(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内部に景品が載置されるプレイフィールドと、前記プレイフィールド内に配設された景品取得装置と、前記プレイフィールド内の景品を排出するための景品排出口と、前記景品排出口から排出された景品を取出し可能な景品取出口と、前記景品取出口を開放状態と閉塞状態とに変化可能な開閉手段と、プレイヤーによる操作が可能な操作手段とを備え、前記操作手段の操作により前記景品取得装置を前記プレイフィールド内の所望の位置に移動させて景品を前記景品排出口から排出させる遊戯を行う景品取得ゲーム装置であって、
ネットワークを介して外部装置と情報通信を行う通信手段と、
前記操作手段の操作を受け付けることにより前記景品取得装置を移動させて景品を取得するための実機操作制御と、前記通信手段から操作情報を入力したことに基づいて前記景品取得装置を移動させて景品を取得するための遠隔操作制御とを実行可能な制御手段と、
前記開閉手段が前記閉塞状態から前記開放状態に変化することを阻止するためのロック手段とを備え、
前記ロック手段は、前記遠隔操作制御の実行中において、少なくとも景品が前記景品排出口から排出されてから、所定のロック解除条件が成立するまでは、前記開閉手段が前記閉塞状態から前記開放状態となることを阻止し、前記実機操作制御の実行中において、景品が前記景品排出口から排出されてから所定のロック条件が成立するまで、前記開閉手段が前記閉塞状態から前記開放状態となることを許容することを特徴とする景品取得ゲーム装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態に係る景品取得ゲーム装置(例えば、クレーンゲーム機)について、図面を参照しながら説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有するものについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0016】
まず、
図1を用いて、本発明を適用することができる景品取得ゲーム装置の一例としてのクレーンゲーム機100の全体構成について説明する。なお、
図1は、本実施形態におけるクレーンゲーム機の外観を示す斜視図である。本実施形態の説明において、左右、前後、上下とは、クレーンゲーム機100の遊戯者が正面側から見た状態を基準とした左右、前後、上下を意味する。
【0017】
クレーンゲーム機100は、縦長の直方体形状によって形成されており、底面にキャスタCが適宜数取り付けられている。したがって、ゲームセンター等の遊戯場のスタッフがクレーンゲーム機100を押動することにより容易に搬送することができるようになっている。
【0018】
クレーンゲーム機100は、箱状の基台1と、基台1の上方に形成されたプレイフィールド2と、プレイフィールド2の上方を覆う天井部3とを備えて構成されている。
【0019】
基台1には、例えば、クレーンゲーム機100の全体制御を行う制御部300(
図2参照)を有する制御基板等が収容されており、基台1の前面の右側に設けられた開閉扉1aを開放することにより、内部にアクセスすることができるようになっている。また、基台1の前面中央下部には、後述するコインセレクタ84a,84bによって受け付けられた硬貨やコイン等の媒体を回収するための集金扉1bが開閉可能に設けられている。
【0020】
プレイフィールド2は、多数の景品Pが載置される底部2aを有するとともに、前面板2b、左側面板2c、右側面板2d、背面板2e及び上述した天井部3により閉塞された内部空間により形成されている。そして、前面板2b、左側面板2c及び右側面板2dは、透明のガラスあるいは樹脂により形成された板状部材により構成されており、内部空間が視認できるようになっている。
【0021】
プレイフィールド2の底部2aの左前隅部には、方形状に開口された景品排出口4が設けられており、景品Pを下方に排出することができるようになっている。景品排出口4から排出された景品Pは、基台1の左下部分に設けられた景品取出室6まで落下する。景品排出口4から排出された景品Pは、景品払出センサ41により検出される。景品払出センサ41は、例えば、赤外線センサにより構成されている。景品取出室6は前面側が方形状に開口した景品取出口を有しており、扉体7により景品取出口が閉塞されている。扉体7は、上端がヒンジにより揺動可能に支持されており、遊戯者が扉体7を押圧操作することで景品取出口が開放し、景品取出室6にある景品Pを取り出すことができるようになっている。ここで、扉体7は、透明のガラスあるいは樹脂により形成された板状部材により構成されており、扉体7を介して景品取出室6の内部を視認することができるようになっている。また、底部2aには、景品排出口4の右側端部及び後側端部を囲むように仕切板5が立設されており、底部2aに載置され、あるいは、積み上げられた景品Pが景品排出口4から落下するのを抑制している。
【0022】
また、本実施形態では、景品取出室6の右側下端部近傍に扉ロック部304が設けられている。扉ロック部304は、駆動装置304aと、ロック片304bとを備えて構成されている。駆動装置304aは、例えば、ソレノイド等のアクチュエータを備えており、ロック片304bを景品取出室6内に対して進退させることができる。ロック片304bは、後面がテーパ状に形成された略三角柱状をなしている。扉ロック部304は、駆動装置304aが駆動することにより、ロック片304bを景品取出室6に進出した位置から退避した位置に変位させることができる。また、ロック片304bは、バネ等の付勢部材により景品取出室6に進出する方向に付勢されており、駆動装置304aが駆動していない状態では、付勢部材の作用により景品取出室6に進出する位置となる。ロック片304bが景品取出室6に進出した位置では、扉体7を押圧操作しても扉体7がロック片304bの前面に当接するため、景品取出口が開放状態となることが阻止される(ロック状態)。一方、ロック片304bが景品取出室6から退避した位置になると、扉体7がロック片304bに干渉しなくなるので、扉体7を押圧操作することで景品取出口を開放状態にすることができるようになる(ロック解除状態)。なお、ロック片304bが景品取出室6に進出した状態で扉体7が後方からその自重により垂下する位置に揺動しようとする場合には、ロック片304bのテーパ部が扉体7の右端縁により押圧され、テーパ部にガイドされながらロック片304bが付勢部材の付勢力に抗して景品取出室6から退避した位置に変位する。その後、扉体7が垂下する位置になると、ロック片304bが付勢部材の付勢力により、景品取出室6に進出する位置に復元する。なお、扉体7の位置を検出するセンサを設け、扉体7が垂下する位置でない場合には、駆動装置304aを駆動してロック片304bを景品取出室6から退避させるように構成してもよい。
【0023】
プレイフィールド2の上方には、景品取得装置の一例としての把持装置200が設けられ、吊下げワイヤ200aによって吊り下げられている。天井部3には、図示しないが、2本の縦行用レールがそれぞれ左右両端近傍に前後方向に延びて平行に設けられるとともに、1本の横行用レールが2本の縦行用レールに架設されている。横行用レールは、縦行用モータ301(
図2参照)により縦行用レールの延在方向に沿って移動可能に構成されている。この横行用レールには、吊下げワイヤ200aを巻き取り及び繰り出し可能なワイヤ巻取装置303(
図2参照)が横行用モータ302(
図2参照)により横行用レールの延在方向に沿って左右方向に移動可能に設けられている。また、ワイヤ巻取装置303は、吊下げワイヤ200aの巻き取り及び繰り出しを行うことにより、吊下げワイヤ200aの先端部に取り付けられた把持装置200を上下方向に変位させることができる。なお、吊下げワイヤ200aに換えて伸縮パイプからなる吊下支持部を横行用レールから垂下するようにして設け、この吊下支持部の先端に把持装置200を取り付け、吊下支持部を伸縮させることにより把持装置200を上下方向に変位させる構成としてもよい。
【0024】
把持装置200は、吊下げワイヤ200aが取り付けられる本体ケース201と、本体ケース201の下部に配置されたアーム取付部202と、アーム取付部202に支持された1又は複数本のアーム203とを備えて構成されている。アーム203は、シリンダ駆動モータ201b(
図2参照)の駆動により開状態と閉状態とに変位可能に構成されており、プレイフィールド2に載置された景品Pを把持することができる。
【0025】
また、天井部3の略中央には、CCD(Charge Coupled Device)カメラを備えた撮像部305が設けられており、プレイフィールド2内を撮像することができる。
【0026】
一方、基台1の前面中央には、操作部8が設けられており、箱型形状をなしている。操作部8は、その上面に、操作レバー81、操作ボタン82及び表示部83が配置されている。操作レバー81及び操作ボタン82は、遊戯者により操作が可能となっており、表示部83には、例えば、遊戯可能残り回数や遊戯残り時間等が表示される。遊戯者は、操作レバー81を操作することにより把持装置200をプレイフィールド2内の任意の位置に移動させ、操作ボタン82を操作することにより、把持装置200を下降させるとともに、把持動作を行わせることができる。把持装置200は、把持動作が終了すると上昇し、アーム203を閉状態に維持させながら景品排出口4の上方に移動し、アーム203を開状態に変化させる。このとき、景品Pが把持装置200により把持されていた場合には、景品排出口4に向けて景品Pが落下して景品取出室6に案内され、その結果、遊戯者は、景品取出室6から景品Pを取り出すことができる。なお、本実施形態では、操作レバー81及び操作ボタン82を操作することにより、把持装置200に動作を行わせるように構成されているが、操作ボタンのみで把持装置200に動作を行わせるように構成されたものであってもよい。例えば、横移動ボタンと縦移動ボタンとを備え、まず、横移動ボタンを操作して把持装置200を左右方向に移動させた後、縦移動ボタンを操作して把持装置200を前後方向に移動させ、その場所で把持装置200による把持動作が行われるように構成されてもよい。また、操作レバーのみ設け、操作ボタンを備えない構成であってもよい。また、表示部83を備えない構成であってもよい。
【0027】
本実施形態に係るクレーンゲーム機100では、操作部8の操作(コインオペレーション)による遊戯(コイン遊戯)の他、ネットワークを介し、携帯端末等の端末を使用して遠隔による遊戯(オンライン遊戯)を行うことができるように構成されている。そのため、オンライン遊戯中は、コイン遊戯は抑止されるため、表示部83にその旨が表示されるようになっている。
【0028】
また、操作部8の前面には、2つのコインセレクタ84a,84b(以下、2つのコインセレクタ84a,84bをまとめて「コインセレクタ84」という場合がある。)が並設されており、それぞれ受付可能な硬貨やメダルの種類が異なっている。本実施形態では、例えば、コインセレクタ84aは、100円硬貨のみ受付可能に構成されており、コインセレクタ84bは、500円硬貨のみ受付可能に構成されているが、これに限定されない。コインセレクタ84により受け付けられた硬貨やメダルは、例えば、基台1の下部の回収箱に集められ、遊戯場の管理者が開錠操作して集金扉1bを開放させることにより、回収することができるようになっている。また、操作部8の前面は開閉可能に構成されており、例えば、遊戯場の管理者が開錠操作して操作部8の前面を開放させることにより、操作部8のメンテナンス等を行うことができるようになっている。
【0029】
コインセレクタ84は、ソレノイドの駆動により、投入された硬貨あるいはメダルを受け付ける状態と、投入された硬貨あるいはメダルを返却口に返却する状態とに変化可能に構成されている。
【0030】
なお、本実施形態では、硬貨やメダル等の媒体をコインセレクタ84a,84bに投入することでコイン遊戯が可能に構成されているが、例えば、RFID(Radio Frequency IDentifier)タグを備えたプリペイドカード等の記録媒体や、NFC(Near Field Communication)機能を備えた端末からプリペイド情報あるいは決済情報を読み書き可能なリーダライタ装置を備え、リーダライタ装置によって読み取った読取情報に基づいてコイン遊戯を可能に構成されてもよい。
【0031】
操作部8の右側には、プリンタ306が設けられている。プリンタ306は、オンライン遊戯において景品Pが景品排出口4から排出された場合に、当該オンライン遊戯のユーザ(プレイヤー)に当該排出された景品Pを発送するための情報(例えば、ユーザの住所・氏名等の発送先情報)が印字されたシール等を出力する。出力されたシールを、発送する景品Pを梱包した梱包材に貼付することで、景品Pを簡便に発送することができるようになっている。なお、プリンタ306の設置位置は、適宜位置に設定することができ、例えば、基台1の内部に設置し、開閉扉1aを開放することにより、プリンタ306により出力されたシール等の出力結果を取得可能に構成されてもよい。また、プリンタ306を設けず、表示部83に発送先情報を表示(出力)するようにしてもよい。すなわち、本実施形態では、プリンタ306及び/又は表示部83が出力手段として機能しているということができる。
【0032】
続いて、本実施形態に係るクレーンゲーム機100の機能的構成について、
図2を参照しながら説明する。ここで、
図2は、クレーンゲーム機100の機能的構成を示すブロック図である。
【0033】
図2に示すように、例えば、クレーンゲーム機100の統括制御を行う制御部300を備えており、制御部300には、操作部8と、表示部83と、コインセレクタ84と、シリンダ駆動モータ201bと、景品払出センサ41と、縦行用モータ301と、横行用モータ302と、ワイヤ巻取装置303と、扉ロック部304と、撮像部305と、プリンタ306と、通信部310とが電気的に接続されて構成されている。
【0034】
制御部300は、例えば、CPU(Central Processing Unit)300aと、ROM(Read Only Memory)300bと、RAM(Random Access Memory)300cとを備えて構成され、ROMに記憶されているシステムプログラム等の各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムに従って各部の動作を集中制御する。
【0035】
ROM300bは、半導体等の不揮発メモリ等により構成され、上述した各種プログラムの他、各種データ等を記憶する。RAM300cは、CPU300aにより実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0036】
通信部310は、無線LAN(Local Area Network)による通信が可能であり、例えば、遊戯場GC内に設けられたルータ装置RT(
図3参照)を介してネットワーク通信が可能に構成されている。なお、通信ケーブルにより通信を行う構成であってもよい。
【0037】
次に、本実施形態におけるゲームシステムについて、
図3を参照しながら説明する。ここで、
図3は、本実施形態におけるゲームシステムの構成について説明する図である。
【0038】
遊戯場GC内には、本実施形態に係るクレーンゲーム機100が一又は複数台設置されている。また、遊戯場GC内には、クレーンゲーム機100と無線通信可能なルータ装置RTや、遊戯場GCの管理者が操作する管理用端末MGも設けられている。なお、管理用端末MGとルータ装置RTとは有線により接続されているが、無線通信可能に接続されてもよい。管理用端末MGは、例えば、ネットワークNWを経由して入力されたオンライン遊戯を行うユーザの情報や、クレーンゲーム機100の遊戯履歴を記録し、クレーンゲーム機100やユーザの管理を行うことができる。クレーンゲーム機100及び管理用端末MGは、以上のようにして構成されることにより、ルータ装置RTを介してネットワークNWに接続可能に構成されている。
【0039】
ネットワークNWには、オンライン遊戯を行うユーザが所持する端末(例えば、タブレット端末TB、携帯端末HP、パソコンPC等)と接続可能であり、また、ネットワークNWには、オンライン遊戯の管理を行う運営会社が管理するクラウドサーバSVも接続されている。
【0040】
端末を所持するユーザは、プレイヤーとしてオンライン遊戯によるクレーンゲーム機100の遊戯を行う場合には、運営会社に住所・氏名等の個人情報を登録することにより予めエントリーし、専用のアプリケーションを端末にインストールする。一方で、本実施形態に係るクレーンゲーム機100を用いてオンライン遊戯を許容する場合には、当該クレーンゲーム機100を所有する遊戯場GCも遊戯提供業者として運営会社に予めエントリーされる。
【0041】
クラウドサーバSVでは、ユーザからのオンライン遊戯の要求があった場合には、オンライン遊戯が可能なクレーンゲーム機100とのマッチングが行われる。クレーンゲーム機100とのマッチングが完了すると、ユーザの端末とマッチングされたクレーンゲーム機100との通信が開始され、オンライン遊戯によるクレーンゲーム機100の遊戯が開始される。このとき、クラウドサーバSVから遊戯場GCに、上述のようにして登録されたユーザの個人情報を含むユーザ情報が送信され、遊戯場GCにおいてオンライン遊戯を行うユーザを特定することができる。なお、マッチングされたクレーンゲーム機100が遊戯中である場合は、遊戯が終了するなど遊戯可能な状態となるまで待機状態とされるか、ユーザによりマッチングをキャンセルすることができる。遊戯料金は、例えば、プリペイドサービスにより取得した仮想通貨の使用やクレジット決済等により運営会社がユーザに課金する方法で決裁を行う。課金により徴収された遊戯料金のうち、クレーンゲーム機100のオンライン遊戯による遊戯回数に応じた額が遊戯場GC側に振り込まれる。
【0042】
オンライン遊戯によるクレーンゲーム機100の遊戯が行われた結果、景品Pが排出された場合は、遊戯場GCの管理者が当該排出された景品Pを、例えば、専用の梱包材により梱包する。そして、遊戯場GCの管理者は、クレーンゲーム機100のプリンタ306によりユーザの宛先が印字されたシールを梱包材に貼付し、ユーザにより登録された住所に発送する。このようにして、ユーザは、オンライン遊戯により獲得した景品Pを入手することができるようになっている。
【0043】
次に、本実施形態に係るクレーンゲーム機100において実行されるプレイ受付処理について、
図4を参照しながら説明する。ここで、
図4は、プレイ受付処理について説明するフローチャートである。
【0044】
制御部300のCPU300aは、まず、オンライン遊戯の要求があるか否かを判定する(ステップS101)。CPU300aは、オンライン遊戯の要求があると判定した場合は(ステップS101;Yes)、クラウドサーバSVからのユーザ情報を通信部310を介して取得し、RAM300cに保存する(ステップS102)。その後、CPU300aは、遊戯中(オンライン遊戯中又はコイン遊戯中)であるか否かを判定する(ステップS103)。
【0045】
CPU300aは、遊戯中であると判定した場合には(ステップS103;Yes)、待機状態にある人数を示す待ち人数のカウンタをインクリメントし(ステップS105)、通信部310を介して、遊戯中につき待ち状態であることを示す待ち通知をユーザの端末に出力した後(ステップS107)、この処理を終了する。このとき、待ち人数を報知してもよい。このとき、例えば、撮像部305により動画撮影し、待ち通知を出力したユーザの端末に配信するようにしてもよい。
【0046】
一方、CPU300aは、ステップS103において、遊戯中であると判定しなかった場合、すなわち、アイドル中である場合には(ステップS103;No)、コインセレクタ84をオフにして、投入された硬貨あるいはメダルが返却口に返却される状態にする(ステップS109)。すなわち、コインセレクタ84による媒体の受け付けを不可能な状態に制御される。
【0047】
その後、CPU300aは、扉ロック部304の駆動装置304aの駆動を停止することで、ロック片304bを景品取出室6内に進出させ、扉体7をロック状態にする(ステップS111)。
【0048】
その後、CPU300aは、ステイタスをオンライン遊戯状態にセットした後(ステップS113)、オンライン遊戯スタンバイ処理を行い(ステップS115)、スタンバイ状態である旨のスタンバイ通知をユーザの端末に出力した後(ステップS117)、この処理を終了する。オンライン遊戯スタンバイ処理では、例えば、ユーザからの遊戯開始要求を受け付けるための処理が行われる。なお、CPU300aは、ステイタスがオンライン遊戯状態である場合には、操作部8の操作を無効化し、操作部8の操作を受け付けない状態に制御する。また、ステイタスがオンライン遊戯状態である場合に、例えば、表示部83にその旨を表示することにより、コイン遊戯を行おうとするプレイヤーにその旨を報知するようにしてもよい。
【0049】
また、CPU300aは、ステップS101において、オンライン遊戯の要求があると判定しなかった場合は(ステップS101;No)、硬貨あるいはメダル(コイン)が投入されたか否かを判定する(ステップS119)。
【0050】
CPU300aは、コインが投入されたと判定した場合は(ステップS119;Yes)、投入されたコインの種類に応じたクレジット数を登録するクレジット処理を行った後(ステップS121)、ステイタスをコイン遊戯状態にセットし(ステップS123)、コイン遊戯スタンバイ処理を行った後(ステップS125)、この処理を終了する。コイン遊戯スタンバイ処理では、例えば、コイン投入をしたプレイヤーによるスタート操作を受け付けるための処理が行われる。一方、CPU300aは、ステップS119において、コインが投入されたと判定しなかった場合は(ステップS119;No)、この処理を終了する。
【0051】
次に、プレイ処理について、
図5を参照しながら説明する。ここで、
図5は、プレイ処理について説明するフローチャートである。
【0052】
まず、CPU300aは、ステイタスがコイン遊戯状態であるか否かを判定する(ステップS201)。CPU300aは、ステイタスがコイン遊戯状態であると判定した場合は(ステップS201;Yes)、操作部8によるスタート操作が行われたか否かを判定する(ステップS203)。CPU300aは、スタート操作が行われたと判定されるまでステップS203の処理を繰り返し実行する。CPU300aは、スタート操作が行われたと判定した場合は(ステップS203;Yes)、登録されたクレジット数をデクリメントした後(ステップS205)、コイン遊戯処理を行う(ステップS207)。コイン遊戯処理では、操作部8の操作レバー81及び操作ボタン82の操作を受け付け、把持装置200の移動操作及び把持動作を予め定められた制限時間(例えば、30秒)以内に行わせる処理を実行する。
【0053】
その後、CPU300aは、コイン遊戯が終了すると、コイン遊戯終了処理を実行する(ステップS209)。
【0054】
そして、CPU300aは、登録されたクレジット数が0か否かを判定する(ステップS211)。CPU300aは、クレジット数が0であると判定した場合は(ステップS211;Yes)、待ち人数のカウンタが1以上であるか否かを判定する(ステップS213)。一方、CPU300aは、クレジット数が0であると判定しなかった場合、すなわち、クレジット数が1以上である場合は、コイン遊戯を優先するために、ステイタスをコイン遊戯状態で維持したまま、この処理を終了する。なお、クレジット数が1以上である場合であっても、オンライン遊戯を優先して実行するようにしてもよい。
【0055】
CPU300aは、ステップS213において、待ち人数が1以上であると判定した場合は(ステップS213;Yes)、ステイタスをオンライン遊戯状態にセットした後(ステップS215)、この処理を終了する。一方、CPU300aは、待ち人数が1以上であると判定しなかった場合は(ステップS213;No)、ステイタスをアイドル状態にセットした後(ステップS217)、この処理を終了する。
【0056】
また、CPU300aは、ステップS201において、ステイタスがコイン遊戯状態であると判定しなかった場合は(ステップS201;No)、ステイタスがオンライン遊戯状態であるか否かを判定する(ステップS219)。CPU300aは、オンライン遊戯状態であると判定した場合は(ステップS219;Yes)、遊戯開始要求を示す情報が通信部310を介して入力されたか否かを判定する(ステップS221)。すなわち、CPU300aは、ユーザの端末により遊戯開始の操作が行われたことにより出力される遊戯開始要求を受信したか否かを判定する。CPU300aは、操作開始要求を示す情報が入力されるまでステップS221の処理を繰り返し実行する。CPU300aは、操作開始要求を示す情報が入力されたと判定した場合は(ステップS221;Yes)、フィールド撮像処理を行う(ステップS223)。フィールド撮像処理では、撮像部305によるプレイフィールド2内の撮像を行い、その撮像データをネットワークNWを介してユーザの端末に送信する。すると、ユーザの端末では撮像した画像(フィールド画像)が表示され、ユーザは、プレイフィールド2内の様子を視認することができる。
【0057】
フィールド撮像処理が終了すると、CPU300aは、オンライン遊戯処理を実行する(ステップS225)。オンライン遊戯処理では、遊戯の開始を示す遊戯開始コマンドとともに、縦行用モータ301と横行用モータ302の回転位置に応じた把持装置200の位置情報をユーザの端末に送信する。すると、
図7(a)に示すように、ユーザの端末のタッチパネルディスプレイDSPでは、フィールド画像に重ねるようにして、各種操作アイコンと、把持装置200の位置を示すカーソルCSLと、残り時間が表示される。操作アイコンは、前移動アイコンICf、後移動アイコンICb、左移動アイコンICl、右移動アイコンICr及びキャッチアイコンICcによって構成され、前移動アイコンICf、後移動アイコンICb、左移動アイコンICl及び右移動アイコンICrは、タッチパネルディスプレイDSPにおける表示画面の左下部分に表示され、キャッチアイコンICcは、表示画面の右下部分に表示され、残り時間は、表示画面の右上部分に表示される。
【0058】
遊戯が開始されると、ユーザによるタッチパネルディスプレイDSPにおけるタッチ操作に応じた情報がクレーンゲーム機100に送信され、クレーンゲーム機100のCPU300aは、ユーザの端末から受信した情報に応じて把持装置200を動作させる。すなわち、前移動アイコンICfがタッチされると、クレーンゲーム機100では、タッチされた量に応じて把持装置200がクレーンゲーム機100の背面方向に移動し、後移動アイコンICbがタッチされると、クレーンゲーム機100では、タッチされた量に応じて把持装置200が手前方向に移動する。また、左移動アイコンIClがタッチされると、クレーンゲーム機100では、タッチされた量に応じて把持装置200が左方向に移動し、右移動アイコンICrがタッチされると、クレーンゲーム機100では、タッチされた量に応じて把持装置200が右方向に移動する。なお、タッチパネルディスプレイDSPにおいてスライド操作を行うことにより把持装置200をスライド操作した方向に応じた方向に移動可能に構成してもよい。CPU300aは、所定時間(例えば、1/30sec)毎に把持装置200の位置を縦行用モータ301及び横行用モータ302の回転位置から算出し、その結果をユーザの端末に送信する。その結果、例えば、
図7(a)において一点鎖線で示す軌跡で、カーソルCSLが移動する表示が行われる。
【0059】
ユーザは、上述した要領でカーソルCSLを見ながら把持装置200を所望の位置に移動させ、その後、キャッチアイコンICcをタッチすると、クレーンゲーム機100では、把持装置200による把持動作が行われる。把持動作を開始すると、把持装置200が下降し、アーム203が閉状態となる。その後、把持装置200が上昇して景品排出口4の上方まで移動し、アーム203が開状態となる。以上の一連の動作により、プレイフィールド2内の景品Pを把持揚送することができる。
【0060】
以上のようにしてオンライン遊戯処理が行われた後、CPU300aは、オンライン遊戯終了処理を実行する(ステップS227)。
【0061】
そして、CPU300aは、オンライン遊戯が行われた結果、景品Pを獲得したか否かを判定する(ステップS229)。具体的には、CPU300aは、ステップS225におけるオンライン遊戯処理が行われた結果、景品Pが景品排出口4から排出されて景品払出センサ41により検出されたか否かを判定する。
【0062】
CPU300aは、景品Pを獲得したと判定した場合は(ステップS229;Yes)、ユーザの端末に景品Pを獲得した旨の景品獲得通知を送信する(ステップS231)。すると、
図7(b)に示すように、ユーザの端末のタッチパネルディスプレイDSPでは、景品Pの獲得とともに、獲得した景品Pが遊戯場GCにより発送されることが報知される。また、景品獲得通知は、遊戯場GCの管理用端末MGにも送信され、例えば、管理用端末MGのモニタにアラートが表示される。
【0063】
その後、CPU300aは、景品獲得時処理を実行する(ステップS233)。なお、景品獲得時処理の詳細については、後述する。
【0064】
また、CPU300aは、ステップS229において、景品Pを獲得したと判定しない場合は(ステップS229;No)、ステップS231及びステップS233の処理を実行することなく、ステップS235の処理を実行する。
【0065】
CPU300aは、ステップS235では、待ち人数をデクリメントした後(ステップS235)、待ち人数が0であるか否かを判定する(ステップS237)。
【0066】
CPU300aは、待ち人数が0であると判定した場合は(ステップS237;Yes)、ステイタスをアイドル状態にセットし(ステップS239)、コインセレクタ84をオンにして、投入された硬貨あるいはメダルを受付可能な状態にする(ステップS241)。
【0067】
その後、CPU300aは、扉ロック部304の駆動装置304aを駆動することで、ロック片304bを景品取出室6内から退避させ、扉体7をロック解除状態にした後(ステップS243)、この処理を終了する。
【0068】
また、CPU300aは、ステップS219において、ステイタスがオンライン遊戯状態であると判定しない場合は(ステップS219;No)、アイドル状態であるとして、この処理を終了する。
【0069】
次に、プレイ処理のステップS233において実行される景品獲得時処理について、
図6を参照しながら説明する。ここで、
図6は、景品獲得時処理について説明するフローチャートである。
【0070】
CPU300aは、まず、遊戯場GCの管理者による所定の扉ロック解除操作を受け付けると(ステップS301)、扉ロック部304の駆動装置304aを駆動してロック片304bを景品取出室6内から退避させ、扉体7をロック解除状態にする(ステップS303)。本実施形態では、例えば、操作レバー81と操作ボタン82により所定の解除コマンドを入力することにより、扉ロックを解除することができるようになっている。なお、基台1内に設けられ、開閉扉1aを開放することによりアクセス可能な解除ボタンを操作することにより扉ロックを解除することができるようにしてもよい。あるいは、二次元コード読取装置やRFIDタグを読み取り可能なリーダライタ装置を設け、管理者情報が記録された記録媒体を読み取ることにより扉ロックを解除することができるようにしてもよい。
【0071】
その後、CPU300aは、プリンタ306により、シールに発送先情報を印刷して出力する(ステップS305)。
【0072】
その後、CPU300aは、遊戯場GCの管理者による景品Pの取出しを確認する景品取出し確認処理を行う(ステップS307)。具体的には、CPU300aは、遊戯場GCの管理者が景品取出室6内の景品Pを取り出し、所定の確認操作が行われたことを確認する。確認操作は、例えば、操作ボタン82の操作により行われるが、操作レバー81及び操作ボタン82を用いた所定の確認コマンドの入力により行われてもよいし、基台1内に設けられた確認ボタンの操作により行われてもよい。
【0073】
CPU300aは、景品取出しが完了したか否かを判定する(ステップS309)。すなわち、CPU300aは、確認操作が行われたか否かを判定する。CPU300aは、景品取出しが完了したと判定するまでステップS309の処理を繰り返し実行する。
【0074】
CPU300aは、景品取出しが完了したと判定した場合は(ステップS309;Yes)、扉ロック部304の駆動装置304aの駆動を停止してロック片304bを景品取出室6内に進出させ、扉体7をロック状態にした後(ステップ311)、この処理を終了する。
【0075】
このように、本実施形態では、コイン遊戯が行われていないアイドル状態において、オンライン遊戯を実行可能としているので、アイドル時間が減少して稼働率が上がり、遊戯場GCの売り上げに寄与することができるようになる。
【0076】
本実施形態では、ステイタスがオンライン遊戯状態である場合、すなわち、オンライン遊戯が行われている間、扉体7をロック状態とし、オンライン遊戯において景品Pが排出された場合に、該景品Pの取り出しを行うために扉体7のロックを解除可能とするとともに、それ以外の状態では、扉体7のロックが解除されており、扉体7を開閉自在に構成したが、例えば、扉体7を常時ロック状態とし、コイン遊戯において景品Pが排出された場合に、一定条件下で(例えば、景品Pが排出されてから30秒間だけ)自動的に扉体7のロックが解除されるようにするとともに、オンライン遊戯において景品Pが排出された場合にも、上述した要領で扉体7のロックを解除可能となるように構成されてもよい。すなわち、コイン遊戯において、景品Pが排出されると扉体7のロックが解除され、その後、所定のロック条件が成立するまで、扉体7が開閉自在となるように構成されてもよい。このような構成であれば、例えば、オンライン遊戯を行わないクレーンゲーム機においても有効に適用することができる。
【0077】
以上説明したように、本実施形態のクレーンゲーム機100は、内部に景品Pが載置されるプレイフィールド2と、プレイフィールド2内に配設された把持装置200と、プレイフィールド2内の景品Pを排出するための景品排出口と、景品排出口を開放状態と閉塞状態とに変化可能な扉体7と、プレイヤーによる操作が可能な操作部8とを備えている。クレーンゲーム機100は、操作部8の操作により把持装置200をプレイフィールド2内の所望の位置に移動させて景品Pを把持し、該把持した景品Pを景品排出口から排出可能である。また、クレーンゲーム機100は、ネットワークNWを介して外部装置(タブレットTB,携帯端末HP,パソコンPC)と情報通信を行う通信部310と、操作部8の操作を受け付けることにより把持装置200を移動させて景品Pを取得するための実機操作制御と、通信部310から操作情報を入力したことに基づいて把持装置200を移動させて景品Pを取得するための遠隔操作制御とを実行可能なCPU300aと、扉体7が閉塞状態から開放状態に変化することを阻止する扉ロック部304とを備えている。扉ロック部304は、遠隔操作制御の実行中において、少なくとも景品Pが景品排出口4から排出されてから、所定のロック解除条件が成立するまでは扉体7が閉塞状態から開放状態となることを阻止する。その結果、簡素な構成によりオンライン遊戯で獲得した景品を他人が誤って持ち去ってしまわないようにすることが可能となり、景品を確実に確保することができる。
【0078】
また、本実施形態によれば、CPU300aは、遠隔操作制御の実行中では、操作部8の操作を受け付けない状態にするので、外部装置による遠隔操作が行われている間に操作部8が操作されて、遠隔操作を行っているユーザの意図しない動作が行われることを阻止することができる。
【0079】
また、本実施形態のクレーンゲーム機100は、実機操作制御を実行させるための媒体(硬貨,コイン)を受付可能な状態と受付不可能な状態とに切り換え可能なコインセレクタ84を備えている。コインセレクタ84は、遠隔操作制御の実行中では、媒体を受付不可能な状態にする。その結果、外部装置による遠隔操作が行われている間に媒体が投入されて、実機操作による遊戯を行おうとするプレイヤーに不利益が生じるのを防止することができる。
【0080】
また、本実施形態によれば、扉ロック部304は、実機操作制御の実行中において、景品Pが景品排出口から排出されてから所定のロック条件が成立するまで、扉体7が閉塞状態から開放状態となることを許容する。その結果、必要なときだけ扉体7を開放可能とすることで、景品取得ゲーム装置に対する不正が行われることを防止することができる。
【0081】
また、本実施形態によれば、CPU300aは、遠隔操作制御に係る遊戯において景品Pが景品排出口4から排出された場合に、該遊戯を行うユーザの個人情報が通信部310から入力されると、該ユーザの発送先情報をプリンタ306により出力可能としている。これにより、遠隔操作による遊戯において獲得した景品と、該遊戯を行ったユーザとの紐づけが容易となり、獲得した景品を確実にユーザに提供することができる。
【0082】
なお、本発明の実施の形態に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0083】
本実施形態では、オンライン遊戯において景品Pが排出された場合に、遊戯場GCの管理者により景品Pが景品取出室6から取り出された際に、プリンタ306からユーザの発送先情報等の個人情報が印刷されたシールを出力することで、獲得した景品Pとユーザとの対応付けを可能にしたが、例えば、景品P毎に在庫管理用のICタグや二次元コード等の識別情報を付与し、景品獲得時に遊戯場GCにおける管理用端末MGにおいてユーザを特定するとともに、管理用端末MGに接続された読取装置で景品Pの識別情報を読み取ることで、獲得した景品Pとユーザとの対応付けを行うようにしてもよい。このような構成においては、クレーンゲーム機100においてプリンタ306を備えないようにすることができる。また、オンライン遊戯において景品Pが排出された場合に、管理用端末MGにアラートを表示するとともに、ユーザの個人情報を表示ないしは接続されたプリンタにより発送先情報を出力するようにしてもよい。
【0084】
また、本実施形態では、景品取得ゲーム装置の一例としてクレーンゲーム機を挙げて説明したが、これに限らず、プレイフィールド内の景品を、景品を取得するための装置(景品取得装置)によって景品排出口から排出させて景品取出口から取出し可能に構成されたものであれば、他の種類の景品取得ゲーム装置についても本発明を適用可能である。