特許第6843644号(P6843644)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6843644
(24)【登録日】2021年2月26日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】出隅部構造
(51)【国際特許分類】
   E04F 19/06 20060101AFI20210308BHJP
【FI】
   E04F19/06 A
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-27708(P2017-27708)
(22)【出願日】2017年2月17日
(65)【公開番号】特開2018-131863(P2018-131863A)
(43)【公開日】2018年8月23日
【審査請求日】2020年1月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】390018463
【氏名又は名称】アイジー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】本間秀映
【審査官】 西村 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−068882(JP,A)
【文献】 特開2013−221346(JP,A)
【文献】 特開平02−161064(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 19/06
E04F 19/02
E04F 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾式壁材の化粧面部の出隅部をカバーする出隅部構造において、出隅部は長尺状の敷目板と短尺状の化粧キャップとからなり、敷目板は水平部と嵌合部とから形成し、水平部は水平面状の固定片を略90度に形成し、嵌合部は水平部のほぼ中央部分を上方に屈曲して形成した2本のガイド片と、両ガイド片の先端を内側方に屈曲し先端を内方に屈曲して断面略U字状の嵌合溝を形成し、嵌合溝内に突出した嵌合爪とから形成した長尺状部材からなり、化粧キャップは水平面状の化粧面部と、化粧面部を略90度に形成し、裏面中央に長手方向に突出した係合部から形成し、係合部は化粧面部の裏面中央に突出可能な位置を45度で屈曲した立ち上がり部と、立ち上がり部の先端近傍に外側方に突出して形成した係合片から形成すると共に、化粧面部の上端には屋内側に屈曲した段差と、段差の先端を上方に突出した防水片と、防水片の中央部分を上方に突出した固定片と、固定片の中央部分を屋内方向に突出した突出片と、突出片により形成された溝と、溝の略中央部分に形成した固定孔とから形成し、出隅部の壁下地に敷目板を連続状で固定し、敷目板の嵌合部に化粧キャップの係合部を嵌合すると共に、固定具を化粧キャップの固定孔を介して壁下地に打設することにより、出隅部の下段から上段に複数個の化粧キャップを形成したことを特徴とする出隅部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建築、構築物に用いる乾式壁材の長手方向の端部を付き合わせてできる出隅部構造に関するものである。さらに詳しくは、出隅を形成する化粧キャップを敷目板に嵌合する際に、嵌合が確実かつ強固になる出隅部構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に金属板を表面材とし、合成樹脂発泡体を芯材とし、シート状物を裏面材としたサンドイッチ構造の乾式壁材、あるいは無機系の材料からなる乾式壁材を用いて横張り状に壁体を形成した場合には、乾式壁材の長手方向の突き合わせにより出隅部が形成され、出隅部はL型の出隅材・入隅材を脳天打ちしたり、敷目板と化粧キャップの2部材の嵌合により出隅部を形成する方法がある。(特許文献1〜2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−001964号公報
【特許文献2】特開2015−175207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1〜2は、敷目板と化粧キャップの2部材の嵌合により出隅部を形成する方法である。引用文献1は成形に余裕がなく化粧面となる第1壁部と第2壁部が施工時に変形することにより施工されるものである。また、引用文献2は壁下地に取り付けられたジョイナに目地キャップを嵌合する外壁材の接続部材に関するものであるが、これも化粧面が施工時に変形することにより施工されるものである。このために、各化粧面となる角度を90度に保つことが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこのような課題を解決するために、乾式壁材の化粧面部の出隅部をカバーする出隅部構造において、出隅部は長尺状の敷目板と短尺状の化粧キャップとからなり、敷目板は水平部と嵌合部とから形成し、水平部は水平面状の固定片を略90度に形成し、嵌合部は水平部のほぼ中央部分を上方に屈曲して形成した2本のガイド片と、両ガイド片の先端を内側方に屈曲し先端を内方に屈曲して断面略U字状の嵌合溝を形成し、嵌合溝内に突出した嵌合爪とから形成した長尺状部材からなり、化粧キャップは水平面状の化粧面部と、化粧面部を略90度に形成し、裏面中央に長手方向に突出した係合部から形成し、係合部は化粧面部の裏面中央に突出可能な位置を45度で屈曲した立ち上がり部と、立ち上がり部の先端近傍に外側方に突出して形成した係合片から形成すると共に、化粧面部の上端には屋内側に屈曲した段差と、段差の先端を上方に突出した防水片と、防水片の中央部分を上方に突出した固定片と、固定片の中央部分を屋内方向に突出した突出片と、突出片により形成された溝と、溝の略中央部分に形成した固定孔とから形成し、出隅部の壁下地に敷目板を連続状で固定し、敷目板の嵌合部に化粧キャップの係合部を嵌合すると共に、固定具を化粧キャップの固定孔を介して壁下地に打設することにより、出隅部の下段から上段に複数個の化粧キャップを形成した出隅部構造である。
【発明の効果】
【0006】
以上説明したように、本発明に係る出隅部構造によれば、(1)化粧キャップの上部が壁下地に固定されるために、化粧キャップの固定が確実でガタ付くことがない。(2)固定片に形成した溝部分に固定孔を形成するために、固定位置がバラ付かず連結部分に隙間が生じない。(3)固定片に形成した屋内側に突出した突出片と溝により、固定孔を介して固定するための固定具(釘)を屋内側に水平に、かつ左右にぶれることなく壁下地に打設することが出来る。などの特徴、効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る出隅部構造の施工状態を示す断面図である。
図2】本発明に係る出隅部構造に使用する敷目板と化粧キャップの一実施例を示す断面図である。
図3】本発明に係る出隅部構造に使用する化粧キャップの一実施例を示す説明図である。
図4】本発明に係る出隅部構造に使用する化粧キャップの一実施例を示す説明図である。
図5】本発明に係る出隅部構造に使用する化粧キャップの一実施例を示す説明図である。
図6】本発明に係る出隅部構造に使用する化粧キャップの一実施例を示す説明図である。
図7】本発明に係る出隅部構造に使用する化粧キャップの一実施例を示す説明図である。
図8】本発明に係る出隅部構造に使用する化粧キャップの一実施例を示す説明図である。
図9】本発明に係る出隅部構造に使用する化粧キャップの一実施例を示す説明図である。
図10】本発明に係る出隅部構造に使用する化粧キャップの一実施例を示す説明図である。
図11】本発明に係る出隅部構造に使用する化粧キャップの一実施例を示す説明図である。
図12】本発明に係る出隅部構造に使用する化粧キャップの一実施例を示す説明図である。
図13】本発明に係る出隅部構造に使用する化粧キャップの一実施例を示す説明図である。
図14】本発明に係る出隅部構造に使用する化粧キャップの一実施例を示す説明図である。
図15】本発明に係る出隅部構造に使用する化粧キャップの一実施例を示す説明図である。
図16】本発明に係る出隅部構造に使用する乾式壁材の一実施例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0008】
以下に図面を用いて本発明に係る出隅部構造の代表的な実施例について詳細に説明する。図1は本発明に係る出隅部構造を示す断面図、図2は本発明に係る出隅部構造に使用する敷目板B、化粧キャップを示す断面図であり、Aは出隅用ジョイナ、Bは敷目板、Cは化粧キャップ、Dは乾式壁材、αは壁下地、βは固定具である。
【0009】
図3は化粧キャップCを示す正面図、図4は化粧キャップCを示す背面図、図5は化粧キャップCを示す平面図、図6は化粧キャップCを示す底面図、図7は化粧キャップCを示す右側面図、図8は化粧キャップCを示す左側面図、図9は化粧キャップCを示す上部拡大図、図10は化粧キャップCを示す下部拡大図、図11は化粧キャップCを示す中間部拡大図、図12は化粧キャップCを示す上部背面拡大図、図13は化粧キャップCを示す下部背面拡大図、図14(a)と図15(a)は図9のa−a線断面図、図14(b)と図15(b)は図9のb−b線断面図、図16は乾式壁材Dを示す断面図である。
【0010】
出隅用ジョイナAは金属製薄板材、例えば鉄、アルミニウム、銅、ステンレス、チタン、アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板、ガルバリウム鋼板、ホーロー鋼板、クラッド鋼板、ラミネート鋼板(塩ビ鋼板等)、サンドイッチ鋼板(制振鋼板等)、合成樹脂製板材、例えば塩化ビニル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等(勿論、これらを各種色調に塗装したカラー板を含む)の一種をロール成形、プレス成形、等によって各種形状に成形ものである。
【0011】
敷目板Bは長尺状板材であり、図2(a)に示すように水平部1と嵌合部4とから形成したものである。さらに詳説すると、水平部1は水平面状の固定片2と、固定片2の先端をはぜ状に屈曲した舌片3とから形成したものである。また、嵌合部4は水平部1のほぼ中央部分を上方に屈曲して形成した2本のガイド片5と、両ガイド片5の先端を内側方に屈曲し先端を内方に屈曲して断面略U字状の嵌合溝6を形成し、嵌合溝6内に突出した嵌合爪7とから形成したものである。この嵌合部4は後記する化粧キャップCの係合部9を係合する部分である。
【0012】
化粧キャップCは乾式壁材Dの化粧面および断面形状によって定めるものであり、図16に示すような乾式壁材Dを使用して壁体を形成する場合には、図3図15(a)、(b)に示すような化粧キャップCとなる。
【0013】
さらに詳説すると、化粧キャップCは乾式壁材Dの化粧面D1と化粧目地D2と同形状に形成した狭い幅の化粧面8aと化粧目地8bよりなる化粧面部8と、化粧面部8の裏面中央に長手方向に突出した係合部9から形成したものであり、化粧面部8は図2に示すように、乾式壁材Dの端部を被覆し意匠性、防水性を向上する部分である。
【0014】
係合部9は化粧面部8の裏面中央に突出可能な位置を90°で屈曲した立ち上がり部10と、立ち上がり部10の先端近傍に外側方に突出して形成した係合片11からなり、係合片11は敷目板Bの嵌合爪7に係合され、化粧キャップCを壁下地αに固定するためのものである。
【0015】
化粧面部8の上部Jは、図14(a)、(b)〜図15(a)、(b)に示すように、化粧面部8の上端を屋内側に屈曲した段差12と、段差12の先端を上方に突出した防水片13と、防水片13の中央部分を上方に突出した固定片14と、固定片14の中央部分を屋内方向に突出した突出片15と、突出片15により形成された溝16と、溝16の略中央部分に形成した固定孔17と、突出片15形成用の切り欠き18と、切り欠きJ1とから形成したものである。
【0016】
化粧面部8の下部Kは、化粧面部8の下端を屋内側に折り返した舌片19と、切り欠きK1とから形成したものである。
【0017】
段差12は、化粧キャップCを上下方向に連結した際に、段差12により下部Kの舌片19の段差を吸収し、上下の化粧キャップCの化粧面部8間が平らな状態になるように形成したものである。
【0018】
上部Jの防水片13は、下部Kの舌片19と重なり合う部分である。
【0019】
上部Jの固定片14は、壁下地αに化粧キャップCを固定するための部分であり、切り欠き18を形成することにより、固定片14の中央部分を屋内側に突出した突出片15と溝16を形成し、さらに、溝16部分に固定孔17を形成することにより、固定孔17に固定具βを打設することにより、固定片14を壁下地αに固定し、化粧キャップCの上部Jを固定するものである。
【0020】
乾式壁材Dは図16に示すように、化粧面D1と化粧目地D2を形成した雄雌嵌合構造の乾式壁材Dであり、金属系サイディング材、窯業系サイディング材、セラミック、等より成形したものである。
【符号の説明】
【0021】
A 出隅用ジョイナ
B 敷目板
C 化粧キャップ
D 乾式壁材
D1 化粧面
D2 化粧目地
J 上部
J1 切り欠き
K 下部
K1 切り欠き
α 壁下地
β 固定具
1 水平部
2 固定片
3 舌片
4 嵌合部
5 ガイド片
6 嵌合溝
7 嵌合爪
8 化粧面部
8a 化粧面
8b 化粧目地
9 係合部
10 立ち上がり部
11 係合片
12 段差
13 防水片
14 固定片
15 突出片
16 溝
17 固定孔
18 切り欠き
19 舌片
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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