(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
低温環境下の貯蔵庫内において、前記貯蔵庫内の空気の酸素濃度および二酸化炭素濃度を低酸素濃度および高二酸化炭素濃度に調節して、青果物を貯蔵する貯蔵装置であって、
前記貯蔵庫内の前記空気の湿度を調節する湿度調節手段と、
前記貯蔵庫内の前記空気の温度を調節する温度調節手段と、
前記貯蔵庫内の前記空気の酸素濃度および二酸化炭素濃度を調節するガス濃度調節手段と、
当該貯蔵装置の全体の動作を制御する制御手段と、を有し、
前記湿度調節手段は、脂肪族多価アルコールを含む調湿液と前記貯蔵庫内の前記空気とを気液接触させる気液接触手段と、前記気液接触手段において前記貯蔵庫内の前記空気と気液接触される前記調湿液の濃度を調節する濃度調節手段と、前記気液接触手段において気液接触された前記空気に含まれる前記調湿液の液滴を捕集する液滴捕集手段と、を有し、
前記濃度調節手段が前記調湿液の濃度を調節することにより、前記貯蔵庫内の前記空気の湿度を調節し、
前記ガス濃度調節手段は、前記貯蔵庫内の前記空気の酸素濃度を調節する酸素濃度調節部を有し、
前記酸素濃度調節部は、前記貯蔵庫内に窒素ガスを供給する窒素ガス供給部と、前記貯蔵庫内の前記空気の酸素濃度を計測する酸素濃度計測部と、を有し、
前記貯蔵庫は、当該貯蔵庫の底面側に配置され、前記窒素ガス供給部に接続されたガス取り入れ部と、当該貯蔵庫の上面側に配置され、当該貯蔵庫内の上面側の前記空気を前記貯蔵庫の外部に排出するガス排出部と、を有し、
前記窒素ガス供給部は、前記ガス取り入れ部を介して、前記貯蔵庫内に前記窒素ガスを供給し、
前記ガス排出部は、前記窒素ガス供給部から、前記ガス取り入れ部を介して前記貯蔵庫内に前記窒素ガスが供給されるのに伴って、前記貯蔵庫内の上面側の前記空気を前記貯蔵庫の外部に排出し、
前記貯蔵庫は、前記青果物を収蔵する貯蔵空間を備え、
前記ガス取り入れ部は、前記貯蔵空間の床面を構成する床板と、前記貯蔵庫の底面と前記床板との間に空間部と、を備えた二重床と、前記空間部に配置され、前記窒素ガス供給部に接続されたガス流出パイプと、を有し、
前記床板は、前記空間部に臨む面から前記貯蔵空間に臨む面に向かって連通する複数の床板開口部を有し、
前記ガス流出パイプは、前記窒素ガス供給部から供給された前記窒素ガスを前記空間部に流出させる、貯蔵装置。
前記貯蔵庫内の前記空気の酸素濃度を前記初期酸素濃度に初期設定する際には、窒素ガスを冷却し、冷却した前記窒素ガスを前記貯蔵庫の底面側から前記貯蔵庫内に供給し、前記貯蔵庫の前記底面側に前記窒素ガスの層を形成するとともに、前記窒素ガスを前記貯蔵庫内に供給する前に前記貯蔵庫内に存在していた前記空気を前記貯蔵庫の上面側に移動させることによって、前記貯蔵庫内の前記空気を温度成層状態にし、前記貯蔵庫内の前記上面側の前記空気を前記貯蔵庫の外部に排出する、請求項6に記載の貯蔵方法。
前記貯蔵庫内の前記空気の酸素濃度を前記初期酸素濃度に初期設定する際には、前記貯蔵庫内に窒素ガスを供給し、前記窒素ガスを供給することによって変化した前記貯蔵庫内の前記空気の酸素濃度を計測し、計測した前記貯蔵庫内の前記空気の酸素濃度が前記初期酸素濃度に達したときに前記窒素ガスの供給を停止し、前記貯蔵庫内の前記空気の酸素濃度を計測する際には、前記貯蔵庫内に供給された前記窒素ガスの量を計測し、前記窒素ガスが供給される前の前記貯蔵庫内の前記空気の酸素濃度と、計測された前記窒素ガスの量と、に基づいて、前記窒素ガスを供給することによって変化した前記貯蔵庫内の前記空気の酸素濃度を算出する、請求項8に記載の貯蔵方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面における各部材の大きさや比率は、説明の都合上誇張され実際の大きさや比率とは異なる場合がある。なお、図中において、Zは、鉛直方向を示している。
【0014】
<貯蔵装置>
図1および
図2を参照して、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1は、低温環境下の貯蔵庫10内において、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度および二酸化炭素濃度を低酸素濃度および高二酸化炭素濃度に調節して、青果物を貯蔵する貯蔵装置である。
【0015】
貯蔵装置1は、青果物を収蔵する貯蔵庫10と、貯蔵庫10内に配置された送風手段20と、貯蔵庫10内に配置された青果物用の防風ユニット30と、貯蔵庫10内のエチレンガスを除去するエチレンガス除去手段40と、貯蔵庫10内の空気の湿度を調節する湿度調節手段100と、貯蔵庫10内の空気の温度を調節する温度調節手段200と、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度を調節するガス濃度調節手段300と、青果物の貯蔵装置1の全体の動作を制御する制御手段400と、を有する。なお、本明細書において、「湿度」とは、相対湿度を意味する。
【0016】
<青果物>
貯蔵装置1によって貯蔵される青果物の種類は特に限定されず、例えば、ヘベス、ユズ、スダチ、カボス、ジャバラなどの柑橘類、ブロッコリー、ホウレンソウ、コマツナ、ナバナ、シュンギク、チンゲンサイ、レタス、アスパラガスのような葉茎菜類、ピーマン、パプリカ、ニガウリ、エダマメ、スイートコーン、キュウリ、オクラ、ナス、トマト、ミニトマト、アオウメのような果菜類、イチゴ、バナナ、ブドウ、和梨、西洋梨、イチジク、ビワ、リンゴのような果実類、ナガイモ、甘藷、里芋、ゴボウのような根菜類、シイタケ、シメジ、エリンギ、マイタケ、マツタケのような菌茸類(キノコ類)、および菊、ユリのような切り花等である。
【0017】
<貯蔵庫>
貯蔵庫10は、青果物を内部に収蔵する貯蔵空間SAを備える。貯蔵空間SAは、密閉された空間として構成される。
図1では、貯蔵庫10の形状が直方体の場合を例示しているが、貯蔵庫10の形状は特に限定されない。貯蔵庫10は、青果物を貯蔵庫10内に搬入するための搬入口(図示省略)を有する。
【0018】
貯蔵庫10内には、貯蔵庫10内の空気の温度および湿度(相対湿度)を計測する温湿度計THと、貯蔵庫10内の空気の圧力を計測する圧力計PMと、が配置されている。
【0019】
<送風手段>
送風手段20は、貯蔵庫10内の空気を撹拌する。送風手段20は、貯蔵庫10内の空気を環状に循環させる。送風手段20は、貯蔵庫10内の空気を吸入するとともに、吸入した空気を貯蔵庫10内に送風する。送風手段20は、公知の送風機を使用して構成できる。
【0020】
<防風ユニット>
防風ユニット30は、送風手段20が貯蔵庫10内の空気を撹拌することによって貯蔵庫10内を流動する空気が、貯蔵庫10内に収蔵されている青果物に直接的に当たるのを防止する。
【0021】
貯蔵空間SAには、青果物が収蔵される収蔵領域SA1が設定されている。防風ユニット30は、防風カーテン(図示省略)を有する。防風カーテンは、送風手段20が送風することによって流動する貯蔵庫10内の空気の流れ方向において青果物の収蔵領域SA1の風上及び周囲に配置されている。防風カーテンは、青果物の収蔵領域SA1の風上側及び全周囲から青果物の収蔵領域SA1に流入する空気の流量を調節する複数の開口部を備える。
【0022】
<エチレンガス除去手段>
エチレンガス除去手段40は、貯蔵庫10内のエチレンガスを除去する。エチレンガス除去手段40は、エチレンガスを吸収して除去する薬剤を備える。エチレンガスを吸収して除去する薬剤の種類は特に限定されず、公知の薬剤を使用できる。
【0023】
<湿度調節手段>
湿度調節手段100は、脂肪族多価アルコールを含む調湿液110と、貯蔵庫10内の空気と調湿液110とを気液接触させる気液接触手段120と、調湿液110を収容する調湿液タンク130と、気液接触手段120において貯蔵庫10内の空気と気液接触される調湿液110の濃度を調節する濃度調節手段140と、気液接触手段120において気液接触された空気に含まれる調湿液110の液滴を捕集する液滴捕集手段150と、を有する。
【0024】
湿度調節手段100は、貯蔵庫10内の空気の湿度を70〜98%の範囲内に調節する。例えば、貯蔵装置1によって貯蔵される青果物が柑橘類の場合、湿度調節手段100は、貯蔵庫10内の空気の湿度を96%程度に調節する。
【0025】
<調湿液>
調湿液110は、例えば、食品添加物用プロピレングリコール水溶液である。
図3を参照して、プロピレングリコール水溶液の水蒸気圧は、プロピレングリコール水溶液の温度が一定の場合、プロピレングリコール水溶液の濃度が低くなるほど高くなる。
【0026】
調湿液110の種類は、調湿液110の水蒸気圧が、調湿液110の温度が一定の場合、調湿液110の濃度が低くなるほど高くなる限りにおいて限定されないが、さらに、次の特性を有することが好ましい。すなわち、調湿液110は、(1)氷点下でも凍結しない不凍液性、すなわち、氷点下でも調湿液110の輸送、滴下、気液接触が可能であること、(2)調湿液110の濃度再生が容易に実施できる(例えば、調湿液110を加熱して水分を蒸発させることによって濃度再生が実施できる)こと、という特性をさらに有することが好ましい。プロピレングリコール水溶液は、上記(1)および(2)の特性を有する。
【0027】
<気液接触手段>
図1を参照して、気液接触手段120は、貯蔵庫10内の空気と調湿液110とを気液接触させる気液接触部121と、気液接触部121に調湿液110を滴下する滴下部122と、を有する。
【0028】
気液接触手段120は、滴下部122から気液接触部121に調湿液110を滴下させるとともに、貯蔵庫10内の空気を当該気液接触部121に通過させる。
【0029】
気液接触部121は、繊維状骨格構造を有する板状の部材である。気液接触部121として、例えば、旭化成ホームプロダクツ株式会社が製造しているサランロック(登録商標)を使用できる。
【0030】
滴下部122は、気液接触部121に調湿液110を滴下する。滴下部122は、低圧力かつ均一な流量で調湿液110を気液接触部121へ滴下する。滴下部122は、例えば、株式会社いけうち製の超低圧広角扇形ノズルを多数連結して構成できる。
【0031】
気液接触部121には、貯蔵庫10内の空気が通過する。気液接触部121を通過する貯蔵庫10内の空気の風速は、0.3〜0.5m/s程度である。気液接触部121を通過する貯蔵庫10内の空気の風速は、制御手段400が、送風機の出力を制御することにより調節される。
【0032】
気液接触部121を通過する空気の流れ方向は、滴下部122による調湿液110の滴下方向と交差する。具体的には、気液接触部121を通過する空気の流れ方向は、滴下部122による調湿液110の滴下方向と直交する。
【0033】
<液滴捕集手段>
液滴捕集手段150は、液滴捕集器151と、偏向板152と、微細液滴捕集器153と、を有する。
【0034】
液滴捕集器151は、気液接触部121において気液接触した貯蔵庫10内の空気を通過させ、気液接触部121において気液接触した貯蔵庫10内の空気に含まれる調湿液110の液滴を捕集する。液滴捕集器151は、繊維状骨格構造を有する板状の部材である。液滴捕集器151は、例えば、上述したサランロック(登録商標)により構成できる。
【0035】
液滴捕集器151は、気液接触部121から5〜10cm程度下流に設置される。液滴捕集器151の厚みは、貯蔵庫10内の空気の流れ方向に5〜10cm程度である。
【0036】
偏向板152には、液滴捕集器151を通過した貯蔵庫10内の空気が衝突する。偏向板152は、貯蔵庫10の空気の流れ方向に対して45度程度傾斜しており、微細液滴の衝突捕集と空気の流れ方向の調整を行う。
【0037】
微細液滴捕集器153は、偏向板152を通過した貯蔵庫10内の空気に含まれる調湿液110の微細な液滴を捕集する。微細液滴捕集器153は、例えば、空気清浄用のHEPAフィルターにより構成できる。微細液滴捕集器153の厚みは、例えば、5〜10cmとすることができる。
【0038】
<調湿液タンク>
調湿液タンク130は、気液接触用の配管LAを介して、滴下部122と接続している。気液接触用の配管LAには、気液接触用のポンプPAが配置されている。気液接触用のポンプPAは、気液接触用の配管LAを介して、調湿液タンク130から滴下部122に向けて調湿液110を圧送する。
【0039】
調湿液タンク130には、調湿液タンク130に収容される調湿液110を貯蔵庫10の外部に取り出すための調湿液取り出し用の配管LH1と、貯蔵庫10の外部から調湿液タンク130に調湿液110を取り入れるための調湿液取り入れ用の配管LH2と、が接続されている。
【0040】
調湿液取り出し用の配管LH1には、調湿液タンク130に収容されている調湿液110を貯蔵庫10の外部に圧送する調湿液取り出し用ポンプPHが配置されている。
【0041】
<濃度調節手段>
図2を参照して、濃度調節手段140は、濃度調節用気液接触部141と、濃度調節用滴下部142と、濃度調節用送風機143と、濃度調節用熱交換器144と、濃度調節用ヒーター145と、を有する。濃度調節手段140は、貯蔵庫10の外部に設置されている。
【0042】
濃度調節用気液接触部141は、貯蔵庫10の外部の空気と調湿液110とを気液接触させる。濃度調節用気液接触部141は、上述した気液接触部121と同様に構成できる。
【0043】
濃度調節用滴下部142は、濃度調節用気液接触部141に調湿液110を滴下する。濃度調節用滴下部142は、上述した滴下部122と同様に構成できる。
【0044】
濃度調節用気液接触部141は、濃度調節用の第1の配管LD1を介して、調湿液110取り入れ用の配管LH2と流体的に接続している。
【0045】
濃度調節用滴下部142は、濃度調節用の第2の配管LD2を介して、調湿液取り出し用の配管LH1と流体的に接続している。濃度調節用滴下部142には、濃度調節用の第2の配管LD2を介して、調湿液取り出し用の配管LH1から調湿液110が供給される。
【0046】
濃度調節用の第2の配管LD2と調湿液取り出し用の配管LH1とは、濃度調節用バルブBDを介して接続されている。濃度調節用滴下部142への調湿液110の供給開始および供給停止は、濃度調節用バルブBDの開閉によって制御される。濃度調節用滴下部142への調湿液110の供給量は、濃度調節用バルブBDの開度を調節することによって調節される。
【0047】
濃度調節用熱交換器144は、濃度調節用気液接触部141において貯蔵庫10の外部の空気と気液接触される前の調湿液110と、濃度調節用気液接触部141において貯蔵庫10の外部の空気と気液接触された後の調湿液110との間で、熱交換を行う。
【0048】
濃度調節用熱交換器144は、濃度調節用の第1の配管LD1と濃度調節用の第2の配管LD2との間に配置され、濃度調節用の第1の配管LD1を流れる調湿液110と濃度調節用の第2の配管LD2を流れる調湿液110との間で、熱交換を行う。
【0049】
濃度調節用ヒーター145は、濃度調節用気液接触部141において、貯蔵庫10の外部の空気と気液接触される前の調湿液110の温度を昇温させる。
【0050】
濃度調節用ヒーター145は、濃度調節用の第2の配管LD2に配置され、濃度調節用の第2の配管LD2において、濃度調節用熱交換器144から濃度調節用の滴下部122に向かって流れる調湿液110を加熱する。濃度調節用ヒーター145は、公知のヒーターを使用して構成できる。
【0051】
例えば、濃度調節用ヒーター145は、貯蔵庫10の外部の空気の相対湿度がおおむね95%以上のとき、貯蔵庫10の外部の空気と気液接触される前の調湿液110の温度を外気温より0〜30℃程度昇温する。
【0052】
<温度調節手段>
温度調節手段200は、気液接触手段120において貯蔵庫10内の空気と気液接触する調湿液110の温度を調節することによって、貯蔵庫10内の空気の温度を調節する。温度調節手段200は、貯蔵庫10の外部に設置されている。
【0053】
温度調節手段200は、調湿液110を冷却する。温度調節手段200は、調湿液110を冷却する冷却チラーである。温度調節手段200は、冷却チラー内を循環する冷却用媒体と調湿液110との間で熱交換を行う間接冷却方式の冷却チラーである。
【0054】
温度調節手段200は、調湿液取り出し用の配管LH1を介して、調湿液タンク130に収容されている調湿液110を取り出して冷却する。温度調節手段200は、調湿液取り入れ用の配管LH2を介して、冷却した調湿液110を調湿液タンク130に還流させる。
【0055】
温度調節手段200は、例えば、貯蔵庫10内の空気の温度を−3〜15℃の範囲に調節する。貯蔵庫10内の空気の温度は、温度計によって計測される。例えば、貯蔵装置1によって貯蔵される青果物が柑橘類の場合、温度調節手段200は、貯蔵庫10内の空気の温度を5℃程度に調節する。
【0056】
<ガス濃度調節手段>
図4および
図5を参照して、ガス濃度調節手段300は、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度を調節する酸素濃度調節部310と、貯蔵庫10内の空気の二酸化炭素濃度を調節する二酸化炭素濃度調節部350と、貯蔵庫10の外部の空気を貯蔵庫10内に供給する外気供給部390と、を有する。
【0057】
ガス濃度調節手段300は、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度が目標酸素濃度になるように、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度を調節する。また、ガス濃度調節手段300は、貯蔵庫10内の空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度になるように、貯蔵庫10内の空気の二酸化炭素濃度を調節する。
【0058】
目標酸素濃度および目標二酸化炭素濃度は、貯蔵装置1によって貯蔵される青果物の種類に応じて適した値に設定できる。例えば、目標酸素濃度は、0〜20%の範囲内であり、目標二酸化炭素濃度は、0〜10%の範囲内である。例えば、貯蔵装置1によって貯蔵される青果物が柑橘類の場合、目標酸素濃度は、8〜15%の範囲内、好ましくは、8〜10%の範囲内であり、目標二酸化炭素濃度は、2〜6%の範囲内、好ましくは、3〜4%の範囲内である。例えば、貯蔵装置1によって貯蔵される青果物がヘベスの場合、目標酸素濃度は9%であり、目標二酸化炭素濃度は4%である。
【0059】
なお、目標酸素濃度および目標二酸化炭素濃度は目標値である。すなわち、後述する酸素濃度計331や二酸化炭素濃度計352等によって計測された貯蔵庫10内の空気の酸素濃度および二酸化炭素濃度の計測値が、目標酸素濃度および目標二酸化炭素濃度に常に一致しているとは限らない。
【0060】
<酸素濃度調節部>
酸素濃度調節部310は、貯蔵庫10内に窒素ガスを供給する窒素ガス供給部320と、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度を計測する酸素濃度計測部330と、を有する。
【0061】
貯蔵庫10は、当該貯蔵庫10の底面SB側に配置され、貯蔵庫10の外部から貯蔵庫10内にガスを取り入れるガス取り入れ部50と、当該貯蔵庫10の上面SU側に配置され、当該貯蔵庫10内の上面SU側の空気を貯蔵庫10の外部に排出するガス排出部60と、を有する。
【0062】
窒素ガス供給部320は、ガス取り入れ部50に接続されている(
図1参照)。窒素ガス供給部320は、ガス取り入れ部50を介して、貯蔵庫10の底面SB側から貯蔵庫10内に窒素ガスを供給する。ガス排出部60は、ガス取り入れ部50を介して、窒素ガス供給部320から貯蔵庫10内に窒素ガスが供給されるのに伴って、貯蔵庫10内の上面SU側の空気を貯蔵庫10の外部へ排出する。
【0063】
貯蔵庫10の底面SB側から貯蔵庫10内に供給された窒素ガスは、貯蔵庫10の底面SB側に、貯蔵庫10の上側の空気の層AL1よりも酸素濃度が薄い空気の層AL2を形成する。
【0064】
酸素濃度計測部330は、貯蔵庫10内に配置され、貯蔵庫10内において鉛直方向Zに沿って移動自在な酸素濃度計331と、酸素濃度計331を鉛直方向Zに沿って上下に移動させるアクチュエーター(図示省略)と、を有する。
【0065】
酸素濃度計331は、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度を計測する。酸素濃度計331は、公知の酸素濃度計を使用して構成できる。
【0066】
酸素濃度計331は、鉛直方向Zに沿って上下に移動することによって、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度の鉛直方向Zにおける変化を計測する。
【0067】
アクチュエーターは、鉛直方向Zに沿って酸素濃度計331を上下に移動させる。アクチュエーターは、貯蔵庫10の底面SBから、例えば、0.2〜2.0mの範囲内において、鉛直方向Zに沿って酸素濃度計331を上下に移動させる。
【0068】
制御手段400(
図1参照)は、貯蔵庫10内に窒素ガスを供給することによって変化した貯蔵庫10内の空気の酸素濃度を、貯蔵庫内に供給された窒素ガスの量に基づいて算出する。
【0069】
制御手段400は、鉛直方向Zに沿って上下に移動する酸素濃度計331が計測した貯蔵庫10内の空気の酸素濃度が、第1酸素濃度から、第1酸素濃度よりも低い第2酸素濃度に変化する酸素濃度境界OBの鉛直方向Zにおける位置を検出する。酸素濃度境界OBの鉛直方向Zにおける位置とは、貯蔵庫10の底面SBと酸素濃度境界OBとの間の距離Hを意味する。
【0070】
制御手段400は、検出した酸素濃度境界OBの鉛直方向Zにおける位置に基づいて、貯蔵庫10内に供給された窒素ガスの量を算出する。具体的には、制御手段400は、酸素濃度境界OBの鉛直方向Zにおける位置と、貯蔵庫10の幾何学的形状および寸法と、に基づいて、貯蔵庫10内に供給された窒素ガスの量を算出する。貯蔵庫10の幾何学的形状および寸法とは、貯蔵庫10において鉛直方向Zに沿って延びている壁面SIと、貯蔵庫10の上面SUと、貯蔵庫10の底面SBと、によって囲まれている空間の幾何学的形状および寸法を意味する。
【0071】
酸素濃度計331は、計測した酸素濃度の情報を制御手段400に送信する。アクチュエーターは、酸素濃度計331の鉛直方向Zにおける位置の情報を制御手段400に送信する。制御手段400は、酸素濃度計331から送信された酸素濃度の情報と、アクチュエーターから送信された酸素濃度計331の鉛直方向Zにおける位置の情報と、に基づいて、酸素濃度境界OBの鉛直方向Zにおける位置を検出する。
【0072】
酸素濃度計測部330と制御手段400とは、配線LF(
図1参照)を介して、情報の送受信を行う。
【0073】
ガス取り入れ部50は、貯蔵空間SAの床面を構成する床板52と、貯蔵庫10の底面SBと床板52との間に底面側の空間部53と、を備えた二重床51と、底面側の空間部53に配置され、窒素ガス供給部320に接続されたガス流出パイプ55と、を有する。
【0074】
床板52は、底面側の空間部53に臨む面52aから貯蔵空間SAに臨む面52bに向かって連通する複数の床板開口部54を有する。床板開口部54の大きさは特に限定されないが、例えば、2.0〜6.0mm程度である。床板52の単位面積当たりの床板開口部54の個数は、特に限定されないが、例えば、10〜20個/m
2である。
【0075】
底面側の空間部53は、床板開口部54を介して、貯蔵空間SAと連通している。底面側の空間部53の高さは特に限定されないが、例えば、1〜2cm程度である。
【0076】
ガス流出パイプ55は、窒素ガス供給部320から供給された窒素ガスを底面側の空間部53に流出させる。底面側の空間部53に供給された窒素ガスは、二重床51の床板52に設けられた複数の床板開口部54から貯蔵空間SA内に流出する。
【0077】
ガス流出パイプ55は、ガス流出パイプ55の内部から底面側の空間部53に窒素ガスを流出させる複数の流出パイプ開口部56を備える。流出パイプ開口部56は、ガス流出パイプ55の外周面55Sに略均等に配置されている。ガス流出パイプ55の内径は特に限定されないが、例えば、2〜4cm程度である。流出パイプ開口部56の大きさは、特に限定されないが、例えば、2.0〜6.0mm程度である。
【0078】
二重床51の床板52に設けられた床板開口部54からの貯蔵空間SAへの窒素ガスの流出速度は、例えば、0.02〜0.05m/s程度である。ガス流出パイプ55から底面側の空間部53への窒素ガスの流出速度は、例えば、0.01〜0.03m/s程度である。
【0079】
ガス排出部60は、貯蔵庫10の上面SU側に配置された二重天井61と、二重天井61に配置されたガス排出パイプ65と、を有する。
【0080】
二重天井61は、貯蔵空間SAの天井面を構成する天板62と、貯蔵庫10の上面SUと天板62との間に上面側の空間部63と、を有する。
【0081】
天板62は、板状の部材である。天板62は、貯蔵空間SAに臨む面62aから上面側の空間部63に臨む面62bに向かって連通する複数の天板開口部64を有する。排出パイプ開口部66の大きさは特に限定されないが、例えば、2.0〜6.0mm程度である。床板52の単位面積当たりの天板開口部64の個数は、特に限定されないが、例えば、10〜20個/m
2である。
【0082】
上面側の空間部63は、天板開口部64を介して、貯蔵空間SAと連通している。上面側の空間部63の高さは特に限定されないが、例えば、1〜2cm程度である。
【0083】
ガス排出パイプ65は、上面側の空間部63に配置されている。ガス排出パイプ65は、貯蔵庫10内の上面側の空気を貯蔵庫10の外部に排出する。ガス排出パイプ65は、ガス排出用の配管LE(
図1参照)を介して、貯蔵庫10の外部と接続している。
【0084】
ガス排出パイプ65は、上面側の空間部63からガス排出パイプ65の内部に貯蔵庫10内のガスを流入させる複数の排出パイプ開口部66を備える。ガス排出パイプ65の内径は特に限定されないが、例えば、2〜4cm程度である。排出パイプ開口部66は、ガス排出パイプ65の外周面65Sにおいて略均等に配置されている。排出パイプ開口部66の大きさは、特に限定されないが、例えば、2.0〜6.0mm程度である。
【0085】
ガス排出用の配管LEには、ガス排出バルブBE(
図1参照)が配置されている。貯蔵庫10の外部への貯蔵庫10内の上面側の空気の排出開始および排出停止は、ガス排出バルブBEの開閉によって制御される。貯蔵庫10の外部への貯蔵庫内の上面側の空気の排出量は、ガス排出バルブBEの開度を調節することによって調節される。
【0086】
窒素ガス供給部320は、貯蔵庫10内に窒素ガスを供給する窒素ガス供給器321と、窒素ガス供給器321から貯蔵庫10内に供給される窒素ガスを冷却する窒素ガス冷却部340と、を有する。
【0087】
窒素ガス供給器321は、窒素ガス用の配管LNを介して、ガス流出パイプ55に接続されている。窒素ガス供給器321は、例えば、窒素ガスボンベである。
【0088】
窒素ガス冷却部340は、窒素ガス用の配管LNに配置されている。窒素ガス冷却部340は、窒素ガス用の配管LN内を流れる窒素ガスを冷却する。
【0089】
窒素ガス冷却部340は、窒素ガス用の配管LNに配置され、窒素ガス用の配管LNを流れる窒素ガスを内部に流通させる熱交換用のコイル341と、熱交換用のコイル341の内部を流れる窒素ガスとの間で熱交換を行う冷却液342と、冷却液342を収容する冷却液タンク343と、を有する。
【0090】
窒素ガス供給器321は、窒素ガス供給バルブBNを介して、窒素ガス用の配管LNに接続されている。底面側の空間部53への窒素ガスの供給開始および供給停止は、窒素ガス供給バルブBNの開閉によって制御される。底面側の空間部53への窒素ガスの供給量は、窒素ガス供給バルブBNの開度を調節することによって調節される。
【0091】
<二酸化炭素濃度調節部>
二酸化炭素濃度調節部350は、二酸化炭素ガス供給器351と、二酸化炭素濃度計352(
図1参照)と、を有する。
【0092】
二酸化炭素ガス供給器351は、二酸化炭素ガスを貯蔵庫10内に供給する。二酸化炭素ガス供給器351は、ガス取り入れ部50に接続している(
図1参照)。二酸化炭素ガス供給器351は、ガス取り入れ部50を介して、二酸化炭素ガスを貯蔵庫10内に供給する。
【0093】
二酸化炭素濃度計352は、貯蔵庫10内の空気の二酸化炭素濃度を計測する。二酸化炭素濃度計352は、公知の二酸化炭素濃度計352を使用できる。
【0094】
二酸化炭素ガス供給器351は、二酸化炭素ガス用の配管LCを介して、ガス流出パイプ55に接続している。二酸化炭素ガス供給器351は、二酸化炭素ガス供給バルブBCを介して、二酸化炭素ガス用の配管LCに接続している。二酸化炭素ガス供給器351は、例えば、二酸化炭素ボンベである。
【0095】
貯蔵庫10内への二酸化炭素ガスの供給開始および供給停止は、二酸化炭素ガス供給バルブBCの開閉によって制御される。貯蔵庫10内への二酸化炭素ガスの供給量は、二酸化炭素ガス供給バルブBCの開度を調節することによって調節される。
【0096】
<外気供給部>
外気供給部390は、ガス取り入れ部50に接続されている。外気供給部390は、ガス取り入れ部50を介して、貯蔵庫10の外部の空気を貯蔵庫10内に供給する。
【0097】
外気供給部390は、外気送風機391を有する。
【0098】
外気送風機391は、外気供給用の配管LBを介して、二酸化炭素ガス用の配管LCに接続している。外気送風機391は、外気供給用バルブBBを介して、二酸化炭素ガス用の配管LCに接続している。外気送風機391は、公知の送風機を使用して構成できる。
【0099】
貯蔵庫10の外部の空気の貯蔵庫10内への供給開始および供給停止は、外気供給用バルブBBの開閉によって制御される。貯蔵庫10の外部の空気の貯蔵庫10内への供給量は、外気送風機391の出力によって調節される。
【0100】
<制御手段>
制御手段400は、送風手段20、エチレンガス除去手段40、湿度調節手段100、温度調節手段200およびガス濃度調節手段300の動作を制御する。
【0101】
制御手段400は、公知のPLC(Programmable Logic Controller)やCPU、ROM、RAMを使用して構成できる。
【0102】
<貯蔵方法>
本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1を使用した青果物の貯蔵方法について説明する。
【0103】
本実施形態に係る青果物の貯蔵方法は、低温環境下の貯蔵庫内において、貯蔵庫内の空気の酸素濃度および二酸化炭素濃度を低酸素濃度および高二酸化炭素濃度に調節して、青果物を貯蔵する方法である。
【0104】
図6を参照して、本実施形態に係る青果物の貯蔵方法は、貯蔵庫内の空気の酸素濃度を初期酸素濃度に初期設定するステップS1と、貯蔵庫内の空気の撹拌を開始するステップS2と、貯蔵庫内の空気の二酸化炭素濃度を初期二酸化炭素濃度に初期設定するステップS3と、貯蔵庫10内の空気の湿度を調節するステップS4と、貯蔵庫10内の空気の温度を調節するステップS5と、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度および二酸化炭素濃度を調節するステップS6と、を有する。
【0105】
酸素濃度を初期設定するステップS1では、貯蔵庫内の空気の酸素濃度を初期酸素濃度に初期設定する。初期酸素濃度は、目標酸素濃度よりも2〜3%程度高い値である。
【0106】
空気の撹拌を開始するステップS2では、送風手段20を始動し、貯蔵庫内の空気の撹拌を開始する。貯蔵庫内の空気の撹拌は、青果物の貯蔵が終了するまで行う。
【0107】
空気の撹拌を開始するステップS2は、酸素濃度を初期設定するステップS1の後、かつ、二酸化炭素濃度を初期設定するステップS3、湿度を調節するステップS4、温度を調節するステップS5、酸素濃度および二酸化炭素濃度を調節するステップS6の前に行われる。
【0108】
酸素濃度を初期設定するステップS1は、貯蔵庫内の空気の撹拌を停止した状態で行う。
【0109】
二酸化炭素濃度を初期設定するステップS3、湿度を調節するステップS4、温度を調節するステップS5、酸素濃度および二酸化炭素濃度を調節するステップS6は、貯蔵庫内の空気を撹拌した状態で行う。
【0110】
二酸化炭素濃度を初期設定するステップS3では、貯蔵庫内の空気の二酸化炭素濃度を初期二酸化炭素濃度に初期設定する。
【0111】
貯蔵庫10内の空気の湿度を調節するステップS4は、湿度調節手段100を使用して、脂肪族多価アルコールを含む調湿液110の濃度を調節し、濃度を調節した調湿液110と貯蔵庫10内の空気とを気液接触させることにより、貯蔵庫10内の空気の湿度を調節する。貯蔵庫10内の空気の湿度を調節するステップS4では、気液接触された空気に含まれる調湿液110の液滴を、液滴捕集手段150を使用して捕集する。
【0112】
貯蔵庫10内の空気の温度を調節するステップS5は、温度調節手段200を使用して、貯蔵庫10内の空気と気液接触される調湿液110の温度を調節することによって、貯蔵庫10内の空気の温度を調節する。
【0113】
貯蔵庫10内の空気の酸素濃度および二酸化炭素濃度を調節するステップS6は、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度を目標酸素濃度に調節するとともに、貯蔵庫10内の空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度に調節する。
【0114】
<酸素濃度を初期設定するステップ>
酸素濃度を初期設定するステップS1について詳説する。
【0115】
図7を参照して、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度を初期設定するステップS1は、初期設定される前の貯蔵庫10内の空気の酸素濃度を計測するステップS11と、貯蔵庫10に窒素ガスを供給するステップS12と、窒素ガスを供給することによって変化した貯蔵庫10内の空気の酸素濃度を計測するステップS13と、酸素濃度が初期酸素濃度に達したか否かを判断するステップS14と、窒素ガスの供給を停止するステップS15と、を有する。
【0116】
初期設定される前の貯蔵庫10内の空気の酸素濃度を計測するステップS11は、酸素濃度計331を使用して、初期設定される前の貯蔵庫10内の空気の酸素濃度を計測する。
【0117】
貯蔵庫10に窒素ガスを供給するステップS12では、窒素ガス供給部320の窒素ガス供給バルブBNを開いて、貯蔵庫10内に窒素ガスを供給する。
【0118】
貯蔵庫10に窒素ガスを供給するステップS12では、貯蔵庫10の底面側から窒素ガスを供給し、貯蔵庫10内の上面側の空気を貯蔵庫外に排出する。
【0119】
貯蔵庫10の底面SB側から窒素ガスを供給する際には、窒素ガス供給部320から、ガス取り入れ部50を介して、貯蔵庫10内に窒素ガスを供給する。具体的には、貯蔵庫10の底面SB側から窒素ガスを供給する際には、底面側の空間部53に配置されたガス流出パイプ55から、ガス流出パイプ55に設けられた複数の床板開口部54を介して、底面側の空間部53に窒素ガスを流出させ、底面側の空間部53に流出させた窒素ガスを、二重床51の床板52に設けられた複数の床板開口部54を介して、底面側の空間部53から貯蔵空間SA側に流出させる。
【0120】
貯蔵庫10の底面側から窒素ガスを供給する際には、窒素ガス冷却部340を使用して窒素ガスを冷却し、冷却した窒素ガスを貯蔵庫10の底面SB側から貯蔵庫10内に供給することによって、冷却した窒素ガスの層を貯蔵庫10の底面SB側に形成し、貯蔵庫10内の空気を温度成層状態とする。冷却した窒素ガスを貯蔵庫10の底面SB側から貯蔵庫10内に供給する際には、貯蔵庫10内の空気の温度を計測し、計測した貯蔵庫10内の空気の温度に基づいて、窒素ガスの冷却温度を調節する。窒素ガスの冷却温度を調節する際には、冷却した窒素ガスの温度が、貯蔵庫10内の空気の温度よりもおおよそ10℃以上低くなるように、貯蔵庫10内に供給する窒素ガスを冷却する。貯蔵庫10内の空気の温度が、例えば、15〜20℃の場合、貯蔵庫10内に供給する窒素ガスは0〜5℃程度に冷却する。
【0121】
貯蔵庫10内の空気の酸素濃度を計測するステップS13は、貯蔵庫10内に供給された窒素ガスの量を計測し、窒素ガスが供給される前の貯蔵庫10内の空気の酸素濃度と、計測された窒素ガスの量と、に基づいて、窒素ガスを供給することによって変化した貯蔵庫10内の空気の酸素濃度を算出する。
【0122】
具体的には、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度を計測するステップS13では、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度の鉛直方向Zにおける変化を計測し、計測された酸素濃度が、第1酸素濃度から、第1酸素濃度よりも低い第2酸素濃度に変化する酸素濃度境界OB(
図5参照)の鉛直方向Zにおける位置を検出し、検出された酸素濃度境界OBの鉛直方向Zにおける位置に基づいて、貯蔵庫10内に供給された窒素ガスの量を算出する。
【0123】
第1酸素濃度は、例えば、19〜21%程度であり、第2酸素濃度は、例えば、2〜10%程度である。
【0124】
貯蔵庫内の空気の酸素濃度が初期酸素濃度に達したか否かを判断するステップS14では、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度を計測するステップS13において計測した貯蔵庫内の空気の酸素濃度が初期酸素濃度に達したか否かを判断する。貯蔵庫10内の空気の酸素濃度を計測するステップS13において計測した貯蔵庫内の空気の酸素濃度が初期酸素濃度に達した場合には、窒素ガスの供給を停止するステップS15に進む。
【0125】
窒素ガスの供給を停止するステップS15では、窒素ガス供給部320の窒素ガス供給バルブBNを閉じて、貯蔵庫10内への窒素ガスの供給を停止する。
【0126】
上記ステップによって、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度が初期設定される。貯蔵庫10内の空気の酸素濃度が初期設定されたら、貯蔵庫10内の空気の撹拌を開始するステップS2に進み、貯蔵庫10内の空気及びガスの撹拌を開始する。
【0127】
<二酸化炭素濃度を初期設定するステップ>
次に、二酸化炭素濃度を初期設定するステップS3について詳説する。二酸化炭素濃度を初期設定するステップS3は、貯蔵庫10内の空気の撹拌を開始するステップS2の後に行われる。すなわち、二酸化炭素濃度を初期設定するステップS3は、貯蔵庫10内の空気を撹拌しながら行う。
【0128】
二酸化炭素濃度を初期設定するステップS3は、貯蔵庫10内の空気の二酸化炭素濃度を計測するステップと、貯蔵庫10内に二酸化炭素ガスを供給するステップと、貯蔵庫10内の空気の二酸化炭素濃度が初期二酸化炭素濃度に達したときに二酸化炭素ガスの供給を停止するステップと、を有する。
【0129】
貯蔵庫10内の空気の二酸化炭素濃度を計測するステップでは、貯蔵庫10内に配置された二酸化炭素濃度計352を使用して、貯蔵庫10内の空気の二酸化炭素濃度を計測する。
【0130】
貯蔵庫10内に二酸化炭素ガスを供給するステップでは、貯蔵庫10内の空気の二酸化炭素濃度が初期二酸化炭素濃度に達するまで、貯蔵庫10内に二酸化炭素ガスを供給する。貯蔵庫10内に二酸化炭素ガスを供給するステップでは、二酸化炭素ガス供給器351の二酸化炭素ガス供給バルブBCを開いて、二酸化炭素ガス供給器351から、ガス取り入れ部50を介して、貯蔵庫10内に二酸化炭素ガスを供給する。
【0131】
貯蔵庫10内に二酸化炭素ガスを供給するステップでは、初期二酸化炭素濃度に達した後の貯蔵庫内の空気の酸素濃度が、目標酸素濃度よりも1%程度以上高い場合には、貯蔵庫10内に窒素ガスを供給して、初期二酸化炭素濃度に達した後の貯蔵庫10内の空気の酸素濃度が、目標酸素濃度よりも1%以上高くならないようにする。
【0132】
窒素ガスの供給を停止するステップでは、貯蔵庫10内の空気の二酸化濃度が初期二酸化炭素濃度に達したときに、二酸化炭素ガス供給バルブBCを閉じて、貯蔵庫10内への二酸化炭素ガスの供給を停止する。
【0133】
<酸素濃度および二酸化炭素濃度を調節するステップ>
酸素濃度および二酸化炭素濃度を調節するステップS6について詳説する。
【0134】
図8を参照して、酸素濃度および二酸化炭素濃度を調節するステップS6は、酸素濃度が第1閾値よりも低いか否かを判断するステップS61と、二酸化炭素濃度が第2閾値よりも高いか否かを判断するステップS62と、酸素濃度が第2閾値よりも高いか否かを判断するステップS63と、二酸化炭素濃度が第1閾値よりも低いか否かを判断するステップS64と、二酸化炭素濃度を調節するステップS65と、酸素濃度を調節するステップS66と、を有する。
【0135】
酸素濃度の第1閾値は、例えば、目標酸素濃度よりも1%程度低い値である。酸素濃度の第2閾値は、例えば、目標酸素濃度よりも1%程度高い値である。二酸化炭素濃度の第1閾値は、例えば、目標二酸化炭素濃度よりも1%程度低い値である。二酸化炭素濃度の第2閾値は、例えば、目標二酸化炭素濃度よりも1%程度高い値である。
【0136】
酸素濃度が第1閾値よりも低いか否かを判断するステップS61では、貯蔵庫内の空気の酸素濃度が酸素濃度の第1閾値よりも低いか否かを判断する。
【0137】
貯蔵庫内の空気の酸素濃度が酸素濃度の第1閾値よりも低い場合には、二酸化炭素濃度が第2閾値よりも高いか否かを判断するステップS62に進む。貯蔵庫内の空気の酸素濃度が酸素濃度の第1閾値以上の場合には、酸素濃度が第2閾値よりも高いか否かを判断するステップS63に進む。
【0138】
二酸化炭素濃度が第2閾値よりも高いか否かを判断するステップS62では、貯蔵庫内の空気の二酸化炭素濃度が二酸化炭素濃度の第2閾値よりも高いか否かを判断する。二酸化炭素濃度が二酸化炭素濃度の第2閾値よりも高い場合には、二酸化炭素濃度を調節するステップS65に進む。
【0139】
酸素濃度が第2閾値よりも高いか否かを判断するステップS63では、貯蔵庫内の空気の酸素濃度が酸素濃度の第2閾値よりも高いか否かを判断する。貯蔵庫内の空気の酸素濃度が酸素濃度の第2閾値よりも高い場合には、二酸化炭素濃度が第1閾値よりも低いか否かを判断するステップS64に進む。
【0140】
二酸化炭素濃度が第1閾値よりも低いか否かを判断するステップS64では、貯蔵庫内の空気の二酸化炭素濃度が二酸化炭素濃度の第1閾値よりも低いか否かを判断する。貯蔵庫内の空気の二酸化炭素濃度が二酸化炭素濃度の第1閾値よりも低い場合には、酸素濃度を調節するステップS66に進む。
【0141】
図9を参照して、二酸化炭素濃度を調節するステップS65は、二酸化炭素濃度を下げるステップS651と、酸素濃度が第2閾値よりも高いか否かを判断するステップS652と、酸素濃度を下げるステップS653と、酸素濃度が第1閾値よりも低いか否かを判断するステップS654と、酸素濃度を上げるステップS655と、を有する。
【0142】
二酸化炭素濃度を下げるステップS651では、貯蔵庫10内の空気の二酸化炭素濃度が二酸化炭素濃度の第2閾値以下になるように、貯蔵庫10の外部の空気を貯蔵庫10内に供給する。
【0143】
酸素濃度が第2閾値よりも高いか否かを判断するステップS652では、貯蔵庫内の空気の酸素濃度が酸素濃度の第2閾値よりも高いか否かを判断する。貯蔵庫内の空気の酸素濃度が酸素濃度の第2閾値よりも高い場合には、酸素濃度を下げるステップS653に進む。貯蔵庫内の空気の酸素濃度が酸素濃度の第2閾値よりも低い場合には、酸素濃度が第1閾値よりも低いか否かを判断するステップS654に進む。
【0144】
酸素濃度を下げるステップS653では、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度が酸素濃度の第2閾値以下になるように、貯蔵庫10内に窒素ガスを供給する。
【0145】
酸素濃度が第1閾値よりも低いか否かを判断するステップS654では、貯蔵庫内の空気の酸素濃度が酸素濃度の第1閾値よりも低いか否かを判断する。貯蔵庫内の空気の酸素濃度が酸素濃度の第1閾値よりも低い場合には、酸素濃度を上げるステップS655に進む。
【0146】
酸素濃度を上げるステップS655では、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度が酸素濃度の第1閾値よりも高くなるように、貯蔵庫10の外部の空気を貯蔵庫10内に供給する。
【0147】
<酸素濃度を調節するステップ>
酸素濃度を調節するステップS66は、酸素濃度を下げるステップS661と、二酸化炭素濃度が二酸化炭素濃度の第1閾値よりも低いか否かを判断するステップS662と、二酸化炭素濃度を上げるステップS663と、を有する。
【0148】
酸素濃度を下げるステップS661では、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度が酸素濃度の第2閾値以下になるように、貯蔵庫10内に窒素ガスを供給する。
【0149】
二酸化炭素濃度が第1閾値よりも低いか否かを判断するステップS662では、貯蔵庫10内の空気の二酸化炭素濃度が二酸化炭素濃度の第1閾値よりも低いか否かを判断する。二酸化炭素濃度が二酸化炭素濃度の第1閾値よりも低い場合には、二酸化炭素濃度を上げるステップS663に進む。
【0150】
二酸化炭素濃度を上げるステップS663では、貯蔵庫10内の空気の二酸化炭素濃度が二酸化炭素濃度の第1閾値以上になるように、貯蔵庫10に二酸化炭素ガスを供給する。
【0151】
貯蔵庫10内の空気の酸素濃度を初期設定するステップS1、貯蔵庫10内の空気の二酸化炭素濃度を初期設定するステップS3、並びに、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度および二酸化炭素濃度を調節するステップS6において、貯蔵庫10の外部から貯蔵庫10内にガス(窒素ガス、二酸化炭素ガスおよび貯蔵庫10の外部の空気)を供給する際には、貯蔵庫10の外部から貯蔵庫10内へのガスの供給に伴って、貯蔵庫10内の空気を貯蔵庫10の外部へ排出する。
【0152】
本実施形態に係る青果物の上述した貯蔵方法は、制御手段400を使用して行う。
【0153】
(作用・効果)
本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および青果物の貯蔵方法は、低温環境下の貯蔵庫内において、貯蔵庫内の空気の酸素濃度および二酸化炭素濃度を低酸素濃度および高二酸化炭素濃度に調節して、青果物を貯蔵する。これにより、青果物の呼吸作用を抑制して、貯蔵されている青果物内で生化学反応が進行することを抑止できる。
【0154】
さらに、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および青果物の貯蔵方法は、脂肪族多価アルコールを含む調湿液110の濃度を調節し、濃度を調節した調湿液110と貯蔵庫10内の空気とを気液接触させる。
【0155】
これにより、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および青果物の貯蔵方法によれば、湿度が調節された空気中に過剰な水分が含まれることを防止しつつ、貯蔵庫10内の空気の湿度を調節できる。そのため、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および青果物の貯蔵方法は、貯蔵庫10内の空気の湿度を調節することに起因して、貯蔵庫10内にミストが発生・浮遊することを防止できる。よって、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および青果物の貯蔵方法は、貯蔵庫10内の空気に含まれる高濃度の二酸化炭素が、貯蔵庫10内に浮遊するミストに溶解して、ミストが酸性化し、貯蔵されている青果物に付着することを抑制できる。したがって、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および青果物の貯蔵方法によれば、低温環境下においてCA法を適用して青果物を貯蔵する際に、貯蔵庫10内の空気の湿度を調節することに起因して貯蔵庫10内にミストが発生・浮遊することを防止して、酸性化したミストが貯蔵されている青果物に付着することを抑制し、もって、青果物の鮮度を長期に保持できる。
【0156】
付言すれば、貯蔵庫内の空気の湿度を調節するために、貯蔵庫内の空気に微細液滴を放出して気化させる装置、例えば、超音波式の加湿器のような装置を使用した場合、特に5℃程度以下の低温において、放出された微細液滴の気化が困難となり、放出された微細液滴がミストとなって貯蔵庫内に浮遊する。また、液体(例えば水)を加熱して加湿する、いわゆる気化式の加湿器を使用した場合、貯蔵庫内の空気が過剰な加湿状態となり、特に、貯蔵庫内の空気の温度が変化した際に、貯蔵庫内にミストが発生し易い。
【0157】
一方、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および青果物の貯蔵方法によれば、濃度を調節した調湿液110と貯蔵庫10内の空気とを気液接触させた際に、調湿液110の水蒸気圧が、気液接触される空気の水蒸気圧よりも高いときは、調湿液110側から空気側に水分が蒸発する。逆に、調湿液110の水蒸気圧が、気液接触される空気の水蒸気圧よりも低いときは、空気側から調湿液110側に水分が吸収される。そのため、本発明に係る青果物の貯蔵装置1および青果物の貯蔵方法によれば、湿度が調節された空気中に過剰な水分が含まれることを防止できる。さらに、本発明に係る青果物の貯蔵装置1および青果物の貯蔵方法は、貯蔵庫10内の空気に飽和できなくなった過剰な水分が、調湿液110側に自律的に吸収・凝縮される。その結果、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および青果物の貯蔵方法によれば、貯蔵庫10内にミストが発生・浮遊することを防止できる。当該効果は、−3〜10℃程度の低温環境下において、貯蔵庫10内の空気の湿度を70〜98%の高湿度に調節する際に、特に顕著である。
【0158】
また、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および青果物の貯蔵方法によれば、貯蔵庫10内の空気の温度を調節する際には、貯蔵庫10内の空気と気液接触される調湿液110の温度を調節することによって、貯蔵庫10内の空気の温度を調節する。これにより、貯蔵庫10内の空気の温度を高精度に調節・維持できる。そのため、貯蔵庫10内の空気の温度が変動することに伴って、貯蔵庫10内の空気に含まれる水分が凝縮することを防止できる。したがって、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および青果物の貯蔵方法によれば、貯蔵庫10内にミストが浮遊することをさらに確実に防止できる。
【0159】
付言すれば、貯蔵庫内の空気の温度を調節するために、貯蔵庫10内の空気の温度が所定の温度を上回った場合に、例えば冷却フィンによる空気冷却器等の冷却設備を稼働させることによって、貯蔵庫内の空気の温度を断続的に冷却する場合、冷却設備が稼働している時と、冷却設備が稼働していない時との間で、貯蔵庫内の空気の温度が変動する。貯蔵庫内の空気の温度が変動すると、貯蔵庫内の空気の温度が下がった際に、貯蔵庫内の空気の温度が露点温度よりも低くなり易いため、貯蔵庫内の空気に含まれる水分が凝縮して、貯蔵庫内にミストが発生し易い。
【0160】
一方、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および青果物の貯蔵方法によれば、貯蔵庫10内の空気と気液接触される調湿液110の温度を調節することによって、貯蔵庫10内の空気の温度が連続的に調節される。そのため、貯蔵庫10内の空気の温度が変動することなく、貯蔵庫10内の空気の温度を高精度に調節・維持できる。したがって、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および青果物の貯蔵方法によれば、貯蔵庫内にミストが発生・浮遊することをさらに確実に防止できる。
【0161】
さらに付言すれば、冷却設備を使用して貯蔵庫内の空気を冷却する際には、一般的に、貯蔵庫内の空気を冷却設備に供給し、当該冷却設備において貯蔵庫内の空気を冷却し、冷却した空気を貯蔵庫内に還流させる。このとき、貯蔵庫内に還流される冷却された空気は、冷却された空気が還流される前に貯蔵庫内に存在していた空気の温度よりも低い。そのため、貯蔵庫内に存在していた空気に冷却された空気が混合されると、貯蔵庫内に存在していた空気の温度が低下して、当該空気に含まれていた水分が凝縮し、貯蔵庫内にミストとなって浮遊する。しかも、冷却設備において貯蔵庫内の空気を露点よりも低い温度に冷却した場合、貯蔵庫内の空気に含まれる水分が凝縮して除湿されるため、貯蔵庫内の空気の湿度を高精度に維持できない。
【0162】
一方、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および青果物の貯蔵方法によれば、貯蔵庫10内の空気と気液接触される調湿液110の温度を調節することによって、貯蔵庫10内の空気の温度が調節される。そのため、調湿液110の温度は、貯蔵庫10内の空気の温度と同じか低い。そのため、貯蔵庫10内の空気を冷却することに伴って、当該空気に含まれていた水分が凝縮し、貯蔵庫10内にミストとなって浮遊することを防止できる。しかも、調湿液110の温度に依存することなく、気液接触された貯蔵庫10内の空気の水蒸気圧と調湿液110の水蒸気圧とは、気液接触手段120において均衡する。そのため、貯蔵庫10内の空気の温度を調節した際に、貯蔵庫10内の空気の水蒸気圧が飽和水蒸気圧を超える(貯蔵庫10内の空気の温度が露点温度を下回る)ことが回避される。そのため、貯蔵庫10内の空気の湿度を高精度に維持しつつ、貯蔵庫10内の空気の温度を調節できる。
【0163】
また、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および青果物の貯蔵方法によれば、ガス濃度調節手段300は、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度を調節する酸素濃度調節部310を有する。そして、酸素濃度調節部310は、貯蔵庫10内に窒素ガスを供給する窒素ガス供給部320と、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度を計測する酸素濃度計測部330と、を有する。
【0164】
これにより、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および青果物の貯蔵方法は、貯蔵庫10内に窒素ガスを供給するという簡便かつコストの低い方法により、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度を調節できる。そのため、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および貯蔵方法によれば、簡便かつコストの低い方法によって、青果物の鮮度をより長期に保持できる。
【0165】
また、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および青果物の貯蔵方法によれば、貯蔵庫10は、当該貯蔵庫10の底面SB側に配置され、窒素ガス供給部320に接続されたガス取り入れ部50と、当該貯蔵庫10の上面SU側に配置され、当該貯蔵庫10内の上面SU側の空気を貯蔵庫10の外部に排出するガス排出部60と、を有する。
【0166】
これにより、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および青果物の貯蔵方法によれば、貯蔵庫10内に窒素ガスが供給されたときに、窒素ガスが供給されて酸素濃度が低下した貯蔵庫10の底面SB側の空気(
図5においてAL1で示す層の空気)と比較して、酸素濃度が高い貯蔵庫10の上面SU側の空気(
図5においてAL2で示す層の空気)を、貯蔵庫10の外部に排出できる。そのため、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および青果物の貯蔵方法によれば、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度をより効率的に低下させることができるから、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度をより迅速に調節できる。
【0167】
また、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および青果物の貯蔵方法によれば、ガス取り入れ部50は、貯蔵空間SAの床面を構成する床板52と、貯蔵庫10の底面SBと床板52との間に底面側の空間部53と、を備えた二重床51と、底面側の空間部53に配置され、窒素ガス供給部320に接続されたガス流出パイプ55と、を有する。そして、床板52は、底面側の空間部53に臨む面52aから貯蔵空間SAに臨む面52bに向かって連通する複数の床板開口部54を有し、ガス流出パイプ55は、窒素ガス供給部320から供給された窒素ガスを底面側の空間部53に流出させる。
【0168】
これにより、窒素ガス供給部320は、貯蔵庫10の底面SB側から貯蔵庫10内に、貯蔵空間SAの床面にわたって、より均一な流量で窒素ガスを供給できる。そのため、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度が、貯蔵庫10内の全体にわたってより均一になる。その結果、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度をより高精度に調節できる。
【0169】
また、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および青果物の貯蔵方法によれば、酸素濃度の初期設定は、貯蔵庫内の空気の撹拌を停止した状態で行う。
【0170】
これにより、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および青果物の貯蔵方法は、貯蔵庫10において青果物の貯蔵を開始する際に、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度を、青果物の貯蔵に適した酸素濃度へと迅速かつ高精度に初期設定できる。
【0171】
また、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および青果物の貯蔵方法によれば、貯蔵庫内の空気の酸素濃度を初期酸素濃度に初期設定する際には、窒素ガスを供給することによって変化した貯蔵庫内の空気の酸素濃度を計測し、計測した貯蔵庫内の空気の酸素濃度が初期酸素濃度に達したときに窒素ガスの供給を停止する。そして、貯蔵庫内の空気の酸素濃度を計測する際には、貯蔵庫内に供給された窒素ガスの量を計測し、窒素ガスが供給される前の貯蔵庫内の空気の酸素濃度と、計測された窒素ガスの量と、に基づいて、窒素ガスを供給することによって変化した貯蔵庫内の空気の酸素濃度を算出する。
【0172】
これにより、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および青果物の貯蔵方法によれば、貯蔵庫内の空気の撹拌を停止した状態で貯蔵庫10内に窒素ガスを供給することによって、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度が貯蔵庫10の全体にわたって不均一になった場合であっても、窒素ガスが供給されることによって変化した貯蔵庫10内の酸素濃度をより精度よく算出できる。
【0173】
また、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および青果物の貯蔵方法によれば、貯蔵庫10内に供給された窒素ガスの量を計測する際には、貯蔵庫10内に配置された酸素濃度計331を鉛直方向Zに沿って上下に移動することによって、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度の鉛直方向Zにおける変化を計測し、計測された酸素濃度が、第1酸素濃度から、前記第1酸素濃度よりも低い第2酸素濃度に変化する酸素濃度境界OBの鉛直方向Zにおける位置を検出し、検出された酸素濃度境界OBの鉛直方向Zにおける位置から、貯蔵庫10内に供給された窒素ガスの量を算出する。
【0174】
これにより、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および青果物の貯蔵方法によれば、酸素濃度境界OBの鉛直方向Zにおける位置を検出するという簡便かつコストの低い方法によって、窒素ガス供給部320により貯蔵庫10内に供給された窒素ガス量を計測できる。
【0175】
また、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および貯蔵方法によれば、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度を初期酸素濃度に初期設定する際には、窒素ガスを冷却し、冷却した窒素ガスを貯蔵庫10の底面SB側から貯蔵庫10内に供給し、貯蔵庫10の底面SB側に窒素ガスの層を形成するとともに、窒素ガスを貯蔵庫10内に供給する前に貯蔵庫10内に存在していた空気を貯蔵庫10の上面側に移動させることによって、貯蔵庫10内の空気を温度成層状態にし、貯蔵庫10内の上面SU側の空気を貯蔵庫10の外部に排出する。
【0176】
これにより、窒素ガスを貯蔵庫10内に供給する前に貯蔵庫10内に存在していた空気を貯蔵庫10の上面SU側から貯蔵庫10の外部に排出する際に、当該空気とともに、貯蔵庫10内に供給された窒素ガスが貯蔵庫10の外部に排出されることを回避できる。そのため、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および貯蔵方法によれば、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度をより迅速に初期設定できる。また、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および貯蔵方法によれば、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度を初期設定するために貯蔵庫10内に供給される窒素ガスの量を削減できるから、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度を低コストに初期設定できる。
【0177】
さらに、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および貯蔵方法によれば、貯蔵庫10内の空気が温度成層状態になることによって酸素濃度境界OBがより明確に形成されから、酸素濃度境界OBの鉛直方向Zにおける位置をより高精度に検出できる。そのため、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および貯蔵方法によれば、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度をより高精度に初期酸素濃度に初期設定できる。
【0178】
また、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および貯蔵方法によれば、湿度調節手段100は、貯蔵庫10内の空気の相対湿度を70〜98%の範囲内に調節し、温度調節手段200は、貯蔵庫10内の空気の温度を−3〜15℃の範囲内に調節し、ガス濃度調節手段300は、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度を0〜20%の範囲内に調節するとともに、貯蔵庫10内の空気の二酸化炭素濃度を0〜10%の範囲内に調節する。
【0179】
これにより、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および貯蔵方法を、青果物の鮮度を長期に保持する目的において、より好適に使用できる。
【0180】
また、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および貯蔵方法において、青果物は、柑橘類である。これにより、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および貯蔵方法は、柑橘類の鮮度を長期に保持する目的に好適に使用できる。
【0181】
また、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および貯蔵方法によれば、青果物は、ヘベス(平兵衛酢。ヘベズとも呼ばれる。)である。これにより、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および貯蔵方法は、ヘベスの鮮度を長期に保持する目的に好適に使用できる。
【0182】
また、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および貯蔵方法によれば、湿度調節手段100は、貯蔵庫10内の空気の湿度を96%に調節する。温度調節手段200は、貯蔵庫10内の空気の温度を5℃に調節する。ガス濃度調節手段300は、貯蔵庫10内の空気の酸素濃度を8〜10%の範囲内に調節するとともに、貯蔵庫10内の空気の二酸化炭素濃度を2〜6%の範囲内に調節する。これにより、本実施形態に係る青果物の貯蔵装置1および貯蔵方法は、柑橘類、特に、ヘベスの鮮度を長期に保持する目的に好適に使用できる。
【実施例】
【0183】
以下、本発明の一実施例を説明する。本実施例に係る青果物の貯蔵装置および貯蔵方法は、ヘベスを緑樹果として長期に保存することを目的に実施されたものである。
【0184】
ヘベスは、香酸柑橘類の一種である。香酸柑橘は、およそ160品種ある柑橘類の半数を占める。柑橘類の中で、特に市場性のある品種は、ユズ、スダチ、カボス、ヘベス、ジャバラなどである。ヘベスは、宮崎県特産の果樹であり、緑樹果の果汁は、さわやかな香味とほどよい酸味があり、食酢の代わりに用いられる。
【0185】
ヘベスは、8月頃に緑樹果の状態で収穫されるが、10月頃になると黄色に変色してしまうため、ヘベスの緑樹果が市場に流通する時期は非常に限られている。そのため、例えば、鍋ものの季節になる12月頃にはヘベスの緑樹果がほとんど手に入らないなど、需要時期と供給時期とが一致せず、市場機会を逃しているという現状がある。ヘベスを緑樹果として長期に保存できれば、ヘベスの商品価値が大幅に向上する。
【0186】
しかしながら、ヘベスは、果皮が薄く、呼吸作用および蒸散作用が活発なため、緑樹果として長期に保存するのが困難な青果物として知られており、実際、緑樹果として長期保存に成功した事例はほとんどなかった。本実施例は、ヘベスを緑樹果として長期に保存することを目的に実施されたものである。
【0187】
本実施例に係る青果物の貯蔵装置の構成について、以下に説明する。
【0188】
湿度調節手段は、貯蔵庫内の空気の相対湿度が96±1%になるように調節した。湿度調節手段では、調湿液として、食品添加物用プロピレングリコール水溶液を使用した。湿度調節手段では、気液接触部として、旭化成ホームプロダクツ株式会社が製造しているサランロックを使用した。また、気液接触手段において、滴下部は、株式会社いけうち製の超低圧広角扇形ノズルを多数連結して構成した。湿度調節手段では、濃度調節手段は、プロピレングリコール水溶液の濃度が10±2%程度となるように、プロピレングリコール水溶液の濃度を調節した。
【0189】
温度調節手段は、貯蔵庫内の空気の温度が5±0.5℃になるように調節した。温度調節手段は、プロピレングリコール水溶液の温度を調節することによって、貯蔵庫内の空気の温度を調節した。温度調節手段は、チラーによる直接冷却方式によって、プロピレングリコール水溶液の温度を調節した。
【0190】
ガス濃度調節手段は、目標酸素濃度を9%として、貯蔵庫内の空気の酸素濃度を調節した。ガス濃度調節手段は、目標二酸化炭素濃度を4%として、貯蔵庫内の空気の二酸化炭素濃度を調節した。
【0191】
次に、本実施例に係る青果物の貯蔵装置および貯蔵方法を使用して行ったヘベスの鮮度保持実験の結果を説明する。
【0192】
ヘベスは、8月に緑樹果の状態で収穫し、本実施例に係る青果物の貯蔵装置および貯蔵方法を使用して、約4ヶ月間貯蔵した。
【0193】
図11は、貯蔵期間中の一日の貯蔵庫内の空気の相対湿度変化および温度変化を示す図である。なお、
図11は、一日のデータであるが、貯蔵期間中、貯蔵庫内の空気の相対湿度および温度は、おおむね、
図11に示すように推移した。
【0194】
図11を参照して、貯蔵期間中、貯蔵庫内の空気の相対湿度は、96±1%で安定していた。貯蔵期間中、貯蔵庫内に結露が生じることはなく、気液接触手段において調湿液と気液接触された空気に水分が過剰に含まれることはなかったものと推測される。
【0195】
貯蔵期間中、貯蔵庫内の空気の温度は、5±0.5℃で安定していた。
【0196】
貯蔵期間中、貯蔵庫内の空気の平均酸素濃度は12.4%だった。貯蔵期間中、貯蔵庫内の空気の平均二酸化炭素濃度は、3.4%だった。
【0197】
図12には、貯蔵開始から3ヶ月後および4ヶ月後の商品果率を示している。商品果率は、ヘベスの黄化具合や低温障害の有無、風味等に基づいて、商品として販売可能か否かを判断する官能試験である。商品果率の判定は、宮崎県日向市の日向農業協同組合(JA日向)のヘベスの商品可否を判断している専門の職員によって行われた。
図12には、比較例として、貯蔵庫内の空気の酸素濃度および二酸化炭素濃度を低酸素濃度および高二酸化炭素濃度に調節するCA法を適用しなかった場合の貯蔵開始から3か月後および4ヶ月後の商品果率を示している。比較例に係る青果物の貯蔵装置および貯蔵方法は、CA法を適用しなかった点を除いて、本実施例に係る青果物の貯蔵装置および貯蔵方法と同じである。
【0198】
図12は、本実施例に係る青果物の貯蔵装置および貯蔵方法を使用して貯蔵したヘベスの果皮の色の変化を示す外観写真である。
図12には、上述した変形例に係る青果物の貯蔵装置および貯蔵方法を使用して貯蔵したヘベスの果皮の色の変化を示す外観写真も並列して載せている。
【0199】
図13は、本実施例に係る青果物の貯蔵装置および貯蔵方法を使用して貯蔵したヘベスの重量変化率の変化を示す図である。
図13を参照して、上述した比較例に係る青果物の貯蔵装置および貯蔵方法を使用して貯蔵したヘベスの重量変化率の変化も示している。
【0200】
図12に示すように、本実施例に係る青果物の貯蔵装置および貯蔵方法によれば、貯蔵開始から4ヶ月後においても、商品果率が80%であった。そのため、本実施例に係る青果物の貯蔵装置および貯蔵方法によれば、ヘベスを緑樹果(
図12参照)として長期に貯蔵できることが明らかになった。
【0201】
一方、
図12を参照して、CA法を適用しなかった比較例に係る青果物の貯蔵装置および貯蔵方法では、貯蔵開始から2ヶ月経過した頃から、貯蔵されている一部のヘベスについて黄化が始まった。そして、
図12を参照して、貯蔵開始から3ヶ月後には、商品果率は0%となり、貯蔵されているヘベスの全てが黄化し、ヘベスを緑樹化として長期に貯蔵することはできなかった。
【0202】
また、
図13を参照して、本実施例に係る青果物の貯蔵装置および貯蔵方法によれば、CA法を適用しなかった比較例に係る青果物の貯蔵装置および貯蔵方法と比較して、ヘベスの重量変化率の変化も小さかった。このことからも、本実施例に係る青果物の貯蔵装置および貯蔵方法が、ヘベスの長期貯蔵に適していることが裏付けられた。
【0203】
以上述べたように、本実施例に係る青果物の貯蔵装置および貯蔵方法は、ヘベスを緑樹果として長期に貯蔵できることが分かった。ヘベスは、果皮が薄く、呼吸作用および蒸散作用が活発なため、緑樹果として長期に保存するのが困難な青果物の一つである。したがって、本発明に係る青果物の貯蔵装置および貯蔵方法は、ヘベス以外の青果物であっても、長期に鮮度保持できるものと考えられる。少なくとも、本発明に係る青果物の貯蔵装置および貯蔵方法は、ヘベス以外の柑橘類であっても、長期に鮮度保持できるものと考えられる。
【0204】
また、一般に、柑橘類を長期に貯蔵する場合には、貯蔵する前に、必ず「予措」という処理が行われる。「予措」とは、柑橘類の果皮を乾燥させる処理である。予措を行うことにより、果皮の気孔が収縮され、貯蔵される柑橘類の呼吸量を抑制できる。しかしながら、予措を行うと果皮が乾燥してしまうため、貯蔵される柑橘類の外観が損なわれる。そのため、例えば、ヘベスのように外観が重視されるような柑橘類の場合、予措によって商品価値が減少する可能性がある。
【0205】
上述したように、本実施例に係る青果物の貯蔵装置および貯蔵方法によれば、柑橘類の中でも特に、呼吸作用および蒸散作用が活発なヘベスを長期に貯蔵できる。よって、本発明に係る青果物の貯蔵装置および貯蔵方法によれば、「予措」を行うことなく、柑橘類の鮮度を長期に保持できるものと推測される。そのため、本発明に係る青果物の貯蔵装置および貯蔵方法によれば、貯蔵前に果皮を乾燥させることに起因して貯蔵される柑橘類の外観が損なわれることを回避して、商品価値の高い状態を維持しつつ柑橘類を長期に貯蔵できるものと考えられる。
【0206】
さらに、ヘベスは、低温耐性が低く、低温障害に弱い青果物としても知られている。本実施例に係る青果物の貯蔵装置および貯蔵方法によれば、商品果として判断されたヘベスには、低温障害は確認されなかった。そのため、本発明に係る青果物の貯蔵装置および貯蔵方法は、低温障害に弱い青果物の長期の鮮度保持に対しても有効であると推測される。
【0207】
以上、実施形態および実施例を通じて青果物の貯蔵装置および青果物の貯蔵方法を説明したが、本発明は実施形態およびその変形例において説明した構成のみに限定されることはなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
【0208】
例えば、上述した実施形態では、窒素供給器は窒素ガスボンベであった。しかしながら、窒素供給器の種類は特に限定されず、高圧フィルターを用いた公知の窒素ガス発生装置を使用してもよい。
【0209】
また、上述した実施形態では、二酸化炭素濃度を調節するステップにおいて、貯蔵庫内の空気の二酸化炭素濃度を調節した後に、酸素濃度を調整した。しかしながら、二酸化炭素濃度を調節するステップでは、酸素濃度を調節した後に二酸化炭素濃度を調整してもよい。
【0210】
また、上述した実施形態では、温度調節手段の冷却手段は、調湿液タンクから取り出した調湿液を冷却チラーの循環液として直接的に冷却する直接冷却方式であった。しかしながら、温度調節手段の冷却手段は、冷却チラー内を循環する冷却用媒体と調湿液との間で熱交換を行う間接冷却方式であってもよい。また、温度調節手段の冷却手段は、調湿液タンクに収容されている調湿液と貯蔵庫の外部との間で熱交換する液冷媒を、調湿液タンク内で直接膨張させて、その潜熱によって、調湿液タンクに収容されている調湿液を冷却させてもよい。
【0211】
また、上述した実施形態では、温度調節手段は、湿度調節手段において貯蔵庫内の空気を気液接触される調湿液の温度を調節することによって、貯蔵庫内の空気の温度を調節した。すなわち、上述した実施形態では、貯蔵庫内の空気の湿度調節に伴って、貯蔵庫内の空気の温度も調節された。しかしながら、温度調節手段は、公知の空調設備を使用して、湿度調節手段から独立して直接的に貯蔵庫内の空気を冷却してもよい。なお、上述した実施形態のように、貯蔵庫内の空気と気液接触される調湿液の温度を調節することによって貯蔵庫内の空気の温度を調節する方法の方が、温度の調節精度の観点では、より優れている。