにわたって同一であるのかを決定する必要があるため、PRACHスロット当たりPRACH Occasionの数が、セルに応じて異なる場合、明示的なシグナリングが行わなければならない。また、UEがPRACH Occasionの総数を算出するために、ネットワークは、2次元の時間/周波数リソース領域において、PRACH−Config indexを通じて、FDMされるPRACHリソースの数をシグナリングする。
【0174】
(2)有効PRACHリソース又は有効PRACH OccasionをSSBにマッピングさせるための規則
【0175】
PRACH設定周期内において割り当てられるPRACH Occasionの総数が定められた場合、各SSBをPRACH Occasionにマッピングする方法を決定する必要がある。仮に、SSB当たりPRACH Occasion数が1つである場合、即ち、SSB及びPRACH Occasionの1対1のマッピングとなる場合、各SSBをPRACH Occasionにマッピングする方法は容易に決定できる。何故なら、SSBを順次方式によってPRACH Occasionにマッピングすればよいからである。同様に、FDMされたPRACH Occasionがある場合、SSBは、先にFDMされたPRACH Occasionにマッピングされた後、時間領域のPRACH Occasionにマッピングされた方が好ましい。このとき、PRACH Occasionの時間周期は、PRACH設定周期によって設定される。
【0176】
一方、図16は、4個のシンボル長さを有するPRACHプリアンブルフォーマット、時間スロットにおいて4個のPRACH Occasion及び開始シンボルインデックスが2と仮定された場合を示す。図16を参照して、SSBとPRACH Occasionとのマッピング関係を説明すると、FDMされたPRACH Ocassionが存在するとき、SSBが先に周波数軸にマッピングされ、次に、時間軸にマッピングされる方式が用いられる。
【0177】
PRACHリソースのマッピングパターン周期は、実際に送信されたSSB及びSSBの有効PRACH Occasionとのマッピング規則に基づいて決定されるため、PRACHリソースのマッピングパターン周期及びPRACH設定周期は互いに異なり得る。
【0178】
より一般のマッピング規則を作成するために、以下の媒介変数を仮定することができる。
【0179】
− X:PRACH Occasionの総数
【0180】
− NSSB_per_RO:PRACH Occasion当たりSSBの数
【0181】
− Nseq_per_SSB_per_RO:PRACH送信Occasionに対するSSB当たりCBRAプリアンブルの数
【0182】
− M:SSB当たりPRACH Occasionの数、Mは、Nseq_per_SSB/Nseq_per_SSB_per_ROによって取得
【0183】
− Fd:1つのSSBに同時にマッピング可能なPRACH Occasionの数
【0184】
1)M≧1である場合
【0185】
SSBが多数のPRACH Occasionとマッピングされる1対多のマッピング関係を成し、Mの値がM>1である整数であり、Fd=1である場合、TDMed M個のPRACH Occasionが順次に1個のSSBにマッピングされることができる。
【0186】
換言すれば、PRACH Occasion当たりSSBの数である1/M値が1より小さい場合、SSBは、MだけのPRACH Occasionにマッピングされることができ、このとき、1個のSSBにマッピングされるPRACH Occasionは、連続したPRACH Occasionであり得る。
【0187】
仮に、Fd>1である場合、M PRACH Occasionは、周波数−時間の順にSSBにマッピングされる。好ましくは、Mは、Fdの倍数である場合、単一SSBが一定時間の間にFDMされたPRACH Occasionにマッピングされることができる。仮に、多数のSSBが同一時間内において1個のPRACH Occasionにマッピングされる場合は、ネットワークが同時に多数のSSBに対応するビームを受信可能な方向であることが保障される必要がある。
【0188】
2)M<1である場合
【0189】
ここで、多数のSSBが1個のPRACH Occasionにマッピングされる場合、即ち、多対1のマッピングが行われる場合を説明する。Mの値が0<M<1である場合、1/M=Nにおいて、Nは、1個のPRACH OccasionにマッピングされるSSBの数と定義して、多数のSSBは、1個のPRACH OccasionにCDMされ、多数のSSBに対応するビーム方向は、ネットワークが同時に受信可能な方向であると仮定する。
【0190】
PRACH Occasionに64個のPRACHプリアンブルインデックスが割り当てられることのように、最大に割り当てられる場合、SSBのそれぞれにマッピングされたPRACHプリアンブルは、PRACHプリアンブルがSDM(Spatial Division Multiple Access)方式によって受信されるという仮定下、PRACH受信性能を増加させるために、comb−typeでマッピングされることができる。
【0191】
換言すれば、2個のSSBが1個のPRACH Occasionにマッピングされる場合、他のPRACHプリアンブルインデックスは、上述した2個のSSBにマッピングされる。このとき、PRACHプリアンブルの受信性能が向上できるように、SSB当たり割り当てられた実際の循環シフトは、N*Ncsと定義される。
【0192】
一方、多数のSSBが1個のPRACH Occasionに関連するとき、各SSBに対するCBRAのプリアンブルインデックスは、PRACH性能の向上ために、非連続してマッピングされることができる。また、多数のSSBを多数のPRACH Ocassionにマッピングすることを考慮してもよいが、このマッピング方式は、具現の複雑性をもたらすため、マッピングタイプから除外した方がさらに好ましい。
【0193】
(3)RA−RNTIに関連するPRACHリソースグループ
【0194】
PRACHリソースグループは、PRACHリソース又はPRACH Occasionの集合として定義されるが、ここで、PRACHリソースグループに含まれる各々のPRACHリソースに対するPRACHプリアンブルのRAR(Random Access Response)をスケジューリングするDCIは、同一のRA−RNTIでマスクされる。
【0195】
よって、PRACHプリアンブルに対するRA−RNTIが同一であるため、連続してTDMされた多数のPRACH Occasionが同一SSBと関連する場合、多数のPRACH Occasionを介して送信されたPRACHプリアンブルに対応するRARが同時に送信されることができる。
【0196】
一方、PRACHスロット当たり最大12個のPRACHリソースが割り当てられることを考慮するとき、PRACHリソース当たりRA−RNTI割り当ては多過ぎて、RA−RNTIの不足をもたらす可能性がある。よって、TDMされた多数のPRACHリソースが同一のSSBと関連する場合、PRACHリソースを介して送信されるPRACHプリアンブルに対するRA−RNTIは同一である必要がある。
【0197】
RA−RNTIがFDMされたPRACH Occasionの間において共有されてもよく、このPRACH Occasionに対応する単一RARが送信される場合、同一の規則がFDMされたPRACH Occasionの間に適用されてもよい。PRACHリソースグループは、TDMed及び/又はFDMed PRACH Occasionの集合として設定されてもよく、同一のRA−RNTIがPRACHリソースグループによって共有され、最大64RAPIDがPRACHリソースグループごとに割り当てられる。また、PRACHリソースグループ、即ち、TDMされたPRACH Occasion及びFDMされたPRACH Occasionの数を形成する方法が明示的又は暗示的にシグナリングされる必要がある。
【0198】
一方、上述のように、PRACHリソースグループは、SSB対PRACH Occasionのマッピングに基づいて決定することができる。仮に、Mが1より大きい場合、時間及び/又は周波数における多重化PRACH Occasionは、単一SSBと関連するPRACHリソースグループであり得る。
【0199】
また、PRACHリソースグループは、多数のSSBと関連する多数のPRACH Occasionを含む。Mが1より小さい場合、単一PRACH Occasionは、多数のSSBと関連するPRACHリソースグループであり得る。一方、Mが1である場合、単一PRACH Occasionは、単一SSBと関連するPRACHリソースグループであり得る。ここで、SSB、PRACH Occasion又はPRACHリソースグループ当たりPRACHプリアンブルの最大数は、RARにおいてRAPIDのビットサイズに応じて常に64に制限されてもよい。
【0200】
(4)PRACHリソースをPRACHプリアンブルにマッピングさせるための規則
【0201】
1)PRACH Occasion又はSSB当たりPRACHプリアンブルの数
【0202】
PRACHプリアンブルをPRACH Occasionにマッピングするために、UEが知るべきPRACHプリアンブル及び支援されるPRACHプリアンブル値の範囲に関する情報を[表9]に示す。また、UEは、SSB当たりCBRA(Contention Based Random Access)に対するPRACHプリアンブルの数及びSSB当たりPRACH Occasion数に基づいて、PRACH Occasion当たりPRACHプリアンブルの数を算出することができ、SSB当たりPRACH Occasionの数をシグナリングすることができる。
【0203】
【表9】
【0204】
M≧1であるとき、CBRAのためのPRACH Occaion当たりPRACHプリアンブルの数は、SSB当たりCBRAに対するPRACHプリアンブルの数をMで除したPRACHプリアンブルの数で算出される。このとき、0ではない余りがある場合、PRACH Occasionにマッピングされない余りのPRACHプリアンブルは、SSBに関連する最大又は最小のインデックスを有するPRACH Occasionに割り当てられる。或いは、PRACHプリアンブルはラウンドロビン方式でPRACH Occasionにマッピングされてもよい。例えば、SSB当たりPRACHプリアンブルの数が48であり、SSBにマッピングされたPRACH Occasionの数が4である場合、PRACH Occasion当たりプリアンブルの数は12となる。なお、SSB当たりPRACHプリアンブルの数が48であり、SSBにマッピングされたPRACH Occasionの数が5である場合、各PRACH Occasionにおいて少なくとも9個のPRACHプリアンブルが用いられる。また、残りの3個のPRACHプリアンブルは、SSBにマッピングされたPRACH Occasionの各々に対して、周波数−時間の順に従ってPRACH Occasionインデックスに対してマッピングされる。
【0205】
一方、M<1である場合、即ち、複数のSSBが1個のPRACH Occasionにマッピングされ、同一のRA−RNTIが複数のSSBの間に共有される場合、PRACH Occasion当たりPRACHプリアンブルの数は、最大に64 RAPIDである。仮に、複数のSSBに対するPRACHプリアンブルの和が64より大きくない場合、UEはシグナリングされたPRACH Occasionに対するSSB当たりPRACHプリアンブルの数を用いることができる。しかし、複数のSSBに対するPRACHプリアンブルの和が64より大きい場合は、PRACH OccasionにおけるSSB当たりPRACHプリアンブルの数は64を超えないように、UEによって利用可能なPRACHプリアンブル番号を再計算することができる。例えば、Mが1/4であり、SSB当たりPRACHプリアンブルの数が16の場合、4個のSSBに対するSSB当たりPRACHプリアンブルの和が64より大きくないため、PRACH Occasion当たり16個のプリアンブルが用いられる。即ち、Mが1/4であり、SSB当たりPRACHプリアンブルの数は32であれば、PRACH OccasionのSSB当たりPRACHプリアンブルの数は16に制限される。
【0206】
一方、複数のSSBが1個のPRACH OccasionにマッピングされるM<1である場合、RA−RNTIは同一の時間/周波数の位置においてSSBごとに割り当てられる。言い換えれば、Mが1/4であり、SSB当たりPRACHプリアンブルの数が32である場合、SSBに特定されたRA−RNTIを有するPRACH Occasionには32*4個のPRACHプリアンブルが用いられ、PRACH Occasionに対する各SSB別に相違するRARを生成する。これは、(仮想)SSBインデックスを計算するか否かとは関係なく、RA−RNTIを計算する方法に関係している。
【0207】
2)SSB及びPPRACH OccasionをPPRACHプリアンブルインデックスにマッピングさせる方法
【0208】
SSB当たりPRACHプリアンブルの数とPRACH Occasion当たりPRACHプリアンブルの数は、PRACHプリアンブルインデックスマッピング規則に従って決定される。PRACHプリアンブルインデックスは、PRACHリソースグループ内にマッピングされる。単一SSBが1個のPRACHリソースグループに関連すると仮定すると、PRACHプリアンブルインデックスは、SSBに関連するPRACH Occasionにマッピングされる。
【0209】
M≧1である場合、PRACH Occasion当たりPRACHプリアンブルの数がNpreamble_occasionであり、各PRACH Occasionが#n(n=0, 1, … , M−1)インデックスを有する場合、n番目のPRACH OccsionはPRACHプリアンブルインデックス{0〜(Npreamble_occasion−1)+(n*NPreamble_occasion)}を有する。
【0210】
一方、M<1である場合、PRACH OccasionにおいてSSB間にRA−RNTIが共有されて、SSB当たり算出されたPRACHプリアンブルの数がNpreamble_SSBであると仮定すると、PRACHプリアンブルインデックス{(0〜Npreamble_SSB−1)+(m*Npreamble_SSB)}がm番目のSSBに割り当てられる。ここで、mは実際に送信されたSSBに基づいて再順序化されたSSBインデックスである。また、PRACH Occasionは、Npreamble_occasionに対するPRACHプリアンブルインデックスは、0乃至Npreamble_occasionの値を有してもよく、ここでNpreamble_occasionは64であってもよい。
【0211】
なお、各SSBごとにRA−RNTIを割り当て、各SSBごとにPRACHプリアンブルインデックス{0乃至(Npreamble_SSB−1)}を割り当てる。PRACH Occasionに関連するPRACHプリアンブルの数は、m*Npreamble_SSBであってもよく、ここで、mはPRACH Occasion上にマッピングされたSSBの数であり、Npreamble_SSBはSSB当たりPRACHプリアンブルの数であり、シグナリングによって取得することができる。
【0212】
3)PPRACH Occasion/SSBをPPRACHプリアンブルにマッピングさせる方法
【0213】
基本的に、PRACHプリアンブルは、PRACH Occasionにルートインデックスの循環シフトが増加し、ルートインデックスが増加する方向に割り当てられる。仮に、PRACHリソースグループがFd=1であるTDMされたPRACH Occasionからなる場合、PRACHプリアンブルはPRACHリソースグループにルートインデックスの循環シフトが増加し、ルートインデックスが増加して、時間領域が増加する方向、即ち、PRACH Occasion指数が増加する方向に割り当てられる。
【0214】
また、PRACHリソースグループがFd>1であるTDMされたPRACH Occasionからなる場合、PRACHプリアンブルはPRACHリソースグループにルートインデックスの循環シフトを増加させ、ルートインデックスを増加させ、周波数領域を増加させて、時間領域を増加させる方向に割り当てられる。
【0215】
PRACHプリアンブルシーケンスが各PRACHリソースグループにおいて相違する場合、通常、PRACHプリアンブルはルートインデックスの循環シフトを増加させ、ルートインデックスを増加させて、Fd>1である場合には周波数領域を増加させ、時間領域を増加させる方向に割り当てられる。
【0216】
7.RAR(Random Access Response)
【0217】
RAR送信は、RA−RNTIの算出において考慮される因子(factor)の種類と高い相関関係があり、PRACHリソースグループは、RARの基本単位である。LTEにおいて、UEは、RARウィンドー内においてRARをモニタリングして、RA−RNTIでマスクされたPDCCHを検索することを試みる。LTEにおけるRA−RNTIは、RA−RNTI=1+T_id+10*F_idより算出され、ここで、T_idは、サブフレーム番号であり、F_idは、TDDシステムにおけるRACHリソースの周波数位置である。
【0218】
一方、NRにおいても、RAR受信のためのRA−RNTIを決定するが、LTEと同様な方式によって算出することができ、スロットレベル解決(Resolution)、シンボルグループインデックス又はシンボルインデックスを考慮する必要があるため、T_id値を決定する方法がさらに複雑になれる。極端的に、T_id Resolutionがシンボルレベルである場合、1個のスロットで最大12個のRA−RNTIが算出される。
【0219】
このような複雑性を解決するために、RACHリソースグループを考慮してもよいが、RA−RNTIに対するT_idは、スロットインデックス及びスロット内における開始シンボルインデックスに対する関数のように、時間領域におけるRACHリソースグループサイズに基づいて決定される。
【0220】
即ち、上述した例をまとめると、RA−RNTIは、RACHリソースグループ内のRACHリソース間に共有される。即ち、RA−RNTIは、LTEと同様な方式によって算出されるが、NRにおけるT_idは、RACHリソースグループごとに固有値を有して、スロットインデックス及びスロット内の開始シンボルインデックスに対する関数によって決定される。
【0221】
上述と同様に、RA−RNTIに対するF_idは、仮想周波数位置及びFDMされたRACHリソースの数(Fd)を含む周波数のRACHリソースサイズを含むことができる。また、上述のように、(仮想)SSBインデックスは、RA−RNTIを算出するときに考慮してもよい。
【0222】
8.PRACHマスクインデックス(PRACH Mask Index)
【0223】
PRACHマスクは4ビットであり、RRC及びPDCCHのいずれもによって用いられる。PRACHマスクインデックスは、以下の[表10]のようである。
【0224】
【表10】
【0225】
PRACH Occasionグループにおいて、指示されたSSBインデックスに対応する相対的なPRACH Occasionインデックスを指示するための3ビットは、特定のSSBインデックスが連続したPRACH Occasionにマッピングされることを仮定することができる。即ち、PRACH Occasion当たりSSBは、1/Nであると仮定することができる。一方、3ビットが論理的に連続した8個のPRACH Occasionのうち1個のPRACH Occasionを指示するために用いられてもよい。上述に基づいて、[表10]に示される3つの状態(即ち、all、every even RACH Occasion及びevery odd RACH Occasion)を定義することができる。
【0226】
ここで、相対的なPRACH Occasionインデックスの定義が不明確であり、よって、PRACH Occasionをインデックスする方法を明確にすることが必要である。図17は、指示されたSSBインデックスに該当するPRACH Occasionに対するインデックシングの例を示す。
【0227】
図17を参照して、PRACHマスクに対するPRACH Occasionインデックシングを定義すると、以下のようである。
【0228】
− SSBとPRACH Occasionの関連パターン周期(最大160ms)内において指示されたSSBインデックスのために使用可能なPRACH Occasionの数を算出。
【0229】
− PRACH Occasionインデックス#0〜#7は、最初のPRACH Occasionから最終のPRACH Occasionまで周期的にマッピング。
【0230】
− 1個のPRACH Occasionグループは、論理的に連続した8個のPRACH Occasionで構成。
【0231】
− 指示されたPRACH Occasionインデックスは、全てのPRACH Occasionグループに適用。
【0232】
9.PRACH手順(procedure)のためのCORESET/Search Space
【0233】
(1)PRACH手順(procedure)のためのCORESET(Control Resource Set)
【0234】
UEがPRACH OccasionにおいてPRACHプリアンブルを送信した後、UEは、設定されたRARウィンドー内でRARをモニタリングする。RARは、PDSCHを介して送信されるため、UEは、RA−RNTIを用いる該当PDCCHをモニタリングして、RARをスケジューリングするDCI(Downlink Control Indicator)を介してRARのためのPDSCHが送信される時間−周波数情報を取得することができる。よって、RARをスケジューリングするためのDCIの潜在的なシンボル及びスロット位置である制御リソースセット(CORESET)は、PRACH設定(Configuration)情報によってネットワークが端末に指示することができる。具体的に、PRACH手順のためのCORESETに関する情報は、RMSIに含まれたPRACH設定(Configuration)によって伝達される。
【0235】
仮に、PRACH手順のためのCORESET設定(Configuration)が設定されない場合、RMSI受信のためのCORESETがPRACH手順のために用いられる。即ち、PRACH手順の間に、msg.2/msg.3再送信/msg.4スケジューリングのようなPDCCH送信に関わる全てのメッセージは、同一のCORESETを共有する。
【0236】
(2)PRACH手順のためのモニタリングウィンドー
【0237】
UEは、PRACHプリアンブルを送信した後に設定されたウィンドー内でRARをモニタリングする。また、多重ビーム動作によって、RARに対するDCIのみならず、msg.3再送信/msg.4スケジューリングのためのDCIも設定されたウィンドー内でモニタリングされる。
【0238】
具体的に、各メッセージのためのウィンドーサイズが必ずしも異なる必要がないため、RAR受信、msg.3再送信のためのDCI及びmsg.4スケジューリング受信のためのDCIのために設定されたウィンドーのサイズは同一であってもよい。一方、RAR受信のためのモニタリングウィンドーは、UEがPRACHプリアンブルを送信した後、最小タイミングギャップを考慮した最初の「有効な」下りリンクスロットから始める。これと同様に、msg.3再送信/msg.4スケジューリングに対するモニタリングウィンドーは、UEがmsg.3を送信した後、最初の有効な下りリンクスロットから始める。
【0239】
(3)PRACH手順のためのモニタリングOccasions
【0240】
UEは、PRACHメッセージ受信のために、モニタリングウィンドー内の全てのスロットをモニタリングした方が好ましい。よって、UEがモニタリングすべき各スロット内のモニタリング対称となるシンボル、即ち、モニタリングOccasionを明確にする必要がある。ブロードキャストシステム情報がSSBインデックスと関連して送信されることとは異なり、PRACH手順のためのメッセージは、必ずしもSSBインデックスと関連する必要はない。
【0241】
1個のスロット内に割り当てられるRAR受信のための候補モニタリングOccasionはUEに知らせられてもよく、PRACHメッセージのためのDCIがモニタリングウィンドー内の各スロットで指示されたモニタリングOccasion上から送信されてもよい。
【0242】
PBCHを介してRMSI受信のためのモニタリング回数が1個のスロットにおいて1と指示される場合、システム内の全てのUEは、モニタリングウィンドーの間に各スロットの最初のシンボルから始めて、PDCCHモニタリングOccasionをモニタリングする。
【0243】
1個のスロットで指示されたモニタリングOccasionが2である場合、UEは、スロットにおいてモニタリングするモニタリングOccasion、即ち、UEがモニタリングをスロットの最初のシンボルから始めるか、又はシンボル#2、#3又は#7のように、スロット中間からモニタリングを始めるかを把握する必要がある。一方、モニタリングOccasionは、SSBインデックスに関連して、SSBインデックスが既にRA−RNTI生成と関連しているため、RA−RNTI値とモニタリングOccasionを関連付けることがより簡単である。
【0244】
例えば、RA−RNTI値が偶数である場合、UEは、モニタリングウィンドー内の全てのスロットの最初のシンボルから始めるモニタリングOccasion内においてPDCCH検出を試みることができる。なお、RA−RNTI値が奇数である場合、UEは、モニタリングウィンドー内の全てのスロットの中間に位置したモニタリングOccasionにおいてPDCCHの検出を試みる。
【0245】
図18は、無線装置10とネットワークノード20との間の通信の例を示すブロック図である。ここで、ネットワークノード20は、図18の無線装置又はUEに取り替えられてもよい。
【0246】
本明細書において、無線装置10又はネットワークノード20は、1つ以上の他の無線装置、ネットワークノード及び/又はネットワークの他の要素と通信するためのトランシーバ(Transceiver)11,21を含む。トランシーバ11,21は、1つ以上の送信器、1つ以上の受信器及び/又は1つ以上の通信インターフェースを含むことができる。
【0247】
また、前記トランシーバ11,21は、1つ以上のアンテナを備えてもよい。アンテナは、プロセッシングチップ12,22の制御下において、本発明の一実施例に従い、トランシーバ11,21によって処理された信号を外部に送信したり、外部から無線信号を受信してプロセッシングチップ12,22へ伝達したりする機能を果たす。アンテナは、アンテナポートとも呼ばれる。各アンテナは、1つの物理アンテナに該当するか、2つ以上の物理アンテナ要素(element)の組み合わせによって構成される(configured)。各アンテナから送信された信号は、無線装置10又はネットワークノード20によってそれ以上分解されることはない。該当アンテナに対応して送信された参照信号(reference signal,RS)は、無線装置10又はネットワークノード20の観点から見たアンテナを定義して、チャネルが一物理アンテナからの単一(single)無線チャネルであるか、又は前記アンテナを含む複数の物理アンテナ要素(element)からの合成(composite)チャネルであるかに関係なく、無線装置10又はネットワークノード20にとって前記アンテナに対するチャネル推定を可能にする。即ち、アンテナは、前記アンテナ上のシンボルを伝達するチャネルが同一アンテナ上の他のシンボルが伝達される前記チャネルから導出されるように定義される。複数のアンテナを用いてデータを送受信する多重入出力(Multi−Input Multi−Output,MIMO)機能を支援するトランシーバの場合は2つ以上のアンテナと接続されてもよい。
【0248】
本発明において、トランシーバ11,21は、受信ビームフォーミングと送信ビームフォーミングとを支援することができる。例えば、本発明において、トランシーバ11,21は、図8乃至図10に例示された機能を行うように構成される。
【0249】
また、無線装置10又はネットワークノード20は、プロセッシングチップ12,22を含む。プロセッシングチップ12,22は、プロセッサ13,23のような少なくとも1つのプロセッサ及びメモリ14,24のような少なくとも1つのメモリ装置を含むことができる。
【0250】
プロセッシングチップ12,22は、本明細書において説明された方法及び/又はプロセスのうち少なくとも1つ以上を制御することができる。換言すれば、プロセッシングチップ12,22は、本明細書に記載された少なくとも1つ以上の実施例を実行するように構成される。
【0251】
プロセッサ13,23は、本明細書において説明された無線装置10又はネットワークノード20の機能を行うための少なくとも1つのプロセッサを含む。
【0252】
例えば、1つ以上のプロセッサは、図18の1つ以上のトランシーバ11,21を制御して、情報を送受信することができる。
【0253】
また、プロセッシングチップ12,22に含まれたプロセッサ13,23は、無線装置10又はネットワークノード20の外部に送信される信号及び/又はデータに対して所定の符号化(coding)及び変調(modulation)を行った後、トランシーバ11,21に送信する。例えば、プロセッサ13,23は、送信しようとするデータ列を逆多重化及びチャネル符号化、スクランブリング及び変調過程などを経て、K個のレイヤに変換する。符号化されたデータ列は、コードワードとも呼ばれ、MAC層が提供するデータブロックである輸送ブロックと等価である。一輸送ブロック(transport block,TB)は、一コードワードに符号化され、各コードワードは、1つ以上のレイヤの形態として受信装置に送信される。周波数アップ変換のために、トランシーバ11,21は、オシレータ(oscillator)を含むことができる。トランシーバ11,21は、N個(Nは、1以上の正の整数)の送信アンテナを含むことができる。
【0254】
また、プロセッシングチップ12,22は、データ、プログラミング可能なソフトウェアコード及び/又は本明細書に説明された実施例を行うための他の情報を記憶するように構成されたメモリ14,24を含む。
【0255】
換言すれば、本明細書による実施例において、メモリ14,24は、プロセッサ13,23のような少なくとも1つのプロセッサによって実行(executed)されるとき、プロセッサ13,23にとって、図18のプロセッサ13,23によって制御されるプロセスのうち一部又は全部を行わせるか、図1乃至図17に基づいて、本明細書に説明された実施例を実行するための命令を含むソフトウェアコード15,25を記憶する。
【0256】
具体的に、本発明の実施例による無線装置10のプロセッシングチップ12は、実際に送信されたSSB(Actual Transmitted SSB;ATSS)に関する第1の情報及びPRACHリソース設定のための第2の情報を受信するように制御して、特定区間の間のスロット及び該当スロットに含まれたシンボルの用途を割り当てるためのUL/DL設定に関する第3の情報を受信するように制御する。その後、プロセッシングチップ12は、第1の情報、第2の情報及び第3の情報のうち少なくとも1つに基づいて有効PRACH Occasionを導出するが、このとき、有効PRACH Occasionは、有効PRACHスロット内に含まれた有効PRACHシンボルの集合(set)を意味することができる。また、前記有効PRACH Occasionを導出するための具体的な方法は、本明細書において上述した具体的な実施例に従ってもよい。プロセッシングチップ12は、導出された有効PRACH OccasionによってPRACHを送信するように制御する。
【0257】
また、本発明の実施例によるネットワークノード20のプロセッシングチップ22は、実際に送信されたSSB(Actual Transmitted SSB;ATSS)に関する第1の情報及びPRACHリソース設定のための第2の情報を送信するように制御する。その後、プロセッシングチップ22は、特定区間の間のスロット及び該当スロットに含まれたシンボルの用途を割り当てるためのUL/DL設定に関する第3の情報を送信するように制御する。プロセッシングチップ22は、前記第1の情報、第2の情報及び第3の情報のうち少なくとも1つに基づいて決定された有効PRACH OccasionによってPRACHを受信するように制御する。一方、前記有効PRACH Occasionが決定される具体的な方法は、本明細書において上述した具体的な実施例に従ってもよい。
【0258】
以上に説明した実施例は本発明の構成要素及び特徴が所定形態に結合されたものである。それぞれの構成要素又は特徴は別に明示的に言及しない限り、選択的なものに考慮しなければならない。それぞれの構成要素又は特徴は他の構成要素や特徴と組み合わせられない形態に実施することができる。また、一部の構成要素及び/又は特徴を組み合わせて本発明の実施例を構成することも可能である。本発明の実施例で説明する動作の順序は変更可能である。ある実施例の一部の構成や特徴は他の実施例に含まれることができ、あるいは他の実施例の対応する構成又は特徴に取り替えられることができる。請求範囲で明示的な引用関係がない請求項を組み合わせて実施例を構成するか出願後の補正によって新たな請求項として含ませることができるのはいうまでもない。
【0259】
この明細書にて説明した基地局により行われる特定の動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)により行われることができる。即ち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局又は基地局以外の他のネットワークノードにより行われることができる。基地局は固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)などの用語に代替できる。
【0260】
本発明に係る実施例は多様な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はこれらの結合などによって具現できる。ハードウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、1つ又はそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現される。
【0261】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、以上で説明した機能又は動作を行うモジュール、手順、関数などの形態で具現することができる。ソフトウェアコードはメモリユニットに格納してプロセッサによって駆動することができる。メモリユニットはプロセッサの内部又は外部に位置し、既に公知された多様な手段によってプロセッサとデータをやり取りすることができる。
【0262】
本発明は本発明の特徴を逸脱しない範囲内で他の特定の形態に具体化されることができるのは当業者に明らかである。したがって、前記詳細な説明はすべての面で制限的に解釈されてはいけなく、例示的なものに考慮されなければならない。本発明の範囲は添付の請求範囲の合理的解釈によって決定されなければならなく、本発明の等価的範囲内でのすべての変更は本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0263】
上述のような、物理任意接続チャネルを送受信する方法及びそのための装置は、5世代NewRATシステムに適用される例を中心として説明したが、5世代NewRATシステムの他にも様々な無線通信システムに適用することができる。
図1(A)】
図1(B)】
図2
図3(a)】
図3(b)】
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14(a)】
図14(b)】
図15
図16
図17(a)】
図17(b)】
図18