(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
[本開示が解決しようとする課題]
上述のターンテーブルを備え、かつダイセット式のサイジング装置において、ダイセットの交換作業性の向上が望まれている。
【0009】
従来のサイジング装置では、プレス本体にターンテーブルが取り付けられている。詳しくは、プレス本体は、その側方に、ターンテーブルをプレス本体におけるサイジング稼働時の取付位置とダイセットの交換位置との間で回転可能に支持する軸部を備える。この軸部はターンテーブルの周縁よりも外方に位置する。このようなサイジング装置に対して、ダイセットの交換は、以下のように行う。上記軸部を中心としてターンテーブルを回転させて、ターンテーブルをダイセットの交換位置に配置した状態で、現在のダイセットをプレス本体から取外し、新たなダイセットをプレス本体の所定の位置に取り付ける。次に上記軸部を中心としてターンテーブルを逆回転させて稼働時の取付位置に配置した後、新たなダイセットのダイに設けられた貫通孔の中心軸と、ターンテーブルの収納孔の中心軸とを位置合わせする。更に、特許文献1,2に記載されるようにワークを保持するユニットを各収納孔に嵌め込むこともある。このようにプレス本体にターンテーブルが取り付けられていると、上述の中心軸の位置合わせや保持ユニットの嵌め込みなどの作業をプレス本体内で行う必要がある。いわば、上述の作業を内段取りで行う必要があり、作業性に劣る。また、上述の作業をプレス本体内で行うため、サイジング装置の稼働を停止する必要があり、焼結部品の生産性の低下も招く。
【0010】
そこで、ダイセットの交換作業性に優れるサイジング装置を提供することを目的の一つとする。また、焼結部品の生産性に優れる焼結体の製造方法を提供することを別の目的の一つとする。
【0011】
[本開示の効果]
本開示のサイジング装置は、ダイセットの交換作業性に優れる。本開示の焼結体の製造方法は、焼結部品の生産性に優れる。
【0012】
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本願発明の一態様に係るサイジング装置は、
ワークが供給される貫通孔が設けられたダイを保持するダイプレートと、前記貫通孔内に挿入されて前記ワークを押圧する上下のパンチとを備えるダイセットと、
前記パンチを動作させるパンチ駆動機構を備え、前記ダイセットが所定の位置に着脱されるプレス本体と、
前記ダイプレート上で回転して、前記ダイへのワークの供給と前記ダイからのワークの排出とを行うターンテーブルとを備えるサイジング装置であって、
前記ダイセットは、前記ターンテーブルと、前記ターンテーブルが載置される支持台とを備え、
前記支持台は、前記ターンテーブルの中心軸に同軸に設けられて、前記中心軸を前記支持台の所定の位置に位置決めする軸位置決め部を備える。
【0013】
上記のサイジング装置は、ダイセットにターンテーブルを備える。そのため、ダイの貫通孔の中心軸とターンテーブルの収納孔の中心軸との位置合わせ、ターンテーブルの各収納孔への保持ユニットの嵌め込みなどの作業をプレス本体外で行える。いわば、上述の作業を外段取りで行える。従って、上記のサイジング装置は、ダイセットを交換する際、上述の作業をプレス本体内で行う従来のサイジング装置に比較して、上述の作業を行い易く、ダイセットの交換作業性に優れる。また、上記のサイジング装置の稼働中に上述の作業を行える。従って、上記のサイジング装置は、稼働停止時間を、上述の従来のサイジング装置に比較して短縮でき、焼結部品の生産性の向上にも寄与する。
【0014】
(2)上記のサイジング装置の一例として、
前記プレス本体は、前記ターンテーブルを回転させるテーブル駆動機構を備える形態が挙げられる。
【0015】
上記形態は、ダイセットにテーブル駆動機構を備える場合と比較して、ダイセットを簡素な構成とすることができ、ダイセットの組立作業性に優れる。
【0016】
(3)本願発明の一態様に係る焼結体の製造方法は、
上記(1)又は(2)に記載のサイジング装置を用いて、焼結体を矯正する工程を備える。
【0017】
上記の焼結体の製造方法は、上述のようにダイセットの交換に伴うサイジング装置の稼働停止時間を短縮できる上記本開示のサイジング装置を利用する。従って、上記の焼結体の製造方法によれば、寸法精度に優れる焼結体を量産でき、焼結部品の生産性に優れる。
【0018】
[本発明の実施形態の詳細]
以下、図面を参照して、本開示の実施形態を具体的に説明する。図において同一符号は同一名称物を意味する。
【0019】
[実施形態1]
以下、
図1〜
図5を参照して、実施形態1のサイジング装置1を説明する。
図1〜
図5は分かり易いように構成の概略を模式的に示す。
【0020】
(概略構成)
実施形態1のサイジング装置1は、焼結体(ワークW、
図4)の寸法矯正に利用されるプレス装置である。このサイジング装置1は、
図1に示すようにダイ20と上下のパンチ(上パンチ22及び下パンチ24)とを備えるダイセット2と、パンチ駆動機構(上パンチ駆動機構32及び下パンチ駆動機構34)を備え、ダイセット2が所定の位置に着脱されるプレス本体3とを備えるダイセット式のものである。かつ、このサイジング装置1は、ワークWを収納する複数の収納孔26h(
図4、
図5)が設けられ、ダイ20へのワークWの供給とダイ20からサイジング後のワークWの排出とを行うターンテーブル26を備える。
【0021】
特に、実施形態1のサイジング装置1は、ダイセット2にターンテーブル26を備えており、ダイ20、上パンチ22及び下パンチ24と共に、ターンテーブル26をプレス本体3に対する交換部品の一つとする。以下、より詳細に説明する。
【0022】
(ダイセット)
((概略構成))
主に
図2を参照して、ダイセット2を説明する。
ダイセット2は、プレス本体3(
図1,
図3)の外部でダイ20、上パンチ22及び下パンチ24をセット可能な組物であり、各要素は、主としてワークWの外形に応じて準備される。このダイセット2は、ワークWが供給される貫通孔(ダイ孔20h)が設けられたダイ20と、ダイ20を保持するダイプレート201と、ダイ孔20h内に挿入されてワークWを押圧する上パンチ22,下パンチ24とを備える。この例のダイセット2は、更に、上パンチ22を保持する上パンチプレート221と、下パンチ24を保持するベースプレート241と、上パンチプレート221とダイプレート201とを連結する上側ガイドポスト212と、ダイプレート201とベースプレート241とを連結する下側ガイドポスト214とを備える。実施形態1のサイジング装置1では、更に、ダイセット2は、ダイプレート201上で回転するターンテーブル26を備える。
【0023】
((ダイ及びパンチ))
ダイ20、上パンチ22及び下パンチ24は、ワークWを所定の寸法に矯正する金型部材である。ダイ20には、ワークWの外形に対応した所定の形状を有するダイ孔20hが設けられている。上パンチ22及び下パンチ24は、ワークWの外形に応じた押圧面を有する。ダイ孔20hの下側の開口部から下パンチ24が挿入されて、ダイ孔20hを形成する内周面と下パンチ24の押圧面とで有底のキャビティを形成する。ダイ孔20hの上側の開口部から上パンチ22が挿入されて、キャビティに収納されたワークWを上パンチ22と下パンチ24とで押圧して、ワークWを所定の寸法に矯正する。
【0024】
((ダイプレート))
ダイプレート201は、ダイ20の取付穴が設けられており、取付穴に嵌め込まれたダイ20を保持する。この例のダイプレート201は、ダイ20を保持する直方体状の本体部と、本体部上に設けられ、ターンテーブル26が載置される平板状の支持台202とを備える(
図5も参照)。支持台202は、本体部に対応した長方形と、この長方形の一辺を直径とする半円とを組み合わせたような舌片状であり、半円部分が本体部から突出する(
図5)。支持台202にターンテーブル26が載置された状態において、ターンテーブル26の概ね半分は本体部側の領域に支持され、残り半分は半円部分の領域に支持される。そのため、ターンテーブル26の半分は、本体部から突出して配置される。
図5において、支持台202に二点鎖線で示す半円弧は、載置されたターンテーブル26の外縁を仮想的に示す。支持台202の半円部分の周縁とターンテーブル26の外縁とが概ね一致するように半円部分の大きさを調整している。支持台202におけるターンテーブル26の載置領域とターンテーブル26の大きさとが同等程度であるため、支持台202は、ターンテーブル26を安定して支持できる。
【0025】
上述の本体部及び支持台202においてダイ20の近傍には、ダイ孔20hに上パンチ22及び下パンチ24を挿入できるように挿入孔201hが局所的に設けられている(
図5も参照)。挿入孔201hの開口径は、この例に示すようにダイ孔20hの開口径よりも大きく、後述するターンテーブル26の収納孔26hと同等程度以上の大きさとすることが好ましい。ダイ孔20hに上パンチ22及び下パンチ24を支障なく挿入できる上に、収納孔26hから挿入孔201hを経てダイ孔20hにワークWをより確実に供給できるからである。また、この例では、支持台202において、ターンテーブル26の排出位置E(
図5、後述)に配置される収納孔26hと重複する位置に、サイジング後のワークWを排出する貫通孔(排出孔202h、
図5)が設けられている。その他、ダイプレート201は、排出孔202hからダイ孔20hに向かってワークWが滑り降りる滑り台(図示せず)などを備えると、ワークWを滑らかにダイ孔20hに供給できる。排出孔202hや滑り台を備える構成は一例であり、これらを省略することもできる。
【0026】
この例の支持台202は、ターンテーブル26の載置面に、ターンテーブルの中心軸C
Tを支持台202の所定の位置に位置決めする軸位置決め部206を備える。この例では、支持台202の載置面において、ターンテーブル26を載置する円形状の領域(
図5において支持台202の半円部分の周縁と二点鎖線で示す半円部分とでつくられる円形領域)の中心軸を軸位置決め部206の中心軸とする。軸位置決め部206は、この中心軸がターンテーブル26の中心軸C
Tに同軸になるように設けられる。軸位置決め部206は、ターンテーブル26の中心軸C
Tを支持台202の所定の位置に位置決め可能な適宜な構成を利用できる。この例の軸位置決め部206は円柱状の突起とし、ターンテーブル26にはこの突起を嵌め込む凹み(取付穴266)が設けられている(後述のターンテーブルの項も参照)。その他、ターンテーブル26には、上記凹部に代えて、軸位置決め部206をなす突起が挿通される貫通孔などを設けてもよい。
【0027】
挿入孔201h、排出孔202h、及び軸位置決め部206の形成箇所を除いて、支持台202におけるターンテーブル26の載置面は平面である(
図5)。そのため、支持台202にターンテーブル26が載置された状態において、複数の収納孔26h(
図5)のうち、挿入孔201h及び排出孔202hの形成位置に重複して配置されるものを除いて、各収納孔26hの下側の開口部は支持台202によって塞がれ、収納孔26hからのワークWの脱落を防止できる。
【0028】
((ターンテーブル))
以下、主に
図4を参照してターンテーブル26を説明する。
ターンテーブル26は、上述のダイプレート201上で回転して、ワークWの搬送に利用される円盤状の部材である。ターンテーブル26は、その外周側の領域に、その周方向に等間隔に複数の貫通孔が設けられている。各貫通孔を、サイジング前後のワークWを収納する収納孔26hとする。代表的には、各収納孔26hは同一形状、同一内径を有する円孔であり、その内径は、ワークWを内包する最大円の直径よりも大きい。
図4では、合計8個の収納孔26hを備えるターンテーブル26を例示する。収納孔26hの個数は、適宜変更できる。
【0029】
各収納孔26hは、ターンテーブル26の回転に伴って、サイジング装置1(
図1)外からワークWが供給される供給位置F、ダイ20にワークWを供給して成形する成形位置S、サイジング後のワークWをダイ20からサイジング装置1外に排出する排出位置Eなどに配置される。この例では、ターンテーブル26の直径方向の対向位置を成形位置S及び供給位置Fとし、供給位置Fは支持台202の半円部分上に位置する(
図5も参照)。供給位置Fからターンテーブル26の周方向に収納孔26h一つ分だけ隣の位置(
図4では左隣)を排出位置Eとする。ターンテーブル26の供給位置Fの近傍にワークWを搬送するベルトコンベアなどの搬送機構(図示せず)を設けておき、この搬送機構からハンドリングロボット(図示せず)などを利用して収納孔26hにワークWを供給する構成とすると、ワークWを連続的に自動供給できる。成形位置Sにある収納孔26hでは、この収納孔26hから挿入孔201hを経て(
図5)、ダイ20(ダイ孔20h)と下パンチ24とでつくられるキャビティに向かってワークWが落下することで、上記キャビティにワークWを自動的に供給する。サイジング後、ダイ20から抜き出されたワークWを下パンチ24(
図1)で押し上げて、成形位置Sにある収納孔26hに再度収納する。排出位置Eにある収納孔26hでは、この収納孔26hからダイプレート201の排出孔202hを経て(
図5)、ダイプレート201外にサイジング後のワークWが落下することで、サイジング装置1外にワークWを自動的に排出する。排出孔202hの下方にワークWを搬送するベルトコンベアなどの搬送機構(図示せず)を設けておくと、サイジング後のワークWを次工程に自動的に搬送できる。
【0030】
この例のターンテーブル26は、ダイプレート201に対して着脱可能な部材であり、ダイプレート201との係合部として、上述の軸位置決め部206を嵌め込む取付穴266(
図2)を備える。この例の取付穴266は、ターンテーブル26においてダイプレート201との対向面(
図2では下面)に開口し、その中心軸をターンテーブル26の中心軸C
Tと同軸とする円穴である。
図5に示すターンテーブル26を下方から見上げると、後述する接続部260に対応する位置と同位置に円形状の凹みがあり、この凹みを取付穴266とする。この例では、ダイプレート201の軸位置決め部206と、ターンテーブル26の取付穴266との嵌め合いによって、ダイプレート201に対してターンテーブル26を精度よく、自動的に位置決めできる。即ち、ダイプレート201の支持台202の中心軸とターンテーブル26の中心軸C
Tとの軸合せ、ダイ孔20hの中心軸C
Dとターンテーブル26における成形位置Sにある収納孔26hの中心軸C
hとの軸合せなどを自動的に行える。また、この例では、上述の嵌め合いによって、ターンテーブル26における成形位置Sの収納孔26hと支持台202の挿入孔201h、排出位置Eの収納孔26hと排出孔202hとが自動的に合致する。そのため、作業者による上述の中心軸の軸合せや孔の位置合わせなどが実質的に不要であり、軸合せに必要な時間を短縮できる。
【0031】
更に、この例のターンテーブル26は、上パンチ22との対向面(
図2では上面)に後述するテーブル駆動機構36(
図1)による回転力をターンテーブル26に伝達する伝達部362(
図1)との接続部260を備える。この例の接続部260は、上パンチ22との対向面から上パンチ22側(
図2では上側)に突出する円柱状の台であり、ターンテーブル26の中心軸C
Tに同軸に設けられる。ターンテーブル26は、接続部260及び伝達部362を介して、テーブル駆動機構36による回転力が伝達されるように、テーブル駆動機構36に組み付けられ(
図1)、テーブル駆動機構36によって回転される。接続部260の形状、大きさは、テーブル駆動機構36、及び伝達部362に応じて適宜選択することができる。なお、ターンテーブル26をテーブル駆動機構36によって回転可能な構成を備えていれば、接続部260や伝達部362は省略できる。
【0032】
その他、この例では、ターンテーブル26の各収納孔26hにワークWの外形に応じたワーク保持部(図示せず)が嵌め込まれる。ワーク保持部は、ワークWの外形に応じた挿入穴が設けられ、挿入穴の内周面から挿入穴の内部空間に向かって突出してワークWを保持する圧子(例、ボールプランジャなど)を備えるものが挙げられる。ワーク保持部には公知の構成のものが利用できる(特許文献1,2参照)。ターンテーブル26の各収納孔26hにワーク保持部を着脱する構成とすると、単一のターンテーブル26を種々の形状、大きさのワークWに対して共通に利用できる。
【0033】
((その他のプレートと組立状態))
この項は、主に
図2を参照して説明する。
この例では、上から順に、上パンチプレート221、ターンテーブル26、ダイプレート201、ベースプレート241が並び、各プレート間に上側ガイドポスト212、下側ガイドポスト214が並ぶ。
【0034】
この例のダイセット2は、上パンチ22を保持するホルダ220と、ホルダ220を支持する上パンチプレート221とを備える。上パンチプレート221は、プレス本体3に取り付けられる。この例では、上パンチ22の上昇をエアシリンダー(図示せず)で行い、上パンチ22の下降を上パンチ駆動機構32によって行う。上パンチ駆動機構32を稼働すると、上パンチプレート221が下降することで、上パンチ22も下降する。
【0035】
また、この例のダイセット2は、下パンチ24を保持する下パンチプレート240と、プレス本体3に固定されるベースプレート241と、下パンチ駆動機構34との接続部245が設けられた可動プレート243とを備える。下パンチプレート240と可動プレート243とは、ベースプレート241に挿通配置されるロッドによって連結される。下パンチ駆動機構34を稼働すると、固定プレートであるベースプレート241に対して可動プレート243が上昇することで、下パンチプレート240及び下パンチ24も上昇する。下パンチ駆動機構34を停止すると、自重によって、下パンチ24が下降する。
【0036】
この例では、ベースプレート241をプレス本体3に固定することでプレス本体3に対するダイ20の上下の相対位置が実質的に変化せず、プレス本体3に対して上パンチ22及び下パンチ24が上下動する。
【0037】
(プレス本体)
((概要構成))
以下、主に
図3を参照してプレス本体3を説明する。
プレス本体3は、所定の位置に取り付けられたダイセット2に備える上パンチ22及び下パンチ24を実際に動作させる駆動機構を備える。詳しくは、プレス本体3は、上パンチ22に連結されて上パンチ22を動作させる上パンチ駆動機構32と、下パンチ24に連結されて下パンチ24を動作させる下パンチ駆動機構34とを備える。この例のプレス本体3は、更に、ターンテーブル26を回転させるテーブル駆動機構36を備える。
【0038】
((パンチ駆動機構))
上パンチ駆動機構32、下パンチ駆動機構34には、上述のように上パンチ22を下降させたり、下パンチ24を上昇させたりするといった動作が可能な種々の機構、例えば、油圧ラムシリンダなどが利用できる。油圧ラムシリンダの駆動には作動油が用いられる。プレス本体3は、上記作動油をシリンダに供給するモータなどの動力源(図示せず)を備える。なお、この例では、上パンチ駆動機構32は、プレス本体3の背面側(
図1,
図3の紙面奥側)に位置し、テーブル駆動機構36は、プレス本体3の正面側(
図1,
図3の紙面手前側)に位置し、両者は、前後の位置がずれている。プレス本体3の側面であって背面近くには、上パンチ駆動機構32に備えるクラッチ及びブレーキ、フライホイールなどが設けられる。
【0039】
上パンチ駆動機構32、下パンチ駆動機構34として、油圧ラムシリンダを利用する場合、上パンチ22と上パンチ駆動機構32との間、下パンチ24と下パンチ駆動機構34との間はそれぞれ、作動油を流通するホース部(図示せず)によって連結する。例えば、ダイセット2には、上パンチ22及び下パンチ24にそれぞれ連結されるカプラ付きホース片(図示せず)を備え、プレス本体3には、上パンチ駆動機構32及び下パンチ駆動機構34にそれぞれ連結されるカプラ付ホース片(図示せず)を備えることが挙げられる。プレス本体3にダイセット2を取り付ける際に、ダイセット2側のカプラと、プレス本体3側のカプラとを接続することで、連続するホース部を構築できる。
【0040】
((テーブル駆動機構))
テーブル駆動機構36には、インデックステーブルの回転に利用される種々の構成の回転アクチュエータが利用できる。この例のテーブル駆動機構36は、ローラーギアカム機構を備えるインデックス装置(市販品、図示せず)を備える。この例のローラーギアカム機構は、1次側の原動車が1回転する間に2次側の従動車が1/8回転するように構成されたものである。従動車の回転中心がターンテーブル26の中心軸C
Tに同軸に設けられる。プレス本体3は、インデックス装置を駆動する動力源(図示せず、この例では原動車を回転させるモータなど)を備える。
【0041】
なお、テーブル駆動機構36としてローラーギアカム機構を備えるこの例のサイジング装置1は、ターンテーブル26に回転力を伝達する伝達部362がターンテーブル26の外縁よりも内側に配置される。一方、上述の外ゼネバ機構を備える従来のサイジング装置では、ターンテーブル26が従動車であり、回転力の伝達部材となる原動車がターンテーブル26外に位置する。
【0042】
((伝達部362))
この例のプレス本体3は、更に、テーブル駆動機構36による回転力をターンテーブル26に直接伝える伝達部362を備える。この例の伝達部362は、ターンテーブル26の中心軸C
Tに同軸に配置され、上述の従動車とターンテーブル26の接続部260とを連結する棒状の部材であり、ターンテーブル26の中心部に立設するように配置される。
【0043】
(その他)
その他、サイジング装置1は、ダイセット2をプレス本体3側に移動させる移動機構(図示せず)、移動状態などを検出する各種のセンサ類、センサ類などからの情報に基づき、この移動機構を制御する制御部(図示せず)を備えることができる。制御部が移動機構を動作させることで、重量物であるダイセット2をプレス本体3まで容易に、かつ自動的に移動できる。また、サイジング装置1は、プレス本体3の所定の位置に配置されたダイセット2を固定するクランプ機構(図示せず)、把持状態などを検出する各種のセンサ類、センサ類などからの情報に基づき、このクランプ機構を制御する制御部(図示せず)を備えることができる。移動機構、クランプ機構や制御部などは公知の構成(例えば、特許文献3)などを参照できる。
【0044】
(ワーク)
ワークW(
図4)とする焼結体は、代表的には、金属粉末を主体とする原料粉末をプレス装置で所定の形状に成形し、得られた粉末成形体を焼結した金属焼結体が挙げられる。金属粉末は、例えば、鉄系粉末、アルミニウム系粉末などが挙げられる。
図1では、円柱といった中実の焼結体を例示するが、貫通孔を有する環状、筒状の焼結体など種々の形状のものとすることができる。環状又は筒状の焼結体にサイジング処理を施す場合、ダイセット2は、焼結体の貫通孔に挿通するコアロッド部(図示せず)を備え、プレス本体3は、コアロッド部を動作させる駆動機構(特許文献1、昇降用アクチュエータなど参照)を備えることが挙げられる。下パンチ駆動機構34をコアロッド部の駆動機構に兼用してもよい。
【0045】
(ダイセットの交換作業)
以下、ダイセット2の交換手順を簡単に説明する。
(1)ダイセット2をプレス本体3の外部でセットする。この例では、上述のように上から順に、上パンチプレート221及び上パンチ22、ターンテーブル26、ダイ20及びダイプレート201、下パンチ24及びベースプレート241と並ぶようにダイセット2を組み立てる。また、この例では、上述のようにダイプレート201の軸位置決め部206にターンテーブル26の取付穴266を嵌め込むことで、ダイプレート201の軸位置決め部206の中心軸とターンテーブル26の中心軸C
Tとの軸合せ、ダイ20のダイ孔20hの中心軸C
Dとターンテーブル26の収納孔26hの中心軸C
hとの軸合せなどを自動的に行う。
【0046】
(2)ダイセット2をプレス本体3の所定の位置まで移動させる。この例では、上述の移動機構及び制御部を備えており、この移動を自動的に行える。この移動の際、ターンテーブル26は、上述の嵌め込みによってダイプレート201から脱落せず、ダイプレート201に安定して保持される。
【0047】
(3)プレス本体3の所定の位置に配置されたダイセット2をプレス本体3に固定する。この例では、上述のクランプ機構及び制御部を備えており、ダイセット2の所定の箇所(ベースプレート241など)を自動的に把持して、固定できる。
【0048】
(4)上パンチプレート221と上パンチ駆動機構32とを連結し、下パンチプレート240(可動プレート243の接続部245)と下パンチ駆動機構34とを連結する。この例では、ターンテーブル26の接続部260と伝達部362とを連結する。この連結によって、テーブル駆動機構36を駆動すると、ターンテーブル26の中心軸C
Tを回転中心としてターンテーブル26を間欠的に回転できる。
【0049】
(焼結体の製造方法)
実施形態1のサイジング装置1は、焼結体(ワークW)からなる焼結部品の製造に好適に利用できる。実施形態の焼結体の製造方法は、実施形態1のサイジング装置1を用いて、焼結体(ワークW)を矯正する工程を備える。この矯正工程では、ワークWの形状、大きさに応じて、上述のようにダイセット2を用意して、プレス本体3に対してダイセット2を随時交換することで、所定の寸法矯正を行える。
【0050】
(主要な効果)
実施形態1のサイジング装置1は、ダイセット2にターンテーブル26を備えるため、ダイ孔20hの中心軸C
Dとターンテーブル26における成形位置Sにある収納孔26hの中心軸C
hとの位置合わせ、各収納孔26hへの保持ユニットの嵌め込みなどの作業をプレス本体3外で行える。従って、実施形態1のサイジング装置1は、ダイセット2の交換の際、上述の作業を上述の従来のサイジング装置よりも容易に行えて、ダイセット2の交換作業性に優れる。また、実施形態1のサイジング装置1は、上述の作業を稼働中に行える。即ち、サイジング装置1に取り付けられた現在のダイセット2によるサイジング処理と、次回以降に用いる別のダイセット2のセッティングと同時並行して行える。従って、実施形態1のサイジング装置1は、稼働停止時間を、上述の従来のサイジング装置に比較して短縮できて、焼結部品の生産性の向上にも寄与する。
【0051】
更に、この例のサイジング装置1は、以下の効果も奏する。
(1)ダイプレート201の軸位置決め部206にターンテーブル26の取付穴266を嵌め込むことで上述の中心軸C
D,C
hを同軸に位置決めできるため、組立作業性に優れる。
(2)ダイプレート201の軸位置決め部206とターンテーブル26の取付穴266との嵌め合いによって、上述の中心軸C
D,C
hが同軸に位置決めされた状態がずれることが無く、使用初期から長期に亘り安定してサイジング処理を行える。
【0052】
実施形態の焼結体の製造方法は、焼結体(ワークW)の寸法矯正に、実施形態1のサイジング装置1を利用するため、サイジング装置1の稼働停止時間を短くでき、種々の形状、大きさの焼結体を連続的に製造できる。従って、実施形態の焼結体の製造方法は、寸法精度に優れる焼結体を量産でき、焼結部品の生産性に優れる。
【0053】
本発明は実施形態に示される構成に限定されるわけではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内の全ての変更が含まれることを意図する。
例えば、以下の少なくとも一つの変更が可能である。
(1)ダイセット2にテーブル駆動機構を備える。
(2)ダイプレート201を、排出孔202hを有してないものとする。この場合、ワークWをボールプランジャなどの適宜な保持部材で保持したり、ロボットで掴んだりして、ワークWをダイ20に供給したり、ダイ20から排出したりする構成とすることが挙げられる。