(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、靴内の通気性を高めることができる靴底、及び該靴底を備える靴を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の靴底は、
アッパー部材が接合される靴底であって、
前記アッパー部材が直接的又は間接的に積層されている底受部と、
前記底受部の上面から上方に立ち上がることで前記アッパー部材の側部の外面を覆う立上部とを備え、
前記底受部には、上面から該底受部の厚み方向に凹む少なくとも一つの通気溝が形成され、
前記立上部には、靴底の横幅方向に貫通する少なくとも一つの通気孔が形成され、
前記通気孔は、前記立上部の上端部側から下端部側にかけて縦長に形成され、且つ前記通気溝と連通している。
【0011】
本発明の靴底において、
前記通気溝には、
前記通気孔から前記靴底の横幅方向における中央側に向かって真っ直ぐに延びる第一通気溝部と、
前記第一通気溝部の前記横幅方向における内側の一端から分岐する一対の第二通気溝部とが含まれていてもよい。
【0012】
この場合、一対の第二通気溝部は、前記横幅方向における内側に向かうにつれて、前記靴底の前後方向における互いの間隔が広がるように構成されていてもよい。
【0013】
本発明の靴底において、
前記立上部には、
前記横幅方向における前記底受部の内端側に形成された内側立上部と、
前記横幅方向における前記底受部の外端側に形成された外側立上部とが含まれ、
前記少なくとも一つの通気孔は複数であり、
該複数の通気孔には、
前記内側立上部に形成された内側通気孔と、
前記外側立上部に形成された外側通気孔とが含まれ
前記少なくとも一つの通気溝は複数であり、
該複数の通気溝には、
前記底受部の前記内端側に位置し且つ前記内側通気孔に連続する内側通気溝と、
前記底受部の前記外端側に位置し且つ前記外側通気孔に連続する外側通気溝とが含まれ、
前記内側通気溝に含まれる前記一対の第二通気溝部の先端と、前記外側通気溝に含まれる前記一対の第二通気溝部の先端とが前記横幅方向で互いに連通していてもよい。
【0014】
本発明の靴底において、
前記立上部の内面には、
前記アッパー部材が接合される接合面と、
前記アッパー部材が非接触となる非接触面とが含まれ、
前記立上部の内面は、前記接合面が前記非接触面よりも前記横幅方向における内側に突出するように段状に形成されていてもよい。
【0015】
本発明の靴底において、
前記立上部には、前記靴底の前後方向に間隔をあけて複数の前記通気孔が形成され、
前記前後方向で隣り合う前記通気孔の間の部分によって前記立上部の下端部から上端部に亘って延びる縦長の柱状部が構成されていてもよい。
【0016】
本発明の靴は、
アッパー部材が接合される上記何れかの靴底を備える。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態にかかる靴底について説明する。なお、本実施形態では、
図1,
図2に示すように、着用者の足の甲側を覆うアッパー部材2と、該アッパー部材2が接合される靴底3とを備える靴1を一例に挙げて靴底3の説明を行うこととする。
【0019】
また、本実施形態では、靴底3の前足部と後足部とが並ぶ方向を前後方向、靴底3の横幅に対応する方向を横幅方向、靴底3の厚みに対応する方向を厚み方向と称して以下の説明を行うこととする。
【0020】
アッパー部材2は、靴底3上で着用者の足を覆うように構成されている。なお、本実施形態に係るアッパー部材2は、着用者の足裏に接する底部と、該底部に連続し且つ着用者の足の横側(内側、及び外側)を覆う側部とを有する。また、底部と側部とには、通気性を確保するための貫通孔が複数形成されている。
【0021】
靴底3は、ミッドソール4と、該ミッドソール4の下面に接合されるアウトソール5とを備えている。
【0022】
ミッドソール4は、弾性を有している。ミッドソール4は、
図3に示すように、前記アッパー部材2の底部が積層される底受部6と、前記底受部6の上面から立ち上がることでアッパー部材2の側部の外面を覆う立上部7とを有する。
【0023】
底受部6には、上面から前記厚み方向で凹む溝が複数形成されており、該溝には、前記横幅方向に延びる通気溝60と、前記前後方向に延びる縦溝61とが含まれている。
【0024】
通気溝60には、前記横幅方向における底受部6の横縁(前記横幅方向における底受部6の内縁、若しくは外縁)から前記横幅方向における底受部6の中央側に向かって延びる第一通気溝部62と、該第一通気溝部62の一端(具体的には、前記横幅方向における底受部6の中央側に位置する一端)から分岐する一対の第二通気溝部63とが含まれている。
【0025】
第一通気溝部62の溝幅(第一通気溝部62の中心線が延びる方向に対して直交する方向での溝幅)は、各第二通気溝部63(第二通気溝部63の中心線が延びる方向に対して直交する方向での溝幅)よりも広くなっている。
【0026】
また、第一通気溝部62の底面には、前記横幅方向における底受部6の横縁側に向かうにつれて下方側に傾斜する傾斜面620が含まれている。
【0027】
さらに、本実施形態においては、前記前後方向における一対の第二通気溝部63の間の間隔が、前記横幅方向における底受部6の中央部側に向かうにつれて徐々に広がっている。
【0028】
なお、本実施形態に係る第一通気溝部62は、底受部6の前記横縁から底受部6の前記中央側に向かって真っ直ぐに延びているが、該第一通気溝部62の中心線が前記横幅方向若しくは前記横幅方向に対して交差する方向に延びるように形成されていれば、例えば、第一通気溝部62の溝幅方向における両側の側壁が湾曲していたり、該側壁に凹凸が形成されていたりしてもよい。
【0029】
底受部6には、
図3に示すように、複数の通気溝60が前後方向で間隔をあけて複数形成されている。より具体的に説明すると、前記横幅方向における底受部6の内縁側には、複数の通気溝60が前後方向で間隔をあけて並ぶように形成されており、前記横幅方向における底受部6の外縁側にもまた複数の通気溝60が前後方向で間隔をあけて並ぶように形成されている。なお、本実施形態では、以下の説明において、底受部6の外縁側の通気溝60を外側通気溝60、底受部6の内縁側の通気溝60を内側通気溝60と称する場合がある。
【0030】
前記前後方向で隣り合う通気溝60のそれぞれの第一通気溝部62は、
図4に示すように、前記前後方向で間隔をあけて並んでいる。そのため、前記前後方向で並ぶ第一通気溝部62の間には、着用者の足裏を支える支持部(以下、第一支持部と称する)64が形成されている。
【0031】
また、通気溝60の第二通気溝部63は、前記前後方向で隣り合う別の通気溝60の第二通気溝部63と、前後方向で並ぶように形成されている。そのため、通気溝60の第二通気溝部63と前記別の通気溝60の第二通気溝部63の前後方向での間隔は、底受部6の前記中央部側になるにつれて狭くなっている。
【0032】
さらに、本実施形態では、通気溝60の第二通気溝部63の一端(底受部6の前記中央部側に位置する一端)が、前記別の通気溝60の第二通気溝部63の一端(底受部6の前記中央部側に位置する一端)と連続している。
【0033】
そのため、通気溝60の第二通気溝部63と、前記別の通気溝60の第二通気溝部63との間には、第一支持部64に連続する支持部(以下、第二支持部と称する)65が形成されている。第二支持部65は、底受部6の前記中央部側であるほど前記前後方向における幅が徐々に小さくなるように形成されている。すなわち、第二支持部65は、底受部6の前記中央部側に向けて先細りになっている。
【0034】
さらに、通気溝60の一対の第二通気溝部63は、上述のように底受部6の前記中央側に向かうにつれて前記前後方向での互いの間隔が広がるようにして前記第一通気溝部62の一端から分岐しているため、通気溝60の一対の第二通気溝部63の間にも支持部(以下、第三支持部と称する)66が形成されている。
【0035】
第三支持部66は、底受部6の前記中央部側になるにつれて、前記前後方向における幅が徐々に広がるように形成されている。また、第三支持部66は、前記横幅方向における内端660が前記前後方向に延びており、前記横幅方向における外端661が先細りに形成されている。
【0036】
また、第一支持部64の上面、第二支持部65の上面、第三支持部66の上面は、底受部6の上面を構成する面であり、また、アッパー部材2の底部が積層(接合)される面でもある。
【0037】
縦溝61は、靴底3の前端と後端とで前記前後方向において開放するように形成されている。また、本実施形態では、縦溝61と第二通気溝部63とが交差することにより底受部6の前記中央部に交差空間67が形成されている。
【0038】
なお、本実施形態では底受部6の上面にアッパー部材2の底部が直接的に積層(接合)されているが、底受部6の上面にアッパー部材2の底部を間接的に積層(接合)することも可能である。
【0039】
また、アッパー部材2は底受部6に対して熱融着されている。例えば、接着剤を塗布した底受部6の上面にアッパー部材2を積層する場合は、該接着剤が通気溝60内に入り込んでしまうと靴1内の通気性が損なわれてしまうが、本実施形態のように、アッパー部材2は底受部6に対して熱融着させると、通気溝60内全体を空気の流路として利用することが可能になる。
【0040】
立上部7には、
図5、及び
図6に示すように、該立上部7の厚み方向に貫通する通気孔70が形成されている。
【0041】
通気孔70は、立上部7の上端部側から下端部側にかけて縦長となるように形成されている。また、通気孔70は、下端側から上端側になるにつれて徐々に前記前後方向における後方側に向かうように傾斜している。
【0042】
さらに、通気孔70の下端は、通気溝60の前記一端とは反対側の他端に連通している。そのため、通気孔70は、通気溝60の開放端から上方に延びるように形成されている。
【0043】
なお、本実施形態の立上部7には、前記前後方向で間隔をあけて並ぶようにして複数の通気孔70が形成されている。
【0044】
立上部7の内面(底受部6の前記中央部側を向いている面)には、アッパー部材2が接合される接合面71と、前記前後方向において該接合面71に対して前記前後方向で隣接する非接触面72とが含まれている。また、接合面71が非接触面72よりも前記横幅方向における内側に突出しているため、接合面71と非接触面72との間には段差が生じている。
【0045】
さらに、本実施形態に係る立上部7では、上述のように、縦長の通気孔70が前記前後方向で間隔をあけて複数形成されているため、
図1、
図2に示すように、前記前後方向で隣り合う通気孔70の間には、立上部7の下端部から上端部に亘って延びる縦長の柱状部73が形成されている。すなわち、立上部7は、通気孔70と柱状部75とが前後方向において交互に並ぶように形成されている。また、柱状部73の下端は、底受部6の上面に連続している。
【0046】
本実施形態に係る靴底3では、前記横幅方向における底受部6の内縁側及び外縁側のそれぞれに対して一つずつ立上部7が形成されている。
【0047】
そのため、本実施形態では、底受部6の前記内縁側に形成されている立上部7を内側立上部74、底受部6の前記外縁側に形成されている立上部7を外側立上部74と称し、また、内側立上部73に形成されている通気孔70を内側通気孔700、外側立上部75に形成されている通気孔70を外側通気孔701と称して以下の説明を行うこととする。
【0048】
本実施形態に係る内側立上部73は、前記厚み方向における最大高さが、底受部6より約25mmに設定されており、該内側立上部73の頂部付近に形成されている内側通気孔700の高さは、上端が底受部6より約15mmに設定されている。
【0049】
また、本実施形態に係る外側立上部74は、前記厚み方向における最大高さが底受部6より約18mmに設定されており、該外側立上部74の頂部付近に形成されている外側通気孔701の高さは、上端が底受部6より約8mmに設定されている。
【0050】
なお、本実施形態に係る立上部7(内側立上部73、外側立上部74)において、通気孔70の高さは、例えば、該通気孔70の形成位置に対応する場所での立上部7の高さに対して約30%以上、好ましくは40%以上、足の骨格的な特徴から、靴1内で湿気や熱気が滞留する空間が出来易い内アーチ部付近に設けられる内側立上部73においては、50%以上に設定されていれば更に好ましい。
【0051】
また、立上部7(内側立上部73、外側立上部74)における通気孔70の底受部6からの高さが、アッパー部材2の底面部を構成する材料の厚みより高く設定されていれば(すなわち、通気孔70がアッパー部材2の底面部を構成する材料よりも上方に延びていれば)、靴1内の底縁部付近に滞留する湿気や熱気を容易に換気できるようになる。
【0052】
例えば、アッパー部材2の製靴方法が袋縫いやカリフォルニア製法の場合は、アッパー部材2の底面部を構成する材料の厚みが一般的には約1.5mmから3mmとなるため、通気孔70の底受部からの高さは、4mm以上に設定されていることが好ましく、8mm以上に設定されていれば靴1内の底縁部に滞留する湿気や熱気を換気し易くなる。
【0053】
本実施形態に係る靴1の構成は以上の通りである。本実施形態に係る靴1によれば、立上部7の上端部側から下端部側にかけて縦長に形成された通気孔70と、底受部6に形成された通気溝60(本実施形態では、内側通気孔700と底受部6の前記内縁側の通気溝60、外側通気孔701と底受部6の前記外縁側の通気溝60)とが互いに連通することにより、前記横幅方向における底受部6の横縁側(底受部6の内縁側や外縁側)には、靴底3の外部に連通し且つ底受部6から立上部7の上端部側まで広がる大きな空間(以下、通気空間と称する)が形成されている。
【0054】
そのため、本実施形態に係る靴1では、通気空間を通じて通気溝60内での空気の流れを円滑にすることができ、これにより、靴1内の通気性を高めることができるという優れた効果を奏し得る。
【0055】
また、前記横幅方向において第二通気溝部63よりも底受部6の内縁側若しくは外端側に位置する第一通気溝部62は、底側の溝幅(第一通気溝部62の中心線が延びる方向に対して直交する方向における溝幅)よりも上端側の溝幅(第一通気溝部62の中心線が延びる方向に対して直交する方向における溝幅)が広くなるように形成されているため、前記横幅方向における底受部6の横縁側において、着用者の足裏との非接触部分、すなわち、通気空間が広がるため、靴1内の通気性がさらに高まる。
【0056】
なお、本実施形態の第一通気溝部62の底面には、前記横幅方向における底受部6の横縁側に向かうにつれて下方側に傾斜する傾斜面620が含まれているため、かかる構成によっても通気空間が広がっている。
【0057】
そして、本実施形態に係る靴底3では、一対の第二通気溝部63が第一通気溝部62よりも靴底3の前記中央部側、すなわち、第一通気溝部62よりも熱や湿気がこもり易い場所に形成されているが、該一対の第二通気溝部63が第一通気溝部62の内端から分岐するように形成されているため、該一対の第二通気溝部63内に空気が滞留することが抑制される。
【0058】
より具体的に説明すると、第一通気溝部62の内端から分岐する一対の第二通気溝部63の溝幅(第二通気溝部63の中心線が延びる方向に対して直交する方向における溝幅)は、第一通気溝部62の溝幅よりも小さくなっている。
【0059】
そのため、靴底3の外部の空気が第一通気溝部62を通じて第二通気溝部63に流入した場合は、第二通気溝部63内での空気の流速が高まるため、第二通気溝部63内全体に新鮮な空気を行き渡らせ易くなる。
【0060】
また、第二通気溝部63は、第一通気溝部62の内端から分岐するように形成されることによって、内部の容積が第一通気溝部62よりも小さくなっている。そのため、第二通気溝部63内の空気が第一通気溝部62を通じて靴底3の外部に排出される場合においては、第二通気溝部63内の空気が残らず第一通気溝部62内に排出され易くなる。
【0061】
本実施形態においては、一対の第二通気溝部63が、前記横幅方向における靴底3の中央部側に向かうにつれて、前記前後方向における互いの間隔が広がるように構成されているため、一対の第二通気溝部63の分布範囲がより広くなっている。
【0062】
さらに、本実施形態においては、前記横幅方向における底受部6の内縁側に対して、前記横幅方向における底受部6の横縁から前記横幅方向における底受部6の前記中央側に向かって延びる第一通気溝部62と、前記横幅方向における底受部6の前記中央側に向かうにつれて前記前後方向での互いの間隔が広がるようにして前記第一通気溝部62の内端から分岐する一対の第二通気溝部63とが含まれるように構成された内側通気溝60が、前記前後方向に並べて複数形成されている。
【0063】
そのため、前記横幅方向における底受部6の内縁側では、前記前後方向で隣り合う第一通気溝部62の間の第一支持部64と、各第一支持部64の内側(靴底3の前記中央部側)に連続する第二支持部65とが前記前後方向に間隔をあけて並ぶように複数形成されているため、通気性を高めつつ、クッション性の低下を抑制することができる。
【0064】
また、靴底3の前記中央部側に向けて先細りになっている各第二支持部65の間のそれぞれには、外端661が先細りに形成されている第三支持部66が形成されている。すなわち、前記横幅方向における底受部6の内縁側では、第二支持部65と第さん支持部66とが前後方向で交互に並んでいるため、足裏の支持箇所が増えることにより、クッション性の低下が効果的に抑制される。
【0065】
なお、前記横幅方向における底受部6の外縁側においても同様に、第一支持部64と、各第一支持部64の内側に連続する第二支持部65とが前記前後方向に間隔をあけて並ぶように複数形成されており、また、第二支持部65と第三支持部66とが前後方向で交互に並んでいるため、通気性を高めつつ、クッション性の低下を効果的に抑制することができる。
【0066】
さらに、本実施形態に係る靴底3では、立上部7の内面が、非接触面72よりも接合面71が横幅方向における内側に突出するように段状に形成されているため、アッパー部材2と逃面との間には隙間が形成されるようになっており、さらに、かかる隙間は通気孔70により外部に向けて開放されている。そのため、足の側部と立上部7の内面との間に空気を流通させることができる隙間が形成され、これにより、足の横側での通気性を高めることができる。
【0067】
本実施形態の立上部7においては、縦長の通気孔70が前記前後方向で間隔をあけて複数形成されているため、前記前後方向で隣り合う通気孔70の間の部分により、立上部7の下端部から上端部に亘って延びる縦長の柱状部75が構成されている。そのため、立ち上部7には、柱状部75も前記前後方向に間隔をあけて並ぶようにして複数形成されており、これにより、立上部7の通気性が高まるとともに、該複数の柱状部75によって立上部7の剛性の低下が抑制されている。
【0068】
また、本実施形態に係る靴底3では、立上部7に対して補強用の部材を別途取り付ける等の措置を講じなくても複数の柱状部75で立上部7の剛性の低下を抑制できるため、容易に製造することが可能となる。
【0069】
なお、本発明の靴底及び靴は、上記一実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を行うことは勿論である。
【0070】
上記実施形態において、通気孔70は、内側立上部73と外側立上部74のそれぞれに形成されていたが、この構成に限定されない。通気孔70は、少なくとも内側立上部73と外側立上部74の何れか一方に形成されていればよい。
【0071】
上記実施形態において、立上部7は、底受部6の前記内縁側と、底受部6の前記外縁側とに形成されていたが、該内縁側及び外縁側のうちの少なくとも何れか一方に立上部7が形成されていればよい。
【0072】
上記実施形態において、内側通気溝60と外側通気溝60とは、前記横幅方向において対向するように形成されていたが、この構成に限定されない。例えば、内側通気溝60と外側通気溝60とは、前記横幅方向に対して傾斜する方向で対向するように形成されていてもよい。
【0073】
上記実施形態において、通気溝60、底受部6の前記内縁側と、底受部6の前記外縁側とに形成されていたが、該内縁側及び外縁側のうちの少なくとも何れか一方に通気溝60が形成されていればよい。また、前記前後方向に並べて形成する通気溝60の数は、適宜決めることができる。
【0074】
上記実施形態において、特に言及しなかったが、通気溝60は、立上部7よりも前足側や、後足側に形成することも可能である。
【0075】
上記実施形態において、一対の第二通気溝部63は、前記横幅方向における靴底3の中央部側に向かうにつれて、靴底3の前後方向における互いの間隔が広がるように構成されていたが、この構成に限定されない、例えば、一対の第二通気溝部63は、互いに平行となるようにして形成されていてもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、各通気溝60の一対の第二通気溝部63が互いに非連続となっていたが、この構成に限定されない。例えば、各通気溝60の一対の第二通気溝部63は、前記横幅方向における靴底3の中央部側の一端同士が互いに連続していてもよい。
【0077】
上記実施形態において、通気孔70は、下端側から上端側になるにつれて徐々に前記前後方向における後方側に向かうように傾斜していたが、上方に向かって真っ直ぐに延びるように形成されていても良いし、下端側から上端側になるにつれて徐々に前記前後方向における前方側に向かうように傾斜していてもよい。
【0078】
上記実施形態において、通気孔70(内側通気孔700、及び外側通気孔701)は、直線状に形成されていたが、この構成に限定されない。例えば、通気孔70は、
図7に示すように、折れ線状(すなわち、下端部と上端部との間で屈曲した形状)や、曲線状であってもよい。なお、立上部7には、直線状の通気孔70と、折れ線上や曲線状の通気孔70のそれぞれが形成されていてもよい。
【0079】
上記実施形態において、通気孔70(内側通気孔700、及び外側通気孔701)は、下端部から上端部に亘って前記前後方向の開口幅が一定又は略一定となるように形成されていたが、この構成に限定されない。例えば、通気孔70の前記前後方向の開口幅は、下端部と上端部との間で変化していてもよい。
【0080】
より具体的に説明すると、通気孔70は、例えば、
図8に示すように、中央部(該通気孔70の長手方向における中央部)の前記開口幅が、上端部や下端部での前記開口幅よりも大きくなるように形成されていてもよいし、
図9に示すように、中央部の前記開口幅が、上端部や下端部での前記開口幅よりも小さくなるように形成されていてもよい。
【0081】
なお、通気孔70では、上端での開口幅と下端での開口幅とが異なっていてもよく、例えば、上端側から下端側に向かうにつれて前記開口幅が徐々に大きくなっていたり、上端側から下端側に向かうにつれて前記開口幅が徐々に小さくなっていたりしてもよい。また、立上部7には、前記開口幅が一定又は略一定の通気孔70と、前記開口幅が一定でない通気孔70のそれぞれが形成されていてもよい。
【0082】
上記実施形態では特に言及しなかったが、通気孔70を画定する上端の一辺と通気孔70を画定する下端の一辺とは、互いに平行又は略平行となるように設定されていてもよいし、上端の一辺の延びる方向と下端の一辺の延びる方向とが交差するように設定されていてよい。また、通気孔70を画定する前記前後方向における前側の一辺と通気孔70を画定する前記前後方向における後ろ側の一辺も、互いに平行又は略平行となるように設定されていてもよいし、前記前側の一辺が延びる方向と前記後側の一辺が延びる方向とがそれぞれ交差するように設定されていてもよい。
【0083】
上記実施形態では特に言及しなかったが、通気孔70を画定する各辺は、直線状であってもよいし、曲線状であってもよい。