特許第6843546号(P6843546)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6843546
(24)【登録日】2021年2月26日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】モジュールアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   E05B 47/00 20060101AFI20210308BHJP
   E05B 65/00 20060101ALI20210308BHJP
   E05B 1/00 20060101ALI20210308BHJP
【FI】
   E05B47/00 L
   E05B65/00 U
   E05B1/00 311M
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-154601(P2016-154601)
(22)【出願日】2016年8月5日
(65)【公開番号】特開2017-36656(P2017-36656A)
(43)【公開日】2017年2月16日
【審査請求日】2019年5月14日
(31)【優先権主張番号】10 2015 112 990.6
(32)【優先日】2015年8月6日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516027731
【氏名又は名称】オイヒナー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング プルス コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】EUCHNER GmbH + Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マティアス クラウス
(72)【発明者】
【氏名】マークス ヘアトリング
(72)【発明者】
【氏名】モニカ シュミート
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク シュミート
(72)【発明者】
【氏名】ティモ ズィーファート
(72)【発明者】
【氏名】イェンス ローテンブアク
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−187877(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00−85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースモジュールと、少なくとも1つのサブモジュール(5)と、を備えたモジュールアセンブリ(1)であって、前記ベースモジュールが、少なくとも2つのソケットを備え、前記サブモジュール(5)のプラグが、前記ベースモジュールの前記ソケットのうちの1つに選択的に接触可能であり、これにより前記サブモジュール(5)は種々異なる配向で前記ベースモジュールに取付け可能であり、前記ベースモジュールには、前記少なくとも2つのソケットのそれぞれとシリアルインターフェースを介して接続された検出手段が設けられており、該検出手段は、前記プラグと接触する前記ソケットのシリアルインターフェースを介してベースモジュールとサブモジュール(5)とが形成する電気的な接続を検出することにより、前記ソケットのうちのどのソケットに前記プラグが導入されているかを特定し、前記ベースモジュールに取り付けられた前記サブモジュール(5)の配向を検出することを特徴とする、
モジュールアセンブリ(1)。
【請求項2】
前記検出手段により、前記サブモジュール(5)のタイプ識別が行われる、
請求項記載のモジュールアセンブリ。
【請求項3】
前記ベースモジュールに複数のサブモジュール(5)が接触可能であり、前記ベースモジュールは各サブモジュール(5)の接続のために、それぞれ少なくとも2つのソケットを有している、
請求項1または2記載のモジュールアセンブリ。
【請求項4】
前記ベースモジュールは、前記サブモジュール(5)または各サブモジュール(5)の接続のために、前記ソケットが180°だけずらされた2つの回転位置で前記ベースモジュールに取り付け可能であるように、2つのソケットを有している、
請求項1からまでのいずれか1項記載のモジュールアセンブリ。
【請求項5】
前記ベースモジュールは、前記検出手段の構成部分として、評価エレクトロニクス(11)を有しており、前記評価エレクトロニクス(11)によって、前記サブモジュール(5)から読み込まれた情報が評価される、
請求項1からまでのいずれか1項記載のモジュールアセンブリ。
【請求項6】
各サブモジュール(5)に、記憶エレメントが設けられており、前記記憶エレメントには、前記サブモジュール(5)に関する情報が保存されている、
請求項1からまでのいずれか1項記載のモジュールアセンブリ。
【請求項7】
学習プロセスにおいて、前記ベースモジュールに配置された前記サブモジュール(5)または各サブモジュール(5)の回転位置およびタイプが、前記ベースモジュールで学習されかつ保存される、
請求項1からまでのいずれか1項記載のモジュールアセンブリ。
【請求項8】
前記サブモジュール(5)または各サブモジュール(5)の、前記ベースモジュール内の学習されたデータは、装置リセットを介してまたは学習過程を介してのみ消去可能である、
請求項記載のモジュールアセンブリ。
【請求項9】
セーフティシステムを構成する、
請求項1からまでのいずれか1項記載のモジュールアセンブリ。
【請求項10】
グリップモジュール(3)のための収容部(2a)を備えたロックモジュール(2)を有するセーフティロックシステムを構成し、前記ロックモジュール(2)の互いに異なる2つの回転位置で、前記グリップモジュール(3)は選択的に、左側または右側で前記ロックモジュール(2)対して配向されて接続可能である、
請求項記載のモジュールアセンブリ。
【請求項11】
前記ベースモジュールは、前記ロックモジュール(2)に対応配置された拡張モジュール(4)である、
請求項10記載のモジュールアセンブリ。
【請求項12】
前記ベースモジュールは、前記ロックモジュール(2)である、
請求項10記載のモジュールアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュールアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にモジュールアセンブリは、ベースモジュールおよび1つまたは複数のサブモジュールの形の電子モジュールを含む。ベースモジュールとサブモジュールとは、規定された機能性を有する全体システムを構成するために、プラグまたはソケットの形の接続モジュールを介して互いに接触され得る。
【0003】
特に、上述したようなモジュールアセンブリは、セーフティシステム、つまり安全技術分野で使用されるシステムを構成することができる。
【0004】
このようなセーフティシステムの一例は、セーフティロックシステムである。
【0005】
このセーフティロックシステムは、可動分離式の防護装置、特に防護ドアの確実なロック、ひいては柵で取り囲まれた安全臨界的な危険範囲への安全確保された進入を保証している。このセーフティロックシステムは、ロックモジュールを有している。ロックモジュールには、グリップモジュールが配置されている。これらのモジュールは、防護ドアを確実にロックするために働く。グリップモジュールのドアハンドルは、ばね力によってロック位置に保持することができ、磁力によってロック解除することができる。択一的には、ドアハンドルが、磁力によってロック位置に保持され、ばね力によってロック解除されてもよい。
【0006】
このようなセーフティロックシステムを構成するためのモジュールアセンブリは、独国特許出願第102015101133.6号明細書から公知である。
【0007】
このモジュールアセンブリでは、接続モジュールの回転不変の構成を有するロックモジュールが設けられているので、ロックモジュールは、180°だけずらされた2つの回転位置でモジュールアセンブリ内に配置され得る。これによって、防護ドアのグリップモジュールは選択的にロックモジュールに対して左側または右側で配置され得る。したがって、このセーフティロックシステムは、左側または右側に配置されたグリップモジュールを有する、相応して種々異なる防護ドアタイプのために使用され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の根底を成す課題は、小さな構造的な手間で、冒頭で述べた形式のモジュールアセンブリの機能性を拡張することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するために、請求項1の特徴部に記載の特徴が設けられる。本発明の有利な実施の形態および有利な変化形は従属請求項に記載されている。
【0010】
本発明は、ベースモジュールと少なくとも1つのサブモジュールとを備えたモジュールアセンブリに関する。この場合、ベースモジュールは、少なくとも2つの接続モジュールを有している。サブモジュールの接続モジュールは選択的に、ベースモジュールの複数の接続モジュールのうちの1つの接続モジュールに接触可能であり、したがってサブモジュールは、種々異なる配向でベースモジュールに取り付け可能である。ベースモジュールには、該ベースモジュールに取り付けられたサブモジュールの配向を検出するための検出手段が設けられている。
【0011】
本発明に係るモジュールアセンブリでは、1つまたは複数のサブモジュールを種々異なる配向で、特に種々異なる回転位置でベースモジュールに取り付けることができ、かつ該回転位置においてベースモジュールと機能性のあるユニットを構成することによって、高い機能性が達成される。この場合、ベースモジュール自体は、種々異なる配向で、上位のモジュール構造体に組み込まれてよく、この場合、ベースモジュールの配向に応じて、該ベースモジュールにおけるサブモジュールの配向が適切に選択され得る。
【0012】
たとえばサブモジュール上に存在する、固定的に設けられた操作エレメントの列構造によって、たとえば使用機器においてサブモジュールの規定された絶対的な配向が要求される場合、この要求は、種々異なる配向でベースモジュールを備えるモジュールアセンブリのためには、本発明により以下のように実現され得る。すなわち、操作エレメントの所望の配置を常に維持するために、ベースモジュールにおけるサブモジュールの配向もベースモジュールの配向に適合させる。
【0013】
本発明の重要な観点は、ベースモジュールに、該ベースモジュールにおける上記サブモジュールまたは別のサブモジュールの配向のための検出手段が設けられていることにある。
【0014】
特に有利には、ベースモジュールに設けられた複数の接続モジュールのうちのどの接続モジュールに、サブモジュールの接続モジュールが導入されているかが検出されることによって、ベースモジュールにおけるサブモジュールの配向が検出手段によって特定される。
【0015】
モジュールアセンブリの機能性が、検出手段によってサブモジュールのタイプ識別を行うことによってさらに拡張されると有利である。
【0016】
検出手段により検出可能な、ベースモジュールにおけるサブモジュールの配向および場合によってはタイプにより、モジュールアセンブリ全体の機能確実性が著しく向上する。なぜならば、ベースモジュールにおけるサブモジュールの誤った配置による操作が自動的に検出され得るからである。
【0017】
このような操作の検出時に、有利には自動的に適切な対抗措置が実行され得る。たとえばモジュールアセンブリの運転は、このような操作が存在しない場合にのみ可能にされる。
【0018】
モジュールアセンブリの機能性は、概して以下のことにより拡張されていてよい。すなわち、ベースモジュールには複数のサブモジュールが接触可能であり、この場合、ベースモジュールは、各サブモジュールの接続のためにそれぞれ少なくとも2つの接続モジュールを有している。
【0019】
この場合、ベースモジュールに、複数の、有利には2つの接続モジュールを備えた別個の複数のプラグ箇所が設けられていると特に有利であり、これらのプラグ箇所には、それぞれ1つのサブモジュールが種々異なる配向で接触され得る。
【0020】
本発明の有利な態様によれば、ベースモジュールは、1つのサブモジュールまたは各サブモジュールの接続のために、これらのサブモジュールが180°だけずらされた2つの回転位置でベースモジュールに取り付け可能であるように、2つの接続モジュールを有している。
【0021】
この態様は、ベースモジュール自体が180°だけ互いに対して回転された回転位置で使用され得るモジュールアセンブリのために特に有利に使用可能である。ベースモジュールの回転位置に応じて、ベースモジュールにおける1つのサブモジュールまたは各サブモジュールの回転位置は、たとえば1つまたは複数のサブモジュール上の操作エレメントの配置がベースモジュールの回転に関して不変であるように、選択される。
【0022】
本発明の構造的に有利な態様によれば、ベースモジュールは、検出手段の構成部分として評価エレクトロニクスを有している。この評価エレクトロニクスにより、サブモジュールから読み込まれた情報が評価される。
【0023】
サブモジュールにおいて記憶エレメント内に保存されていてよい、サブモジュールからの情報を学習するために、有利にはシリアルインターフェースが利用される。シリアルインターフェースは、ベースモジュールおよびサブモジュールの接続モジュール内に統合されている。
【0024】
特に有利には、学習プロセスにおいて、ベースモジュールに配置された1つのサブモジュールまたは各サブモジュールの回転位置およびタイプがベースモジュールに学習されかつ保存される。
【0025】
この学習された値は、次いでモジュールアセンブリの運転のために使用され、有利には装置リセットによってのみ消去され得る。これにより、ベースモジュールおよび対応配置されたサブモジュールの有効であると学習された配置構成が確実に維持されたままであることが保証される。
【0026】
特に有利には、本発明に係るモジュールアセンブリは、安全技術分野においてセーフティシステムとして使用される。
【0027】
安全技術分野において、有利な使用可能性は、モジュールアセンブリがセーフティロックシステムを構成することにある。この場合、セーフティロックシステムは、グリップモジュールのための収容部を備えたロックモジュールを有している。ロックモジュールの互いに異なる2つの回転位置において、グリップモジュールは選択的に左側または右側でロックモジュールに対して配向されて接続可能である。
【0028】
したがってこの配置構成は、グリップモジュールが左側または右側で防護ドアに配置されている防護ドア等に使用され得る。どのタイプの防護ドアに使用されるかに応じて、モジュールアセンブリの内部でロックモジュールは第1の回転位置または該第1の回転位置に関して180°だけ回転された回転位置に配置されるので、ロックモジュールにおける収容部は、左側または右側で該ロックモジュールに配置されていて、それぞれのグリップモジュールを収容することができる。
【0029】
このモジュールアセンブリでは、ベースモジュールはロックモジュールに取り付けられた拡張モジュールにより形成されていてよい。択一的には、ベースモジュールはロックモジュール自体により形成されていてよい。
【0030】
本発明を以下に図面につき説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】セーフティロックシステムを構成するモジュールアセンブリの実施の形態を、モジュールの第1の配置で示す図である。
図2図1に示したモジュールアセンブリを、モジュールの第2の配置で示す図である。
図3図3a〜図3cは、ベースモジュールを、該ベースモジュール上に配置されたサブモジュールと共に種々の回転位置で示す図である。
図4図4a〜図4cは、図3a〜図3cに示した図を、ベースモジュールからサブモジュールが取り外された状態で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1および図2は、セーフティロックシステムの形の本発明に係るモジュールアセンブリ1の例示的な実施の形態を示している。セーフティロックシステムは、分離式の防護装置、たとえば防護ドアの確実なロックを保証する。モジュールアセンブリ1は、固定的にフレーム等に配置されたロックモジュール2と、防護ドアに配置された、ドアハンドル3aを備えたグリップモジュール3とを有している。このグリップモジュール3は、防護ドアと共に移動され得る。ロックモジュール2は、収容部2aを有していて、該収容部2a内には、防護ドアの閉鎖時にグリップモジュール3が導入されている。ロックモジュール2は、防護ドアを確実に閉鎖された状態に維持し、したがって機械等の危険領域の防護を生ぜしめる。
【0033】
図1および図2が示すように、ロックモジュール2は、180°だけ互いに対して回転させられた2つの回転位置で使用され得る。第1の回転位置(図1)では、収容部2aはロックモジュール2の左側にあるので、この場合、右側で防護ドアに配置されたグリップモジュール3が、ロックモジュール2に係合することができる。第2の回転位置(図2)では、収容部2aがロックモジュール2の右側にあるので、この場合、左側で防護ドアに配置されたグリップモジュール3がロックモジュール2に係合することができる。
【0034】
機能性を拡張するためには、接続モジュール(図示せず)を介して、拡張モジュール4がロックモジュール2に接続され得る。ベースモジュールとしてのロックモジュール2に、サブモジュール5が接続されている。ロックモジュール2、拡張モジュール4およびサブモジュール5は、データバスシステムを介して接続されている。
【0035】
ロックモジュール2の回転方向に応じて、サブモジュール5も180°だけ互いに対して回転された2つの回転位置でロックモジュール2に接続されている。
【0036】
サブモジュール5は、操作エレメント、つまり非常停止キー6および2つのキー7,8の列配置を有している。これらのキーの操作により、セーフティロックシステムの特定の機能が作動され得る。非常停止キー6によって、たとえば危険をもたらす機械の運転がストップされ得る。キー7,8によって、セーフティロックシステムの特有の操作機能が実行され得る。図1および図2から判るように、操作エレメントの配向は、ロックモジュール2の回転位置とは無関係である。
【0037】
図3a〜図3cは、ベースモジュール、つまり配置されたサブモジュール5を備えるロックモジュール2の種々異なる回転位置を示している。個別の回転位置は、図1に示した配置から図2に示した配置までの移行を示している。図4a〜図4cは、図3a〜図3cに示したものと同じ回転位置を示しているが、ベースモジュールからサブモジュール5を取り外した状態で示している。
【0038】
図4a〜図4cから判るように、ベースモジュールのケーシングの上面には、プラグ箇所9が設けられている。プラグ箇所9は、条片の形でケーシングの全長にわたって延びている。このプラグ箇所9には、接続モジュールとして同一に形成された2つのソケット10a,10bが配置されている。これらのソケット10a,10bは、プラグ箇所9の、互いに反対の側に位置する縁部領域に配置されている。この場合、長手方向軸線は、プラグ箇所9の対称軸線を形成する直線に沿って延びている。ソケット10a,10bは、ベースモジュールのケーシング内に配置された評価エレクトロニクス11に接続されている。
【0039】
サブモジュール5は平たい直方体状のボディにより形成されていて、その直方体の底面は、ベースモジュールのプラグ箇所9の面に一致する。サブモジュール5の上面には、操作エレメント、つまり非常停止キー6およびキー7,8が配置されている。サブモジュール5の下面からは、接続モジュールとして、プラグ12が突出している。この場合、プラグ12は、サブモジュール5の下面の1つの縁領域に配置されている。プラグ12は、ベースモジュールのソケット10a,10bに対応する接続モジュールを形成する。つまりプラグ12は選択的に、ソケット10a,10bのうちの一方のソケットに挿入されてよく、これにより、ベースモジュールとサブモジュール5との間の電気的な接続が形成される。この場合に電気的な接続部は、ここではICインターフェースにより形成されているシリアルインターフェースを有している。
【0040】
さらに、シリアルインターフェースは、通信インターフェースを有している。ICインターフェースを介して、接続されたユニットのタイプおよび配向の検出が行われる。通信インターフェースは、概して接続されたユニット間のデータ交換のために働く。
【0041】
図4a〜図4cに図示された実施の形態に対して択一的には、当然ながらベースモジュールの接続モジュールがプラグとして形成されていて、サブモジュール5の接続モジュールがソケットとして形成されていてもよい。
【0042】
サブモジュール5には、さらに記憶エレメント(図示せず)が設けられている。記憶エレメント内には、タイプを示すデータが記憶されている。有利には、記憶エレメントは不揮発性メモリとして形成されている。さらにサブモジュール5には、操作エレメントを制御し、操作エレメントにより生成された信号を記録し、かつ転送するための電子ユニット(同様に図示せず)が設けられている。
【0043】
図3a〜図3cもしくは図4a〜図4cには、ベースモジュールおよびサブモジュール5の個別の回転位置が図示されている。これらの回転位置は、図1に示した配置から図2に示した配置への移行のために必要である。分かり易くするために、図3a〜図3cもしくは図4a〜図4cでは、ベースモジュールの回転位置が印Iで示されている。
【0044】
図3aおよび該図3aに対応する図4aは、ベースモジュールおよびサブモジュール5の図1に図示された配置に相当する。この配置では、収容部2aが左側に位置していて、これにより右側で防護ドアに配置されたグリップモジュール3を収容することができるように、ロックモジュール2が配向されている。この配置では、サブモジュール5のプラグ12は、ベースモジュールのソケット10aに接触している。
【0045】
収容部2aが右側に位置していて、これにより左側で防護ドアに配置されたグリップモジュール3を収容することができるように、ロックモジュール2が配向されている、図2に示した配置への移行のためには、図3aもしくは図4aに示した配置を起点として、まずはベースモジュールと、該ベースモジュール上に配置されたサブモジュール5とが、180°だけ回転させられる。これにより、図3bもしくは図4bに示した配置が達成される。
【0046】
次いで、ベースモジュールの回転位置は不変のまま、サブモジュール5がベースモジュールに対して180°だけ回転されるので、次いで図3cもしくは図4cに図示されているように、サブモジュール5のプラグ12がソケット10bに接触されている。これは、図2の配置に相当する。
【0047】
ベースモジュールに対して相対的なサブモジュール5の回転性によって、図1に示した配置時にも図2に示した配置時にも、常に非常停止キー6が上方に位置しているように、サブモジュール5の操作エレメントは同じ配置を有していることが達成される。
【0048】
図3aもしくは図3cに示した許容可能な配置構成は、ベースモジュールにおいてサブモジュール5の回転方向識別が行われることによって、ベースモジュールにおいて自動的に識別され得る。この回転方向識別は、評価エレクトロニクス11において、ソケット10aまたは10bのどちらにサブモジュール5のプラグ12が挿入されているかが検出されることによって、行われる。
【0049】
さらに、評価エレクトロニクス11で、サブモジュール5の記憶エレメントから読み込まれたデータを元に、サブモジュール5のタイプ識別が行われるので、ベースモジュールでは、許容可能なサブモジュール5が接続されているか否かが検出され得る。
【0050】
学習プロセスにおいて、ベースモジュールにおけるサブモジュール5の回転位置、サブモジュール5のタイプが学習され、評価エレクトロニクス11に記憶されるので、たとえば図1および図2の配置において図示されているようなベースモジュールおよびサブモジュール5の許容可能な配置構成が、ベースモジュールに保存される。この配置構成は、装置リセットによってのみ消去可能である。したがってこのような装置の高い操作確実性が達成される。
【符号の説明】
【0051】
1 モジュールアセンブリ
2 ロックモジュール
2a 収容部
3 グリップモジュール
3a ドアハンドル
4 拡張モジュール
5 サブモジュール
6 非常停止キー
7 キー
8 キー
9 プラグ箇所
10a,10b ソケット
11 評価エレクトロニクス
12 プラグ
図1
図2
図3
図4