特許第6843386号(P6843386)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6843386
(24)【登録日】2021年2月26日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】レーザ加工ヘッドを備えた複合加工機
(51)【国際特許分類】
   B23P 23/04 20060101AFI20210308BHJP
   B23K 26/064 20140101ALI20210308BHJP
   B23Q 3/155 20060101ALI20210308BHJP
【FI】
   B23P23/04
   B23K26/064 A
   B23Q3/155 Z
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-47620(P2017-47620)
(22)【出願日】2017年3月13日
(65)【公開番号】特開2018-24074(P2018-24074A)
(43)【公開日】2018年2月15日
【審査請求日】2020年1月15日
(31)【優先権主張番号】特願2016-152210(P2016-152210)
(32)【優先日】2016年8月2日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000212566
【氏名又は名称】中村留精密工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】上河原 敦
(72)【発明者】
【氏名】宮本 高志
(72)【発明者】
【氏名】益子 直人
【審査官】 久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−114741(JP,A)
【文献】 特表2015−527939(JP,A)
【文献】 特開平04−289038(JP,A)
【文献】 特開平11−138373(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/022369(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23P 23/04
B23K 26/00 − 26/70
B23Q 3/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ加工ヘッドと工具とを交換可能に備え、
前記レーザ加工ヘッド及び工具の自動交換装置を有し、
記レーザ加工ヘッドはコリメータ部と集光部とに分離可能であり、
前記コリメータ部と集光部のうち、一方に把持凹部を形成し、他方に前記把持凹部に係脱可能なボールプランジャーを有し、
前記レーザ加工ヘッドの自動交換装置は前記コリメータ部に対して集光部が取り替え可能になっていることを特徴とする複合加工機。
【請求項2】
前記集光部は、切断、穴開け、溶接、肉盛り、積層、表面改質等のレーザ加工の用途に合せて取り替え可能になっていることを特徴とする請求項記載の複合加工機。
【請求項3】
前記レーザ加工ヘッドは工具を装着する工具主軸に装着可能であり、且つレーザ光の伝達経路のクランプ手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の複合加工機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレーザビームによるレーザ加工と、切削、研削等の機械加工とを備えた複合加工機に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザビームを用いて、切断、穴開け、溶接、肉盛り、積層、表面改質等のレーザ加工が施されているが、従来はそれぞれ用途に合せてレーザ加工装置が製作されているため、それぞれ用途毎にレーザ加工機を準備しなければならず、広いスペースが必要となるだけでなくコスト面でも高くなる。
また、ワークによってはレーザ加工の前後に切削や研削等の機械加工が必要となる場合も多い。
【0003】
特許文献1には、工作機械の主軸台にレーザ加工ヘッドを旋回機構にて設ける技術を開示するが、レーザ加工ヘッドを工具と自動交換可能にしたものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2002−515344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、各種レーザ加工ヘッドと組み合せた複合加工機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る複合加工機は、レーザ加工ヘッドと工具とを交換可能に備え、前記レーザ加工ヘッド及び工具の自動交換装置を有することを特徴とする。
【0007】
ここで、レーザ加工ヘッドとはレーザビームを照射し、切断、穴開け、溶接、肉盛り、積層、表面改質等の各種レーザ加工を行うためのヘッドをいう。
本発明で工具とは、バイトによる旋削加工、回転工具による切削加工、砥石等による研削加工等の各種機械加工に用いられる工具をいう。
複合加工機には、ワークをチャック保持又は回転制御する主軸台とレーザ加工ヘッドを装着可能にした工具主軸を備えている。
本発明においてはレーザ加工ヘッド及び工具の自動交換装置を有しているので、レーザ加工の前後の機械加工と連動できるので、複数の工程を一台の複合加工機で行うことができる。
また、レーザ加工ヘッドは工具を装着する工具主軸に装着可能であり、且つレーザ光の伝達経路のクランプ手段を有するのが好ましい。
ここで、レーザ光の伝達経路とは、伝送ファイバや必要に応じて光線の反射、変更ミラー等が含まれる。
【0008】
本発明において、前記レーザ加工ヘッドはコリメータ部と集光部とに分離可能であり、
前記集光部は前記自動交換装置にて取り替え可能になっていてもよい。
ここでコリメータ部とは、レーザ発振器等から出力されるレーザ光をコリメート(平行光化)する光学系の共通部分をいい、集光部とはレーザ加工の用途に合せてレーザ光の集光距離を変えるための部分をいう。
よって本発明において、前記集光部は、切断、穴開け、溶接、肉盛り、積層、表面改質等のレーザ加工の用途に合せて取り替え可能になっているのが好ましい。
【0009】
また、レーザ加工ヘッドにはレーザ加工の目的に応じて、アシストガス、シールドガス、肉盛りや溶接に用いる粉末や線材の供給部を有しており、それらをユニット化したレーザ加工ヘッドユニットとして工具主軸に装着、交換可能にしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る複合加工機は、レーザ加工と機械加工とが行えるので、ワークの複雑な加工工程を一台の機械で行えるので汎用性が高く、全体としてコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る複合加工機の構成例を示す。
図2】工具主軸にレーザ加工ヘッドを装着した状態を示す。
図3】集光部のコリメータ部への装着構造例を示す。(a)は集光部を装着した状態、(b)は集光部を取り外した状態を示す。
図4】工具主軸の軸心とレーザビーム光とをオフセットさせた例を示す。
図5】(a)、(b)はレーザ加工ヘッドの工具主軸への装着構造例を示す。
図6】レーザ加工ヘッドの第2の実施例を示し、(a)は工具主軸に装着した状態、(b)はヘッド部の断面図を示す。
図7】レーザ加工ヘッドのクランプ例を示す。
図8】レーザ加工ヘッドのクランプ例を示す。
図9】レーザ加工ヘッドのクランプ例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る複合加工機の構造例を以下、図面に基づいて説明するが本発明はこれに限定されない。
【0013】
図1に、複合加工機10の構造例を示す。
本実施例では、ワークWをチャック保持し、回転制御可能な主軸台L11,主軸台R12を対向配置し、この上部側に工具主軸13を配置した例になっている。
本明細書では、対向主軸台L,Rの軸線方向をZ軸、工具主軸13の切り込み方向をX軸、これに前後方向に直交する方向をY軸と表現する。
2つの主軸の少なくとも一方はZ軸方向移動制御されている。
工具主軸13は、少なくともY軸まわりに旋回制御(B軸制御)され、左右に配置したレーザ加工ヘッド自動交換装置14及び工具自動交換装置15との間にてレーザ加工ヘッド又は工具の引き取り、引き渡しを行うことができる。
ここで交換装置は図示を省略したが、公知のフィンガタイプ、アームタイプ等の構造を採用することができ、自動交換装置となっている。
【0014】
レーザ加工ヘッド自動交換装置14には、アシストガス管、シールドガス管、粉末・線材供給部等を組み合せてユニット化したレーザ加工ヘッド16をレーザ加工目的に合せて複数種類のユニットをマガジンにセットしてあってもよい。
本実施例では、図2,3に示すように、レーザ加工ヘッド16はコリメータ部16aと集光部16bとが分離可能となっていて、この集光部16bをレーザ加工の目的に合せて、集光方法、集光距離の異なる複数種類の集光部16bをマガジンにセットした例になっている。
【0015】
コリメータ部16aはレーザビームの光学系の共通部分であり、集光部16bはレーザビームの集光距離、方法を切断、穴開け、溶接、肉盛り、積層、表面改質等のレーザ加工目的に合せて調整した部分である。
これによりレーザヘッド自動交換装置14に設けたマガジンに各種集光部をストックしておき、この自動交換装置にて工具主軸13に装着してある集光部と取り換えるだけで各種レーザ加工ができる。
【0016】
コリメータ部16aと集光部16bとの分離方法に制限はない。
本実施例は図3に示すようにコリメータ部16a側に周廻り、3点支持のボールプランジャー16dを配設し、集光部16bの周廻りに上下の円錐面で形成した把持凹部16gをボールプランジャー16dに差し込み装着及び引き抜き取り出し可能にした例となっている。
なお、ボールプランジャー16dはボール16eを周廻り中心方向にスプリング16fで脱落しないように突出付勢してある。
ボールプランジャー16dは周廻りに120°毎に3つ配置してあり、コリメータ部16aの軸心と集光部16bの軸心が一致するようになっている。
また、集光部16bがコリメータ部16aに対して相互に回転しないように、例えばキーとキー溝からなるロック機構を設けてもよい。
【0017】
コリメータ部16aはレーザビームを伝送する伝送ファイバ116c,コリメータレンズ116a,保護ガラス(第1)116bを有する例になっていて、集光部16bは保護ガラス(第2)216b,集光レンズ216a,保護ガラス(第3)216c,ノズル216dを有する例になっているが、集光部16bをコリメータ部16aに交換可能に脱着できれば、この構造例に限定されない。
【0018】
レーザ加工ヘッド16は工具主軸13への取付部19を有し、図2に示すように工具主軸13の軸心とレーザビーム17の光線と一致させるように、複数の反射ミラー18a,18bを配置したタイプ及び図4に示すように、工具主軸13の軸心とレーザビーム17の光線とをオフセットさせたタイプが例として挙げられる。
取付部19には図5に示すようにシャンク19aを有し、工具主軸13にチャックされる。
【0019】
工具主軸13からレーザ加工ヘッド16を取り外すと、図1に示すように工具自動交換装置15にてバイトや回転工具等の工具Tを工具主軸13に装置し、各種切削加工を行うことができる。
また本実施例では、対向主軸台L,Rの下側にタレット刃物台20を配置した例になっているが、必要に応じて複数のタレット刃物台やB軸制御されたその他の刃物台を設けてもよい。
【0020】
図6にレーザ加工ヘッドの第2の実施例を示す。
図3と共通する部分は、共通の符号を表記し、詳細な説明を省略する。
本実施例は、コリメータ部16Aに集光部(ノズル部)16Bを装着する方法として、集光部16B側にボールプランジャー16dを設け、コリメータ部16A側に把持凹部16Gを形成してある。
【0021】
複合加工機を、このように構成したことにより、主軸台にワークをチャック保持させ、各種レーザ加工をした後に各種工具を用いて切削、研削等の機械加工を行うことや、レーザ加工の前に機械加工を行うことができ、複数の異なる各種工程を一台の複合機で行うことができる。
【0022】
次に、取付部19のクランプ構造について説明する。
レーザ加工ヘッドを工具主軸に装着できるとともに、主軸中心とレーザ光中心とが一致するようにすると、工具の移動制御や旋回制御に合せてレーザ加工ヘッドの制御も可能になる。
しかし、レーザ加工ヘッドには前述したように、レーザ光の伝達経路を確保するためのクランプ手段が必要であり、工具主軸が旋回する場合にも安定した位置決め手段が要求される。
【0023】
図7(a)は、工具主軸端面にピン19bを設けてクランプさせる方法を示す。
図7(b)は、レーザ光の伝達経路を工具主軸の上部に設けたクランプ手段19cにクランプさせる方法を示す。
図8(a)は、工具主軸の端面に沿ってスライドするクランプ19dを採用した例を示し、(b),(c)は工具主軸の下部にサブクランプ19eを設けた例を示す。

図9は、レーザ光の伝達経路を工具主軸の上部に設けたローラ式クランプ19fを設けた例を示す。
このように、両側一対のローラでクランプすると、工具主軸の旋回によるねじれをローラが吸収してくれる。
【符号の説明】
【0024】
10 複合加工機
11 主軸台L
12 主軸台R
13 工具主軸
14 レーザ加工ヘッド自動交換装置
15 工具自動交換装置
16 レーザ加工ヘッド
16a コリメータ部
16b 集光部
16c チャック部
16d ボールプランジャー
16g 把持凹部
20 タレット刃物台
116a コリメータレンズ
116b 保護ガラス(第1)
116c 伝送ファイバ
216a 集光レンズ
216b 保護ガラス(第2)
216c 保護ガラス(第3)
216d ノズル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9