(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
一般式(1)において、R
1は炭素数6〜30の炭化水素基であり、炭化水素基としては脂肪族炭化水素基及び脂環式炭化水素基が挙げられる。炭化水素基は直鎖でも分岐でもよく、飽和でも不飽和でもよい。
これらのうち好ましいのは炭素数8〜20の脂肪族炭化水素基であり、更に好ましいのは炭素数8〜16の脂肪族炭化水素基である。
R
1の炭素数が6以上では十分な抗菌性が得られ、炭素数が30以下であれば、化粧品への溶解性及び相溶性の観点で優れている。
R
1における炭素数6〜30の脂肪族炭化水素基としては、直鎖又は分岐のアルキル基(n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、イソへプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ドデシル基、イソドデシル基、n−テトラデシル基、イソテトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、n−イコシル基、n−ドコシル基及び3,5,7−トリメチルオクチル基等)及び直鎖又は分岐のアルケニル基(1−ヘキセニル基、2−メチル−1−ペンテニル基、1−デセニル基、3−エチル−2−オクテニル基、6−ドデセニル基及びオレイル基等)等が挙げられる。
R
1における炭素数6〜30の脂環式炭化水素基としては、シクロアルキル基(シクロヘキシル基及びシクロヘプチル基等)、アルキルシクロヘキシル基(プロピルシクロヘキシル基及びオクチルシクロヘキシル基等)、シクロアルキルアルキル基(シクロヘキシルブチル基及びシクロヘキシルオクチル基等)及びシクロアルケニル基(2−シクロヘキセニル基及び2−シクロヘプテニル基等)等が挙げられる。
【0008】
一般式(1)におけるAOで表される炭素数2〜6のアルキレンオキシ基としては、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基、へキシレンオキシ基等が挙げられる。
これらのアルキレンオキシ基は、炭素数2〜6のアルキレンオキシドに由来し、エチレンキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,3−プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン及びオキセパン等が挙げられる。
炭素数2〜6のオキシアルキレン基は、2種以上が併用されていてもよく、2種以上が併用されている場合は、アルキレンオキシドがブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよい。
これらのAOのうち、抗菌性及び皮膚刺激性の観点から好ましいのは、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、及びこれらの併用である。
【0009】
一般式(1)におけるmとnはそれぞれ炭素数2〜6のアルキレンオキシドの付加モル数を表し 、mは0〜30の数、nは0〜30の数である。
また、R
1に対する炭素数2〜6のアルキレンオキシドの平均付加モル数のm+nは、0〜15の数であり、好ましくは0〜5であり、更に好ましくは0.5〜5である。m+nが15を超えると、抗菌性が低下する。
【0010】
本発明における化合物(A)としては、mおよびnが同時に0である1,2−ジオール(a1)、(a1)にアルキレンオキシドが平均で(m+n)モル付加したエーテルジオール(a2)、並びに(a1)と(a2)の混合物が考えられる。
【0011】
m+nが0のときは、mとnが同時に0であり、すなわち下記一般式(2)で表される(a1)である。
【0013】
式(2)中、R
2は炭素数6〜30の炭化水素基を表す。R
2としてはR
1と同じ炭化水素基が挙げられ、好ましい基もR
1と同じく炭素数8〜20の脂肪族炭化水素基であり、さらに好ましいのは炭素数8〜16の脂肪族炭化水素基である。
【0014】
m+nが0より大きいときの化合物(A)の製造方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
下記一般式(2)で表される1,2−ジオール(a1)を加圧反応容器に投入し、無触媒又は触媒の存在下に炭素数2〜6のアルキレンオキサイドを吹き込み、常圧又は加圧下に1段階又は多段階で反応を行なう。
炭素数2〜6のアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド(以下、EOと略記する。)、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略記する。)、1,2−ブチレンオキサイド、1,2−ペンチレンオキサイド及び1,2−ヘキシレンオキサイド等が挙げられる。
触媒としては、アルカリ触媒[例えばアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム及びセシウム等)の水酸化物]、酸[過ハロゲン酸(過塩素酸、過臭素酸及び過ヨウ素酸等)、硫酸、燐酸及び硝酸等(好ましいのは過塩素酸)]及びこれらの塩[好ましいのは2価又は3価の金属(Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Co、Ni、Cu及びAl等)の塩]が挙げられる。
反応温度は通常50〜200℃であり、反応時間は通常2〜20時間である。アルキレンオキサイドの付加反応終了後は、必要により吸着処理剤で処理した後ろ過する方法、又は触媒を中和した後ろ過する方法等により除去することができる。
【0015】
本発明における化合物(A)を前記製造方法で製造した場合には、(A)は一般式(2)で表される1,2−ジオール(C)に、炭素数2〜6のアルキレンオキサイドを付加反応させて得られるため、一般式(1)におけるmとnは、炭素数2〜6のアルキレンオキシドの付加モル数を表し、分布がある。従ってこのm+nは、アルキレンオキシドの付加モル数の平均であり、必ずしも整数であるとは限らない。
化合物(A)におけるm+nは、化合物(A)の水酸基価を測定し、水酸基価から計算することができる。水酸基価はJIS K0070に従って測定することができる。
【0016】
化合物(A)のうち、1,2−ジオール(a1)の具体例としては、1,2−ジヒドロキシ−n−オクタン、1,2−ジヒドロキシ−n−デカン、1,2−ジヒドロキシ−n−ドデカン、1,2−ジヒドロキシ−n−ヘキサデカン、1,2−ジヒドロキシ−n−トリアコンタン等が挙げられる。
【0017】
(a1)にアルキレンオキシドを付加したエーテルジオール(a2)の具体例としては、1,2−ジヒドロキシ−n−オクタンのEO2.5モル付加物、1,2−ジヒドロキシ−n−デカンのEO1モル付加物、1,2−ジヒドロキシ−n−ドデカンのEO1.5モル付加物、1,2−ジヒドロキシ−n−ドデカンのPO1モル付加物、1,2−ジヒドロキシ−n−ヘキサデカンのEO1モル付加物、1,2−ジヒドロキシ−n−ヘキサデカンのEO2モル付加物、1,2−ジヒドロキシ−n−ヘキサデカンのEO5モル付加物、1,2−ジヒドロキシ−n−ヘキサデカンのEO10モル付加物、1,2−ジヒドロキシ−n−ヘキサデカンのEO15モル付加物、1,2−ジヒドロキシ−n−ヘキサデカンのEO14モルPO1モルランダム付加物、1,2−ジヒドロキシ−n−オクタデカン、1,2−ジヒドロキシ−n−オクタデカンのEO2モル付加物、1,2−ジヒドロキシ−n−ドコサン、1,2−ジヒドロキシ−n−ドコサンのEO2モル付加物及び1,2−ジヒドロキシ−n−トリアコンタンのEO2モル付加物等が挙げられる。
【0018】
このうち、抗菌性の強さと適用範囲の広さの観点から、1,2−ジヒドロキシ−n−デカン、1,2−ジヒドロキシ−n−ドデカン、1,2−ジヒドロキシ−n−オクタンのEO2.5モル付加物、1,2−ジヒドロキシ−n−デカンのEO1モル付加物、1,2−ジヒドロキシ−n−デカンのEO1モル付加物、1,2−ジヒドロキシ−n−ドデカンのEO1.5モル付加物、1,2−ジヒドロキシ−n−ドデカンのPO1モル付加物及び1,2−ジヒドロキシ−n−ヘキサデカンのEO5モル付加物が好ましい。
【0019】
本発明における化合物(B)は、分子内に少なくとも2つのフェノール性水酸基をもつ化合物であり、化合物(A)との相溶性の観点から、好ましくはフェノール性水酸基の数が2〜8であり、さらに好ましくはフェノール性水酸基の数が2〜6である。
また、水酸基価から計算により算出される分子量は90〜380であり、好ましくは100〜260である。
【0020】
本発明における化合物(B)の水酸基価は、化合物(A)との相溶性と抗菌性の強さの観点から、好ましくは水酸基価が450〜1200、更に好ましくは650〜1100である。
【0021】
フェノール性水酸基を2つもつ(B)としては、カテコール、カテコール誘導体、レゾルシノール、レゾルシノール誘導体、ヒドロキノン及びヒドロキノン誘導体等が挙げられる。
カテコール誘導体としては、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、3−エチルカテコール、3−プロピルカテコール、3−メトキシカテコール、3−クロロカテコール、3−ブロモカテコール、3,6−ジメチルカテコール及び4,5−ジメチルカテコール等が挙げられる。
レゾルシノール誘導体としては、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、4−クロロレゾルシノール、4−ブチルレゾルシノール、4−メトキシレゾルシノール及び4-ジメトキシトリルプロピルレゾルシノール等が挙げられる。
ヒドロキノン誘導体としては、メチルヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、クロロヒドロキノン、ブロモヒドロキノン、2,3−ジメチルヒドロキノン、2,6−ジメチルヒドロキノン及びトリメチルヒドロキノン等が挙げられる。
【0022】
フェノール性水酸基を3つもつ(B)としては、ラリシレシノール及びクルクミン等が挙げられる。
【0023】
フェノール性水酸基を4つもつ(B)としては、ペラルゴニジン、ペオニジン、マルビジン、ルテオリニジン、ヨーロピニジン、ロシニジン及びエラグ酸等が挙げられる。
【0024】
フェノール性水酸基を5つもつ(B)としては、カテキン、オーランニジン、ペチュニジン及びシアニジン等が挙げられる。
【0025】
フェノール性水酸基を6つもつ(B)としては、エピガロカテキン及びデリフィニジン等が挙げられる。
【0026】
フェノール性水酸基を8つもつ(B)としては、没食子酸エピガロカテキン等が挙げられる。
【0027】
(B)のうち、抗菌性の強さの観点から、好ましいのはカテコール、カテコール誘導体、レゾルシノール、レゾルシノール誘導体、ヒドロキノン、ヒドロキノン誘導体、カテキン、エピガロカテキン及び没食子酸エピガロカテキンである。さらに好ましいのはカテコール、レゾルシノール、レゾルシノール誘導体、ヒドロキノン及びカテキンであり、特に好ましくはレゾルシノール、レゾルシノールである。
【0028】
本発明の抗菌剤における前記化合物(A)と前記化合物(B)の重量比[(A):(B)]は、抗菌性が高く、抗菌スペクトルも広いという観点から、好ましくは10:90〜95:5であり、更に好ましくは20:80〜85:15であり、特に好ましくは30:70〜80:20である。
【0029】
化合物(A)と化合物(B)の混合方法としては特に制限はないが、例えば、撹拌機及び温度調節機能を備えた混合槽に、化合物(A)と化合物(B)を投入順序に特に制限なく投入し、10〜50℃で均一になるまで撹拌する方法が挙げられる。
【0030】
本発明の抗菌剤は、25℃で通常は固状又は液状であり、取り扱い易さの観点から好ましいのは液状である。
【0031】
本発明の抗菌剤は、抗菌性及び安全性の観点から、化粧品用、住居関連洗浄剤用、台所洗剤用又は衣料洗剤用であることが好ましい。
化粧品用としては、ヘアケア製品用(シャンプー、コンディショナー、トリートメント、ヘアセット剤等)、スキンケア製品用(ボディーソープ、ハンドソープ、化粧水、乳液、スキンケアクリーム等)、メーキャップ製品用(ファンデーション、口紅等)
住居関連洗浄剤用としては、浴室洗浄剤、トイレ用洗浄剤、ガラス用洗浄剤、床用洗浄剤等が挙げられる。
台所洗剤用としては、手洗い用台所洗剤、自動食器洗浄機用洗剤等が挙げられる。
衣料洗剤用としては、液体衣料用洗剤、液体柔軟剤等が挙げられる。
【0032】
本発明の化粧品は、製品の品質保持の観点から、本発明の抗菌剤を含有することが好ましい。本発明の化粧品は、通常は、更に水、油剤、シリコーン化合物、アルコール類、ゲル化剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、キレート剤、pH調整剤、清涼剤、美白剤、保湿剤、コンディショニング剤、香料及び着色料等の化粧品原料から選ばれる任意の成分を混合撹拌することにより得られる。
【0033】
油剤としては、オリーブ油、大豆油、ナタネ油、牛脂、豚脂、ラノリン、ステアリン酸、ミネラルオイル及び流動パラフィン等が挙げられる。
【0034】
シリコーン化合物としては、シリコン樹脂、メチルフェニルポリシロキサン、メチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ジメチルシロキサン/メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体、デカメチルシクロペンタンシロキサン、ジメチルシロキサンメチル(ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン、メチルポリシクロシロキサン、ジメチルシロキサン/メチルステアリルオキシシロキサン共重合体、メチルポリシロキサンエマルジョン、オクタメチルトリシロキサン、環状シリコン樹脂、高重合メチルポリシロキサン、テトラデカメチルヘキサンシロキサン及びトリメチルシロキシケイ酸等が挙げられる。
【0035】
アルコール類としては、1価アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、ラウリルアルコール及びステアリルアルコール等)、2〜6価の多価アルコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、グリセリン、ジグリセリン及びソルビトール等)及びコレステロール等が挙げられる。
【0036】
ゲル化剤としては、ショ糖パルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、モノベンジリデンソルビトール及びN−ラウロイル−L−グルタミン酸等が挙げられる。
【0037】
アニオン性界面活性剤としては、炭素数8〜24の炭化水素系エーテルカルボン酸又はその塩[(ポリ)オキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム及び(ポリ)オキシエチレンラウリルスルホコハク酸2ナトリウム等]、炭素数8〜24の炭化水素系硫酸エステル塩[ラウリル硫酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン及び(ポリ)オキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム等]、炭素数8〜24の炭化水素系スルホン酸塩[ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等]及び炭素数8〜24の炭化水素系リン酸エステル塩[ラウリルリン酸ナトリウム及び(ポリ)オキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム等]、脂肪酸塩[ラウリン酸ナトリウム及びラウリン酸トリエタノールアミン等]、アシル化アミノ酸塩[ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸ザルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸ザルコシントリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム及びラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム等]等が挙げられる。
【0038】
ノニオン性界面活性剤としては、脂肪族系アルコール(炭素数8〜24)アルキレンオキサイド(炭素数2〜8)付加物、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8)高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モノステアリン酸ポリエチレングリコール及びジステアリン酸ポリエチレングリコール等]、多価(2〜10価又はそれ以上)アルコール脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸エチレングリコール及びモノラウリン酸ソルビタン等]、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8)多価(2〜10価又はそれ以上)アルコール高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン及びポリオキシエチレンジオレイン酸メチルグルコシド等]、脂肪酸アルカノールアミド[1:1型ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド及び1:1型ラウリン酸ジエタノールアミド等]、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8)アルキル(炭素数1〜22)フェニルエーテル、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8)アルキル(炭素数8〜24)アミノエーテル及びアルキル(炭素数8〜24)ジアルキル(炭素数1〜6)アミンオキサイド[ラウリルジメチルアミンオキサイド等]等が挙げられる。
【0039】
両性界面活性剤としては、ベタイン型両性界面活性剤[ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(コカミドプロピルベタイン)、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン及びラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム等]及びアミノ酸型両性界面活性剤[ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(コカミドDEA)及びβ−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等]等が挙げられる。
【0040】
カチオン性界面活性剤としては、テトラアルキル(炭素数1〜18)アンモニウム塩、及びアルキル(炭素数1〜4)硫酸高級脂肪酸アミノアルキル(炭素数2〜4)トリアルキル(炭素数1〜4)アンモニウム塩(エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等)等が挙げられる。
【0041】
更には、米国特許第4,331,447号明細書に記載のアニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤等も挙げられる。
【0042】
キレート剤としては、エデト酸、ポリリン酸、ピロリン酸、グルコン酸及びこれらの塩等が挙げられる。
【0043】
pH調整剤としては、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、乳酸、コハク酸及びクエン酸等が挙げられる。
【0044】
清涼剤としては、L−メントール及びカンフル等が挙げられる。
【0045】
美白剤としては、アスコルビン酸誘導体、アルブチン、コウジ酸、グルタチオン及びグラブレン等が挙げられる。
【0046】
保湿剤としては、グリセリン、ポリエチレングリコール、ソルビトール、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム及びコンドロイチン硫酸塩等が挙げられる。
【0047】
コンディショニング剤としては、重量平均分子量500〜500万のカチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、シリコーン類、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、タンパク質誘導体、セラミド類、擬似セラミド類、炭素数16〜40の脂肪酸及びパンテノール等が挙げられる。
【0048】
香料としては、d−リモネン、β−カリオフィレン、シス−3−ヘキセノール、リナロール、ファルネソール、β−フェニルエチルアルコール、2,6−ノナジエナール、シトラール、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、β−イオノン、l−カルボン、シクロペンタデカノン、リナリルアセテート、ベンジルベンゾエート、γ−ウンデカラクトン、オイゲノール、ローズオキサイド、インドール、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、オーランチオール、シンナミックアルデヒド、メチルヨノンジャコウ、アニス精油、ケイ皮精油及びジャスミン精油等が挙げられる。
【0049】
着色料としては、青色1号、青色2号、緑色3号及び赤色1号等が挙げられ、化粧品に使用することができるものは、全て使用可能である。
【0050】
本発明の化粧品における水以外の任意成分の好ましい含有量は、それぞれ以下の通りである。
油剤、シリコーン化合物、アルコール類、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び保湿剤は、化粧品の全重量に基づき、好ましくはそれぞれ50重量%以下、更に好ましくは30重量%以下である。
キレート剤、ゲル化剤、美白剤及びコンディショニング剤は、化粧品の全重量に基づき、好ましくはそれぞれ20重量%以下、更に好ましくは10重量%以下である。
pH調整剤、清涼剤、香料及び着色料は、化粧品の全重量に基づき、好ましくはそれぞれ10重量%以下、更に好ましくは5重量%以下である。
【0051】
本発明の化粧品における本発明の抗菌剤の含有量は、化粧品の全重量に基づき、好ましくは0.01〜3重量%であり、更に好ましくは0.01〜2重量%であり、特に好ましくは0.01〜0.8重量%である。
本発明の化粧品における本発明の抗菌剤の含有量は、化粧品中の水以外の成分の全重量に基づき、好ましくは0.01〜5重量%であり、更に好ましくは0.01〜3重量%であり、特に好ましくは0.01〜1.5重量%である。
【0052】
本発明の化粧品における水の含有量は、化粧品の種類に応じて適宜選択されるが、化粧品の全重量に基づいて、好ましくは0〜99重量%であり、更に好ましくは0〜98重量%である。また、本発明の化粧品の有効成分濃度(水以外の成分の割合)は、好ましくは1〜100重量%であり、更に好ましくは2〜100重量%である。
【実施例】
【0053】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。以下、%は重量%、部は重量部を意味する。なお、実施例3は参考例1、実施例17は参考例2
、実施例1は参考例3、実施例4〜7は参考例4〜7、実施例15〜16は参考例8〜9である。
【0054】
<製造例1> [化合物(A−1)の製造]
撹拌及び温度調節機能の付いたガラス製オートクレーブに、1,2−ジヒドロキシドデカン202部(1モル部)、水酸化カリウム0.1部を投入し、混合系内を窒素で置換した後、減圧下(約20mmHg)、100℃にて1時間脱水を行った。次いでEO66部(1.5モル部)を150℃にて、ゲージ圧が1〜3kgf/cm
2となるように導入した。反応物に「キョーワード600」を3部投入し、90℃にて触媒を吸着処理後、ろ過により1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(A−1)を得た。
【0055】
<製造例2> [化合物(A−2)の製造]
撹拌及び温度調節機能の付いたガラス製オートクレーブに、1,2−ジヒドロキシデカン174部(1モル部)、過塩素酸アルミニウム・9水和物0.1部を投入し、混合系内を窒素で置換した後、減圧下(約20mmHg)、100℃にて1時間脱水を行った。次いでEO44部(1モル部)を95℃にて、ゲージ圧が1〜2kgf/cm
2となるように導入した。反応物に「キョーワード500(協和化学工業社製)」を2部投入し、90℃にて触媒を吸着処理後、ろ過により本発明の1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(A−2)を得た。
【0056】
<製造例3> [化合物(A−3)の製造]
撹拌及び温度調節機能の付いたガラス製オートクレーブに、1,2−ジヒドロキシドコサン342部(1モル部)、水酸化カリウム1.5部を投入し、混合系内を窒素で置換した後、減圧下(約20mmHg)、100℃にて1時間脱水を行った。次いでEO440部(10モル部)及びPO58部(1モル部)を同時に110℃にて、ゲージ圧が1〜3kgf/cm
2となるように導入した。反応物に「キョーワード600」を30部投入し、90℃にて触媒を吸着処理後、ろ過により1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(A−3)を得た。
【0057】
<製造例4> [化合物(A−4)の製造]
撹拌及び温度調節機能の付いたガラス製オートクレーブに、1,2−ジヒドロキシドデカン202部(1モル部)、水酸化カリウム1.5部を投入し、混合系内を窒素で置換した後、減圧下(約20mmHg)、100℃にて1時間脱水を行った。次いでPO58部(1モル部)を110℃にて、ゲージ圧が1〜3kgf/cm
2となるように導入した。
POが反応し圧力が反応開始時の圧力に下がったら、EO440部(10モル部)を150℃にて、ゲージ圧が1〜3kgf/cm
2となるように導入した。反応物に「キョーワード600」を30部投入し、90℃にて触媒を吸着処理後、ろ過により1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(A−4)を得た。
【0058】
製造例5〜7および比較製造例1〜2
原料の1,2−ジオールの種類と量、および触媒としての水酸化カリウムの量、およびアルキレンオキサイドの種類と量を表1に示したように代えたこと以外は製造例1と同様にして製造例5〜7および比較製造例1〜2の1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(A−5)〜(A−7)および(A’−1)又は(A’−2)を得た。
【0059】
【表1】
【0060】
<実施例1〜20及び比較例1〜7>
表2と表3に記載した部数の(A)、(B)を、撹拌機及び温度調節機能を備えた混合槽に投入し、20〜30℃で1時間撹拌して本発明の抗菌剤(X−1)〜(X−20)及び比較用の化粧品抗菌剤(Y−1)〜(Y−7)を得た。
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
表4に示した処方1の製剤、表5に示した処方2の製剤、表6に示した処方3の製剤、表7に示した処方4の製剤及び表8に示した処方5の製剤に、本発明の抗菌剤(X−1)〜(X−20)及び比較用の抗菌剤(Y−1)〜(Y−7)を配合した。
処方1における抗菌剤とクエン酸以外の各成分を配合し、70℃に加熱して均一に撹拌した後、撹拌下、所定量の抗菌剤を加えて更に均一になるまで撹拌し、50℃以下に冷却する。pHが6.5になるようにクエン酸で調製する。
【0064】
【表4】
【0065】
処方2における水、グリセリン、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムの順に加え、80℃に加熱して均一に撹拌する(配合物P)。次に、別の容器にステアリルアルコール、セチルアルコール、ジメチルポリシロキサンを80℃に加熱して均一に撹拌する(配合物Q)。配合物Pを80℃で撹拌下、配合物Qを徐々に加えて乳化させる。更にホモミキサーを使って乳化させた後、撹拌下、所定量の抗菌剤を加えて更に均一になるまで撹拌し、50℃以下に冷却する。pHが6.5になるようにクエン酸で調製する。
【0066】
【表5】
【0067】
処方3における所定量の水を高速撹拌下、ケイ酸アルミニウムマグネシウムを少しずつ加えて均一になるまで撹拌して分散させる。次に、通常撹拌下で所定量のグリセリン及びトリエタノールアミンを加え、70℃に加熱する(配合物P’)。別の容器にステアリン酸、セタノール、ミリスチン酸、親油型モノステアリン酸グリセリル及びラノリンをそれぞれ所定量配合し、加熱溶解後70℃で混合する(配合物Q’)。配合物P’を70℃で撹拌下徐々に配合物Q’を加えて乳化させる。その後、通常の撹拌をしながら冷却する。
【0068】
【表6】
【0069】
処方4における抗菌剤とクエン酸以外の各成分を配合し、70℃に加熱して均一に撹拌した後、撹拌下、所定量の抗菌剤を加えて更に均一になるまで撹拌し、50℃以下に冷却する。pHが6.5になるようにクエン酸で調製する。
【0070】
【表7】
【0071】
処方5における所定量のマイクロスタリンワックス、ミツロウ、ラノリン、流動パラフィン、スクワランを配合し、70℃に加熱して溶融させる。次に、70℃で撹拌下、所定量のモノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン及び抗菌剤を加え、均一になるまで混合する(配合物P’)。別の容器に水、プロピレングリコールの順に配合し、70℃まで加熱する(配合物Q’)。配合物Q’を70℃で撹拌下徐々に配合物P’を加えて乳化させる。その後、通常の撹拌をしながら冷却する。
【0072】
【表8】
【0073】
本発明の抗菌剤(X−1)〜(X−20)及び比較用の抗菌剤(Y−1)〜(Y−7)を用いて、処方1で得られたシャンプー、処方2で得られたコンディショナー、処方3で得られたO/Wモイスチャークリーム、処方4で得られたハンドクリーム、処方5で得られたO/Wエモリエントローションの抗菌性を、以下の評価方法で評価した。
<抗菌性の評価方法>
前記処方1〜5で配合した製剤を用いて、日本薬局方解説書の参考情報に記載されている「保存効力試験」に準じて抗菌性の評価を行った。
すなわち、各製剤中に初期の菌数が約10
5〜10
6cfu/mLとなるように各菌種を添加し、2週間後にそれぞれサンプリングして、必要に応じて希釈して各菌種に適した培地、培養条件にて残っている菌数を確認した。菌数から下記の基準で抗菌性の評価を行った。
【0074】
5点:100未満
4点:100以上1,000未満
3点:1,000以上10,000未満
2点:10,000以上100,000未満
1点:100,000以上
【0075】
点数が高いほど抗菌性に優れることを示す。4点または5点であれば、実使用できるレベルであると言える。
またブランクとして、抗菌剤無添加のサンプルを作製し、同様の手順で抗菌性の評価を行った。
なお、使用した菌種は大腸菌(E. Coli、菌1)、黄色ブドウ球菌(S. aureus、菌2)、緑膿菌(P. aerginosa、菌3)、カンジタ菌(C. albicans、菌4)及びクロコウジカビ(A. niger、菌5)である。
【0076】
抗菌性の評価結果を表9と表10に示す。
【0077】
【表9】
【0078】
【表10】
【0079】
表9と表10から明らかなように、本発明の抗菌剤(X−1)〜(X−20)は、いずれも各菌種に対して有効であり、抗菌スペクトルが広いと言える。また、処方1〜5のいずれの処方に対しても有効であり、適用できる処方の種類が多いと言える。
一方、R
1の炭素数が4の(A’−1)を用いた(Y−1)、m+nが18の(A’−2)を用いた(Y−2)、(B)を含有しない(Y−3)と(Y−4)、および(A)を含有しない(Y−5)は、本発明の抗菌剤と比較していずれの処方に対しても抗菌性が低い。また、フェノール性水酸基を1個だけ有する(B’−1)を用いた(Y−6)とアルコール性水酸基を有する(B’−2)を用いた(Y−7)は、処方1及び処方4では各菌種に対して有効であるものの、その他の処方に対する抗菌性が低く、適用できる処方が少ない。