特許第6843463号(P6843463)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6843463デバイスツーデバイス通信の同期のための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6843463
(24)【登録日】2021年2月26日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】デバイスツーデバイス通信の同期のための方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 56/00 20090101AFI20210308BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20210308BHJP
【FI】
   H04W56/00 130
   H04W92/18
【請求項の数】15
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2018-167501(P2018-167501)
(22)【出願日】2018年9月7日
(62)【分割の表示】特願2016-549299(P2016-549299)の分割
【原出願日】2015年1月28日
(65)【公開番号】特開2019-13030(P2019-13030A)
(43)【公開日】2019年1月24日
【審査請求日】2018年9月20日
(31)【優先権主張番号】61/934,028
(32)【優先日】2014年1月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100131886
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 隆志
(74)【代理人】
【識別番号】100161399
【弁理士】
【氏名又は名称】大戸 隆広
(74)【代理人】
【識別番号】100166660
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 晴人
(74)【代理人】
【識別番号】100170667
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 浩次
(74)【代理人】
【識別番号】100188879
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 未央子
(72)【発明者】
【氏名】ソルレンティーノ、ステファノ
【審査官】 吉村 真治▲郎▼
(56)【参考文献】
【文献】 特表2017−507582(JP,A)
【文献】 特開2011−176549(JP,A)
【文献】 特開2012−244424(JP,A)
【文献】 特開2013−034165(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/073131(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/121374(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/035367(WO,A1)
【文献】 Nokia, NSN,D2D synchronization and transmission timing[online], 3GPP TSG-RAN WG1#75 R1-135591,2013年11月 2日
【文献】 Ericsson,Synchronization Signals and Channel Design for D2D Discovery and Communication[online], 3GPP TSG-RAN WG1#75 R1-135804,2013年11月 2日
【文献】 LG Electronics,Discussion on design of D2DSS and PD2DSCH[online], 3GPP TSG-RAN WG1#75 R1-135479,2013年11月 1日
【文献】 Ericsson,Synchronization Signals and Channel Design for D2D Discovery and Communication[online], 3GPP TSG-RAN WG1♯76 R1-140774,2014年 1月31日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信ネットワーク(10)における動作のために構成される無線デバイス(16)における方法(600)であって、
前記無線デバイス(16)において受信される、プライマリ同期信号とセカンダリ同期信号とを含む同期信号を検出すること(602)と、
前記プライマリ同期信号と前記セカンダリ同期信号の相対的な位置又はマッピングから、前記同期信号が、前記無線通信ネットワーク(10)における基地局(20)から発せられたネットワーク同期信号であるか、他の無線デバイス(16)から発せられ、前記ネットワーク同期信号と同じシーケンスのうちの少なくともサブセットを用いて生成されるデバイス生成型同期信号であるかについて、決定すること(604)と、
前記同期信号がネットワーク同期信号であると決定された場合にネットワーク同期信号の受信に関連する第1の処理手続(606)に従って前記同期信号を処理すること、及び、前記同期信号がデバイス生成型同期信号であると決定された場合にデバイス生成型同期信号の受信に関連する第2の処理手続(608)に従って前記同期信号を処理すること
とを有することを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法(600)であって、前記第2の処理手続(608)は、前記同期信号がデバイス生成型同期信号である場合に送信される、物理デバイス・ツー・デバイス同期チャネル(PD2DSCH)の復号を試行することと、前記PD2DSCHを復号することから得られる1つ以上のパラメータを処理することと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法(600)であって、前記第1の処理手続(606)は、ネットワーク同期信号に対して前記無線デバイス(16)の1つ以上のタイミングを同期させるための第1のルールを含み、前記第2の処理手続(608)は、デバイス生成型同期信号に対して前記無線デバイス(16)の1つ以上のタイミングを同期させるための第2のルールを含む、ことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の方法(600)であって、前記プライマリ同期信号と前記セカンダリ同期信号がネットワーク同期信号であるかデバイス生成型同期信号であるかについての前記決定は、前記同期信号の相対的な位置から行われる、ことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の方法(600)であって、前記決定すること(604)は、前記相対的な位置の1つの面としての前記プライマリ同期信号及びセカンダリ同期信号の間の間隔又は距離が、時分割複信(TDD)モードで動作する基地局(20)によって使用されるように定められた間隔又は距離と異なる場合に、前記同期信号がネットワーク同期信号ではなくデバイス生成型同期信号であると決定することを含む、ことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか1項に記載の方法(600)であって、前記決定すること(604)は、前記相対的な位置の別の面としての前記プライマリ同期信号及びセカンダリ同期信号の順序が、周波数分割複信(FDD)モードで動作している基地局(20)によって使用されるように定められた順序と異なる場合に、前記同期信号がネットワーク同期信号ではなくデバイス生成型同期信号であると決定することを含む、ことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか1項に記載の方法(600)であって、前記決定すること(604)は、前記同期信号に関連する前記無線デバイス(16)によって受信されるデバイス・ツー・デバイス(D2D)ブロードキャスト制御チャネルにおける1つ以上の制御フィールドが包含されている又は省略されている場合に、前記同期信号がネットワーク同期信号ではなくデバイス生成型同期信号であると決定することを含み、前記制御フィールドの省略又は包含が、前記D2Dブロードキャスト制御チャネルを、前記ネットワーク同期信号の個別の送信に関連する前記基地局(20)のいずれかによるネットワークブロードキャスト制御チャネル伝送と特性的に区別する、ことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の方法(600)であって、前記決定すること(604)は、
前記相対的な位置の1つの面としての前記プライマリ同期信号及びセカンダリ同期信号の間の距離が、時分割複信(TDD)モードで動作している基地局(20)によって使用されることが知られている定められた距離と異なる場合に、前記同期信号が前記TDDモードで動作している基地局(20)から発されていないと決定することと、
前記相対的な位置の別の面としての前記プライマリ同期信号及びセカンダリ同期信号の順序が、周波数分割複信(FDD)モードで動作している基地局(20)によって使用されることが知られている定められた順序と異なる場合に、前記同期信号が前記FDDモードで動作している前記基地局(20)から発されていないと決定することと、
の少なくとも1つを含む、ことを特徴とする方法。
【請求項9】
無線通信ネットワーク(10)における動作のために構成される無線デバイス(16)であって、
前記無線通信ネットワーク(10)における基地局(20)から及び他の無線デバイス(16)から、信号を受信するために構成される通信インタフェース(40)と、
前記通信インタフェース(40)と動作可能に関連付けられている処理回路(46)であって、
前記無線デバイス(16)において受信される、プライマリ同期信号とセカンダリ同期信号とを含む同期信号を検出し、
前記プライマリ同期信号と前記セカンダリ同期信号の相対的な位置又はマッピングから、前記同期信号が、前記基地局(20)のいずれかから発せられたネットワーク同期信号であるか、他の無線デバイス(16)から発せられ、前記ネットワーク同期信号と同じシーケンスのうちの少なくともサブセットを用いて生成されるデバイス生成型同期信号であるかについて、決定し、
前記同期信号がネットワーク同期信号であると決定された場合にネットワーク同期信号の受信に関連する第1の処理手続に従ってプライマリ同期信号及びセカンダリ同期信号を処理し、及び、前記同期信号がデバイス生成型同期信号であると決定された場合にデバイス生成型同期信号の受信に関連する第2の処理手続に従ってプライマリ同期信号及びセカンダリ同期信号を処理する
ように構成される処理回路(46)と、を有することを特徴とする無線デバイス。
【請求項10】
請求項9に記載の無線デバイス(16)であって、前記第2の処理手続に従って、前記処理回路(46)は、前記同期信号がデバイス生成型同期信号である場合に送信される、物理デバイス・ツー・デバイス同期チャネル(PD2DSCH)の復号を試行し、前記PD2DSCHを復号することから得られる1つ以上のパラメータを処理する、ように構成されることを特徴とする無線デバイス。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の無線デバイス(16)であって、前記第1の処理手続に従って、前記処理回路(46)は、ネットワーク同期信号に対して前記無線デバイス(16)の1つ以上のタイミングを同期させるための第1のルールに従い、前記第2の処理手続に従って、デバイス生成型同期信号に対して前記無線デバイス(16)の1つ以上のタイミングを同期させるための第2のルールに従う、ように構成されることを特徴とする無線デバイス。
【請求項12】
請求項9から11のいずれか1項に記載の無線デバイス(16)であって、前記処理回路(46)は、前記プライマリ同期信号と前記セカンダリ同期信号の相対的な位置から、前記同期信号がネットワーク同期信号であるかデバイス生成型同期信号であるかについて決定する、ように構成されることを特徴とする無線デバイス。
【請求項13】
請求項9から12のいずれか1項に記載の無線デバイス(16)であって、前記処理回路(46)は、前記同期信号に関連する前記無線デバイス(16)によって受信されるデバイス・ツー・デバイス(D2D)ブロードキャスト制御チャネルにおける1つ以上の制御フィールドが包含されている又は省略されている場合に、前記同期信号がネットワーク同期信号ではなくデバイス生成型同期信号であると決定するように構成され、前記制御フィールドの省略又は包含が、前記D2Dブロードキャスト制御チャネルを、前記ネットワーク同期信号の個別の送信に関連する前記基地局(20)のいずれかによるネットワークブロードキャスト制御チャネル送信と特性的に区別する、ことを特徴とする無線デバイス。
【請求項14】
請求項9から13のいずれか1項に記載の無線デバイス(16)であって、前記処理回路(46)は、
前記相対的な位置の1つの面としての前記プライマリ同期信号及びセカンダリ同期信号の間の間隔又は距離が、時分割複信(TDD)モードで動作している基地局(20)によって使用されることが知られている定められた間隔又は距離と異なる場合に、前記同期信号が前記TDDモードで動作している基地局(20)から発されていないと決定し、
又は、
前記相対的な位置の別の面としての前記プライマリ同期信号及びセカンダリ同期信号の順序が、周波数分割複信(FDD)モードで動作している基地局(20)によって使用されることが知られている定められた順序と異なる場合に、前記同期信号が前記FDDモードで動作している前記基地局(20)から発されていないと決定する、
ように構成されることを特徴とする無線デバイス。
【請求項15】
無線デバイス(16)において受信される、プライマリ同期信号とセカンダリ同期信号とを含む同期信号を検出すること(602)と、
前記プライマリ同期信号と前記セカンダリ同期信号の相対的な位置又はマッピングから、前記同期信号が、ネットワーク(10)における基地局(20)から発せられたネットワーク同期信号であるか、他の無線デバイス(16)から発せられ、前記ネットワーク同期信号と同じシーケンスのうちの少なくともサブセットを用いて生成されるデバイス生成型同期信号であるかについて、決定すること(604)と、
前記同期信号がネットワーク同期信号であると決定された場合にネットワーク同期信号の受信に関連する第1の処理手続(606)に従って前記同期信号を処理すること(606)、及び、前記同期信号がデバイス生成型同期信号であると決定された場合にデバイス生成型同期信号の受信に関連する第2の処理手続(608)に従って前記同期信号を処理すること、
を含んだ方法を前記無線デバイス(16)に実行させるための命令を有するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、無線通信ネットワークに関し、具体的には、デバイスツーデバイス同期シーケンスを含む、そうしたネットワークにおける同期シーケンスの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
デバイスツーデバイス通信は、アドホックネットワーク及びセルラーネットワークを含む多くの既存の無線技術の、よく知られ広く使用されているコンポーネントである。例として、Bluetooth、及びWiFiダイレクトといったIEEE802.11標準スイートの複数の派生が含まれる。これらの例示的なシステムは、アンライセンススペクトルにおいて動作する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、ネットワーク内で動作する無線デバイスの近接性を活用する一方で、制御された干渉環境においてデバイスを動作させることを可能にもする手段として、デバイスツーデバイス(D2D)通信の、セルラーネットワークの下層としての使用が提案されている。1つの提案されたアプローチにおいて、D2D通信は、例えばD2D通信の使用のためにセルラーのアップリンクリソースのいくつかを予約することにより、セルラーシステムと同じスペクトルを共有する。しかしながら、専用的な予約よりも、セルラーサービスとD2D通信との間でのセルラースペクトルの動的な共有が、より有望な代替手段である。なぜなら、セルラーのスペクトルリソースは本来的に欠乏気味であるため、及び動的な割り当てがより大きなネットワークの柔軟性とより高いスペクトル効率とを提供するためである。
【0004】
3GPP(Third Generation Partnership Project)は、ネットワーク制御型のD2Dを“Proximity Services”又はProSeとして言及し、LTE(Long Term Evolution)仕様へD2D機能性を統合することを目指した努力が進められている。ProSe SI(Study Item)は、ネットワークカバレッジの外の無線デバイス−3GPPによりユーザ機器又はUEとしても言及される−の間で、及びカバレッジ内の無線デバイスとカバレッジ外の無線デバイスとの間で、D2D動作をサポートすることを推奨している。そうしたケースでは、隣接する無線デバイスとの局所的な同期を提供するために、あるUEが同期信号を定期的に送信し得る。
【0005】
ProSe SIはまた、セル間D2Dシナリオをサポートすることも推奨し、ここでは、おそらくは非同期セルにキャンプオンしている複数のUEが、互いに同期することが可能である。さらにまた、ProSe SIは、LTEコンテキストにおいて、D2D対応のUEが、周波数分割複信(FDD)セルラースペクトルについてはD2D通信のためにアップリンク(UL)スペクトルを使用し、時分割複信(TDD)セルラースペクトルからはULサブフレームを使用することを推奨している。その結果、D2D対応のUEは、セルラースペクトルのダウンリンク(DL)部分において、D2D同期信号−D2DSSと表記される−を送信することを予期されていない。その制約は、3GPP LTEコンテキストにおいてeNodeB又はeNBとして言及され、且つ、ダウンリンク上でプライマリ同期信号(PSS)及びセカンダリ同期信号(SSS)を周期的に送信する、ネットワーク無線ノード又は基地局と対照をなす。
【0006】
PSS/SSSは、UEによる、セルサーチ動作の実行と、セルラーネットワークとの初期同期の獲得とを可能にする。PSS/SSSは、セル間干渉を制限し、セル識別エラーを最小限にし、信頼性の高い同期を得るために、良好な相関特性を有する予め定義されたシーケンスに基づいて生成される。PSS/SSSシーケンスの、全部で504個の組み合わせがLTEにおいて定義され、それだけの数のセルIDにマッピングされる。sync信号を成功裏に検出し及び識別するUEは、よって、対応するセルIDも識別することができる。
【0007】
LTEネットワークにおける、DL上でeNBにより使用されるPSS/SSSコンフィグレーションをより良好に理解するために、図1は、FDDスペクトル及びTDDスペクトルのケースにおける、PSS及びSSSについての時間位置を例示している。図2は、PSSの生成と、結果的に生じる信号構造とを例示しており、図3は、SSSの生成と、結果的に生じる信号構造とを例示している。
【0008】
図2は特に、Zadoff−Chuシーケンスを使用したPSSの形成を大きく取り上げている。これらの符号は、全ての非ゼロラグ(nonzero lags)においてゼロである巡回的な自己相関を有する。したがって、同期符号としてZadoff−Chuシーケンスが使用される場合、ゼロラグにおいて−即ち、理想的なシーケンスと受信されたシーケンスとが同期されているときに−最大の相関が見られる。図3は、SSSの生成と、結果的に生じる信号構造とを例示している。LTEにおいて、ダウンリンク上でeNBにより送信される際、PSSは、DCサブキャリアの両側における、31番目までのサブキャリアにマッピングされ、このことは、以下の図に示されるように、PSSが、各側に5個の予約サブキャリアを伴って、6個のリソースブロックを使用することを意味する。実質的には、PSSは、所与のシンボル時間において、OFDMリソースグリッドの中央の62個のサブキャリアにマッピングされ、ここで“OFDM”は、直交周波数分割多重を表し、ここでは1つのOFDM信号の全体が、周波数において間隔を空けて配された複数の個別のサブキャリアを含み、各OFDMシンボル時間における各サブキャリアが、1つのリソースエレメントを構成する。
【0009】
図3が例示するように、SSSは、Zadoff−Chuシーケンスを用いずに、むしろMシーケンスを用いて生成され、当該Mシーケンスは、シフトレジスタの、あり得る各ステートの巡回を通じて生成される、疑似ランダムバイナリシーケンスである。シフトレジスタ長は、シーケンス長を規定する。LTEにおけるSSSの生成は、現在、長さが31のMシーケンスに依拠している。
【0010】
上記に留意して、以下の方程式は、LTEネットワークにおける所与のセルの物理セル識別子を定義する。
IDCELL=3NID(1)+NID(2)
式中、NID(1)は、物理レイヤセルidグループ(0から167)であり、NID(2)は、グループ(0から2)内のidである。注記したように、この配列は、504個の値のセル識別子空間を定義する。PSSは、グループNID(2)内のセルidにリンクされ、一方でSSSは、グループNID(1)内のセルidと、グループNID(2)内のセルidとにリンクされる。特に、PSSは、62の長さを有する複素シンボルの、Zadoff−Chuシーケンスである。グループNID(2)内のセルidによってインデックスが付けられた、3つのルートシーケンスが存在する。SSSに関し、31の長さの2つのシーケンスは、グループNID(1)から、及びグループNID(2)からのセルidの関数としてスクランブルされる。受信機は、PSSを復調してグループNID(2)内の値を得ることにより、PSS及びSSSにより伝達されるセルidを得て、次いで、その知識を用いてSSSを復調して、グループNID(1)内の値を得る。
【0011】
LTEにおいてPSS及びSSSを生成するために使用される、Zadoff−Chuシーケンス及びMシーケンスの望ましい特性を理由として、並びに、先ほど概略を述べたような、アルゴリズムに対する既存の投資と、それに関連付けられるデバイス側の処理とを理由として、D2D同期信号(D2DSS)のために、これらの“レガシー”PSS/SSSの信号生成及び検出の技法を再利用することに、明確な関心が示されている。3GPP内の無線アクセスネットーワーク(RAN)を担当する技術仕様グループあるいはTSGの、TSG RAN1 #74bis会合において、D2DSSのさらなる態様が検討されている。TSG RANは、FDD動作モード及びTDD動作モードの双方についての、UTRAN(Universal Terrestrial Radio Access Network)及びE−UTRAN(Evolved UTRAN)の機能、要件、及びインターフェイスを定義することを担当する。以下の検討の前提が、この会合において表明されている。
−同期ソースは、少なくともD2DSSを送信する:D2D同期信号は、
a.少なくとも時間/周波数を導出するために、D2D UEにより使用され得る。
b.同期ソースのid及び/又はタイプをも搬送し得る(FFS)。
c.少なくともPD2DSSを含む。
i.PD2DSSは、ZCシーケンスである。
ii.長さ FFS
d.SD2DSSをも含んでもよい。
i.SD2DSSは、Mシーケンスである。
ii.長さ FFS
−さらなる議論の目的のための概念として、次のようなチャネルが定義されるであろうことを示唆するわけではないが、物理D2D同期チャネルあるいはPD2DSCHを考慮されたい。
e.以下の1つ以上を含む情報を搬送し得る(さらなる検討用又はFFS):
i.同期ソースのid
ii.同期ソースのタイプ
iii.データ及び/又は制御のシグナリングのためのリソース割り当て
iv.データ
v.他のFFS
−同期ソースは、D2DSSを送信するいずれかのノードである。
f.同期ソースは、物理id PSSIDを有する。
g.同期ソースがeNBである場合、D2DSSは、Rel−8 PSS/SSSである。
h.注記:RAN1#73において、“同期リファレンス”は、よって、1つ以上の同期ソースにより送信される、Tlが関連する同期信号を意味する。
【0012】
ある範囲の様々な分散型同期プロトコルが考えられるとはいえ、3GPPにより目下考慮されている1つのオプションは、マルチホップsyncリレーの可能性を伴う階層型の同期に基づいている。手短に言うと、幾つかのノードが、分散型同期アルゴリズムに従って、同期マスタ−同期ヘッド(SH)又はクラスタヘッド(CH)として言及されることがある−の役割を果たす。同期マスタがUEである場合、当該UEは、D2DSS及び/又はPD2DSCHを送信することによって同期を提供する。同期マスタがeNBである場合、当該eNBは、MIB/SIBシグナリングを使用して送信されるような、PSS/SSS及びブロードキャスト制御情報による同期を提供し、ここで、MIBは“マスタ情報ブロック”を、SIBは“システム情報ブロック”を表す。
【0013】
同期マスタは、独立した同期ソースとして動作する同期ソースの特別なケースであり、即ち、無線インターフェイスの使用により他のノードからの同期を継承しない。同期ソースのカバレッジ下にあるUEは、予め定義されたルールに従い、それらの同期ソースにより受信された同期リファレンスに従って、D2DSS及び/又はPD2DSCH自体を送信する。当該UEは、D2DSS及び/又はPD2DSCHの使用により、同期マスタから受信された制御情報の少なくとも一部をも送信し得る。そうした動作モードは、ここで“syncリレー”又は“CPリレー”としても言及される。
【0014】
“同期リファレンス”を、ある同期信号に関連付けられた時間リファレンス及び/又は周波数リファレンスとして定義することも有用である。例えば、リレーされた同期信号は、ファーストホップにおけるsync信号として、同一の同期リファレンスに関連付けられる。
【0015】
D2DSS、sync信号のためにレガシーPSS/SSSを再利用することから、多数の利点又は利益が生じる。例えば、UEは、ネットワーク内のeNBから送信されたPSS/SSS信号を、既に検出して処理していなければならないため、同一のPSS/SSSシーケンスがD2DSSのために使用される場合、実質的に同一のアルゴリズム及び処理が、D2DSSの検出のために再利用され得る。しかしながら、そうした再利用に伴って多数の潜在的な問題が生じることが、ここでは認識されている。
【0016】
例えば、セルID[0,…,503]が、LTEネットワークにおいて動作するeNBから提供された同期リファレンス又は同期ソースを識別するという前提を考慮されたい。同様の様式で、D2D対応型UEから提供された同期リファレンス又は同期ソースを識別するために、D2D idが使用されることも想定される。D2D idは、セルIDよりも有意に長いかもしれず、例えば16ビット以上であり、sync検出性能を有意に低下させずにD2DSSにマッピングされることは、不可能である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
ここでの教示内容の1つの態様において、送信機は、同期信号を伝達するために使用される送信機のタイプ及び/又はキャリアのタイプを受信機が区別することを可能にする、1つ以上の定義された送信特性に従って、同期信号を送信する。異なるタイプの送信機は、同一の同期信号シーケンス及び生成アルゴリズムの少なくとも幾つかを再利用するが、異なる送信パラメータを使用して、送信される同期信号に対し、1つ以上の認識可能な特性を付与する。すると、適切に構成された受信機は、どの特性がどの送信機のタイプ及び/又はキャリアのタイプに関連付けられているのかを「知ることができる」。例えば、無線通信ネットワークにおいて動作する無線デバイスは、ネットワーク同期信号の送信のためにネットワーク基地局により使用される同一のシーケンスの少なくとも幾つかを再利用するデバイス生成型同期信号を送信する。しかしながら、デバイス生成型同期信号は、ネットワーク同期信号のために使用されるものとは特性的に異なる相対的位置又はマッピングを使用して送信される。
【0018】
1つの例において、無線デバイスは、無線通信ネットワークにおいて動作するために構成され、無線デバイスにおいて受信される同期信号を検出することと、当該受信された同期信号の相対的位置又はマッピングから、当該同期信号が、基地局から発せられたネットワーク同期信号であるのか、別の無線デバイスから発せられたデバイス生成型同期信号であるのかを決定することと、を含む方法を実装する。それに対応して、無線デバイスは、受信された同期信号がネットワーク同期信号であると決定された場合には第1の処理手続に従い、及び受信された同期信号がデバイス生成型同期信号であると決定された場合には第2の処理手続に従って、当該受信された同期信号を処理するように構成される。
【0019】
別の例において、無線通信ネットワークにおいて動作するために構成される無線デバイスは、ネットワーク内の基地局から、及び他の無線デバイスから、信号を受信するために構成される通信インターフェイスを含む。無線デバイスはさらに、通信インターフェイスに動作可能に関連付けられる処理回路を含み、当該処理回路は、無線デバイスにおいて受信される同期信号を検出し、当該同期信号の相対的位置又はマッピングから、当該受信された同期信号が、基地局から発せられたネットワーク同期信号であるのか、別の無線デバイスから発せられたデバイス生成型同期信号であるのかを決定する、ように構成される。それに対応して、処理回路は、受信された同期信号がネットワーク同期信号であると決定された場合には第1の処理手続に従い、及び受信された同期信号がデバイス生成型同期信号であると決定された場合には第2の処理手続に従って、受信された同期信号を処理する、ように構成される。
【0020】
別の例において、無線通信ネットワークにおいて動作するために構成される無線デバイスは、デバイス生成型同期信号を送信する方法を実装する。この方法は、ネットワーク同期信号のためにネットワーク内の複数の基地局により使用される同一のシーケンスの少なくともサブセットを用いて、デバイス生成型同期信号を生成することを含む。この方法はさらに、当該同期信号が無線通信ネットワーク内の基地局から発せられるネットワーク同期信号よりもむしろデバイス生成型同期信号であると、受信する無線デバイスが判定することを可能にする相対的位置又はマッピングに従って、デバイス生成型同期信号を送信することを含む。
【0021】
対応する一実施形態において、無線通信ネットワークにおいて動作するために構成される無線デバイスは、ネットワーク基地局へ信号を送信するために、及び、他の無線デバイスへ信号を送信するために構成される通信インターフェイスを備え、さらに、処理回路を含む。処理回路は、通信インターフェイスに動作可能に関連付けられており、ネットワーク同期信号を生成するために、ネットワーク内の基地局により使用される同一のシーケンスの少なくともサブセットを用いて、デバイス生成型同期信号を生成するように構成される。さらに、処理回路は、当該同期信号が無線通信ネットワーク内の基地局から発せられるネットワーク同期信号よりもむしろデバイス生成型同期信号であると、受信する無線デバイスが判定することを可能にする相対的位置又はマッピングに従って、デバイス生成型同期信号を送信するように構成される。
【0022】
当然ながら、本発明は、上記の特徴及び利点に限定されない。当業者らは、以下の詳細な説明を読み、添付の図面を見ると、さらなる特徴及び利点を認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】時分割複信(TDD)モード及び周波数分割複信(FDD)モード用のLTE(Long Term Evolution)ネットワークにおいて、ダウンリンク上で送信されるプライマリ同期信号及びセカンダリ同期信号のための既知の送信タイミングを例示する図である。
図2】LTEネットワークにおいて動作するネットワーク基地局にとって既知である通りのプライマリ同期信号の生成及び構造を例示する図である。
図3】LTEネットワークにおいて動作するネットワーク基地局にとって既知である通りのセカンダリ同期信号の生成及び構造を例示する図である。
図4】ここでの教示内容に従って1つ以上の無線デバイスが構成される、無線通信ネットワークの1つの実施形態のブロック図である。
図5】ここでの教示内容に従って構成される、LTEネットワーク内のeNBなどの基地局及び無線デバイスについての例示的な詳細の1つの実施形態のブロック図である。
図6】無線デバイスにおいて受信される同期信号を処理する方法の1つの実施形態の論理フロー図である。
図7】無線デバイスからデバイスツーデバイス(D2D)同期信号を送信する方法の1つの実施形態の論理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図4は、無線アクセスネットワーク(RAN)12及びコアネットワーク(CN)14を含む無線通信ネットワーク10の1つの実施形態を例示する。このネットワーク10は、無線デバイス16を、インターネット又は別のパケットデータネットワークといった1つ以上の外部ネットワーク18に、通信可能に連結する。この図は、議論を容易にするために簡略化されており、ネットワーク10が、例示されたエンティティのいずれか1つ以上のさらなる例を含み得ること、及び、例示されていない他のエンティティを含み得ることが認識されるであろう。例えば、CN14は、モビリティ管理エンティティ又はMME、サービングゲートウェイ又はSGW、パケットゲートウェイ又はPGW、及び、測位ノード、運用&メンテナンスノード等といった1つ以上の他のノードを含み得る。
【0025】
RAN12は、多数の基地局20−1、20−2、及び20−3を含み、これらはLTEコンテキストにおいて、eNB又はeNodeBとして言及される。明確にするために接尾文字が必要とされる場合を除き、単数及び複数の意味合いで基地局を指すために、参照番号“20”が使用される。各基地局20は、あるエアインターフェイスリソース−例えば、スペクトル、キャリア、チャネル等−を使用して、“セル”として言及される所与のエリアにわたってサービスを提供する。したがって、図4において基地局20−1は、セル22−1を提供し、基地局20−2は、セル22−2を提供し、基地局20−3は、セル22−3を提供する。明確にするために接尾文字が必要とされる場合を除き、ここでは、単数及び複数の意味合いでセルを指すために、参照番号“22”が使用される。
【0026】
当然ながら、所与の基地局20は、例えば、マルチキャリア動作のケースにおいては2つ以上のセル22を提供してもよく、ここでの教示内容は、図4に描かれる基地局20及びセル22の配置に限定されない。例えば、セルのサイズは、適応的であってもよく、又は不均一であってもよい。後者のケースにおいて、ネットワーク10は、“マクロ”セルとして言及される1つ以上の大きなセルの上に、“ミクロ”セル、“ピコ”セル、又は“フェムト”セルとして言及される1つ以上のより小さなセルが重畳されたヘテロジニアスネットワークを含み得る。これらのより小さなセルは、低電力アクセスポイントにより提供され、より高いデータレートのサービスを提供するサービスホットスポットとして使用されてもよく、及び/又は、マクロセルによって提供されるサービスカバレッジを拡張するか、若しくは補充するために使用されてもよい。幾つかのヘテロジニアスな配備において、マイクロセルはマクロセルにより使用されるものと同一の無線アクセス技術を使用し、例えば、LTEベースのマイクロセルはLTEベースのマクロセルに重畳される。
【0027】
図5は、基地局20及び無線デバイス16−1の1つの実施形態についての例示的な詳細を例示しており、無線デバイス16−1は、別の無線デバイス16−2に関係付けて示されている。当業者らは、図5が機能的な及び/又は物理的な回路配列を例示していること、並びに、基地局及び無線デバイス16−1が概して、構成データ、動作データ、又は作業データを記憶するために、及び、コンピュータプログラム命令を記憶するために、デジタル処理回路(及び関連付けられたメモリ又は他のコンピュータ可読媒体)を含むことを認識するであろう。ここで企図される実施形態の少なくとも幾つかにおいて、ネットワーク側及びデバイス側の機能性は、少なくとも部分的にデジタル処理回路のプログラム的な構成を通じて、記憶済みのコンピュータプログラム命令の当該回路による実行に基づき実現される。
【0028】
基地局20が、通信インターフェイス30、処理回路32、並びに関連付けられたメモリ/ストレージ34(例えば、揮発性の作業メモリと、不揮発性の構成及びプログラム用メモリ又はストレージとの混合といった、1つ以上のタイプのコンピュータ可読媒体)を含むことが、この例から分かる。通信インターフェイス30は、基地局20の特質に依存するが、概して、基地局20により提供されるいずれか1つ以上のセル22内の任意の数の無線デバイス16と通信するための無線送受信機(例えば、無線送信、受信、及び処理回路のプール)を含む。その例において、通信インターフェイス30は、1つ以上の送信機及び受信機、例えばセルラー無線回路と、それに加え、電力制御回路及び関連付けられた信号処理回路とを含む。さらに、同一のシナリオにおいて、通信インターフェイス30は、基地局間インターフェイス及び/又はバックホールインターフェイス若しくは他のCN通信インターフェイスを含み得る。
【0029】
処理回路32は、例えば、ここで教示される通りにネットワーク側の処理を実行するように固定的に構成され又はプログラミングされるデジタル処理回路を備える。1つの実施形態において、処理回路32は、1つ以上のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ASIC、FPGA等を備え、それらは、ここでの教示内容に従って構成される。特定の一実施形態において、メモリ/ストレージ34は、コンピュータプログラム36を記憶する。例示的な一実施形態において、処理回路32は、コンピュータプログラム36を構成するコンピュータプログラム命令を当該処理回路32自体が実行することに基づき、ここでの教示内容に従って少なくとも部分的に構成される。この点に関し、メモリ/ストレージ34は、コンピュータプログラム36のための非一時的ストレージを提供するコンピュータ可読媒体を備えるものとして理解されるであろう。
【0030】
例示的な無線デバイス16−1に戻ろう。当該無線デバイス16−1は、セルラー無線電話(スマートフォン、フィーチャーフォン等)か、タブレットコンピュータ若しくはラップトップコンピュータか、ネットワークアダプタ、ネットワークカード、ネットワークモデム、若しくは他のそうしたインターフェイスデバイスか、又は、本質的に、ネットワーク10における無線通信のために構成されるデバイス若しくは他の装置であり得る。3GPPのコンテキストにおいて、無線デバイス16−1はUEとして言及されており、ネットワーク10のエアインターフェイスに従った動作のために構成される無線周波数受信機42及び無線周波数送信機44を含む通信インターフェイス40を含むものとして、理解されるであろう。
【0031】
無線デバイス16−1はさらに、処理回路46を含み、当該処理回路46は、メモリ/ストレージ48を含むか、又はそれに関連付けられる。メモリ/ストレージ48は、例えば、揮発性の作業メモリと、不揮発性の構成及びプログラム用メモリ又は他のストレージとの混合といった、1つ以上のタイプのコンピュータ可読媒体を含む。同様に、当業者らは、通信インターフェイス40がアナログ回路及びデジタル回路の混合を備え得ることを認識するであろう。例えば、1つ以上の実施形態における受信機42は、アンテナにより受信される1つ以上の信号に対応するデジタル信号サンプルの1つ以上のストリームを生成する受信機フロントエンド回路−図では明示的に示していないが−と、それに加え、デジタルサンプルについて動作する1つ以上の受信機処理回路−例えば、ベースバンドデジタル処理回路、及び関連付けられたバッファメモリ−とを備える。例示的な動作には、送信された情報を回復するための、おそらくは干渉抑圧を伴った線形化又は他のチャネル補償と、シンボル復調/検出及び復号とが含まれる。
【0032】
通信インターフェイス40を通じて受信され及び送信される受信(RX)信号及び送信(TX)信号のためのデジタルベースバンド処理の少なくとも一部は、処理回路46において実装され得る。この点に関し、処理回路46は、デジタル処理回路を備え、1つ以上のマイクロプロセッサ、DSP、ASIC、FPGA等として実装され得る。より一般的に、処理回路46は、固定的に構成される回路又はプログラミングされる回路を使用して実装され得る。例示的な一実施形態において、メモリ/ストレージ48は、非一時的な態様でコンピュータプログラム50を記憶するコンピュータ可読媒体を備える。そうした実施形態における処理回路46は、コンピュータプログラム50を構成するコンピュータプログラム命令を当該処理回路46自体が実行することに基づき、ここでの教示内容に従って少なくとも部分的に構成される。
【0033】
例えば、無線デバイス16間でのデバイスツーデバイス(D2D)通信で使用するためのデバイス生成型同期信号の、無線デバイス16からの送信についてのここでの送信関連の詳細に関し、図5に示される無線デバイス16−2が、無線デバイス16−1と同一又は同様の実装を有するものとして理解され得ることに留意されたい。換言すると、任意の所与の無線デバイス16内の処理回路46及び補助回路が、ここで教示される同期信号受信処理及び/又はここで教示される同期信号送信処理を実行するように構成されてよい。
【0034】
ここでの、無線デバイス16又は他の受信機のために企図されるような同期信号受信処理についての例示的な詳細に関し、図6は、受信された同期信号を処理する方法600の例示的な一実施形態を例示する。図6に示される処理が、無線デバイス16−1について図5に示されるような、記憶されたコンピュータプログラム命令の実行に基づき、例えば、記憶されたコンピュータプログラム50を処理回路46が実行することにより、プログラム的な構成を少なくとも部分的に介して実装され得ることが認識されるであろう。また、図6が、固有の又は必要とされる処理の順序を必ずしも暗示していないこと、及び、例示される方法ステップの1つ以上が、例示とは異なる順序で実行されてよいことも認識されるであろう。さらに、方法600又はそこに含まれるステップは、並列で実行されてもよく、周期的なベースで、若しくはトリガされることによって、繰り返されるか、さもなければループされてもよく、及び/又は、例えば進行中の処理若しくはバックグラウンド処理の一部として、進行中という意味合いで実行されてもよい。
【0035】
以下に供されるさらなる例において参照を容易にするため、用語及び見解の以下の要約が適用される。
−NWSSは、ネットワーク同期信号、例えば、基地局20により送信されるようなPSS及びSSSを表す。
−DGSSは、デバイス生成型同期信号を表し、“D2DSS”は、D2D同期のためのそうした信号を表す。DGSSが、無線デバイス16により送信されるようなPSS及びSSSを含み得ることに留意されたい。
−PSS及びSSSは、NWSSであるのか、それともD2DSSであるのかに関係なく、プライマリ同期信号及びセカンダリ同期信号を表す。
−PDGSS又はPD2DSSは、無線デバイス16により送信されるようなPSSを表す。
−SDGSS又はSD2DSSは、無線デバイス16により送信されるようなSSSを表す。
LTEネットワーク内のeNBにより使用されるレガシーLTE PSS及びレガシーLTE SSSが、それぞれPD2DSS及びSD2DSSの特別なケースであることに留意されたい。
【0036】
方法600は、無線デバイス16において受信される同期信号を検出すること(602)と、当該同期信号の相対的位置又はマッピングから、当該同期信号が、基地局から発せられたNWSSであるのか、別の無線デバイス16から発せられたDGSSであるのかについて決定すること(ブロック604)とを含む。同期信号がNWSSであると決定された場合、方法600は、第1の処理手続に従って、例えば、NWSSの受信に関連付けられるか、さもなければNWSSの受信のために定義された、ルール又は処理のアクションを使用して、受信された同期信号を処理すること(ブロック606)を続行する。反対に、同期信号がDGSSであると決定された場合、方法600は、第2の処理手続に従って、例えば、DGSSの受信に関連付けられるか、さもなければDGSSの受信のために定義された、ルール又は処理のアクションを使用して、受信された同期信号を処理すること(ブロック608)を続行する。
【0037】
1つの例において、受信される同期信号は、新たに検出される同期信号であり、第1の及び/又は第2の処理手続は、無線デバイス16の同期リファレンスを、新たに検出される同期信号に更新すべきか否かを決定することを含む。
【0038】
少なくとも幾つかの実施形態に適用可能な別の例において、第2の処理手続は、同期信号がDGSSである場合に送信される物理D2D同期チャネル(PD2DSCH)の復号を試行することを含み得る。つまり、受信された同期信号がDGSSであると認識することにより、関連付けられたPD2DSCHの復号の試行がトリガされ得る。
【0039】
そうした手続は、PD2DSCHを復号することから得られる1つ以上のパラメータを処理することを含む。より詳細には、受信された同期信号がNWSSである場合、無線デバイス16は、当該同期信号に関連して送信されるPD2DSCHが存在しないことを知ることができる。その一方で、受信された同期信号がDGSSである場合、無線デバイス16は、当該同期信号に関連してPD2DSCHが送信されると想定し得る。少なくとも幾つかの実施形態において、PD2DSCHはDGSSに対して相対的な既知の関係に従って送信され、無線デバイス16はそれによりPD2DSCHをどこに見出すはずであるのかを知得する。
【0040】
さらなる例において、第1の処理手続は、NWSSを基準として無線デバイスの1つ以上のタイミングを同期させるための第1のルールを含み、第2の処理手続は、D2DSSを基準として無線デバイスの1つ以上のタイミングを同期させるための第2のルールを含む。これらのルールは、プリファレンス若しくはプライオリティの順序で同期信号をいかにランク付けするのか、及び/又は、受信タイミングに送信タイミングを同期させるために、どの同期信号を使用すべきか、を規定する。この点に関し、無線デバイス16が、NWSS及びDGSSの両方を受信することがあってもよく、処理ルールを使用して、そのデュアル受信をいかに調整すべきかを判定し得ること−例えば、ネットワーク同期が利用可能であるときにはデバイス生成型同期を無視すること、あるデバイス同期のためにネットワーク同期信号を使用し、他のあるデバイス同期のためにD2D同期信号を使用することなど−が理解されるものとする。そのようなルールは、例えば、DGSSが2つ以上のソースから受信されるか、又は2つ以上の同期リファレンスのために受信される例にも適用される。
【0041】
より詳細な例を考慮されたい。ここでは、受信された同期信号が、プライマリ同期信号(PSS)及びセカンダリ同期信号(SSS)を含み、当該PSS及び当該SSSは、DGSS送信の特性である、両者の間において距離を有するものとして、受信する無線デバイス16により検出される。そうした例において、決定するステップ(ブロック604)は、プライマリ同期信号とセカンダリ同期信号との間の距離が、DGSS送信について既知である、特徴的な距離に一致するときに、受信された同期信号がNWSSよりもむしろDGSSであると決定することを含む。この特徴的な距離が、NWSS送信について既知である、PSSとSSSとの間の特徴的な距離とは異なることが理解されるであろう。
【0042】
特定の例において、無線デバイス16は、受信されたPSS/SSSについて検出されたPSS/SSSの間隔(spacing)が、TDDモードで動作する基地局20により使用されることが既知である、定義された距離とは異なるときに、並びに/又は、プライマリ同期信号及びセカンダリ同期信号の順序が、FDDモードで動作する基地局により使用されることが既知である、定義された順序とは異なるときに、受信されたPSS/SSSがDGSSであると決定する。
【0043】
よって、幾つかの実施形態において、問題となる“相対的位置又はマッピング”は、無線デバイス16によりDGSSとして送信されるときのPSSとSSSとの分離(separation)に対する、基地局20によりNWSSとして送信されるときのPSSとSSSとの分離である。1つの例において、D2SSについてのPSS及びSSSは、隣接するシンボル時間において送信され、一方で、NWSSについて、PSS及びSSSは、3つのシンボル時間の分離を伴って送信される。
【0044】
同一の又は他の実施形態において、PSS及びSSSは、NWSSについては第1の順序で、DGSSについては第2の順序で送信される。例えば、基地局20は、NWSS送信のために、SSSを最初に送信し、PSSがそれに続く。反対に、無線デバイス16は、DGSS送信のために、PSSを最初に送信し、SSSがそれに続く。よって、受信機は、PSS/SSSの順序に基づき、NWSSとDGSSとを区別する。そうした例において、“相対的位置又はマッピング”は、NWSSについてのPSS/SSSの位置の順序に対する、DGSSについてのPSS/SSSの位置の順序を構成する。つまり、時間及び/又は周波数の観点におけるDGSSのマッピング又は位置は、PSS及びSSSを、NWSSよりもむしろDGSSとして特性的に区別する。
【0045】
当然ながら、これらの特性上の差異が、組み合わされてもよい。例えば、PSS/SSSの分離は、問題の同期信号がNWSSであるのか、それともDGSSであるのかを示し、一方で、PSS/SSSの順序は、DGSSを送信する無線デバイス16のタイプ、サブタイプ、又はカテゴリといった、DGSSについてのさらなるパラメータを示す。さらにまた、問題の、受信された同期信号がPSS及びSSSを含むケースにおいて、NWSSとDGSSとの間の相対的位置又はマッピングの差異は、例えば、ペアリングとして取り扱われるなど、PSS/SSSの両方に適用されてもよく、又はそれらの一方にのみ適用されてもよい。
【0046】
さらなる例において、無線デバイス16は、SSS送信のために基地局20により使用されるマッピングに対し、同期信号の、当該同期信号を伝達するOFDM信号の時間周波数リソースへの異なる特徴的なマッピングを使用する。特定の例において、DGSS送信におけるSSSは、NWSS送信においてSSSのために使用されるマッピングとは異なる態様でマッピングされる。よって、受信機は、SSSマッピングを検出及び評価して、受信された同期信号がDGSSであったのか、それともNWSSであったのかを判定する。
【0047】
別の実施形態において、問題の相対的位置又はマッピングは、同期信号がアップリンクスペクトルに配置されているのか、それともダウンリンクスペクトルに配置されているのかを基準とする。例示的な一実施形態において、基地局20は、無線スペクトルのダウンリンク部分においてPSS及びSSSをNWSSとして送信し、一方で、無線デバイス16は、無線スペクトルのアップリンク部分においてPSS及びSSSをDGSSとして送信する。よって、受信機は、所与の受信されたPSS及びSSSがアップリンクスペクトルに配置されているのか、それともダウンリンクスペクトルに配置されているのかを検出することに基づき、当該受信されたPSS及びSSSが基地局20から、それとも無線デバイス16から発せられたのかを検出する。
【0048】
上で注記したように、ここでの教示内容は、複数通り送信特性を共に使用して、キャリアのタイプ及び/又は送信機のタイプだけではないより多くを指し示すことをも企図する。例えば、基地局20及び無線デバイス16は、PSS送信及びSSS送信のために異なる特徴的な間隔を使用してもよく、それにより、当該PSS及びSSSが基地局20から、それとも無線デバイス16から発せられたのかを、受信機が、受信されたPSS及びSSSの間隔から分かるようにする。さらに、異なるタイプの無線デバイス16が、同一のPSS/SSS間隔を使用し、但しPSS及びSSSの異なる特徴的な順序を使用して、無線デバイスのサブタイプ、カテゴリ、クラス等を指し示す。例えば、PSSの後にSSSが続くことは、1つのデバイスサブタイプを示し、一方で、SSSの後にPSSが続くことは、別のデバイスサブタイプを示す。
【0049】
図7を考慮されたい。図7は、D2D同期信号を送信するために、無線デバイス16により実行される方法700の1つの実施形態を描いている。方法700の1つ以上のステップは、この図により示唆される順序以外の順序で実行されてもよく、方法700は、反復、ループ等されてもよく、無線デバイス16における他の処理と一緒に実行されてもよい。
【0050】
方法700は、NWSSを生成するためにネットワーク10により使用されるシーケンスの少なくともサブセットを用いて、同期信号を生成すること(ブロック702)を含む。例えば、PSSを生成するために、複数の基地局20により使用される同一のZadoff−Chuシーケンスの幾つか若しくは全てがDGSS送信用のPSSの生成のために無線デバイス16により再利用され、及び/又は、SSSを生成するために複数の基地局20により使用される同一のMシーケンスの幾つか若しくは全てがDGSS送信用のSSSの生成のために無線デバイス16により再利用される。さらに、方法700は、同期信号がD2D同期信号であることを、受信する無線デバイス16が認識することを可能にする相対的位置又はマッピングに従って、D2D PSS及び/又はD2D SSSを送信すること(ブロック704)を含む。
【0051】
ここで認識されることとして、同期信号を受信する受信機は、当該同期信号が受信されるキャリアのタイプを検出することからの恩恵を受け、送信機のタイプを検出すること−即ち、同期信号が、基地局20により送信されたNWSSであるのか、それとも無線デバイス16により送信されたDGSSであるのかを検出すること−からの恩恵を受ける。また、ここに開示される少なくとも幾つかの実施形態において定められているように、同期信号を発する送信機についてのサブタイプ、クラス、又はカテゴリの情報を検出することからのさらなる恩恵が受けられる。
【0052】
受信された同期信号が、基地局20から発せられたのか、それとも無線デバイス16から発せられたのかを知得すること、及び/又は、受信同期信号が伝達されたキャリアのタイプを知得すること、により、受信機は、受信同期信号を処理し及び使用するために最適な手続を採用することを可能とされる。例えば、キャリアのタイプを検出することは、どのリソースが送信用に利用可能であるのかを判定するために有益であり、同期信号がNWSSであるか又はDGSSであるかについての決定が、信号がいかに復号されるかを制御するために使用され、及び受信機内での同期関連の処理のために使用されてもよい。さらに、無線デバイス16が受信されたPSS/SSSの送信特性に基づいて送信機のタイプ又はサブタイプを検出できる範囲で、タイプ又はサブタイプの相違する異なる複数の送信機から複数個のPSS/SSSが受信された場合に、異なる複数のPSS/SSSの信頼性をランク付けするため、及び同期にとって最適な又は最も好適な信号を選択するために、上記知識が活用されてもよい。
【0053】
以下のさらなる例の文脈における検討の前提は、DGSSを送信する無線デバイス16が、LTE PSSについて定義されたZadoff−Chuシーケンスの少なくとも幾つかを再利用するというものである。プライマリDGSS(PDGSS)のために使用される固有のシーケンスを、予め定義されたマッピングに従って判定することができる。マッピングの例には、シーケンスを、少なくともデバイスid−UE id−又は同期idにマッピングすることが含まれる。さらなる前提として、無線デバイス16は、LTE SSSについて定義されたMシーケンスの少なくとも幾つかを再利用して、セカンダリDGSS(SDGSS)を送信する。SDGSSのために使用される固有のシーケンスを、予め定義されたマッピングに従って判定することができる。マッピングの例には、シーケンスを、少なくともデバイスid又は同期idにマッピングすることが含まれる。よって、受信する無線デバイス16は、例えば時間ドメイン相関により、PDGSSの位置を検出し、PDGSSシーケンスidを検出する。さらに、受信する無線デバイス16は、例えば時間ドメイン相関により、SDGSSの位置を検出し、SDGSSシーケンスidを検出する。
【0054】
さらなる前提として、DGSSを送信する所与の無線デバイス16について、当該デバイスは、PSS及びSSSを送信するためにネットワーク基地局により使用される位置とは特性的に異なる相対的位置を使用して、PDGSS及びSDGSSを送信する。例えば、無線デバイス16は、隣接するシンボル時間にPDGSS及びSDGSSを位置付けてもよく、これに対し、基地局は、PSSとSSSとを3つのOFDMシンボル時間分離隔する。異なる特性は、FDDキャリアのタイプとTDDキャリアのタイプとを区別するために使用されてもよい。よって、ここでの教示内容に従った受信機は、受信されたPSS/SSSに関連付けられた1つ以上の特性を検出し及び評価することに基づき、受信されたPSS/SSSに関連付けられた送信機のタイプ及び/又はキャリアのタイプを検出することができる。有利にも、受信機は、受信されたPSS/SSSに関連付けられた送信機及び/又はキャリアの検出されたタイプに従って、対応する様々なアクションを取る。
【0055】
1つの実施形態において、DGSS送信は、プライマリ同期信号の送信及びセカンダリ同期信号の送信用に、NWSS送信のために基地局20により使用されるものとは異なる送信順序を使用する。例えば、DGSSを送信する無線デバイス16は、最初にプライマリ同期信号(PDGSS)を送信し、その後、セカンダリ同期信号(SDGSS)が続く。これとは対照的に、基地局20は、少なくとも基地局20がFDDモードで動作しているケースについて、最初にSSSを送信し、その後、PSSが続く。ここでの“最初に”とは、シンボル時間を指す。このアプローチにより、受信機は、NWSS対DGSSについて使用される特徴的な順序を知得することができるように構成され、よって、受信されたPSS及びSSSの順序を検出することに基づき、受信されたPSS及びSSSがNWSSであるのか、それともDGSSであるのかを判定する。
【0056】
別の例示的な実施形態において、DGSSを送信する無線デバイス16は、SSSに隣接してPSSを送信する。これとは対照的に、基地局20は、3つのOFDMシンボル分離隔してPSS及びSSSを送信する。PSS/SSSの順序は重要ではなく、なぜなら、ここではPSSとSSSとの間の距離が関心の対象となる特性であるためである。よって、PSS及びSSSを受信する受信機は、受信されたPSSとSSSとの間の距離に基づき、受信されたPSS及びSSSがNWSSであるのか、それともDGSSであるのかを決定する。
【0057】
別の例示的な実施形態において、DGSSを送信する無線デバイス16は、アップリンクキャリア上でPSS及びSSSを送信し、一方で、基地局20は、ダウンリンクキャリア上でPSS及びSSSを送信する。よって、PSS及びSSSを受信する受信機は、それらがスペクトルのダウンリンク部分で受信されたのか、それともスペクトルのアップリンク部分で受信されたのかに基づき、受信されたPSS及びSSSがNWSSであるのか、それともDGSSであるのかを決定する。
【0058】
別の例示的な実施形態においては、キャリアがTDDのタイプであるのか、それともFDDのタイプであるのか、及び/又は、送信機が無線デバイス16であるのか、それとも基地局20であるのかに依存して、SSSを生成するために使用されるMシーケンス−SSS1及びSS2−の様々なマッピングが、送信機により採用される。様々なマッピングは、予め定義されたマッピングのルールから既知であり得る。1つの例において、SSS1及びSSS2は、おそらくはDCをカウントすることなく、それぞれ偶数サブキャリア及び奇数サブキャリアにマッピングされ、又はその逆も行われる。よって、PSS及びSSSを受信する受信機は、受信されたPSS及びSSSのために使用されるマッピングを検出することに基づき、受信されたPSS及びSSSがNWSSであるのか、それともDGSSであるのかを決定し、及び/又は、キャリアのタイプを検出する。
【0059】
別の例示的な実施形態において、Mシーケンス−SSS1及びSSS2−の様々なマッピングが、タイミングの曖昧性の解消を可能にするために使用される。ここで、DGSSを送信する無線デバイス16は、SDGSSを搬送するサブフレーム又は時間リソースの少なくともインデックスに依存して、SSS1シーケンス及びSSS2シーケンスのために異なるマッピングを採用する。例えば、SSS1及びSSS2は、1つおきのSDGSS送信インスタンスにおいては、おそらくはDCをカウントすることなく、それぞれ偶数サブキャリア及び奇数サブキャリアにマッピングされてよく、残りのSDGSS送信インスタンスにおいては、おそらくはDCをカウントすることなく、それぞれ奇数サブキャリア及び偶数サブキャリアにマッピングされてよい。よって、SDGSSを受信する無線デバイス16又は他の受信機は、SSS1及びSSS2のマッピングを検出し、それに従って、SDGSS送信タイミングの曖昧性を解決する。この点に関し、DGSSがXmsの周期性で送信される場合、Xmsの任意の倍数の曖昧性を伴ってフレーム位置が知得されることに留意されたい。しかしながら、DGSSのパラメータ(例えば、Mシーケンスのマッピング)が1つおきのDGSS送信において変動する場合、曖昧性は、2*Xmsに拡張される。
【0060】
別の実施形態において、SSSを生成するために使用されるMシーケンス−SSS1及びSS2−の異なるマッピング、並びに/又は、無線フレームへのPSS及びSSSの、異なる時間ドメインマッピング及び/若しくは周波数ドメインマッピングが、異なる送信機のタイプ及び/又はキャリアのタイプに関連付けられ、おそらくは、PSS/SSSを送信するD2D対応型キャリア及び/又は送信機に関連付けられた他のパラメータに関連付けられる。このようにして、受信機は、PDGSS、SSS1、及びSSS2のマッピングを検出し、検出されたマッピングから、キャリア及び送信機に関する関連付けられた情報を取得する。
【0061】
別の実施形態において、ブロードキャスト制御チャネル内、例えばPD2DSCH内に含まれる制御フィールドのセットは、D2Dブロードキャスト制御チャネルに関連付けられる同期信号の送信の少なくともキャリアタイプ及び/又はタイプに依存する。例えば、キャリアがTDDタイプである場合にのみTDDコンフィグレーションフィールドが含まれ、送信機がeNBタイプではない場合にのみsyncリレーホップ数フィールドが含まれ、送信機がeNBタイプではない場合にのみProSeアドレスフィールドが含まれ、又はProSeアドレスフィールド長がPSSを送信する送信機のタイプに依存する。
【0062】
受信機は、検出された制御情報ビットの解釈を、D2DSS及び/又はPD2DSCHを送信するキャリアのタイプ及び/又はデバイスのタイプに適合させる。例えば、制御情報内の異なるフィールドがキャリアのタイプ及び/又はデバイスのタイプに依存して異なる長さを有してもよく、幾つかのケースにおいては、そうしたフィールドが存在しなくてもよいことに留意されたい。極端なケースでは、PD2DSCHが完全に存在しないことがあってもよい。受信機は、キャリアのタイプ及び/又は送信機のタイプに依存して、復号されるワード長、レートマッチング、スクランブリング、ゼロパディング、符号化レート、CRC計算手法における様々な仮説、及び、任意の他の検出関連の仮説又はアルゴリズムを採用してよい。キャリアのタイプ及び/又はデバイスのタイプについての情報は、明示的なシグナリング、事前の構成、又は本発明の実施形態のいずれかから取得され得る。
【0063】
別の実施形態において、受信機は、受信されたPSS及び/又はSSSの時間周期性に基づき、送信機のタイプを判定する。受信機は、複数個の連続する同期信号の送信を最初に検出し、その後、それらの周期性を計算する必要がある。よって、ここで関心の対象となる特性は、周期性であり、受信機は、どの周期性がNWSSに特徴的であり、どの周期性がDGSSに特徴的であるかの知識によって構成されるであろう。
【0064】
また、以前に注記したように、無線スペクトル内のPSS/SSSの位置が、際立った特性として使用され得る。つまり、受信機は、PSS/SSSが受信されたスペクトルに基づき、受信されたPSS/SSSに関連付けられた送信機のタイプを判定する。例えば、PSS/SSSがスペクトルのアップリンク部分において受信されたのか、それともダウンリンク部分において受信されたのかに基づき、送信機のタイプが判定される。
【0065】
少なくとも幾つかのケースにおいて、理解されるであろうこととして、受信機は、例えば、予め構成される情報、又は、いずれかのノードから受信される前もってのシグナリングにより、あるPSS/SSSに関連付けられるキャリアのタイプ及び/又は送信機のタイプについて、既に認識済みであってもよい。そうした情報に基づき、受信機は、新たなPSS/SSSを検出する際に、上の実施形態のいずれかに基づいてテストされる仮説の数及び範囲を限定し得る。
【0066】
さらに、上の実施形態が本質的にあらゆる態様で組み合わされてもよいことが認識されるであろう。幾つかのケースにおいて、実施形態の組み合わせは、3つ以上のタイプの送信機を受信機が識別することを可能にする。つまり、PSSとSSSとの間の距離が送信機のタイプを表し、PSS対SSSの順序が送信機のサブタイプを表すといったように、2つ以上の「次元」を使用して、PSS/SSS送信が特徴付けられてもよい。そうした組み合わせは、複数個の送信機のタイプ及びサブタイプ−例えば、送信機のタイプは、eNBタイプか、UEタイプか、UEタイプ2か、又はUEタイプ3等である−をシグナリングするために、有利に利用され得る。異なるUEのタイプが、例えば、異なるケイパビリティ及び/又は異なる同期の特性若しくは信頼性を有してもよい。
【0067】
以下の例示的な受信機の挙動について考慮されたい。この挙動は、PSS及びSSSがDGSS送信であるときに、PSSの直ぐ後にSSSが続くことを想定しており、さらに、基地局20がNWSSのために異なる間隔を使用することを想定している。さらに、キャリアのタイプに依存して、異なるSSS1マッピング/SSS2マッピングが使用されることが想定される。よって、間隔又は距離の特性は、PSS/SSSを送信する送信機のタイプを示し、SSS1/SSS2のために使用されるマッピング特性は、キャリアのタイプを示す。
【0068】
したがって、ここで企図される1つの例に従った受信機は、以下の処理アルゴリズムを実行する。
−受信機は、キャリアのタイプ及び送信機のタイプが未知であるPSSを検出する。
−受信機は、当該PSSを基準として、SSSと、その位置とを検出する。
仮説検定1−受信機は、PSSとSSSとの間の特徴的な距離に基づき、PSS/SSSがTDDモードで動作する基地局20から発せられていないと決定する。
仮説検定2−受信機は、PSS及びSSSの特徴的な順序に基づき、PSS/SSSがFDDモードで動作する基地局から発せられていないと決定する。
決定1−仮説検定1及び2に基づき、受信機は、送信機が無線デバイス16であること、及び、PSS/SSSが、よって、それぞれPDGSS及びSDGSSであることを結論付ける。
−受信機は、SDGSSのために使用されるシーケンスSSS1及びSSS2の特徴的なマッピングを検出し、そのマッピングから、キャリアのタイプがFDDであるのか、それともTDDであるのかを決定する。
−上記の意思決定に基づき、受信機は、PSS/SSSがDGSSであることを知得でき、それらがどのタイプのキャリアで伝達されたのかを知得でき、よって、関連付けられたPD2DSCHを読み取るときに、正しい復号アルゴリズムのパラメータを適用して、検出されたフィールドを正しく解釈する。
【0069】
例示的な利点
ここでの教示内容は、それらの複数の利点の中でも、LTE sync信号の検出のための既存のアルゴリズムのほとんどを再利用することを可能にし、それでいてなお、受信機が、受信されたPSS/SSSに関連付けられたキャリアのタイプを検出すること、及び/又は、受信されたPSS/SSSがNWSSであるのか、それともDGSSであるのかを検出することも可能にする。すると、これらの能力は、無線通信ネットワーク10内で動作する受信機、例えば無線デバイス16が、キャリアのタイプに依存して、及び/又は、受信された同期信号がNWSSであるのか、それともDGSSであるのかを認識することに依存して、受信された同期信号を適正に復号し、処理し、使用することを可能にする。さらに、少なくとも幾つかの実施形態において、受信機は、送信機のサブタイプ、カテゴリ等を認識し、このことは、受信機により使用される処理ルール又は手続の、さらなる改良を可能にする。
【0070】
1つの態様において、ここでの教示内容が、D2D idをDGSS及び/又は他のD2D信号若しくはチャネルにマッピングする様々な方式を使用するものとして理解されてもよく、ここで、当該マッピングは、D2D idのタイプ及び/又は長さの関数であり、例えば、異なるスクランブリングを使用し得る。同期信号により搬送されるべきidがセルIDである場合、セルIDの、PSS/SSSへのレガシーマッピングは、DGSSについてさえも再利用される。セルIDは、DGSSに関連付けられたPD2DSCHにより搬送され得る。加えて、PD2DSCH、スケジューリング割り当て、制御チャネル等といったD2D信号/チャネルが、セルIDから導出されるシーケンスでスクランブルされる。
【0071】
同期信号により搬送されるべきidがD2D−IDである場合、そのIDはレガシーLTE PSS/SSSで定められた504個の値を典型的に上回り、完全なD2D−IDから短縮されたD2D idが導出される。短縮されたD2D−IDである“D2D−ID短縮版(D2D-ID-short)”は、例えば、[0…503]の範囲に制限され得る。1つの実施形態によると、D2D−ID短縮版は、完全なD2D−IDをハッシングするか、又はトランケートすることによって得られる。D2D−ID短縮版の、PSS/SSSへのレガシーマッピングは、DGSSのためのものであるが、完全なD2D−IDは、DGSSに関連付けられたPD2DSCHにより搬送され得る。加えて、PD2DSCH、スケジューリング割り当て、制御チャネル等といったD2D信号/チャネルは、D2D−ID短縮版から導出されるシーケンスでスクランブルされ得る。
【0072】
いずれのケースにおいても、ここでの少なくとも幾つかの実施形態において、無線デバイス16は、ネットワーク同期信号を生成するためにネットワーク10内の複数の基地局により使用される同一のシーケンスの少なくともサブセットを用いて、同期信号を生成する。しかしながら、無線デバイス16は有利にも、同期信号が、基地局20から発せられたネットワーク同期信号よりもむしろ無線デバイス16から発せられたD2D同期信号であることを、受信機−例えば別の無線デバイス16−が認識することを可能にする相対的位置又はマッピングに従って、同期信号を送信する。ここで、“相対的位置又はマッピング”という用語は、D2D同期信号が、ネットワーク同期信号のために使用されるものに対して異なる位置又はマッピングを有することを表す。
【0073】
前述の説明及び関連する図面において提示される教示内容の恩恵を享受する当業者により、開示された発明の変形例及び他の実施形態が想起されるであろうということに留意されたい。したがって、この発明が、開示された特定の実施形態に限定されるべきではない旨、並びに、変形例及び他の実施形態を、この開示の範囲内に包含することが意図されている旨を理解されるべきである。特定の用語がここで利用され得るが、それらは包括的かつ記述的な意味合いでのみ使用され、限定する目的では使用されていない。
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