(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記障壁形成補足剤が、さらに、天然エラストマーと、パラゴムノキエラストマーと、パラゴムノキから得られた固体エラストマー材料と、合成エラストマーとを、独立して又は2つ、3つ、若しくは4つの組み合わせで含む、請求項1に記載のシステム。
前記封入物品が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、あるいはその組み合わせから成る群から選択されるポリマーから作られる、請求項1に記載のシステム。
前記障壁形成補足剤の1つ以上の化学化合物が、リン脂質、脂肪アルコールエトキシレート、脂肪アルコールアルコキシレート、アルキルグリセロールリン酸コリン、及びその組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載のシステム。
前記障壁形成補足剤の1つ以上の化学化合物が、リン脂質、糖脂質、脂肪アルコールアルコキシレート、8個以上の炭素を有する脂肪アルコール、8個以上の炭素及び少なくとも1つのエチレンオキシドを有する脂肪アルコール、8個以上の炭素及び少なくとも1つのエチレンオキシド及び少なくとも1つのプロピレンオキシドを有する脂肪アルコール、少なくとも8個の炭素を備えるアルコキシレート化合物、リン脂質と同じ順序で収容された電荷を持つ両性アルキル化合物、及びその組み合わせから成る群から選択される、請求項5に記載のシステム。
前記障壁形成補足剤の1つ以上の化学化合物が、それぞれグリセロリン酸を備える頭部基としてコリンを有しかつ少なくとも1つの飽和脂肪酸及び少なくとも1つの不飽和脂肪酸を有するリン脂質を含む、請求項1に記載のシステム。
前記障壁形成補足剤が、さらに、天然エラストマーと、パラゴムノキエラストマーと、パラゴムノキから得られた固体エラストマー材料と、合成エラストマーとを、独立して又は2つ、3つ、若しくは4つの組み合わせで含む、請求項12に記載のシステム。
前記障壁形成補足剤の1つ以上の化学化合物が、それぞれグリセロリン酸を備える頭部基としてコリンを有しかつ少なくとも1つの飽和脂肪酸及び少なくとも1つの不飽和脂肪酸を有するリン脂質を含む、請求項12に記載のシステム。
前記障壁形成補足剤の1つ以上の化学化合物が、それぞれ前記頭部若しくは前記少なくとも1つの極性様態、又はその両方と、前記尾部様態とを含み、それぞれ30個のエチレンオキシドを有するC16〜18脂肪アルコールを含む、請求項12に記載のシステム。
前記障壁形成補足剤の1つ以上の化学化合物が、それぞれ前記頭部若しくは前記少なくとも1つの極性様態、又はその両方と、前記尾部様態とを含む分子構造を有する化合物から実質的に成り、前記少なくとも1つの極性様態は1つ以上のエーテルOあるいはC−O−C結合を含む、請求項12に記載のシステム。
前記障壁形成補足剤の1つ以上の化学化合物が、前記Pb負極の前記高い電位を提供し、それぞれ前記頭部若しくは前記少なくとも1つの極性様態、又はその両方と、前記尾部様態とを含む分子構造を有する化合物から実質的に成り、前記少なくとも1つの極性様態は1つ以上のエーテルOあるいはC−O−C結合を含む、請求項12に記載のシステム。
【背景技術】
【0003】
プラスチック・エンクロージャに収容された、再充電可能な電気化学エネルギー貯蔵セルは、非常に一般的になってきた。それらは満充電状態でPbO
2正極およびPb負極を有し、これらの電極は希H
2SO
4電解質によって取り囲まれている。電極同士の物理的接触は、適切な形の多孔質絶縁体によって防止される。主に自動車のエンジンを始動させるための、世界中で使用されている約十億の6セル構成がある。屋内および屋外で電気自動車に、電話交換器に、家庭、事務所、および工業設備に、コンピュータ、サーバに、負荷平準化の用途で、ならびに信号および照明の用途などで電力を供給するのに使用される、本質的に同じ化学的性質を持つ非常に数多くのその他のセル構成がある。
【0004】
使用者の不満には、これらの再充電可能なエネルギー貯蔵セルの動作中に一般に遭遇する様々な難題と、非常にしばしば予測不可能であり制限される有効実用寿命とが含まれる。より詳細には、車両に電力を供給するのに使用されるそのタイプのエネルギー貯蔵セルが経年劣化すると、その充電終止電圧が降下し、ガス補給速度が増大し、温度および水の消費が上昇する。セルは、通常使用において充電電流の累積腐食作用を受け、それが漸進的に正極の一体的金属支持構造に損傷を与え、その結果、支持構造から正極のPbO
2が結合解除され、その結果、セルのエネルギー貯蔵能力が漸進的に失われ、最終的にはセルは通常使用に適合できなくなる。
【0005】
元素Ba、C、Cd、Cu、H、K、N、O、Pb、S、Sb、Snを含んだ化合物を含む、本発明で特徴とされる元素および化合物の包括的な記述は、「CRC Handbook of Chemistry and Physics」、David R Lide編、第83版(2002〜2003)、第4部、第1章に示されている。
【0006】
従来技術の簡単な説明
正極支持構造に対する充電電流の有害な影響は、約1から12重量%のSbを使用し、典型的には2.75重量%のSbを使用し、その残りを主にPbとして、その構造で使用される金属を合金化することにより伝統的に低減されてきた。より高いパーセンテージのSbは、エネルギー貯蔵セルのより高い耐久性を提供するが、著しく高い水消費量ももたらす。
【0007】
Pb−Sb合金の著しい欠点は、Sbを正極の支持構造から溶出しかつ負極の活性鉛(Pb)の表面に電気めっきする傾向があることであり、そこに到達したSbは、残りのPbと共に小さな電解質セルを形成する。これはPbをPbSO
4に変換させ、水素ガスをSbから発生させて、負極を徐々に放電させる。この作用は、業界ではSb「被毒」として公知である。
【0008】
充電電流の有害な影響は、最大充電電圧に制限を課すことによっても低減されてきた。これは、電極で永続的なPbSO
4の蓄積が生ずると考えられるものも含めて望ましくない影響をもたらして、セルがまれにしか使用されていなかった場合にエネルギー貯蔵セルの再充電を困難にし、さらには不可能にもする。
【0009】
開示された、ならびにその他の認知された制限および望ましくない性質に対抗するよう設計された多数の性能増強酸が、ほぼ1世紀にわたり再充電可能なエネルギー貯蔵セルに関して提示され使用されてきた。圧倒的多数がこの産業では周知であり、それらが最も一般的な、したがって主な使用者の不満である限られた実用寿命に対して、満足に対処できなかったことを確認すること以外は労作の必要がない。
【0010】
実用寿命で期待されるベンチマークは変わらないままで、何十年にもわたり、レジャー用エネルギー貯蔵セルに関しては800回のシャロウ・サイクルであり工業用に関しては1500回のディープ・サイクルであった。
【0011】
満足のいく性能は、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis trees)から得られた加工され硬化された形の天然cis−ポリイソプレン熱硬化性エラストマーを含む、シャロウ・サイクリングおよびディープ・サイクリングのエネルギー貯蔵セルの構成において実現された。この特定の熱硬化性エラストマーは、特殊な形の高多孔度シリカと主に組み合わされ任意選択で様々なその他の材料と組み合わされ、次いで押し出され硬化されて、エネルギー貯蔵セル電極間に分離をもたらすのに使用される高多孔度絶縁シートを生成する。
【0012】
エラストマー中に天然に存在するある化合物は、電解質中に極めてゆっくりと移行し、負極のSb「被毒」の減弱および樹枝状成長の減衰をもたらすように、それと共に、充電終止電圧の増大ならびにガス補給速度、温度、および水消費量の低減、ならびにエネルギー貯蔵セルの有効実用寿命の明らかな増大を含めたその他の利益をもたらすように反応すると考えられるが、この最後に挙げた利点の有意性は、製造業者が見過ごしてきたようである。
【0013】
エラストマーの有益な電気化学的減衰効果は、水中または希H
2SO
4中で加工され硬化されたエラストマーのサンプルを加熱することによって得られた抽出物を含有する電解質に対して行われたサイクリック・ボルタンメトリの使用を通して、この分野の研究者により確認されてきた。減衰をもたらす部分の詳細および減衰に関与するメカニズムは、未だ不明であることが報告されている。事実、天然熱硬化性エラストマーに関連した任意の特定の化合物を明らかにする努力は、首尾良くなされていない。例えばBohnstedtらの米国特許第5,221,587号では:「メカニズムは不明であり、発明の成功を十分に説明することは不可能である。」(第2欄、第45〜50行;第3欄、第66〜67行)と述べている。
【0014】
Waterhouseらの2012年10月25日付けの米国特許公開第20120270110号では、「硬化された[熱硬化性エラストマー]粒子における活性成分の正確な性質は不明である...」(段落0024)と述べている。
【0015】
金属蓄積に対する天然熱硬化性エラストマーの影響について論じる別の文書では、「...[Sb]の作用を抑制する天然[熱硬化性エラストマー]の能力に関係するメカニズム...は、...十分理解されていない。」と述べている(ポリエチレン単独および天然熱硬化性エラストマー単独と比較した混成天然熱硬化性エラストマー−ポリエチレン物品の評価については、www.mplp.com/TechSheets/cellforce.pdf, page 3参照)。この文書は、天然熱硬化性エラストマーとポリエチレンとをブレンドすることによって天然熱硬化性エラストマーの利点を得ようとしており、その成功はいくらか制限される。興味深いことに、この文書は、「歴史的に、化学添加剤...または特殊なコーティングの添加を含めたいくつかの方法は、この天然[熱硬化性エラストマー]の作用を模倣しようとしてきた。これらの試みは、短寿命活性および/または有害な電圧作用をもたらした...」とも述べている。
【0016】
エラストマーの著しい欠点はその調達コストであり、現在、例えばポリエチレンおよびポリ塩化ビニルのプラスチックから作製された物品よりも3から4倍高い。
【0017】
もう1つは、天然熱硬化性エラストマー生成物は、成長サイクル中に生じ得る天然のばらつきに応じて化学組成が変化する可能性があるので、その活性が一貫していない可能性があることである。加工のばらつきも、活性の源となり得る未知の化学構成成分の濃度に影響を及ぼす可能性がある。
【発明を実施するための形態】
【0021】
上記にて論じたように、本発明の目的は、従来技術の天然エラストマーの使用を回避するが少なくともこれと等しく機能する、金属蓄積抑制補足剤とそのための送出システムとを提供することである。その結果、比較のために天然エラストマーの性質を確立することが必要であった。
【0022】
通常の、普通に生産された、パラゴムノキから新たにタップ抽出された天然エラストマーは、主にcis−ポリイソプレンからなるがそれのみではない30〜35%の固体材料を含有するコロイド状懸濁液である。固体材料は、2.4%の天然脂質、1%の主に糖脂質およびリン脂質、ならびにより少量のガラクト脂質およびスフィンゴ脂質、2.2%のタンパク質、0.4%の炭水化物、0.2%の灰、および0.1%のその他の化合物を含有することも報告されている。相対濃度は、木の年齢およびクローン、土壌、気候、タップ抽出頻度、後続の加工などに応じて変化する。
【0023】
相当な研究の後、負極のSb「被毒」の減弱、ガス補給、水消費、自己放電、および樹枝状成長の減衰、充電電位の最高値の上昇、および正極の構造に対する累積破壊作用の減衰をもたらすのに関与し得る部分は、主に1%の糖脂質およびリン脂質部分にあると考えられ、より詳細には、その部分のリン脂質態様であると考えられる。
【0024】
リン脂質は、脂肪酸鎖の1つがホスフェート−コリンの配置構成によって置き換えられているトリグリセリドである。リン脂質の構成成分には、疎水性尾部および親水性頭部が含まれる。疎水性尾部は、脂肪酸炭化水素鎖からなる。親水性頭部は、中間付近のグリセロール「主鎖」と、その後に続くホスフェートおよび最終的には末端のコリン(場合によって、エタノールアミン)とからなる。
【0025】
コリンは第4級アンモニウム構造に似ている。これは陽イオン性であり、正電荷を保持することを意味する。ホスフェートは陰イオン性であり、負電荷を保持する。生物学的環境では、ホスフェートが優勢である。強酸性電解質環境では、ホスフェートは効果的に中性であり、正に帯電した第4級アンモニウム態様が優勢である。
【0026】
糖脂質は、ホスフェートおよびコリンの代わりに糖を持っていること以外、リン脂質に似ている。糖の態様は、酸性電解質環境で正電荷を得ることができる。グリセロリン脂質は、グリセロール部分に結合された少なくとも1つのO−アシル、O−アルキル、またはO−アルカ−1’−エニル残基を含有するグリセロリン酸の誘導体である。
【0027】
エラストマーから電解質に移行するように見える糖脂質およびリン脂質構成成分は、固体対象、特に金属の表面、例えば負極の表面に引き付けられると考えられる。リン脂質分子は例えば多かれ少なかれ円筒状に存在し、それらの頭部は表面に最も近接して並べられ、それらの尾部は表面からほぼ垂直にはみ出している。第4級アンモニウムの挙動のこの態様は、表面処理、パーソナル・ケア、および消毒薬の専門家によって十分理解されている。電解質への移行と電解質からの移行との間には平衡状態があり、電解質中の脂質構成成分の濃度は比較的低いままで約1〜2ppmであるが、これに限定するものではない。数ppmの濃度は非常に有効と考えられ、何百、何千ppm程度およびそれ以上の濃度は逆効果になるようである。
【0028】
記述されたエラストマーにより放出されたリン脂質の溶解度は、エラストマーを水中に浸漬した後に決定したが、塩化セトリモニウムに合わせて較正した水処理分光光度計を使用して第4級アンモニウムを介して測定した相対濃度は5ppmを超えるものであった。(HachモデルDR/2010−Test 401)。塩化セトリモニウムに非常に似ているN−アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライドとリン脂質は、負極表面での樹枝状成長の類似の減衰および負極の「被毒」減弱をもたらす。
【0029】
エネルギー貯蔵セル内でのn−アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライドの使用および挙動は、参照によりその内容全体が本明細書に組み込まれるFitterらの米国特許第6,635,387号、Fitterの第6,821,681号および第6,899,978と、Fitterらの第7,147,972号に記載されている。疎水性である分子の尾部または炭化水素態様には、セルが満充電付近または満充電状態にある場合、充電中にエネルギー貯蔵セルの負極により放出された水素ガスの一部を引き付け保持する傾向がある。
【0030】
負極から放出された水素ガスの泡は、非常に小さいものが出始め、電解質の水中での表面張力により、30大気圧を超える非常に高い圧力の下に存在することができる。ナノスケール・サイズの気泡の層からなるマットは、セルに印加された電圧がセルのガス補給電位よりも高い場合、負極の表面全体に形成されることがわかってきた。マットは、選択的障壁を形成する程度まで多孔質であり−水素イオン(ヒドロニウムにより供与)は負極を通過し到達することが可能になり、それでもPb、Sbのより大きい水和陽イオンの大部分ならびに電解質中に存在し得るその他のものが負極に到達するのを防止する。この障壁は、逆浸透設備の膜障壁とは異なる状態で振る舞うように見える。余分なガスは、通常の充電の泡の形をして発生させても放出させてもよい。
【0031】
障壁は、より高い流量の水素イオンを益々妨げ、したがってある程度の自己調節が達成される。障壁は、エネルギー貯蔵セルに印加された電圧がセルのガス補給電位よりも低い場合、実質的に存在しなくなるまで低密度であり、エネルギー貯蔵セルに印加された電圧がセルのガス補給電位よりも十分高い場合には障壁が形成される。
【0032】
慎重な研究の後、工業的に調製された人工および合成のリン脂質は、本発明の金属蓄積抑制補足剤として使用するのに適していることが決定されたが、天然物質から単離されたリン脂質も使用することができる。いずれの場合も、本発明の補足剤のコストは、パラゴムノキから得られた天然cis−ポリイソプレン熱硬化性エラストマーから加工され硬化された形に関連したコストよりも著しく低い。
【0033】
N−アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライドは、エネルギー貯蔵セルの実用寿命の期待を著しく向上させることができる。しかし、その障壁は、少なくともおよそ2.45ボルトの電位がエネルギー貯蔵セルに印加されるまで、有効ではなくなる可能性がある。塩化物対イオン濃度は低いが、エネルギー貯蔵セルの機能を妨げるには十分と考えられ、セルのアンペア時容量は3%まで低減する可能性がある。これらの特徴は、個々にまたは組み合わせて、技術的およびおそらくは商業的には欠点を持つと見なされることが報告されている。
【0034】
したがって正電荷および負電荷を持ちその正電荷を持つものが第4級アンモニウムである、アルキルベタインおよびアルキルスルタインを含む両性化合物は、予測され得るよりもそれほど有効ではないように見える。正電荷および負電荷は、リン脂質と比較すると、分子内に逆の順序で収容される。リン脂質と同じ順序で収容された電荷を持つ両性化合物は、満足のいくものである。負電荷を持つアニオン界面活性剤は、限られた有効性を持つようである。
【0035】
適切な材料または補足剤の典型的な、しかし排他的ではない例は、[アルキルポリ(エチレングリコール)ポリ(プロピレングリコール)]である。その一般的な分子構造は、CH
3(CH
2)
x(OCH
2CH
2)
y(OCH
2CHCH
3)
zOHであり、式中、xの態様は通常7から29の間であるがこれのみではなく、yの態様は通常0から35の間であるがこれのみではなく、zの態様は通常0から10であるがこれのみではない。この分子構造は、時々、例えばCH
3(CH
2)
mCH
2O(CH
2CH
2O)
n(CH
2CHCH
3O)
pHと異ならせて表される。これらの一般的分子構造、それらの同族体、糖脂質およびリン脂質の分子構造、第4級アンモニウムの分子構造、ならびにそれらの組合せに広く似ている分子を含む物質は、本発明の実施に際して使用するのに適するようである。一般に、単離されたまたは合成された補足剤は、ポリイソプレン成分以外のパラゴムノキから得られたラテックスの成分に該当する。したがって単離されたまたは合成された補足剤は、リン脂質、脂肪アルコールエトキシレート、脂肪アルコールアルコキシレート、アルキルグリセロールリン酸コリン、およびこれらの組合せから選択されてもよく、またはグリセロリン酸を持つ頭部基としてコリンを有するリン脂質、もしくはグリセロリン酸を持つ頭部基としてコリンを有しかつ少なくとも1種の飽和脂肪酸および少なくとも1種の不飽和脂肪酸を有するリン脂質であってもよい。有効な単離されたまたは合成された補足剤は、6から30個のエチレンオキシドを有するC8〜C18脂肪アルコール、もしくは6個のエチレンオキシドを有するC8〜C10脂肪アルコールを含んでいてもよく、または30個のエチレンオキシドを有するC16〜C18個の脂肪アルコールであってもよい。本発明で使用可能な有効な補足剤は、化合物または物質のいくつかから、例えばリン脂質、グリセロリン酸を持つ頭部基としてコリンを有するリン脂質、8個以上の炭素を有する脂肪アルコール、エチレンオキシドを持つ8個以上の炭素を有する脂肪アルコール、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドを持つ8個以上の炭素を有する脂肪アルコール、脂肪アルコールエトキシレート、脂肪アルコールアルコキシレート、6個以上のエチレンオキシドを有する脂肪アルコール、6から30個のエチレンオキシドを有するC8〜C18脂肪アルコール、30個のエチレンオキシドを有するC16〜18脂肪アルコール、ポリイソプレン成分以外のパラゴムノキから得られたラテックスの成分、リン脂質と同じ配列にある電荷を収容するアルキル両性化合物、およびこれらの組合せからなる群から選択されてもよい。
【0036】
特定の例[CH
3(CH
2)
11][(OCH
2CH
2)
6][OCH
2CHCH
3)
3]OHおよび[CH
3(CH
2)
15][O(CH
2CH
2)
30]OHは、貯蔵セルに組み込むための物品の製造で、ならびに本発明の金属蓄積抑制機能を実現するための電解質で使用するのに満足のいくものである。x、y、およびzとして上記にて指定された数の態様は、実施の際に典型的に遭遇し得る平均値を表すような自然数である。
【0037】
ポリエチレンおよびポリプロピレングリコール基の位置は、逆であっても交互であってもよい。直鎖状または分枝状アルキルフェノールポリエチレン/ポリプロピレングリコール、長鎖アルキルアミン、アルキルアミンエチレンおよびプロピレングリコール、アルキルエトキシレート、プロポキシレート、ポリソルベート、および様々なその他の類似の複合炭化水素が適している。動物、植物、鉱油、または石炭由来の供給原料を使用してもよい。一般に、広く様々なCH
3(CH
2)
xOH、直鎖状、分枝状、フェノール含有または類似の分子であって、KOHまたは類似の水酸化物の存在下、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと、適度な高圧で約150〜200℃の温度で反応したものを、本発明での使用に選択してもよい。
【0038】
補足剤として選択された好ましい化合物の分子の−OH末端または極性態様は、電解質の典型的な低pHで正電荷を獲得する(−OH+H=−OH
2+)。グリコールにおけるエーテルまたは「O」結合は、水に対して親和性を有する。低pHでは、例えばpH0.0に限定されないが、非イオン性と言われる補足剤分子の親水性部分は、リン脂質分子の正に帯電した頭部および水素結合のネック態様に似ている。好ましい材料の分子の典型的な単一炭化水素鎖配置構成の有効性は、実用の目的で、リン脂質分子の二重炭化水素鎖に相応する。補足剤の溶解度の程度は、適切な数の−OH末端、より好ましくはエーテル結合を、補足剤の製造中に制御することができる。例えばエーテルまたは「O」結合が多くなるほど、水性溶解度はより良好になる。水への溶解度は、これらのタイプの化合物の場合、通常はH
2SO
4電解質に対して同等のまたはそれよりも良好な溶解度を示唆する。本発明の補足剤は、電気化学セルにおいて、パラゴムノキの移行性化合物と実質的に同じである望ましい機能上の利点を提供し、補足剤は同様に酸性電解質に移行する。理論上、補足剤は、パラゴムノキエラストマーの単離体として得ることができるが、そのような単離プロセスと同様の高い費用であるなら商用の供給源から合成し、得ることが好ましく、それでも本明細書で明らかにされた活性移行性化合物は様々な商用の供給源から得ることができる。
【0039】
溶解度の程度は、これまで親水性−親油性バランスまたはHLBに関して記述され、通常は数値で表され、0は水に不溶であり油に可溶であることを表し、10は等しく可溶性であることを表し、20は水に可溶であり油に不溶であることを表す。好ましくは約10よりも低いHLB数を持つ補足剤は、多孔質電極、特に負極で使用するのに適すると考えられ;一方、好ましくは約10よりも高いHLB数を持つ補足剤は、エネルギー貯蔵セルの、プラスチックの、プラスチックを含有する、プラスチックに類似する物品、およびプラスチックで作製された容器で使用するのに適していると考えられる。12から18であるがこれらに限定されないHLB数を持つ補足剤は、電解質で使用するのに適していると考えられ、エネルギー貯蔵セルの電極同士の分離をもたらすシートでは少なくとも2より大きく、好ましくは5から16であり、多孔質電極では2から10である。
【0040】
エネルギー貯蔵セルの、補足剤が添加されたプラスチックで作製された物品、プラスチックに類似した材料で作製された、補足剤が添加された物品、補足剤が添加されたプラスチックを含有する物品、捕捉剤が添加された多孔質電極、および補足剤が添加された電解質を形成するために、本発明の補足剤とプラスチックとを組み合わせるのに使用されてもよいいくつかのプロセスがある。リストには下記を含めてもよいがこれらに限定されない。
【0041】
補足剤が添加されたプラスチックで作製された、このプラスチックに類似する、およびこのプラスチックを含有する物品、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン−ポリプロピレンコポリマー、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、およびポリ塩化ビニルプラスチックを含むがこれらに限定されない群から選択されたプラスチックで作製された物品であって、この物品は、顔料が次に加工前にプラスチックと混合されるのと本質的に同じ方法でプラスチックと補足剤とを混合することにより好ましい濃度で補足剤を受容する、選択されたプラスチックと共に、射出成型され、押し出され、焼結され、または回転もしくはブロー成型される。補足剤は、任意選択で担体に組み込まれ、それによって補足剤を封入し、その後、プラスチックに混合する。封入する材料の数は、当業者に公知と考えられる。一実施形態では、担体は、補足剤とブレンドされ得る粉末化材料からなるものであってもよく、担体はプラスチックと適合性があり、その結果、加工中のプラスチックの分布が促進され、加工中には補足剤は保護され、または別の実施形態では、使用中の物品からの補足剤の制御放出を行う。補足剤−担体の組合せは、物品へのプラスチックの加工中に摩滅に対処するために、比較的高い濃度で物品に組み込んでもよい。別の実施形態では、担体の量および/または組成は、再充電可能な電気化学エネルギー貯蔵セルが動作開始後に補足剤の時効放出を行うように選択されてもよい。好ましい、直接組み合わせたプラスチック−補足剤の濃度は、顔料に通常使用される濃度に類似している。加工温度は、最も好ましくは230℃よりも低く、好ましくは200℃よりも低く、好ましくは150℃以上であり、あるいは加熱を受け易い280℃以下が数十秒間加えられる。
【0042】
このプロセスに適している例の詳細な記述は、参照によりその内容全体が本明細書に組み込まれるMalischewskiらの米国特許第3,123,654号に提示されている。このプロセスに適している例の別の詳細な記述は、参照によりその内容全体が本明細書に組み込まれるLarsenらの米国特許第3,351,495号に提示されている。
【0043】
封入された補足剤は、典型的には、必要量の適切な担体および補足剤と一緒に均一な混合物にブレンドすることによって、任意選択で混合物が均一になった後に除去される適切な溶媒とブレンドすることによって調製されるが、これに限定するものではない。その後、封入された補足剤は加工されて粉末であって、これを温水で洗浄し、次いで温風で乾燥し加熱することにより、熱で処理された表面を持つ粒子を有する粉末が提供される。
【0044】
プラスチックで作製され、プラスチックに類似し、およびプラスチックを含有する、補足剤が添加された物品は、熱軟化する代わりに溶媒の助けを借りて、例えば可塑化されたまたは生地となったポリ塩化ビニルから作製されてもよい。次いでこれを押出し、加工前に顔料と同じ本質的に方法で補足剤を受容し、または好ましい濃度で補足剤を受容し、溶媒に事前溶解しまたは懸濁させる。加工温度は水の沸点であるが、好ましくはそれよりも低い。このプロセスに適している例の詳細な記述は、参照によりその内容全体が本明細書に組み込まれるWittらの米国特許第2,772,322号に提示されている。このプロセスに適している例の別の詳細な記述は、参照によりその内容全体が本明細書に組み込まれるSundbergらの米国特許第4,153,760号に提示されている。
【0045】
負極は、ほぼ同等の濃度で増量剤の付随物として補足剤を受容してもよい。増量剤は、好ましくはリグニン誘導体、微細に分割されたCおよびBaSO
4を含む。様々な材料を適切な装置内で混合する。あるいは、補足剤を溶媒に溶解することができ、溶質を組み立てて電極に付着させ、乾燥させ、その後、それらをエネルギー貯蔵セルに組み込む。
【0046】
補足剤が添加されたプラスチック・エンクロージャは、補足剤を、エンクロージャを作製するのに使用されるプラスチック材料に従来から含まれているまたは添加される顔料の付随物としてまたは代替物として、射出成型の前に、ほぼ同等の濃度で組み込んでもよい。射出成型プロセスは、通常通り進行する。
【0047】
補足剤が加えられた電解質は、適切な濃度で、電解質が補足剤を直接受容したものまたは補足剤をエネルギー貯蔵セル補充水に溶解できるもの、および適切な間隔で電解質に投与されたものを生成することもできる。補足剤は、負極で消費されるだけでなく陽極により酸化されるので、高レベルの濃度まで蓄積しそうにない。
【0048】
本発明の補足剤の適切な量を、本明細書に記述されるようにプラスチックの物品に組み込むことができる。任意選択で、ある量のパラゴムノキエラストマーまたは合成エラストマーを物品に組み込む代替の必要性があるいくつかの状況では、これらを補足剤と一緒に組み込んでブレンドを提供してもよく、それによって金属蓄積抑制および性能増強効果がさらに増強される。そのような場合、それらの個々の際立った特色は、例えば限定するものではないが水素
1および/または炭素
13核磁気共鳴(NMR)分光法によって、信頼性をもって明らかにすることができる。
【0049】
負極表面での樹枝状結晶の形成およびSb「被毒」は、電気めっきの兆候である。作用中のメカニズムは、金属微粒子を生成するのに商業的に使用される、主に酸性電解質を介した商用電気めっきと事実上同一である。堆積は、粉末状、糸状、スポンジ状、粒状、および/またはコケ状とすることができる。電解質での正極支持構造を含むPb−Sb金属合金の溶解度は、非常に低いがゼロではない。十分な電位の印加により、正極の表面金属の一部は酸化物に変化される可能性があり、また一部は、電子を供与した後に、電解質に徐々に溶解し、電解質を介して陽イオンとして負極に移行し、そこで陽イオンは電子を受容し、金属結晶として沈着する。負極表面のSbの蓄積は、ガス補給を増加させ、水消費量を増加させ、自己放電を増加させ、充電電位の最高値を低下させる。金属陽イオンは比較的重く、より多くの金属を負極の底部に向かって漸進的に堆積させる。負極に到達した金属の部分は、取り除くことができ、その結果沈殿物が形成される。
【0050】
再充電可能な電気化学エネルギー貯蔵セルでの電気めっきは望ましくなく、しかし回避できない。通常の観点から、それはほとんど感知できないようであり、したがってしばしば見過ごされる。これは負極での充電中のガス発生の付属物である。電気めっきを開始し持続させるには十分な電位の印加が必要である。PbO
2−Pb電極およびH
2SO
4電解質を有する典型的なエネルギー貯蔵セルは、負極がSbを比較的含まないならば、2.25ボルトよりも低い印加電位で取るに足らないガス発生、ニアゼロ電気めっきを経験し、2.35ボルトでは目に見えるガス発生があり、中程度のしかし最終的には破壊的な電気めっきを経験し、2.65ボルトでは大量のガス発生があり、2.35および2.65ボルトからは共に漸進的に上昇する。このタイプのセルによって発生した電位の1.6913ボルト・セグメントは、正極のPbO
2の電気化学電位に特有の特徴である。
【0051】
本発明の電気化学セルにおける本発明の金属蓄積抑制補足剤の存在は、最終的に、セル表面に向かって、特に負極の表面に向かって移行する補足剤の一部になる。この部分は、ガスが負極から発生したときにガスを受け入れることができ、最終的には負極の表面で本発明の障壁を形成する。負極表面に存在し得る任意のSbから発生するガスは、障壁の形成も促進させることができる。セル電位の全てが本発明の障壁の活性化に関与するわけではない。活性化は、2.25(合計セル・ボルト)−1.6913(PbO
2ボルト)=0.5587ボルト・セグメントにより提供される。障壁の活性化は、負極での電気化学活性に関係し、正極での活性には関係しない。電気めっきは、正極ならびに負極での電気化学活性関係する。本発明の補足剤は、エネルギー貯蔵セルの構成で使用され得る様々な金属を保存するのに有効であり、広く類似する電気化学およびガス補給電位を保有し、Pb、Sb、Sn、Cd、およびCuを含むがこれらに限定するものではない。本発明の補足剤および記述されるその適用方法は、これらの金属の1種が用いられるタイプの電気めっきセルで使用するのに適している。
【0052】
負極の表面での十分な量の本発明の補足剤の存在は、本発明の補足剤を備えていない状態で等しく満充電されたエネルギー貯蔵セルの負極と比較すると、等化強度定電流充電の適用により満充電されたエネルギー貯蔵セルの負極の明白な高電位によって確認することができる。
【0053】
エネルギー貯蔵セル内で使用中の電解質中の本発明の補足剤の活性量の存在は、空気の少なくとも10倍大きい体積を保持するエンクロージャにおいて適切な温度で、好ましくは80から105kPaの大気圧および約10から100℃の範囲の温度で、電解質を好ましくはそのまま振盪させかつ振盪前は沸騰させない状態で、電解質の一部を適切に撹拌した後にまたは補足剤を収容する任意のその他の適切な流体中で、発生し持続する起泡によって証明できることが見出された。希H
2SO
4(1.250sg)は、NTPで、109.2℃付近で沸騰することに留意すべきである。エネルギー貯蔵セル内の電極の存在は、補足剤の電解質を徐々に使い尽くす。したがって、補足剤の蓄積は、記述される手順に先立つ適切な期間にわたり、電極からの分離または電極の引き出しによって典型的には容易になる。負極における本発明の補足剤の存在は、評価手順に先立つ適切な期間での全ての正極の除去によって確かめられ、その後、一般に上述の方法により、振盪によって引き起こされた起泡によって証明される。
【0054】
何らかの起泡誘発特性がないと、金属蓄積抑制を行うことができないことが見出された。起泡は、補足剤分子がガスと相互作用できる能力を実証すると考えられ、したがって活性濃度で補足剤が存在するが起泡自体はその影響に関与しないという証拠である。かろうじて認知できる起泡でさえ、活性の有用な指標である。
【0055】
本発明の充電可能な電気化学エネルギー消費セルで使用される本発明の金属蓄積抑制補足剤を含有するのに十分な量の電解質の調製について、次に記述する。詳細には、以下に記述するセル14において、まず、本発明のエネルギー貯蔵セルでの使用が意図されるまたはこのセルに組み込まれる補足剤組込み態様の約100立方センチメートルに外形寸法がサイズ決めされた部分を抽出し、表層の汚れを清浄化して除去し、乾燥し、次いで抽出された部分をおよそ10ミリメートル以下のサイズの適切な断片に分割し、乾燥断片を1.5から2リットルのガラスまたは不活性プラスチック・ボトル内に置き、150ミリリットルの従来の強度のエネルギー貯蔵セルH
2SO
4電解質、例えば1.250SGを添加する。本発明の電解質の有効な処理は、ある期間にわたって時々撹拌しながら浸漬する必要がある。ボトルを閉じ、約30から40℃で貯蔵する。ボトルを、手で上下に垂直に、1日1回、約10秒間激しく振盪させる。十分な日数で繰り返すことにより(まれに7日超)、振盪は電解質の表面の起泡を生成し、起泡はそれぞれ連続して振盪するごとに、好ましくは、振盪の終了によって、起泡が好ましくは5秒まで、最も好ましくは5から10秒、しかし好ましくは10秒よりもあまり長くならない程度、最も好ましくは3分以上にならない程度で持続するまで、徐々に増加する(起泡が3〜5分続く場合、補足剤の濃度は、作用最適値よりも10から100倍程度高くなるようである。電解質中の補足剤の満足のいく濃度は1〜2ppm程度である。通常の電解質を使用した希釈は、過剰な濃度を適切に修正することができる。あるいは、液体部分を廃棄し、浸漬を短く繰り返すことができる。)。これは、従来の車両給電エネルギー貯蔵セルの状況における、電解質への補足剤の移送の公正なシミュレーションである。起泡は、これらが放出されるにつれてかつ放出されるときに、補足剤の起泡発生要素の負極での吸着および正極での酸化により、エネルギー貯蔵セルでは一般に認知できず、それによって起泡の減衰が生じる。吸着は制限されるようであり、酸化は進行するようである。これらの電極からの分離は、起泡の発生を容易にする。
【0056】
屋内および屋外で車両に電力を供給するのに使用される、直列に接続された大型の再充電可能な電気化学エネルギー貯蔵セルは、セルが満充電状態にあるときに破壊的に上昇するのを防止し満充電に近付いたときにはなお流れ続ける電流を送出する、針共振または高リアクタンス変圧器および整流器、シリコン制御整流器、または高周波数トランジスタ電力変換器を介して充電される。これは電流制御によって実現される。充電器は、充電の終わりに向かって徐々に減少する電流を供給することが可能であり、しかし、より好ましくは、2.35ボルトのパーセル電位でガス補給を開始した後に、適切な期間にわたって制御された定電流の仕上げ電流を供給することが可能である。ガスの発生には電気めっきが伴う。この動作態様および電気めっきの程度を評価するための手段は、以下に記述される装置によって現実的に具体化される。
【0057】
商用のエネルギー貯蔵セルは、最小限の実用可能な容積に閉じ込められた、電極アセンブリと共に作製され、これらは負極および正極からの微粒子の予測不可能な剥がれに供される材料で構成され、負極の集合前後での信頼性ある評価および堆積部位での負および正の沈殿物の区別を極めて困難にする。セル構成の手法は、評価の目的で解体することが必要である。これは、構成の不適切な形であると共に、本発明の装置の有効性の正確な評価を非常に見込みのないものにする破壊的なプロセスである。評価用のセルは、実用的な必要性から外れ、目的に合わせて作らなければならない。
【0058】
図1を参照すると、この図は、典型的には10ボルトを超えないがこれに限定されない電位で安定化された50ミリアンペアの電流を送出するように調節された、典型的には電子的に調整された実験台の電源である定電流源12と、第1のセル14と、第2のセル16とを含む、充電装置に接続された再充電可能な電気化学エネルギー貯蔵セルに類似した電気化学装置10の電気的概略図を示す。セル14は、吐出された100ミリリットルの体積を有する電解質18を含有し、セル16は、吐出された100ミリリットルの体積を有する電解質20を含有する。吐出された体積は、セル14および16が実質的に同一の体積の電解質18および20を受容することを前提に、100から125ミリリットルの間の任意の体積であってもよい。電解質18および20は、同じ供給源である容器から注がれた従来のエネルギー貯蔵セルH
2SO
4電解質である。セル14は正極22を含有し、セル16は実質的に同一の正極24を含有し、電極22および24は、導体34および導体36を介して互いに電気的に接続されている。セル14は負極26または処理電極を含有し、セル16は実質的に同一の負極28または対照電極を含有し、電極26および28は、導体38および導体40を介して互いに電気的に接続されている。電気めっき装置10の動作中、電極22および26は電解質18に浸漬され、電極24および28は電解質20に浸漬される。対になった電極22および26と対になった電極24および28との浸漬部分は、実質的に対称的に位置決めされ、それらが電場を実際にかつ有効に等化するよう最も近付いた場所で、実質的に等しく少なくとも18ミリメートル分離されている。セル14および16の構成は、一般に、概略図に示される配置に該当する。
【0059】
電極26および28は、従来、好ましくは、その関連ある電解質中で、はんだ付けのため鉛工が一般に使用するタイプの97%のSnワイヤの40ミリメートの長さ、2ミリメートルの直径を浸漬するようにそれぞれ構成される。電極22および24は、Cu、Pb、およびSbを含めたその他の金属を単独でまたは組み合わせて構成することができる。Snワイヤは、その表面が明るい金属の光沢を有しており空気中で変色しないので、かつ−0.1375Vでは、任意のその他の金属よりも−0.1262VでPbの電気化学電位にさらに非常に似ているので、負極材料として使用するのに好ましい。電極26および28はアセトンで洗浄し、通常のティシュ・ペーパで磨き、その後、セル14および16に組み込む。
【0060】
電源12は、導体30および32に電流を提供し、50ミリアンペアで実質的に安定したままである。送出された電流の値は、実質的に一定に保たれる50ミリアンペアの5%以内の任意の値であってもよい。導体34に流れる電流および導体36に流れる電流を合わせた値は、導体30に流れる電流に等しい。同様に、導体38に流れる電流および導体40に流れる電流を合わせた値は、導体32に流れる電流に等しい。導体34および38の両端に生ずる電圧は、常時、導体36および40の両端に生ずる電圧に等しい。したがってセル14および16は、常時、同一の電位に供される。この回路の配置構成は、「long−tailed pair」増幅器回路、Blumlein(1936)の英国特許第482,740号の電気化学的派生物である。
【0061】
定電流源12による電流送出は、セル14が電解質18の総量100ミリリットルを受け取るまでかつセル16が電解質20の総量100ミリリットルを受け取るまで抑制される。セル14および16は、それらの総体積の電解質を、手で同時に注ぐことによって受け取る。電解質18および20は同じ容器由来である。実施例1の電解質18は、第1の体積150ミリリットルを容器から引き出し、次いで上述の抽出、浸漬、および起泡試験手順に従い調製し、その後、処理済み電解質の100ミリリットル体積をボトルから取り出し、セル14内に入れて電解質18にすることによって、調達される。電解質の第2の体積100ミリリットルを容器から引き出し、セル16内に直接入れることにより電解質20にする。電解質18および20は、電気めっき装置10の動作の開始時に実質的に同一の温度である。定電流源12のスイッチを、セル14および16が電解質18および20を受け取った後に、数十秒以内にオンにする。
【実施例1】
【0062】
電極22および24は、負極26および28として、500ミリメートルの長さの同じタイプのSnワイヤでそれぞれ構成され、空間を節約するためにコイル状であることが適切である。電解質18は、上述の抽出、浸漬、および起泡試験手順に従い調達および調製され、その結果、適切な補足剤含有サンプルからの補足剤を含むことになる。セル14は、最初に容器から引き出されるこの電解質の100ミリリットル部分を受け取り、セル18は、容器から直接100ミリリットルの電解質を受け取る。5時間後、50ミリアンペアで、電極26は、灰白色金属の透明な霞を受け、電極28に、マツ葉形状に縺れ合って成長した金属結晶が蓄積された。
【実施例2】
【0063】
電極22および24は、Snワイヤのコイルでそれぞれ構成され、実施例1の電極24および24と実質的に同一であった。この実施例で使用される電解質18および20の調製は、補足剤含有サンプルの代わりに、エネルギー貯蔵セル電極間に分離をもたらすのに使用されるタイプのパラゴムノキ天然エラストマーを含有する高多孔度絶縁シートを抽出し、浸漬し、起泡させ、かつそこからの電解質を使用したこと以外、実施例1に用いられた抽出、浸漬、および起泡試験手順に従い生成され調製された。50ミリアンペアで5時間後、電極26は灰白色金属の透明な霞を受け、電極28は、マツ葉形状に成長した金属結晶を蓄積させた。
【実施例3】
【0064】
電極22および24は、小さな微細に織られたポリエステル布の円筒状ホルダに軽く圧密化されたSb金属粉末5グラムを使用してそれぞれ構成され、このホルダには、純粋なPbで作製された全長および底幅の内側ストリップ導体が予め備えられている。電極22のPb導体は導体34に接続され、電極24のPb導体は導体38に接続された。補足剤は、[CH
3(CH
2)
x][(OCH
2CH
2)
6][(OCH
2CHCH
3)
3]OH(xは7から15に及び、異性体が含まれる。)0.5ミリリットルを水99ミリリットルに溶解し、次いでその1ミリリットル分をセル14に移した。セル16は、ただの水1ミリリットルを受け取った。次いで、電解質18および20をセル14および16に注ぎ入れた。電解質18の補足剤濃度は、50体積ppmと推定された。50ミリアンペアで5時間後、電極26は、ほとんど認知できないコーティングを獲得し、その当初の明るいSn金属光沢のほとんどを保持していたが、一方、電極28は、Sbに典型的な薄い不透明な暗色コーティングを獲得し、電極の下部に同色の少量の沈積物を堆積した。
【0065】
50ミリアンペアで10時間後、電解質18は、提供された当初の量にその体積および濃度が等しいある量の補足剤を受け取り、電解質20は、等しい体積の水を受け取って、正極22の高表面積に起因した補足剤の酸化を補償した(商用のエネルギー貯蔵セルの電解質は、セルが充填され、形成され、輸送の準備がなされたとき、またはそれらの通常の動作中に、適切な量の補足剤を同様に受け取ってもよい。)。50ミリアンペアで1週間後、電極26は、光沢のいくらかの証拠を未だ保つ認知可能なコーティングに穴を開け、一方、電極28は、電極の下部に有意な体積の暗色沈積物を堆積した。当初はSb粉末5グラムを含有していた電極24のホルダは、Sb粉末の当初の量の約3分の1を保持していた。電極22のホルダは、Sb粉末の当初の量全体のほとんどを保持していた。その差は非常に明らかである。
【0066】
手順は、開始後1週間で終了した。定電圧源ではなく定電流源の使用は、セルの自然数で安定化するセル14および16の両端の電位に適応する。電流源12を接続解除すると、導体30および32の両端の電位はゼロに降下しなかった。セル14および16は、PbO
2−Pb−H
2SO
4エネルギー貯蔵セルに特徴的な導体30および32の両端の電位を支持するが、電気化学エネルギー貯蔵および電気めっき技術の背景にあるメカニズムが著しく重なることを十分実証したにも関わらず、限られた貯蔵容量および比較的高い自己放電率を示した。
【実施例4】
【0067】
電極22および24は、Snワイヤのコイルでそれぞれ構成され、実施例1の電極22および24と実質的に同一であった。この実施例で使用される電解質18および20の調製は、推定濃度1体積ppmに低減された電解質18中の補足剤の濃度が、適切な追加の中間希釈によって達せられたこと以外、実施例3の電解質18および20の調製に実質的に同一であった。50ミリアンペアで5時間後、電極26は灰白色金属の透明な霞を受け取り、電極28はマツ葉形状に成長した金属結晶を蓄積した。
【0068】
実施例3のPnストリップ導体は、電流源12が電流を送出し始めてから数十分でPbO
2の特徴的な暗褐色の錆を得、それによって、効果的にセル14および16の作用正極になり、セル14および16の両端の合計電位に対する1.6913ボルト部分に関与した。実施例1、2、および4のSn正極、Sn負極配置構成は、50ミリアンペアで、1.6913ボルトに近い量だけ、実施例3の場合よりも整合的に少ないセル14および16の両端の電位を発生させた。
【0069】
図2および3を参照すると、これらは、左側に処理セルを、右側に対照セルを示す画像である。
図2は、1週間の終わりに、実施例3の手順に従った装置を撮影した画像である。
図3は、5時間後に実施例4の手順に従った装置を撮影した画像である。実施例1および2は、実施例4と事実上同一の結果を示し、即ち金属蓄積の程度は、実験の終わりに事実上同一であった。Snは酸性電解質に非常に可溶であるがSbはそうではなく、これは実施例4において、その結果が僅か5時間後に得られたのに対し、実施例3については結果が1週間後に得られた理由であると考えられる。これらの画像は、本発明の補足剤を使用すると、非常に明瞭に有意な金属蓄積抑制作用を示す。
図4は、起泡動作を示す画像である。
【0070】
実施例1、2、3、および4は、Pb−PbO
2−H
2SO
4エネルギー貯蔵セルの動作中に生ずるタイプの電気めっきの正確な複製と、そのようなエネルギー貯蔵セルの負極表面での金属堆積、典型的にはSbを減衰させ、それによってSb「被毒」を低減させる本発明の装置の機能または能力の正確な複製とを提供する。本発明の装置により提供された電気めっきによる負極表面での金属堆積の低減の程度は、対照電極に引き付けられた質量を、処理電極に引き付けられた質量で割った値と定義され、典型的には少なくとも1.05に等しく、好ましくは1.1、より好ましくは2、最も好ましくは少なくとも10以上であるが、これに限定するものではない。
【0071】
プラスチック、特にポリ塩化ビニル(PVC)で作製された物品は、補足剤が添加されたプラスチック物品を生成するために合成された補足剤を用いて調製された。サンプルを水中で繰り返し洗浄し、次いで電解質に浸漬し、これは振盪したときに上記にて概説した手順の後に起泡を示し、その結果、電解質中の補足剤の存在が示され、これを天然の熱硬化性エラストマーから作製された高多孔度絶縁シートに典型的な起泡を比較した。サンプルを電気化学セル内に置いた場合、セルは、天然の熱硬化性エラストマーから作製された同等の高多孔度絶縁シートで得られたものと同じ動作上の利点を持って動作することがわかり、したがって、補足剤が添加されたプラスチックから様々なセル構成成分を作成する際の本発明の有用性が確立され、その利点は天然の熱硬化性エラストマーと同等であるが、コストおよびコンシステンシーに関する課題が伴っていた。PVCについて記述するが、上記は様々なプラスチックに適用可能と考えられ、PVCは例示を目的に選択され、本発明はPVCに限定するものではない。
【0072】
本発明の補足剤を組み込むことができる1つのそのような物品は、電気化学セルの正極と負極との間に典型的に堆積される多孔質絶縁体である。これらは、イオン的に多孔質の構造であるが、電極間の短絡が防止されるように誘電材料で作製される。
【0073】
図5は、1つのそのような絶縁体の例を示す。当然ながら、本発明から利益を得ることもできる数多くのその他のデザインがあり、この例はそのグループの例示である。
図5は、再充電可能な電気化学エネルギー貯蔵セルの、負極と正極との間の分離をもたらす単一のリブが付いた高多孔度絶縁シート42を示す。シート42は、典型的には約0.2から0.5ミリメートルの厚さであるがこれに限定されない厚さの平面バックウェブ44からなる。リブ46は、表面47から外向きに延び、典型的には約0.2から3.0ミリメートル突出している。リブ46は、約0.5から1.5ミリメートルの厚さであってもよい。高多孔度絶縁シート42は、再充電可能な電気化学エネルギー貯蔵セルの電解質を透過させる。
【0074】
シートの好ましい向きは、リブ46が垂直な状態にあり、したがってリブは、電解質を循環させるチャネル48を形成し、発生した任意のガスを、充電中に上向きに逃すことも可能になる。同様に、形成される任意の微粒子は、シート42の表面から滑り落ちる。絶縁体の幅および長さは、典型的には電極の幅および長さを僅かに超え、その結果、電極間を完全に被覆し、このときバックウェブ44は通常は負極近くに配置構成され、リブは正極に向いている。
【0075】
高多孔度絶縁シートは、任意選択でシリカを含む、ポリマー材料で作製されてもよく、また本発明によれば、内部に本発明の補足剤の有効量がさらに組み込まれる。
【0076】
図6は、リブ付き高多孔度絶縁シート42を含むアセンブリの一部の平面図を示す。ガラスまたはポリエステル繊維から作製された繊維マット50がリブ46の先端に接し、そこに結合されていてもよい。バックウェブ44は負極52と隣接しており、マット50は正極54と隣接している。実際の電気化学セルは、エンベロープ、チューブ、ガントレット、およびスペーサなどのその他の任意選択の構成成分を含んでいてもよく、これらは例示を簡略化するために示していない。
【0077】
アセンブリを電解質に浸漬して、再充電可能な電気化学エネルギー貯蔵セルを形成する。当然ながら、再充電可能な電気化学エネルギー貯蔵セルは、典型的には多数のアセンブリを含み、連続する電極のそれぞれは少なくとも1つの隣接する絶縁シート42および繊維マット50を有し、正極および負極は交互に配され、それによりこれらの電極は絶縁シート42および繊維マット50により間に空間を残す。この場合も、例示を簡略化するために1つだけ示す。
【0078】
負極52に隣接しているバックウェブ44は、正極54から比較的離れており、その結果、負極52に向かう、絶縁シート42に含有される補足剤の、電解質を介した移行が促進される。樹枝状結晶は、従来技術の再充電可能な電気化学エネルギー貯蔵セルで形成することができ、負極54の表面上にゆっくり電気めっきされた、正極54で生じた金属からなる。セルの実用寿命全体を通して、これらの樹枝状結晶は細いマツ葉を形成し、最終的には絶縁シート42の細孔を貫通し、チャネル48内に延びる。チャネル48内に到達する樹枝状部分は、通常は突き抜けて無害な方法でセルの底部の沈積物トラップ内に落下し、負極と正極との間で短絡が形成されるのを防止するが、最終的には短絡は生ずる可能性がある。絶縁シート内での補足剤の存在は、正極からの金属の放出を抑制することによって、樹枝状結晶の形成を著しく減衰させ、それによって短絡の発生を遅延させることが見出された。
【0079】
繊維マット50は、正極54からの活性材料の剥がれを低減させるように配置構成される。セルの寿命期間中に繊維マット50を意図せず貫通する活性材料の微粒子は、チャネル48に進入することができ、次いで無害な方法でセルの底部の沈積物トラップ内に落下することができる(図示せず。)。
【0080】
多孔質絶縁シートがPVCから構成される場合、絶縁シートへの加工前にバルクPVC粉末と容易にブレンドされる材料を提供するために、補足剤のいくらかをPVCプラスチックと事前に組み合わせるのに有利と考えられる。これは取扱いを容易にし、加工中の適合性および分布を確実にする。例えば補足剤は、2〜30重量%の範囲で、ある量のPVCと共に溶媒に溶解されてもよく、この濃度は、補足剤の選択、最終生成物での所望の量などに応じて変えてもよい。1つの例は、約25%であってもよい。溶媒は除去され、生成物は粉砕され分類されて、所望の粒度を生成する。粉末を完全に洗浄し、乾燥し、任意選択で加熱して粒子の表面を堅固にする。粒子を任意選択で再度洗浄し、乾燥して、PCVに封入された補足剤を提供する。次いでこの材料を、様々な所望の濃度で絶縁シートに加工するよう仕向けられたバルクPVC材料とブレンドすることができ、次いでブレンドされた材料を例えば押出し混合物として使用し、公知の製造ステップにより絶縁シートを生成するために押出し機に供給し、それによって、再充電可能な電気化学貯蔵セルで使用されるよう配置した場合、放出を制御するのに適切な形で補足剤を含有する絶縁シートが生成される。
【0081】
当然ながら、PVC以外のプラスチックを使用してもよく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、フェノール樹脂、およびこれらの組合せの中から選択されてもよい。
【0082】
絶縁シートに加工する前にバルクポリマー材料と都合良くブレンドされた、事前に組み合わされた材料を提供するために、適切な量の補足剤と適切な量のポリマー材料とを組み合わせることが有利と考えられる。これは取扱いを容易にし、異なるタイプの事前に組み合わされたバルク状のポリマー材料の使用を可能にし、押出し後の溶媒抽出プロセスなどの任意の後加工中の、補足剤の意図しない損失を最小限に抑える。例えば補足剤は、ある量のポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、または任意のその他の適切なポリマー材料と直接組合せ、十分に軟化または融解するまで加熱し、ブレンドし、その後、冷却してもよい。
【0083】
別の例は、予備組合せ溶媒の沸点でまたは沸点に近い温度で、ある量のポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはその他の適切なポリマー材料と共に予備組合せ溶媒に溶解し、次いで加熱して予備組合せ溶媒の実質的に全てを除去し、その後冷却される、補足剤を有すると考えられる。適度に高い沸点を有する様々な予備組合せ溶媒が適切であり、例えばシクロヘキサノンおよびデカリンがあるがこれらに限定するものではない。予備組合せ材料中の補足剤の量は、1〜40重量%の範囲であってもよい。1つの例は、15%であってもよい。
【0084】
予備組合せ材料を粉砕して粉末にし、分類して所望の粒度を生成する。分類された粉末を、任意選択で例えば温水または水−溶媒混合物中であるがこれに限定されないもので洗浄することにより加工して、補足剤の分類された粉末微粒子の表面領域を減損させ、このときバルク状の補足剤は内部に保持された状態であり、それによってポリマー材料に封入された補足剤が提供される。この予備組合せ材料を、バルク状ポリマー材料、ならびに絶縁シートに加工するよう仕向けられた押出しまたは焼結プロセスの追加の必須の材料と、様々な濃度でブレンドする。押出しプロセスまたは焼結プロセスは、例えば公知の製造ステップであるがこれに限定されないステップに従い進行し、それによって、再充電可能な電気化学エネルギー貯蔵セル内に配置されたときに、制御放出に適切な形の補足剤を含有する絶縁シートが生成される。
【0085】
本発明の、記述された実施形態は、全ての態様において例示的であり制約するものではないと見なされる。本発明は、添付される特許請求の範囲で特に記述され、本発明の意味、均等性、範囲、および精神の範囲内でなすことができる全ての変更は、その中に包含されるものとする。