特許第6843419号(P6843419)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6843419
(24)【登録日】2021年2月26日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】インクカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20210308BHJP
【FI】
   B41J2/175 141
   B41J2/175 119
   B41J2/175 171
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-142054(P2016-142054)
(22)【出願日】2016年7月20日
(65)【公開番号】特開2018-12228(P2018-12228A)
(43)【公開日】2018年1月25日
【審査請求日】2019年6月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】518251907
【氏名又は名称】株式会社エヌテックス
(72)【発明者】
【氏名】田口 哲也
(72)【発明者】
【氏名】和田 行司
【審査官】 亀田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−166610(JP,A)
【文献】 特開2003−001854(JP,A)
【文献】 特開2001−088321(JP,A)
【文献】 特開2001−212977(JP,A)
【文献】 特開2000−033715(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01−2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを収容するインク収容室と、前記インクを吐出するインク吐出口と、大気開放口と、前記大気開放口に連通しかつ前記インク収容室に連通する負圧形成室と、前記負圧形成室に収容される負圧発生部材とを少なくとも備え、前記インク吐出口が前記負圧形成室の底部側に設けられ、前記大気開放口へ連通する空気連通部が前記負圧形成室の上部側に設けられたインクカートリッジであって、
前記負圧形成室の底部は前記インク吐出口に連通する開口が設けられた平面であり、
前記負圧発生部材は、前記負圧形成室の内面によって圧縮されていない状態では、前記負圧発生部材の上面部に垂直方向上方に突出した突出部が一体的に備えられ、前記負圧発生部材の底面は平面である形状であり、
前記負圧形成室に収容された状態では、前記突出部が前記負圧形成室の天板の内面リブによって前記突出部の周辺にある周辺部よりも強く前記インク吐出口方向に圧縮され、前記負圧形成室の底部の前記開口を除く全面に前記負圧発生部材の底面が接することを特徴とするインクカートリッジ。
【請求項2】
前記負圧発生部材は、前記インク吐出口の垂直方向上方に前記突出部が位置するように配置されることを特徴とする請求項1のインクカートリッジ。
【請求項3】
前記負圧発生部材は、前記周辺部が前記突出部に向かって傾斜した形状であることを特徴とする請求項1または2のインクカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット式プリンタに搭載されるインクカートリッジに関し、さらに詳しくは、インクカートリッジ内部に備えるスポンジなどのインク保持体(負圧発生部材)により負圧制御を行うインクカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置には、印字機構(ヘッド)から記録液であるインクを吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット方式と呼ばれるものがある。インクジェット方式の印刷装置では、印字機構に対するインクの供給方式として、交換式インクカートリッジを着脱自在に装着して印字機構に直接インクを供給する方式が知られている。そして、ヘッド機構のインク吸引に追従してインクカートリッジ内のインクが供給されるようにインクカートリッジ内の負圧が制御されている。
【0003】
インクカートリッジ内の負圧制御の方式として、インクカートリッジのインク室内に毛管力を有するスポンジなどのインク保持体(負圧発生部材)を備えたインクカートリッジが知られており、例えば、特許文献1及び特許文献2が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−33715号公報
【特許文献2】特開2015−145089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のインクジェット記録装置の印字機構は、例えば圧電方式、サーマル方式などが挙げられ、いずれの印字機構であっても、インクジェットヘッドの駆動によるインクの射出と吸引作用によってインクタンクからインクジェットヘッドにインクが供給されるように制御されるが、印字機構によりインクジェットヘッドの駆動力が異なるため、インクジェットヘッドの駆動力に適応したインク供給系全体の負圧制御が必要である。
【0006】
特許文献1は、インクカートリッジのインク室内にスポンジなどの2つのインク保持体(負圧発生部材)を備え、さらにインク供給口部にもインク保持体を備えて、2つの保持体を界面圧接してインク供給系全体の負圧を制御するとともに、インク供給口部のインク保持体の毛管力によりインク吐出口からのインク漏れを防止するというものである。
【0007】
特許文献2は、インクカートリッジのインク室内にスポンジなどの1つのインク保持体(負圧発生部材)を備え、さらにインク供給口部にもインク保持体を備えて、インク供給系全体の負圧を制御するとともに、インク供給口部のインク保持体の毛管力によりインク吐出口からのインク漏れも防止するというものである。
【0008】
上記特許文献1及び特許文献2は、ともにインク室内にインク保持体(負圧発生部材)を備えてインク室内の負圧を制御しかつインク吐出口部に設けたインク保持体(コンタクトフィルター)によりインク吐出口からのインク漏れを防止して、インク供給系全体の負圧を制御するというものであるが、本発明者らの知見によると、複数のインク保持体を設けた場合の負圧制御は、その保持体の界面の圧接面を隙間が生じないように均一に圧接した圧接面を形成することが肝要であるが、複数の保持体をインク容器内へ均一に圧接挿入することが難しく複数のインク保持体の間でシワや隙間が生じてその結果インクパスが生じ、所望の負圧制御ができなく、インク供給過多や吐出口からのインク漏れが生じるという問題がある。特に、インク容器内から外部に突出するインク吐出口部の長さが短いほど上記の問題が生じやすい。また、大きさの異なる複数のインク保持体は生産コストアップにつながるだけでなく、大きさの異なる複数のインク保持体のインク容器内への挿入はそれだけ生産時間を要し生産コストアップにつながるという問題がある。
【0009】
本発明者は、上記問題点について鋭意研究した結果、インク容器内の負圧制御においてインク吐出口部にコンタクトフィルター(インク保持体)を別部材として用いることなくまた複数のインク保持体(負圧発生部材)を用いることなく、インク容器内の負圧を制御しインク吐出口からのインク漏れが生じることがない、インク容器内に負圧発生部材(インク保持体)を用いた負圧制御構成を見出し本発明に至った。
【0010】
本発明の目的は、インクカートリッジのインク容器内に備えるインク保持体(負圧発生部材)1部材を使用したインク供給系全体の負圧制御がなされた、吐出口からのインク漏れがなく生産コストが低減されたインクカートリッジを提供することにある。
【0011】
この目的は、特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また、従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
即ち、本発明の第1の発明は、インクを収容するインク収容室と、前記インクを吐出するインク吐出口と、大気開放口と、前記大気開放口に連通しかつ前記インク収容室に連通する負圧形成室と、前記負圧形成室に収容される負圧発生部材とを少なくとも備え、前記インク吐出口が前記負圧形成室の底部側に設けられ、前記大気開放口へ連通する空気連通部が前記負圧形成室の上部側に設けられたインクカートリッジであって、前記負圧形成室の底部は前記インク吐出口に連通する開口が設けられた平面であり、前記負圧発生部材は、前記負圧形成室の内面によって圧縮されていない状態では、前記負圧発生部材の上面部に垂直方向上方に突出した突出部が一体的に備えられ、前記負圧発生部材の底面は平面である形状であり、前記負圧形成室に収容された状態では、前記突出部が前記負圧形成室の天板の内面リブによって前記突出部の周辺にある周辺部よりも強く前記インク吐出口方向に圧縮され、前記負圧形成室の底部の前記開口を除く全面に前記負圧発生部材の底面が接することを特徴とするインクカートリッジである。
【0013】
本発明の第2の発明は、インク及び負圧発生部材を収容する負圧形成室と、前記インクを吐出するインク吐出口と、大気開放口と、前記大気開放口に連通する空気連通部とを少なくとも備え、前記インク吐出口が前記負圧形成室の底部側に設けられ、前記大気開放口へ連通する空気連通部が前記負圧形成室の上部側に設けられたインクカートリッジであって、前記負圧発生部材は、前記負圧形成室の内面によって圧縮されていない状態では、前記負圧発生部材の上面部に垂直方向上方に突出した突出部が一体的に備えられた形状であり、前記負圧形成室に収容された状態では、前記突出部が前記負圧形成室の天板の内面リブによって前記突出部の周辺にある周辺部よりも強く前記インク吐出口方向に圧縮されていることを特徴とするインクカートリッジである。
【0014】
本発明の第3の発明は、第1の発明または第2の発明に記載の前記負圧発生部材が、前記インク吐出口の垂直方向上方に前記突出部が位置するように配置されることを特徴とするインクカートリッジである。
【0015】
本発明の第4の発明は、第1の発明乃至第3の発明に記載の前記負圧発生部材が、前記周辺部が前記突出部に向かって傾斜した形状であることを特徴とするインクカートリッジである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の第1の発明であるインクカートリッジは、インクを収容するインク収容室と、インクを吐出するインク吐出口と、大気開放口と、大気開放口に連通しかつインク収容室に連通する負圧形成室と、負圧形成室に収容される負圧発生部材とを少なくとも備え、インク吐出口が負圧形成室の底部側に設けられ、大気開放口へ連通する空気連通部が負圧形成室の上部側に設けられたインクカートリッジであって、負圧形成室の底部はインク吐出口に連通する開口が設けられた平面であり、負圧発生部材は、負圧形成室の内面によって圧縮されていない状態では、負圧発生部材の上面部に垂直方向上方に突出した突出部が一体的に備えられ、負圧発生部材の底面は平面である形状であり、負圧形成室に収容された状態では、突出部が負圧形成室の天板の内面リブによって突出部の周辺にある周辺部よりも強くインク吐出口方向に圧縮され、負圧形成室の底部の開口を除く全面に負圧発生部材の底面が接する構成にしている。本発明は、上記の構成としているので、負圧発生部材が負圧形成室に収納されているときは、負圧発生部材の各外面が負圧形成室の内壁に圧接された状態となる。このとき、負圧形成室の上部の内壁によって負圧発生部材の突出部はその周辺部と比較して強く圧縮されるため、その圧力によって負圧発生部材の底面の一部も強く圧縮される。この圧縮によって負圧発生部材の底面の一部における毛管力が強くなり、インク吐出口近傍における負圧発生部材の負圧が強くなるため、インク吐出口近傍に負圧発生部材を別途備えなくともインク吐出口からのインク漏れを防止することができると共に、負圧発生部材を複数設けるための生産コストアップを無くすことができる。
【0017】
また、本発明の第2の発明であるインクカートリッジは、インク及び負圧発生部材を収容する負圧形成室と、インクを吐出するインク吐出口と、大気開放口と、大気開放口に連通する空気連通部とを少なくとも備え、インク吐出口が負圧形成室の底部側に設けられ、大気開放口へ連通する空気連通部が負圧形成室の上部側に設けられたインクカートリッジであって、負圧発生部材は、負圧形成室の内面によって圧縮されていない状態では、負圧発生部材の上面部に垂直方向上方に突出した突出部が一体的に備えられた形状であり、負圧形成室に収容された状態では、突出部が負圧形成室の天板の内面リブによって突出部の周辺にある周辺部よりも強くインク吐出口方向に圧縮された構成にしている。本発明は、上記の構成としているので、負圧発生部材が負圧形成室に収納されているときは、負圧発生部材の各外面が負圧形成室の内壁に圧接された状態となる。このとき、負圧形成室の上部の内壁によって負圧発生部材の突出部はその周辺部と比較して強く圧縮されるため、その圧力によって負圧発生部材の底面の一部も強く圧縮される。この圧縮によって負圧発生部材の底面の一部における毛管力が強くなり、インク吐出口近傍における負圧発生部材の負圧が強くなるため、インク吐出口近傍に負圧発生部材を別途備えなくともインク吐出口からのインク漏れを防止することができると共に、負圧発生部材を複数設けるための生産コストアップを無くすことができる。また、小型化にも寄与することができる。
【0018】
また、本発明の第3の発明であるインクカートリッジは、インク吐出口の垂直方向上方に突出部が位置するように負圧発生部材が配置される構成にしている。本発明は、上記の構成としているので、インク吐出口近傍の負圧発生部材の負圧をより確実に強くすることができる。
【0019】
また、本発明の第4の発明であるインクカートリッジは、負圧発生部材の上面の周辺部が負圧発生部材の上面の突出部に向かって傾斜した形状である構成にしている。本発明は、上記の構成としているので、負圧発生部材を負圧形成室に収納する際に突出部に水平方向の力が働いても一方向に傾斜することがないので、インク吐出口近傍の負圧発生部材の負圧をより確実に強くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の1実施形態におけるインクカートリッジの断面図である。
図2図1におけるインクカートリッジのインクケースのみを断面図とした分解図である。
図3図1におけるインクカートリッジに収容される本発明の第1の実施形態の負圧発生部材である。
図4】本発明の第2の実施形態の負圧発生部材である。
図5】本発明の第3の実施形態の負圧発生部材である。
図6】本発明の他の実施形態におけるインクカートリッジの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の1実施形態について図面を参照して説明するが、本発明はこの事例に限られるものではなく、適宜選択が可能である。
【実施例1】
【0022】
図1から図3に示すように、本実施形態のインクカートリッジ1は、インク2を収容するインク収容室11と、インク2を吐出するインク吐出口12と、大気開放口21と、大気開放口21に連通しかつインク収容室11に連通する負圧形成室13と、負圧形成室13に収容される負圧発生部材14とを少なくとも備え、インク吐出口12が負圧形成室13の底部側に設けられ、大気開放口21へ連通する空気連通部23が負圧形成室13の上部側に設けられたインクカートリッジ1であって、負圧発生部材14は、負圧形成室13の内面によって圧縮されていない状態では、負圧発生部材14の上面部に垂直方向上方に突出した突出部15が一体的に備えられた形状であり、負圧形成室13に収容された状態では、突出部15が負圧形成室13の天板20の内面リブ26によって突出部15の周辺にある周辺部16よりも強くインク吐出口12方向に圧縮された構成となっている。
【0023】
負圧発生部材14は例えばスポンジ等の液体吸収体であり、圧縮された状態で負圧形成室13の内面に全面が密着するように収容される。この時、圧縮された負圧発生部材14の細孔が小さくなることで吸引力が高くなるので、インク2をインクカートリッジ1の内部に貯留することができるようになる。
【0024】
また、図3から図5に示すように、負圧発生部材14の上面に設けられた突出部15は周辺部16よりも上方へ突出しているため、負圧形成室13に収容されたときに周辺部16と比較して強く圧縮される。この圧縮によって突出部15の下方部分の吸引力をより強くすることができるので、インク吐出口12の近傍にコンタクトフィルタ等を新たに設けなくとも適切な負圧を得ることができる。このため、インク吐出口12の垂直方向上方に突出部15が位置するように負圧発生部材14を設定することが望ましく、より有利には、突出部15の面積をインク吐出口12の面積よりも広く設定することが望ましい。
【0025】
さらに、図3から図5に示すように、周辺部16を突出部15に向かって傾斜した形状としても良い。この構成にすることで、負圧発生部材14を負圧形成室13に収納する際に突出部15に水平方向の力が働いても一方向に傾斜することがないので、インク吐出口12近傍の負圧発生部材14の負圧をより確実に強くすることができる。また、周辺部16は突出部15に向かって傾斜していれば平面でも曲面でも良く、突出部15の形状も周辺部16に合わせて平面でも曲面でも良い。
【0026】
負圧発生部材14の各辺の長さは、負圧形成室13の対応する内面の長さの1.1倍〜1.3倍、より有利には1.15倍〜1.25倍にすることが望ましい。1.1倍よりも小さいと圧縮が弱いため十分な負圧が得られず、また、1.3倍よりも大きいと圧縮時にシワが生じてインク2の保持力が低下する可能性があり、負圧発生部材14の挿入方法を工夫する必要がある。
【0027】
負圧形成室13の天板20の内面には空気連通部23が設けられ、負圧形成室13の天板20の外面に設けられた大気開放口21と連通することでインクカートリッジ1の外部から負圧形成室13へ空気を流入させ、インク吐出口12からのインク2の吐出に伴う空気の導入を行うことができる。このとき、負圧形成室13への空気の流入が多いとインク2の吐出量が多過ぎる、もしくはインク漏れとなるため、大気開放口21と空気連通部23とを繋ぐ空気連通路22を細長くする等、空気流入に対する抵抗を適宜設定することが望ましい。
【0028】
インクケース10の内部には、負圧形成室13の隣に仕切り壁17を介してインク収容室11が備えられる。このインク収容室11には負圧形成室13の天板20に設けられたインク注入口24から注入されたインク2が貯留され、仕切り壁17の下方に設けられた連通路18を介して負圧形成室13にインク2を流入させることができ、その際、大気開放口21から負圧形成室13へ導入された空気を、連通路18を介してインク収容室11へ流入させることができる(気液交換)。なお、インク注入口24は、インク収容室11にインク2が注入された後は、インク注入口栓25によって塞がれる。
【0029】
インクカートリッジ1をプリンタ(図示せず)に装着する際は、係合部3がプリンタ側係合部(図示せず)に係合することで装着が行われ、レバー4を押すことで係合が解除されてインクカートリッジ1を取り外すことができる構成になっている。そして、装着が完了した後は、回路基板5とプリンタ側回路基板(図示せず)とが電気的に接続され、インクカートリッジ1とプリンタとの間で通信が行われ、印刷等の各種制御が行われるようになる。
【実施例2】
【0030】
図6に示すように、本実施形態のインクカートリッジ1は、インク2及び負圧発生部材14を収容する負圧形成室13と、インク2を吐出するインク吐出口12と、大気開放口21と、大気開放口21に連通する空気連通部23とを少なくとも備え、インク吐出口12が負圧形成室13の底部側に設けられ、大気開放口21へ連通する空気連通部23が負圧形成室13の上部側に設けられたインクカートリッジ1であって、負圧発生部材14は、負圧形成室13の内面によって圧縮されていない状態では、略直方体の負圧発生部材14の上面に垂直方向上方に突出した突出部15が備えられた形状であり、負圧形成室13に収容された状態では、突出部15が負圧形成室13の内面によって突出部15の周辺にある周辺部16よりも強く圧縮される構成となっている。
【0031】
本実施形態のインクカートリッジ1は、モバイルプリンタに使用できるように小型化したものであり、負圧形成室13内の負圧発生部材14にインク2を吸収させることで、インク2を収容するスペースを別途設けない構成としている。また、インク2の注入をインク吐出口12から行うことにより、インク注入口の配置スペースも省くことができる。
【0032】
なお、本実施形態においても本発明の負圧発生部材14が使用されており、負圧発生部材14を複数設けなくとも適切な負圧が得られるため、インク吐出口からのインク漏れを防止することができる。また、負圧発生部材を複数設けるための生産コストアップを無くすこと、部品点数の削減および小型化に寄与することができる。
【符号の説明】
【0033】
1…インクカートリッジ
2…インク
3…係合部
4…レバー
5…回路基板
10…インクケース
11…インク収容室
12…インク吐出口
13…負圧形成室
14…負圧発生部材
15…突出部
16…周辺部
17…仕切り壁
18…連通路
20…天板
21…大気開放口
22…空気連通路
23…空気連通部
24…インク注入口
25…インク注入口栓
26…内面リブ
















図1
図2
図3
図4
図5
図6