【文献】
JOHN G,SPEER et.al,Analysis of Microstrucure Evolution in Quenching and Partitioning Automotive Sheet Streel,METALLURGICAL AND MATERIALS TRANSACTIONS A,米国,2011年12月,vol.42,p.3591−3601
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1は、特定の化学組成(下記でより詳細に説明する)を有する鋼板において高い強度および冷間成形性を達成するために用いた温度サイクルの図式表現である。特に、
図1は、破線で示された処理の改変とともに、典型的な溶融亜鉛または亜鉛合金めっきの温度プロフィール(10)を示す。1つの実施形態において、当該処理は、オーステナイト化し、その後、特定のクエンチ温度まで急速に冷却してオーステナイトをマルテンサイトに部分的に変態させる工程と、上昇させた温度である分配温度に保つことで炭素をマルテンサイトから残留オーステナイト中へと拡散させることにより、オーステナイトを室温で安定化する工程とを一般に含む。いくつかの実施形態において、
図1に示される温度プロフィールは、従来の一連の溶融亜鉛または亜鉛合金めっきの製造ラインで使用することができるが、そのような製造ラインは必要ではない。
【0006】
図1に見られるように、鋼板は、初めにピーク金属温度(12)まで加熱される。例示の実施例のピーク金属温度(12)は、少なくともオーステナイト変態温度(A
1)(例えば、二相であるオーステナイト+フェライト域)よりも高いものとして示される。従って、ピーク金属温度(12)において、鋼の少なくとも一部はオーステナイトに変態する。
図1は、ピーク金属温度(12)を単にA
1よりも高いものとして示しているが、いくつかの実施形態において、ピーク金属温度にはまた、フェライトが完全にオーステナイトに変態する温度(A
3)(例えば、一相であるオーステナイト域)よりも高い温度が含まれてもよいことを理解されたい。
【0007】
次に、鋼板を急速に冷却する。鋼板を冷却する際に、いくつかの実施形態では、亜鉛または亜鉛合金めっきのために短時間の冷却の中断を含む。亜鉛めっきを用いた実施形態では、溶融亜鉛めっき浴からの熱により鋼板が少しの間一定の温度(14)を維持する。さらに他の実施形態では、亜鉛合金めっき処理が用いられ、鋼板の温度は、亜鉛合金めっき処理が行われる亜鉛合金めっき温度(16)まで僅かに上昇する。しかし、他の実施形態では、亜鉛または亜鉛合金めっき処理が完全に省略され、鋼板は、連続的に冷却される。
【0008】
鋼板の急速冷却は、鋼板のマルテンサイト開始温度(M
s)より低い、既定のクエンチ温度(18)まで続くことが分かる。M
sまでの冷却速度は、ピーク金属温度(12)で形成されたオーステナイトの少なくとも一部がマルテンサイトに変態するのに十分速いことを理解されたい。言い換えれば、冷却速度は、オーステナイトが、比較的低冷却速度で変態するフェライト、パーライト、またはベイナイトなどの他の非マルテンサイト成分ではなく、マルテンサイトに変態するのに十分速い速度である。
【0009】
図1に見られるように、クエンチ温度(18)は、M
sよりも低い。クエンチ温度(18)とM
sとの差は、使用される鋼板個々の組成によって異なる。しかしながら、多くの実施形態において、クエンチ温度(18)とM
sとの差は十分に大きいため、オーステナイトを安定化するための炭素源として機能するのに十分な量のマルテンサイトを形成し、最終冷却時に「フレッシュ」マルテンサイトが過剰に生成されるのを避けることができる。また、クエンチ温度(18)は十分に高いため、最初のクエンチにおけるオーステナイトの過剰消費を避けることができる(例えば、特定の実施形態においてオーステナイトの安定化に必要な量を超えるオーステナイトの過剰な炭素濃縮を避けることができる)。
【0010】
多くの実施形態において、クエンチ温度(18)は、約191℃〜約281℃であるが、そのような限定は必要ではない。また、特定の鋼組成物に対してクエンチ温度(18)を計算することができる。この計算において、クエンチ温度(18)は、分配後のM
s温度が室温である残留オーステナイトに対応する。クエンチ温度(18)の計算方法は、当該技術分野で知られており、その主題が参照により本明細書に組み込まれる、J.G.Speer、A.M.Streicher、D.K.Matlock、F.Rizzo、およびG.Kraussの「Quenching And Patitioning:A Fundamentally New Process to Create High Strength Trip Sheet Microstructures」(Austenite Formation and Decomposition,pp.505−522,2003)、並びにA.M.Streicher、J.G.J.Speer、D.K.Matlock、およびB.C.De Coomanの「Quenching And Patitioning Response of a Si−Added TRIP Sheet Steel」(Proceedings of the International Conference on Advanced High Strength Sheet Steels for Automotive Applications,2004)に記載されている。
【0011】
クエンチ温度(18)は、(M
sに対して)十分に低いため、オーステナイトを安定化するための炭素源として機能するのに十分な量のマルテンサイトを形成し、最終クエンチ時に「フレッシュ」マルテンサイトが過剰に生成されるのを避けることができる。あるいは、クエンチ温度(18)は十分に高いため、最初のクエンチ時にオーステナイトを過剰消費すること、および、残留オーステナイトの炭素濃縮力が室温におけるオーステナイトの安定化に必要な炭素濃縮力よりも大きい状態を作り出すことを避けることができる。いくつかの実施形態において、適切なクエンチ温度(18)は、分配後のM
s温度が室温である残留オーステナイトに対応する。(上記の)SpeerおよびStreicherらは、所望の微細構造をもたらす処理オプションを検討するための指針を与える計算を提供している。この計算は、理想的な十分な分配を仮定し、Koistinen−Marburger(KM)関係:
【数1】
【0012】
を2回、即ち、まずクエンチ温度(18)までの最初のクエンチに、次に室温での最終クエンチに適用することにより行われる(下記でさらに説明する)。KM式におけるM
s温度は、オーステナイト化学に基づいた経験式(当該技術分野でよく知られているAndrewの一次式など):
【数2】
【0014】
Speerらにより記載された計算結果は、最大量の残留オーステナイトをもたらすクエンチ温度(18)を示す。最大量の残留オーステナイトを有する温度よりも高いクエンチ温度(18)では、最初のクエンチ後、相当な割合のオーステナイトが存在するが、このオーステナイトを安定化するための炭素源として機能するのに十分なマルテンサイトが存在しない。従って、クエンチ温度が高いほど、より多くのフレッシュマルテンサイトが最終クエンチ時に形成される。最大量の残留オーステナイトを有する温度よりも低いクエンチ温度では、最初のクエンチ時に十分ではない量のオーステナイトが消費され、マルテンサイトから分配される炭素が過剰量存在する。
【0015】
一度クエンチ温度(18)に達すると、鋼板の温度は、クエンチ温度よりも上昇するか、または一定の時間、クエンチ温度に保たれる。特に、この段階は、分配段階と称される。この段階において、鋼板の温度は、少なくともクエンチ温度に保たれ、急速冷却の間に形成されたマルテンサイトから残留オーステナイトへと炭素を拡散させる。こうした拡散により、残留オーステナイトは室温で安定(または準安定)し、それにより、鋼板の機械的特性が向上する。
【0016】
いくつかの実施形態において、鋼板は、M
sを超える比較的高い分配温度(20)に加熱された後、高い分配温度(20)に保たれる。様々な方法を使用して、この段階で鋼板を加熱する。ほんの一例として、鋼板は、誘導加熱、トーチ加熱などで加熱される。あるいは、他の実施形態において、鋼板は、M
sをわずかに下回る、異なるより低い分配温度(22)に加熱される。その後、鋼板は、同様に、このより低い分配温度(22)に一定の時間保たれる。さらに第三の別の実施形態では、鋼板が単にクエンチ温度に維持される別の異なる分配温度(24)が用いられる。当然ながら、本明細書の教示内容を考慮すれば当業者には明らかなように、他の適切な分配温度を用いてもよい。
【0017】
鋼板は、所望の分配温度(20、22、24)に達した後、マルテンサイトからオーステナイトへ炭素が分配するのに十分な時間、所望の分配温度(20、22、24)に保たれる。その後、鋼板は、室温まで冷却される。
【0018】
図2は、(実線(40)で示される典型的な亜鉛/亜鉛合金めっき温度サイクルおよび破線で示される典型からの逸脱により)
図1に関して上述した温度サイクルの別の実施形態を示す。特に、
図1の過程と同様に、鋼板は、初めにピーク金属温度(42)まで加熱される。例示の実施例のピーク金属温度(42)は、少なくともA
1よりも高いものとして示される。従って、ピーク金属温度(42)において、鋼板の少なくとも一部はオーステナイトに変態する。当然ながら、
図1の過程と同様に、当該実施形態もまた、A
3を超えるピーク金属温度を有する可能性がある。
【0019】
次に、鋼板は、急速にクエンチ(44)される。クエンチ(44)は十分に速いため、ピーク金属温度(42)で形成されたオーステナイトの一部がマルテンサイトへ変態し始め、それにより、フェライト、パーライト、および/またはベイナイトなどの非マルテンサイト成分への過剰な変態が避けられることを理解されたい。
【0020】
その後、クエンチ(44)は、クエンチ温度(46)で終了する。
図1の過程と同様に、クエンチ温度(46)は、M
sよりも低い。当然ながら、M
sを下回る量は、使用する材料により異なる。しかしながら、上記のように、多くの実施形態において、クエンチ温度(46)とM
sとの差は、適切な量のマルテンサイトを形成するのに十分大きく、オーステナイトが過剰に消費されるのを避けるのに十分低い。
【0021】
次に、鋼板は、続けて分配温度(50、52)まで再加熱(48)される。
図1の過程とは異なり、当該実施形態における分配温度(50、52)は、亜鉛または亜鉛合金めっき用亜鉛浴の温度により特徴付けられる(亜鉛または亜鉛合金めっきが使用された場合)。例えば、亜鉛めっきが行われる実施形態では、鋼板は、亜鉛めっき浴温度(50)まで再加熱され、続いて亜鉛めっき工程の間、その温度に保たれる。亜鉛めっき工程の間、上記の分配と同様に分配が起こる。従って、亜鉛めっき浴温度(50)もまた、分配温度(50)の役割を果たす。同様に、亜鉛合金めっきが用いられる実施形態では、当該工程は、より高い浴/分配温度(52)であること以外は、実質的に同じである。
【0022】
最後に、鋼板は、上記の分配工程から、少なくとも一部のオーステナイトが安定(または準安定)する室温まで冷却(54)される。
【0023】
いくつかの実施形態において、鋼板は、鋼板の性質を改良して主にオーステナイトとマルテンサイトからなる微細構造を形成するために、および/または、鋼板の機械的特性を改良するために、特定の合金添加物を含む。鋼板の適切な組成物は、1つまたはそれ以上の以下の成分:重量%で、0.15〜0.4%の炭素、1.5〜4%のマンガン、0〜2%のシリコンまたはアルミニウムまたはこれらの組み合わせ、0〜0.5%のモリブデン、0〜0.05%のニオブ、その他の付随的成分、および残りは鉄、を含む。
【0024】
また、他の実施形態において、鋼板の適切な組成物は、1つまたはそれ以上の以下の成分:重量%で、0.15〜0.5%の炭素、1〜3%のマンガン、0〜2%のシリコンまたはアルミニウムまたはこれらの組み合わせ、0〜0.5%のモリブデン、0〜0.05%のニオブ、その他の付随的成分、および残りは鉄、を含む。また、他の実施形態において、ニオブに加えてまたはニオブの代わりに、バナジウムおよび/またはチタニウム添加物を含んでもよいが、このような添加物は完全に任意である。
【0025】
いくつかの実施形態において、炭素は、オーステナイトの安定化に使用される。例えば、炭素が増えると、M
s温度は低くなり、また、他の非マルテンサイト成分(例えば、ベイナイト、フェライト、パーライト)に対する変態温度も低くなり、非マルテンサイト生成物の形成に要する時間は増加する。また、炭素添加物は、材料の焼入れ性を改良することにより、冷却速度が局所的に低下する材料の中心付近での非マルテンサイト成分の形成を保持する。しかしながら、炭素添加物は、相当な量を用いると溶接性に悪影響を及ぼすため、限られることを理解されたい。
【0026】
いくつかの実施形態において、マンガンは、上記のように、他の非マルテンサイト成分の変態温度を低下させることにより、オーステナイトをさらに安定化する。マンガンは、鋼板の性質をさらに改良して、焼入れ性を向上させることにより主にオーステナイトとマルテンサイトからなる微細構造を形成する。
【0027】
他の実施形態において、モリブデンは、焼入れ性を向上させるために使用される。
【0028】
他の実施形態において、シリコンおよび/またはアルミニウムは、炭化物の形成を低減するために提供される。炭化物が存在することによりオーステナイトへの拡散に使用できる炭素量が減少するため、炭化物形成の低減は、いくつかの実施形態において望ましいことを理解されたい。従って、シリコンおよび/またはアルミニウム添加物は、室温でオーステナイトをさらに安定化するために使用される。
【0029】
いくつかの実施形態において、ニッケル、銅、およびクロムは、オーステナイトを安定化するために使用される。例えば、そのような成分は、M
s温度の低下をもたらす。また、ニッケル、銅、およびクロムは、鋼板の焼入れ性をさらに向上させる。
【0030】
いくつかの実施形態において、ニオブ(または、チタン、バナジウム、および/または同種のものなどの他のマイクロ合金成分)は、鋼板の機械的特性を向上させるために使用される。例えば、ニオブは、炭化物形成による境界のピン止めの増加を通じて、鋼板の強度を増加させる。
【0031】
他の実施形態において、成分の濃度および選択する特別な成分を変更してもよい。当然ながら、こうした変更を行った実施形態では、各合金添加物の上記の特性を踏まえて、そのような変更により、鋼板の微細構造および/または機械的特性に所望のまたは好ましくない影響が及ぼされる可能性があることを理解されたい。
【0032】
実施例1
鋼板の実施形態は、下記の表1に記載の組成物から作製した。
【0033】
材料は、以下のパラメータに従って実験装置で加工された。銅製冷却ウェッジグリップおよびポケット爪固定具を用いて、各サンプルをグリーブル(Gleeble)1500で処理した。サンプルを、1100℃でオーステナイト化した後、1〜100℃/秒の様々な冷却速度で室温まで冷却した。
【0035】
実施例2
上記実施例1および表1に記載された各鋼組成物のロックウェル硬度は、各サンプルの表面で測定した。試験結果を、冷却速度の関数としてプロットされたロックウェル硬度を用いて
図3〜5にプロットする。少なくとも7つの測定値の平均を各データポイントに示す。組成物V4037、V4038、およびV4039は、それぞれ
図3、4、5に対応する。
【0036】
実施例3
実施例1の各組成物に対して、各サンプルの中央付近において板厚方向の縦断面の光学顕微鏡写真を撮影した。これらの試験結果は、
図6〜8に示す。組成物V4037、V4038、およびV4039は、それぞれ
図6、7、および8に対応する。また、
図6〜8は、それぞれ各組成物につき6枚の顕微鏡写真を含み、各顕微鏡写真は、異なる冷却速度をさらされたサンプルを表す。
【0037】
実施例4
実施例1の各組成物の臨界冷却速度は、本明細書に記載された手順に従い、実施例2および3のデータを用いて測定した。本明細書における臨界冷却速度は、マルテンサイトを形成するため、また、非マルテンサイト変態生成物の形成を最小化するために必要な冷却速度を意味する。これらの試験結果は、以下の通りである。
【0038】
V4037:70℃/s
V4038:75℃/s
V4039:7℃/s
【0039】
実施例5
鋼板の実施形態は、下記の表2に記載の組成物から作製した。
【0040】
材料を、溶解、熱間圧延、および冷間圧延により処理した。その後、これらの材料に対し、下記の実施例6〜7により詳細に記載する試験を行った。表2に列挙した全ての組成物は、
図2に関する上述の処置に使用するためのものだが、
図1に関する上述の処置に使用するためのV4039は除く。ヒート(Heat)V4039は、
図1に関して上述した温度プロフィールに必要なより高い焼入れ性を提供することを目的とした組成を有する。結果として、V4039は、熱間圧延の後、冷間圧延の前に、600℃で2時間、100%H2雰囲気中でアニーリングした。全ての材料が、冷間圧延中に約75%から1mm縮小した。表2に記載のいくつかの材料組成物の熱間圧延および冷間圧延後の結果を、それぞれ表3および4に示す。
【0044】
実施例7
実施例5の組成物に対し、グリーブル膨張測定を行った。グリーブル膨張測定は、真空中で、101.6x25.4x1mmサンプルを用い、25.4mmの方向における膨張を測定するCひずみゲージで行った。プロットは、膨張対温度で作成した。線分は膨張データと一致しており、膨張データが線形挙動から逸脱した点が、目的の変態温度であると解釈された(例えば、A
1、A
3、M
s)。得られた変態温度を、表5にまとめる。
【0045】
グリーブル法はまた、実施例5の各組成物の臨界冷却速度を測定する際にも使用した。上記のように、第1の方法はグリーブル膨張測定を使用した。第2の方法は、ロックウェル硬度測定を使用した。具体的には、様々な範囲の冷却速度でサンプルにグリーブル試験を行った後、ロックウェル硬度測定を行った。そのため、ロックウェル硬度測定は、各材料組成物について、様々な範囲の冷却速度に対する硬度の測定により行った。その後、各冷却速度における特定の組成物のロックウェル硬度測定を比較した。HRAで2ポイントのロックウェル硬度の偏差は、有意であると考えられた。非マルテンサイト変態生成物を防ぐための臨界冷却速度は、硬度が最大硬度と比較してHRAで2ポイント未満の差である最高冷却速度であると解釈された。実施例5で列挙した組成物のいくつかに関して得られた臨界冷却速度もまた、表5にまとめる。
【0047】
実施例8
実施例5の組成物を用いて、クエンチ温度および残留オーステナイトの最大理論値を計算した。計算は、上記のSpeerらの方法を用いて行った。実施例5で列挙した組成物のいくつかについて、計算結果を以下の表6にまとめる。
【0049】
実施例9
実施例5の組成物のサンプルに対し、所定の組成物のサンプル間で変化するピーク金属温度およびクエンチ温度を用い、
図1および2に示される温度プロフィールを行った。上記の通り、組成物V4039にのみ
図1に示される温度プロフィールを実施し、他の全ての組成物には、
図2に示される温度サイクルを実施した。各サンプルに対し、引張強度測定を行った。得られた引張測定値を
図9〜12にプロットした。特に、
図9〜10は、オーステナイト化温度に対してプロットした引張強度データを示し、
図11〜12は、クエンチ温度に対してプロットした引張強度データを示す。また、グリーブル法を用いて温度サイクルが行われた場合、そのようなデータポイントは、"グリーブル"としている。同様に、塩浴を用いて温度サイクルが行われた場合、そのようなデータポイントは、"塩"としている。
【0050】
また、実施例5で列挙した各組成物の同様の引張測定値(得られるものについて)を、以下の表7にまとめる。分配時間および温度は、例としてのみ示すものであり、他の実施形態において、メカニズム(炭素分配および/または相変態など)は、既定の分配温度への非等温加熱および当該分配温度からの非等温冷却の間に生じ、当該分配温度は最終的な材料特性にも寄与するものである。
【0052】
本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明に様々な変更を行うことができると理解される。従って、本発明の限定は、添付の請求項から決定されるべきである。