特許第6843385号(P6843385)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6843385
(24)【登録日】2021年2月26日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】親綱支柱用治具
(51)【国際特許分類】
   A62B 35/00 20060101AFI20210308BHJP
   E04G 21/32 20060101ALI20210308BHJP
【FI】
   A62B35/00 H
   E04G21/32 D
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-36482(P2017-36482)
(22)【出願日】2017年2月28日
(65)【公開番号】特開2018-139984(P2018-139984A)
(43)【公開日】2018年9月13日
【審査請求日】2019年11月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】392031572
【氏名又は名称】キョーワ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】特許業務法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 敏博
(72)【発明者】
【氏名】松田 尚記
【審査官】 飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭59−148851(JP,U)
【文献】 特開平07−125649(JP,A)
【文献】 特開2000−103369(JP,A)
【文献】 米国特許第03920221(US,A)
【文献】 米国特許第05307897(US,A)
【文献】 特開2006−336455(JP,A)
【文献】 特開平08−270207(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62B 35/00
E04G 21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
親綱支柱を固定するための治具であって、
第1の方向に伸びる矩形状の板と、
前記矩形状の板の前記第1の方向の端部で上下方向に間隔を開けてU字状に折り曲げられた折り曲げ部とを含み、
前記矩形状の板の前記第1の方向の逆方向の端部に設けられ、上方向に伸びる上突起部と、をさらに含み、
前記矩形状の板の前記第1の方向端部より逆方向の端部までの長さは、前記治具が取付けられる形鋼のフランジの幅より長い、治具。
【請求項2】
前記矩形状の板の前記第1の方向とは逆方向の端部に設けられた下突起部を含む、請求項1に記載の治具。
【請求項3】
前記下突起部の高さは、前記治具が取り付けられる梁に使用するH形鋼材のフランジ厚より薄い、請求項に記載の治具。
【請求項4】
前記矩形状の板の前記第1の方向と直交する方向の両端部に設けられ、上方向に伸びる一対の横突起部を含む、請求項1〜のいずれかに記載の治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は親綱支柱用治具に関し、特に、形鋼に親綱支持用の親綱支柱を取り付けるための親綱支柱用治具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フランジ幅の狭い形鋼の梁に親綱支柱を設置する場合は、次のように行われていた。すなわち、図4(A)に示すように、フランジ幅の狭い梁101のフランジ101aに親綱支柱110の取付部ボルト110aを奥まで挿入できる厚板プレート102を挟締金具103を以て固定し、フランジ幅の狭い梁101と厚板プレート102とを一体化して親綱支柱110を設置していた。なお、図4(B)は図4(A)において、矢印IVB−IVBで示す部分の矢視図であり、図4(A)は図4(B)において、矢印IVA−IVAで示す部分の側面図である。
【0003】
図4(B)の110bは図4(A)の取り付けボルト110aの先端の皿状の抑え部を示す。
【0004】
また、図5は、他の方法を示す図4(A)に対応する側面図であり、ここでは、親綱支柱110がフランジ幅の狭い梁104から作業者の墜落時の衝撃荷重が生じたとき、親綱支柱110が水平方向に離脱しないように、親綱支柱110の設置側と反対方向より引張金具105にて引っ張ることによって、フランジ幅の狭い梁104と親綱支柱110とが離れないように固定されるように安全対策を講じていた。なお、親綱支柱は、例えば特開平8-270207号公報に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8-270207号公報(要約等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のフランジ幅の狭い形鋼の梁に親綱支柱を設置する場合は、上記のように行われていた。しかしながら、従来の方法では、挟締金具での厚板プレートの固定や、反対方向に引っ張る金具等の設置に手間がかかるという問題があった。
【0007】
この発明は上記のような問題点に鑑みてなされたもので、フランジ幅の狭い形鋼の梁に親綱支柱を設置するのに手間がかからない、親綱支柱取付治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る、親綱支柱を固定するための治具は、親綱支柱を固定するための治具であって、第1の方向に伸びる矩形状の板と、矩形状の板の第1の方向の端部で上下方向に間隔を開けてU字状に折り曲げられた折り曲げ部と、を含む。
【0009】
好ましくは、矩形状の板の第1の方向の逆方向の端部に設けられ、上方向に伸びる上突起部をさらに含む。
【0010】
さらに好ましくは、矩形状の板の第1の方向とは逆方向の端部に設けられた下突起部を含む。
【0011】
下突起部の高さは、治具が取り付けられる梁に使用するH形鋼材のフランジ厚より薄いのが好ましく、治具が取り付けられる梁に使用するH形鋼材のフランジ厚と等しいのが、さらに好ましい。
【0012】
矩形状の板の第1の方向と直交する方向の両端部に設けられ、上方向に伸びる一対の突起部を含んでもよい。
【発明の効果】
【0013】
この発明に係る親綱支柱用治具は、矩形状の板の一方側の端部で上下方向に間隔を開けてU字状に逆方向に折り曲げられた折り曲げ部を有するため、U字状の折り曲げ部を幅の狭いフランジ部に係合した状態で、親綱支柱の取付具を位置決めして固定できる。
【0014】
その結果、フランジ幅の狭い形鋼の梁に親綱支柱を設置するのに手間がかからない、親綱支柱取付治具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明の一実施の形態に係る親綱支柱用治具を示す図である。
図2】この発明の一実施の形態に係る親綱支柱用治具の形鋼への取り付け状態を示す図である。
図3】この発明の他の実施の形態に係る親綱支柱用治具の形鋼への取り付け状態を示す図である。
図4】従来の、親綱支柱用治具を形鋼に取付ける取付方法を示す図である。
図5】従来の、親綱支柱用治具を形鋼に取付ける他の取付方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。図1はこの発明の一実施の形態に係る親綱支柱用治具10を示す図であり、図1(A)は平面図、図1(B)は図1(A)において矢印IB−IBで示す断面図、図1(C)は図1(B)において、矢印IC−ICで示す側面図、図1(D)は図1(B)において、矢印ID−IDで示す側面図、図1(E)は図1(B)において、矢印IE−IEで示す底面図である。
【0017】
図1(A)〜(E)を参照して、親綱支柱用治具10は、図1(A)において、右方向(第1の方向)に伸びる矩形状の板11と、矩形状の板11の左方向の端部下方向に間隔を開けてU字状に折り曲げられた折り曲げ部12と矩形状の板11の右方向の端部に設けられ、上方向に伸びる上突起部13とを含む。上突起部13の裏面にも、逆方向に設けられた下突起部15を設けてもよい。なお、下突起部の高さは、この親綱支柱用治具10が適用される梁に使用するH形鋼材のフランジ厚より薄くするのが好ましく、梁に使用するH形鋼材のフランジ厚と同等が最適である。
【0018】
この点については後述する。
【0019】
また、矩形状の板11の右方向の端部に設けられ、上方向に伸びる上突起部13は、無くても親綱支柱の取付具を位置決めして固定できる。さらに、下突起部15のみを設け、上突起部13が無くてもよい。
【0020】
また、矩形状の板11の左右方向と直交する方向の両端部に上方向に伸びる一対の横突起部14a,14bを含んでもよい。
【0021】
次に、この親綱支柱用治具10の使用方法について説明する。図2は、この親綱支柱用治具10の使用方法を示す図である。図2(A)〜(B)は親綱支柱用治具10を適用される梁に使用するH形鋼材のフランジに取付ける状態を示し、図2(C)は親綱支柱用治具10をH形鋼材のフランジに取付けた後に、親綱支柱を取り付ける状態を示す図であり、図2(D)は図2(C)において、矢印IID−IIDで示す部分の矢視図(平面図)である。なお、図2(A)〜(C)はH形鋼材の断面方向から見た図である。
【0022】
図2(A)〜(D)を参照して、親綱支柱用治具10をH形鋼材30のフランジ31に取付けたとき、下突起部15の折り曲げ部12側の端部の位置がフランジ31にほぼ当接し、折り曲げ部12と下突起部15とでH形鋼材のフランジ31に親綱支柱用治具10の位置決めができるように、折り曲げ部12と下突起部15との位置関係が定められているのが好ましい。
【0023】
また、図2(C)および(D)を参照して、親綱支柱40の端部に取付けた締め付けねじ部を有する取付具41a,41bによって、H形鋼材30のフランジ31を上下方向から挟むため、上記したように、下突起部15の高さは、梁に使用するH形鋼材のフランジ31の厚さより薄くするのが好ましく、フランジ厚と同等が最適である。なお、親綱支柱40およびその端部に取付けた取付具41a,41bの詳細については、公知であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0024】
なお、ここで、下突起部15の高さが梁に使用するH形鋼材30のフランジ31の厚さより薄い場合は、取付具41a,41bのねじの軸心42a,42bは、H形鋼材のフランジ31の上にあるのが好ましい。これは、フランジ31からその外部に外れた位置にあると、取付具41a,41bの締め付け力がかかる中心位置がフランジ31の外部になり、親綱支柱用治具10に曲げ力がかかるためである。
【0025】
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。図3は、この発明の他の実施の形態を示す図2(C)に対応する図である。図3を参照して、この実施の形態においては、親綱支柱用治具20は、先の実施の形態における下突起部15を有さない。それ以外の構成については、先の実施の形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0026】
この実施の形態においては、取付具41a,41bのねじの軸心42a,42bは、H形鋼材30の親綱支柱40が取り付けられる側のフランジ端部31aよりH形鋼材30のウエブ側にあるのが好ましい。この理由は、上記した、下突起部15の高さが梁に使用するH形鋼材30のフランジ31の厚さより薄い場合と同様である。
【0027】
図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態に限定されるものではない。本発明と同一の範囲内において、または均等の範囲内において、図示した実施形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0028】
この発明によると、フランジ幅の狭い形鋼の梁に親綱支柱を設置するのに手間がかからないため、親綱支柱取付治具として有利に利用される。
【符号の説明】
【0029】
10,20 親綱支柱用治具、11 板、12 折り曲げ部、13 上突起部、14a,14b 横突起部、15 下突起部、30 H形鋼材、31 フランジ31。
図1
図2
図3
図4
図5