【文献】
EPC/CPC装置, 株式会社ニレコ,2009年,p.1-16,http://www.nireco.jp/catalog/pdf/0502epc_cpc_system_j.pdf, 検索日:2020年9月8日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0016】
まず、本実施の形態の連続海苔巻き成形機M1の全体的な構造例について
図1および
図2を参照して説明する。
図1は本実施の形態に係る連続海苔巻き成形機の一例の全体側面図、
図2は
図1の連続海苔巻き成形機の平面図である。
【0017】
本実施の形態の連続海苔巻き成形機M1は、例えば、複数本の海苔巻き(巻寿司)を連続的に自動製造することが可能な巻寿司連続製造装置であり、米飯供給部(米飯供給手段)1と、海苔供給部(巻材供給手段)2と、搬送コンベア3と、巻成形部(成形手段)4と、カッター部(切断手段)5と、操作パネル6とを備えている。
【0018】
なお、特に限定されるものではないが、連続海苔巻き成形機M1は、例えば、2本の搬送ラインを備えており、連巻き時:4000本/時(両ライン稼働時、海苔巻き長さが180mm)、一本巻き時:2800本/時(両ライン稼働時)の高速生産能力を備えている。また、連続海苔巻き成形機M1は、例えば、細巻、中巻、太巻、裏巻、角型または丸型の巻成形が可能な上、サイズや形状の変更に柔軟に対応することが可能になっている。
【0019】
連続海苔巻き成形機M1の米飯供給部1は、例えば、炊き上がった温かい状態の米飯(酢飯)から設定重量値を目標としたシャリシート(米飯シート)を生成して搬送コンベア3に供給する装置であり、ライスリフター部1aと、供給ホッパー部1bと、縦計量部1cとを備えている。
【0020】
ライスリフター部1aは、炊き上がった温かい状態の米飯(酢飯)を米飯供給部1の上部の供給ホッパー部1bまで運び投入する昇降機構部である。供給ホッパー部1bは、ライスリフター部1aから投入された米飯を、供給ホッパー部1b内の解し羽根(図示せず)によって解しながら縦計量部1cに供給する供給部である。
【0021】
縦計量部1cは、供給ホッパー部1bから供給された米飯から設定重量値を目標としたシャリシートを生成する機構部であり、シャリシートを送り出す方向(斜め下方)に沿って上中下の3段のローラ対(全部で6個のローラ)を備えている。縦計量部1cの各ローラ対は、独立して駆動制御することが可能になっており、ローラ対間を通過する米飯に対して適正な圧縮を行い均一でふっくらとしたシャリシートを連続して供給(排出)することが可能になっている。
【0022】
連続海苔巻き成形機M1の海苔供給部2(
図1参照)は、海苔供給部2のボビン2aに巻回された長尺帯状の海苔シート(巻材シート)を搬送コンベア3に供給する装置である。なお、海苔供給部2については後述する。
【0023】
連続海苔巻き成形機M1の搬送コンベア3は、海苔シートおよびシャリシートの積層物を搬送するコンベアであり、海苔巻き材料(海苔シートおよびシャリシート等)の搬送方向に沿って順に、計量コンベア3aと、トッピングコンベア(具材供給部)3bと、巻成形コンベア(成形手段)3cとを備えている。
【0024】
なお、矢印Acは海苔シートおよびシャリシートの搬送方向(搬送コンベア3のベルト移動方向)を示している。
【0025】
搬送コンベア3の初段の計量コンベア3aは、縦計量部1cから供給されたシャリシート等の重量を計るとともに、海苔シートとシャリシートとの積層物をトッピングコンベア3bに搬送する無端状のコンベアである。計量コンベア3aは、縦計量部1cの下方に設置されており、縦計量部1cから供給されたシャリシートは計量コンベア3aのベルト(
図1および
図2には図示せず)上に直接供給される。この計量コンベア3aには、シャリシートの重量を計るべくロードセル等のような計量器が備えられている。
【0026】
搬送コンベア3の中段のトッピングコンベア3bは、計量コンベア3aから搬送された海苔シートとシャリシートとの積層物上に、例えば、卵、蒲鉾、納豆、胡瓜等のような具材を載せる具材供給部であるとともに、その具材を載せた積層物を巻成形コンベア3cに搬送する無端状のコンベアである。具材の供給は、例えば、トッピングコンベア3bに沿って並んだ複数の作業者によって手作業で実施される。なお、トッピングコンベア3bのベルトB2(
図1参照)の上方に具材供給装置を設置し、手作業とともに、または手作業に代えて、具材を供給しても良い。
【0027】
搬送コンベア3の後段の巻成形コンベア3cは、トッピングコンベア3bから搬送された海苔シート、シャリシートおよび具材で構成される海苔巻材料を、巻成形コンベア3cのベルトB3を徐々に円筒状に巻き込むことによって巻き締めながら巻成形部4に搬送するとともに、さらに巻成形部4で成形された円柱状の連続状の海苔巻きをカッター部5に搬送する無端状のコンベアである。
【0028】
連続海苔巻き成形機M1の巻成形部4は、海苔シート、シャリシートおよび具材で構成される海苔巻材料から連続状の海苔巻きを成形する装置である。上記した巻成形コンベア3cは、巻成形部4の一部を構成している。
【0029】
連続海苔巻き成形機M1のカッター部5は、巻成形部4で成形された連続状の海苔巻きを回転カッター刃によって予め決められた長さに正確に素早く美しく切断する装置である。
【0030】
連続海苔巻き成形機M1の操作パネル6は、連続海苔巻き成形機M1の運転を操作するための入力装置である。操作パネル6は、例えば、タッチ式の液晶画面を備えており、連続海苔巻き成形機M1の電源を投入すると操作パネル6の液晶画面が点灯してメニュー画面が表示されるようになっている。
【0031】
次に、連続海苔巻き成形機M1の海苔供給部2および海苔シートの幅方向の位置調整装置について
図3〜
図6を参照して説明する。
図3は
図1の連続海苔巻き成形機の海苔供給部側の要部拡大側面図、
図4は
図3の海苔供給部の要部拡大斜視図、
図5(a)は
図3の海苔供給部の要部平面図、
図5(b)は
図5(a)に太巻用の海苔シートを配置した状態を示す海苔供給部の要部平面図、
図6(a)は
図5(a)に中巻用の海苔シートを配置した状態を示す海苔供給部の要部平面図、
図6(b)は
図5(a)に細巻用の海苔シートを配置した状態を示す海苔供給部の要部平面図である。なお、
図5(b)および
図6は平面図であるが、図面を見易くするために海苔シートNにハッチングを付した。
【0032】
図3〜
図5に示すように、連続海苔巻き成形機M1の海苔供給部2は、ボビン2aと、回転モータ2b(
図5(a)参照)とを備えている。ボビン2aは、ロール状の海苔シートNの保持部であり、ボビン2aの軸部2axを中心に回転可能な状態で米飯供給部1の縦計量部1cの下方に設置されている。
【0033】
ボビン2aの軸部2ax上には、ロール状の海苔シートNの幅方向両側面を支持する円板状の一対のガイド部2ag,2agが離間した状態で設置されている。外側のガイド部2agは、着脱可能な状態で装着されており、外側のガイド部2agを取り外すことで、ボビン2aの軸部2axにロール状の海苔シートNを装着することが可能になっている。
【0034】
また、内側のガイド部2agは、軸部2axに沿って移動可能な状態で装着されており、
図5および
図6に示すように、海苔シートNの幅(
図5(b)の太巻、
図6(a)の中巻および
図6(b)の細巻)に応じて一対のガイド部2ag,2agの隣接間隔を調整することが可能になっている。なお、海苔シートNの幅方向とは、海苔シートNの搬送方向に交差する方向、すなわち、搬送コンベア3のベルト幅方向(短方向)、あるいはボビン2aの軸方向のことをいう。
【0035】
海苔供給部2の回転モータ2bは、ボビン2aを矢印Ar(
図3および
図4参照)に示す方向に回転させることでボビン2aに巻かれた海苔シートNを計量コンベア3aのベルトB1の始端側に送り込む駆動機器であり、その回転軸は、ボビン2aの軸部2axと機械的に接続されている。なお、回転モータ2bは、主制御部C(
図5(a)参照)と電気的に接続されており、回転モータ2bの回転動作が主制御部Cによって制御されるようになっている。また、以下の説明では、一例として回転モータ2bによってボビン2aを回転させる場合について説明するが、これに限定されるものではなく、ボビン2a専用の回転モータ2bを設けることなく、搬送コンベア3のベルト搬送によるシャリシートの移動によってボビン2aを連れ回りさせることもできる。この場合は、回転モータ2bを設ける必要がないので、連続海苔巻き成形機M1の構成を簡単化させることができ、コストを下げることができる。
【0036】
ところで、連続海苔巻き成形機M1においては、海苔シートNが搬送中に搬送コンベア3のベルト幅方向にずれて蛇行してしまう結果、不良品が発生する場合がある、という問題がある。特に、天然物を加工することで作成した海苔シートN等においては、搬送中に、だぶつきが生じる等、状態が不安定になり易いので位置ずれが生じ易い。
【0037】
そこで、本実施の形態においては、搬送中の海苔シートNがその幅方向に位置ずれしないように海苔シートNの幅方向の位置を調整する位置調整装置(位置調整手段)7を設けた。これにより、搬送中の海苔シートNの幅方向の位置を調整することができるので、海苔シートNを蛇行させることなく搬送させることができる。このため、海苔シートNの位置ずれに起因する不良品の発生を防止することができる。
【0038】
この位置調整装置7は、位置検出センサ(位置検出手段)7aと、駆動機器(第2の駆動手段)7bと、駆動機器(第1の駆動手段)7cと、主制御部(制御手段)Cとを備えている。
【0039】
位置検出センサ7aは、海苔シートNの幅方向の片端部(エッジ)を検出することで海苔シートNの位置を検出するセンサであり、計量コンベア3aの上方において矢印As(
図5(a)参照)に示すように海苔シートNの幅方向に沿って移動可能な状態で米飯供給部1の筐体に設置されている。
【0040】
この位置検出センサ7aは、例えば、反射型の光学センサによって構成されており、海苔シートNの幅方向の片端部の検出領域の厚みの変化(搬送コンベア3のベルトB1の高さを基準として海苔シートの有無による高さ(厚み)の変化)を検出することによって海苔シートNの位置を検出するようになっている。また、位置検出センサ7aは、主制御部Cと電気的に接続されており、位置検出センサ7aで検出された信号を主制御部Cに送信するようになっている。
【0041】
なお、ここでは、位置検出センサ7aを1個設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、位置検出センサ7aを2個以上設けても良い。また、位置検出センサ7aを海苔シートNの幅方向の両端側に設けても良い。
【0042】
駆動機器7bは、位置検出センサ7aを矢印Asに示すように海苔シートNの幅方向に移動させるための駆動機器であり、これにより、海苔シートNの幅(太巻、中巻、細巻等)に応じて位置検出センサ7aの設置位置を変更することが可能になっている。この駆動機器7bは、回転モータと回転モータの回転動作を直線動作に変換する変換機構部とを備えている。この駆動機器7bの回転モータは、主制御部Cと電気的に接続されており、主制御部Cからの指示に従って回転するようになっている。
【0043】
駆動機器7cは、ボビン2aを矢印Abに示すように海苔シートNの幅方向に移動させるための駆動機器であり、これにより、搬送中の海苔シートNの幅方向位置を調整することが可能になっている。この駆動機器7cは、回転モータと回転モータの回転動作を直線動作に変換させる変換機構部とを備えている。この駆動機器7cの回転モータは、主制御部Cと電気的に接続されており、主制御部Cからの指示に従って回転するようになっている。
【0044】
次に、主制御部Cについて
図5および
図7を参照して説明する。
図7は
図1の連続海苔巻き成形機の主制御部Cを含む要部回路ブロック図である。
【0045】
主制御部Cは、海苔巻き成形機M1の全体の動作を制御する制御部であり、CPU(Central Processing Unit)10と、ROM(Read Only Memory)11と、RAM(Random Access Memory)12と、海苔シート搬送用の駆動制御回路13と、海苔シート位置検出回路14と、位置検出センサ用の駆動制御回路15と、海苔供給ボビン用の駆動制御回路16と、内部インタフェース17とを有しており、これらはバスラインBSを通じて相互に電気的に接続されている。
【0046】
CPU10は、制御プログラムの実行、数値演算、情報処理および機器制御等を実施する中央処理装置であり、内部インタフェース17を通じて操作パネル6と電気的に接続されている。ROM11は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable ROM)からなり、このROM11には連続海苔巻き成形機M1の動作を制御するためのソフトウェア(制御プログラム)が格納されている。RAM12は、CPU10が動作する上で必要な各種データを記録するとともに、操作パネル6からのデータを一時的に格納する。そして、CPU10は、ROM11内の制御プログラムおよびRAM12のデータに従って、駆動制御回路13,15,16等の動作を制御する。
【0047】
海苔シート搬送用の駆動制御回路13は、CPU10からの指示に従って、上記した海苔供給部2のボビン回転用の回転モータ2bの回転動作を制御する回路である。すなわち、主制御部Cは、海苔シートNの搬送時(海苔巻き製造時)に、操作パネル6に入力された各種情報に基づいて、ボビン2aの回転速度等の指示データを海苔シート搬送用の駆動制御回路13を介して回転モータ2bに送り、その回転動作を制御することで、ボビン2aに巻かれたロール状の海苔シートNの搬送状態(速度等)を制御するようになっている。なお、上記したようにボビン2aが連れ回りする場合は、回転モータ2bに関係する制御回路も必要ない。
【0048】
海苔シート位置検出回路12は、CPU10の制御下において、上記した位置検出センサ7aの位置検出動作を制御し、位置検出センサ7aによって検出された検出信号(電気信号)を受け取り、デジタルデータに変換してCPU10に送信する回路である。
【0049】
位置検出センサ用の駆動制御回路15は、CPU10からの指示に従って、位置検出センサ7aを指示方向(海苔シートNの幅方向)および指示長さだけ移動させる動作を制御する回路である。すなわち、主制御部Cは、連続海苔巻き成形機M1の初期設定時に、操作パネル6から入力された海苔シートNの幅の情報に基づいて、位置検出センサ7aの移動方向および移動量を算出し、その算出結果から作成した指示データを位置検出センサ用の駆動制御回路15を介して位置検出センサ駆動用の駆動機器7bに送り、駆動機器7bの動作を制御することで、位置検出センサ7aの設置位置を自動的に設定するようになっている。
【0050】
海苔供給ボビン用の駆動制御回路16は、CPU10からの指示に従って、海苔供給用のボビン2aを指示方向(海苔シートNの幅方向)および指示長さだけ移動させる動作を制御する回路である。すなわち、主制御部Cは、連続海苔巻き成形機M1の初期設定時に、操作パネル6に入力された海苔シートNの幅の情報に基づいて、海苔供給用のボビン2aの移動方向および移動量を算出し、その算出結果から作成した指示データを海苔供給ボビン用の駆動制御回路16を介して駆動機器7cの回転モータに送り、その回転動作を制御することで、海苔供給用のボビン2aのロール状の海苔シートNの保持位置を海苔シートNの幅に応じて自動的に設定するようになっている。
【0051】
さらに、主制御部Cは、海苔シートNの搬送時(海苔巻き製造時)に、位置検出センサ7aから送られた情報に基づいて、海苔シートNの幅方向位置が規定位置からずれている場合に、海苔供給用のボビン2aのロール状の海苔シートNの保持位置の移動方向および移動量を算出し、その算出結果から作成した指示データ(位置ずれ調整データ)を海苔供給ボビン用の駆動制御回路16を介して駆動機器7cの回転モータに送り、その回転動作を制御することで、海苔供給用のボビン2aのロール状の海苔シートNの保持位置を移動させて、海苔シートNの幅方向の位置が規定位置からずれないように調整するようになっている。なお、この海苔シートNの幅方向位置の位置調整動作に際して、主制御部Cは、その位置調整が上手く行われるように、海苔シート搬送用の駆動制御回路13を介して回転モータ2bの回転状態(回転速度等)を調整するようにしても良い。
【0052】
次に、連続海苔巻き成形機M1の海苔巻き製造方法の一例について
図1、
図2および
図5等を参照して説明する。
【0053】
まず、
図1および
図2に示した連続海苔巻き成形機M1の電源を投入すると、操作パネル6の液晶画面が点灯してメニュー画面が表示されるので、作業者は、操作パネル6を通じて海苔シートの幅(太巻、中巻、細巻等)、海苔巻きのカット寸法、スピードおよび各種モード等の情報を入力する。
【0054】
すると、連続海苔巻き成形機M1においては、主制御部Cの制御により操作パネル6に入力された海苔シートNの幅(太巻、中巻および細巻等)の情報に基づいてボビン駆動用の駆動機器7c(
図5等参照)が駆動され、海苔供給用のボビン2aのロール状の海苔シートNの保持位置が海苔シートNの幅に適した位置に自動的に設定される。ここでは、例えば、海苔シートNの幅方向中心位置が、巻成形部4の入口位置に一致するように海苔シートNの保持位置が設定される。
【0055】
また、主制御部Cの制御により操作パネル6に入力された海苔シートNの幅の情報に基づいて位置検出センサ駆動用の駆動機器7b(
図5等参照)が駆動され、位置検出センサ7aの設置位置(矢印Asの方向の位置)が海苔シートNの幅に適した位置に自動的に設定される。ここでは、例えば、海苔シートNの幅方向の片端部を検出することが可能なように位置検出センサ7aの位置が設定される。
【0056】
続いて、操作パネル6の表示画面中の動作開始ボタンをタッチして連続海苔巻き成形機M1の動作を開始すると、米飯供給部1、海苔供給部2、搬送コンベア3、巻成形部4およびカッター部5が駆動を開始する。
【0057】
すなわち、海苔供給部2においては、ボビン2aが回転モータ2bによって回転して、ボビン2aに巻かれたロール状の海苔シートNが計量コンベア3a上に供給される。一方、米飯供給部1においては、炊き上がった温かい状態の米飯(酢飯)がライスリフター部1aによって連続海苔巻き成形機M1の上部の供給ホッパー部1bに運ばれ投入される。供給ホッパー部1bに投入された米飯は、供給ホッパー部1b内の解し羽根によって解されてから下方の縦計量部1cに送られ、縦計量部1c内の3段のローラ対間を通過することで板状のシャリシートに成形されて計量コンベア3a上の海苔シートN上に載せられる。
【0058】
この海苔シートNとシャリシートとの積層物は、計量コンベア3aからトッピングコンベア3bに送られ、作業者の手作業によりシャリシート上に、例えば、卵、蒲鉾、納豆、胡瓜等のような各種の具材が載せられた後、巻成形コンベア3cに送られる。
【0059】
この巻成形コンベア3cに送られた海苔シートN、シャリシートおよび具材の積層物は巻成形コンベア3cで巻成形コンベア3cのベルトB3が徐々に円筒状に巻き込まれることで巻き締められて巻成形部4に送られ、そこで成形処理が施されることで連続状の海苔巻きが成形される。この連続状の海苔巻きは、巻成形コンベア3cでカッター部5に搬送され、カッター部5の回転カッター刃によって予め決められた長さに切断され、海苔巻きが自動製造される。
【0060】
次に、上記のような海苔巻き成形時における海苔シートNの位置調整方法の一例について
図8を参照して説明する。
図8(a)は海苔シート搬送時の連続海苔巻き成形機の要部平面図、
図8(b)〜(d)は
図8(a)において位置検出センサで検出された搬送時の海苔シートの幅方向片端部の位置検出領域を模式的に示した要部拡大平面図である。なお、
図8(b)〜(d)においては、相互の位置関係が分かるようにX座標を示した。また、
図8(b)〜(d)において破線で囲んだ領域は位置検出領域Dを模式的に示している。また、
図8においては図面を見易くするため海苔シートNにハッチングを付した。
【0061】
まず、
図8(b)は搬送中の海苔シートNの幅方向の位置がずれていないときの位置検出領域Dの状態を示している。このときの海苔シートNの片端部の位置を基準位置x0とする。この状態においては、海苔供給用のボビン2aを海苔シートNの幅方向に移動させない。
【0062】
ここで、海苔シートNの搬送中に位置検出センサ7aが、
図8(c)に示すように、海苔シートNを検出する状態になった場合は、海苔シートNが
図8(c)の上方に位置ずれしているので、海苔シートNの片端部の位置が
図8(b)の基準位置x0に戻るように、海苔シートNを搬送させたまま海苔供給用のボビン2aを矢印Ab1に示す海苔シートNの幅方向(
図8(c)の下方)に自動的に移動させる。
【0063】
一方、海苔シートNの搬送中に位置検出センサ7aが、
図8(d)に示すように、海苔シートNを検出しない状態になった場合は、海苔シートNが
図8(d)の下方に位置ずれしているので、海苔シートNの片端部の位置が
図8(b)の基準位置x0に戻るように、海苔シートNを搬送させたまま海苔供給用のボビン2aを矢印Ab2に示す海苔シートNの幅方向(
図8(d)の上方)に自動的に移動させる。
【0064】
このようにすることで本実施の形態の連続海苔巻き成形機M1においては、搬送中の海苔シートNの幅方向の位置を調整することができるので、海苔シートNを蛇行させることなく搬送させることができる。このため、海苔シートNの位置ずれに起因する不良品の発生を防止することができる。
【0065】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではない。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0066】
前記実施の形態においては、位置検出センサとして反射型の光学センサを用いた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、光透過型の光学センサを用いても良い。この光透過型の位置検出センサを用いる場合は、光透過型の位置検出センサを構成する発光部および受光部を、海苔シートNを挟むように海苔シートNの厚さ方向の上下に設置する。
【0067】
また、前記実施の形態においては、縦計量部1cから供給されたシャリシートが計量コンベア3a上に供給される構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば、計量コンベア3aの上流に通常の搬送コンベアを隣接させて配置し、その通常の搬送コンベア上に縦計量部1cから供給されたシャリシートが供給してから計量コンベア3aおよびトッピングコンベア3bに順に送られるようにしても良い。