【実施例】
【0032】
Zn及びSで合金化されたInPコアと、ZnSのシェルとを有する赤色及び緑色コア−シェル型QDの両方を、米国特許第7,588,828号に記載されているようにして調製した。当該特許の内容の全体は、引用を以て、本明細書の一部となる。本明細書に記載された方法は、任意のQD材料に使用できることは理解されるであろう。
【0033】
<実施例1:IPMの赤色QD分散物>
3.3ODである、トルエンの赤色QD分散液0.045mLをバイアルに加えた。その後、トルエンを蒸発させて、脱ガスした1mのIMPを加えた。混合物を、窒素中にて2時間300rpmで撹拌して、QDを再分散させた。その後、赤色QDが入ったIMPを窒素中にてキュベットに移した。
【0034】
<実施例2:IPMホスト相を有する2相樹脂>
60ODである、トルエンの緑色QD分散液0.726mLをバイアルに加えて、トルエンを蒸発させた。その後、バイアルを真空下で1時間、40℃の加熱ブロック上で加熱して、残っている溶媒を除去した。1.5mLの脱ガスしたIPMを窒素下で固体残留物に加えて、300rpmで撹拌して、IMPの赤色QD分散液(1)を得た。0.15mLの(1)を、窒素中にて0.5mLのエポキシ(EPO−TEK OG142)に加えた。混合物を300rpmで20分撹拌して、その後、得られた2相QD樹脂を2つのガスバリア層(3M)の間に入れ、窒素中にて水銀灯を用いて1.5分硬化させた。これによって、約100マイクロメートルの厚さのQD膜が得られた。
【0035】
<実施例3:IPM/シリカホスト相を有する2相樹脂>
この実施例の2相樹脂は、ホスト相としてIPMを使用しており、ホスト相は、赤色QDと緑色QDの両方と、(支持として)ヒュームドシリカとを含んでいる。2相樹脂は、外側相としてエポキシを含んでいる。
【0036】
209.5OD@450nmである2mLのトルエンの赤色QD分散液を、バイアルに加えて、溶媒を、真空下で20℃で蒸発させた。その後、バイアルを、真空下で1時間、40℃加熱ブロック上で加熱して、残っている溶媒を除去した。1.7gの脱ガスしたIPMを窒素下で固体残留物に加えて撹拌して、QDを再分散させた。これにより、グラム当たり116.8ODの赤色QD分散物(2)を得た。
【0037】
504.8OD@450nmである8mLのトルエンの緑色QD分散液を、バイアルに加えて、溶媒を、真空下で20℃で蒸発させた。その後、バイアルを、真空下で1時間、40℃加熱ブロック上で加熱して、残っている溶媒を更に除去した。10.12gの脱ガスしたIPMを窒素下で固体残留物に加えて撹拌して、QDを再分散させた。これにより、グラム当たり128.79ODのQDの赤色QD分散物(3)を得た。
【0038】
グラム当たり@450nmでの5.26ODの赤色QDと36.84ODの緑色QDの濃度にてIPMのQD分散物(4)を作製するために、0.858グラムの(2)と13.284グラムの(3)とを、最初に窒素下で混合して、その後、1.862グラムの脱ガスしたIPMを加えた。その後、コロイド安定剤として0.386グラムのエアロジルR106を7グラムの(4)に加えて、これにより、IPM中に5%のエアロジルR106があるQD分散物(5)を得た。
【0039】
2相樹脂を作製するために、1グラムの(4)を、4グラムの外側相樹脂(20wt%の1,6−ヘキサンジオールジアクリレートと1wt%のイルガキュア819光開始剤を含むサートマー社のエポキシアクリレートCN104B80)に加えた。混合物を、窒素下にて300rpmで30分間撹拌した。その後、得られた2相QD樹脂を、ラミネーターにてガスバリア層の間に重ね合わせて、水銀灯を用いて30秒間硬化させた。これにより約100マイクロメートルの厚さのQD膜が得られた。
【0040】
<実施例4:外側相樹脂の調製>
外側相樹脂は、サートマー社のCN104B80(光開始剤及び抑制剤と共にヒドロキシエチルアクリレート(HEA)で希釈されたビスフェノールAを用いたオリゴマー)であった。CN104を55℃に加熱して、その材料を容易に流し込み得るようにした。室温にて、材料は、500000cpsを十分に超える粘性を有すると推定される(より大きな値には、バレルジャケットを用いて一晩加熱することを要するであろう)。CN104をスコットボトルに注いだ。CN104を少なくとも2時間冷ました(これは、用いた希釈剤(HEA)が熱に敏感なことによる)。HEAをボトルに入れた。SSインペラ(孔付きのアンカー又はパドル)を用いて、比較的一様になるまで材料を手動で混合した。O/H撹拌機を用いて、材料の反転(turnover)をもたらす速度で材料を撹拌した。撹拌を時々停止して、スコットボトルの側部と底部からCN104を手動でスクラッピング(scraping)できるようにした。混合物がほぼ一様になると、光開始剤(イルガキュア819)と抑制剤(4−ヒドロキシ−TEMPO)を加えて撹拌を続けた。十分に一様になると、撹拌を停止して、材料を一晩そのままにして、激しい撹拌により生じた泡を放出させた。材料を高真空(<1mbar)で脱ガスした。泡が完全に壊れると、材料を、少なくとも30分間高真空下で放置した。3回の真空/N2サイクルを実行し、リキャップ又は使用するために材料をグローブボックスに移した。
【0041】
<実施例5:QD分散物と膜の比較>
沸点が高い(340℃)IPMにQDを分散した。表1は、トルエンとIPMに分散した赤色QDの光学性能のまとめである。濃度は、550nmで測定された。
【表1】
【0042】
Zn及びSで合金化されたInPのコアと、ZnSのシェルとを有する緑色コア−シェルQDを、米国特許第7,588,828号に記載されたようにして調製した。緑色QDは通常、内側相(即ち、QDホスト相)としてLMA/TMPTMを用いた2相樹脂/膜にて顕著なPL赤方偏移を示す。例えば、20nm又は23nmのPL赤方偏移が、内側相としてLMA/TMPTMを、外側相としてエポキシ系樹脂(例えば、サートマー社のCN104B80)を用いたグラム当たり7ODの緑色QDの2相樹脂について観察される。PL赤方偏移は、搭載されるQDを多くする可能性を制限して、一般的にはQYと安定性が低い、PL波長が短い緑色QDを必要とする。
【0043】
表2は、内側相としてLMA/TMPTMを、外側相としてサートマー社のCN104B80を用いた2相樹脂中の緑色QDにおける、硬化前と硬化後の光学特性をまとめている。内側相(IP)と外側相(OP)の重量比は、20/80である。2相樹脂中の赤色QD及び緑色QDの濃度は夫々、グラム当たり0.7OD及び7ODである。表2に示すように、2相樹脂中における緑色QDについて、約15nmの赤方偏移が、硬化前でさえも観察される。2相樹脂中のQDのQYは60%であって、LMA/TMPTMの内側相は、QD表面リガンドよりも極性が高いことを示している。硬化した後、更に5nmのPL赤方偏移と10%のQYの低下とがQD膜について観察される。データは、より疎水性/適合性が高いホスト材料と、フリーラジカルへのQDの暴露を小さくすることとが必要であることを明確に示している。
【表2】
【0044】
図3に示すように、内側(ホスト)相としてIMPを、外側相としてエポキシ(OG142)を用いた2相QD膜は、バックライトユニットにて6ヶ月を超えても安定なQYを示す。これは、IPMホスト相の存在下でQDが安定になることを示している。
【0045】
2相樹脂のホスト相に足場又は支持材料を導入することで、2相樹脂システムを改善することができる。表3は、緑色QDを入れたIPMホスト相を用いた膜の光学特性を示しており、当該IPMホスト相は、QDを支持する疎水性ヒュームドシリカを含んでいる。支持材料は、疎水性ヒュームドシリカがオクタメチルシクロテトラシロキサンで処理されたエアロジルR106である。支持材料は、IPM/QD相にチキソトロープ性をもたらす。ホスト相は、剪断力なしでは固体又はペーストであるが、高剪断力下では液体として振る舞う。ホスト相は、外側相としてエポキシ(20%HDDAを有するCN104)を用いて、2相樹脂を作製するのに使用されている。
【表3】
【0046】
表3に示すように、IPMのホスト相と支持材料を有する膜中のQDの赤方偏移は、ほんの約10nmにすぎない。これは、LMA/TMPTM中の緑色QDで観察される赤方偏移に対して改善されている。ホスト相に足場材料を含めることで、ホスト材料樹脂の硬化の必要性が軽減される。表2に示すように、硬化プロセスは赤方偏移を誘発し、これは、足場材料を用いることで逃れられる。更に、QDが、IPMの疎水性環境とより適合することで、更に赤方偏移が小さくなる。
【0047】
表4は、支持材料としてエアロジルR106を含むIPM中に赤色QDがある膜のピーク光ルミネッセンス波長を示す。ホスト相は、外側相としてエポキシ(20%HDDAを有するCN104)を用いて、2相樹脂を作製するのに使用されている。
【表4】
【0048】
表4に示すように、ホスト相としてIPM/エアロジルを、外側相としてエポキシを用いた2相システムでは、赤色QDの放射ピークにて膜の赤方偏移がない。
【0049】
IPMに似た構造を有する疎水性化合物が、ホスト相として使用されてよい。例としては、ジブチルセバケート、ジオクチルセバケート、イソプロピルステアレート、及びイソプロピルパルミテートがある。
【0050】
<実施例6:サートマー社CN104及びカルボン酸メタクリレートを用いた樹脂配合物>
【0051】
4.00gの2−カルボキシエチルアクリレートオリゴマー(CEAO)をデュラン社製の琥珀色のボトルに入れた。当該ボトルには、1mLのTHFに予め溶解されており、空気中にて予め混合された0.202gのイルガキュア819が含められていた。その後、16.00gのCN104を加えて、混合物を機械的に100rpmで一晩空気中にて撹拌して、その後、THFを除去して、真空と窒素のサイクルを介して脱ガスして、樹脂1を得た。
【0052】
2相QD樹脂及び膜を作製するため、4.00gの樹脂1を1.00gの内側相に加えた。当該内側相は、イソプロピルミリステートに分散した35ODの緑色QDと、5ODの赤色QDと、5wt%のエアロジルR106とを含んでいた。混合物を、窒素中にて20分間300rpmで撹拌した。2相QD樹脂を、ラミネーターにてDバリア膜の間に挟んで、空気中にて30秒間、水銀灯を用いて硬化させた。
【0053】
<実施例7:サートマー社CN104及びカルボン酸メタクリレートを用いた樹脂配合物>
【0054】
外側相の調製:CN104(14.60g、サートマー社)を100mLの琥珀色ボトルに移した。光開始剤イルガキュア819(0.21g、オールドリッチ社)が溶解したメタクリル酸(MAA)(6.60g、オールドリッチ社)の溶液を調製して、ボトルに加えた。混合物を、オーバーヘッドスターラーを用いて暗所で一晩6期間撹拌して、樹脂2を得た。
【0055】
QD樹脂:赤色QD及び緑色QDを別々に乾燥させて、IPMに溶解させることで、内側相IPM溶液を調製した。3.5OD/gの赤色と35OD/gの緑色とを含む白色内側相溶液を、赤色溶液と、緑色溶液と、IPMと、5w%のエアロジルR106とを混合することで調製した。
【0056】
0.7OD/gの赤色と7OD/gの緑色の最終濃度を与えるように、4.00gの脱ガスした外側相に、脱ガスした白色の内側相溶液1.00gを加えることで、最終的な樹脂を調製した。その樹脂を、ラミネーターにてDバリア膜で挟んで、Hgランプを用いて、空気中にて30秒間硬化させた。
【0057】
<実施例8:サートマー社CN104及びヒドロキシ酸メタクリレートを用いた樹脂配合物>
【0058】
2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)を、1.00gのイルガキュア819を含むデュラン社製の琥珀色のボトルに入れて、磁気を用いて300rpmで15分間撹拌し、その後、39.00gのCN104を加えた。一様になるまで、混合物を空気中にて機械的に撹拌し、その後、真空と窒素のサイクルを用いて脱ガスすることで、樹脂3を得た。
【0059】
CN104/HEAを用いており、粘性が異なっている樹脂は、得られるQD膜のBLU安定性に影響を与えることなく(表7)、配合物中のHEAの比を変化させることで得られる(表5)。
【表5】
【0060】
エアロジルR106を用いた2相QD樹脂及び膜:4.00gの樹脂3を1.00gの内側相に加えた。当該内側相は、IPMに分散した35ODの緑色QDと、5ODの赤色QDと、5%又は10wt%のエアロジルR106とを含んでいた。混合物を窒素中にて20分間300rpmで撹拌した。2相QD樹脂を、ラミネーターにてDバリア膜で挟んで、水銀灯を用いて、空気中にて30秒間硬化させた。
【0061】
ポリイソプレンを用いた2相QD樹脂:4.00gの樹脂3を1.00gの内側相に加えた。当該内側相は、35ODの緑色QDと、5ODの赤色QDと、50wt%のポリイソプレン(シス、平均M
W=40,000g/mol)をIMP中に含んでいた。混合物を窒素中にて20分間300rpmで撹拌した。2相QD樹脂を、ラミネーターにてDバリア膜で挟んで、水銀灯を用いて、空気中にて30秒間硬化させた。
【0062】
<実施例9:サートマー社CN104及びヒドロキシ酸メタクリレートを用いた樹脂配合物>
【0063】
10.00gの2−ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)を、1.02gのイルガキュア819を含むデュラン社製の琥珀色のボトルに入れて、300rpmで15分間撹拌し、その後、40.00gのCN104を加えた。一様になるまで、混合物を空気中にて機械的に撹拌し、その後、真空と窒素のサイクルを用いて脱ガスすることで、樹脂4を得た。
【0064】
エアロジルR106を用いた2相QD樹脂及び膜:4.80gの樹脂4を1.20gの内側相に加えた。当該内側相は、イソプロピルミリステートに分散した35ODの緑色QDと、5ODの赤色QDと、5wt%のエアロジルR106とを含んでいた。混合物を窒素中にて20分間300rpmで撹拌した。2相QD樹脂を、ラミネーターにてDバリア膜で挟んで、水銀灯を用いて、空気中にて30秒間硬化させた。
【0065】
<実施例10:サートマー社CN104及びヒドロキシ酸メタクリレートを用いた樹脂配合物>
【0066】
20.00gの2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を、1.36gのイルガキュア819を含むデュラン社製の琥珀色のボトルに入れて、300rpmで15分間撹拌し、その後、46.67gのCN104を加えた。一様になるまで、混合物を空気中にて機械的に撹拌し、その後、真空と窒素のサイクルを用いて脱ガスすることで、樹脂5を得た。
【0067】
エアロジルR106を用いた2相QD樹脂及び膜:4.40gの樹脂5を1.10gの内側相に加えた。当該内側相は、イソプロピルミリステートに分散した35ODの緑色QDと、5ODの赤色QDと、5wt%のエアロジルR106とを含んでいた。混合物を窒素中にて20分間300rpmで撹拌した。2相QD樹脂を、ラミネーターにてDバリア膜で挟んで、水銀灯を用いて、空気中にて30秒間硬化させた。
【0068】
<実施例11:サートマー社CN104及びヒドロキシ酸メタクリレートを用いた樹脂配合物>
【0069】
20.00gの2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)を、1.36gのイルガキュア819を含むデュラン社製の琥珀色のボトルに入れて、300rpmで15分間撹拌し、その後、46.67gのCN104を加えた。一様になるまで、混合物を空気中にて機械的に撹拌し、その後、真空と窒素のサイクルを用いて脱ガスすることで、樹脂6を得た。
【0070】
エアロジルR106を用いた2相QD樹脂及び膜:4.40gの樹脂6を1.10gの内側相に加えた。当該内側相は、イソプロピルミリステートに分散した35ODの緑色QDと、5ODの赤色QDと、5wt%のエアロジルR106とを含んでいた。混合物を窒素中にて20分間300rpmで撹拌した。2相QD樹脂を、ラミネーターにてDバリア膜で挟んで、水銀灯を用いて、空気中にて30秒間硬化させた。
【0071】
<付着評価>
バリア層との封入QD膜の付着を、バリア層を手で引き離すことで評価した。表6は、種々のバリア層との配合物の付着をまとめている。
【表6】
【0072】
CN104と、ヒドロキシ又はカルボン酸メタクリレートとを用いたQD膜は、膜C及び膜Dについて、優れた付着を示している。バリア層に対するQD膜の優れた付着によって、QD膜は、機械的及び熱的に安定になる。
【0073】
表7は、内側相が同じであって、CN104/HEA外側相が様々である配合物から調製されたQD膜から得られた光学性能データをまとめている。膜のQY/EQEと安定性は、外側相におけるHEA比によって影響を受けているようには見えず、このことは、粘性が様々な樹脂を、それらの膜の光学性能及び安定を損なうことなく調合することが可能であることを示唆している。膜は、同じ内側相と、様々なCN104/HEA外側相とから調製された。内側相は、IPMに分散した35OD/gの緑色QDと、5OD/gの赤色QDと、5wt%のエアロジルR106とを含んでいた。内側相に対する外側相の重量比は、1/4であった。QD膜は、空気中にてラミネーターでDバリア層の間に作られて、30秒の樹脂リラクゼーションの後、30秒間硬化された。
【表7】
【0074】
図4は、得られたQD膜の端での侵入について、CN104配合物における様々な定着剤の効果を示している。CN104中における一般的な定着剤PEGジアクリレート(PEGDA、Mn=575g/mol)と1,6ヘキサンジオールジアクリレートは、QD膜の安定性を減少させた。例えば、15%及び30%のPEGDAを用いた膜における端での侵入は、BLU暴露時間と共に増加して、BLUでの200時間後に夫々、0.3mm及び0.6mmに達した。また、20%のHDDAを用いた膜は、およそ0.4mmの端での侵入を示すが、15%及び30%のHEAを用いた膜は、0.3mmの侵入を示し、同じ試験条件下で700時間後でもそのままである。このことは、HEA定着剤の使用は、CN104ビスフェノールAエポキシアクリレートの酸素バリア特性に影響を与えないことを示唆している。
【0075】
図5は、20%HEAが入ったCN104樹脂を用いた2相QD膜の安定性を示している。白色膜の端での侵入は、362時間後0.3mmであり、BLUでの700時間後でも同じままであった。膜の端での侵入の観察は継続されて、膜の硬化に起因したバリア層の剥離や機械的なダメージによって侵入が引き起こされたか否かが確かめられた。
図6は、20%MAA/CN104外側相樹脂を用いた2相QD膜の安定性を示す。白色膜の端での侵入は、143時間後0.1mmであり、BLUでの383時間後では0.2mmに維持された。2相QD膜の安定性はまた、内側相の組成の影響を受けることに留意のこと。ジブチルセバケート(DBS)又はC12−C15安息香酸アルキルのようなより極性が高い化合物を加えることは、2相QD膜の安定性に影響を与え得る。これは、恐らく、内側相中のこれらの化合物が、外側相へと拡散して、外側相のガスバリア特性を変化させることによる。それ故に、内側相と外側相の間での相分離が良好であることが好ましい。
図7は、IPM/ポリイソプレン内側相と、CN104/20%HEA外側相とを用いた2相QD膜の安定性を示す。白色膜の端での侵入は、BLUでの1122時間中0.1mmで一定であった。
【0076】
好ましい実施形態及びその他の実施形態に関する上記の説明は、出願人が思い付いた発明概念の範囲又は適用可能性を制限又は限定することを意図してはいない。開示されている主題の任意の実施形態又は態様に基づいた上記の特徴は、開示されている主題のその他の任意の実施形態又は態様において、単独で、或いは、その他の開示された任意の特徴と組み合わされて用いられてよいことは、開示されている発明の利益と併せて理解できるであろう。