(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6843364
(24)【登録日】2021年2月26日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】滑り防止型トルク工具
(51)【国際特許分類】
B25B 13/02 20060101AFI20210308BHJP
【FI】
B25B13/02 C
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-500176(P2020-500176)
(86)(22)【出願日】2018年7月12日
(65)【公表番号】特表2020-526405(P2020-526405A)
(43)【公表日】2020年8月31日
(86)【国際出願番号】IB2018055172
(87)【国際公開番号】WO2019012486
(87)【国際公開日】20190117
【審査請求日】2020年2月13日
(31)【優先権主張番号】62/531,828
(32)【優先日】2017年7月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/639,619
(32)【優先日】2018年3月7日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518381042
【氏名又は名称】グリップ・ホールディングズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100139778
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 潔
(72)【発明者】
【氏名】ポール・ククカ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ステファン・ククカ
【審査官】
須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2009/0007732(US,A1)
【文献】
米国特許第06009778(US,A)
【文献】
特開平03−136772(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0288824(US,A1)
【文献】
特開2003−340733(JP,A)
【文献】
特開2008−155360(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0027278(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0156150(US,A1)
【文献】
登録実用新案第3027923(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0235787(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0194586(US,A1)
【文献】
米国特許第06098501(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンチトルク工具本体と、
少なくとも1つの係合要素とを含み、
前記レンチトルク工具本体は、複数の内部側壁と、第1の底面と、第2の底面とを含み、
前記複数の内部側壁のそれぞれは、第1の側縁と、第2の側縁と、支持面とを含み、
前記係合要素は、第1の溝の対と第2の溝の対とを含み、
前記複数の内部側壁は、前記レンチトルク工具本体の回転軸の周りに放射状に分布しており、
前記係合要素は、前記複数の内部側壁から特定の側壁として横方向に統合されており、
前記第1の溝の対と前記第2の溝の対は、前記特定の側壁の前記支持面に沿って互いにオフセットして配置されており、
前記第1の溝の対と前記第2の溝の対のそれぞれは、主キャビティおよび副キャビティを含み、
前記主キャビティと前記副キャビティは、前記特定の側壁の前記支持面を垂直に横断し、
前記主キャビティと前記副キャビティは交差部分において互いに交差し、
前記交差部分は、前記特定の側壁の前記支持面と同一直線上になく、
前記副キャビティの深さは前記主キャビティの深さより大きく、
前記主キャビティと前記副キャビティは、前記第1の底面から前記第2の底面まで前記レンチトルク工具本体内を横断し、
前記第1の溝の対の前記主キャビティは、前記第2の溝の対の前記主キャビティに隣接して配置されている、
滑り止め機能を備えたレンチ工具。
【請求項2】
さらに、
取付体と、
係合ボアとを含み、
前記取付体は、前記回転軸の周りに同軸で配置されており、
前記取付体は、前記第2の底面に隣接して接続されており、
前記係合ボアは、前記回転軸を中心として、前記レンチトルク工具本体の反対側に形成されている、
請求項1に記載のレンチ工具。
【請求項3】
さらに、
取付体を含み、
前記取付体は、前記回転軸の周りに同軸で配置されており、
前記取付体は、前記第2の底面に隣接して接続されている、
請求項1または請求項2に記載のレンチ工具。
【請求項4】
さらに、
レンチハンドルを含み、
前記レンチハンドルは、外方向かつ横方向に前記レンチトルク工具本体に接続されている、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のレンチ工具。
【請求項5】
さらに、
ファスナ受容孔を含み、
前記ファスナ受容孔は、前記回転軸に垂直に前記レンチトルク工具本体を貫通し、
前記ファスナ受容孔は、前記レンチトルク工具本体に対して、前記レンチハンドルの反対側に配置されており、
前記ファスナ受容孔は、前記特定の側壁に平行な向きである、
請求項4に記載のレンチ工具。
【請求項6】
前記係合要素は、さらに、主鋸歯の集合と副鋸歯の集合とを含み、
前記主鋸歯の集合は、前記第1の溝の対と前記特定の側壁の前記第1の側縁との間に位置し、
前記主鋸歯の集合は、前記特定の側壁の前記支持面に横方向に統合されており、
前記主鋸歯の集合の各要素が、前記第1の底面から第2の底面まで延びており、
前記副鋸歯の集合は、前記複数の内部側壁と対向する側壁に隣接して配置されており、
前記対向する側壁は、前記レンチトルク工具本体に対して、前記特定の側壁と平行かつ反対側に配置されており、
前記副鋸歯の集合は、前記対向する側壁の前記支持面に横方向に統合されており、
前記副鋸歯の集合は、前記対向する側壁の前記第1の側縁に隣接して配置されており、
前記副鋸歯の集合の各要素が、前記第1の底面から第2の底面まで延びている、
請求項5に記載のレンチ工具。
【請求項7】
複数の内部側壁の中間側壁は、前記特定の側壁と前記対向する側壁との間に垂直に配置され、
前記中間側壁の断面全体が部分円形の断面であり、
前記部分円形の断面は、前記中間側壁の前記第1の側縁から前記第2の側縁への方向に沿って凹状である、
請求項6に記載のレンチ工具。
【請求項8】
前記複数の内部側壁は、任意の側壁と隣接する側壁を含み、
前記任意の側壁は、湾曲したコーナーを介して隣接する側壁に隣接する、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のレンチ工具。
【請求項9】
前記複数の内部側壁のそれぞれの断面全体が部分円形であり、
前記部分円形の断面は、前記第1の側縁から前記第2の側縁への方向に沿って凸状である、
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のレンチ工具。
【請求項10】
前記主キャビティの断面全体が部分円形の断面であり、
前記部分円形の断面は、前記第1の側縁から前記第2の側縁への方向に沿って凹状である、
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のレンチ工具。
【請求項11】
前記副キャビティの断面全体が部分円形の断面であり、
前記部分円形の断面は、前記第1の側縁から前記第2の側縁への方向に沿って凹状である、
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のレンチ工具。
【請求項12】
前記係合要素は主鋸歯の集合をさらに含み、
前記主鋸歯の集合は、前記特定の側壁の前記第1の溝の対と前記第1の側縁との間に延在し、
前記主鋸歯の集合は、前記特定の側壁の前記支持面に横方向に統合されており、
前記主鋸歯の集合内の各要素が、前記第1の底面から前記第2の底面まで延びている、
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のレンチ工具。
【請求項13】
前記係合要素は、主鋸歯の集合をさらに含み、
前記主鋸歯の集合は、前記特定の側壁の前記第2の溝の対と前記第2の側縁との間に延在し、
前記主鋸歯の集合は、前記特定の側壁の前記支持面に横方向に統合されており、
前記主鋸歯の集合内の各要素が、前記第1の底面から前記第2の底面まで延びている、
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のレンチ工具。
【請求項14】
前記係合要素が、前記特定の側壁の前記第1の側縁と前記第2の側縁との間の中央に位置する、
請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のレンチ工具。
【請求項15】
少なくとも1つの係合要素は、複数の係合要素であり、
前記複数の係合要素は回転軸の周りに放射状に分布し、
前記複数の係合要素の各要素は、前記複数の内部側壁の対応する側壁に横方向に統合されている、
請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のレンチ工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、一般には、ファスナ(締結部品)、特にボルトやナットを締めたり緩めたりするために設計された工具に関し、より具体的には、2組の係合歯によって、滑る可能性がほとんどない、ボルトやナットなどのファスナ(締結具)に係合するように設計された滑り止め機能を備えたトルク工具に関する。
【0002】
本出願は、2017年7月12日に出願された米国仮特許出願出願番号62/531,828の優先権を主張する。また、本出願は、2018年3月7日に出願された米国仮特許出願出願番号62/639,619の優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
六角ボルト、ナット、ネジ、およびその他の同様のネジ山が切られたデバイスを使用して、雌ネジと呼ばれる相補的なネジに係合することにより、複数の部品を固定および保持できる。これらのタイプのファスナの一般的構造は、雄ネジとシャフトの一端にあるヘッドを備えた円筒形シャフトである。雄ネジは、穴またはナット側に切られた相補的な雌ネジに係合し、ファスナを所定の位置に固定し、関連する構成要素を結合する。ヘッドは、ファスナを回転し、雌ネジにねじ込むための手段である。ヘッドの形状は、レンチなどの外部工具がファスナにトルクを加えて、回転させ、相補的な雌ネジに所定の角度で噛み合わせることができるように特別に形作られている。この種のファスナは、単純で、非常に効果的で、安価であることから、現代の建築分野できわめて一般的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のファスナを使用する際の最も一般的な問題の1つは、雄ネジであろうと雌ネジであろうと、ツアー区工具がヘッド部分の内部または外部で滑ることである。一般的に、これは、ファスナまたは工具の摩耗、腐食、締め過ぎ、または、ファスナのヘッド部分の損傷が原因である。本願発明は、滑りを実質的に排除するレンチまたはレンチソケットの設計である。
【発明の効果】
【0005】
本願発明は、工具とヘッド部分との間に十分な接触が行われることを保証するために、ソケットの内部側壁の複数の凹部領域を使用する。本願発明により、余分な穴開け作業や工具を必要とする、一般的なボルト抜き取り装置が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】本願発明に係るレンチ工具の上面拡大図である。
【
図6】本願発明に係るレンチ工具の代替実施形態の斜視図である。
【
図7】本願発明に係るレンチ工具の代替実施形態の底面斜視図である。
【
図8】本願発明に係るレンチ工具の代替実施形態の上面図である。
【
図10】本願発明に係るレンチ工具のさらに別の実施形態の上面拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
すべての図は、本願発明の特定の態様を説明するためのものであり、本願発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0008】
本願発明は、ナットまたはボルトなどのファスナを締めたり緩めたりするために使用される滑り防止型トルク工具である。従来のレンチやレンチソケットの設計では、トルクの大部分がファスナのヘッドの側面の角部からファスナに伝達される。時間の経過と共に、側面の角部の劣化により、トルクがレンチからファスナのヘッドに伝達される効率が低下し、その結果、滑りが生じる。本願発明は、ファスナのヘッドの損耗のあるなしに関係なく、ファスナのヘッドに追加の噛み合い点を提供するための、トルク工具の側面に設けられた溝の使用によりこの問題を克服する。
【0009】
本願発明は、ファスナにトルクを効率的に加えるために、(損傷しているかいないかにかかかわらず)ファスナヘッドの角に係合する歯の集合を利用する。歯の集合により、トルク工具によってファスナヘッドに適用されるグリップ力が増加する。本願発明に係るレンチ工具は、ファスナに加えられるトルク力を増加させるために、様々な一般的工具に統合されるか、またはそれらによって利用されてもよい。ここで、一般的な工具には、オープンエンドレンチ、モンキーレンチ、パイプレンチ、ソケットレンチ、配管レンチ、および、その他の同様のファスナ係合工具が含まれるが、これらに限定されない。本願発明は、雄部材に基づくファスナのヘッド設計と互換性がある。雄ネジとも呼ばれる雄型部材のヘッドデザインを利用するファスナは、ファスナヘッドの外側面を使用して工具と契合し、締めたり緩めたりするために使用される。この種のファスナとしては、六角ボルトとナットがある。さらに、本願発明は、右ねじのファスナおよび左ねじのファスナの両方と互換性がある。さらに、本願発明は、異なるタイプおよび異なるサイズのファスナに適合するように変更および構成されてもよい。
【0010】
図1に示すように、本願発明は、レンチトルク工具本体(1)および少なくとも1つの係合要素(16)を含む。レンチトルク工具本体(1)は、ファスナヘッドにトルクを加える物理的構造として使用される。特に、レンチトルク工具本体(1)は、本質的にレンチソケットであり、インターロック方式で雄ファスナ上に適合するサイズの管状押出物であってよい。レンチトルク工具本体(1)は、複数の内部側壁(2)、第1の底面(13)、および第2の底面(14)を備える。レンチトルク工具本体(1)の長さ、幅、および、直径は、異なるサイズのファスナに適合するように様々であってよい。複数の内部側壁(2)は、係合するファスナと相補的な形状のファスナ収容キャビティを画定する。特に、複数の内部側壁(2)は、レンチトルク工具本体(1)の周りに放射状に分布していてよい。さらに、複数の内部側壁(2)のそれぞれは、第1の側縁(3)、第2の側縁(4)、および支持面(5)を含む。
【0011】
係合要素(16)は、レンチトルク工具本体(1)とファスナヘッドとの間の滑りを防止する。一般に、係合要素(16)は、複数の内部側壁(2)の特定の側壁(6)に横方向に形成される歯状の部材である。ここで、特定の側壁(6)とは複数の内部側壁(2)のいずれかを示す。
図2と
図3に示すように、係合要素(16)は、第1の溝の対(17)および第2の溝の対(18)を含む。第1の溝の対(17)および第2の溝の対(18)は、特定の側壁(6)の支持面(5)に沿って互いにオフセットした位置に配置され、その間の噛み合い歯の輪郭を形成する。より詳細には、第1の溝の対(17)および第2の溝の対(18)はそれぞれ、主キャビティ(19)および副キャビティ(22)を含む。主キャビティ(19)および副キャビティ(22)はそれぞれ、特定の側壁(6)の支持面(5)を垂直に横断する。さらに、主キャビティ(19)および副キャビティ(22)はそれぞれ、第1の底面(13)から第2の底面(14)までレンチトルク工具本体(1)内を横断することで、係合歯がレンチトルク工具本体(1)レンチの回転軸(15)に沿って延伸することを保証する。
【0012】
本願発明は、時計回りおよび反時計回りの両方向において、多数の把持点を提供するように設計されている。最も効率的な把持動作および対称的設計のために、第1の溝の対(17)および第2の溝の対(18)は、好ましくは、特定の側壁(6)の第1の側縁(3)と第2の側縁(4)との間の中央に配置されるが、第1の溝の対(17)および第2の溝の対(18)が異なる配置であってもよい。さらに、第1の溝の対(17)と第2の溝の対(18)は、互いに対照的に配置される。より具体的には、
図3に示すように、第1の溝の対(17)の主キャビティ(19)は、第2の溝の対(18)の主キャビティ(19)に隣接して配置される。その結果、第1の溝の対(17)および第2の溝の対(18)は、特定の側壁(6)の支持面(5)の矢状面に関して互いに鏡映する位置にある。これにより、時計回りまたは反時計回りのいずれかの回転でも、ファスナヘッドに把持作用を提供する対称的な係合歯が生成される。
【0013】
図2と
図3に示されるように、第1の溝の対(17)および第2の溝の対(18)は、高応力点が最小になるよう設計される。より具体的には、主キャビティ(19)の断面(21)が全体的に、部分円形の断面であることが好ましい。ここで、部分円形の断面は、特定の側壁(6)の第1の側縁(3)から第2の側縁(4)に向かう面に対して凹状である。同様に、副キャビティ(22)の断面(24)が全体的に、部分円形の断面であることが好ましい。部分円形の断面は、特定の側壁(6)の第1の側縁(3)から第2の側縁(4)に向かう面に対して凹状である。結果として、主キャビティ(19)および副キャビティ(22)のそれぞれの高応力点が最小になり、本願発明係る工具の耐久性および寿命を増加させる。主キャビティ(19)および副キャビティ(22)の深さ、サイズ、位置、向き、および曲率は、ユーザーのニーズおよび好みを満たすために変更されてよい。
【0014】
図3に示されるように、第1の溝の対(17)および第2の溝の対(18)は、十分な把持作用を提供するように設計され、さらに第1の把持点と第2の把持点とを含む。第1の把持点および第2の把持点は、主キャビティ(19)および副キャビティ(22)の構成と位置によって形成される。第一に、副キャビティ(22)の深さ(23)は、主キャビティ(19)の深さ(20)よりも大きい。第二に、主キャビティ(19)と副キャビティ(22)は互いに部分的に交差する。第1の把持点は、副キャビティ(22)と主キャビティ(19)との交差部分に形成される。第2の把持点は、主キャビティ(19)と特定の側壁(6)によって形成され、具体的には係合歯となる。より具体的には、第2の把持点は、主キャビティ(19)を挟んで第1の把持点の反対側に位置する。結果として、ファスナヘッドの摩耗に応じて、3つの異なる接触点が使用されてトルクをファスナヘッドに伝達する。ファスナヘッドが摩耗していない場合、複数の内部側壁(2)の支持面(5)がトルク力を加える。ファスナヘッドが部分的に摩耗している場合、ファスナヘッドの係合角が特定の側壁(6)をすり抜けて、第1の溝の対(17)の副キャビティ(22)に落ち、第1の溝の対(17)第1の把持点に係合する。係合角が第2の溝の対(18)の係合する場合も同一のプロセスが発生する。
【0015】
ファスナヘッドが大きく摩耗している場合、係合角は特定の側壁(6)と第1の把持点を通過し、第1の溝の対(17)の第2の把持点に押し付けられる。係合角が第2の溝の対(18)に係合する時も、同じプロセスが発生する。係合角は、第1の溝の対(17)または第2の溝の対(18)のいずれかに最も近いファスナヘッドの特定の角である。
【0016】
本願発明の一実施形態では、
図2に示されるように、係合要素(16)は、主鋸歯の集合(25)をさらに含む。主鋸歯の集合(25)内の各要素は、追加の把持点を提供するように設計された形状の歯である。主鋸歯の集合(25)内の要素のサイズ、深さ、形状、および数は変更されてよい。主鋸歯の集合(25)は、第1の溝の対(17)と特定の側壁(6)の第1の側縁(3)との間に延びている。特に、主鋸歯の集合(25)は、特定の側壁(6)の第1の側縁(3)から第1の溝の対(17)まで連続的に分布する多数の歯である。主鋸歯の集合(25)は、支持面(5)に横方向に統合される。さらに、特定の側壁(6)の主鋸歯の集合(25)内の各要素は、主鋸歯の集合(25)とファスナヘッドとの間の適切な表面接触を確実にするために、第1の底面(13)から第2の底面(14)まで延びる。この実施形態は、時計回りに回転するように設計されている例である。
【0017】
複数の内部側壁(2)は、ファスナヘッドと係合要素(16)との間の係合をさらに効果的にするよう設計されている。より具体的には、複数の内部側壁(2)は、任意の側壁(10)および隣接する側壁(11)を含む。ここで、任意の側壁(10)は、複数の内部側壁(2)のいずれかを示す。任意の側壁(10)は、湾曲したコーナーによって隣接する側壁(11)に隣接している。結果として、複数の内部側壁(2)内に形成された角は、ある程度湾曲しており、その湾曲の程度は、ユーザーの要件や好みに応じて変更されてよい。極端な場合、湾曲した角は、
図1に示すように、レンチトルク工具本体(1)の中に、それに沿って横断する半円形の穴として実装される。ファスナヘッドと係合要素(16)との間の係合を効果的にする別の特徴として、複数の内部側壁(2)のそれぞれの湾曲がある。
図9に示すように、複数の内部側壁(2)のそれぞれの断面全体(12)は、部分的に円形の断面であることが好ましい。ここで、部分的に円形の断面とは、第1の側縁(3)から第2の側縁(4)への方向に沿って凸状である。これにより、係合要素(16)の係合点が回転軸(15)により近く、したがってファスナヘッドの側面により近い位置に位置決めされる。
【0018】
本願発明の1つの実施形態は、
図1に示すように、複数のグリップ機能を備えたオープンエンドレンチである。
図5に示すように、この特定の実施形態は、レンチトルク工具本体(1)、係合要素(16)、ファスナ受容孔(30)、レンチハンドル(29)、および副鋸歯の集合(26)を含む。この実施形態では、係合要素(16)は、主鋸歯(25)も含む。副鋸歯の集合(26)は、追加の把持点を提供する。特に、副鋸歯の集合(26)は、複数の内部側壁(2)から対向する側壁(7)に隣接して配置される。ここで、対向する側壁(7)は、レンチトルク工具本体(1)を横切って特定の側壁(6)に平行かつ対向して配置されている。さらに、副鋸歯の集合(26)は、それぞれが内側にある状態で対向する側壁(7)の支持面(5)に横方向に統合され、副鋸歯の集合(26)の各要素は、第1の底面(13)から第2の底面(14)まで延びている。これは、ファスナヘッドの両側に把持点を提供する。さらに、この実施形態では、複数の内部側壁(2)は、最大のクリアランスおよび係合のために特に湾曲している。特に、複数の内部側壁(2)の中間側壁(8)は、特定の側壁(6)と対向する側壁(7)との間に垂直に配置される。中間側壁(8)は、ファスナヘッドに隙間を提供し、ファスナヘッドが係合要素(16)と係合する可能性を増すために凹型の形状を成す。より具体的には、
図4に示すように、中間側壁(8)の断面(9)全体は、部分円形の断面であり、前記部分円の断面は、中間側壁(8)の第1の測縁(3)から第2の測縁(4)に向かう方向に対して凹状である。さらに、
図5に示すように係合要素(16)を回転軸(15)の近くに配置するために、上記のとおり、特定の側壁(6)と対向する側壁(7)は凸曲面を構成してもよい。
【0019】
レンチハンドル(29)は、レンチトルク工具本体(1)に外側方向かつ横方向に接続されており、レバーアームとして機能して、ファスナに加えられるトルクを実質的に増加させる。レンチハンドル(29)の長さは、ファスナを取り外すのに必要なトルクに応じて異なってよい。レンチハンドル(29)を長くするとより大きなトルクが発生し、その逆も成り立つ。さらに、レンチハンドル(29)の一般的形状、設計、および、素材も、ユーザーのニーズに対応するために変更されてよい。たとえば、レンチハンドル(29)は、使用者の使いやすさと快適さを向上させるために、様々な領域でパッドを付加されてもよい。
【0020】
図6に示すように、本願発明の一実施形態は、複数の係合要素(16)を含む。これは、本願発明に追加の把持作用を提供する。
図8に示すように、複数の係合要素(16)は、回転軸(15)の周りに放射状に分布し、複数の係合要素(16)のそれぞれは、複数の内部側壁(2)の対応する側壁の横方向に統合されている。複数の係合要素(16)の数と複数の内部側壁(2)の数は変更されてよい。一実施形態においては、複数の係合要素(16)は複数の内部側壁(2)と等しい。他の実施形態においては、
図6に示すように、複数の係合要素(16)は、複数の内部側壁(2)の一つおき上に配置される。
図10は、複数の係合要素(16)内のそれぞれが主鋸歯の集合(25)を含む本願発明の実施形態を示す。
【0021】
また、本願発明に係る工具は、外部トルク工具がレンチトルク工具本体(1)に取り付けられ、ファスナに加えられるトルク力を増大させることを可能にする取り付け機能を組み込んでいてよい。
図7に示すように、本願発明に係る一実施例は、ソケットレンチなどの外部工具をレンチトルク工具本体(1)に取り付けることを可能にする取付体(27)および係合ボア(28)を備える。取付体(27)は、
図6に示すように、レンチトルク工具本体(1)と位置合わせするために。回転軸(15)を中心にして配置される。取付体(27)は、好ましくは、レンチトルク工具本体(1)の直径よりもわずかに大きい直径を有する円筒形である。係合ボア(28)は、レンチトルク工具本体(1)と反対側に、回転軸(15)に沿って取付体(27)内を横断する。係合ボア(28)は、ソケットレンチの雄型取付部材を受け入れる形状になっている。ソケットレンチの大半は正方形の取付部材を使用しているため、好ましい形状は正方形である。代替の実施形態では、係合ボア(28)および取付体(27)の形状および設計は、異なるトルク工具および異なる取り付け手段に適合できるように変更されてもよい。一実施形態では、取付体(27)のみが使用されてもよい。この場合、取付体(27)は外部レンチ内に適合する形状である。たとえば、取付体(27)は六角形であってよいが、他の形状も使用されてよい。
【0022】
本願発明に係る工具のレンチバージョンは、さらに、ファスナ収容孔(30)を備えるオープンエンドレンチの実施形態として実施されてもよい。
図1に示すように、ファスナ収容孔(30)は、従来型のオープンエンドレンチと同様に、本願発明に係る工具とファスナヘッドを横方向にした状態で係合することを可能にする。具体的には、ファスナ収容孔(30)は、回転軸(15)に垂直にレンチトルク工具本体(1)を横断する。さらに、ファスナ収容孔(30)は、好ましくは、レンチ工具本体(1)においてレンチハンドル(29)の反対側に配置される。係合要素(16)に関して、ファスナ収容孔(30)は特定の側壁(6)に平行に配置されている。
【0023】
本願発明の一実施形態では、主キャビティ(19)と副キャビティ(22)は互いに重なり合って、1つの連続的なキャビティをもたらす。これにより、ファスナヘッドの角のための大きな収容スペースが確保され、損傷が激しいファスナヘッドに最適となる。この実施形態では、主鋸歯の集合(25)が、第1の溝の対(17)と第2の溝の対(18)との間に配置され、ファスナヘッドと本願発明に係る工具との間の適切な把持を確保する。具体的には、主鋸歯の集合(25)は、第1の溝の対(17)から第2の溝の対(18)まで延びている。本実施形態では、本願発明係る工具は、上述したように、副鋸歯の集合(26)を追加した、一組の追加のオープンエンドレンチの実装であることが好ましい。
【0024】
本願発明をその好ましい実施形態に関連して説明したが、本願発明の精神および範囲から逸脱することなく、他の多くの可能な修正および変更を行うことができることを理解されたい。