【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社は、公開日2019年10月31日〜11月1日 1)第30回つくばフォーラム2019、 2)NTTアクセスサービスシステム研究所(茨城県つくば市花畑1−7−1)にて「電界強度分布測定装置」を公開した。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。複数の図面中同一のものに
は同じ参照符号を付し、説明は繰り返さない。
【0012】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る設備配置図作成システムの機能構成例を示すブロック図である。
図1に示す設備配置図作成システム100は、信号発生器90と設備配置図作成装置101を備える。設備配置図作成システム100は、屋内の設備配置図を作成するシステムである。以降、
図1と他の図を参照して設備配置図作成システム100の動作を詳しく説明する。
【0013】
信号発生器90は、屋内に配線されたメタルケーブル3に高周波信号を重畳させる。高周波信号は、例えばIMSバンド等の複数の周波数帯の何れの周波数であっても良い。メタルケーブルは、LANケーブル及び電話線等である。
【0014】
図1に示す様に、例えばクランププローブ91でメタルケーブル3を挟む。クランププローブ91は、磁界を介してメタルケーブル3に高周波信号を重畳させる。
【0015】
クランププローブ91を使用すれば、屋内の配線を切断しないでメタルケーブル3に高周波信号を重畳させることができる。また、複数のメタルケーブル3が束ねてあっても、それぞれのメタルケーブル3に高周波信号を重畳させることができる。
【0016】
図2は、信号発生器90がメタルケーブル3に高周波信号を重畳させる様子を模式的に示す図である。
図2に示すスイッチ4は、幹線LANを複数の支線LANケーブルに分岐させる例えばビルの各階の屋内に配置されるフロアスイッチングHUBである。
【0017】
図2では表記を省略している信号発生器90は、支線LANケーブル3
5をクランププローブ91で挟んで高周波信号を重畳させる。高周波信号は、全ての支線LANケーブル3
1〜3
5に重畳させても良い。また、支線LANケーブル3
1〜3
5のそれぞれに重畳させる高周波信号の周波数を変えても良い。
【0018】
高周波信号は、正弦波、三角波、及び方形波の何れであっても良い。また、直接、メタルケーブル3に高周波電流を印加して高周波信号を重畳させても構わない。なお、信号発生器90は一般的なものである。
【0019】
設備配置図作成装置101は、カメラ20、画像処理部30、移動距離算出部40、平面図生成部50、電界強度測定部60、電界強度対応付部70、及び設備配置図生成部80を備える。これらの機能構成部は、移動体10の内部に収納されて設備配置図作成装置101を構成する。
【0020】
移動体10は、手押し用ハンドル11を備える。作業者は、手押し用ハンドル11を操作して屋内の床1の上の移動体10を移動させる。また、移動体10は、例えば、アンテナ61とカメラ20を外部に突出させている。アンテナ61は、電界を測定するためのものである。
【0021】
床1の下の配線スペース2にメタルケーブル3が配線されている。なお、メタルケーブル3は、床1の上で配線される場合もある。
【0022】
カメラ20は、屋内の床1の上を移動する移動体10の進行方向を撮像する。カメラ20は、例えば一般的なディジタルカメラである。カメラ20で撮像された画像情報は、画像処理部30に出力される。画像情報は動画であると好ましい。
【0023】
画像処理部30は、カメラ20で撮像した画像情報から移動体10の前方と左右方向に存在する物体情報を抽出する。画像処理部30は、画像情報のフレームレートが24f/秒〜60f/秒で有ったとすると、1秒(24〜60フレーム)から例えば1枚の画像を抽出し、該画像から物体を認識する。なお、画像の抽出間隔は、任意で良く、例えば1秒ごとに抽出しても良いし、0.5秒ごとに抽出しても良い。なお、移動体10の移動と連携を取れば、カメラ20は静止画を撮像しても構わない。
【0024】
図3は、抽出した1枚の画像を模式的に示す図である。
図3において、移動体10の前方(進行方向)をy、左右方向をx、高さ方向をzと定義する。画像から−x方向にパソコン5が載ったテーブル6、通路8のx方向に棚7があることが分かる。
【0025】
画像処理部30は、撮像した画像から特徴量を抽出し、予め物体と関連付けられた特徴量と比較することで、画像に映った物体を認識する。物体は、例えば、テーブル6、棚7、パーテンション、通路8、椅子、パソコン5、及び机等の屋内に配置される備品である。画像処理部30は、それら備品の特徴量を予め持っている。
【0026】
移動距離算出部40は、屋内の所定の位置を基準とする移動体10の移動距離を算出する。移動距離は、移動体10の車輪(参照部号省略)の回転数から算出できる。また、移動方向は、車輪の向きで検出することができる。なお、移動距離算出部40は、カメラ20を例えば3Dカメラで構成した場合、無くても良い機能構成部である。
【0027】
3Dカメラで撮像した画像の画素情報には、対象物までの距離情報が含まれる。したがって、3Dカメラの場合、カメラ20の位置も自ずと知ることができる。よって、カメラ20の位置を記録すれば移動体10の移動距離を求めることが可能である。
【0028】
平面図生成部50は、床1の上の移動体10の座標と画像処理部30で抽出した物体情報から屋内の平面図情報を生成する。物体情報は、移動体10の前方と左右方向に存在する物体を表す情報である。よって、移動体10の座標と物体情報から屋内の平面図情報を生成することができる。
【0029】
図4は、平面図生成部50が生成した平面図情報の一例を示す図である。
図4に示す平面図情報は、移動体10の座標(x,y)と物体情報から生成することができる。
【0030】
例えば、カメラ20がαの位置からy方向を撮像したと仮定する。その画像情報から、移動体10の座標、通路8とテーブル6の境目の座標、及び通路8と棚7の境目の座標を抽出することができる。それらの座標(x,y)をつなぐことで平面図情報を生成することができる。
図4において、βはパソコン5の位置、γはスイッチ4の位置を示す。
【0031】
電界強度測定部60は、移動体10の位置の電界強度を測定する。電界強度は、信号発生器90でメタルケーブル3に重畳させた高周波信号の周波数に対応するものである。電界強度測定部60は、所定の周波数帯域の電界強度を周波数分析して周波数スペクトルを求めるようにしても良い。
【0032】
電界強度対応付部70は、電界強度測定部60で測定した電界強度と平面図生成部50が持つ移動体10の座標を対応付ける。対応付けた座標と電界強度の値は、メモリ(図示せず)に記録しても良い。
【0033】
図5は、座標上の電界強度の値をグレースケールの等高線で表した図である。この例は、「白」の部分の電界強度が最も高く、濃くなるほど電界強度は低くなる、
移動体10が移動できないテーブル6及び棚7の部分は、電界強度のデータが取得できないので電界強度が最も低い「黒」で表記している。また、等高線の本数は、アンテナ61が1つの場合は、移動体10の位置を変えて移動させる回数に凡そ比例する。
【0034】
なお、アンテナ61は、移動体10の進行方向と直交する向き(x)に複数設けるようにしても良い。例えば、移動体10の幅(x方向)の真ん中、−x方向の端、及びx方向の端の3箇所にアンテナ61を設け、それぞれのアンテナ61を高周波スイッチ(図示せず)で切り替えて電界強度測定部60に接続させる。そうすることで、所定の位置の移動体10において、一度に3つの座標の電界強度を測定することができる。
【0035】
設備配置図生成部80は、平面図生成部50が生成する平面図情報の上に座標で対応付けて電界強度を重ねた設備配置図情報を生成する。パソコン等のネットワーク設備が配置された付近の高周波信号の電界強度は高い値を示す。よって、平面図情報に電界強度を重ねれば設備配置を示すことになる。
【0036】
図6は、平面図(
図4)に座標で対応付けて電界強度を重ねた図である。
図6に示すようにパソコン5等が有る場所(
図4のβ)と、高周波信号をケーブル3に重畳させたスイッチ4の場所(
図4のγ)の2箇所の電界強度が高く表示される。また、スイッチ4とパソコン5を接続させるLANケーブル(ケーブル3)の周辺の電界強度も高く表示される。このように、設備と配線構成を示す設備配置図情報を生成することができる。設備配置図情報を、例えば表示装置(図示せず)又は印刷装置(図示せず)に出力することで設備配置図を作成することができる。
【0037】
以上説明したように本実施形態に係る設備配置図作成システム100は、信号発生器90と設備配置図作成装置101を備える設備配置図作成システムであって、信号発生器90は、屋内に配線されたメタルケーブルに高周波信号を重畳させ、設備配置図作成装置101は、屋内の床1上を移動する移動体10の進行方向を撮像するカメラ20と、撮像した画像情報から移動体10の前方と左右方向に存在する物体情報を抽出する画像処理部30と、床1上の移動体10の座標と物体情報から屋内の平面図情報を生成する平面図生成部50と、移動体10の位置の電界強度を測定する電界強度測定部60と、電界強度と移動体10の座標を対応付ける電界強度対応付部70と、上記の平面図情報の上に座標で対応付けて電界強度を重ねた設備配置図情報を生成する設備配置図生成部80とを備える。これにより、一人の作業者が屋内において移動体10を移動させるだけの簡単な操作で、その屋内の設備配置図を作成することができる。また、屋内の電界分布に基づいて設備の位置を特定するので、見落としが無く正確な設備配置図を作成することができる。
【0038】
なお、電界強度測定部60は、移動体10の進行方向と直交する向きに間隔を空けて複数のアンテナ61を備え、それぞれのアンテナ61の電界強度を測定するように構成しても良い。そうすることで、一度に複数の電界強度を測定することができ、移動体10を繰り返し移動させる回数を削減することができる。
【0039】
〔第2実施形態〕
図7は、本発明の第2実施形態に係る設備配置図作成システムの機能構成例を示すブロック図である。
図7に示す設備配置図作成装置102は、通路情報抽出部230と軌跡生成部250を備える点で、設備配置図作成装置101(
図1)と異なる。
【0040】
通路情報抽出部230は、カメラ20で撮像した画像情報から移動体10が移動可能な通路情報を抽出する。通路情報抽出部230は、画像情報に含まれる通路8のみを認識してその座標情報(通路情報)を抽出する。
【0041】
軌跡生成部250は、移動体10の座標と通路情報抽出部230が抽出した通路情報から移動体10が移動した軌跡情報を生成する。
図8は、軌跡生成部250が生成した軌跡情報を示す。
図8に示す様に、通路の形状と移動体10の軌跡が含まれる。
【0042】
図9は、軌跡生成部250が生成した軌跡情報の上に座標で対応付けて電界強度を重ねた設備配置図の例を示す図である。
図9に示すようにパソコン5等の周囲の電界強度は高く表示される。よって、本実施形態の設備配置図作成システム200でも、設備配置図(
図6)を作成することができる。
【0043】
なお、設備配置図作成システム200において、移動体10の移動する軌跡のみに注目しても良い。その場合、カメラ20と通路情報抽出部230は不要である。
【0044】
軌跡生成部250が生成する移動体10の軌跡のみの情報に、座標で対応付けて電界強度を重ねた設備配置図情報を生成するようにしても良い。
【0045】
以上説明したように本実施形態に係る設備配置図作成システム200は、信号発生器90と設備配置図作成装置102を備える設備配置図作成システムであって、信号発生器90は、屋内に配線されたメタルケーブルに高周波信号を重畳させ、屋内の床1の上を移動する移動体10の座標の変化から移動体10が移動した軌跡情報を生成する軌跡生成部250と、移動体10の位置の電界強度を測定する電界強度測定部60と、電界強度と移動体10の座標を対応付ける電界強度対応付部70と、軌跡情報の上に座標で対応付けて電界強度を重ねた設備配置図情報を生成する設備配置図生成部80とを備える。これにより、屋内の設備配置図を作成することができる。
【0046】
設備配置図作成システム200は、
図7に示す様にカメラ20と通路情報抽出部230を備えても良い。これらの機能構成部を備えることで、通路8の情報を含む設備配置図を作成することができる。
【0047】
〔第3実施形態〕
図10は、本発明の第3実施形態に係る設備配置図作成システムの機能構成例を示すブロック図である。
図10に示す設備配置図作成システム300は、信号発生器390が信号発生連携部391を備え、設備配置図作成装置103が信号発生連携部311を備える点で、設備配置図作成システム100(
図1)と異なる。
【0048】
設備配置図作成装置391が備える信号発生連携部311と、信号発生器390が備える信号発生連携部392は、ブルートゥース、無線LAN(Wi-Fi)等の近距離無線通信で接続される。
【0049】
作業者は、設備配置図作成装置103(移動体10)を押しながら、図示しない操作スイッチを操作して信号発生器390の信号連携部391に作用させ、所定の周波数の高周波信号をオンオフさせる、又は当該周波数を変化させる。そうすることで、電界強度の測定精度を向上させることができる。
【0050】
例えば、所定の高周波信号を重畳させた場合の電界強度と、所定の高周波信号を重畳させない場合の電界強度を対比することで所定の設備の有無の判定を容易にすることができる。
【0051】
なお、信号発生連携部311と信号発生連携部391は、複数の周波数の高周波信号を選択的にオンオフさせる、又は複数の周波数のそれぞれを変化させても良い。そうすることで、電界強度の測定対象の種類を増やすことができる。
【0052】
(設備配置図作成方法)
図11は、設備配置図作成システム100(
図1)が行う設備配置図作成方法の処理手順を示すフローチャートである。
【0053】
設備配置図作成システム100を用いて屋内の設備配置図を作成する場合、初めに信号発生器90を動作させ、所定のメタルケーブル3に高周波信号を重畳させる信号発生印加ステップS1を実行する。
【0054】
次に、作業者は、屋内の所定の位置に移動体10を移動させた後に、メモリのワーキングエリアに過去のデータが残っていればリセットする(
図11においてリセットは省略している)。
【0055】
リセット後、カメラ20は、屋内の床1の上を移動する移動体10の進行方向を撮像する撮像ステップS2を実行する。カメラ20で撮像する画像は、静止画でも動画でもどちらでも構わない。
【0056】
画像処理部30は、カメラ20が撮像した画像情報から移動体10の前方と左右方向に存在する物体情報を抽出する画像処理ステップS3を実行する。物体情報は、特徴量に基づいて識別する。特徴量は、機械学習によって予め用意しておく。機械学習は、例えば周知のサポートベクターマシンを用いる。
【0057】
移動距離算出部40は、移動体10の車輪の回転数で距離を算出する移動距離算出ステップS4を実行する。移動方向は、車輪の向きの変化で検知する。ここでは、移動体10が移動していないので、メモリをリセットした移動体10の位置が基準点(x=0,y=0)となる。
【0058】
平面図生成部50は、移動体10の座標と物体情報から屋内の平面図情報を生成する平面図生成ステップS5を実行する。平面図生成部50は、基準点(x=0,y=0)の座標と、当該座標を中心として左右に存在する物体情報を記録する。例えば、通路8の−x側にテーブル6、x側に棚7があればそれぞれの物体と通路8の境目の座標をメモリに記録する。
【0059】
電界強度測定部60は、移動体10の位置(x=0,y=0)の電界強度を測定する電界強度測定ステップS6を実行する。
【0060】
電界強度対応付部70は、電界強度測定部60で測定した電界強度と移動体10の位置(x=0,y=0)を対応付けてメモリに記録する電界強度対応付けステップS7を実行する。
【0061】
移動体10が基準点(x=0,y=0)から移動していなければ、ステップS8のNoとステップS9のNOのループを繰り返す。移動体10が基準点(x=0,y=0)から移動すると、撮像ステップS2〜電界強度対応付けステップS7の処理を繰り返す。
【0062】
撮像ステップS2〜電界強度対応付けステップS7の処理を実行する処理速度は、移動体10を人が歩く速度で移動させた場合に車輪が1回転して移動距離が更新される速度よりも十分速くする。そうすることで、その速度で移動体10を移動させても設備配置図情報を生成することができる。
【0063】
作業者が、移動体10の移動を終了させた後に、図示しない設備配置図生成スイッチを押下すると、設備配置図生成部80は、平面図生成部50が生成した平面図情報の上に座標で対応付けて電界強度を重ねた設備配置図情報を生成する。
【0064】
(変形例1)
設備配置図作成装置101の各機能構成部は、床1の上を移動する移動体10に搭載するのではなく、無線操縦の無人機(ドローン)に搭載するようにしても良い。
【0065】
図12は、設備配置図作成装置101の各機能構成部を無線操縦の無人機410に搭載した変形例1の設備配置図作成システム400の機能構成例を示すブロック図である。
【0066】
無人機410は、飛行制御部411、移動距離算出部440と飛行制御部411を備える点で、移動体10と異なる。移動距離算出部440は、無人機410が車輪を持たないので3軸の加速度センサ(図示せず)で検出した加速度から移動距離を算出する。平面図情報の生成に使用しないz軸の加速度センサの感度は低くしておく、又は無視しても構わない。
【0067】
飛行制御部411は、作業者が操作するリコモンからの指令に基づいて4つのプロペラ412a〜412dの回転で生じる揚力を制御して無人機410を飛翔させる。その他の機能構成部は、参照符号から明らかな様に設備配置図作成システム100と同じである。このように、設備配置図作成装置101を飛翔させるように構成しても良い。そうすることで、床1の上に障害物がある場合でも設備配置図情報を生成することができる。
【0068】
なお、無人機410は、揚力をプロペラで得なくても良い。例えば、気球及び風船のように比重の軽い気体を用いて揚力を得るタイプの無人機(ドローン)であっても良い。また、プロペラによる推進力も持たなくても構わない。作業者が、糸で結んだ浮遊する無人機を引いて歩いても良い。
【0069】
(変形例2)
飛翔する無人機と、床1の上を移動させる移動体の組合せで設備配置図作成システム500を構成しても良い。
【0070】
図13は、無人機510と移動体511の組合せで設備配置図作成システム500を構成した変形例2の無人機の機能構成例を示すブロック図である。
図13に示す様に、変形例2の無人機510は、電界強度測定部60、電界強度対応付部70、及び設備配置図生成部80を具備しない点で無人機410と異なる。無人機510は、独自に平面図情報を生成する。
【0071】
図14は、移動体511の機能構成例を示すブロック図である。
図14に示す移動体511は、カメラ20と画像処理部30を具備しない。
【0072】
カメラ20と画像処理部30を具備しなくても、車輪の回転数から算出した移動距離による座標の変化を記録することで移動体511の移動軌跡情報を記録することができる、その移動軌跡情報に座標で対応付けて電界強度を重ねることで電界強度の分布を記録することができる。
【0073】
無人機510で生成した平面図情報に、移動体511で記録した電界強度の分布を重ねることで、設備配置図情報を生成することができる。このように、設備配置図作成システム500は、無人機510と移動体511の組合せで構成することも可能である。
【0074】
以上説明したように、本実施形態に係る設備配置図作成システム100,200,300によれば、設備配置図作成装置を移動させる簡単な操作で屋内の設備配置図情報を生成することができる。また、屋内の電界分布に基づいて設備の位置を特定するので、見落としが無く正確な設備配置図を作成することができる。
【0075】
なお、第3実施形態は、設備配置図作成システム200の構成に信号発生連携部311,392を加えた構成も考えられる。設備配置図作成システム100(
図1)の構成に信号発生連携部311,392を加えた構成と同じ作用効果が得られる。
【0076】
また、カメラ20とアンテナ61を移動体10の外部に突出させる例を示したが、本発明はこの例に限定されない。カメラ20とアンテナ61は、移動体10の内部に収納させても良い。
【0077】
設備配置図作成装置101,102,103は、カメラ20と電界強度測定部60を除いて例えば、ROM、RAM、CPU等からなるコンピュータで実現することができる。各機能構成部をコンピュータによって実現する場合、各機能構成部が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。
【0078】
設備配置図作成装置101,102,103をコンピュータで構成した場合、そのコンピュータを一般的な台車に載せることで設備配置図作成システム100,200,300を構成することも可能である。
【0079】
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を含む。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【解決手段】信号発生器90と設備配置図作成装置91を備える設備配置図作成システム100であって、信号発生器90は、屋内に配線されたメタルケーブル3に高周波信号を重畳させ、設備配置図作成装置91は、屋内の床1上を移動する移動体10の進行方向を撮像するカメラ20と、撮像した画像情報から移動体10の前方と左右方向に存在する物体情報を抽出する画像処理部30と、床1上の移動体10の座標と物体情報から屋内の平面図情報を生成する平面図生成部50と、移動体10の位置の電界強度を測定する電界強度測定部60と、電界強度と座標を対応付ける電界強度対応付部70と、平面図情報の上に座標で対応付けて電界強度を重ねた設備配置図情報を生成する設備配置図生成部80とを備える。