特許第6843335号(P6843335)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社 エポックケミカルの特許一覧

<>
  • 特許6843335-筆ペン 図000002
  • 特許6843335-筆ペン 図000003
  • 特許6843335-筆ペン 図000004
  • 特許6843335-筆ペン 図000005
  • 特許6843335-筆ペン 図000006
  • 特許6843335-筆ペン 図000007
  • 特許6843335-筆ペン 図000008
  • 特許6843335-筆ペン 図000009
  • 特許6843335-筆ペン 図000010
  • 特許6843335-筆ペン 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6843335
(24)【登録日】2021年2月26日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】筆ペン
(51)【国際特許分類】
   B43K 8/02 20060101AFI20210308BHJP
   B43K 1/12 20060101ALI20210308BHJP
   B43K 23/12 20060101ALI20210308BHJP
   B43K 8/00 20060101ALI20210308BHJP
【FI】
   B43K8/02 150
   B43K8/02 130
   B43K1/12 A
   B43K23/12 110
   B43K8/00 100
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-64644(P2018-64644)
(22)【出願日】2018年3月29日
(65)【公開番号】特開2019-171755(P2019-171755A)
(43)【公開日】2019年10月10日
【審査請求日】2019年10月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】500205840
【氏名又は名称】株式会社 エポックケミカル
(74)【代理人】
【識別番号】100081558
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 晴男
(74)【代理人】
【識別番号】100154287
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 貴広
(72)【発明者】
【氏名】小高 晴男
【審査官】 金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−115476(JP,U)
【文献】 実公昭29−013229(JP,Y1)
【文献】 実開昭56−113876(JP,U)
【文献】 特開2006−123433(JP,A)
【文献】 中国実用新案第2484183(CN,Y)
【文献】 実開平07−040185(JP,U)
【文献】 米国特許第04406555(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43K 1/00 − 1/12
5/00 − 8/24
23/00 −23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
穂先を保持する穂先ホルダーと、インクカートリッジと、前記穂先ホルダーと前記インクカートリッジとの間に位置し、前記穂先ホルダーと前記インクカートリッジをそれぞれ着脱可能に連結する軸本体と、前記穂先を収納して保護するキャップとから成り、
前記穂先ホルダーは前記軸本体に対して着脱自在であり、非使用時に前記穂先と共に前記軸本体から取り外し、前記穂先を前記キャップ内に差し込んだ状態で前記キャップに固定可能であり、前記穂先ホルダーを固定した前記キャップは、前記穂先を前記軸本体に向けた状態で前記軸本体に取り付け可能であって、前記軸本体に取り付けた際に前記キャップが備えるインク遮断手段によってインクの供給が遮断される構成であって、
前記インク遮断手段は、前記キャップの一端部に設けられる閉塞板に突設されて、前記軸本体の端部に嵌合される栓のインク通流孔に密に嵌合するシール用突起であることを特徴とする筆ペン。
【請求項2】
前記キャップの周側面に通気窓が設けられている、請求項に記載の筆ペン。
【請求項3】
前記穂先は、前記穂先ホルダー内に嵌装される穂先台座に一体化され、前記穂先台座を介して前記穂先ホルダーに固定される、請求項1又は2に記載の筆ペン。
【請求項4】
前記穂先は前記穂先台座と共に交換可能である、請求項に記載の筆ペン。
【請求項5】
穂先を保持する穂先ホルダーと、インクカートリッジと、前記穂先ホルダーと前記インクカートリッジとの間に位置し、前記穂先ホルダーと前記インクカートリッジをそれぞれ着脱可能に連結する軸本体と、前記穂先を収納して保護するキャップとから成り、
前記穂先ホルダーは前記軸本体に対して着脱自在であり、非使用時に前記穂先と共に前記軸本体から取り外し、前記穂先を前記キャップ内に差し込んだ状態で前記キャップに固定可能であり、前記穂先ホルダーを固定した前記キャップは、前記穂先を前記軸本体に向けた状態で前記軸本体に取り付け可能であって、前記軸本体に取り付けた際に前記キャップが備えるインク遮断手段によってインクの供給が遮断される構成であって、
前記穂先ホルダーと前記軸本体、及び、前記インクカートリッジと前記軸本体はそれぞれねじ込みによって連結され、前記穂先ホルダーと前記軸本体間のねじ込み方向と前記インクカートリッジと前記軸本体間のねじ込み方向が逆に設定されていることを特徴とする筆ペン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は筆ペン、より詳細には、インクカートリッジ式であって、非使用時において穂先の乾燥状態を保持し得る筆ペンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
筆は、使用後、穂先の中に墨等のインクが残っていると、穂先が固まったり割れたりして傷み、次回の使用に支障をきたすおそれがあるので、使用後水洗いしておく必要があり、また、水洗いした後、水気を切って乾燥させる必要がある。十分に乾燥させず水分が残ったままにしていると、やはり次回の使用に支障をきたしたり、穂先にかびが発生したりするおそれがある。
【0003】
このような問題を解決するために、特開2013−52634号公報(特許文献1)においては、穂先を密閉保護する保湿キャップを備えた毛筆が提唱され、また、実開平7−23591号公報(特許文献2)においては、穂先を乾燥させるために通孔を設けたキャップが提唱されている。しかし、特許文献1で提唱されている毛筆では、十分に穂先の乾燥をすることができず、また、特許文献2で提唱されているキャップは、対応できない筆もあり得、更に、別途購入という手間や費用がかかる難点がある。掛かってしまうおそれがある。
【0004】
また、インクカートリッジ式の筆ペンの場合は、使用後に穂先に対するインク供給を止めることができないため、常時穂先がインクを含んだ状態にあり、使用後に水洗いすることができないという問題があり、更に、従来の筆ペンの場合は筆先の交換ができないため、筆先が傷んだ時点で廃棄せざるを得なかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−52634号公報
【特許文献2】実開平7−23591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のとおり、従来の筆ペンの場合は、使用後に穂先に対するインク供給を止めることができないため、常時穂先がインクを含んだ状態にあり、使用後に水洗いすることができないので、使用後における筆の手入れを十分に行うことができないという問題があり、また、筆先のみの交換ができないため、筆先が傷んだ時点で廃棄せざるを得ないため、非経済的であった。
【0007】
そこで本発明は、非使用時において穂先へのインクの供給を完全に絶つことにより穂先の乾燥状態を維持して保護することができ、また、非使用時においてインクの漏出のおそれがなく、しかも、筆先のみの交換が可能で経済的な筆ペンを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、穂先を保持する穂先ホルダーと、インクカートリッジと、前記穂先ホルダーと前記インクカートリッジとの間に位置し、前記穂先ホルダーと前記インクカートリッジをそれぞれ着脱可能に連結する軸本体と、前記穂先を収納して保護するキャップとから成り、
前記穂先ホルダーは前記軸本体に対して着脱自在であり、非使用時に前記穂先と共に前記軸本体から取り外し、前記穂先を前記キャップ内に差し込んだ状態で前記キャップに固定可能であり、前記穂先ホルダーを固定した前記キャップは、前記穂先を前記軸本体に向けた状態で前記軸本体に取り付け可能であって、前記軸本体に取り付けた際に前記キャップが備えるインク遮断手段によってインクの供給が遮断される構成であって、
前記インク遮断手段は、前記キャップの一端部に設けられる閉塞板に突設されて、前記軸本体の端部に嵌合される栓のインク通流孔に密に嵌合するシール用突起であることを特徴とする筆ペンである。
【0009】
一実施形態においては、前記キャップの周側面に通気窓が設けられる。
【0010】
一実施形態においては、前記穂先は、前記穂先ホルダー内に嵌装される穂先台座に一体化され、前記穂先台座を介して前記穂先ホルダーに固定される。そして、前記穂先は前記穂先台座と共に交換可能である。
【0011】
また、上記課題を解決するための請求項に記載の発明は、穂先を保持する穂先ホルダーと、インクカートリッジと、前記穂先ホルダーと前記インクカートリッジとの間に位置し、前記穂先ホルダーと前記インクカートリッジをそれぞれ着脱可能に連結する軸本体と、前記穂先を収納して保護するキャップとから成り、
前記穂先ホルダーは前記軸本体に対して着脱自在であり、非使用時に前記穂先と共に前記軸本体から取り外し、前記穂先を前記キャップ内に差し込んだ状態で前記キャップに固定可能であり、前記穂先ホルダーを固定した前記キャップは、前記穂先を前記軸本体に向けた状態で前記軸本体に取り付け可能であって、前記軸本体に取り付けた際に前記キャップが備えるインク遮断手段によってインクの供給が遮断される構成であって、
前記穂先ホルダーと前記軸本体、及び、前記インクカートリッジと前記軸本体はそれぞれねじ込みによって連結され、前記穂先ホルダーと前記軸本体間のねじ込み方向と前記インクカートリッジと前記軸本体間のねじ込み方向が逆に設定されていることを特徴とする筆ペンである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る筆ペンは上記構成であって、交換可能なインクカートリッジ式であるため、インクカートリッジを交換することによって筆の反復使用が可能で経済的であり、非使用時において穂先はインク供給路から切り離され、且つ、キャップの通気窓を介して外気に晒されて乾燥し、以後その乾燥状態を維持するので、湿気を帯びた状態が続くことによって穂先が傷んだり、カビが発生したりするおそれがなく、穂先をインク供給路から切り離した後にインク漏れが発生するおそれがないという効果がある。また、筆先が交換可能であることにより、長期使用が可能となって経済的であると共に、使用者が好みに合わせて筆先の種類を選択することが可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る筆ペンの、キャップを外した状態の正面図である。
図2】本発明に係る筆ペンの分解斜視図である。
図3】本発明に係る筆ペンの縦断面図及びその要部拡大図である。
図4】本発明に係る筆ペンの非使用時における穂先収納状態を示す正面図及びその縦断面図である。
図5】本発明に係る筆ペンにおけるインクの流れを示す縦断面図である。
図6】本発明に係る筆ペンにおけるキャップの構成を示す図である。
図7】本発明に係る筆ペンにおける筆先ホルダーの構成を示す図である。
図8】本発明に係る筆ペンにおける穂先台座の構成を示す図である。
図9】本発明に係る筆ペンにおける栓の構成を示す図である。
図10】本発明に係る筆ペンにおける軸本体の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態について、添付図面に依拠して説明する。図1は、本発明に係る筆ペンの、キャップを外した状態の正面図、図2はその分解斜視図であり、そこに示されるように、本発明に係る筆ペンは、穂先1を保持する穂先ホルダー2と、インクカートリッジ3と、穂先ホルダー2とインクカートリッジ3との間に位置し、穂先ホルダー2とインクカートリッジ3をそれぞれ着脱可能に連結する軸本体4と、穂先1を収納して保護するキャップ5とから成る。
【0015】
穂先1は、穂先ホルダー2内に嵌装される穂先台座6に一体化され、穂先台座6を介して穂先ホルダー2に固定される(特に図3参照)。穂先台座6の底面には、適宜間隔置きに脚座7が設けられ、後述する栓25との間にインク供給空間8が形成される(図3,5参照)。脚座7の下部は少し外方に張り出し、また、穂先台座6の外周面に軸方向に伸びるインク溝9が形成されると共に、穂先ホルダー2の内周壁にスペーサーとして機能するリブ10aが形成されることにより、穂先台座6の外周面と穂先ホルダー2の内周面との間にインク供給路10が確保される(図5,7参照)。
【0016】
穂先ホルダー2は軸本体4に対して着脱自在であり、非使用時に穂先1と共に軸本体4から取り外し、穂先1をキャップ5内に差し込んで押し込むことにより、キャップ5に固定可能である。穂先ホルダー2の外周面には、その際にストッパーとして機能する鍔部14aが形成される(図7参照)。そのようにして穂先ホルダー2を固定したキャップ5は、後述するように、穂先1を軸本体4に向けた状態で軸本体4に取り付け可能である(図4参照)。
【0017】
キャップ5は一端が開口され、他端に、少し奥まらせて閉塞板11が配設された円筒体で、その中間部周側面に、適宜区分けされた通気窓12が形成される。この通気窓12は、非使用時においてキャップ5内に通気させて穂先1の十分な乾燥を促進させる。閉塞板11の中央部には、非使用時におけるインク漏れを防止するためのシール用突起13が突設される(図6参照)。このシール用突起13は、後述する栓25のインク通流孔29内に密に嵌入してインクの通流を止める(図4参照)。
【0018】
キャップ5内にはその開口側から穂先1が挿入されて固定されるが、その際、穂先1を保持する穂先ホルダー2の一端外周面が、キャップ5の内周面に密に摺接する。その後の穂先ホルダー2の抜け止めのために、摺接し合う穂先ホルダー2の外周面に係止突条14を形成し(図7参照)、キャップ5の内周面に係止突条14に対応する凸部15を設けることが好ましい(図6参照)。また、キャップ5の閉塞板11配設部よりも外側の内周面にメネジ16が切られる。キャップ5は、このメネジ16が、軸本体4の端部外周面に形成されるオネジ17と螺合することにより、軸本体4に対して螺着可能となる(図4,6,10参照)。また、穂先ホルダー2の内周面にも、キャップ5に形成されるメネジ16と同じメネジ20が形成され、軸本体4のオネジ17と螺合する(図3,7参照)。
【0019】
軸本体4のオネジ17形成側と反対側の端部内周面にメネジ18が切られ、そこに、インクカートリッジ3の先端部外周面に形成されたオネジ19が螺合する(図2,3,10参照)。かくしてインクカートリッジ3は、軸本体4に対して着脱可能となり、交換が可能となる。なお、軸本体4のオネジ17と穂先ホルダー2のメネジ20の組みのねじ切り方向と、軸本体4のメネジ18とインクカートリッジ3のオネジ19の組みのねじ切り方向は逆であることが好ましい。そのようにした場合は、例えば、インクカートリッジ3の交換に当たり、インクカートリッジ3を軸本体4にねじ込んでいく際に、軸本体4と穂先ホルダー2の間においてねじが緩むことが防止される。
【0020】
インクカートリッジ3は押し抜き栓21によって密栓されており、軸本体4にセットするに伴って押し抜き栓21が押し抜かれ、開栓するようになっている。即ち、軸本体4の内部に、インクカートリッジ3の接続時に押し抜き栓21を押し抜くための押し抜き筒22が配設される(図10参照)。押し抜き筒22は、軸本体4の内周面に形成される円筒部23の中心に立設され、インクカートリッジ3から出るインクを通流させる。また、軸本体4の先端開口部に、上記栓25が嵌着される(図3参照)。
【0021】
栓25は、図9に示されるようなフランジ付き皿状体で、中心部に円形台座26を介して中空筒27が形成され、中空筒27の中心に中空凸部28が延設され、中空凸部28から中空筒27に抜けるインク通流孔29が形成される。また、中空筒27から円形台座26にかけて縦に抜けるインク溝30が、通例、対称的に一対形成される。中空筒27には調整筒31が嵌着される(図3,5参照)。その際、調整筒31の内天面が中空凸部28の上端面から離隔するようにすることで、調整筒31内にインク貯留空間32が形成される。なお、図2,3における符号33はシールリングを示している。
【0022】
好ましい実施形態においては、穂先1と穂先ホルダー2とから成る筆先を独立の部品として、交換可能にされる。そのようにした場合、筆先を交換することにより、長期使用が可能となるだけでなく、種類の異なる穂先1(羊毛、馬毛、狸毛等)を用意しておくことにより、使用者が好みに合わせて選択することが可能となり、商品価値が高まる。
【0023】
上記構成の本発明に係る筆ペンは、不使用時には、図4に示されるように、穂先1はキャップ5内に収められ、穂先1を軸本体4に向けて、キャップ5の閉塞板7側のメネジ16に軸本体4のオネジ17を螺合させることで、キャップ5が軸本体4に螺着される。その際、キャップ5のシール用突起13が栓25のインク通流孔29内に密に嵌入することで、インクの漏出が止められる(図4参照)。この状態において穂先1は、インク供給路から切り離され、且つ、キャップ5の通気窓12を介して外気に晒されて乾燥し、以後その乾燥状態を維持する。従って、湿気を帯びた状態が続くことによって穂先1が傷んだり、カビが発生したりするおそれはない。
【0024】
使用に際しては、キャップ5を軸本体4から外すと共に穂先ホルダー2をキャップ5から外し、軸本体4のオネジ17を穂先ホルダー2のメネジ20にねじ込むことにより、穂先ホルダー2を軸本体4に取り付ける(図1,3の状態)。かくして後述するインクの通流経路を経て穂先1にインクが供給され、筆記可能となる。筆記に間を置く場合や一時的に中止する場合は、穂先ホルダー2を軸本体4に取り付けたまま、穂先1にキャップ5を被装する。そして、筆記を中止する場合は、上記と逆の操作を行って、図4に示す状態に戻す。
【0025】
次いで、上記構成の本発明に係る筆ペンにおけるインクの通流経路について説明する。当初押し抜き栓21によって密栓されているカートリッジ3を軸本体4にねじ込んでいくと、押し抜き栓21によって密栓されていたカートリッジ3の押し抜き栓21の天面21aが軸本体4の押し抜き筒22によって押し抜かれる(図3参照)。押し抜き栓21の天面21aは、周囲が薄く繋がっているだけであるので、押し抜くのにさほど大きな力は要らない。この押し抜き栓21の押し抜きに伴い、インクカートリッジ3内のインクが、押し抜き筒22を経てインク室35内に流れ込み、そこを満たす(図5参照)。
【0026】
インク室35内のインクは、栓25のインク溝30内を上って調整筒31のインク貯留空間32を満たし、中空凸部28からインク通流孔29内を通流して、穂先台座6と栓25との間のインク供給空間8に流入する(図3,5参照)。その後インクは、穂先台座6の外周面と穂先ホルダー2の内周面との間に形成されるインク供給路10を通って穂先1に達し、穂先1を湿潤させる(図3,5参照)。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明に係る筆ペンは上記構成であって、交換可能なインクカートリッジ式であるため、インクカートリッジ3を交換することによって穂先1の反復使用が可能であると共に、穂先1と穂先台座6とが一体となった筆先が交換可能にされることによって長期使用が可能となるため経済的である。また、複数種の筆先の中から使用者が好みの種類の筆先を選択して使用することが可能となり、商品価値が高まるというメリットがある。
【0028】
また、穂先1はインク供給路から切り離され、インク供給路は、キャップが備えるインク遮断手段(シール用突起13)によって閉塞されるため、インク漏れが発生するおそれがなく、穂先ホルダー2と一体の穂先1は、使用後軸本体4から外して水洗いすることができ、その後通気性のあるキャップ5によって保護しつつ乾燥を促進させることができるので、十分な手入れが可能となるという効果のあるものであって、その産業上の利用可能性は大である。
【符号の説明】
【0029】
1 穂先
2 穂先ホルダー
3 インクカートリッジ
4 軸本体
5 キャップ
6 穂先台座
11 閉塞板
12 通気窓
13 シール用突起
21 押し抜き栓
25 栓
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10